説明

容器、金型、および製造方法

【課題】複数容器を縦方向に連結するともに、側面方向の凹部と凸部とをはめ込むそれぞれの容器をブロー成形する場合に、接続されたそれぞれの容器の側面の頸部の雄ねじ部と、底部に設けた雌ねじ部との相対角度の変動を抑制する。
【解決手段】底部、その底部に立設された筒状の側壁、およびその筒状の側壁を先端部で絞り外面に雄ねじ部を設けた頸部を有し内容物を収容する収容部と、底部に埋め込まれ、雄ねじ部に適合する雌ねじ部を有し、雄ねじ部の構成を含む他の容器の頸部をねじ入れ可能な受容部と、を備える。頸部の雄ねじ部下端から底部方向の位置には、円周形状の一部を欠いた適合溝付きつば部がさらに設けられ、受容部は、円筒形の上端を閉塞する天井部を有し、天井部の少なくとも内壁には段差が形成され、その段差に適合する段差を有する支持台に載置されたときに円筒形の中心軸周りの回転を阻害するようにすればよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の容器を連結する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、複数容器の頸部と底部とを連結するとともに、連結された容器(以下、連結容器という)の側壁に凹部と凸部とを設け、連結容器同士をさらに、側壁方向に組み合わせて、構造物を組み上げる技術を提案している(下記特許文献1参照)。
図1に、連結容器同士をさらに、側壁方向に組み合わせる例を示す。この容器の頸部134の外壁には、ねじ突条とねじ溝を含む雄ねじ部が形成されている。また、この容器の底部には、頸部134の雄ねじ部をねじ入れ可能な底面蓋110が埋め込まれている。したがって、一の容器の頸部134を他の容器の底面部にねじ入れ固定することで複数容器を縦方向、すなわち、底部と頸部134とを連結する方向に接続可能となっている。
この容器側面には、上部から底面に近い下部にかけて凸部115,115,115が形成されている。なお、図1に示す容器の背面側には、凸部115,115,115と対になる凹部が形成されている。この凸部115(および背面の凹部)は、他の容器の凹部(および凸部)にはめ込まれ、側面での各容器間のずれを抑制する。さらに、この容器の頸部134には、容器の中心軸に垂直な断面の形状が多角形状の多角形部104が設けられている。この多角形部104を挿入可能な開口を有する板状材料(固定安定板と呼ぶ)によって、複数容器間を横方向に固定する場合もある。
【0003】
しかしながら、底面蓋110は、容器のブロー成形工程において、底部金型に載置され、容器のブロー成形によって容器に埋め込み製造していた。その場合、頸部134に設けた雄ねじ部と、底部蓋110との回転軸周りの相対的な回転角を一意に固定するのが困難であるという問題があった。ここで、回転軸は、容器の長手方向の中心軸に相当する。
例えば、この相対的な回転角を制御してブロー成形できなければ、複数容器を縦方向に連結した場合に、すべての容器側面の凸部115と(および背面の凹部)とを正確に同一方向を向けることが困難になる。したがって、連結容器の側壁方向での凸部115(および背面の凹部)の位置合わせが困難になるという問題があった。この問題は、多角形部104の上記容器の中心軸周りでの角度位置の制御においても、同様に発生する。
【0004】
【特許文献1】特許第3769633号明細書
【特許文献2】実用新案登録−第3046074号明細書
【特許文献3】実用新案登録−第3034490号明細書
【特許文献4】実開平6−027522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、複数容器を縦方向に連結するともに、側面方向の凹部と凸部とをはめ込むそれぞれの容器を成形する場合に、接続されたそれぞれの容器頸部の雄ねじ部と、底部に設けた雌ねじ部との相対角度の変動を抑制する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。すなわち、本発明の一態
様は、他の容器と連結可能に構成される容器として例示できる。この態様の容器は、底部、その底部に立設された筒状の側壁、およびその筒状の側壁を先端部で絞り外面に雄ねじ部を設けた頸部を有し内容物を収容する収容部と、底部に埋め込まれ、雄ねじ部に適合する雌ねじ部を有し、雄ねじ部の構成を含む他の容器の頸部をねじ入れ可能な受容部と、を備えるようにすればよい。
【0007】
そして、頸部の雄ねじ部下端から底部方向の位置には、円周形状の一部を欠いた適合溝付きつば部がさらに設けられ、受容部は、頸部がねじ入れされる開口側と反対の端部の少なくとも一部を塞ぐ天井部を有し、天井部の少なくとも、上記頸部がねじ入れされる内面側には段差が形成され、その段差に適合する段差を有する支持台に載置されたときに雌ねじ部中心軸周りの回転を阻害するようにすればよい。このような構成により、容器の中心軸周りの適合溝の角度位置、すなわち、中心軸周りでの頸部の雄ねじ部の回転角度位置と、受容部の雌ねじ部の回転角度位置とが所定の相対角度となるように規制される。
