説明

安定化αーリポ酸配合化粧料、育毛剤び抗肥満用食品

【課題】 本発明は、αーリポ酸及び/又はその塩類を有効成分とし、その他AsA、ビタミンK、Na2S2O3 、Na2SO3などを配合し、これらの成分が有する抗酸化・美白・美肌作用を利用した、殊に作用効果の持続性に優れた化粧料、リップクリーム、美肌用ドリンク剤、或いはまた育毛作用の持続性に優れた育毛剤、抗肥満作用の持続性に優れたダイエット用食品を提供することを目的とする。
【解決手段】αーリポ酸及び/又はその塩類に、無機還元剤、還元作用を有するビタミン類、有機還元剤の内1種以上の成分を配合してなることによる。殊に、αーリポ酸塩類成分に、CoQ10、ビタミンC誘導体、ビタミンK、プラセンタエキス、酒粕エキスなどの内、1種以上の成分を添加してなることによる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、αーリポ酸、殊にαーリポ酸塩類を有効成分とする化粧料であり、その他ビタミンC、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、コエンザイムQ10などを配合し、これらの成分が有する抗酸化・美白・美肌作用を利用した化粧料、ドリンク剤及び育毛剤並びに抗肥満用食品に関する。
【背景技術】
【0002】
αーリポ酸は、チオクト酸とも言われ、ビタミンB群の1種と考えられてきている。このαーリポ酸は、1951年にL.J.Reed博士らにより、肝臓から結晶として分離され、αーlipoic−acidと命名された。
その後、代謝製剤や強肝薬などに使用され、1960年代には主に欧米において、2型糖尿病に関連した神経障害などの合併障害の治療薬として使用されてきた。
また、我が国においては、Leigh症候群(亜急性壊死性脳脊髄炎)、中毒症(ストレプトマイシン・カナマイシン)、騒音性(職業性)の内耳性難聴、放射線宿酔い、激しい肉体疲労時などに、注射薬(10〜25mg/回・日)・顆粒剤として使用されてきた。
このαーリポ酸の安全性については、毒性は極めて低く、副作用は殆どないことが知られている。
また、安定性については、熱・光に対して不安定なので低温遮光保存が望まれている。また、結晶を融点以上に加熱又は溶液状態で光に当てると、1.2−ジチオラン環が開裂し、黄色が褪色した樹脂状重合物を与える。安定性を改善したオイルコーティングタイプ(商品名:オイリポー80)が存在している。
【0003】
また、近時αーリポ酸には、活性酸素を制御する力、ATP(アデノシン・三リン酸) を作るための糖分解を助成する医薬品的な効用や、また老化予防、更年期障害の改善などの健康に関する効用に加え、美肌・美白の作用並びに肥満予防・痩身作用にも効果があることが分かってきている。
従来、αーリポ酸は、上述のように主に特定疾病の治療薬として用いられていた。美白・美肌化粧品としての有用性の研究については、従来わずかながら開示があるものの、その作用・効果の確実性が未知であった。本発明者らはαーリポ酸およびその塩類に特定の化粧料成分を配合することにより、美白・美肌作用の強い化粧料が得られることを知見し、また、αーリポ酸およびその塩類に特定の育毛剤成分を配合することにより育毛作用の強い育毛剤が、なおまたαーリポ酸およびその塩類に特定の抗肥満作用成分を配合することにより痩身作用の強いダイエット用食品が得られることを知見し、本発明を完成させたものである。
特許文献1には、αーリポ酸やαーリポ酸エステル化誘導体を配合する化粧料が開示されている。
また、特許文献2には、飽和脂肪酸のモノグリセリドおよび/またはジグリセリドとクエン酸との部分的に中和されたエステルの1種またはそれ以上、およびαーリポ酸から成る化粧品が開示されている。
また、特許文献3には、色素沈着障害の処置および/または予防のための化粧品のための、αーリポ酸並びにUV−A域および/またはUV−B域の光線吸収をもたらす1種もしくは複数の適合性物質が開示されている。
【特許文献1】特公昭63ー44123号公報
【特許文献2】特開2002 ー226318号公報
【特許文献3】特開2004ー525186号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記αーリポ酸配合化粧料として、安全且つ安定な化粧料として利用し得るためには、従来例のものによっては未だ不確実であり、不具合が懸念されていた。 本発明者らは、αーリポ酸を安全にして安定な化粧料に応用するため、鋭意検討を重ねた結果、αーリポ酸に無機還元剤、還元作用を有するビタミン類、有機還元剤を配合することにより、作用効果の安定し持続する化粧料を見い出したものである。
