説明

射出成形機の温度表示装置

【課題】シリンダ内の樹脂の挙動を容易に且つ迅速に把握することができるような温度表示を行うことのできる射出成形機の温度表示装置を提供することを課題とする。
【解決手段】射出成形機の温度表示装置は、加熱シリンダ11の内壁近傍に設けられた複数の内壁温度センサA−1〜F−1と、内壁温度センサにより検出した温度を表示する表示装置135とを有する。加熱シリンダ11の長手軸に沿って複数の領域Z1〜Z15が設定され、複数の領域の各々に加熱用のヒータh1〜h6が設けられる。表示装置135は、複数の領域のうちから選択された一つの領域に設けられた内壁温度センサにより検出した加熱シリンダの内壁温度を、経過時間を表す値を一つの軸にとり且つ温度をもう一方の軸にとったグラフ中に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は温度表示装置に係り、特にシリンダ内で回転するスクリュにより樹脂を溶融させる射出成形機の温度表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形において樹脂成形品の品質を維持するために、射出装置におけるシリンダ内での樹脂の溶融状態を監視し管理することが重要である。そこで、シリンダ内の溶融樹脂の温度を直接測定する技術として、放射温度計をシリンダに埋め込んで溶融樹脂やスクリュから放射される赤外線を計測し、溶融樹脂の温度を計測する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1では、時間を横軸にとり放射温度計で計測した溶融樹脂の温度及びスクリュのフライトの温度を縦軸にとったグラフにより、スクリュバレルに対するかじり現象を予測することが提案されている。
【0003】
ところが、放射温度計をシリンダに埋め込んだり、赤外線を透過する材料でシリンダを形成してシリンダ外部から放射温度計で温度を計測する方法では、シリンダが非常に高価なものとなり、実用的ではない。
【0004】
そこで、シリンダ内の樹脂に与えられるエネルギを算出して樹脂の温度を推定することが提案されている。シリンダ内の樹脂に与えられるエネルギの算出は、シリンダ壁の温度やスクリュのトルク等の測定値に基づいて行われる。
【特許文献1】特開平9−52276号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シリンダ内で樹脂を可塑化する際に、シリンダに与える熱やスクリュの回転により発生する樹脂の剪断応力による熱により樹脂の温度は変化する。シリンダ各部の温度設定が適当でないと、樹脂のやけやかじり等の可塑化に起因した問題が発生する。したがって、このような問題が生じる温度条件とならないように、温度設定を適宜変更する必要がある。
【0006】
本来、樹脂自体の温度を成形時に制御すべきであるが、上述のように樹脂の温度を直接計測するのは難しい。このため、樹脂温度の代わりにシリンダの制御点における温度を計測して表示し、この温度から樹脂の温度を推定することが提案されている。
【0007】
ところが、シリンダは機械的な力に耐えるように肉厚であり、シリンダの径方向に温度分布が生じる。このためシリンダの制御点の温度とシリンダ内の樹脂の温度に差が生じ、制御点の温度を監視したとしても、それが樹脂温度を監視していることとはならない場合がある。すなわち、制御点の温度の時間的変化を表示したとしても、シリンダの樹脂に接している部分の温度変化は制御点での温度変化とは異なる場合がある。
【0008】
例えば、成形開始時には良好な計量状態であっても、成形サイクルを繰り返すに従い、シリンダから樹脂への熱供給量が減少することがある。成形開始時にはシリンダが予熱されておりシリンダが保持している熱が樹脂に供給されるが、成形開始から時間が経つとシリンダが有する熱量が減少するためである。このような状態となると、シリンダの圧縮部に供給される溶融前の樹脂量が多くなることで、圧縮部において剪断過多となり、計量モータのトルク不足が発生したり、樹脂のやけや、かじりが発生するという問題がある。
【0009】
本発明は上述の問題に鑑みなされたものであり、シリンダ内の樹脂の挙動を容易に且つ迅速に把握することができるような温度表示を行うことのできる射出成形機の温度表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の問題を解決するために、本発明によれば、加熱シリンダの内壁近傍に設けられた複数の内壁温度センサと、該内壁温度センサにより検出した温度を表示する表示装置とを有する射出成形機の温度表示装置であって、前記加熱シリンダの長手軸に沿って複数の領域が設定され、前記表示装置は、前記複数の領域のうちから選択された領域に設けられた内壁温度センサにより検出した前記加熱シリンダの内壁温度を、経過時間を表す値を一つの軸にとり且つ温度をもう一方の軸にとったグラフ中に表示することを特徴とする射出成形機の温度表示装置が提供される。
【0011】
