説明

実装機

【課題】トレイに保持された部品を基板上に実装する動作に要する合計時間が増加するのを抑制することが可能な実装機を提供する。
【解決手段】この実装機100は、4個の部品を同時に吸着可能な吸着ヘッド3aを有するヘッドユニット3と、ヘッドユニット3を制御する制御装置13とを備え、制御装置13は、トレイ10aから4個の部品を同時に吸着させる通常動作と、通常動作時に同時に吸着された4個の部品のうちの少なくとも1つの部品が実装されない場合に、トレイ10aの所定のブロックから代替部品を吸着させるリトライ動作とを行うとともに、リトライ動作を行った後で次の通常動作を行う際に、代替部品を吸着した所定のブロックとは異なるブロックに配置された4個の部品を吸着ヘッド3aに同時に吸着させるようにヘッドユニット3を制御するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、実装機に関し、特に、複数の部品を同時に吸着可能な吸着ヘッドを有する実装機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の部品を同時に吸着可能な真空吸着パッド(吸着ヘッド)を有する部品吸着搬送装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。この部品吸着搬送装置では、複数の部品が保持されたトレイから複数の部品を所定の数の部品毎に同時にまとめて吸着するとともに、その複数の部品を所定の搬送先に搬送するように構成されている。また、この部品吸着搬送装置は、基板上に部品を実装するための実装機に用いられると考えられる。ここで、このような部品吸着搬送装置を用いる従来の実装機では、複数の部品をトレイから同時にまとめて吸着する動作(通常動作)が行われることにより取得された複数の部品の中に不良な部品が含まれていた場合、その不良な部品と同数の部品を代替部品としてトレイから吸着する動作(リトライ動作)が行われる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−294890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記したような従来の実装機では、たとえば1つの不良な部品の代替部品を1つだけトレイから吸着するリトライ動作が行われた後、次に複数の部品をまとめて吸着する通常動作が行われる際に、1つの代替部品を吸着したことに起因して複数の部品を同時にまとめて吸着することが可能な領域がトレイ上に確保されていない場合がある。この場合、複数の部品の吸着を2回以上に分けて行う必要があり、部品の吸着に時間がかかるという不都合がある。このため、トレイに保持された部品を基板上に実装する動作に要する合計時間が増加してしまうという問題点がある。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、トレイに保持された部品を基板上に実装する動作に要する合計時間が増加するのを抑制することが可能な実装機を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による実装機は、複数の第1の数の部品を同時に吸着可能な吸着ヘッドを有するとともに、吸着ヘッドにより吸着された部品を基板上に実装するヘッドユニットと、第1の数の整数倍の数の部品からなる行または列を有するマトリクス状に配置された複数の第2の数の部品を保持するトレイから、第1の数の部品からなるブロック毎に部品を吸着ヘッドに吸着させるようにヘッドユニットを制御する制御部とを備え、制御部は、トレイから第1の数の部品を吸着ヘッドに同時に吸着させる通常動作と、通常動作時に吸着ヘッドにより同時に吸着された第1の数の部品のうちの少なくとも1つの部品が基板上に実装されない場合に、トレイの所定のブロックから少なくとも1つの部品の代替部品を吸着ヘッドに吸着させるリトライ動作とを行うとともに、リトライ動作を行った後で次の通常動作を行う際に、リトライ動作時に代替部品を吸着した所定のブロックとは異なるブロックに配置された第1の数の部品を吸着ヘッドに同時に吸着させるようにヘッドユニットを制御するように構成されている。
【0007】
この一の局面による実装機では、上記のように、制御部は、トレイから第1の数の部品を吸着ヘッドに同時に吸着させる通常動作と、通常動作時に吸着ヘッドにより同時に吸着された第1の数の部品のうちの少なくとも1つの部品が基板上に実装されない場合に、トレイの所定のブロックから少なくとも1つの部品の代替部品を吸着ヘッドに吸着させるリトライ動作とを行うとともに、リトライ動作を行った後で次の通常動作を行う際に、リトライ動作時に代替部品を吸着した所定のブロックとは異なるブロックに配置された第1の数の部品を吸着ヘッドに同時に吸着させるようにヘッドユニットを制御するように構成されている。このように構成することにより、トレイの所定のブロックから少なくとも1つの代替部品を吸着するリトライ動作が行われた場合でも、その代替部品を吸着した所定のブロックとは異なるブロックを、次に複数の第1の数の部品を同時にまとめて吸着する通常動作を行うことが可能なブロックとしてトレイ上に確保することができる。これにより、複数の第1の数の部品の吸着を2回以上に分けて行う必要がないので、トレイに保持された部品を基板上に実装する動作に要する合計時間が増加するのを抑制することができる。
【0008】
上記一の局面による実装機において、好ましくは、制御部は、リトライ動作を行う際に、前のリトライ動作時に代替部品を吸着したブロックから優先的に代替部品を吸着ヘッドに吸着させるようにヘッドユニットを制御するように構成されている。このように構成すれば、前のリトライ動作時に代替部品を吸着したブロックを代替部品吸着用のブロックとすることができるので、任意のブロックから代替部品を吸着する場合に比べて、より多くのブロックで通常動作による同時吸着を行うことができる。その結果、トレイ上の部品の吸着を効率的に行うことができる。
