説明

官能性ベータ1,6グルコサミン二糖類およびその製造方法

本発明は、式(1)のβ-(1->6)-結合型グルコサミン二糖類の化学合成のための新規な方法およびその方法に関係する(中間体)化合物に関する。さらなる態様では、発明は化合物を含む組成物ならびに二糖類および医薬の合成における化合物の使用に関する。


(1)


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式10:

(10)、
[式中:
R1は(C3-C6)アルケニル、例えばC3またはC4アルケニル、好ましくは2-プロペニルまたは1-プロペニルから選択される基である;
Xは水素、ベンジルまたは置換型ベンジル、例えば4-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、2,5-ジメトキシベンジル、2,3,4-トリメトキシベンジルもしくは3,4,5-トリメトキシベンジルから選択される基である;
R0はR5またはR2から選択され、R5は、下記から選択される:
(i) 2〜24個の炭素原子を有する直鎖カルボン酸、好ましくは3-ヒドロキシアシル基のようなヒドロキシアシル基、3-オキソアシル基のようなオキソアシル基、3-アミノアシル基のようなアミノアシル基に由来するアシル基;
(ii) アシルオキシアシル基、好ましくは3-アシルオキシアシル基、アシルアミノアシル基、好ましくは3-アシルアミノアシル基、アシルチオアシル基、好ましくは3-アシルチオアシル基;
(iii) アルキルオキシアシル基、好ましくは(C2-C24)アルキルオキシアシル基、アルケニルオキシアシル基、好ましくは(C2-C24)アルケニルオキシアシル基、アルキニルオキシアシル基、好ましくは(C2-C24)アルキニルオキシアシル基、アルキルアミノアシル基、好ましくは(C2-C24)アルキルアミノアシル基、アルケニルアミノアシル基、好ましくは(C2-C24)アルケニルアミノアシル基、アルキニルアミノアシル基、好ましくは(C2-C24)アルキニルアミノアシル基、アルキルチオアシル基、好ましくは(C2-C24)アルキルチオアシル基、アルケニルチオアシル基、好ましくは(C2-C24)アルケニルチオアシル基、アルキニルチオアシル基、好ましくは(C2-C24)アルキニルチオアシル基、2〜48個の炭素原子を有する分枝鎖カルボン酸、好ましくは3位で分枝したカルボン酸に由来するアシル基;
ここで(i)、(ii)、(iii)の群において、アシルの炭化水素鎖は、飽和または不飽和であってよく、アシル、アルキル、アルケニル、アルキニルの炭化水素鎖は、分枝状または直鎖状であってよく、場合によっては、フルオロ、クロロ、ブロモ、もしくはヨードのようなハロゲン;Yが下記のように定義される、ヒドロキシルもしくはヒドロキシル誘導体-OY;Wが下記のように定義される、アミンもしくはアミン誘導体-NHW;またはZが下記のように定義される(f)、(g)、(h)、(i)、(j)、(k)から選択される-OZ基、から独立して選択される一またはそれ以上の基で置換されていてもよい;
R2は(C1-C6)ハロゲン化アルコキシカルボニル、例えば2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル(TROC)または1,1-ジメチル-2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル(TCBOC)から選択される基である;]
の化合物と
式7:

