説明

実装基板の撮像方法、検査方法及び検査装置、並びに実装ライン

【課題】分割して撮像した画像を精度良くつなぎ合わせることができる実装基板の撮像方法を提供する。
【解決手段】本発明の撮像方法は、電子部品Eが実装された実装基板Pを複数の撮像領域Pgに分割するとともに、各撮像領域Pgに撮像手段3を順次移動させて撮像して複数の分割撮像データを得る撮像ステップと、複数の分割撮像データをつなぎ合わせて合成撮像データを得る合成ステップと、合成撮像データにおける撮像領域毎の位置ずれ量に基づいて、撮像手段3の撮像領域Pgに対する撮像位置を補正する補正ステップと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえば実装機によって電子部品が実装された実装基板に対しその電子部品の実装状態を検査する際に適用される実装基板の撮像方法、検査方法及び検査装置、並びに実装ラインに関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品が実装された実装基板を画像処理によって検査するに際し、特許文献1〜3に示すように実装基板の検査対象部を分割して撮像し、その撮像した画像をつなぎ合わせて、合成画像を作成するものが周知である。
【特許文献1】特開平3−240372号(1頁)
【特許文献2】特開平5−1878826号(2頁、図6,8)
【特許文献3】特開平9−35047号(2頁、図4,8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の検査装置においては、撮像した画像を位置精度良くつなぎ合わせることが困難であり、たとえば時系列的につなぎ合わせ部分の位置精度が低下するという問題を抱えている。
【0004】
この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、分割して撮像した画像を位置精度良くつなぎ合わせることができる実装基板の撮像方法、並びに実装基板の検査方法及び検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は下記の手段を提供する。
【0006】
[1] 電子部品が実装された実装基板を撮像手段によって撮像する方法であって、
実装基板を複数の撮像領域に分割するとともに、各撮像領域に前記撮像手段を順次移動させて撮像して複数の分割撮像データを得る撮像ステップと、
前記複数の分割撮像データをつなぎ合わせて合成撮像データを得る合成ステップと、
前記合成撮像データにおける撮像領域毎の位置ずれ量に基づいて、前記撮像手段の撮像領域に対する撮像位置を補正する補正ステップと、を含むことを特徴とする実装基板の撮像方法。
【0007】
[2] 前記合成ステップにおいて、前記複数の分割撮像データをオーバーラップさせずにつなぎ合わせることを特徴とする前項1に記載の実装基板の撮像方法。
【0008】
[3] 前記撮像ステップにおいて、前記実装基板に付与された位置基準マークを含む撮像領域を撮像し、
前記補正ステップにおいて、前記位置基準マークを基準にして、前記合成撮像データにおける複数の電子部品の位置データを求め、その位置データと、予め準備された基準の電子部品の位置データとを比較して、各電子部品の位置ずれ量を算出し、各電子部品の位置ずれ量を撮像領域毎に集計して、前記撮像領域毎の位置ずれ量を算出することを特徴とする前項1又は2に記載の実装基板の撮像方法。
【0009】
[4] 前記補正ステップにおいて、前記合成撮像データにおける各撮像領域内の位置ずれ量に基づいて、実装機による実装位置を補正するための補正値を算出することを特徴とした前項1〜3のいずれかに記載の実装基板の撮像方法。
【0010】
[5] 電子部品が実装された実装基板を検査するようにした実装基板の検査方法であって、
前項1〜4のいずれかに記載の実装基板の撮像方法によって得られた合成撮像データから、部分的に検査部品データを取り出し、その検査部品データに基づいて、検査部品データに対応する電子部品の良否を判断することを特徴とする実装基板の検査方法。
【0011】
[6] 電子部品が実装された実装基板を検査するようにした実装基板の検査装置であって、
前記撮像手段を実装基板に対し撮像面と平行なX軸方向及びY軸方向に相対的に移動させる移動手段と、
前記撮像手段及び前記移動手段の駆動を制御し、前項5に記載の検査方法を実行する制御手段と、を備えたことを特徴とする実装基板の検査装置。
【0012】
[7] 基板に電子部品を実装する実装機と、その実装機によって電子部品が実装された基板を検査する検査装置とを備える実装ラインであって、
前記検査装置が前項6に記載の実装基板の検査装置により構成されたことを特徴とする実装ライン。
【0013】
[8] 前記補正ステップにおいて、前記合成撮像データにおける各撮像領域内の位置ずれ量に基づいて、実装機による実装位置を補正することを特徴とする前項7に記載の実装ライン。
【発明の効果】
【0014】
上記発明[1]にかかる実装基板の撮像方法によると、合成撮像データにおける撮像領域毎の位置ずれ量に基づいて、撮像位置を補正するものであるため、分割画像を位置精度良くつなぎ合わせることができる。
【0015】
上記発明[2]にかかる実装基板の撮像方法によると、撮像効率を向上させることができるとともに、オーバーラップ部のデータ処理等も不要となり、より一層撮像効率を向上させることができる。
【0016】
