説明

安定な皮膚外用剤

【課題】 ハイドロキノン配糖体及び/又はアルコルビン酸誘導体と、非イオン性の界面活性剤を含有する乳化形態の皮膚外用剤において、高温保存安定性の向上した皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【解決手段】 1)ハイドロキノン配糖体及びその塩、アルコルビン酸誘導体及びその塩から選択される1種乃至は2種以上と、2)非イオン性界面活性剤と、3)下記に示す一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩とを含有する乳化形態の皮膚外用剤とする。
【化1】


一般式(1)
(但し、式中R、Rはそれぞれ独立に炭素数3〜6のアルキル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアシル基又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは芳香族性を有する基を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用剤に関し、更に詳しくは乳化形態の皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
アルブチンなどのハイドロキノン配糖体、アルコルビン酸−2−グルコシドなどのアスコルビン酸配糖体、アスコルビン酸リン酸エステルなどのアスコルビン酸鉱産エステルは、不安定なハイドロキノンやアスコルビン酸を安定化し、化粧料原料として使用可能となった有用な美白素材である。これ他の成分は、一般的な化粧料製剤、例えば、化粧水、乳液、クリームなどにおいては、実用上問題なく有用に使用されるが、その使用態様に於いては、例えば、炎天下の車の中などに放置されるなど、極端な高温条件下に曝される場合等において、時として、ミセルの会合・合一などに起因する、乳化状態の荒れや部分的な水相の分離などを生じる場合が存し、この様な状況に対する対応が望まれていた。この様な高温不安定化の要因としては、例えば、これらの素材と非イオン性界面活性剤との高温下での相互作用が指摘されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照)。これには、非イオン性界面活性剤の親水性部分が高温域で疎水化することも一因となっていると言われている。この様にミセルが会合したり合一することにより大きくなることは、有効成分の経皮吸収にも影響を与えると考えられるので(例えば、非特許文献1を参照)、避けるべきことである。
【0003】
また、一般式(1)で表される化合物の中には、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(2‘−テノイル)フェノールにように、抗酸化作用、プロスタグランディンの抑制を機序とする抗炎症作用、抗アレルギー作用や抗リウマチ作用などを有するものが存することが知られている(例えば、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、非特許文献2、非特許文献3を参照)。また、該化合物が美白作用を有することも知られている(特願2006−036842号公報)。
【0004】
しかし、ハイドロキノン配糖体やアスコルビン酸誘導体と、非イオン性界面活性剤を含有する乳化形態の皮膚外用剤において、一般式(1)で表される化合物を共存させることにより、極端な高温保存条件下での乳化形態の皮膚外用剤の安定性が向上することは知られていなかった。
【0005】
【特許文献1】特開2006−117534号公報
【特許文献2】特開2006−8709号公報
【特許文献3】特開2000−256173号公報
【特許文献4】特開昭53−141265号公報
【特許文献5】特開昭63−008380号公報
【特許文献6】特開昭63−502281号公報
【特許文献7】特表平06−501919号公報
【非特許文献1】Luppi B., et al, Drug Deli. 2002; 9(3):147-52
【非特許文献2】Agents and Action, Vol.12, No.5, 674-683, (1982)
【非特許文献3】Bioorganic & Medicinal Chemistry, Vol.11, 4207-4216, (2003)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、この様な状況に鑑みてなされたものであり、ハイドロキノン配糖体やアスコルビン酸誘導体を含有する乳化形態の皮膚外用剤において、極端な高温保存条件下においても安定な乳化形態の皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この様な状況に鑑みて、本発明者らはハイドロキノン配糖体やアスコルビン酸誘導体を含有し、非イオン性界面活性剤にて乳化された乳化形態の皮膚外用剤において、一般式(1)に表される化合物を共存させることにより、極端な高温保存条件下においても安定な乳化形態の皮膚外用剤が得られることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下の通りである。
【0008】
(1) 1)ハイドロキノン配糖体及びその塩、アルコルビン酸誘導体及びその塩から選択される1種乃至は2種以上と、2)非イオン性界面活性剤と、3)下記に示す一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩とを含有する乳化形態の皮膚外用剤。
【0009】
【化1】

一般式(1)
(但し、式中R、Rはそれぞれ独立に炭素数3〜6のアルキル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアシル基又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは芳香族性を有する基を表す。)
(2) 前記一般式(1)で表される化合物が、次に示す、一般式(2)又は一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする、(1)に記載の乳化形態の皮膚外用剤。
【0010】
【化2】

一般式(2)
(但し、式中R及びRは一般式(1)と同じ基を表し、Rは水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアシルオキシ基又は炭素数1〜4のアルキルオキシ基を表し、Xは酸素原子、硫黄原子又は−NH−を表す。)
【0011】
【化3】

