説明

容器の反転装置

【課題】回転体の周面ごとの収納スペースを形成することによって、容器の搬出速度との厳密な同期の必要性をなくするとともに、異形断面を含む多様な容器にも簡単に適合させ、多種少量生産にも対応可能な容器反転装置を提供する。
【解決手段】円板状の回転体10と、容器Wごとの収納スペースS、S…を回転体10の周面上に周方向に区分して形成するアタッチメント部材20、20…と、回転体10と同軸の螺旋状に形成する前後のガイド部材31、32とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、飲料・液体調味料・薬液等の液体充填用の容器内を清浄にするために使用するクリーニング装置などに特に好適な容器の反転装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチック製の飲料用容器の内部をエアブローによって清浄にするクリーニング装置には、容器の反転装置が使用されている。すなわち、正立状態で整列搬入される容器を上下に反転させ、倒立状態において内部にクリーンエアを吹き込むことにより、内部に付着している異物を効率よく除去して清浄にすることができる。
【0003】
従来の容器の反転装置は、水平の駆動軸を介して回転駆動する回転円板と、回転円板の周面の外側に回転円板と同心円状に配置する前後のリング状のガイド板とを備えている(特許文献1)。ガイド板は、容器の径相当だけ離れて回転円板の周面上に対面しており、回転円板の周面を底面とするチャンネル状の搬送路を周面上に形成する。そこで、回転円板の最上部において連続的に搬送路に投入される容器は、回転体の1回転によって上下に反転され、回転円板の下部の倒立状態において、エアノズルからのクリーンエアを吹き込んで内部を清浄にすることができる。ただし、各ガイド板の対向面には、容器の外周の凹溝に係合する係合リブが形成されており、倒立状態の容器が搬送路から落下することを防止する。この形式の反転装置は、大量の容器の高速処理に適するという利点がある。
【特許文献1】特開2002−308230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる従来技術によるときは、容器は、回転円板の周面上の搬送路に連続的に投入され、回転円板の回転によって反転されるから、容器の搬出入速度と回転体の回転速度とを厳密に同期させなければならず、全体ラインの運転制御が複雑になりがちであるという問題があった。また、搬送路の両側のガイド板に形成する係合リブを容器の外周の凹溝に係合させて容器の落下を防止するから、容器は、外周に凹溝を有することが前提であり、デザイン上、適用上の制約となる上、円形断面以外の異形の容器に適用することが難しく、多品種少量生産への対応が困難であるという問題もあった。
【0005】
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、回転体の周面に容器ごとの収納スペースを形成することによって、容器の搬出入速度と回転体の回転速度との厳密な同期の必要性をなくするとともに、異形断面を含む多様な容器にも簡単に適合させ、多品種少量生産にも対応可能な容器の反転装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するためのこの発明の構成は、水平の駆動軸を介して回転駆動する円板状の回転体と、容器ごとの収納スペースを回転体の周面上に周方向に区分して形成する複数のアタッチメント部材と、回転体と同軸の螺旋状に形成する前後のガイド部材とを備えてなり、回転体は、各収納スペース内の容器を上下に反転させ、ガイド部材は、各収納スペース内の容器を回転体の前方側の搬入位置から後方側の搬出位置にまで移動させることをその要旨とする。
【0007】
なお、各アタッチメント部材は、回転体の中間部に周方向に立設する板材と、板材の両面に突設し、各収納スペース内の容器の姿勢を保持する保持部材とを備えることができ、回転体の少なくとも下半部には、各収納スペース内の容器の落下を阻止する補助ガイド部材を配置することができる。
【発明の効果】
【0008】
かかる発明の構成によるときは、容器は、アタッチメント部材を介して回転体の周面上に形成される収納スペースに個別に収納され、回転体の回転により反転される。そこで、回転体の回転速度は、容器の搬出入速度と厳密な同期をとる必要がなく、したがって、前後の搬出入装置との連携制御をラフに設定することができる。また、各収納スペースは、容器を一応安定に収納することができればよく、容器の形状に厳密に合致させる必要がないから、容器の容量に変動があっても、また、円形断面以外の多角形断面や、たとえば把手付きのペットボトルのような異形断面の容器であっても、簡単に適合させることができ、適用範囲が広範であり、多品種少量生産にも好適に対応可能である。
