説明

実質的に直線状のポリマーおよびその製造法

【課題】非環式脂肪族オレフィン由来の単位および極性モノマー由来の単位を含有するコポリマーの製造方法を提供する。
【解決手段】ニッケルもしくはパラジウムを金属中心とする化合物と、リン、ヒ素、窒素もしくはアンチモンを含有する有機化合物が錯体を形成した後期遷移金属触媒錯体を使用し、エチレンに代表される非環式脂肪族オレフィン由来の単位および極性モノマー由来の単位を含有するコポリマーおよびターポリマーの製造法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米国標準技術局(NIST)により授与されたATP賞No.70NANB4H3014のもと、米国政府の支援を受けてなされた。米国政府は本発明において特定の権利を有する。
【0002】
本出願は、米国仮特許出願番号60/712866号(2005年8月31日提出)の権利を主張する。
【0003】
本発明は、特に非環式脂肪族オレフィンおよび極性モノマーを含有するコポリマーおよびターポリマーに関する。本発明はさらに、かかるコポリマーおよびターポリマーの製造法にも関する。
【背景技術】
【0004】
エチレンを極性モノマー、例えば、アクリレート、メタクリレート、および酢酸ビニルと共重合させる商業的方法は、極性官能基の組み込みが比較的ランダムであるフリーラジカル法を採用する。アクリルポリマー市場全体にわたるフリーラジカル開始剤の使用は、ポリマー構造(立体規則性または結晶性、ブロック性(blockiness)、分子量、および分子量分布)をほとんどまたは全く制御せず、従って、物質性能特性の利用可能な範囲を制限する。これらのフリーラジカル法は、極端な圧力を必要とし、高い資本投資および製造コストを伴い、もちろん、安全上の問題も増す。
【0005】
非環式脂肪族オレフィンを極性モノマーと、穏やかな反応条件下で、立体規則性のある(タクチックな)様式で共重合させることができる新規分子触媒が必要とされる。利用可能なポリマーの性質を変更するための多くの方法のうち、他の非極性物質への官能基の組み込むことが最高に重要である。極性基は、重要なポリマーの性質、例えば、靱性、接着性、バリア特性、および表面特性を制御する。これらのポリマー特性は、ポリマーを組み込む物質の特性、例えば、溶媒耐性、他のポリマーとの混和性、およびレオロジー特性で明らかになり、これは生成物の性能、例えば、塗布適性、印刷適性、光沢、硬度、および傷抵抗につながる。極性基を炭化水素ポリマー、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリスチレン中に組み込むことにより、結晶性に関連する重要な性質(弾性率、強度、溶媒耐性など)が維持されるだけでなく、新しい性質も発現される。
【0006】
コポリマーを製造するための一方法は、米国特許第6,417,303号(Stibranyら)に開示されている。Stibranyらは、式LMX(式中、Lは2個より多い窒素を有する2座配位窒素含有リガンドであり;Mは銅、銀または金であり;XおよびXは独立して、ハロゲン、ヒドリド、トリフレート、アセテート、トリフルオロアセテート、パーフルオロテトラフェニルボレート、テトラフルオロボレート、C−C12アルキル、C−C12アルコキシ、C−C12シクロアルキル、C−C12シクロアルコキシ、アリール、およびその中にモノマーを挿入できる任意の他の部分からなる群から選択される)を有する金属錯体を用いて形成されるコポリマーを開示している。Stibranyらはさらに、コポリマーが、オレフィンモノマーおよび少なくとも1つのヒドロカルビル極性官能基を有するモノマーから形成されるセグメントを有し得ることも開示している。しかしながら、Stibranyらにより製造されたコポリマーは、低い数平均分子量(すなわち、≦26200)を有するものであった。
【0007】
コポリマーを製造するための別の方法は、欧州特許番号EP0589527(Drentら)に開示されている。Drentらは、3未満のpKaを有する酸から誘導されるアニオンと錯体形成したパラジウム金属中心を含み、元素の周期律表のVA族の原子を含有するパラジウム触媒錯体群を開示し、ここにおいて、VA族原子は少なくとも1個のアリール基で置換され、前記アリール基はオルト位で極性基で置換されている。Drentらはさらに、欧州特許番号EP0589527において開示されているパラジウム触媒錯体を用いて調製されたエチレンのアクリレートまたは酢酸ビニルとのコポリマーを開示している。しかしながら、Drentらにより製造されたコポリマーは低い数平均分子量(すなわち、≦21100)を有するものであった(Drentら、Palladium catalysed copolymerization of ethene with alkylacrylates;polar comonomer built into the linear polymer chain,CHEM.COMMUN.,pp.744−745(2002)参照)。
【0008】
ポリマー鎖が長くなるにつれ、ポリマーの強度はある点まで増大する。すなわち、ポリマー鎖が「エンタングルメント分子量(entanglement molecular weight)」と呼ばれるある長さに達した後は、さらに鎖を伸長することによりポリマーの強度はほとんど影響を受けない。これは、絡まった鎖を想像することにより理解できる。鎖が長くなるにつれ、その絡み合いは増大する。ある長さでそれらは非常に強力に絡み合い、鎖のすべりよりも、鎖の中で破損が起こるので、さらなる絡み合いが系に有意な強度を加えない。エンタングルメント分子量未満では、ポリマーは十分な鎖の絡み合いが不足しているために低い強度を示す場合がある。
【特許文献1】米国特許第6,417,303号明細書
【特許文献2】欧州特許番号EP0589527号明細書
【非特許文献1】Drentら、Palladium catalysed copolymerization of ethylene with alkylacrylates;polar comonomer built into the linear polymer chain,CHEM.COMMUN.,pp.744−745(2002)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、非環式脂肪族オレフィンおよび極性モノマー由来の実質的に直線状のコポリマーおよびその製造法が必要とされている。非環式脂肪族オレフィンおよび極性モノマー由来の実質的に直線状のコポリマーを製造する方法も必要とされ、ここにおいて、コポリマーは高い分子量を示し、高い強度特性を有する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様において、コポリマーを製造する方法であって、少なくとも1つの非環式脂肪族オレフィンモノマー、式:
【0011】
【化1】

【0012】
を有する少なくとも1つのモノマー、および少なくとも1つのリガンドと錯体形成した金属中心Mを含む触媒組成物を接触させることを含むコポリマーの製造方法が提供され、ここにおいて、少なくとも1つのリガンドは次式:
【0013】
【化2】

【0014】
の構造を有し、
式中、Zは、ハロゲン、−CN、芳香族ヒドロカルビル基、−COY、および−COYから選択され;Yは水素およびR19から選択され;R19はヒドロカルビル基、芳香族ヒドロカルビル基およびそれらの誘導体から選択され;Jは、水素および30個までの炭素を有する脂肪族ヒドロカルビル基から選択され;MはNiおよびPdから選択され;X、XおよびXは独立して、ヒドロカルビル基、芳香族ヒドロカルビル基およびそれらの誘導体から選択され;Qは、リン、ヒ素、窒素およびアンチモンから選択され;R15は、−SO、−SON(R18)、−CO、−PO、−AsO、−SiO、−C(CFOから選択され;R18は、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル基、芳香族ヒドロカルビル基および置換ヒドロカルビル基から選択され;コポリマーは、≧21200の数平均分子量を有し、コポリマーは1〜99.9モル%の非環式脂肪族オレフィンモノマー単位を含む。
【0015】
本発明のもう一つ別の態様において、ターポリマーの製造方法であって、少なくとも1つの非環式脂肪族オレフィンモノマー、少なくとも1つのノルボルネンまたは置換ノルボルネンモノマー、式:
【0016】
【化3】

