容積式ポンプ装置
ポンピング流体を押しのけるための容積式ポンプ装置(10)が開示される。本装置は、ポンピング流体を受け容れる配管システムに配置された1つまたは複数のポンプ・チャンバ(22)を備え、配管システムは、弁(24’)によって閉鎖され得る少なくとも1つの入口(21)と、弁(24”)によって閉鎖され得る少なくとも1つの出口(21”)とを有する。1つまたは複数のポンプ・チャンバ22は、少なくとも1つの中間流体チャンバ(13”)を介して、ピストン・ヘッド(14)およびピストン・ロッド(15)の形態の少なくとも1つの押しのけ要素と連結されており、押しのけ要素は、それが移動する間に吸込みストロークおよび押しのけストロークを交互に実行することにより、ポンプ・チャンバ(22)の容積をそれぞれ増加および減少させて、中間流体チャンバ(13”)内の流体を押しのけるように構成されている。ポンプ・チャンバ(22)には、中間流体チャンバ(13”)内の流体をポンピング流体から分離するために、ダイアフラム(23)の形態の少なくとも1つの可撓性の分離要素が設けられている。さらに、少なくとも押しのけストロークの間に、前記少なくとも1つのピストン・ヘッド(14)の側に力またはエネルギーを加える加圧手段が設けられ、前記力またはエネルギーが、中間流体チャンバ内(13”)の流体によってピストン・ヘッド(14)に加えられた力を打ち消すような形態とし、それによって、ピストン・ヘッド(14)およびピストン・ロッド(15)が押しのけストローク運動を実行するために必要な全体の力を低減できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
液体または気体などの媒体をポンピングするための容積式ポンプ装置が開示される。容積式ポンプの運転を制御する方法も本明細書に開示される。この方法および装置は、多くの異なる設計の複数チャンバのポンプを含む容積式ポンプに適用可能である。
【背景技術】
【0002】
容積式ポンプは広範に使用されている。これらのポンプは、各チャンバが入口および出口を有する、1つまたは複数のポンプ・チャンバを備えることができる。使用時には、入口および出口を順次、開閉させることができる。既知の装置において各ポンプ・チャンバは、ポンプ・チャンバに隣接する何らかの駆動手段によって移動され得る、少なくとも1つの押しのけ要素を有するように構成され得る。押しのけ要素はその移動の間に、吸込みストロークおよび押しのけストロークを交互に実行し、それによってポンプ・チャンバの容積を、それぞれ増加および減少する。
【0003】
従来技術のいくつかの実施形態では、チャンバの側壁の少なくとも一部を形成し、チャンバを通してポンプ輸送されている流体から押しのけ要素を分離する働きをする、少なくとも1つの可撓性の分離要素を、ポンプ・チャンバが有し得る。
【0004】
それらの容積式ポンプは一般に、粒子スラリなど腐食性および/または研磨性の媒体、あるいは高温または高圧下にある可能性がある何らかの腐食性の液体または気体をポンピングまたは押しのけるための、ポンプおよび/またはコンプレッサのシステムに使用される。既知の押しのけデバイスの1つの実施形態では、ある量の押しのけられる媒体が、押しのけ要素の吸込みストロークの間に、入口側を通って(かつ配管システムから)ポンプ・チャンバ内に吸い込まれ、これと同量の媒体が、押しのけ要素の押しのけストロークの間に、出口側を通ってポンプ・チャンバ外へ押しのけられる(または強制排出される)。
【0005】
押しのけ要素を平行移動させる駆動手段は、リニアモータ、磁気駆動装置、流体駆動装置、カムシャフト駆動装置、偏心駆動装置、クランク結合ロッド機構、等であってよい。通常の運転状況で押しのけ要素は、作動圧力によって荷重が加えられる押しのけストロークと、荷重が加えられない、または低荷重の吸込みストロークに耐える。この不均衡な力が作用される結果、押しのけ要素、およびそのそれぞれの部品の構造寸法は、荷重が加えられた押しのけストロークに適合させられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、可動部に加えられる荷重が著しく低減された、容積式ポンプ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ポンピング流体を押しのける容積式ポンプ装置を提供するものであり、
本装置は、ポンピング流体を受け容れる配管システムに配置された1つまたは複数のポンプ・チャンバを備え、配管システムは、弁によって閉鎖され得る少なくとも1つの入口と、弁によって閉鎖され得る少なくとも1つの出口とを有し、
1つまたは複数のポンプ・チャンバは、少なくとも1つの中間流体チャンバを介して、少なくとも1つの押しのけ要素と連結されており、押しのけ要素は、それが移動する間に吸込みストロークおよび押しのけストロークを交互に実行することにより、ポンプ・チャンバの容積をそれぞれ増加および減少させて、中間流体チャンバ内の流体を押しのけるように構成されており、
少なくとも1つの可撓性の分離要素が、中間流体チャンバ内の流体をポンピング流体から分離するために、ポンプ・チャンバに設けられており、
本発明によれば、少なくとも押しのけストロークの間に、前記少なくとも1つの押しのけ要素の側に力またはエネルギーを加え、その結果、前記力またはエネルギーが、中間流体チャンバ内の流体によって押しのけ要素に加えられた力を打ち消し、それによって押しのけ要素の押しのけストローク運動を実行するために必要な全体の力を低減する加圧手段が設けられる。
【0008】
1つの実施形態において押しのけ要素は、ポンプ・チャンバの1つの側に配置された駆動手段によって移動され得る。
【0009】
1つの実施形態において加圧手段は、吸込みストロークの間に生成された力またはエネルギーを受けることができる。
【0010】
押しのけ要素に追加の力を加えた結果、押しのけデバイスの作動中に種々の部品が受ける荷重が著しく低減され得る。
【0011】
さらに、押しのけ要素は、ポンピング流体と直接に接触せず、分離要素および中間流体チャンバを使用して分離されているので、補償力を押しのけ要素に直接加えることができ、またこの押しのけ要素は清浄な中間流体中で作動しているので、さらにその構造上の寸法を制限できる。荷重が加えられる押しのけストロークに補償を行い、荷重が加えられない吸込みストロークにほぼ同じ補償力を加えることにより、押しのけ要素の全ストロークにわたって全荷重が配分される。駆動装置全体により高い押しのけエネルギーを加えることができ、または同じ作動条件でより小さい寸法の駆動手段が使用できる。
【0012】
1つの実施形態において、ポンプ・チャンバが配置されている側と反対側の押しのけ要素の側に、加圧手段を配置することができる。
【0013】
1つの実施形態において、加圧手段は油圧オイルまたは液状流体、または気体などの流体であってよい。
【0014】
別の実施形態において、加圧手段は、前記少なくとも1つの押しのけ要素を、ポンプ・チャンバが位置付けられた側と反対側の押しのけ要素の側に係合させる、少なくとも1つのばね要素を備え得る。
【0015】
さらに別の実施形態において、加圧手段は作動媒体としての気体で付勢された蓄圧器を備えることができ、この蓄圧器は、ポンプ・チャンバが配置された側と反対側の押しのけ要素の側と連通している。このようにして、特に押しのけストロークの間に、反対圧力または反対向きの力を、効果的に押しのけ要素に加えることができ、その結果、本装置の可動部分に加えられる力または荷重が低下する。この1つの形態において、作動媒体は加圧可能な流体、特に気体であってよい。このような実施形態において、蓄圧器は流体の貯蔵容器として機能することができ、この流体は、押しのけ要素の位置に従って蓄圧器内にまたは外へ押しのけられる。
【0016】
1つの実施形態において、ポンプ・チャンバが配置されている側と反対側の、少なくとも1つの押しのけ要素の側は、別のそれぞれのポンプ・チャンバの反対側の側にやはり配置されている、少なくとも1つの別の押しのけ要素の側と、連通することができる。この構成の1つの形態において、複数の押しのけ要素は、互いに連通している押しのけ要素の側の容積が隣接しており、容積の和が実質的に、またはまったく一定であり続けるように、互いに同位相で平行移動され得る。
【0017】
換言すれば、加圧手段が流体であるとき、1つの押しのけ要素が押しのけストロークに延伸しており、別の押しのけ要素が吸込みストロークに引き込まれているそのときに、流体が、1つの押しのけ要素の背後から、別のそれぞれの押しのけ要素の背後へ、流れ得るようにする。この方式の利点は、容積式ポンプの種々のポンプ・セクションが自立的に互いに支持することである。これにより前記媒体が、容積式ポンプの種々のポンプ・チャンバの吐出しストロークを常に支持できるようにして、加圧作動流体を効率的に利用する結果となる。この構成のある特定の形態において、前記隣接する容積はマニフォルド内で画成されてよい。
【0018】
1つの実施形態において、上述の押しのけ要素または各押しのけ要素は、プランジャ・ピストンであってよい。
【0019】
1つの実施形態において、上述の可撓性分離要素または各可撓性分離要素は、ポンプ・チャンバに面する中間チャンバの1つの壁または壁の一部分を形成してよい。
【0020】
1つの実施形態において前記加圧手段は、前記少なくとも1つの押しのけ要素の側で、ポンプ・チャンバが配置された側と反対側の側に向けて、中間媒体を押しのけるように構成されたポンプ要素をさらに備えることができる。
【0021】
1つの実施形態において、配管システムの出口内の圧力に基づいて、およびできる限り入口内の圧力にも基づいて、加圧手段が一部制御され得る。
【0022】
1つの実施形態において、前記少なくとも1つの押しのけ要素の前記側で、力が加えられる側に生ずる温度に基づいて、加圧手段が一部制御され得る。
