説明

実装構造体

【課題】複数の印刷配線板が所定の間隔をおいて積み重ねられた積層構造を有し、この構造体が高い機械的強度を有し、外部から応力が付加されても変形、破損などが起こり難く、印刷配線板同士の間隙がほぼ一定に保持される実装構造体を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの第1の電子部品を含む複数の電子部品を表面に搭載した第1の印刷配線板と、前記第1の印刷配線板の表面側に積層される第2の印刷配線板と、前記第1の印刷配線板と第2の印刷配線板とを、両者間に所定の間隔を保持して、機械的に接続する複数の接続部材とを備え、前記接続部材が、前記少なくとも1つの第1の電子部品の頂面と前記第2の印刷配線板の裏面とを接着する第1の樹脂硬化物を含む実装構造体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスタック構造の実装構造体に関する。さらに詳しくは、本発明は、一つまたは複数の、半導体装置をはじめとする電子部品が実装された複数の印刷配線板を、所定の間隔で積層して、一体化した電子デバイスの構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器および電気機器の分野では、さらなる高性能化、小型化、および薄型化などが広く進められている。それに伴って、電子機器や電気機器に装着され、主にその動作の制御を司る半導体装置についても、薄型化と、印刷配線板上に高い密度で実装できる形態とすることが強く望まれている。このような要求に応えるために、チップ部品、CSP(chip size package)タイプの半導体素子などの電子部品を、これまでよりもさらに小型化するとともに、性能を向上させることが進められている。また、印刷配線板については、配線幅や、配線間のピッチ幅を縮小するなどして、配線の微細化が行われている。その結果、印刷配線板上に電子部品を従来よりも高い密度で実装することが可能になった。
【0003】
さらに一層の高密度な実装を可能にするために、複数の印刷配線板を、その間にコネクタを介在させて積層するとともに、電気的に接続するという構造が開発され、一部の電子装置に適用されるようになって来ている。具体的には、積層しようする2つの印刷配線板のそれぞれ対応する主面の中央部分に、対となるコネクタを取り付け、これらのコネクタ同士を結合することによって、2つの印刷配線板をそれらの主面の鉛直方向に積み重ねる。このような積層構造では、印刷配線板に対して主面の鉛直方向に加えられる荷重のほとんどがコネクタ部分に集中し、そこに応力が生じる。その結果、コネクタ内での電気的接続部分が破壊されるというおそれがある。さらに過大な応力が生じると、コネクタ自体が破損してしまうというおそれがある。また、スタック状に積み重ねられた印刷配線板の端部に局部的に荷重が加わると、荷重の加えられた部分側の間隔が狭まって、印刷配線板同士や電子部品同士が接触してしまう。最悪の場合には、それらが破損してしまうという事態が生じる。さらに、印加される荷重が比較的小さい場合でも、荷重の印加が繰り返されると、印刷配線板が変形したり、その変形により部品と印刷配線板との接続部分が破断したりする。
【0004】
一方、リードレスタイプやチップタイプの電子部品を印刷配線板上に実装するに際には、熱硬化性樹脂組成物が広く使用される。たとえば、印刷配線板面の所定位置に熱硬化性樹脂組成物を選択的に印刷するなどして塗布し、その塗布部分に電子部品を載置して付着させ、加熱して硬化させることによって、印刷配線板に仮止めする。次に、印刷配線板にフラックスを塗布し、この印刷配線板を溶融はんだに浸漬して、電子部品を印刷配線板の配線に電気的に接続するとともに、固定する。これにより、電子部品の印刷配線板への実装が完了する。
【0005】
ところが、近年、熱硬化性樹脂組成物は、電子部品を印刷配線板表面に接着固定するという上述のような用途以外にも使用されるようになって来た。たとえば、特許文献1には、印刷配線板に実装された電子部品とシールドケースとの接触を防ぐために、それらの間に熱硬化性の絶縁性接着剤を介在させた装置が提案されている。
【0006】
特許文献2には、電圧制御発振器において、印刷配線板と、発振コイルを含む電圧制御発振器本体と、シールドケースとを含み、発振コイルとシールドケースとを接着剤によって固着することが提案されている。これによれば、電圧制御発振器のハウリング(howling)を防止することができる。ここで、接着剤に熱硬化性樹脂組成物を使用することが述べられているが、これは発振コイルとシールドケースとを固着するためのものにすぎない。
【0007】
特許文献3には、印刷配線板と、それに取付けられるモジュール基板とを備え、印刷配線板の電気接続点とモジュール基板の電気接続点とを弾性を有する接続端子により接続した電子装置が開示されている。この接続端子として、金属製のつるまき弦巻ばね、および導電性ゴムなどが例示されている。
【0008】
また、特許文献3では、印刷配線板に実装される電子部品と、モジュール基板との間に、接着剤層を介在させて、モジュール基板を印刷配線板に接合した装置が提案されている。接着剤には熱可塑性樹脂を含有するものが使用されるが、その層厚が薄いために、それだけでは外部から加えられた荷重によって発生する応力を十分に広く分散させることができない。したがって、コネクタを介して積層する構造と同様に、この特許公開公報で述べられている構造では、外部応力が主に電子部品に集中してしまい、電子部品の変形、破損、脱落などが起こりやすくなる。その結果、印刷配線板とモジュール基板との間で接合不良が生じるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−049381号公報
【特許文献2】特開平11−307973号公報
【特許文献3】特開2005−286181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、複数の印刷配線板が所定の間隔をおいて積み重ねられた積層構造を有し、この構造体が高い機械的強度を有し、外部から応力が付加されても変形、破損などが起こり難く、印刷配線板同士の間隙がほぼ一定に保持される実装構造体を提供することである。本発明は、少なくとも2つの印刷配線板を積層した実装構造体において、両者を所定の間隔を保持して、機械的に接続する複数の接続部材の少なくとも1つとして、1つの印刷配線板上に実装された電子部品の頂面と、他の印刷配線板の裏面とを接着する樹脂硬化物を利用する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の他の局面においては、少なくとも2つの印刷配線板を積層した実装構造体において、両者を所定の間隔を保持して、機械的に接続する複数の接続部材の少なくとも1つとして、1つの印刷配線板上に実装された電子部品の頂面と、他の印刷配線板に実装された電子部品の頂面とを接着する樹脂硬化物を利用する。
【0012】
本発明においては、2つの印刷配線板同士を直接に接着する樹脂硬化物を接続部材として利用することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、特に高密度に電子部品が実装された印刷配線板の積層構造体を効率的に、かつコンパクトに作製することができる。また、接続部材として、樹脂硬化物を利用するので、2つの印刷配線板の間の機械的な接続を強固にすることができる。これにより、印刷配線板の積層構造の強度を向上させることができる。