【0009】
上記一の局面による実装機において、好ましくは、制御部は、リトライ動作を行う際に、通常動作時におけるブロック毎の吸着順序の最終のブロックに配置された部品を代替部品として吸着ヘッドに吸着させるようにヘッドユニットを制御するように構成されている。このように構成すれば、リトライ動作を行うことによって通常動作による部品の同時吸着を行うことができないブロックが発生した場合にも、部品の吸着順序を最終のブロックの直前まで変更させずに済む。これにより、部品の実装動作時における制御処理が容易になるとともに、トレイ上の部品の吸着を効率的に行うことができる。
【0010】
この場合、好ましくは、制御部は、リトライ動作を行う際に、通常動作時におけるブロック毎の吸着順序の最終のブロックに配置された部品を代替部品として吸着ヘッドに吸着させることができない場合に、最終のブロックから2番目のブロックに配置された部品を代替部品として吸着ヘッドに吸着させるようにヘッドユニットを制御するように構成されている。このように構成すれば、リトライ動作が複数回行われた際に、その複数回のリトライ動作により通常動作による部品の同時吸着を行うことができないブロックが新たに発生した場合にも、部品の吸着順序を最終のブロックから2番目のブロックの直前まで変更させずに済む。これにより、部品の実装動作時における制御処理が容易になるとともに、トレイ上の部品の吸着を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1および第2実施形態による実装機の構成を示す平面図である。
【図2】本発明の第1および第2実施形態による実装機の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1および第2実施形態による実装機のトレイを示す平面図である。
【図4】本発明の第1実施形態による実装機の吸着ヘッドによる部品の吸着順序を説明するための図である。
【図5】本発明の第1実施形態による実装機により部品の実装が行われる際における制御装置の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】図5に示したフローチャートにおいて実行される吸着部品の決定処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態による実装機の吸着ヘッドによる部品の吸着順序を説明するための図である。
【図8】本発明の第2実施形態による実装機により部品の実装が行われる際における制御装置の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図9】図8に示したフローチャートにおいて実行される吸着部品の決定処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【図10】本発明の第1実施形態の第1変形例による実装機の吸着ヘッドによる部品の吸着順序を説明するための図である。
【図11】本発明の第1実施形態の第2変形例による実装機の吸着ヘッドによる部品の吸着順序を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
(第1実施形態)
以下、図1〜図4を参照して、本発明の第1実施形態による実装機100の構成について説明する。
【0014】
図1に示すように、実装機100は、基台1と、基板搬送コンベア2と、ヘッドユニット3とを備えている。この実装機100は、ヘッドユニット3を用いてプリント基板(基板50)に部品を実装する装置である。なお、部品は、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの電子部品である。
【0015】
基台1には、3つのテープ部品供給部4、5および6と、1つのトレイ部品供給部7と、2つの部品認識カメラ8とが設けられている。テープ部品供給部4および5は、基台1上の矢印Y1方向側の端部に設けられている。また、テープ部品供給部6と、トレイ部品供給部7とは、基台1上の矢印Y2方向側の端部に設けられている。また、部品認識カメラ8は、基台1上のテープ部品供給部4とテープ部品供給部5との間、および、テープ部品供給部6とトレイ部品供給部7との間に1つずつ設けられている。
【0016】
テープ部品供給部4、5および6には、それぞれ、小型の部品を保持する複数のテープフィーダ9がX方向に並ぶように設けられている。これらのテープ部品供給部4、5および6は、テープフィーダ9の先端の部品取出部9aを介して小型の部品を供給するように構成されている。
【0017】
トレイ部品供給部7には、パレット収納部7aと、パレット引き出し機構7bとが設けられている。パレット収納部7aには、大型の部品を保持するトレイ10aを有するパレット10が交換可能に複数収納されている。また、パレット引き出し機構7bは、パレット収納部7aに収納されたパレット10を所定の位置まで搬送するように構成されている。すなわち、トレイ部品供給部7は、パレット収納部7aに収納されたパレット10をパレット引き出し機構7bにより矢印Y1方向に所定の位置まで搬送することによって、パレット10上のトレイ10aに保持された大型の部品を供給するように構成されている。
【0018】