【0017】
を有する少なくとも1つのモノマー、および少なくとも1つのリガンドと錯体形成した金属中心Mを含む触媒組成物を接触させることを含む方法が提供され、ここにおいて、少なくとも1つのリガンドは次式:
【0018】
【化4】

【0019】
の構造を有し、
式中、Zは、ハロゲン、−CN、芳香族ヒドロカルビル基、−COY、および−COYから選択され;Yは水素およびR19から選択され;R19はヒドロカルビル基、芳香族ヒドロカルビル基およびそれらの誘導体から選択され;Jは、水素および30個までの炭素を有する脂肪族ヒドロカルビル基から選択され;MはNiおよびPdから選択され;X、XおよびXは独立して、ヒドロカルビル基、芳香族ヒドロカルビル基およびそれらの誘導体から選択され;Qは、リン、ヒ素、窒素およびアンチモンから選択され;R15は、−SO、−SON(R18)、−CO、−PO、−AsO、−SiO、−C(CFOから選択され;R18は、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル基、芳香族ヒドロカルビル基および置換ヒドロカルビル基から選択され;ターポリマーは0.1〜50モル%のノルボルネンまたは置換ノルボルネンモノマー由来の単位を含む。
【0020】
本発明のもう一つ別の態様において、パラジウムで触媒される重合から得られるコポリマーであって、式:
【0021】
【化5】

【0022】
(式中、Aは非環式脂肪族オレフィンモノマーから誘導され;R21は、HおよびCHから選択され;Gは−OR22および−COOR22(R22はC1−24アルキル基である)から選択される)を含むポリマー鎖を有し、≧26500の数平均分子量を有し、かつfは0.001〜0.99であるコポリマーが提供される。
【0023】
本発明のもう一つ別の態様において、後期遷移金属で触媒される重合から得られるターポリマーであって、式:
【0024】
【化6】

【0025】
(式中、Aは非環式脂肪族オレフィンモノマーから誘導され;R21は、HおよびCHから選択され;Gは−OR22および−COOR22(R22はC1−24アルキル基である)から選択され;Eはノルボルネン、置換ノルボルネン、スチレンまたはスチレンの誘導体から誘導され;fは0.001〜0.99であり;かつeは0.001〜0.5である)を含むポリマー鎖を有するターポリマーが提供される。
【0026】
本明細書および添付の請求の範囲において用いられる「コポリマー」なる用語は、少なくとも2つの異なるモノマーから製造されるポリマーを指す。
【0027】
本明細書および添付の請求の範囲において用いられる「ターポリマー」なる用語は、少なくとも3つの異なるモノマーから製造されるポリマーを指す。
【0028】
本発明のいくつかの態様において、Zは、ハロゲン、−CN、芳香族ヒドロカルビル基、−COYおよび−COYから選択され;ここにおいて、Yは水素およびR19から選択され;R19はヒドロカルビル基、芳香族ヒドロカルビル基およびそれらの誘導体から選択される。これらの具体例のいくつかの態様において、R19は30個までの炭素原子を有する脂肪族ヒドロカルビル基および30個までの炭素原子を有する芳香族ヒドロカルビル基から選択される。これらの具体例のいくつかの態様において、R19はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、フェニル基、ビフェニル基、カルボキシレート基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基、シリル基、およびそれらの誘導体から選択される。これらの具体例のいくつかの態様において、R19は、C−C20アルキル基、C−C20シクロアルキル基、C−C20アルケニル基、C−C20アルキニル基、アリール基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、フェニル基、ビフェニル基、C−C20カルボキシレート基、C−C20アルコキシ基、C−C20アルケニルオキシ基、C−C20アルキニルオキシ基、アリールオキシ基、C−C20アルコキシカルボニル基、C−C20アルキルチオ基、C−C20アルキルスルホニル基、C−C20アルキルスルフィニル基、シリル基、およびそれらの誘導体から選択される。
【0029】
本発明のいくつかの具体例において、Jは、水素および30個までの炭素を有する脂肪族ヒドロカルビル基から選択される。これらの具体例のいくつかの態様において、Jは水素およびC−C脂肪族ヒドロカルビル基から選択される。
【0030】
本発明のいくつかの態様において、MはNiおよびPdから選択される。これらの具体例のいくつかの態様において、MはNiである。これらの具体例のいくつかの態様において、MはPdである。
【0031】
本発明のいくつかの具体例において、Qはリン、ヒ素およびアンチモンから選択される。これらの具体例のいくつかの態様において、Qはリンおよびヒ素から選択される。これらの具体例のいくつかの態様において、Qはリンである。
【0032】
本発明のいくつかの具体例において、R15は、−SO、−SON(R18)、−CO、−PO、−AsO、−SiO、−C(CFOから選択される。あるいは、これらのいくつかの態様において、R15は、−SOおよび−SON(R18)から選択される。これらの具体例のいくつかの態様において、R15は−SOである。これらの具体例のいくつかの態様において、R18は、水素;ハロゲン;ヒドロカルビル基および置換ヒドロカルビル基から選択される。これらの具体例のいくつかの態様において、R18は、水素;ハロゲン;および、C−C20アルキル、C−C20シクロアルキル、C−C20アルケニル、C−C20アルキニル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、フェニル、ビフェニル、C−C20カルボキシレート、C−C20アルコキシ、C−C20アルケニルオキシ、C−C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C−C20アルコキシカルボニル、C−C20アルキルチオ、C−C20アルキルスルホニル、C−C20アルキルスルフィニル、およびシリルから選択される、置換されたまたは置換されていない置換基から選択される。これらの具体例のいくつかの態様において、R18は、メチル基およびハロゲン化メチル基から選択される。
【0033】
本発明のいくつかの具体例において、X、XおよびXは全て異なっている。
【0034】
本発明のいくつかの具体例において、XおよびXは同じである。
【0035】
本発明のいくつかの具体例において、X、XおよびXは独立して、脂肪族ヒドロカルビル基および芳香族ヒドロカルビル基から選択される。これらの
具体例のいくつかの態様において、X、XおよびXは独立して、30個までの炭素原子を有する脂肪族ヒドロカルビル基および芳香族ヒドロカルビル基から選択される。これらの具体例のいくつかの態様において、X、XおよびXは独立して、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、フェニル、ビフェニル、カルボキシレート、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アリールオキシ、アルコキシカルボニル、アルキルチオ、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、シリル、およびそれらの誘導体から選択される。これらの具体例のいくつかの態様において、X、XおよびXは独立して、C−C20アルキル、C−C20シクロアルキル、C−C20アルケニル、C−C20アルキニル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、フェニル、ビフェニル、C−C20カルボキシレート、C−C20アルコキシ、C−C20アルケニルオキシ、C−C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C−C20アルコキシカルボニル、C−C20アルキルチオ、C−C20アルキルスルホニル、C−C20アルキルスルフィニル、シリル、およびそれらの誘導体から選択される。
【0036】
本発明のいくつかの具体例において、XおよびXは独立して、オルト置換フェニルを有するアリール基から選択される。これらの具体例のいくつかの態様において、XおよびXは独立して、オルト置換された、置換フェニルを有するアリール基から選択される。これらの具体例のいくつかの態様において、XおよびXは独立して、式2,6−R1617−フェニル(式中、R16およびR17は独立して、C−C20アルキル、C−C20シクロアルキル、C−C20アルケニル、C−C20アルキニル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、フェニル、ビフェニル、C−C20カルボキシレート、C−C20アルコキシ、C−C20アルケニルオキシ、C−C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C−C20アルコキシカルボニル、C−C20アルキルチオ、C−C20アルキルスルホニル、C−C20アルキルスルフィニル、シリル、およびそれらの誘導体から選択される)を有するオルト置換された、置換フェニルを有するアリール基から選択される。これらの具体例のいくつかの態様において、XおよびXはオルト置換2,6−ジメトキシフェニルを有するアリール基である。
【0037】
本発明のいくつかの具体例において、構造:
【0038】
【化7】

