説明

大動脈弁修復

本発明は、大動脈弁を脱石灰するためのデバイスおよび方法を提供する。本発明の方法およびデバイスは、石灰性沈着物への熱エネルギーの付与または石灰性沈着物からの熱エネルギーの除去を通じて大動脈弁中または大動脈弁の周りの石灰性沈着物を分解または拭い去る。心臓弁修復のための処置カテーテルが記載され、近位端および遠位端を備えるカテーテル本体、心臓弁上または心臓弁近傍の局在化石灰性部位上の塞栓封じ込め領域を生成するための上記カテーテル本体の遠位端近傍の手段、および上記石灰性部位を破壊するように適合された作業要素であって、上記塞栓封じ込め領域内に位置決め可能である作業要素を備える。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(発明の背景)
大動脈弁狭窄は、毎年、合衆国で約65,000の大動脈置換手術を生じる一般的な心臓疾患である。大動脈弁狭窄は、リウマチ病、先天性石灰性狭窄および変性石灰性狭窄を含むいくつかの病因を経由して生じ得る。発展途上国では、リウマチ熱が弁組織の厚化および進行性不動状態を生じている。石灰性疾患は、合衆国において、およびリウマチ疾患が稀である国における大動脈狭窄のほとんどすべての場合の原因である。
【0002】
経時的に、カルシウムの構築は、弁の輪中、小葉尖頭に沿って、および小葉上または小葉内で生じ得る。結節性石灰性沈着物のようなこの石灰性材料は、下にある線維性大動脈弁小葉上に重ねられ得るか、または石灰性沈着物は、大動脈弁小葉の本体(海綿体)の全体に拡散して分配され得る。沈着物の分布およびタイプは、弁の幾何学的形状(二尖、三尖)に依存して異なり得るが、これら沈着物は、一般に、小葉不動性、厚化および変性弁機能に至るその他の病因に寄与する。この疾患の存在および進行は、弁の疾患機能領域および劇的に減少した心拍出量に至る。
【0003】
1980年代後半および1990年代前半には、大動脈弁のバルーン拡張、または弁形成術が、大動脈弁狭窄のための一般的な治療になった。順行性(経中隔)アプローチまたは逆行性(大動脈)アプローチのいずれかからの大きな血管形成術バルーンを用いる大動脈弁の拡張は、左心室駆出率(増加した心拍出量)、弁を横切る圧力勾配における減少、および弁断面積における増加を生じた。エネルギーを基礎にした治療を含む種々の弁形成術バルーン設計が、Lapkinによる特許文献1、Menoによる特許文献2、Hoffmanによる特許文献3、Cribierによる特許文献4、Crayzelによる特許文献5および特許文献6、Shimadaによる特許文献7、Owensによる特許文献8、Schturnmanによる特許文献9および特許文献10、Claymanによる特許文献11、Towerによる特許文献12および特許文献13に開示されており、これらの開示は、明示して本明細書喪中に参考として援用される。
【0004】
さらに、上記バルブ損傷を脱石灰するための種々の外科的アプローチが、石灰性物質を創傷清拭するか、または除去するための超音波デバイスを利用して試みられた。このようなデバイスは、CUSA ExelTMUltrasonic Surgical Aspiratorおよびハンドピース(23kHzおよび36kHz、Radionics、TYCO Healthcare、Mansfield、MA)を含む。さらなる作業、アプローチおよび結果は、非特許文献1、非特許文献2、および非特許文献3に記載され、これらの開示は、本明細書中に明示して援用される。
【0005】
デバイスおよび技法は、しかし、弁断面積を増加する最も穏やかな能力のみを持つ。例えば、多くの研究は、約0.6cmの拡張前面積が、僅か約0.9〜約1.0cmまでに開かれ得ることを示した。このような狭窄を、約1.2〜約1.5cmにより近い面積に開くことが所望され得る。この断面積を開くことに加え、弁を硬くし、流れ動力学を損ない、そしてそうでなければ弁機能を変性する石灰性沈着物を除去するために、小葉および周辺の輪を処置することが所望され得る。この目的のために、カルシウム沈着物の直接的外科的超音波創傷清拭のようなその他の技法がある程度の成功を有したが、開放外科的切開を必要とし、それによって患者のリスクを増大する。
【0006】
バルーン拡張は、患者に、生存し得る、侵襲性のより少ない代替物を提供したが、それは、主に、処置後の弁の急速な再狭窄の結果として1990年代初期から半ばに好まれなくなった。6ヶ月目に、再狭窄率の報告は、一般に、70〜80%を超えた。今日では、バルーン血管形成術は、主に、共存症状態に起因して外科的置換の候補でない年老いた患者における緩和ケアのためにとって置かれている。
【0007】
経皮的弁置換技術を配置するための技術に関する最近の臨床の注目の的はまた、弁形成術および大動脈弁修復をある程度再び行うようにした。Corazon,Inc.は、大動脈弁の小葉を、デバイスの中心を通る血流が、カルシウム溶解剤または軟化剤が小葉の上および小葉の周りに循環される間で保たれるように単離するシステムを開発している。例えば、その開示が明示して本明細書中に参考として援用される特許文献14を参照のこと。希望は、カルシウムを軟化することにより小葉の剛直性を減少することが、弁がより正常に機能すること、および増加した心拍出量を可能にすることである。このシステムは複雑であり、30分を超える軟化剤曝露時間を必要とし、そしていく人かの患者で完全AVブロックおよび緊急ペースメーカー移植を生じている。
【0008】
さらに、その他の技術が記載され、種々の方法で大動脈狭窄を取り扱っている。Pedersonによる特許文献16は、大動脈狭窄の血管形成術および処置での使用のための、バルーン材料および設計、ならびにリングインプラントを開示し、の開示は、明示して本明細書中に参考として援用される。さらに、Pederson博士は、最近、大動脈弁狭窄治療にためのRADAR研究の初期結果を提示した。この研究は、伝統的なバルーン血管形成術を、外部ビーム照射と組み合わせ、拡張後に生じる再狭窄を防ぐことを試みる。照射治療は、冠状動脈血管形成術で再狭窄に対しポジティブな衝撃を有することが示されたが、このRADAR研究で採用された方法は、患者が最小限4〜6の別個の手順、初期弁形成術プラス3〜5の別個の照射治療セッションを受けることを要求する。これらの照射治療セッションは、癌の照射処置のために用いられるのと類似している。
【0009】
過去3年に亘り、冠状動脈バルーン血管形成術およびステント使用後の再狭窄の予防における劇的な進歩が、Boston ScientificおよびJohnson&Johnsonのような企業よる薬物溶出ステントの導入によってなされている。これらのデバイスは、亜急性創傷治癒を管理し、そして裸の金属ステント中または孤立した血管形成術で再狭窄を引き起こした長期間の過剰増殖治癒応答を防ぐために、冠状動脈の壁に、制御され、そして持続する用量の抗増殖剤を送達する。さらに、その開示が明示して本明細書中に参考として援用される特許文献17に詳述されるように、種々の進歩が、ACEインビター、スタチン、およびアンギオテンシン、特にアンギオテンシンIIを含む抗石灰化薬物の投与に関してなされた。
【特許文献1】米国特許第3,667,474号明細書
【特許文献2】米国特許第4,484,579号明細書
【特許文献3】米国特許第4,787,388号明細書
【特許文献4】米国特許第4,777,951号明細書
【特許文献5】米国特許第4,878,495号明細書
【特許文献6】米国特許第4,796,629号明細書
【特許文献7】米国特許第4,819,751号明細書
【特許文献8】米国特許第4,986,830号明細書
【特許文献9】米国特許第5,443,446号明細書
【特許文献10】米国特許第5,295,958号明細書
【特許文献11】米国特許第5,904,679号明細書
【特許文献12】米国特許第5,352,199号明細書
【特許文献13】米国特許第6,746,463号明細書
【特許文献14】米国特許第6,746,463号明細書
【特許文献15】米国特許出願公開第2004/0082910号明細書
【特許文献16】米国特許出願公開第2005/007219号明細書
【特許文献17】米国特許出願公開第2004/0057955号明細書
【非特許文献1】「狭窄二尖大動脈弁 対 狭窄三尖大動脈弁からの石灰化小葉の組織構造の対比」、Journal of American College of Cardiolgy 1990年4月;15(5):1104−8、
【非特許文献2】「超音波大動脈弁脱石灰化:直列式ドップラー超音波心臓検査フォローアップ」、Journal of American College of Cardiology 1990年9月;16(3):623−30
【非特許文献3】「経皮的バルーン大動脈血管形成術:順行性経中隔 対 従来の逆行性経中隔アプローチ」、Catheterization and Cardiovascular interventions 64:314−321(2005)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来の方法が、合理的に首尾良いことが証明されているけれども、大動脈弁狭窄および血管形成術後の引き続く再狭窄の問題またはその他の介入はなお、より良好な解決法を必要としている。本発明は、大動脈狭窄のためにより有効な処置を生成し、そして大動脈再狭窄の発生および/または重篤度を防ぐかまたは減少する種々のデバイスおよび方法を提供する。さらに、本発明は、孤立した治療であるか、または伝統的弁形成術、ステント使用、および経皮的または外科的弁置換のような従来の技法と組み合わせたいずれかで、大動脈狭窄の脱石灰化または除去のための方法およびデバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(発明の簡単な要旨)
本発明は、大動脈弁およびその他の心臓弁の修復に、そしてより詳細には、このような修復を達成するためのカルシウム除去および抗再狭窄システムのためのデバイスおよび方法に関する。本発明は、多くの異なる形態をとり得、大動脈修復もしくは弁形成術のときに実施される装置、急性介入、または一時的もしくは永久的インプラントなどを含む。
【0012】
1つの局面では、石灰化を破壊するためにエネルギーの付与または除去による弁上または弁の周りの石灰化の減少または除去の方法およびデバイスである。本発明は、弁に対して超音波エネルギー、RFエネルギー、機械的エネルギーなどを付与し得、この弁から石灰化を除去する。あるいは、それに代わって、この石灰化からエネルギーを除去することが所望され得(例えば、寒剤で冷却する)、弁から石灰化の除去を促進する。すべての場合において、心臓弁上またはその近傍の局在化石灰性部位上に塞栓封じ込め領域を生成することが所望され得る。このような封じ込めは、この局在化部位の周りに構造物を生成することにより、そして/またはこの部位からそれらが生成されるとき塞栓粒子を能動的に吸引することにより達成され得る。適切な構造物は、フィルター、バスケット、バルーン、ハウジングなどを含む。
【0013】
