説明

大型バレル部構成部品の製作のためのマルチヘッド自動化複合材料積層機

回転軸を有するツールのマンドレル表面における自動化された複合材料の積層のための航空機部品製造装置は、複数の材料搬送ヘッドを支持する機械的支持構造を含む。ツールは、機械的支持構造に対して移動可能かつ回転可能である。ツールのマンドレル表面全体に複合材料の経路を敷設するようにマンドレル表面が回転する間、機械的支持構造は、マンドレル表面に対する材料搬送ヘッドの軸方向並進に備える。複数の材料搬送ヘッドの各々の位置および移動は個別に調整可能である。アーム機構は、マンドレル表面に垂直な方向の各材料搬送ヘッドの運動、マンドレル表面に垂直な軸を中心とする回転、マンドレル表面に対する周方向の周方向位置調整、および他の材料搬送ヘッドに対する軸方向位置調整をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に複合材料を使用する大規模構造の製造に関し、より詳しくは、大型航空機胴体部の自動化された複合材料の積層に関する。
【背景技術】
【0002】
炭素繊維エポキシおよび黒鉛ビスマレイミド(BMI)材料のような複合材料の構造性能の優位性は航空宇宙産業で周知である。航空機の設計者は、例えばそれらの優れた剛性、強度、および低重量のため、複合材料に魅了されてきた。より進んだ先端材料およびより多くの多種多様な材料の形態が利用可能になるにつれて、複合材料の航空宇宙産業での利用が増大してきた。自動化テープレイヤ技術は、翼パネルおよび尾翼のような大型複合構造の製作に幅広く使用される自動化プロセスになるまで発展した。現在のテープレイヤ技術は、多種多様な宇宙航空用構成部品に要求されるプロセス能力の柔軟性をもたらすように改善されてきた。航空宇宙産業のテープ敷設の適用は、例えば大型複合構造の製造コストを管理するのに役立つかもしれない材料レイアップレートを達成するので、例えば直径15〜20フィートの大型航空機胴体部の自動化テープレイアップのような、テープレイヤの新しい革新的な用途を定めることができる。
【0003】
自動化テープ敷設機は一般的に、例えばガントリにおける5軸運動および搬送ヘッドにおける5軸運動の10個の運動軸を有することのできるガントリ型の機械である。一般的に自動テープレイヤは、ガントリ構造(平行レール)、精密グラウンドウェイ上を移動する横送りバー、材料搬送ヘッドを上昇および下降させるラムバー、ならびにラムバーの下端に取り付けられた材料搬送ヘッドから構成される。市販のテープレイヤは一般的に、フラットテープ敷設機(FTLM)または起伏テープ敷設機(CTLM)のいずれかを使用して、フラットまたは少し起伏のある積層アプリケーションのレイアップ用に特に構成されている。ガントリ型テープレイヤでは、ツーリング(またはフラットテーブル)は床に固定されたガントリ構造の下で一般的に転動し、機械の搬送ヘッドは次いでレイアップ表面に初期化される。
【0004】
図1Aは、典型的なテープ敷設機の材料搬送ヘッド100を図示する。FTLMおよびCTLM機用の搬送ヘッドは基本的に、図1Aに示す搬送ヘッド100と同一構成である。市販の自動化テープレイヤの搬送ヘッドは一般的に、75mm(3インチ)、150mm(6インチ)、および300mm(12インチ)の材料幅を受け入れるように構成される。フラットテープレイヤは一般的に、150mm(6インチ)および300mm(12インチ)幅の材料を使用する。起伏テープレイヤは一般的に、75mm(3インチ)および150mm(6インチ)幅の材料を使用する。CTLMシステムは通常、平面起伏表面にレイアップするときには、3インチまたは6インチ幅の材料を使用する。テープレイヤ用の材料102は一般的に、大径スプールで供給される。テープ材102は裏打ち紙106を有し、それはプリプレグ(樹脂を事前含浸させた繊維)がツール表面108に塗布されるときに抜き出さなければならない。材料のスプールは一般的に搬送ヘッド供給リール104内に装填され、上部テープガイドシュートに通され、カッタ110を通過する。次いで材料102は下部テープガイドを通過し、セグメント化された圧縮シュー112の下を通り、裏打ち紙巻取りリール114に進む。裏打ち紙は抜き出され、紙巻取りリール114の巻取りローラ上に巻回される。搬送ヘッド100はツール表面108と接触し、テープ材料102は、圧縮圧力によりツール表面108に「配置」される。テープ敷設機は一般的にツール表面108のコンピュータプログラムされた経路(コース)にテープを敷設し、正確な位置および角度で材料102を切断し、テールをレイアウトし、搬送ヘッド
100をツール表面108から上昇させ、経路開始位置に後退し、次の経路の敷設を開始する。搬送ヘッド100は、欠陥が検出されたときに機械制御装置にテープ材料102の敷設を停止させる信号を送る、光学的テープ欠陥検出システムを有することができる。搬送ヘッド100はまた一般的に、テープ間接着の粘着性レベルを高めるようにプリプレグ材を加熱する、加熱システム116をも有する。加熱されたテープ温度は一般的に80F〜110Fの範囲である。
【0005】
CTLM搬送ヘッドは単一片の広幅プリプレグテープを取り扱うが、繊維配置ヘッドは複数帯片の狭幅テープを処理して、テープと同様の固体帯状材料を形成する。トウと呼ばれる個々のプリプレグ繊維は一般的に8分の1インチ幅である。トウ118を図1B、1C、および1Dに示す。トウ118は通常トウプレグスプール120のようなスプールから引き出され、繊維搬送システム122を通して、図1Cに概略的に図示する繊維配置ヘッド130内に供給される。繊維搬送システム122は例えばテンショナ(tensioner)システム124を含むことができる。
【0006】