上記発明[3]にかかる実装基板の撮像方法によると、位置基準マークを基準にして各電子部品の位置データを求めるものであるため、位置データを精度良く求めることができ、分割画像のつなぎ合わせ部分の位置精度をより一層向上させることができる。
【0017】
上記発明[4]にかかる実装基板の撮像方法によると、実装機による実装位置も正確に補正することができる。
【0018】
上記発明[5]によると、上記と同様の効果を奏する実装基板の検査方法を提供することができる。
【0019】
上記発明[6]によると、上記と同様の効果を奏する実装基板の検査装置を提供することができる。
【0020】
上記発明[7][8]によると、上記と同様の効果を奏する実装ラインを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は本発明の一実施形態にかかる実装ライン(実装システム)を示す概略平面図である。同図に示すようにこの実装ラインにおいては、プリント基板Pの搬送ラインXLに沿って並んで配置される実装機6及び検査装置10を有している。
【0022】
実装機6は、基台61上の搬送ラインXLに沿って配置され、プリント基板Pを搬送するコンベア7と、このコンベア7の両側のうち一方側(フロント側)に配置された部品供給部8と、基台61の上方に設けられた実装用ヘッドユニット9とを備えている。
【0023】
部品供給部8は、比較的小型のチップ部品の供給に適した多数列のテープフィーダ81…をもって構成されている。
【0024】
各テープフィーダ81…には、IC、トランジスタ、コンデンサ等の電子部品Eを所定間隔毎に収納保持したテープが巻着されたリールが着脱可能に装着され、このリールからテープがテープフィーダ81の先端側へ間欠的に繰り出され、テープに収納したチップ部品をヘッドユニット9にてピックアップできるようになっている。
【0025】
ヘッドユニット9は、部品供給部8から部品をピックアップしてプリント基板P上に装着し得るように、部品供給部8とプリント基板P上の実装位置とを含む領域を移動可能となっている。具体的には、ヘッドユニット9は、移動手段によって、X軸方向(搬送ラインXLと平行な方向)、Y軸方向(水平面内でX軸方向と直交する方向)に移動自在に構成されている。
【0026】
また、ヘッドユニット9には、電子部品Eを吸着して基板Pに装着するための複数のヘッド91…がX軸方向に並んで搭載されている。各ヘッド91…は、Z軸駆動手段(図示省略)により上下方向(Z軸方向)に駆動されるとともに、R軸駆動手段としての回転駆動機構により回転方向(R軸方向)に駆動されるようになっている。
【0027】
図2は検査装置10の正面図である。図3はその装置の側面断面図、図4〜6はその検査装置10の内部構造を示すブロック図である。これらの図に示すように、この検査装置10は、実装機6によって電子部品Eが実装された実装基板Pにおける電子部品Eの実装状態を検査するものである。
【0028】
この検査装置10は、脚部材が支える不図示の基台となるフレームを備え、フレームにはボルトでそれぞれ脱着可能に取り付けられている複数のパネルによりハウジング1が形成されている。ハウジング1内において内部コンベア2が基板搬送ラインXLに沿ってフレーム上に設けられている。図4〜6に示すように、内部コンベア2は、Y軸移動手段20によって、水平面内において搬送ラインXLに対し直交するY軸方向(前後方向)に沿って移動自在に構成されている。すなわち内部コンベア2は、Y軸方向に沿って配置される一対のレール22にレール長さ方向に沿ってスライド移動自在に取り付けられる。更に内部コンベア2は、Y軸方向に沿って配置されるボールねじ23に螺着されており、モータ24の駆動によってボールねじ23が回転駆動されることにより、内部コンベア2がY軸方向に移動されるよう構成されている。こうして内部コンベア2は、Y軸移動手段20によって、搬送ラインXL上と、ハウジング1内の後部(奥部)との間をY軸方向に沿って移動できるよう構成されている。
【0029】
また内部コンベア2の両側における搬送ラインXL上には、コンベアカバー11,12で覆われた、それぞれ不図示の搬入コンベア、搬出コンベアが設けられている。ハウジング1には搬入コンベア、搬出コンベアがそれぞれ貫通する不図示の開口が設けられている。そして搬送ラインXL上に内部コンベア2が配置された状態においては、ハウジング1の外部から実装基板Pが搬入コンベアによって内部コンベア2上に搬送されるとともに、内部コンベア2上の基板Pが内部コンベア2及び搬出コンベアによってハウジング1の外部に搬出されるよう構成されている。
【0030】
ハウジング1内における内部コンベア2の後方(奥部)には、撮像手段としてのカメラ3が配置されている。このカメラ3は、X軸移動手段30によって、搬送ラインXLと平行なX軸方向に沿って移動自在に構成されている。すなわちカメラ3を支持する支持部材31は、X軸方向に沿って配置される一対のレール32にレール長さ方向に沿ってスライド自在に取り付けられている。更にカメラ支持部材31には、X軸方向に沿って配置されるボールねじ33に螺着されており、モータ34の駆動によってボールねじ33が回転駆動されることにより、カメラ3がX軸方向に移動されるよう構成されている。
【0031】
またカメラ支持部材31には、カメラ3により撮像する領域を照明するための照明装置35が設けられている。
【0032】