なお、トレイ10aは、パレット10上において長手方向がX方向に沿うように設置されている。また、図3に示すように、トレイ10aには、24個の部品が保持されている。これら24個の部品は、8個の部品からなる行と3個の部品からなる列とを有するマトリクス状に配置されている。なお、これら24個の部品は、全て同種の電子部品である。以下では、これら24個の部品を便宜的に6個のブロック(それぞれ、ブロックA、B、C、D、EおよびFとする)にブロック分けして説明する。これら6個のブロック(ブロックA〜F)は、それぞれ、行方向(X方向)に並んで配置された4個の部品からなる。
【0019】
部品認識カメラ8は、基台1上においてヘッドユニット3よりも下方の高さ位置に設置されている。また、部品認識カメラ8は、撮像方向が上方を向くようにもうけられている。また、部品認識カメラ8は、ヘッドユニット3の後述する吸着ヘッド3aにより吸着された部品を下面側から撮像することが可能なように構成されている。また、部品認識カメラ8により撮像された撮像データは、吸着ヘッド3aにより吸着された部品が不良な部品であるか否かの判定基準として用いられる。この判定は、後述する制御装置13(図2参照)により行われる。
【0020】
基板搬送コンベア2は、Y方向に並ぶ一対のコンベア部2aを有するとともに、基台1上においてX方向に延びるように設けられている。この基板搬送コンベア2は、図示しない搬送路から搬入される基板50をX方向に搬送する機能を有する。具体的には、基板搬送コンベア2は、矢印X2方向側(上流側)から搬入された基板50を矢印X1方向側(下流側)に向かって搬出するように構成されている。
【0021】
ヘッドユニット3は、基台1の上方の所定の高さ位置においてX方向に延びるヘッドユニット支持部11に沿ってX方向に移動可能に構成されている。具体的には、ヘッドユニット支持部11は、X方向に延びるボールねじ軸11aと、ボールねじ軸11aを回転させるサーボモータ11b(X軸モータ(図2参照))とを有している。このサーボモータ11bによってボールねじ軸11aが回転されることにより、ヘッドユニット3がヘッドユニット支持部11に対してX方向に移動する。なお、ヘッドユニット3は、ボールねじ軸11aに螺合するボールナット(図示せず)を有している。
【0022】
また、ヘッドユニット支持部11は、基台1上の基板搬送コンベア2を跨ぐように設けられたY方向に延びる一対のレール部12に沿ってY方向に移動可能に構成されている。具体的には、一対のレール部12は、Y方向に延びる一対のボールねじ軸12aと、一対のボールねじ軸12aを回転させる一対のサーボモータ12b(Y軸モータ(図2参照))とを有している。これらのサーボモータ12bによって一対のボールねじ軸12aが同期して回転されることにより、ヘッドユニット支持部11が一対のレール部12に対してY方向に移動する。なお、ヘッドユニット支持部11は、ボールねじ軸12aが螺合されるボールナット(図示せず)を有している。これにより、ヘッドユニット3は、基板50(基板搬送コンベア2)の上方、テープ部品供給部4、5および6のそれぞれのテープフィーダ9(部品取出部9a)の上方、トレイ部品供給部7のパレット10(トレイ10a)の上方、および、部品認識カメラ8の上方の位置に水平移動可能に構成されている。
【0023】
また、ヘッドユニット3には、X方向に所定の間隔を隔てて並んで配置された4個の吸着ヘッド3aが設けられている。各吸着ヘッド3aには、先端(下端)に部品の吸着および搭載を行うための吸着ノズル(図示せず)が下方に突出するように取り付けられている。また、各吸着ヘッド3aには、吸着ノズルを上下方向(Z方向)に移動させるサーボモータ(Z軸モータ(図2参照))や、吸着ノズルをその軸を中心として回転させるサーボモータ(R軸モータ(図2参照))などが設けられている。
【0024】
このような構成により、ヘッドユニット3は、基台1の上方をXY方向に移動することによって、テープフィーダ9の部品取出部9aまたはパレット10上のトレイ10aから部品を吸着するとともに、吸着した部品を基板搬送コンベア2上のプリント基板(基板50)に実装することが可能である。なお、各吸着ヘッド3aの吸着ノズルのピッチ(X方向の間隔)は、トレイ10a上に配列された各部品のX方向のピッチ(長手方向)と一致している。なお、ヘッドユニット3の矢印X1方向側の側部には、プリント基板(基板50)の位置などを認識するための基板認識カメラ3bが設けられている。
【0025】
実装機100の動作は、図2に示す制御装置13によって制御されている。制御装置13は、主演算部13a、駆動制御部13b、画像処理部13cおよび記憶部13dを含んでいる。
【0026】
主演算部13aは、制御装置13全体の制御を行うように構成されている。また、駆動制御部13bは、ヘッドユニット3を各方向に移動させるためのモータ(X軸モータ11b、Y軸モータ12b、Z軸モータおよびR軸モータ)、および、パレット収納部7aとパレット引き出し機構7bとを動作させるためのモータ(パレット交換用モータおよびパレット引出用モータ)の駆動を制御するように構成されている。また、画像処理部13cは、基板認識カメラ3bや部品認識カメラ8により撮像された撮像データの画像処理を行うように構成されている。また、記憶部13dは、主演算部13a、駆動制御部13bおよび画像処理部13cにより実行される種々のプログラムなどを格納するように構成されている。
【0027】
ここで、第1実施形態では、制御装置13は、トレイ10aから4個の部品(ブロックA〜Fのそれぞれに含まれる4個の部品)を取得する動作(通常動作)を行うようにヘッドユニット3を制御するように構成されている。具体的には、制御装置13は、通常動作時において、ブロックA、B、C、D、EおよびFのそれぞれに含まれる4個の部品をこの順番で4個の吸着ヘッド3aに同時に吸着させるようにヘッドユニット3を制御するように構成されている。たとえば、図4に示すように、通常動作としてブロックAに含まれる4個の部品が4個の吸着ヘッド3aにより同時吸着された場合、次の通常動作として、ブロックBに含まれる4個の部品が4個の吸着ヘッド3aにより同時吸着される。なお、同時吸着とは、一度の吸着動作で最大4個の部品を一括して吸着(取得)する動作である。