【0023】
1つの実施形態において、前記少なくとも1つの押しのけ要素の前記側で、力が加えられる側に生ずる圧力に基づいて、加圧手段が一部制御され得る。
【0024】
発明の概要に前述した方法と装置の範囲内に含まれ得る任意の他の形態にかかわらず、特定の方法と装置の実施形態を例とし、添付する図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】最新の技術による容積式ポンプの外観斜視図である。
【図2a】本発明による容積式ポンプの第1の部分的実施形態の概略図である。
【図2b】本発明による容積式ポンプのさらなる部分的実施形態の概略図である。
【図2c】本発明による容積式ポンプのさらなる部分的実施形態の概略図である。
【図3】本発明による容積式ポンプの部分的実施形態の概略図である。
【図4】本発明による容積式ポンプの部分的実施形態の概略図である。
【図5a】本発明による容積式ポンプの概略図である。
【図5b】本発明による容積式ポンプの概略図である。
【図5c】本発明による容積式ポンプの概略図である。
【図6a】本発明に従った装置を使用して荷重平衡が行われた荷重平衡のある場合と、ない場合の両方の容積式ポンプを使用して実行された、ある押しのけ要素の荷重測定の実験的測定値を示す図である。
【図6b】3つの押しのけ要素、中間チャンバ、ポンプ・チャンバ、および可撓性分離要素の組合せを有し、本発明による装置である容積式ポンプを使用してなされた、ポンプ・クランクシャフト角度の関数としての、個々の押しのけ要素によって発生させられた個々の流体流量の、いくつかの理論計算を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明を正確に理解するために、以下の図の説明で同じ部品は同じ符号で示される。図1は最新の技術による容積式ポンプの実施形態を示す。ポンプ10は、3つのポンプ・チャンバ12a〜cを備え、それらはクランクケース11に連結されたポンプ・ハウジング12内に一体化されている。
【0027】
容積式ポンプ10は、この場合は3つの押しのけデバイスとして構成されている。この実施形態において、ポンプ・チャンバ12は、シリンダ・ピストン組合せ体として構成された3つのポンプ・セクションを備え、その個々のシリンダは13a〜13cで示される。シリンダ・チャンバ13a〜13c内には、3つのピストン14a〜14c(図示せず)があり、それらは押しのけ要素として働く。各ピストン14a〜14cはピストン・ロッド15a〜15c(図3および4を参照せよ)に連結されており、このピストン・ロッド15a〜15cは何らかの形式の駆動手段に連結されている。この実施形態において駆動手段は、クランクケース11内に回転するように取り付けられたクランクシャフトとして構成されており、この場合内部の歯車伝動装置を介して、駆動シャフト111によって駆動される。
【0028】
回転可能に駆動されるクランクシャフト110によって、ピストン14a〜14cは、種々のピストン・ロッド15a〜15cを介してシリンダ・チャンバ13a〜13c内で往復運動(平行運動)させられ、ポンプ・チャンバの部分を形成する。
【0029】
ここで図2aを参照すると、ポンプ・ハウジング20はポンプ・チャンバ22を備える。ポンプ・ハウジング20は、配管システムに組み込まれて入口側部分21’および出口側部分21”を有し、入口側部分および出口側部分は両方とも、一方向弁24’および24”でそれぞれ閉鎖される。
【0030】
配管システムを通して流れる媒体を押しのけるために、ピストン・ヘッド14およびピストン・ロッド15の組合せ体の形態をした押しのけ要素が設けられ、それは駆動手段(図示せず)によってポンプ・チャンバ22内へおよび外へと平行移動され得る。平行移動の結果、ピストン・ヘッドおよびロッド14、15は吸込みストロークならびに押しのけストロークを行う。吸込みストロークの間、ピストン・ヘッド14は右側から左側に移動し(図2aの視点から見て)、それによってポンプ・チャンバ空間22の容積を増加する。ポンプ輸送される流体または混合物が、この状況で開となっている一方向弁24’を通って、入口側21’からポンプ・チャンバ空間22内に導入される。中間流体チャンバ13a内の流体が右から左へ移動され、ダイアフラム23の形態の可撓性の分離要素もピストン・ヘッドに向かって左に引き込まれるために、この空間は広がる。
【0031】
押しのけストロークの間に、図2aに示すようにピストン・ヘッドおよびロッド14、15が、左から右へ移動するとき、ポンプ・チャンバ空間22の容積は減少させられ、前記ポンプ・チャンバ空間内に存在する流体または混合物は、出口側21”を介して押しのけられる。一方向弁24”は開になり、一方、入口側21’の一方向弁24’は閉であり続ける。中間流体チャンバ13a内の流体は左から右へ移動させられ、図2aに示すように、ダイアフラム23も、外向きに右へそしてピストン・ヘッド14から離れるように押される。
【0032】
全体的な平行移動ストロークの間のピストン・ヘッド14の平行移動の間に、ピストン・ロッド15および駆動手段に加えられ、その結果として生じた力と平衡するために、吸込みストロークの間に蓄積されたエネルギーが次の押しのけストロークの間に吐き出されるような、加圧手段が設けられ、それによって、押しのけストロークを起こすために必要な力の少なくとも一部を放出する。図2aに示す実施形態において、加圧手段はばね要素161で構成され、ばねは予荷重されていてよく、シリンダ・ハウジング13の底130で支持される。ばね要素161は、シリンダ・ハウジング13内で移動するピストン・ヘッド14に力を加える。
【0033】
図2bは、本発明による前記加圧手段16の別の実施形態を示すものであり、加圧手段は蓄圧器162を備え、その中には分離要素166が配置されて、蓄圧器16の空間を第1の空間168と第2の空間167とに分離する。第1の空間168は気体が満たされ、できる限り可撓性の膜166によって第2の空間167内に存在する作動媒体と分離されている。第1の空間168に存在する気体は、例えば特定圧力の圧縮空気であってよく、一方第2の空間内に存在する媒体は例えば液体であってよい。蓄圧器162は、使用時にピストン・ヘッド14がその中で移動させられるシリンダ13の空間13’と連通しているので、作動媒体はピストン・ヘッド14に力を加える。
【0034】
図2cに示す実施形態の場合、加圧手段が蓄圧器16も備え、蓄圧器はこの例では気体状の作動媒体で完全に満たされており、一方図2bに示すような分離要素166は存在しない。
【0035】
図3、4、5aおよび5bは容積式ポンプを示し、本実施形態では3段の押しのけデバイスである。しかし図3および4は、ピストン・ヘッド14およびピストン・ロッド15の形態の押しのけ要素、中間チャンバ13”、ポンプ・チャンバ22、ならびにダイアフラム23の形態の可撓性分離要素の3つの組合せのうちの1つについて、詳細を示すにすぎない。中間チャンバ13”内には中間媒体が存在する。いくつかの実施形態では、中間媒体は液体などの非圧縮性流体であり得る。いくつかの実施形態では、ダイアフラムは、分離要素でなくポンプ・チャンバに面する中間チャンバの1つの壁(または壁の部分)を形成する。
【0036】
シリンダ・チャンバ13a’〜13c’内での往復運動の間に、ピストン・ヘッド14a〜14cはそれぞれ、中間チャンバ13”内に存在する中間流体をダイアフラムまたはホース23の形態の可撓性分離要素の方向に押しのける。ダイアフラムまたはホース23は、連結フランジ21a’〜21a”を介して配管内に取り付けられ、例えば刺激性または腐食性液体がそれを通って流れ、ポンプ輸送され得る、ポンプ・チャンバ22から押しのけデバイス10を隔離する。可撓性分離要素はホース状の要素であってもよい。
【0037】
押しのけまたは吐出しストロークの間に、押しのけ要素の運動は、中間チャンバ13”内の中間流体を介してダイアフラム23に流体的に伝達され、ダイアフラム23は同様に膨張して、それぞれ2つのフランジ結合21aおよび21bの1つを介して、ポンプ・チャンバ22内に存在するポンピング流体またはスラリをポンプ・アウトする。図3および4に明確に示されているように、配管21a’〜21a”は一方向弁24a’および24a”に結合されており、それによって往復運動可能な可撓性ダイアフラム23aを用いて、入口側21a’を通って出口側21a”の方向へポンピング流体またはスラリを押しのけることができる。ポンプ輸送されるスラリ流の脈動を吸収するために、いわゆる脈動ダンピング・デバイス25aが、下流配管部分21a”内に取り付けられる。
【0038】
容積式ポンプが、クランクシャフト110、クランクシャフト・ロッド、結合ロッド、およびクロスヘッド(図示せず)を介して駆動されているときに、ピストン・ロッド15a〜15cおよびピストン・ヘッド14a〜14cに加えられる力を低減するために、押しのけデバイスは、ダイアフラム23の反対側のそれぞれのピストン・ヘッド14a〜14c側に追加の力を加える、加圧手段を備えている。
【0039】
加圧手段の第1の実施形態は、ピストン・ロッド15を囲んで配置されたばね要素161の形態であってよく(図2a参照)、それはピストン・ヘッド14a〜14cおよびシリンダ・ハウジング13の底130の両方で支持されている。別の形態の加圧手段は、貯蔵タンク160から供給される加圧可能な作動媒体を備えてよい(図3および4参照)。前記加圧可能な媒体は、ポンプ161、弁162、ならびに供給ライン16dおよび16a〜16cのそれぞれによってハウジング13a〜13cの第1のシリンダ・チャンバ13a’〜13b’〜13c’に供給される流体であってよい。
【0040】
