説明

多段切替式粒子状物質測定装置

【課題】測定精度と信頼性がともに高いフィルタ燃焼法を利用しながら、エンジン200から排出されるPMの質量を従来に比べ飛躍的に短いサンプリング間隔で測定できる粒子状物質測定装置100を提供する。
【解決手段】
運転状態にあるエンジン200からの排出ガスを導入可能に構成した少なくとも3本の通過流路L11、L12、L13と、各通過流路L11、L12、L13にそれぞれ設けられて、通過した排出ガスに含まれる粒子状物質を捕集する捕集フィルタF1、F2、F3と、各フィルタを、排出ガスが通過している捕集状態、捕集された粒子状物質が加熱されて気化乃至燃焼している加熱状態、冷却されている冷却状態の順にそれぞれ位相をずらせて遷移させる状態遷移機構6と、前記加熱状態にあるフィルタに連通し、前記粒子状物質が気化乃至燃焼して発生したガスを分析する分析部3と、を具備させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンの排出ガスに含まれる粒子状物質(以下、PM:Particulate Mattersとも言う)の質量等を測定する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンからの排出物質の1つであるPMの質量測定方法として周知なものの1つにフィルタ質量法がある。フィルタ質量法は、エンジン排出ガスの流路上にフィルタを配置してPMを捕集し、その捕集したPMの質量を秤量する方法であり、特定の標準物質が事実上存在しないPMにおいて、その質量を直接測定できることから、測定の確実性、正確性を期待できるものとして知られている。
【0003】
さらに近時では、このフィルタ質量法による測定結果に対して高い相関性を得られるフィルタ燃焼法と称される質量測定方法も開発されてきている。このフィルタ燃焼法は、捕集したPMを燃焼させ、そのガス濃度を分析することにより元々のPMの質量を算定する方法であり(特許文献1参照)、前記フィルタ質量法による秤量の限界を超えた微量なPMであっても測定できる他、フィルタ水分量の安定化が不要であることから、手間もかからず測定時間も比較的短くできるという利点がある。近時では、エンジン性能向上に伴ってPM排出量が少なくなり、前述した天秤によるフィルタ質量法では精度確保が難しくなりつつあることから、このフィルタ燃焼法が有力な質量測定法として注目を浴びつつある。
【0004】
一方で、エンジン性能の更なる向上や環境問題を鑑みて、路上等でのダイナミックな走行中でのPM排出量の時系列変化を測定したいという要請がある。
【0005】
しかしながら、これに対して、前記フィルタ質量法では、PMの捕集後、フィルタを取り外して質量計測しなければならないことから、PM排出量の時系列変化をみることはほぼ不可能である。また、フィルタ燃焼法によっても、PMの捕集後、燃焼させる工程が必要であり、一般的にはその燃焼行程も含めた測定時間として、約30秒から数分を必要とするため、それ以上の時間分解能でPM排出量の時系列変化をみることはできないうえ、燃焼中はPMを捕集できず、途切れ途切れのデータとなって、実用的には不十分である。
【特許文献1】特開2006−153896号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みて行われたものであって、測定精度と信頼性がともに高いフィルタ燃焼法を利用しながら、エンジンから排出されるPMを途切れることなく捕集しつつ、その質量の時間変化を従来に比べ飛躍的に高い時間分解能で測定できるようにすることをその主たる所期課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明に係る粒子状物質測定装置は、運転状態にあるエンジンからの排出ガスを導入可能に構成した少なくとも2本の通過流路と、前記各通過流路にそれぞれ設けられて、通過した排出ガスに含まれる粒子状物質を捕集する捕集フィルタと、各フィルタを、排出ガスが通過している捕集状態、捕集された粒子状物質が加熱されて気化乃至燃焼している加熱状態、冷却されている冷却状態の順にそれぞれ位相をずらせて遷移させる状態遷移機構と、前記加熱状態にあるフィルタに連通し、前記粒子状物質が気化乃至燃焼して発生したガスを分析する分析部と、を備えていることを特徴とする。
【0008】
短時間での加熱及び冷却を行うためには、捕集フィルタに対し、加熱用ガスを吹き付けて前記加熱状態とするとともに、冷却用ガスを吹き付けて前記冷却状態とするように構成しているものが好ましい。
