説明

導体ペースト及びそれを用いたセラミック基板の製造方法

【課題】貫通孔付焼成済みセラミック基板における貫通孔内のボイドを抑えるための導体ペースト及びそれを用いたセラミック基板の製造方法を提供する。
【解決手段】貫通孔を備えた焼成済みセラミック基板の前記貫通孔に導体ペーストを充填し焼成処理を行うセラミック基板の製造方法において、導電性を持つ金属粉末と前記金属粉末同士を前記有機成分にて結合させた平均粒径20〜52μmである金属凝集物と有機成分と溶剤とを含有する導体ペーストを用いるセラミック基板の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導体ペースト及びその導体ペーストを用いたセラミック基板の製造方法に関するものである。特に、導体ペーストが充填された貫通孔にボイドがないセラミック基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図5に、従来の導体ペーストの製造方法を示す。図中の第1の工程5は、金属粉末1と有機成分2と溶剤3を混練して混練済み導体ペースト4を得る工程である。次の第2の工程25では、第1の工程5で得た混練済み導体ペースト4を溶剤3によって粘度調整を行い、導体ペースト30を得る。
【0003】
図6に、従来のセラミック基板の製造方法を示す。図中の第1の工程18は、焼成済みのセラミック基板15に貫通孔16を設けた貫通孔付焼成済みセラミック基板17を準備する工程である。第2の工程33は、貫通孔16に図5で得られた導体ペースト30を充填し、導体ペースト30が焼成できる温度で焼成して充填済みセラミック基板32を得る工程である。導体ペースト30の充填方法は、一般に印刷方法が用いられる。次の第3の工程35では、充填済みセラミック基板32表面の貫通孔16の両端に所望の表層導体21を形成した後、この表層導体21が焼成できる温度で焼成する。このようにして表層導体付セラミック基板34を得る。表層導体21の形成方法は、一般に印刷方法が用いられる。次の第4の工程37にて、表層導体21の表面にメッキ層24を形成して、完成されたセラミック基板36を得る。
【0004】
以上のように作成されたセラミック基板36では、貫通孔16内に空隙(ボイド)の発生が見られる。このボイドが生じるメカニズムを、図7を用いて説明する。図7に、図6で説明したセラミック基板の製造方法での第1の工程から第4の工程における貫通孔16内の断面と充填された導体ペースト30の状態を模式的に示す。
【0005】
図中の第2の工程33は、貫通孔16内に印刷方法により充填された導体ペースト30の内部の金属粉末が偏り無く分散している状態を示す。このときはボイドが生じていない。図中の第2’の工程39は、導体ペースト30が乾燥した状態を示す。導体ペースト30の乾燥とは、その内部の溶剤が全て蒸発したために起こる。そのため、導体ペースト30の体積が減少すると同時に金属粉末1が矢印の様に中央に向かって移動する。このため、導体ペースト30の表面に大きなボイド38が発生する。ここで生じたボイド38は、導体ペースト30を焼成してもその形が保たれる。また、次の第3の工程で、貫通孔16の導体ペースト30の両端に表層導体21を形成しても、ボイド38を完全に埋めることはできない。
【0006】
このようなボイドが生じると次のような問題が起こる。すなわち、後工程である第4の工程では、前記表層導体21の表面には、耐半田喰われ性と半田濡れ性を向上させるため、無電解のNi/Auメッキ層24を形成するが、ボイド38にNiメッキ液が侵入し残留することでAuメッキが形成されない状態(無メッキ)が発生する。このような無メッキ部分は、Niが表層部に露出しているので腐食が発生し半田濡れ性を悪化させる。またボイド32にメッキ液、洗浄液等が溜まることで、後工程の部品実装や半田ボ−ル実装等のリフロ−時に、メッキ液や洗浄液等が気化して半田内部に空洞ができる不良(半田ボイド)の原因にもなった。さらにボイド38が発生すると、貫通孔16内の導体ペースト30と表層導体21の接続強度が低下するので、貫通孔16内の導体ペースト30と表層導体21の接続信頼性が低下する。
【0007】