一般式(3)
(但し、式中Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、アルキルオキシ基、水酸基、メルカプト基、トリフルオロメチル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、カルボキシル基、アルキルアミド基、スルフェニル基、スルホニル基又はハロゲン原子を表す。)
【0012】
(3) 前記一般式(1)に表される化合物が、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(2‘−テノイル)フェノール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4’−フルオロベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4‘−クロロベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4‘−メチルベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4‘−メトキシベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2’ ,4‘,6’−トリメチルベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4,4‘−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3’,5,5‘−テトラ−tert−ブチル−4,4‘−ジヒドロキシベンゾフェノン及び(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレニルメタノンから選択されるものであることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の乳化形態の皮膚外用剤。
(4) ハイドロキノン配糖体及びその塩、アルコルビン酸誘導体及びその塩が、ハイドロキノングルコシド、ハイドロキノンマルトシド、アスコルビン酸リン酸エステル塩、アルコルビン酸グルコシドから選択されるものであることを特徴とする、(1)〜(3)何れかに記載の乳化形態の皮膚外用剤。
(5) 非イオン性界面活性剤が、親水基としてポリオキシエチレン基を有するものであり、親油性基として炭素数12〜24のアシル基又はアルキル基を有するものであることを特徴とする、(1)〜(4)何れかに記載の乳化形態の皮膚外用剤。
(6) 界面活性剤として、非イオン界面活性剤のみを含有することを特徴とする(1)〜(5)何れかに記載の乳化形態の皮膚外用剤。
(7) 1)ハイドロキノン配糖体及びその塩、アルコルビン酸誘導体及びその塩から選択される1種乃至は2種以上の含有量の和と、一般式(1)に表される化合物の含有量の和との比が、質量比で10:1〜2:1であることを特徴とする、(1)〜(6)何れかに記載の乳化形態の皮膚外用剤。
(8) メラニン生成抑制用であることを特徴とする、(1)〜(7)何れかに記載の乳化形態の皮膚外用剤。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ハイドロキノン配糖体及びその塩、アルコルビン酸誘導体及びその塩を含有しても、高温保存安定性に優れた乳化形態の皮膚外用剤を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(1) 本発明の乳化形態の皮膚外用剤の必須構成成分であるハイドロキノン配糖体及びその塩、アルコルビン酸誘導体及びその塩
本発明の乳化形態の皮膚外用剤は、ハイドロキノン配糖体及びその塩、アルコルビン酸誘導体及びその塩を含有することを特徴とする。ハイドロキノン配糖体は、ハイドロキノンに糖がグリコシド結合した化合物であり、糖としては、グルコース、マンノース、ガラクトース等の単糖類、マルトース、ラクトース、セロビオース等の二糖類、マルトトリオース等の三糖類などが挙げられるが、これらの中ではグルコシド体であるアルブチンを用いるのが好ましい。これは、アルブチンが比較的安定性に優れ、また市販品もあるので入手しやすいからである。また、アスコルビン酸誘導体としては、アスコルビン酸の2位の水酸基を誘導体化したものが、安定性上優れており、この位置で誘導体化した化合物を用いるのが好ましい。このような化合物として、アスコルビン酸の2−グリコシド体が挙げられる。このような化合物の中ではグルコシド体であるアスコルビン酸−2−グルコシドが、比較的安定で、市販品もあり好ましい。他のアスコルビン酸誘導体としては、アスコルビン酸の2位の水酸基をリン酸エステル化したアスコルビン酸−2−リン酸エステル体が、比較的安定で、市販品もあり好ましい。
【0015】
このようなハイドロキノン配糖体、アルコルビン酸誘導体は、フリー体で本発明の皮膚外用剤に使用することもできるが、アルカリなどを用いて塩とし、使用することも可能である。たとえばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等が好ましく例示できる。
【0016】
(2)本発明の乳化形態の皮膚外用剤の必須構成成分である一般式(1)で表される化合物
本発明の皮膚外用剤は一般式(1)で表される化合物及び/又はその塩を含有することを特徴とする。前記一般式(1)において、R及びRはそれぞれ独立に、炭素数3〜6のアルキル基、より好ましくは分岐構造を有する、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、tert−ブチル基、アミル基などのアルキル基、特に好ましくはtert−ブチル基を表し、Rは水素原子、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基などの炭素数1〜4のアシル基又はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは芳香族性、より好ましくは、炭素数5〜15の芳香族性を有する基を表す。Rにおいては芳香族基のみで構成されていても良いし、脂肪族基を介在させていても良い。前記芳香族基は炭化水素であっても良いし、酸素原子、硫黄原子、窒素原子などの複素原子を有する複素芳香族基であっても良い。この芳香族基の種類により、本発明の皮膚外用剤の必須成分である一般式(1)に表される化合物は、一般式(2)で表される化合物と、一般式(3)に表される化合物に大別される。
【0017】
前記一般式(2)において、R及びRは一般式(1)と同じ基を表し、Rは水素原子、水酸基、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基、より好ましくはメチル基、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基などの炭素数1〜4のアシル基、より好ましくはアセチル基、又はメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブチルオキシ基などのアルキルオキシ基を表し、より好ましくは水素原子を表し、Xは酸素原子、硫黄原子又は−NH−を表し、より好ましくは硫黄原子を表す。この様な一般式(2)で表される化合物の内、特に好ましいものは、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(2‘−テノイル)フェノールである。かかる一般式(2)で表される化合物は、フリー体で本発明の皮膚外用剤に使用することもできるが、アルカリなどを用いて塩とし、使用することも可能である。たとえばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等が好ましく例示できる。
【0018】
【化4】

2,6−ジ−tert−ブチル−4−(2‘−テノイル)フェノール(化合物(1))
【0019】
また、これらの化合物は、任意の方法で製造することができ、例えば下記スキーム1又は2で概略される方法で製造することができるが、これらの方法に限定されない。勿論、置換基の種類などに応じて、適宜製造方法を目的に適した形に変更することも可能である。
【0020】
【化5】