本発明の別の局面では、処置カテーテルが提供され、作業要素を疾患弁の近傍に送達する。作業要素は、超音波要素、または心臓弁中またはその周りの石灰性沈着物を破壊、例えば、裂くかまたは拭い去ることができる任意のその他の送達機構または要素を含み得る。このような要素は、操縦可能であり得るか、またはそうでなければ位置決め可能であり、使用者が、カテーテルの遠位端を肉眼で見て、初期配置が患者の動脈を通って弁に向け、そして次に処置の前および/またはその間に配置を正確に調節することを可能にする。
【0014】
別の局面では、本発明は、大動脈弁中またはその周りの石灰性沈着物を破壊、例えば、裂くかまたは拭い去ることができる機械的要素を含む処置カテーテルを提供する。超音波を基礎にするカテーテルと同様に、機械的要素を備えるこのカテーテルは、操縦可能であり得るか、またはそうでなければ位置決め可能であり、使用者が、初期配置、および次いで処置の間の微細調整配置のためにカテーテルの遠位端を肉眼で見て方向付けることを可能にするように関節運動可能であり得る。
【0015】
本発明のさらなる局面では、ガイドカテーテルを含むシステムがまた、別個のカテーテルとして、または処置デバイスの一部としてのいずれかで、処置されるべき疾患の部位で処置カテーテルを位置決めするために採用され得る。1つの実施では、主ガイドカテーテルが、大動脈弁に対する処置カテーテルを含む第2の位置決めカテーテルを中心付けるために用いられ得る。この処置カテーテルは、次いで、さらに関節運動され得、作動端部になおさらなる指向性を提供する。種々のその他の装置および方法が、この処置カテーテルを位置決めおよび安定化するために採用され得、成形バルーン、バスケットおよび心臓を整調する方法を含む。
【0016】
本発明のさらなる局面では、処置部位または処置部位の下流いずれかの処置カテーテル上に位置するフィルター、処置カテーテル上に位置する吸引ハウジング、吸引デバイスと連結された灌流バルーン、別個の吸引カテーテル、別個のフィルターデバイス、および/または外部フィルターおよび灌流システムを用いる方法が、石灰化部位を破壊するため、そして処置部位から塞栓およびその他の残渣を捕捉および排出するために用いられ得る。特定のフィルターの実施形態は、弁を通る流れをなお可能にしながら、上記処置カテーテルが処置されるべき位置に接近することを可能にするような形状であり得る。
【0017】
特に、本発明による心臓弁を処置するための方法は、石灰性部位上に塞栓封じ込め領域を生成する工程、およびこの部位を破壊し、そしてこの封じ込め領域中に含まれる塞栓を生成し得るためにエネルギーを送達する工程を包含する(低温療法を含む)。この封じ込め領域は、代表的には、標的部位上に直接局在化され、通常、関連する大動脈またはその他の血管がブロックまたは閉塞されないような限られたサイズを有する。この封じ込め領域は、石灰化部位上に、フィルター構造、バスケット、またはバルーンのような障壁を用いて生成され得る。あるいは、またはさらに、この封じ込め領域は、局在化吸引により、実質的にすべての塞栓をそれが形成されるとき除去して生成され得る。付与されるエネルギーは、超音波、高周波、マイクロ波、機械的、低温であり得るか、または弁石灰化を破壊し得る任意のその他のタイプのエネルギーであり得る。
【0018】
本発明のさらなる局面では、上記方法は、GE Healthcare(www.amershamhealth−us.com/optison/)によって販売されるOttizonTMのようなマイクロスフェアまたはマイクロバブルを含む媒体の使用を通じて上記石灰化を実際に分解し得る。上記媒体への超音波エネルギー(その他の形態のエネルギー、例えば、レーザー、RF、熱エネルギー)の送達は、マイクロスフェアを破壊させ得、これは、弁に向かってエネルギーの放出を引き起こし、これは、弁の周り、および弁上の石灰化を除去することを支援する。音響学的キャビテーション泡密度および細胞密度における変化による引き起こされる生物影響:細胞と泡との比率およびブラスト半径に基づく統一された説明、Guzmanら、Ultorasound in Med.&Biol.、Vol.29、No.8、1211〜1222頁(2003)。
【0019】
特定の撮像およびその他のモニタリングの使用の様式が、本発明の手順の間、またはその後に、心臓内超音波心臓検査法(ICE)、経食道超音波心臓図検査(TEE)、X線透視、血管内超音波、血管顕微鏡検査、または、Cardio−Optics,Inc.による開発の下にあるような「血液を通して見る」ために赤外技術を用いるシステムのような種々のシステムを利用して採用され得る。
【0020】
種々のエネルギー源が、本発明の処置を行うために利用され得、RF、種々の治療範囲にある超音波エネルギー、および機械的(非超音波)エネルギーを含む。本発明のRF、超音波処置カテーテル、および機械的処置カテーテルの遠位先端部は、種々の遠位先端部形態を有し得、そして種々の処置パターンで用いられ得、そして弁内の特定の位置を標的にする。
【0021】
さらに、血管内インプラントが、本発明によって企図され、弁の輪、輪の上、輪の下、またはそれらの組み合わせ内に配置されるインプラントを含み、機能的弁オリフィスを維持することを支援する。このようなインプラントは、種々の薬学的薬剤を取り込み得、再狭窄を減少することによって効目を増加し、そしてそうでなければ、弁機能を支援する。インプラントは、種々の金属、生分解性材料、またはそれらの組み合わせから形成され得る。
【0022】
これらのデバイスは、すべて、逆行性アプローチを経由して、大腿動脈から大動脈中に、そして上行大動脈から弁を横切り、または順行性アプローチ-経中隔により、僧帽弁を横切り、左心室を通り、そして大動脈弁を横切って導入され得る。
【0023】
その他の局面では、本発明は、大動脈弁修復のための抗再狭窄システムを提供する。急性介入が、大動脈修復または弁形成術のときに実施され得、そして一時的インプラントまたは永久的インプラントの形態をとり得る。
【0024】
これらのデバイスは、すべて、逆行性アプローチを経由して、大腿動脈から大動脈中に、そして上行大動脈から弁を横切り、または順行性アプローチ-経中隔により、僧帽弁を横切り、左心室を通り、そして大動脈弁を横切って導入され得、そして抗再狭窄薬剤またはエネルギーの送達を提供し、弁再狭窄を阻害および/または修復する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(発明の詳細な説明)
(処置カテーテル設計−総説)
本発明の処置カテーテル10(図1)は、代表的には、近位端14、遠位端16、およびカテーテル本体内の1つ以上の管腔18、20を備える細長いカテーテル本体12を備える。遠位端16は、必要に応じて、処置の間に小葉を隔離し、かつ処置の間に残渣排出経路を提供し、そして塞栓副作用から血管系を保護するためにカテーテル本体12の遠位端から遠位方向に延びる吸引ハウジング22(図4および5)を備え得る。エネルギー伝達要素24(例えば、駆動シャフト、ワイヤ配線、またはガイドワイヤ−超音波伝達要素など)は、上記細長い本体12中の管腔の1つ内に位置決めされ得、そして、代表的には、カテーテルの近位端から遠位端まで延びる。ハンドル26は、この細長いカテーテル本体12の近位端14に連結される。発生器(例えば、RF電源、超音波発生器、モーター、光学的エネルギー供給源など)が、このハンドルに連結され得、エネルギーを、活動する遠位端28、カテーテル本体の管腔内に配置されるエネルギー伝達要素24に送達する。本明細書中に記載されるように、遠位作業要素28は、エネルギー伝達要素24の遠位端に連結され得、大動脈弁上のカルシウム沈着へのエネルギーの送達を容易にする。
【0026】
代表的には、本発明の処置カテーテル10は、「ワイヤ上」を標的領域まで導入されるような形態である。この処置カテーテルは、ガイドカテーテルまたはシースを通って大動脈弁に隣接して位置され得る。従って、本発明の処置カテーテルは、ガイドワイヤGWを受容するための中央のガイドワイヤ管腔20を備え得る(図2)。本発明の処置カテーテルのガイドワイヤ管腔20はまた、標的領域を灌注または吸引するために用いられ得る。例えば、図示されてはいないが、上記ハンドルは、標的小葉の灌注および/または標的領域の吸引を可能にするように1つ以上のポートを備え得る。灌注供給源および/または吸引供給源は、ポート(単数または複数)に連結され得、そして上記標的領域は、カテーテルの管腔の1つを通じて吸引され得、そして/またはカテーテルの管腔の1つを通じて灌注され得る。1つの実施形態では、灌注供給源および吸引供給源の1つは、中央ガイドワイヤ管腔(中央管腔)に連結され得、そして灌注供給源および吸引供給源の他方は、このガイドワイヤ管腔に同軸である管腔に連結され得る。しかし、いくつかの実施形態では、内側のガイドワイヤ管腔はなく、そしてガイドワイヤは、図3、4および6に示されるように、超音波導波管および回転可能な駆動シャフトを通って延びる。
【0027】
上記で注記したように、本発明の処置カテーテル10は、拡大形態および退却形態を有し、そして処置されるべき弁小葉に一致するような形態であるカテーテル本体の遠位端に位置決めされる吸引ハウジングを備え得る。この吸引ハウジング22は、この遠位端に固定して取り付けられ得るけれども、好ましい実施形態では、この吸引ハウジングは、退却形態(図3)と拡大形態(図4および5)との間を移動可能である。別個のシースがまた、この吸引ハウジングを剥き出すために退却し、そしてこのハウジングを折り畳むために進行し得る。この吸引ハウジングは、シリコーンまたはウレタンから作製され得、そして内部フレームまたはメッシュ補強で補強され得、構造的支持を提供するか、または弁小葉の特定領域上のハウジングの配置を増強する。このハウジングは、本明細書で後に詳述するように塞栓フィルターとしてさらに作用し得る。
【0028】
図4の実施形態では、エネルギー伝達要素24は、カテーテル本体12の遠位端を超え、そして吸引ハウジング22中に進行される。ガイドワイヤGWが、遠位先端部中の開口部を通って位置決めされる。図5中ように、一旦、処置カテーテルが標的領域に位置決めされると、ガイドワイヤGWが引き抜かれ、そして遠位作業要素28が石灰化を処置する使用のために準備が整う。
【0029】
図6では、吸引ハウジング22は、二尖弁小葉の形状に実質的に一致するような形状である。この吸引ハウジングを小葉の形状に一致するように形状化することにより、この吸引ハウジングは、標的小葉を隔離するためにより良好な形態であり得る。その他の実施形態では、この吸引ハウジングは、三尖弁(図7および8)などに実質的に一致するような形状であり得る。
【0030】
この吸引ハウジングの深さは、処置されるべき弁と適合するような多くの形態をとり得る。例えば、この吸引ハウジング22は、浅く(図9)または深く(図10)あり得る。カップに関する深さは、処置下の小葉の1つが冠状動脈小葉である場合、冠状動脈口を妨害することを減少または無くし得る。
【0031】
吸引カップ/ハウジングはまた、このハウジングの周縁または周縁の一部の周りに剛直性または半剛直性部材を有し得、輪のような特定の弁の特徴上にカップを優先的に整列する。吸引カップハウジングは、0.1インチから0.5インチまでの範囲の深さ、および15mm〜30mmの直径を有する。このカップまたはハウジングは、図11、12、および13に示されるように、フィンガー30または長軸方向安定化要素32を有し得、弁に対してハウジングを配置することを支援する。