本発明のさらに他の局面は、上記の実装構造体を含む携帯型記憶装置である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一つの実施形態の電子装置の構成を模式的に示す側面図である。
【図2】図1に示す電子装置の製造工程の一つ(樹脂硬化物層15の形成工程)を示す側面図である。
【図3】図1に示す電子装置の製造工程の一つ(第3の樹脂硬化物層14の形成工程)を示す側面図である。
【図4】図3に示す工程終了後の印刷配線板の表面状態を示す平面図である。
【図5A】本発明の他の実施形態の構成を模式的に示す側面図である。
【図5B】図5Aの印刷配線板の平面図である。
【図6A】本発明のさらに他の実施形態の構成を模式的に示す側面図である。
【図6B】図6Aの印刷配線板の平面図である。
【図7A】本発明のさらに他の実施形態の構成を模式的に示す側面図である。
【図7B】図7Aの印刷配線板の平面図である。
【図8】本発明のさらに他の実施形態の構成を模式的に示す平面図である。
【図9A】本発明のさらに他の実施形態の構成を模式的に示す側面図である。
【図9B】図9Aの印刷配線板の平面図である。
【図10A】本発明による電子装置において印刷配線板を機械的に接続する樹脂硬化物についての評価方法を説明するための側面図である。
【図10B】本発明による電子装置において印刷配線板を機械的に接続する樹脂硬化物についての評価方法を説明するための側面図である。
【図10C】本発明による電子装置において印刷配線板を機械的に接続する樹脂硬化物についての評価方法を説明するための側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一局面における実装構造体は、少なくとも1つの第1の電子部品を含む複数の電子部品を表面に搭載した第1の印刷配線板と、前記第1の印刷配線板の表面側に積層される第2の印刷配線板と、前記第1の印刷配線板と第2の印刷配線板とを、両者間に所定の間隔を保持して、機械的に接続する複数の接続部材とを備え、前記接続部材が、前記少なくとも1つの第1の電子部品の頂面と前記第2の印刷配線板の裏面とを接着する第1の樹脂硬化物を含む。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記接続部材が、第1の印刷配線板の表面と第2の印刷配線板の裏面とを直接に接着する第2の樹脂硬化物を含む。
【0017】
本発明の他の好ましい実施の形態においては、前記複数の電子部品が少なくとも1つの第2の電子部品を含み、第2の印刷配線板が、前記少なくとも1つの第2の電子部品と対応する位置に、少なくとも1つの第3の電子部品を搭載しており、前記接続部材が、前記少なくとも1つの第2の電子部品の頂面と、前記少なくとも1つの第3の電子部品の頂面とを接着する第3の樹脂硬化物を含む。
【0018】
さらに、第1の印刷配線板のほぼ中央に、第1の印刷配線板と第2の印刷配線板とを機械的、かつ電気的に接続するコネクタを備えることが好ましい。
【0019】
前記接続部材として利用される樹脂硬化物の数、すなわち、第1の樹脂硬化物のみが用いられる場合は第1の樹脂硬化物の個数、第1および第2の樹脂硬化物、または第1、第2及び第3の樹脂硬化物が利用される場合はそれらの数の合計が少なくとも4であり、それらが前記コネクタを中心にほぼ左右対称に位置することが好ましい。
【0020】
本発明の他の局面における実装構造体は、少なくとも1つの第1の電子部品を含む複数の電子部品を表面に搭載した第1の印刷配線板と、少なくとも1つの第2の電子部品を含む複数の電子部品を裏面に搭載した第2の印刷配線板と、前記第1の印刷配線板と第2の印刷配線板とを、両者間に所定の間隔を保持して、機械的に接続する複数の接続部材とを備え、前記接続部材が、前記少なくとも1つの第1の電子部品の頂面と前記少なくとも1つの第2の電子部品の頂面とを接着する第1の樹脂硬化物を含む。
前記接続部材が、第1の印刷配線板の表面と第2の印刷配線板の裏面とを直接に接着する第2の樹脂硬化物を含むことが好ましい。
さらに、第1の印刷配線板のほぼ中央に、第1の印刷配線板と第2の印刷配線板とを機械的、かつ電気的に接続するコネクタを備えることが好ましい。
上記の電子部品は、フラットパッケージタイプの半導体素子であることが好ましい。
【0021】
本発明によれば、特に高密度に電子部品が実装された印刷配線板の積層構造体を効率的に、かつコンパクトに作製することができる。また、接続部材として、樹脂硬化物を利用するので、2つの印刷配線板の間の機械的な接続を強固にすることができる。これにより、印刷配線板の積層構造の強度を向上させることができる。具体的には、外部から加わる応力を積層構造全体にほぼ均一に分散させることができる。また、印刷配線板同士の間隔をほぼ一定に保つこともできる。このため、印刷配線板やモジュール基板の反りなどの変形、破損、コネクタや他の電子部品の破損、脱落などが顕著に減少する。したがって、外部から荷重が加えられてもそれに抗して正確に動作し、耐用寿命の長い装置が得られる。
【0022】
本発明による構造を適用した装置は、微細な空間に三次元的に印刷配線板を積層して配置すること要求される電子機器や電気機器を製造する上で、非常に有用である。とりわけ、メモリーカードなどの携帯型の大記憶容量装置、および、携帯電話ならびにノートブック型パーソナルコンピュータなどの携帯用電子機器などの分野において特に有用である。これらの分野では、今後ますます高密度な実装と耐久性とが要求される。したがって、本発明による積層構造の強度を高めることは、電気製品や電子機器の安全性および信頼性の向上に大きな効果をもたらす。
【0023】
実施の形態1
電子装置1は、図1および図4に示すように、いわゆるマザー基板としての印刷配線板10、それに取り付けられる、ドーター基板としてのモジュール基板11、コネクタ12、フラットパッケージタイプの電子部品13、樹脂硬化物層14、および樹脂硬化物層15を備える。コネクタ12には、一般に市販品として容易に入手できるオス・コネクタ(male connector)とメス・コネクタ(female connector)とからなるものを使用することができる。その一方を印刷配線板10の所定位置に、また他方をモジュール基板11の印刷配線板10との対向面の対応する位置に、それぞれ実装する。そして、後述するように、印刷配線板10とモジュール基板11とを積層する際に、これら両コネクタを接続する。これによって印刷配線板10とモジュール基板11とは機械的および電気的に接続される。
【0024】
印刷配線板10には所定のパターンの配線が施され、コネクタ12、電子部品13、およびその他の複数の電子部品が実装されている。なお、ここに示す図ならびに以下の図においては、配線については図示を省略している。モジュール基板11にも所定のパターンの配線が施され、それぞれに複数種の電子部品が一つまたは複数個実装されている。この装置1では、印刷配線板10およびモジュール基板11には同じ寸法の基板を使用している。より具体的には、それらの寸法は幅40mm、長さ50mm、厚さ0.5mmである。印刷配線板10とモジュール基板11とは、寸法、厚さ、配線の配置、実装される電子部品の種類などが同じであっても、それらのうちの少なくとも一つが異なっていてもよい。
【0025】
コネクタ12は、印刷配線板10の中心点を含む領域に実装されている。印刷配線板10の中心点とは、図4に示す印刷配線板10の二つの対角線10x、10yの交点である。図4では、コネクタ12として、平面形状、すなわち印刷配線板の主面に投影した形状がほぼ矩形であるものを例に示しているが、投影形状はそれに限定されず、たとえば台形、円または楕円などの、任意の形状のものであってもよい。コネクタ12の中心点12aは、コネクタ12の投影形状が矩形である場合には、その矩形の対角線の交点である。コネクタ12の投影形状が台形または楕円である場合には、中心点12aは、台形または楕円に内接する最も小さな寸法の矩形における二つの対角線の交点である。コネクタ12の投影形状が円である場合には、中心点12aはその中心である。