繊維配置ヘッド130では、トウ118は、図1Bに示すように、単一繊維帯126にコリメートし、主軸台と心受台との間に装着できる表面140のような作業面上に積層することができる。図1Dに示す経路128のような繊維帯または経路を開始するときに、個々のトウ118は、クランプ139を解除し、かつ同時に回転補足ローラ134に対してピンチローラ132を起動させることによって、ヘッド130に通される。材料は、配置されている間に、通常転圧ローラ136により表面140のような表面上に圧縮される。ひとたびトウが転圧ローラ下に供給されると、ピンチローラは後退し、各トウをツールに沿った経路によって要求されるようにヘッドを通して繰り出すことが可能になる。経路128が敷設されるときに、ヘッド130は個々のトウ118のいずれかを切断または再始動することができる。図1Cは、繊維配置ヘッド130の上部119aおよび下部119b繊維経路119用のメカニズムの断面図を示す。各トウ経路119は、他の全てのトウ経路119から独立して起動させることのできる、それ自体のカッタ138、ピンチローラ132、およびクランプ139を有する。これは、繊維帯126または経路128の幅を、図1Dに示すように、1つのトウ幅に等しい増分単位で増減することを可能にする。繊維帯126または経路128の幅の調整は、隣接する経路128間の過度の間隙または重複を解消する。経路128の終点で、残りのトウ118は、プライ境界142の形状に合致するように切断することができる。トウが切断されるときに、クランプ39が同時に起動されて、それが張力によってヘッドからスリップまたは引き出されるのを防止する。ヘッド130は次いで次の経路128の始めに配置することができる。経路128の配置中に、各トウ118はツール表面に沿った機械の経路によって決定されるそれ自体の速度で送り出され、各トウ118を独立して部品の表面140に合致させることが可能になる。このため、繊維つまりトウ118は測地的経路に制約されない。それらは、指定された設計目標に適合するように進路を取ることができる。転圧ローラ136のような転圧装置は粘着性向上のための熱と組み合わされて、トウ118をレイアップ表面140上に積層する。トウ118を作業面140(または前に敷設されたプライ)上に押圧するこの動作は、トウ118をレイアップ表面140に接着させ、かつ閉じ込められた空気を除去し、真空デバルキング(debulking)の必要性を最小化する。また、繊維を凹面に敷設することをも可能にする。
【0007】
テープ敷設ヘッド100のような繊維配置ヘッド130は、例えばアーム機構を使用して幾つかの運動軸を設けることができ、コンピュータ数値制御することができる。機械がトウを積層しているときに、運動軸はヘッド100または130が表面108または140に対して垂直であることを確実にする必要があるかもしれない。機械はまた、例えば空調クリールに取り付けることのできるテンショナシステム124のような、多数の電子繊維テンショナを有することもできる。これらのテンショナは個々のトウの繰出しをもたら
し、かつ正確な張力を維持することができる。ヘッド100または130は、個々のプリプレグトウ118を正確に送り出し、切断し、クランプし、かつ再始動することができる。
【0008】
複合材料を使用する胴体の製作は、複合材料の使用を従来の胴体の製作方法に比較して経済的にするのに充分な高いレートでの複合材料の自動配置を必要とする。製造されるより新しくより大型の胴体に軽量かつ高強度の複合材料を利用するには、複合材料の敷設レートの飛躍的向上が要求される。テープ敷設および繊維配置のような現行プロセスは現在、ボーイング7E7のような新しい大型航空機プログラムにおける生産レートを満たすことを経済的に実現可能とするには遅すぎる。敷設レートを現状の技術より大幅に増大し、かつ必要とされる機械の数を低減する複合材料の自動配置のためのツールおよびプロセスが必要である。
【0009】
例えば、既存の技術を使用して、長さ60フィートの一定断面の大型胴体外板全体をレイアップマンドレル上に配置するには、一般的に3〜4週間を要する。標準的自動化積層プロセスは、最高で持続して毎時20ポンド(lbs/hr)の材料を配置することができ、1,000lbs/hr程度に近づくことのできる自動化複合材料配置機械が必要である。一般的に60フィート長とすることができるが、約20フィートから約110フィートまたはそれ以上の長さ範囲とすることのできる、一定断面の大型胴体外板全体は、1日か2日でレイアップマンドレル上に配置することができる。時間の短縮は、複合材料を使用して大型胴体外板のような大型航空機部品を製造する現実性および経済的実行可能性を著しく高めることができる。
【0010】
このように、大型胴体部の複合製作用の自動化レイアップ機が必要である。また、レートを現状の技術より大幅に増大する、自動化レイアップ機およびプロセスを使用して複合部品を製作することも必要である。さらに、必要とされる機械の数を低減して、必要とされる工場空間および必要な総合資本投資を低減する、自動化レイアップ機械およびプロセスも必要である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の概要
本発明の一態様では、回転軸を有するツールのマンドレル表面上の自動化された複合材料の積層のための装置は、複数の材料搬送ヘッドを支持する機械的支持構造を含む。ツールは機械的支持構造に対して移動可能であり、機械的支持構造はマンドレル表面に対する材料搬送ヘッドの移動を提供可能である。各々の材料搬送ヘッドは、マンドレル表面に対して個別に調整可能な位置を有する。
【0012】
本発明の他の態様では、回転軸を有するツールのマンドレル表面上の自動化された複合材料の積層のための装置は、複数の材料搬送ヘッドを支持する機械的支持構造を含む。ツールは機械的支持構造に対して移動可能かつ回転可能である。機械的支持構造はマンドレル表面に対する材料搬送ヘッドの同時の軸方向並進を提供可能であり、各々の材料搬送ヘッドの他の材料搬送ヘッドに対する位置は、個別に調整可能である。
【0013】
本発明のさらに他の態様では、回転軸を有するツールのマンドレル表面上の自動化された複合材料の積層のための装置は、複数の材料搬送ヘッドがツールの周りに配置されるようにそれらを支持する機械的支持構造を含む。ツールは機械的支持構造に対して移動可能かつ回転可能である。機械的支持構造は、マンドレル表面に対する材料搬送ヘッドの同時の軸方向並進を提供可能である。複数の材料搬送ヘッドの各々の機械的支持構造に対する位置は、個別に調整可能である。
【0014】
本発明のさらに他の態様では、回転軸を有するツールのマンドレル表面上の自動化された複合材料の積層のための航空機部品製造装置は、複数の材料搬送ヘッドがツールの周りに配置されるようにそれらを支持する機械的支持構造を含む。ツールは機械的支持構造に対して移動可能かつ回転可能である。機械的支持構造は、マンドレル表面に対する材料搬送ヘッドの同時の軸方向並進を提供可能である。複数の材料搬送ヘッドの各々の機械的支持構造に対する位置は、個別に調整可能である。アーム機構は各材料搬送ヘッドを機械的支持構造に接続する。アーム機構は、マンドレル表面に対する各材料搬送ヘッドのマンドレル表面に垂直な方向の運動をもたらし、マンドレル表面に対して垂直な軸を中心とする各材料搬送ヘッドの回転をもたらし、マンドレル表面に対して周方向の各材料搬送ヘッドの周方向位置の調整をもたらし、かつマンドレル表面に対する各材料搬送ヘッドの軸方向の位置調整をもたらす。
【0015】