本発明による射出成形機の温度表示装置において、前記表示装置は、前記加熱シリンダの前記選択された領域を加熱するヒータの出力を、経過時間を表す値を一つの軸にとり且つ該ヒータの出力をもう一方の軸にとったグラフ中に表示することとしてもよい。また、前記加熱シリンダにおいて、前記内壁温度センサより外側に複数の制御温度センサが設けられ、前記表示装置は、選択された前記領域に設けられた制御温度センサにより検出された温度を、内壁温度を示す前記グラフ中に合わせて表示することとしてもよい。さらに、前記表示装置は、選択された前記領域に設けられた制御温度センサにより検出された温度と、選択された前記領域に設けられた内壁温度センサにより検出された温度との差を、経過時間を表す値を一つの軸にとり且つ温度差をもう一方の軸にとったグラフ中に表示することとしてもよい。
【0012】
また、本発明による射出成形機の温度表示装置において、前記表示装置は、前記加熱シリンダ内のスクリュを回転駆動する計量モータの出力トルクのピーク値を、経過時間を表す値を一つの軸にとり且つ出力トルクをもう一方の軸にとったグラフ中に表示することとしてもよい。
【0013】
さらに、本発明による射出成形機の温度表示装置において、前記表示装置は、前記加熱シリンダの内壁を通過するエネルギの推定値を、経過時間を表す値を一つの軸にとり且つエネルギをもう一方の軸にとったグラフ中に表示することとしてもよい。
【0014】
また、本発明による射出成形機の温度表示装置において、前記表示装置は、前記加熱シリンダ内のスクリュを回転駆動する計量モータの出力トルクの平均値、若しくは積分値を、経過時間を表す値を一つの軸にとり且つ出力トルクをもう一方の軸にとったグラフ中に表示することとしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
上述の発明によれば、加熱シリンダの内壁近傍の温度の時間経過に伴う変化を容易に把握することができ、加熱シリンダ内での樹脂の挙動を容易に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
まず、本発明による温度表示装置の全体構成について図1を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態による温度表示装置の全体構成を示す図である。
【0017】
射出成形機の射出装置10は、加熱シリンダ(単にシリンダとも称する)11と加熱シリンダ11の中で回転及び前後移動可能なスクリュ(図示せず)を有する。シリンダ11の先端には、ノズル口が形成された射出ノズル105が設けられる。シリンダ11の所定の位置に樹脂供給口(図示せず)が形成され、樹脂供給口には接続筒(図示せず)を介してホッパ12が接続されている。ホッパ12内の樹脂ペレットが接続筒及び樹脂供給口を通ってシリンダ11内に供給される。
【0018】
図1に示すように、シリンダ11及び射出ノズル105は、冷却シリンダ14から射出ノズル105に至る長手方向に沿って、6つのゾーンに区分されている。ここでは、備えられたヒータに対応して6つのゾーンを冷却シリンダ14に隣接したゾーンから順に、第1ゾーンZ1、第2ゾーンZ2、第3ゾーンZ3、第4ゾーンZ4、第5ゾーンZ5、第6ゾーンZ15と称する。なお、冷却シリンダ14はホッパ12及びその近傍を冷却するために設けられる水冷シリンダであり、ホッパ12の周囲を一定の温度以下に維持するために設けられている。
【0019】
第1乃至第5ゾーンZ1〜Z5及び第6ゾーンZ15には、個別に通電されるバンドヒータh1〜h6がそれぞれ加熱シリンダ11及び射出ノズル105の外周に配置されている。すなわち、加熱シリンダ11の外周には、第1乃至第4ゾーンZ1〜Z4に対応して面状のバンドヒータh1〜h4が取り付けられており、バンドヒータh1〜h4に通電することにより加熱シリンダ11内で樹脂ペレットを加熱し、溶融させることができる。同様に、射出ノズル105の外周には、第5及び第6ゾーンZ5,Z15に対応して面状のバンドヒータh5,h6が取り付けられており、バンドヒータh5,h6に通電することにより射出ノズル105内の溶融樹脂の温度を維持することができる。
【0020】
また、第1ゾーンZ1に、径方向の異なる位置に1組の温度センサである温度センサA−1,A−2が配置されている。同様に、第2ゾーンZ2には、1組の温度センサである温度センサB−1,B−2が配置され、第3ゾーンZ3にも1組の温度センサである温度センサC−1,C−2が配置され、第4ゾーンZ4にも1組の温度センサである温度センサD−1,D−2が配置され、第5ゾーンZ5にも1組の温度センサである温度センサE−1,E−2が配置され、第6ゾーンZ15にも1組の温度センサである温度センサF−1,F−2が配置されている。また、図1に示す例では、冷却シリンダ14にも一つの温度センサGが設けられ、温度センサGにより冷却シリンダ14の温度が検出される。
【0021】
なお、温度センサA−1,B−1,C−1,D−1,E−1,F−1は加熱シリンダ11及び射出ノズル105の内壁近傍の温度を検出するための温度センサであり、内壁温度センサと称することもある。一方、温度センサA−2,B−2,C−2,D−2,E−2,F−2は加熱シリンダ11及びノズル105の制御点の温度を検出するための温度センサであり、制御温度センサと称することもある。
【0022】
