説明

家庭用衛生化処理装置

【課題】最近は繁殖した細菌や残留農薬等が健康に与える悪影響が分かってきたことから、家庭での衛生管理も安全上重要になっている。
【解決手段】紫外線遮蔽機能を有する本体ボックス3と、食品、食器等の被処理材を載せる金属網製の角形プレート状載置部材37と、本体ボックス3の内面と載置部材37の表面上に担持された光触媒材39と、被処理材と光触媒材39に向けてC紫外線を照射する紫外線照射部31,33と、本体ボックス3に形成された空気の吸入口15および排出口19と、吸入口15および排出口19を介して処理空間5内の空気と外部の空気との循環を促進する送風ファン43を備える。この装置によれば、コンパクトでありながら、家庭での衛生管理に求められる残留農薬の減少、食品、水等の殺菌、室内の除菌のいずれも効果的に実施できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭での衛生化処理に適し、具体的には、家庭で消費する食品や使用する食器、さらには飲料水や室内の空気等の種々の衛生化処理に適する家庭用衛生処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
紫外線やマイクロ波を照射すると食物等を殺菌できることは知られており、特許文献1や特許文献2には、その殺菌原理を利用し、食品等に紫外線等を照射して殺菌する具体的な装置が提案されている。
【0003】
【特許文献1】特開平7−203923号公報
【特許文献2】特開平11−319041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最近は繁殖した細菌や残留農薬等が健康に与える悪影響が分かってきたことから、家庭においても十分な衛生管理を行うことが求められているが、青果物等に残留して問題となる残留農薬については、農薬散布後の残留日数を厳守するか、或いは十分に水洗いをすると言った時間や手間のかかる方法で除去しているのが現状である。
また、いくら事前に食品や食器を殺菌処理しても、調理する室内に細菌が繁殖していれば殺菌処理の実効性は薄い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するために、殺菌力の強いC紫外線の照射と光触媒材による光触媒反応との組み合わせにより、殺菌だけでなく残留農薬を短時間に効率良く除去できることを見出し、さらに鋭意研究の結果、その効果を効率良くしかも安全に発揮できる、家庭での総合的な衛生化処理に適した装置を開発することに成功した。
【0006】
即ち、請求項1の発明は、紫外線遮蔽機能を有する本体ボックスと、前記本体ボックス内に設けられ、食品、食器、水、空気等の被処理材を収容して処理する処理空間と、前記本体ボックスの内面に担持された光触媒材と、前記被処理材と光触媒材に向けてC紫外線(UV−C)を照射する紫外線照射部と、前記本体ボックスに形成された空気の吸入口および排出口と、前記紫外線照射部から照射されたC紫外線が前記排出口又は吸入口のいずれか又は両方から外に漏れるのを防止する紫外線遮蔽部材と、前記吸入口および排出口を介して前記処理空間内の空気と外部の空気との循環を促進する送風ファンと、前記本体ボックスに設けられ、前記収容空間を周りと仕切る開閉扉と、前記開閉扉の開閉を検知する開閉検知手段と、前記開閉検知手段からの開情報に基づいて前記紫外線照射部からのC紫外線の照射を停止する制御部と、前記紫外線照射部が紫外線を照射しているか否かを表示する表示ランプを備えることを特徴とする家庭用衛生化処理装置である。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載した家庭用衛生化処理装置において、さらに、食品、食器等の被処理材を載せる網製載置部材を処理空間の中間位置に出し入れ自在に備えられており、光触媒材は前記網製載置部材の表面にも担持され、紫外線照射部は前記網製載置部材を挟んで上下に配置されていることを特徴とする家庭用衛生化処理装置である。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載した家庭用衛生化処理装置において、吸入口と排出口には防菌フィルターが設けられていることを特徴とする家庭用衛生化処理装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の家庭用衛生化処理装置は、コンパクトで設置場所を取らない上に、食品、食器、水等の殺菌や農薬除去だけでなく、室内の除菌装置としても利用できる安全性に優れた装置である。また、後述する実施例のデータからも明らかなように、処理しても食品の劣化等の悪影響はない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の第1の実施の形態に係る家庭用衛生化処理装置1の構成を、図1〜4に従って説明する。