【0032】
このような安定化要素はまた、プリーツ、リングまたは半球形要素、またはその他の補強物の形態であり得、上記デバイスを、弁の輪内または小葉に対して静止するために支援する。このような補強物または安定化要素は、ステンレス鋼、NiTi(超弾性または形状記憶処理)、Elgiloy(登録商標)、コバルトクロム、種々のポリマーから形成され得るか、または膨張可能な環状カップの形態であり得る。本発明のカップまたはハウジングは、塞栓事象をまた最小にしながら、上記作業要素を安定化または局在化するように処置領域との十分な接近を提供するように機能することが意図される。その意味で、それは、処置領域に対して実質的にシールしているが、このようなシールは、必ずしも「気密」シールではないが、その接近は、上記に列挙した所望の機能を行う。
【0033】
さらに、特定の安定化デバイス36、38が、主カテーテルシャフト12上に位置され得、大動脈内の安定化を提供し、そしていくつかの場合には、図14に示されるように、弁の下の弁小葉Lを通って延び、処置デバイスをさらに安定化する。
【0034】
小葉ごと、および患者ごとに種々の小葉の幾何学的形状(例えば、サイズ、湾曲)があるので、処置されるべき特定の幾何学的形状に依存して、それを通って種々のサイズおよび形状のカップまたはハウジングが通過し得る主処置カテーテルを提供することが所望され得る。例えば、システムは、図15に描写されるような処置領域上に配置された主ガイドカテーテルGCを含み得:処置領域(小葉)は、冠状動脈小葉(CL)、非冠状動脈小葉(NCL)および非冠状動脈小葉(中央)(NCLC)を含む。図16の下に示されるように、一旦、ガイドカテーテルGCがその場にあると、NCLに一致するように適合された遠位ハウジング42を有する第1の処置カテーテル40が、矢印S1によって示されるように進行される。小葉が処置され、そしてNCLハウジングカテーテルは、S2によって示されるように引き抜かれる。カイドカテーテル位置は、次いで、矢印S3によって示されるようにCLにより良好に接近するように調節され得る。CLハウジングカテーテルは、矢印S4によって示されるようにガイドを通って進行される。一旦、CL位置が処置されると、CLハウジングカテーテルは、矢印S5によって示されるように除去される。図17にさらに描写されるように、ガイドカテーテルGCは、次いでNCLCを処置するために、矢印S6によって示されるように再位置決めされ、そして最後にNCLCハウジングカテーテルが、矢印S7に従って、ガイドを通って進行される。一旦、処置が終了すると、NCLCが矢印S8によって示されるように除去され、そしてガイドが除去され、そして手順は終了する。
【0035】
標的とされた領域を処置するために、任意の順序でこれらのステップの任意の1つを用いることは本発明の範囲内であり、例えば、石灰化のタイプ、患者の健康、標的領域の幾何学的形状または操作者の選択に従って、1つの小葉のみが、1つ以上の小葉が、そして任意の順序で処置され得る。
【0036】
(超音波処置カテーテル)
本発明の1つの局面によれば、処置カテーテル50は、小葉を脱石灰化するための超音波プローブを有して提供される。超音波プローブ52は、フレームまたはシース54によって取り囲まれ得る。フレームおよびシースの両方は、超音波振動の供給源(図示されず)に連結され得る。特定の実施形態では、このプローブ52はシースまたはハウジングによって取り囲まれ、これは、システムが、このカテーテルシステムの近位端に取り付けられ、そしてカテーテル本体中の吸引管腔を経由してカテーテルハウジングに連結される吸引の供給源を経由して処置表面に対して実質的にシールされることを可能にする。あるいは、このシステムは、処置領域(輪または小葉)に上記ハウジングを物理的に取り付ける機械的クリップまたはインターフェースで処置部位に配置または局在化され得る。操作において、この超音波プローブ52は、小葉上のカルシウムを分解するために能動化され、次いでカテーテル本体50中の吸引管腔を通って除去され得る残渣を生成する。いくつかの場合には、吸引の付与と同時またはその前にハウジング領域中に生理食塩水またはその他の流体をまた注入することが所望され得る。同様に超音波導波管に、そしてデバイスの遠位端にPZTスタックを備えるようなその他の実施形態に、冷却流体を提供することが有利であり得る。弁の部位に抗石灰化療法を注入することがまた有利であり得、鉄塩および/もしくは錫塩、または、小葉をなめすため、もしくはそうでなければカルシウム増強に対して抵抗性にする公知のようなその他の溶液を含み、これには、その内容が本明細書中に明示して援用される米国特許第5,782,931号に提示されるタイプのものがある。シリコーンカップを有する超音波プローブ60の別の実施形態が図19に示され、ここでは、注入液が矢印62によって示され、そして吸入が矢印64によって示される。
【0037】
フィルターデバイス74が主カテーテルシャフト上に配置される実施形態(図20に示される)では、超音波プローブ70は別個の要素であり得、超音波処置カテーテル72がシールされた領域内で独立に移動することを可能にする。処置プローブ70は、種々の方向およびパターンで作動され得、これらは、明細書中でさらに詳述され、各小葉の尖頭に沿って円形パターンで掃引すること、および、必要であれば、全小葉を有効に処置するための処置の間に同心円を生成することを含む。フィルターデバイスの不在下では、上記超音波要素は、吸引ハウジングと同軸であり得、そしてその中で独立に動くように適合される。
【0038】
図21に示されるように、本発明の別の実施形態によれば、処置カテーテル80は、一連のガイドカテーテル82、84を通って配置され得、配置正確さを支援する。第1のガイド部材84は、大動脈根中に、大動脈壁に対して係留するためのこのガイドの形状、または別個のバルーンまたはフィルターデバイスのいずれかを用いて配置および係留され得、形状記憶材料もしくはカテーテルが処置部位に向けられるようにするための安定化を提供し得るその他の適切な材料から作製されるガイドもしくは安定化リングを安定化する。第2の操縦可能または関節運動可能なカテーテル82が、次いで、初期ガイドを通って配置され得、処置カテーテルを小葉の1つの領域またはその他に向ける。この処置カテーテル80は、次いで、一旦これらのガイドがその場にあると、上記システムを通って配置され得、そして標的とされた弁領域に直接展開される。1つの小葉を一度に処置する方法の場合には、操縦可能なガイドは、次いで、次の処置位置を標的にするために作動され得、それによって、処置カテーテル(そして関連するフィルター処理デバイス)を次の部位に向ける。処置カテーテルの前に1つのガイドカテーテルを配置することのみが必要であり得るか、またはその代わりに、この処置カテーテルは操縦可能であり得、それが、その他のガイドカテーテルの支援なしに処置部位に直接配置されることを可能にする。ガイドカテーテルはまた操縦可能であり得、そして処置カテーテルの組み込まれた一部であり得る。米国特許公開第2004/0092962号および同第2004/0044350号中に描写されるような操縦可能なガイドが例であり、それらの内容は、その全体が参考として明示して援用される。処置デバイスは、次いで、図22中に示されるように、第2の処置部位に再方向付けされ得る。
【0039】
本発明の処置カテーテルの遠位部分90は、標的とされる小葉Lの形状に実質的に対応する形状であり得る(例えば、図23に示されるような小葉形状に一致するような形状であるハウジングの口とともに、小葉尖頭の形状内に適合するような形状)。これはまた、小葉の表面を処置のために安定化されるようにする。遠位部分は、展開および処置の間に遠位セクションを支持するが、それが処置カテーテルまたはシース中に折り畳まれ引き抜きを支援するように可撓性である内部フレームを有し得る。
【0040】
あるいは、本発明の処置カテーテル100は、処置されるべき輪にエネルギー/振動を付与するために周縁の輪処置102を有して形成され得る。この実施形態では、カテーテルは、順行性または逆行性で配置され得るか、または図24に示されるように、2つの周縁処置面が、互いと組み合わされて用いられ得る。
【0041】
種々の超音波仕事端部が、処置されるべき疾患のタイプおよび位置に依存して用いられ得る。例えば、超音波カテーテルの遠位先端部は、超音波伝達部材または導波管に連結され得る。この遠位先端部は、以下の種々の例から選択され得、鈍い先端部、面取り先端部、丸められた先端部、尖った先端部を含み、そしてさらに、この先端部の表面から突出し、カルシウムの崩壊を増大する節(ノジュール)またはリブをさらに含み得る(図25C)。矢印は、例示の使用のパターンを示す。
【0042】
本発明の超音波カテーテルの遠位先端部はまた、その内容が本明細書中に参考として明示して援用される米国特許第5,304,115号中に示され、そして記載される導波管先端部の形状をとり得る。その内容が本明細書中に参考として明示して援用される米国特許第5,989,208号(「Nita」)は、図2〜7A中に、弁小葉を脱石灰化するために有用であり得るさらなるいくつかの先端部を示す。
【0043】
本発明の超音波伝達部材は、拡大された遠位仕事端部に連結される中実チューブを備え得る。中央管腔は、超音波伝達部材全体を通じて延び、そして吸入、吸引のために、そして/またはガイドワイヤを受容するために用いられ得る。図26、27および28に示される実施形態では、拡大された仕事端部110(これは、細長い近位部分より大きな直径を有する)は、複数の細長い部材112を備える円筒形部分を備え得る。例示の形態では、これら細長い部材は、城のようなパターンで整列され(例えば、これら細長い部材の各々が遠位方向に延びる円形パターン)、そして超音波伝達部材の長軸方向軸に沿って開口部を提供する。これら細長い部材は、円筒形の形状であるが、その他の実施形態では、これら細長い部材は、丸められ得るか、鋭いか、などであり得る。
【0044】
遠位仕事端部のさらなる実施形態では、上記に示した実施形態と同様に、中央管腔が、超音波伝達要素を通り、そして拡大遠位仕事端部を通って延び得る。図29、30および31に示される形態では、この遠位仕事端部120は、拡大され、かつ丸められている。
【0045】
代替の実施形態では、遠位仕事端部に隣接している超音波伝達部材(または導波管)の部分は、この仕事端部からの超音波の送達を増幅するように改変され得る。導波管は、管材中に複数の軸方向スロットを含み得、これはこの管材から複数の「細いワイヤ」を生成するように作用し、これは、超音波の波が軸方向よりはむしろ半径方向に移動するようにする。拡大された遠位仕事端部は、次いで、複数の細いワイヤに取り付けられ得る。このような形態の2つの実施形態は、図32および33中に示される。代替の実施形態では、各城造りは、デバイスの近位端に戻って延びるそれ自体のシャフト上に収容され得る。その他の可能な先端部の幾何学的形状は以下に描写される。
【0046】
