説明

多波長発光素子及びその製造方法

【課題】従来にない新規な多波長発光素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】多波長発光素子10は、発光波長が異なる第1及び第2発光領域A1,A2が構成されている。第1発光領域A1では、第1半導体下地層141と、その上に積層された第1半導体発光層151とが設けられている。第2発光領域A2では、第1半導体下地層141の上に配置された第1半導体下地層141と同一の構成元素で且つ元素組成比が異なる半導体で形成された第2半導体下地層142と、その上に積層された第2半導体発光層152とが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多波長発光素子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光波長が相互に異なる複数の半導体発光層を同一基板上に形成した多波長発光素子が種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、同一基板上に、GaP系、AlGaAs系、またはAlGaInP系化合物半導体からなる発光ダイオード部を少なくとも1個積層し、その発光ダイオード部上に、GaN系化合物半導体からなる発光ダイオード部を1個以上積層した多波長発光素子が開示されている。
【0004】
特許文献2には、1つの基板材料上に少なくとも2種類以上の半導体発光素子を形成し、各々の半導体発光素子上に、それぞれの素子の発光波長に反応する蛍光体を複数種類塗布し、各々の半導体発光素子を同時に発光させることにより、広範囲の発光波長を有する可視光を発光する多波長発光装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−55538号公報
【特許文献2】特開2008−71805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、従来にない新規な多波長発光素子及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の多波長発光素子は、発光波長が異なる第1及び第2発光領域が構成されたものであって、
上記第1発光領域では、第1半導体下地層と、その上に積層された第1半導体発光層と、が設けられ、
上記第2発光領域では、上記第1半導体下地層の上に配置された該第1半導体下地層と同一の構成元素で且つ元素組成比が異なる半導体で形成された第2半導体下地層と、その上に積層された第2半導体発光層と、が設けられている。
【0008】
本発明の多波長発光素子の製造方法は、第1半導体下地層を形成し、その上に、該第1半導体下地層と同一の構成元素で且つ元素組成比が異なる半導体で第2半導体下地層を、該第1半導体下地層の一部分が露出した状態に形成した後、露出した第1半導体下地層の一部分の上及び第2半導体下地層の上にそれぞれ第1及び第2半導体発光層を同時に形成するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、第1発光領域において、第1半導体下地層の上に第1半導体発光層が積層されて設けられ、第2発光領域において、第1半導体下地層の上に配置された第1半導体下地層と同一の構成元素で且つ元素組成比が異なる半導体で形成された第2半導体下地層の上に第2半導体発光層が積層されて設けられた構成を有する従来にない新規な多波長発光素子である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態1に係る多波長発光素子の断面図である。
【図2】(a)及び(b)は、実施形態1に係る多波長発光素子の製造方法の第1説明図である。
【図3】実施形態1に係る多波長発光素子の製造方法の第2説明図である。
【図4】(a)〜(c)は、実施形態1に係る多波長発光素子の製造方法の第3説明図である。
【図5】(a)〜(c)は、実施形態1に係る多波長発光素子の製造方法の第4説明図である。
【図6】(a)〜(c)は、実施形態1に係る多波長発光素子の製造方法の第5説明図である。
【図7】実施形態1に係る多波長発光素子の製造方法の第6説明図である。
【図8】実施形態2に係る多波長発光素子の断面図である。
【図9】(a)〜(c)は、実施形態2に係る多波長発光素子の製造方法の説明図である。
【図10】実施形態3に係る多波長発光素子の断面図である。
【図11】(a)〜(c)は、実施形態3に係る多波長発光素子の製造方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態について図面に基づいて説明する。
【0012】
[実施形態1]
(多波長発光素子)
図1は実施形態1に係る多波長発光素子10を示す。
【0013】
<基板>
実施形態1に係る多波長発光素子10はベースとなる基板11を備えている。
【0014】
基板11としては、例えば、サファイア基板、SiC基板等が挙げられる。これらのうち汎用性の観点からAl23のコランダム構造の単結晶基板であるサファイア基板が好ましい。
【0015】
