説明

将来の交通条件の動的時系列予測

(たとえば、所定の地理的領域における道路網の変化する現在の条件に基づくリアルタイムの方法で)さまざまな入力データを評価し、同時に多数の道路セグメントの各々について将来の時系列予測を繰り返し生成する確率的技法を使用することなどにより、複数の将来時間における将来の交通条件予測を生成する技法が説明される。場合によっては、関心対象となる地理的領域の観測された履歴交通条件に基づいてなど、各地理的領域の将来交通条件予測の生成に使用するために、1つまたは複数の予測ベイズモデルおよび対応する決定木が自動的に作成される。予測される将来の交通条件情報は、複数の将来時間における道路の交通条件に関する予測に基づいて道路網を通じて最適な経路を計画するなど、走行を補助するためおよびその他の目的でさまざまな方法に使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の開示は、一般に、1つまたは複数の地理的領域の道路上の交通を改善するように、現在および予想される将来の条件に基づいて確率的方法などにより、将来の交通条件を予測する技法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路交通が道路容量の増強を上回る速さで増加し続けているため、交通渋滞の増加による影響は、企業および政府の業務運営、および個人の福利に及ぶ悪影響を増大させる一方である。そのため、現在の交通条件に関する情報を取得して個人および組織に提供することなど、さまざまな方法により、増加しつつある交通渋滞を抑制するための取り組みが行われてきた。大規模な首都圏地域の現在の交通条件に関する情報を取得するための1つの情報源は、(たとえば、道路舗装に埋め込まれたセンサーを介して)地域のさまざまな道路の交通量を測定することができる交通センサーのネットワークであり、そのような現在の交通条件の情報は、(たとえば、頻繁なラジオ放送、地理的領域の主要道路の現在の交通渋滞に関する色分けの情報で地理的領域の地図を表示するインターネットWebサイト、携帯電話および他の携帯消費者機器に送信される情報などを介して)さまざまな方法で利害関係者に提供することができる。しかし、そのような現在の交通情報は特定の状況において何らかの利益をもたらすが、将来の交通条件に関する正確な情報が不足しているために多くの問題を生じることになる。
【0003】
このため、起こりうる将来の交通条件に関する情報を生成して提供するために限定的な試みが行われてきたが、そのような試みは通常、生成された情報が不正確であること、その他さまざまな問題があることで支障があった。たとえば、起こりうる将来の交通条件に関する情報を提供するための一部の取り組みでは、蓄積データの履歴平均を計算して提供するのみであった。そのような履歴平均は、一時的に実際の条件と類似する特定の日時における特定の場所の情報を偶然に生成することがあるが、そのような履歴平均は、(たとえば、天候の問題、交通事故、現在の道路作業、多数の参加者のある非定期的なイベントなど)交通に大きく影響を及ぼす可能性のある特定の現在の条件を反映するように適応することはできない、また通常、交通量の時間経過に伴う全般的な変化に対応することもできない、したがって、生成された情報は概して不正確であり、計画を立てる目的にはあまり実用的ではない。
【0004】
起こりうる将来の交通条件に関する情報を提供するためのその他の従来の取り組みでは、統計的方法を使用して、現在の交通およびその他の条件の情報を履歴交通量データと組み合わせ、交通量における単一の起こりうる将来の変化に関する静的予想を行った。たとえば、特定の道路間隔に対して、そのような従来の取り組みでは、(たとえば、順調ではない流れから順調な流れに変化するなど)道路区間の交通量が変化するまでに要するであろう時間の単一の静的予想を生成しようと試みることもできる。しかし、交通量が変化するまでの時間を予想しようとするそのような取り組みで正確な予想を行うことがたとえできたとしても、そのような限定的な将来の情報は通常、細部にわたり詳細な情報を生成することはなく、詳細な計画を立てるには不十分である。たとえば、そのようなシステムは、最適パスが、予想された情報に基づいて道路網内のさまざまな道路を通じて正確に識別されるように、道路網内の複数の道路について複数の将来の各時間間隔にわたり将来の交通条件を予想することはできない。
【0005】
【非特許文献1】“A Tutorial on Learning Bayesian Networks,” David Heckerman, March 1995, Technical Report MSR-TR-95-06 from the Microsoft Research Advanced Technology Division of Microsoft Corporation
【非特許文献2】“Scalable Classification over SQL Databases,” Surajit Chaudhuri at al., Microsoft Research Division of Microsoft Corporation, March 1999, Proceedings of 15th International Conference on Data Engineering, Sydney, Australia
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、過去、現在、および期待される将来の交通とその他の条件に基づいてなど、複数の将来の時間間隔の各々において、複数の道路セグメントの将来の交通条件を予測するための改良された技法を提供すること、ならびにさらなる関連機能を提供することは、有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
複数の将来時間における将来の交通条件の予測を生成するための技法が説明される。一部の実施形態において、予測は、所定の地理的領域における道路網の現在の条件の変化に基づくリアルタイムの方法など、多数の道路セグメントの各々について将来の時系列予測を繰り返し生成するため、さまざまなタイプの入力データを組み入れる確率的技法を使用して生成される。さらに、少なくとも一部の実施形態において、関心対象となる地理的領域の観測された履歴交通条件などに基づいて、各地理的領域の将来の交通条件予測を生成する際に使用する、1つまたは複数の予測ベイズまたはその他のモデルが自動的に作成される。予測された将来の交通条件情報は、複数の将来時間における道路の交通条件に関する予測に基づいて道路網を経由する最適な経路を計画するなど、走行を補助するためおよびその他の目的でさまざまな方法に使用することができる。少なくとも一部の実施形態において、以下でさらに詳細に説明されるように、予測交通情報プロバイダシステムは、説明される技法を使用してそのような予測を生成する。
【0008】
一部の実施形態において、将来の交通条件の予測を生成するために使用される入力データのタイプは、さまざまな現在、過去、および予想される将来の条件を含むことができ、予測プロセスからの出力は、以下でさらに詳細に説明されるように、あらかじめ定められた時間間隔(たとえば、3時間、または1日)内の複数の各将来時間(たとえば、将来の5分、15分、または60分ごと)の関心対象の複数の目標道路セグメントの各々に対する予想交通条件の生成された予測を含む。たとえば、入力データのタイプは、地理的領域の選択された道路網に関してなど、地理的領域における関心対象のさまざまな目標道路セグメントの現在および過去の交通量に関する情報、現在および最近の交通事故に関する情報、現在、最近、および将来の道路工事に関する情報、現在、最近、および予想される将来の気象条件(たとえば、降水量、気温、風向、風速など)に関する情報、少なくとも一部の現在、過去、および将来の予定されたイベントに関する情報(たとえば、すべてのイベント、指示されたタイプのイベント、指示されたしきい値(たとえば、1000人または5000人の予想参加者)を超える予想入場者数を収容するなど、十分に大規模なイベントに関して、イベントの種類、イベントの予想される開始および終了時間、および/またはイベントの会場またはその他の場所など)、学校のスケジュールに関する情報(たとえば、学校が学期中であるかどうか、および/または1つまたは複数の学校の場所)を含むことができる。さらに、現在および予測される将来の交通条件は、絶対項(たとえば、平均車両速度、指示された時間の交通量、車両がセンサーを通過またはアクティブ化する時間の平均割合を示すためなどの1つまたは複数の交通センサーの平均占有時間、1つまたは複数のその他の交通条件測定に基づいて測定されるような道路混雑の複数の列挙されたレベルのうちの1つなど)、および/または相対項(たとえば、標準または最大からの差異を表すため)でなど、さまざまな方法のうちの1つまたは複数の方法で測定して表すことができる。加えて、一部の実施形態において、将来の交通条件が予測される複数の将来時間は時間の各点であり、別の実施形態において、そのような予測は、それらの複数の将来時間の中の将来の交通条件の平均またはその他の総和測定値を表すことなどによって、複数の時点(たとえば、時間)を表すことができる。さらに、入力データの一部または全部は、既知であり、さまざまな確度(たとえば、予想される気象)で表すことができ、追加情報は、生成された予測の信頼度および/またはその他のメタデータを表すために生成することができる。加えて、将来の交通条件の予測は、定期的(たとえば、5分おき)、任意のまたは十分な新しい入力データが受信されるとき、ユーザからの要求に応答してなど、さまざまな理由およびさまざまな時点において開始することができる。
【0009】
一部の同じタイプの入力データは、一部の実施形態において、将来の交通条件のさらに長期的な予報(たとえば、将来の1週間、または将来の1か月)を同様に生成するために使用することができるが、そのような長期的予報は、予報生成の時点における現在の条件(たとえば、現在の交通、気象、またはその他の条件)に関する情報など、一部のタイプの入力データを使用しないこともある。加えて、そのような長期的予報は、(たとえば、15分おきではなく1時間おきなど)短期的予測ほど頻繁に生成されないこともあり、短期的予測の場合とは異なる将来の期間を反映するように行われることもある。
【0010】
将来の交通条件予測および/または予報が生成される道路および/または道路セグメントはまた、さまざまな実施形態において、さまざまな方法で選択することができる。一部の実施形態において、将来の交通条件予測および/または予報は、各々の地理的領域が複数の相互接続された道路網を備える複数の地理的領域(たとえば、首都圏地域)ごとに生成され、そのような地理的領域は、(たとえば、地域の道路の少なくとも一部の道路センサーのネットワークに基づいて)現在の交通条件情報が容易に使用できる地域、および/または交通渋滞が深刻な問題となっている地域に基づいてなど、さまざまな方法で選択することができる。一部のそのような実施形態において、将来の交通条件予測および/または予報が生成される道路は、現在の交通条件情報が容易に使用できる道路を含むが、別の実施形態において、そのような道路の選択は、少なくとも部分的に1つまたは複数のその他の要因に基づくことができる(たとえば、高速道路、主要幹線道路を含むなど、道路の大きさまたは容量に基づくか、高速道路および主要幹線道路などのより大容量の道路への主な代替となる幹線道路および集約道路を含むなど、交通を支える上で道路が果たす役割に基づくか、連邦高速道路局によって指定されたものなど、道路の機能区分に基づくなど)。その他の実施形態において、将来の交通条件予測および/または予報は、道路の大きさおよび/または他の道路との相互関係にはかかわりなく、単一の道路に対して行うことができる。加えて、将来の交通条件予測および/または予報が生成される道路のセグメントは、各道路センサーを別個のセグメントとして処理するか、(たとえば、指定数の道路センサーをグループ化することなどで、行われる独立した予測および/または予報の数を減らすため)道路セグメントごとに複数の道路センサーをグループ化するか、交通センサーおよび/またはその他のソースからの交通条件情報(たとえば、以下でさらに詳細に説明されるように、道路を走行している車両および/またはユーザから生成されたデータ)に基づいてなど、交通条件が通常同じかまたは十分に類似している(たとえば、強い相関関係にある)道路の論理的に関連する部分を反映するように道路セグメントを選択するなど、さまざまな方法で選択することができる。
【0011】
加えて、将来の交通条件予測および/または予報情報は、以下でさらに詳細に説明されるように、そのような情報をさまざまな時点で(たとえば、要求に応じて、情報を定期的に送信することによってなど)ユーザおよび/または組織に提供することを含むさまざまな実施形態におけるさまざまな方法で、および(たとえば、携帯電話および/またはその他の携帯消費者装置に情報を送信することによって、Webブラウザおよび/またはアプリケーションプログラムなどを介して、情報をユーザに表示することによって、情報を分析および/または変更した後情報提供を行うサードパーティなど、ユーザに少なくとも情報の一部を提供するその他の組織および/またはエンティティに情報を提供することによってなど)さまざまな方法で使用することができる。たとえば、一部の実施形態において、予測および/または予報情報は、道路網を介する出発場所と到着場所の間の最適経路および指示された走行を行うための最適な時間など、推奨される走行経路および/または時間を決定するために使用され、そのような決定は、1つまたは複数の道路および/または道路セグメントの複数の将来の各時間における予測および/または予報情報に基づく。
【0012】
例示のために、一部の実施形態は以下で説明され、そこで特定の種類の予測が特定のタイプの入力を使用して特定の方法で生成され、生成された予測情報がさまざまな特定の方法で使用されている。しかし、そのような将来の交通予測が他の実施形態において他の方法で他のタイプの入力データを使用して生成されうること、説明されている技法が多種多様な他の状況において使用されうること、将来の交通予報がさまざまな方法で同様に生成され使用されうること、したがって本発明が提示されている例示的な詳細に限定されないことが理解されよう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1A〜1Fは、予測される将来の交通条件に基づいて走行経路選択を実行する例を示す。特に、図1Aは、無向グラフの形態で、出発点Aと目標点Fの間の複数の潜在走行経路を、B〜Eとラベル表示された中間ノードと共に示し、たとえば、ノードを経路に沿って順にリストして、1つの潜在経路はABDF、他の潜在経路はABDEF、ACEF、およびACEDFとなる。さらに、図1Aのノード間の辺には、辺によって結ばれる2つのノードの間の走行に要する予測時間が各々表示されている。たとえば、グラフによって表される出発時刻T1において、ノードAとノードBとの間の走行に要する予測時間は12分であり、ノードAとノードCとの間の走行に要する予測時間は17分である。同様に、出発時刻T1においてノードBを出発して、辺BDに沿ってノードDに向かう(辺の2つの端部のノードのラベルによって辺は表される)場合、走行の予測時間は15分である。もう1つの実施形態において、予測交通渋滞または予測平均速度など、他の種類の予測情報は、そのような走行経路選択の一部として代わりに使用することができる。
【0014】
したがって、図1Aは、出発時刻における任意のグラフノードで開始する車両が走行する辺など、単一の出発時刻T1(たとえば、午後5時)における全経路グラフを示している。逆に、図1B〜1Eは、ノードAからノードFへの経路選択プロセスで使用するための複数の将来時間の予測される交通条件情報を示すさまざまな表示を、この例における将来の各時間の間隔を15分として示している。たとえば、図1Bは、出発時刻T1で開始して時刻T2まで継続する第1の時間枠の間に使用するための時刻T1の予測走行時間に基づいて経路グラフの一部を示し、それはこの例で午後5時から午後5時15分までの15分間の時間枠であるが、この例では辺ABおよびACの場合にあたる経路選択プロセスのその第1の時間枠に関連する予測時間情報のみを示している。特に、ノードBおよびノードCを超える辺はこの例において第1の時間枠が完了またはほぼ完了するまで到達されないので、辺CE(たとえば)の時刻T1の午後5時における予想交通情報は、車両が第2の時間枠の午後5時15分〜午後5時30分までその辺に到達しないため役に立たない。したがって、図1Cは、時刻T2の午後5時15分の予測走行時間に基づくような、第2の時間枠の間の経路グラフの予測走行情報を示すが、それらの辺が午後5時にノードAを出発する車両が走行する可能性のある道路セグメントに対応するので辺BDおよびECの予測走行時間のみが示されている。同様に、図1Dは、時刻T3の午後5時30分の予測走行時間に基づくような、午後5時30と5時45分の間の第3の時間枠の間の経路グラフを示すが、それらの辺が午後5時にノードAを出発した車両が走行する可能性のある道路セグメントに対応するので辺DF、DE、およびEFの予測走行時間が示されている。この例について簡略にするため、辺DF、DE、およびEFに対して(時刻T4の午後5時45分の予測走行時間に基づくような)午後5時45分と午後6時の間の第4の時間枠の間の予測走行時間は、第3の時間枠の間のそれらの辺の予測走行時間と同じであり、第4の時間枠の時間は別個に示されていない。
【0015】