本発明のさらなる態様では、回転軸を有するツールのマンドレル表面上の自動化された複合材料の積層のための航空機部品製造装置は、ツールが材料搬送ヘッドに対して移動可能であるように、複数の材料搬送ヘッドを支持するための手段を含む。装置はまた、マンドレル表面に対する複数の材料搬送ヘッドの移動をもたらす手段と、複数の材料搬送ヘッドの各々のマンドレル表面に対する個々の位置の調整をもたらすための手段とをも含む。
【0016】
本発明のさらに他の態様では、回転軸を有するツールのマンドレル表面上の自動化された複合材料の積層のための方法は、ツールが複数の材料搬送ヘッドに対して移動可能であるように、複数の材料搬送ヘッド支持するステップと、マンドレル表面に対する複数の材料搬送ヘッドの移動をもたらすステップと、複数の材料搬送ヘッドの各々についてマンドレル表面に対する個々の位置調整をもたらすステップとを含む。
【0017】
本発明のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の図面、説明、および請求の範囲を参照することにより、いっそうよく理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
発明の詳細な説明
以下の詳細な説明は、現在考えられる本発明を実施する最良の形態の説明である。本発明の範囲は添付する請求の範囲によって最良に定義されるので、説明は限定の意味に解釈すべきものではなく、単に本発明の一般原理を例示する目的で行うものである。
【0019】
概して、本発明の一実施形態は、例えば商用および軍用航空機の製造に使用できる、複合材料から作られる胴体構造のような大型部品の製作を提供する。一実施形態では、本発明は、大量の高性能複合材料を大型(一般的に直径または最大厚さが15フィートを超える)の一定断面の例えば丸い形状の、例えば円形または楕円形断面のマンドレル上に、先行技術に比較して非常に高いレートで自動敷設および圧縮することを可能にする。例えば、一実施形態を使用すると、配置つまり敷設のレートは、フィラメント巻回、繊維配置、および自動テープ敷設のような先行技術の複合材料配置プロセスより約48倍早くなると推定される。先行技術である遅い敷設レートは製造フローを増加し、かつ製造生産計画のレートスケジュールを満たすために必要な機械の台数を増加する。本発明の実施形態の使用に関連付けられる節約は、先行技術に比較して、複合材料をレイアップするフロータイムを著しく低減することができ、生産胴体バレル部を高いレートで組み立てるために必要な資本および設備を低減することができる。
【0020】
一実施形態では、本発明は、商用および軍用航空機の胴体構造の前方部または後部のように、一定の断面を持たない胴体構造のような大型部品の複合材料からの製作に使用することもできる。
【0021】
先行技術に一般的な単ヘッドの複合材料配置機とは対照的に、一実施形態のマルチヘッド構成は、先行技術に比較して増大した敷設レートを可能にする。一実施形態では、敷設レートは、まっすぐな一定断面のツールでも、繊維配置ヘッドで一般的に使用される狭幅の材料幅(1/8インチ)ではなく、広幅の事前含浸複合テープおよびCTLM搬送を使用することにより、先行技術に比較して増大することができる。広幅テープの使用は、レイアップツールの複雑度を一定断面に限定することがある。表面が一定断面ではない場合、繊維配置ヘッドは複雑な起伏面上への材料を適切に配置することが必要になるかもしれない。しかし一実施形態では、テープヘッドの単純さは、より複雑な繊維配置型の搬送ヘッドを使用するのに比較して、機械のアップ時間を大幅に増加することができる。
【0022】
例えば、ヘッドの複雑性に関連するダウンタイムのため、約40%の利用率で標準的繊維配置機は単一の4インチ幅の帯状の材料を毎分1200インチで配置することができる場合、6つのヘッドを使用する本発明の一実施形態は、典型的な起伏テープ敷設機(CTLM)でよくありそうな80%の機械利用率で、同一速度(毎分1200インチ)で12インチ幅帯状テープを6経路同時に配置することができる。同じ実施形態がCTLMで一般的なより厚いテープ(190面積重量(AW))を使用する場合、この例におけるより薄い材料の形の繊維配置(140AW)に比較して、敷設レートは、現状技術の繊維配置機より6×80%/40%×(12インチ/4インチ)×190AW/140AW=48倍高速となる。例えば、6つのテープ敷設ヘッドを使用する一実施形態は、ピークレート時に少なくとも毎時700ポンド(lbs/hr)の複合材料を敷設することができることが考えられる。ピークレートは、プロセスダウンタイムまたは他のプロセス中断を含まない平均敷設レートと記述することができる。ピークレートは一般的に、部品を製造するために必要な総時間数を部品の総重量で除算する持続生産レートとはみなされない。持続生産レートは、ダウンタイム、保守、休止、および他の中断をはじめとする中断を含む。
【0023】
他の例として、長さ30ft、直径14ftのバレル部胴体は、6ヘッド、12インチ幅CTLM構成を使用して、8回のパスで(ツールの軸から0°で)(長さ30ft×12インチ/ft/600インチ/分(30ftにおける加速および減速を平均したもの)+0.24分/パス転向時間)×8パス/80%の利用=8.4分で配置することができる。同じ条件下で、単ヘッド繊維配置機では、設計でより多くのプライを必要とするより薄いテープを使用して、((30×12)/600+0.24)×132)/40%=277分つまり4.6時間および132回のパスがかかる。より厚いテープ(190AW対140AW)を使用しても、単ヘッド繊維配置は同一前提の下で204分つまり3.4時間かかる。例えば、6つの繊維配置ヘッドを使用する一実施形態は、ピークレートで少なくとも300lbs/hrの複合材料を敷設することができると考えられる。
【0024】
本発明の一実施形態はまた、ツールおよびマンドレルを垂直構成に配向することによって、大型回転ツールを取り扱う問題にも対処する。フィラメント巻回および繊維配置は両方とも一般的に、水平スピンドル上のツールの装着を利用する。ツールの慣性は比較的小さいスピンドルシャフトを通して反応するという事実は、ツール設計に動的不安定性の問題を課す。また、水平レイアウトは大型ツールにたるみを引き起こす。ツールが長くかつ大きい直径であればあるほど、動的安定性およびたるみの問題は深刻になる。現行ツーリング技術は、この水平構成の限界が商用航空機の生産にとって理想であるものをはるかに下回ることを示唆している。垂直回転軸を有するツールを配向することにより、たるみの問題を緩和することができ、ツールの慣性が比較的小さいスピンドルシャフトを介して反応する必要が無いように、ツールは水平回転台上に搭載することができる。加えて、たるみの問題に対処することにより、垂直構成は、水平構成が一般的にそれに限定される直線状の一定断面形状より複雑なマンドレルの形状が可能になり、より複雑な形状を敷設するために必要な繊維配置ヘッドおよびクリールを搭載することがより現実的になる。