各組の温度センサの加熱シリンダ11及び射出ノズル105に対する位置は、同様であるので、図2に示す温度センサA−1,A−2を例に取って説明する。内壁温度センサA−1は加熱シリンダ11の内壁近傍の温度を検出するために、加熱シリンダ11の内壁近傍までの深さを有する孔内に埋設されている。内壁温度センサA−1により加熱シリンダ11の内壁面の温度を検出する。制御温度センサA−2は、温度センサA−1よりヒータh1に近い位置(制御点と称する)に埋設されている。制御温度センサA−2により制御点の温度を検出する。温度センサA−1とA−2とは、加熱シリンダ11の同一断面上で、半径方向に互いに異なる位置に設けられており、図2(a)に示す例では、温度センサA−1とA−2とは半径方向に反対側の位置、即ち、180°離れた位置に設けられている。
【0023】
図2(b)に示すように、周方向内における同一の位置であり、同一ヒータ領域内で軸方向にずらした位置に、温度センサA−1とA−2とを設けてもよい。この場合、内壁近傍の内壁温度センサA−1とそれより外側の制御点の温度を検出する制御温度センサA−2とは、それぞれの配設孔に設けられる。その結果、一つの配設孔に一つの温度センサを配置することができるので、温度センサの組み付けやメンテナンスが容易となる。
【0024】
また、図2(c)に示すように、周方向内における同一の位置であり、軸方向にも同一の位置に温度センサA−1とA−2とを設けてもよい。この場合、内壁近傍の内壁温度センサA−1とそれより外側の制御点の温度を検出する制御温度センサA−2とが、同一の配設孔に設けられる。その結果、径方向の熱移動量を正確に検出することができ、内壁近傍の熱流束を正確に把握することができる。
【0025】
以上のように、本実施形態では、射出ノズル105及び加熱シリンダ11の長手方向に沿って同一ヒータによるゾーン内に複数の温度センサが設けられ、また、同一断面の異なった深さに複数の温度センサが設けられている。
【0026】
図1に示すように、各組の温度センサ(例えば、A−1,A−2)は、コントローラ130に接続されている。コントローラ130は、各温度センサからの入力信号が与えられ、検出値に基づいて演算を行い、演算結果を操作量としてPWM信号、アナログ信号などの形で出力する温度制御部301、当該操作量に基づいてオンオフを行うスイッチ302−1〜302−6、及び、スイッチ302−1〜302−6を介して、第1乃至第6ゾーンZ1〜Z15に設けられたヒータh1〜h6に通電する電源303とを備えている。
【0027】
温度制御部301は、温度センサからの検出値を表示すると共に温度設定値を入力して温度制御部301に与える表示入力装置(単に表示装置とも称する)135に接続されている。表示装置135は、好ましくはディスプレイ装置であり、後述のような温度設定画面を表示することができる。また、表示装置135は、温度設定値や表示切り替えを行うための例えばキー入力部を備えることが好ましい。
【0028】
温度制御部301は、温度センサA−2〜F−2の検出温度と設定された温度との差に基づいて制御演算を行い、演算結果を操作量として、各ゾーンZ1〜Z15のヒータh1〜h6に対応して設けられたスイッチ302−1〜302−6に出力する。即ち、温度制御部301からの操作量は、スイッチ302−1〜302−6のオン期間を決定する信号であり、スイッチ302−1〜302−6がオンしている時間の割合を表すオン・デューティを制御する。この結果、各ゾーンZ1〜Z15のヒータh1〜h6への通電時間が制御され、射出ノズル105及び加熱シリンダ11の温度センサA−2〜F−2が配置された位置の温度が設定された温度に保たれる。
【0029】
図1に示す温度センサA−1〜F−2,Gと、コントローラ130と、表示入力装置135とにより、後述するように加熱シリンダ11の各部の温度を表示して加熱シリンダ11内の樹脂の状態を表示する温度表示装置が構成される。
【0030】
なお、上述の射出成形機はシリンダ内の射出部材であるスクリュにより、樹脂の溶融、計量、射出が行われるいわゆるスクリュ式射出成形機であるが、本発明による温度表示装置はこれに限ることなく、樹脂の溶融とは別に、射出部材であるプランジャにより射出を行い、計量部材であるスクリュによって計量を行う、いわゆるプリプラ式射出成形機にも適用することができる。
【0031】
次に、本発明の一実施形態による射出成形機の温度表示装置における表示例について説明する。以下の説明は、上述の射出成形機の加熱シリンダ11内の樹脂の状態を把握するための表示例を説明するものとし、表示は表示装置135で行われるものとする。また、加熱シリンダ11はゾーンZ1〜Z4までの4つの領域に分割され、かつ加熱シリンダ11の先端の射出ノズル105はゾーンZ5及びZ15の2つの領域に分割され、各ゾーンに温度センサが設けられているものとする。
【0032】
ここで、表示装置135は必ずしも射出成形機の設定操作モニタでなくてもよく、射出成形機とは別に備えられた通常のPCであってもよい。また、複数の射出成形機の運転状態を管理する集中管理装置であってもよい。
【0033】
図3は加熱シリンダ11の内壁検出温度を加熱シリンダ11の軸方向に沿って表示した表示画面20を示す図である。図3に示す表示画面20の上部には、加熱シリンダ11の内壁検出温度を示すグラフ21が表示されている。グラフ21において、横軸は加熱シリンダ11の軸に沿った位置を表しており、加熱シリンダ11の後端から先端のノズル部分までが表示されている。グラフ21の縦軸は、図1に示す温度センサA−1〜F−1により検出された温度を表している。グラフ21の横軸において、左側が加熱シリンダ11の射出ノズル105側であり、右側が冷却シリンダ14側である。ここでは、内壁温度とは、加熱シリンダ11の内壁で樹脂に接触する部分の近傍の温度(図1に示す温度センサA−1の位置の温度)である。