【0039】
を有する少なくとも1つのリガンドは、式:
【0040】
【化8】

【0041】
(式中、R〜R14は独立して、水素;ハロゲン;およびC−C20アルキル、C−C20シクロアルキル、C−C20アルケニル、C−C20アルキニル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、フェニル、ビフェニル、C−C20カルボキシレート、C−C20アルコキシ、C−C20アルケニルオキシ、C−C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C−C20アルコキシカルボニル、C−C20アルキルチオ、C−C20アルキルスルホニル、C−C20アルキルスルフィニル、シリル、およびそれらの誘導体から選択される置換基から選択され;R15は、−SO、−SON(R18)、−CO、−PO、−AsO、−SiO、−C(CFOから選択されるか;あるいは、R15は、−SOおよび−SON(R18)から選択されるか;あるいはR15は−SOであるか;あるいはR15は−SON(R18)であり;R18は、水素;ハロゲン;および、C−C20アルキル、C−C20シクロアルキル、C−C20アルケニル、C−C20アルキニル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、フェニル、ビフェニル、C−C20カルボキシレート、C−C20アルコキシ、C−C20アルケニルオキシ、C−C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C−C20アルコキシカルボニル、C−C20アルキルチオ、C−C20アルキルスルホニル、C−C20アルキルスルフィニル、シリル、およびそれらの誘導体から選択される、置換されたまたは置換されていない置換基から選択される)のものである。
【0042】
本発明のいくつかの具体例において、R、R、RおよびR10のいずれも、CH、CF、F、SMe、ビフェニルおよびフェノキシから選択されない。
【0043】
本発明のいくつかの具体例において、R〜Rから選択される2以上の隣接するR基は結合して、置換または非置換、飽和または不飽和環構造を形成することができる。
【0044】
本発明のいくつかの具体例において、R〜R10から選択される2以上の隣接するR基は結合して、置換または非置換、飽和または不飽和環構造を形成することができる。
【0045】
本発明のいくつかの具体例において、R11〜R14から選択される2以上の隣接するR基は結合して、置換または非置換、飽和または不飽和環構造を形成することができる。
【0046】
本発明のいくつかの具体例において、R、R、RおよびR10の少なくとも1つは、フェニルおよびそれらの誘導体から選択することができる。これらの具体例のいくつかの態様において、R、R、RおよびR10の少なくとも1つはオルト置換フェニルである。これらの具体例のいくつかの具体例において、オルト置換フェニルは、2,6−R1617−フェニル(式中、R16およびR17は独立して、水素、ハロゲン、C−C20アルキル、C−C20シクロアルキル、C−C20アルケニル、C−C20アルキニル、アリール、アリールアルキル、アルキルアリール、フェニル、ビフェニル、C−C20カルボキシレート、C−C20アルコキシ、C−C20アルケニルオキシ、C−C20アルキニルオキシ、アリールオキシ、C−C20アルコキシカルボニル、C−C20アルキルチオ、C−C20アルキルスルホニル、C−C20アルキルスルフィニル、シリル、およびそれらの誘導体から選択される)である。これらの具体例のいくつかの態様において、前記基の誘導体には、直鎖または分岐C−Cアルキル、直鎖または分岐C−Cハロアルキル、直鎖または分岐C−Cアルケニルおよびハロアルケニル、ハロゲン、硫黄、酸素、窒素、リンおよびフェニル(任意に、直鎖または分岐C−Cアルキル、直鎖または分岐C−Cハロアルキルおよびハロゲンで、任意に、置換されていてもよい)から選択されるヒドロカルビルおよび/またはヘテロ原子置換基で置換されていてもよい基が含まれうる。これらの具体例のいくつかの態様において、シクロアルキルおよびシクロアルケニル基は、単環式または多環式であってよい。これらの具体例のいくつかの態様において、アリール基は、単環(例えば、フェニル)または縮合環系(例えば、ナフチル、アントラセニル)を含むことができる。これらの具体例のいくつかの態様において、シクロアルキル、シクロアルケニルおよびアリール基は一緒になって、縮合環系を形成することができる。これらの具体例のいくつかの態様において、単環および多環系のそれぞれは、任意に、水素、直鎖および分岐C−Cアルキル、直鎖および分岐C−Cハロアルキル、直鎖および分岐C−Cアルコキシ、塩素、フッ素、ヨウ素、臭素、C−C10シクロアルキル、C−C15シクロアルケニルおよびC−C30アリールから独立して選択される置換基で一置換または多置換されていてもよい。
【0047】
本発明のいくつかの具体例において、R、R、RおよびR10の少なくとも1つは2,6−ジメトキシフェニルである。
【0048】
本発明のいくつかの具体例において、構造:
【0049】
【化9】

【0050】
を有するリガンドは、表1に示される構造I〜XVから選択される。これらの具体例のいくつかの態様において、リガンドは、構造I、XI、およびXIVから選択される。これらの具体例のいくつかの態様において、リガンドは、構造IおよびXIVから選択される。これらの具体例のいくつかの態様において、リガンドは構造Iである。これらの具体例のいくつかの態様において、リガンドは構造XIVである。
【0051】
本発明のいくつかの具体例において、触媒組成物は:金属Mの供給源;および次式[XQ−X−R15[L](式中、各Lは独立して、水素、リチウム、ナトリウム、カリウム、タリウム、カルシウムおよび銀から選択され;あるいは各Lはリチウムであり;mおよびnは電荷のバランスをとるように選択される)の化合物を組み合わせることを含む方法により形成される。
【0052】
本発明のいくつかの具体例において、式:
【0053】
【化10】