【0025】
ここで、図2を参照すると、一実施形態に係る自動化された複合材料の積層のための航空機部品製造装置200が図示されている。装置200は、ツール202を使用して自動化された複合材料の積層を促進する。ツール202は軸204を有し、それを中心に、またはそれに対してツール202は略対称とすることができ、それはツール202の長手軸とすることができ、かつそれはツール202の回転軸として使用することができる。装置200は図2に示すように、ツール202の軸204が水平方向を向いた水平構成を提示する。心受台(または主軸台)205は軸204が水平になるようにツール202を保持することができ、軸204がツール202の回転軸となるように、軸204を中心とするツール202の回転に備えることができる。ツール202は、例えばツール202を製造工程の一段階から別の段階に動かすときに、心受台205から取外すことができる。ツール202はマンドレル表面206を有することができ、それは略円筒性とする、つまり多かれ少なかれ一定の断面を有することができ、それは複合材料による製造に適した任意の形状、例えば丸みを帯びた四角形、円形、楕円形、または他の形状とすることができる。例えばマンドレル表面206は、航空機胴体の中央部の形状に合致させることができる。マンドレル表面206はまた略円錐性とする、つまりテーパ付または漸減する断面を有することもでき、それは複合材料により製造するのに適した任意の形状、例えば丸みを帯びた長方形、円形、楕円形、または他の形状を有することができる。例えばマンドレル表面206は、航空機胴体のノーズ部またはテールコーン部に見られる複雑な形状に合致させることができる。マンドレル表面206は、回転軸204を中心に略対称とすることができる。図の簡潔を期すために、図には単純な円形のまっすぐなマンドレルが示されているが、マンドレル表面206には複合繊維材をレイアップすることによって作成される部品の製造に適した任意の形状を持たせることができると考えられる。
【0026】
装置200は二つまたはそれ以上の材料送出ヘッド、つまり材料搬送ヘッド208を含むことができる。材料搬送ヘッド208は例えばフラットテープ敷設機または起伏テープ敷設機のような材料搬送ヘッド100、または繊維配置ヘッド130と同様とすることができる。マンドレル表面206の形状は、航空機部品製造装置200を使用して製造される航空機部品によって大きく異なるので、材料搬送ヘッド208は、表面の起伏要件を満たすために必要に応じて、フラットもしくは起伏テープ敷設搬送ヘッド、または繊維配置搬送ヘッドに基づく既存の搬送ヘッドの適応型とすることができる。例えば、ツール202およびマンドレル表面206の断面が図2に示すようにほとんど一定に維持されるときに、テープ敷設ヘッドは材料搬送ヘッド208用に使用することができる。同様に、ツール202およびマンドレル表面206の断面がツール202の長さに沿って有意に変化するときに、繊維配置ヘッドは材料搬送ヘッド208に使用することができる。
【0027】
ツール202は、図2に示すように水平方向に、または図3および4に示すように垂直方向に取り付けることができる。図2は水平構成の装置200を示し、材料搬送ヘッド208はテープ敷設ヘッドまたは繊維配置ヘッドのいずれかとすることができる。一般的に、水平構成の装置200は、繊維配置ヘッドより一般的に小さくよりコンパクトな、図2に示すようなテープ敷設ヘッドを使用して、一定断面のマンドレル表面206のレイアップにより適している。図3および4は、垂直構成を有する他の実施形態に係る、装置200のような航空機部品製造装置を示し、材料搬送ヘッド208は、図3に示すように材料搬送ヘッド100のようなテープ敷設ヘッドとすることができ、または代替的に図4に示すように繊維配置ヘッド130のような繊維配置ヘッドとすることができる。一般的に、図4に示す装置400の垂直構成は、一般的にテープ敷設ヘッドより複雑であり、材料を搬送ヘッドに供給するためにクリールシステム322を必要とする繊維配置ヘッドを使用して、変化する断面のマンドレル表面206、つまりより複雑な起伏を有する表面をレイアップするのにより適している。
【0028】
装置200は、材料搬送ヘッド208を支持することができ、マンドレル表面206に対する材料搬送ヘッド208の移動に備える機械的支持構造210を含むことができる。ツール202は、機械的支持構造210に対して移動可能かつ回転可能とすることができる。機械的支持構造210は並進および回転リング212を含むことができ、そこに材料搬送ヘッド208を、リング212および搬送ヘッド208がマンドレル表面206を取り囲むように、取り付けることができる。機械的支持構造210は、図2に示すようにリング212を垂直向きに支持することのできる、リング架台214を含むことができる。リング架台214は、軸204を中心とするリング212の回転に備えることができる。リング架台214は、リング架台214がツール202の軸204の方向に沿って移動できるように、レール216上に取り付けることができる。すなわち、リング212およびリング架台214を含むことのできる機械的支持構造210は、マンドレル表面206に対する全ての搬送ヘッド208の同時の軸方向並進をもたらす。
【0029】
動作時に、ツール202が回転する間に、リング212はツール202の全長に沿って並進することができ、材料搬送ヘッド208がツール表面全体つまりマンドレル表面206全体に経路218の材料を配置することが可能になる。リング212はまた、ツール202の全長に沿って回転することもでき、同じく材料搬送ヘッド208が材料経路218をマンドレル表面206全体に配置することを可能にする。ツール202の回転の代わりにリング212の回転は材料配置に必要ではないかもしれないが、材料搬送ヘッド208の便利な保守および点検に備えるために、リング212を回転させて位置決めできるようにしてもよい。さらに、ツール202はハンドレイアップ操作のためにマンドレル表面206にアクセスするために、リング212とは独立して回転することができる。
【0030】