【0034】
グラフ21を区切る各点線は加熱シリンダ11に設けられたゾーンZ1〜Z15の境界を表している。したがって、グラフ21は加熱シリンダ11のゾーンZ1〜Z15に対応して横軸方向に点線で区切られている。
【0035】
グラフ21には、加熱シリンダの温度を制御するために各ゾーンに対して設定する設定温度が太い実線で表示されている。設定温度は各ゾーンZ1〜Z15の制御点における温度の目標値であり、各ゾーンZ1〜Z15において制御点での温度が設定温度になるように、各ヒータh1〜h6の出力が制御される。なお、各ゾーンZ1〜Z15における制御点には上述の温度センサA−2〜F−2が配置されており、温度センサA−2〜F−2により制御点の温度を検出することができる。つまり、ヒータに近い側の温度検出値と温度設定値との偏差に基づいて、ヒータのフィードバック制御を行うようにしている。
【0036】
グラフ21では、加熱シリンダ11の横軸方向に沿って連続した実線Tで内壁温度が示されているが、実際の温度検出値は温度センサA−1〜F−1により得られた検出値のみであり、それ以外の位置での内壁温度は多項式を用いた補間式で求められた推定値である。温度センサA−1〜F−1により得られた検出値は、内壁検出温度として黒丸で示されている。
【0037】
グラフ21において、実線は現在の内壁温度を示す線である。そして、一点鎖線T1は例えば10分前の内壁温度を示す線であり、二点鎖線T2は例えば20分前の内壁温度を示す線である。ここで、内壁温度は温度センサA−1〜F−1が存在する点においては、温度センサによる検出値と用いるが、温度センサの間の値は補間して内壁温度のグラフを作成してもよい。さらに、温度センサA−1〜F−1の検出値だけでなく、加熱シリンダ11の物性値及び外周近傍に配置された温度センサA−2〜F−2の検出値を基に、内壁温度曲線を算出してもよい。このように過去の内壁温度をグラフ中に示すことにより、内壁温度の時間的変化を瞬時に把握することができる。これにより、成形条件の設定による内壁温度の変化を把握することができる。
【0038】
表示画面20のグラフ21の下側には、「制御点検出」と「内壁検出」とが表示されている。「制御点検出」は各ゾーンZ1〜Z15における上述の制御点における温度であり、温度センサA−2〜F−2により検出された温度値である。「内壁検出」は各ゾーンZ1〜Z15における加熱シリンダ11の内壁近傍の温度であり、温度センサA−1〜F−1により検出された温度値である。この内壁検出温度はグラフ21の黒丸で示されている。
【0039】
「内壁検出」の下側には、「温度設定」が表示される。「温度設定」は各ゾーンZ1〜Z15における制御点に対する設定温度であり、制御点がこの設定温度になるようにヒータh1〜h6の出力が制御される。この設定温度はグラフ21において太い実線で示されている。
【0040】
「温度設定」の下側には「保温設定」と「監視設定」が示されている。「保温設定」は、成形機の運転を休止している際に加熱シリンダ11を暖めておくときの設定温度であり、図3に示す例ではゾーンにかかわりなく100℃に設定されている。また、「監視設定」は設定温度に対して許容できる温度範囲を示すものであり、図3に示す例では各制御点における検出温度(制御点検出)が設定温度に対して±20℃の範囲であれば正常であると判断される。
【0041】
なお、表示画面の右端には、冷却シリンダ14の設定温度と検出温度も表示される。図3に示す例では、冷却シリンダ14の温度設定は50℃であり、加熱シリンダ11の各ゾーンにおける「温度設定」の欄に示されている。また、冷却シリンダ14には、制御点にのみ温度センサGが設けられており、温度センサGによる温度検出値が、「制御点検出」の欄に示されている。
【0042】
以上のような表示画面20によれば、操作者は加熱シリンダ11内の樹脂の状態を容易に把握することができる。例えば、ゾーンZ4における内壁検出温度(300.0℃)が温度設定(310℃)より低いため、ゾーン4における温度設定を例えば310℃から320℃に変更したときに、他のゾーン(特に隣接するゾーンZ5及びZ3)における内壁検出温度がどのように変化したかをグラフ21を観察することで容易に把握することができる。例えば、ゾーンZ4の温度設定を上げると、ゾーンZ3の内壁温度がどの程度上昇するかを視覚的に認識することができる。これにより、ゾーンZ3における樹脂の状態変化を推測することができる。
【0043】
図4は加熱シリンダ11の内壁検出温度を成形開始からの経過時間に沿って表示した表示画面30を示す図である。図4に示す表示画面30の上部には、加熱シリンダ11の内壁検出温度を示すグラフ31が表示されている。グラフ31において、横軸は成形開始からの経過時間を表しており、成形開始(0秒)から2700秒までの時間が表示されている。グラフ31の縦軸は、図1に示す内壁温度センサA−1〜F−1のうちの一つにより検出された内壁温度を表している。ここでは、内壁温度とは、加熱シリンダ11及びノズル105の内壁で樹脂に接触する部分の近傍の温度(図1に示す温度センサA−1の位置の温度)である。すなわち、グラフ31で示す内壁温度は、ゾーンZ−1〜Z−5及びZ−15のうちから選択された一つのゾーンにおける内壁近傍の温度の検出値である。以下、特に説明が無い限り、内壁温度は内壁近傍の温度を表すこととする。ゾーンの選択は操作者が行う。例えば、表示画面30中の、「波形表示 内壁」の欄において、各ゾーンに対応して「入」、「切」のキーが表示されており、このキーに触れることで、グラフ31に表示する内壁温度のゾーンを選択することができる。図4に示す例ではゾーンZ1が選択されており、グラフ31に示された内壁温度は、ゾーンZ1に設けられた内壁温度センサA−1により検出された温度である。「入」、「切」のキーが「入」となっているゾーンが選択されていることを示しており、他の選択されていないゾーンでは「切」と表示される。