然して、αーリポ酸は油溶性であるため、これらの還元剤の内、水溶性のものでは容易に還元作用を受け難く、そのため本発明者らは鋭意検討の結果、αーリポ酸の塩類を使用すれば水溶性となり、還元反応に適することを知見したものである。この塩類は、水溶液中αーリポ酸に等モルのNaOH、KOHを作用させることにより得られる。
また、還元作用を有するビタミンの内、ビタミンCはアスコルビン酸リン酸マグネシウム(以下、単にAsA- P- Mgと云う)でも良く、この物質を用いれば体内において、フォスファターゼの作用により、徐々にアスコルビン酸(以下、AsAと云う)を遊離するので、その作用効果の持続性において有用であることも知見したものである。
なおまた、プラセンタエキスをAsA- P- Mgとともに用いればプラセンタエキス中のフォスファターゼによっても同様の作用が発揮できる。
【0005】
また、本発明はAsA- P- Mgの他に、αーリポ酸やその塩類にビタミンKなどの化粧料成分を配合することにより、美白作用やアンチリンクル作用が優れ、作用の安全且つ安定が図れると共に作用効果の持続性が見られる化粧料を提供することを目的としている。
【0006】
また、本発明は、αーリポ酸やその塩類に育毛剤成分を配合することにより、作用の安全且つ安定が図れると共に作用効果の持続性が見られる育毛剤を提供することを目的としている。
【0007】
また、本発明は、αーリポ酸やその塩類に抗肥満作用成分を配合することにより、作用の安全且つ安定が図れると共に作用効果の持続性が見られるダイエット用食品を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、本発明によれば、αーリポ酸及び/又はその塩類に、無機還元剤、還元作用を有するビタミン類、有機還元剤の内1種以上の成分を配合してなることを特徴とする、化粧料により達成される。
この発明においては、αーリポ酸やその塩類に上記の成分を配合したので、作用の安全且つ安定が図れると共に作用効果の持続性が見られ、美白用化粧料としての目的を達成でき得るものである。
【0009】
また、上記目的は、本発明によれば、前記αーリポ酸塩類は、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩などであることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料により達成される。
この発明においては、αーリポ酸塩類をナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩に特定し、配合するので、より作用の安全且つ安定が図れると共に作用効果の持続性が見られ、美白用化粧料としての目的を達成でき得るものである。
【0010】
また、上記目的は、本発明によれば、前記無機還元剤は、チオ硫酸ナトリウム(以下、Na2S2O3 と云う)、亜硫酸ナトリウム(以下、Na2SO3と云う)などであることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料により達成される。
この発明においては、αーリポ酸やその塩類をNa2S2O3 やNa2SO3に特定し、配合するので、より作用の安全且つ安定が図れると共に作用効果の持続性が見られ、美白用化粧料としての目的を達成でき得るものである。
【0011】
また、上記目的は、本発明によれば、前記還元作用を有するビタミン類は、ビタミンE類、還元型コエンザイム類、還元型ビタミンK、アスコルビン酸誘導体(以下、AsA誘導体と云う)などであることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料により達成される。
この発明においては、αーリポ酸やその塩類に前記還元作用を有するビタミン類を特定し配合するので、化粧料成分の安全且つ安定が図られ、更にビタミンKによる美白、アンチリンクル等の作用が見られると共に作用効果の持続性が見られ、美白用化粧料としての目的を達成でき得るものである。
【0012】
また、上記目的は、本発明によれば、前記有機還元剤は、ハイドロキノン、α及び/又はβ−アルブチンなどであることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料により達成される。
この発明においては、αーリポ酸やその塩類に有機還元剤は、ハイドロキノン、アルブチンと特定し配合するので、化粧料成分の安全且つ安定が図られると共に作用効果の持続性が見られ、美白用化粧料としての目的を達成でき得るものである。