【0026】
電子装置1では、コネクタ12は、その投影形状がほぼ矩形であるので、その中心が印刷配線板10の中心に一致するように、印刷配線板10に実装されている。ここで、中心の一致とは、二つの中心が、印刷配線板10の主面に垂直な方向に延びる一つの仮想直線上に存在することを言う。コネクタ12は、印刷配線板10とモジュール基板11とを機械的に結合するとともに、電気的に接続する。
【0027】
複数個の電子部品13は、印刷配線板10の長手方向と直交する両端部に沿った領域に実装されている。すなわち、一方の電子部品群は、印刷配線板10の長手方向の一端部に沿った領域において、複数の電子部品13が前記一端部にほぼ平行になるように、印刷配線板10の幅方向にほぼ等間隔に配列されている。他方の電子部品群は、印刷配線板10の長手方向と直交する他端部に沿った領域に、複数の電子部品13が前記他端部にほぼ平行になるように、印刷配線板10の幅方向にほぼ等間隔に配列されている。このように、複数の電子部品群を印刷配線板10に実装することにより、樹脂硬化物層15の位置決めが容易になる。
【0028】
樹脂硬化物層14は、図1および図4に示すように、印刷配線板10とモジュール基板11との間に介在し、両者を強固に直接に接着している。本実施形態では、樹脂硬化物層14は4個設けられ、2個ずつがコネクタ12の中心点12aに関して点対称の位置に配置されている。そして、4個の樹脂硬化物層14は、図4に示すように、印刷配線板10の対角線10xおよび10y上であって、印刷配線板10の中心点からほぼ等距離になる位置に配置されている。樹脂硬化物層14は、中心点12aに関して点対称な位置にあるのが好ましく、必ずしも、それらを印刷配線板10の対角線10xおよび10y上に配置する必要はない。
【0029】
また、樹脂硬化物層14は、印刷配線板10の長手方向の両端側領域において、二つの電子部品群の間に2個ずつ配置されている。一方の電子部品群は寸法が相対的に小さな数個の電子部品17からなり、コネクタ12の近傍において、印刷配線板10の幅方向に配列されている。他方の電子部品群は寸法が相対的に大きな3個の電子部品16からなり、電子部品13からなる電子部品群の近傍において、印刷配線板10の幅方向に配列されている。このように、印刷配線板10とモジュール基板11とを直接に接着する樹脂硬化物層14を1つの電子部品群と他の電子部品群との間に配置することにより、積層構造体の補強効果が向上する。
【0030】
樹脂硬化物層15は、図1および図4に示すように、電子部品13a、13b、13cおよび13dと、モジュール基板11との間に介在し、電子部品13a、13b、13cおよび13dとモジュール基板11とを接着している。これらの樹脂硬化物層によって、印刷配線板10とモジュール基板11との間隔は所定値に保持される。この電子装置1では、樹脂硬化物層15が4個設けられ、2個ずつがコネクタ12の中心点12aに関して点対称となる位置に配置されている。また、4個の樹脂硬化物層15は、図4に示すように、印刷配線板10の対角線10xおよび10y上であって、コネクタ12の中心点12aからほぼ等距離になる位置に配置されている。
樹脂硬化物15は、特に電子部品上に設けられていることに特徴がある。普通は、印刷配線板に搭載された電子部品には、外力が加わらないようにする。しかし、この例では、あえてその電子部品をも印刷配線板とモジュール基板との接続に利用して省スペース化を図っている。特に、フラットパッケージ型電子部品は、基板との接続が安定しているので、その頂面を利用して他方の基板と接続をするのは有効である。
【0031】
このように、4個の樹脂硬化物層14および4個の樹脂硬化物層15を、コネクタ12の中心点12aに関して点対称の位置に配置している。すなわち、印刷配線板10の長手方向において、コネクタ12の一方の側および他方の側には、対角線10xおよび10y上にそれぞれ2個ずつの樹脂硬化物層14、および樹脂硬化物15が位置している。コネクタ12の一方の側とは、コネクタ12と印刷配線板10の長手方向一端部との間の領域である。コネクタ12の他方の側とは、コネクタ12と印刷配線板10の長手方向他端部との間の領域である。
【0032】
この構成により、印刷配線板10とモジュール基板11との積層構造体の機械的強度が向上する。すなわち、この構造体に外部から荷重が加えられることによって発生する応力が、その全体にほぼ均一に分散する。その結果、応力のコネクタ12への一点集中が防止される。また、印刷配線板10とモジュール基板11との間隔が、積層構造体のどの部分でも、ほぼ均一に保持される。このため、コネクタ12、電子部品13、その他の電子部品などの破損、変形などが防止され、電子装置1の長期的な信頼性を顕著に向上させる。
【0033】
電子装置1では、合計で8個の樹脂硬化物層を形成しているが、それに限定されず、2個以上の任意の数の樹脂硬化物層を形成できる。樹脂硬化物層による積層構造体の補強効果、樹脂硬化物層を形成する際の作業性などを考慮すると、樹脂硬化物層の数は、好ましくは4〜10個、さらに好ましくは6〜8個である。さらに、樹脂硬化物層は、印刷配線板10の四隅から10mm以内の領域に形成するのが好ましい。樹脂硬化物層を形成する領域は、印刷配線板10またはモジュール基板11の寸法に応じて適宜変更することができる。
【0034】
樹脂硬化物層14および15は、好ましくは、熱硬化性樹脂組成物を加熱するか、紫外線を照射することなどにより硬化させたものである。樹脂硬化物層14の形成に用いる熱硬化性樹脂組成物は、印刷配線板10およびモジュール基板11との接着性に優れているものが好ましい。樹脂硬化物層15の形成に用いる熱硬化性樹脂組成物は、印刷配線板10またはモジュール基板11と、電子部品13との接着性に優れているものが好ましい。
【0035】
熱硬化性樹脂組成物としては、たとえば、熱硬化性樹脂、充填剤などを含有するものが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、およびポリウレタンなどが挙げられる。熱硬化性樹脂の代わりにブチルゴムなどのゴム類を用いてもよい。これらの中でも、エポキシ樹脂が好ましい。充填剤は、たとえば、熱硬化性樹脂組成物の粘度調整および硬化後の機械的強度の向上などのために用いられる。充填剤の中でも、無機粉末充填剤や金属粉末充填剤が好ましい。
【0036】
無機粉末充填剤および金属粉末充填剤としては特に制限されず、半導体装置の分野で常用されるものを使用できる。たとえば、アルミニウム粉末、アルミナ、活性アルミナ、水酸化アルミニウム、活性炭、カーボンブラック、珪砂、酸化チタン、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、重曹(炭酸水素ナトリウム)、消石灰(水酸化カルシウム)、石膏(硫酸カルシウム)、シリカ、タルク、およびマイカなどが挙げられる。充填剤は、1種を単独でまたは2種を組み合わせて使用することができる。
【0037】
熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂および充填剤の他に、一般的な添加剤を含有してもよい。添加剤としては、たとえば、熱硬化性樹脂の硬化剤および硬化促進剤、カップリング剤、着色剤、難燃剤、離型剤、イオン捕捉剤、酸化防止剤などが挙げられる。カップリング剤には、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、およびアルミニウム/ジルコニウムカップリング剤などがある。着色剤には、たとえば、カーボンブラック、およびベンガラなどがある。難燃剤には、たとえば、臭素化エポキシ樹脂、酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、およびリン含有化合物などがある。
【0038】
離型剤には、たとえば、カルナバワックスなどの天然ワックス、ポリエチレンワックスなどの合成ワックス、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛などの高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩類、およびパラフィンなどがある。イオン捕捉剤には、たとえば、マグネシウム系捕捉剤、アルミニウム系捕捉剤、チタン系捕捉剤、およびビスマス系捕捉剤などがある。
これらの添加剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0039】
熱硬化性樹脂組成物は、たとえば、熱硬化性樹脂のペレット、充填剤および必要に応じて各種添加剤を混合することにより製造できる。
【0040】
本実施形態では、樹脂硬化物層14の形成に用いられる熱硬化性樹脂組成物A(以下単に「組成物A」という)と、樹脂硬化物層15の形成に用いられる熱硬化性樹脂組成物B(以下単に「組成物B」という)とは、粘度が異なる別の組成物である。組成物Aの粘度は、組成物Bの粘度よりも高くなるように設定するのが好ましい。組成物AおよびBの粘度は、たとえば、熱硬化性樹脂の種類、充填剤の含有量などを適宜選択することにより調整することができる。このように、樹脂硬化物層14と樹脂硬化物15とを粘度の異なる熱硬化性樹脂組成物で形成することにより、樹脂硬化物層14、樹脂脂硬化物15の積層構造体に対する補強効果が一層大きくなる。それとともに、電子装置の製造の作業効率が顕著に向上する。
【0041】
組成物Aは、温度25℃における粘度が70〜90Pa・sおよびチキソ比の値が6〜8であることが好ましい。粘度については、円錐平板回転粘度計〔cone-plate viscometer〕(東機産業株式会社製「RE550U」)を使用して求める。チキソ比については、温度25℃におけるコーンプレートの回転速度0.5rpmでの粘度P1と5rpmでの粘度P2との比P1/P2とする。後述の組成物Bの粘度およびチキソ比の値についても、同じ方法で測定して求める。
【0042】
組成物Aは、後述する電子装置の製造過程において、組成物Aの貯留部に接続されたノズルにより印刷配線板10表面に塗布される。その硬化物である樹脂硬化物層14は、印刷配線板10およびモジュール基板11の両方に接触しなければならない。したがって、印刷配線板10に塗布された組成物Aの先端部分は、印刷配線板10の表面を基準にして、コネクタ12、電子部品13、他の電子部品などよりも高い位置にあることが必要である。
【0043】
組成物Aの粘度が70Pa・s未満またはチキソ比の値が6未満であると、樹脂硬化物層14とモジュール基板11との接触が不十分になり、樹脂硬化物層14による補強効果が十分に発揮されないおそれがある。一方、組成物Aの粘度が90Pa・sを超えるかまたはチキソ比の値が8を超えると、塗布装置のノズルの目詰まりを発生させ、組成物Aをノズルにより印刷配線板10表面に安定的に塗布できないおそれがある。
【0044】
組成物Bは、温度25℃における粘度が40〜70Pa・sおよびチキソ比の値が4〜5であることが好ましい。組成物Bは、組成物Aと同様に、後述する電子装置の製造過程において、ノズルにより電子部品13表面に塗布される。一方、モジュール基板11と電子部品13との間隔は、印刷配線板10とモジュール基板11との間隔よりも狭い。したがって、接着面積の増加によりモジュール基板11と電子部品13との接着強度を高めるには、組成物Bは電子部品13の表面である程度広がり易いものが好ましい。
【0045】
組成物Bの粘度が40Pa・s未満またはチキソ比の値が4未満では、ノズルにより電子部品13表面に塗布する際に、組成物Bが飛び散り、塗布のばらつきが生じるおそれがある。組成物Bの粘度が70Pa・sを超えるかまたはチキソ比の値が5を超えると、組成物Bが電子部品13表面で広がり難くなるおそれがある。いずれの場合にも、モジュール基板11と電子部品13との接着強度が低下するおそれがある。
【0046】
組成物Aおよび組成物Bのガラス転移温度と印刷配線板10およびモジュール基板11のガラス転移温度との差(以下単に「ガラス転移温度差」という)は、好ましくは15℃以下、さらに好ましくは10℃以下である。組成物AおよびBは、それぞれ、印刷配線板10表面および電子部品13表面にノズルにより塗布され、たとえば加熱により硬化する。このとき、印刷配線板10およびモジュール基板11も加熱により硬化する。ガラス転移温度差が15℃以下であると、次のような利点がある。
【0047】
所定時間の加熱を行った後、温度が降下する際に、組成物Aおよび組成物Bの硬化開始時期と、印刷配線板10およびモジュール基板11の硬化開始時期との時間差が小さくなる。その結果、樹脂硬化物層14、15の内部組織がほぼ均一になり、その補強効果が高まる。ガラス転移温度差が15℃を超えると、組成物Aおよび組成物Bの硬化開始時期と、印刷配線板10およびモジュール基板11の硬化開始時期との時間差が大きくなる。その結果、樹脂硬化物層の組織に一方向の収縮が生じ、樹脂硬化物層14、15による補強効果が低下する。
【0048】
また、組成物Aおよび組成物Bの線膨張係数と印刷配線板10およびモジュール基板11の線膨張係数との差(以下単に「線膨張係数差」という)は、好ましくは1.0×10-5以下、さらに好ましくは5.0×10-6以下である。線膨張係数差が1.0×10-5以下であると、硬化時における組成物Aおよび組成物Bの収縮度合と、印刷配線板10およびモジュール基板11の収縮度合との差が小さくなる。その結果、印刷配線板10およびモジュール基板11に反りなどの変形が発生するのを防止できる。線膨張係数差が1.0×10-5を超えると、印刷配線板10およびモジュール基板11に反りなどの変形が発生し易くなる。
【0049】
さらに、組成物Aおよび組成物Bの硬化温度は、好ましくは85〜100℃である。硬化温度が85℃より低いと、組成物Aおよび組成物Bの硬化に長時間を要し、電子装置1の製造工程における作業性が低下するおそれがある。硬化温度が100℃を超えると、印刷配線板10およびモジュール基板11に反りなどの変形が発生するおそれがある。
【0050】
樹脂硬化物層14、樹脂硬化物15は、たとえば、図2、図3および図4に示す工程を含む方法により形成できる。図2に示す工程では、まず、印刷配線板10に、コネクタ12、電子部品13、およびその他の電子部品を実装する。また、モジュール基板11にも、複数の電子部品を実装する。次に、塗布ノズル20により、印刷配線板10に実装された電子部品13a、13b、13cおよび13dの表面に組成物Bを滴下し、塗布層15aを形成する。4つの塗布層15aは、それぞれ2個ずつがコネクタ12の中心点12aを基準にして点対称の位置に形成される。
【0051】
塗布ノズル20は、組成物Bの滴下方向が電子部品13の表面に対して垂直またはほぼ垂直になるように、印刷配線板10の鉛直方向上方に配置されている。塗布ノズル20は、支持手段(図示省略)によって鉛直方向に上下動可能に、かつ水平方向の面内において前後左右に可動可能に支持されている。塗布ノズル20は、組成物Bを滴下する場合には電子部品13の表面に近接し、組成物Bを滴下しない場合には電子部品13の表面から離反するように制御される。