【0044】
表示画面30のグラフ31の下側には、「制御点検出」と「内壁検出」とが表示されている。「制御点検出」は各ゾーンZ1〜Z15における上述の制御点における温度であり、制御温度センサA−2〜F−2により検出された現在の温度値である。「内壁検出」は各ゾーンZ1〜Z15における加熱シリンダ11の現在の内壁近傍の温度であり、内壁温度センサA−1〜F−1により検出された温度値である。
【0045】
「内壁検出」の下側には、「温度設定」が表示される。「温度設定」は各ゾーンZ1〜Z15における制御点に対する設定温度であり、制御点がこの設定温度になるようにヒータh1〜h6の出力が制御される。
【0046】
「温度設定」の下側には「保温設定」と「監視設定」が示されている。「保温設定」は、成形機の運転を休止している際に加熱シリンダ11を暖めておくときの設定温度であり、図3に示す例ではゾーンにかかわりなく100℃に設定されている。また、「監視設定」は設定温度に対して許容できる温度範囲を示すものであり、図4に示す例では各制御点における検出温度(制御点検出)が設定温度に対して±20℃の範囲であれば正常であると判断される。
【0047】
なお、表示画面30の右端には、冷却シリンダ14の設定温度と検出温度も表示される。図4に示す例では、冷却シリンダ14の温度設定は50℃であり、加熱シリンダ11の各ゾーンにおける「温度設定」の欄に示されている。そして、ゾーンZ1には2つの内壁検出温度の表示がある。これは、ゾーンZ1においては、樹脂が固相から液相へ変化する際の剪断発熱を検出し、加熱シリンダ11内の可塑化状態の把握を容易にするためである。
【0048】
また、冷却シリンダ14には、制御点にのみ温度センサGが設けられており、温度センサGによる温度検出値が、「制御点検出」の欄に示されている。
【0049】
また、グラフ31の右端の下側には、グラフ31の横軸が何を表すかが表示されている。図4に示す例ではグラフ31の横軸は、予め定められた時間単位での経過時間を表しており、「時間」と表示されている。この横軸として、成形開始からのショット数を示すこともできる。例えば、一回の成形サイクルが60秒であった場合、図4に示すグラフ31の横軸において、300秒の位置が、ショット数で5回に相当する。このように、予め定められたショット数単位でのショット数表示を行う場合、「時間」と表示されているキーに触れることで切替えることができる。この時、「時間」という表示が「ショット数」という表示に切り替わる。このように、グラフ31の横軸は、経過時間やショット数を含む経過時間を表す値であればよい。
【0050】
グラフ31の横軸(時間軸)の目盛りは、数ショットから数十ショット分の時間とすることが好ましい。例えば、図3に示す例では300秒(5分)毎に目盛りが設けられており、グラフ31の全体では2700秒間(45分間)の内壁温度が連続線で示されている。この連続線は、所定の時間間隔で検出した温度を補間等により連続線としたり、検出温度に基づいて近似曲線を求めることにより得られたものである。
【0051】
なお、グラフ31の横軸及び縦軸のスケールは図4に示すものに限定されることなく、操作者が適宜変更できるようにしてもよい。
【0052】
グラフ31の実施例では成形開始を基準としているが、任意の過去の時刻から現在までの波形を表示してもよい。この場合、内壁温度検出値「250℃」の表示と、グラフ31の終点となる現在値の表示とは、当然一致している。そして、グラフ31は、2700秒前から現在の時刻までの温度変化のグラフとなる。
【0053】
以上のような表示画面30によれば、操作者は選択されたゾーンにおける加熱シリンダ11内の樹脂の状態又は挙動を容易に把握することができる。加熱シリンダの内壁の温度は、長い時間でみれば安定していても、各ショット毎に変動しており、且つ各ゾーンに設けられたヒータの出力制御に伴って変動している。グラフ31の下に示す内壁検出温度は、その時点での内壁温度であり、この値を継続して監視していれば内壁温度の変化はある程度把握することができる。しかし、操作者は長い時間にわたってこの内壁検出温度を監視しているわけではなく、他に監視すべき事項や他の操作がある。そこで、本実施形態では、内壁検出温度の時間的な変化をグラフ31に表示して、操作者が瞬時に内壁温度の変化を把握できるようにしている。
【0054】
また、本実施形態では、グラフ31に表示する内壁温度は、選択された一つのゾーンの内壁温度であり、操作者がゾーンを選択して任意のゾーンにおける内壁温度をグラフ31に表示させることができる。図4に示す例では、ゾーンZ1が選択され、ゾーンZ1における内壁温度がグラフ31に表示されている。したがって、操作者は特に注目しているゾーンでの内壁温度の変化を容易に監視することができる。