従来、貫通孔16内のボイド38を防止する方法としては、図8に示す技術が知られている。これは、導体ペーストの粒子径を調整することでボイドの防止を行っている。平均粒径が2μm以下の第1の金属粉末34と、平均粒径が5〜10μmの第2の金属粉末35とからなる導体ペーストを使用することが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平8−97528号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、前記従来の構成では、導体ペーストとグリーンシートとを同時に焼成する場合には有効であるが、焼成済みセラミック基板に適用すると、ボイド発生を完全に抑制することができないという課題を有していた。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、貫通孔付焼成済みセラミック基板における貫通孔内のボイドを抑えるための導体ペースト及びそれを用いたセラミック基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記従来の課題を解決するために、本発明の導電性を持つ金属粉末と有機成分及び溶剤を含有する導体ペーストにおいて、前記金属粉末同士を前記有機成分にて結合させた平均粒径20〜52μmの金属凝集物を含むことを特徴としたものである。
【0011】
また、本発明は、貫通孔を備えた焼成済みセラミック基板の前記貫通孔に導体ペーストを充填し焼成処理を行うセラミック基板の製造方法において、前記導体ペーストは請求項1から2に記載の導体ペーストを用いることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の導体ペースト及びそれを用いたセラミック基板の製造方法によれば、貫通孔付焼成済みセラミック基板17の貫通孔16内に導体ペーストを充填した時に発生するボイドを効果的に抑えることで、表層導体21の表面のメッキ24に発生する無メッキや、部品を半田により実装する時に発生する半田ボイドを抑え、また貫通孔16内の導体ペーストと表層導体21の接続信頼性が高いセラミック基板を製造することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面と表を用いて詳細に説明する。なお、従来と同じものについては、同符号を用い説明を簡略化している。
【0014】
(実施の形態1)
本発明の導体ペーストの作製方法を図1に示す。図中の第1の工程5は、金属粉末1と有機成分2と溶剤3とを混合して、混練済み導体ペースト4を作製する工程である。金属粉末1には、Ag、Pt、Pd、Auの中から少なくとも1つ以上の金属粉末を使用する。
【0015】
本実施例では、平均粒径8μmのAgを主成分とし、さらにPdを数%添加した。有機成分2は、エチルセルロースを使用したが、特にこれに限定されることはない。溶剤3は、ターピネオールを使用したが、これに限るものではなく有機成分2を溶解できる物質であれば良い。混練済み導体ペースト4の作製には、金属粉末1と有機成分2と溶剤3を十分に分散させるために3本ロールにより混練を行い作製した。
【0016】
次の第2の工程10は、混練済み導体ペースト4から凝集物9を作製する工程である。この工程では、第1の工程5で作製した混練済み導体ペースト4を乾燥6した後、粉砕7して粉末化する。その後、整粒8して凝集物9を得る。本実施例では、乾燥6を150℃で1時間行い、乳鉢にて粉砕7を行った。また、今回のサンプルの整粒8には分子ふるいを使用した。開口が20μmと52μmと90μmの3種類の分子ふるいにより、3種類の粒径をもつ凝集物9(20μm以下、20〜52μm及び52〜90μm)を作製した。
【0017】
次の第3の工程12では、第2の工程10で得られた凝集物9と第1の工程5で得られた混練済み導体ペースト4とを混合し、凝集物添加済み導体ペースト11を得る。このときの凝集物9の粒径と添加量とが重要なので、詳細は後述する。
【0018】
最後の第4の工程14では、第3の工程12で得られた凝集物添加済み導体ペースト11に溶剤3を入れて粘度調整を行い、セラミック基板に使用するための導体ペースト13を得る。これは、凝集物添加済み導体ペースト11の固形分の含有比率が高いので、粘度が高いためである。一般に印刷工法で使用するための導体ペーストの粘度は500P