図1Eは、図1B〜1Dに示されている情報を結合した図であり、複数の将来時間の予測走行時間を表示している。特に、辺は、ソースノードAから目標ノードFへ走行する車両がグラフの辺に対応する経路セグメントを走行すると予想される時間枠に対応する予想走行時間でラベル表示され、グラフで左から右へと表示される情報は全体として後の時間枠に引き続き関連している。したがって、グラフは、第1の時間枠の間のAからBへの予測走行時間が12分であり、第1の時間枠の間のAからCへの予測走行時間が17分であり、第2の時間枠の間のBからDへの予測走行時間が18分であり、第2の時間枠の間のCからEへの予測走行時間が12分であり、第3の時間枠の間のDからEへの予測走行時間が15分であり、第3の時間枠(および第4の時間枠)の間のDからFへの予測走行時間が17分であり、第3の時間枠(および第4の時間枠)の間のEからFへの予測走行時間が10分であることを示している。
【0016】
図1Eに示されているこれらの複数の時間枠の予測走行時間を使用して、ソースノードAから目標ノードFへの最適経路(この例では、最短の経路)を選択することが可能である。この簡単な例において、ソースノードと目標ノードの間の可能な経路の合計走行時間は(以前走行済みの辺を車両が引き返す経路は計算に入れない)、ABDF(合計時間=47)、ABDEF(合計時間=55)、ACEF(合計時間=39)、およびACEDF(合計時間=61)である。このように、複数の将来の時間枠に対して現在時刻において行われた予測に基づいて、経路ACEFは、予想走行時間39分で、ソースノードAと目標ノードFの間の最短経路となる。
【0017】
第1の時間枠の間の全経路の予測時間が示されている図1Aに戻ると、この経路グループは、将来の時間枠の予測走行時間が考慮されていないために、この情報を使用して最適ではない経路がどのように選択されるかを示している。特に、予測された第1の時間枠走行時間のみを使用する同じ4つの経路の予測走行時間は、ABDF(走行時間=37)、ABDEF(走行時間=60)、ACEF(走行時間=45)、およびACEDF(走行時間=52)である。このように、このあまり正確ではない情報は、図1Eに示される予測走行時間を使用して指示される経路ABDFの47分ではなく、37分の時間で経路ABDFがソースノードAと目標ノードFの間の最短経路であると誤って指示してしまったであろう。そのような不正確さは、たとえば、第2および第3の時間枠の間に交通を大幅に増加させる予定されたイベントのためなど、第1の時間枠の後に交通渋滞の予測された増大が原因となって生じた可能性もある。
【0018】
図1Fは、図1Eに示されている情報を修正した図であり、特に、辺DF、DE、およびEFに関して第3および第4の時間枠の更新された予測走行時間を示している。この例において、更新された予測走行情報は、その時点(たとえば、辺EFに対応する道路沿いで発生した事故、そのためその辺の予測走行時間を大幅に増加させる)で使用可能になった新しい入力情報に基づいて第2の時間枠の間に生成されるが、これはグラフのノード間の最適経路を変更することがある。そのような更新された情報は、予測走行情報の変化によって影響を受けるユーザに迅速に提供することができる場合、特に有益となりうる。たとえば、図1Eに示される予測走行情報に基づいて経路ACEFに沿って走行を始めたユーザは、更新された情報が使用可能になったとき、辺CEに対応する道路沿いに走行していたが、更新情報は辺EF沿いに走行することがノードEからの最適な選択ではなくなっていることを示し、代わって、修正された経路EDおよびDFを走行することが、元の辺EFの経路よりも少ない所要時間になることが予測される。ユーザの移動中に迅速に通知することができる場合、ユーザはこのように、複数の将来の時間枠において新しい予測走行情報を反映するようにとられる経路を動的に調整することができる。さらに、更新された走行情報が、ノードAをユーザが出発する前に第1の時間枠の早期に使用可能になった場合には、ユーザはABDFの新しい最適経路に向けられる可能性もある。
【0019】
このように、図1B〜1Fは、ルートの選定に関する利点を提供するために複数の将来時間における予測された将来の交通条件を使用する例を示す。
【0020】
図2A〜2Fは、所定の地理的領域の交通条件に関する知識を表すための予測モデル例のさまざまなグラフィカル表現を示す。一部の実施形態において、そのような予測モデルは、自動的に生成され、保持され、使用されて、関心対象の道路セグメントごとに将来の時系列データを予測するなど、複数の将来の時間における将来の交通条件に関する予測および/または予報を行う。そのような予測モデルは、ベイズまたは信頼度ネットワーク、決定木、隠れマルコフモデル、自己回帰木、およびニューラルネットワークを含むことができるが、これらに限定されることはない。一部のそのような予測モデルは、ベイズネットワークモデルのように、確率的モデルであってもよく、そのような予測モデルは、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体上に1つまたは複数のデータ構造として格納されてもよい。
【0021】
図2A〜2Dは、交通条件に関する確率的知識を表すためのベイズネットワークの生成の例を示す。ベイズネットワークは、ノードおよび辺で構成される有向無閉路グラフ(「DAG:directed acyclic graph」)である。グラフ内のノードは確率変数を表すが、これはモデル化されている領域の状態を表す離散または連続値を持つことができる。グラフ内の辺は、変数間の依存関係を表す。親を持たないノードは、ルートノードである。ルートノードの確率分布は、グラフ内の他のノードに無条件である。1つまたは複数の親を持つノードは、その親ノードの確率を条件とする確率分布を有する。ルートノードの事前確率および非ルートノードの条件付き確率を指定することにより、ベイズネットワークのグラフは、グラフ内のノードによって表されるすべての変数にわたる同時確率分布を表すことができる。
【0022】
図2Aは、交通条件の予測に使用するベイズネットワーク予測モデルを生成するために使用することができるノードのコレクションの例を示す。示されているノードは、観測される入力データが受信されるうる変数、および特定の地理的領域に関して出力されうる交通条件予測に対応する。特に、ノード202a〜mは、予測モデルで使用するさまざまな入力変数を表すが、これらはこの例において、生成されるベイズネットワークのルートノードに対応する。例示の入力変数は、以下のとおりである。IsSchoolDayとラベル表示されたノード202aは、特定の日に学校が学期中であるかどうかを表すために使用することができる。CurrentTimeとラベル表示されたノード202bは、時刻を表すために使用することができる。Precipitationとラベル表示されたノード202cは、特定の時間間隔(たとえば、過去6時間)にわたる降水量、または代替として現在の降水率を表すために使用することができる。StadiumXEvtTypeとラベル表示されたノード202dは、スタジアムXにおいて開催される予定であるか、または開催されているイベント(ある場合)の種類を表すために使用することができる。ノード202e、202f、および202l〜mは各々、現時点または過去のある時点における特定の道路セグメントの交通条件を表すため、および特に、表されている時点において(たとえば、非常に混雑している)黒の交通条件を報告しているその道路セグメントの個々のデータソース(たとえば、交通センサーまたはその他のデータソース)の割合を表すために使用することができる。前述のように、各道路セグメントは、1つまたは複数の交通センサーおよび/またはその道路セグメントの交通条件情報の1つまたは複数の他のソースに関連付けることができるが、このことについては他の箇所でさらに詳細に説明される。一部の実施形態において、道路セグメントの交通渋滞レベルデータは、交通渋滞の列挙された増加レベルに対応する色(たとえば、緑、黄、赤、黒)を使用して表され、緑は最低レベルの交通渋滞に対応し、黒は最高レベルの交通渋滞に対応するようになっている。この例におけるこれらのノードは、PercentBlackSegmentX−Yとラベル表示され、ここでXは特定の道路セグメントを示し、Yはその道路セグメントの非常に混雑している交通の割合レベルが報告される過去の時間(たとえば、分単位、または他の時間測定の単位)を示す。たとえば、PercentBlackSegment1−30とラベル表示されたノード202fは、30分前の道路セグメントSegment1の黒レベルの混雑の割合を表すために使用することができる。
【0023】
ノード202g〜iは各々、現時点または過去のある時点における特定の道路セグメントの平均または最も一般的な交通条件を表すために使用することができる。この例においてこれらのノードは、SegmentXColor−Yとラベル表示され、ここでXは特定の道路セグメントを示し、Yはその道路セグメントの交通渋滞の特定レベルが(ここで交通渋滞レベルはその対応する色で表され)識別された過去の時間(たとえば、分単位、または他の時間測定の単位)を示す。たとえば、Segment1Color−60とラベル表示されたノード202hは、道路セグメントSegment1の60分前の交通条件を表すために使用することができ、その時点における交通渋滞のレベルが適切な混雑の色で示されている。ノード202j〜kは各々、特定の道路セグメントの交通条件のレベルがどのくらいの間継続して黒と報告されていたのかを表すために使用することができる。たとえば、BlackStartSegment1とラベル付けされたノード202jは、道路セグメントSegment1の交通条件のレベルがどのくらいの間継続して黒と報告されていたのかを表すために使用することができる。その他のさまざまな入力変数は、示されているさまざまなタイプの条件に関連する追加の詳細を提供するため、または以下で詳細に説明するように、その他のタイプの条件を表すためなど、その他の実施形態において使用することができる。
【0024】
図2Aのノード204a〜gは、予測モデルの出力変数を表し、特に、所定の事前確率を入力ノード202a〜mに割り当てさせることができる交通条件に関する予測およびそれらの入力ノードの現在の入力情報に対応する。この例のこれらの出力ノード204a〜204gは、SegmentXColorYとラベル表示され、ここでXは特定の道路セグメントを示し、Yはその道路セグメントの交通渋滞のレベルに対応する特定の色が予測される将来の時間を示す。たとえば、Segment1Color15とラベル表示されたノード204aは、15分後における道路セグメントSegment1の予測された交通条件を表すために使用することができる。各道路セグメントについて、交通条件は、多数の将来の時間に対して表される。たとえば、ノード204a〜204dは、将来への3時間の時間枠にわたる15分間隔での道路セグメントSegment1の予測された交通条件を表す。示されている実施形態において、N道路セグメントの交通条件が表され、各々、交通条件が予測されるべき12の15分間隔に対応する12のノードを備えている。もう1つの実施形態において、より大きいかまたは小さい将来の時間枠および/またはより多いかまたは少ない時間間隔が表されてもよい。
【0025】
図2Bは、図2Aに示されるノードに対応する変数が取りうる可能な値を示す。表210において、列212aは変数名を一覧し、列212bは、対応する変数が取りうる可能な値を一覧するが、これらは連続または離散のいずれかであってもよい。行214a〜gは各々、個々の変数名と、その対応する値の範囲を一覧する。たとえば、行214aは、IsSchoolDay入力変数が、当日が授業日であるかどうかの観測に対応して、true(真)またはfalse(偽)の値をとることができることを示すが、行214bは、Precipitation入力変数がnone(なし)、low(低)、medium(中)、またはhigh(高)の列挙値のうちの1つをとることができることを示す。この例において、降水量は、簡単にするために固定の時間間隔にわたる離散数量として測定されるが、その他の実施形態において降水量は、別の方法で表すこともできる(たとえば、固定時間間隔にわたる雨の連続量、現在の降水率など)。行214cは、StadiumXEvtType入力変数が、none、football、concert、soccerなどの値のうちの1つをとることができることを示すが、その他の実施形態においてイベントタイプは、可能な値を超えるかまたは下回る数値を取ることができる(たとえば、イベントがあるかどうかを示すブール値)。行214dは、各PercentBlackSegmentX−Y入力変数が、0.0から1.0の閉区間の実数値をとることができ、(たとえば、道路センサーの示度数、移動体データソース値など)データポイントの割合または黒の交通渋滞レベル条件が過去の対応する時間Y分において報告されている道路セグメントSegmentXのサブセグメントを表す。行214eは、各BlackStartSegmentX入力変数がnotblack、0、5、10、15、...30の値のうちの1つをとることができ、「notblack」値で、道路セグメントSegmentXが過去30分間に黒の交通渋滞レベル条件ではなかったことを示し、その他の値で、黒の交通条件が現在時刻以前に道路セグメントSegmentXで継続的に報告されていた過去30分間における最も近い分数を示す。たとえば、10の値は、過去の約10分間にわたり黒の交通条件が継続的に報告されていたことを意味し、0の値は、ゼロ分(または時間が端数切捨てであれば、2分30秒未満)にわたり黒の交通条件が継続的に報告されていたが、黒の条件は過去30分の間に以前存在していたことを意味する(それ以外の場合、notblack値が使用される)。行214fは、SegmentXColorY出力変数が、将来のY分に道路セグメントXについて報告された交通渋滞の増大レベルに対応して、緑、黄、赤、または黒の列挙値のうちの1つをとることができることを示す。行214gは、追加の変数に追加の可能な値を提示できることを示す。
【0026】
図2Cは、所定の地理的領域の交通条件に関して行われた観測に対応するデータ例をまとめたものを示す。各行は、特定の時間または状況を反映するなど、予測モデルの複数の各変数について関連する観測で構成される観測レコードを表す。表220において、列222a〜222fは、図2Aのノード202a〜mによって表される入力変数に対応し、列222g〜222jは、図2Aのノード204a〜gによって表される出力変数に対応するが、簡略にするため一部示されていないノードもある。たとえば、行224aは、学校が学期中であり、降水が全く測定されておらず、サッカーイベントがスタジアムXで開催される予定であり、黒の交通渋滞レベル条件がY分前の時点において道路セグメントSegmentXの22パーセントで報告されており、かつ黒の交通渋滞レベル条件が約ゼロ分にわたり道路セグメントSegmentNに関して継続的に報告されていた時間における観測に対応する第1の観測レコードを示す。加えて、上記の観測が行われた15分後に、赤の交通渋滞レベル条件が道路セグメントSegment1について報告され、黒の交通渋滞レベル条件がそれらの観測後30分後に道路セグメントSegment1について報告され、そして黄の交通渋滞レベル条件がそれらの観測後180分後に道路セグメントSegmentNについて報告された。行224b〜gは、同様に追加の観測レコードを示し、実際の観測データが膨大数のそのような観測を含むことができることが理解されよう。
【0027】
図2Dは、図2Cに示されているような観測データに基づいて生成することができ、将来の交通条件予測を生成するための予測モデルとして使用することができる例示のベイズネットワークを示す。図示されているように、図2Dに示されているノードは図2Aのノードと同じ入力および出力変数を表すが、ここでは弧は、各々の出力ノードが入力変数に対応する1つまたは複数の入力ノード232a〜mの子となるように、入力変数ノード232a〜mを出力変数ノード234a〜gと接続する。親ノードから子ノードへ方向付けられている各弧は子ノードと親ノード間の依存性を表し、ベイズネットワーク構造が生成された観測データが、子ノードの確率はその親ノードの事前確率を条件とすることを指示することを意味している。たとえば、この例においてノード234cは単一の親ノード232cを持つが、これはノード232cによって表される出力変数Segment1Color45の確率が、ノード232cによって表されるPrecipitation入力変数の事前確率を条件とすることを意味するものと理解することができる。したがって、入力情報が現在Precipitation入力変数について取得される場合、将来の時間45分における道路セグメントSegment1の交通渋滞レベルの色の予測値を決定することができる。子ノードが複数の親ノードを持つ場合、その確率は、その複数の親ノードのすべての組み合わせの確率を条件とする。たとえば、出力ノード234aは、この例において7つの親ノードを持ち、それらは入力ノード232a、232b、232d、232e、232f、232g、232hであるが、これは、ノード234aによって表される出力変数Segment1Color15の確率が、ノード232aによって表される入力変数IsSchoolDay、ノード232bによって表される入力変数CurrentTime、ノード232dによって表される入力変数StadiumXEvtType、ノード232eによって表される入力変数PercentBlackSegment1−0、ノード232fによって表される入力変数PercentBlackSegment1−30、ノード232gによって表される入力変数Segment1Color−0、およびノード232hによって表される入力変数Segment1Color−60の事前確率を条件とすることを意味するものと理解することができる。
【0028】