【0013】
また、上記目的は、本発明によれば、前記AsAはAsA- P- Mgであることを特徴とする、請求項3に記載の化粧料により達成される。
この発明においては、前記AsAはAsA- P- Mgと特定し配合するので、化粧料成分の安全且つ安定が図られると共に作用効果の持続性が見られ、美白用化粧料としての目的を達成でき得るものである。
【0014】
また、上記目的は、本発明によれば、前記ビタミンKは、合成及び/又は植物由来のビタミンKであることを特徴とする、化粧料により達成される。
この発明においては、αーリポ酸やその塩類に合成及び/又は植物由来のビタミンKを配合するので、化粧料成分の作用の安全且つ安定が図られ、更にビタミンKによる美白、アンチリンクル等の作用が見られると共に作用効果の持続性が見られ、美白用化粧料としての目的を達成でき得るものである。
【0015】
また、上記目的は、本発明によれば、前記化粧料はリポソーム化された成分を利用してなることを特徴とする、化粧料により達成される。
この発明においては、化粧料成分がリポソーム化されているので、当該成分が水溶化し易く、また化粧料の安全且つ安定が図られると共に作用効果の持続性が見られ、美白用化粧料としての目的を達成でき得るものである。
【0016】
また、上記目的は、本発明によれば、前記化粧料は皮膚内やプラセンタエキスに存在するフォスファターゼを利用してなることを特徴とする、化粧料により達成される。
この発明においては、皮膚内やプラセンタエキスに存在するフォスファターゼによりAsA- P- Mgが徐々にAsAに変換し、ここに生成したAsAが上記の化粧料成分に作用して化粧料成分の作用の安全且つ安定が図られると共に作用効果の持続性が見られ、美白用化粧料としての目的を達成でき得るものである。
【0017】
また、上記目的は、本発明によれば、前記αーリポ酸及び/又はその塩類成分は、0.005〜5.00%量含有することを特徴とする、化粧料により達成される。
この発明においては、前記αーリポ酸やその塩類成分の分量を特定し、その作用効果をより高めている。
【0018】
また、上記目的は、本発明によれば、前記AsA- P- Mgは、0.10〜
9.00%量含有することを特徴とする、化粧料により達成される。
この発明においては、前記AsA- P- Mg成分の分量を特定し、その作用効果をより高めている。
【0019】
また、上記目的は、本発明によれば、前記αーリポ酸及び/又はその塩類成分に、コエンザイムQ10(以下、単にCoQ10と云う)、ビタミンC誘導体、ビタミンK、プラセンタエキス、酒粕エキスなどの内、1種以上の成分を添加してなることを特徴とする、化粧料により達成される。
この発明においては、前記αーリポ酸やその塩類にCoQ10、ビタミンC誘導体やビタミンKなどその他の有効成分を特定、配合し、その作用効果をより高めている。
【0020】
また、上記目的は、本発明によれば、前記CoQ10は0.01〜1.00%、前記ビタミンC誘導体は0.10〜9.00%、ビタミンKは0.10〜5.00%、プラセンタエキスは0.30〜3.00%、酒粕エキスは0.30〜3.00%量含有することを特徴とする、化粧料により達成される。
この発明においては、αーリポ酸やその塩類に有用なCoQ10、ビタミンC誘導体、ビタミンKなどその他の有効成分の具体的配合成分量を特定し、その作用効果をより高めている。
【0021】
また、上記目的は、本発明によれば、前記化粧料は、美白化粧料、保湿化粧料、リップクリームなどであることを特徴とする、化粧料により達成される。
この発明においては、前記化粧料を美白化粧料、保湿化粧料、リップクリームなどに特定し、その作用効果をより高めている。
【0022】
また、上記目的は、本発明によれば、前記化粧料は、その形態がクリーム状・ジェル状・液状・ドリンク状・カプセル状などであることを特徴とする、化粧料により達成される。
この発明においては、前記化粧料の形態を特定し、その作用効果をより高めている。
【0023】
また、上記目的は、本発明による化粧水は、精製水、ジプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ブチレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、トリメチルグリシン、グリチルリチン酸ジカリウム、ヒドロキシエチルセルロース、フェノキシエタノール、酒粕エキス、プラセンタエキス、αーリポ酸、水酸化ナトリウム、リン酸L−アスコルビルマグネシウムなどの内1種以上を配合することを特徴とする、化粧水により達成される。