【0008】
そして、受容部は、底部の材料と接触する外周面から外周方向に突き出す突出部を有するようにすればよい。通常、受容部は、容器の成型時に、容器の底部に埋め込まれる。受容部に、上記突出部が設けられているので、受容部が容器から脱落しにくくなる。
また、突出部は、外周面の周りに円盤部分を形成し、雌ねじ部中心軸を含む断面において、円盤部分が受容部の埋め込みの深さ方向と逆方向に傾斜した傘状をなすようにしてもよい。ここで、埋め込みの深さ方向は、他の容器がねじ入れされるねじ入れ方向でもある。このような構成とすることで、受容部の脱落の可能性をさらに低減できる。
【0009】
また、本発明は、他の容器と連結可能に構成される容器を製造するための金型であって、容器を成形するときに容器側面が当接される内壁側面を構成する一対の側部金型と、成形するときに容器の底部が当接される内壁底面を構成する底面金型とを備えるようにしてもよい。そして、一対の側部金型は、容器の頸部に設けられるつば部の円周形状の一部を欠いた適合溝に適合可能な突起を有し、底面金型は、容器の底部に埋め込まれる、容器の頸部に設けた雄ねじ部と同等の雄ねじ部を有する他の容器の頸部をねじ入れ可能な受容部を載置する支持台を有するようにすればよい。そして、受容部は、頸部がねじ入れされる開口側と反対の端部の少なくとも一部を塞ぐ天井部を有し、天井部の少なくとも、頸部がねじ入れされる内面側には段差が形成され、支持台には、受容部を載置したときに段差に適合する段差が形成され、雌ねじ部中心軸に対する、受容部の回転を阻害するようにすればよい。
【0010】
また、本発明は、金型を用いて、他の容器と連結可能に構成される容器を製造する製造方法であってもよい。ここで、容器は、底部、その底部に立設された筒状の側壁、およびその筒状の側壁を先端部で絞り外面に雄ねじ部を設けた頸部を有し内容物を収容する収容部と、底部に埋め込まれ、雄ねじ部に適合する雌ねじ部を有し、雄ねじ部の構成を含む他の容器の頸部をねじ入れ可能な受容部と、を備えるようにする。また、受容部は、前記頸部がねじ入れされる開口側と反対の端部の少なくとも一部を塞ぐ天井部を有し、前記天井部の少なくとも、前記頸部がねじ入れされる内面側には段差が形成されるようにする。
【0011】
また、金型は、容器を成形するときに容器側面が当接される内壁側面を構成する一対の側部金型と、成形するときに容器の底部が当接される内壁底面を構成する底面金型とを備えるようにする。そして、一対の側部金型は、容器の頸部に設けられたつば部の円周形状の一部を欠いた適合溝に適合可能な突起を有するようにする。そして、底面金型は、容器の底部に埋め込まれる、容器の頸部に設けた雄ねじ部と同等の雄ねじ部を有する他の容器の頸部をねじ入れ可能な受容部を載置する支持台を有し、支持台には、受容部を載置したときに段差に適合する段差が形成するようにする。
【0012】
そして、本製造方法は、外面に雄ねじ部を設けた頸部を有し、頸部の雄ねじ部下端から底部方向の位置には、円周形状の一部を欠いた適合溝付きつば部を有するプリフォーム材料を成形する工程と、成形されたプリフォーム材料を一対の側部金型の内面空間に位置付けるとともに、突起を適合溝に適合させる工程と、底面金型の段差に受容部の段差を合わせて載置する工程と、受容部を載置した底面金型によって一対の側壁金型の底面を閉塞する工程と、形成される容器中心軸に対して、受容部と適合溝との回転角を規制した状態で、プリフォーム材料に気体を吹き込み、プリフォーム材料を容器の形状に成形する工程と、を含むようにすればよい。このような工程により、適合溝に側部金型の突起をはめ込むことにより、プリフォームの中心軸周りの回転を規制する。一方、底面金型の支持台の段差によって、受容部の中心軸周りの回転を規制する。したがって、側部金型と、底部金型のプリフォーム中心軸周りの相対的な回転角度を制御することで、頸部の雄ねじ部と、受容部の雌ねじ部との間で、相対的な角度を所定角度に制御できる。
【0013】
なお、本発明は、上記受容部を容器の成型時に一体成型するようにようにしてもよい。すなわち、本発明は、他の容器と連結可能に構成される容器であって、底部、その底部に立設された筒状の側壁、およびその筒状の側壁を先端部で絞り外面に雄ねじ部を設けた頸部を有し内容物を収容する収容部と、底部に埋め込まれ、雄ねじ部に適合する雌ねじ部を有し、雄ねじ部の構成を含む他の容器の頸部をねじ入れ可能な受容部と、を備え、頸部の雄ねじ部下端から底部方向の位置には、円周形状の一部を欠いた適合溝付きつば部がさらに設けられ、受容部は、略円筒形をなし、底部の材料によって前記容器に一体成形されているものでもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数容器を縦方向に連結するともに、側面方向の凹部と凸部とをはめ込むそれぞれの容器を成形する場合に、接続されたそれぞれの容器頸部の雄ねじ部と、底部に設けた雌ねじ部との相対角度の変動を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)に係る容器、その容器の製造に用いるブロー成形金型、およびそのブロー成形金型を用いた容器の製造法について説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成には限定されない。