直観的に、ベイズネットワークは、因果関係を表すものと理解されてもよい。たとえば、示されているベイズネットワークは、(入力ノード232a〜mで表されるような)学校のスケジュール、スタジアムのイベント、気象、および現在と過去の交通条件などの入力因子と、(出力ノード234a〜gで表されるような)さまざまな道路セグメントの出力将来交通条件との間の因果関係を表現する。1つの具体例として、60分前に道路セグメントSegment1に関して報告された交通条件および授業日であるかどうかは、道路セグメントSegment1とSegmentNが関連している(たとえば、相互に近接する)場合、および授業日の道路セグメントSegment1について報告された重大な交通が後に道路セグメントSegmentNに影響を与えるような場合には、将来の180分の道路セグメントSegmentNの交通条件に影響を及ぼすこともある。この関係は、図2Dにおいて、IsSchoolDayとラベル表示されたノード232aおよびSegment1Color−60とラベル表示されたノード232hの各々から、SegmentNColor180とラベル表示されたノード234gへの弧として示されている。
【0029】
図2Dに示されているようなベイズネットワークの構造および確率分布は、所定の観測データと最も適合するネットワーク構造を決定するような、対応する関係および値を決定する学習アルゴリズムを介して観測データから生成することができる。加えて、少なくとも一部のそのような学習アルゴリズムは、(たとえば、観測レコードの一部が一部のデータ要素を欠いている場合など)不完全なデータで進めることができ、さらに一部の実施形態において(たとえば、入力ノードおよび/または出力ノードのグループ間の高レベルの関係を反映させるような、入力ノードと出力ノード間の中間ノードの1つまたは複数のレベルを識別して表すことによって)より複雑なネットワーク構造を生成することができる。観測される事例情報に基づいてベイズネットワークを生成するために一部の実施形態において使用する例示の技法の1つのセットに関連する追加の詳細は、内容全体を参照により本明細書に引用したものとするftp://ftp.research.microsoft.com/pub/tr/tr−95−06.pdfにおいて利用できる非特許文献1に含まれる。
【0030】
図2E〜Jは、図2Cに示されるような観測データに基づいて、図2Dに示される例示のベイズネットワークと共に各々生成することができ、特定の将来時間において特定の道路セグメントの将来の交通条件予測を生成するための予測モデルの一部として各々使用することができる例示の決定木を示す。前述のように、図2Dに示されているようなベイズネットワークは、さまざまな変数の間の確率的関係を示す。決定木は、そのような関係のサブセットが、入力値のセットを与えられて出力変数の予測値を効率的に計算するために使用できるような方法でエンコードされるようにする。特に、決定木は、決定への可能な回答がその回答に基づいて異なるサブツリーに至るように、ツリー構造に配列された多数の決定を含み、決定および回答はさまざまな結果を備える複数のケースをさまざまなサブツリーに迅速に分割するように配列されている。図2Cに示されるような観測データのセットを与えられ、図2E〜Jに示されるような決定木は、決定木に含める最適な決定および回答と、現在の条件を反映するように入力データに基づく迅速な決定を容易にするツリーの最適な構造とを決定する学習アルゴリズムを介して自動的に生成することができる。観測されるケース情報および/または対応するベイズネットワークに基づいて決定木を生成するために一部の実施形態において使用する例示の技法の1つのセットに関連する追加の詳細は、内容全体を参照により本明細書に引用したものとするftp://ftp.research.microsoft.com/users/AutoAdmin/icde99.pdfにおいて利用できる非特許文献2に含まれる。
【0031】
示されている実施形態において、各決定木は、入力変数の現在の条件情報を与えられて単一の将来時間における単一の道路セグメント予測交通渋滞レベル条件を生成するために使用される。図2A〜Dを参照してさらに詳細に説明されるように、一部の実施形態において、1つまたは複数の連続する現在時刻の各々において、複数の将来の時間の交通条件は、3時間間隔の15分ごとなど、モデル化の現在時刻において使用可能な情報に基づいてモデル化され、その結果モデル化された道路セグメントあたり12の決定木が得られる。図2E〜2Jにおいて、決定木ノードは各々、図2A〜Dを参照して説明されている入力変数のうちの1つに対応する変数名でラベル付けされ、入力変数を表す所定のノードから生じている孤は各々、変数が取ることのできる1つまたは複数の可能な値でラベル付けされている。パスは、ツリーのルートノードで開始して、そのノードによって表される変数に対応する入力データのセットの値を使用してどの孤が子ノードまで続くかを決定し、リーフノードに到達するまでパスに沿って一連の子の各々についてプロセスを繰り返すことにより、決定される。図2E〜Jにおいて、リーフノードは長方形の形状であり、ほとんどの場合、各々所定の入力データのセットの将来の交通渋滞レベル予測を表す。
【0032】
図2Eは、15分の将来時間における道路セグメントSegment1の将来の交通渋滞レベルを予測するための例示の決定木の一部を示し、特に、ルートノードから可能なリーフノードへの単一パスを表すが、実際の決定木においてはその他の多数のパスが同様にそのような可能なリーフノードへ至ることが理解されよう。この例において、示されている決定木のルートノード240は、IsSchoolDay入力変数に対応し、現在授業日である場合はノード242bに至るパスをたどり、それ以外の場合は242aに至るパスをたどるようになっている。ノード242aは、Segment2Color−15出力変数を表し、過去15分の道路セグメントSegment2の交通渋滞の色(たとえば、緑、黄、赤、黒)の可能な値により、図示されているようにノード244a〜dに進むようになっている。たとえば、この道路セグメントにおいて15分前に黒が報告されたと現在決定される場合、Precipitation入力値を表すノード244dへのパスをたどることになる。ノード244dからのPrecipitation入力変数の可能な値は、図示されているように、ノード246a〜dへと至る。たとえば、現在測定された降雨量がmedium(中)である場合は、StadiumXEvtType入力変数を表すノード246cへのパスをたどることになる。StadiumXEvtType入力変数の可能な値は、図示されているようにリーフノード248a〜eへと至り、これらのリーフノードは各々、15分後の将来時点における道路セグメント1の関連する予測される将来の交通渋滞レベルを表す。この例において、各リーフノードはまた、さまざまな方法で決定されるような、(括弧の中の値で示される)予測される将来の交通渋滞レベルに関連付けられている信頼度レベルでラベル付けされる。一例として、ノード248dは、フットボールの試合が現在予定されている場合、今後15分間について64%の信頼度レベルで道路セグメントSegment1に赤の交通渋滞レベル条件が予測されることを示すが、ノード248cは、代わりにサッカーの試合が現在予定されている場合、今後15分間について47%の信頼度レベルで道路セグメントSegment1に緑の交通渋滞レベル条件が予測されることを示す。この相異は、たとえば、所定の地理的領域内の2つのスポーツのイベントの相対的観客動員数および対応する交通、そのような種類のイベントのさまざまなスケジュール(たとえば、開始、所要、または終了時間)、および/またはイベントの前および/または後の交通の流れのさまざまなパターン(たとえば、コンサートの観客は一斉に到着および/退去する傾向があるが、スポーツイベントの観客は長い時間間隔にわたりより散発的に到着および/または退去する傾向がある)に起因する可能性がある。
【0033】
図2Fは、図2Eの例示の決定木のリーフノードの一例を示す詳細図である。特に、リーフノード252eの詳細図が示されるが、これは図2Eのリーフノード248eに対応する。図2Fは、ノード252eのヒストグラム252fを示すが、これは決定木を生成するために使用される観測データにおけるノード252eのすべての可能な結果に対する確率分布を示している。この例において、このヒストグラム252fは、4つの可能な交通渋滞レベル値(たとえば、黒、赤、黄、緑)と、観測データからの各値の関連する度数を示す。ヒストグラムから見て取れるように、最高度数をもたらす結果は、(1234の観測された事例のうちの543という結果として示されるように)観測された事例の44%の度数で、赤の交通渋滞レベルである。この例において、最も高い度数の結果は特定のリーフノードにおける予測結果として選択され、観測データのその特定の結果の度数は、予測の信頼度値として選択される。もう1つの実施形態において、信頼度値は、結果の全体平均、中央値、またはその他の統計集約測度に対する最高度数結果の関係に基づくなど、その他の方法で決定されてもよい。
【0034】
図2Eの場合と類似した方法で、図2Gは、道路セグメントSegment1のもう1つの例示の決定木の一部を示しており、この決定木は30分後の道路セグメントSegment1の予測将来交通渋滞レベルを表す。特に、この決定木は、ルートノード260からリーフノード266bへのパスを示しているが、これは結果として、そのパスに対応する入力条件に基づいて47%の関連信頼度値を持つ緑の交通渋滞レベル条件の予測をもたらす可能性が高い。この例において、図2Gの決定木の構造は、たとえ同じ道路セグメントの予測を計算するために使用されるものであっても、15分後の将来予測の場合とは異なる30分後の将来予測の関連要因を反映する観測データに基づいて、図2Eの決定木の構造とは異なっている。たとえば、図2Gの決定木は入力変数Segment1Colorー15に対応するノード260で開始するが、図2Eの決定木は入力変数IsSchoolDayに対応するノード240で開始する。
【0035】
図2Hは、60分後の道路セグメントSegment1の将来の交通渋滞レベルを予測するための例示の決定木の一部を示す。図2Gの場合と同じように、この決定木の構造は、図2Eおよび図2Gのツリーの構造とは異なっている。この決定木は、53%の関連信頼度値を持つ黄の交通渋滞レベル条件の最も可能性が高い予測をもたらすルートノード270からリーフノード276aへのパスを示している。加えて、この決定木は、56%の関連信頼度値を持つ緑の交通渋滞レベル条件の最も可能性が高い予測をもたらすルートノード270からリーフノード276cへの第2のパスを示している。
【0036】
図2Iは、30分後の道路セグメントSegment2の将来の交通渋滞レベルを予測するための例示の決定木の一部を示す。この決定木は、図2E、2G、および2Hに示される道路セグメントSegment1とは対照的に、道路セグメントSegment2の交通条件を予測するために使用することができるが、それ以外においては同様の構造を備えており、前述の決定木として使用する。この決定木は、ルートノード280からリーフノード288a〜dへのパスを示すが、これらはそれぞれ結果として89%、87%、56%、および34%の関連信頼度値を持つ緑、緑、黒、および黄の最も可能性が高い予測をもたらす。
【0037】
図2Jは、今後60分後の道路セグメントSegment1の更新された例示の決定木の一部を示すが、54%の関連信頼度値を持つ黒の交通渋滞レベル条件の最も可能性が高い予測をもたらすルートノード290からリーフノード296dへの特定のパスが説明されている。他の箇所でさらに詳細に説明されるように、一部の実施形態において、そのような決定木および/または関連するベイズネットワーク予測モデルは、新しい観測ケース情報が使用可能になると、更新および/または再作成される。これらの更新は、定期的(たとえば、週1回、月1回など)、要求に応じて、および/または十分な新しい観測ケースデータの累積に応じてなど、さまざまな時点で生じてもよい。加えて、一部の実施形態において、新しい観測ケースデータは既存のリーフノードの予測値を更新するためだけに(たとえば、図2Fのヒストグラム252fに関して、2334の合計出現数のうち1284に基づく新しい観測データから判断して、黒がノード252eの最も度数の高い結果となるように更新するために)使用されてもよいが、他の実施形態において、新しい観測ケースデータは、潜在的に異なる構造を持つ新しい決定木を生成するために使用される。この例において、図2Jに示される新しい決定木と図2Hに示される決定木では、たとえ両方の決定木が観測ケースデータの変化に基づいて、60分後の道路セグメントSegment1の将来交通渋滞レベルを予測するとしても、構造が異なっている。
【0038】
図3は、予測交通情報プロバイダ(Predictive Traffic Information Provider)および/または経路セレクタ(Route Selector)システムの実施形態の実行などによって、説明される技法の少なくとも一部を実行するために適したサーバコンピューティングシステム300の実施形態を示すブロック図である。サーバコンピューティングシステム300は、中央演算処理装置(「CPU」)335、さまざまな入出力(「I/O」)コンポーネント305、ストレージ340、およびメモリ345を含むが、図示されているI/Oコンポーネントには表示装置310、ネットワーク接続315、コンピュータ可読媒体ドライブ320、およびその他のI/O装置330(たとえば、キーボード、マウスまたはその他のポインティングデバイス、マイクロフォン、スピーカなど)が含まれる。
【0039】
図示されている実施形態において、予測交通情報プロバイダ(Predictive Traffic Information Provider)システム350、経路セレクタ(Route Selector)システム360、およびプログラム263によって提供されるオプションのその他のシステムは、説明される技法の少なくとも一部を実行するためにメモリ345内で実行しているが、これらのさまざまな実行中のシステムは全体として、本明細書において予測交通情報システムと呼ばれる。サーバコンピューティングシステムと、その実行システムは、ネットワーク380(たとえば、インターネット、1つまたは複数の携帯電話ネットワークなど)を介して、さまざまなクライアント装置382、車両ベースのクライアントおよび/またはデータソース384、道路交通センサー386、その他のデータソース388、およびサードパーティコンピューティングシステム390など、他のコンピューティングシステムと通信することができる。特に、1つまたは複数の予測交通情報システムは、道路交通センサー、車両ベースのデータソース、およびその他のデータソースなど、さまざまなソースから現在の条件および/または以前の観測ケースデータに関するさまざまな情報を受信する。次いで、予測交通情報プロバイダシステムは、受信したデータを使用して複数の将来時間の将来交通条件予測を生成し、予測された情報を経路セレクタシステムと、オプションで1つまたは複数の予測交通情報システム、クライアント装置、車両ベースのクライアント、サードパーティコンピューティングシステム、および/またはユーザなどの1つまたは複数の他の受信側に提供する。経路セレクタシステムは、受信した予測将来交通条件情報を使用して、使用頻度の高い経路および/または要求に応じて指示された経路など、経路関連の情報を生成し、同様にそのような経路関連の情報を1つまたは複数のその他の予測交通情報システム、クライアント装置、車両ベースのクライアント、および/またはサードパーティコンピューティングシステムに提供する。
【0040】
クライアント装置382は、さまざまな実施形態においてさまざまな形態をとることができ、一般に任意の通信装置と、予測交通情報システムとの間で要求を行うことおよび/または情報を受信することができる他のコンピューティング装置とを含む。場合によっては、クライアント装置は、ユーザが予測された将来の交通情報に基づいて交通関連の情報を要求するために利用することができるインタラクティブコンソールアプリケーション(たとえば、Webブラウザ)を実行することができ、また他の場合には、少なくとも一部のそのような交通関連の情報は1つまたは複数の予測交通情報システムからクライアント装置に(たとえば、テキストメッセージ、新しいWebページ、専用プログラムデータ更新などとして)自動的に送信されてもよい。
【0041】
道路交通センサー386は、1つまたは複数の地理的領域のような、さまざまな街路、幹線道路、またはその他の車道の中、それらの地点、またはそれらの付近に設置される複数のセンサーを含む。これらのセンサーは、センサーの上を通過する単位時間あたりの車両の数、車両速度、および/または交通量に関連するその他のデータを測定することができるループセンサーを含む。加えて、そのようなセンサーは、カメラ、モーションセンサー、レーダー測距装置、および車道に隣接して配置されるその他のタイプのセンサーを含むことができる。道路交通センサー386は、測定されたデータを有線ベースまたは無線ベースのデータリンクを介して定期的または継続的に、1つまたは複数のデータ交換機構(たとえば、プッシュ、プル、ポーリング、要求応答、ピアツーピアなど)を使用するネットワーク380経由で予測交通情報プロバイダシステム350に提供することができる。加えて、本明細書において説明されてはいないが、一部の実施形態において、そのような道路交通センサー情報の1つまたは複数の統合事業者(たとえば、センサーを運用する政府交通機関)が、代わりに生データを取得して、(生の形態または処理済みのいずれでも)そのデータを予測交通情報システムで使用できるようにすることもできる。
【0042】