装置200は、材料搬送ヘッド208を機械的支持構造210に、つまりリング212に接続するアーム機構220を含むことができる。図には示さないが、回転軸204に平行であってマンドレル表面206を取り囲むレールのアレイのような代替的機械的支持構造210を使用して、材料搬送ヘッド208をリングに直接接続することなく、複数の材料搬送ヘッド208から同時に材料搬送を達成することができることが考えられる。アーム機構220は、マンドレル表面206に対する材料搬送ヘッド208の運動を達成することができる。
【0031】
例えば、各々の個別材料搬送ヘッド208は、個々の材料搬送ヘッド208を機械的支持構造210に接続するアーム機構220によってもたらされる、他の材料搬送ヘッド208およびマンドレル表面206に対する多少の移動および個別位置調整を考慮して、他の材料搬送ヘッド208とは独立して、(ツール202に対する)周(フープ)方向および軸方向に移動する能力を有することができる。
【0032】
独立した軸方向位置調整は、例えば材料のパイルを周方向に、またはツール202のシリンダのフープ方向に配置するのに有用であろう。この場合、配置される材料の帯つまり経路218が、ツール202またはマンドレル表面206上に配置されるときに、重複または間隙無しに相互に隣接するように、全てまたは一部のヘッドが、相互に対して軸方向に、ツール202の長さに沿って、自らを再配置することができる。
【0033】
また、例えば、各々の個別材料搬送ヘッド208は、個々の材料搬送ヘッド208を機械的支持構造210に接続するアーム機構220によってもたらされる、マンドレル表面206に対して垂直つまり直角の方向に、他の材料搬送ヘッド208とは独立して移動し、かつマンドレル表面206に対して垂直な軸を中心に(ツール202を基準にして)他の材料搬送ヘッド208とは独立して回転する能力を有することができる。
したがって各材料搬送ヘッド208はマンドレル表面206に対して接近したり遠ざかる多少の個別移動および位置調整をもたらすことができ、マンドレル表面206に対する多
少の個別回転および角度位置調整をもたらすことができる。
【0034】
複数の材料搬送ヘッド208の各々は、例えば全ての材料搬送ヘッド208を同時に制御する、既存の数値制御(NC)またはコンピュータ数値制御(CNC)プログラミングソフトウェアを使用して、他の全ての搬送ヘッド208と協働して個別に制御することができる。複数の材料搬送ヘッド208はまた、ツール202およびマンドレル表面206の回転と協働して制御することもできる。例えばツール202の回転は、材料搬送ヘッド208のCNC制御と協調するCNC制御を使用して、心受台205を通して駆動することができる。
【0035】
ここで、図3および図4を参照すると、代替実施形態に係る自動化された複合材料の積層用の航空機部品製造装置300および400が図示されている。図3に示す装置300、および図4に示す装置400は、ツール202が垂直向きの回転軸204を有する垂直構成を示す。水平回転台316は回転軸204が垂直となるようにツール202を保持することができ、回転軸204を中心とするツール202の回転に備えることができる。ツール202は例えばツール202が製造工程の一段階から別の段階に移動するときに、回転台315から取外し可能にすることができる。上述の通り、ツール202はマンドレル表面206を有することができ、それは軸204に対して略対称とすることができ、かつそれは、図の簡潔を期すために図3および4に示した単純なまっすぐの円筒形より複雑な表面形状を有することができる。
【0036】
装置200の場合と同様に、装置300および装置400は複数の材料搬送ヘッド208を含むことができ、それは例えばフラットテープ敷設ヘッド、起伏テープ敷設ヘッド、または繊維配置ヘッドとすることができる。図3および4は、垂直構成を有する航空機部品製造装置300および400を示し、材料搬送ヘッド208は図3に示すようにテープ敷設ヘッドとするか、または図4に示すように繊維配置ヘッドとすることができる。一般的に、材料搬送ヘッド208にテープ敷設ヘッドの使用を示す装置300は、一定断面のマンドレル表面206をレイアップするのにより適している。一般的に、材料搬送ヘッド208に繊維配置ヘッドの使用を示す装置400は、テープ敷設ヘッドより一般的に複雑であり搬送ヘッドに材料を供給するためにクリールシステム322を必要とする繊維配置ヘッドを使用して、断面が変化するマンドレル表面206、つまりより複雑な起伏を有する表面をレイアップするのにより適している。
【0037】
装置300および400は、材料搬送ヘッド208を支持することができかつマンドレル表面206に対する材料搬送ヘッド208の移動に備える、機械的支持構造310を含むことができる。ツール202は、機械的支持構造310に対して移動可能かつ回転可能とすることができる。機械的支持構造310は、リング312および搬送ヘッド208がマンドレル表面206を取り囲むように、材料搬送ヘッド208をその上に取り付けることのできる、並進および回転リング312を含むことができる。機械的支持構造310は、図3および4に示すようにリング312を水平向きに支持することのできる垂直支持柱314を含むことができる。(図面を簡潔かつ分かりやすくするために、支持柱314の一部は図3および図4で仮想線で示されている)。
【0038】
リング312は、垂直支持柱314がツール202の回転軸204の方向に沿ったリングの垂直移動に備えることができるように、垂直支持柱314に接続することができる。換言すると、リング312および垂直支持柱314を含むことができる機械的支持構造210は、マンドレル表面206に対する全ての搬送ヘッド208の同時の軸方向並進をもたらすことができる。水平リング312もまた、クリールシステム322を支持するために使用することができる。クリールシステム322は、繊維配置ヘッドが材料搬送ヘッド208として使用されるときに、材料を繊維配置ヘッドに供給することができる。クリー
ルシステム322は、図4に示すようにリング312上に取り付けることができる。
【0039】
動作時、ツール202が回転台316上で回転する間に、リング312はツール202の全長に沿って並進することができ、材料搬送ヘッド208がツール表面全体つまりマンドレル表面206全体に経路218の材料を配置することを可能にする。上述の通り、複数の材料搬送ヘッド208の各々が、例えば材料搬送ヘッド208の全てを同時に制御するNCまたはCNCを使用して、他の全ての搬送ヘッド208と協調して個別に制御することができる。複数の材料搬送ヘッド208は、同じくCNCまたはNC制御を使用して、ツール202およびマンドレル表面206の回転と協調して制御することもできる。例えば、ツール202の回転は、CNC制御を使用して回転台316を介して駆動することができる。