基板11の主面(基板11の厚さ方向を法線方向とし、それに直交する面)は、法線方向がa軸であるa面<{11−20}面>、法線方向がc軸であるc面<{0001}面>、及び法線方向がm軸であるm面<{1−100}面>のいずれであってもよく、また、r面<{1−102}面>、n面<{11−23}面>等の他の結晶面であってもよい。さらに、基板11の主面は、a軸等が主面の法線方向に対して所定の角度(例えば45°や60°、あるいは数度以内の微少角)傾斜したミスカット面であってもよい。つまり、基板11はミスカット基板であってもよい。なお、a面、c面、及びm面は面方位が相互に直交する。
【0016】
基板11は、表面に結晶成長面12を有している。基板11の結晶成長面12は、基板11の主面であってもよく、また、図1に示すように、基板11に形成された凹溝11aの側面であってもよい。凹溝11aは、側面を有せば、コの字溝であってもよく、V字溝であってもよく、台形溝であってもよい。凹溝11aは、例えば、溝開口幅が0.5〜10μm、溝深さが0.75〜100μm、及び溝側面の主面に対してなす角度が70〜120°である。凹溝11aは、1本だけが形成されていてもよく、また、複数本が相互に間隔をおいて並行に延びるように形成されていてもよい。後者の場合、溝間隔は例えば1〜100μmである。なお、結晶成長面12は、その他の凹部の側面や凸部乃至突条の側面で構成されていてもよい。
【0017】
<u-半導体層>
実施形態1に係る多波長発光素子10は、基板11上に積層されるように設けられたu-半導体層13を備えている。このu-半導体層13は、結晶成長面12を起点として、アンドープの半導体が結晶成長して形成されたものである。
【0018】
u-半導体層13を形成する半導体としては、例えば、InGaN、AlGaN等が挙げられる。u-半導体層13の厚さは例えば2〜20μmである。
【0019】
u-半導体層13の主面は、a面<{11−20}面>、c面<{0001}面>、及びm面<{1−100}面>のいずれであってもよく、また、r面<{1−102}面>や(20−21)、(11−22)、(1−101)等の他の結晶面であってもよい。さらに、u-半導体層13の主面は、a軸等が主面の法線方向に対して所定の角度(例えば45°や60°、あるいは数度以内の微少角)傾斜した面であってもよい。u-半導体層13の主面は、厚さ方向の分極を防止する観点からは、a面<{11−20}面>やm面<{1−100}面>の無極性面又は(20−21)、(11−22)、(1−101)面等の半極性面であることが好ましい。
【0020】
なお、基板11とu-半導体層13との間には、厚さが20〜30nm程度の低温バッファ層が設けられていてもよい。
【0021】
<n型半導体層、半導体発光層、及びp型半導体層>
実施形態1に係る多波長発光素子10は、u-半導体層13の上に積層されるように設けられた第1n型半導体層141(第1半導体下地層)、第1n型半導体層141の表面の一部分を露出させて、第1n型半導体層141の上に積層されるように設けられた第1半導体発光層151、及び第1半導体発光層151の上に積層されるように設けられた第1p型半導体層161を備えている。第1n型半導体層141は、u-半導体層13の主面を起点として、n型ドーパントがドープされた半導体がエピタキシャル結晶成長して形成されたものである。第1半導体発光層151は、第1n型半導体層141の主面を起点として半導体がエピタキシャル結晶成長して形成されたものである。第1p型半導体層161は、第1半導体発光層151の主面を起点として、p型ドーパントがドープされた半導体がエピタキシャル結晶成長して形成されたものである。従って、第1n型半導体層141、第1半導体発光層151、及び第1p型半導体層161は、u-半導体層13の主面と同一の結晶面を主面とする。
【0022】
実施形態1に係る多波長発光素子10は、第1p型半導体層161の表面の一部分を除いて、第1p型半導体層161の上に積層されるように設けられた第2n型半導体層142(第2半導体下地層)、第2n型半導体層142の表面の一部分を露出させて、第2n型半導体層142の上に積層されるように設けられた第2半導体発光層152、及び第2半導体発光層152の上に積層されるように設けられた第2p型半導体層162を備えている。第2n型半導体層142は、第1p型半導体層161の主面を起点として、n型ドーパントがドープされた半導体がエピタキシャル結晶成長して形成されたものである。第2半導体発光層152は、第2n型半導体層142の主面を起点として半導体がエピタキシャル結晶成長して形成されたものである。第2p型半導体層162は、第2半導体発光層152の主面を起点として、p型ドーパントがドープされた半導体がエピタキシャル結晶成長して形成されたものである。従って、第2n型半導体層142、第2半導体発光層152、及び第2p型半導体層162は、第1p型半導体層161、よって、u-半導体層13の主面と同一の結晶面を主面とする。
【0023】
