説明

導体用ペースト、ガラスセラミックス基板および電子部品モジュール

【課題】基板用誘電体への高い固着強度と高温高湿に対する耐久性とを有する導体を得ることができる導体用ペーストおよび前記導体を施したガラスセラミックス基板を提供する。
【解決手段】本発明に係る導体用ペーストは、導電成分と、添加剤と、有機ビヒクルとを含み、前記添加剤が、Cu、Mnの単体、Cu、Mnの少なくとも1つ以上を構成元素とする酸化物または化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含む添加剤と、ガラス成分とであることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低温焼成多層セラミックス(Low Temperature Co-fired Ceramics;LTCC)技術を用いた基板、電子部品の配線・端子などの導体部を形成するために用いられる導体用ペースト、ガラスセラミックス基板および電子部品モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
LTCC基板は、低損失の導体を用いて高い電気的特性を実現する一方、低温焼成が要求されるため、強度や靭性といった機械的特性が犠牲となる側面がある。アルミナ等を基材とする高温同時焼成セラミックス(High Temperature Co-fired Ceramics;HTCC)基板に比べ電気的特性は良好であるが、機械的強度は半分程度しかない場合が多い。
【0003】
LTCC基板用の誘電体は、ガラスを基材とし、目的に合うセラミックス粒子をフィラーとして添加して電気的特性や機械的特性を調整することが多い。
【0004】
そのため、従来、例えば、基板用誘電体に含まれるフィラーの形状を扁平にすることで、通常の粒子状フィラーを用いた場合と比較して、LTCCの高い電気的特性を損なうことなく、HTCCと同等の高強度・高靭性が得られるガラスセラミックス基板が提案されている(例えば、特許文献1、参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−100517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のようなガラスセラミックス基板では、平板状フィラーを用いた場合、LTCC基板が高強度となる一方で、基板表面に配置した電極などの導体の固着強度が低下する場合もある、という問題があった。また、高温高湿に十分な耐久性がない場合もあり、高温高湿環境下に放置すると固着強度はさらに低下するおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、LTCC基板用などの誘電体に対して高い固着強度と高温高湿に対する耐久性とを有する導体を得ることができる導体用ペーストおよび前記導体を有するガラスセラミックス基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る導体用ペーストは、導電成分と、添加剤と、有機ビヒクルとを含み、前記添加剤が、Cuの単体と、Mnの単体と、Cu、Mnの少なくとも1つ以上を構成元素とする酸化物と、Cu、Mnの少なくとも1つ以上を構成元素とする化合物とを含む群のうちの少なくとも1種と、ガラス成分とを含むことを特徴とする。導体用ペーストは、LTCC用の誘電体グリーンシート上にスクリーン印刷などの方法で所望の形状に配置される。焼成過程において、添加されたCuは誘電体側へ拡散し、一方、添加されたMnは導体と前記誘電体の界面に集まる傾向にある。焼成後、Cuは酸化物として存在し、導体から誘電体に拡散することで導体と誘電体との固着強度を向上させることができる。また、Mnが酸化物または化合物の形態で導体と誘電体との界面に存在することにより、高温高湿に対する耐久性を付与し、固着強度を安定化させることができる。これにより、高強度LTCC基板の誘電体に対する高い固着強度と高温高湿に対する耐久性とを兼ね備えた導体を作製することができる。
【0009】
本発明においては、Cuの含有量は、前記導電成分100質量%に対して、CuO換算で0.5質量%以上3.0質量%以下であり、Mnの含有量は、前記導電成分100質量%に対して、MnO2換算で0.5質量%以上3.0質量%以下であり、ガラス成分の含有量は、前記導電成分100質量%に対して、1.8質量%以上4.2質量%以下であることが好ましい。Cu、Mnおよびガラス成分の含有量を上記範囲内とすることで、更に導体と誘電体との高い固着強度と高温高湿に対する高い耐久性を安定して得ることができる。