a・s以下が望ましい。
【0019】
図2に、第4の工程14で作製した導体ペースト13を用いるセラミック基板の製造方法を示す。第1の工程18は、焼成済みセラミック基板15に貫通孔16を設けて、貫通孔付焼成済みセラミック基板17を得る工程である。具体的には焼成済みセラミック基板15の素材としては、アルミナ、窒化アルミ、ガラスセラミック等が上げられる。焼成済みセラミック基板15の基板サイズは、一般に4インチサイズと言われる一辺4インチのサイズを使用した。本実施例での基板厚みは、0.8mmとした。貫通孔16のサイズは0.3mmφ、貫通孔16同士のピッチは1.27mmとし、貫通孔16は、レーザー加工で作製した。
【0020】
第2の工程20は、貫通孔付焼成済みセラミック基板17の貫通孔16に導体ペースト13を充填し、導体ペースト13の焼成温度で焼成して充填済みセラミック基板19を得る工程である。貫通孔16への導体ペースト13の充填は印刷工法で行った。印刷工法で使用する製版は0.1mmtのメタルマスクを使用した。導体ペースト13の焼成温度は850℃で行った。
【0021】
第3の工程23は、充填済みセラミック基板19の貫通孔16の両面に、表層導体21を形成した後、表層導体21の焼成温度で焼成し、表層導体付セラミック基板22を得る工程である。表層導体21の形成は、Agを主成分としたペーストを用いて、印刷工法で行った。また表層導体21の焼成は850℃で行った。
【0022】
第4の工程26は、表層導体21の表面にメッキ層24を形成し、セラミック基板25を得る工程である。メッキ層24は無電解のNi/Auメッキで形成した。
【0023】
図1の凝集物添加済み導体ペースト11を得る工程で説明したとおり、凝集物9の粒径と添加量とが、導体ペースト13を充填した貫通孔16内のボイドの発生に大きく関与する。以下、その詳細を説明する。
【0024】
図1の第2の工程10で得られた3種類の粒径をもつ凝集物9(20μm以下、20〜52μm及び52〜90μm)を第1の工程5で得られた混練済み導体ペースト4に加え、そのときの添加量を0から40wt%まで変化させた導体ペースト13を用意した。これらの導体ペースト13を使用して図2の製造方法で、充填済みセラミック基板19を作製した。この充填済みセラミック基板19の貫通孔16内のボイドの発生と印刷時の粘度との関係を次のように評価した。
【0025】
ボイドの有無の確認は、導体ペースト13の焼成後に、まず表面状態を目視確認で、内部状態をX線検査装置で確認した。目視及びX線検査で表面ボイド38及び内部ボイド29が確認されなかった基板は、○とした。目視で表面ボイド38が確認された基板は、×とした。目視では表面ボイド38は確認されなかったが、X線検査で内部ボイド29が確認された基板は××とした。また、印刷により、貫通孔内部へ導体ペーストによる充填ができない基板は、×××とした。尚、添加量で0wt%とは、混練済み導体ペースト4に凝集物9を添加していないものであり、従来混練済み導体ペースト4を意味する。
【0026】
凝集物9の粒径が20μm以下、20〜52μm、及び52〜90μmの場合の、添加量で0から40wt%に変化させたとき評価結果をそれぞれ表1、表2、及び表3に示す。
【0027】
【表1】

【0028】
【表2】

【0029】
【表3】

【0030】
表1の結果より、凝集物9の平均粒径が20μm以下では、添加量によらず、表面ボイド38の発生が見られるか、又は導体ペーストの印刷が出来なかった。すなわち、導体ペースト13の粘度が200〜500Pa・sの範囲では、表面ボイド38が発生しており、
導体ペースト13の粘度が600Pa・sの場合では、粘度が高すぎるため印刷が出来なかった。
【0031】
表2の結果より、凝集物9の平均粒径が20μmから52μmの範囲では、添加量によらず、導体ペースト13の粘度が600Pa・sになると、表1と同様に印刷が出来なかった。また、導体ペースト13の粘度が400〜500Pa・sの範囲では、添加量を10〜30wt%にすると、表面ボイド38の発生が無く良好であった。導体ペースト13の粘度が300Pa・sでは、添加量を20〜30wt%の範囲で、表面ボイド38の発生が無く良好であった。その他の範囲では、表面ボイド38の発生が見られた。
【0032】