実施形態1に係る多波長発光素子10は、第2p型半導体層162の表面の一部分を除いて、第2p型半導体層162の上に積層されるように設けられた第3n型半導体層143(第3半導体下地層)、第3n型半導体層143の表面の一部分を露出させて、第3n型半導体層143の上に積層されるように設けられた第3半導体発光層153、及び第3半導体発光層153の上に積層されるように設けられた第3p型半導体層163を備えている。第3n型半導体層143は、第2p型半導体層162の主面を起点として、n型ドーパントがドープされた半導体がエピタキシャル結晶成長して形成されたものである。第3半導体発光層153は、第3n型半導体層143の主面を起点として半導体がエピタキシャル結晶成長して形成されたものである。第3p型半導体層163は、第3半導体発光層153の主面を起点として、p型ドーパントがドープされた半導体がエピタキシャル結晶成長して形成されたものである。従って、第3n型半導体層143、第3半導体発光層153、及び第3p型半導体層163は、第2p型半導体層162、よって、u-半導体層13の主面と同一の結晶面を主面とする。
【0024】
そして、実施形態1に係る多波長発光素子10では、第1p型半導体層161の露出部分が第1発光領域A1、第2p型半導体層162の露出部分が第2発光領域A2、及び第3p型半導体層163の積層部分が第3発光領域A3にそれぞれ構成されている。
【0025】
−第1〜第3n型半導体層−
第1〜第3n型半導体層141〜143は、同一の構成元素の半導体で形成されている。第1〜第3n型半導体層141〜143を形成する半導体としては、例えば、InGaN、AlGaN等が挙げられる。
【0026】
第1〜第3n型半導体層141〜143を形成する半導体は、同一の構成元素を有するが、元素組成比が相互に異なっている。具体例としては、例えば、第1n型半導体層141がIn0.05GaN、第2n型半導体層142がIn0.2GaN、及び第3n型半導体層143がIn0.3GaNでそれぞれ形成された構成が挙げられる。
【0027】
第1〜第3n型半導体層141〜143に含まれるn型ドーパントとしては、例えば、Si、Ge等が挙げられる。n型ドーパントの濃度は例えば1.0×1017〜20×1017/cm3である。
【0028】
第1〜第3n型半導体層141〜143は、単一層で構成されていてもよく、また、n型ドーパントの種類や濃度の異なる複数の層で構成されていてもよい。第1〜第3n型半導体層141〜143の厚さは例えば2〜10μmである。
【0029】
これらの第1〜第3n型半導体層141〜143は、後述の第1〜第3半導体発光層151〜153の下地層を構成するものであり、例えばInGaN/GaN超格子構造などのように欠陥の伝搬及び発生を防ぐ構造を有していてもよい。
【0030】
−第1〜第3半導体発光層−
第1〜第3半導体発光層151〜153は、相互に同一の構成元素で且つ元素組成比が異なる半導体で形成されていてもよく、また、相互に異なる構成元素の半導体で形成されていてもよい。第1〜第3半導体発光層151〜153は、相互に同一の構成元素の半導体で形成され、層厚が異なっていてもよい。これにより、第1〜第3半導体発光層151〜153は、発光波長が相互に異なるように構成されている。第1〜第3半導体発光層151〜153を形成する半導体としては、例えば、InGaN、AlGaN等が挙げられる。
【0031】
第1〜第3半導体発光層151〜153が相互に元素組成比が異なるInGaNで形成されている場合、第1半導体発光層151を形成するInGaNよりも第2半導体発光層152を形成するInGaNの方がInN混晶比が高く、また、第2半導体発光層152を形成するInGaNよりも第3半導体発光層153を形成するInGaNの方がInN混晶比がさらに高いことが好ましい。ここで、InGaNの発光波長は、InN混晶比に依存し、InN混晶比が高いほど発光波長は長波長となる。従って、第1半導体発光層151のみを含む第1発光領域A1、第1及び第2半導体発光層151,152を含む第2発光領域A2、並びに第1〜第3半導体発光層151〜153を含む第3発光領域A3は相互に発光波長が異なり、しかも、この順に全体を平均したInN混晶比が高くなるので、発光波長もこの順に長くなる。
【0032】
第1〜第3半導体発光層151〜153は、 単一層で構成されていてもよく、また、井戸層と障壁層とが交互に積層された多重量子井戸層構造を有していてもよい。第1〜第3半導体発光層151〜153の厚さは例えば3〜100nmである。
【0033】
なお、第1〜第3発光領域A1〜A3は、例えば、R(赤)、G(緑)、及びB(青)の光を発光するようにそれぞれ構成されていてもよい。これによりワンチップの白色発光素子(白色LED)を構成することができる。
【0034】
−第1〜第3p型半導体層−
第1〜第3p型半導体層161〜163は、相互に同一の構成元素の半導体で形成されていてもよく、また、相互に異なる構成元素の半導体で形成されていてもよい。前者の場合、第1〜第3p型半導体層161〜163を形成する半導体は同一の元素組成比を有していてもよい。第1〜第3p型半導体層161〜163を形成する半導体としては、例えば、InGaN、AlGaN等が挙げられる。
【0035】
第1〜第3p型半導体層161〜163に含まれるp型ドーパントとしては、例えば、Mg、Cd等が挙げられる。ホール効果測定で測定される自由正孔濃度は例えば2.0×1017〜10×1017/cm3である。