その他のデータソース388は、交通量に関連する予測を行うためおよび/または交通経路の選択を行うために1つまたは複数の予測交通情報システムによって使用されうる他のさまざまなタイプのデータのソースを含む。そのようなデータソースは、現在および過去の気象条件、短期および長期の天気予報、学校のスケジュールおよび/またはカレンダー、イベントスケジュールおよび/またはカレンダー、人間のオペレータ(たとえば、第1応答者、警察職員、幹線道路作業員、報道関係者、旅行者など)により提供される交通事故の報告、道路工事の情報、休日のスケジュールなどのソースを含むが、これらに限定されることはない。
【0043】
この例において、車両ベースのクライアント/データソース384は各々、1つまたは複数の予測交通情報システムにデータを提供するおよび/または1つまたは複数のそのようなシステムからデータを受信する車両内に配置されたコンピューティングシステムであってもよい。一部の実施形態において、予測交通情報プロバイダシステムは、交通予測に使用するための現在の交通情報に関連する情報を提供する車両ベースのデータソースの分散ネットワークを使用することができる。たとえば、それぞれの車両は、GPS(「Global Positioning System(全地球測位システム)」装置(たとえば、GPS機能を備える携帯電話、スタンドアロンのGPS装置など)および/または地理的位置、速度、方向、および/または車両の走行に関連するその他のデータを決定することができるその他の地理的位置装置を含むことができ、車載の1つまたは複数の装置は((1つまたは複数の)地理的位置装置または別個の通信装置のいずれであっても)時々そのようなデータを取得して、それを1つまたは複数の予測交通情報システムに(たとえば、無線リンクにより)提供することができるが、そのような車両は、個々のユーザ、保有車両(たとえば、配送会社、運送会社、政府組織または機関、車両レンタルサービスの車両など)、関連情報を提供する商用ネットワーク(たとえば、OnStarサービス)に属する車両、そのような交通条件情報を取得するために(たとえば、関心対象の道路に関する情報を取得するように、定義済みの経路を走行する、または動的に指示されるように道路を走行するなどにより)運転される一群の車両などの分散型ネットワークを含むことができる。さらに、本明細書において説明されていないが、少なくとも一部の実施形態において、その他の移動体データソースは同様に、コンピューティング装置および道路を走行しているユーザ(たとえば、道路上の車両の運転者および/または乗客であるユーザ)のその他のモバイル装置に基づくなど、道路の走行に基づく実際のデータを提供することができる。加えて、そのような車両ベースの情報は、携帯電話ネットワーク、その他の無線ネットワーク(たとえば、Wi−Fiホットスポットのネットワーク)および/またはネットワーク内の複数の各送信機/受信機によって通過車両に関する情報を検出および追跡することができるその他の外部システム(たとえば、RFIDまたは他の通信技法を使用する車両トランスポンダーの検出器、ナンバープレートおよび/またはユーザの顔を観察して識別することができるカメラシステム)によってなど、その他の実施形態において他の方法で生成されてもよい。次いで、そのような生成された車両ベースの走行関連の情報は、道路センサーの情報と類似しているが機能する道路センサーを持たない道路セグメント(たとえば、道路センサーのネットワークを備えていない地理的領域および/または道路センサーを備えるには広さが十分ではない幹線道路のようなセンサーのない道路、壊れている道路センサーなど)に関する情報を提供するため、道路センサーまたはその他のソースから受信する重複情報を検査するため、(たとえば、一時的または進行中の問題により)不正確なデータを提供している道路センサーを識別するためなど、さまざまな目的のために使用することができる。無線リンクは、衛星アップリンク、携帯電話ネットワーク、Wi−Fi、パケットラジオなどを含む、当技術分野で知られているさまざまな技術によって提供することができるが、少なくとも一部の実施形態において、道路交通条件に関するそのような情報は、装置が適切な連結またはその他の接続ポイントに到達したときに物理的なダウンロード(たとえば、保有車両がその主要営業基地または情報のダウンロードを行うのに適切な機器を備える他の目的地に戻ると、保有車両から情報をダウンロードする)を介して(車両ベースの装置および/またはユーザ装置のいずれであっても)移動体装置から取得されてもよい。場合によっては、さまざまな要因により、移動体装置が、あらかじめ定められた期間にわたり(たとえば、30秒または1分などのあらかじめ定められたサンプリングレートで取られたデータサンプル)、および/または(たとえば、データの合計サイズに基づいて)十分なデータサンプルが使用可能になるまで、取得される複数のデータサンプルを格納すること、次いでその期間終了後に格納されているデータサンプルをまとめて(またはそれらのサンプルの集合体を)伝送することが有利となる場合もある。たとえば、特定の無線リンク(たとえば、衛星アップリンク)を介して車両ベースのデータソースからデータを伝送するコスト構造は、定められた間隔後(たとえば、15分ごと)にのみ伝送が発生するようなものであってもよく、1つまたは複数の地理的位置および/または通信装置が、そのような間隔で伝送を行うように構成または設計されてもよく、無線リンクを介してデータを伝送する移動体装置の機能が一時的に失われる可能性があり(たとえば、通常は各データサンプルを30秒または1分ごとのように個別に伝送する移動体装置に関して、おそらくはその移動体装置の地域の無線通信可能範囲の不足、その移動体装置またはその装置のユーザによって行われている他のアクティビティ、あるいはその移動体装置や関連する送信機に伴う一時的な問題などの要因による場合など)、それによって、データサンプルの保存が後の伝送または物理ダウンロードを可能にする、といった具合である。たとえば、最大1000単位の情報の無線伝送に0.25セントのコストがかかり、各データサンプルのサイズは50単位である場合、毎分サンプルを取り、20分ごとに20件のサンプルからなるデータセットを送信することは、より頻繁に(たとえば毎分)サンプルを送信する場合に比べて有利となる。さらに、一部の実施形態において、追加情報は、複数の格納されているデータサンプルに基づいて移動体装置によって生成され、提供されてもよい。たとえば、特定の移動体装置が、各データサンプル中に現在の瞬時の位置に関する情報のみを取得することができるが、速度および/または方向などの追加関連情報を取得することはできない場合、そのような追加関連情報は計算されるか、または複数の後続のデータサンプルに基づいて決定されてもよい。
【0044】
代替として、車両ベースのクライアント/データソース384の一部または全部は各々、1つまたは複数の予測交通情報システムから、車両の乗員によって使用されるような、情報を取得するために車両内に配置されたコンピューティングシステムを有することができる。たとえば、車両は、ユーザが、無線リンクを介して予測交通情報プロバイダシステムまたは経路セレクタシステムに交通関連の情報を要求するために使用することができるインストール済みのWebブラウザまたはその他のコンソールアプリケーションを備えるインダッシュボード型ナビゲーションシステムを含むことができるか、あるいは代わりに、そのような要求は車両内のユーザのポータブル装置から行うこともできる。加えて、1つまたは複数の予測交通情報システムは、更新情報の受信または生成に基づいて、そのような車両ベースのクライアント装置に(たとえば、更新された予測交通情報および/または更新された経路関連の情報など)交通関連の情報を自動的に伝送することができる。
【0045】
サードパーティコンピューティングシステム390は、1つまたは複数の予測交通情報システムから交通関連のデータを受信する人員および何らかの方法でデータを利用する人員など、予測交通情報システムの(1人または複数の)オペレータとは別の人員により操作される1つまたは複数のオプションのコンピューティングシステムを含む。たとえば、サードパーティコンピューティングシステム390は、1つまたは複数の予測交通情報システムから予測交通情報を受信し、(受信情報または受信情報に基づくその他の情報のいずれかにかかわりなく)関連情報をユーザまたはその他の人々に(たとえば、Webポータルまたは加入サービスを介して)提供するシステムであってもよい。代替として、サードパーティコンピューティングシステム390は、予測交通条件および経路情報を収集してその消費者に報告する報道機関、または予測交通関連情報を走行計画サービスの一環としてそのユーザに提供するオンライン地図会社など、その他の種類の組織によって操作されてもよい。
【0046】
この示されている実施形態において、予測交通情報プロバイダシステム350は、データサプライヤコンポーネント352、交通予測モデルジェネレータコンポーネント354、および動的交通プレディクタコンポーネント356を含む。データサプライヤコンポーネントは、前述のようなデータソースからなど、1つまたは複数の他のコンポーネントまたは他の予測交通情報システムによって使用されうる現在の条件データを取得し、情報を他のコンポーネントおよび予測交通情報システムが使用できるようにする。一部の実施形態において、データサプライヤコンポーネントはオプションで、さまざまなデータソースから取得したデータを集約することができ、さらに、データを均一のフォーマットに配置すること、(たとえば、センサーの障害および/または誤動作、ネットワークの障害、データプロバイダの障害などによる)エラーまたは欠落データを検出して、場合によっては修正すること、異常値など、関係のないデータを除去すること、実数値の数を列挙型の可能な値にマップすることなど、連続データを離散化すること、(たとえば、所定の範囲の値のデータをより狭い範囲の値にマップすることにより)離散データをサブサンプリングすること、関連データをグループ化すること(たとえば、指示された方法で集約される道路の単一セグメントに沿って配置された一連の複数の交通センサー)など、データを使用できるように準備するためのさまざまなアクティビティの1つまたは複数を実行することができる。データサプライヤコンポーネントによって取得された情報は、新しいデータが使用可能になったとき他者に通知する、要求に応じてデータを提供する、および/または他者にとってアクセス可能な方法でデータを格納する(たとえば、ストレージ上の1つまたは複数のデータベース、図示せず)など、さまざまな方法でその他の予測交通情報システムおよびコンポーネントに提供することができる。
【0047】
示されている実施形態において、予測交通モデルジェネレータコンポーネントは、取得した観測ケースデータを使用して、前述のように、交通条件に関する予測を行うために使用される予測モデルを生成する。一部の実施形態において、交通予測モデルジェネレータコンポーネントは、履歴観測ケースデータを利用して、1つまたは複数の道路の所定のグループのベイズネットワークの構造を自動的に学習し、さらに特定の将来時間の特定の道路セグメントの将来の交通量の予測を行うために各々使用されうる複数の決定木モデルを自動的に学習する。次いで、作成された予測モデルは、新しいモデルが使用可能になったとき他者に通知する、要求に応じてデータを提供する、および/または他者にとってアクセス可能な方法でデータを格納する(たとえば、ストレージ上の1つまたは複数のデータベース、図示せず)など、さまざまな方法でその他の予測交通情報システムおよびコンポーネントに提供することができる。
【0048】
動的交通プレディクタコンポーネントは、交通予測モデルジェネレータコンポーネントによって生成された予測モデルを使用して、リアルタイムおよび/またはその他の現在の条件情報などに基づき、複数の将来時間の将来の交通条件の予測を生成する。そのような予測は、定期的(たとえば、5分おき、または10分おき)、新しいおよび/または特異なデータ(たとえば、交通事故の報告)が受信されたとき、要求に応じてなど、さまざまな時点において行うことができる。次いで、生成された予測将来交通条件情報は、新しい情報が使用可能になったとき他者に通知する、要求に応じて情報を提供する、および/または他者にとってアクセス可能な方法で情報を格納する(たとえば、ストレージ上の1つまたは複数のデータベース、図示せず)など、さまざまな方法でその他の予測交通情報システムおよびコンポーネントおよび/または他者に提供することができる。
【0049】
経路セレクタシステムは、予測された将来の交通条件情報に基づいて走行経路情報を選択し、そのような経路情報をさまざまな方法で他者に提供する。一部の実施形態において、経路セレクタシステムは、所定の日および/または時間における所定の地理的領域の出発および到着位置の間の1つまたは複数の走行経路に関連する情報を提供するようクライアントから要求を受信する。これに応答して、経路セレクタシステムは、たとえば、予測交通情報プロバイダシステムから、指定された時間の間指定された地域の将来の道路条件の予測を取得し、次いで予測された将来の道路条件情報を使用してさまざまな経路オプションを分析し、指示された基準(たとえば、最短時間)に基づいて1つまたは複数の経路を選択する。次いで、選択された経路情報は、情報が使用可能になったとき他者に通知する、要求に応じて情報を提供する、および/または他者にとってアクセス可能な方法で情報を格納する(たとえば、ストレージ上の1つまたは複数のデータベース、図示せず)など、さまざまな方法でその他の予測交通情報システムおよびコンポーネントおよび/または他者に提供することができる。
【0050】
説明されているコンピューティングシステムは例示的なものに過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図していないことを理解されたい。コンピューティングシステム300は、インターネットなどの1つまたは複数のネットワークを通じて、またはWebを経由してなど、図示されていないその他の装置に接続されてもよい。さらに一般的には、「クライアント」または「サーバ」コンピューティングシステムまたは装置、あるいは予測交通情報システムおよび/またはコンポーネントは、制限を設けることなく、デスクトップまたはその他のコンピュータ、データベースサーバ、ネットワーク記憶装置およびその他のネットワーク装置、PDA、携帯電話、無線電話、ページャ、電子手帳、インターネット家電、テレビベースのシステム(たとえば、セットトップボックスおよび/またはパーソナル/デジタルビデオレコーダを使用する)、および適切な相互通信機能を含むその他のさまざまな消費者製品を含む、対話して説明されている種類の機能を実行することができるハードウェアまたはソフトウェアの任意の組み合わせを備えることができる。加えて、示されているシステムコンポーネントによって提供される機能は、一部の実施形態において、より少ないコンポーネントで組み合わされても、また追加のコンポーネントに分散されてもよい。同様に、一部の実施形態において、説明されているコンポーネントの一部の機能が提供されない場合および/または他の追加機能が使用可能となる場合があってもよい。また、さまざまな項目が使用されている間にメモリまたはストレージに格納されるように説明されているが、これらの項目またはそれらの部分は、メモリ管理および/またはデータ保全性の目的でメモリとその他のストレージデバイス間で転送することができることにも留意されたい。代替として、その他の実施形態において、ソフトウェアコンポーネントおよび/またはモジュールの一部または全部は、別の装置上のメモリで実行し、説明されているコンピューティングシステム/装置とコンピュータ間通信を介して通信することができる。システムコンポーネントまたはデータ構造の一部または全部はまた、ハードディスク、メモリ、ネットワーク、適切なドライブによってまたは適切な接続を介して読み取られるポータブルメディア製品など、コンピュータ可読媒体上に(たとえば、ソフトウェア命令または構造化データとして)格納することができる。システムコンポーネントおよびデータ構造はまた、無線ベースおよび有線/ケーブルベースの媒体を含むさまざまなコンピュータ可読伝送媒体上の生成されたデータ信号として(たとえば、搬送波またはその他のアナログまたはデジタル伝搬信号の一部として)伝送することもでき、(たとえば、単一または多重化アナログ信号の一部として、または複数の離散デジタルパケットまたはフレームとして)さまざまな形態をとることができる。そのようなコンピュータプログラム製品はまた、その他の実施形態において別の形態をとることもできる。したがって、本発明は、その他のコンピュータシステム構成で実施することができる。
【0051】
図4は、経路セレクタルーチンの実施形態を示す流れ図である。このルーチンは、たとえば、図3の経路セレクタシステム360の実行により提供されてもよい。ルーチンは、複数の将来時間における予測された将来の交通条件を使用して、最適、ほぼ最適、または好ましいと予測される1つまたは複数の経路を決定するなど、道路網を通る経路を計画する。
【0052】