この発明においては、αーリポ酸やその塩類に有用なその他の美白作用成分の具体的配合成分を特定し、その作用効果をより高めている。
【0024】
また、上記目的は、本発明によるリップクリームは、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、白色ワセリン、セスキオレイン酸ソルビタン、天然ビタミンE、パルミチン酸レチノール、ホホバ油、キャンデリラロウ、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(2)、還元ラノリン、アボカド油、キョウニン油、ローズヒップ油、ダイズ発酵エキス、フィトナジオン、トリ2ーエチルヘキサン酸グリセリル、CoQ10、水素添加ダイズリン脂質、コレステロール、αーリポ酸、水酸化ナトリウム、プラセンタエキス、精製水、リン酸L−アスコルビルマグネシウムなどの内1種以上を配合することを特徴とする、リップクリームにより達成される。
この発明においては、αーリポ酸やその塩類に有用なその他の美白作用成分の具体的配合成分を特定し、その作用効果をより高めている。
【0025】
また、上記目的は、本発明による美白用ドリンク剤は、αーリポ酸及び/又はその塩類に、プラセンタエキス、LCP(リキッド発酵コラーゲンペプチド、ヒアルロン酸、エラスチン、シルクペプチド、オリゴペプチド、ハーブエキス、ガルシニアエキス、食物繊維、ガラクトオリゴ糖、クエン酸(コウジ黒酢)、オットセイエキス、ナルコユリエキス、高麗人参エキス、クコシエキス、ガラナエキス、ニンニクエキス、ショウガエキス、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、ニコチン酸アミド、葉酸、パントテン酸カルシウム、乳酸カルシウム、クエン酸第一ナトリウム、塩化マグネシウム、ブドウ糖、果糖、甘味料、香料、安定剤(CMC)、保存料(安息香酸ナトリウム)、CoQ10などの内1種以上を配合することを特徴とする、美肌用ドリンク剤により達成される。
この発明においては、αーリポ酸やその塩類に有用なその他の美白・美肌作用成分の具体的配合成分を特定し、その作用効果をより高めている。
【0026】
また、上記目的は、本発明による育毛剤は、精製水、1,3−ブチレングリコール、トリメチルグリシン、1,2−ペンタンジオール、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O)、CoQ10、フェノキシエタノール、グリチルリチン酸ジカリウム、サンショウエキス、冬虫夏草エキス、ダイズエキス、ニンジンエキス、水素添加ダイズリン脂質、コレステロール、酒粕エキス、チオクト酸、水酸化ナトリウム、プラセンタエキス、精製水、リン酸L−アスコルビルマグネシウム、エタノール、1ーメントールなどの内1種以上を配合することを特徴とする、育毛剤により達成される。
この発明においては、αーリポ酸やその塩類に有用なその他の育毛作用成分の具体的配合成分を特定し、その作用効果をより高めている。
【0027】
また、上記目的は、本発明によれば、前記αーリポ酸及び/又はその塩類に、プラセンタエキス(天然アミノ酸ペプタイド)、サイタイエキス、ヒアルロン酸、ムコ多糖体、コラーゲン、エラスチン、酒粕エキス、オリゴペプチド、各種ビタミン、各種ミネラル、アミノ酸などの内1種以上をを配合することを特徴とする、ダイエット用食品により達成される。
この発明においては、αーリポ酸やその塩類に有用な抗肥満作用成分を配合し、その作用効果を高めている。
【0028】
また、上記目的は、本発明によれば、前記ダイエット用食品は、その形態が、粒状・顆粒状・粉末状・液状(ドリンク)・カプセル状などであることを特徴とする、ダイエット用食品により達成される。
この発明においては、αーリポ酸やその塩類に有用なその他の抗肥満作用成分が配合されているダイエット用食品の形態を特定し、その作用効果をより高めている。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、上述のように、αーリポ酸やその塩類を有効成分とする化粧料であり、その他ビタミンC、Na2S2O3 、Na2SO3、CoQ10などを配合し、これらの成分が有する抗酸化作用・美白・美肌作用を利用した化粧料であり、AsA- P-