【0052】
図3に示す工程では、塗布ノズル21により、印刷配線板10の表面に組成物Aを滴下し、塗布層14aを形成する。4つの塗布層14aは、それぞれ2個ずつがコネクタ12の中心点12aを基準にして点対称の位置に形成される。また、4つの塗布層14aは、4つの塗布層15aよりもコネクタ12の中心点12aに近い位置にある。これにより、図4に示す状態になる。
【0053】
塗布ノズル21は、塗布ノズル20と同様に、組成物Aの滴下方向が印刷配線板10の表面に対して垂直またはほぼ垂直になるように、印刷配線板10の鉛直方向上方に配置されている。塗布ノズル21は、支持手段(図示せず)により鉛直方向に上下動可能に、かつ水平方向の面内において前後左右に可動可能に支持されている。塗布ノズル21は、組成物Aを滴下する場合には印刷配線板10の表面に近接し、組成物Aを滴下しない場合には印刷配線板10の表面から離反するように制御される。
【0054】
塗布層14a、15aの塗布径および塗布高さは、得られる樹脂硬化物層14、15の高さや塗布する領域の面積などに応じて適宜選択される。印刷配線板10とモジュール基板11との間隔は、通常3mm以下であり、たとえば、樹脂硬化物層の高さが1.0mm以上である場合、塗布層14aおよび15aの塗布径は0.8mm以上であり、かつ塗布高さは2.0mm以上であることが好ましい。樹脂硬化物層の高さが1.0mm未満である場合、塗布層14aおよび15aの塗布径は0.6mm以上であり、かつ塗布高さは1.5mm以上であることが好ましい。塗布径および塗布高さは、たとえば、塗布量、組成物Aおよび組成物Bの組成、粘度、ノズル20および21の滴下高さなどを適宜選択することにより調整できる。
【0055】
これにより、塗布層14aおよび15aを硬化させた樹脂硬化物層14、および樹脂硬化物15が、印刷配線板10とモジュール基板11、および電子部品13とモジュール基板11を確実に接着できる。その結果、積層構造内における外部応力のより一層の均一分散が可能になり、電子装置1の機械的強度、耐用寿命などが顕著に向上する。
【0056】
特に、電子部品と印刷配線板間を接続する樹脂硬化物は有効である。印刷配線板上には、あいたスペースがきわめて少なく、印刷配線板同士を接続することが困難であるからである。そのような電子部品としては、頂面が平坦なフラットパッケージタイプの半導体素子、半導体チップが適している。これらの電子部品は、印刷配線板に実装したとき、その頂面が印刷配線板の表面と平行で平坦であり、面積が比較的広いことから、接合しようとする印刷配線板との接合面積を広くとれるからである。
【0057】
図4に示す工程では、印刷配線板10に所定のピッチでモジュール基板11を積層し、塗布層14aおよび15aの少なくとも先端部分をモジュール基板11の表面に接触させる。この状態を維持しながら塗布層14aおよび15aを硬化させることによって、電子装置1が得られる。塗布層14aおよび15aの硬化には、熱硬化性樹脂組成物の一般的な硬化方法を利用できる。たとえば、加熱、または紫外線照射などの方法が挙げられる。加熱する場合には、たとえば、印刷配線板10とモジュール基板11との積層構造体の全体を加熱すればよい。
【0058】
上述ではコネクタ12が実装された例を示したが、それが実装されていない場合もついても同様のことが言える。
【0059】
実施の形態2
図5Aは本実施の形態における電子装置2の側面図であり、図5Bはその印刷配線板の平面図である。電子装置2は、電子装置1に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して、それらの説明は省略する。
【0060】
電子装置2は、印刷配線板10、モジュール基板11、電子部品13、16および17、電子部品25、26および27、ならびに樹脂硬化物層15を含む。樹脂硬化物層15には、前述の熱硬化性樹脂組成物Bを用いて形成する。電子装置2では、樹脂硬化物層15が印刷配線板10上の電子部品13、16および17と、モジュール基板11上の電子部品25、26および27とを接着している。これにより、印刷配線板10とモジュール基板11との積層構造体が構成されている。すなわち、電子装置2は、印刷配線板10とモジュール基板11とを接着する樹脂硬化物層14を含まず、樹脂硬化物層15のみによって機械的に接続された積層構造体が形成されている。
【0061】
印刷配線板10には、コネクタ12、ならびに電子部品13、16および17が実装されている。電子部品13は、電子装置1と同様の位置に同じ個数が実装されている。電子部品17は、印刷配線板10の長手方向と交差する、コネクタ12の両側の領域それぞれにおいて、印刷配線板10の幅方向に一列に複数個が実装されている。電子部品17は、電子部品13とほぼ同じ寸法である。電子部品16は、印刷配線板10の長手方向と交差する、電子部品13と電子部品17との間の領域それぞれにおいて、印刷配線板10の幅方向に一列に複数個が実装されている。電子部品16は、電子部品13および17よりも寸法が大きい。
【0062】
モジュール基板11には、印刷配線板10に対向する面およびそれと平行な反対側の面に複数の電子部品が実装されている。モジュール基板11の印刷配線板10に対向する面には、電子部品25、26および27がそれぞれ複数個ずつ実装されている。電子部品25、26および27は、その頂面が印刷配線板10に実装されている電子部品13、16および17の頂面に対向している。
【0063】
樹脂硬化物層15は8箇所に設けられている。樹脂硬化物層15は、コネクタ12の中心点12aに関して、印刷配線板10の長手方向の端部側の両領域における、点対称となる位置に、それぞれ4個ずつ設けられている。また、樹脂硬化物層15は、印刷配線板10の対角線10xおよび10y上に設けられている。8個の樹脂硬化物層15のうち4個は、印刷配線板10の四隅に実装された電子部品13と電子部品25との間に介在している。他の2個の樹脂硬化物層15は、電子部品16と電子部品26との間に位置し、残りの2個は、電子部品17と電子部品27との間に位置する。
【0064】
電子装置2においては、樹脂硬化物層15をコネクタ12の中心点12aに関して点対称となる位置に配置すると共に、中心点12aから第2の樹脂硬化物層15までの距離を変化させている。これにより、印刷配線板10とモジュール基板11との積層構造体が捩れて変形させるような応力が発生しても、それに対する耐久性を高めることができる。
特に、この例では、上下の電子部品間を樹脂硬化物で接続している点に特徴がある。上下の電子部品同士がぶつかりあうことなどによる電子部品の破損を防止することができ、かつ別途接続のためのスペースを設けることなく、省スペースとなる。
【0065】
実施の形態3
図6Aは、本実施の形態における電子装置3の構成を模式的に示す側面図であり、図6Bはその印刷配線板の平面図である。電子装置3は、電子装置2に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して、それらの説明は省略する。
【0066】
電子装置3は、電子装置2とは二つの相違点を有し、それ以外は同様の構造を有している。相違点の一つは、平面形状がほぼ円形である樹脂硬化物層15に代えて、平面形状がほぼ矩形である樹脂硬化物層18を有していることである。樹脂硬化物層18は、前記熱硬化性樹脂組成物Bを用いて形成する。
【0067】
ここで平面形状とは、印刷配線板10の面に対して鉛直方向に投影した形状である。樹脂硬化物層18は、樹脂硬化物層15と同様に、印刷配線板10またはモジュール基板11と各種の電子部品とを接着する機能、ならびに、各種の電子部品同士を接着する機能を有している。