力補償システムの加圧は、押しのけデバイスの起動時に一度だけ行い、その後は、漏れによる損失を補充または補償するため、容積式デバイスの排出圧力の変化を調整するため、または温度制御目的のために流体を補給するためにのみ使用される。参照符号163aは、過剰な中間作動媒体を蓄圧タンク160内へ蓄積するための戻りラインを示す。
【0041】
力補償システムの加圧は、押しのけシステム自体によっても行われ、特に中間流体を用いてより多く行われ、中間流体は中間チャンバ13a”からフィードバック配管163dを介して弁162ならびに供給配管16dおよび16a〜16cへ、それぞれ戻される。この実施形態を図4に示す。
【0042】
そのような構成において、吐出ストロークの間に追加の流体力または圧力がピストン・ヘッド14a〜14cに加えられ、その結果種々の部品にかけられる荷重は、単一押しのけ要素の実施形態に関して既に説明されたように、使用時に発生する運転力によって低減される。したがって、本質的に、容積式ポンプ10の押しのけ力を伝達する可動部品は、同じ運転条件に対してより小さい寸法で設計でき、または使用できる。
【0043】
図4は別の概略図を示し、さらなる実施形態において各ポンプ・セクションの中間チャンバ13a”〜13c”は、配管163dを介して弁162に連結されている。この構成において、中間チャンバ13a”〜13c”に存在する流体媒体は吐出しストロークの間に、圧力下で排出され、別のポンプ・セクションの第1の圧力チャンバ13a’〜13b’に供給されるように使用され得る。同様に第1のシリンダ・チャンバ13a’〜13c’に存在する流体媒体は、吸込みストロークの間に、配管16a〜16c、および共通配管16d(またはマニフォルド)を介して、別のポンプ・セクションの第1のシリンダ・チャンバ13a’〜13c’へ圧力下で排出され、それによって別の配管セクションは、同時に押しのけストロークまたは吐出しストロークを実行する。
【0044】
このようにして種々の部分は、吐出しストロークおよび吸込みストロークを交互に実行して、圧力下で流体媒体を往復的に押しのけることによって相互に支持する。したがって、吐出しストロークの間に、駆動手段、クランクシャフト、および歯車によって、種々の可動部品に送られることが必要な力は著しく低減され、それによって種々の部品はより小さい寸法で設計可能となる。これにより結果として、シングル・アクション式押しのけデバイスのために、より小型の駆動手段ユニットまたはクランクシャフト・ユニットとすることができて、さらに製造が安価になり得る。
【0045】
いくつかの構成において、ピストンおよびピストン・ロッドに加えられる力を低減するために使用される流体は、種々の部分が吐出しおよび吸込みストロークする間に、可撓性ダイアフラム23a〜23c(23)を移動させるために使用される、中間媒体と同じものである。
【0046】
図5a、5b、および5cは、図3および4に示す実施形態をさらに複雑にしたものを示すものであり、それらは3つの押しのけセクションで形成され、それぞれ何らかの形式の加圧手段によって制御される。図5a〜5cに示す実施形態では、図2cに示すような蓄圧器163が使用され、これは、単一の実施形態とは異なり、この場合にはチャンバ13a’〜13c’の容積増減によりほとんど弾性をもたらさないので、これらのチャンバ13a’〜13c’は使用時に他の形で互いに容積を補償する。図5a〜5cに示す実施形態では、熱的効果、小さな機械的(製造上の)差異(種々の押しのけ要素の不適切な位相制御など)、および少量の漏洩損失を補償するために、いくらかの弾性は必要とされる。
【0047】
図5aの実施形態は、本発明による受動的に運転される加圧手段の構造を開示するものである。供給ライン16dと連結された加圧可能な作動流体媒体が貯蔵タンク160内に貯蔵されている。供給ライン16dは、さらにそれぞれのライン163a〜cを介してチャンバ13a”〜13c”と連結され、そのそれぞれに逆止弁170が配置されており、吸込みおよび加圧ストロークの間に中間チャンバ流体が、供給ライン16dへ、したがって可撓性のダイアフラム23a〜23cから離れたピストン・ヘッド14a〜14cの側に向かって、押しのけられるようする。
【0048】
個々のシリンダが排出ストロークをする間に、ライン163a〜c内の逆止弁は、流体圧力を平衡マニフォルドまたは供給ライン16dにもたらす。タンク160へのドレン・ライン172内のオリフィス171は、マニフォルド16dからタンク160への連続的な漏洩を生じる。この漏洩は供給ライン163a〜cを通して再び補償される。タンク160へのドレン流によってマニフォルド16d内の圧力が低下すると、その圧力は、ピストンの排出ストロークの間に、中間チャンバ13a”〜13c”内の排出圧力より低くなる。中間チャンバ13a”〜13c”から流体を抜き出すことにより、その流体は逆止弁170を越えライン163a〜cを経由して流れ、ライン16d内の圧力は自動的に増加される。中間チャンバは「正常な(‘normal’)」ダイアフラム位置制御システムによって再び満たされる。
【0049】
前記連続的な漏洩によって、ライン16d内に流体が連続的に補給され、それによって、その圧力がポンプの排出圧力に等しくなるように、マニフォルド16d内の冷却、および圧力の自動圧力制御が行われる。
【0050】
図5bおよび5cに、能動的に作動する加圧手段のための、2つの異なる技術を示す。参照符号180は、脈動ダンピング・デバイス25a内、または出口配管21a”内に配置された圧力センサを示し、一方参照符号181は入口配管21a’内に配置された圧力センサを示す。圧力センサは両方とも、それぞれ信号ライン180aおよび181aを介して制御デバイス182に連結されている。制御デバイス182は、圧力を増加するために作動流体の通路とするように弁162を制御する。制御デバイス182は、作動流体を排出してシステム内の圧力を低下するために、弁164も制御する。
【0051】
さらに供給ライン16dに配置された温度センサ183および圧力センサ184から制御デバイスへ(弁162および164を制御するために)、信号入力が引きわたされる。
【0052】
制御デバイス182は、圧力センサ180〜181で得られた入力信号を使用して、供給ライン16d内の最適な作動圧力を計算し、2つの弁162および164を操作することにより、この計算された作動圧力が設定される。さらに、供給ライン16d内に存在する作動流体の温度は、温度センサ183および圧力センサ184の温度測定に基づき、それによって加圧手段の作動流体を補給するように、制御デバイス182が、弁162および164を開閉することにより制御され得る。
【0053】
図5bにおいて、ポンプ161は中間流体を貯蔵タンク160から供給ライン16dに向かって循環させるために使用され、一方、過剰の中間流体は戻りライン172a〜cを介してタンク160に向かって戻ることができる。
【0054】
図5cにおいて、ここでは中間媒体は、押しのけ要素14a〜14cの加圧ストロークの間に、ライン163a〜cを介してチャンバ13a”〜13c”から供給ライン16dに向かって吐き出されるので、ポンプ要素161はない。
【0055】
図5bおよび5cに示されたこれらの特徴は、図3および4の実施形態においても使用され得ることに注意されたい。
【0056】
図4(および5c)を参照するとさらに、力補償システムを加圧することを意図した中間チャンバ流体を循環するためのポンプ要素161(図3に示されるような)は、使用されていないことが注目される。実際に図4の実施形態において、容積式ポンプデバイスが加圧ストロークする間に、中間チャンバ流体はライン163dから排出され得る。したがって図4の実施形態において、供給ライン16d内の中間流体の最大圧力は、チャンバ13a”〜13b”〜13c”内に発生する最大圧力に等しいことが注目される。作動圧力が低下するときに、供給ライン16d内の圧力を低下させるために、中間チャンバ流体が排出されるように、制御デバイス182は弁162を制御できなければならない。
【0057】
図4の実施形態は図3の実施形態に対して、供給ライン16dを加圧するために追加のポンプユニットを必要としない、という利点を有する。
【0058】
供給ライン16d内の最大圧力も、容積式ポンプによって伝達された最大圧力に限定されるが、しかしこの欠点は図3の実施形態によって回避できる。ここでポンプ要素161を使用することにより、より高い圧力、実際にはチャンバ13a”〜13c”内で生じている圧力よりも高い圧力を供給ライン16d内で発生させることが可能になる。より高い圧力によって、供給ライン16dから、およびそこへ押しのけられる中間流体はより少ない量で可能となり、ポンプ製造の製造寸法はさらに低減される。ポンプの運転中に発生する熱もやはり低減し得る。供給ライン16d内の圧力も、センサ180および181による圧力測定を用いることにより、より正確に制御可能である。
【0059】
一例として、複数のポンプ・チャンバが隣接しているかまたは流体連通しているポンプ構成において、押しのけ要素の側への加圧手段適用の効果を例示するために、発明者はいくつかの実験的測定を行った。
【0060】
図6aは、本発明による加圧手段を使用した場合と使用しない場合の容積式ポンプ内のピストン・ロッド(15)の荷重(kNで測定した力)を、発明者が測定した値を示す。点線は、加圧手段を適用しない場合の測定値を示し、実線は加圧手段を適用した場合を示す。図6aで分かるように、加圧手段を適用しない場合のロッド荷重は、吸込みストロークの間のゼロレベル近くから、排出ストロークの間のある最大値まで増加する。加圧手段が適用されたとき(この場合は平衡マニフォルド16d内の一定流体圧力で)は、排出ストロークの間の最大荷重が低減され、吸込みストロークの間のゼロレベル近くの荷重は増加されるが、反対方向(負号)である。結果としてこの場合、絶対荷重の最大値が低下される。移動手段は、ピストン・ロッド荷重の最大絶対値(符号を無視して)を考慮して設計しなければならないが、この耐えるべき最大荷重の絶対値は、本発明による加圧手段のない構成の場合よりも小さいので、したがって駆動手段はより小さい寸法で設計することが可能である。