【0054】
を有する少なくとも1つのモノマーは、C−C10アルキル(メタ)アクリレート、スチレン、およびそれらの誘導体から選択される。
【0055】
本発明のいくつかの具体例において、少なくとも1つの非環式脂肪族オレフィンはC−C20非環式脂肪族オレフィンである。これらの具体例のいくつかの態様において、少なくとも1つの非環式脂肪族オレフィンはエチレンである。
【0056】
本発明のいくつかの具体例において、コポリマーは1〜99.9モル%の非環式脂肪族オレフィンモノマー由来の単位を含有する。これらの具体例のいくつかの態様において、コポリマーは5〜99.5モル%の非環式脂肪族オレフィンモノマー由来の単位を含有する。これらの具体例のいくつかの態様において、コポリマーは10〜95モル%の非環式脂肪族オレフィンモノマー由来の単位を含有する。これらの具体例のいくつかの態様において、コポリマーは1〜70モル%の非環式脂肪族オレフィンモノマー由来の単位を含有する。これらの具体例のいくつかの態様において、コポリマーは2〜50モル%の非環式脂肪族オレフィンモノマー由来の単位を含有する。これらの具体例のいくつかの態様において、コポリマーは20〜85モル%の非環式脂肪族オレフィンモノマー由来の単位を含有する。
【0057】
本発明のいくつかの具体例において、コポリマーはランダムコポリマーである。
【0058】
本発明のいくつかの具体例において、コポリマーは実質的に直線状である。すなわち、本発明のいくつかの具体例において、非環式脂肪族オレフィンモノマー単位由来のコポリマーの部分は、炭素原子1000個あたり15以下の分岐の分岐含量を有するか;あるいは炭素原子1000個あたり0.5から15の間の分岐を含有するか;あるいは炭素原子1000個あたり10以下の分岐を含有するか;あるいは炭素原子1000個あたり5以下の分岐を含有する。これらの具体例のいくつかの態様において、分岐は少なくとも2個の炭素原子を含有する。コポリマーの分岐含量は、炭素13NMRおよびコポリマーの融点温度により決定される。
【0059】
本発明のいくつかの態様において、重合温度は0〜200℃である。これらの具体例のいくつかの態様において、重合温度は10〜180℃である。これらの具体例のいくつかの態様において、重合温度は30〜150℃である。これらの具体例のいくつかの態様において、重合温度は60〜120℃である。
【0060】
本発明のいくつかの具体例において、少なくとも1つの非環式脂肪族オレフィンモノマー、式:
【0061】
【化11】

【0062】
を有する少なくとも1つのモノマー、および金属中心Mを含む触媒組成物を少なくとも1つのリガンドと接触させることを含むコポリマーの製造方法(ここにおいて、少なくとも1つのリガンドは次式:
【0063】
【化12】

【0064】
の構造を有する)は、21200以上;あるいは22000以上;あるいは24000以上;あるいは25000以上;あるいは30000以上;あるいは40000以上;あるいは50000以上:あるいは70000以上;あるいは95000以上;あるいは100000以上;あるいは150000以上;あるいは200000以上;あるいは250000以上;あるいは300000以上;あるいは350000以上;あるいは400000以上;あるいは450000以上;あるいは500000以上;あるいは550000以上;あるいは600000以上;あるいは650000以上;あるいは700000以上;あるいは750000以上;あるいは800000以上;あるいは850000以上;あるいは900000以上;あるいは950000以上;あるいは1000000以上の数平均分子量Mnを有するコポリマーを提供する。これらの具体例のいくつかの態様において、コポリマーは24000〜5000000:あるいは25000〜5000000;あるいは40000〜5000000;あるいは50000〜5000000;あるいは70000〜5000000;あるいは95000〜5000000;あるいは100000〜5000000;あるいは150000〜2000000;あるいは100000〜1000000;あるいは100000〜800000;あるいは250000〜500000の数平均分子量Mnを有する。
【0065】
本発明のいくつかの具体例において、コポリマーは、式:
【0066】
【化13】

【0067】
のポリマー鎖を有し、式中、Aは非環式脂肪族オレフィンモノマーから誘導され;R21は、HおよびCHから選択され;Gは、−OR22および−COOR22(式中、R22はC−C24アルキル基である)から選択され;fは0.001〜0.99であり;コポリマーは、26500以上の数平均分子量Mnを有する。これらの具体例のいくつかの態様において、fは0.005〜0.95である。これらの具体例のいくつかの態様において、fは0.05〜0.90である。これらの具体例のいくつかの態様において、fは0.3〜0.99である。これらの具体例のいくつかの態様において、fは0.5〜0.98である。これらの具体例のいくつかの態様において、fは0.15〜0.8である。これらの具体例のいくつかの態様において、コポリマーは30000以上;あるいは40000以上;あるいは50000以上;あるいは70000以上;あるいは95000以上;あるいは100000以上;あるいは150000以上;あるいは170000以上;あるいは200000以上;あるいは250000以上;あるいは300000以上;あるいは350000以上;あるいは400000以上;あるいは450000以上;あるいは500000以上;あるいは550000以上;あるいは600000以上;あるいは650000以上;あるいは700000以上;あるいは750000以上;あるいは800000以上;あるいは850000以上;あるいは900000以上;あるいは950000以上;あるいは1000000以上の数平均分子量Mnを有する。これらの具体例のいくつかの態様において、コポリマーは265000〜5000000;あるいは40000〜5000000;あるいは50000〜5000000;あるいは70000〜5000000;あるいは95000〜5000000;あるいは100000〜5000000;あるいは150000〜2000000;あるいは100000〜1000000;あるいは100000〜800000;あるいは250000〜500000の数平均分子量Mnを有する。
【0068】
本発明のいくつかの具体例において、ターポリマーは、式:
【化14】