【0010】
本発明においては、前記導電成分が、Ag、Au、Rh、PdおよびPtからなる群のうちの少なくとも1種を含むものであることが好ましい。導電成分として、上記群のうちの少なくとも1種を含むものを用いることで、焼成後、導体として有効に用いることができる。
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るガラスセラミックス基板は、表層の誘電体に配置された表面導体が、導電成分と、Cuの単体と、Mnの単体と、Cu、Mnの少なくとも1つ以上を構成元素とする酸化物と、Cu、Mnの少なくとも1つ以上を構成元素とする化合物を含む群のうちの少なくとも1種を含む添加剤と、ガラス成分とを含み、前記添加剤のCuは拡散して前記誘電体にも分布し、Mnは前記誘電体との界面に前記表面導体の表面側の濃度よりも高い濃度で含まれることを特徴とする。また、導体と前記誘電体との界面におけるMn濃度は、導体の表面側よりも高ければよく、特に限定されるものではない。ガラスセラミックス基板に含まれるCuは銅酸化物として存在し、誘電体側への拡散により導体と誘電体との固着強度を向上させる。また、ガラスセラミックス基板に含まれるMnは導体と誘電体との界面付近にMn酸化物または化合物として存在し、高温高湿に対する高い耐久性を与えることができる。これにより、導体と誘電体との固着強度が高くかつ劣化しにくい信頼性の高いガラスセラミックス基板とすることができる。
【0012】
本発明においては、導体用ペーストの導体粉末を100%としたときの前記添加剤に含まれるCu、Mnの量を単体換算の値とし、Cu拡散量指数、界面Mn量指数を下記式(1)、(2)で表した場合、前記誘電体へのCu拡散量指数が0.2以上0.8以下、界面付近における界面Mn量指数が0.2以上0.5以下であることが好ましい。
Cu拡散量指数=Cu添加量(%)×誘電体のCu分布比率・・・(1)
界面Mn量指数=Mn添加量(%)×界面±5μm内のMn分布比率・・・(2)
【0013】
これらの数値範囲を同時に満たす場合、Cuは誘電体に十分に拡散しており、Mnは導体と誘電体との界面に高い濃度で分布しており、高い固着強度と高温高湿に対する高い耐久性が同時に実現することができるため、ガラスセラミックス基板の信頼性を高めることができる。
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る電子部品モジュールは、上記いずれかに記載のガラスセラミックス基板を含むことを特徴とする。電子部品モジュールは、導体と誘電体との高い固着強度と、高温高湿に対する高い耐久性を有するガラスセラミックス基板を用いているため、高い信頼性を確保できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、誘電体に対して高い固着強度と高温高湿に対する耐久性とを有する導体を得ることができる。これにより、信頼性の高いガラスセラミックス基板および電子部品モジュールを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、導体を備えた基板の断面の電子顕微鏡像(SEM)である。
【図2】図2は、AgのEPMA像である。
【図3】図3は、CuのEPMA像である。
【図4】図4は、MnのEPMA像である。
【図5】図5は、SiのEPMA像である。
【図6】図6は、ガラスセラミックス多層基板を示す断面図である。
【図7】図7は、導体を備えた基板の断面の一部を示す図である。
【図8】図8は、界面からの距離と導体元素、Cu、Mnのカウント数の関係を模式的に示す説明図である。
【図9】図9は、導体用ペーストを用いて得られる導体が形成されたガラスセラミックス基板上に電子部品を実装した電子部品モジュールを示す図である。
【図10】図10は、ガラスセラミックス基板をマザー基板上に実装した電子部品モジュールを示す図である。
【図11】図11は、試験片を示す図である。
【図12】図12は、樹脂基板を示す図である。