【0040】
装置300および400は、材料搬送ヘッド208を機械的支持構造310つまりリング312に接続するアーム機構220を含むことができる。図には示さないが、回転軸204に平行でありかつマンドレル表面206を取り囲む垂直支持柱314のアレイのような代替的機械的支持構造310を使用して、材料搬送ヘッド208をリングに直接接続することなく、複数の材料搬送ヘッド208からの材料搬送を同時に達成することができることが考えられる。アーム機構220は、マンドレル表面206に対する材料搬送ヘッド208の運動を提供することができる。
【0041】
例えば、各々の個別材料搬送ヘッド208は、個別材料搬送ヘッド208を機械的支持構造310に接続するアーム機構220によってもたらされる、他の材料搬送ヘッド208およびマンドレル表面206に対する多少の移動および個別位置調整を考慮して、他の材料搬送ヘッド208とは独立して周(フープ)方向および軸方向(ツール202を基準にして)に移動する能力を有することができる。
【0042】
また、例えば各々の個別材料搬送ヘッド208は、個別材料搬送ヘッド208を機械的支持構造310に接続するアーム機構220によってもたらされる、他の材料搬送ヘッド208とは独立してマンドレル表面206に垂直つまり直角の方向に移動し、かつ他の材料搬送ヘッド208とは独立してマンドレル表面206に垂直な軸を中心に(ツール202を基準にして)回転する能力を有することができる。したがって、各材料搬送ヘッド208は、マンドレル表面206に対して接近したり遠ざかる多少の個別移動および位置調整をもたらすことができ、マンドレル表面206に対する多少の個別回転および角度位置調整をもたらすことができる。
【0043】
ツール202のマンドレル表面206のようなマンドレル表面上への自動化された複合材料の積層方法は、ツールおよび材料搬送ヘッドが相互に対して移動可能であるように、搬送ヘッド208のような複数の材料搬送ヘッドを支持することを含む。例えばツールは、心受台205を使用することなどによって水平に取り付けることができ、あるいは回転台316を使用することなどによって垂直に取り付けることができる一方、複数の材料搬送ヘッドは、機械的支持構造210または機械的支持構造310を使用することなどによって、ツールとは独立して支持することができる。
【0044】
該方法はまた、マンドレル表面に対する全ての材料搬送ヘッドの移動に備える一方で、各材料搬送ヘッドについて他の材料搬送ヘッドとは独立してマンドレル表面に対する個別位置調整に備えることも含むことができる。例えば、機械的支持構造210または310は、マンドレル表面に対する全ての材料搬送ヘッドを一緒に移動させることができ、例えば材料ヘッドを軸方向に、つまりツール202の軸204に対して平行な方向に並進させることができる。同時に、マンドレル表面に対して周方向の材料搬送ヘッドの周方向位置調整、マンドレル表面に対する材料搬送ヘッドの軸方向位置調整、マンドレル表面に対し
て垂直な方向の材料搬送ヘッドの運動、およびマンドレル表面に対して垂直な軸を中心とする材料搬送ヘッドの回転を、例えば各材料搬送ヘッドを機械的支持構造に接続するアーム機構220のような機構によって、達成することができる。
【0045】
該方法はさらに、ツール202の軸204のような水平または垂直の回転軸を中心としてツールを回転し、複数の材料搬送ヘッド208から経路218に複合材料を同時に搬送することを含むことができる。材料搬送のプロセス、材料搬送ヘッドの位置決めおよび移動、ならびにツールの回転は、複数の材料搬送ヘッドに対し協調制御を同時に提供するNCまたはCNC技術を使用して制御することができる。
【0046】
もちろん、上記は本発明の好適な実施形態に関係しており、以下の請求の範囲に記載する発明の精神および範囲から逸脱することなく、変形を施すことができることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1A】公知の典型的なテープ敷設機械の材料搬送ヘッドの図である。
【図1B】公知の別個の上部および下部(奇数および偶数)繊維経路の収束によって形成されるトウのコリメート帯の図である。
【図1C】公知の典型的な繊維搬送システムおよび繊維配置ヘッド、または繊維配置機の材料搬送ヘッドの略図である。
【図1D】公知の個々のプリプレグ繊維トウの切断による帯テーパリング効果の図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る水平構成の自動化された複合材料の積層用の航空機部品製造装置の斜視図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る垂直構成の自動化された複合材料の積層用の航空機部品製造装置の斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る垂直構成の自動化された複合材料の積層用の航空機部品製造装置の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を有するツールのマンドレル表面上の自動化された複合材料の積層のための装置であって、
ツールがそれに対して移動可能である機械的支持構造と、
前記機械的支持構造によって支持される複数の材料搬送ヘッドとを備え、
前記機械的支持構造が、マンドレル表面に対して前記複数の材料搬送ヘッドを移動可能とし、
前記複数の材料搬送ヘッドの少なくとも1つがマンドレル表面に対して個別に調整可能な位置を有する、装置。
【請求項2】
前記機械的支持構造が前記マンドレル表面を取り囲むリングを備え、かつ前記装置がリング架台をさらに備え、
前記リング架台が前記リングを支持し、
前記リング架台がツールの回転軸に沿って移動する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの材料搬送ヘッドを前記機械的支持構造に接続し、マンドレル表面に対する前記少なくとも1つの材料搬送ヘッドの運動をもたらすアーム機構をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