【0061】
図6bは、駆動手段としてクランクシャフト結合ロッド機構を使用している3シリンダ型容積式ポンプの場合における、可撓性の分離要素と反対側の個々の押しのけ要素によって発生させられた個々の流れの理論的計算を点線で示す。実線は3つの個々流れの和を示し、それは、個々のクランク・ジャーナル、したがってピストンの間で正常な位相角度が用いられているとき、ゼロである。これらの流れの和がゼロであることは、ポンプ・サイクル(クランクシャフトの1回転)の間における平衡マニフォルド16d内の容積が一定であることを確実にしており、したがって必要とされる蓄圧器の寸法を限定し、それは、ピストンの不正確な位相決め、流体の熱膨張、および少量の漏洩による、容積の小さな差異を補償するためにのみ必要とされる。排出圧力の小さな変化、および温度制御のための流体補給に対して反応しなければならないときに、蓄圧器はまた制御システムが過敏でないようにする。
【0062】
説明した実施形態のさらに別の構成において、選定された加圧手段は各ピストン・チャンバ内の加圧手段と同じである必要はなく、簡便のために1つまたは複数のチャンバ内で異なる加圧手段を使用してもよい。例えば、1つのシリンダ・チャンバにはばねを取り付け、一方別のチャンバには流体を満たしてもよい。すべてのチャンバをそのように相互連結する必要がないときには、いくつかのチャンバを共通マニフォルドまたは別の形式のハウジングによって相互連結してもよい。さらなる実施形態では、シリンダ・チャンバも同じ寸法である必要はない。
【0063】
好ましい実施形態についての前述の詳細な説明において、明確にするために特定の用語が使用されてきた。しかし説明された本発明は、そのように選定された特定の用語に限定されることは意図しておらず、各特定の用語は、同様の技術的目的を果たすために同様の形態で作動する、すべての技術的均等物を含んでいることを理解されたい。「上(upper)」、「下(lower)」、「右」、「左」等、などの用語は、基準点を示すための簡便な語として使用されたものであり、限定するための用語として解釈すべきではない。
【0064】
繰り返しを避け、参照を容易にするために、別の図面に示された代替の実施形態の同様な構成要素と特性は、ピストン・ヘッド14、14a、14b、および14cのように添字で指定されている。
【0065】
本発明を複数の好ましい実施形態を参照して説明してきたが、本発明は他の多くの形態で具体化され得ると理解されたい。
【0066】
以下の特許請求の範囲、および前述の説明において、言語または必要な含意を表すために、文脈上別の解釈が必要とされる場合を除き、「備える(comprise)」、およびその変形である「備える(comprises)」または「備える(comprising)」という語は、包括的意味で使用されており、すなわち、記述した特性が存在することを指定するが、装置の種々の実施形態におけるさらなる特性の存在、または追加を排除するものではない。
【符号の説明】
【0067】
10 容積式ポンプ装置; 13 中間流体チャンバ; 14 ピストン・ヘッド;
15 ピストン・ロッド; 21 入口; 22 ポンプ・チャンバ;
23 ダイアフラム; 24 弁。
【技術分野】
【0001】
液体または気体などの媒体をポンピングするための容積式ポンプ装置が開示される。容積式ポンプの運転を制御する方法も本明細書に開示される。この方法および装置は、多くの異なる設計の複数チャンバのポンプを含む容積式ポンプに適用可能である。
【背景技術】
【0002】
容積式ポンプは広範に使用されている。これらのポンプは、各チャンバが入口および出口を有する、1つまたは複数のポンプ・チャンバを備えることができる。使用時には、入口および出口を順次、開閉させることができる。既知の装置において各ポンプ・チャンバは、ポンプ・チャンバに隣接する何らかの駆動手段によって移動され得る、少なくとも1つの押しのけ要素を有するように構成され得る。押しのけ要素はその移動の間に、吸込みストロークおよび押しのけストロークを交互に実行し、それによってポンプ・チャンバの容積を、それぞれ増加および減少する。
【0003】
従来技術のいくつかの実施形態では、チャンバの側壁の少なくとも一部を形成し、チャンバを通してポンプ輸送されている流体から押しのけ要素を分離する働きをする、少なくとも1つの可撓性の分離要素を、ポンプ・チャンバが有し得る。
【0004】
それらの容積式ポンプは一般に、粒子スラリなど腐食性および/または研磨性の媒体、あるいは高温または高圧下にある可能性がある何らかの腐食性の液体または気体をポンピングまたは押しのけるための、ポンプおよび/またはコンプレッサのシステムに使用される。既知の押しのけデバイスの1つの実施形態では、ある量の押しのけられる媒体が、押しのけ要素の吸込みストロークの間に、入口側を通って(かつ配管システムから)ポンプ・チャンバ内に吸い込まれ、これと同量の媒体が、押しのけ要素の押しのけストロークの間に、出口側を通ってポンプ・チャンバ外へ押しのけられる(または強制排出される)。
【0005】
押しのけ要素を平行移動させる駆動手段は、リニアモータ、磁気駆動装置、流体駆動装置、カムシャフト駆動装置、偏心駆動装置、クランク結合ロッド機構、等であってよい。通常の運転状況で押しのけ要素は、作動圧力によって荷重が加えられる押しのけストロークと、荷重が加えられない、または低荷重の吸込みストロークに耐える。この不均衡な力が作用される結果、押しのけ要素、およびそのそれぞれの部品の構造寸法は、荷重が加えられた押しのけストロークに適合させられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、可動部に加えられる荷重が著しく低減された、容積式ポンプ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ポンピング流体を押しのける容積式ポンプ装置を提供するものであり、
本装置は、ポンピング流体を受け容れる配管システムに配置された1つまたは複数のポンプ・チャンバを備え、配管システムは、弁によって閉鎖され得る少なくとも1つの入口と、弁によって閉鎖され得る少なくとも1つの出口とを有し、
1つまたは複数のポンプ・チャンバは、少なくとも1つの中間流体チャンバを介して、少なくとも1つの押しのけ要素と連結されており、押しのけ要素は、それが移動する間に吸込みストロークおよび押しのけストロークを交互に実行することにより、ポンプ・チャンバの容積をそれぞれ増加および減少させて、中間流体チャンバ内の流体を押しのけるように構成されており、
少なくとも1つの可撓性の分離要素が、中間流体チャンバ内の流体をポンピング流体から分離するために、ポンプ・チャンバに設けられており、
本発明によれば、少なくとも押しのけストロークの間に、前記少なくとも1つの押しのけ要素の側に力またはエネルギーを加え、その結果、前記力またはエネルギーが、中間流体チャンバ内の流体によって押しのけ要素に加えられた力を打ち消し、それによって押しのけ要素の押しのけストローク運動を実行するために必要な全体の力を低減する加圧手段が設けられる。
【0008】
1つの実施形態において押しのけ要素は、ポンプ・チャンバの1つの側に配置された駆動手段によって移動され得る。
【0009】
1つの実施形態において加圧手段は、吸込みストロークの間に生成された力またはエネルギーを受けることができる。
【0010】
押しのけ要素に追加の力を加えた結果、押しのけデバイスの作動中に種々の部品が受ける荷重が著しく低減され得る。
【0011】
さらに、押しのけ要素は、ポンピング流体と直接に接触せず、分離要素および中間流体チャンバを使用して分離されているので、補償力を押しのけ要素に直接加えることができ、またこの押しのけ要素は清浄な中間流体中で作動しているので、さらにその構造上の寸法を制限できる。荷重が加えられる押しのけストロークに補償を行い、荷重が加えられない吸込みストロークにほぼ同じ補償力を加えることにより、押しのけ要素の全ストロークにわたって全荷重が配分される。駆動装置全体により高い押しのけエネルギーを加えることができ、または同じ作動条件でより小さい寸法の駆動手段が使用できる。
【0012】
1つの実施形態において、ポンプ・チャンバが配置されている側と反対側の押しのけ要素の側に、加圧手段を配置することができる。
【0013】
1つの実施形態において、加圧手段は油圧オイルまたは液状流体、または気体などの流体であってよい。
【0014】
別の実施形態において、加圧手段は、前記少なくとも1つの押しのけ要素を、ポンプ・チャンバが位置付けられた側と反対側の押しのけ要素の側に係合させる、少なくとも1つのばね要素を備え得る。
【0015】
さらに別の実施形態において、加圧手段は作動媒体としての気体で付勢された蓄圧器を備えることができ、この蓄圧器は、ポンプ・チャンバが配置された側と反対側の押しのけ要素の側と連通している。このようにして、特に押しのけストロークの間に、反対圧力または反対向きの力を、効果的に押しのけ要素に加えることができ、その結果、本装置の可動部分に加えられる力または荷重が低下する。この1つの形態において、作動媒体は加圧可能な流体、特に気体であってよい。このような実施形態において、蓄圧器は流体の貯蔵容器として機能することができ、この流体は、押しのけ要素の位置に従って蓄圧器内にまたは外へ押しのけられる。
【0016】
1つの実施形態において、ポンプ・チャンバが配置されている側と反対側の、少なくとも1つの押しのけ要素の側は、別のそれぞれのポンプ・チャンバの反対側の側にやはり配置されている、少なくとも1つの別の押しのけ要素の側と、連通することができる。この構成の1つの形態において、複数の押しのけ要素は、互いに連通している押しのけ要素の側の容積が隣接しており、容積の和が実質的に、またはまったく一定であり続けるように、互いに同位相で平行移動され得る。