スキーム1
【0021】
スキーム1における反応について簡単に説明する。
3,5−ジ−アルキル−4−ヒドロキシベンゾイックアシッドを塩化チオニルを用いて常法にて処理することにより、3,5−ジ−アルキル−4−ヒドロキシベンゾイックアシッドの酸クロリド体(A)とする。この酸クロリド体(A)を二硫化炭素などの適当な溶媒中で、塩化アルミニウム、四塩化チタンなどのルイス酸で処理する。次いで、チオフェン(B)を添加して、フリーデルクラフト反応させることで、一般式(2)の化合物を得ることができる。
【0022】
3,5−ジ−アルキル−4−ヒドロキシベンゾイックアシッドとしては、例えば、シグマ−アルドリッチ社より市販されている3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイックアシッドを使用することができる。化合物(B)としては、Rが水素原子である無置換体やメチルチオフェン、メトキシチオフェンなどの置換体を使用することができる。ここで、化合物(B)としてチオフェンを用いた場合(X=S)には、一般式(2)で表される化合物が得られ、さらに、化合物(A)として3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイックアシッドの酸クロリド体を用いた場合には、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(2’−テノイル)フェノール(化合物(1))が得られる。
【0023】
【化6】

スキーム2
【0024】
スキーム2における反応について簡単に説明する。
チオフェンカルボン酸を塩化チオニルを用いて常法にて処理することにより、チオフェンカルボン酸の酸クロリド体(C)とする。この酸クロリド体(C)を二硫化炭素などの適当な溶媒中で、塩化アルミニウム、四塩化チタンなどのルイス酸で処理する。次いで、2,6−ジアルキルフェノール(D)を添加して、フリーデルクラフト反応させることで一般式(2)の化合物を得ることができる。化合物(C)を得るためには、シグマ−アルドリッチ社より市販されているRが水素原子である2−チオフェンカルボン酸や3−メチル−2−チオフェンカルボン酸、5−メチル−2−チオフェンカルボン酸などを使用することができる。ここで、化合物(C)として、2−チオフェンカルボン酸の酸クロリドを用いた場合(X=S)には、一般式(2)で表される化合物が得られる。2,6−ジアルキルフェノール(D)としては、シグマ−アルドリッチ社より市販されている2,6−ジ−tert−ブチル−フェノール、2,6−ジ−イソプロピルフェノールなどを使用することができる。化合物(C)として2−チオフェンカルボン酸の酸クロリド、化合物(D)として2,6−ジ−tert−ブチル−フェノールを用いた場合には、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(2’−テノイル)フェノール(化合物(1))が得られる。
【0025】
前記チオフェン、チオフェンカルボン酸をフラン、フランカルボン酸に置き換えることにより、Xが酸素原子である、一般式(2)に表される化合物を製造することができる。
【0026】
一般式(3)において、Rは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基、より好ましくはメチル基、ビニル基、プロペニル基、n−ブテニル基などのアルケニル基、より好ましくはプロペニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブチルオキシ基などのアルキルオキシ基、より好ましくはメトキシ基、水酸基、メルカプト基、トリフルオロメチル基、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、iso−プロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基などのアルキルアミノ基、より好ましくはtert−ブチルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、メチルアミド基、スルフェニル基、スルホニル基又はハロゲン原子、より好ましくは塩素原子を表す。この様な一般式(3)で表される化合物の具体的な例としては、例えば、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4‘−フルオロベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4’−クロロベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4‘−メチルベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4‘−メトキシベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2’ ,4‘,6’−トリメチルベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4,4‘−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3’,5,5‘−テトラ−tert−ブチル−4,4‘−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4‘−フェニルベンゾフェノン、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−(4’−メトキシビフェニル−4−イル)メタノン及び(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレニルメタノンから選択されるものが好ましく例示できる。これらの内、より好ましいものは、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4’−フルオロベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4‘−クロロベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4‘−メチルベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4‘−メトキシベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2’ ,4‘,6’−トリメチルベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4,4‘−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3’,5,5‘−テトラ−tert−ブチル−4,4‘−ジヒドロキシベンゾフェノン及び(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレニルメタノンから選択されるものである。
【0027】
かかる一般式(3)で表される化合物は、フリー体で本発明の皮膚外用剤に使用することもできるが、アルカリなどを用いて塩とし、使用することも可能である。たとえばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギニン塩等の塩基性アミノ酸塩等が好ましく例示できる。
【0028】
また、これらの一般式(3)で表される化合物は、任意の方法で製造することができ、例えば前記スキーム1又は2で概略される方法を適宜応用することによって製造することができるが、これらの方法に限定されない。
【0029】
例えば、前記スキーム1において、(置換)チオフェンの代わりに、種々の芳香族炭化水素を用いて、これと3,5−ジ−tert−ブチル−4−ベンゾイックアシッドの酸クロリド体を反応させることによって製造することが可能である。また、前記スキーム2において、チオフェンカルボン酸の代わりに、(置換)ベンゾイックアシッドを用いて、これを酸クロリド体とし、これを3,5−ジ−tert−ブチルフェノールと反応させることによって製造することが可能である。
【0030】
(3) 本発明の乳化形態の皮膚外用剤の必須構成成分である非イオン性界面活性剤
本発明の乳化形態の皮膚外用剤は、ハイドロキノン配糖体及びその塩、アルコルビン酸誘導体及びその塩から選択される1種乃至は2種以上と共に、非イオン性界面活性剤を含有することを特徴としている。非イオン性界面活性剤の親油性基としては、飽和、不飽和、分岐の非環状脂肪族炭化水素基、アシル基、フィトステロールなどのステロール基などが挙げられる。また、親水性基としては、ポリオキシエチレン残基、ポリグリセリン残基、ソルビタン残基などの多価アルコール類の残基、ショ糖残基、ポリサッカライドなどの糖類の残基が挙げられる。親油性基と親水性基との結合はエステル結合、エーテル結合、グリコシド結合などが挙げられる。
このような非イオン性界面活性剤としては、ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリルモノステアレート等のグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン(POE)硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタンモノラウレート、POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POE−ソルビットモノラウレート等のPOEソルビット脂肪酸エステル類、POE−グリセリンモノイソステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POEモノラウレート、POEモノオレート、POEジステアレート等のPOE脂肪酸エステル類、POEセチルエーテル、POE2−オクチルドデシルエーテル等のPOEアルキルエーテル類、POEノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類、プルロニック(登録商標)類、POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル類、テトロニック(登録商標)類、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等のPOEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類が挙げられる。
これらの中では、親水性基としてポリオキシエチレン基(POE)を有し、親油性基として炭素数12〜24の飽和、不飽和、分岐のアシル基、アルキル基を有する化合物が好ましい。ポリオキシエチレン基の付加モル数としては、親油性基の構造にもよるが2〜60が好ましく例示できる。ハイドロキノン配糖体やアスコルビン酸誘導体を含有する乳化形態の皮膚外用剤においては、このようなポリオキシエチレン基を有する非イオン性界面活性剤を用いたときに、本発明の効果が一番得られやすいからである。
【0031】
(4) 本発明の乳化形態の皮膚外用剤
本発明の乳化形態の皮膚外用剤は、1)ハイドロキノン配糖体及びその塩、アスコルビン酸誘導体及びその塩から選択される1種乃至は2種以上と、2)非イオン性界面活性剤と、3)上記一般式(1)で表される化合物及び/又はその塩とを必須成分として含む。本発明の乳化形態の皮膚外用剤においては、ハイドロキノン配糖体及びその塩、或いはアスコルビン酸誘導体及びその塩は、唯一種類を含有しても、二種類以上を含有しても良く、さらに、上記一般式(1)で表される化合物及び/又はその塩も一種類を含有しても、二種類以上を含有していても良い。
【0032】
本発明は、非イオン性の界面活性剤を乳化剤として用いた乳化形態の皮膚外用剤において、ハイドロキノン配糖体及びその塩、アスコルビン酸誘導体及びその塩などを含有し、且つ、極端な高温保存条件に曝されても、安定化な乳化形態の皮膚外用剤を得る技術に関する。ここで、ハイドロキノン配糖体及び/又はその塩、アスコルビン酸誘導体及び/又はその塩を含有する乳化剤形の皮膚外用剤において、一般式(1)で表される化合物を共存させることによる安定化効果は、用いる界面活性剤が非イオン性の界面活性剤であるときに顕著であり、ポリオキシエチレン基を有する非イオン性界面活性剤であるときにより顕著となり、用いる界面活性剤がポリオキシエチレン基を有する非イオン性界面活性剤のみからなるときに更に顕著となり、好ましい。
【0033】