表3の結果より、凝集物9の平均粒径が52μmから90μmの範囲では、添加量によらず、表面ボイド38の発生が見られるか、又は導体ペーストの印刷が出来なかった。すなわち、導体ペースト13の粘度が200〜500Pa・sの範囲では、添加量が5wt%までなら表面ボイド38が発生しており、それ以上の添加量では、内部ボイド29が見られた。導体ペースト13の粘度が600Pa・sになると、表1と同様に印刷が出来なかった。
【0033】
本発明によるボイドの発生を抑制できるメカニズムを、図3と4とを用いて説明する。図3に、図2で説明した製造工程での第2の工程20から第4の工程26における貫通孔の断面模式図を示す。
【0034】
第2の工程20は、貫通孔16内に印刷方法により導体ペースト13を貫通孔16に充填する工程である。導体ペースト13は、図1の第2の工程で作成された凝集物9を含んでいる。この凝集物9は図1の第2の工程10で熱処理による乾燥で内部の有機成分2がゲル化し、その後に固まるために金属粉末1同士が団塊を作る。この金属粉末団塊となった凝集物9は、凝集物添加済み導体ペースト11を溶剤3により粘度調整した導体ペースト13を作成しても、硬化した有機成分2は再溶解することなく、導体ペースト13の内部に残る。
【0035】
次の第2’の工程28は、導体ペースト13を乾燥した後の状態を示す。導体ペースト13を乾燥することで溶剤が揮発し、導体ペースト13体積が減少すると同時に、凝集物9と金属粉末1が矢印の様に中央に向かって移動しようとする。しかし凝集物9が大きな塊であるため、前記矢印方向の移動が阻害される、いわゆるブリッジング効果により貫通孔16内の導体ペースト13の表面に表面ボイド38が発生しない。
【0036】
第3の工程23では、貫通孔16の表面に表層導体21を形成する工程であるが、表面ボイド38,内部ボイド29が発生していないため、良好な接続が確保される。さらに第4の工程26では表層導体21の表面に、メッキ層24を無電解のNi/Auメッキで形成する工程であるが、表面ボイド38,内部ボイド29が発生していないために、表面ボイド38,内部ボイド29にNiメッキ液が侵入し残留することでAuメッキが形成されない状態(無メッキ)は発生することはない。無メッキが発生しないため、半田濡れ性を悪化させることもなく、また表面ボイド38,内部ボイド29にメッキ液、洗浄液等が溜まることで、後工程の部品実装や半田ボ−ル実装等のリフロ−時に、メッキ液や洗浄液等が気化して半田内部に空洞ができる不良(半田ボイド)の発生もない。
【0037】
ところが、導体ペースト13に添加された凝集物9の添加量や粒径によっては貫通孔16内部に内部ボイド29が発生する。表2で示したように、導体ペースト13に添加された凝集物9の粒径が20〜52μmの場合では凝集物9の添加量が40wt%になると、内部ボイド29が発生した。また、表3で示したように、凝集物9の粒径が52〜90μmの場合では凝集物9の添加量が10wt%以上では、内部ボイド29が発生した。このメカニズムを、図4を用いて説明する。
【0038】
図中の第2の工程20に示すように、貫通孔内での凝集物9の占める割合が大きくなる事により、凝集物9の間を埋める金属粉末1の割合が少なくなり、金属粉末1が疎の状態の部分27が発生する。この状態で、次の第2’の工程28の乾燥によって溶剤3が揮発すると、金属粉末1が疎の状態の部分27に内部ボイド29が発生する。一度生じた内部ボイド29は、表層導体21を形成する第3の工程23、及びメッキ層24を形成する第4の工程26においても、形状を保ったまま残存する。
【0039】
表1から表3で示したように、表面ボイド38や内部ボイド29が発生しない条件が凝集物9の添加量や粒径によって変化するのは、以上のメカニズムが働くからである。すなわち、凝集物9の添加量が少ないとブリッジング効果が見られずに表面ボイド38が発生し、凝集物9添加量が多いと凝集物9の間を埋める金属粉末1の割合が減ることにより貫通孔の内部ボイド29が発生する。したがって、凝集物9添加量は、適切な範囲がある。本発明では、凝集物9の適切な添加量は、導体ペースト全体の10〜30wt%の範囲にあった。
【0040】
