説明

射出成形方法

【課題】コールドスラッグウェルを備えたランナーを設けない構成であっても成形品にコールドスラッグが混入することによる意匠性および品質の低下を抑えることの可能な射出成形方法の提供。
【解決手段】貫通孔11が形成された板状の基材1に金型2,3を接触させて、基材1と金型2,3とで限られたキャビティCを形成し、キャビティC内に溶融樹脂を射出することにより、基材1の貫通孔11に跨って係止する脱落防止のためのアンカー部44を一体的に備えた樹脂部材4を基材1に射出成形する射出成形方法において、本発明は、溶融樹脂の射出をキャビティCのうちアンカー部44を成形するアンカー成形部C2を通じて行い、その射出圧を樹脂の流動性に直進よりも分散する傾向が現れるように設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂部材を基材に射出成形する射出成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、あらかじめ成形された基材(以下単に基材という)に対して金型を接触させ、基材の一部と金型とで限られたキャビティ内に溶融樹脂を射出し、クリップ、リブ等の樹脂部材を成形しながら基材に固定する射出成形方法(以下ダイレクト成形という)が知られている。このダイレクト成形によれば、基材を成形する金型に変更を加えることなく、基材の任意の箇所へ目的とする形状の樹脂部材を自由に成形できる利点がある。また、成形する樹脂部材が基材から脱落するのを防止するためのアンカー部を一体的に成形することも可能である。なお、樹脂部材の樹脂材料としては220度程度で溶融するポリプロピレン等の樹脂が使用される。
【0003】
さて、一般的に射出成形においては、前回の射出時に溶融した樹脂の一部が射出ノズル内で一旦固化し、これが次回の射出の初期段階でコールドスラッグとしてそのまま射出されて成形品に混入する可能性があり、これによって成形品にさまざまな欠陥が生じるという問題があった。たとえば、コールドスラッグが表面に汚れとして現れることにより成形品の意匠性が低下することがあげられる。このような問題を解決するため、従来は、射出ノズルの射出口から金型のゲートまでを連結するランナーの変向点にスラッグ溜り(コールドスラッグウェル)を設けることで、射出された溶融樹脂の勢いを利用してそこにコールドスラッグを集積させ金型内まで持ち込まれるのを抑制していた。下記特許文献1に記載されている技術がその一例である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−208327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、基材100に対して樹脂部材を直接成形するダイレクト成形の場合、一般的に図3(A)に示すように射出ノズル101を直接金型102のゲート103に当てる構成をとる。すなわちランナーを設けない構成であるため、従来のようにランナーの変向点にスラッグ溜りを設ける対策が不可能であり、コールドスラッグが発生すれば確実に成形品に混入してしまう。ここで、ダイレクト成形によって、図3(A)のような脱落防止のアンカー部104を樹脂部材本体105と一体的に成形する場合を特に考える。溶融樹脂の充填効率のみを考えれば、図3(A)のようにキャビティCのなるべく中央付近にゲート103を設けて射出するのが良い。しかし、金型102の成形面106近傍は温度が低いため、初期に射出されるコールドスラッグを多く含む溶融樹脂はキャビティCの奥まで運ばれる前に、図3(B)の拡大図に示す矢印のように流動し、二点鎖線で囲って示す成形面106近傍に順次付着してしまう。このため、樹脂部材本体105の意匠面となる箇所にゲート103を設定することは好ましくなかった。
【0006】