本発明の乳化形態の皮膚外用剤におけるハイドロキノン配糖体及び/又はその塩、アスコルビン酸誘導体及び/又はその塩の好ましい含有量は、これらの皮膚外用剤における配合目的に適応した含有量であることが好ましく、具体的には、例えば、配合目的が美白作用であれば、それらの総量として、皮膚外用剤全体に対して0.1質量%以上、好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上である。一方上限は、10質量%以下、好ましきは8質量%以下、更に好ましくは6質量%以下である。これは、含有量が低すぎると、充分な美白効果等の配合目的の効果が発揮できないし、逆に多すぎると配合目的の効果が頭打ちになり、処方の自由度を損なう場合が存する。
【0034】
本発明の乳化形態の皮膚外用剤において、一般式(1)に表される化合物乃至はその塩は唯一種を含有することもできるし、二種以上を組み合わせて含有させることもできる。本発明の皮膚外用剤における一般式(1)で表される化合物の好ましい含有量は、皮膚外用剤全体に対して総量で0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上である。一方、上限は3質量%以下、好ましくは2質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。これは、含有量が低すぎても高すぎても本発明の高温域での非イオン界面活性剤の界面活性能維持効果が得られにくくなるからである。
【0035】
本発明の乳化形態の皮膚外用剤における、ハイドロキノン配糖体及び/又はその塩、アスコルビン酸誘導体及び/又はその塩の含有量の和と、一般式(1)に表される化合物の含有量の和との比が、質量比で10:1〜1:1であることが好ましい。これは、この範囲で用いることにより、本願発明の効果が最も良く発揮できるからである。
【0036】
また、本発明の乳化形態の皮膚外用剤においては、その剤形の安定性に支障をきたさない範囲で、医薬品、化粧品等に一般的に用いられる各種成分、すなわち、油脂、ロウ類、炭化水素類、脂肪酸、高級アルコール、エステル類、油剤、水性成分、粉末成分、保湿剤、増粘剤、界面活性剤、粉体類、色剤、香料、pH調整剤、キレート剤、防腐剤、ビタミン類、その他の美白剤、抗炎症剤等を含みうる。
【0037】
油脂またはロウ類としては、具体的には、例えばマカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類が挙げられ、脂肪酸としては、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類が挙げられ、高級アルコールとしては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等が挙げられ、エステル類としては、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット、ダイマーリノール酸ダイマージリノイル、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、N−ラウロイルグルタミン酸(フィトステリル/2−オクチルドデシル)等の合成エステル油類が挙げられ、油剤としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等が挙げられる。
【0038】
保湿剤としては、グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブタンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、ポリエチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等が挙げられ、増粘剤としては、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸、キチン、キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ベントナイト等が挙げられる。
【0039】
ビタミン類としては、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12などのビタミンB群類、ユビキノン類、葉酸類、パントテン酸、パンテチン、コエンザイムQ10などが挙げられる。
【0040】
無機顔料としては、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛等が挙げられ、有機粉体類としては、表面を処理されていても良い、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等が挙げられ、パール剤類としては、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等が挙げられ、有機色素類としては、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等が挙げられる。
【0041】
本発明の皮膚外用剤は、剤形の安定性の向上を目的としており、その剤形の外観において、見た目の美しさも要求される化粧料に適用することが好ましい。
【0042】
また、一般式(1)で表される化合物が優れたメラニン生成抑制作用を有していることから、メラニン生成抑制用或いは美白用の皮膚外用剤として用いるのも好ましい形態である。
【0043】
本発明の乳化形態の皮膚外用剤は、通常の化粧料や医薬部外品等の皮膚外用剤の製造と同様にして製造することができる。
【0044】
以下に実施例及び試験例を参照して、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がこれらの実施例及び試験例によって限定を受けないことは言うまでもない。
【0045】
<製造例1>
2,6−ジ−tert−ブチル−4−(2’−テノイル)フェノール(化合物(1))の製造
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイックアシッド23.2gに塩化チオニル60gを加え、室温にて1時間撹拌した後、過剰の塩化チオニルを減圧下で留去した。これに二硫化炭素300mlを加えて溶解し、さらに塩化アルミニウム13.5gを添加した。40℃で、30分間撹拌した後に、チオフェン88.2gを添加した。次いで、反応液を10%塩酸中に注ぎ込み、ジクロロメタンにて抽出し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濃縮し、シリカゲルカラムにて分画精製し、化合物(1)を得た。
【0046】
<製造例2>3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾフェノン(化合物(2))の製造
ベンゾイルクロリド1.45gと2,6−ジ−tert−ブチルフェノール2.06gを塩化メチレン12mlに溶解し、塩化アルミニウム1.40gを添加し、室温で40分間撹拌した。反応液を氷水中に注ぎ込み、ジクロロメタンにて抽出し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、濃縮し、シリカゲルカラムにて分画、精製し、化合物(2)を得た。
【0047】
<製造例3>3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4’−フルオロベンゾフェノン(化合物(3))の製造
4−フルオロベンゾイルクロリドと2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを用い、製造例2と同様に操作して、化合物(3)を得た。
【0048】
<製造例4>3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4‘−クロロベンゾフェノン(化合物(4))の製造
4−クロロベンゾイルクロリドと2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを用い、製造例2と同様に操作して、化合物(4)を得た。
【0049】
<製造例5>3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4’−メチルベンゾフェノン(化合物(5))の製造
4−メチルベンゾイルクロリドと2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを用い、製造例2と同様に操作して、化合物(5)を得た。
【0050】
<製造例6>3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4‘−メトキシベンゾフェノン(化合物(6))の製造
4−メトキシベンゾイルクロリドと2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを用い、製造例2と同様に操作して、化合物(6)を得た。
【0051】
<製造例7>3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2’ ,4‘,6’−トリメチルベンゾフェノン(化合物(7))の製造
2,4,6−トリメチルベンゾイルクロリドと2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを用い、製造例2と同様に操作して、化合物(7)を得た。
【0052】
<製造例8>3,5−ジ−tert−ブチル−4,4‘−ジヒドロキシベンゾフェノン(化合物(8))の製造
ジメチルホルムアミド3mlにナトリウムエタンチオレート0.34gを氷冷下、加えた。これに製造例6で製造した3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4‘−メトキシベンゾフェノン0.53gを加え、4時間、加熱還流し、さらに一晩室温にて撹拌した。反応液を希塩酸に注ぎ込み、塩化メチレンにて抽出した。塩化メチレン層を無水硫酸ナトリウムにて、乾燥し、濃縮後、シリカゲルカラムにて分画精製し、化合物(8)を得た。
【0053】
<製造例9>3,3’,5,5‘−テトラ−tert−ブチル−4,4‘−ジヒドロキシベンゾフェノン(化合物(9))の製造
2,6−ジ−tert−ブチルベンゾイルクロリドと2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを用い、製造例2と同様に操作して、化合物(9)を得た。
【0054】
<製造例10>(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレニルメタノン(化合物(10))の製造
2−ナフチルクロリドと2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを用い、製造例2と同様に操作して、化合物(10)を得た。
【0055】
<製造例11>3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4‘−フェニルベンゾフェノン(化合物(11))の製造
4−ビフェニルカルボニルクロリドと2,6−ジ−tert−ブチルフェノールを用い、製造例2と同様に操作して、化合物(11)を得た。
【実施例1】
【0056】
下記に示す処方に従って水中油クリームを作製した。すなわち、(A)の各成分を混合し、80℃に加熱した。一方、(B)の各成分を混合し80℃に加熱した。(A)の混合物に、(B)の混合物を加えて撹拌して乳化させ、その後35℃にまで冷却して、クリーム1を製造した。実施例1のクリーム1の処方において、化合物(1)を水に置換したものを比較例1−1として、アルブチンを水に置換したものを比較例1−2として製造した。また化合物(1)とアルブチンを共に水に置換したものを比較例1−3として製造した。
(A)
ソルビタンPOE(20)ラウリルエステル 2.0 質量%
POE(2)ラウリルエーテル 2.0 質量%
2−エチルヘキサン酸トリグリセライド 8.0 質量%
メチルフェニルポリシロキサン 1.0 質量%
メチルパラベン 0.3 質量%
δ−トコフェロール 1.0 質量%
化合物(1) 0.5 質量%
(B)
アルブチン 3.0 質量%
クエン酸 0.1 質量%
クエン酸ナトリウム 0.1 質量%
キサンタンガム 0.1 質量%
1,3−ブタンジオール 10.0 質量%
水酸化ナトリウム 0.1 質量%
精製水 71.8 質量%
【0057】
<試験例1> 本発明の乳化形態の皮膚外用剤の高温保存テスト1
実施例1、比較例1〜3の各サンプルをガラス製の保存容器に入れ密栓をして、60℃の恒温室に2週間間保管した。2週間後に、各保管サンプルに関して、内容物の状態を観察した。
3例に関して以下の基準で判断し、その平均を算出した。結果を表1に示す。
0:分離なし(容器を傾けても、分離状態を確認できない)
1:僅かな分離(容器を傾けると、分離状態を確認できる)
2:分離(容器を傾けなくとも、そのまま分離状態を確認できる)
3:明確な分離(容器を傾けなくとも、そのまま明確に分離状態を確認できる)
【0058】
【表1】