【0016】
<容器の概要>
図2に、本実施形態に係る容器1の正面図を示す。この正面図は、容器表面の一部を破断線L20にて破断した断面を含む。図2のように、容器1は、底部37と、底部から立ち上がる側壁36と、側壁36の上部にて容器の天井を形成する上壁部35と、上壁部35から立ち上がる頸部34とを有する。
頸部34は、円筒形であり、その外面には、雄ねじ部3が形成されている。雄ねじ部3は、ねじ状凸部3Aとねじ状溝部3Bとを含む。さらに、雄ねじ部3に隣接してストッパ3Cが設けられている。ストッパ3Cは、頸部34に蓋がねじ着されたとき、蓋の下端に接触し、内容物の漏れだしを抑制する。
【0017】
さらに、頸部34外面上でストッパ3Cの下方には、円形のネックリング5が形成されている。ネックリング5は、その一部を欠いた形状の適合溝6(ノッチともいう)を含む。ネックリング5は、容器1をブロー整形する前の形態であるプリフォームが整形されるときに、プリフォーム金型によって成形される。
さらに、本実施形態では、上壁部35と、頸部34の間に、容器1の中心軸に垂直な断面が多角形状の段差(以下、単に多角形部4という)が設けられている。多角形部4を挿入可能な開口を有する板状材料を用いることにより、複数容器の側面方向への連結が可能
となる。
【0018】
容器1の側壁には、容器1の上壁部35付近から底部37に至る壁状の凸部15,15,15が構成されている。図3に容器1を上方から見た平面図の例を示す。また、図4に、底部37側から見た平面図の例を示す。図3および図4に示すように、凸部15,15,15が形成された側壁の容器中心軸に対して反対側(背面側ともいう)の側壁には、容器の上壁部35付近から底部37に至る溝状の凹部16,16,16が構成されている。複数の容器1は、互いに相手容器との間で、その凸部15と凹部16とを組み合わせことが可能となっている。
容器1の底部37には、底部容器蓋10(本発明の受容部に相当)がはめ込まれている。底部容器蓋10には、雌ねじが形成され、他の容器1の頸部34をねじ入れ可能となっている。
【0019】
図5に、容器1をブロー成形するときに使用するプリフォーム20の形状例を示す。このプリフォーム20は、プリフォーム成形工程(例えば、射出成形による)でプリフォーム金型により形成される。図5のように、プリフォーム20の上部には、頸部34が形成されている。頸部34の円筒外壁には、雄ねじ部3、および適合溝6を有するネックリング5が形成されている。プリフォーム金型による射出成形でプリフォーム20の中心軸周りでの適合溝6と、雄ねじ部3との相対的な回転角度は、固定されることになる。
【0020】
図6に、底部容器蓋10の断面図を示す。なお、図6には、底部容器蓋10を載置する底部金型の台座部23Bも示されている。底部容器蓋10は、一端(図6の上端)が閉塞され、他端が開口した円筒形状である。円筒形状の側壁の外面には、断面が山形状のリング部24が複数形成されている。図6のように、リング部24は、開口した下端方向に傾いた傘状をしている。すなわち、図6では、リング部24は、底部容器蓋10が容器1の底部に埋め込まれたときの深さ方向と反対方向(下側)に向かって傾いている。
【0021】
ここで、傘の表面に相当するリング部24の上側の面と、傘の裏面に相当するリング部24の下側の面とは、同一角度で傾斜する必要はない。ただし、リング部24の下側の面は、底部容器蓋10の中心軸に直交するか、または、その中心軸に対する法平面(中心軸に直交する面)よりも、下側に傾くいた平面または曲面であることが望ましい。リング部24の下側の面が、底部容器蓋10の中心軸に対する法平面より下に傾くことで、底部容器蓋10が、容器1に組み込まれたときにはずれにくくなるからである。
【0022】
一方、リング部24の上側の面の傾きに特に制限はないが、上記法平面によりも下に傾いて形成された場合には、円筒形状の底部容器蓋10外面とリング部24の上側の面のなす奥部24Aのなす角度が鈍角となり、あるいはリング部24,24で挟まれた谷部24Bがそと方向に広がることになるので、容器1の底部の材料との接触がより確実になる。
また、円筒形状の側壁の内面には、雌ねじ部11が形成されている。雌ねじ部は、頸部34の雄ねじ部3がねじ入れ可能なねじ突条とねじ溝を含む。
底部容器蓋10の少なくとも一部を閉塞した上端は、天井面40を構成する。天井面40には、一部に段差部分が形成されている。この段差部分は、段差側壁と、底面部とを含む。本実施形態では、この段差部分を沈降部12と呼ぶ。図6に示すように、底部金型23Aの上面は、底部容器蓋10の天井部40と同様に、段差部23Cが形成され、沈降部12をはめ込み可能となっている。なお、天井部40は、底部容器蓋10の上端をすべて閉塞する必要はなく、一部に開口が存在してもよい。