また、凝集物9の粒径が小さいと、ブリッジング効果が見られずに表面ボイド38が発生する。一方、凝集物9の粒径が大きいと、凝集物9の間を埋める金属粉末1の割合が減ることにより貫通孔の内部ボイド29が発生する。したがって、凝集物9の粒径も適切な範囲でないといけない。本発明では、凝集物9の適切な平均粒径は、20〜52μmであった。
【0041】
次に、本発明の導体ペーストを用いることによる貫通孔16内の導体の抵抗値への影響について表4を用いて説明する。表4における導体ペースト13の凝集物9の添加量が0〜40wt%、導体ペースト13の粘度が200〜500Pa・sの範囲は、貫通孔11に印刷形成可能な範囲である。サンプルは、表2に示す凝集物9の添加量が0〜40wt%の場合の、充填済みセラミック基板19の貫通孔16内の導体ペースト13のボイドの状態と、導体ペースト13の凝集物9の添加量が0〜40wt%と印刷時の粘度との関係を評価した時と同一である。貫通孔16内の導体の抵抗値は、第3の工程23で作成した表層導体付セラミック基板22で、低抵抗計を用いて4端子法にて測定を行った。測定は、貫通孔16内の表面ボイド38,内部ボイド29の有無にかかわらず行った。
【0042】
【表4】

【0043】
測定の結果、表面ボイド38,内部ボイド29の発生が無い凝集物9の添加量が10〜15wt%で導体ペースト13の粘度が400〜500Pa・sと、凝集物9の添加量が20〜30wt%で導体ペースト13の粘度が300〜500Pa・sの範囲において、貫通孔16内の導体の抵抗値は0.6〜0.8mΩであるのに対して、表面ボイド38,内部ボイド29が発生しているその他の範囲も貫通孔16内の導体の抵抗値は0.6〜0.8mΩである。特に凝集物9を添加していない0wt%の場合でも、貫通孔16内の導体の抵抗値は0.6〜0.8mΩであり同等であるため、混練済み導体ペースト4に凝集物9を添加することによる貫通孔16内の導体の抵抗値への影響が無いことがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明にかかる導体ペースト及びその導体ペーストを用いたセラミック基板の製造方法は、導体ペーストが充填された貫通孔にボイドがないセラミック基板の製造に有用である。また本発明によって得られたセラミック基板は、特にボイドによって発生するメッキ不良や半田ボイドの低減に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態1に示す導体ペーストの製造工程図
【図2】本発明の実施の形態1に示すセラミック基板の製造工程図
【図3】本発明の実施の形態1に示すセラミック基板の製造工程の詳細図
【図4】本発明の実施の形態1に示すセラミック基板の製造工程の詳細図
【図5】従来の導体ペーストの製造工程図
【図6】従来のセラミック基板の製造工程図
【図7】従来のセラミック基板の製造工程の詳細図
【図8】特許文献1の導体ペーストの断面図
【符号の説明】
【0046】
1 金属粉末
2 有機成分
3 溶剤
4 混練済み導体ペースト
9 凝集物
11 凝集物添加済み導体ペースト
13 導体ペースト
15 セラミック基板
16 貫通孔
21 表層導体
24 メッキ
29 内部ボイド
38 表面ボイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を持つ金属粉末と有機成分及び溶剤を含有する導体ペーストにおいて、
前記金属粉末同士を前記有機成分にて結合させた平均粒径20〜52μmの金属凝集物を含む導体ペースト。
【請求項2】
前記金属凝集物は、前記導体ペースト全体の10〜30wt%の範囲にある請求項1に記載の導体ペースト。
【請求項3】
貫通孔を備えた焼成済みセラミック基板の前記貫通孔に導体ペーストを充填し焼成処理を行うセラミック基板の製造方法において、
前記導体ペーストは請求項1から2に記載の導体ペーストを用いるセラミック基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−27637(P2010−27637A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−183486(P2008−183486)
【出願日】平成20年7月15日(2008.7.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】