【0009】
状態遷移を好適に行うための具体的な流体回路構成としては、加熱用ガスが通る加熱用ガス流路及び冷却用ガスが通る冷却用ガス流路をそれぞれ前記通過流路に接続するとともに、各流路にバルブを設けたものが望ましい。このようなものであれば、前記状態遷移機構によるバルブ切替制御のみによって、前記通過流路に、排出ガス、加熱用ガス、冷却用ガスがそれぞれ流れるように構成することができる。
【0010】
加熱状態にない捕集フィルタに対する、加熱用ガス流路からの熱影響をできるだけ低減するには、前記加熱用ガス流路が、排出ガスの流通方向からみて前記捕集フィルタより下流で通過流路に接続され、前記捕集フィルタの下流から前記加熱用ガスが吹き付けられるように構成しているものが好ましい。
【0011】
流体回路構成を可及的に簡素化する具体的態様としては、前記加熱用ガス流路と冷却用ガス流路との始端部分を共通化してそれらが途中から分岐するように構成するとともに、その分岐後の加熱用ガス流路の途中に加熱炉を設け、前記始端部分から導入された共通のガスのうち、加熱用ガス流路を流れるものは加熱炉で高温化されて加熱用ガスとなり、冷却用ガス流路を流れるものは、そのままあるいは冷却されて冷却用ガスとなるように構成しているものを挙げることができる。
【0012】
本発明を適用してその効果をより顕著にするには、車両搭載型のものにしておくことが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
このような構成の本発明によれば、従来、PM測定においてPMを捕集できずデッドタイムとなっていた加熱又は冷却状態において、他のフィルタでPMを捕集するようにしているので、途切れることなくPMを捕集することができ、しかも、各フィルタが次々と順に加熱状態、すなわちガス分析状態となるので、従来のように1つのフィルタで分析するのに比べ、測定間隔が実質的にフィルタの使用数分の1に短縮されて、測定時間分解能を飛躍的に向上させることができる。
【0014】
また、フィルタ燃焼法を利用しているので、PMの質量測定において、精度と信頼性を担保でき、しかも天秤法のように、フィルタの着脱や水分量の安定化、あるいは水分量安定化のための大型機器が必要ないので、車両搭載も可能である。そして車両搭載した場合は、前述したように、測定時間分解能を従来に比べ大きく向上できるので、路上実走行など、エンジンが動的に運転されている状況においてのPM排出量の時間変化を連続測定に近い状態で測定でき、従来ではなし得なかった動的なエンジン状態の解析やそれによる性能向上などに寄与できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
この粒子状物質測定装置100は、図1に示すように、内燃機関であるエンジン200の排出ガス中に含まれるPMの質量を測定するものであり、エンジン200の排気管201に接続されて、運転中のエンジン200から排出される排出ガスの一部が、直接又は希釈ユニット300により希釈されて導入される。
【0017】
より具体的にこの粒子状物質測定装置100の内部構造を説明すると、この粒子状物質測定装置100は、図2に示すように、運転状態にあるエンジン200からの排出ガスが導入される導入ポートPI1と、その導入ポートPI1から3分岐する通過流路L11、L12、L13と、分岐した各通過流路L11、L12、L13にそれぞれ設けられたPM捕集用の捕集フィルタF1、F2、F3と、各フィルタF1、F2、F3を、排出ガスが通過している捕集状態、捕集されたPMが加熱されて気化乃至燃焼している加熱状態、冷却されている冷却状態の順にそれぞれ位相をずらせて遷移させる状態遷移機構6と、前記加熱状態にあるフィルタに連通し、PMが気化乃至燃焼して発生したガスを分析する分析部3と、を備えている。
【0018】
捕集フィルタF1、F2、F3は、PMを燃焼させても自身が変化したりガスを発生したりしない耐熱性の高い、例えば石英などの材質で作られたものである。
【0019】
次に、前記捕集状態、加熱状態、冷却状態をそれぞれ生成するための、通過流路L11、L12、L13等を含む装置内流体回路構成について説明する。
【0020】