【0009】
なお、この発明において、容器の搬入位置、搬出位置は、それぞれ回転体の前方側、後方側において、回転体の最上部付近に設定されている。また、ガイド部材は、各収納スペース内の容器の周側部に摺接するように、たとえばステンレス材の線材を回転体の直径より大径の螺旋状に形成して作ることができる。ただし、前のガイド部材は、回転体の1回転により、搬入位置の容器を回転体の軸方向の中間部を越えて移動させるために、搬入位置の外側から回転体の中間部付近にまで伸びるように、回転体の回転方向に約1回転させて形成し、後のガイド部材は、回転体の中間部を越えて進出する容器を搬出位置にまで安定にガイドするために、回転体の中間部付近から搬出位置の外側にまで伸びるように、回転体の回転方向に約1回転させて形成するものとする。なお、各アタッチメント部材は、回転体の周面を周方向に等ピッチに区分して容器の収納スペースを形成するものとし、したがって、回転体は、容器の大きさ、形状に合わせて、容器に適合する異なる数のアタッチメント部材を等ピッチに交換して装着し得ることが好ましい。
【0010】
各アタッチメント部材は、板材の両面に保持部材を突設することにより、前後のガイド部材を介し、各収納スペース内の容器を回転体の軸方向に安定に駆動することができる。各ガイド部材は、板材と機械的に干渉しない範囲で、回転体の中間部付近にまで伸ばし、回転体の中間部付近から設けることができるからである。
【0011】
ただし、板材は、たとえば容器の高さの約1/2以上の高さで、両斜辺が内側に湾曲する略二等辺逆三角形状に形成し、保持部材は、板材の上端の両隅角部、下部の両側端部に突設する棒材として形成し、各ガイド部材は、上下の保持部材の間に位置するように配置するのがよい。なお、搬入位置側の保持部材は、搬入位置の容器がアタッチメント部材に対応する位置、すなわち収納スペースに対応しない位置で不用意に回転体の軸方向に進出しないように、少なくとも板材の下部に突設するものについては、板材の幅内で回転体の周方向に連続するブロック体としてもよい。また、各保持部材は、回転体の回転方向前方側のものを後方側のものより回転体の軸方向に高くすることにより、搬入位置において容器を円滑に回転体の周面上の収納スペースに搬入し、搬出位置において容器を円滑に収納スペースから搬出することができる。
【0012】
補助ガイド部材は、回転体の少なくとも下半部に配置することにより、倒立状態の容器が収納スペースから脱落して落下することを阻止することができる。なお、補助ガイド部材は、回転体の回転に伴う容器の移動軌跡に合わせて、たとえば容器の口部の両側の肩部に係合するように、前後一対の線材を円弧状に形成して作ることができる。また、このような補助ガイド部材と平行に、クリーンエアを噴出するエアノズル用の支持ガイド部材を同様の形態にして補助ガイド部材の外側に配置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
【0014】
容器の反転装置は、円板状の回転体10と、回転体10の周面に突出するようにして付設する複数のアタッチメント部材20、20…と、回転体10と同軸の前後のガイド部材31、32とを備えてなる(図1)。ただし、図1において、回転体10の手前側(前方側)に配置する前のガイド部材31のみが図示されており、回転体10の背面側(後方側)に配置する後のガイド部材32は、前のガイド部材31と重なるため、図示が省略されている。回転体10の周面上には、アタッチメント部材20、20…を介してたとえばペットボトルからなる容器Wを個別に収納する収納スペースS、S…が形成され、回転体10を1回転させることにより(図1の矢印方向)、各収納スペースS内の容器Wを上下に360°回転させて反転させることができる。
【0015】
容器W、W…は、搬入コンベヤ40を介し、回転体10の前方側の最上部付近に設定される搬入位置Aに正立状態で一列に整列して搬入される(図1、図2の各矢印K1 方向)。また、各容器Wは、回転体10を介して反転処理され、正立状態に戻った上、回転体10の後方側の最上部付近に設定される搬出位置Bを介して、搬出コンベヤ50上に一列に整列して排出される(図1、図2の各矢印K2 方向)。搬入コンベヤ40の前端は、搬入位置Aに到達しており、搬出コンベヤ50の後端は、搬出位置Bに到達している。また、搬入位置Aには、プッシャ33が配設されている。
【0016】