【0028】
また、制御装置13は、4個の吸着ヘッド3aが通常動作を行うことにより取得された4個の部品に不良な部品が含まれているか否かの判定を行うように構成されている。このような部品の良否の判定は、各吸着ヘッド3aにより吸着された部品を部品認識カメラ8に撮像させることにより取得される部品の撮像データに基づいて行われる。
【0029】
また、制御装置13は、通常動作を行うことにより取得された4個の部品に不良な部品が含まれていると判定した場合に、その不良な部品と同数の部品を代替部品としてトレイ10aから取得する動作(リトライ動作)を行うようにヘッドユニット3を制御するように構成されている。なお、このように不良であると判定された部品は、正常な部品が基板50に実装された後で部品回収ボックス(図示せず)などに投入され、回収される。第1実施形態では、リトライ動作時において、トレイ10aのブロックF、E、D、C、BおよびAのそれぞれがこの順番(上記通常動作と逆の順番)で代替部品の吸着用として確保されるように構成されている。
【0030】
なお、制御装置13は、リトライ動作時において、代替部品の吸着用として確保されたブロック(ブロックF、E、D、C、B、Aのいずれか)に含まれる部品を、そのブロック内で最も矢印X2方向側に配置された部品から順に代替部品として吸着ヘッド3aに吸着させるようにヘッドユニット3を制御するように構成されている。たとえば、図4に示すように、ブロックFが代替部品の吸着用として確保されている場合、そのブロックF内で最も矢印X2方向側に配置された部品F4から順に代替部品が吸着ヘッド3aにより吸着される。
【0031】
また、制御装置13は、リトライ動作時において、前に代替部品を吸着したブロックから優先的に代替部品を吸着ヘッド3aに吸着させるようにヘッドユニット3を制御するように構成されている。たとえば、図4に示すように、前のリトライ動作時にブロックFの部品F4が代替部品として吸着ヘッド3aにより吸着されていた場合、次のリトライ動作時には、ブロックFの部品F3から順に代替部品が吸着ヘッド3aにより吸着される。
【0032】
また、制御装置13は、リトライ動作時において、通常動作時における部品の吸着順序の最終のブロックに配置された部品を代替部品として吸着ヘッド3aに吸着させることができない場合に、最終のブロックから2番目のブロックに配置された部品を代替部品として吸着ヘッド3aに吸着させるようにヘッドユニット3を制御するように構成されている。すなわち、前のリトライ動作時においてブロックFの4個の部品の全てが吸着ヘッド3aにより吸着されていた場合には、次のリトライ動作時おいてブロックEの部品が代替部品として吸着ヘッド3aにより吸着される。
【0033】
このような構成により、吸着ヘッド3aは、リトライ動作を行った後、次に通常動作を行う場合に、そのリトライ動作において代替部品を吸着したブロックとは異なるブロックに配置された4個の部品を同時に吸着する。また、吸着ヘッド3aは、リトライ動作を行う場合に、通常動作時における部品の吸着順序の最終のブロックに配置された部品を代替部品として吸着する。なお、第1実施形態では、通常動作時における吸着順序の最終のブロックは、24個の部品からなるマトリクスの行の末尾に配置された部品を含むように設定されたブロックである。たとえば、1回目の通常動作においてブロックAの4個の部品が吸着され、その4個の部品の中に不良な部品が含まれていた場合、最終のブロックは、24個の部品からなるマトリクスの行の末尾に配置された部品F4を含むように設定されたブロックFになる。
【0034】
なお、制御装置13は、吸着ヘッド3aに通常動作およびリトライ動作を行わせることによってトレイ10aから吸着可能な状態の部品が無くなった場合に、パレット収納部7aに収納された新たなパレット10を所定の位置に搬送させるようにパレット引き出し機構7bを制御するように構成されている。
【0035】
次に、図4〜図6を参照して、本発明の第1実施形態による実装機100により部品の実装が行われる際における制御装置13の制御フローについて説明する。
【0036】
まず、図5に示すように、ステップS1において、後述する吸着部品の決定処理(図6参照)が行われる。このステップS1においては、通常動作により吸着ヘッド3aに吸着させる部品の数および吸着位置(ブロック)が決定され、ステップS2に進む。そして、ステップS2において、トレイ10aの上記ステップS1において決定された吸着部品(ブロックA〜Fのうちの所定のブロックに配置された4個の部品)を4個の吸着ヘッド3aに同時に吸着させる処理(通常動作)が行われ、ステップS3に進む。
【0037】
次に、ステップS3において、吸着ヘッド3aが保持している部品を部品認識カメラ8に撮像させる処理が行われ、ステップS4に進む。そして、ステップS4において、部品認識カメラ8により撮像された部品の撮像データに基づいて、吸着ヘッド3aが保持している部品の中に不良な部品があるか否かが判断される。このステップS4において、吸着ヘッド3aが保持している部品の中に不良な部品がないと判断された場合には、ステップS5に進む。
【0038】
次に、ステップS5において、吸着ヘッド3aが保持している部品を基板50に実装する処理が行われ、ステップS6に進む。そして、ステップS6において、実装予定の部品が全て実装されたか否かが判断される。このステップS6において、実装予定の部品が全て実装されていないと判断された場合には、上記ステップS1に戻る。また、このステップS6において、実装予定の部品が全て実装されたと判断された場合には、処理を終了する。