【図13】図13は、導体の固着強度の試験方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態(以下、実施形態という)及び実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための実施形態及び実施例により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態及び実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態及び実施例で開示した構成要素は適宜組み合わせてもよいし、適宜選択して用いてもよい。
【0018】
<導体用ペースト>
本実施形態に係る導体用ペーストは、導電成分と、添加剤と、有機ビヒクルとを含むものであり、前記添加剤は、Cu、Mnの単体、Cu、Mnの少なくとも1つ以上を構成元素とする酸化物または化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含む添加剤と、ガラス成分とであることを特徴とする。
【0019】
導電成分は、銀(Ag)、金(Au)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)および白金(Pt)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものである。導電成分は、上記群の何れか1つの金属を用いても良いし、上記群の何れか1つを含む合金を用いてもよい。導電性、コスト、耐食性の観点から、Agを用いるのが好ましい。また、導電体の抵抗値やはんだ食われ性のコントロール等のために、導電成分として、Agに加えて、例えばPd、Pt、AuまたはRh等の導電性金属が含まれていてもよい。これらPd、AuおよびRhの少なくとも1種は、銀との合金の形態で添加されてもよいし、Ag粉末とは別の粉末または有機金属の形態により添加されたりすることができる。
【0020】
導電成分として含まれる導電性金属粉末の平均粒子径は、焼結時における導体用ペーストの収縮により発生する電極表面の亀裂や裂けを防止し、導電成分の分散性を維持しつつ、安定した強度を図る観点から、20μm以下であることが好ましく、より好ましくは、0.1μm以上10μm以下であり、最も好ましくは0.1μm以上6μm以下である。また、導電性金属粉末は、平均粒子径が互いに異なるもの、あるいは箔状粉末などの形状の互いに異なるものを2種以上混合して用いてもよい。
【0021】
添加剤は、Cu、Mnの単体、Cu、Mnの少なくとも1つ以上を構成元素とする酸化物または化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含む添加剤と、ガラス成分とを含むものである。
【0022】
焼成の過程で、添加されたCuは導体から誘電体へ拡散し、一方、添加されたMnは導体と誘電体との界面に集まる傾向にある。LTCC用誘電体グリーンシートに導体用ペーストを印刷し、焼成して作製した基板(誘電体)の断面と、その断面における構成元素の一部であるAg、Cu、Mn、Siの分布の一例を図1〜図5に示す。図1は、導体を配置した基板の断面の電子顕微鏡像(SEM)であり、図2は、AgのEPMA像であり、図3は、CuのEPMA像であり、図4は、MnのEPMA像であり、図5は、SiのEPMA像である。図1における導体の断面には、図2に示すように、Agが高濃度で分布している。また、図3、4に示すように、Cuは誘電体内部に拡散しており、一方、Mnは誘電体にはほとんど拡散せず、導体と誘電体との界面に集中分布していることが確認される。また、Mnの集中している界面部分でも、場所によってMn濃度に濃淡が認められることから、ガラス成分との反応物を生成している可能性もある。なお、図1〜図5に示した各成分は空気中900℃で焼成して得られたものであり、Cu、Mnはともに酸化物の状態にあると考えられる。
【0023】
ペーストに添加されたCuは、焼成後には主として酸化物として存在し、誘電体側に拡散することにより導体と誘電体との固着強度を向上させることができる。しかしながらCuを添加しただけでは高温高湿に対する耐久性が小さく、プレッシャークッカー試験などの過酷な高温高湿環境では固着強度は劣化しやすい。高温高湿に対する耐久性は、添加したMnが界面付近に集中して存在することで得られる。例えばMn酸化物やMn化合物などが界面に生成することで耐水性などが付与され、固着強度の劣化を抑制すると考えられる。
【0024】
さらに、高温高湿環境下における耐久性を付与すると考えられるMn酸化物やMn化合物に、ガラスの成分(Si、B、アルカリ土類元素のうちの少なくとも1種)が含まれることが考えられる。
【0025】