Mgは皮膚内やプラセンタエキスに存在するフォスファターゼにより徐々にAsAに変換し、ここに生成したAsAが化粧料成分に作用し効果を発揮すると共に作用効果の持続性が図れる。
【0030】
この発明は、αーリポ酸やその塩類にAsAなどの化粧料成分を配合したので、作用の安全且つ安定が図れ、美白用化粧料として効果的である。
さらにこの発明は、αーリポ酸やその塩類にAsA- P- Mgを配合すれば皮膚中においてのみ有用な成分に変わり、作用の安全且つ安定が図れると共に作用効果の持続性が図れ、美白用化粧料としてより効果的である。
【0031】
またさらに、この発明は、αーリポ酸やその塩類にビタミンKを配合したので、化粧料成分の安全且つ安定が図られ、更にビタミンKによる美白、アンチリンクル等の作用が見られると共に作用効果の持続性が図れ、美白用化粧料としてより効果的である。
【0032】
なおまた、この発明は、αーリポ酸やその塩類に合成及び/又は植物由来のビタミンKを配合したので、化粧料成分の作用の安全且つ安定が図られ、更にビタミンKによる美白、アンチリンクル等の作用が見られると共に作用効果の持続性が図れ、美白用化粧料としてより効果的である。
【0033】
また、この発明は、化粧料成分がリポソーム化されているので、当該成分が水溶化し易く、また化粧料の安全且つ安定が図られると共に作用効果の持続性が図れ、美白用化粧料としてより効果的である。
【0034】
また、この発明は、皮膚内やプラセンタエキスに存在するフォスファターゼによりAsA- P- Mgが徐々にAsAに変換するので、ここに生成したAsAが上記の化粧料成分に作用して化粧料成分の作用の安全且つ安定が図られると共に作用効果の持続性が図れ、美白用化粧料としてより効果的である。
【0035】
また、この発明は、αーリポ酸やその塩類と育毛剤成分とが相乗効果的にその作用効果を活かし合い、優れた育毛効果が得られる。
【0036】
また、この発明は、αーリポ酸やその塩類と抗肥満作用成分とが相乗効果的にその作用効果を活かし合い、優れた抗肥満効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、この発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0038】
上述したように、本発明者らは、αーリポ酸やその塩類を安全にして安定な化粧料に応用するため、鋭意検討を重ねた結果、αーリポ酸やその塩類に無機還元剤、還元作用を有するビタミン類、有機還元剤を配合することにより、作用効果の安定し持続する化粧料を見い出したものである。就中、ビタミンC類の内、AsA- P- Mgは、体内においてフォスファターゼの作用により、徐々にAsAを遊離するので効果の持続性において有効である。
【0039】
αーリポ酸やその塩類は還元剤の作用を受けて構造中の−S−Sー結合が切断されて2(−SH)となる。この化合物はジヒドロリポ酸と呼ばれ、美白化粧料として活性型である(チロシナーゼインヒビター活性が強い)。即ち、シスチン(CyS−S−Cy、以下このように略す)とシスティン(Cy−SH、以下このように略す)の関係、パンテチン(Pa−S−S−Pa、以下このように略す)とパンテティン(PaSH、以下このように略す)の関係より明らかなごとく、SH基を持つ方が遥かにチロシナーゼインヒビター活性が強いことより明らかである。従って、αーリポ酸やその塩類に還元剤(AsA、Na2S2O3 、Na2SO3など)を共存させて、美白効果の強い化粧品が得られる。還元剤の種類としては、無機還元剤や還元性ビタミン、有機還元剤などであり、具体的には上記のAsA、Na2S2O3 、Na2SO3、ビタミンK(植物由来のものを含む)、AsA- P- Mg(フォスファターゼの存在によりAsAに変換)などが使用し得る。
上記において、CyS−S−CyとCy−SHの関係、Pa−S−S−PaとPaSHの関係は、前者より後者に変換することで、チロシナーゼインヒビター活性が強くなることより、これらを利用するものである。
【0040】
また、αーリポ酸やその塩類には、抗肥満化作用があるものとされていたが、その作用効果が不明であったものを、本願発明においては、その他の配合成分を特定することにより、この作用効果を明らかにすることができ、肥満予防、痩身作用の明らかな加工食品を得ることができた。
即ち、αーリポ酸及び/又はやその塩類に、プラセンタエキス(天然アミノ酸ペプタイド)、サイタイエキス、ヒアルロン酸、ムコ多糖体、コラーゲン、エラスチン、酒粕エキス、オリゴペプチド、各種ビタミン、各種ミネラル、アミノ酸などを配合することにより、抗肥満化作用の優れた加工食品が得られた。