【0039】
なお、上記ステップS4において、上記ステップS2において吸着された4個の部品の中に不良な部品があると判断された場合(リトライ動作が必要な場合)には、ステップS7に進む。そして、ステップS7において、吸着ヘッド3aが保持している4個の部品のうち、不良な部品と判定された部品以外の正常な部品を基板50に実装する処理が行われ、ステップS8に進む。そして、ステップS8において、不良な部品が回収ボックス(図示せず)に投入され、回収される。
【0040】
次に、ステップS9において、後述する吸着部品の決定処理(図6参照)が行われる。このステップS9においては、リトライ動作により吸着ヘッド3aに吸着させる部品の数および吸着位置が決定され、ステップS10に進む。そして、ステップS10において、上記ステップS9において決定された吸着部品(ブロックA〜Fのうちの所定のブロックに配置され、上記ステップS4において不良な部品であると判断された部品と同数の部品)を代替部品としてトレイ10aから吸着ヘッド3aに吸着させる処理(リトライ動作)が行われ、上記ステップS3に戻る。
【0041】
次に、図6を参照して、上記図5のステップS1およびS9において実行される吸着部品の決定処理の詳細について説明する。
【0042】
まず、図6に示すように、ステップS11において、吸着ヘッド3aが現在行っている動作がリトライ動作か否かが判断される。このステップS11において、吸着ヘッド3aが現在行っている動作が通常動作であると判断された場合(図5のステップS1の場合)には、ステップS12に進む。
【0043】
次に、ステップS12において、吸着ヘッド3aにより部品が吸着されていない未吸着のブロックがトレイ10a上にあるか否かが判断される。このステップS12において、吸着ヘッド3aにより部品が吸着されていない未吸着のブロックがトレイ10a上にないと判断された場合には、ステップS13に進む。そして、ステップS13において、パレット引き出し機構7bに新たなトレイ10a(パレット10)を供給させる処理が行われ、ステップS14に進む。
【0044】
なお、上記ステップS12において、吸着ヘッド3aにより部品が吸着されていない未吸着のブロックがトレイ10a上にあると判断された場合にも、ステップS14に進む。そして、ステップS14において、吸着ヘッド3aにより部品が吸着されていない未吸着のブロックのうちの最初のブロックに配置された4個の部品が吸着部品として選択され、処理を終了する。たとえば、図3に示すように、吸着ヘッド3aによりトレイ10a上の全てのブロック(ブロックA〜F)から部品が1つも吸着されていない場合には、ブロックA〜Fのうちの最初のブロックであるブロックAに配置された4個の部品が吸着部品として選択される。また、図4に示すように、前の吸着ヘッド3aの通常動作によりブロックAに配置された4個の部品が既に吸着されていた場合には、残りのブロックB〜Fのうちの最初のブロックであるブロックBに配置された4個の部品が吸着部品として選択される。このようにして、通常動作時の吸着ヘッド3aによる吸着対象となる部品の数(4個)および吸着位置(ブロック)が決定される。
【0045】
また、上記ステップS11において、吸着ヘッド3aが現在行っている動作がリトライ動作であると判断された場合(図5のステップS9の場合)には、ステップS15に進む。そして、ステップS15において、代替部品を吸着可能なブロックがあるか否かが判断される。具体的には、まず、トレイ10aに代替部品の吸着用のブロックが確保されているか否かが判断される。そして、トレイ10aに代替部品の吸着用のブロックが確保されている場合には、そのブロックに代替部品として吸着可能な部品があるか否かが判断される。
【0046】
ステップS15において、トレイ10aに代替部品の吸着用のブロックが確保されていないと判断された場合には、ステップS16に進む。そして、ステップS16において、吸着ヘッド3aにより部品が吸着されていない未吸着のブロックがトレイ10a上にあるか否かが判断される。このステップS16において、吸着ヘッド3aにより部品が吸着されていない未吸着のブロックがトレイ10a上にないと判断された場合には、ステップS17に進む。そして、ステップS17において、パレット引き出し機構7bに新たなトレイ10a(パレット10)を供給させる処理が行われ、ステップS18に進む。
【0047】
なお、上記ステップS16において、吸着ヘッド3aにより部品が吸着されていない未吸着のブロックがトレイ10a上にあると判断された場合にも、ステップS18に進む。そして、ステップS18において、吸着ヘッド3aにより部品が吸着されていない未吸着のブロックのうちの最終のブロックが選択され、ステップS19に進む。そして、ステップS19において、必要な数の部品(上記図5のステップS4において不良な部品と判断された部品と同数の部品)が吸着部品として選択され、処理を終了する。たとえば、図4に示すように、吸着ヘッド3aにより部品が吸着されていない未吸着のブロックとして5個のブロック(ブロックB〜F)がある場合には、その5個のブロック(ブロックB〜F)のうちの最終のブロック(ブロックF)が代替部品の吸着用のブロックとして選択される。そして、代替部品の吸着用のブロックとして選択されたブロックFに配置された4個の部品(部品F1、F2、F3およびF4)の中から必要な数の部品(上記図5のステップS4において不良な部品と判断された部品と同数の部品)が部品F4、F3、F2およびF1の順に吸着部品として選択される。
【0048】