このため、導体用ペーストにCu、Mnおよびガラス成分を適量含めることで、高強度LTCC基板の誘電体への高い固着強度と高温高湿に対する耐久性を有する導体を作製することができる。
【0026】
Cu、Mnは、単体として導体用ペーストに含まれていてもよいが、Cu、Mnの酸化物として含まれていることが好ましい。Cu、Mnを酸化物の形態で含めることで、導体用ペーストを焼成する際に、Agと反応して化合物等を生成するおそれがなくなる。このため、Cu(Cuイオン)が誘電体へ効率的に拡散し、Mn(Mnイオン)が導体と誘電体との界面により効率よく集中することが可能となるため、高強度LTCC基板の誘電体への固着強度を高めることができると共に、高温高湿に対する耐久性を有する導体とすることができる。
【0027】
Cuの含有量は、前記導電成分100質量%に対して、CuO換算で0.5質量%以上3.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは、1.0質量%以上2.5質量%以下であり、さらに好ましくは、1.0質量%以上2.0質量%以下である。Cuの含有量を上記範囲内とすることで、誘電体と電極との固着強度を更に向上させることができる。
【0028】
Mnの含有量は、前記導電成分100質量%に対して、MnO2換算で0.5質量%以上3.0質量%以下であることが好ましく、より好ましくは、1.0質量%以上2.5質量%以下であり、さらに好ましくは、1.0質量%以上2.0質量%以下である。Mnの含有量を上記範囲内とすることで、高温高湿に対する耐久性を高め、導体と誘電体との固着強度を更に安定化させることができる。
【0029】
ガラス成分は、焼成時に融解して金属である導体とセラミックスである誘電体との密着力を向上させることを目的として使用される結合剤であり、Si、B、アルカリ土類元素のうちの少なくとも1種以上を含む。ガラス成分の含有量は、導電成分100質量%に対して、1.8質量%以上4.2質量%以下であることが好ましく、より好ましくは、1.5質量%以上4.0質量%以下であり、さらに好ましくは、2.5質量%以上3.5質量%以下である。
【0030】
また、ガラス成分の平均粒子径は特に限定されないが、0.3μm以上5.0μm以下とするのが好ましい。平均粒径が5.0μmより大きいと、導電成分とガラス成分との分散性が悪くなる。また、平均粒径が0.3μmよりも小さいと、二次凝集を起こし、ガラス成分自体の分散性が低下するため、焼結が不均一となる場合がある。そのため、ガラス成分を上記範囲内で使用することにより、偏析しにくく、また導体用ペースト中での分散性にも優れるため、高い導電性を得ることができる。
【0031】
また、本実施形態に係る導体用ペーストにおいて使用される有機ビヒクルは、樹脂と溶剤との混合物であり、導電成分とガラス成分とをペースト化するためのものである。有機ビヒクルは、導電成分とガラス成分とを均一に混合した状態を維持し、導体用ペーストを誘電体グリーンシートへ塗布する際に、導体用ペーストを均質にし、塗布パターンのにじみや流れを抑え、基板からの導体用ペーストの版抜け性や版離れ性を良くする特性を必要とする。
【0032】
そのため、これらの特性を維持する観点から、有機ビヒクルは、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド系樹脂などを溶剤に溶解したものを好適に用いることができる。具体的には、エチルセルロース、ニトロセルロース、ポリビニルブチラール、メタクリル樹脂等を用いることができ、安全性、安定性等の観点から、エチルセルロースが特に好ましい。また、これらの樹脂を混合して使用することもできるが、上述の特性を維持する観点から、有機ビヒクルを構成する溶剤に溶解される樹脂の構成成分として、エチルセルロースを樹脂成分の合計値に対して60質量%以上含有することが好ましく、80質量%以上100質量%以下がより好ましい。
【0033】
また、導体用ペーストの粘度、または粘度比の調整は、有機ビヒクルを構成する樹脂や溶剤により調整することができる。
【0034】