図7は検査装置10の主制御系を示すブロック図である。同図に示すように、この装置においては、CPU5によって各駆動部等の駆動が制御されて、後に詳述する動作が自動的に実行されるものである。同図において、キーボード等の入力装置41は検査に関連した各種の情報等を検査装置10に入力するためのものであり、CRTディスプレイ等の表示装置42は、各種の情報等を表示するものである。更に記憶装置43は、検査に必要な各種のデータ等を記憶するものである。
【0033】
また画像用フレームメモリ51は、画像入力ポート52を介して得られる分割撮像データ(分割画像)や、それを加工して得られる合成撮像データ(合成画像)としての広域撮像データ(広域画像)、検査対象の電子部品データ(検査部品データ)等の画像データを記憶するものである。メモリ53は、検査に必要な各種のデータを一時的に記憶するものである。更に照明コントローラ54はカメラ3による撮像時に照明装置35の駆動を制御するものであり、モータコントローラ55及びモータアンプ56は、X軸移動手段30及びY軸移動手段20の駆動を制御して、カメラ3を実装基板Pに対しXY軸方向に相対移動させるものである。更にCPU5は各種I/Oポート57を介して実装機6等の周辺装置とデータを送受できるよう構成されている。
【0034】
そして制御手段としてのCPU5は、入力装置41を介して得られる動作開始指令に応答して作動し、検査装置10の各駆動部の駆動を制御して、後に詳述する動作を行うものである。
【0035】
本実施形態の実装ラインにおいては、上記したように実装機6によって基板P上に電子部品Eが実装され、その実装基板Pがコンベア7によって検査装置10側の搬入コンベアへと搬送される。
【0036】
一方、検査装置10は、まず図8に示すように、予め準備されたデータに基づいて、これから検査される実装基板Pのサイズと、カメラ視野(撮像範囲)とから、分割撮像に必要な撮像回数、撮像位置等が計算される(ステップS11)。たとえば図9に示すように、カメラ視野3AがLx×Lyの大きさを有する場合、実装基板Pの検査対象領域がカメラ視野3Aを基準に縦横(XY軸方向)に格子状に複数の撮像領域Pg・・・に分割されて、撮像回数(分割数)と、各撮像領域Pgを撮像する際のカメラ3の基板Pに対する撮像位置と、後に詳述する撮像順序が計算される。このとき、もっとも少ない撮像回数で、検査対象領域の全てを撮像できるよう検査対象領域が分割されて、その際の各撮像位置が最適な撮像位置として算出される。
【0037】
なお本実施形態においては、図9に向かって左右方向をX軸方向(行方向)、上下方向をY軸方向(列方向)としており、同図の例では、実装基板Pの検査対象領域が、5行(y1〜y5)×6列(x1〜x6)の撮像領域Pgに分割されている。
【0038】
撮像回数等の計算された後、搬入コンベア及び内部コンベア2によって実装基板Pが内部コンベア2の所定位置まで搬送された後、位置固定される(ステップS12)。
【0039】
次に図10に示すように、カメラ3が実装基板Pに対し相対移動されて、実装基板Pにおけるフィデューシャルマーク(位置基準マーク)Psを含む撮像領域Pgが先行して撮像される(ステップS13)。例えば1行1列目(x1,y1)の撮像領域Pgに対応する撮像位置にカメラ3が移動して、その領域が撮像され、同様に、1行6列目(x6,y1)の撮像領域Pg、5行1列目(x1,y5)の撮像領域Pg、5行6列目(x6,y5)の撮像領域Pgが順次撮像されて、基板四隅のフィデューシャルマークPsを含む撮像領域Pgが撮像される。こうして得られる分割撮像データが、所定位置メモリ上に貼り付けられる。
【0040】
続いてカメラ3が次の撮像領域Pgに移動して撮像され(ステップS14,15)、その分割撮像データが所定位置メモリ上に貼り付けられる(ステップS16)。更にこれらの処理(ステップS14,S15,S16)が繰り返されて(ステップS17:No)、全ての分割撮像データがオーバーラップされずに順次貼り合わされて、基板Pを含む検査対象領域全域の広域撮像データ(広域画像)が得られる。こうして全ての画像領域Pgの撮像が完了すると(ステップS17:Yes)、撮像/合成処理が終了する。なお本実施形態においては、撮像/合成処理と並行して部品検査が行われるものであるが、この検査判断処理については後に詳述する。
【0041】
ここで撮像順序について説明する。本実施形態においては図11の矢符3Lに示すように、先行して撮像された四隅の撮像領域Pgを除いて、1行目の撮像領域Pgが前列(左側)から順に撮像された後、2行目の撮像領域Pgが後列(右側)から順に撮像される。以下同様に、3行目以降の撮像領域が各行毎に順次撮像される。このようにカメラ3を基板Pに対し蛇行させてX軸方向に主として移動させているため、Y軸方向の移動、つまり基板P側(コンベア2側)の移動を少なくでき、カメラ3側を優先して移動させることができる。従って、移動速度を速めることできて検査効率を向上させることができるとともに、移動時の振動も少なくなり、検査精度も向上させることができる。
【0042】