ルーチンは、ステップ405で開始し、地理的領域の指示された経路(たとえば、出発場所、到着場所、好ましい到着時間、好ましい出発時間および/または経路オプションを識別または評価する際に使用するその他の指示された基準によって指示された経路)の予測情報を提供するよう求める要求を受信する。ステップ410において、経路は、受信した入力の種類を決定し、経路情報を提供するよう求める要求が受信された場合、ルーチンはステップ415に進み、好ましい走行時間(ある場合)に対応する将来時間など、地理的領域の1つまたは複数の将来時間における将来の道路条件の予測を取得する。ルーチンがこの情報を、対話式またはその代わりに以前生成された予測情報を取り出すことになどよって、たとえば図3を参照して説明されている予測交通情報プロバイダシステム350から取得することができる。ステップ420において、次いでルーチンは、予測された将来の道路条件情報に基づいて、経路オプションの各々について予測される走行時間を決定するなど、経路オプションを分析する。経路オプションは、あらかじめ定められた経路オプションのセットまたはその代わりに指示された基準を満たすすべての経路オプション(たとえば、特定のサイズまたはクラスの道路を使用する、予測された将来情報が使用可能な道路を使用する、すべての可能な経路オプションを使用する、検索スペースを軽減するために可能な経路の数を制約するよう領域固有のヒューリスティックを使用するなど)など、指示された出発位置(ある場合)から指示された到着位置(ある場合)へ走行する多数の代替経路を含むことができる。ステップ425において、次いでルーチンは、経路オプションのセットから予測された最適な経路をオプションで選択するか、または一部の実施形態においてより一般的に、1つまたは複数の基準(たとえば、最小走行時間、最小走行距離、最小走行速度、最小走行速度変動、それ以外の場合そのような基準を満たす経路の最大信頼度など、あるいはその組み合わせ)を使用して経路オプションを(たとえば、相対的または絶対的な方法で)ランク付けして、それらの経路オプションの一部または全部を選択する。ステップ430において、ルーチンは、(たとえば、条件が変化した場合に更新情報を後でクライアントに提供できるようにするため)オプションで経路情報を要求したクライアントの指示と共に、経路オプション情報を格納し、ステップ435において、選択された経路情報の少なくとも一部をクライアントに提供する(たとえば、予測された最適または最上位ランクの経路の情報のみ、指定数の経路および/または全経路オプションの情報、など)。
【0053】
代わりにステップ410において、地理的領域の条件更新の指示(たとえば、特定の車道沿いでの交通事故の指示)が受信されたことが決定された場合、ルーチンはステップ450に進み、関連するクライアントが分かっている影響を受ける(1つまたは複数の)経路を識別する。ステップ455において、ルーチンは、おそらくは予測交通情報プロバイダシステムからのリアルタイム交通データおよび/または更新済み予測情報を含む更新された条件と、およびおそらくは別の予測された最適または最上位ランクの経路オプションをもたらす更新済み経路オプションにより、識別された経路の更新された条件に関して経路オプションを更新する。次いでステップ460において、更新された経路オプション情報が異なるクライアントの動作をもたらすような場合には、ルーチンは、オプションで更新済み経路情報を関連するクライアントに提供する。たとえば、更新済み情報は、影響を受ける経路上またはその付近を走行中の可能性のある車両ベースのクライアントに提供されてもよく、またはより一般的に、1つまたは複数の影響を受ける経路に関する情報を取得するために以前使用されたクライアント装置382に提供されてもよい。
【0054】
ステップ435または460の後、ルーチンは、引き続きステップ490に進み、続行すべきかどうか決定する。続行する場合、ルーチンはステップ405に戻り、続行しない場合、ステップ499に進み、終了する。
【0055】
図5A〜5Bは、動的交通プレディクタ(Dynamic Traffic Predictor)ルーチンと、関連する予測生成(Generate Predictions)サブルーチンの実施形態を示す流れ図である。図5Aのルーチンは、たとえば、1つまたは複数の地理的領域の1つまたは複数の道路または道路セグメントの各々について複数の将来時間における将来の交通条件の予測を生成するなどのために、図3の動的交通プレディクタコンポーネント356の実行により提供することができる。この示されている実施形態において、ルーチンは、新しい現在の条件入力情報が受信されたとき、または要求に応じて(たとえば、5分おきなど、新しい予測を生成するよう求める定期的な要求に基づいて)予測を生成するが、その他の実施形態において、別の時点で(たとえば、その時点において使用可能な現在の条件入力情報を取り出すことなどによって、定期的に)そのような予測を生成することもできる。
【0056】
ステップ502においてルーチンは開始して、(たとえば、指示された時間における指示された道路または道路セグメント、または現在の条件に基づく地理的領域のすべての道路および道路セグメントの)予測情報を求める要求、または指示された地理的領域のデータ更新の指示を受信する。ステップ504において、ルーチンは、データ更新または予測要求が受信されたかどうかを決定し、データ更新が受信されたことを決定した場合、ルーチンはステップ506に進み、予測生成の入力として使用するため(たとえば、図3のデータサプライヤコンポーネント352から、適切な格納されている情報から、その他のソースからなど)1つまたは複数のデータソースから新しい現在の条件データを取得する。ステップ508において、ルーチンは、図5Aに関してさらに詳細に説明されるように、新しく取得されたデータに関して予測の更新済みセットを生成する予測生成サブルーチンを実行し、生成された予測情報は後で使用できるよう格納される。ステップ510において、ルーチンはオプションで、ステップ508で取得した更新済み予測情報の指示を、そのような情報に以前関心を示していたユーザ、そのような予測情報を使用する可能性のあるサードパーティエンティティなど、1つまたは複数のクライアントに提供する。
【0057】
ステップ504において代わりに、予測を求める要求が受信されたことが決定された場合、ルーチンはステップ520に進み、ステップ508で生成された予測など、指示された地理的領域の1つまたは複数の予測モデルから以前生成された予測を取得する。ステップ522において、ルーチンは、取得した予測をクライアントに提供する。ステップ510および522の後、ルーチンは、ステップ540に進み、オプションであらゆるハウスキーピングタスクを実行する。ステップ545において、ルーチンは、続行するかどうかを決定する。続行する場合、ルーチンはステップ502に戻り、続行しない場合、ステップ549に進み、終了する。
【0058】
図5Bは、図5Aに示されている動的交通プレディクタルーチンによって使用されるような、1つまたは複数の地理的領域の1つまたは複数の道路または道路セグメントの各々について複数の将来時間における将来の交通条件の予測を生成する予測生成サブルーチンの実施形態を示す流れ図である。この例示の実施形態において、サブルーチンは、前述のように、ベイズネットワークおよび複数の対応する決定木を含む生成済み予測モデルを介する確率的技法を使用して地理的領域の将来の交通条件予測を生成するが、その他の実施形態において、このサブルーチンまたは関連サブルーチンは代わりに、他の方法で将来の交通条件予測を生成することもできる。
【0059】
サブルーチンはステップ550で開始し、入力情報として使用するために、地理的領域と、過去、現在、および将来の条件の指示を受信する。他の箇所でさらに詳細に説明されるように、そのような条件は、現在および過去の気象条件、天気予報、イベントのスケジュール、学校のスケジュール、現在および過去の交通条件などに関する情報を含むことができる。ステップ552において、サブルーチンは、以前生成されたモデルを取り出すことにより、または交通予測モデルジェネレータコンポーネントにモデルを要求することなどによって、ベイズネットワークおよび1つまたは複数の決定木を含む指示された地理的領域の1つまたは複数の生成された予測モデルを取得する。ステップ554において、サブルーチンは、指示された地理的領域の道路または道路セグメントの各々について複数の各将来時間における予測を生成するなど、予測モデルを使用することによって現在の条件入力情報に基づいて将来の交通条件予測を生成する。次いでステップ556において、サブルーチンはオプションで、1つまたは複数の予測モデルからの1つまたは複数の出力データのセットをマージする、平均する、集約する、選択する、比較する、あるいはその他の形で処理することを含むような、予測された将来の交通条件情報の後処理を実行する。ステップ558において、サブルーチンは、予測された将来の交通条件情報を格納し、ステップ560において、オプションで、予測された交通条件情報を1つまたは複数のクライアントに提供する。ステップ599において、サブルーチンは制御を戻す。
【0060】
図6は、交通予測モデルジェネレータ(Traffic Prediction Model Generator)ルーチンの実施形態を示す流れ図である。ルーチンは、たとえば、将来の交通条件予測の生成に後で使用できるように観測されたケース情報に基づいて予測モデルを生成するためなど、図3の交通予測モデルジェネレータコンポーネント354の実行により提供することができる。
【0061】
ルーチンはステップ605で開始し、指示された地理的領域の予測モデルを生成するよう求める要求、または指示された地理的領域の以前生成された予測モデルを提供するよう求める要求を受信する。ステップ610において、ルーチンは、受信した要求の種類を決定し、モデルを生成するよう求める要求が受信された場合、ルーチンはステップ615に進み、データサプライヤコンポーネント352または格納されているデータなどから、指示された地理的領域の観測されたデータを取得する。次いでステップ620において、ルーチンは、他の箇所でさらに詳細に説明されるように、取得した観測データに関して1つまたは複数の予測モデルを生成する。次いでステップ625において、ルーチンはオプションで、生成された1つまたは複数のモデルの指示を、要求が受信されたクライアントおよび/または他者(たとえば、図3の動的交通プレディクタコンポーネント356)に提供するか、あるいは生成されたモデルを後で使用できるように格納する。
【0062】
ステップ610において代わりに、モデルを提供するよう求める要求が受信されたことが決定された場合、ルーチンはステップ640に進み、そこで指示された地理的領域の1つまたは複数の以前生成された予測モデルが取り出される。次いでステップ645において、ルーチンは、それらのモデルを、動的交通プレディクタコンポーネント356および/またはモデルを使用して自分自身の予測を実行するサードパーティコンピューティングシステムなど、モデルを要求したクライアントまたは別の指示された受信側に提供する。
【0063】
ステップ625および645の後、ルーチンは、ステップ690に進み、オプションであらゆるハウスキーピングタスクを実行する。ついでステップ695において、ルーチンは、続行するかどうかを決定する。続行する場合、ルーチンはステップ605に戻り、続行しない場合、ステップ699に進み、終了する。
【0064】
一部の実施形態において、経路の選択は、完全または部分的に指定された走行経路について(部分的に指定された経路では所定の出発位置と到着位置との間のすべての道路セグメントは指定しない)情報が要求される場合、出発位置および到着位置が指定される(オプションで1つまたは複数の中間位置を伴う)場合、(たとえば、特定の日、第1および第2の時間の間、指示された到着時間で、など)1つまたは複数の望ましい走行の時間が指示される場合、(たとえば、走行時間、走行距離、停止時間、速度など)経路オプションを評価する1つまたは複数の基準が指定される場合など、さまざまな種類の指示された情報に基づいていてもよい。加えて、予測された最適な選択経路のみをクライアントに提供するため、分析された複数の経路オプションに関する多種多様な詳細を(たとえば、走行時間順など、ランク付けまたは順序付けされた方法で)クライアントに提供するなどのために、走行経路に関連してさまざまな情報量が、さまざまな実施形態において提供されてもよい。加えて、一部の実施形態は、共通の街路および道路名を使用する人間可読のテキスト表現、および/または一連のGPS中継点などの機械可読表現を含む、さまざまな方法で走行経路を表すことができる。
【0065】
さまざまな実施形態はまた、現在および予測された交通条件情報を表現して提供するためのさまざまな規約を採用することができる。たとえば、一部の実施形態において、データフィードは、関心対象の各地理的領域に提供されて、複数の将来時間の各々における予測された将来の交通条件情報を指示することができる。データフィードフォーマットは、たとえば、複数の将来時間の各々について単一道路セグメントの予測される交通渋滞レベル条件に関連する情報を各々含む1つまたは複数の属性を持つ要素タイプを定義するXMLスキーマによって定義されてもよく、そのようなXMLストリームまたはファイルの一例の断片を以下に示す。
【0066】
【表1】

【0067】
上記のXML断片は、(単一の物理センサー、論理道路セグメントに対応する物理センサーのグループ、交通センサー以外の1つまたは複数のデータソースなどを表すことができる)例示の道路セグメント423の現在および予測された将来の交通条件を表す。この例において、現在の平均速度は55MPHであると示されており、現在の平均速度に関して異常所見はなく(この例において、異常とは、その時刻、曜日、週、および月の基準平均速度を使用することなどにより、現在の平均速度に期待されるものに対する実際の現在の平均速度の相異を示す)、現在の交通渋滞レベルは、3であると示される(この例において、渋滞レベルは0から3の整数として表され、3は最低レベルの交通渋滞に対応し、そのため緑の値と同等であり、0は黒の値と同等である)。加えて、この例において、「next3hours」とラベル表示されたカンマ区切りのリストは、15分間隔で次の12の将来時間の予測される将来の交通渋滞レベルを示す。この例において、信頼度レベル情報はまた、12の予測される将来の交通渋滞レベルの各々に提供され、「confidence」とラベル表示されたカンマ区切りのリストはそのような信頼度レベルを示すが、その他の実施形態においてそのような信頼度レベルは生成および/または提供されないこともある。この例において、信頼度レベルは0から2の整数として表され、2は最高レベルの信頼度に対応し、0は最低レベルの信頼性であるが、予測される将来の交通渋滞レベルおよび関連する信頼度レベルを表すその他の手段が、他の実施形態において使用されてもよい。
【0068】
加えて、さまざまな実施形態は、1つまたは複数の予測交通情報システムと対話するために、さまざまな手段をユーザおよびその他のクライアントに提供する。たとえば、一部の実施形態は、現在および/または予測された交通条件に関連する情報の要求、およびまたは走行経路に関連する情報を分析、選択、および/または提供するよう求める要求など、クライアントが要求を行って対応する応答を受信することができるインタラクティブコンソール(たとえば、インタラクティブユーザインターフェイス、Webブラウザベースのインターフェイスなどを提供するクライアントプログラム)を提供することができる。加えて、一部の実施形態は、ネットワークメッセージプロトコル(たとえば、Webサービス)および/またはその他の通信機構などを介して、クライアントコンピューティングシステムがそのような要求の一部または全部をプログラムにより行うことができるようにするAPI(「アプリケーションプログラムインターフェイス」)を提供する。
【0069】
図7A〜7Iは、将来の交通条件の予測に基づいてさまざまな交通関連の情報を表示する例を示す。一部の実施形態において、そのような交通関連の情報の一部または全部は、予測交通情報プロバイダシステムの実施形態および/または経路セレクタシステムの実施形態によって提供されてもよく、また代わりに、1つまたは複数のシステムによってサードパーティに提供される予測交通情報に少なくとも部分的に基づいて1つまたは複数のサードパーティによって提供されてもよい。加えて、情報を1つまたは複数のユーザに表示するデスクトップコンピューティングシステム上のWebベースのクライアントによって、または情報をユーザに表示あるいは提供する携帯電話またはその他の移動体装置などにより、そのような交通関連の情報は、さまざまな実施形態においてさまざまな方法でユーザに提供することができる。
【0070】
図7Aは、ワシントン州のシアトル/タコマ都市部地理的領域の道路網の現在の交通条件を示す表示例700を示す。この例において、表示は、ユーザ選択可能なナビゲーションタブコントロール701a〜d、ユーザ選択可能な地理的領域選択メニューコントロール702、ユーザ選択可能時間スライダコントロール703、日付セレクタカレンダーコントロール715、主要経路選択領域704、表示オプション選択領域705、地図凡例領域706、地図表示領域707、ユーザ選択可能な地図データセレクタコントロール714、ユーザ選択可能なパンボタンコントロール708a〜c、ユーザ選択可能なズームツールコントロール709、および現在選択されている時間インジケータ情報713を含む。
【0071】
この例において、(「Traffic」ナビゲーションタブ701aの選択に基づいて)道路交通情報のビューが現在選択されており、現在選択されている地理的領域は(コントロール702により)シアトル/タコマ都市部地域であり、現在選択されている時間は(スライダ703および/またはカレンダー日付セレクタコントロール715により)2006年2月1日午後4時45分であり、これらの選択内容を反映するさまざまな情報が表示されている。地図表示領域707に示され、地図凡例領域706に説明されているように、交通道路渋滞レベル条件情報は現在、シアトル/タコマ都市部地理的領域の現在可視部分の主要な道路の選択に対して示されている。実際の道路渋滞レベル条件情報が使用可能な現在または過去の時間について、表示される情報はその実際の情報を反映し、将来の時間については、表示される情報はそれらの時間における予測された将来の交通条件を反映する。この例において、表示される主要な道路は、グレースケール陰影付けのレベルを使用して各々表示される論理道路セグメントに分割され、選択された時間についてのその道路セグメントの道路混雑の対応するレベルを指示するが、州間高速道路5号線の北に向かう部分の道路セグメント711cは(この例において黒で表示される)「Stop−and−go(のろのろ運転)」の交通条件で示され、南に向かう隣接の道路セグメントは「Moderate(適度)」の交通条件で示され、北に向かう隣接の道路セグメントも、北に向かう次の道路セグメントが「Heavy(混雑)」の交通条件に変わる前は「Stop−and−go」交通条件で示されている。州間高速道路90号線沿線の道路セグメント711aは現在、「Wide Open(混雑なし)」の交通条件で示され、州間高速道路405号線沿線の道路セグメント711bは現在、「Heavy」の交通条件で示され、その他の多数の道路セグメントも同様に、対応する交通渋滞レベル条件情報で示されている。本明細書においてグレースケールで示されているが、その他の実施形態において、代わりに地図は、「Stop−and−go」交通条件を黒で、「Heavy」交通条件を赤で、「Moderate」交通条件を黄で、「Wide Open」交通条件を緑で示すなど、カラーで表示されてもよい。