本発明の超音波カテーテルは、振動性、点描性、円形、側生またはそれらの任意の組み合わせである遠位先端部に動きを付与するように適合され得る。本明細書中に記載される任意のこのような遠位先端部について、出願人らは、カテーテル本体の内径に対して小さな遠位先端部の使用がより良好な大きさの運動を提供し、そして改良された脱石灰化を提供し得ることを見出した。さらに、本発明の超音波先端部は、とりわけ、処置されている小葉または輪の領域に依存して、種々の処置パターンで作動され得る。例えば、この処置パターンは、使用者によって制御されるか、処置デバイス中にプログラムされるかのいずれかであり、1つの小葉または領域が一度に処置されるとき、処置されている表面上の脱石灰化のリングを提供するような円形運動、カルシウムのより大きな沈着物を破壊する交差ハッチングパターン(図24)、または半球形(図36)もしくは、くさび形状(図37)パターンであり得る。列挙されたパターンの任意の組み合わせを用いること、またはよりランダムなパターンを採用すること、または単に直線運動は、本発明の範囲内である。
【0047】
特定の安全機構が、処置カテーテル上および関連する構成要素上に取り込まれ得、処置デバイスが小葉を穿孔しないか、またはそうでなければ小葉を劣化しないことを確実にする。1つの実施形態では、力制限特徴が、図38に示されるように処置カテーテルシャフト中に組み込まれ得、ここで、構造物140が、矢印144の方向でカテーテル142に付与された力に応答して接触し得る。
【0048】
別の実施形態では、カテーテルシャフトの特徴が、組織に送達される力を制限し得る。比較的剛直性のカテーテルシャフト152上の軟遠位先端部150(図39)では、図40に示されるように力は、この先端部を偏向し得る。
【0049】
さらに、処置カテーテル200は、図41および42に示されるように処置カテーテルへの深さ制限器として作用するシース202を通って進行され得る。これらの種々の安全特徴は、採用されるエネルギーにかかわらず、本発明の処置デバイスのいずれにも組み込まれ得る。
【0050】
本発明の超音波カテーテルのアセンブリが図43中に示され、超音波伝達部材210、伝達ヘッド212、ガイドワイヤGW、吸引カップ214、スプリング216、およびカテーテル本体218を含む。
【0051】
超音波カテーテル220の別の実施形態は、図44に示されるように、PZTスタック222および遠位ホーン224を含む。
【0052】
図44の実施形態の利点は、それが、長い導波管および長い導波管を用いるとき生じる損失をなくすることである。この実施形態では、吸引ハウジングは、PZTスタックおよび超音波ホーン上に適合し得る。特定の有用な超音波要素は、Briskenによる米国特許第5,725,494号、Zaleskyにより同第5,069,664号、Carterによる同第5,269,291号および同第5,318,014号に描写され、それらの内容は、それらの全体が参考として明示して援用される。
【0053】
本発明の超音波カテーテルの近位端は、図45に描写された概略に従って構成され得る。近位ハウジング232上のノブ230は、デバイスの遠位端に連結される制御ワイヤに連結される。これらのノブは、これら制御ワイヤを引っ張るように作動し、それによって遠位端の角度を操作する。ギア、ピン、およびシャフトのような、操縦可能なガイドのための制御234は、制御ボックス236中に収容され、このボックスの上にノブが位置される。処置デバイスの主本体は、外側シャフトおよびスライドノブに連結される内側シャフトをさらに備える。順に、この内側シャフトは、デバイスの遠位端でハウジングに、上記スライドノブが退却されるとき、ハウジングが退却位置から拡大位置に転置するように作動可能に連結され、その逆も同じである。図45にされに描写されるのは、駆動コイルに運動を与えるために、エネルギー供給源またはプライム移動器に作動可能に連結されている駆動シャフトまたは駆動コイル230である。駆動コイルは、デバイスの遠位端中、処置されるべき組織に接触する作業要素で終わる。あるいは、超音波を利用する設計では、超音波導波管または伝達要素が、外側シャフトおよび/または内側シャフト内に位置決めされ得る。
【0054】
(機械的処理カテーテルおよび方法)
上記に記載の超音波処置カテーテルに加え、本発明は、小葉上のカルシウムを機械的に破壊または除去するために能動化可能な先端部を用いる処置カテーテルおよび方法をさらに提供する。一般に、これらカテーテルは、1つ以上の管腔を備えるカテーテル本体を備える。駆動シャフト(または類似の要素)が、これら管腔の1つの近位端から、この管腔の遠位端まで延び得る。遠位作業要素は、この駆動シャフトに連結され(またはそれから一体に形成され)得、そしてカテーテル本体の遠位端を少なくとも部分的に超えて延びるような形態である。この駆動シャフトの近位端は、機械的運動(回転、振動および/まは軸方向移動)の供給源に連結され得、駆動シャフトおよび遠位作業要素を駆動する。
【0055】
本発明のカテーテルは、小葉を脱石灰化するために種々の形態を用い得る。用いられ得るこれらの作業要素およびカテーテル本体の遠位端のいくつかの例は、以下に説明される。
【0056】
1つの実施形態(図46)では、カテーテル240の遠位端は、脱石灰化されている小葉と接触そして/または隔離するために用いられ得る吸引ハウジング242を備える。この吸引ハウジングは、漏斗形状要素として示されているが、代替の実施形態では、この吸引ハウジングは、(上記に記載のように)処置されるべきである小葉と類似の形状であり得る。この吸引ハウジング242は、カテーテル本体240の遠位端に固定して連結され得るか、または、それは、遠位端部分に移動可能に連結され得る。このような移動可能な実施形態では、この吸引ハウジングは、この吸引ハウジングがカテーテル本体の管腔内に少なくとも部分的に配置される退却位置(示されず)から、拡大形態(以下に示す)まで移動され得る。あるいは、機械的クリップ、クランプまたはその他の固定要素が、以下に描写されるような処置されるべき輪または小葉に処置デバイスを局在化するために用いられ得、小葉を固定するために逆行性方向および順行性方向から配置される要素を含む。
【0057】
図47の形態では、遠位作業要素は、回転可能な偏心的に負荷されるコイル250を備え得る。このコイルの遠位部分は、遠位方向にテーパー状であり得、そしてその遠位端または遠位端の近傍にボール252(またはその他の形状の要素)を備え得る。必要に応じて、1つ以上の秤量要素(示されず)がコイルの種々の部分に沿って連結され得、コイルの振動の動力学を変える。認識され得るように、この重量がコイルの長軸方向軸から離れて位置決めされると、コイルの回転プロフィールは変化する。結果として、1つ以上の重量の戦略的配置は、単純回転からコイルの振動を、軸方向振動成分もまた有するコイルに変更し得る。
【0058】
別の実施形態(図48)では、作業要素は、偏心して負荷された非テーパー状コイル260を備え得る。このコイルは、その遠位端にボールまたは重量を備えても良いし、または備えなくても良い。
【0059】
なお別の実施形態(図49)は、遠位コイルは、細長い遠位ワイヤ先端部270を備え得、そこでは、少なくとも一部分が、遠位コイル作業要素の外径を超えて半径方向に延びる。示されるように、この遠位ワイヤ先端部は、1つ(またはそれ以上)のボールまたは重量を備え得る。この遠位ワイヤ先端部は、湾曲、真っ直ぐ、またはそれらの組み合わせであり得る。前述の遠位コイルの代替として(またはこれに加え)、遠位作業要素は、石灰化に接触し、そして小葉からこの石灰化を機械的に除去するような形態である「ドリルビット」型インペラーまたはDremel型振動または回転部材を遠位先端部に備え得る。認識され得るように、このような実施形態は、非超音波範囲の作動で、そして代表的には10Hz〜20,000Hz、好ましくは100Hz〜1000Hzで、回転および振動される。このような形態では、形状のあるインペラーの回転は、代表的には、カテーテル本体中の管腔に向かって近位方向に移動される石灰化残渣を生じる。いくつかの実施形態では、このインペラーは、小葉にある程度の保護を提供するように丸められたエッジを備え得る。上記に記載の実施形態の各々では、シースが回転する要素を覆い得、保護を提供するか、または、このシースを通じて回転移動および軸方向移動を伝達することにより方向付けられた力を提供する。
【0060】
上記作業要素はまた、機械的に回転するデバイスを備え得る。図50の実施形態では、卵形形状のバール(かえり、burr)280が、その配向が、デバイスの中央軸(回転軸)との垂直の整列から、デバイスの中央軸から90゜以上までの範囲で示される。この軸を離れる配向は、所定範囲の創面切除位置可能にし、そして弁の輪内に偏心して位置される狭窄、またはデバイスの中心軸に対して角度をなしている小葉表面を処置するような特定の状況により適用可能であり得る。処置デバイスの中央軸に対する処置先端部の角度付けは、先端部領域における増加した速度を提供することにより石灰化の断片化を容易にする。類似の配列が図51に示されるが、異なる形状で、より細長いバール282である。さらに、図52は、ディスクの面に穴を有するディスクの形態にあるバール要素284を示し、このバール要素を通る残渣の排出を可能にする。任意の機械的作業要素が、粗くされた表面、カーバイド先端部材料、またはダイヤモンド被覆を有し得、標的とされた材料の断片化を増大することが本発明の範囲内である。代表的なバール要素は、Ditec Manufacturing(Carpenteria、CA)、Diamond Tool(Provedence、RI)、およびCarbide Grinding Co.(Waukesha、WI)のようないくつかの会社によって製造されている。
【0061】
代替の方法では、第動脈弁に近接して、そして小葉に実際に接触せずにインペラー要素を位置決めすることが可能であり得る(図53)。このインペラーの回転は、渦動を引き起こし得、小葉から離れ、そして吸引ハウジングおよびカテーテル本体中に石灰性物質を除去する。このインペラーは、その内容が、本明細書中に参考として明示して援用されるKenseyによる米国特許第4,747,821号に記載されるインペラーのような種々の形状をとり得る。
【0062】
別の形態では、回転するグラインダーヘッド292(図54)が、遠位コイル294に連結され得る。この回転するグラインダー遠位先端部は、種々の形状をとり得る。以下に示される形態では、このグラインダー遠位先端部は、凸状形状であり、そして駆動シャフトの軸方向管腔と連通している中央開口部の周りの半径方向円形パターンにある複数の穴を備える。このような形態では、このグラインダー遠位先端部は、遠位コイルおよび駆動シャフトの残りの長軸方向軸の周りに対称的に位置決めされる。半径方向の開口は、粒子の灌注および吸引を可能にする。いくつかの形態では、このグラインダー遠位先端部は、ダイヤモンドダストのような研磨材料を備え得、大動脈弁から石灰性物質の除去を支援する。
【0063】
図55および56に示される別のグラインダー遠位先端部形態では、このグラインダー遠位先端部は、平坦なプレート300を備え得る。この平坦なグラインダー遠位先端部は、研磨材料、穴、および/または機械加工突出部またはナブを備え得る。このような要素は、小葉からの石灰化除去を促進するために用いられ得る。