【0036】
第1〜第3p型半導体層161〜163は、単一層で構成されていてもよく、また、p型ドーパントの種類や濃度の異なる複数の層で構成されていてもよい。第1〜第3p型半導体層161〜163の厚さは例えば50〜200nmである。
【0037】
<n型電極及びp型電極>
実施形態1に係る多波長発光素子10は、第1〜第3n型半導体層141〜143に電気的に接続するようにそれぞれ設けられた第1〜第3n型電極171〜173、及び第1〜第3p型半導体層161〜163に電気的に接続するようにそれぞれ設けられた第1〜第3p型電極181〜183を備えている。
【0038】
第1〜第3n型電極171〜173の構成電極材料としては、例えば、Ti/Al、Ti/Al/Mo/Au、Hf/Au等の積層構造、或いは合金等が挙げられる。第1〜第3n型電極171〜173の厚さは例えばTi/Al(10nm/500nm)である。
【0039】
第1〜第3p型電極181〜183としては、例えば、Pd/Pt/Au、Ni/Au、Pd/Mo/Au等の積層構造、或いは合金等、又はITO(酸化インジウム錫)などの酸化物系透明導電材料が挙げられる。なお、第1〜第3p型電極181〜183の上にはワイヤーボンディング用のパッド電極が必要であり、多くの場合は第1〜第3n型電極171〜173と同じ材料系が用いられる。第1〜第3p型電極181〜183の厚さは例えばITOの場合10〜200nmである。
【0040】
(多波長発光素子の製造方法)
実施形態1に係る多波長発光素子10の製造方法について図2〜7に基づいて説明する。以下の実施形態1に係る多波長発光素子10の製造方法では、ウエハ11’(基板11)上に形成した凹溝11aの側面から結晶成長させたu-半導体層13としてのu-InGaN層、第1n型半導体層141としてのSiをドープした第1n型InGaN層、第1半導体発光層151としての第1InGaN層、及び第1p型半導体層161としてのMgをドープした第1p型InGaN層の各半導体層を順に形成し、次いで、第2n型半導体層142としてのSiをドープした第2n型InGaN層、第2半導体発光層152としての第2InGaN層、及び第2p型半導体層162としてのMgをドープした第2p型InGaN層の各半導体層を順に形成し、続いて、第3n型半導体層143としてのSiをドープした第3n型InGaN層、第3半導体発光層153としての第3InGaN層、及び第3p型半導体層163としてのMgをドープした第3p型InGaN層の各半導体層を順に形成し、そして、第1〜第3n型半導体層141〜143並びに第1及び第2p型半導体層161,162のそれぞれが露出するようにエッチングを行った後、第1〜第3n型半導体層141〜143及び第1〜第3p型半導体層161〜163の上に、それぞれ第1〜第3n型電極171〜173及び第1〜第3p型電極181〜183を形成するものを例とする。
【0041】
<ウエハ(基板)準備工程>
ウエハ11’の各多波長発光素子10の形成領域において、図2(a)に示すように、凹溝形成予定部分だけが開口部となるようにフォトレジスト20のパターニングを形成し、図2(b)に示すように、フォトレジスト20をエッチングレジストとしてエッチングすることにより、ウエハ11’の表面に凹溝11aを形成した後、フォトレジスト20を除去する。
【0042】
このとき、ウエハ11’の各多波長発光素子10の形成領域には、表面に結晶成長面12を構成する凹溝11aの側面が露出する。
【0043】
<半導体層形成工程>
以下の各半導体層の形成方法としては、有機金属気相成長法(Metal Organic Vapor Phase Epitaxy:MOVPE)、分子線エピタキシ法(Molecular Beam Epitaxy:MBE)、ハイドライド気相成長法(Hydride Vapor Phase Epitaxy:HVPE)等が挙げられ、これらのうち有機金属気相成長法が最も一般的である。以下では、有機金属気相成長法を利用した各半導体層の形成方法について説明する。
【0044】
各半導体層の形成に用いるMOVPE装置は、各々、電子制御される、ウエハ搬送系、ウエハ加熱系、ガス供給系、及びガス排気系で構成されている。ウエハ加熱系は、熱電対及び抵抗加熱ヒータ、その上に設けられた炭素製或いはSiC製のサセプタで構成されている。そして、MOVPE装置は、ウエハ加熱系において、搬送される石英トレイのサセプタの上にセットされたウエハ11’上に反応ガスにより半導体層を結晶成長させるように構成されている。
【0045】
−u-半導体層形成工程−
上記MOVPE装置を用い、表面に凹溝11aを形成加工したウエハ11’を、表面が上向きになるように石英トレイ上にセットした後、ウエハ11’を1050〜1150℃に加熱すると共に反応容器内の圧力を10k〜100kPaとし、また、反応容器内に設置したフローチャネル内にキャリアガスとしてH2を流通させ、その状態を数分間保持することによりウエハ11’をサーマルクリーニングする。
【0046】