また本実施形態においては、各行の1枚目の撮像領域Pgを撮像するに際して、カメラ3をX軸方向に移動させてから1枚目の撮像領域Pgを撮像するものである。例えば1行目において2列目(x2,y1)の撮像領域Pgから撮像を開始する場合、カメラ3を1行2列目(x2,y1)の撮像領域Pgよりも一撮像領域分(反移動方向)に移動させた位置、つまり1行1列目(x1,y1)の撮像領域Pgに対応する位置に配置しておく。そしてその状態からカメラ3をX軸方向に一撮像領域分移動させて、1行2列目(x2,y1)の撮像領域Pgに配置させて、その位置(x2,y1)の撮像領域Pgを撮像する。同様に2行目1枚目(x6,y2)の撮像領域Pgを撮像する場合、カメラ3を2行目最終列(x6,y2)の撮像領域Pgよりも外側に一撮像領域分移動させた位置T2に配置しておき、そこから2行目最終列(x6,y2)の撮像領域Pgに移動させてから撮像を行う。同様に3行目以降の1枚目の撮像領域Pgを撮像する際には、1枚目の撮像領域Pgに対し一撮像領域分外側に移動させた位置T3,T4に配置しておいて、その状態からカメラ3をX軸方向に移動させてから、各行の1枚目の撮像領域Pgに移動させてから撮像するものである。
【0043】
このように各行の1枚目の撮像領域Pgを撮像する際に、前もってX軸方向に移動させることにより、1枚目の撮影開始条件を2枚目以降の撮影開始条件と同じ条件に調整することができる。このためたとえば移動停止直後に、カメラ3に振動が残った状態で撮像することになったとしても、全ての撮像領域Pgを同じ条件で撮像でき、高い検査精度を得ることができる。更に撮影開始条件を同じに調整しているため、ボールねじ33によりカメラ3を移動させた直後に生じるボールねじ33のバックラッシュの面からも優位である。
【0044】
なおX軸方向に移動させて各行の1枚目の撮像領域Pgを撮像する場合、その移動量は一撮像領域分よりも少なくとも良く、X軸方向に少量移動させてから、1枚目の撮像領域Pgを撮像するようにすれば、同様の効果を得ることができる。
【0045】
また本実施形態においては、カメラ3による撮像を割り込み処理とし、カメラ3が所定の撮像位置に到着すれば優先的に撮像できるようにしても良い。
【0046】
一方、本検査装置10においては、フィデューシャルマークPsを撮影した後、上記の撮像/合成処理と並行して電子部品Eの検査が行われる。
【0047】
すなわち図13に示すように、フィデューシャルマークPsが認識されると(ステップS21:Yes)、フィデューシャルマークPsの位置から基板位置が正確に特定される。基板位置が特定されると、図14に示すように予め準備された基準の電子部品データ(基準部品データ)に基づいて、基板上における各電子部品Eの理想の中心位置Eoが算出され更に、その中心位置Eoと各電子部品Eの理想的な実装位置及び角度とに基づいて、各電子部品Eが存在する各部品Eの検査部品領域(切り出し領域)Eaが算出される(ステップS22)。なお、この検査部品領域Eaには、マージン(公差及び取付誤差)が含まれている。また隣接する検査部品領域Eaは互いに重なり合っていても良い。
【0048】
検査部品領域Eaが算出されると、上記撮像/合成処理において、撮像された画像(作成途中の広域画像)に、いずれかの検査部品領域Eaが含まれるまで待機する(ステップS23:No)。そして図15に示すように撮像された画像に、いずれかの検査部品領域Eaが含まれると(ステップS23:Yes)、その撮像された画像から、検査部品領域Eaが、検査対象の電子部品データ(検査部品データ)として切り出される。
【0049】
なお本実施形態においては、撮像される手順に基づいて、検査部品領域Eaの切り出し順序は求められるため、切り出し順序が早い順に、検査部品領域Eaを前もってソートしておき、ステップS23においては、切り出し順序が早い検査部品領域Eaから順に判断するようにしている。
【0050】
続いて切り出された検査部品データが、予め準備された基準の電子部品データ(基準部品データ)と比較されて、検査部品データに対応する電子部品に対し、欠品検査、誤部品検査、位置ずれ検査、半田付け状態検査等の実装状態が検査され(ステップS24)、その検査結果が表示装置42等に出力されるとともに、記憶装置43に記憶される。
【0051】
こうして広域画像(広域撮像データ)から検査部品データが順次取り出されて順次検査され(ステップS25:No)、全ての検査部品データの検査が終了すると、実装基板Pに対する検査が完了する。(ステップS25:Yes)
なお広域画像から検査部品データが切り出される際には、その切り出されたデータは消去されずに残される。つまり検査部品データは、いわゆるカットアンドペーストではなく、コピーアンドペーストとして取り込まれるものである。
【0052】
全ての検査が終了すると、内部コンベア2がY軸方向に沿って前方に移動し、搬送ラインXLに対応する位置に配置される。その後、内部コンベア2及び搬出コンベアによって基板Pがハウジング1の外部に搬出される。
【0053】
こうして、実装機6によって電子部品Eが実装された基板Pが検査装置10に順次搬送されて順次検査される。
【0054】
一方、本実施形態の検査装置10においては、以下に詳述するように、電子部品Eの位置データが蓄積されて、この位置データに基づき、検査装置10のカメラ3による撮像位置や、実装機6のヘッド91による実装位置を補正するものである。
【0055】
ここで広域画像の電子部品Eに位置ずれが生じる要因は、第1〜3の3つのパターンに分類される。第1分類は実装機6のヘッド91の軸移動ずれにより実装位置にずれがある場合、第2分類は検査装置10のカメラ3の軸移動ずれにより撮像位置にずれがある場合、第3分類は実装位置及び撮像位置の双方に位置ずれがある場合である。
【0056】