【0059】
表1の結果より、アルブチンも化合物(1)も共に含有しない比較例1−3では僅かな分離が認められたが、比較的安定な剤形であることがわかる。また、化合物(1)のみを含有する比較例1−2においても僅かな分離が認められたが、化合物(1)は高温保存条件において、剤形の安定性に大きな影響を与えていないことが判る。ここで、アルブチンのみを含有する比較例1−1では、高温保存後に明確な分離が認められ、アルブチンが剤形の安定性を損なっていることが判る。それに対して、アルブチンと化合物(1)を含有する実施例1のクリームは、高温保存後であっても剤形の安定性が確保されていることが判った。すなわち実施例1においては、アルブチンを含有しながら剤形の安定性が確保されてしていることが判った。
【実施例2】
【0060】
実施例1の処方において、アルブチンをアスコルビン酸−2−グルコシドに置換したものを実施例2のクリームとして製造した。実施例2において、化合物(1)を水に置換したものを比較例2として製造した。
【実施例3】
【0061】
実施例1の処方において、アルブチンをアスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム塩に置換したものを実施例3のクリームとして製造した。実施例3において、化合物(1)を水に置換したものを比較例3として製造した。
【0062】
<試験例2> 本発明の乳化形態の皮膚外用剤の高温保存テスト2
実施例2、比較例2、実施例3、比較例3の各サンプルをガラス製の保存容器に入れ密栓をして、60℃の恒温室に2週間保管した。2週間後に、各保管サンプルに関して、内容物の状態を観察し、試験例1と同様に基準で安定性を評価した。
【0063】
【表2】