【0064】
図57に示されるような代替の形態では、グラインダー遠位先端部304は、遠位コイル306の周りに偏心して取り付けられ得、回転に際し、このグラインダー先端部は、グラインダー遠位先端部のサイズを拡大する必要性なくして小葉のより大きな断面積を覆い得る。以下の図は、平坦なグラインダー遠位先端部を示すが、本明細書中に記載される任意の遠位先端部は、遠位端コイルと偏心して取り付けられ得ることが認識されるべきである。
【0065】
別の実施形態では、遠位作業要素は、超音波作業要素について上記で示されたような、城造りの機械的先端部を備え得る。必要に応じて、この城造り先端部は、この遠位先端部から後方に設置されるインペラーを有し得る。
【0066】
なお別の実施形態では、本発明は、小葉を脱石灰化するために、その全体の開示が参考として本明細書中に明示して援用される、米国特許第5,314、407号または同第6,818,001号に記載されるRotablatorデバイスを使用し得る。このRotablatorデバイス(以下に示される)は、当初記載されるように用いられ得るか、または遠位先端部は、この先端部を平坦化することにより、この先端部上にダイヤモンドダストを付与することにより、この遠位先端部をより球根状にすることよりなどによって改変され得る。上記「407特許」からとられる図58を参照のこと。
【0067】
このRotablatorのために用いられる空気タービンは、前述の機械によることを基礎にする処置カテーテルのいくつか、またはすべてに動力を与えるために用いられ得る。この空気タービンは、小葉上のカルシウムの破壊のために適切な大きさのトルクおよび速度を提供する。本発明の駆動シャフトと遠位先端部の低い慣性モーメントと組み合わせたこのトルクと速度とは、災害的駆動シャフト破損のリスクを減少する。例えば、遠位先端部が、石灰性沈着物と接触に起因して「負荷される」ようになるとき、回転の速度は、駆動シャフトにかみつく(スナップする)ことなく、またはそれを壊すことなくゼロまで減少する。この空気タービンの代替物として、モーターが適切な時間にスローダウンされ得るようにトルクおよび速度を感知し得る電子的フィードバックシステムを備えたモーターを用いることもまた可能であり得る。
【0068】
上記処置カテーテルのいくつかの実施形態は、遠位作業要素を取り囲む随意のシースを備え得る。図59に示されるように、このシースは、この遠位作業要素を取り囲む球形形状の遠位先端部310を備え得る。細長い近位部分は、この球形の遠位先端部に取り付けられ、そしてカテーテル本体の管腔内にある駆動シャフトのいくらか、またはすべてを覆うようなサイズおよび形状である。この球形形状の遠位先端部は、媒体(例えば、対比媒体、冷却剤など)の送達および/またはガイドワイヤの通路を可能にし得る開口部312を備え得る。上記機械的要素または超音波伝達要素は、シースの先端部を超えて延び得る。類似の描写は、Nashによる米国特許第6,843,797号中に示され、その開示は、本明細書中に明示して援用される。
【0069】
いくつかの実施形態では、上記シースは、シースの端部が偏向し、延び、そして/または退却することを可能にする、ふいごまたは可撓性部分を備え得る。このシースは、代表的には回転せず、そしてこのシースは、代表的には、上記遠位作業要素および駆動シャフトがこのシース内で回転することを可能にするサイズである。この遠位作業要素のシース内の回転は、シースを関節運動させ(これは、駆動シャフトの作動の形状およびタイプに依存する)、そして石灰化沈着物に対する「擦り洗う効果」を生成し得る。有利なことに、このシースは、駆動シャフトの機械的運動を伝達し、その一方、上記作業要素の振動を制御することにより小葉に対する保護の層を提供する。このシースは、当該技術分野で公知の種々の材料から作製され、そして上記球形遠位先端部内の遠位作業要素の回転からの摩擦に耐えるような様式で補強される。結果として、このシースのための1つの有用な材料は、スチールであるか、または編組まれたか、もしくはその他のカテーテル補強技法である。
【0070】
任意の機械的実施形態では、組織によって、観察される熱エネルギーを減少し、そして壊死組織切除の間の残渣の除去を支援し得る冷却流体を循環または注入することが所望され得る。このような流体はまた、超音波実施形態または機械的実施形態のいずれかでキャビテーション効果を提供することによって組織断片化を支援し得る。
【0071】
(マイクロスフェアおよび/またはマイクロバブルの実質的な使用)
上記のように、超音波処置カテーテルおよび機械的処置カテーテルの大部分の実施形態は、カテーテル本体を通ってその遠位端まである管腔を備える。冷却流体、超音波造影流体などのような媒体を管腔を通って標的小葉に送達し、小葉上の包埋された石灰化の塊へのエネルギー送達の影響を増幅することが有用であり得る。1つの好ましい形態では、この媒体は、マイクロスフェアまたはマイクロバブルを含み得る。本発明の方法および処置カテーテルと用いられ得る1つの有用な造影媒体は、OptisonTM造影剤(GE Healthcare)である。治療効果を増大するためのキャビテーションおよび/またはマイクロバブルを利用する技法の種々の描写は、Tachibanaによる米国特許第USRE036939号、およびBen−Haimによる同第6,321,109号中に見出され得、その内容は、それらの全体が本明細書中に参考として明示して援用される。
【0072】
マイクロバブルを含む造営媒体を通る超音波の波の送達は、小葉に送達されるキャビテーションまたは断片化エネルギーの量を増大し得る。この手順の間に吸引を付与することはまた、CiminoおよびBond、「組織断片化を用いる超音波手術の物理学:第I部および第II部」、Ultrasound in Medicine and Biology、22巻、第1号、89〜100頁、および101〜117頁、1996によって記載されるように断片化エネルギーを増大し得る。ガス本体(例えば、マイクロバブル)の超音波パルスとの相互作用は、非熱摂動(例えば、キャビテーションに関連する機械的現象)を増大する。従って、マイクロバブルとともに制御された量の造影剤を用いることは、小葉からの石灰化の除去を増大し得る。マイクロバブルの超音波エネルギーとの使用のより完全な記載は、Guzmanら、「音響キャビテーション泡密度および細胞濃度における変化によって引き起こされた生体効果:細胞−対−泡の比および芽細胞半径に基づく統合化された説明」、Ultrasound in Med.&Biol.、29巻、第8号、1211〜1222頁、およびMillerら、「造影剤ガス本体の診断超音波活性化による類表皮および食細胞単層の溶解およびソノポレーション」、Ultrasound in Med.&Biol.27巻、第8号、1107〜1113頁、2001に記載され、これらの全体の開示は、本明細書中に参考として援用される。
【0073】
しかし、マイクロバブルの使用は、超音波または機械的処置カテーテルに制限されないことが認識されるべきである。例えば、以下に示されるように、RFカテーテル実施形態において、カテーテル本体は、カテーテルの遠位端または遠位端近傍に位置決めされる2つのRF電極を備え得る。マイクロバブルをともなう媒体は、カテーテルの管腔を通って標的小葉に送達され得、そしてRFエネルギーが2の配線間に送達され得、エネルギーをマイクロバブルに送達する。いくつかの実施形態では、マイクロバブルの使用なくして小葉上の石灰化にRFエネルギーを送達することが所望され得る。その他の実施形態では、その他のタイプのエネルギー供給源を用いることが所望され得、小葉にエネルギーを送達する。
【0074】
RF電極の代替物として、カテーテルの遠位先端部に圧電フィルム330を位置決めすることが可能である(図60)。ワイヤ配線は、カテーテル本体の管腔を通り、その中(または外側)を延び得、そして電源に連結され得る。ワイヤ配線がカテーテル本体の管腔内に配置される場合、このカテーテルは、ワイヤを絶縁するための内側チューブを備え得る。媒体は、カテーテル本体の内側管腔を通って送達され得、そしてこのカテーテル本体の遠位端で圧電フィルムに曝され、そしてエネルギーは、圧電フィルムから、そしてマイクロバブルをともなう媒体中に送達され得る。
【0075】
(保護)
本発明のさらなる局面では、保護デバイスおよび方法が、処置部位から残渣を捕捉および排出するために用いられ得る。図61および62に示される実施形態では、フィルターデバイス336が、ガイドカテーテル338のシャフト上に位置される。この構造はまた、大動脈根中にガイドカテーテルの係留を提供し、弁への安定な接近システム、またはさらなる処置カテーテルを配置することを提供する。
【0076】
別の実施形態(図63)では、フィルターデバイスが、処置の全体領域を保護するために提供され、そして血液および吸引物が、濾過された血管系の動脈側から除去され、静脈循環中の戻して注入するような全身フィルター装置340を含み得、さらに詳細は、Parodiによる米国特許第6,423,032号中に記載され、その開示は、本明細書中に明示して援用される。吸引ポート342が、カテーテル346の遠位端で超音波プローブ344を取り囲む。
【0077】
処置部位により局所的に緊密に(例えば、一度に1つの小葉)付与される濾過を有し、大動脈弁のすぐ上に位置する冠状動脈の口のような局所的構造を保護することが有利であり得る。このような濾過装置は、図64中に示される超音波吸引カテーテルのような処置デバイスと組み合わせて用いられ得、ここでは、フィルターデバイス350が、吸引ポート354で超音波プローブ352によって係合される単一の小葉を覆う。さらに、このフィルターの形状は、図6に示されるように、最も関連のある小葉または処置部位に接近するために最適化され得る。上記の濾過または保護システムのいずれもは、本明細書中に開示される任意の処置カテーテルと用いられ得る。
【0078】
本発明の多くの特徴は、処置されるべき疾患の部位で最適に処置カテーテルを方向付け、位置決めし、そして安定化することを支援する。カテーテルおよびガイド特徴に加え、弁内に静止するバスケット、アンカーまたはフィルター形態が、カテーテルを位置決めするために用いられ得る。例えば、心臓は、ペースをとる配線に連結され得、そして心臓は、次に、増加した速度、例えば、1分間あたり200拍動のペースにされ、これは、次に、血流を阻止する比較的固定された位置に大動脈小葉を保持し、そして本発明の処置カテーテルが、少なくとも1つの小葉に適用されることを可能にする。吸引ハウジンクのようなカテーテルの配置の後、ペースどりは停止され、そして残りの小葉は、カテーテルによって係合されず、正常に機能する。すべての小葉が一度に係合される事例では、灌流バルーンまたは当該技術分野で公知のデバイスにおけるような、処置カテーテルを通る流れを提供することが必要であり得、そのいくつかの特徴は、Goldbergによる米国特許第4,909,252号中に示され、その開示は、本明細書中に参考として明示して援用される。
【0079】
(撮像法)