符号3は本体ボックスを示し、この本体ボックス3の内部は、食品、食器等の被処理材の収納空間5となっている。本体ボックス3の底面の四隅にはそれぞれ本体ボックス3を支持するための脚部7が取り付けられている。本体ボックス3は紫外線遮蔽機能を有する材料によって構成されている。
符号9は開閉扉を示し、この開閉扉9は本体ボックス3の前面に大きく設けられている。開閉扉9は本体ボックス3の前面の右側端部に回動自在に取り付けられており、開閉扉9の左側中間部に設けられた取っ手11を手前に引くと開閉扉9が回動して開く。この開閉扉9によって処理空間5が周りと仕切られている。
符号13は開閉扉9の開閉検知手段としてのリミットスイッチを示し、このリミットスイッチ13により開閉扉9の開閉状態を確認する。
【0011】
符号15は吸入口を示し、この吸入口15は本体ボックス3の右側面の下部に形成されている。吸入口15には網状の防菌フィルター17が嵌められており、細菌の処理空間5への混入が防止される。防菌フィルター17の表面には光触媒材39としての酸化チタンが蒸着されて担持されている。
符号19は横長の排出口を示し、この排出口19は本体ボックス3の前面と上面の交差する角部全体にわたって大きく形成されている。符号21は後述するファンの網状防護部を示し、この網状防護部21は排出口19に嵌められている。網状防護部21の表面にも光触媒材39としての酸化チタンが蒸着されて担持されている。
符号23は制御盤を示し、この制御盤23は本体ボックス3の外側面に取り付けられている。制御盤23にはON/OFFスイッチ25とタイマー27が設けられている。この制御盤23にはリミットスイッチ13からの開情報に基づいて紫外線照射部からのC紫外線の照射を停止する制御機構が備えられている。
符号28は紫外線照射部が紫外線を照射しているか否かを表示する表示ランプを表示する。
符号29は電源用のコンセントを示す。
【0012】
符号31,33は紫外線照射部としての紫外線灯を示し、これらの紫外線灯31,33は細長い形状をしている。本体ボックス3の内面には紫外線灯の保持部35が取り付けられており、紫外線灯31,33は保持部35に装着されて固定される。紫外線灯31は本体ボックス3の内面の天井の中央部分に開閉扉9と垂直になるよう装着されており、紫外線灯33は床の中央部分に開閉扉9と平行になるよう装着されている。
紫外線灯31,33が1本でも切れると、紫外線照射状態の確認手段としての表示ランプ28が赤く点灯する。
【0013】
符号37は角形プレート状載置部材を示し、鉄製の金属網で構成されている。この角形プレート状載置部材37は本体ボックス3の収納空間5に水平に挿入できる大きさになっている。角形プレート状載置部材37は食品、食器等の被処理材を載せるための載置台としての機能を担っている。
角形プレート状載置部材37を構成する線材38の表面には光触媒材39としての酸化チタンが蒸着されて担持されている。また、本体ボックス3と開閉扉9の内面全体にも同様に光触媒材39としての酸化チタンが蒸着されて担持されている。なお、図示はしないが、防菌フィルター17等にも同様の本体上に光触媒材39としての酸化チタンが蒸着されて担持されている。
【0014】
符号41,41は角形プレート状載置部材37を支持するための一対のレール部を示す。各レール部41,41は、互いに同じ水平位置で離間して対向配置されており、対向しない側の端部は本体ボックス3の内側面にそれぞれ固定されている。角形プレート状載置部材37は対向する一対のレール部41,41に沿って出し入れできるようになっており、入れた状態ではプレート状載置部材37の左右両側の端部がそれぞれ左右両側のレール部41の上面に当接して支持される。一対のレール部41,41は上下方向に合わせて三段設けられており、角形プレート状載置部材37の配置位置を上下方向で調整することができる。