【0069】
のポリマー鎖を有し、式中、Aは非環式脂肪族オレフィンモノマーから誘導され;R21は、HおよびCHから選択され;Gは、−OR22および−COOR22(式中、R22はC−C24アルキル基である)から選択され;Eはノルボルネン、置換ノルボルネン、スチレンおよびスチレン誘導体から選択され;fは0.001〜0.99であり;eは0.001〜0.5である。これらの具体例のいくつかの態様において、fは0.005〜0.95であるか、あるいはfは0.05〜0.90であるか、あるいはfは0.3〜0.99、あるいはfは0.5〜0.98であるか、あるいはfは0.15〜0.8である。これらの具体例のいくつかの態様において、eは0.01〜0.25であるか、あるいはeは0.01〜0.1である。
【0070】
本発明のいくつかの具体例を次の実施例において詳細に説明する。実施例において記載される全ての分率および百分率は、他に特に記載しない限り重量基準である。表1に示す化学構造は、例えば、Brownら、Organic Chemistry,Brooks−Cole、第4版、2004年に記載されるような分子のルイス構造を描くための一般則に従って描いた。
【実施例】
【0071】
(実施例1〜16)
リガンド合成
以下に示す一般的手順に従い、表1に示される量で、表1において特定される成分Aおよび成分Bを用いて、表1に記載する生成物固体が、それぞれ実施例1〜15の報告された収量で調製された。
【0072】
真空下に置かれ、窒素で詰め替えられ、60mLのテトラヒドロフラン(THF)を入れた100mLフラスコ(フラスコA)に、成分Aを添加した。フラスコAを次いで氷浴中に置き、0℃に冷却した。10.1mLの2.5モル濃度のn−BuLiを次に注入した。フラスコAを次いでドライアイス/アセトン浴中に置き、約−78℃に冷却した。
【0073】
別の500mLのSchlenkフラスコ(フラスコB)を真空下に置いた。フラスコBを窒素でパージし、〜50mLのTHFを装入した。ブラスコBを次いでドライアイス/アセトン浴中に置き、約−78℃に冷却した。1.10mLのPClを次いで撹拌しながらフラスコBに添加した。激しく撹拌しながら、カニューレを用いてフラスコAの内容物を次いでフラスコBにゆっくりと移した。
【0074】
別の100mLフラスコ(フラスコC)をパージし、窒素を充填した。フラスコCに次いで〜60mLのTHFおよび成分Bを装入した。フラスコCを次いでドライアイス/アセトン浴中に置き、撹拌しながら約−78℃に冷却した。10.1mLの2.5モル濃度n−BuLiをフラスコCに添加し、約15分間反応させた。引き続き激しく撹拌しながら、カニューレを用い、フラスコCの内容物を次いで−78℃に維持されたフラスコBに移した。フラスコCの内容物をフラスコB中に完全に添加した後、フラスコBを約30分間室温に上昇させた。次いで、フラスコBの内容物を500mLのリカバリーフラスコ(フラスコD)中に注ぎ、THFを除去すると、固体が残った。フラスコD中の固体を次いで蒸留水と混合し、分離フラスコ(フラスコE)に移した。100mLのCHClをフラスコEの内容物に添加した。フラスコEを振盪して、2層を混合した。約5mLの濃HClをフラスコEに添加した。フラスコEを再度振盪した。フラスコE中の混合物を次いで安静にし、2層、すなわち、底部に有機相および上部に水性相が形成された。有機層を集めた。水性相を50mLのCHClで洗浄した。有機洗浄物質を集め、先に集められた有機層物質に添加した。合せた有機物質を次いでMgSOと接触させ、蒸発乾固させると、固体が残った。次いで、固体をまずジエチルエーテル、次いでTHFで洗浄して、不純物を除去した。洗浄された生成物固体を濾過により集めると、表1に示す収量であった。
【0075】
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【0076】
(実施例16)
構造VIのリガンドのカリウム塩の合成
実施例6に従って調製された生成物固体(すなわちリガンド構造VI)の0.45g(0.81ミリモル)サンプルを、激しく撹拌しながら反応フラスコ中50mLのTHFに添加して、リガンド溶液を形成した。別の容器中で、0.10g(0.88ミリモル)のカリウムtert−ブトキシドを20mlのTHF中に溶解させた。得られたカリウムtert−ブトキシド溶液を次いで反応フラスコの内容物に撹拌しながら滴下した。カリウムtert−ブトキシド溶液の添加後、THF溶媒の一部を真空抽出することにより反応フラスコの内容物を減じ、約25mLの生成物溶液が反応フラスコ中に残った。20mLのペンタンを添加することにより、リガンドのカリウム塩を次いで残存する生成物溶液から沈殿させた。沈殿したリガンドのカリウム塩を、微細多孔性フリットを通して濾過することにより回収し、ペンタンで洗浄した(3×20mL)。リガンドのカリウム塩を次いで真空に付して、残存する揮発性物質を除去し、0.40gの暗橙色生成物粉末(0.67ミリモル、83%)が残った。
【0077】
(実施例17)
構造VIIのリガンドの銀塩の合成
実施例7に従って調製した0.75g(1.43ミリモル)の生成物固体(リガンド構造VII)のサンプルを、激しく撹拌しながら、反応フラスコ中50mLのメタノールに添加した。別の容器中、0.23g(1.36ミリモル)の硝酸銀を50mLの脱イオン水中に溶解させた。得られた硝酸銀溶液を次いで、激しく撹拌しながら反応フラスコの内容物に滴下した。反応フラスコの内容物の撹拌は、硝酸銀溶液の添加後20分間続けた。溶媒の一部の真空抽出により、反応フラスコの内容物を次いで減じ、約50mLが残り、灰色沈殿が形成された。微細多孔質フリットを通して濾過することにより沈殿を回収し、水で洗浄した(2×20mL)。リガンドの銀塩を次いで減圧下で乾燥し、暗灰色生成物粉末(0.35g、0.62ミリモル、44%)が残った。
【0078】
(実施例18〜31)
遷移金属触媒錯体の調製
表2に特定された成分Aのサンプルを、撹拌しながら反応フラスコ中、30mLのテトラヒドロフランに添加した。反応フラスコの内容物を、引き続き撹拌しながら、表2において特定された成分Bに添加した。反応フラスコの内容物を次いで30分間撹拌した後、表2において特定された成分Cを添加した。反応フラスコの内容物を次いで真空下で減じ、ペンタンを沈殿に添加して、生成物触媒錯体を沈殿させた。生成物触媒錯体を、微細多孔質フリットを通して濾過することにより集め、ペンタンで洗浄した(2×20mL)。生成物触媒錯体を次いで真空に付して、残存する揮発性物質を除去し、表2に特定される生成物収量が残った。
【0079】
【表5】