まず、捕集状態を作り出すために必要な捕集状態生成回路から説明する。この回路は、前記排出ガス導入ポートPI1と、その排出ガス導入ポートPI1から3分岐する通過流路L11、L12、L13と、各通過流路L11、L12、L13における捕集フィルタF1、F2、F3の下流にそれぞれ設けた第1開閉バルブV11、V12、V13とからなる。さらに、バルブV11、V12、V13の下流において各通過流路L11、L12、L13は合流して1本の統合流路Lとなり、その統合流路Lが排気ポートPOに接続されている。この統合流路L上には、ベンチュリ管などの一定流量Qallを流す定流量器4とルーツブロワなどの吸引ポンプ5とが設けられて、排気ポートPOにいる。
【0021】
このような構成において、いずれかの1つのバルブV11(V12、V13)を開き、他のバルブV12、V13((V11、V13)、(V11、V12))を閉じることによって、その開いたバルブV11(V12、V13)が設けられている通過流路L11(L12、L13)のみに排出ガスが流れ込み、対応する捕集フィルタF1(F2、F3)が捕集状態となる。
【0022】
加熱状態を作り出すために必要な加熱状態生成回路は、圧送されてくる加熱用ガスが流入する流入ポートPI2と、その流入ポートPI2から延出し途中で3分岐して、各通過流路L11、L12、L13の捕集フィルタF1、F2、F3よりも下流であって第1開閉バルブV11、V12、V13よりも上流にそれぞれ接続される加熱用ガス流路L21、L22、L23と、各加熱用ガス流路L21、L22、L23上に設けられた加熱炉R1、R2、R3と、その加熱炉R1、R2、R3の手前、すなわち前記流入ポートPI2側に設けられた第2開閉バルブV21、V22、V23とからなる。さらに、分岐前の加熱用ガス流路L2上には、加熱用ガス流量制御手段11を設けて、加熱用ガスの流量Q1を一定に制御している。前記加熱炉R1、R2、R3は、その内部構造を図3に示すように、内部管路71と、その周囲に巻き設けたヒータ72と、さらにそのヒータ72の周囲に設けた断熱材73と、管路71内に配設した複数の耐熱セラミックボール(例えばSiC球)74とを備えているものである。そして前記ヒータ72によって管路71及びセラミックボール74が所定温度にまで暖められることで、この加熱炉R1、R2、R3を通過する加熱用ガスが、管路71及びセラミックボール74から熱を与えられて、その温度が上昇する。
【0023】
このような構成において、いずれか1つの第2開閉バルブV21(V22、V23)のみを開くと、加熱炉R1(R2、R3)を通って加熱された加熱用ガスが、対応する通過流路L11(L12、L13)に流れ込み、排出ガスの流れ方向で言えば下流側から捕集フィルタF1(F2、F3)に吹き付けられる。そして、そこに捕集されているPMを気化乃至燃焼させる。その際に発生するガスは、加熱用ガスとともに、通過流路L11(L12、L13)を排出ガスの流れ方向とは逆向きに進行し、一部は、その通過流路L11(L12、L13)の途中から分岐する分析ガス流路L41(L42、L43)を通って、ガス分析を行う分析部3に導かれる。残りはその通過流路L11(L12、L13)を排出ガスの流れ方向とは逆向きにさらに進行し、通過流路L11、L12、L13が3分岐する分岐点で排出ガスと合流して他の通過流路L12(L13、L11)に流れ込む。
【0024】
なお、各通過流路L11、L12、L13から分岐する各ガス分析流路L41、L42、L43上には、第4開閉バルブV41、V42、V43が設けられているので、対応するバルブV41(V42、V43)のみを開いて、発生した前記ガスを分析部3に導入可能にしておく必要がある。付言しておくと、ガス分析流路は1本に統合され、その統合されたガス分析流路L4上に、ドライヤ2、分析部3、分析ガスの流量Qmを制御する分析ガス流量制御装置4がこの順で配置されている。分析部3は、例えばNDIRなどを利用したものであり、発生したガスを測定して得られたCO及びSOの質量からPMの質量を算出するものである。
【0025】
冷却状態を作り出すための冷却状態生成回路は、常温状態の冷却用ガスが導入されるガス流入ポートPI2と、その流入ポートPI2から延出し途中で3分岐して、各通過流路L11、L12、L13の捕集フィルタF1、F2、F3よりも下流であって第1開閉バルブV11、V12、V13よりも上流にそれぞれ接続される冷却用ガス流路L31、L32、L33と、各冷却用ガス流路L31、L32、L33にそれぞれ設けられた第3開閉バルブV31、V32、V33とからなるものである。また、分岐前の冷却用ガス流路L3上には、冷却用ガス流量制御手段12を設けて、冷却用ガスの流量Q2を一定に制御させている。
【0026】