そこで次に、図4(A)のように、基材100に対してアンカー部104を成形する部分の裏側にゲート107を設定し、コールドスラッグを多く含む溶融樹脂を、基材100の貫通孔108を通してキャビティCのうちアンカー部104を成形する部分C5に集積させることが考えられた。しかし、この位置にゲート107を設定する場合、射出成形中に溶融樹脂の射出圧が金型102だけでなく基材100に直接かかる。このため、高温の溶融樹脂によって基材100が損傷しないよう、単独成形する射出成形よりも射出圧を低く設定せざるを得ない。このような低射出圧の設定の下での溶融樹脂の流動性は、図4(B)の拡大図に矢印で示すように、貫通孔108方向へ直進するよりも放射状に分散する傾向が強く現れる。このため、初期に射出されるコールドスラッグを多く含んだ溶融樹脂はすぐに分散し、図中二点鎖線で囲って示す温度の低い成形面109近傍に順次付着してしまい、樹脂部材本体105の意匠性および品質が低下するという問題が確認された。結果的に、キャビティC中のアンカー部104を成形する部分C5をスラッグ溜りとして機能させることはできなかった。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、コールドスラッグウェルを備えたランナーを設けない場合でも成形品にコールドスラッグが混入することによる意匠性および品質の低下を抑えることの可能な射出成形方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係る射出成形方法は次のように構成される。本発明の第1の発明は、貫通孔が形成された板状の基材に金型を接触させて、基材と金型とで限られたキャビティを形成し、キャビティ内に溶融樹脂を射出することにより、基材の貫通孔に跨って係止する脱落防止のためのアンカー部を一体的に備えた樹脂部材を基材に射出成形する射出成形方法であって、
前記溶融樹脂の射出は、前記キャビティのうち前記アンカー部を成形するアンカー成形部を通じて行われ、その射出圧は、樹脂の流動性に直進よりも分散する傾向が現れるように設定されることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、溶融樹脂の射出はキャビティ中のアンカー成形部に射出され、分散するように流動する。したがって、射出の初期段階でキャビティ内に射出されるコールドスラッグの大部分は、貫通孔を通過せずキャビティ中のアンカー成形部に集積されるため、成形される樹脂部材の意匠性および品質の低下を抑えることができる。
【0010】
本発明の第2の発明は、第1の発明の射出成形方法であって、前記キャビティは、コールドスラッグを集積するスラッグ溜りを有し、スラッグ溜りは、基材に対してアンカー成形部の反対側で、基材の貫通孔の軸線上にあって、基材から離れる方向に関して行き止まりを成すように金型によって限られていることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、コールドスラッグがキャビティ中のアンカー成形部で集積できず貫通孔を通過した場合でも、その軸線上にあるスラッグ溜りで集積することができる。したがって、成形される樹脂部材の意匠性および品質の低下をさらに抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の射出成形方法を実施するための第1の形態を示す断面図。
【図2】本発明の射出成形方法を実施するための第2の形態を示す断面図。
【図3】従来の第1の射出成形方法を説明するための断面図。
【図4】従来の第2の射出成形方法を説明するための断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に本発明を実施するための第1の形態を、図1を参照しながら説明する。本発明は、図1(A)に示すような一次的に成形された板状の基材1に対して、新たな樹脂部材4(以下単に樹脂部材4という)を二次的に射出成形しつつ固定する射出成形方法に関するものである。
【0014】
まず、基材1を説明する。基材1は樹脂製であり、図示しない通常の射出成形法により成形される。基材1には、溶融樹脂を充填するキャビティCの一部となる貫通孔11が、基材1の成形時に形成される。図1(A)の断面図は、この貫通孔11の軸線を含む面で切断して示している。図1(A)に示す状態において、基材1の上、下の面をそれぞれ上面12、下面13とする。図1(B)は、図1(A)の貫通孔11付近を拡大して示す部分拡大図である。基材1の上面12のうち貫通孔11が開口する周辺部は、成形される樹脂部材4のアンカー部44が結合するアンカー結合面14である。基材1の縁15と下面13の一部は、成形される樹脂部材本体41が結合する本体結合面である。
【0015】