本実施形態において、第1分類に含まれるか否かの判断は、合成画像における各撮像領域Pg内の部品位置ずれ量が、基準位置からの距離に対し一定の増減率で変化しているか否かを基準に行われる。すなわち、実装ヘッド91の軸移動にずれがある場合、各電子部品Eの位置ずれ量δlは、フィデューシャルマークPsからの理想の距離に比例して増減する。具体的には図17に示すようにフィデューシャルマークPsから各電子部品E1〜E8までの理想の距離(mm)を、「1.000」「2.000」・・・「8.000」としたとき、実装位置にずれがあり、撮像位置にずれがない場合には、例えば図18に示すように、1番目の電子部品E1の位置ずれ量δlが「0.003(=実測距離「1.003」−理想距離「1.000」)」、2番目の電子部品E2の位置ずれ量δlが「0.006」、3番目が「0.009」・・・8番目が「0.024」となるよう配置される。この位置ずれ量δlと理想距離との関係をグラフで示すと、図19に示すように各部品の位置ずれ量δlは、フィデューシャルマークPsからの理想距離に対し比例し、一定の増減率(伸縮率)で変化しているのが判る。従って本実施形態においては、後述するように各撮像領域Pg内の位置ずれ量δlの増減率に基づいて、実装位置にずれがあるかを判断し、ずれがある場合には、補正値を実装機6にフィードバックするものである。なお図19は規定数の基板Pを検査した際の実測値に基づいて作成されたものであり、同グラフの線分laは各点を通過する最小二乗直線を示す(以下、図24,25においても同じ)。
【0057】
また図18及び図19においては、撮像位置にずれがない場合を示しているが、後述するように撮像位置にずれがある場合でも、実装位置にずれがあると、各撮像領域内において、各部品の位置ずれ量δlは一定の増減率で変化する。
【0058】
第2分類に含まれるか否かの判断は、位置ずれ量δlが各撮像領域Pg毎に変化しているか否かを基準にして行われる。すなわち、検査装置10におけるカメラ3の軸移動にずれがある場合、隣接する撮像領域Pgの端辺(接辺)同士が一致せず、例えば図20に示すように撮像領域Pgの各間に所定量の隙間が形成され、その状態で分割撮像されることになる。この状態で、撮像された画像を合成すると、図21に示すように1番目(左端)の撮像領域Pg内における電子部品E1,E2の位置ずれ量δlは「0」、2番目(中間)の撮像領域Pg内における電子部品E3〜E5の位置ずれ量δlは「−0.008」、3番目(右端)の撮像領域Pg内における電子部品E6〜E8の位置ずれ量δlは「−0.016」となる。この位置ずれ量δlとフィデューシャルマークPsからの理想距離との関係をグラフで示すと、図22に示すように、各撮像領域Pg毎の位置ずれ量δlに一定量の段差(オフセット)が生じているのが判る。従って本実施形態においては、後述するように各撮像領域Pg毎の位置ずれ量δlに基づいて、撮像位置にずれがあるかを判断し、ずれがある場合には、補正値を検査装置10自体にフィードバックするものである。
【0059】
なお図20〜図22においては、実装位置にずれがない場合を示しているが、後述するように実装位置にずれがある場合でも、撮像位置にずれがあると、各撮像領域Pg毎の位置ずれ量δlが所定量ずつ変化する。
【0060】
第3分類は、第1及び第2分類の双方に含まれる場合であり、各撮像領域Pg内の部品位置ずれ量δlが一定の増減率で変化し、かつ各撮像領域Pg毎の部品位置ずれ量δlに所定量のオフセットがあるか否かで判断する。すなわち第3分類に含まれる場合、例えば図23に示すように、1番目(左端)の撮像領域Pg内における電子部品E1,E2の位置ずれ量δlは「0.003」「0.006」、2番目(中間)の撮像領域Pg内における電子部品E3〜E5の位置ずれ量δlは「0.001」「0.004」「0.007」、3番目(右端)の撮像領域Pg内における電子部品E6〜E8の位置ずれ量δlは「0.002」「0.005」「0.008」となる。この位置ずれ量δlとフィデューシャルマークPsからの理想距離との関係をグラフで示すと、図24に示すように各撮像領域Pg内の部品位置ずれ量δlは、一定の増減率で変化し、かつ各撮像領域Pg毎に位置ずれ量が所定量ずつが変化しているのが判る。従って本実施形態において、この第3分類に含まれる場合には、実装機6及び検査装置10の双方に補正値をフィードバックするものである。
【0061】
次に、本実施形態の検査装置10における補正処理の動作について説明する。なお以下の説明においては、X軸方向の補正を例に挙げて説明するが、本実施形態においてY軸方向についてもX軸方向と同様に補正されるものである。
【0062】
まず図16に示すように、本検査装置10は、広域画像(合成画像)における基板P上の各電子部品Eの位置が検査されて、位置データとして記憶される(ステップS31)。
【0063】
そして規定枚数(例えば6枚)の基板における位置データが蓄積されると(ステップS32:Yes)、蓄積された位置データに基づいて、各電子部品EのフィデューシャルマークPsからの距離が計算され、その実測距離が、予めプログラムされた理想の距離と比較されて、各電子部品Eの位置ずれ量δlが算出される(ステップS33)。
【0064】
そして位置ずれ量δlがごく僅かで実装位置及び撮像位置の補正が不要の場合には、補正処理は終了する(ステップS34:No)。
【0065】