このような構成において、いずれか1つの第3開閉バルブV31(V32、V33)のみを開くと、冷却用ガスは、対応する通過流路L11(L12、L13)に流れ込み、捕集フィルタF1(F2、F3)に、排出ガスの流れ方向で言えば、下流側から吹き付けられる。このようにして捕集フィルタF1(F2、F3)を冷却した冷却用ガスは、その通過流路L11(L12、L13)を排出ガスの流れ方向とは逆向きにさらに進行し、通過流路L11、L12、L13の分岐点から排出ガスと合流して他の通過流路L12(L13、L11)に流れ込む。
【0027】
なお、流量制御手段13は、本装置100に流れ込む排出ガスの流量Qinの流量を制御するためのものである(定流量器に流れ込むガスの総流量は、Qin+Q1+Q2+Q3-Qmであり、定流量器に流れるガスの流量はQallで一定、Q1、Q2、Qmも一定にすれば、Q3を制御することでQinを制御できる)。
【0028】
ところで、以上に説明した加熱状態生成回路及び冷却状態生成回路の構成から明らかなように、この実施形態では、加熱用ガス流路L21、L22、L23と冷却用ガス流路L31、L32、L33との始端部分である流入ポートPI2が共通化されており、加熱用ガスと冷却用ガスとは共通したガスを用いることができるようにしてある。そして流路が途中から分岐して、加熱用ガス流路L21、L22、L23を流れるガスは加熱炉R1、R2、R3で高温化されて加熱用ガスとなり、冷却用ガス流路L31、L32、L33を流れるものは、そのまま冷却用ガスとなるように構成している。なお、これら加熱用ガス流路と冷却用ガス流路とを別個に設け、異なるガスを用いるようにしても構わない。
【0029】
状態遷移機構6は、図2に示すように、例えば、CPU、メモリ、入出力チャネルなどから構成された専用乃至汎用のいわゆるコンピュータであり、そのメモリに格納したプログラムにしたがってCPUが動作してバルブ制御信号を出力し、前記流体回路における各バルブV11〜V43を開閉制御するものである。
【0030】
具体的なバルブV11〜V43の開閉制御のタイミングチャートを図4、各状態を図5〜図7に示す。
【0031】
まず図5に示すように、第1フィルタF1が捕集状態にあるときに、第2フィルタF2は加熱状態にあり、第3フィルタF3は冷却状態にある。そして次の状態遷移により、第1フィルタF1は加熱状態、第2フィルタF2は冷却状態、第3フィルタF3は捕集状態となる(図6参照)。さらにその次の状態遷移により、第1フィルタF1は冷却状態、第2フィルタF2は捕集状態、第3フィルタF3は加熱状態となる(図7参照)。そしてこのサイクルを繰り返す。しかして、各フィルタF1(F2、F3)に着目すれば、捕集状態、加熱状態、冷却状態の順に状態遷移し、一方で、フィルタF1、F2、F3毎の状態位相は互いにずれていおり、特に1つのフィルタが捕集状態を終えると、空き時間なく次のフィルタが捕集状態となる。
【0032】
したがって、このような構成であれば、いずれかのフィルタF1(F2、F3)が常に捕集状態となっており、PMの捕集もれがないうえ、3枚のフィルタF1、F2、F3が次々と加熱状態、すなわちガス分析状態となるので、従来のように1つのフィルタで分析するのに比べ、測定間隔を実質的に1/3に短縮することができ、その時間分解能を飛躍的に向上させることができる。
【0033】
さらに言えば、この3つのフィルタを有した流体回路を基本構成として、複数の流体回路を並列に設け、各流体回路での位相をずらせることで、サンプリングタイムを1つのフィルタの場合の1/6(2つの流体回路の場合)、1/9(3つの流体回路の場合)・・・と言うぐあいに、さらに短縮することも可能である。
【0034】
また、フィルタ燃焼法を基本的には利用しているので、PMの質量測定において精度と信頼性を担保でき、しかも天秤法のように、フィルタの着脱や水分量の安定化、あるいは水分量安定化のための大型機器が必要ないので、車両搭載も可能である。
【0035】
そして本装置100を車両搭載した場合は、前述したように、測定の時間分解能を従来に比べ大幅に向上できるので、路上実走行など、エンジン200が動的に運転されている状況においてのPM排出量の時間変化を連続測定に近い状態で把握でき、従来ではなし得なかったエンジン200の動的解析やそれによる性能向上などに寄与できる。
【0036】
なお、本発明は、前記実施形態に限られるものではない。
【0037】