次に、射出成形に用いられる射出成形機の一部を簡単に説明する。図1(A)に示すように、射出側の金型2と受け側の金型3とを備えた射出成形機が用いられる。射出側の金型2には、図1(B)に示すように、樹脂部材本体41のうち基材1から図示左方へ延びる部分を成形するための平坦な成形面と、樹脂部材4のうちリベット42のアンカー部44を成形するためのアンカー成形面21が形成されている。アンカー成形面21は、基材1の上面12と接触する面から直径約5mmの略半球形状(底面は平面)に窪んだ凹面である。受け側の金型3には、樹脂部材本体41を成形する面である本体成形面31が形成されている。
【0016】
射出側の金型2には、アンカー成形面21のうち上記平面部分に開口するゲート22が形成されている。射出側の金型2には、溶融樹脂を射出する射出ノズル23が挿入されている。射出ノズル23は、射出側の金型2のゲート22を直接開閉するニードル弁24を備えている。溶融樹脂の射出圧は、樹脂部材を単独成形する場合よりも低く設定されている。具体的には、高温の溶融樹脂が当たることによって基材1が損傷しないように、かつ射出される溶融樹脂の流動性に直進する傾向よりも放射状に分散する傾向が現れるように設定されている。また射出成型機は、金型2を駆動するための図示しない油圧シリンダ等の型締手段を備えている。
【0017】
次に、型締めによるキャビティCの形成を説明する。まず、基材1が受け側の金型3上にセットされ、受け側の金型3が基材1の下面13に対して接触する。次に、射出側の金型2が前記の型締手段によって駆動され、基材1の上面12及び受け側の金型3に対して接触する。このとき、射出側の金型2のゲート22が貫通孔11の軸線上に位置するようになされる。このように射出側と受け側の金型2、3は基材1を挟むように型締めされる。この型締めによって、基材1と射出側の金型2と受け側の金型3とで目的とする樹脂部材4の成形形状を有するキャビティCが形成される。キャビティCは、板状の樹脂部材本体41を成形する部分である本体成形部C1と、リベット42の軸部43を成形する部分である貫通孔11の内部と、アンカー部44を成形する部分であるアンカー成形部C2からなる。本体成形部C1は、基材1の本体結合面と、射出側の金型2の成形面(アンカー成形面21を除く)と、受け側の金型3の本体成形面31とによって板状に限られた空間である。アンカー成形部C2は、射出側の金型2のアンカー成形面21と基材1のアンカー結合面14とによって限られた空間である。アンカー成形部C2は、その一部として、コールドスラッグを集積する主スラッグ溜りC3を有する。主スラッグ溜りC3は、貫通孔11の軸線から離れる方向に関して行き止まりを成している。
【0018】
次に、溶融樹脂の充填を説明する。前記のように形成されたキャビティC内に、射出ノズル23から射出側の金型2のゲート22を通じて溶融樹脂が射出される。射出の初期段階には、射出ノズル23内で固化して生じたコールドスラッグが多く射出される。しかし、前記のように樹脂の射出圧が低く、射出される溶融樹脂の流動性に直進する傾向よりも分散する傾向が大きく現れる。このため、初期に射出されるコールドスラグを多く含む溶融樹脂は、図1(B)に矢印で示すように分散し、貫通孔11を通過する方向に流れる割合は少なく、大部分は主スラッグ溜りC3方向に流れる。また、金型は温度が低いため、主スラッグ溜りC3中、図1(B)に示す二点鎖線で囲ったアンカー成形面21近傍は樹脂の流動性が劣ってくる。このため、コールドスラッグを含む溶融樹脂は、この箇所から順次付着して固化が始まり、主スラッグ溜りC3内に確実に集積される。主スラッグ溜りC3がすべて樹脂で満たされた後は、コールドスラッグを含まなくなった溶融樹脂が射出され、貫通孔11を通って本体成形部C1へ充填される。図1(A)は、キャビティC内に完全に溶融樹脂が充填された状態を示している。なお、図1(B)の拡大図では充填された樹脂の表現を省略している。溶融樹脂の充填が終わり射出圧が弱まると、ニードル弁24がゲート22を閉じて溶融樹脂を遮断する。
【0019】