上記ダイエット用食品の形態は、粒状・顆粒状・粉末状・液状(ドリンク)・カプセル状など、何れでも良い。
【0041】
フォスファターゼは、通常われわれの皮膚内に存在するが、プラセンタエキス由来のものであってもよい。プラセンタエキスは通常加熱処理してアルカリフォスファターゼを失活させて化粧品に応用するが、本発明のプラセンタエキスは未加熱もしくは部分加熱したものを使用する。部分加熱は通常50〜80℃で10〜60分処理を行うが、存在するフォスファターゼが完全に失活せずに、弱いながら活性が残存する状態で使用する。
【0042】
前記ビタミンKはK1、K2、K3及び類縁物質であるピロロキノリンキノンや植物及び/又は食品より得られた混合物でもよく、或いはまたビタミンKを含有するアボカド油、ローズヒップ油、キョウニン油、ダイズ発酵エキスなどの2つ以上よりなる混合物であってもよい。
ここに挙げたビタミンKは化学構造的にはナフトキノン誘導体でありベンゾキノンの誘導体であるCoQ10とは類縁体と見なされ、活性型はカルボニル基が生体内で還元作用を受けて生成したナフトキノールと言われている。
なお、上記のフォスファターゼにより、ビタミンKが活性型のナフトキノール誘導体に変換しビタミンKの効果を発揮する。ビタミンK含有の化粧料原料としての有用性は美白やアンチリンクル、目の下のたるみ、くま取り等であるが、CoQ10配合化粧品にこれらの作用が加味されて、より有用性を発揮するものである。しかして、ビタミンKの配合量は0.10〜5.00%が好ましい。
【0043】
前記のリポソーム化は、殊にCoQ10に対して有効であり、脂溶性が高く水に溶け難いCoQ10を水溶化し易くなる利点がある。またこの他に、CoQ10の経皮吸収の促進、刺激性の低減、皮膚改善作用、保湿性・柔軟性・平滑性など、化粧料としての作用効果の高まりが期待される。
リポソームは、天然に存在するリン脂質を水中に分散させることにより、2分子膜を有する小胞体が形成されることの発見に由来し、非常に近似度の高い生体膜モデルであることよりリポソ−ムと呼ばれ、今日に至っている。
本発明においては、このリポソームの有する作用をCoQ10などに利用するものであり、CoQ10、リン脂質などを用いてリポソーム液を調整し、ゲルろ過装置などを使用してリポソーム分画し、CoQ10などをリポソーム膜中に存在させることによって、化粧料類の成分としてより有効な作用効果をもたらすようにするものである。
【実施例1】
【0044】
以下の成分、製法により、美白作用が優れた化粧水を得た。
成分名 分量(%)
1 精製水 適量
2 ジプロピレングリコール 6.00
3 1,2−ペンタンジオール 2.00
4 1,3−ブチレングリコール 4.00
5 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.50
6 トリメチルグリシン 1.00
7 グリチルリチン酸ジカリウム 0.10
8 ヒドロキシエチルセルロース 0.02
9 フェノキシエタノール 0.40
10 酒粕エキス 0.50
11 プラセンタエキス 3.00
12 αーリポ酸 0.50
13 水酸化ナトリウム 0.50
14 精製水 1.00
15 リン酸L−アスコルビルマグネシウム 0.10
合計 100.00
・上記成分中、成分1を80℃まで加温する。成分2〜6の各成分を混合し、80℃まで加温し、成分1に加える。
・成分7〜9の各成分を加え、均一にする。
・40℃まで冷却し、成分10〜16の各成分を加え均一にする。
・35℃にて冷却を止め、静置し、完成とする。
【実施例2】
【0045】
以下の成分、製法により、作用効果が優れたリップクリームを得た。
成分名 分量(%)
1 スクワラン 適量
2 マイクロクリスタリンワックス 5.00
3 セレシン 5.00
4 白色ワセリン 20.00
5 セスキオレイン酸ソルビタン 0.50
6 天然ビタミンE 0.15
7 パルミチン酸レチノール 0.10
8 ホホバ油 10.00
9 キャンデリラロウ 5.00
10 ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(2) 10.00
11 還元ラノリン 5.00
12 アボカド油、キョウニン油、ローズヒップ油、
ダイズ発酵エキス 5.00
又はフィトナジオン 0.50
13 トリ2ーエチルヘキサン酸グリセリル 20.00
14 CoQ10 0.03
15 水素添加ダイズリン脂質 0.20
16 コレステロール 0.04
17 αーリポ酸 0.50