例えば、通過流路を2本にし、2つのフィルタで構成することも可能である、その場合は、1つを捕集状態にし、他を加熱及び冷却状態にすればよい。この構成によれば、測定間隔を実質的に1/2に短縮することができる。また前記同様、この2つのフィルタを有した流体回路を基本構成として、複数の流体回路を並列に設け、各流体回路での位相をずらせることで、サンプリングタイムを1つのフィルタの場合の1/4(2つの流体回路の場合)、1/6(3つの流体回路の場合)・・・と言うぐあいに、さらに短縮することも可能である。
【0038】
また、加熱状態、冷却状態の各期間長さは、捕集状態の期間長さに必ずしも合致させる必要はない。
【0039】
さらに、例えば流体回路構成の変更は適宜可能であるし、加熱炉を用いず、フィルタを保持しているフィルタ保持室を加熱するようにしてもよい。状態遷移機構もコンピュータのみならず、シーケンサなど、他の電気制御機器を用いて構わない。
【0040】
その他、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態における粒子状物質測定装置を含んだ全体計測システムを示す模式図。
【図2】同実施形態における粒子状物質測定装置の全体を示す流体回路図。
【図3】同実施形態における加熱炉等を示す縦断面図。
【図4】同実施形態におけるバルブ開閉タイミングを示すタイミングチャート。
【図5】同実施形態における粒子状物質測定装置の各状態を示す流体回路図。
【図6】同実施形態における粒子状物質測定装置の各状態を示す流体回路図。
【図7】同実施形態における粒子状物質測定装置の各状態を示す流体回路図。
【符号の説明】
【0042】
100・・・粒子状物質測定装置
200・・・エンジン200
3・・・分析部
6・・・状態遷移機構
L11、L12、L13・・・通過流路
L2、L21、L22、L23・・・加熱用ガス流路
L3、L31、L32、L33・・・冷却用ガス流路
F1、F2、F3・・・捕集フィルタ
R1、R2、R3・・・加熱炉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転状態にあるエンジンからの排出ガスを導入可能に構成した少なくとも2本の通過流路と、
前記各通過流路にそれぞれ設けられ、通過した排出ガスに含まれる粒子状物質を捕集する捕集フィルタと、
各フィルタを、排出ガスが通過している捕集状態、捕集された粒子状物質が加熱されて気化乃至燃焼している加熱状態、冷却されている冷却状態の順にそれぞれ位相をずらせて遷移させる状態遷移機構と、
前記加熱状態にあるフィルタに連通し、前記粒子状物質が気化乃至燃焼して発生したガスを分析する分析部と、を備えている粒子状物質測定装置。
【請求項2】
捕集フィルタに対し、加熱用ガスを吹き付けて前記加熱状態とするとともに、冷却用ガスを吹き付けて前記冷却状態とするように構成している請求項1記載の粒子状物質測定装置。
【請求項3】
加熱用ガスが通る加熱用ガス流路及び冷却用ガスが通る冷却用ガス流路をそれぞれ前記通過流路に接続するとともに、各流路にバルブを設け、前記状態遷移機構によるバルブ切替制御によって、前記通過流路に、排出ガス、加熱用ガス、冷却用ガスがそれぞれ流れるように構成している請求項2記載の粒子状物質測定装置。
【請求項4】
前記加熱用ガス流路が、排出ガスの流通方向からみて前記捕集フィルタより下流で通過流路に接続され、前記捕集フィルタの下流から前記加熱用ガスが吹き付けられるように構成している請求項3記載の粒子状物質測定装置。
【請求項5】
前記加熱用ガス流路と冷却用ガス流路との始端部分を共通化してそれらが途中から分岐するように構成するとともに、その分岐後の加熱用ガス流路の途中に加熱炉を設け、
前記始端部分から導入された共通のガスのうち、加熱用ガス流路を流れるものは加熱炉で高温化されて加熱用ガスとなり、冷却用ガス流路を流れるものは、そのままあるいは冷却されて冷却用ガスとなるように構成している請求項3、4又は5記載の粒子状物質測定装置。
【請求項6】
車両搭載型のものである請求項1乃至5いずれか記載の粒子状物質測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−157693(P2008−157693A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−345083(P2006−345083)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(000155023)株式会社堀場製作所 (638)
【Fターム(参考)】