【0017】
換言すれば、加圧手段が流体であるとき、1つの押しのけ要素が押しのけストロークに延伸しており、別の押しのけ要素が吸込みストロークに引き込まれているそのときに、流体が、1つの押しのけ要素の背後から、別のそれぞれの押しのけ要素の背後へ、流れ得るようにする。この方式の利点は、容積式ポンプの種々のポンプ・セクションが自立的に互いに支持することである。これにより前記媒体が、容積式ポンプの種々のポンプ・チャンバの吐出しストロークを常に支持できるようにして、加圧作動流体を効率的に利用する結果となる。この構成のある特定の形態において、前記隣接する容積はマニフォルド内で画成されてよい。
【0018】
1つの実施形態において、上述の押しのけ要素または各押しのけ要素は、プランジャ・ピストンであってよい。
【0019】
1つの実施形態において、上述の可撓性分離要素または各可撓性分離要素は、ポンプ・チャンバに面する中間チャンバの1つの壁または壁の一部分を形成してよい。
【0020】
1つの実施形態において前記加圧手段は、前記少なくとも1つの押しのけ要素の側で、ポンプ・チャンバが配置された側と反対側の側に向けて、中間媒体を押しのけるように構成されたポンプ要素をさらに備えることができる。
【0021】
1つの実施形態において、配管システムの出口内の圧力に基づいて、およびできる限り入口内の圧力にも基づいて、加圧手段が一部制御され得る。
【0022】
1つの実施形態において、前記少なくとも1つの押しのけ要素の前記側で、力が加えられる側に生ずる温度に基づいて、加圧手段が一部制御され得る。
【0023】
1つの実施形態において、前記少なくとも1つの押しのけ要素の前記側で、力が加えられる側に生ずる圧力に基づいて、加圧手段が一部制御され得る。
【0024】
発明の概要に前述した方法と装置の範囲内に含まれ得る任意の他の形態にかかわらず、特定の方法と装置の実施形態を例とし、添付する図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】最新の技術による容積式ポンプの外観斜視図である。
【図2a】本発明による容積式ポンプの第1の部分的実施形態の概略図である。
【図2b】本発明による容積式ポンプのさらなる部分的実施形態の概略図である。
【図2c】本発明による容積式ポンプのさらなる部分的実施形態の概略図である。
【図3】本発明による容積式ポンプの部分的実施形態の概略図である。
【図4】本発明による容積式ポンプの部分的実施形態の概略図である。
【図5a】本発明による容積式ポンプの概略図である。
【図5b】本発明による容積式ポンプの概略図である。
【図5c】本発明による容積式ポンプの概略図である。
【図6a】本発明に従った装置を使用して荷重平衡が行われた荷重平衡のある場合と、ない場合の両方の容積式ポンプを使用して実行された、ある押しのけ要素の荷重測定の実験的測定値を示す図である。
【図6b】3つの押しのけ要素、中間チャンバ、ポンプ・チャンバ、および可撓性分離要素の組合せを有し、本発明による装置である容積式ポンプを使用してなされた、ポンプ・クランクシャフト角度の関数としての、個々の押しのけ要素によって発生させられた個々の流体流量の、いくつかの理論計算を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明を正確に理解するために、以下の図の説明で同じ部品は同じ符号で示される。図1は最新の技術による容積式ポンプの実施形態を示す。ポンプ10は、3つのポンプ・チャンバ12a〜cを備え、それらはクランクケース11に連結されたポンプ・ハウジング12内に一体化されている。
【0027】
容積式ポンプ10は、この場合は3つの押しのけデバイスとして構成されている。この実施形態において、ポンプ・チャンバ12は、シリンダ・ピストン組合せ体として構成された3つのポンプ・セクションを備え、その個々のシリンダは13a〜13cで示される。シリンダ・チャンバ13a〜13c内には、3つのピストン14a〜14c(図示せず)があり、それらは押しのけ要素として働く。各ピストン14a〜14cはピストン・ロッド15a〜15c(図3および4を参照せよ)に連結されており、このピストン・ロッド15a〜15cは何らかの形式の駆動手段に連結されている。この実施形態において駆動手段は、クランクケース11内に回転するように取り付けられたクランクシャフトとして構成されており、この場合内部の歯車伝動装置を介して、駆動シャフト111によって駆動される。
【0028】
回転可能に駆動されるクランクシャフト110によって、ピストン14a〜14cは、種々のピストン・ロッド15a〜15cを介してシリンダ・チャンバ13a〜13c内で往復運動(平行運動)させられ、ポンプ・チャンバの部分を形成する。
【0029】
ここで図2aを参照すると、ポンプ・ハウジング20はポンプ・チャンバ22を備える。ポンプ・ハウジング20は、配管システムに組み込まれて入口側部分21’および出口側部分21”を有し、入口側部分および出口側部分は両方とも、一方向弁24’および24”でそれぞれ閉鎖される。
【0030】
配管システムを通して流れる媒体を押しのけるために、ピストン・ヘッド14およびピストン・ロッド15の組合せ体の形態をした押しのけ要素が設けられ、それは駆動手段(図示せず)によってポンプ・チャンバ22内へおよび外へと平行移動され得る。平行移動の結果、ピストン・ヘッドおよびロッド14、15は吸込みストロークならびに押しのけストロークを行う。吸込みストロークの間、ピストン・ヘッド14は右側から左側に移動し(図2aの視点から見て)、それによってポンプ・チャンバ空間22の容積を増加する。ポンプ輸送される流体または混合物が、この状況で開となっている一方向弁24’を通って、入口側21’からポンプ・チャンバ空間22内に導入される。中間流体チャンバ13a内の流体が右から左へ移動され、ダイアフラム23の形態の可撓性の分離要素もピストン・ヘッドに向かって左に引き込まれるために、この空間は広がる。
【0031】
押しのけストロークの間に、図2aに示すようにピストン・ヘッドおよびロッド14、15が、左から右へ移動するとき、ポンプ・チャンバ空間22の容積は減少させられ、前記ポンプ・チャンバ空間内に存在する流体または混合物は、出口側21”を介して押しのけられる。一方向弁24”は開になり、一方、入口側21’の一方向弁24’は閉であり続ける。中間流体チャンバ13a内の流体は左から右へ移動させられ、図2aに示すように、ダイアフラム23も、外向きに右へそしてピストン・ヘッド14から離れるように押される。
【0032】
全体的な平行移動ストロークの間のピストン・ヘッド14の平行移動の間に、ピストン・ロッド15および駆動手段に加えられ、その結果として生じた力と平衡するために、吸込みストロークの間に蓄積されたエネルギーが次の押しのけストロークの間に吐き出されるような、加圧手段が設けられ、それによって、押しのけストロークを起こすために必要な力の少なくとも一部を放出する。図2aに示す実施形態において、加圧手段はばね要素161で構成され、ばねは予荷重されていてよく、シリンダ・ハウジング13の底130で支持される。ばね要素161は、シリンダ・ハウジング13内で移動するピストン・ヘッド14に力を加える。
【0033】
図2bは、本発明による前記加圧手段16の別の実施形態を示すものであり、加圧手段は蓄圧器162を備え、その中には分離要素166が配置されて、蓄圧器16の空間を第1の空間168と第2の空間167とに分離する。第1の空間168は気体が満たされ、できる限り可撓性の膜166によって第2の空間167内に存在する作動媒体と分離されている。第1の空間168に存在する気体は、例えば特定圧力の圧縮空気であってよく、一方第2の空間内に存在する媒体は例えば液体であってよい。蓄圧器162は、使用時にピストン・ヘッド14がその中で移動させられるシリンダ13の空間13’と連通しているので、作動媒体はピストン・ヘッド14に力を加える。
【0034】
図2cに示す実施形態の場合、加圧手段が蓄圧器16も備え、蓄圧器はこの例では気体状の作動媒体で完全に満たされており、一方図2bに示すような分離要素166は存在しない。
【0035】
図3、4、5aおよび5bは容積式ポンプを示し、本実施形態では3段の押しのけデバイスである。しかし図3および4は、ピストン・ヘッド14およびピストン・ロッド15の形態の押しのけ要素、中間チャンバ13”、ポンプ・チャンバ22、ならびにダイアフラム23の形態の可撓性分離要素の3つの組合せのうちの1つについて、詳細を示すにすぎない。中間チャンバ13”内には中間媒体が存在する。いくつかの実施形態では、中間媒体は液体などの非圧縮性流体であり得る。いくつかの実施形態では、ダイアフラムは、分離要素でなくポンプ・チャンバに面する中間チャンバの1つの壁(または壁の部分)を形成する。
【0036】
シリンダ・チャンバ13a’〜13c’内での往復運動の間に、ピストン・ヘッド14a〜14cはそれぞれ、中間チャンバ13”内に存在する中間流体をダイアフラムまたはホース23の形態の可撓性分離要素の方向に押しのける。ダイアフラムまたはホース23は、連結フランジ21a’〜21a”を介して配管内に取り付けられ、例えば刺激性または腐食性液体がそれを通って流れ、ポンプ輸送され得る、ポンプ・チャンバ22から押しのけデバイス10を隔離する。可撓性分離要素はホース状の要素であってもよい。
【0037】