【0055】
例えば、ゾーンZ1は加熱シリンダ11の供給ゾーンにほぼ対応した領域であり、樹脂が供給されて加熱される部分である。この部分での内壁温度の変化を見ることで、加熱シリンダ11の供給ゾーンにおいて、内部の樹脂に供給される熱量(エネルギ)の変化を把握することができる。また、ゾーンZ2は加熱シリンダ11の圧縮ゾーンにほぼ対応した領域であり、樹脂が圧縮されて剪断により発熱する部分である。この部分での内壁温度の変化を見ることで、加熱シリンダ11の圧縮ゾーンにおいて、樹脂の剪断による発熱の程度を容易に把握することができる。
【0056】
以上のように、各ゾーンでの内壁温度変化を見ることで、加熱シリンダ11内での樹脂の状態又は挙動を容易に判断することができ、加熱シリンダ11の加熱制御に反映することで、より適切な加熱制御を行うことができる。
【0057】
次に、表示装置135における他の表示例について図5を参照しながら説明する。図5に示す表示画面40は、図4に示す表示画面30において、グラフ31に加えてグラフ41を表示したものである。
【0058】
グラフ41は加熱シリンダ11のゾーンのうち選択されたゾーンに設けられたヒータの出力を連続線で示すグラフである。グラフ41の横軸はグラフ31の横軸と同じであり、成形開始からの経過時間を表している。グラフ41の横軸はグラフ31と同様にショット数を表すように切り替えることができる。グラフ41の縦軸はヒータの出力を表しており、単位はワット(W)である。
【0059】
グラフ41はグラフ31の真下に表示され、表示画面40において横軸が一致するように配置されている。なお、図示はしないが、グラフ31とグラフ41とは同じ横軸を有しているので、グラフ31とグラフ41とを組み合わせて一つのグラフにすることもできる。
【0060】
表示画面40の下部には、「内壁」の波形表示に加えて、「ヒータ出力」の波形表示を、「入」にするか「切」にするかを切り替えるためのキーが表示されている。「入」と表示された部分のゾーンのヒータ出力がグラフ41に示されるようになっている。図4に示す例では、ゾーンZ2が選択されており、グラフ31はゾーンZ2における内壁温度を示し、グラフ41はゾーンZ2におけるヒータの出力を示している。
【0061】
以上のように内壁温度に加えてヒータ出力を表示することにより、内壁温度の時間的変化とヒータ出力の時間的変化を容易に関連づけて把握することができる。これにより、当該ゾーンにおける樹脂の状態や挙動を容易に判定することができる。
【0062】
例えば、図5に示すようにゾーンZ2を選択した場合について考える。ゾーンZ2は、加熱シリンダ11の圧縮ゾーンにほぼ対応する領域である。そこで、まずグラフ31により内壁温度の変化を見ると、成形開始(0秒)から300秒までは、加熱シリンダ11に蓄えられていた熱が樹脂に供給されるため、内壁温度が徐々に低下していることがわかる。そこで、グラフ41によりヒータ出力を見ると、300秒が経過した時点で、加熱シリンダ11の温度が下がりすぎないようにヒータ出力が1050Wから1250Wに上げられたことがわかる。その後、成形開始から800秒が経過する付近で内壁温度が上昇に転じたため、ヒータ出力が1050Wに戻されたことがわかる。その後、グラフ31とグラフ41とを見比べることで、ヒータ出力は1050Wに維持されているにもかかわらず内壁温度が上昇を続けていたことがわかる。
【0063】
ヒータの出力が一定であるのにもかかわらず内壁温度が上昇するということは、圧縮ゾーンに対応するゾーンZ2においては、樹脂の剪断による発熱が大きいと判断することができる。樹脂の発熱が過多となると樹脂やけやかじりが発生するおそれがあるため、1350秒付近でヒータの出力を低減するように温度制御が行われ、1900秒付近でヒータ出力はほぼゼロとなったことがわかる。ところが、グラフ31を見ると、ヒータ出力を低減しているにもかかわらず内壁温度は上昇を続けて高い値に維持されていることがわかる。このような場合、内壁温度を維持するのは樹脂の発熱であるので、樹脂の剪断による発熱が過多であると判断することができる。
【0064】
図5に示すような状態では、成形開始後1900秒付近から何らかの理由でスクリュに過大なトルクが加わって樹脂の剪断が過多となっているため、例えば、スクリュに過大な力が加わり、折損する危険がある。このため、操作者は成形動作を中止して異常の原因を調査することとなる。
【0065】
以上のように、加熱シリンダ11の一つのゾーンにおける内壁温度を示すグラフ31に加えて、当該ゾーンにおけるヒータの出力を示すグラフ41を表示することにより、当該ゾーンでの樹脂の状態又は挙動を容易に把握することができ、得られた認識結果を加熱シリンダ11の加熱制御や射出成形機の動作制御に反映することができる。
【0066】
次に、表示装置135における他の表示例について図6を参照しながら説明する。図6に示す表示画面50は、図3に示す表示画面30において、グラフ31の代わりにグラフ51が表示されている。
【0067】
グラフ51はグラフ31の中に制御点温度を示す線を加えて表示したものである。グラフ31と同様に、グラフ51の横軸は成形開始からの経過時間を表しており、成形開始(0秒)から2700秒までの時間が表示されている。グラフ51の縦軸は、温度を表している。ここでは、連続線で示された内壁温度に加えて、選択されたゾーン内の制御点における検出温度が連続線で示されている。制御点における検出温度は、内壁温度センサA−1〜F−1より外側の制御温度センサA−2〜F−2により検出された温度であり、加熱シリンダ11の内壁よりヒータに近い位置(制御点)における温度である。