次いで、ウエハ11’の温度を900〜1150℃とすると共に反応容器内の圧力を10k〜100kPaとし、また、反応容器内にキャリアガスH2を10L/min程度の流量で流通させながら、そこに反応ガスとして、V族元素供給源(NH3)、III族元素供給源1(TMG)、及びIII族元素供給源2(TMI)を、それぞれの供給流量が0.1〜5L/min、5〜15μmol/min、及び2〜30μmol/min流す。
【0047】
このとき、図3に示すように、結晶成長条件の選択により、結晶成長面12である凹溝11aの側面を起点として、アンドープのInGaNが基板11の上に積層されるように結晶成長してu-半導体層13が形成される。
【0048】
なお、u-半導体層13を形成する前に低温バッファ層を形成する場合には、ウエハ11’の温度を400〜500℃としてGaNを結晶成長させればよい。
【0049】
−第1n型半導体層形成工程−
反応容器内の圧力を10k〜100kPaとし、また、反応容器内にキャリアガスH2を所定流量で流通させながら、そこに反応ガスとして、V族元素供給源(NH3)、III族元素供給源1(TMG)、V族元素供給源(NH3)、III族元素供給源1(TMG)、及びIII族元素供給源2(TMI)、並びにn型ドーピング元素供給源(SiH4)を、それぞれ適量の供給流量で流す。
【0050】
このとき、図4(a)に示すように、結晶成長条件の選択により、u-半導体層13の主面を起点として、n型ドーパントであるSiがドープされたInGaNがu-半導体層13の上に積層されるようにエピタキシャル結晶成長して第1n型半導体層141が形成される。
【0051】
−第1半導体発光層形成工程−
ウエハ11’の温度を800℃程度とすると共に反応容器内の圧力を10k〜100kPaとし、また、反応容器内にキャリアガスN2を5〜15L/minの流量で流通させながら、そこに反応ガスとして、V族元素供給源(NH3 )、III族元素供給源1(TMG)、及びIII族元素供給源2(TMI)を、それぞれの供給流量が0.1〜5L/min、5〜15μmol/min、及び2〜30μmol/min流す。
【0052】
このとき、図4(b)に示すように、結晶成長条件の選択により、第1n型半導体層141の主面を起点として、InGaNが第1n型半導体層141の上に積層されるようにエピタキシャル結晶成長して第1半導体発光層151が形成される。
【0053】
−第1p型半導体層の形成工程−
ウエハ11’の温度を1000〜1100℃とすると共に反応容器内の圧力を10k〜100kPaとし、また、反応容器内にキャリアガスのH2を所定流量で流通させながら、そこに反応ガスとして、V族元素供給源(NH3)、III族元素供給源1(TMG)、V族元素供給源(NH3)、III族元素供給源1(TMG)、及びIII族元素供給源2(TMI)、並びにp型ドーピング元素供給源(Cp2Mg)を、それぞれ適量の供給流量で流す。
【0054】
このとき、図4(c)に示すように、結晶成長条件の選択により、第1半導体発光層151の主面を起点として、p型ドーパントであるMgがドープされたInGaNが第1半導体発光層151の上に積層されるように結晶成長して第1p型半導体層161が形成される。
【0055】
−第2n型半導体層形成工程−
反応ガスの供給流量を変更することを除いて第1n型半導体層形成工程と同様の操作を行う。
【0056】
このとき、図5(a)に示すように、結晶成長条件の選択により、第1p型半導体層161の主面を起点として、第1n型半導体層141と同一の構成元素で且つ元素組成比が異なるInGaNが第1p型半導体層161の上に積層されるようにエピタキシャル結晶成長して第2n型半導体層142が形成される。なお、InN混晶比は、TMIのモル流量/(TMGのモル流量+TMIのモル流量)と成長温度によって決定されることから、第1n型半導体層141よりもInN混晶比を高めるためには、第1n型半導体層形成工程よりもIII族元素供給源2(TMI)の供給流量を増やすことが好ましい。
【0057】
−第2半導体発光層形成工程−
第1半導体発光層形成工程と同様の操作を行う。
【0058】
このとき、図5(b)に示すように、結晶成長条件の選択により、第2n型半導体層142の主面を起点として、第1半導体発光層151とは元素組成比が異なる半導体で形成された、及び/又は、第1半導体発光層151とは層厚が異なるInGaNが第1n型半導体層141の上に積層されるようにエピタキシャル結晶成長して第2半導体発光層152が形成される。
【0059】
−第2p型半導体層の形成工程−
第1p型半導体層形成工程と同様の操作を行う。
【0060】
このとき、図5(c)に示すように、結晶成長条件の選択により、第2半導体発光層152の主面を起点として、p型ドーパントであるMgがドープされたInGaNが第2半導体発光層152の上に積層されるようにエピタキシャル結晶成長して第2p型半導体層162が形成される。
【0061】
−第3n型半導体層形成工程−
反応ガスの供給流量を変更することを除いて第1及び第2n型半導体層形成工程と同様の操作を行う。
【0062】