次に、成形された成形品を説明する。上記のようにキャビティCに充填された樹脂は冷却され、前記の型締装置により型開きを行い、成形品が取り出される。成形品は、基材1と、基材1上に新たに成形された樹脂部材4からなる。樹脂部材4は、板状の樹脂部材本体41と、基材1からの脱落防止のためのリベット42からなる。樹脂部材本体41は、基材1の下面13と結合した部分から、図示左方へ基材1を延長するような形状で形成されている。リベット42は、樹脂部材本体41から、基材1の貫通孔11に跨った状態で係止するような形で形成され、貫通孔11内部にある軸部43と、基材1から上面12側に突出したアンカー部44からなる。リベット42を含む樹脂部材4は成形時の熱作用により基材1の結合面に対して結合しているため、リベット42の係止はあくまでこの結合が弱まって樹脂部材本体41が脱落するのを防止するためのものである。前記のように成形時に射出されるコールドスラッグはアンカー部44に集積しているため、樹脂部材本体41への混入が抑えられ意匠性および品質が良い。また、アンカー部44は外観品質が重視されない箇所に設けられているため、コールドスラッグによる汚れやゲート22およびニードル弁24の接触によるいびつな形状が表面に現れても問題はない。
【0020】
本発明を実施するための第1の形態は以上のように構成される。第1の形態の構成によれば、前記溶融樹脂の射出は、キャビティCのうち樹脂部材4のアンカー部44を成形するアンカー成形部C2を通じて行われ、その射出圧は、樹脂の流動性に直進よりも分散する傾向が現れるように設定されている。したがって、射出の初期段階でキャビティC内に射出されるコールドスラッグの大部分が、貫通孔11を通過する前にキャビティC中のアンカー成形部C2に集積されるため、成形される樹脂部材の意匠性および品質の低下を抑えることができる。
【0021】
また、第1の形態の構成によれば、射出側の金型2のゲート22はアンカー成形部C2に開口している。したがって、射出ノズル23のニードル弁24や射出側の金型2のゲート22が接することによるいびつな形状はアンカー部44に生じ、成形される樹脂部材の外観への影響を低減できる。
【0022】
次に、本発明を実施するための第2の形態を、図2を参照しながら説明する。以下では、前記の第1の形態と同様の部分については同一の符号を付すことにより説明を省略し、相違する部分についてのみ説明する。受け側の金型3の本体成形面31には、図2(A)に示すように、射出側の金型2のアンカー成形部C2と同様の形状に窪んだスラッグ捕捉面32が形成されている。このスラッグ捕捉面32により、射出側の金型2の主スラッグ溜りC3で集積できなかったコールドスラッグを集積する略半球形状の予備スラッグ溜りC4が形成される。なお、特許請求の範囲に記載した「スラッグ溜り」はこの予備スラッグ溜りC4を指すものである。予備スラッグ溜りC4は、基材1に対してアンカー成形部C2と反対側で、貫通孔11の軸線上にある。また予備スラッグ溜りC4は、基材1から離れる方向に関して行き止まりを成している。型締めにより形成されるキャビティCは、本体成形部C1と、貫通孔11の内部と、アンカー成形部C2と、予備スラッグ溜りC4とからなる。
【0023】
樹脂の充填時、初期に射出されるコールドスラグを多く含む樹脂は、前記第1の形態で説明したようにアンカー成形面21方向に流れるのが大部分であるが、少量が貫通孔11を通過してしまうのを完全に阻止することは不可能である。また、何らかの原因により射出されるコールドスラッグが多くなった場合にも、射出側の金型2の主スラッグ溜りC3で集積しきれず貫通孔11を通過してしまう。しかし、樹脂の流動性が直進より分散傾向が現れるように設定されているため、貫通孔11を下面13側に出る溶融樹脂もまた、図2(B)に矢印で示すように分散し、予備スラッグ溜りC4方向に向かう割合が多くなる。また、第1の形態で説明した主スラッグ溜りC3と同様に、図2(B)に示すように、二点鎖線で囲ったスラッグ捕捉面32近傍の樹脂の流動性が劣ってくる。このため、コールドスラッグを含む樹脂は、この箇所から順次付着して固化が始まり、予備スラッグ溜りC4内に確実に集積される。予備スラッグ溜りC4がすべて満たされた後は、コールドスラッグをほとんど含まなくなった溶融樹脂が残りのキャビティである本体成形部C1に充填される。図2(A)は、キャビティC内に完全に樹脂が充填された状態を示している。なお、図2(B)の拡大図では充填された樹脂の表現を省略している。
【0024】