【0068】
なお、表示画面50の下部には、「波形表示 内壁」に加えて、「波形表示 制御」が表示され、グラフ51にどのゾーンの制御点の温度が示されているかを表示することができる。図6において、「入」と表示されているゾーンZ1における制御点温度がグラフ51に示されている。
【0069】
以上のようなグラフ51を見ることにより、操作者は内壁温度と制御点温度に温度差があるか否か、及びその温度差がどのように変化しているかを瞬時に判断することができる。例えば、ゾーンZ1やゾーンZ2において、内壁温度のほうが制御点温度より高い場合は、樹脂から熱が加熱シリンダ11の外側に向かって移動していることがわかり、樹脂の剪断による発熱が過多であると判断することができる。このような場合、ヒータの設定温度を上げることで樹脂の剪断による発熱量を低減し、例えばスクリュの折損等の問題を未然に防ぐことができる。
【0070】
ここで、図7に示すように、表示画面50においてグラフ51に加えてヒータ出力を示すグラフを表示してもよい。図7に示す表示画面60は、図6に示す表示画面50においてグラフ51の下に図5に示すグラフ41を加えて表示したものである。内壁温度と制御点温度との温度差を示すグラフ51に加えてヒータ出力のグラフ41を表示することで、温度差があるときのヒータの出力を確認することができ、ヒータの温度設定を変更すべきか否かの判断をより精度よく行うことができる。
【0071】
また、図8に示すように、表示画面50においてグラフ51に加えて温度差を示すグラフを表示してもよい。図8に示す表示画面70は、図6に示す表示画面50においてグラフ51の下に、グラフ51で示される温度差のみを示すグラフ71を加えて表示したものである。すなわち、グラフ71は、「波形表示 差分」のゾーンZ1の水冷シリンダ側のスイッチが「入」として、選択されたゾーンにおける制御点温度と内壁温度との温度差をグラフ51と同じ時間軸に沿って示すグラフである。
【0072】
グラフ71を表示することによって、選択されたゾーンにおける制御点温度と内壁温度との温度差を、直接表示することにより、より容易に温度差を知ることができる。
【0073】
次に、表示装置135における他の表示例について図9を参照しながら説明する。図9に示す表示画面80は、図4に示す表示画面30において、「波形表示 内壁」のスイッチの下方に設けられている「計量トルク」のスイッチが「入」となっているように、グラフ31に加えて計量トルクを示すグラフ81を表示したものである。計量トルクは、計量モータのトルクからスクリュの慣性トルクと機械摩擦損を引いた値である。グラフ81に示す計量トルクは、計量モータが起動してからある程度時間が経って安定した状態となってからのピーク値とする。また、ピーク値だけでなく、ノイズに強い平均値や積分値を用いてもよい。
【0074】
図9に示す例では、グラフ表示の「入/切」スイッチにおいて圧縮ゾーンに対応するゾーンZ2が選択され、ゾーンZ2の内壁温度及び計量トルクが表示されている。例えば、内壁温度が高く、且つ計量トルクが大きい場合、スクリュによる樹脂の剪断発熱が過多でやけが発生するおそれがあることがわかる。また、スクリュが内壁に押されてかじりや折損が発生するおそれがある。したがって、このような場合は、対応するヒータの設定温度を上げてヒータからの熱をより多く樹脂に供給することで、樹脂の剪断力を低減するといった対策を施すことができる。
【0075】
また、射出成形機の立ち上げ時には、内壁温度が高く且つ軽量トルクは低いが、連続して運転するうちに内壁温度が一旦下がってから上がり、これに伴って軽量トルクが上がってくる場合がある。このような場合も樹脂の剪断発熱が過多であると判断することができる。
【0076】
以上のように、加熱シリンダ11の内壁温度を表示し、且つ軽量トルクを表示することで、加熱シリンダ11内の樹脂の状態や挙動を可視化することができ、適切な対応をとることでスクリュのかじりや折損を未然に防止することができる。
【0077】
次に、表示装置135におけるさらに他の表示例について図10を参照しながら説明する。図10に示す表示画面90は、図4に示す表示画面30において、「内壁通過エネルギ」のゾーンZ2のスイッチを「入」として、グラフ31に加えて内壁通過エネルギを示すグラフ91を表示したものである。グラフ91に示す内壁通過エネルギは、内壁温度センサの検出値と制御温度センサの検出値に基づいて推定された加熱シリンダ11の内壁を径方向に通過するエネルギの推定値である。
【0078】
グラフ91において、内壁通過エネルギの値がプラス側にあるとき加熱シリンダ11から樹脂に向かって熱が移動していることを示し、マイナス側にあるときは樹脂から加熱シリンダ11に向かって熱が移動していることを示すこととなる。したがって、例えば、連続運転中の安定時において内壁通過エネルギが大きくマイナス側にある場合は、樹脂から加熱シリンダ11に向かう熱量が大きく、すなわち剪断発熱が過多であると判断することができる。このような、場合はヒータの設定温度を上げて、加熱シリンダ11(ヒータ)からの熱での樹脂の加熱量を多くする。これにより、スクリュに過大なトルクが印加されることを防止し、スクリュのかじりや折損を未然に防止することができる。なお、内壁通過エネルギの値から、通過する熱量を把握することができるので、同時に表示されている現在の内壁温度も考慮することで、ヒータの設定温度をどの程度変更すべきかを容易に判断することができる。