本発明の特徴は、手順の前、その間、およびその後のモニタリングおよび撮像のための種々のデバイスおよび方法を含む。種々の撮像診断様式が、この目的のために採用され得、心臓内超音波心臓検査法(ICE)、経食道超音波心臓図検査(TEE)、蛍光透視、血管内超音波(IVUS)、血管顕微鏡検査、赤外、Sensant,Inc./Seimens(San Leandro、CA)から入手可能な容量性超音波トランスデューサー(cMUT)または当該分野で公知のその他の手段を含む。例えば、処置カテーテルは、位相アレイ血管内超音波要素のような、ハウジングまたは処置要素カテーテル中に組み込まれる撮像デバイスを有し得る。いくつかの実施形態では、本発明のデバイスを、それらの作動要素が、シースと同軸である別個で取り外し可能な要素であるように構築することが有利であり得、操作者が作業要素を取り外し、そしてその場所に撮像要素を配置する。
【0080】
撮像は、疾患のタイプおよび位置を診断すること、処置カテーテルを配置すること、処置プロセスを評価すること、および一旦処置されたなら弁の機能を確認することを含む手順の種々のステージで重要になり得る。撮像デバイスは、カテーテル先端部、もしくはカテーテル本体、処置カテーテルと平行して、または当該技術分野で公知のようなより遠隔の位置(例えば、上大静脈、食道、または右心房)のような処置部位に局所的に配置され得る。撮像要素が処置カテーテル上に配置される場合、それは、「前方を見ること」、例えば、処置デバイスの前の平面または複数平面中の撮像であるように適合され得る。
【0081】
呼び掛け(インターロゲーション)技法、またはその他の撮像様式を採用することがまた本発明の範囲内である。例えば、処置部位の直接可視化のために血液を透視するための赤外撮像、またはエラストグラフィー、組織運動の超音波測定、どのタイプの組織が標的であるかを感知すること、例えば、小葉組織またはカルシウム、または最も石灰化でされている弁の領域を感知することである。この文脈におけるエラストグラフィーは、その内容が本明細書中に参考として明示して援用される、「Characterization of plaque components and vulnerability with intravascular ultrasound elastography」、Phys.Med.Biol.45(2000)、1465〜1475に記載されるような、機械的トランスデューサーまたは位相アレイシステムのいずれかである、血管内超音波(IVUS)カテーテルを用いて実施され得る。実際、このトランスデューサーは、弁上の処置部位に、そして外部から付与された力、あるいは外部から付与され力もしくは(弁小葉の開放および閉鎖のような)組織自身中の自然に起こる運動いずれかによる組織領域の「周期的興奮」のいずれかを用いて進行され得、初期ベースライン読み取り値がとられ得る。このベースラインは、本発明の吸引カテーテル(処置部位内で循環する流体を含む)で処置されるべき領域または小葉を係合すること、この処置カテーテルを通って処置部位まで超音波トランスデューサーを挿入すること、およびこの超音波トランスデューサーで標的とされた領域に呼び掛け領域の弾性(ストレス/歪みプロフィール)を確立することによって設定され得る。小葉の特定領域について、注入が次いで停止され、(吸引単独により)小葉をさらなるストレス下に置き、そしてこのストレス/歪みプロフィールにおける位置ずれが記録および評価され、処置デバイスをより少ない弾性を示すような領域(カルシウム沈着物の存在を示す「より剛直性の」領域。本明細書中に参考として明示して援用される「エラストグラフィー−動きが開始する」Phys.Med.Biol.45(2000)1409〜1421および「生物学的組織の弾性性質を撮像するために選択された方法」Annu.Rev.Biomed.Eng.(2003)5:57〜78に提示されるような技法をまた参照のこと)に向ける。
【0082】
いくつかの例では、例えば、超音波またはレーザーとともに、上記領域に呼び掛けまたは撮像するために用いられるのと同じトランスデューサーまたは光ファイバーがまた、下にあるカルシウム沈着物を分解または処置するために用いられ得る。特定のパラメーターが、治療デバイスを診断から治療に遷移するために調節され得、周波数、電力、送達される全エネルギーなどを含む。
【0083】
さらに、その他の特徴付け技法が、処置されるべき石灰化領域を標的にするため、または処置の結果を評価するための両方で採用され得、MRI、Doppler、および抵抗性データ、インピーダンス/インダクタンスフィードバックなどを利用する技法を含む。記載のような撮像およびその他のモニタリング技法を用いることは、カルシウム沈着物を除去することに焦点をあてたより標的とする手順を生じ得、そして所望されない増殖応答に至り得る小葉および輪への可能な組織損傷を制限する。
【0084】
(処置のエネルギー供給源/方法)
種々のエネルギー様式が、本発明によって想定される処置カテーテルで用いられ得る。カルシウム沈着物を分解または除去するためにより詳細に有用な様式は、超音波エネルギー、レーザーエネルギーなどであり得る。特に、特定のEr:YAGレーザーが、適切な範囲で作動されるとき、カルシウムを特異的に標的とし得る。これを支持する標的とされる骨切除する特定の詳細は、「Er:YAGレーザーおよびCOレーザーを用いる骨除去の走査電子顕微鏡法およびFourier変換赤外分光法分析」J Periodontol.2002年6月;73(6):643〜52に記載され、その内容は、本明細書中に参考として明示して援用される。あるいは、エネルギーは、高エネルギーパルス化または走査型二酸化炭素レーザー、短パルス化Er:YAG、および調節(短−および−長−パルス化)Er:YAGシステムのような、制御された組織蒸発を生じる水を含有する組織を選択的に標的とする表面付け替えレーザーを採用することにより、カルシウム沈着物の周り、またはその上から組織を選択的に除去するために送達され得る。エネルギーの付与は、小葉間に分布されるプラークまたはカルシウム(海綿体)に接近するために有用であり得る。実際、大部分の小葉が無傷で残り、そして不必要な熱損傷からシールドされるように沈着物を覆う組織の層を除去することが所望され得る。さらに、このような特定組織破壊はまた、本発明の処置の一部として弁の輪内の瘢痕組織または肥大の領域の除去に適用され得る。
【0085】
本発明の超音波処置カテーテルは、10〜200ミクロンの範囲、例えば、75〜150ミクロンの振動速度(20〜400ミクロン間の最大行程)で、5〜100kHz間の範囲、例えば、10〜50kHzで作動され得る。さらに、熱損傷またはその他の組織損傷の可能性を最小にするため、5〜50%の衝撃係数、例えば、5〜20%の衝撃係数のようなパルス化様式で上記処置デバイスを作動することが有利であり得、最も病気の領域にエネルギー送達を注意深く標的とすることによってこのエネルギー付与に曝される組織を最少にする。
【0086】
さらに、病気の弁の特定の位置上の処置に焦点をあてることが有利であり得、この場所で、カルシウム沈着物を除去すること、または減少することが、最大量の回復された小葉様相および得られる弁機能を生じる。例えば、小葉の中央セクション内の小葉の天頂で、または交連にある弁の輪内の沈着物が、最初に標的とされ得る。弁にともなうこれらの種々の位置の概略描写は、図66、67、および68に描写され、ここで、図67および68は、図66の線A−AおよびB−Bにそれぞれ沿った断面である。
【0087】
用いられるエネルギーのタイプおよび周波数に依存して、本発明の処置カテーテルはまた、カルシウムを除去するのみならず、Andersonによる米国特許第5,840,081号および同第6,582,462号、Wilsonによる米国特許出願第2004/0092858号、KhairkhahanによるWO2004/093728、HermannによるWO2005/009285などに記載のような、最少侵襲的補綴具弁の移植のために調製におけるように、小葉自体を除去または取り除くために利用され得、これらの開示は、本明細書中に参考として明示して援用される。本発明のデバイスでの前処理は、このような補綴具弁の配置を容易にし得る。なぜなら、移植の部位からカルシウムを除去することは、弁周囲の漏れ、取り外れを減少し得、そして増加した有効弁オリフィスに起因して移植されているより大きな補綴具を生じ得るからである。
【0088】
(移植可能なデバイス)
一旦修復が達成されると、除去される上記のデバイスの代替物または付属物として、大動脈弁を横切って、または大動脈弁内に一時的または永久的に移植されるデバイスが提供され得る。以下に出現するデバイスは、再石灰化、小葉の融合、および再狭窄のいずれかにより、弁が変性することを防ぐか、または遅延するために、狭窄が終了した後に、身体内で少なくとも所定の時間の間残ることがすべて意図される。本発明のインプラントは、輪の下360または輪の上の位置362いずれかで図67に描写される。
【0089】
いくつかの実施形態では、以下に描写されるコイルのようなインプラントを配置し、輪の下および輪の上の両方に延ばし、弁へのさらなる支持を提供し、そして弁を横切るより大きな処置領域を提供することが所望され得る。この実施形態のコイル設計は、2つのリング部分を接続する単一の支柱を有するが、弁の輪のすぐ上の冠状動脈を閉塞しないように十分低プロフィールである。図68を参照のこと。その開放構造のため、インプラントの輪の上の位置は、さらなる係留のために冠状動脈の上で大動脈根に延び得る。図69を参照のこと。
【0090】
さらなる実施形態において、上記インプラントは、ワイヤ、一連のワイヤ、または周縁ステントまたは冠状動脈ステントで用いられるのと類似であるセル構造から形成される。弁の輪中、または弁の下により良好に静止するために、弁の尖頭に正弦形態で従うようにイプラントリングを形成することが有利であり得る。さらに、このインプラントリングは、弁の輪に対して静止するように延びる支柱を有し得、構造物を提供するか、または特定の弁部位で薬学的被覆をさらに広める。図70、71、および72を参照のこと。
【0091】
なお別の実施形態では、上記インプラントは、互いから120゜の3つのループ120のような複数のループから形成され得る。図73〜76を参照のこと。
【0092】
この実施形態、およびワイヤ形態を描写するその他において、ワイヤは、所望の力に依存して0.020インチと0.250インチとの間の直径を有し得る。さらに、ワイヤは平坦であり得、そして構造物は、ループ間にメッシュを含み得、弁を支持するため、または薬学的薬剤の送達のためのより大きな表面積を提供する。このデバイスのループは、周期的様式で遠位方向および近位方向に移動され得、弁小葉をさらに開放し、そして単独治療としてプラークを破壊する。このデバイスは、次いで、上記のように永久的に移植され得る。一旦、弁が治療されたなら、または適正な配置を確実にするために永久的なインプラントの位置決めの間に、デバイスを再捕獲することが所望され得る。再捕獲デバイスは、それからインプラントが展開される送達カテーテルであり得るか、または回収カテーテルの遠位端上の拡大可能な漏斗を含み得るか、またはインプラント上のフックと嵌合するグラスパーまたはフックを含む任意の数の機械的デバイスを含み得るか、またはインプラントが送達シース中に引かれ得、そして身体から除去され得るように特定の点でインプランを握る。