押しのけまたは吐出しストロークの間に、押しのけ要素の運動は、中間チャンバ13”内の中間流体を介してダイアフラム23に流体的に伝達され、ダイアフラム23は同様に膨張して、それぞれ2つのフランジ結合21aおよび21bの1つを介して、ポンプ・チャンバ22内に存在するポンピング流体またはスラリをポンプ・アウトする。図3および4に明確に示されているように、配管21a’〜21a”は一方向弁24a’および24a”に結合されており、それによって往復運動可能な可撓性ダイアフラム23aを用いて、入口側21a’を通って出口側21a”の方向へポンピング流体またはスラリを押しのけることができる。ポンプ輸送されるスラリ流の脈動を吸収するために、いわゆる脈動ダンピング・デバイス25aが、下流配管部分21a”内に取り付けられる。
【0038】
容積式ポンプが、クランクシャフト110、クランクシャフト・ロッド、結合ロッド、およびクロスヘッド(図示せず)を介して駆動されているときに、ピストン・ロッド15a〜15cおよびピストン・ヘッド14a〜14cに加えられる力を低減するために、押しのけデバイスは、ダイアフラム23の反対側のそれぞれのピストン・ヘッド14a〜14c側に追加の力を加える、加圧手段を備えている。
【0039】
加圧手段の第1の実施形態は、ピストン・ロッド15を囲んで配置されたばね要素161の形態であってよく(図2a参照)、それはピストン・ヘッド14a〜14cおよびシリンダ・ハウジング13の底130の両方で支持されている。別の形態の加圧手段は、貯蔵タンク160から供給される加圧可能な作動媒体を備えてよい(図3および4参照)。前記加圧可能な媒体は、ポンプ161、弁162、ならびに供給ライン16dおよび16a〜16cのそれぞれによってハウジング13a〜13cの第1のシリンダ・チャンバ13a’〜13b’〜13c’に供給される流体であってよい。
【0040】
力補償システムの加圧は、押しのけデバイスの起動時に一度だけ行い、その後は、漏れによる損失を補充または補償するため、容積式デバイスの排出圧力の変化を調整するため、または温度制御目的のために流体を補給するためにのみ使用される。参照符号163aは、過剰な中間作動媒体を蓄圧タンク160内へ蓄積するための戻りラインを示す。
【0041】
力補償システムの加圧は、押しのけシステム自体によっても行われ、特に中間流体を用いてより多く行われ、中間流体は中間チャンバ13a”からフィードバック配管163dを介して弁162ならびに供給配管16dおよび16a〜16cへ、それぞれ戻される。この実施形態を図4に示す。
【0042】
そのような構成において、吐出ストロークの間に追加の流体力または圧力がピストン・ヘッド14a〜14cに加えられ、その結果種々の部品にかけられる荷重は、単一押しのけ要素の実施形態に関して既に説明されたように、使用時に発生する運転力によって低減される。したがって、本質的に、容積式ポンプ10の押しのけ力を伝達する可動部品は、同じ運転条件に対してより小さい寸法で設計でき、または使用できる。
【0043】
図4は別の概略図を示し、さらなる実施形態において各ポンプ・セクションの中間チャンバ13a”〜13c”は、配管163dを介して弁162に連結されている。この構成において、中間チャンバ13a”〜13c”に存在する流体媒体は吐出しストロークの間に、圧力下で排出され、別のポンプ・セクションの第1の圧力チャンバ13a’〜13b’に供給されるように使用され得る。同様に第1のシリンダ・チャンバ13a’〜13c’に存在する流体媒体は、吸込みストロークの間に、配管16a〜16c、および共通配管16d(またはマニフォルド)を介して、別のポンプ・セクションの第1のシリンダ・チャンバ13a’〜13c’へ圧力下で排出され、それによって別の配管セクションは、同時に押しのけストロークまたは吐出しストロークを実行する。
【0044】
このようにして種々の部分は、吐出しストロークおよび吸込みストロークを交互に実行して、圧力下で流体媒体を往復的に押しのけることによって相互に支持する。したがって、吐出しストロークの間に、駆動手段、クランクシャフト、および歯車によって、種々の可動部品に送られることが必要な力は著しく低減され、それによって種々の部品はより小さい寸法で設計可能となる。これにより結果として、シングル・アクション式押しのけデバイスのために、より小型の駆動手段ユニットまたはクランクシャフト・ユニットとすることができて、さらに製造が安価になり得る。
【0045】
いくつかの構成において、ピストンおよびピストン・ロッドに加えられる力を低減するために使用される流体は、種々の部分が吐出しおよび吸込みストロークする間に、可撓性ダイアフラム23a〜23c(23)を移動させるために使用される、中間媒体と同じものである。
【0046】
図5a、5b、および5cは、図3および4に示す実施形態をさらに複雑にしたものを示すものであり、それらは3つの押しのけセクションで形成され、それぞれ何らかの形式の加圧手段によって制御される。図5a〜5cに示す実施形態では、図2cに示すような蓄圧器163が使用され、これは、単一の実施形態とは異なり、この場合にはチャンバ13a’〜13c’の容積増減によりほとんど弾性をもたらさないので、これらのチャンバ13a’〜13c’は使用時に他の形で互いに容積を補償する。図5a〜5cに示す実施形態では、熱的効果、小さな機械的(製造上の)差異(種々の押しのけ要素の不適切な位相制御など)、および少量の漏洩損失を補償するために、いくらかの弾性は必要とされる。
【0047】
図5aの実施形態は、本発明による受動的に運転される加圧手段の構造を開示するものである。供給ライン16dと連結された加圧可能な作動流体媒体が貯蔵タンク160内に貯蔵されている。供給ライン16dは、さらにそれぞれのライン163a〜cを介してチャンバ13a”〜13c”と連結され、そのそれぞれに逆止弁170が配置されており、吸込みおよび加圧ストロークの間に中間チャンバ流体が、供給ライン16dへ、したがって可撓性のダイアフラム23a〜23cから離れたピストン・ヘッド14a〜14cの側に向かって、押しのけられるようする。
【0048】
個々のシリンダが排出ストロークをする間に、ライン163a〜c内の逆止弁は、流体圧力を平衡マニフォルドまたは供給ライン16dにもたらす。タンク160へのドレン・ライン172内のオリフィス171は、マニフォルド16dからタンク160への連続的な漏洩を生じる。この漏洩は供給ライン163a〜cを通して再び補償される。タンク160へのドレン流によってマニフォルド16d内の圧力が低下すると、その圧力は、ピストンの排出ストロークの間に、中間チャンバ13a”〜13c”内の排出圧力より低くなる。中間チャンバ13a”〜13c”から流体を抜き出すことにより、その流体は逆止弁170を越えライン163a〜cを経由して流れ、ライン16d内の圧力は自動的に増加される。中間チャンバは「正常な(‘normal’)」ダイアフラム位置制御システムによって再び満たされる。
【0049】
前記連続的な漏洩によって、ライン16d内に流体が連続的に補給され、それによって、その圧力がポンプの排出圧力に等しくなるように、マニフォルド16d内の冷却、および圧力の自動圧力制御が行われる。
【0050】
図5bおよび5cに、能動的に作動する加圧手段のための、2つの異なる技術を示す。参照符号180は、脈動ダンピング・デバイス25a内、または出口配管21a”内に配置された圧力センサを示し、一方参照符号181は入口配管21a’内に配置された圧力センサを示す。圧力センサは両方とも、それぞれ信号ライン180aおよび181aを介して制御デバイス182に連結されている。制御デバイス182は、圧力を増加するために作動流体の通路とするように弁162を制御する。制御デバイス182は、作動流体を排出してシステム内の圧力を低下するために、弁164も制御する。
【0051】
さらに供給ライン16dに配置された温度センサ183および圧力センサ184から制御デバイスへ(弁162および164を制御するために)、信号入力が引きわたされる。
【0052】
制御デバイス182は、圧力センサ180〜181で得られた入力信号を使用して、供給ライン16d内の最適な作動圧力を計算し、2つの弁162および164を操作することにより、この計算された作動圧力が設定される。さらに、供給ライン16d内に存在する作動流体の温度は、温度センサ183および圧力センサ184の温度測定に基づき、それによって加圧手段の作動流体を補給するように、制御デバイス182が、弁162および164を開閉することにより制御され得る。
【0053】
図5bにおいて、ポンプ161は中間流体を貯蔵タンク160から供給ライン16dに向かって循環させるために使用され、一方、過剰の中間流体は戻りライン172a〜cを介してタンク160に向かって戻ることができる。
【0054】
図5cにおいて、ここでは中間媒体は、押しのけ要素14a〜14cの加圧ストロークの間に、ライン163a〜cを介してチャンバ13a”〜13c”から供給ライン16dに向かって吐き出されるので、ポンプ要素161はない。
【0055】
図5bおよび5cに示されたこれらの特徴は、図3および4の実施形態においても使用され得ることに注意されたい。
【0056】
図4(および5c)を参照するとさらに、力補償システムを加圧することを意図した中間チャンバ流体を循環するためのポンプ要素161(図3に示されるような)は、使用されていないことが注目される。実際に図4の実施形態において、容積式ポンプデバイスが加圧ストロークする間に、中間チャンバ流体はライン163dから排出され得る。したがって図4の実施形態において、供給ライン16d内の中間流体の最大圧力は、チャンバ13a”〜13b”〜13c”内に発生する最大圧力に等しいことが注目される。作動圧力が低下するときに、供給ライン16d内の圧力を低下させるために、中間チャンバ流体が排出されるように、制御デバイス182は弁162を制御できなければならない。
【0057】
図4の実施形態は図3の実施形態に対して、供給ライン16dを加圧するために追加のポンプユニットを必要としない、という利点を有する。