ツールを保持し、かつツールの回転軸を中心とする回転を与える心受台をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記複数の材料搬送ヘッドの少なくとも1つがフラットテープ敷設搬送ヘッドに基づいたものである、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の材料搬送ヘッドの少なくとも1つが起伏テープ敷設搬送ヘッドに基づいたものである、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記機械的支持構造が前記マンドレル表面を取り囲むリングを備え、前記リングが少なくとも1つの垂直支持柱に接続される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
ツールの回転軸が垂直となるようにツールを支持する水平回転台をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記機械的支持構造に取り付けられた少なくとも1つのクリールシステムをさらに備え、前記クリールシステムが前記複数の材料搬送ヘッドの少なくとも1つに材料を供給する、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記複数の材料搬送ヘッドの少なくとも1つが繊維配置ヘッドである、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
回転軸を有するツールのマンドレル表面上の自動化された複合材料の積層のための装置であって、
ツールがそれに対して移動可能かつ回転可能である機械的支持構造と、
前記機械的支持構造によって支持される複数の材料搬送ヘッドとを備え、
前記機械的支持構造が、マンドレル表面に対する、前記複数の材料搬送ヘッドの同時の軸方向並進を与え、
前記複数の材料搬送ヘッドに対する前記複数の材料搬送ヘッドの少なくとも1つの位置が個別に調整可能である、装置。
【請求項12】
前記機械的支持構造が前記マンドレル表面を取り囲むリングを備え、かつ前記装置がリング架台をさらに備え、
前記リング架台が前記リングを垂直向きに支持し、
前記リング架台が前記ツールの軸の方向に沿って移動して、マンドレル表面に対する前記複数の材料搬送ヘッドの同時の前記軸方向並進をもたらす、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの材料搬送ヘッドを前記機械的支持構造に接続するアーム機構をさらに備え、
前記アーム機構がマンドレル表面に対する前記少なくとも1つの材料搬送ヘッドの運動をもたらし、
前記アーム機構がマンドレル表面に対する前記少なくとも1つの材料搬送ヘッドの軸方向位置調整をもたらす、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
ツールの軸が水平となるようにツールを保持し、かつツールの軸を中心とする水平方向の回転を与える心受台をさらに備える、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記複数の材料搬送ヘッドの少なくとも1つが、フラットテープ敷設搬送ヘッド、起伏テープ搬送ヘッド、繊維配置搬送ヘッドからなる群より選択される、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
水平回転台をさらに備え、
前記機械的支持構造が前記マンドレル表面を取り囲むリングを備え、
前記リングが、前記リングの垂直方向の移動をもたらす垂直支持柱に接続され、
ツールの軸が垂直となるように、前記水平回転台がツールを支持する、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記機械的支持構造に取り付けられた少なくとも1つのクリールシステムをさらに備え、前記クリールシステムが前記複数の材料搬送ヘッドの少なくとも1つに材料を供給し、前記複数の材料搬送ヘッドの前記少なくとも1つが繊維配置ヘッドである、請求項11に記載の装置。
【請求項18】
前記複数の材料搬送ヘッドが同時に制御可能である、請求項11に記載の装置。
【請求項19】
回転軸を有するツールのマンドレル表面上の自動化された複合材料の積層のための装置であって、
ツールがそれに対して移動可能かつ回転可能である機械的支持構造と、
前記機械的支持構造によって支持され、かつツールの周囲に配置される複数の材料搬送ヘッドとを備え、
前記機械的支持構造がマンドレル表面に対して前記複数の材料搬送ヘッドの同時の軸方向並進を与え、
前記機械的支持構造に対する前記複数の材料搬送ヘッドの少なくとも1つの位置が個別に調整可能である、装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つの材料搬送ヘッドを前記機械的支持構造に接続するアーム機構をさらに備え、
前記アーム機構が、マンドレル表面に対して垂直な方向に、マンドレル表面に対する前記少なくとも1つの材料搬送ヘッドの運動をもたらし、
前記アーム機構が、マンドレル表面に対して垂直な軸を中心とする、マンドレル表面に対する前記少なくとも1つの材料搬送ヘッドの回転をもたらし、
前記アーム機構が、マンドレル表面に対して周方向の、前記少なくとも1つの材料搬送ヘッドの周方向位置調整をもたらし、
前記アーム機構が、マンドレル表面に対する、前記少なくとも1つの材料搬送ヘッドの軸方向位置調整をもたらす、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記機械的支持構造が前記マンドレル表面を取り囲むリングを備え、前記装置が、
ツールの回転軸が水平となるようにツールを保持し、かつツールの水平方向の回転を与える心受台と、
リング架台とをさらに備え、
前記リング架台が前記リングを垂直向きに支持し、
前記リング架台がツールの回転軸の方向に沿って移動して、マンドレル表面に対する前記複数の材料搬送ヘッドの同時の前記軸方向並進を提供し、
前記複数の材料搬送ヘッドの少なくとも1つがテープ敷設搬送ヘッドであり、
前記複数の材料搬送ヘッドが少なくとも700lbs/hrの複合材料を敷設することができる、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
水平回転台および少なくとも1つのクリールシステムをさらに備え、
前記水平回転台が、ツールの回転軸が垂直となるようにツールを支持し、かつツールの回転軸を中心にツールを回転させ、
前記機械的支持構造が、水平に配向されかつ前記マンドレル表面を取囲むリングを備え、
前記リングが、前記リングの垂直移動をもたらす少なくとも1つの垂直支持柱に接続され、
前記少なくとも1つのクリールシステムが前記リング上に取り付けられ、
前記クリールシステムが前記複数の材料搬送ヘッドの少なくとも1つに材料を供給し、
前記複数の材料搬送ヘッドの前記少なくとも1つが繊維配置ヘッドであり、