補正が必要な場合(ステップS34:Yes)には、撮像領域Pg毎に部品位置ずれ量δlが集計され、図19,図22及び図24に示すように位置ずれ量δlを縦軸、フィデューシャルマークPsから部品までの理想距離を横軸にしてグラフが作成される。更にそのグラフから各点を通過する最小二乗直線laが各撮像領域Pg毎に作成されて、その線分laの傾き(増減率)がそれぞれ求められる(ステップS35)。
【0066】
続いて、各撮像領域Pg内で位置ずれ量δlが一定の増減率で変化しているか否か、つまり各撮像領域Pg内の線分laに傾きがあるか否かが判断される(ステップS36)。例えば図19及び図24に示すように各撮像領域Pg内の線分laに傾きがある場合、第1分類に含まれると判断され、位置ずれ量δlの増減率から補正値が計算されて、その補正値が実装機6にフィードバックされて、ヘッド41の移動量(実装位置)が補正される(ステップS37)。なお各撮像領域Pgの位置ずれ量δlの増減率(各撮像領域Pgの線分laの傾き)はそれぞれ等しくなる。
【0067】
次に補正値が実装機6にフィードバックされた後、あるいは各撮像領域Pg内の位置ずれ量δlが変化していない場合(ステップS36:No)、隣合う撮像領域Pgの境界部での位置ずれ量δlの段差量(オフセット量)がそれぞれ求められる(ステップS38)。
【0068】
続いて各撮像領域Pg毎の位置ずれ量が段階的に変化しているか否か、つまりオフセットがあるか否かが判断される(ステップS39)。例えば図22及び図24に示すように、オフセットがある場合には第2分類に含まれると判断される。そしてこのオフセット量から補正値が計算されてその補正値が検査装置10自体にフィードバックされて、カメラ3の移動量(撮像位置)が補正される(ステップS40)。なお各撮像領域Pg毎のオフセット量はそれぞれ等しくなる。
【0069】
続いて補正値のフィードバックが終了した後、あるいはオフセットがない場合(ステップS39:No)、本検査装置における補正処理が終了する。
【0070】
なお既述したように、本実施形態では、X軸及びY軸方向の位置ずれ量がそれぞれ求められて、双方向の補正が行われるものである。
【0071】
以上のように本実施形態においては、分割撮像データを合成して得られる合成画像から各電子部品の位置ずれ量δlを算出して、これらの位置ずれ量δlを各撮像領域Pg毎に集計し、各撮像領域Pg毎の位置ずれ量δlに基づいて、カメラ3の撮像位置を補正するものであるため、分割撮像データをオーバーラップさせずとも位置精度良くつなぎ合わせて高精度の広域画像を得ることができる。従ってこの高精度の広域画像に基づいて、精度良く検査することができる。さらにこの高精度の広域画像に基づき部品検査範囲を簡単且つ正確に絞り込むことが可能となり、検査にかかる時間を短縮でき、検査効率を向上できる。
【0072】
また各撮像領域Pg内の位置ずれ量δlに基づいて、実装機6による実装位置を補正するものであるため、実装機3の位置精度を高度に維持することができる。
【0073】
また本実施形態においては、検査中の実装基板Pから補正用のデータ(位置データ)を取得して、撮像位置及び実装位置を補正するものであるため、直前の有効な補正用のデータを用いて正確に補正することができる。たとえば、室内の温度や湿度等の条件は時刻や日によって異なり、条件によって補正値も変化するが、本実施形態においては、直前に取得したデータに基づいて補正しているため、時系列的に条件が変化しようとも、各条件に応じて正確に補正することができる。
【0074】
特に本実施形態では、カメラ3や実装ヘッド91の移動手段としてのボールねじの温度変化による伸縮にも有効に対処することができる。すなわちボールねじの温度伸縮に対処するには、たとえばボールねじの伸縮率を予め稼働時間毎に測定しておき、稼働時間によって移動量を補正する方法や、ボールねじ部の温度を測定し、その温度変化からボールねじの伸縮率を求めて補正する方法等がある。ところがこれらの方法では、正確さに欠け、条件が異なる場合には特に正確な補正値を得ることができない。これに対し、本実施形態では、直前の実測データを用いて補正値を得るものであるため、ボールねじの温度伸縮にも有効に対処することができる。
【0075】
なお本実施形態の補正方法は、上記したように温度変化からボールねじの伸縮率を求めて補正する方法を併用するようにしても良い。この場合には、2つの補正方法から導き出された補正値が一致した際に、非常に信頼性の高い補正値を得ることができるので、この信頼性の高い補正値によって補正するという方法も採用することができる。
【0076】
また本実施形態においては、所定枚数の基板Pを処理する毎に、撮像位置や実装位置を補正するものであるため、撮像位置のずれや実装位置のずれが公差の範囲内で逐一補正することができ、僅かなずれの積み重ねによる有害なずれの発生を防止することができる。
【0077】
また本実施形態の検査装置10においては、広域撮像データから検査部品データを切り出して検査するものであるため、実装される電子部品Eの数にかかわらず、基板Pに対する撮像回数が特定される。このため電子部品Eの数が増加しようとも、撮像回数を少なく抑制することができ、検査時間を大幅に短縮でき、検査効率を向上させることができる。
【0078】