【0064】
表2の結果より、アスコルビン酸−2−グルコシド或いはアスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウムを含有し、化合物(1)を含有しない比較例2或いは比較例3では、剤形の安定性が損なわれていることが判る。それに対してアスコルビン酸−2−グルコシド或いはアスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウムと、化合物(1)を含有する実施例2或いは実施例3では、剤形の安定性が確保されていることが判る。
【実施例4】
【0065】
実施例1の処方に於いて、化合物(1)を化合物(2)に代えたものを実施例4のクリームとして製造した。
【実施例5】
【0066】
実施例1の処方に於いて、化合物(1)を化合物(3)に代えたものを実施例5のクリームとして製造した。
【実施例6】
【0067】
実施例1の処方に於いて、化合物(1)を化合物(4)に代えたものを実施例6のクリームとして製造した。
【実施例7】
【0068】
実施例1の処方に於いて、化合物(1)を化合物(5)に、さらにアルブチンをアスコルビン酸−2−グルコシドに代えたものを実施例7のクリームとして製造した。
【実施例8】
【0069】
実施例7の処方に於いて、化合物(1)を化合物(6)に代えたものを実施例8のクリームとして製造した。
【実施例9】
【0070】
実施例7の処方に於いて、化合物(1)を化合物(7)に代えたものを実施例9のクリームとして製造した。
【実施例10】
【0071】
実施例7の処方に於いて、化合物(1)を化合物(8)に代えたものを実施例10のクリームとして製造した。
【実施例11】
【0072】
実施例1の処方に於いて、化合物(1)を化合物(9)に、さらにアルブチンをアスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム塩に代えたものを実施例11のクリームとして製造した。
【実施例12】
【0073】
実施例11の処方に於いて、化合物(1)を化合物(10)に代えたものを実施例12のクリームとして製造した。
【実施例13】
【0074】
実施例11の処方に於いて、化合物(1)を化合物(11)に代えたものを実施例13のクリームとして製造した。
【0075】
<試験例3> 本発明の乳化形態の皮膚外用剤の高温保存テスト3
実施例4〜13、比較例4〜13の各サンプルをガラス製の保存容器に入れ密栓をして、60℃の恒温室に2週間保管した。2週間後に、各保管サンプルに関して、試験例1と同様に剤形の安定性を評価した。
【0076】
【表3】