このように成形された樹脂部材4は、樹脂部材本体41とリベット42の他、スラッグ捕捉面32の窪みによって成形された突起部45からなる。突起部45は、アンカー部44から貫通孔11を通る延長線上に、アンカー部44と逆向きに樹脂部材本体41から突出して形成されている。前記のように成形時に射出されるコールドスラッグは、アンカー部44および突起部45に集積しているため、樹脂部材本体41への混入が抑えられることとなり意匠性および品質が良い。また、突起部45は外観品質が重視されない箇所に設けられているため、コールドスラッグによる汚れが表面に現れても問題はない。また、突起部45はアンカー部44と同様な、小さな曲面形状であるため、この汚れは目立たない。
【0025】
本発明を実施するための第2の形態は以上のように構成される。この構成によれば、第1の形態と同様の効果が得られる。
さらに、この構成によれば、キャビティCはコールドスラッグを集積する予備スラッグ溜りC4を有し、予備スラッグ溜りC4は、基材1に対してアンカー成形部C2の反対側で、基材1の貫通孔11の軸線上にあって、基材1から離れる方向に関して行き止まりを成すように受け側の金型3によって限られている。したがって、コールドスラッグがキャビティC中のアンカー成形部C2で集積できず貫通孔11を通過した場合でも、その軸線上にある予備スラッグ溜りC4で集積することができ、成形される樹脂部材の意匠性および品質の低下をさらに抑えることができる。
【0026】
なお、以上に述べた内容はあくまで本発明を実施するための形態の例であって、本発明が上記内容に限定されることを意味するものではない。まず、上記の実施形態1及び2では、基材1は板状の樹脂製素材であり、成形する樹脂部材本体41も板状のものであったが、当然これに限定されるものではない。また、上記の実施形態1及び2では、アンカー成形面21およびスラッグ捕捉面32は、直径約5mmの略半球形状に窪んだものであった。しかし当然これに限定されるものではなく、基材1および成形する樹脂部材4の寸法、形状や、使用樹脂の種類等の諸条件に応じて、アンカー成形面21、スラッグ捕捉面32および貫通孔11それぞれの大きさ、形状、相対配置を、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0027】
1 基材
11 貫通孔
12 上面
13 下面
14 アンカー結合面
15 縁
2 射出側の金型
21 アンカー成形面
22 ゲート
23 射出ノズル
24 ニードル弁
3 受け側の金型
31 本体成形面
32 スラッグ捕捉面
4 樹脂部材
41 樹脂部材本体
42 リベット
43 軸部
44 アンカー部
45 突起部
C キャビティ
C1 本体成形部
C2 アンカー成形部
C3 主スラッグ溜り
C4 予備スラッグ溜り




【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔が形成された板状の基材に金型を接触させて、基材と金型とで限られたキャビティを形成し、キャビティ内に溶融樹脂を射出することにより、基材の貫通孔に跨って係止する脱落防止のためのアンカー部を一体的に備えた樹脂部材を基材に射出成形する射出成形方法であって、
前記溶融樹脂の射出は、前記キャビティのうち前記アンカー部を成形するアンカー成形部を通じて行われ、その射出圧は、樹脂の流動性に直進よりも分散する傾向が現れるように設定されることを特徴とする射出成形方法。
【請求項2】
請求項1に記載の射出成形方法であって、前記キャビティは、コールドスラッグを集積するスラッグ溜りを有し、スラッグ溜りは、基材に対してアンカー成形部の反対側で、基材の貫通孔の軸線上にあって、基材から離れる方向に関して行き止まりを成すように金型によって限られていることを特徴とする射出成形方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−192605(P2012−192605A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57765(P2011−57765)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(308013436)小島プレス工業株式会社 (386)
【Fターム(参考)】