前記複数の材料搬送ヘッドが少なくとも300lbs/hrの複合材料を敷設することができる、請求項19に記載の装置。
【請求項23】
前記複数の材料搬送ヘッドの各々が、前記複数の材料搬送ヘッドと協働して、かつツールのマンドレル表面の回転と協働して個別に制御可能である、請求項19に記載の装置。
【請求項24】
回転軸を有するツールのマンドレル表面上の自動化された複合材料の積層のための航空機部品製造装置であって、
ツールがそれに対して移動可能かつ回転可能である機械的支持構造と、
前記機械的支持構造によって支持され、かつツールの周囲に配置される複数の材料搬送ヘッドとを備え、
前記機械的支持構造がマンドレル表面に対する前記複数の材料搬送ヘッドの軸方向並進を与え、
前記機械的支持構造に対する前記複数の材料搬送ヘッドの少なくとも1つの位置が個別に調整可能であり、
前記少なくとも1つの材料搬送ヘッドを前記機械的支持構造に接続するアーム機構をさらに備え、
前記アーム機構が、マンドレル表面に対して垂直な方向の、マンドレル表面に対する前記少なくとも1つの材料搬送ヘッドの運動をもたらし、
前記アーム機構が、マンドレル表面に対して垂直な軸を中心とする、マンドレル表面に対する前記少なくとも1つの材料搬送ヘッドの回転をもたらし、
前記アーム機構が、マンドレル表面に対して周方向の、前記少なくとも1つの材料搬送ヘッドの周方向位置調整をもたらし、
前記アーム機構が、マンドレル表面に対する、前記少なくとも1つの材料搬送ヘッドの
軸方向位置調整をもたらす、装置。
【請求項25】
軸を有するツールのマンドレル表面上の自動化された複合材料の積層のための航空機部品製造装置であって、
ツールが複数の材料搬送ヘッドに対して移動可能である、前記複数の材料搬送ヘッドを支持する手段と、
マンドレル表面に対する前記複数の材料搬送ヘッドの移動を与えるための手段と、
マンドレル表面に対する前記複数の材料搬送ヘッドの少なくとも1つの個別位置調整をもたらすための手段とを備える、装置。
【請求項26】
前記複数の材料搬送ヘッドを支持するための前記手段が、前記ツールに対して軸方向に前記複数の材料搬送ヘッドを並進させるための手段を含む、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
個別位置調整をもたらすための前記手段が、
マンドレル表面に対する前記材料搬送ヘッドの軸方向位置調整をもたらすための手段を備える、請求項25に記載の装置。
【請求項28】
個別位置調整をもたらすための前記手段が、
マンドレル表面に対して周方向の前記材料搬送ヘッドの周方向位置調整をもたらすための手段を備える、請求項25に記載の装置。
【請求項29】
個別位置調整をもたらすための前記手段が、
マンドレル表面に対して垂直な方向に、マンドレル表面に対する前記少なくとも1つの材料搬送ヘッドの運動をもたらすための手段と、
マンドレル表面に垂直な軸を中心として、マンドレル表面に対する前記少なくとも1つの材料搬送ヘッドの回転をもたらすための手段とを備える、請求項25に記載の装置。
【請求項30】
個別位置調整をもたらすための前記手段が、
前記複数の材料搬送ヘッドの各々を、前記複数の材料搬送ヘッドと協働して、かつツールのマンドレル表面の回転と協働して個別に制御するための手段を備える、請求項25に記載の装置。
【請求項31】
軸を有するツールのマンドレル表面上の自動化された複合材料の積層のための方法であって、
ツールが複数の材料搬送ヘッドに対して移動可能である、前記複数の材料搬送ヘッドを支持するステップと、
マンドレル表面に対する前記複数の材料搬送ヘッドの移動を与えるステップと、
少なくとも1つの前記複数の材料搬送ヘッドについてマンドレル表面に対する個別位置調整をもたらすステップとを含む、方法。
【請求項32】
前記複数の材料搬送ヘッドの移動を与える前記ステップが、
前記複数の材料搬送ヘッドを前記ツールに対して軸方向に同時に並進させるステップを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
個別位置調整をもたらす前記ステップが、
マンドレル表面に対して周方向の前記材料搬送ヘッドの周方向位置調整をもたらすステップと、
マンドレル表面に対する前記材料搬送ヘッドの軸方向位置調整をもたらすステップとを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
個別位置調整をもたらす前記ステップが、
マンドレル表面に対して垂直な方向に、マンドレル表面に対する前記少なくとも1つの材料搬送ヘッドの運動をもたらすステップと、
マンドレル表面に対して垂直な軸を中心とする、マンドレル表面に対する前記少なくとも1つの材料搬送ヘッドの回転をもたらすステップとを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
個別位置調整をもたらす前記ステップが、
前記複数の材料搬送ヘッドと協働して、かつツールのマンドレル表面の回転と協働して、前記複数の材料搬送ヘッドの各々を個別に制御するステップを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
水平回転軸を中心にツールを回転させるステップと、
前記複数の材料搬送ヘッドから複合材料を搬送するステップとをさらに含み、
前記複数の材料搬送ヘッドの少なくとも1つがテープ敷設機であり、
前記複数の材料搬送ヘッドがピークレート時に少なくとも700lbs/hrで複合材料を敷設する、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
水平回転軸を中心にツールを回転させるステップと、
前記複数の材料搬送ヘッドから複合材料を搬送するステップとをさらに含み、
前記複数の材料搬送ヘッドの少なくとも1つが繊維配置ヘッドであり、
前記複数の材料搬送ヘッドがピークレート時に少なくとも300lbs/hrで複合材料を敷設する、請求項31に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−503329(P2007−503329A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524061(P2006−524061)
【出願日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【国際出願番号】PCT/US2004/026996
【国際公開番号】WO2005/018917
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】