18 水酸化ナトリウム 0.50
19 プラセンタエキス 3.00
20 精製水 1.00
21 リン酸L−アスコルビルマグネシウム 0.10
合計 100.00
・上記成分中、成分1〜16の各成分を混合し、85℃に加熱融解する。
・均一に混合した後、冷却(急冷)を行う。
・50℃で、成分17〜21の各成分を添加し、さらに冷却を行う。
・35℃にて冷却を止め、静置し、完成とする。
【実施例3】
【0046】
以下の成分、製法により、育毛作用効果が優れた育毛剤を得た。
成分名 分量(%)
1 精製水 適量
2 1,3−ブチレングリコール 5.00
3 トリメチルグリシン 1.00
4 1,2−ペンタンジオール 1.00
5 モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O)0.50
6 CoQ10 0.03
7 フェノキシエタノール 0.40
8 グリチルリチン酸ジカリウム 0.10
9 サンショウエキス 0.20
10 冬虫夏草エキス 0.50
11 ダイズエキス 1.00
12 ニンジンエキス 2.00
13 水素添加ダイズリン脂質 0.20
14 コレステロール 0.04
15 酒粕エキス 1.00
16 αーリポ酸ナトリウム 0.50
17 水酸化ナトリウム 0.50
18 プラセンタエキス 3.00
19 精製水 1.00
20 リン酸L−アスコルビルマグネシウム 0.10
21 エタノール 22.00
22 1ーメントール 0.10
合計 100.00
・上記成分中、成分1を80℃まで加温する。成分2〜7の各成分を混合し、80℃まで加温し、成分1に加える。
・更に成分8を加え、均一溶解後、冷却する。
・40℃まで冷却し、成分9〜20の各成分を加え均一にする。
・成分20を溶解した成分19を加え均一にする。
・35℃にて冷却を止め、静置し、完成とする。
【産業上の利用可能性】
【0047】
上述した実施形態においては、化粧水、リップクリーム、ドリンク剤、育毛剤、ダイエット用食品として構成されているが、これに限らず、各種の化粧料類や各種養毛剤類に幅広く利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
αーリポ酸及び/又はその塩類に、無機還元剤、還元作用を有するビタミン類、有機還元剤の内1種以上の成分を配合してなることを特徴とする、化粧料。
【請求項2】
前記αーリポ酸塩類は、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩などであることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
前記無機還元剤は、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどであることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料。
【請求項4】
前記還元作用を有するビタミン類は、ビタミンE類、還元型コエンザイム類、還元型ビタミンK、アスコルビン酸誘導体などであることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料。
【請求項5】
前記有機還元剤は、ハイドロキノン、α及び/又はβアルブチンなどであることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料。
【請求項6】
前記アスコルビン酸誘導体は、アスコルビン酸リン酸マグネシウムであることを特徴とする、請求項4に記載の化粧料。
【請求項7】
前記ビタミンKは、合成及び/又は植物由来のビタミンKであることを特徴とする、請求項4に記載の化粧料。
【請求項8】
前記化粧料は、リポソーム化された成分を利用してなることを特徴とする、請求項1〜7に記載の化粧料。
【請求項9】
前記化粧料は、皮膚内やプラセンタエキスに存在するフォスファターゼを利用してなることを特徴とする、請求項1〜8に記載の化粧料。
【請求項10】
前記αーリポ酸及び/又はその塩類成分は、0.005〜5.00%量含有することを特徴とする、請求項1〜9に記載の化粧料。
【請求項11】
前記アスコルビン酸リン酸マグネシウムは、0.10〜9.00%量含有することを特徴とする、請求項1〜10に記載の化粧料。
【請求項12】
前記αーリポ酸及び/又はその塩類成分に、コエンザイムQ10、ビタミンC誘導体、ビタミンK、プラセンタエキス、酒粕エキス(海洋深層水を使用して成るものを含む。以下同じ。)などの内、1種以上の成分を添加してなることを特徴とする、請求項1〜11に記載の化粧料。