【0093】
本明細書中に記載される任意のインプントの構造は、当該分野で公知であるような手順評価の目的のために、それらを放射線不透過性またはエコー発生性にする表面増強または被覆を有し得る。冠状動脈ステント処理の分野でさらに公知であるように、記載されるデバイスは、永久的、除去可能、または生腐食性であり得る。それらは、デバイス中またはデバイス上に設計される、被覆、穴、デポー、ポアまたは表面不規則性の形態にある、上記で提示されるような抗再狭窄薬剤または材料を取り込み得る。さらに、上記インプラントは、その内容が本明細書中に明示して援用される米国特許第6,254,635号中に提示されるような特定の石灰化抵抗性材料から形成され得る。さらに、本発明のインプラントは、僅かな電気的荷電を発するような形態であり得る。カルシウムは正に荷電されるので、大動脈インプラントの表面を正に荷電することによりカルシウムを反発することが有利であり得る。さらに、電気的エネルギーがインプラントによって供給され得、本明細書中に参考として明示して援用される米国特許第6,505,080号中に記載されるような移植可能なペースメーカータイプのデバイスによって石灰化を最少にする。
【0094】
さらに、特定の機械的手順およびインプラントを、先に列挙されたような種々の適切な薬学的薬剤と組み合わせることが本発明の範囲内である。この適用に有用であり得る抗再狭窄薬剤は、当該技術分野で公知の任意のファミリーの薬剤またはエネルギー様式から選択され得る。例えば、ラパマイシン、パクリタキセル、シロリムスまたは窒素酸化物促進剤のような薬学的薬剤またはそれらのアナログが、意図的に生成された表面不規則性、または穴もしくは芝生(ディボット)のような特定の表面特徴中に取り込まれる溶出性被覆を用いてこれらのデバイス上に被覆され得る。上記デバイスは、本発明の手順を実施するために利用されるインプラントに上記薬剤を接着するために、被覆またはその他の表面の取り込みによる薬剤注入のために設計され得るか、または本発明の手順に従う口腔投与のために処方され得る。例えば、本発明の処置に従い、患者は、所定用量のスタチン、ACEインヒビター、または上記介入によって提供される弁機能を延長するためのその他の薬剤を処方され得る。
【0095】
図77〜89は、急性または亜慢性手順のために意図されたシステムの種々の実施形態を提示する。これらのデバイスは、大動脈弁を横切って配置され得、そして再拡大されて大動脈弁を再開放し、そして次に所定の時間の間処置された弁を、修復を容易にし、そして/または再狭窄を防ぐために設計された抗再狭窄薬剤またはエネルギー様式に曝すためにその場に残る。図77および78に示されるデバイスは、外方に延び、交連で融合された小葉を係合および分離する機械的羽根(ベーン)400を特徴とする。これらの羽根は、任意の適切な金属、プラスチックまたは組み合わせから作製され得る。それらは、自己拡大性であるか(例えば、ニチノールまたはエルジロイから作製される)、またはそれらは、空気力、水力、ねじ、またはその他の機械的作動システムを用いて機械的に作動され得る。これらの羽根は、上記に示されるような変形可能な部材であり得るか、または各羽根は、ヒンジ部分で連結されたいくつかのより剛直性のパーツから構成され得、このユニットの拡大および退却を可能にする。上記の羽根は、融合された小葉の分離を容易にするよう、そして弁が閉鎖される場合にその能力に衝撃を与えることなく交連内に適合するように設計されたより狭いエッジを備えた、形状が矩形である断面を備えて設計され得る。これらの矩形の羽根のより広い面は、小葉の新たに分離されたエッジと接触し得る。この矩形の断面の代替物として、これらの羽根は、いっそう多くの翼形状またはその他の断面形状を有するように設計され得、血流内の乱流を最少にし、そして弁の小葉に対する外傷を最少にする。
【0096】
図79および80のデバイスは、本発明の方法に従って用いられるバルーンシステムを示す。このバルーン410は、以下により詳細に記載されるような抗再狭窄薬剤の注入のために用いられる複数の穴412を特徴とし得る。これらの穴は、注入されるべき薬剤のわずかな滲出のみを可能にするに十分小さくあり得るか、またはそれらは、より迅速な注入またはより大きな容量の注入液が送達されることを可能にし得るサイズであり得る。これらの穴は、バルーンの周縁の周りに均一な分布で配置され得るか、またはそれらは、交連の位置とより直接的に整列するように配置され得る。
【0097】
図81および82のデバイスは、図77および78の特徴を、79および80のそれらと組み合わせるバルーンシステムを備える。いくつかのバルーンは、各バルーンが交連424と整列するように配置される。このデバイスの膨張は、心臓から、そしてこのデバイスがその場にある身体中への連続した灌流を可能にし得る。これは、次に、抗再狭窄薬剤のより持続する送達のために少なくあり得る。穴が、図79および80中のデバイス上の穴についての説明と同様に図3のバルーン上に配置され得る。
【0098】
本出願で有用であり得る抗再狭窄薬剤は、当該技術分野で公知の任意のファミリーの薬剤またはエネルギー様式から選択され得る。例えば、ラパマイシン、パクリタキセル、シロリムスまたは酸化窒素促進薬剤のような薬学的薬剤またはそれらのアナログが、意図的に生成された表面不規則性、または穴もしくは芝生(ディボット)のような特定の表面特徴中に取り込まれる溶出性被覆を用いて任意の本発明のデバイス上に被覆され得る。記載されるように、これらデバイスは、図面に示されるようなバルーンまたは交連切開羽根のようなデバイスの仕事実施要素中の注入チャネルおよび注入穴の取り込みによる薬物注入のために設計され得る。
【0099】
エネルギー送達は、いくつかの異なる様式によって、そして異なる目的のために達成され得る。高周波エネルギーは、交連切開羽根にエネルギーを与えることにより、または湿潤電極を達成するためのバルーン上の穴を用いることにより付与され得る。マイクロ波、超音波、高周波超音波エネルギー、またはパルス化電場(細胞のエレクトロポーレーションを誘導する目的のため)が、アンテナまたは電極を、羽根、バルーンまたはこれらの仕事を実施する要素を支持するカテーテルシャフト中に組み込むことによって用いられ得る。寒冷療法は、上記仕事を実施する要素を通じて相変化ガスまたは液体窒素のような冷却流体を循環することによって達成され得る。複数の様式が、耐久性大動脈弁修復の目的を達成するために単一のデバイス中に組み込まれ得る。
【0100】
このエネルギーは、例えば、融合された小葉を分けることをより容易にすることによって弁修復を容易にするために用いられ得る。あるいは、このエネルギーは、処置された弁の再狭窄を遅延または防ぐために用いられ得る。再狭窄の予防のためのエネルギー送達の使用の1つの例は、細胞のアポトーシスを誘導するためのパルス化電場の使用である。ナノ秒の大きさの持続時間の電気のパルスの印加が細胞の細胞内装置を改変し得、そしてパクリタキセルまたはシロリムスのような臨床的に証明された抗再狭窄薬物の作用の機構の鍵となる局面であることが知られる、アポトーシス、またはプログラム化された細胞死を誘導することが知られる。
【0101】
これらの薬剤またはエネルギーの付与は、数分〜数時間の経過に亘って、患者がカテーテル使用ラボにいる間に投与される。あるいは、上記デバイスは、患者がその場にあるデバイスとともに、薬剤の注入またはエネルギーの印加が、数時間または数日の経過に亘って進行し得るように、病院床に戻ることを可能にするように設計され得る。
【0102】
B.一旦、修復が達成されると取り出され、そして抗再狭窄薬剤の投与が終了する上記に記載のデバイスの代替物または付属物として、大動脈弁を横切るか、またはその中に一時的または永久的に移植されるデバイスが提供され得る。以下に出現するこれらのデバイスは、すべて、狭窄の修復の終了した後、弁が互いに再接着すること、および再狭窄することを防ぐか、または遅延するために、少なくとも所定の時間の間残ることが意図される。
【0103】
記載されるデバイスは、永久的、取り外し可能、または生腐食性であり得る。それらは、被覆、穴、デポー、ポア、またはデバイス中もしくはデバイス上に付与されるように設計された表面不規則性中に、抗再狭窄薬剤または材料を取り込み得る。
【0104】
支柱430は、図83および84に示されるような、任意の適切な金属、プラスチックまたは組み合わせから作製され得る。それらは、自己拡大性であり得るか(例えば、ニチノールまたはエルジロイから作製される)、またはそれらは、空気力、水力、ねじまたはその他の機械的作動システムを用いて移植の間、機械的に能動化され得、そして次に、送達システムからのデバイスの展開に先立って、それらの最終位置中にロックされる。上記の支柱は、上記に示されるような変形可能な部材であり得るか、または各支柱は、ヒンジ作用部分で連結されたいくつかのより剛直性のパーツから構築され得、ユニットの拡大および収縮を可能にする。上記支柱は、融合された小葉の分離を容易にするよう、そして弁が閉鎖される場合にその能力に衝撃を与えることなく交連内に適合するように設計されたより狭いエッジを備えた、形状が矩形である断面を備えて設計され得る。これらの矩形の支柱のより広い面は、小葉の新たに分離されたエッジと接触し得る。この矩形の断面の代替物として、これらの支柱は、いっそう多くの翼形状またはその他の断面形状を有するように設計され得、血流内の乱流を最少にし、そして弁の小葉に対する外傷を最少にする。
【0105】
図85〜89は、移植可能なデバイスについて代替の設計を示す。修復された小葉の処置された領域に長期間の抗再狭窄薬剤またはエネルギー様式を提供する目的を達成するインプラントのための任意の設計が、本発明の主題であるとして考慮されるべきである。大動脈の壁に対して横たわり、そして(図85および86におけるような)支柱と再構築する前に大動脈の中心に接続する、支柱とほぼ連続的である(図83および84に示されるような)係留要素、または支柱自体が係留要素である設計は、すべて、本発明の実施形態である。
【0106】
上記移植可能でかつ生腐食性デバイスは、すべて、ラパマイシン、パクリタキセル、シロリムスまたは酸化窒素増強薬剤のような薬学的薬剤またはそれらのアナログを特徴とし得、これらは、薬物溶出性被覆を用いて、または意図的に生成された表面不規則性もしくは穴もしくはデポーのような特定の表面特徴中に取り込まれ、任意の本発明のデバイス上に被覆され得る。
【0107】
さらなる抗再狭窄薬剤またはエネルギー様式が、例えば、上記送達システムの特徴として、イプラント上に取り込まれるような薬剤とは別個、そして/またはそれに加えて送達され得る。
【0108】
本発明は、種々の改変、および代替形態をとり得るが、その特定の例が図面中に示され、そして本明細書中に詳細に記載される。しかし、本発明が、開示される特定の形態もしくは方法に制限されることはないことが理解されるべきであり、反対に、本発明は、本開示および添付の請求項の思想および範囲に入るすべての改変物、等価物および代替物を包含する。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25A】