【表6】

【0080】
(実施例32)
遷移金属触媒錯体の調製&Heckカップリング
反応フラスコに、0.02g(30マイクロモル)の酢酸パラジウムおよび実施例13に従って調製した0.025g(70マイクロモル)の生成物固体(すなわちリガンド構造XIII)を添加した。内容物を1.5mLのベンゼン中に溶解させた。ブロモベンゼン(50μL、0.21ミリモル)およびメチルアクリレート(50μL、0.58ミリモル)を反応フラスコに添加し、続いて過剰の酢酸ナトリウムを添加した。反応を24時間加熱した。試薬を限定することに基づいて、3−フェニル−アクリル酸メチルエステルへの転化率は30%と決定された。
【0081】
(実施例33)
触媒調製/重合
グローブボックス中、撹拌棒を備えた8mLのセラムバイアルに、パラジウムビス(ジベンジリデンアセトン)(41.1mg、72.0マイクロモル);実施例9に従って調製された生成物固体(すなわち、リガンド構造IX)(45.0mg、86.4μモル)およびトルエン(4.5mL)を添加した。セラムバイアルの内容物を10分間撹拌し、赤/褐色混合物(すなわち、触媒錯体)を得た。
【0082】
グローブボックス中のリアクターセルに、メチルアクリレート(1.0mL、11.1ミリモル)を添加し、続いてトルエン(4.0mL)を添加した。リアクターを次いで撹拌しながら100℃に加熱した。リアクターセルを次にエチレンガスで400psigに加圧した。平衡化後、前記の触媒錯体のサンプル(0.5mL、8マイクロモルPd)をリアクターセル中に注入し、続いて0.5mLのトルエンリンス液を添加した。60分後、リアクターセルはベントされ、冷却された。リアクターセルを次いでグローブボックスから取り出した。リアクターセルは、黒色沈殿を含む緑色液体を含んでいることが観察された。黒色沈殿は、酸性化MeOH(10%HCl)に添加されると溶解した。ポリマーの形成は観察されなかった。
【0083】
(実施例34)
触媒調製/重合
実施例9に従って調製された生成物固体(すなわち、リガンド構造IX)のサンプル(0.640g、1.40ミリモル)を、撹拌しながら反応フラスコ中30mLのTHFに添加した。ジメチルテトラメチルエチレンジアミンパラジウム(II)(0.350g、1.40ミリモル)を次いで撹拌しながら反応フラスコに添加した。反応フラスコの内容物を30分間撹拌した後、乾燥ピリジン(0.185mL、2.1ミリモル)を添加した。反応フラスコの内容物を次いで真空下で減じ、ペンタンを添加して、触媒錯体を沈殿させた。微細多孔質フリットを通して濾過することにより触媒錯体を集め、ペンタンで洗浄した(2×20mL)。触媒錯体を次いで真空に付して、残存する揮発性物質を除去し、白色固体(0.68g、1.09ミリモル、78%)が残った。
【0084】
メチルアクリレート(1.0mL、11.1ミリモル)、続いてトルエン(4.0mL)をグローブボックス中のリアクターセルに添加した。次いで、セルの内容物を80℃に加熱し、エチレンガスで400psigに加圧した。平衡化後、前記のようにして調製された触媒錯体のサンプル(3mg、4.8マイクロモル)を0.5mLのトルエン中に溶解させ、リアクターセル中に注入し、続いて0.5mLのトルエンリンス液を添加した。60分後、リアクターセルをベントし、冷却した。リアクターセルの内容物を次いでグローブボックスから取り出し、急速に撹拌されたMeOHに添加した。60分後、得られた混合物をガラスフリット上で濾過し、過剰のMeOHで洗浄し、一夜60℃で真空下乾燥した。標記反応により、エチレンおよびメチルアクリレートのランダムコポリマー(0.10g)を得た。
【0085】
(実施例35〜42)
重合
グローブボックス中のリアクターセルに、表3において特定されたモノマー成分を添加し、続いてTHF(4.0mL)を添加した。次いで、リアクターセルの内容物を80℃に加熱し、エチレンガスで400psigに加圧した。平衡化後、表3において特定された触媒成分を含有する0.5mLのテトラヒドロフランをリアクターセル中に注入し、続いてテトラヒドロフランリンス(0.5mL)を添加した。60分後、リアクターセルをベントし、冷却した。リアクターセルの内容物を次いでグローブボックスから取り出し、急速に撹拌されたMeOHに添加した。60分間撹拌後、ポリマーを真空濾過し、真空下、60℃で18時間乾燥した。この反応からのランダムコポリマーの生成物収量を表3に記載する。
【0086】
【表7】

【0087】
(実施例43)
重合
グローブボックス中、撹拌棒を備えた8mLセラムバイアルに、パラジウムビス(ジベンジリデンアセトン)(41.1mg、72.0μモル);実施例12に従って調製された生成物固体(すなわち、リガンド構造XII)のサンプル(45.0mg、86.4μモル)およびトルエン(4.5mL)を添加した。セラムバイアルの内容物を10分間撹拌し、赤/褐色混合物(すなわち、触媒錯体)を得た。
【0088】
グローブボックス中3つの別個のリアクターセルのそれぞれに、ブチルアクリレート(1.0mL、11.1ミリモル)、続いてトルエン(4.0mL)を添加した。別のリアクターセルの内容物を次いでエチレンガスで400psigで加圧し、表4に記載した温度に加熱した。平衡化後、0.5mLの前記のようにして調製された触媒錯体のサンプル(8.0マイクロモルPd)を各リアクターセル中に注入し、続いてトルエンリンス(0.5mL)を添加した。60分後、リアクターセルをベントし、冷却した。リアクターセルの内容物を次いでグローブボックスから取り出し、急速に撹拌されたMeOHに別々に添加した。60分間撹拌後、各リアクターセル中の生成物ポリマーを別々に真空濾過し、真空下、60℃で18時間乾燥した。各リアクターセルのポリマー収量、ブチルアクリレート組み込み、重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、およびPDI(すなわち、Mw/Mn)を表4に記載する。
【0089】
【表8】