特に本実施形態において、基板P上に高密度で多数の電子部品Eが実装されている場合には、一層効率良く検査することができる。例えば従来の検査方法のように、電子部品毎に分割撮像してその分割撮像データから検査部品データを取り込む場合には、分割撮像データに検査部品データ以外の不要データが多く含まれるため、多くの不要データを削除する必要がある。しかも従来の検査方法では、基板上における隣接する検査部品領域が重なり合う場合には、その重なり合った部分が重複して撮像されることになり、撮像効率も低下する。
【0079】
これに対し本実施形態においては、高密度で電子部品Eが実装される場合、広域撮像データに隙間無く電子部品Eが存在するため、広域撮像データのほぼ全てを無駄なく利用でき、不要なデータが少なくなり、効率良く検査することができる。更に本実施形態は、分割撮像データをつなぎ合わせた広域撮像データから検査部品領域を取り出すものであるため、隣接する検査部品領域の重なり合った部分は、その部分の撮像データを複製して利用するだけで良く、重複撮像を行う必要がなく、撮像効率も格段に向上させることができる。
【0080】
また本実施形態においては、分割撮像された分割画像を貼り合わせつつ、その作成中の広域画像から、切り出し可能な検査部品データを切り出して検査するものであるため、撮像/合成処理と並行して、バックグラウンド処理として部品検査を行うことができ、より一層検査効率を向上させることができる。また広域画像から、検査部品データを取り出すにあたり、フィデューシャルマークPsを利用して位置決めすることにより、切り出し精度を向上でき、結果として実装状態の検査精度を向上することができる。
【0081】
また本実施形態においては、隣接した撮像領域Pgをオーバーラップさせずに撮像し、隣合う分割撮像データをオーバーラップさせずにつなぎ合わせて広域撮像データを作成するものであるため、撮像効率を更に向上させることができるとともに、オーバーラップ部のデータ処理等も不要となり、より一層検査効率を向上させることができる。
【0082】
なお本実施形態においては、フィデューシャルマークPsを先行して撮像する際して、フィデューシャルマークPsを含む撮像領域のみを撮像するようにしているが、それだけに限られず本発明においては、図25に示すように、フィデューシャルマークPsを含む各行(図25では1行目及び5行目)の全ての撮像領域Pgを先行して撮像するようにしても良い。この場合、撮像時にカメラ3のY軸方向の移動(コンベア2による移動)を少なくでき、撮像処理をより効率良く行うことができる。
【0083】
またフィデューシャルマークPsが2つの撮像領域Pgの境目に位置し、2つの撮像領域Pgに跨って位置するような場合には、その2つの撮像領域Pgやその領域を含む各行の撮像領域Pgを先行して撮像するようにすれば良い。
【0084】
更にフィデューシャルマークPsを先行して撮像するに際して、複数のフィデューシャルマークPsのうち、1つ以上のいずれかのフィデューシャルマークPsを先行して撮像し、残りのフィデューシャルマークPsは後に撮像するようにしても良い。
【0085】
もっとも本発明においては、必ずしもフィデューシャルマークを先行して撮像する必要はなく、更に本発明は、フィデューシャルマーク等の位置基準マークが付与されない基板に対しても適用することができる。
【0086】
また上記実施形態においては、実装基板Pの全域を撮像する場合について説明したが、それだけに限られず、本発明においては、検査不要の領域を撮像せずに、スキップして撮像するようにしても良い。例えば図26に示すように、実装基板P上における電子部品EやフィデューシャルマークPsが含まれる領域Pgのみを分割撮像して、残りの領域を撮像しないようにしても良い。このとき、各撮像領域Pg内になるべく多くの電子部品が含まれて、もっとも少ない撮像回数で撮像できるように、撮像位置、撮像回数、撮像順序が算出されるものである。
【0087】
また上記実施形態においては、分割撮像する際に、隣接した撮像領域Pgをオーバーラップさせずに撮像してしているが、それだけに限られず、本発明においては、隣接した撮像領域Pgをオーバーラップさせて撮像するようにしても良い。
【0088】
また上記実施形態においては、カメラをX軸方向にのみ移動するように構成しているが、それだけに限られず、本発明においては、カメラをX軸及びY軸方向に共に移動するよう構成して、撮像処理時には、基板を固定しておいて、カメラをXY軸方向に移動させるようにしても良く、更に基板側をX軸及びY軸方向に共に移動するよう構成して、撮像処理時には、カメラを固定しておいて、基板側をXY軸方向に移動させるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】この発明の一実施形態にかかる実装ラインを示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施形態に適用された検査装置の正面図である。
【図3】実施形態の検査装置を示す側面断面図である。
【図4】実施形態の検査装置における内部構造を概略的に示す平面図である。
【図5】実施形態の検査装置における内部構造を概略的に示す正面図である。
【図6】実施形態の検査装置における内部構造を概略的に示す側面図である。
【図7】実施形態の検査装置の主制御系を示すブロック図である。
【図8】実施形態の検査装置における撮像/合成処理を示すフローチャートである。
【図9】実施形態において実装基板を撮像領域に分割して示す平面図である。
【図10】実施形態において実装基板の先行撮像領域を示す平面図である。
【図11】実施形態において実装基板の撮像順序を示す平面図である。