【0023】
また、図6では、天井部40は、底部容器蓋10の外面(容器1との接触側)と内面(他の容器がねじ入れされる側)の両方が段差となっている。しかし、後述する底部金型の段差部23Bにはめ込むという目的を達成する限り、例えば、外面(容器1との接触側)
に段差を無くしフラットな面としてもよい。
図7に、底部容器蓋10の平面図(図6をA1矢印方向から見た図)の例を示す。図7の例では、沈降部12の平面形状(容器1の中心軸に垂直な断面での形状)は、円周の2点を結ぶ弦によって円を切り取った円弧状をなしている。なお、図示しないが、底部金型23Aの上面の段差部23Cの平面形状も同様の形状であり、図7の沈降部12を適合させて挿入可能である。
【0024】
<実施形態>
図8に、本実施形態に係るプリフォーム成形金型の例を示す。このプリフォーム成形金型は、プリフォーム20の側壁を外側から形成する側壁部81、側壁が形成する空洞内に挿入され、プリフォーム20の側壁を内側かわ形成するコア部84、側壁部81の上部にて、コア部84を取り囲み、容器1の頸部34を形成する頸部形成部83、コア部84および頸部形成部83を上方から支持する支持する支持部82を有する。
側壁部81は、内部が、プリフォーム20の外面と同様の円筒形状の空洞を有する。また、コア部84は、プリフォーム20の内面と同様の円筒形状であり、側壁部81の空洞部に挿入することによって、プリフォーム20の厚みと同一の空間を形成する。頸部形成部83は、コア部84の上端側を取り囲む円筒形であり、円筒面の内壁83Aには、容器1の頸部34に形成される、雄ねじ部3、ストッパ3C、ネックリング5、およびネックリング5の適合溝6を形成するパターンが形成されている。
支持部82に、コア部84および頸部形成部83を装着し、側壁部81に挿入することで、プリフォーム形成用の空間が形成される。頸部形成部83の下面から空洞に至る部分には、ノズル85を装着可能な孔部が設けられている。したがって、そして、ノズル85から、容器1の材料、例えば、プリエチレン照れ蓋レート等を射出し、空洞内に充填することで、プリフォーム20が形成される。
【0025】
本実施形態では、プリフォーム成型に関して、詳細は省略する。ただし、コア部84と頸部形成部83とは、支持部82に装着され、図示しないアクチュエータにより側壁部81に挿入すればよい。また、頸部形成部83は、断面半円形の一対の金型とし、コア部84とは分離して、側方からコア部84の中心軸方向に駆動させ、頸部34を形成する空間を構成するようにしてもよい。
図9に、本実施形態に係るブロー成形金型の例を示す。ブロー成形金型は、図6左側の第1の側部金型51と、図6右側の第2の側部金型56と、底部金型23Aとを有している。なお、図9のブロー成形金型では、容器1の多角形部4を形成する部分および適合溝6に適合する凸部の構成は省略している。
【0026】
第1の側部金型51には、容器1をブロー成形するときに、プリフォーム20の側壁材料を支持し、容器1の側壁を形成する内部空洞の第1の内壁52が形成されている。一方、第2の側部金型56には、容器1をブロー成形するときに、プリフォーム20の側壁材料を支持し、容器1の側壁を形成する内部空洞の第2の内壁57が形成されている。第1の側部金型51と、第2の側部金型56をと組み合わせることで、容器1の側壁を形成するための内壁空間が形成される。そのため、第1の側部金型51には、複数の孔53が形成され、一方、第2の側部金型56には、複数の突起58が形成されている。孔53に、突起58が挿入され、第1の側部金型51と第2の側部金型56とが位置決めされる。また、第1の側部金型51と第2の側部金型56とは、図示しないアクチュエータ、例えば、ボールねじ、シリンダ等によって、位置決めされ、合体されてもよい。また、単に、第1の側部金型51と第2の側部金型56とを互いに平行移動可能なガイドをスライドさせることで、第1の側部金型51と第2の側部金型56とを合体させてもよい。その場合に、例えば、外力のない無負荷状態で、第1の側部金型51と第2の側部金型56とがバネによって固定され、外力(例えば、空気圧力、あるいは、電磁力等)によって、第1の側部金型51から、第2の側部金型56を引き離す構成としてもよい。外力は、例えば、人
手による手動としてもよい。
【0027】
底部金型23Aには、底部容器蓋10を載置する段差部23Bが形成されている。さらに、段差部23Bには、段差部23Cが形成されており、底部容器蓋10の沈降部12をはめ込み可能となっている。すでに述べたように、底部金型23Aの段差部23Bには、底部容器蓋10が載置される。底部金型23Aも、アクチュエータによって、第1の側部金型51と第2の側部金型56とに、組み合わせられ、容器1を成形する空洞部を形成する。
【0028】