また、上記ステップS15において、トレイ10aに代替部品の吸着用のブロックが確保されており、かつ、そのブロックに代替部品として吸着可能な部品があると判断された場合にも、上記ステップS19に進む。そして、上記のように、ステップS19において、必要な数の部品(上記図5のステップS4において不良な部品と判断された部品と同数の部品)が吸着部品として選択され、処理を終了する。たとえば、図4に示すように、トレイ10aに代替部品の吸着用のブロックとしてブロックFが確保されており、かつそのブロックに代替部品として吸着可能な部品が3個(部品F1〜F3)ある場合には、その3個の部品(部品F1〜F3)の中から必要な数の部品(上記図5のステップS4において不良な部品と判断された部品と同数の部品)が部品F3、F2およびF1の順に吸着部品として選択される。このようにして、リトライ動作時の吸着ヘッド3aによる吸着対象となる部品の数および吸着位置が決定される。
【0049】
第1実施形態では、上記のように、制御装置13は、トレイ10aから4個部品を吸着ヘッドに同時に吸着させる通常動作と、通常動作時に吸着ヘッド3aにより同時に吸着された4個の部品のうちの少なくとも1つの部品が基板50上に実装されない場合に、トレイ10aの所定のブロックから少なくとも1つの部品の代替部品を吸着ヘッド3aに吸着させるリトライ動作とを行うようにヘッドユニット3を制御するように構成されている。また、制御装置13は、リトライ動作を行った後で次の通常動作を行う際に、リトライ動作時に代替部品を吸着した所定のブロックとは異なるブロックに配置された4個の部品を吸着ヘッド3aに同時に吸着させるようにヘッドユニット3を制御するように構成されている。これにより、トレイ10aの所定のブロックから少なくとも1つの代替部品を吸着するリトライ動作が行われた場合でも、その代替部品を吸着した所定のブロックとは異なるブロックを、次に4個の部品を同時にまとめて吸着する通常動作を行うことが可能なブロックとしてトレイ10a上に確保することができる。その結果、4個の部品の吸着を2回以上に分けて行う必要がないので、トレイ10aに保持された部品を基板50上に実装する動作に要する合計時間が増加するのを抑制することができる。
【0050】
また、第1実施形態では、上記のように、制御装置13は、リトライ動作を行う際に、前のリトライ動作時に代替部品を吸着したブロックから優先的に代替部品を吸着ヘッド3aに吸着させるようにヘッドユニット3を制御するように構成されている。これにより、前のリトライ動作時に代替部品を吸着したブロックを代替部品吸着用のブロックとすることができるので、任意のブロックから代替部品を吸着する場合に比べて、より多くのブロックで通常動作による同時吸着を行うことができる。その結果、トレイ10a上の部品の吸着を効率的に行うことができる。
【0051】
また、第1実施形態では、上記のように、制御装置13は、リトライ動作を行う際に、通常動作時におけるブロック毎の吸着順序の最終のブロックに配置された部品を代替部品として吸着ヘッド3aに吸着させるようにヘッドユニット3を制御するように構成されている。これにより、リトライ動作を行うことによって通常動作による部品の同時吸着を行うことができないブロックが発生した場合にも、部品の吸着順序を最終のブロックの直前まで変更させずに済む。その結果、部品の実装動作時における制御処理が容易になるとともに、トレイ10a上の部品の吸着を効率的に行うことができる。
【0052】
また、第1実施形態では、上記のように、制御装置13は、リトライ動作を行う際に、通常動作時におけるブロック毎の吸着順序の最終のブロックに配置された部品を代替部品として吸着ヘッド3aに吸着させることができない場合に、最終のブロックから2番目のブロックに配置された部品を代替部品として吸着ヘッド3aに吸着させるようにヘッドユニット3を制御するように構成されている。これにより、リトライ動作が複数回行われた際に、その複数回のリトライ動作により通常動作による部品の同時吸着を行うことができないブロックが新たに発生した場合にも、部品の吸着順序を最終のブロックから2番目のブロックの直前まで変更させずに済む。その結果、部品の実装動作時における制御処理が容易になるとともに、トレイ10a上の部品の吸着を効率的に行うことができる。
【0053】
(第2実施形態)
次に、図1、図2および図7〜図9を参照して、本発明の第2実施形態による実装機200について説明する。この第2実施形態では、代替部品がトレイ10a上の未吸着のブロックのうちの最終のブロックから吸着される上記第1実施形態と異なり、代替部品がトレイ10a上の未吸着のブロックのうちの最初のブロックから吸着される例について説明する。
【0054】
第2実施形態による実装機200(図1参照)の動作を制御する制御装置23(図2参照)は、上記第1実施形態と同様に、吸着ヘッド3aに通常動作とリトライ動作とを行わせる制御を行うように構成されている。
【0055】
第2実施形態では、制御装置23は、通常動作時において、ブロックA、B、C、D、E、Fのそれぞれに含まれる4個の部品をこの順番で吸着ヘッド3aに同時に吸着させるようにヘッドユニット3を制御するように構成されている。また、第2実施形態では、制御装置23は、リトライ動作を行う際に、通常動作時において吸着ヘッド3aにより吸着された4個の部品が配置されていたブロックの次のブロックから代替部品を吸着ヘッド3aに吸着させるようにヘッドユニット3を制御するように構成されている。
【0056】
たとえば、図7に示すように、通常動作として4個の吸着ヘッド3aにより同時に吸着されたブロックAの4個の部品の中に不良な部品があった場合、リトライ動作として、ブロックAの次のブロックであるブロックBが代替部品の吸着用のブロックとして確保される。そして、そのブロックBに含まれる4個の部品(部品B1、B2、B3およびB4)の中から必要な数の部品(不良な部品と同数の部品)が代替部品として吸着ヘッド3aにより吸着される。この場合において、リトライ動作時に吸着ヘッド3aをY方向に移動させる距離が上記第1実施形態よりも小さくなるので、その分、トレイ10aに保持された部品を基板50上に実装する動作に要する合計時間が増加するのを抑制することが可能になる。