【図12】実施形態の検査装置における検査判断処理を示すフローチャートである。
【図13】実施形態において実装基板の電子部品中心位置を示す平面図である。
【図14】実施形態において実装基板の検査部品領域を示す平面図である。
【図15】実施形態において実装基板の作成中の広域画像を示す平面図である。
【図16】実施形態の実装基板における補正処理を示すフローチャートである。
【図17】実施形態において理想的な合成画像を示す平面図である。
【図18】実施形態において第1分類に含まれる合成画像を示す平面図である。
【図19】第1分類の合成画像において部品位置ずれ量と理想距離との関係を示すグラフである。
【図20】実施形態において第2分類に含まれる画像を合成前の状態で示す平面図である。
【図21】実施形態において第2分類に含まれる画像を合成後の状態で示す平面図である。
【図22】第2分類の合成画像において部品位置ずれ量と理想距離との関係を示すグラフである。
【図23】実施形態において第3分類に含まれる合成画像を示す平面図である。
【図24】第3分類の合成画像において部品位置ずれ量と理想距離との関係を示すグラフである。
【図25】この発明の一変形例において実装基板の先行撮像領域を示す平面図である。
【図26】この発明の他の変形例において実装基板の撮像領域を示す平面図である。
【符号の説明】
【0090】
3 カメラ(撮像手段)
6 実装機
10 検査装置
20 Y軸移動手段
30 X軸移動手段
E,E1〜E8 電子部品
P 実装基板
Pg 撮像領域
Ps フィデューシャルマーク(位置基準マーク)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が実装された実装基板を撮像手段によって撮像する方法であって、
実装基板を複数の撮像領域に分割するとともに、各撮像領域に前記撮像手段を順次移動させて撮像して複数の分割撮像データを得る撮像ステップと、
前記複数の分割撮像データをつなぎ合わせて合成撮像データを得る合成ステップと、
前記合成撮像データにおける撮像領域毎の位置ずれ量に基づいて、前記撮像手段の撮像領域に対する撮像位置を補正する補正ステップと、を含むことを特徴とする実装基板の撮像方法。
【請求項2】
前記合成ステップにおいて、前記複数の分割撮像データをオーバーラップさせずにつなぎ合わせることを特徴とする請求項1に記載の実装基板の撮像方法。
【請求項3】
前記撮像ステップにおいて、前記実装基板に付与された位置基準マークを含む撮像領域を撮像し、
前記補正ステップにおいて、前記位置基準マークを基準にして、前記合成撮像データにおける複数の電子部品の位置データを求め、その位置データと、予め準備された基準の電子部品の位置データとを比較して、各電子部品の位置ずれ量を算出し、各電子部品の位置ずれ量を撮像領域毎に集計して、前記撮像領域毎の位置ずれ量を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の実装基板の撮像方法。
【請求項4】
前記補正ステップにおいて、前記合成撮像データにおける各撮像領域内の位置ずれ量に基づいて、実装機による実装位置を補正するための補正値を算出することを特徴とした請求項1〜3のいずれかに記載の実装基板の撮像方法。
【請求項5】
電子部品が実装された実装基板を検査するようにした実装基板の検査方法であって、
請求項1〜4のいずれかに記載の実装基板の撮像方法によって得られた合成撮像データから、部分的に検査部品データを取り出し、その検査部品データに基づいて、検査部品データに対応する電子部品の良否を判断することを特徴とする実装基板の検査方法。
【請求項6】
電子部品が実装された実装基板を検査するようにした実装基板の検査装置であって、
前記撮像手段を実装基板に対し撮像面と平行なX軸方向及びY軸方向に相対的に移動させる移動手段と、
前記撮像手段及び前記移動手段の駆動を制御し、請求項5に記載の検査方法を実行する制御手段と、を備えたことを特徴とする実装基板の検査装置。
【請求項7】
基板に電子部品を実装する実装機と、その実装機によって電子部品が実装された基板を検査する検査装置とを備える実装ラインであって、
前記検査装置が請求項6に記載の実装基板の検査装置により構成されたことを特徴とする実装ライン。
【請求項8】
前記補正ステップにおいて、前記合成撮像データにおける各撮像領域内の位置ずれ量に基づいて、実装機による実装位置を補正することを特徴とする請求項7に記載の実装ライン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図9】
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【図10】
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【図15】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2006−84185(P2006−84185A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−266371(P2004−266371)
【出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【出願人】(500220186)アイパルス株式会社 (86)
【Fターム(参考)】