【図25B】

【図25C】

【図25D】

【図26】

【図27】

【図28】

【図29】

【図30】

【図31】

【図32】

【図33】

【図34】

【図35】

【図36】

【図37】

【図38】

【図39】

【図40】

【図41】

【図42】

【図43】

【図44】

【図45】

【図46】

【図47】

【図48】

【図49】

【図50】

【図51】

【図52】

【図53】

【図54】

【図55】

【図56】

【図57】

【図58】

【図59】

【図60】

【図61】

【図62】

【図63】

【図64】

【図65】

【図66】

【図66A】

【図66B】

【図67】

【図68】

【図69】

【図70】

【図71】

【図72】

【図73】

【図74】

【図75】

【図76】

【図77】

【図78】

【図79】

【図80】

【図81】

【図82】

【図83】

【図84】

【図85】

【図86】

【図87】

【図88】

【図89】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓弁修復のための処置カテーテルであって:
近位端および遠位端を備えるカテーテル本体;
心臓弁上または心臓弁近傍の局在化石灰性部位上の塞栓封じ込め領域を生成するための該カテーテル本体の遠位端近傍の手段;および
該石灰性部位を破壊するように適合された作業要素であって、該塞栓封じ込め領域内に位置決め可能である作業要素、を備える、処置カテーテル。
【請求項2】
前記作業要素が、前記石灰性部位で石灰性沈着物を破壊するように選択された条件下でエネルギーを送達する超音波要素のような、エネルギー送達要素を備える、請求項1に記載の処置カテーテル。
【請求項3】
前記カテーテル本体が操縦可能またはそうでなければ位置決め可能であり、使用者が前記遠位端を前記石灰化部位に向けることを可能にする、請求項1に記載の処置カテーテル。
【請求項4】
前記作業要素を、前記石灰性部位に隣接して位置決め、そして/または安定化するための、前記カテーテル本体上の位置決め構造をさらに備える、請求項1に記載の処置カテーテル。
【請求項5】
前記塞栓封じ込め生成手段が、成形バルーン、バスケット、またはフィルターを備える、請求項1に記載の処置カテーテル。
【請求項6】
前記塞栓封じ込め手段が、前記処置カテーテル上に位置するフィルター、吸引デバイスと連結された灌流バルーン、吸引カテーテル、処置部位もしくは処置部位から下流いずれかにある別個のフィルターデバイス、または外部フィルター、および灌流システムを備える、請求項5に記載の処置カテーテル。
【請求項7】
保護デバイスが、疾患大動脈弁を通る流れをなお可能にしながら、前記処置カテーテルが処置される位置に接近することを可能にするような形状であるフィルターを備える、請求項6に記載の処置カテーテル。
【請求項8】
疾患大動脈弁の周りの処置部位から残渣を捕捉そして/または排出する保護デバイスを備える、請求項1に記載の処置カテーテル。
【請求項9】
撮像アセンブリをさらに備える、請求項1に記載の処置カテーテル。
【請求項10】
撮像要素が、心臓内超音波心臓検査法(ICE)アセンブリ、経食道超音波心臓図検査(TEE)アセンブリ、血管内超音波アセンブリ、または血管顕微鏡検査アセンブリを備える、請求項9に記載の処置カテーテル。
【請求項11】
前記処置カテーテルを受容するような形態である内部管腔を備えるガイドカテーテルをさらに備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載の処置カテーテルを備える、システム。
【請求項12】
前記ガイドカテーテルの内部管腔内、および前記処置カテーテルの周りに位置決め可能である第2の位置決めカテーテルをさらに備える、請求項11記載のシステム。
【請求項13】
前記作業要素が、RF電極を備える、請求項1に記載の処置カテーテル。
【請求項14】
前記作業要素が、回転可能な先端部を備える、請求項1に記載の処置カテーテル。
【請求項15】
前記回転可能な先端部が、コイルを備える、請求項14に記載の処置カテーテル。
【請求項16】
前記回転可能な先端部が、インペラーを備える、請求項14に記載の処置カテーテル。
【請求項17】
前記回転可能な先端部が、グラインダーを備える、請求項14に記載の処置カテーテル。
【請求項18】
前記回転可能な先端部上に配置されるシースを備える、請求項14に記載の処置カテーテル。
【請求項19】
前記カテーテル本体の遠位端が、吸引ハウジングを備える、請求項1に記載の処置カテーテル。
【請求項20】
弁の輪、輪の上、輪の下、またはそれらの組み合わせ内に配置するための血管内インプラントであって、機能的弁オリフィスを維持することを支援し、材料の少なくとも1つのコイルまたはリングを備える、血管内インプラント。
【請求項21】
前記コイルまたはリングが、再狭窄を減少することにより、そしてそうでなければ弁機能を支援することにより効目を増加する薬学的薬剤を含む、請求項20に記載の血管内インプラント。
【請求項22】
前記血管内インプラントが、逆行性アプローチを経由して、大腿動脈から大動脈中に、そして上行大動脈から弁を横切り、または順行性アプローチ-経中隔により、僧帽弁を横切り、左心室を通り、そして大動脈弁を横切って導入される、請求項20に記載の血管内インプラント。
【請求項23】
前記材料の少なくとも1つのコイルまたはリングが、単一の支柱によって連結される弁の上のリングおよび輪の下のリングを備える、請求項20に記載の血管内インプラント。
【請求項24】
前記材料の少なくとも1つのコイルまたはリングが、1つ以上の正弦リングを備える、請求項20に記載の血管内インプラント。
【請求項25】
大動脈弁の輪に対して静止するように延び、構造物を提供するか、または該大動脈弁に薬学的被覆をさらに伝播する、1つ以上の支柱を備える、請求項24に記載の血管内インプラント。
【請求項26】
前記材料の少なくとも1つのコイルが、複数のループを備える、請求項20に記載の血管内インプラント。
【請求項27】
前記複数のループが、互いから120゜で配置される3つのループを備える、請求項20に記載の血管内インプラント。
【請求項28】
1つ以上の石灰性部位を有する心臓弁を処置するための方法であって:
該石灰性部位上に塞栓封じ込め領域を生成する工程;および
該石灰性部位にエネルギーを送達する工程であって、該部位を破壊し、そして該封じ込め領域中に含まれる塞栓を生成する工程、を包含する、方法。
【請求項29】
前記封じ込め領域から塞栓を除去する工程をさらに包含する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記塞栓封じ込め領域を生成する工程が、該領域上に構造物を位置決めすることを包含し、該構造物が会合する血管にまたがらない、請求項28または29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記構造物が、ハウジング、バルーン、バスケット、またはフィルターを備える、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記塞栓封じ込め領域を生成する工程が、石灰性部位の周りの領域から、構造物を位置決めすることなく塞栓を吸引することを含む、請求項28または29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
前記エネルギーが、超音波、高周波、マイクロ波、機械的、または低温である、請求項28から32のいずれか1項に記載の方法。

【公表番号】特表2008−522755(P2008−522755A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−545650(P2007−545650)
【出願日】平成17年12月9日(2005.12.9)
【国際出願番号】PCT/US2005/044543
【国際公開番号】WO2006/063199
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(505418308)ザ ファウンドリー, インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】