【0057】
なお、第2実施形態では、制御装置23は、リトライ動作時において、代替部品の吸着用として確保されたブロックに含まれる部品を、そのブロック内で最も矢印X1方向側に配置された部品から順に代替部品として吸着ヘッド3aに吸着させるようにヘッドユニット3を制御するように構成されている。たとえば、図7に示すように、ブロックBが代替部品の吸着用として確保されている場合、そのブロックB内で最も矢印X1方向側に配置された部品B1から順に代替部品として吸着ヘッド3aにより吸着される。
【0058】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0059】
次に、図7〜図9を参照して、本発明の第2実施形態による実装機200により部品の実装が行われる際における制御装置23の制御フローについて説明する。なお、第2実施形態の制御装置23により実行される図8のステップS22〜S28およびS30の各処理は、それぞれ、上記第1実施形態の制御装置13により実行される図5のステップS2〜S8およびS10の各処理と同様であるので、説明を省略する。
【0060】
以下、図9を参照して、図8のステップS21およびS28において実行される吸着部品の決定処理の詳細について説明する。なお、図9のステップS31〜S34の処理(図8のステップS21の処理)は、それぞれ、上記第1実施形態の図6のステップS11〜S14の処理(図5のステップS1の処理)と同様であるので、説明を省略する。
【0061】
図9に示すように、ステップS28(図8参照)における吸着部品の決定処理では、ステップS31において、吸着ヘッド3aが現在行っている動作がリトライ動作であると判断されることにより、ステップS35に進む。そして、ステップS35において、代替部品を吸着可能なブロックがあるか否かが判断される。具体的には、まず、トレイ10aに代替部品の吸着用のブロックが確保されているか否かが判断される。また、トレイ10aに代替部品の吸着用のブロックが確保されている場合には、そのブロックに代替部品として吸着可能な部品があるか否かが判断される。
【0062】
ステップS35において、トレイ10aに代替部品の吸着用のブロックが確保されていないと判断された場合には、ステップS36に進む。そして、ステップS36において、吸着ヘッド3aにより部品が吸着されていない未吸着のブロックがトレイ10a上にあるか否かが判断される。このステップS36において、吸着ヘッド3aにより部品が吸着されていない未吸着のブロックがトレイ10a上にないと判断された場合には、ステップS37に進む。そして、ステップS37において、パレット引き出し機構7bに新たなトレイ10aを供給させる処理が行われ、ステップS38に進む。
【0063】
なお、上記ステップS36において、吸着ヘッド3aにより部品が吸着されていない未吸着のブロックがトレイ10a上にあると判断された場合にも、ステップS38に進む。そして、ステップS38において、吸着ヘッド3aにより部品が吸着されていない未吸着のブロックのうちの最初のブロックが選択され、ステップS39に進む。そして、ステップS39において、必要な数の部品(図8のステップS24において不良な部品と判断された部品と同数の部品)が吸着部品として選択され、処理を終了する。たとえば、図7に示すように、吸着ヘッド3aにより部品が吸着されていない未吸着のブロックとして、ブロックB〜Fの5個のブロックがトレイ10a上にある場合には、その5個のブロック(ブロックB〜F)のうちの最初のブロック(ブロックB)が代替部品の吸着用のブロックとして選択される。そして、代替部品の吸着用のブロックとして選択されたブロックBに配置された4個の部品(部品B1〜B4)の中から必要な数の部品(図8のステップS24において不良な部品と判断された部品と同数の部品)が部品B1、B2、B3およびB4の順に吸着部品として選択される。
【0064】
また、上記ステップS35において、トレイ10aに代替部品の吸着用のブロックが確保されており、かつ、そのブロックに代替部品として吸着可能な部品があると判断された場合にも、上記ステップS39に進む。そして、上記のように、ステップS39において、必要な数の部品(図8のステップS24において不良な部品と判断された部品と同数の部品)が吸着部品として選択され、処理を終了する。たとえば、図7に示すように、トレイ10aに代替部品の吸着用のブロックとしてブロックBが確保されており、かつ、そのブロック(ブロックB)に代替部品として吸着可能な部品が3個(部品B2、B3およびB4)ある場合には、その3個の部品(部品B2〜B4)の中から必要な数の部品(図8のステップS24において不良な部品と判断された部品と同数の部品)が部品B2、B3およびB4の順に吸着部品として選択される。
【0065】
なお、第2実施形態の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0066】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0067】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、吸着ヘッドの数が4個であるとともに、トレイに保持された部品が24個である例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、吸着ヘッドが複数の部品を同時に吸着可能であれば、吸着ヘッドの数が3個以下であってもよいし、5個以上であってもよい。また、先端が分岐されることにより複数の吸着部(吸着ノズル)を有する1個の吸着ヘッドを用いてもよい。また、トレイに保持された部品が23個以下であってもよいし、25個以上であってもよい。