(7)、
[式中、R4は下記から選択される:
(a) R5について(i)、(ii)または(iii)で定義したようなアシル基;
(b) 分枝状または直鎖状アルキル基、好ましくは分枝状または直鎖状(C1-C24)アルキル基;分枝状または直鎖状アルケニル基、好ましくは分枝状または直鎖状(C1-C24)アルケニル基;分枝状または直鎖状アルキニル基、好ましくは分枝状または直鎖状(C1-C24)アルキニル基;
(c) Xが下記のように定義される、-[(C1-C24)アルキル]-COOX基、-[(C2-C24)アルケニル]-COOX基または-[(C2-C24)アルキニル]-COOX基
(d) Wが下記のように定義される、-[(C1-C24)アルキル]-NHW基、-[(C1-C24)アルケニル]-NHW基または-[(C1-C24)アルキニル]-NHW基;
(e) ホルミルアルキル基、好ましくはホルミル[(C1-C24)アルキル]基;ホルミルアルケニル基、好ましくはホルミル[(C1-C24)アルケニル]基;ホルミルアルキニル基、好ましくはホルミル[(C1-C24)アルキニル]基;
(f) ジメトキシホスホリル基;
(g) Yが下記のように定義される、-P(O)(OY)2基;
(h) Wが下記のように定義される、-P(O)(OH)-O[(C1-C24)アルキル]-NHW基、-P(O)(OH)-O[(C1-C24)アルケニル]-NHW基または-P(O)(OH)-O[(C1-C24)アルキニル]-NHW基;
(i) -P(O)(OH)-O[(C1-C24)アルキル]基、-P(O)(OH)-O[(C1-C24)アルケニル]基、または-P(O)(OH)-O[(C1-C24)アルキニル]基;
(j) Xが上記のように定義される、-P(O)(OH)-O[(C1-C24)アルキル]-COOX基、-P(O)(OH)-O[(C1-C24)アルケニル]-COOX基、または-P(O)(OH)-O[(C1-C24)アルキニル]-COOX基;
(k) -S(O)(OH)2基;
(l) ベンジルもしくは置換型ベンジル、例えば4-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、2,5-ジメトキシベンジル、2,3,4-トリメトキシベンジルもしくは3,4,5-トリメトキシベンジル;または(C3-C6)アルケニル、例えばC3もしくはC4アルケニル、好ましくは2-プロペニルもしくは1-プロペニル、から選択される保護基;
ここで、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基は、分枝状または直鎖状であってよく、非置換型または場合によっては、フルオロ、クロロ、ブロモ、もしくはヨードのようなハロゲン;ヒドロキシルもしくはYが下記のように定義されるヒドロキシル誘導体-OY;アミンもしくはWが下記のように定義されるアミン誘導体-NHW;またはZが(f)、(g)、(h)、(i)、(j)、(k)から選択される-OZ基、から独立して選択される一またはそれ以上の基で置換された置換型でもよい;
ここでYは、水素;(C3-C6)アルケニル、例えばC2もしくはC3アルケニル、好ましくは2-プロペニル基もしくは1-プロペニル基;ベンジルもしくは置換型ベンジル、例えば4-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、2,5-ジメトキシベンジル、2,3,4-トリメトキシベンジルもしくは3,4,5-トリメトキシベンジルから選択される基;またはO-キシリレン基、から選択される;
ここでWは、水素;またはベンジルオキシカルボニル基もしくは9-フルオレニルメチルオキシカルボニル、から選択される;
式中、R6は、トリクロロアセトイミダート、フッ化物、塩化物、臭化物から選択される基であり、XおよびR2は上記で定義した通りである]
の化合物を、
式11h:

(11h)、
[式中、R1、R2、R4、R0およびXは上記で定義した通りである]の化合物の形成に適切な反応条件下で反応させることを含む、非対称的にまたは対称的に置換されたβ-(1->6)-結合型グルコサミン二糖の製造方法。
【請求項2】
R0が式11hのR5として選択された場合、式12a:

(12a)、
[式中、R1、R4、R5およびXは請求項1で定義した通りである]の化合物を形成する一方で、R0が式11hのR2として選択された場合、式12b:

(12b)、
[式中、R1、R4、およびXは請求項1で定義した通りである]の化合物を形成する、前述の式11hの化合物の多数のR2基の加水分解除去に適切な反応条件下で式11hの化合物を反応させることをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
式13:


(13)、
[式中、R1、R4、R5、およびXは前記で定義した通りである]の化合物の形成における、前述の式12aまたは12bの化合物の遊離アミノ基と式R5OH[式中、R5は前記で定義した通りである]の(活性型)カルボン酸のカルボキシ基との間のアミド結合の形成に適切な反応条件下、好ましくはイソブチルクロロホルメート、1-イソブチルオキシ 2-イソブチルオキシカルボニル-1,2-ジヒドロキノレインまたはカルボジイミドのようなカップリング剤の存在下、式12aまたは12bの化合物を反応させることをさらに含む、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記で定義した式13の化合物からのR1基の適切な反応条件下での除去による式14:

(14)、
[式中、R4、R5、およびXは請求項1で定義した通りである]のヘミアセタールの形成をさらに含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
式15a:

(15a)
の化合物の形成に適切な反応条件下、THFのような極性溶媒中、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドのような適切な塩基の存在下、好ましくはテトラベンジルピロリン酸との化合物14の遊離ヒドロキシル基のリン酸化をさらに含む、請求項4記載の方法。
【請求項6】
式15b:

(15b)
の化合物の形成に適切な反応条件下、例えばDMFのような溶媒中、トリメチルアミン三酸化硫黄複合体のような三酸化硫黄複合体との反応による、化合物14の遊離ヒドロキシル基の硫酸化をさらに含む、請求項4記載の方法。
【請求項7】
式15c:

(15c)
[式中、R4、R5、およびXは前記で定義した通りであり、R8はR4について前記で定義した(a)から選択される]の化合物の形成における、好ましくはイソブチルクロロホルメート、1-イソブチルオキシ 2-イソブチルオキシカルボニル-1,2-ジヒドロキノレインまたはカルボジイミドのようなカップリング剤の存在下、化合物14の遊離ヒドロキシル基と式R8OH[式中、R8はR4について前記で定義した(a)から選択される]の(活性型)カルボン酸との反応をさらに含む、請求項4記載の方法。
【請求項8】
式24:

(24)、
[式中、R4、R5、およびXは前記で定義した通りである]の化合物の形成に適切な反応条件下、例えば極性溶媒中、好ましくはジクロロメタンのような非プロトン性極性溶媒中、炭酸セシウムまたは炭酸カリウムのような鉱物塩基の存在下、化合物14とトリクロアセトニトリルとの反応によるなど、トリクロロアセトイミダート基のような脱離基の化合物14の遊離ヒドロキシル基へのカップリングをさらに含む、請求項4記載の方法。
【請求項9】
式15d:

(15d)
の化合物の形成に適切な反応条件下、化合物24を有機分子R8OH[式中、R8はR4について前記で定義した(b)、(c)、(d)または(e)から選択される]と反応させる、請求項8記載の方法。
【請求項10】
例えばエステル化、メチル化、アミド化、酸化、水素化または四酸化オスミウムとのα,βヒドロキシル化から選択される反応における、式15a、15b、15c、15dまたは13の化合物上のヒドロキシル基、アミン基、カルボキシ基、または炭素二重結合のような反応基の適切な反応条件下での反応、および前述の反応基の反応が場合によっては前述の反応基を遊離させるためにY基またはW基のような保護基の除去が先立って行われる反応をさらに含む、請求項3〜9記載の方法。
【請求項11】
式1:

(1)、
[式中、R4'、R5'およびR7'は、それぞれR4、R5およびR7について前記で定義した通りであり、R8'はR4について前記で定義した(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)、(j)または(k)から選択され、またはHとして選択され、YおよびWは好ましくはHである]の化合物の形成に適切な反応条件下、式13、14、15a、15b、15cまたは15dの化合物からの多数の保護基Xの除去、好ましくは前述の保護基Xの水素化分解による除去、より好ましくはパラジウム炭素のような高品質金属の存在下での水素化分解による除去をさらに含む、請求項4〜10記載の方法。
【請求項12】
R1がアリル基であり、極性溶媒中、水素活性化金属触媒、好ましくは水素活性化イリジウム触媒で処理することにより、アリル基が1-アリルへ最初に異性化されることによってアリル基が除去され、次いで好ましくは水溶性ヨード源を用いて異性化アリルが開裂することによってヘミアセタールが形成される、請求項3記載の方法。
【請求項13】
トリクロロアセトイミダート、フッ化物、塩化物、臭化物から選択される脱離基の、式6:

(6)、
[式中、R2、R4およびXは前記で定義した通りである]の化合物の遊離ヒドロキシル基への適切な反応条件下でのカップリングによる式7の化合物の形成を含む、請求項1〜12記載の方法。
【請求項14】
式5:

(5)、
[式中、R1、R2、R4およびXは前記で定義した通りである]の化合物からのR1基の適切な反応条件下での除去による式6の化合物の形成をさらに含む、請求項1〜13記載の方法。
【請求項15】
例えば、好ましくはm-クロロ過安息香酸のような芳香族過カルボン酸の存在下、亜リン酸エステルの形成、続く亜リン酸エステルのリン酸エステルへの酸化において、極性溶媒中、好ましくは非プロトン性極性溶媒中、[1H]テトラゾールのようなカップリング剤の存在下、ジアリールN,NジアルキルホスホラミダイトまたはジアリルN,Nジアルキルホスホラミダイト、好ましくはジアリルN,Nジイソプロピルホスホラミダイトのようなホスホラミダイトとの反応によるなど、式5[式中、R4は(f)、(g)、(h)、(i)または(j)から選択される]の化合物の形成が、式4:

(4)、
[式中、R1、R2、およびXは前記で定義した通りである]の化合物の遊離ヒドロキシル基の適切な反応条件下でのリン酸化を含む、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
例えばDMFのような極性溶媒中、トリメチルアミン三酸化硫黄複合体のような三酸化硫黄複合体との反応によるなど、式5[式中、R4は(k)から選択される]の化合物の形成が、式4:

(4)、
[式中、R1、R2、およびXは前記で定義した通りである]の化合物の遊離ヒドロキシル基の適切な反応条件下での硫酸化を含む、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
式5[式中、R4は(l)から選択される]の化合物の形成が、式4:

(4)、
[式中、R1、R2、およびXは前記で定義した通りである]の化合物の遊離ヒドロキシル基と、前述の式4の化合物の遊離ヒドロキシル基に保護基を供与するのに適切な化合物[ここで、前述の保護基供与化合物は、好ましくはベンジル-2,2,2-トリクロロアセトイミダートもしくは置換型ベンジル-2,2,2-トリクロロアセトイミダート、例えば4-メトキシベンジル-2,2,2-トリクロロアセトイミダート、3,4-ジメトキシベンジル-2,2,2-トリクロロアセトイミダート、2,5-ジメトキシベンジル-2,2,2-トリクロロアセトイミダート、2,3,4-トリメトキシベンジル-2,2,2-トリクロロアセトイミダートもしくは3,4,5-トリメトキシベンジル-2,2,2-トリクロロアセトイミダート、またはC3もしくはC4-2,2,2-トリクロロアセトイミダート、好ましくは2-プロペニル-2,2,2-トリクロロアセトイミダートもしくは1-プロペニル-2,2,2-トリクロロアセトイミダートのような(C3-C6)アルケニル-2,2,2-トリクロロアセトイミダートから選択され、好ましくは、反応は極性溶媒中および/またはトリフルオロメタンスルホン酸スズ(II)もしくはトリフルオロメタンスルホン酸のような酸触媒の存在下で行われる]との反応を含む、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
好ましくは、イソブチルクロロホルメート、1-イソブチルオキシ 2-イソブチルオキシカルボニル-1,2-ジヒドロキノレインまたはカルボジイミドのようなカップリング剤の存在下、式5[式中、R4は(a)から選択される]の化合物の形成が、式4:

(4)、
[式中、R1、R2、およびXは前記で定義した通りである]の化合物の遊離ヒドロキシル基と、式R4OH[式中、R4は前記で定義した(a)から選択される]の(活性型)カルボン酸のカルボキシ基との反応を含む、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
式5[式中、R4は(b)、(c)、(d)または(e)から選択される]の化合物の形成が、式4:

(4)、
[式中、R1、R2、およびXは前記で定義した通りである]の化合物の遊離ヒドロキシル基と、前述のR4の(b)、(c)、(d)または(e)の選択に対応する2,2,2, トリクロロアセトイミダート活性型アルキルアルコールとの反応[ここで反応は、好ましくは、極性溶媒中および/またはトリフルオロメタンスルホン酸スズ(II)もしくはトリフルオロメタンスルホン酸のような酸触媒の存在下で行われる]を含む、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
例えばエステル化、アミド化、酸化、水素化または四酸化オスミウムとのα,βヒドロキシル化から選択される反応における式5の化合物上の反応基、例えばヒドロキシル基、アミン基、カルボキシ基または炭素二重結合の誘導体化をさらに含む、請求項1〜19記載の方法。
【請求項21】
THFのような極性溶媒中、トリメチルアミンボラン複合体のような水素化物、および塩化アルミニウムのようなルイス酸の存在下、式3:

(3)、
[式中、R1、R2、およびXは前記で定義した通りであり、R3はフェニルまたは置換型フェニル、例えば4-メトキシフェニル、3,4-ジメトキシフェニル、2,5-ジメトキシフェニル、2,3,4-トリメトキシフェニルもしくは3,4,5-トリメトキシフェニル基から選択される基である]の化合物のベンジリデン基の適切な反応条件下での還元的開環による式4の化合物の形成を含む、請求項1〜20記載の方法。
【請求項22】
アミン官能基のアシル化に適切な条件下、式9:

(9)、
[式中、R1は(C3-C6)アルケニル、例えばC3またはC4アルケニル、好ましくは2-プロペニルまたは1-プロペニルから選択される基であり、Xは請求項1で定義した通りである]の化合物と、式R5OH[式中、R5は前記で定義した通りである]の(活性型)カルボン酸との反応による、式10[式中、R0はR5について前記で定義した通りである]の化合物の形成をさらに含む、請求項1〜21記載の方法。
【請求項23】
式8:

(8)、
[式中、R1、R2およびXは前記で定義した通りである]の化合物のR2基の適切な反応条件下での加水分解開裂による式9の化合物の形成を含む、請求項1〜22記載の方法。
【請求項24】
例えばジクロロメタンのような極性溶媒中、ジメチルアミンボラン複合体のような水素化物、および三フッ化ホウ素のようなルイス酸の存在下、式3:

(3)、
[式中、R1、R2、およびXは前記で定義した通りであり、R3はフェニルまたは置換型フェニル、例えば4-メトキシフェニル、3,4-ジメトキシフェニル、2,5-ジメトキシフェニル、2,3,4-トリメトキシフェニルもしくは3,4,5-トリメトキシフェニル基から選択される基である]の化合物のベンジリデン基の適切な反応条件下での還元的開環による式8の化合物の形成を含む、請求項1〜23記載の方法。
【請求項25】
式2:

(2)、
[式中、R1、R2、およびR3は前記で定義した通りである]の化合物と、式2の化合物の遊離ヒドロキシル基に保護基を供与するのに適切な化合物[ここで前述の保護基供与化合物は、好ましくはベンジル-2,2,2-トリクロロアセトイミダートまたは置換型ベンジル-2,2,2-トリクロロアセトイミダート、例えば4-メトキシベンジル-2,2,2-トリクロロアセトイミダート、3,4-ジメトキシベンジル-2,2,2-トリクロロアセトイミダート、2,5-ジメトキシベンジル-2,2,2-トリクロロアセトイミダート、2,3,4-トリメトキシベンジル-2,2,2-トリクロロアセトイミダートもしくは3,4,5-トリメトキシベンジル-2,2,2-トリクロロアセトイミダートから選択され、反応は好ましくは極性溶媒中および/またはトリフルオロメタンスルホン酸スズ(II)もしくはトリフルオロメタンスルホン酸のような酸触媒の存在下で行われる]との適切な反応条件下での反応による式3の化合物の形成を含む、請求項1〜24記載の方法。
【請求項26】
式13:

(13)
[式中、R1、R5は請求項1で定義した通りであり、R4はパラメトキシベンジル(PMB)である]の化合物からのR4基の除去を含む、式13c:

(13c)
[式中、R1、R5、R4およびXは上記で定義した通りである]の化合物の形成における、請求項3〜25記載の方法。
【請求項27】
リン酸化、硫酸化、エステル化、アミド化およびアルキル化から選択される反応において、式13cの化合物の遊離ヒドロキシル基を適切な反応条件下で反応させることによる、式13d:

(13d)
[式中、R1、R5、R4およびXは上記で定義した通りである]の化合物の形成を含む、請求項25記載の方法。
【請求項28】
式15e:

(15e)、
[式中、R4、R5、およびXは前記で定義した通りであり、R8は2,3 ジヒドロキシプロピル基として選択される]の化合物の形成の間の、4-メチルモルホリンオキシドのような酸化剤の存在下、好ましくは四酸化オスミウム溶液の存在下、2-プロペニル基のヒドロキシル化、好ましくはジヒドロキシル化に適切な反応条件下での式13[式中、R1は2-プロペニルである]の化合物を反応させることを含む、請求項3〜27記載の方法。
【請求項29】
化合物15eの多数の遊離ヒドロキシル基のリン酸化、硫酸化、アルキル化、エステル化、アミド化をさらに含む、請求項1〜28記載の方法。
【請求項30】
第一のR5基は請求項1で定義したサブグループ(i)から選択され、第二のR5基は請求項1で定義したサブグループ(ii)または(iii)から選択され、好ましくはN-2位のR5基は(i)から選択される、請求項3〜29記載の方法。
【請求項31】
両方のR5基が請求項1で定義したサブグループ(i)から等しくまたは異なって選択される、請求項3〜29記載の方法。
【請求項32】
両方のR5基が請求項1で定義したサブグループ(ii)または(iii)から等しくまたは異なって選択される、請求項3〜29記載の方法。
【請求項33】
(i) 式1の化合物の少なくとも一部分を固相へ結合させるのに適切な条件下、式1:

(1)
[式中、R4'、R5'およびR8'は前記で定義した通りである]の化合物の溶液と、固相逆相樹脂との混合;
(ii) 液相の除去、ならびにpH 6〜9、好ましくは7〜8、最も好ましくは7.3〜7.7で緩衝化した水相および有機相を含み、水相および有機相を15:1〜5:1の間、好ましくは9:1 (v/v)の割合で混合した洗浄液での固相の洗浄;
(iii) 洗浄液の除去、ならびに水相および有機相を含み、水相および有機相を1:15〜1:5の間、好ましくは1:9 (v/v)の割合で混合した溶出液での、固相に結合した化合物1の少なくとも一部分の溶出;
(iv) 式1の化合物を含む溶出液の収集;
(v) 場合によっては、式1の化合物を含む溶出液からの有機相の除去;
を含む方法。
【請求項34】
式1の化合物を含む溶出液のpHの、事前に選択したpH値、好ましくはpH 6〜9、より好ましくはpH 7〜8、最も好ましくはpH 7.3〜7.7へのpH調整をさらに含む、請求項33記載の方法。
【請求項35】
式1の化合物が請求項1〜32記載の方法で得られる、請求項33〜34記載の方法。
【請求項36】
式3:

(3)、
[式中、R1、R2、R3およびXは前述の請求項1で定義した通りであり、R3は請求項21で定義した通りである]の化合物、好ましくは式3b:

(3b)、
[式中、Phはフェニル、およびBnはベンジルである]の化合物。
【請求項37】
式7:

(7)、
[式中、R2、R4、R6およびXは前述の請求項1で定義した通りである]の化合物、好ましくは式7b:

(7b)、
[式中、Bnは上記で定義した通りである]の化合物。
【請求項38】
式8:

(8)、
[式中、R1、R2およびXは前記で定義した通りである]の化合物、好ましくは式8b:

(8b)、
[式中、Bnは上記で定義した通りである]の化合物。
【請求項39】
式10a:

(10a)、
[式中、R1、R5およびXは前述の請求項1で定義した通りである]の化合物、好ましくは式10b:

(10b)、
[式中、Bnは上記で定義した通りである]の化合物。
【請求項40】
式11:


(11)、
[式中、R1、R2、R4、R5およびXは前述の請求項1で定義した通りである]の化合物、好ましくは式11a:

(11a)、
[式中、Bnは上記で定義した通りである]の化合物。
【請求項41】
式11b:

(11b)、
[式中、R1、R2、R4およびXは前述の請求項1で定義した通りである]の化合物、好ましくは式11c:


(11c)、
[式中、Bnは上記で定義した通りである]の化合物。
【請求項42】
式12b:

(12b)、
[式中、R1、R4およびXは前述の請求項1で定義した通りである]の化合物、好ましくは式12c:


(12c)、
[式中、Bnは上記で定義した通りである]の化合物。
【請求項43】
式12a:

(12a)、
[式中、R1、R2、R4、R5およびXは前述の請求項1で定義した通りである]の化合物、好ましくは式12d:

(12d)、
[式中、Bnは上記で定義した通りである]の化合物。
【請求項44】
式13:

(13)、
[式中、R1、R4、R5およびXは前述の請求項1で定義した通りである]の化合物、好ましくは式13b:

(13b)、
[式中、Bnは上記で定義した通りである]の化合物。
【請求項45】
式14:

(14)、
[式中、R4、R5およびXは前述の請求項1で定義した通りである]の化合物、好ましくは式14b:

(14b)、
[式中、Bnは上記で定義した通りである]の化合物。
【請求項46】
好ましくは請求項1〜22記載の方法で得られうる、式1:

(1)、
[式中、R'4、R'5およびR'8は前述の請求項11で定義した通りである]の非対称的にまたは対称的に置換された1,6-β二糖合成物質。
【請求項47】
二糖が下記から選択される、請求項46記載の二糖。