【0072】
交通関連の情報の表示は、この例示の実施形態においてさまざまな方法でユーザ(図示せず)によって変更されてもよい。たとえば、地理的領域選択メニューコントロール702を使用して、交通関連の情報が使用可能である多数のさまざまな地理的領域のうちの1つを選択することができる。時間スライダコントロール703を使用して、将来時間における予測される交通条件を表示するなどのために、交通情報が示される現在選択されている時間を変更することができる。主要経路選択領域704は、オプション704aを選択することによりシアトルからベルビューまでの経路を強調表示するなど、表示された地図上の主要経路を強調表示するために選択することができるさまざまなユーザ選択可能なオプションコントロール704a〜dを含む。ユーザ選択可能表示オプションコントロール705a〜dは、1つまたは複数の選択されたオプションの対応する情報が表示された地図上に重ね合わせられるように、事故705a、イベント705b、工事705c、速度情報705dに関する情報を含む。パンボタンコントロール708a〜cは、地図フレーム707をスクロールまたはパンして現在の地理的領域の異なるビューを取得するために使用することができるが、追加の南方向のパンボタンコントロール708dはウィンドウがスクロールされているので現在表示されていない。ズームツールコントロール709は、地図の表示スケールを増加または減少させるために使用することができる。地図データセレクタコントロール714は、(たとえば、関心対象の道路のラベルまたはその他の指示が表示される)地理的領域の実際の衛星またはその他のイメージなど、地図データの代替ソースを選択するために使用することができる。さまざまなその他のユーザ選択可能コントロールが、その他の実施形態において提供されてもよく、説明されているコントロールの一部または全部が使用可能でなくてもよい。
【0073】
この例において、地図は現在、選択された道路網の交通条件に加えて、イベントに対応する会場とその他の場所、および(カレッジフットボールその他のイベントが行われる可能があるハスキースタジアム710a、プロ野球その他のイベントが行われる可能性があるセイフコフィールド710b、プロフットボールおよびサッカーその他のイベントが行われる可能性があるシーホークスタジアム、スペースニードル観光地、シータック空港、メリモアパークおよびディスカバリーパークのような人気の公園など)その他の交通集中の地域、都市と近郊、および712a〜bなどの幹線道路のラベルなど、さまざまな情報を表示している。その他のタイプのさまざまな情報も同様に、常時、あるいはそうではなくてユーザが選択できる様式で、といった具合に表示することができる。
【0074】
図7Bは、図7Aのスライダコントロール703の午後4時45分におけるユーザ変更などに基づいて、現在選択されている午後5時の将来時間723における予測される交通条件を示す表示例を示す。全体的に、道路網について図7Bに示されている予測される交通渋滞レベル条件は、図7Aの午後4時45分の交通渋滞レベル条件よりもさらに混雑しているように見える。一例として、道路セグメント721aは、図7Aのそれぞれ対応する道路セグメント711aとは異なる予測レベルの道路交通渋滞条件を備えており、ここでは、混雑した交通渋滞条件が示されている。
【0075】
図7Cは、図7Aのスライダコントロール703の午後4時45分におけるユーザ変更などに基づいて、現在選択されている午後6時の将来時間733における予測される交通条件を示す表示例を示す。全体的に、道路網について図7Cに示されている予測交通渋滞レベル条件は、図7Bの午後5時の予測交通渋滞レベル条件ほど混雑していないように見える。たとえば、道路セグメント731aは、午後6時にWide openと示されるが、図7Bの同じセグメント721aの交通は、午後5時にheavyと予測されていた。加えて、道路セグメント731bは、図7Bの対応するセグメント721bによって示されるように、午後5時と6時の間にheavyからmoderateレベルの交通渋滞へと変化した。
【0076】
図7Dは、図7Aに示されているものと類似しているが、地図が車道速度情報で増補されている表示例を示す。特に、このビューにおいて、ユーザは、現在の平均交通速度が示されるようにするため、表示オプション745(「Speed Info」とラベル表示)を選択した。たとえば、道路セグメント741a(wide openの交通渋滞を示す)が、午後4時45分の現在選択されている時間743においてそのセグメント上の交通に時速61マイルの平均速度を反映する数値61のインジケータでラベル表示される。対照的に、道路セグメント741b(heavy交通渋滞を示す)は、その道路セグメント上の交通に時速わずか32マイルの平均速度を反映する数値32のインジケータでラベル表示される。一部の実施形態において、そのような速度情報インジケータは、現在および/または過去の時間についてのみ表示されてもよいが、その他の実施形態において、予測される将来の交通条件速度情報は将来時間について同様に表示されてもよい。
【0077】
図7Eは、図7Bに示されているものと類似しているが、地図が午後5時の現在選択されている将来時間753における特定の走行経路の予想交通条件を示している表示例を示す。この例において、ユーザは、「Redmond to Airport」とラベル表示された主要経路オプションコントロール752を選択してあり、これに応答して、Redmond750aとSeaTac Airport750b間の経路に関連する予測交通条件に関する情報が現在選択されている将来時間について示されている。特に、この例において、交通条件情報は、その他の道路を強調解除する方法で表示することなど(たとえば、道路渋滞レベルがカラーで表示される実施形態では、その他の道路をグレーで表示すること)により、選択された経路オプション752に対応する道路網を通過する経路751についてのみ示される。
【0078】
図7Fは、図7Aに示されているものと類似しているが、地図が午後4時45分の現在選択されている時間763における現在の交通条件の混雑重視のビューを示している表示例を示す。このビューにおいて、ユーザは、現在の交通条件がその現在の状態から変化すると見込まれるまでに要する予測時間に関する情報を取得するために、「Congestion」ナビゲーションタブコントロール761および速度情報表示オプション765を選択している。この例において、提供される予測情報が午後4時45分の現在時間に関連するので、時間スライダは表示されていないが、その他の実施形態において、同様の予測される変化情報は、ユーザが選択した将来時間について追加として使用可能であってもよい。このビューにおいて、道路セグメントは、アイコン766aおよび766bのような円形のクロックアイコンで注釈が付けられている。この例において、より濃い陰影付けのクロックアイコン766aは、所定の道路セグメント上の交通が混雑解消するか、または指定された量だけ改善する(たとえば、「Stop−and−go」または「Heavy」から「Moderate」または「Wide Open」に変化する)までに要する時間を示すが、この例においてより明るい陰影付けのクロックアイコン766bは、所定の道路セグメント上の交通が混雑するかまたは指定された量だけ悪化する(たとえば、「Wide Open」または「Moderate」から「Heavy」または「Stop−and−go」に変化する)までに要する時間を示す。たとえば、クロックアイコン761aは全体が濃い色であり、対応する隣接の道路セグメントが、少なくともその後1時間にわたり混雑した状態のままであると見込まれることを示している。対照的に、クロックアイコン761bは、ほぼ8分の1だけが濃い色であり、隣接する道路セグメントが、約8分の1時間で解消されると見込まれることを示し、クロックアイコン761cは、ほぼ8分の1が明るい色であり、隣接する道路セグメントがまもなく混雑すると見込まれることを示している。
【0079】
図7Iは、図7Fに示されているものと類似しているが、説明される1つの道路の一部のみが表示され、アイコンが各々画像で複数の将来時間の予測交通条件に関する情報を提示している表示例を示す。この例において、3つの道路セグメント790a〜cが示されており、各々、図示されていない特定の現在選択されている時間における予測交通渋滞レベルの度合いが表示されている(ただし、現在選択されている時間が過去の時間である実施形態においては、表示される情報の少なくとも一部は、予測情報ではなく過去時間に対応する実際の交通渋滞レベルを反映することができる)。この例において、道路セグメント790aは現在選択されている時間においてwide−open交通条件を備え、道路セグメント790bは現在選択されている時間においてmoderate交通条件を備え、道路セグメント790cは現在選択されている時間においてheavy交通条件を備えている。
【0080】
加えて、各道路セグメントには、現在選択されている時間に続く1時間の一部に各々対応する複数の領域を表示することができる隣接のクロックアイコンがあるが、その他の実施形態において、クロックは1時間以外の期間を表してもよく、またそのような情報は代替としてクロックまたは円以外の方法で表示されてもよい。たとえば、クロック791は道路セグメント790aに隣接し、4つの部分791a〜dを有しており、このクロックの各部分は15分の四分円となっており、各クロック部分はその部分によって表される交通渋滞レベルに対してグレースケールのレベルで満たされている。このようにして、部分791aは、現在選択されている時間以降の15分を表し、その15分間の道路セグメント790aにwide−open交通条件が予測されることを示すように陰影付けされており、部分791bは、現在選択されている時間以降の15〜30分の時間を表し、さらに予測されるwide−open交通渋滞レベル条件を示している。例示のクロック791の部分は(たとえば、15分の時間間隔の各々で行われる予測を反映するように)15分の区分で均等の間隔がとられているが、その他の実施形態において、クロック内の時間の各々個別部分は代わりに、異なる予測または実際の交通渋滞レベルに対応することもできる。その場合、共に同じレベルの交通渋滞を表す2つの部分791aおよび791bは代わりに、単一部分に結合されるが、それはこの例において、クロックの右半円を満たす部分となる。この例において、部分791cは、次の時間間隔(この例では現在選択されている時間以降の30〜45分)にわたる道路セグメントの予測されるmoderate交通条件を示し、部分791dは、その1時間のうちの最後の15分間の道路セグメントの予測されるheavy交通条件を示す。このように、各々単一の予測される将来の交通条件(交通渋滞レベルが変化する将来時間)を表す図7Fに示されているクロックアイコンとは対照的に、クロックアイコン791は、複数の将来時間の各々について予測される将来の交通条件を示し、予測される将来の条件に関してさらに一層多くの情報をコンパクトで分かりやすい方法でユーザに提供する。
【0081】
クロックアイコン791と同様の方法で、クロックアイコン792は、道路セグメント790bに隣接して、この例において各々15分の四分円である4つの部分792a〜dを有する。四分円792a〜dは各々、その部分に対応する時間間隔における道路セグメント790bのmoderate、heavy、heavy、およびstop−and−goの予測交通渋滞レベル条件を表す。逆に、クロックアイコン793は、各々時間では隣接する他のいかなる部分とも異なる交通渋滞レベルを表す3つの部分しか備えていない。したがって、隣接する道路セグメント790cに関して、クロック793の部分793aは、現在選択されている時間以降の最初の約7分間にわたる道路セグメントの予測されるheavy交通渋滞レベル条件を示し、部分793bは、その後の約15分間の道路セグメントの予測されるmoderate交通渋滞レベル条件を示し、部分793cは、その1時間のうちの残りの部分にわたる道路セグメントの予測されるwide−open交通渋滞レベル条件を示す。時間の3つの部分が本明細書において示されているが、さらに多くまたはさらに少ない部分が表示されうること、各部分が別個の将来時間の予測の間の時間の差まで任意の時間量を表すことができること、およびそのようなクロックの異なる部分が交通渋滞の同じ予測レベルを表すことができること(たとえば、1つまたは複数の介在する部分が1つまたは複数の異なる予測交通渋滞レベルを有する場合)が理解されよう。
【0082】
図7Gは、図7Aに示されているものと類似しているが、標準条件との相異を示すように、地図が午後4時45分の現在選択されている時間773における現在の交通条件の比較ビューを示している表示例を示す。このビューにおいて、ユーザは、標準条件と比較した現在の交通条件間の相異の度合いを説明する情報を取得するために、「Comparative」ナビゲーションタブコントロール771および速度情報表示オプションコントロール775を選択しており、標準の交通条件はこの例において、履歴観測および予定されたイベントなどの一部の現在の条件に基づくが、事故その他の道路発生事象、短期道路工事、天気などの過渡的または一時的状況には基づくことなく、見込まれる長期的交通条件を決定するために使用することができる予測モデルを参照することにより決定される。さらに一般的には、その他の実施形態において、比較が行われる「標準の」データは、純粋に履歴平均を使用する、ユーザが(たとえば、イベントではなく学校のカレンダー情報を使用するなど)「標準の」データと見なすべき情報のタイプを指定できるようにする、ユーザまたは他のオペレータが(たとえば、先週水曜の午後5時など、使用する特定の過去の日付を指示することにより、特定のデータのセットを提供することで)比較に使用すべき特定のデータのセットを指定できるようにするなど、他の方法で決定または選択されてもよい。この例において、提供される予測情報が午後4時45分の現在時間に関連するので、時間スライダは表示されていないが、その他の実施形態において、同様の予測される相異情報は、ユーザが選択した将来時間について追加として使用可能であってもよい。このビューにおいて、同様に道路セグメントは、関心対象の情報を反映するようにマーク付けされているが、標準との相異のさまざまな度合いをグレーのさまざまな陰影付けで指示する(あるいは、その他の実施形態において、代わりに、現在または予測の交通条件は標準よりもはるかに良好であることを示す緑776a、交通条件は標準よりも良好であることを示す黄776b、交通条件はほぼ標準であることを示す白776c、交通条件は標準よりも悪化していることを示す赤776d、交通条件は標準よりもはるかに悪化していることを示す黒776eのように、さまざまな色を使用する)など、地図凡例776はマーク付けにさまざまな意味を表している。加えて、この例において、速度情報コントロール775の選択により、交通が所定の道路セグメントを流れる標準よりも早いまたは遅い時速マイル数を示すようにボックスの数値で道路セグメントに注釈が付けられるようになっている(たとえば、色が使用される実施形態の場合、ボックスは、緑を良好に、赤を悪化にというように、2色のうちの1色で表示され、標準速度よりも良好であるかまたは標準速度よりも悪化しているかを示す)。たとえば、道路セグメント771aは、標準よりも良好な交通であることを示すグレースケールのレベルで表示され、ボックス(たとえば、緑のボックス)の数値「11」で注釈が付けられて、交通がその道路セグメント上で標準よりも時速11マイル速く流れていることを示す。対照的に、道路セグメント771bは、標準よりも悪化した交通であることを示すグレースケールのレベルで表示され、ボックス(たとえば、赤のボックス)の数値「10」で注釈が付けられて、交通がその道路セグメント上で標準よりも時速10マイル遅く流れていることを示す。
【0083】
図7Hは、図7Aに示されているものと類似しているが、地図が2006年2月1日の現在選択されている日に基づいて一日の間の特定の走行経路の合計走行時間のグラフィカルビューを示している表示例を示す。このビューにおいて、ユーザは、Lynnwood to Seattleの経路オプションコントロール782の選択に基づくLynnwoodとSeattlecanの経路など、選択されている経路の通常および実際/見込みの合計走行時間を取得するために、「Travel Time」ナビゲーションタブ781を選択してある。特に、時刻をX軸785bで、分単位の合計走行時間をY軸785aで表すグラフ784が示されている。濃い線786aは、一日のさまざまな時間における所定の走行経路の通常の合計走行時間を表し、薄い線786bは、現在および/または予測の走行時間(現在選択されている日が過去、今日、または将来のいずれであるかに基づく)を表して、合計走行時間線の相異を容易に比較できるようになっている。図7Gに関してと同様に、図7Hの経路の通常の合計走行時間は、さまざまな実施形態において、履歴平均に基づくこと、履歴観測および一部の現在の条件(予定されたイベントなど)に基づくが、(事故その他の道路発生事象、短期道路工事など)過渡的または一時的な状況には基づくことなく、見込まれる長期的交通条件を決定するために使用することができる予測モデルを参照すること、ユーザが(イベントではなく学校のカレンダー情報を使用するなど)「通常の」データと見なすべき情報のタイプを指定できるようにすること、ユーザまたは他のオペレータが(たとえば、先週水曜の午後5時など、使用する特定の過去の日付を指示することにより、特定のデータのセットを提供することで)比較に使用すべき特定のデータのセットを指定できるようにすることなどを含む、さまざまな方法で決定することができる。加えて、この例において、提供される予測情報が現在選択されている時間の日に関連するので、時間スライダは表示されていないが、その他の実施形態において、同様の予測される相異情報は、スライダまたは日付を選択するその他の機構を介してユーザが選択した将来時間について使用可能であってもよい。