【0015】
符号43は送風ファンとしての円柱形シロッコファンを示し、このシロッコファン43は排出口19に沿ってその奥側に設けられている。
符号45は防菌フィルター部材を示し、この防菌フィルター部材45は断面がくの字形になっている。防菌フィルター部材45はシロッコファン43を囲むように配置されており、長手方向の一端部は本体ボックス3の内面の天井に固定され、他端部は前面に固定されている。防菌フィルター部材45によりシロッコファン43と処理空間5とが仕切られている。
シロッコファン43のファンや防菌フィルター部材45の表面にも光触媒材39としての酸化チタンが蒸着されて担持されている。
【0016】
符号47は紫外線遮蔽部材を示し、この紫外線遮蔽部材47は断面がL字形になっている。紫外線遮蔽部材47の長手方向の一端部は防菌フィルター部材45と紫外線灯31の間で本体ボックス3の内面の天井に固定されており、防菌フィルター部材45と平行に下方に延び、防菌フィルター部材45の角部に沿って直角に屈曲して前方に延びている。
紫外線遮蔽部材47が配置されたことにより紫外線灯31と排出口19とが仕切られ、紫外線灯31から照射される殺菌力の強いC紫外線が本体ボックス3から外に漏れ出すのが防止される。
【0017】
次に、家庭用衛生化処理装置1の使用方法を説明する。
先ず、家庭用衛生化処理装置1を家庭内の適当な場所、例えば台所に設置し、取っ手11を手前に引いて開閉扉9を開け、角形プレート状載置部材37をいずれかの一対のレール部41,41上に載せる。被処理材を角形プレート状載置部材37に載せたときに、被処理材の中央部が処理空間5の略中間の高さにくるようにすると被処理材の全周に紫外線が満遍なく当り易くなるので、紫外線照射効果が高くなる。従って、被処理材の大きさに合わせて角形プレート状載置部材37を載せる一対のレール部41,41を決める。
ここでは、被処理材は、図4に示すように、りんご、なす、かぼちゃ、魚等の比較的小さい食品(S)なので、角形プレート状載置部材37を最上段の一対のレール部41,41に載せ、続いて角形プレート状載置部材37の上に食品(S)を直接載せて、開閉扉9を閉じる。
【0018】
コンセント29を商用電源用のプラグに差し込み、タイマー27で適当な時間を設定した上で、ON/OFFスイッチ25を押す。すると、図示しないモーターが駆動してシロッコファン43が回転するので、吸入口15と排出口19を通して、本体ボックス3の処理空間5には常に新鮮な空気が導入されることになる。従って、紫外線の照射による処理空間5の空気の温度上昇が防止される。なお、空気は防菌フィルター17により防菌処理されたものが処理空間5に導入される。
【0019】
紫外線灯31,33が点灯して紫外線を照射する。紫外線灯31,33はプレート状載置部材37を挟んで上下に配置されているので、角形プレート状載置部材37に載せられた食品(S)には上下方向から直接紫外線が照射されることになる。紫外線は直進するが、処理空間5を画定する本体ボックス3や開閉扉9に当って反射するので処理空間5内の被処理材の全周に満遍なく当ることになる。
また、紫外線は角形プレート状載置部材37や本体ボックス3の内面上に満遍なく担持された光触媒材39に当り、光触媒を励起させて光触媒反応を促進する。
プレート状載置部材37に載せた被処理材の下部は線材38に接触しているのでC紫外線は直接当らないが、線材38の表面に担持された光触媒材39に接触しているので、光触媒反応が促進される。
従って、処理空間5の食品(S)に対して紫外線照射と光触媒反応による殺菌・農薬除去処理が並行して実施される。
また、本体ボックス3の内面上に担持された光触媒材39に処理空間5内の空気が接触して殺菌される。
シロッコファン43の駆動により、室内の空気が吸入口15から処理空間5に連続的に供給され、処理済みの空気は連続的に排出口19から排出されるので、室内の除菌処理も同時に実施される。
【0020】
上記稼動中に、開閉扉9が開けられるとリミットスイッチ13が作動し、制御盤23がシロッコファン43のモーターや紫外線灯31,33への電力供給を自動的に停止し、処理を中止する。また、殺菌力の強いC紫外線の外漏れが紫外線遮蔽部材により阻止される。従って、安全機構は万全である。