前のガイド部材31は、搬入位置Aの外側から回転体10の回転方向に約1回転させる螺旋状であり、その先端は、回転体10の軸方向の中間部付近にまで伸びている(図2、図3)。また、後のガイド部材32は、回転体10の軸方向の中間部付近から回転体10の回転方向に約1回転させる螺旋状であり、その先端は、搬出位置Bの外側にまで伸びている。なお、アタッチメント部材20、20…付きの回転体10、ガイド部材31、32、搬入コンベヤ40、搬出コンベヤ50の相対位置関係を模式的に示すと、図4のとおりである。ただし、図4において、回転体10は、最上部で切断して展開する展開図として図示されており、図中の符号Cは、回転体10の最下部の位置を示す。
【0017】
そこで、搬入位置Aにおいて、プッシャ33を介して回転体10の周面上の収納スペースSに搬入される容器Wは、回転体10の回転により、前のガイド部材31を介して回転体10の軸方向に駆動され、最下部の位置Cにおいて回転体10の中間部にほぼ到達して倒立状態となる。その後、容器Wは、回転体10の回転によって、前のガイド部材31を介して軸方向に駆動され、さらに後のガイド部材32によってガイドされながら、正立状態となって搬出位置Bから搬出コンベヤ50上に排出される。すなわち、搬入位置Aから順次搬入される容器W、W…は、回転体10の回転により、上部に開口する口部が螺旋状の移動軌跡Mを描くようにして反転処理することができる。
【0018】
アタッチメント部材20、20…付きの回転体10、搬入コンベヤ40、搬出コンベヤ50は、前後のガイド部材31、32を含む他の必要部材とともに、フレームF上に組み付けられている(図1、図2)。フレームFには、回転体10の下方に引出し形のドレン受けF1 が組み込まれている。また、フレームFは、下部のキャスタF2 、F2 を介して床FR上を任意に移動可能であり、下面の調節ボルトF3 、F3 …を介してキャスタF2 、F2 を浮かせることにより、床FR上に固定して設置することができる。
【0019】
搬入コンベヤ40は、コンベヤベルト41と、コンベヤベルト41の両側に立設する前後のガイド板42、43とを備えている。コンベヤベルト41は、フレームFに搭載するモータ41aによって駆動される。また、前のガイド板42は、調節ブラケット42a、42aを介し、コンベヤベルト41に対して前後に相対移動可能であり、後のガイド板43は、フレームFに固定されている。搬出コンベヤ50は、コンベヤベルト51と、コンベヤベルト51の両側に立設する前後のガイド板52、53とを有する。コンベヤベルト51は、フレームFに搭載するモータ51aによって駆動され、前のガイド板52は、フレームFに固定され、後のガイド板53は、調節ブラケット53a、53aを介し、コンベヤベルト51に対して前後に相対移動可能である。
【0020】
コンベヤベルト41、51の上側の搬送面は、それぞれフレームFに組み込む受けブラケット44、54上を摺動走行することができる(図3)。なお、受けブラケット44、54には、回転体10用の支持ブラケット14、14が下向きに連結されており、回転体10の駆動軸15は、支持ブラケット14、14を介して、回転自在に水平に支持されている。また、駆動軸15の一端には、回転体10の駆動モータ16が連結されている。ただし、駆動モータ16は、いわゆる中空軸タイプのギヤドモータであり、図示しない固定部材を介してケース体をフレームFに連結して回り止めされている。
【0021】
アタッチメント部材20、20…付きの回転体10の構成を図5に示す。ただし、図5(A)〜(C)は、それぞれ回転体10の分解構成図、全体正面図、同図(B)の中央縦断面説明図である。
【0022】
回転体10は、薄い円板11の両面に対し、円板11と同径のリング体12、13を一体にねじ止めし(図5(A)、(C))、全体として円板状に組み立てられている。また、アタッチメント部材20、20…は、回転体10の周面を周方向に区分して容器Wの収納スペースS、S…を形成するように、それぞれ取付用のアーム21を介し、回転体10の外周から等ピッチに放射状に突出するようにして円板11に着脱自在にねじ止めされている(同図(B)、(C))。なお、回転体10の一方のリング体13には、アーム21を円板11の径方向に差し込むチャンネル状の切欠き13a、13a…が形成されている(同図(A))。
【0023】
回転体10は、すり割り付きのブッシュ11a、11aを円板11の中心部両面に取り付け(図5(C))、ブッシュ11a、11aを介し、ブッシュ11a、11a、円板11を貫通する駆動軸15に固定されている。なお、回転体10の軸方向の高さ、すなわち周面の幅wは、容器Wの最大径dに対し、d<w<2d、好ましくはd<w<1.5d程度に設定されている。
【0024】