【0068】
また、上記第1および第2実施形態では、トレイ上でX方向に並んだ4個の部品を1つのブロックとする例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、吸着ヘッドによる同時吸着が可能であれば、どのような形態のブロックでもよい。たとえば、トレイ上でY方向に並んだ3個の部品を1つのブロックとしてもよい。
【0069】
また、上記第1および第2実施形態では、通常動作時において、ブロックA、B、C、D、EおよびFのそれぞれに含まれる4個の部品をこの順番で吸着ヘッドに同時吸着させる例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、ブロックA〜Fのそれぞれに含まれる4個の部品を上記以外の吸着順序で吸着ヘッドに同時吸着させてもよい。
【0070】
また、上記第1実施形態では、図4に示すように、リトライ動作時において、通常動作時における部品の吸着順序の最終のブロック(ブロックF)から順に代替部品を吸着する例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、図10に示す第1変形例のように、リトライ動作時において、ブロックEから順に代替部品を吸着するようにしてもよい。なお、第1変形例では、ブロックE内で最も矢印X1方向側に配置された部品E1から順に代替部品として吸着される。
【0071】
また、上記第1実施形態では、図4に示すように、1個のトレイ10aにおいて通常動作とリトライ動作とを行う例を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、図11に示す第2変形例のように、2個のトレイ10aにおいて通常動作とリトライ動作とを行うようにしてもよい。第2変形例では、吸着ヘッドは、通常動作時において、矢印Y1方向側に配置されたトレイ10aのブロックA、B、C、D、EおよびFからこの順番で部品の吸着を行った後、矢印Y2方向側に配置されたトレイ10aのブロックA、B、C、D、EおよびFからこの順番で部品の吸着を行う。また、第2変形例では、吸着ヘッドは、リトライ動作時において、矢印Y2方向側に配置されたトレイ10aのブロックF、E、D、C、BおよびAからこの順番で代替部品の吸着を行った後、矢印Y1方向側に配置されたトレイ10aのブロックF、E、D、C、BおよびAからこの順番で代替部品の吸着を行う。
【符号の説明】
【0072】
3 ヘッドユニット
3a 吸着ヘッド
10a トレイ
13、23 制御装置(制御部)
50 基板
100、200 実装機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1の数の部品を同時に吸着可能な吸着ヘッドを有するとともに、前記吸着ヘッドにより吸着された前記部品を基板上に実装するヘッドユニットと、
前記第1の数の整数倍の数の前記部品からなる行または列を有するマトリクス状に配置された複数の第2の数の部品を保持するトレイから、前記第1の数の部品からなるブロック毎に前記部品を前記吸着ヘッドに吸着させるように前記ヘッドユニットを制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記トレイから前記第1の数の部品を前記吸着ヘッドに同時に吸着させる通常動作と、前記通常動作時に前記吸着ヘッドにより同時に吸着された前記第1の数の部品のうちの少なくとも1つの部品が前記基板上に実装されない場合に、前記トレイの所定のブロックから前記少なくとも1つの部品の代替部品を前記吸着ヘッドに吸着させるリトライ動作とを行うとともに、前記リトライ動作を行った後で次の前記通常動作を行う際に、前記リトライ動作時に前記代替部品を吸着した前記所定のブロックとは異なるブロックに配置された前記第1の数の部品を前記吸着ヘッドに同時に吸着させるように前記ヘッドユニットを制御するように構成されている、実装機。
【請求項2】
前記制御部は、前記リトライ動作を行う際に、前の前記リトライ動作時に前記代替部品を吸着したブロックから優先的に前記代替部品を前記吸着ヘッドに吸着させるように前記ヘッドユニットを制御するように構成されている、請求項1に記載の実装機。
【請求項3】
前記制御部は、前記リトライ動作を行う際に、前記通常動作時におけるブロック毎の吸着順序の最終のブロックに配置された前記部品を前記代替部品として前記吸着ヘッドに吸着させるように前記ヘッドユニットを制御するように構成されている、請求項1または2に記載の実装機。
【請求項4】
前記制御部は、前記リトライ動作を行う際に、前記通常動作時におけるブロック毎の吸着順序の最終のブロックに配置された前記部品を前記代替部品として前記吸着ヘッドに吸着させることができない場合に、前記最終のブロックから2番目のブロックに配置された前記部品を前記代替部品として前記吸着ヘッドに吸着させるように前記ヘッドユニットを制御するように構成されている、請求項3に記載の実装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−119548(P2012−119548A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268956(P2010−268956)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】