通常は、タイマー27が切れると、制御盤23がシロッコファン43のモーターや紫外線灯31,33への電力供給を自動的に停止して、処理を終了する。
なお、途中で紫外線灯31,33が1本でも切れると表示ランプ28が赤く点灯するので処理が確実に実施されているか否かも確認できる。
【0021】
本発明の第2の実施の形態に係る家庭用衛生化処理装置51を、図5に従って説明する。
大部分の構造は図1の家庭用衛生化処理装置1と同じであり、同じ構成部分は同じ符号を付することで説明を省略する。
符号53は食器(D)を載せるためのラック状載置部材を示し、金属網で構成されている。このラック状載置部材53にはコップ用のスタンド55や仕切り板(傾斜板)57が設けられている。図5に示すように、コップはスタンド55に立てかけ、皿は仕切り57板の上に立てかけることに、多くの食器を効率良く載せることができる。
食器(D)を衛生化処理する場合には、上記したラック状載置部材を使用すると、複数のものを効率良く衛生化処理できる。
【0022】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的構成はこの実施の形態に限定されるものでは無く、本発明の要旨から外れない範囲での設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば、電子レンジのターンテーブルのように、本体ボックス3の下部に回転軸を有するモーターを設置し、その回転軸の上端に受け皿を一体に取り付け、その受け皿に円形プレート板載置部材を載せてモーターを回転させることで円形プレート状載置部材を回転させるように構成してもよい。このように構成すれば、円形プレート状載置部材の上に載せられた被処理材を回転させながら処理することができるので、均等に満遍なく紫外線が当ることになる。
【0023】
また、角形プレート状載置部材37の中心に上記円形プレート状載置部材より若干大きい円形の開口部を設けた補助用載置部材を併用してもよい。補助用載置部材を角形プレート状載置部材37と同様に一対のレール部41により処理空間5内に配置し、円形プレート状載置部材を該開口部を塞ぐように配置する。このように配置すれば、円形プレート状載置部材に載せた食品等が回転中に倒れても本体ボックス3の床に落下するのが防止される。
【0024】
青果物に限らず、粉類、穀類、乾物類、肉類、魚類等種々の食品を処理できる。また、食品や食器に限らず、水も処理できる。さらに、食品等を本体ボックス3に収納せずに室内空気の衛生化処理のみに本発明の装置を使用することもできる。タイマー27を使わずに連続運転にすれば常時殺菌処理が行われることになる。その場合には、通常は、吸入口15の殺菌フィルター17を外しておく。なお、室内には自動車等の室内も含まれる。
紫外線照射部は、上記実施の形態のように、上下に配置されたものが互いに垂直に交差した配置構成に限定されず、平行に配置してもよい。
紫外線照射部としての紫外線灯31,33は管状のものに限定されず、円状や楕円状のものも使用できる。例えば、紫外線照射部として例えば円状や楕円状の紫外線灯を使用すれば、同じ照射量を確保しながら、本体ボックスの処理空間は家庭用のまな板がギリギリ入るような大きさにまでコンパクト化することができる。
紫外線遮蔽部材は、殺菌力の強いC紫外線が外に漏れるのを防止するために設けられており、実際の構造は紫外線照射部の構造に従って設計することになる
表示ランプ28は2つ設け、正常時に青ランプが点灯し、切れたとき、即ち異常時に赤ランプが点灯する構成にしてもよい。
【実施例1】
【0025】
種々の青果物を使用して、農薬減少の効果を検証した。
前処理:農薬の希釈液(1000倍)に被処理材を3分間浸漬し、取り出した後、上記した構成の家庭用衛生化処理装置1にかけて処理した。
処理条件:
本体ボックス3の収納空間5の容積(高さ300mm×奥行650mm×巾650mm)
紫外線灯31(20W)、紫外線灯33(20W)
農薬の量の検証方法:ガスクロマトグラフ法(ネギ、キュウリ)
高速液体クロマトグラフ法(マンゴー)
【0026】
そして、以下の通り、処理前後の農薬の減少効果を検証した。さらに、ネギについては、処理前後の成分変化を検証すると共に、未処理のものと処理済みのものを冷蔵庫に保管して、6日間にわたり目視により対比観察した。
【表1】