各アタッチメント部材20の構成を図6に示す。ただし、図6(A)〜(D)は、それぞれ正面図、左側面図、右側面図、上面図である。
【0025】
アタッチメント部材20は、板材22に対し、棒材の保持部材23、23…、ブロック体の保持部材24を突設して構成されている。板材22は、略二等辺逆三角形状に形成され、両斜辺を内側に湾曲させるとともに、補強のために底辺を一方に折り曲げている。板材22の上端両隅角部には、それぞれ棒材の保持部材23、23が共通のボルトを介して板材22の両面に突出するようにねじ止めされ、板材22の下部には、ブロック体の保持部材24と、棒材の保持部材23、23とが共通のボルトを介して各面に突出するようにしてねじ止めされている。なお、棒材の保持部材23、23…は、板材22の中心線の両側で長短の2種類が使い分けられており、ブロック体の保持部材24は、短い保持部材23と同一高さに設定されている。また、板材22の中心線上には、取付用のアーム21をねじ止めするためにナット21a、21aが付設されている。
【0026】
アタッチメント部材20、20…は、板材22が回転体10の周方向に向くように回転体10の軸方向の中間部に等ピッチに付設することにより、内側に湾曲する両斜辺を介して容器W用の収納スペースS、S…を回転体10の周面上に周方向に区分して形成することができる(図5(B)、図1)。なお、各アタッチメント部材20は、ブロック体の保持部材24が搬入位置A側となり、棒材の保持部材23、23…の長い方が回転体10の回転方向前方側となるようにして使用される(図4)。ブロック体の保持部材24は、収納スペースSに対応する位置以外で容器Wが回転体10の周面上に進出することを防止し、長い保持部材23、23は、回転体10の最下部の位置Cから搬出位置Bまでの間で容器Wを一層安定に支持することができる。保持部材23、23…は、回転体10の回転中に各収納スペースS内の容器Wが回転体10の周方向に過大に傾くことを阻止し、容器Wの姿勢をほぼ一定に保持することができる。
【0027】
なお、回転体10に付設するアタッチメント部材20、20…は、図1、図5(B)のように8組とするに代えて、6組とすることにより、たとえば把手付きの大容量の容器W、W…にも適合させることができる(図7)。このとき、回転体10の一方のリング体13に形成する切欠き13a、13a…は、8組、6組のアタッチメント部材20、20…を切り換えて回転体10に付設し得るように、リング体13の周方向を8等分、6等分するような2系列を形成するものとし、円板11側にも、所定数のアーム21、21…を等ピッチに放射状にねじ止めするために、必要なナットやねじ孔などが準備されている。ただし、アタッチメント部材20、20…は、回転体10に対し、8組、6組以外の任意の複数組を周方向に等分して付設することができる。
【0028】
回転体10と同軸の前後のガイド部材31、32は、それぞれたとえばステンレス材の線材を回転体10の回転方向に約1回転する螺旋状であり(図1、図8)、それぞれの巻径は、回転体10上のアタッチメント部材20、20…の高さ方向の中間部を横切るように設定されている。
【0029】
前のガイド部材31の基端は、調節ブラケット31aを介して、搬入コンベヤ40の前方の搬入位置Aの外側に前後に移動調節可能に固定されており(図2、図8(A))、回転体10の回転方向に約1回転し、その先端は、回転体10の軸方向の中間部付近にまで伸び、固定ブラケット31bを介して固定されている。また、後のガイド部材32は、回転体10の軸方向の中間部付近の基端が固定ブラケット32aを介して固定され(図3、図8(B))、回転体10の回転方向に約1回転し、その先端は、調節ブラケット32bを介して、搬出コンベヤ50の後端の搬出位置Bの外側に前後に移動調節可能に固定されている(図2、図8(B))。
【0030】
なお、ガイド部材32の先端には、搬出コンベヤ50上を斜めに横切る延長ガイド32c、補助ガイド32dが付設されており、延長ガイド32cの内側には、容器Wの最大径相当の距離を隔てて延長ガイド32cとほぼ平行する別の補助ガイド32eが付設されている。また、調節ブラケット31a、32b、固定ブラケット31b、32aは、それぞれフレームFに固定されている。搬入位置Aに設けるプッシャ33は、フレームF上のエアシリンダ33aを介して、搬入コンベヤ40上の容器Wを回転体10の周面上の収納スペースSに個別に押し込むことができる(図2、図4)。
【0031】