【0058】
供給ライン16d内の最大圧力も、容積式ポンプによって伝達された最大圧力に限定されるが、しかしこの欠点は図3の実施形態によって回避できる。ここでポンプ要素161を使用することにより、より高い圧力、実際にはチャンバ13a”〜13c”内で生じている圧力よりも高い圧力を供給ライン16d内で発生させることが可能になる。より高い圧力によって、供給ライン16dから、およびそこへ押しのけられる中間流体はより少ない量で可能となり、ポンプ製造の製造寸法はさらに低減される。ポンプの運転中に発生する熱もやはり低減し得る。供給ライン16d内の圧力も、センサ180および181による圧力測定を用いることにより、より正確に制御可能である。
【0059】
一例として、複数のポンプ・チャンバが隣接しているかまたは流体連通しているポンプ構成において、押しのけ要素の側への加圧手段適用の効果を例示するために、発明者はいくつかの実験的測定を行った。
【0060】
図6aは、本発明による加圧手段を使用した場合と使用しない場合の容積式ポンプ内のピストン・ロッド(15)の荷重(kNで測定した力)を、発明者が測定した値を示す。点線は、加圧手段を適用しない場合の測定値を示し、実線は加圧手段を適用した場合を示す。図6aで分かるように、加圧手段を適用しない場合のロッド荷重は、吸込みストロークの間のゼロレベル近くから、排出ストロークの間のある最大値まで増加する。加圧手段が適用されたとき(この場合は平衡マニフォルド16d内の一定流体圧力で)は、排出ストロークの間の最大荷重が低減され、吸込みストロークの間のゼロレベル近くの荷重は増加されるが、反対方向(負号)である。結果としてこの場合、絶対荷重の最大値が低下される。移動手段は、ピストン・ロッド荷重の最大絶対値(符号を無視して)を考慮して設計しなければならないが、この耐えるべき最大荷重の絶対値は、本発明による加圧手段のない構成の場合よりも小さいので、したがって駆動手段はより小さい寸法で設計することが可能である。
【0061】
図6bは、駆動手段としてクランクシャフト結合ロッド機構を使用している3シリンダ型容積式ポンプの場合における、可撓性の分離要素と反対側の個々の押しのけ要素によって発生させられた個々の流れの理論的計算を点線で示す。実線は3つの個々流れの和を示し、それは、個々のクランク・ジャーナル、したがってピストンの間で正常な位相角度が用いられているとき、ゼロである。これらの流れの和がゼロであることは、ポンプ・サイクル(クランクシャフトの1回転)の間における平衡マニフォルド16d内の容積が一定であることを確実にしており、したがって必要とされる蓄圧器の寸法を限定し、それは、ピストンの不正確な位相決め、流体の熱膨張、および少量の漏洩による、容積の小さな差異を補償するためにのみ必要とされる。排出圧力の小さな変化、および温度制御のための流体補給に対して反応しなければならないときに、蓄圧器はまた制御システムが過敏でないようにする。
【0062】
説明した実施形態のさらに別の構成において、選定された加圧手段は各ピストン・チャンバ内の加圧手段と同じである必要はなく、簡便のために1つまたは複数のチャンバ内で異なる加圧手段を使用してもよい。例えば、1つのシリンダ・チャンバにはばねを取り付け、一方別のチャンバには流体を満たしてもよい。すべてのチャンバをそのように相互連結する必要がないときには、いくつかのチャンバを共通マニフォルドまたは別の形式のハウジングによって相互連結してもよい。さらなる実施形態では、シリンダ・チャンバも同じ寸法である必要はない。
【0063】
好ましい実施形態についての前述の詳細な説明において、明確にするために特定の用語が使用されてきた。しかし説明された本発明は、そのように選定された特定の用語に限定されることは意図しておらず、各特定の用語は、同様の技術的目的を果たすために同様の形態で作動する、すべての技術的均等物を含んでいることを理解されたい。「上(upper)」、「下(lower)」、「右」、「左」等、などの用語は、基準点を示すための簡便な語として使用されたものであり、限定するための用語として解釈すべきではない。
【0064】
繰り返しを避け、参照を容易にするために、別の図面に示された代替の実施形態の同様な構成要素と特性は、ピストン・ヘッド14、14a、14b、および14cのように添字で指定されている。
【0065】
本発明を複数の好ましい実施形態を参照して説明してきたが、本発明は他の多くの形態で具体化され得ると理解されたい。
【0066】
以下の特許請求の範囲、および前述の説明において、言語または必要な含意を表すために、文脈上別の解釈が必要とされる場合を除き、「備える(comprise)」、およびその変形である「備える(comprises)」または「備える(comprising)」という語は、包括的意味で使用されており、すなわち、記述した特性が存在することを指定するが、装置の種々の実施形態におけるさらなる特性の存在、または追加を排除するものではない。
【符号の説明】
【0067】
10 容積式ポンプ装置; 13 中間流体チャンバ; 14 ピストン・ヘッド;
15 ピストン・ロッド; 21 入口; 22 ポンプ・チャンバ;
23 ダイアフラム; 24 弁。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンピング流体を押しのけるための容積式ポンプ装置であって、
前記ポンピング流体を受け容れる配管システムに配置された1つまたは複数のポンプ・チャンバを備え、前記配管システムは、弁によって閉鎖され得る少なくとも1つの入口と、弁によって閉鎖され得る少なくとも1つの出口とを有し、
前記1つまたは複数のポンプ・チャンバは、少なくとも1つの中間流体チャンバを介して、少なくとも1つの押しのけ要素と連結されており、前記押しのけ要素は、それが移動する間に吸込みストロークおよび押しのけストロークを交互に実行することにより、前記ポンプ・チャンバの容積をそれぞれ増加および減少させて、前記中間流体チャンバ内の流体を押しのけるように構成されており、
少なくとも1つの可撓性の分離要素が、前記中間流体チャンバ内の前記流体を前記ポンピング流体から分離するために、前記ポンプ・チャンバに設けられており、
少なくとも前記押しのけストロークの間に、前記少なくとも1つの押しのけ要素の側に力またはエネルギーを加え、その結果、前記力またはエネルギーが、前記中間流体チャンバ内の前記流体によって前記押しのけ要素に加えられた前記力を打ち消し、それによって、前記押しのけ要素の前記押しのけストローク運動を実行するために必要な全体の力を低減する加圧手段が設けられる、ことを特徴とする容積式ポンプ装置。
【請求項2】
前記押しのけ要素は、前記ポンプ・チャンバの1つの側に配置された駆動手段によって移動されることを特徴とする、請求項1に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項3】
前記加圧手段が、前記吸込みストロークの間に生成された力またはエネルギーを受けることを特徴とする、請求項1または2に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項4】
前記加圧手段が、前記ポンプ・チャンバが配置されている前記側と反対側の前記押しのけ要素の側に配置されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項5】
前記加圧手段は流体であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項6】
前記加圧手段は、前記少なくとも1つの押しのけ要素を、前記ポンプ・チャンバが位置付けられた前記側と反対側の前記押しのけ要素の側に係合させる、少なくとも1つのばね要素を備えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項7】
前記加圧手段は、作動媒体としての気体で付勢された蓄圧器を備え、この蓄圧器が、前記ポンプ・チャンバ空間の前記反対側の側にある、前記少なくとも1つの押しのけ要素の前記側と、連通していることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシングル・アクション式押しのけデバイス。
【請求項8】
前記作動媒体は加圧可能な流体、特に気体、であることを特徴とする、請求項7に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項9】
前記ポンプ・チャンバが配置されている前記側と反対側の、少なくとも1つの前記押しのけ要素の側は、別のそれぞれのポンプ・チャンバの前記反対側の側にやはり配置されている、少なくとも1つの前記別の押しのけ要素の側と連通しており、前記押しのけ要素にわたって前記中間流体の押しのけをできるようにすることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項10】
複数の押しのけ要素は、互いに連通している前記押しのけ要素の前記側の前記容積が隣接しており、前記容積の和が実質的に、またはまったく一定であり続けるように、互いに同位相で平行移動され得ることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項11】
前記隣接する容積は、マニフォルド内で画成されることを特徴とする、請求項9または10に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項12】
前記押しのけ要素または各押しのけ要素は、プランジャ・ピストンであることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項13】