【0090】
(実施例44)
重合
スチレン(1.0mL、8.73ミリモル)およびノルボルネン(1.0mL、7.98ミリモル、トルエン中85モル%ノルボルネン)をグローブボックス中リアクターセルに添加した。トルエン(4.0mL)を次いでリアクターセルに添加した。リアクターセルの内容物を次いで80℃に加熱し、エチレンガスで400psigに加圧した。平衡化後、実施例18に従って調製された触媒錯体のサンプル(1.6mg、2マイクロモル)を0.5mLトルエン中に溶解させ、リアクターセル中に注入し、続いて0.5mL中のトルエンリンスを添加した。60分後、リアクターセルをベントし、冷却した。リアクターセルの内容物を次いでグローブボックスから取り出し、急速に撹拌されたMeOHに添加した。60分後、得られた混合物をガラスフリット上で濾過し、過剰のMeOHで洗浄し、60℃、真空下で一夜乾燥した。標記反応によりエチレン、スチレンおよびノルボルネンのランダムコポリマー0.20gを得た。
【0091】
(実施例45)
重合
メチルアクリレート(1.0mL、11.1ミリモル)およびノルボルネン(1.0mL、7.98ミリモル、トルエン中85モル%ノルボルネン)をグローブボックス中のリアクターセルに添加した。トルエン(4.0mL)を次いでリアクターセルに添加した。リアクターセルの内容物を次いで80℃に加熱し、エチレンガスで400psigに加圧した。平衡化後、実施例18に従って調製された触媒錯体のサンプル(1.6mg、2マイクロモル)を0.5mLのトルエン中に溶解させ、リアクターセル中に注入し、続いて0.5mLのトルエンリンスを添加した。60分後、リアクターセルをベントし、冷却した。リアクターセルの内容物を次いでグローブボックスから取り出し、急速に撹拌されたMeOHに添加した。60分後、得られた混合物をガラスフリット上で濾過し、過剰のMeOHで洗浄し、60℃、真空下で一夜乾燥した。標記反応により、エチレン、メチルアクリレートおよびノルボルネンのランダムコポリマー0.59gを得た。
【0092】
(実施例46)
重合
メチルアクリレート(1.0mL、11.1ミリモル)およびスチレン(1.0mL、8.73ミリモル)をグローブボックス中のリアクターセルに添加した。トルエン(4.0mL)を次いでリアクターセルに添加した。リアクターセルの内容物を次いで80℃に加熱し、エチレンガスで400psigに加圧した。平衡化後、実施例18に従って調製された触媒錯体のサンプル(1.6mg、2マイクロモル)を0.5mLトルエン中に溶解させ、リアクターセル中に注入し、続いて0.5mLのトルエンリンスを添加した。60分後、リアクターセルをベントし、冷却した。リアクターセルの内容物を次いでグローブボックスから取り出し、急速に撹拌されたMeOHに添加した。60分後、得られた混合物をガラスフリット上で濾過し、過剰のMeOHで洗浄し、60℃、真空下で一夜乾燥した。標記反応により、エチレン、メチルアクリレートおよびスチレンのランダムコポリマー0.81gを得た。
【0093】
(実施例47)
重合
5mLのセラムバイアルに、41.4mg(72マイクロモル)のパラジウムビス(ジベンジリデンアセトン)および53.1mg(86.4マイクロモル)の実施例1に従って調製された生成物固体(すなわち、リガンド構造I)を添加した。このバイアルに、次いで4.5mlのTHFを添加した。セラムバイアルの内容物を数分間撹拌して、触媒錯体を調製した。
【0094】
メチルアクリレート(1.0mL、11.1ミリモル)およびTHF(4.0mL)をグローブボックス中リアクターセルに添加した。リアクターセルの内容物を次いで70℃に加熱し、エチレンガスで400psigに加圧した。平衡化後、セラムバイアルからの0.1mL(1.6マイクロモル)の触媒錯体をリアクターセル中に注入し、続いて0.5mLのTHFリンスを添加した。60分後、リアクターセルをベントし、冷却した。リアクターセルの内容物を次いでグローブボックスから取り出し、急速に撹拌されたMeOHに添加した。60分後、得られた混合物をガラスフリット上で濾過し、過剰のMeOHで洗浄し、60℃、真空下で一夜乾燥した。エチレンおよびメチルアクリレートのランダムコポリマー1.02gを得た(アクリレート組み込み4.8モル%;重量平均分子量Mw474000;数平均分子量Mn178000)。
【0095】
(実施例48)
重合
5mLのセラムバイアルに、41.4mg(72マイクロモル)のパラジウムビス(ジベンジリデンアセトン)および53.1mg(86.4マイクロモル)の実施例1に従って調製された生成物固体(すなわち、リガンド構造I)を添加した。このバイアルに、4.5mlのTHFを添加した。セラムバイアルの内容物を数分間撹拌して、触媒錯体を調製した。
【0096】
メチルアクリレート(1.0mL、11.1ミリモル)およびTHF(4.0mL)をグローブボックス中リアクターセルに添加した。リアクターセルの内容物を次いで70℃に加熱し、エチレンガスで400psigに加圧した。平衡化後、0.1mL(8.0マイクロモル)のセラムバイアルからの触媒錯体をリアクターセル中に注入し、続いて0.5mLのTHFリンスを添加した。60分後、リアクターセルをベントし、冷却した。リアクターセルの内容物を次いでグローブボックスから取り出し、急速に撹拌されたMeOHに添加した。60分後、得られた混合物をガラスフリット上で濾過し、過剰のMeOHで洗浄し、一夜60℃、真空下で乾燥した。標記反応により、エチレンおよびメチルアクリレートのランダムコポリマー1.28gを得た(アクリレート組み込み2.7モル%、重量平均分子量Mw172000、数平均分子量Mn57000)。
【0097】
(実施例49)
重合
5mLのセラムバイアルに、41.4mg(72マイクロモル)のパラジウムビス(ジベンジリデンアセトン)および53.1mg(86.4マイクロモル)の実施例1に従って調製された生成物固体(すなわち、リガンド構造I)を添加した。このバイアルに、4.5mlのトルエンを添加した。セラムバイアルの内容物を数分間撹拌して、触媒錯体を調製した。
【0098】
メチルアクリレート(1.0mL、11.1ミリモル)およびトルエン(4.0mL)をグローブボックス中のリアクターセルに添加した。リアクターセルの内容物を次いで50℃に加熱し、エチレンガスで400psigに加圧した。平衡化後、0.5mL(8.0マイクロモル)のセラムバイアルからの触媒錯体をリアクターセル中に注入し、続いて0.5mLのトルエンリンスを添加した。60分後、リアクターセルをベントし、冷却した。リアクターセルの内容物を次いでグローブボックスから取り出し、急速に撹拌されたMeOHに添加した。60分後、得られた混合物をガラスフリット上で濾過し、過剰のMeOHで洗浄し、一夜60℃、真空下で乾燥した。標記反応によりエチレンおよびメチルアクリレートのランダムコポリマー0.81gを得た(アクリレート組み込み0.4モル%;重量平均分子量Mw716000、数平均分子量Mn388000)。
【0099】
(実施例50)
リガンド合成
【0100】
【化15】

【0101】
第一の100mLのSchlenkフラスコに、ベンゼンスルホン酸水和物(1.7g、10.7ミリモル、CS・HO、158.71g/モル、MP Bio Medicals 98−11−3)を添加した。フラスコを真空下で排気させた。フラスコの底部を、次いでヒートガンを用いて加熱した。フラスコの内容物は融解して、褐色液体を形成し、これは発泡し始めた。液体が還流し始めるまで加熱を続け、圧力は約10mTorrまで低下した。フラスコを窒素で満たし、冷却し、THF(無水、Acros、〜50mL)をフラスコに添加し、無色透明溶液が形成された。0℃で、n−BuLi(2.5Mヘキサン溶液、11.4ミリモル、8.6mL、Aldrich)を添加して、ベージュ色懸濁液を得、これを0.5時間撹拌後、−78℃で冷却した。
【0102】
第二の100mLのSchlenkフラスコにMg(0.30g、0.0125ミリモル、粉末、Aldrich)を添加した。THF(50mL、無水、Acros)および2−ブロモアニソール(2.10g、0.0112ミリモル、CBrO、187.04g/モル、Acros)を第二のSchlenkフラスコに添加した。第二のSchlenkフラスコの内容物を音波処理し(〜30秒)、内容物は温度上昇を示すことが観察された。混合物を室温に冷却されるまで撹拌した。
【0103】
200mLのSchlenkフラスコにTHF(〜50mL)を添加した。−78℃で、PCl(0.93mL、1.47g、0.0107モル、1.574g/mL、137.33g/モル、Aldrich)を200mLのSchlenkフラスコにシリンジから添加した。第一の100mLのSchlenkフラスコ中のベージュ色懸濁液を200mLのSchlenkフラスコに−78℃でカニューレにより添加した。200mLのSchlenkフラスコの内容物を次いで、温度を−78℃に維持しながら0.5時間撹拌した。第二の100mLのSchlenkフラスコの内容物を−78℃に冷却し、200mLのSchlenkフラスコにカニューレから移した。次いで、200mLのSchlenkフラスコの内容物を周囲温度に暖め、約1時間撹拌して、黄色溶液を得た。
【0104】
500mLのSchlenkフラスコに2’−Br−2,6−(Me)ビフェニル(3.14g、10.7ミリモル、C1413BrO、293.16g/モル、Aldrich)およびTHF(150mL)を添加した。500mLのSchlenkフラスコの内容物を−78℃に冷却した。−78℃でn−BuLi(4.3mL、2.5Mヘキサン溶液、10.7ミリモル、Aldrich)を500mLのSchlenkフラスコに添加し、濃厚な白色スラリーを得た。500mLのSchlenkフラスコを手で振盪して確実に混合した。n−BuLiの添加後0.5時間に、200mLのSchlenkフラスコの内容物を500mLのSchlenkフラスコにカニューレから添加した。500mLのSchlenkフラスコの内容物を次いでゆっくりと周囲温度に温めた。500mLのSchlenkフラスコの内容物を一夜撹拌して、透明黄色溶液を得た。揮発性物質を500mLのSchlenkフラスコから真空下で除去した。CHCl(200mL)、HO(200mL)、HCl(濃縮、20mL)を用いて得られた固体を抽出した。抽出物から得た有機層をMgSOで乾燥し、抽出物の揮発性部分を真空下で除去すると、淡黄色固体が残った。淡黄色固体を集め、THF(3×15mL)およびEtO(3×15mL)で洗浄して、白色粉末生成物リガンドを得た(2.3g、収率44%)。H NMR(CDCl、℃):δ8.32(m、1H)、7.71(q、J=8.5、2H)、7.56(m、1H)、7.47−7.40(m、4H)、7.33−7.27(m、2H)、6.99(m、2H)、6.91(m、1H)、6.57(d、J=8.5、1H)、6.44(d、J=8.5、1H)、3.73(s、3H)、3.64(s、3H)、3.19(s、3H)。31P NMR(CDCl、℃):δ−7.1(s)。LC−MS:m/z=509.2。
【0105】
(実施例51)
重合
バイアルにPd(dba)(19.8mg、0.0340ミリモル、Pd(C1714O)、Alfa Aesar、575.00g/モル)および実施例50の生成物リガンド(20.0mg、0.0390ミリモル、C2725PS、508.53g/モル)を添加した。トルエン(10mL)を次いでバイアルに添加した。バイアルの内容物を激しく振盪して、微量の粒子を有する暗赤色触媒溶液を得た。
【0106】
リアクターセルにメチルアクリレート(1mL)およびトルエン(4mL)を添加した。リアクターセルを90℃に加熱した。エチレンを次いでリアクターセルに添加した(400psi)。バイアルからの触媒溶液(0.5mL)をリアクターセルにカニューレから添加し、続いてトルエンリンス(0.5mL)を添加した。リアクターセルの内容物を90℃で1時間撹拌した。未反応エチレンをリアクターセルからベントし、リアクターセルの内容物を周囲温度に冷却した。次いで、リアクターセルの内容物をメタノール(100mL)でクエンチした。リアクターセル中の沈殿したポリマーを遠心分離により分離し、真空下、60℃で一夜乾燥して、白色固体(720mg)を得た。H NMR分光分析により、白色固体がエチレン(97モル%)およびメチルアクリレート(3モル%)の組成を有することが明らかになった。GPC分析により、白色固体が115000g/モルの重量平均分子量と1.5の多分散性を有することが明らかになった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの非環式脂肪族オレフィンモノマー、式:
【化1】