1b 16


17 19


30 31


26 32


33 34


35 36
[式中、nは0または1〜21の整数]


37 38
[式中、nは1〜21の整数]


39 40
[式中、nは1〜21の整数] [式中、nは1〜21の整数]


41
[式中、nは1〜21の整数、例えば13]
【請求項48】
第一のR5基は請求項1で定義したサブグループ(i)から選択され、第二のR5基は請求項1で定義したサブグループ(ii)または(iii)から選択され、好ましくはN-2位のR5基は(i)から選択される、請求項46記載の二糖。
【請求項49】
両方の基が請求項1で定義したサブグループ(i)から等しくまたは異なって選択される、請求項46記載の二糖。
【請求項50】
両方のR5基が請求項1で定義したサブグループ(ii)または(iii)から等しくまたは異なって選択される、請求項46記載の二糖。
【請求項51】
式1の化合物が好ましくは請求項46〜50記載の化合物である、請求項33〜35記載の方法で得られうる化合物。
【請求項52】
請求項46〜51記載の化合物を一またはそれ以上含み、場合によっては適切な担体または希釈剤と組み合わせる、組成物、好ましくは医薬組成物。
【請求項53】
非対称的にまたは対称的に置換されたβ-(1->6)-結合型グルコサミン二糖の合成方法における、出発物質を含む中間体としての請求項36〜45記載の化合物の使用。
【請求項54】
医薬における使用のための、好ましくは免疫異常および/または癌から選択される疾患のような、免疫抑制または免疫活性化を含む免疫系の活性の調節から恩恵を受ける疾患の治療における使用のための、最も好ましくはワクチン成分としての使用のための、場合によっては請求項52記載の組成物における、請求項46〜51記載の化合物。
【請求項55】
免疫異常が活性型Tリンパ球、単球、または抗原提示細胞による炎症性サイトカインの過剰産生のような炎症性サイトカインの過剰産生に関係し、炎症性サイトカインまたは炎症性マーカーが好ましくはIL-1β、IL-4、IL-5、IL-6、IL-8、IL-9、IL-13、IFN-γ、TNF-α、またはMCP-1からなる群に属する、請求項54記載の化合物。
【請求項56】
免疫異常が喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、炎症性腸疾患、糖尿病、および関節リウマチからなる群から選択される、請求項54〜55記載の化合物。
【請求項57】
免疫異常が炎症性サイトカインの産生の減少に関係する、請求項54記載の化合物。
【請求項58】
ヒト免疫系の活性化による疾患の治療において有益な、請求項54〜57記載の化合物。
【請求項59】
疾患の治療において、マスト細胞によるヒスタミン分泌の減少が有益な、請求項54〜58記載の化合物。
【請求項60】
THFのような極性溶媒中、トリメチルアミンボラン複合体のような水素化物、および塩化アルミニウムのようなルイス酸の存在下、式3:

(3)、
[式中、R1、R2、およびXは前記で定義した通りであり、R3はフェニルまたは置換型フェニル、例えば4-メトキシフェニル、3,4-ジメトキシフェニル、2,5-ジメトキシフェニル、2,3,4-トリメトキシフェニルもしくは3,4,5-トリメトキシフェニル基から選択される基である]の化合物のベンジリデン基の適切な反応条件下での還元的開環による式4の化合物の形成を含む方法。
【請求項61】
例えばジクロロメタンのような極性溶媒中、ジメチルアミンボラン複合体のような水素化物、および三フッ化ホウ素のようなルイス酸の存在下、式3:

(3)、
[式中、R1、R2、およびXは前記で定義した通りであり、R3はフェニルまたは置換型フェニル、例えば4-メトキシフェニル、3,4-ジメトキシフェニル、2,5-ジメトキシフェニル、2,3,4-トリメトキシフェニルもしくは3,4,5-トリメトキシフェニル基から選択される基である]の化合物のベンジリデン基の適切な反応条件下での還元的開環による式8の化合物の形成を含む方法。
【請求項62】
トリクロロアセトイミダート、フッ化物、塩化物、臭化物から選択される脱離基の、式6:

(6)、
[式中、R2、R4およびXは前記で定義した通りである]の化合物の遊離ヒドロキシル基への適切な反応条件下でのカップリングによる式7の化合物の形成を含む方法。
【請求項63】
式8:

(8)、
[式中、R1、R2およびXは前記で定義した通りである]の化合物のR2基の、適切な反応条件下での加水分解的開裂による式9の化合物の形成を含む方法。
【請求項64】
式13c:

(13c)
[式中、R1、R5、R4およびXは上記で定義した通りである]の化合物の形成における、式13:

(13)
[式中、R1、R5は請求項1で定義した通りであり、R4はパラメトキシベンジル(PMB)である]の化合物からのR4基の除去を含む方法。
【請求項65】
式9:

(9)、
[式中、R1は(C3-C6)アルケニル、例えばC3またはC4アルケニル、好ましくは2-プロペニルまたは1-プロペニルから選択される基であり、Xは請求項1で定義した通りである]の化合物のアミン官能基のアシル化に適切な条件下、式R5OH[式中、R5は前記で定義した通りである]の(活性型)カルボン酸との反応による、式10[式中、R0はR5について前記で定義した通りである]の化合物の形成を含む方法。
【請求項66】
R0が式11hのR5として選択された場合、式12a:

(12a)、
[式中、R1、R4、R5およびXは請求項1で定義した通りである]の化合物を形成する一方で、R0が式11hのR2として選択された場合、式12b:

(12b)、
[式中、R1、R4、およびXは請求項1で定義した通りである]の化合物を形成する、前述の式11hの化合物の多数のR2基の加水分解除去に適切な反応条件下での式11hの化合物の反応を含む方法。
【請求項67】
式13:

(13)、
[式中、R1、R4、R5、およびXは前記で定義した通りである]の化合物の形成における、好ましくはイソブチルクロロホルメート、1-イソブチルオキシ 2-イソブチルオキシカルボニル-1,2-ジヒドロキノレインまたはカルボジイミドのようなカップリング剤の存在下、式12aまたは12bの化合物の遊離アミノ基と、式R5OH[式中、R5は前記で定義した通りである]の(活性型)カルボン酸のカルボキシ基との間のアミド結合の形成に適切な反応条件下、前述の式12aまたは12bの化合物の反応を含む方法。
【請求項68】
前記で定義した式13の化合物からの適切な反応条件下でのR1基の除去による、式14:

(14)、
[式中、R4、R5、およびXは請求項1で定義した通りである]のヘミアセタールの形成を含む方法。
【請求項69】
式15a:

(15a)
の化合物の形成に適切な反応条件下、THFのような極性溶媒中、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドのような適切な塩基の存在下、化合物14の遊離ヒドロキシル基の好ましくはテトラベンジルピロリン酸とのリン酸化を含む方法。
【請求項70】
式15b:

(15b)
の化合物の形成に適切な反応条件下、例えばDMFのような溶媒中、トリメチルアミン三酸化硫黄複合体のような三酸化硫黄複合体との反応による化合物14の遊離ヒドロキシル基の硫酸化を含む方法。
【請求項71】
式15c:

(15c)
[式中、R4、R5、およびXは前記で定義した通りであり、R8はR4について前記で定義した(a)から選択される]の化合物の形成における、好ましくはイソブチルクロロホルメート、1-イソブチルオキシ 2-イソブチルオキシカルボニル-1,2-ジヒドロキノレインまたはカルボジイミドのようなカップリング剤の存在下、化合物14の遊離ヒドロキシル基と式R8OH[式中、R8はR4について前記で定義した(a)から選択される]の(活性型)カルボン酸との反応を含む方法。
【請求項72】
式24:

(24)、
[式中、R4、R5、およびXは前記で定義した通りである]の化合物の形成に適切な反応条件下、例えば極性溶媒中、好ましくはジクロロメタンのような非プロトン性極性溶媒中、炭酸セシウムまたは炭酸カリウムのような鉱物塩基の存在下、化合物14のトリクロアセトニトリルとの反応によるなど、トリクロロアセトイミダート基のような脱離基の化合物14の遊離ヒドロキシル基へのカップリングを含む方法。

【図1】
image rotate

【図2−1】
image rotate

【図2−2】
image rotate

【図3−1】
image rotate

【図3−2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate


【公表番号】特表2010−510190(P2010−510190A)
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−536738(P2009−536738)
【出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際出願番号】PCT/EP2007/062424
【国際公開番号】WO2008/059035
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(501007753)
【Fターム(参考)】