【0079】
なお、図3〜図10において、成形開始時刻からの波形グラフを示したが、予め定められた時点から現在までの波形をグラフ表示してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の一実施形態による温度表示装置の全体構成を示す図である。
【図2】加熱シリンダにおける温度センサの位置を示す図である。
【図3】加熱シリンダの内壁検出温度を加熱シリンダの軸方向に沿って表示した表示画面を示す図である。
【図4】加熱シリンダの内壁温度を時間軸に沿って示すグラフを表示した表示画面を示す図である。
【図5】図4に示す表示画面にヒータ出力を時間軸に沿って示すグラフを加えて表示した表示画面を示す図である。
【図6】図4に示すグラフ中に制御点温度を示す連続線を示した表示画面を示す図である。
【図7】図6に示す表示画面にヒータ出力を示すグラフを加えて表示した表示画面を示す図である。
【図8】図6に示す表示画面に温度差を示すグラフを加えて表示した表示画面を示す図である。
【図9】図4に示す表示画面に計量モータのトルクを示すグラフを加えて表示した表示画面を示す図である。
【図10】図4に示す表示画面に内壁通過エネルギの推定値を示すグラフを加えて表示した表示画面を示す図である。
【符号の説明】
【0081】
10 射出装置
11 加熱シリンダ
12 ホッパ
14 冷却シリンダ
20,30,40,50,60,70,80,90 表示画面
21,31,41,51,71,81,91 グラフ
105 射出ノズル
h1〜h6 ヒータ
Z1〜Z5,Z15 ゾーン
130 コントローラ
135 表示入力装置
301 温度制御部
302−1〜302−6 スイッチ
303 電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱シリンダの内壁近傍に設けられた複数の内壁温度センサと、
該内壁温度センサにより検出した温度を表示する表示装置と
を有する射出成形機の温度表示装置であって、
前記加熱シリンダの長手軸に沿って複数の領域が設定され、
前記表示装置は、前記複数の領域のうちから選択された領域に設けられた内壁温度センサにより検出した前記加熱シリンダの内壁温度を、経過時間を表す値を一つの軸にとり且つ温度をもう一方の軸にとったグラフ中に表示することを特徴とする射出成形機の温度表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の射出成形機の温度表示装置であって、
前記表示装置は、前記加熱シリンダの前記選択された領域を加熱するヒータの出力を、経過時間を表す値を一つの軸にとり且つ該ヒータの出力をもう一方の軸にとったグラフ中に表示することを特徴とする射出成形機の温度表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の射出成形機の温度表示装置であって、
前記加熱シリンダにおいて、前記内壁温度センサより外側に複数の制御温度センサが設けられ、
前記表示装置は、選択された前記領域に設けられた制御温度センサにより検出された温度を、内壁温度を示す前記グラフ中に合わせて表示することを特徴とする射出成形機の温度表示装置。
【請求項4】
請求項3記載の射出成形機の温度表示装置であって、
前記表示装置は、選択された前記領域に設けられた制御温度センサにより検出された温度と、選択された前記領域に設けられた内壁温度センサにより検出された温度との差を、経過時間表す値を一つの軸にとり且つ温度差をもう一方の軸にとったグラフ中に表示することを特徴とする射出成形機の温度表示装置。
【請求項5】
請求項1記載の射出成形機の温度表示装置であって、
前記表示装置は、前記加熱シリンダ内のスクリュを回転駆動する計量モータの出力トルクのピーク値を、経過時間を表す値を一つの軸にとり且つ出力トルクをもう一方の軸にとったグラフ中に表示することを特徴とする射出成形機の温度表示装置。
【請求項6】
請求項1記載の射出成形機の温度表示装置であって、
前記表示装置は、前記加熱シリンダの内壁を通過するエネルギの推定値を、経過時間表す値を一つの軸にとり且つエネルギをもう一方の軸にとったグラフ中に表示することを特徴とする射出成形機の温度表示装置。
【請求項7】
請求項1記載の射出成形機の温度表示装置であって、
前記表示装置は、前記加熱シリンダ内のスクリュを回転駆動する計量モータの出力トルクの平均値、若しくは積分値を、経過時間を表す値を一つの軸にとり且つ出力トルクをもう一方の軸にとったグラフ中に表示することを特徴とする射出成形機の温度表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−137083(P2009−137083A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−313923(P2007−313923)
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】