図10は、第1の側部金型51、第2の側部金型56および底部金型23Aを組み合わせた断面図の例でである。図10において、第1の側部金型51は、図9の一点鎖線L10にてA2矢印方向に切断した断面図である。また、図10において、第2の側部金型52は、図9の一点鎖線L11にてA3矢印方向に切断した断面図である。また、図10において、底部金型23Aは、図9の一点鎖線L12にてA4矢印方向に切断した断面図である。また、底部金型23Aの下方には、底部金型23Aを上下に移動可能なアクチュエータ59が示されている。
【0029】
アクチュエータ59は、例えば、ボールねじによる移動するものでもよい。また、ピストンとシリンダとによって直線移動するものでもよい。また、単に、第1の側部金型51および第2の側部金型56(以下、総称して側部金型という)と、底部金型23Aとを互いに平行移動可能なガイドに沿ってスライドさせることで、側部金型と底部金型23Aとを合体させてもよい。その場合に、例えば、外力のない無負荷状態で、第1の側部金型51にバネによって固定され、外力(例えば、空気圧力、あるいは、電磁力等)によって、第1の側部金型51から、底部金型23Aを引き離す構成としてもよい。その場合に、第1の側部金型51と、第2の金型52とは、ともに、不図示の支持台に搭載するようにすればよい。すなわち、支持台に搭載された第1の側部金型51と、第2の側部金型56と、アクチュエータ59に支持された底部金型23Aとによって、容器1をブロー成形する内部空洞部を形成するようにすればよい。さらに、図10では、上方から、第1の側部金型51と第2の側部金型56との間に、プリフォーム20が挿入されている。
【0030】
さらに、図11に、第1の側部金型51、第2の側部金型56およびプリフォーム20を図10の上方から見た平面図を示す。図11(および図10)に示すように、第1の側部金型51で、プリフォーム20のネックリング5を受容する部分に、突起7が形成されている。突起7は、ネックリング5の適合溝6に適合する。ただし、突起7を第2の側部金型56に形成し、適合溝6を第2の側部金型56に合わせ込むようにしても構わない。
以下、図10、および図11にしたがって、ブロー成形の手順を説明する。まず、図示しない温度調節ポットによりプリフォーム20は、ブロー成形に適した延伸温度に温度調整される。この場合の延伸温度は、事前の調整工程によって、実験的に求めておいてもよい。すなわち、製造工程の中で、次工程まで時間、室温等によって最適な条件を設定すればよい。
【0031】
そして、プリフォーム工程で射出成形等により形成されたプリフォーム20を第1の側部金型51に装着する。このとき、プリフォーム20のネックリング5に形成した適合溝6を第1の側部金型51の突起7に合わせ込む。これによって、プリフォーム20の中心軸周りの回転角が固定される。
次に、図示しないアクチュエータにより、第2の側部金型56が第1の側部金型51に位置付けされ、固定される。これによって、容器1の側壁を形成する金型の内壁が形成される。
【0032】
次に、底部金型23Aに、底部容器蓋10を載置する。このとき、底部容器蓋10の沈
降部12が底部金型23Aの段差部23Cに合わせ込まれる。そして、アクチュエータ59により、底部金型23Aが第1の側部金型51、および第2の側部金型56の構成する空洞部の底面を構成するように位置付けられ、固定される。
そして、プリフォーム20内に、図示しないノズルおよび配管を通じて加圧ガスを圧送する。加圧ガスは、例えば、空気、窒素等である。その結果、第1の側部金型51、第2の側部金型56、および底部金型23Aで構成される空洞内でプリフォーム20の壁面が膨張し、成形される。このとき、底部容器蓋10は、底部金型23Aで膨張したプリフォーム20から生成される容器1の底部面に組み込まれる。図6にて説明したように、底部容器蓋10のリング部24の下側の面が、容器1の中心軸に直交または下方向に傾いているので、底部容器蓋10は、容器1の底部からはずれにくい。また、リング部24の上側の面が、下方向に傾いているので、リング部24、24間の谷部等が外開きとなり、容器1の底部の材料が密着しやすい。
【0033】
その後、容器1が固化すると、アクチュエータ59を下方に駆動し、底部金型23Aが取り外される。このとき、底部容器蓋10は、図6に示した断面が山形状のリング部24の作用により、容器1の底部に保持される。さらに、図示しないアクチュエータにより第2の側部金型56が取り外され、ブロー成形された容器1が取り出される。
この構成では、プリフォームの20の上部に形成された雄ねじ部3のプリフォーム中心軸に対する回転角は、ネックリング5の適合溝6と第1の側部金型51の突起7とによって所定角度に固定される。
【0034】
一方、底部容器蓋10の雌ねじ部11の回転角は、底部容器蓋10の沈降部12が底部金型23Aの段差部23Cにはめ込まれることで、底部金型23Aに対して固定される。さらに、底部金型23Aの中心軸(図10の矢印Zの示す容器1の中心軸)に対する回転角と、第1の側部金型51(および第2の側部金型56)の回転角の容器1の中心軸に対する回転角とは、アクチュエータ59と、第1の側部金型51(および第2の側部金型56)を支持する図示しない支持装置(アクチュエータ等)との位置関係、あるいは、底部金型23Aをアクチュエータ59に取り付ける位置関係(上記中心軸を中心にした回転角度)によって規制される。