溶剤としては、樹脂が可溶であり、ペーストを塗布する誘電体グリーンシートに対して非腐食性であり、かつ、揮発性の低いものを用いると、耐乾燥性が向上し、印刷作業性が良くなる。よって、これらの特性を維持する観点から、ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテート、ターピネオール、ジヒドロターピネオールアセテート、ブチルカルビオール、オクタンジオール、テキサノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、フタル酸ジエチル等の有機溶媒が好適である。また、スクリーン印刷でパターンを形成する際には、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ターピネオール等の、沸点が200℃以上で、揮発しにくいものが好ましい。このような沸点の高い溶剤を使用することにより、例えば、配線パターンを形成する際に、導体用ペーストの耐乾燥性が向上し、スクリーン版の目詰まりを起こしにくくなるため、連続印刷を行う際にも配線パターンの形成精度を向上させることが可能になる。
【0035】
なお、導体用ペースト全体に対する有機ビヒクルの含有量は特に制限されず、スクリーン印刷等の印刷方法に応じて、適宜調整することが可能である。例えば、スクリーン印刷により配線パターンを描く場合においては、有機ビヒクルとして、分子量10000〜20000のエチルセルロースをジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等に5質量%以上20質量%以下溶解したものを好適に使用することができる。
【0036】
また、本実施形態においては、導体用ペーストのレオロジーを調整するために、従来、導体用ペーストに用いられているチクソトロピー剤、レベリング剤、可塑剤等の各種添加剤を使用することができる。例えば、スクリーン印刷等により連続印刷を行う際には、耐乾燥性が重要な特性となるが、可塑剤を添加することにより、耐乾燥性を向上させることができる。
【0037】
このように、本実施形態に係る導体用ペーストによれば、添加剤として、Cu、Mnの単体、Cu、Mnの少なくとも1つ以上を構成元素とする酸化物または化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含む添加剤およびガラス成分を含んでいるため、板状フィラーを用いた高強度LTCC基板など基板の誘電体に対して高い固着強度と高温高湿に対する耐久性とを有する導体を得ることができる。
【0038】
本実施形態に係る導体用ペーストは、例えば、基板(ガラスセラミックス基板、マザー基板等)の上に、劣化し難く強い固着強度を有する信頼性の高い配線や電極等の電気回路を形成する場合に好適に使用される。より具体的には、本発明の導体用ペーストを、従来、公知の印刷方法(特に、好ましくはスクリーン印刷法)により、誘電体グリーンシート上に所望の形状に印刷し、焼成することにより誘電体と導体を焼結、固着させて、誘電体上に所望の配線や電極等の電気回路が形成された配線基板を得ることができる。
【0039】
次に、本実施形態に係る導体用ペーストをガラスセラミックス多層基板の導体、電子部品の電極等としても用いた場合について説明する。
【0040】
<ガラスセラミックス基板>
導体用ペーストを用いて得られる導体を含むガラスセラミックス多層基板について説明する。図6は、ガラスセラミックス多層基板を示す断面図である。図6に示すように、ガラスセラミックス多層基板10は、誘電体層11a、11b、11c及び11dをこの順に積層した積層構造と、内部導体12と、表面導体13と、ビア導体14とを有する。内部導体12は、隣り合う誘電体層11a〜11d同士の間に設けられている。表面導体13は、表層である誘電体層11a及び11dのガラスセラミックス多層基板の表面に設けられている。ビア導体14は、内部導体12及び表面導体13を電気的に導通している。
【0041】
内部導体12、表面導体13およびビア導体14の材料として、本実施形態に係る導体用ペーストが用いられている。本実施形態に係る導体用ペーストは、添加剤として含まれるCu、Mnおよびガラス成分を含んでいる。そのため、導体用ペーストを焼成して得られる導体(内部導体12、表面導体13およびビア導体14)は、誘電体層11a〜11dとの高い固着強度と高温高湿に対する耐久性を有する。
【0042】
添加剤のCuは誘電体層11a〜11dに拡散している。また、Mnは誘電体層11a〜11dと導体(内部導体12、表面導体13およびビア導体14)との界面で高濃度となっている。また、Mnが誘電体層11a、11dと表面導体13との各界面に含まれる量は、表面導体13の表面側よりも多ければよく、特に限定されるものではない。
【0043】