回転体10の外周には、前後各一対の補助ガイド部材35、35が配置されている(図1、図2)。補助ガイド部材35、35は、回転体10の最下部において倒立状態となる容器Wが収納スペースSから脱落して落下することを阻止するために、回転体10の回転に伴って螺旋状の移動軌跡Mを描いて移動する容器Wの肩部に常に対応するように、回転体10の上部を除く下側に円弧状に配置されている。なお、補助ガイド部材35、35の外側には、連結ブラケット35a、35a…を介し、補助ガイド部材35、35と平行する円弧状の支持ガイド部材36、36が配置されている。補助ガイド部材35、35、支持ガイド部材36、36は、回転体10の少なくとも下半部に対応するように形成され、左右の調節ブラケット36a、36aを介し、フレームFに対して前後に移動調節可能に一括支持されている。
【0032】
支持ガイド部材36、36には、エアノズル37、37…が内向きに保持されている(図1、図8(C))。各エアノズル37は、支持ガイド部材36、36に沿って任意の位置に移動させて固定することができ、図示しないエア源に接続されている。なお、エアノズル37、37…は、少なくとも回転体10の最下部に上向きの1本を設けるものとし、必ずしも複数本を設けなくてもよい。エアノズル37、37…は、回転体10の回転に伴って反転処理される容器Wの口部にエア源からのクリーンエアを吹き込んで内部を清浄にすることができる。なお、各エアノズル37は、静電除去効果があるイオン化されたエアを噴出してもよい。また、補助ガイド部材35、35、支持ガイド部材36、36は、容器Wのサイズに合わせて適宜設置位置を調節することができ(図3の二点鎖線)、エアノズル37、37…も、支持ガイド部材36、36を介して容器Wの口部の直近に位置させることができる。
【0033】
以上の説明において、容器Wは、各種の容量のペットボトル、ガラスびん、金属缶などのいずれであってもよい。また、アタッチメント部材20に付設するブロック体の保持部材24は、棒材の保持部材23、23に代えてもよく、板材22の上端の各面の2本の棒材の保持部材23、23も、ブロック体の保持部材24に変更してもよい。さらに、板材22の形状、大きさ、各保持部材23の長さ、太さ、各保持部材24の高さ、形状などは、容器Wの形状、容量に合わせて、任意に変更可能である。前後のガイド部材31、32には、それぞれ延長ガイド32c、補助ガイド32d、32eに代えて、またはそれらと併用して別の補助ガイドを付設してもよく、たとえば図4には、前のガイド部材31とほぼ平行な短い補助ガイド31cが図示されている。なお、容器Wを搬入コンベヤ40から搬入位置Aに搬入するには、プッシャ33を使用するに代えて、搬入コンベヤ40により順次押し込むようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】全体組立正面図
【図2】要部拡大平面図
【図3】要部拡大右側面図
【図4】動作説明模式図
【図5】要部構成説明図(1)
【図6】要部構成説明図(2)
【図7】他の実施の形態を示す要部正面図
【図8】要部構成説明図(3)
【符号の説明】
【0035】
W…容器
S…収納スペース
A…搬入位置
B…搬出位置
10…回転体
15…駆動軸
20…アタッチメント部材
22…板材
23、24…保持部材
31、32…ガイド部材
35…補助ガイド部材

特許出願人 有限会社 アイ・エス・エス
代理人 弁理士 松 田 忠 秋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平の駆動軸を介して回転駆動する円板状の回転体と、容器ごとの収納スペースを前記回転体の周面上に周方向に区分して形成する複数のアタッチメント部材と、前記回転体と同軸の螺旋状に形成する前後のガイド部材とを備えてなり、前記回転体は、前記各収納スペース内の容器を上下に反転させ、前記ガイド部材は、前記各収納スペース内の容器を前記回転体の前方側の搬入位置から後方側の搬出位置にまで移動させることを特徴とする容器の反転装置。
【請求項2】
前記各アタッチメント部材は、前記回転体の中間部に周方向に立設する板材と、該板材の両面に突設し、前記各収納スペース内の容器の姿勢を保持する保持部材とを備えることを特徴とする請求項1記載の容器の反転装置。
【請求項3】
前記回転体の少なくとも下半部には、前記各収納スペース内の容器の落下を阻止する補助ガイド部材を配置することを特徴とする請求項1または請求項2記載の容器の反転装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−106534(P2007−106534A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−297824(P2005−297824)
【出願日】平成17年10月12日(2005.10.12)
【出願人】(505098498)有限会社 アイ・エス・エス (3)
【Fターム(参考)】