【0035】
したがって、容器1のネックリング5の適合溝6、第1の側部金型51の突起7、底部容器蓋10の沈降部12、および底部金型23Aの段差部23Cにより、プリフォーム20と、底部容器蓋10とが、上記中心軸を中心にした相対的な回転角度を所定値に固定された状態で、底部容器蓋10が容器1に組み込まれる。したがって、一の容器1の頸部34を他の容器1の底部容器蓋10にねじ入れて、複数の容器1を結合したときに、それぞれの容器1の側壁の凸部15(および凹部16)を容器1の中心軸周りで固定した角度位置に位置付けることができる。
【0036】
したがって、連結した複数の容器1同士で、凸部15のなす長手方向の直線は、互いに同一直線上に位置付けされる。また、凹部16のなす長手方向の直線は、互いに同一直線上に位置付けされる。したがって、連結された複数の容器1(以下、連結容器と呼ぶ)の側壁の凸部15を他の連結容器の凹部16に確実に合わせ込むことができる。すなわち、連結容器に結合された個々の容器1の中心軸周りの回転角がばらつき、凸部15のなす長手方向の直線あるいは凹部16のなす長手方向の直線の位置が相互に一致しない、という不具合の発生を抑制できる。
【0037】
<変形例1>
上記実施形態では、沈降部12の断面形状は、円弧状であったが、本発明の実施において、沈降部12の断面形状が、円弧に限定されるわけではない。図12に、変形例に係る沈降部12の断面形状例を示す。
図12に示すように、沈降部12の断面形状は、例えば、矩形であってもよい(同図(A))。その場合、底部容器蓋10の天井部40がなす円の半径方向に1辺を含む矩形状であってもよい。また、沈降部12の断面形状は、例えば、扇形であってもよい。また、沈降部12の断面形状は、中心が、底部容器蓋10の中心軸の位置からずれて形成された円形の断面を有する円筒内面形状であってもよい(同図(B))。要するに、容器1の中心軸に対して、底部容器蓋10の回転を阻止できる構造であればよい。また、沈降部12の断面形状は、矩形状に限られず、多角形状でも構わない。また、沈降部12が複数の段差を有する形状でも構わない。例えば、沈降部12が円筒形状(同図(C))、あるいは、直方体形状、立方体形状の段差を複数有する形状でもよい。
【0038】
<変形例2>
上記実施形態および変形例1では、容器1の側方の一の面に凸部15を設け、その裏面に凹部16を設けた。しかし、容器1の構成、および側部金型の構成は、このような構造には限定されない。例えば、容器1の中心軸周りに所定の角度間隔で、凸部15と、凹部16とを容器1の側壁に設けてもよい。図13に、第1の凸部15−1と、その裏面の凹部16−1とを対にして形成し、さらに、90度回転した位置に、第2の凸部15−2と、その裏面の凹部16−2とを対にして形成した例を示す(同図(A))。当然であるが、90度以外の間隔で複数対設けてもよい。例えば、45度間隔で、凸部15と、その裏面の凹部16とを、合計4対設けてもよい(同図(B))。さらに、多くの凸部15と、その裏面の凹部16とを形成してもよい。
また、図1から図3と同様、複数の凸部15,15,15と、複数の凹部16,16,16とを1組にして、複数組設けてもよい(同図(C))。
【0039】
<変形例3>
上記実施形態およびその変形例1、2では、底部容器蓋10を事前に成形しておき、底部金型23Aに載置した。しかし、このような構成に代えて、底部金型23A自体に、頸部34の雄ねじ部3と同等の構造を組み込み、ブロー成形によって直接、容器1の底部37に、他の容器1の頸部34をねじ入れ可能な雌ねじ部を一体成形してもよい。
図14に、その場合の底部金型93Aの構成を示す。底部金型93Aには、雄ねじ部の形成された円筒部94が設けられている。底部金型93Aが、第1の側部金型51および第2の側部金型56とともに空洞部を形成したときに、円筒部94の中心軸は、空洞部の中心軸に位置付けられる。したがって、第1実施形態、または、第2実施形態と同様の手順で、容器1がブロー成形された後、まず、第2の側部金型56を取り外し、次に、第1の側部金型51を取り外すと、底部金型93Aに底部37をねじ入れされた状態で、容器1を取り出すことができる。さらに、容器1と底部金型93Aとを容器1の中心軸周りに相対的に回転させ、容器1を底部金型93Aから取り外すことができる。このとき、底部37には、雌ねじ部37Aが形成されている。
この場合も、第1実施形態と同様のプリフォーム20、第1の側部金型51および第2の側部金型56を用いることで、容器1の頸部34に設けた雄ねじ部3と、底部37に形成した雌ねじ部37Aの中心軸に対する相対的な回転角度を固定できる。
【0040】
<変形例4>