【0077】
表3の結果より、アルブチンのみを含有する比較例1−1に対して、アルブチンと化合物(2)〜化合物(4)を含有する実施例4〜実施例6、アスコルビン酸−2−グルコシドのみを含有する比較例2に対して、アスコルビン酸−2−グルコシドと化合物(5)〜(8)を含有する実施例7〜10、アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム塩を含有する比較例3に対して、アスコルビン酸−2−リン酸エステルナトリウム塩と化合物(9)〜(11)を含有する実施例11〜13において、高温保存条件での剤形の安定性が確保されていることが判った。
【実施例14】
【0078】
下記に示す処方に従って水中油クリームを作製した。すなわち、(A)の各成分を混合し、80℃に加熱した。一方、(B)の各成分を混合し80℃に加熱した。(A)の混合物に、(B)の混合物を加えて撹拌して乳化させ、その後35℃にまで冷却して、クリーム14を製造した。実施例14において、化合物(1)を水に置換したものを比較例14として製造した。
(A)
ソルビタンPOE(20)ラウリルエステル 2.0 質量%
POE(2)ラウリルエーテル 2.0 質量%
2−エチルヘキサン酸トリグリセライド 8.0 質量%
メチルフェニルポリシロキサン 1.0 質量%
メチルパラベン 0.3 質量%
δ−トコフェロール 1.0 質量%
化合物(1) 0.5 質量%
(B)
アルブチン 0.3 質量%
クエン酸 0.1 質量%
クエン酸ナトリウム 0.1 質量%
キサンタンガム 0.2 質量%
1,3−ブタンジオール 10.0 質量%
水酸化ナトリウム 0.1 質量%
精製水 74.4 質量%
【実施例15】
【0079】
下記に示す処方に従って水中油クリームを作製した。すなわち、(A)の各成分を混合し、80℃に加熱した。一方、(B)の各成分を混合し80℃に加熱した。(A)の混合物に、(B)の混合物を加えて撹拌して乳化させ、その後35℃にまで冷却して、実施例15のクリームを製造した。実施例15の処方において、化合物(1)を水に置換したものを比較例15として製造した。
(A)
ソルビタンPOE(20)ラウリルエステル 2.0 質量%
POE(2)ラウリルエーテル 2.0 質量%
2−エチルヘキサン酸トリグリセライド 8.0 質量%
メチルフェニルポリシロキサン 1.0 質量%
メチルパラベン 0.3 質量%
δ−トコフェロール 1.0 質量%
化合物(1) 0.5 質量%
(B)
アルブチン 10.0 質量%
クエン酸 0.1 質量%
クエン酸ナトリウム 0.1 質量%
キサンタンガム 0.2 質量%
1,3−ブタンジオール 10.0 質量%
水酸化ナトリウム 0.1 質量%
精製水 64.7 質量%
【0080】
<試験例4> 本発明の乳化形態の皮膚外用剤の高温保存テスト4
実施例14、比較例14、実施例15、比較例15の各サンプルをガラス製の保存容器に入れ密栓をして、60℃の恒温室に2週間保管した。2週間後に、各保管サンプルに関して、内容物の状態を観察し、試験例1と同様に基準で安定性を評価した。
【0081】
【表4】

【0082】
表4の結果より、アルブチンと化合物(1)の含有量の比が0.3:0.5の実施例14、10:0.5の実施例15においても、化合物(1)を含有しない比較例14、比較例15と比べて、高温保存における剤形の安定性が確保されていることが判る。この結果より、皮膚外用剤中における、アルブチンと化合物(1)の含有比は、10:1〜1:1が好適であることが判る。
【実施例16】
【0083】
下記に示す処方に従って水中油クリームを作製した。すなわち、(A)の各成分を混合し、80℃に加熱した。一方、(B)の各成分を混合し80℃に加熱した。(A)の混合物に、(B)の混合物を加えて撹拌して乳化させ、その後35℃にまで冷却して、実施例16のクリームを製造した。実施例16の処方において、化合物(1)を水に置換したものを比較例16として製造した。
(A)
ポリグリセリン(10)モノオレイン酸エステル 2.0 質量%
ソルビタンモノラウリン酸エステル 2.0 質量%
2−エチルヘキサン酸トリグリセライド 8.0 質量%
メチルフェニルポリシロキサン 1.0 質量%
メチルパラベン 0.3 質量%
δ−トコフェロール 1.0 質量%
化合物(1) 0.5 質量%
(B)
アルブチン 3.0 質量%
クエン酸 0.1 質量%
クエン酸ナトリウム 0.1 質量%
キサンタンガム 0.2 質量%
1,3−ブタンジオール 10.0 質量%
水酸化ナトリウム 0.1 質量%
精製水 71.7 質量%
【実施例17】
【0084】
下記に示す処方に従って水中油クリームを作製した。すなわち、(A)の各成分を混合し、80℃に加熱した。一方、(B)の各成分を混合し80℃に加熱した。(A)の混合物に、(B)の混合物を加えて撹拌して乳化させ、その後35℃にまで冷却して、実施例17のクリームを製造した。実施例17の処方において、化合物(1)を水に置換したものを比較例17として製造した。
(A)
ソルビタンPOE(20)ラウリルエステル 2.0 質量%
ショ糖ラウリン酸エステル 2.0 質量%
2−エチルヘキサン酸トリグリセライド 8.0 質量%
メチルフェニルポリシロキサン 1.0 質量%
メチルパラベン 0.3 質量%
δ−トコフェロール 1.0 質量%
化合物(1) 0.5 質量%
(B)
アルブチン 3.0 質量%
クエン酸 0.1 質量%
クエン酸ナトリウム 0.1 質量%
キサンタンガム 0.2 質量%
1,3−ブタンジオール 10.0 質量%
水酸化ナトリウム 0.1 質量%
精製水 71.7 質量%
【0085】
<試験例5> 本発明の乳化形態の皮膚外用剤の高温保存テスト5
実施例16、比較例16、実施例17、比較例17の各サンプルをガラス製の保存容器に入れ密栓をして、60℃の恒温室に2週間保管した。2週間後に、各保管サンプルに関して、内容物の状態を観察し、試験例1と同様に基準で安定性を評価した。
【0086】
【表5】