このとき、図6(a)に示すように、結晶成長条件の選択により、第2p型半導体層162の主面を起点として、第1及び第2n型半導体層141,142と同一の構成元素で且つ元素組成比が異なるInGaNが第2p型半導体層162の上に積層されるようにエピタキシャル結晶成長して第3n型半導体層143が形成される。なお、InN混晶比は、TMIのモル流量/(TMGのモル流量+TMIのモル流量)と成長温度によって決定されることから、第1及び第2n型半導体層141,142よりもInN混晶比を高めるためには、第1及び第2n型半導体層形成工程よりもIII族元素供給源2(TMI)の供給流量を増やすことが好ましい。
【0063】
−第3半導体発光層形成工程−
第1及び第2半導体発光層形成工程と同様の操作を行う。
【0064】
このとき、図6(b)に示すように、結晶成長条件の選択により、第3n型半導体層143の主面を起点として、第1及び第2半導体発光層151,152とは元素組成比が異なる半導体で形成された、及び/又は、第1及び第2半導体発光層151,152とは層厚が異なるInGaNが第3n型半導体層143の上に積層されるようにエピタキシャル結晶成長して第3半導体発光層153が形成される。
【0065】
−第3p型半導体層の形成工程−
第1及び第2p型半導体層形成工程と同様の操作を行う。
【0066】
このとき、図6(c)に示すように、結晶成長条件の選択により、第3半導体発光層153の主面を起点として、p型ドーパントであるMgがドープされたInGaNが第3半導体発光層153の上に積層されるようにエピタキシャル結晶成長して第3p型半導体層163が形成される。
【0067】
<電極形成及び劈開工程>
図7に示すように、第1〜第3n型半導体層141〜143並びに第1及び第2p型半導体層161,162のそれぞれが露出するように反応性イオンエッチングし、露出した第1〜第3n型半導体層141〜143並びに第1〜第3p型半導体層161〜163の上に、真空蒸着、スパッタリング、CVD(Chemical Vapor Deposition)等の方法により、それぞれ第1〜第3n型電極171〜173及び第1〜第3p型電極181〜183を形成する。なお、第1n型半導体層141、第1半導体発光層151、及び第1p型半導体層161からなり第1p型半導体層161が露出した部分が第1発光領域A1、第1及び第2n型半導体層141,142、第1及び第2半導体発光層151,152、並びに第1及び第2p型半導体層161,162からなり第2p型半導体層162が露出した部分が第2発光領域A2、また、第1〜第3n型半導体層141〜143、第1〜第3半導体発光層151〜153、並びに第1〜第3p型半導体層161〜163からなり第3p型半導体層163が露出した部分が第3発光領域A3にそれぞれ構成される。
【0068】
そして、ウエハ11’を劈開することにより個々に分断し、実施形態1に係る多波長発光素子10が製造される。
【0069】
[実施形態2]
(多波長発光素子)
図8は実施形態2に係る多波長発光素子10を示す。なお、実施形態1と同一名称の部分は実施形態1と同一符号で示す。
【0070】
実施形態2に係る多波長発光素子10は、u-半導体層13の上に積層されるように設けられた第1n型半導体層141(第1半導体下地層)、第1n型半導体層141の表面の一部分を露出させて、第1n型半導体層141の上に積層されるように設けられた第1半導体発光層151、第1半導体発光層151の表面の一部分を除いて、第1半導体発光層151の上に積層されるように設けられた第2n型半導体層142(第2半導体下地層)、第2n型半導体層142の表面の一部分を露出させて、第2n型半導体層142の上に積層されるように設けられた第2半導体発光層152、第2半導体発光層152の表面の一部分を除いて、第2半導体発光層152の上に積層されるように設けられた第3n型半導体層143(第3半導体下地層)、及び第3n型半導体層143の表面の一部分を露出させて、第3n型半導体層143の上に積層されるように設けられた第3半導体発光層153を備えている。第1n型半導体層141は、u-半導体層13の主面を起点として、n型ドーパントがドープされた半導体がエピタキシャル結晶成長して形成されたものである。第1半導体発光層151は、第1n型半導体層141の主面を起点として半導体がエピタキシャル結晶成長して形成されたものである。第2n型半導体層142は、第1半導体発光層151の主面を起点として、n型ドーパントがドープされた半導体がエピタキシャル結晶成長して形成されたものである。第2半導体発光層152は、第2n型半導体層142の主面を起点として半導体がエピタキシャル結晶成長して形成されたものである。第3n型半導体層143は、第2半導体発光層152の主面を起点として、n型ドーパントがドープされた半導体がエピタキシャル結晶成長して形成されたものである。第3半導体発光層153は、第3n型半導体層143の主面を起点として半導体がエピタキシャル結晶成長して形成されたものである。第1〜第3n型半導体層141〜143を形成する半導体は、同一の構成元素を有するが、元素組成比が相互に異なっている。なお、第1〜第3n型半導体層141〜143は、第1〜第3半導体発光層151〜153の下地層を構成するものであり、例えばInGaN/GaN超格子構造などのように欠陥の伝搬及び発生を防ぐ構造を有していてもよい。
【0071】