上記実施形態およびその変形例1から3では、底部金型23Aは、第1の側部金型51および第2の側部金型56の下方から、アクチュエータ59等により、平行移動し、容器1を構成するための空洞部の底面に位置付けた。しかし、底部金型23Aの移動方向は、上記実施形態の方向に限定されるものではない。例えば、図15に示すように、第1の側部金型51の側方から、底部金型23Aをスライドさせて、容器1を構成するための空洞部の底面に位置付けるようにしても構わない。
なお、図15では、横方向にスライドするアクチュエータ59Aが例示されているが、例えば、底部金型23Aのさらに下方に、ベアリング、ローラ、あるいは、底部金型23
Aを下方向から支持し、平行移動をガイドするガイド部材を設けても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】連結容器の例である。
【図2】本発明の一実施形態に係る容器の一部破断正面図である。
【図3】容器を上方から見た平面図の例である。
【図4】容器を底部側から見た平面図の例である。
【図5】容器をブロー成形するときに使用するプリフォームの形状例である。
【図6】底部容器蓋と、底部容器蓋を載置する底部金型の断面図の例である。
【図7】底部容器蓋10の平面図の例である。
【図8】本発明の一実施形態に係るプリフォーム成形金型の例を示す断面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るブロー成形金型の例を示す斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るブロー成形金型の例を示す断面図である。
【図11】側部金型とプリフォーム20との関係を示す平面図である。
【図12】変形例1に係る底部容器蓋の沈降部の平面図の例である。
【図13】変形例2に係る容器1の底面図の例である。
【図14】変形例3に係るブロー成形金型(底部金型)の例を示す断面図である。
【図15】変形例4に係るブロー成形金型の例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 容器
2 円筒部
3 雄ねじ部
3C ストッパ
4 多角形部
5 ネックリング
6 適合溝
7 突起
10 底部容器蓋
12 沈降部
15 凸部
16 凹部
23A 底部金型
23B 台座部
23C 段差部
24 リング部
34 頸部
35 上壁部
51 第1の側部金型
56 第2の側部金型
81 (プリフォーム金型の)側壁部
82 (プリフォーム金型の)支持部
83 (プリフォーム金型の)頸部形成部
84 (プリフォーム金型の)コア部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の容器と連結可能に構成される容器であって、
底部、その底部に立設された筒状の側壁、およびその筒状の側壁を先端部で絞り外面に雄ねじ部を設けた頸部を有し内容物を収容する収容部と、
前記底部に埋め込まれ、前記雄ねじ部に適合する雌ねじ部を有し、前記雄ねじ部の構成を含む他の容器の頸部をねじ入れ可能な受容部と、を備え、
前記頸部の雄ねじ部下端から前記底部方向の位置には、円周形状の一部を欠いた適合溝付きつば部がさらに設けられ、
前記受容部は、前記頸部がねじ入れされる開口側と反対の端部の少なくとも一部を塞ぐ天井部を有し、前記天井部の少なくとも、前記頸部がねじ入れされる内面側には段差が形成され、その段差に適合する段差を有する支持台に載置されたときに前記雌ねじ部中心軸周りの回転を阻害する容器。
【請求項2】
前記受容部は、前記底部の材料と接触する外周面から外周方向に突き出す突出部を有する請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記突出部は、前記外周面の周りに円盤部分を形成し、前記雌ねじ部中心軸を含む断面において、前記円盤部分が前記受容部の埋め込みの深さ方向と逆方向に傾斜した傘状をなす請求項2に記載の容器。
【請求項4】
他の容器と連結可能に構成される容器を製造するための金型であって、
前記容器を成形するときに容器側面が当接される内壁側面を構成する一対の側部金型と、前記成形するときに前記容器の底部が当接される内壁底面を構成する底面金型とを備え、前記一対の側部金型は、前記容器の頸部に設けられるつば部の円周形状の一部を欠いた適合溝に適合可能な突起を有し、前記底面金型は、前記容器の底部に埋め込まれる、前記容器の頸部に設けた雄ねじ部と同等の雄ねじ部を有する他の容器の頸部をねじ入れ可能な受容部を載置する支持台を有し、前記受容部は、前記頸部がねじ入れされる開口側と反対の端部の少なくとも一部を塞ぐ天井部を有し、前記天井部の少なくとも、前記頸部がねじ入れされる内面側には段差が形成され、前記支持台には、前記受容部を載置したときに前記段差に適合する段差が形成され前記雌ねじ部中心軸に対する、前記受容部の回転を阻害する金型。
【請求項5】
金型を用いて、他の容器と連結可能に構成される容器を製造する製造方法であって、
前記容器は、底部、その底部に立設された筒状の側壁、およびその筒状の側壁を先端部で絞り外面に雄ねじ部を設けた頸部を有し内容物を収容する収容部と、