ガラスセラミックス多層基板10の表面における導体と誘電体におけるCu、Mnの分布について述べる。導体用ペーストの導体粉末を100%としたときの添加剤に含まれるCu、Mnの量を単体換算の値とし、Cu拡散量指数、界面Mn量指数を下記式(1)、(2)で表す。誘電体層11a、11dと表面導体13との各界面付近において、表面導体13から誘電体層11a、11d側への各Cu拡散量指数は0.2以上0.8以下であることが好ましく、より好ましくは、0.3以上0.8以下、さらに好ましくは0.5以上0.8以下である。各界面Mn量指数は0.2以上0.5以下であることが好ましく、より好ましくは0.25以上0.5以下、さらに好ましくは0.3以上0.5以下である。
Cu拡散量指数=Cu添加量(%)×誘電体のCu分布比率・・・(1)
界面Mn量指数=Mn添加量(%)×界面±5μm内のMn分布比率・・・(2)
【0044】
Cuが誘電体層11a、11d、Mnが表面導体13と誘電体層11a、11dとの界面に上記範囲内で分布することで、更に安定して誘電体層11a、11dと表面導体13との固着強度を向上させ、かつ高温高湿に対する耐久性を付与することができる。
【0045】
また、本実施形態に係る導体用ペーストは表面導体13のみの作製に用いてもよいが、本実施形態に係る導体用ペーストは、内部導体12、表面導体13、ビア導体14の少なくとも1つを作製するために用いてもよい。
【0046】
また、Cu拡散量指数、界面Mn量指数は、例えば、以下の方法により求めることができる。解析対象となる表面導体13と誘電体層11aおよび誘電体層11dの界面の断面を出し、波長分散型蛍光X線分析装置(Wave Length-dispersive X-ray Spectroscopy;WDX)を用い、断面の各位置における導体元素、Cu、Mnの蛍光X線のカウント数を求め、バックグランドを差し引いて、導体元素、Cu、Mnの各々のカウント数を求める。
【0047】
図7は、導体15を備えた誘電体16の断面の一部を示す図である。図8は、界面17からの距離(深さ)と導体元素、CuおよびMnのカウント数の関係を模式的に示す説明図である。図8中、距離は、導体15の表面18から誘電体16の深さ方向を示す。また、導体元素としては、例えば、Ag、Au、Rh、PdおよびPtからなる群のうちの少なくとも1種を含む導電成分が挙げられる。図8に示すように、導体元素の位置とカウント数の関係から、図7に示す導体15と誘電体16との界面17の位置および導体15の表面18の位置を決定する。界面17の位置は、導体15における導体元素のカウント数の高さの真ん中のカウント数を示す位置とする。また、導体15の表面18の位置は、カウント数が0から立ち上がり始めた位置とする。
【0048】
次いで、界面位置からの距離ごとに、幅(距離方向に垂直)方向で積算したカウント数の関係を求める。すなわち、ある距離(深さ)のカウント数は、同じ距離(深さ)の幅方向の各データの和とする。これは積算によって偏析物などの影響を平均化するためである。積算の幅は20μm以上100μm以下が望ましく、電極の幅より短く、かつなるべく広い範囲が望ましい。また、界面からの距離(深さ)の範囲は、少なくともCu、Mnの各カウント数がバックグランドレベルに到達する範囲とする必要があるが、界面から30μm以上100μm以下の深さまでカバーできることが望ましい。なお、測定のステップは、深さ方向、幅方向共に0.5μm程度が望ましい。
【0049】
Cu拡散量指数は、図8のCuカウント数の曲線の領域Aのカウント数(斜線部面積)をCuの総カウント数(Cuカウント数曲線と距離軸の囲む面積)で除したもの〔誘電体のCu分布比率〕と、導体用ペーストへのCu単体換算での添加量[Cu添加量(%)]との積で求められる。
【0050】
界面Mn量指数は、Mnのカウント数曲線の領域Bのカウント数(斜線部面積)をMnの総カウント数(Mnカウント数曲線と距離軸の囲む面積)で除したもの〔界面±5μm内のMn分布比率〕と、導体用ペーストへのMn単体換算での添加量[Mn添加量(%)]との積で求められる。
【0051】
よって、ガラスセラミックス多層基板10は、内部導体12、表面導体13およびビア導体14に本実施形態に係る導電性ペーストを用いて得られるものであるため、高い信頼性を確保することができる。
【0052】
<電子部品モジュール>