【請求項13】
前記コエンザイムQ10は、0.01〜1.00%、前記ビタミンC誘導体は0.10〜9.00%、ビタミンKは0.10〜5.00%、プラセンタエキスは0.30〜3.00%、酒粕エキスは0.30〜3.00%量含有することを特徴とする、請求項1〜12に記載の化粧料。
【請求項14】
前記化粧料は、美白化粧料、保湿化粧料、リップクリームなどであることを特徴とする、請求項1〜13に記載の化粧料。
【請求項15】
前記化粧料の形態は、クリーム状、ジェル状、液状、ドリンク状、カプセル状などであることを特徴とする、請求項1〜14に記載の化粧料。
【請求項16】
αーリポ酸及び/又はその塩類に、精製水、ジプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ブチレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、トリメチルグリシン、グリチルリチン酸ジカリウム、ヒドロキシエチルセルロース、フェノキシエタノール、酒粕エキス、プラセンタエキス、水酸化ナトリウム、リン酸L−アスコルビルマグネシウムなどの内1種以上を配合することを特徴とする、化粧水。
【請求項17】
αーリポ酸及び/又はその塩類に、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、白色ワセリン、セスキオレイン酸ソルビタン、天然ビタミンE、パルミチン酸レチノール、ホホバ油、キャンデリラロウ、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(2)、還元ラノリン、アボカド油、キョウニン油、ローズヒップ油、ダイズ発酵エキス、フィトナジオン、トリ2ーエチルヘキサン酸グリセリル、コエンザイムQ10、水素添加ダイズリン脂質、コレステロール、水酸化ナトリウム、プラセンタエキス、精製水、リン酸L−アスコルビルマグネシウムなどの内1種以上を配合することを特徴とする、リップクリーム。
【請求項18】
αーリポ酸及び/又はその塩類に、プラセンタエキス、LCP(リキッド発酵コラーゲンペプチド)、ヒアルロン酸、エラスチン、シルクペプチド、オリゴペプチド、ハーブエキス、ガルシニアエキス、食物繊維、ガラクトオリゴ糖、クエン酸(コウジ黒酢)、オットセイエキス、ナルコユリエキス、高麗人参エキス、クコシエキス、ガラナエキス、ニンニクエキス、ショウガエキス、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、ニコチン酸アミド、葉酸、パントテン酸カルシウム、乳酸カルシウム、クエン酸第一ナトリウム、塩化マグネシウム、ブドウ糖、果糖、甘味料、香料、安定剤(CMC)、保存料(安息香酸ナトリウム)、酒粕エキス、コエンザイムQ10などの内1種以上を配合することを特徴とする、美肌用ドリンク剤。
【請求項19】
αーリポ酸及び/又はその塩類に、精製水、1,3−ブチレングリコール、トリメチルグリシン、1,2−ペンタンジオール、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O)、コエンザイムQ10、フェノキシエタノール、グリチルリチン酸ジカリウム、サンショウエキス、冬虫夏草エキス、ダイズエキス、ニンジンエキス、水素添加ダイズリン脂質、コレステロール、酒粕エキス、水酸化ナトリウム、プラセンタエキス、リン酸L−アスコルビルマグネシウム、エタノール、1ーメントールなどの内1種以上を配合することを特徴とする、育毛剤。
【請求項20】
αーリポ酸及び/又はその塩類に、プラセンタエキス(天然アミノ酸ペプタイド)、サイタイエキス、ヒアルロン酸、ムコ多糖体、コラーゲン、エラスチン、酒粕エキス、オリゴペプチド、各種ビタミン、各種ミネラル、アミノ酸などの内1種以上を配合することを特徴とする、ダイエット用食品。
【請求項21】
前記ダイエット用食品は、その形態が、粒状・顆粒状・粉末状・液状(ドリンク)・カプセル状などであることを特徴とする、請求項20に記載のダイエット用食品。

【公開番号】特開2006−282609(P2006−282609A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−105952(P2005−105952)
【出願日】平成17年4月1日(2005.4.1)
【出願人】(500279357)株式会社日本天然物研究所 (3)
【Fターム(参考)】