を有する少なくとも1つのモノマー、および触媒組成物を接触させることを含む、コポリマーの製造方法であって、
該触媒組成物が少なくとも1つのリガンドと錯体形成した金属中心Mを含み、
該少なくとも1つのリガンドが次式:
【化2】

の構造を有し、
式中、Zは、ハロゲン、−CN、芳香族ヒドロカルビル基、−COY、および−COYから選択され;Yは水素およびR19から選択され;R19はヒドロカルビル基、芳香族ヒドロカルビル基およびそれらの誘導体から選択され;
Jは、水素および30個までの炭素を有する脂肪族ヒドロカルビル基から選択され;
金属中心はNiおよびPdから選択され;
、XおよびXは独立して、ヒドロカルビル基、芳香族ヒドロカルビル基およびそれらの誘導体から選択され;
Qは、リン、ヒ素、窒素およびアンチモンから選択され;
15は、−SO、−SON(R18)、−CO、−PO、−AsO、−SiO、−C(CFOから選択され;
18は、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル基、芳香族ヒドロカルビル基および置換ヒドロカルビル基から選択され;
コポリマーが、≧21200の数平均分子量を有し、かつコポリマーが1〜99.9モル%の非環式脂肪族オレフィンモノマー単位を含む;
コポリマーの製造方法。
【請求項2】
触媒組成物が、
金属Mの供給源;および
次式:
[XQ−X−R15[L]
(式中、各Lは独立して、水素、リチウム、ナトリウム、カリウム、タリウム、カルシウムおよび銀から選択され、かつmおよびnは電荷のバランスをとるように選択される)の化合物
を組み合わせることを含む方法により形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
式:
【化3】

を有する少なくとも1つのモノマーが、C−C10アルキル(メタ)アクリレート、スチレン、およびそれらの誘導体から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
非環式脂肪族オレフィンモノマー単位由来のコポリマーの部分の分岐含量が、炭素原子1000個あたり15分岐以下の分岐含量を示し、該分岐含量がカーボン13NMRおよびコポリマーの融点により決定される請求項1に記載の方法。
【請求項5】
MがPdである請求項1に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つの非環式脂肪族オレフィンモノマーがエチレンである請求項1に記載の方法。
【請求項7】
重合温度が0〜200℃である請求項1に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つの非環式脂肪族オレフィンモノマー、少なくとも1つのノルボルネンまたは置換ノルボルネンモノマー、式:
【化4】

を有する少なくとも1つのモノマー、および触媒組成物を接触させることを含む、ターポリマーの製造方法であって、
該触媒組成物が少なくとも1つのリガンドと錯体形成した金属中心Mを含み、
該少なくとも1つのリガンドが次式:
【化5】

の構造を有し、
式中、Zは、ハロゲン、−CN、芳香族ヒドロカルビル基、−COY、および−COYから選択され;Yは水素およびR19から選択され;R19はヒドロカルビル基、芳香族ヒドロカルビル基およびそれらの誘導体から選択され;
Jは、水素および30個までの炭素を有する脂肪族ヒドロカルビル基から選択され;
MはNiおよびPdから選択され;
、XおよびXは独立して、ヒドロカルビル基、芳香族ヒドロカルビル基およびそれらの誘導体から選択され;
Qは、リン、ヒ素、窒素およびアンチモンから選択され;
15は、−SO、−SON(R18)、−CO、−PO、−AsO、−SiO、−C(CFOから選択され;
18は、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル基、芳香族ヒドロカルビル基および置換ヒドロカルビル基から選択され;および
ターポリマーが0.1〜50モル%のノルボルネンまたは置換ノルボルネン由来の単位を含む、
ターポリマーの製造方法。
【請求項9】
パラジウムで触媒される重合から得られるコポリマーであって、式:
【化6】

のポリマー鎖を有し(式中、Aは非環式脂肪族オレフィンモノマーから誘導され;R21は、HおよびCHから選択され;Gは−OR22および−COOR22から選択され、R22はC1−24アルキル基であり;fは0.001〜0.99である);かつ26500以上の数平均分子量を有するコポリマー。
【請求項10】
後期遷移金属で触媒される重合から得られるターポリマーであって、式:
【化7】

(式中、Aは非環式脂肪族オレフィンモノマーから誘導され;R21は、HおよびCHから選択され;Gは−OR22および−COOR22から選択され、R22はC1−24アルキル基であり;Eはノルボルネン、置換ノルボルネン、スチレンまたはスチレンの誘導体から誘導され;fは0.001〜0.99であり;かつeは0.001〜0.5である)のポリマー鎖を有するターポリマー。

【公開番号】特開2007−77395(P2007−77395A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−233725(P2006−233725)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】