導体用ペーストを用いて得られる導体を含むガラスセラミックス多層基板上に電子部品を実装した電子部品モジュールについて説明する。図9は、導体用ペーストを用いて得られる導体が形成されたガラスセラミックス基板上に電子部品を実装した電子部品モジュールを示す図である。図9に示すように、電子部品モジュール20は、ガラスセラミックス多層基板10と、表面実装部品21、22とを有するものである。また、ガラスセラミックス多層基板10は、上述のように、ガラスセラミックス多層基板10に設けられる内部導体12、表面導体13およびビア導体14に本実施形態に係る導体用ペーストを用いて得られるものである。
【0053】
表面実装部品21、22は、ガラスセラミックス基板11dの上方主面上に搭載される。表面実装部品21は、例えばチップコンデンサであり、ガラスセラミックス基板11dの外表面上に位置する表面導体13にはんだ23を介して電気的に接続される。表面実装部品22は、例えば半導体チップであり、ガラスセラミックス基板11dの外表面上に位置する表面導体13にはんだバンプ24を介して電気的に接続される。
【0054】
表面導体13の材料として、上述のように、本実施形態に係る導体用ペーストが用いられている。本実施形態に係る導体用ペーストは、添加剤として含まれるCu、Mnを含んでいる。そのため、導体用ペーストを焼成して得られる表面導体13は、表面実装部品21、22との高い固着強度と高温高湿に対する耐久性とを有する。
【0055】
よって、電子部品モジュール20は、表面導体13に本実施形態に係る導体用ペーストを用いて得られるものであるため、ガラスセラミックス多層基板10への高い固着強度と高温高湿に対する耐久性を有するため、高い信頼性を確保できる。
【0056】
また、表面実装部品21、22は、表面導体13に代えて特定の内部導体12の端面(表面に露出した部分)と電気的に接続するようにしてもよい。
【0057】
図10は、ガラスセラミックス基板をマザー基板上に実装した電子部品モジュールを示す図である。図10に示すように、ガラスセラミックス多層基板10は、マザー基板31上に実装される。ガラスセラミックス多層基板10の内部導体12、表面導体13およびビア導体14を本実施形態に係る導体用ペーストを用いて形成している。ガラスセラミックス多層基板10は、ガラスセラミックス多層基板10の下方主面上に形成された表面導体13が、はんだ32を介してマザー基板31上の導電ランド33に電気的に接続される。
【0058】
よって、電子部品モジュール20は、ガラスセラミックス多層基板10の内部導体12、表面導体13およびビア導体14についても本実施形態に係る導体用ペーストを用いて形成しているため、マザー基板31に対しても高い固着強度と高温高湿に対する耐久性を有することができるため、高い信頼性を確保できる。
【実施例】
【0059】
以下、本実施形態に係る発明を実施例および比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本実施形態に係る発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0060】
<試料の作製>
ドクターブレード法でLTCC用の誘電体グリーンシートを作製し、適当な大きさの長方形に切断し、成形体(12mm×12mm×0.8mm)を得た。そして、表層用シートにのみ導体用ペーストを用いて固着強度試験用の導体パターンをスクリーン印刷した。1枚の成形体から複数の試験片が得られるように複数の試験用電極パターンを配置した。その後、積層体の少なくとも片方の表面に印刷された電極が配置されるように積層し、成形、焼成を順次行った。焼成後、電極にめっきを施し、図11に示すような試験片40を作製した。図11に示すように、試験片40の中央部分に正方形の4隅と各辺の真ん中に計8個の円形の表面電極41が配置されており、表面電極41の直径は約0.8mm、隣接する電極の中心間の距離はいずれも約1.2mmである。
【0061】
次に、ガラスエポキシ基板に試験片40を搭載した。図12に示すように、樹脂基板42は、試験片40と同じ形状、位置に導体用ペーストを用いて電極パターンをスクリーン印刷し、電極パターンを配置した。樹脂基板42は、試験片40と同様の位置に電極43が配置され、電極43が配列されて形成された正方形の中央部分に貫通孔44を有する。なお、樹脂基板42の厚さは1.2mmである。樹脂基板42の電極43にクリームはんだを塗布後、試験片40と樹脂基板42の電極同士をリフロー炉ではんだ接合し、試料を得た。
【0062】
導体用ペーストを作製するに用いた銅酸化物(CuO)、マンガン酸化物(MnO2)およびガラスの各成分の配合量を表1、2に示す。
【0063】