【0068】
相違点のもう一つは、モジュール基板11の印刷配線板10に対向する面に、電子部品が実装されていないことである。したがって、樹脂硬化物層18は、印刷配線板10に実装された電子部品13、16および17と、モジュール基板11との間に位置する。すなわち、モジュール基板11の印刷配線板10に対向する面に電子部品が実装されていなくても、印刷配線板10とモジュール基板11との積層構造体を得ることができる。
【0069】
このように、投影形状がほぼ矩形である樹脂硬化物層18を設けることによっても、電子装置2と同様の補強効果が得られる。樹脂硬化物層18の投影形状をほぼ矩形にするには、たとえば、先端形状が矩形であるノズルを用いて熱硬化性組成物Bを塗布すればよい。また、熱硬化性組成物Bの粘度、充填剤の種類、含有量などを選択することによっても、樹脂硬化物層18をほぼ矩形の投影形状のものに形成できる。
ここではコネクタ12のある場合について説明したが、それがない場合についても同様のことが言える。
【0070】
実施の形態4
図7Aは本実施の形態におけ電子装置4の側面図であり、同図Bはその印刷配線板の平面図である。電子装置4は、その構成が電子装置1に類似しており、対応する部分には同一の参照符号を付して、その説明は省略する。
【0071】
電子装置4は、印刷配線板10表面のコネクタ12が実装されていた部分に、コネクタ12に代えて、印刷配線板10とモジュール基板11とを直接に接着する樹脂硬化物層14xを形成したこと以外は、電子装置1と同様の構造を有している。このように構成することによっても、電子装置1と同水準の機械的強度および耐用寿命が得られる。
【0072】
実施の形態5
図8は本実施の形態における電子装置5の構成を模式的に示す。ここでは、説明の便宜上モジュール基板11の図示を省略している。
【0073】
電子装置5は、電子装置1に類似した構造であり、対応する部分については同一の参照符号を付してそれらの説明は省略する。電子装置5は、樹脂硬化物層14の個数が4個から2個に変更されている以外は、電子装置1と同様の構造を有している。電子装置5では、印刷配線板10の長手方向において、コネクタ12を境にして、コネクタ12の両側にそれぞれ1個の樹脂硬化物層14および2個の樹脂硬化物層15が設けられている。
【0074】
樹脂硬化物層14は、上記のように、コネクタ12の両側にそれぞれ1個ずつ設けられている。樹脂硬化物層14は、電子装置1におけるものとは異なり、印刷配線板10の対角線10xまたは10y上から若干外れた位置に形成されている。樹脂硬化物層15は、電子装置1と同様に、印刷配線板10の四隅に実装された電子部品13a、13b、13cおよび13dの上に形成されている。
【0075】
印刷配線板10の長手方向において、コネクタ12に関して一方の側で、1個の樹脂硬化物層14の配置位置と、2個の樹脂硬化物層15の配置位置とを結ぶと、二点鎖線で示される三角形Xが形成される。一方、印刷配線板10の長手方向において、コネクタ12に関して他方の側で、1個の樹脂硬化物層14の配置位置と、2個の樹脂硬化物層15の配置位置とを結ぶと、二点鎖線で示される三角形Yが形成される。三角形XおよびYは、コネクタ12の中心点12aに関して点対称の位置にあり、かつ合同である。
【0076】
上述のようにコネクタ12に関して、樹脂硬化物層を点対称かつ合同な三角形状に配置すると、捩れ応力に対する耐久性が顕著に向上する。捩れ応力とは、印刷配線板10とモジュール基板11との積層構造体の厚み方向に対して斜めの方向に発生する応力である。捩れ応力が発生すると、一般的な積層構造体は捩れるように変形し易くなる。三角形の形状は不等辺三角形、二等辺三角形または正三角形のいずれでもよいが、不等辺三角形が捩れ応力に対する耐久性が最も高い。特に不等辺直角三角形であることが好ましい。
【0077】
樹脂硬化物層の数を8個から6個に減らしても、電子装置1とほぼ同等の機械的強度および耐用寿命を有する電子装置5を得ることができる。また、樹脂硬化物層の数を減らすことにより、製造工程の一層の簡略化が可能になり、工業的にも有利である。コネクタ12の中心点12aを通り、印刷配線板10の幅方向に延びる図示しない仮想線に関して、線対称の三角形を形成するような樹脂硬化物層の配置も可能である。しかしながら、線対称の配置では積層構造体の捩れ応力に対する耐久性が不十分になる。その結果、捩れ応力が生じると、積層構造体中で変形や破損などが発生し易くなるおそれがある。この例では、コネクタ12がある例を示したが、それを設けていない場合についても同様のことが言える。
【0078】
実施の形態6
図9Aは本実施の形態における電子装置6の側面図であり、図9Bはそそ印刷配線板の平面図である。電子装置6は、電子装置1に類似した構成であり、対応する部分については同一の参照符号を付して、それらの説明は省略する。
【0079】
電子装置6は、印刷配線板10、モジュール基板11、コネクタ12、電子部品30a、30b、30c、30d、30e、および30f、ならびにその他の電子部品を含む。印刷配線板10には、形状、寸法および機能の異なる様々な電子部品が不規則に実装されている。複数の電子部品のうち、電子部品30a、30b、30eおよび30fは印刷配線板10の四隅に実装されている。電子部品30cおよび30dは、コネクタ12の近傍に実装されている。より詳しくは、電子部品30cおよび30dは、印刷配線板10の長手方向に沿って、コネクタ12の両側にそれぞれ1つずつ実装されている。電子部品30a、30b、30c、30dおよび30eは、形状および寸法が互いに異なっている。
【0080】
樹脂硬化物層14は、コネクタ12の中心点12aに関して点対称の位置になる、印刷配線板10の主面上の2箇所に形成されている。樹脂硬化物層15は、コネクタ12の中心点12aに関して点対称の位置の6箇所に形成されている。具体的には、樹脂硬化物層15は、電子部品30a、30b、30c、30d、30e、および30fの表面に形成されている。また、樹脂硬化物層14、および樹脂硬化物15は、印刷配線板10の対角線10xおよび10y上に形成されている。
【0081】
樹脂硬化物層14、および樹脂硬化物15は、それらを形成しようとする領域の幅が少なくとも0.8〜1.0mm程度あれば、形成可能である。したがって、大小様々な電子部品が不規則に実装された印刷配線板10の主面上でも、電子部品が実装されていない領域がわずかでも残っていれば、そこに樹脂硬化物層14を形成することができる。また、電子部品の寸法が小さくても、その表面に樹脂硬化物層15を形成できる。また、電子部品の高さが異なっていても、組成物Bの塗布量を適宜変更することによって、対応が可能である。
【0082】
さらに、樹脂硬化物層14を形成した位置に関して点対称の位置に電子部品が実装されている場合でも、その電子部品表面に樹脂硬化物層15を形成できる。また、樹脂硬化物層14を形成する領域が残されていなくても、電子部品の表面に樹脂硬化物層15を形成できる。したがって、印刷配線板10の設計を変更することなく、印刷配線板10とモジュール基板11との積層構造を構成できる。しかも、その積層構造を含む電子装置6は、高い機械的強度を有しかつ耐久性に優れ、長期的な信頼性が高い。コネクタ12がある例を示したが、ない場合も同様である。
【0083】
上記には特定の実施の形態を説明した。しかし、種々の変形は可能である。たとえば、実施の形態1に、実施の形態2におけるような、印刷配線板の電子部品とモジュール基板の電子部品とを接着する樹脂硬化物層を設ける。または、実施の形態2に、印刷配線板とモジュール基板とを直接に接着する樹脂硬化物層や印刷配線板の電子部品をモジュール基板に接着する樹脂硬化物層を設けるなどである。