【0087】
表5の比較例16、比較例17の結果より、ポリオキシエチレン基を有する界面活性剤以外の非イオン界面活性剤を用いた剤形においても、アルブチンを含有することによる剤形の安定性阻害効果は認められた。この場合においても、化合物(1)の添加による安定化効果は認められた。
【0088】
<試験例6> 本発明の乳化形態の皮膚外用剤のメラニン生成抑制テスト
10名の被験者の前腕内側部に1.5cm×1.5cmの部位を4ヶ所設定し、4ヶ所の内の1部位には、実施例1で製造したクリームを、別の1部位には比較例1−1を、別の1部位には比較例1−2を、もう1部位には比較例1−3のクリームを、1週間、1日3回塗布した。1週間後に、4ヶ所の設定部位以外を遮光し、設定部位に紫外線を3日間連続で照射した。照射紫外線のエネルギー量は、予め測定してあった、被験者の1.0 MED(Minimum Erythema Dose:最小紅斑惹起エネルギー量)相当量であった(合計3.0MED相当量)。クリームの塗布は、紫外線の照射3日間も含めて、さらに1日3回を21日間連続して行った。初回の紫外線照射の7日後及び21日後に、紫外線を照射した部位について、初回の紫外線照射の7日後および21日後に、3ヶ所の設定部位及びその隣接部位(遮光されていた部位)の皮膚の明度(L値)を色彩色差計(コニカミノルタ色彩色差計CR300)にて測定した。測定結果について、10名の被験者の設定部位ごとに、L値の平均値を算出した。さらに、21日後の設定部位(紫外線照射部位)と紫外線非照射隣接部位とのL値の差(ΔL値:隣接部位のL値−紫外線照射部位のL値)を算出した。結果を表6に示す。
【0089】
【表6】

【0090】
表6に示すように、紫外線照射7日後には、実施例1、比較例1−1、比較例1−2、比較例1−3のクリーム塗布部位ともに、紫外線非照射部位よりもL値(明度)が下がっていた。すなわち、紫外線照射による色素沈着で、皮膚の明度が低下していることが判る。さらに、各塗布部位について、紫外線照射の21日後の設定部位と非照射部位とのL値(明度)の差を算出したΔL値を比較した。アルブチンのみを含有する比較例1−1、化合物(1)のみを含有する比較例1−2のクリームと比べて、アルブチンと化合物(1)を共に含有する実施例1のクリームでは、非照射部位との差を示すΔL値が小さく、明度が著しく回復していることが判る。比較例1−1、比較例1−2と比べても実施例1のクリームは、アルブチンと化合物(1)の相乗効果により、色素沈着を著しく改善する作用に優れることが判かった。これは安定な製剤においては有効成分の経皮吸収が適切に確保されることを証するものである。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、皮膚外用剤に応用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)ハイドロキノン配糖体及びその塩、アルコルビン酸誘導体及びその塩から選択される1種乃至は2種以上と、2)非イオン性界面活性剤と、3)下記に示す一般式(1)に表される化合物及び/又はその塩とを含有する乳化形態の皮膚外用剤。
【化1】

一般式(1)
(但し、式中R、Rはそれぞれ独立に炭素数3〜6のアルキル基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアシル基又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Rは芳香族性を有する基を表す。)
【請求項2】
前記一般式(1)で表される化合物が、次に示す、一般式(2)又は一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の乳化形態の皮膚外用剤。
【化2】

一般式(2)
(但し、式中R及びRは一般式(1)と同じ基を表し、Rは水素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアシルオキシ基又は炭素数1〜4のアルキルオキシ基を表し、Xは酸素原子、硫黄原子又は−NH−を表す。)
【化3】

一般式(3)
(但し、式中Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、アルキルオキシ基、水酸基、メルカプト基、トリフルオロメチル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、カルボキシル基、アルキルアミド基、スルフェニル基、スルホニル基又はハロゲン原子を表す。)
【請求項3】
前記一般式(1)に表される化合物が、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(2‘−テノイル)フェノール、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4’−フルオロベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4‘−クロロベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4‘−メチルベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4‘−メトキシベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2’ ,4‘,6’−トリメチルベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4,4‘−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3’,5,5‘−テトラ−tert−ブチル−4,4‘−ジヒドロキシベンゾフェノン及び(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレニルメタノンから選択されるものであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の乳化形態の皮膚外用剤。
【請求項4】
ハイドロキノン配糖体及びその塩、アルコルビン酸誘導体及びその塩が、ハイドロキノングルコシド、ハイドロキノンマルトシド、アスコルビン酸リン酸エステル塩、アルコルビン酸グルコシドから選択されるものであることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の皮膚外用剤。
【請求項5】
非イオン性界面活性剤が、親水基としてポリオキシエチレン基を有するものであり、親油性基として炭素数12〜24のアシル基又はアルキル基を有するものであることを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の乳化形態の皮膚外用剤。
【請求項6】
界面活性剤として、非イオン界面活性剤のみを含有することを特徴とする請求項1〜5何れか1項に記載の乳化形態の皮膚外用剤。
【請求項7】
1)ハイドロキノン配糖体及びその塩、アルコルビン酸誘導体及びその塩から選択される1種乃至は2種以上の含有量の和と、一般式(1)に表される化合物の含有量の和との比が、質量比で10:1〜1:1であることを特徴とする、請求項1〜6何れか1項に記載の乳化形態の皮膚外用剤。
【請求項8】
メラニン生成抑制用であることを特徴とする、請求項1〜7何れか1項に記載の乳化形態の皮膚外用剤。

【公開番号】特開2008−308429(P2008−308429A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−156987(P2007−156987)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】