前記底部に埋め込まれ、前記雄ねじ部に適合する雌ねじ部を有し、前記雄ねじ部の構成を含む他の容器の頸部をねじ入れ可能な受容部と、を備え、
前記受容部は、前記頸部がねじ入れされる開口側と反対の端部の少なくとも一部を塞ぐ天井部を有し、前記天井部の少なくとも、前記頸部がねじ入れされる内面側には段差が形成され、
前記金型は、前記容器を成形するときに容器側面が当接される内壁側面を構成する一対の側部金型と、前記成形するときに前記容器の底部が当接される内壁底面を構成する底面金型とを備え、前記一対の側部金型は、前記容器の頸部に設けられたつば部の円周形状の一部を欠いた適合溝に適合可能な突起を有し、
前記底面金型は、前記容器の底部に埋め込まれる、前記容器の頸部に設けた雄ねじ部と同等の雄ねじ部を有する他の容器の頸部をねじ入れ可能な受容部を載置する支持台を有し、
前記支持台には、前記受容部を載置したときに前記段差に適合する段差が形成されており、前記製造方法は、外面に雄ねじ部を設けた頸部を有し、前記頸部の雄ねじ部下端から
前記底部方向の位置には、円周形状の一部を欠いた適合溝付きつば部を有するプリフォーム材料を成形する工程と、前記成形されたプリフォーム材料を前記一対の側部金型の内面空間に位置付けるとともに、前記突起を前記適合溝に適合させる工程と、
前記底面金型の段差に前記受容部の段差を合わせて載置する工程と、
前記受容部を載置した底面金型によって前記一対の側壁金型の底面を閉塞する工程と、
形成される容器中心軸に対して、前記受容部と前記適合溝との回転角を規制した状態で、前記プリフォーム材料に気体を吹き込み、前記プリフォーム材料を前記容器の形状に成形する工程と、を含む製造方法。
【請求項6】
他の容器と連結可能に構成される容器であって、
底部、その底部に立設された筒状の側壁、およびその筒状の側壁を先端部で絞り外面に雄ねじ部を設けた頸部を有し内容物を収容する収容部と、
前記底部に埋め込まれ、前記雄ねじ部に適合する雌ねじ部を有し、前記雄ねじ部の構成を含む他の容器の頸部をねじ入れ可能な受容部と、を備え、
前記頸部の雄ねじ部下端から前記底部方向の位置には、円周形状の一部を欠いた適合溝付きつば部がさらに設けられ、
前記受容部は、略円筒形をなし、前記底部の材料によって前記容器に一体成形されている容器。
【請求項7】
他の容器と連結可能に構成される容器を製造するための金型であって、
前記容器を成形するときに容器側面が当接される内壁側面を構成する一対の側部金型と、前記成形するときに前記容器の底部が当接される内壁底面を構成する底面金型とを備え、前記一対の側部金型は、前記容器の頸部に設けられるつば部の円周形状の一部を欠いた適合溝に適合可能な突起を有し、
前記底面金型は、前記容器の底部に埋め込まれる、前記容器の頸部に設けた雄ねじ部と同等の雄ねじ部を有し、前記一対の側部金型が形成する空洞の中心軸に対する前記適合溝の角度位置に対する前記雄ねじ部の角度位置が拘束されている、金型。
【請求項8】
金型を用いて、他の容器と連結可能に構成される容器を製造する製造方法であって、
前記容器は、底部、その底部に立設された筒状の側壁、およびその筒状の側壁を先端部で絞り外面に雄ねじ部を設けた頸部を有し内容物を収容する収容部と、
前記底部に埋め込まれ、前記雄ねじ部に適合する雌ねじ部を有し、前記雄ねじ部の構成を含む他の容器の頸部をねじ入れ可能な受容部と、を備え、
前記金型は、
前記容器を成形するときに容器側面が当接される内壁側面を構成する一対の側部金型と、前記成形するときに前記容器の底部が当接される内壁底面を構成する底面金型とを備え、前記一対の側部金型は、前記容器の頸部に設けられたつば部の円周形状の一部を欠いた適合溝に適合可能な突起を有し、
前記底面金型は、前記容器の底部に埋め込まれる、前記容器の頸部に設けた雄ねじ部と同等の雄ねじ部を有し、前記一対の側部金型が形成する空洞の中心軸に対する前記適合溝の角度位置に対する前記雄ねじ部の角度位置が拘束され、
前記製造方法は、
外面に雄ねじ部を設けた頸部を有し、前記頸部の雄ねじ部下端から前記底部方向の位置には、円周形状の一部を欠いた適合溝付きつば部を有するプリフォーム材料を成形する工程と、
前記成形されたプリフォーム材料を前記一対の側部金型の内面空間に位置付けるとともに、前記突起を前記適合溝に適合させる工程と、
前記底面金型によって前記一対の側壁金型の底面を閉塞する工程と、
前記プリフォーム材料に気体を吹き込み、前記プリフォーム材料を前記容器の形状に成形する工程と、を含む製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−51570(P2009−51570A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−151919(P2008−151919)
【出願日】平成20年6月10日(2008.6.10)
【特許番号】特許第4228374号(P4228374)
【特許公報発行日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(500488845)
【Fターム(参考)】