【0084】
本発明の実装構造体は、後述するような携帯型の電子機器における大容量記憶装置に使用できることは言うまでもないことであり、各種電子機器を制御するための装置に好適に使用することができる。電子機器としては、特に制限されるものではないが、携帯用の電子機器であることが好ましい。携帯用電子機器には、たとえば、携帯電話、ノートブック型パーソナルコンピュータ、携帯情報端末、デジタルスチルカメラ、および携帯用ゲーム機などが挙げられる。
【0085】
また、本発明の携帯型電子機器は、上述した本発明による実装構造体を含むことを特徴としている。すなわち、本発明の携帯型電子機器は、本発明による実装構造体からなる記憶装置を含む以外は、従来の携帯型電子機器と同様の構成を有することができる。そして、それは、本発明による実装構造体を含むことにより、外部から受ける荷重、衝撃に対して高い耐久性を有している。たとえば、故意または不注意で荷重を加えたり、落下または衝突などによって衝撃を受けたりしても、それによって実装構造体においては、応力がほぼ一様に全体にわたって分散して発生し、そのため機能停止および故障などが起こり難い。したがって、特に携帯用に適している。
【0086】
本発明による携帯型電子機器の具体例としては、たとえば、メモリーカード、フラッシュメモリ、USBメモリ、揮発性メモリ、キャッシュメモリ、半導体メモリ、およびICメモリなどの小形で大容量の固体記憶装置を搭載したものが挙げられる。
【0087】
次に、樹脂硬化物についての評価方法およびその結果について述べる。
[樹脂硬化物についての評価]
(1)印刷配線板同士を直接に接着する樹脂硬化物
この樹脂硬化物は、印刷配線板同士を図10Aに示すように機械的に接続する。
この樹脂硬化物を評価するために用いた樹脂組成物は、ベースレジン、着色剤としてのカーミンペースト、およびフィラーとしてのタルクを含有する。ベースレジンとして、液状エポキシ樹脂(ビスフェノールA型・F型混合樹脂である、味の素ファインテクノ株式会社製商品名「XBM1000」)100質量部に、アミン系硬化剤(味の素ファインテクノ株式会社製商品名「アミキュア」)10質量部、およびイミダゾール系硬化促進剤(四国化成株式会社製商標名「キュアゾール」)1質量部を添加したものを用いた。このレジンの温度25℃での粘度は80Pa・sであり、チキソ比の値は7.5である。その硬化温度は90℃である。
【0088】
評価のための試料用として、ベースレジン100質量部およびカーミンペースト1質量部にタルクを30質量部、35質量部、40質量部、42.5質量部、および45質量部の比率でそれぞれ添加した樹脂組成物を作製した。
【0089】
これらの樹脂組成物それぞれを、図10Aに示すように、第1の印刷配線板101の表面上に塗布し、第2の印刷配線板102をその裏面が塗布した樹脂組成物に接するよう平行に配置した。両基板101および102の間隔を一定に保って、樹脂組成物を熱硬化させて、樹脂硬化物14によって接続することによって、試料を作製した。
【0090】
印刷配線板101および102には、長さ10mm、幅10mm、厚さ0.5mmのガラス基材エポキシ基板を用い、樹脂組成物それぞれの塗布量を0.4〜0.5mg gとし、基板間隔を1mmとした。
【0091】
得られた試料それぞれにおける、樹脂硬化物14による両基板101および102の接続状態とフィラー濃度との関係について調査した。
前記の接続状態は、次の落下試験により評価した。すなわち、試料を所定の高さから落下させ、半導体装置が正常に動作しなくなる高さ(NG高さ)を求めた。落下させる高さは最初50cmとし、10cmずつ高さを上げながら実施した。NG高さが150cmを超えるものを◎(高い耐衝撃性を有し、合格)、NG高さが100cmを超え150cm以下のものを○(一応合格も改良の余地あり)、NG高さが90cmを超え100cm以下のものを△(実使用に耐えうるが改良の余地あり)、90cm未満のものを×(不合格)とした。
評価結果を表1に示す。評価結果において、◎は基板同士がもっとも強固に接続されていることを表し、○は実際の使用に供するに十分な接続状態が得られたことを表し、×は実際の使用に十分な信頼性を保証するのが困難なものであることを表す。
【0092】
【表1】

【0093】
(2)電子部品の頂面と印刷配線板の裏面とを接着する樹脂硬化物
この樹脂硬化物は、図10Bに示すように、第1の印刷配線板101に実装した電子部品103と第2の印刷配線板102とを接続する。
この樹脂硬化物を評価するために用いた樹脂組成物は、ベースレジン、着色剤としてのカーミンペースト、およびフィラーとしてのタルクを含有する。ベースレジン、および着色剤には、上記の樹脂硬化物のためのレジン、および着色剤と同じ成分、組成比率のものを使用した。
【0094】
評価のための試料用として、ベースレジン100質量部およびカーミンペースト1質量部にタルクを25質量部、30質量部、35質量部、40質量部、および45質量部の比率でそれぞれ添加した樹脂組成物を作製した。
【0095】
これらの樹脂組成物それぞれを、図10Bに示すように、第1の印刷配線板101の表面上に実装した電子部品103の頂面に樹脂組成物を塗布し、第2の印刷配線板102を前記の樹脂組成物に接するように配置した。両基板101および102の間隔を一定に保って、樹脂組成物を熱硬化させて、樹脂硬化物15によって接続し、試料を作製した。
【0096】
印刷配線板101および102には、上記と同じガラス基材エポキシ基板を用い、電子部品103には頂面が5mm平方で、厚さが0.3mmの寸法のフラットタイプの半導体素子を用いた。樹脂組成物それぞれの塗布量を0.4〜0.5mgとし、基板101および102の間隔を1mmとした。
樹脂硬化物15による印刷配線板101上の電子部品103と印刷配線板102との接続状態とフィラー濃度との関係について前記と同様の落下試験により調査した。その結果を表2に示す。
【0097】
【表2】

【0098】
(3)電子部品の頂面同士を接着する樹脂硬化物
この樹脂硬化物は、図10Cに示すように、2つの印刷配線板101および102のそれぞれに実装した電子部品103と104とを接続することによって、両印刷配線板を実質的に接続する。
【0099】
ここに用いた樹脂組成物は、上記と同じベースレジン、着色剤としてのカーミンペースト、およびフィラーとしてのタルクを含有し、フィラーの混合割合を変えた。すなわち、ベースレジン100質量部およびカーミンペースト1質量部に、タルクを20質量部、25質量部、30質量部、35質量部、および40質量部の比率でそれぞれ添加した樹脂組成物を作製した。
【0100】
これらの樹脂組成物それぞれを、電子部品103および104をそれぞれ実装した第1および第2の印刷配線板101および102を準備し、印刷配線板101の電子部品103上に所定量塗布した。そして、図10Cに示すように、電子部品104が電子部品103上の樹脂組成物に十分な面積で接し、樹脂組成物がそれらの間に介在するように、電子部品103を電子部品104に対向させて、印刷配線板101を印刷配線板102に対して平行に配置した。両基板101および102の間隔を一定に保って、樹脂組成物を熱硬化させて、樹脂硬化物151によって実装された電子部品103および104同士を接続し、試料を作製した。
【0101】
印刷配線板101および102には、上記と同じガラス基材エポキシ基板を用い、電子部品103および104には頂面が5mm平方で、厚さが0.3mmの寸法のフラットタイプの半導体素子を用いた。樹脂組成物それぞれの塗布量を0.4〜0.5mgとし、基板101および102の間隔を1mmとした。