実施形態2に係る多波長発光素子10は、第1半導体発光層151の第2n型半導体層142が積層されていない部分、第2半導体発光層152の第3n型半導体層143が積層されていない部分、及び第3半導体発光層153の上に積層されるように設けられた第1〜第3p型半導体層161〜163を備えている。第1〜第3p型半導体層161〜163は、それぞれ第1〜第3半導体発光層151〜153の主面を起点として半導体がエピタキシャル結晶成長して形成されたものである。
【0072】
実施形態2に係る多波長発光素子10は、第1〜第3n型半導体層141〜143に電気的に接続するようにそれぞれ設けられた第1〜第3n型電極171〜173、及び第1〜第3p型半導体層161〜163に電気的に接続するようにそれぞれ設けられた第1〜第3p型電極181〜183を備えている。
【0073】
実施形態2に係る多波長発光素子10では、第1p型電極181が設けられた第1p型半導体層161の露出部分が第1発光領域A1、第2p型電極182が設けられた第2p型半導体層162の露出部分が第2発光領域A2、及び第3p型電極183が設けられた第3p型半導体層163の積層部分が第3発光領域A3にそれぞれ構成されている。
【0074】
各層の詳細構成及びその他の構成は実施形態1と同一である。
【0075】
(多波長発光素子の製造方法)
実施形態2に係る多波長発光素子10の製造方法では、図9(a)に示すように、ウエハ11’(基板11)上に形成した凹溝11aの側面から結晶成長させたu-半導体層13としてのu-InGaN層、第1n型半導体層141としてのSiをドープした第1n型InGaN層、第1半導体発光層151としての第1InGaN層、第2n型半導体層142としてのSiをドープした第2n型InGaN層、第2半導体発光層152としての第2InGaN層、第3n型半導体層143としてのSiをドープした第3n型InGaN層、及び第3半導体発光層153としての第3InGaN層を順に形成し、次いで、図9(b)に示すように、第1〜第3n型半導体層141〜143並びに第1及び第2半導体発光層151,152のそれぞれが露出するようにエッチングを行った後、図9(c)に示すように、第1〜第3半導体発光層151〜153の露出部分にそれぞれ第1〜第3p型InGaN層を同時に形成し、さらに、第1〜第3n型半導体層141〜143の露出部分及び第1〜第3p型半導体層161〜163の上に、それぞれ第1〜第3n型電極171〜173及び第1〜第3p型電極181〜183を形成する。
【0076】
各工程の詳細は実施形態1と同一である。
【0077】
[実施形態3]
(多波長発光素子)
図10は実施形態3に係る多波長発光素子10を示す。なお、実施形態1と同一名称の部分は実施形態1と同一符号で示す。
【0078】
実施形態3に係る多波長発光素子10は、u-半導体層13の上に積層されるように設けられた第1n型半導体層141(第1半導体下地層)、第1n型半導体層141の表面の一部分を露出させると共に表面の他の一部分を除いて、第1n型半導体層141の上に積層されるように設けられた第2n型半導体層142(第2半導体下地層)、及び第2n型半導体層142の表面の一部分を露出させると共に表面の他の一部分を除いて、第2n型半導体層142の上に積層されるように設けられた第3n型半導体層143(第3半導体下地層)を備えている。第1n型半導体層141は、u-半導体層13の主面を起点として、n型ドーパントがドープされた半導体がエピタキシャル結晶成長して形成されたものである。第2n型半導体層142は、第1n型半導体層141の主面を起点として、n型ドーパントがドープされた半導体がエピタキシャル結晶成長して形成されたものである。第3n型半導体層143は、第2n型半導体層142の主面を起点として、n型ドーパントがドープされた半導体がエピタキシャル結晶成長して形成されたものである。第1〜第3n型半導体層141〜143を形成する半導体は、同一の構成元素を有するが、元素組成比が相互に異なっている。なお、第1〜第3n型半導体層141〜143は、第1〜第3半導体発光層151〜153の下地層を構成するものであり、例えばInGaN/GaN超格子構造などのように欠陥の伝搬及び発生を防ぐ構造を有していてもよい。
【0079】
実施形態3に係る多波長発光素子10は、第1n型半導体層141の第2n型半導体層142が積層されていない他の一部分、第2n型半導体層142の第3n型半導体層143が積層されていない他の一部分、及び第3n型半導体発光層の上に積層されるように設けられた第1〜第3半導体発光層151〜153を備えている。第1〜第3半導体発光層151〜153は、それぞれ第1〜第3n型半導体層141〜143の主面を起点として半導体がエピタキシャル結晶成長して形成されたものである。また、実施形態3に係る多波長発光素子10は、第1〜第3半導体発光層151〜153の上に積層されるように設けられた第1〜第3p型半導体層161〜163を備えている。第1〜第3p型半導体層161〜163は、それぞれ第1〜第3半導体発光層151〜153の主面を起点として半導体がエピタキシャル結晶成長して形成されたものである。
【0080】