【表2】

【表3】

【実施例2】
【0027】
玄米についても残留農薬が問題となることから、実施例1で使用した家庭用衛生化処理装置を使用してC紫外線を20分間かけて照射して、成分の劣化の有無を検証した。
【0028】
【表4】

【実施例3】
【0029】
他の種々の青果物についても残留農薬が問題となることから、実施例1で使用した家庭用衛生化処理装置を使用してC紫外線を10分間かけて照射した後、未処理のものと処理済みのものを冷蔵庫に保管して、6日間にわたり目視により対比観察した。
【0030】
【表5】

【実施例4】
【0031】
実施例1で使用した家庭用衛生化処理装置を使用して室内の除菌効果を検証した。
調理室(66m2)に家庭用衛生化処理装置を設置し、さらに適当な12箇所にシャーレを設置して処理前後の落下菌の生菌数を測定した。なお、シャーレの蓋を開けて暴露した時間、即ち暴露時間は5分間とした。
【0032】
【表6】

【実施例5】
【0033】
実施例1で使用した家庭用衛生化処理装置を使用して、冷凍車(2トン)の車内の除菌効果を検証した。
冷凍車内に家庭用衛生化処理装置を設置し、さらに適当な5箇所にシャーレを設置して処理前後の落下菌の生菌数(/mL)を測定した。なお、シャーレの蓋を開けて暴露した時間、即ち暴露時間は5分間とした。
【0034】
【表7】

【実施例6】
【0035】
実施例1で使用した家庭用衛生化処理装置を使用して濁り水(2L)を処理し、処理前後の生菌数(/mL)を標準カンテン混釈培養法により測定することで、除菌効果を検証した。また、大腸菌群の陰性/陽性をECブルー培養法により調べた。
【0036】
【表8】

【実施例7】
【0037】
サメ骨を120℃程度で2時間にわたって焼き、冷蔵庫に入れて冷ました後、粉砕処理してサメ骨粉を製造した。
そして、実施例1で使用した家庭用衛生化処理装置を使用してサメ骨粉を処理し、処理前後の生菌数(/mL)を測定することで、除菌効果を検証した。また、大腸菌群の陰性/陽性を調べた。
【0038】
【表9】

【産業上の利用可能性】
【0039】
上記実験結果により、本発明の家庭用衛生化処理装置は、残留農薬の減少、食品、水等の殺菌、室内の除菌のいずれも効果的に実施できることが確認されている。
本発明の家庭用衛生化処理装置は、コンパクトで設置場所を取らない上に、食品、食器、水等の殺菌や農薬除去だけでなく、室内の除菌装置としても利用できるので、汎用性が高く、しかも安全機構が設けられているので家庭の総合的な衛生管理を実施するのに適している。
最近では、食生活を含めた家族の安全な生活を守るために、家庭でも総合的な衛生管理が求められているが、この装置は多いに貢献できるものであると信ずる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態に係る家庭用衛生化処理装置の斜視図である。
【図2】図1の家庭用衛生化処理装置の内部の斜視図である。
【図3】図1の家庭用衛生化処理装置の断面図である。
【図4】図1の家庭用衛生化処理装置の第1の使用方法の説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る家庭用衛生化処理装置の断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 家庭用衛生化処理装置
3 本体ボックス 5 処理空間
9 開閉扉 15 吸入口
17 防菌フィルター 19 排出口
23 制御盤 31,33 紫外線灯
37 角形プレート状載置部材 39 光触媒材
41,41 一対のレール部 43 シロッコファン
45 防菌フィルター部材 47 紫外線遮蔽部材
51 家庭用衛生化処理装置
53 ラック状載置部材
S 食品 D 食器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線遮蔽機能を有する本体ボックスと、前記本体ボックス内に設けられ、食品、食器、水、空気等の被処理材を収容して処理する処理空間と、前記本体ボックスの内面に担持された光触媒材と、前記被処理材と光触媒材に向けてC紫外線(UV−C)を照射する紫外線照射部と、前記本体ボックスに形成された空気の吸入口および排出口と、前記紫外線照射部から照射されたC紫外線が前記排出口又は吸入口のいずれか又は両方から外に漏れるのを防止する紫外線遮蔽部材と、前記吸入口および排出口を介して前記処理空間内の空気と外部の空気との循環を促進する送風ファンと、前記本体ボックスに設けられ、前記収容空間を周りと仕切る開閉扉と、前記開閉扉の開閉を検知する開閉検知手段と、前記開閉検知手段からの開情報に基づいて前記紫外線照射部からのC紫外線の照射を停止する制御部と、前記紫外線照射部が紫外線を照射しているか否かを表示する表示ランプを備えることを特徴とする家庭用衛生化処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載した家庭用衛生化処理装置において、さらに、食品、食器等の被処理材を載せる網製載置部材を処理空間の中間位置に出し入れ自在に備えられており、光触媒材は前記網製載置部材の表面にも担持され、紫外線照射部は前記網製載置部材を挟んで上下に配置されていることを特徴とする家庭用衛生化処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載した家庭用衛生化処理装置において、吸入口と排出口には防菌フィルターが設けられていることを特徴とする家庭用衛生化処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−110235(P2006−110235A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−302903(P2004−302903)
【出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【出願人】(500005044)
【出願人】(504388189)
【出願人】(503242327)
【出願人】(502258842)
【Fターム(参考)】