【0084】
さまざまな実施形態はさらに、さまざまな入力情報を使用して、将来の交通条件予測を行うために使用される予測モデルのさまざまな出力情報を提供することができる。一部の実施形態において、日付と時間情報に関連する予測モデルへの入力は、MarketId(地理的領域の識別子)、DateTimeUtc(世界時での時刻)、DateTimeLocal(現地時間での時刻)、DateTimeKey、DateDayOfWeekLocal(曜日)、DateMonthLocal(月)、DateDayLocal、DateHourLocal(時刻)、DatePeriodl5MinutesLocal(15分間隔)、HolidayLocal(今日が休日であるかどうか)という変数を含む。一部の実施形態において、現在および過去の交通条件情報に関連する予測モデルへの入力は、RoadSegmentId(特定の道路セグメントの識別子)、SpeedX(道路セグメントX上の交通の現在報告されている速度)、BlackStartLocalX(道路セグメントXについて黒の交通渋滞レベル条件が報告されている時間の長さ)、PercentBlackX(黒の交通渋滞レベル条件を報告している道路セグメントXに関連付けられているセンサーまたはその他のデータソースの割合)、PercentBlackX−N、ただしXは特定の道路セグメントであり、Nは{15,30,45,60}の要素であり、値はN分前に黒の交通条件が報告された道路セグメントXの割合(たとえば、道路セグメントに関連付けられているセンサーの割合)に対応する、RawColorX(道路セグメントXの交通渋滞のレベルに対応する現在の色)、RawColorX−N、ただしXは特定の道路セグメントでありNは{15,30,45,60}の要素であり、値はN分前の道路セグメントXの交通渋滞のレベルに対応する色である、SinceBlackX(道路セグメントXについて黒の交通渋滞レベルが報告されてからの時間の長さ)、HealthX、およびAbnormalityXという変数を含む。一部の実施形態において、気象条件情報に関連する予測モデルへの入力は、Temperature(現在の気温)、WindDirection(現在の風向)、WindSpeed(現在の風速)、SkyCover(現在の雲または霧のレベル)、PresentWeather(現在の気象状態)、RainNHour、ただしNは{1,3,6,24}の要素であり、以前のN時間の累積降雨量を表す、およびMetarIdのような変数を含む。 一部の実施形態において、イベントおよび学校スケジュール情報に関連する予測モデルへの入力は、EventVenueId(会場識別子)、EventScheduleId(スケジュール識別子)、DateDayLocal(所定のイベントの日付)、StartHourLocal(所定のイベントの開始時間)、EventTypeId(イベントタイプ識別子)、EventVenueId(会場識別子)、SchoolLocationId(学校位置識別子)、およびlsSchoolDay(当日が授業日であるかどうか)のような変数を含む。
【0085】
一部の実施形態において、交通条件に関連する予測モデルへの出力は、RawColorXN、ただしXは特定の道路セグメントでありNは{15,30,45,60,75,90,105,120,135,150,165,180}の要素であり、値はN分の道路セグメントXの見込まれる交通渋滞のレベルに対応する色である、および所定の予測の信頼度を示すPredRawColorXNProb、ただしXおよびNはRawColorXN変数に関して上記のように定義されており、値はN分の道路セグメントXの予測における信頼レベルである(たとえば、予測を行うために取られた決定木のパスに対する観測データからの履歴サポートのレベルに基づく)のような変数を含む。
【0086】
前述のさまざまな変数が取る可能性のある可能な値または値の範囲の一例を以下に示すが、2つの数値の間のインジケータ「..」は、それらの2つの値を含むそれらの間の任意の整数が可能な値であることを示し(たとえば、「1..4」は{1,2,3,4}を表す)、0および1の可能な値は、適切な変数(たとえば、casedata.HolidayLocal)の真または偽を示す。その他の実施形態において、その他の入力および/または出力変数が使用されてもよく、それらの値は他の方法で表されてもよい。
【0087】
【表2−1】

【0088】
【表2−2】

【0089】
当業者であればまた、一部の実施形態において、前述のルーチンによって提供される機能が、さらに多くのルーチンに分割されるか、またはさらに少ないルーチンに統合されるなど、代替の方法で提供されてもよいことを理解するであろう。同様に、一部の実施形態において示されているルーチンは、その他の示されているルーチンにそれぞれそのような機能が不足しているか含まれている場合、または提供される機能の量が変更されたような場合、説明されているものよりも多い機能または少ない機能を提供してもよい。加えて、さまざまな操作が特定の方法(たとえば、連続または並行して)および/または特定の順序で実行されることが示されているが、当業者であれば、操作は、その他の実施形態において他の順序および他の方法で実行できることを理解するであろう。当業者はまた、前述のデータ構造が、複数のデータ構造に分割された単一のデータ構造を有すること、または単一データ構造に統合された複数のデータ構造を有することによってなど、異なる方法で構造化されてもよいことを理解するであろう。同様に、一部の実施形態において示されているデータ構造は、その他の示されているデータ構造にそれぞれそのような情報が不足しているか含まれている場合、または格納される情報の量またはタイプが変更されたような場合、説明されているものよりも多い情報または少ない情報を格納してもよい。
【0090】
本明細書において例示の目的で特定の実施形態を説明してきたが、以上の説明から、本発明の精神および範囲を逸脱することなくさまざまな変更を加えることができることを理解されたい。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲およびそこに列挙される要素による場合を除き、限定されることはない。加えて、本発明の特定の態様が特定の特許請求の範囲の形態で提示されるが、発明者は、任意の使用可能な特許請求の範囲の形態で本発明のさまざまな態様を検討する。たとえば、本発明の一部の態様のみが現在、コンピュータ可読媒体で具現されることが説明されていることもあるが、その他の態様も同様にそのように具現されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1A】予測される将来の交通条件に基づく走行経路選択の例を示す図である。
【図1B】予測される将来の交通条件に基づく走行経路選択の例を示す図である。
【図1C】予測される将来の交通条件に基づく走行経路選択の例を示す図である。
【図1D】予測される将来の交通条件に基づく走行経路選択の例を示す図である。
【図1E】予測される将来の交通条件に基づく走行経路選択の例を示す図である。
【図1F】予測される将来の交通条件に基づく走行経路選択の例を示す図である。
【図2A】所定の地理的領域の交通条件に関する知識を表すための予測モデルのグラフィカル表現を示す図である。
【図2B】所定の地理的領域の交通条件に関する知識を表すための予測モデルのグラフィカル表現を示す図である。
【図2C】所定の地理的領域の交通条件に関する知識を表すための予測モデルのグラフィカル表現を示す図である。
【図2D】所定の地理的領域の交通条件に関する知識を表すための予測モデルのグラフィカル表現を示す図である。
【図2E】所定の地理的領域の交通条件に関する知識を表すための予測モデルのグラフィカル表現を示す図である。
【図2F】所定の地理的領域の交通条件に関する知識を表すための予測モデルのグラフィカル表現を示す図である。
【図2G】所定の地理的領域の交通条件に関する知識を表すための予測モデルのグラフィカル表現を示す図である。
【図2H】所定の地理的領域の交通条件に関する知識を表すための予測モデルのグラフィカル表現を示す図である。
【図2I】所定の地理的領域の交通条件に関する知識を表すための予測モデルのグラフィカル表現を示す図である。
【図2J】所定の地理的領域の交通条件に関する知識を表すための予測モデルのグラフィカル表現を示す図である。
【図3】記載の予測交通情報プロバイダ(Predictive Traffic Information Provider)システムの実施形態の実行に適したコンピューティングシステムを示すブロック図である。
【図4】経路セレクタ(Route Selector)ルーチンの実施形態を示す流れ図である。
【図5A】動的交通プレディクタ(Dynamic Traffic Predictor)ルーチンの実施形態を示す流れ図である。
【図5B】関連する予測生成(Generate Predictions)サブルーチンの実施形態を示す流れ図である。
【図6】交通予測モデルジェネレータ(Traffic Prediction Model Generator)ルーチンの実施形態を示す流れ図である。
【図7A】将来の交通条件の予測を使用するさまざまな交通関連の情報の表示例を示す図である。
【図7B】将来の交通条件の予測を使用するさまざまな交通関連の情報の表示例を示す図である。
【図7C】将来の交通条件の予測を使用するさまざまな交通関連の情報の表示例を示す図である。
【図7D】将来の交通条件の予測を使用するさまざまな交通関連の情報の表示例を示す図である。
【図7E】将来の交通条件の予測を使用するさまざまな交通関連の情報の表示例を示す図である。
【図7F】将来の交通条件の予測を使用するさまざまな交通関連の情報の表示例を示す図である。
【図7G】将来の交通条件の予測を使用するさまざまな交通関連の情報の表示例を示す図である。
【図7H】将来の交通条件の予測を使用するさまざまな交通関連の情報の表示例を示す図である。
【図7I】将来の交通条件の予測を使用するさまざまな交通関連の情報の表示例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路の予測される交通渋滞を使用して走行を容易にするコンピュータ実施の方法であって、
複数の関連する道路の複数の道路セグメントの指示を受信するステップと、
前記道路セグメントの各々の現在の交通条件を指示する情報を受信するステップと、
前記道路セグメント上の交通に影響を及ぼすその他の現在の条件を指示する情報を受信するステップであって、前記その他の現在の条件は、現在の気象条件、開催が予定されている現在のイベント、および学期の現在のスケジュールのうちの複数を含むステップと、
複数の別個の将来時間の各々に対し、前記指示された現在の交通条件および前記指示されたその他の現在の条件に少なくとも部分的に基づいて、その将来時間における前記道路セグメントの各々について交通渋滞のレベルを自動的に予測するステップと、
前記予測される交通渋滞レベルの少なくとも一部を使用して前記道路上の走行を容易にするステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記複数の関連する道路は地理的領域の道路網の一部であり、前記複数の関連する道路の前記複数の道路セグメントの前記指示を受信する前記ステップは交通渋滞が区別して追跡される前記道路網内の前記道路の各々の複数のセグメントを識別するステップを含み、前記方法はコンピューティングシステムによって実行されて予測される交通渋滞レベルに基づく車両による前記道路網のナビゲーションを容易にし、前記現在の交通条件を指示する前記受信された情報は前記道路上の交通の現在のレベルに関する情報を含み、前記道路セグメント上の交通に影響を及ぼす前記その他の現在の条件を指示する前記受信された情報は前記地理的領域の現在の気象および前記地理的領域において開催することが予定されている現在のイベントおよび前記地理的領域において行われることが予定されている現在の学期に関する情報を含み、複数の別個の将来時間の各々における前記道路セグメントの各々について交通渋滞の前記レベルを自動的に予測する前記ステップは、複数のユーザの各々に対し、および指示された目的地への走行のために前記道路網の1つまたは複数の道路予測される交通条件を指示する情報を求める前記ユーザからの要求に応答して、
少なくとも1つの可能な出発位置から前記指示された目的地への1つまたは複数の経路に沿って前記道路網の道路のセグメントを識別するステップであって、前記1つまたは複数の経路の各々は複数の識別された道路セグメントを含むステップと、
前記複数の別個の将来時間の各々に対し、その将来時間における前記識別された道路セグメントの各々について交通渋滞の見込まれるレベルを予測するステップであって、前記現在の交通条件を指示する前記受信情報および交通に影響を及ぼす前記その他の現在の条件を指示する前記受信情報に少なくとも部分的に基づくステップと、
前記1つまたは複数の経路の各々に対し、前記経路の前記複数の道路セグメントの前記予測される見込みの交通渋滞レベルに基づいて前記経路の予測される走行時間を決定するステップであって、第1の将来時間における少なくとも1つの予測される見込みの交通渋滞のレベルが前記経路の1つまたは複数の前記道路セグメントの第1のグループに使用されるように行われ、第2の将来時間における少なくとも1つの予測される見込みの交通渋滞のレベルが前記経路の1つまたは複数のその他の前記道路セグメントの第2のグループに使用されるように行われ、前記第2の将来時間は前記第1の将来時間よりも後であり、前記第2のグループの前記道路セグメントは前記経路に沿って前記第1のグループの前記道路セグメントよりも後であるステップとを含み、
前記少なくとも一部の予測される交通渋滞レベルを使用する前記ステップは前記複数のユーザの各々について実行され、ユーザが複数の将来時間における前記道路の予測される交通渋滞に基づいて前記道路網で車両をナビゲートすることができるように、前記ユーザによって指示された前記目的地への少なくとも1つの前記経路の前記決定された予測される走行時間を指示する情報を前記ユーザに提供するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも一部の前記複数のユーザの各々に対して、前記ユーザに前記情報を提供する前記ステップは、経路オプションのうちの最適な経路が識別されるような方法で複数の経路オプションが指示される地図を前記ユーザに表示するステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの前記複数のユーザの各々に対し、前記ユーザに前記情報を提供する前記ステップの後、更新された現在の条件を指示する情報を受信するステップと、前記更新された現在の条件に少なくとも部分的に基づいて1つまたは複数の将来時間における少なくとも1つの前記識別された道路セグメントの各々について更新された見込みの交通渋滞のレベルを予測するステップと、前記予測される更新された見込みの交通渋滞のレベルに少なくとも部分的に基づいて前記指示された目的地への少なくとも1つの経路の更新された予測走行時間を指示する更新済み情報を前記ユーザに提供するステップとをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
複数の将来時間における識別された道路セグメントの前記見込みの交通渋滞のレベルを予測する前記ステップは、前記地理的領域の前記道路網の少なくとも1つの予測モデルに基づくことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記識別された道路セグメントの以前の観測された交通渋滞のレベル、および前記以前の観測された交通渋滞レベルに影響を及ぼす以前の条件に少なくとも部分的に基づいて、前記少なくとも1つの予測モデルを自動的に生成するステップをさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの予測モデルは、前記識別された道路セグメントの1つと前記複数の将来時間の1つの各々別個の組み合わせが別個の決定木で表されるように、複数の決定木が生成されるベイズネットワークモデルを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記複数のユーザの各々に対し、前記将来時間における前記識別された道路セグメントの前記見込みの交通渋滞のレベルを予測する前記ステップは、前記指示された現在の条件の前記受信情報を前記少なくとも1つの予測モデルへの入力として供給することに応答して、前記少なくとも1つの予測モデルから出力情報を取得するステップを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項9】