実施形態2に係る多波長発光素子10は、第1〜第3n型半導体層141〜143に電気的に接続するようにそれぞれ設けられた第1〜第3n型電極171〜173、及び第1〜第3p型半導体層161〜163に電気的に接続するようにそれぞれ設けられた第1〜第3p型電極181〜183を備えている。
【0081】
実施形態3に係る多波長発光素子10は、第1p型電極181が設けられた第1p型半導体層161の露出部分が第1発光領域A1、第2p型電極182が設けられた第2p型半導体層162の露出部分が第2発光領域A2、及び第3p型電極183が設けられた第3p型半導体層163の積層部分が第3発光領域A3にそれぞれ構成されている。
【0082】
各層の詳細構成及びその他の構成は実施形態1と同一である。
【0083】
(多波長発光素子の製造方法)
実施形態3に係る多波長発光素子10の製造方法では、図11(a)に示すように、ウエハ11’(基板11)上に形成した凹溝11aの側面から結晶成長させたu-半導体層13としてのu-InGaN層、第1n型半導体層141としてのSiをドープした第1n型InGaN層、第2n型半導体層142としてのSiをドープした第2n型InGaN層、及び第3n型半導体層143としてのSiをドープした第3n型InGaN層を順に形成し、次いで、図11(b)に示すように、第1及び第2n型半導体層141,142のそれぞれが露出するようにエッチングを行った後、図11(c)に示すように、第1〜第3n型半導体層141〜143の露出部分にそれぞれ第1〜第3半導体発光層151〜153を同時に形成する。ここで、第1〜第3n型半導体層143を形成する半導体は、同一の構成元素を有するが、元素組成比が相互に異なっていることから、第1〜第3半導体発光層151〜153は、同一の構成元素で且つ相互に元素組成比が異なる半導体で形成され、及び/又は、同一の構成元素により相互に層厚が異なって形成される。その後、第1〜第3半導体発光層151〜153の上にそれぞれ第1〜第3p型半導体層161〜163を同時に形成し、さらに、第1〜第3n型半導体層141〜143の露出部分及び第1〜第3p型半導体層161〜163の上にそれぞれ第1〜第3n型電極171〜173及び第1〜第3p型電極181〜183を形成する。
【0084】
各工程の詳細は実施形態1と同一である。
【0085】
[その他の実施形態]
上記実施形態では、第1〜第3発光領域A1〜A3を有する多波長発光素子10としたが、特にこれに限定されるものではなく、3つよりも多くの発光領域を有するものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は多波長発光素子及びその製造方法について有用である。
【符号の説明】
【0087】
10 多波長発光素子
11 基板
11a 凹溝
11’ ウエハ
12 結晶成長面
13 u-半導体層
141〜143 第1〜第3n型半導体層(第1〜第3半導体下地層)
151〜153 第1〜第3半導体発光層
161〜163 第1〜第3p型半導体層
171〜173 第1〜第3n型電極
181〜183 第1〜第3p型電極
20 フォトレジスト
A1〜A3 第1〜第3発光領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光波長が異なる第1及び第2発光領域が構成された多波長発光素子であって、
上記第1発光領域では、第1半導体下地層と、その上に積層された第1半導体発光層と、が設けられ、
上記第2発光領域では、上記第1半導体下地層の上に配置された該第1半導体下地層と同一の構成元素で且つ元素組成比が異なる半導体で形成された第2半導体下地層と、その上に積層された第2半導体発光層と、が設けられた多波長発光素子。
【請求項2】
請求項1に記載された多波長発光素子において、
上記第1及び第2半導体発光層は、相互に同一の構成元素で且つ元素組成比が異なる半導体で形成されている多波長発光素子。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された多波長発光素子において、
上記第1及び第2発光領域とは発光波長が異なる第3発光領域が構成され、
上記第3発光領域では、上記第1及び第2半導体下地層の上に配置された該第1及び第2半導体下地層と同一の構成元素で且つ元素組成比が異なる半導体で形成された第3半導体下地層と、その上に積層された第3半導体発光層と、が設けられている多波長発光素子。
【請求項4】
第1半導体下地層を形成し、その上に、該第1半導体下地層と同一の構成元素で且つ元素組成比が異なる半導体で第2半導体下地層を、該第1半導体下地層の一部分が露出した状態に形成した後、露出した第1半導体下地層の一部分の上及び第2半導体下地層の上にそれぞれ第1及び第2半導体発光層を同時に形成する多波長発光素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−195529(P2012−195529A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60133(P2011−60133)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(304020177)国立大学法人山口大学 (579)
【Fターム(参考)】