前記可撓性分離要素または各可撓性分離要素は、前記ポンプ・チャンバに面する前記中間チャンバの1つの壁または壁の一部分を形成することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項14】
前記加圧手段は、前記少なくとも1つの押しのけ要素の前記側で、ポンプ・チャンバが配置された前記側と反対側の前記側に向けて、中間媒体を押しのけるように構成されたポンプ要素をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項15】
前記押しのけ要素に隣接する前記ポンプ・チャンバの両側は、互いに流体連通しており、前記可撓性の分離要素の前記側において、前記ポンプ・チャンバの前記側から、前記ポンプ・チャンバの前記別の側に向けて、前記中間流体を押しのけられるようにすることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項16】
前記配管システムの前記出口内および/または前記入口内の前記圧力に基づいて、前記加圧手段が一部制御されることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つの押しのけ要素の前記側で、前記力が加えられる側に生ずる前記温度に基づいて、前記加圧手段が一部制御されることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの押しのけ要素の前記側で、前記力が加えられる側に生ずる圧力に基づいて、前記加圧手段が一部制御されることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項19】
前記押しのけ要素の前記反対側のシリンダ・チャンバ内の流体を交換することによって、前記ポンプ・チャンバが配置されているよりも、温度制御が可能であることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項1】
ポンピング流体を押しのけるための容積式ポンプ装置であって、
前記ポンピング流体を受け容れる配管システムに配置された1つまたは複数のポンプ・チャンバを備え、前記配管システムは、弁によって閉鎖され得る少なくとも1つの入口と、弁によって閉鎖され得る少なくとも1つの出口とを有し、
前記1つまたは複数のポンプ・チャンバは、少なくとも1つの中間流体チャンバを介して、少なくとも1つの押しのけ要素と連結されており、前記押しのけ要素は、それが移動する間に吸込みストロークおよび押しのけストロークを交互に実行することにより、前記ポンプ・チャンバの容積をそれぞれ増加および減少させて、前記中間流体チャンバ内の流体を押しのけるように構成されており、
少なくとも1つの可撓性の分離要素が、前記中間流体チャンバ内の前記流体を前記ポンピング流体から分離するために、前記ポンプ・チャンバに設けられており、
少なくとも前記押しのけストロークの間に、前記少なくとも1つの押しのけ要素の側に力またはエネルギーを加え、その結果、前記力またはエネルギーが、前記中間流体チャンバ内の前記流体によって前記押しのけ要素に加えられた前記力を打ち消し、それによって、前記押しのけ要素の前記押しのけストローク運動を実行するために必要な全体の力を低減する加圧手段が設けられる、ことを特徴とする容積式ポンプ装置。
【請求項2】
前記押しのけ要素は、前記ポンプ・チャンバの1つの側に配置された駆動手段によって移動されることを特徴とする、請求項1に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項3】
前記加圧手段が、前記吸込みストロークの間に生成された力またはエネルギーを受けることを特徴とする、請求項1または2に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項4】
前記加圧手段が、前記ポンプ・チャンバが配置されている前記側と反対側の前記押しのけ要素の側に配置されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項5】
前記加圧手段は流体であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項6】
前記加圧手段は、前記少なくとも1つの押しのけ要素を、前記ポンプ・チャンバが位置付けられた前記側と反対側の前記押しのけ要素の側に係合させる、少なくとも1つのばね要素を備えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項7】
前記加圧手段は、作動媒体としての気体で付勢された蓄圧器を備え、この蓄圧器が、前記ポンプ・チャンバ空間の前記反対側の側にある、前記少なくとも1つの押しのけ要素の前記側と、連通していることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシングル・アクション式押しのけデバイス。
【請求項8】
前記作動媒体は加圧可能な流体、特に気体、であることを特徴とする、請求項7に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項9】
前記ポンプ・チャンバが配置されている前記側と反対側の、少なくとも1つの前記押しのけ要素の側は、別のそれぞれのポンプ・チャンバの前記反対側の側にやはり配置されている、少なくとも1つの前記別の押しのけ要素の側と連通しており、前記押しのけ要素にわたって前記中間流体の押しのけをできるようにすることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項10】
複数の押しのけ要素は、互いに連通している前記押しのけ要素の前記側の前記容積が隣接しており、前記容積の和が実質的に、またはまったく一定であり続けるように、互いに同位相で平行移動され得ることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項11】
前記隣接する容積は、マニフォルド内で画成されることを特徴とする、請求項9または10に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項12】
前記押しのけ要素または各押しのけ要素は、プランジャ・ピストンであることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項13】
前記可撓性分離要素または各可撓性分離要素は、前記ポンプ・チャンバに面する前記中間チャンバの1つの壁または壁の一部分を形成することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項14】
前記加圧手段は、前記少なくとも1つの押しのけ要素の前記側で、ポンプ・チャンバが配置された前記側と反対側の前記側に向けて、中間媒体を押しのけるように構成されたポンプ要素をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項15】
前記押しのけ要素に隣接する前記ポンプ・チャンバの両側は、互いに流体連通しており、前記可撓性の分離要素の前記側において、前記ポンプ・チャンバの前記側から、前記ポンプ・チャンバの前記別の側に向けて、前記中間流体を押しのけられるようにすることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項16】
前記配管システムの前記出口内および/または前記入口内の前記圧力に基づいて、前記加圧手段が一部制御されることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つの押しのけ要素の前記側で、前記力が加えられる側に生ずる前記温度に基づいて、前記加圧手段が一部制御されることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの押しのけ要素の前記側で、前記力が加えられる側に生ずる圧力に基づいて、前記加圧手段が一部制御されることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【請求項19】
前記押しのけ要素の前記反対側のシリンダ・チャンバ内の流体を交換することによって、前記ポンプ・チャンバが配置されているよりも、温度制御が可能であることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の容積式ポンプ装置。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6a】
【図6b】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6a】
【図6b】
【公表番号】特表2010−515857(P2010−515857A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545508(P2009−545508)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【国際出願番号】PCT/NL2008/000009
【国際公開番号】WO2008/085031
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(508180828)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【国際出願番号】PCT/NL2008/000009
【国際公開番号】WO2008/085031
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(508180828)
【Fターム(参考)】
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