見込みの交通渋滞のレベルの予測に使用する前記指示された現在の条件は、前記地理的領域の将来の気象の現在の見込み、前記道路の現在の交通事故、前記道路の現在の工事作業、現在の時刻、および現在の曜日をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記現在予定されているイベントは各々、交通が場所への走行および/または場所からの走行に使用される道路のセグメントで1つまたは複数のイベント時間において影響を受けるように、少なくとも1つの前記イベント時間と前記地理的領域の場所に関連付けられることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記道路網は、現在の交通のレベルに関する情報提供するために交通センサーが使用可能である道路を含み、前記道路の前記識別されたセグメントは各々、道路セグメントの現在の交通のレベルに関する提供された情報がその道路セグメントの平均交通速度および/または交通量を含むように、少なくとも1つの交通センサーを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項12】
交通渋滞の前記レベルを予測する前記ステップは、前記指示された現在の交通条件および前記指示されたその他の現在の条件を入力として使用する少なくとも1つの予測モデルの使用に基づくことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの予測モデルはベイズネットワークを含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの予測モデルは、前記道路セグメントの1つと前記複数の将来時間の1つの各々別個の組み合わせが別個の決定木で表されるように、複数の決定木を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの予測モデルは確率的モデルを含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記道路セグメントの観測された過去の交通渋滞レベルと、前記道路セグメントの前記過去の交通渋滞レベルに影響を及ぼした過去の交通条件および過去のその他の条件に少なくとも部分的に基づいて前記予測モデルを自動的に生成するステップをさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の別個の将来時間における前記道路セグメントの1つの交通渋滞の前記レベルを予測する前記ステップの後、前記指示された現在の交通条件および前記指示されたその他の現在の条件とは異なる更新された現在の条件情報を受信するステップと、少なくとも一部の前記複数の別個の将来時間の各々において前記1つの道路セグメントの交通渋滞の新しいレベルを自動的に予測するステップと、前記道路上の走行を容易にするために1つまたは複数の前記予測された新しい交通渋滞レベルを使用するするステップとをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記道路上の走行を容易にするために前記少なくとも一部の予測された交通渋滞レベルを使用する前記ステップは、前記少なくとも一部の予測された交通渋滞レベルに関する情報を1つまたは複数の受信側が使用するために提供するステップを含み、前記道路上の走行を容易にするために前記予測された新しい交通渋滞レベルを使用する前記ステップは、前記予測された新しい交通渋滞レベルに関する更新された情報を少なくとも1つの前記受信側に提供するステップを含むことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記道路セグメントの各々の前記指示された現在の交通条件は、前記道路上で測定された平均速度、前記複数の道路セグメント上で測定された交通量、および前記道路セグメントが渋滞していた1つまたは複数の時間のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記指示されたその他の現在の条件は、前記現在の気象条件、開催することが予定されている前記現在のイベント、学期の前記現在の予定、前記複数の道路セグメントの渋滞のレベルの1つまたは複数の指示、将来の気象の現在の見込み、前記道路セグメントの現在の交通事故、前記道路セグメントの現在の工事作業、現在の時刻、および現在の曜日を含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記道路セグメントの各々の前記指示された現在の交通条件は、前記道路セグメントの以前の交通条件の指示を含むことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記現在の交通条件を指示する前記受信された情報は、少なくとも一部の前記道路セグメントの各々が前記複数の交通センサーのうちの1つまたは複数にそれぞれ対応するように、前記複数の交通センサーのネットワークから少なくとも部分的に取得されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記現在の交通条件を指示する前記受信された情報は、前記複数の関連する道路を走行する複数の車両から少なくとも部分的に取得され、各車両は、前記車両の場所、前記車両の速度、前記車両の走行方向のうちの少なくとも1つを含む車両走行データを繰り返し決定することができ、前記決定した車両走行データを提供することができることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記現在の交通条件を指示する前記受信された情報は、前記複数の関連する道路を走行する複数のユーザから少なくとも部分的に取得され、各ユーザは移動体装置の場所および前記移動体装置の速度のうちの少なくとも1つを含む地理的位置データを提供するよう動作する前記移動体装置を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記指示されたその他の現在の条件は、1つまたは複数の現在の気象条件を含み、前記現在の気象条件は、気温、風速、風向、期間にわたり測定された降水量、およびスカイカバーのレベルのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記指示されたその他の現在の条件は、1つまたは複数の現在予定されているイベントを含み、各イベントの前記受信された情報は、少なくとも1つの関連する時間と、前記イベントに関連付けられている1つまたは複数の場所の1つまたは複数の指示を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記指示されたその他の現在の条件は、1つまたは複数の現在の学期のスケジュールを含み、現在の学期のスケジュールの前記受信された情報は、少なくとも1つの関連する時間と、1つまたは複数の学校に関連付けられている1つまたは複数の場所の1つまたは複数の指示を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記道路上の走行を容易にするために前記少なくとも一部の予測される交通渋滞レベルを使用する前記ステップは、前記少なくとも一部の予測される交通渋滞レベルをユーザに提示するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記道路上の走行を容易にするために前記少なくとも一部の予測される交通渋滞レベルを使用する前記ステップは、前記少なくとも一部の予測される交通渋滞レベルの指示を前記道路上の走行を容易にするための前記提供された指示を使用するサードパーティに提供するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記道路上の走行を容易にするために前記少なくとも一部の予測される交通渋滞レベルを使用する前記ステップは、
前記複数の道路にわたる出発場所と目的場所との間の複数の経路オプションを識別するステップであって、前記経路オプションの各々は前記道路セグメントの少なくとも1つを含むステップと、
前記複数の経路オプションのうちの少なくとも1つを、前記予測される交通渋滞レベルに少なくとも部分的に基づいて好ましいものとして選択するステップと、
前記選択された経路オプションの1つまたは複数の指示を提供するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記道路上の走行を容易にするために前記道路セグメントの前記少なくとも一部の予測される交通渋滞レベルを使用する前記ステップは、それらの道路セグメントの前記少なくとも一部の予測される交通渋滞レベルおよびその他の交通渋滞レベルに関する比較情報を生成するステップと、前記生成された比較情報の1つまたは複数の指示を提供するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項32】
1つまたは複数の将来時間の各々に対し、前記指示されたその他の現在の条件に少なくとも部分的に基づき、しかも前記指示された現在の交通条件には基づくことなく、その将来時間における1つまたは複数の前記道路セグメントの各々について交通渋滞のレベルを自動的に予測するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項33】
交通渋滞の前記予測されるレベルは各々、少なくとも1つの関連する車両速度を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記複数の道路は、単一の地理的領域における相互接続された道路網の一部であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項35】
コンピュータ可読媒体であって、そのコンテンツは、
1つまたは複数の道路の複数の道路セグメントの各々の現在の交通条件を指示する情報を受信するステップと、
前記複数の道路セグメント上の交通に影響を及ぼすその他の現在の条件を指示する情報を受信するステップであって、前記その他の現在の条件は、現在の気象条件、開催が予定されている現在のイベント、および学期の現在のスケジュールのうちの少なくとも1つを含むステップと、
前記1つまたは複数の道路の複数の別個の将来の交通条件を、前記指示された現在の交通条件および前記指示されたその他の現在の条件に少なくとも部分的に基づいて予測するステップであって、前記予測される将来の交通条件の各々は、複数の将来の時間の1つにおける前記複数の道路セグメントの1つに対するものであるステップと、
前記1つまたは複数の道路上の走行を容易にする際に使用する少なくとも一部の前記予測される将来の交通条件の1つまたは複数の指示を提供するステップとを備える方法を実行することにより、コンピューティング装置が、道路に関する予測される将来の交通情報を使用できるようにすることを特徴とするコンピュータ可読媒体。
【請求項36】
前記1つまたは複数の道路の前記将来の交通条件を予測する前記ステップは、少なくとも1つの前記複数の道路セグメントの各々について前記複数の将来時間の各々における交通渋滞レベルを予測するために、前記1つまたは複数の道路の予測ベイズネットワークモデルを使用することを含むことを特徴とする請求項35に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項37】
前記方法は、前記予測された将来の交通条件に少なくとも部分的に基づいて出発場所と到着場所との間の経路を識別するステップをさらに備え、前記少なくとも一部の予測される将来の交通条件の前記1つまたは複数の指示を提供する前記ステップは、前記識別された経路をユーザに指示するステップを含むことを特徴とする請求項35に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項38】
前記コンピュータ可読媒体は、コンピューティング装置のメモリであることを特徴とする請求項35に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項39】
前記コンピュータ可読媒体は、前記コンテンツを含む生成されたデータ信号を伝送するデータ伝送媒体であることを特徴とする請求項35に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項40】
前記コンテンツは、実行されたときに前記コンピューティング装置に前記方法を実行させる命令であることを特徴とする請求項35に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項41】
前記コンテンツは道路の将来の交通情報を予測する際に使用する1つまたは複数のデータ構造を含み、前記1つまたは複数のデータ構造は前記1つまたは複数の道路の予測ベイズネットワークモデルを表し、複数のエントリを含み、前記エントリの一部は、その将来時間におけるその道路セグメントの予測される将来の交通条件を格納するように、各々複数の道路セグメントの1つおよび複数の将来時間の1つに対応し、その他の前記エントリは各々、予測する前記ステップのために入力情報を格納するように、前記複数の道路セグメントの各々の現在の交通条件および1つまたは複数のその他の現在の条件を含む複数の現在の条件の1つに対応することを特徴とする請求項35に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項42】
道路の予測される将来の交通情報を使用するように構成されたコンピュータ装置であって、
複数の別個の将来時間の各々について、前記道路セグメントに関連する現在の条件を指示する取得された情報に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の道路の複数の道路セグメントの1つまたは複数の各々のその将来時間における交通条件を予測するように構成された第1のコンポーネントであって、前記指示された現在の条件は、前記道路セグメントの現在の交通条件、現在の気象条件、現在予定されているイベント、および現在の学校のスケジュールのうちの複数を含むコンポーネントと、
前記1つまたは複数の道路上の走行を容易にする際に使用する少なくとも1つの前記予測される将来の交通条件の1つまたは複数の指示を提供するように構成された第2のコンポーネントとを備えることを特徴とするコンピューティング装置。
【請求項43】
前記交通条件を予測する前記ステップにおいて使用する予測確率的モデルが格納されているメモリをさらに備え、前記予測される交通条件は、前記複数の道路セグメントの各々について前記複数の将来時間の各々における予測される将来の交通渋滞レベルを含むことを特徴とする請求項42に記載のコンピューティング装置。
【請求項44】
前記第2のコンポーネントは、提供された指示が生成された情報の1つまたは複数の指示を含むように、前記予測される交通条件を使用して、前記1つまたは複数の道路にわたる好ましい走行を指示する情報を生成するようにさらに構成されることを特徴とする請求項43に記載のコンピューティング装置。
【請求項45】
過去の交通条件および前記道路セグメントの前記過去の交通条件に影響を及ぼした過去の条件に少なくとも部分的に基づいて、前記予測モデルを自動的に生成するように構成された第3のモジュールをさらに備えることを特徴とする請求項43に記載のコンピューティング装置。
【請求項46】
前記第1のコンポーネントは動的交通プレディクタコンポーネントであることを特徴とする請求項42に記載のコンピューティング装置。
【請求項47】
前記第1および第2のコンポーネントは各々、コンピューティング装置のメモリに実行するソフトウェア命令を含むことを特徴とする請求項42に記載のコンピューティング装置。
【請求項48】
前記第1のコンポーネントは、複数の別個の将来時間の各々について、前記道路セグメントに関連する現在の条件を指示する取得された情報に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数の道路の複数の道路セグメントの1つまたは複数の各々のその将来時間における交通条件を予測する手段を備え、前記指示された現在の条件は、前記道路セグメントの現在の交通条件、現在の気象条件、現在予定されているイベント、および現在の学校のスケジュールのうちの複数を含み、前記第2のコンポーネントは、前記1つまたは複数の道路上の走行を容易にする際に使用する前記予測される交通条件の少なくとも1つの1つまたは複数の指示を提供する手段を備えることを特徴とする請求項42に記載のコンピューティング装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図2I】
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【図2J】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図7H】
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【図7I】
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【公表番号】特表2009−529186(P2009−529186A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558309(P2008−558309)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【国際出願番号】PCT/US2007/005278
【国際公開番号】WO2007/103123
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(508266731)インリックス インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】