【0102】
樹脂硬化物151による電子部品103および104を介しての印刷配線板101と102との接続状態、およびフィラー濃度との関係について前記と同様の落下試験により調査した。その結果を表3に示す。
【0103】
【表3】

【0104】
表1、2および3から明らかなように、ベースレジン100質量部に対するフィラーの配合比率が、樹脂硬化物14では35〜42.5質量部、樹脂硬化物15では30〜40質量部、樹脂硬化物151では25〜35質量部であるとき、印刷配線板を実質的に接続することが可能である。特に上述したように、評価結果を◎とした試料は強固に接続されていた。
【0105】
同じ組成系列の樹脂組成物を使用し、そのフィラー濃度を、複数の印刷配線板同士を接続する場合、印刷配線板と他方の印刷配線板に実装された電子部品とを接続することによって複数の印刷配線板を実質的に接続する場合、または、印刷配線板に実装された電子部品同士を接続することによって、複数の印刷配線板を実質的に接続する場合に応じて適宜選択することが好ましい。
【0106】
フィラーの配合比率が増加すると、樹脂組成物の粘度が上がり、塗布したときの樹脂の広がりが抑えられる。その結果、塗布高さを確保できる。一方、図10B、および図10Cに示すように、電子部品上に塗布する場合には、フィラーの配合比率を増大させると、樹脂組成物が塗布時に広がりにくくなる。そのため、印刷配線板を所定の間隔となるよう押圧すると、塗布した樹脂組成物を介して電子部品に大きな荷重がかかり、それを使用した電子装置の信頼性に好ましくない影響を与えるおそれがあり、適用箇所に応じてフィラーの配合比を適宜選定することが望ましい。
【0107】
すなわち、印刷配線板同士を接続する樹脂硬化物14は、一方の印刷配線板と他方の印刷配線板に実装された電子部品とを接続する樹脂硬化物15に比べてフィラー濃度が高く、また、樹脂硬化物15は、印刷配線板上にそれぞれに実装された電子部品同士を接続する樹脂硬化物151に比べて、フィラー濃度の高い樹脂組成物を使用することが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明の実装構造体は、微細な空間に三次元的に回路基板を積層することが必要な電気製品や電子機器を製造する上で非常に有用である。例えば、メモリーカードなどの形態型大記憶容量装置や携帯電話、ノートブック型パーソナルコンピュータなどの携帯用電子機器などの分野に置いて有用である。これらの分野では、今後ますます高密度な実装と耐久性が要求される。したがって、本発明による実装構造は、電気製品や電子機器の安全性および信頼性の向上に大きな硬化をもたらす。
【符号の説明】
【0109】
1〜6 実装構造体
10 回路基板
11 モジュール基板
12 コネクタ
12a コネクタの中心
13、16、17、25、26、27 電子部品
14、15、18 樹脂硬化物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの第1の電子部品を含む複数の電子部品を表面に搭載した第1の印刷配線板と、前記第1の印刷配線板の表面側に積層される第2の印刷配線板と、前記第1の印刷配線板と第2の印刷配線板とを、両者間に所定の間隔を保持して、機械的に接続する複数の接続部材とを備え、前記接続部材が、前記少なくとも1つの第1の電子部品の頂面と前記第2の印刷配線板の裏面とを接着する第1の樹脂硬化物を含む実装構造体。
【請求項2】
前記接続部材が、第1の印刷配線板の表面と第2の印刷配線板の裏面とを直接に接着する第2の樹脂硬化物を含む請求項1に記載の実装構造体。
【請求項3】
前記複数の電子部品が少なくとも1つの第2の電子部品を含み、第2の印刷配線板が、前記少なくとも1つの第2の電子部品と対応する位置に、少なくとも1つの第3の電子部品を搭載しており、前記接続部材が、前記少なくとも1つの第2の電子部品の頂面と、前記少なくとも1つの第3の電子部品の頂面とを接着する第3の樹脂硬化物を含む請求項1または2に記載の実装構造体。
【請求項4】
さらに、第1の印刷配線板のほぼ中央に、第1の印刷配線板と第2の印刷配線板とを機械的、かつ電気的に接続するコネクタを備えた請求項1〜3のいずれかに記載の実装構造体。
【請求項5】
前記第1の樹脂硬化物の個数が少なくとも4であり、前記第1の樹脂硬化物が前記コネクタを中心にほぼ左右対称に位置する請求項4に記載の実装構造体。
【請求項6】
前記第2の樹脂硬化物のフィラー含有割合は前記第1の樹脂硬化物のフィラー含有割合より大きい請求項2に記載の実装構造体。
【請求項7】
前記第2の樹脂硬化物のフィラー含有割合は前記第1の樹脂硬化物のフィラー含有割合より大きく、前記第1の樹脂硬化物のフィラー含有割合は前記第3の樹脂硬化物のフィラー含有割合より大きい請求項3に記載の実装構造体。
【請求項8】
前記第1および第2の印刷配線板のガラス転移温度と、前記第1及び第2の樹脂硬化物のガラス転移温度との差が、15℃以下である請求項2に記載の実装構造体。
【請求項9】
前記第1および第2の印刷配線板のガラス転移温度と、前記第1、第2、及び第3の樹脂硬化物のガラス転移温度との差が、15℃以下である請求項3に記載の実装構造体。
【請求項10】
前記第1および第2の印刷配線板の線膨張係数と、前記第1及び第2の樹脂硬化物の線膨張係数との差が1.0×10-5以下である請求項2に記載の実装構造体。
【請求項11】
前記第1および第2の印刷配線板の線膨張係数と、前記第1、第2、及び第3の樹脂硬化物の線膨張係数との差が1.0×10-5以下である請求項3に記載の実装構造体。
【請求項12】
前記第1及び第2の樹脂硬化物の硬化温度が85〜100℃である請求項2に記載の実装構造体。
【請求項13】
前記第1、第2、及び第3の樹脂硬化物の硬化温度が85〜100℃である請求項3に記載の実装構造体。
【請求項14】
前記第1の電子部品が、フラットパッケージタイプの半導体素子である請求項1に記載の実装構造体。
【請求項15】
前記第1、第2、または第3の電子部品が、フラットパッケージタイプの半導体素子である請求項3に記載の実装構造体。
【請求項16】
少なくとも1つの第1の電子部品を含む複数の電子部品を表面に搭載した第1の印刷配線板と、少なくとも1つの第2の電子部品を含む複数の電子部品を裏面に搭載した第2の印刷配線板と、前記第1の印刷配線板と第2の印刷配線板とを、両者間に所定の間隔を保持して、機械的に接続する複数の接続部材とを備え、前記接続部材が、前記少なくとも1つの第1の電子部品の頂面と前記少なくとも1つの第2の電子部品の頂面とを接着する第1の樹脂硬化物を含む実装構造体。
【請求項17】
前記接続部材が、第1の印刷配線板の表面と第2の印刷配線板の裏面とを直接に接着する第2の樹脂硬化物を含む請求項16に記載の実装構造体。
【請求項18】
さらに、第1の印刷配線板のほぼ中央に、第1の印刷配線板と第2の印刷配線板とを機械的、かつ電気的に接続するコネクタを備えた請求項16または17に記載の実装構造体。
【請求項19】
請求項1又は16に記載の実装構造体を含む携帯型記憶装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【公開番号】特開2010−171407(P2010−171407A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−290673(P2009−290673)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】