<導体用ペーストの評価>
得られた試料を用いて導体用ペーストから得られた電極の固着強度、高温高湿に対する耐久性(高温高湿耐性)を評価した。
(固着強度の測定方法)
図13は、電極の固着強度の試験方法を説明するための図である。図13に示すように、電極の固着強度の試験方法は、15mmの間隔の支点45の上に試験片40の搭載面を下にして樹脂基板42を置き、搭載面の反対側から貫通孔44を通して試験片40を指圧部材46で押した。その際、指圧部材46の下降速度10mm/分で押していき、樹脂基板42と試験片40の接合部47が破壊される瞬間の荷重値を計測し、固着強度とした。なお、初期の固着強度は樹脂基板42に試験片40を搭載してから1日以内に測定した。
【0064】
(高温高湿耐性)
試料をプレッシャークッカー試験機内(121℃、2気圧、相対湿度96%)に60時間放置した後、上記と同様にして固着強度を測定し、初期の固着強度と比較することで高温高湿耐性を調べた。
【0065】
(Cu拡散量指数、界面Mn量指数の評価)
(元素分布の測定と解析)
焼成後の試験片を樹脂埋めし、試験片の表裏面に垂直で表面導体の中央を含む断面を出して研磨した。研磨した試験片を用い波長分散型蛍光X線分析装置(WDX)で100μm×100μmの視野におけるAg、Cu、Mnの元素分布を測定した。視野は、表面電極の電極表面と電極/誘電体界面および表面電極と基板との界面から80μm程度までの誘電体を含むようにし、電極/誘電体界面が、視野内で水平になるようにした。視野内を縦横共に0.5μm間隔で位置を変え、縦200×横200の各測定点で、各元素の蛍光X線のカウント数を測定した。
【0066】
表面導体の表面から誘電体側への距離(深さ)方向の位置と各元素のカウント数を求めるにあたり、偏析物やポアの影響を平均化して軽減するために、視野の同じ高さの測定値の総和をその高さ(深さ)のカウント数とした。
【0067】
Agの表面からの深さとカウント数の関係は、表面電極の存在する位置で高くなる台形型となり、表面電極の表面側のAgの分布の立ち上がり位置を表面電極の表面の位置とした。また、Agのカウント数が導体から誘電体に向かって減少する領域においてAgカウント数が最大値の1/2を示す位置(台形の斜面の中点)を、表面電極と誘電体の界面とした。以後、表面の位置から誘電体の一番下までを解析範囲とした(図8参照)。
【0068】
Ag、Cu、Mnのいずれにおいても、界面から50μm以上はなれた位置では明らかに分布が平坦であると判断されたので、界面から50μm以上離れた位置のカウント数の平均値をバックグランドレベルとした。バックグランドレベルを差し引いたカウント数のデータを各元素ごとに作成し、Cu拡散量指数、界面Mn量指数の算出に用いた。
【0069】
各試料において得られた固着強度、高温高湿耐性の測定結果を表1〜3に示す。また、試料1〜24については、Cu拡散量指数、界面Mn量指数の測定結果を表1に示す。
【0070】
【表1】

【0071】
【表2】

【0072】
【表3】

【0073】
表1、2に示すように、CuO、MnO2、ガラスの各成分の配合量を所定量とすることで、固着強度は40とすることができ、変化率は40%以下に抑えられた(試料8、11〜17、19、22、26〜28参照)。また、CuO、MnOの添加量を増やすと、Cu拡散量指数、界面Mn量指数も増大する傾向にあった。しかしながら、CuO、MnOの添加量が共に1.5%付近を超えても、Cu拡散量指数および界面Mn量はそれ以上増加しない傾向にあり、過剰なCu、Mnは化合物を形成するなどして導体金属中に偏析し、強度低下の原因になると考えられる。よって、導体用ペーストに添加剤として加えられるCuO、MnO2、ガラスの各成分の配合量を所定量とすることで、電極の固着強度を高くすることができると共に、高温高湿に対する耐久性を有することができるといえる。
【0074】
また、CuO、MnO2を配合量を固定したとき、ガラスの配合量が少なすぎるまたは多すぎると、固着強度は低くなり、高温高湿状態における耐性も低くなった(試料25、29)。よって、導体用ペーストに添加剤としてガラスは、CuO、MnO2の各成分の配合量に応じて所定の好適な量を配合することで、電極の固着強度を高くすることができると共に、高温高湿に対する耐久性を有することができるといえる。
【0075】
表3に示すように、試料1は、フィラー形状が扁平のLTCC基材(誘電体)に用いた場合には、固着強度は低くなり、高温高湿状態における耐性も低くなった。一方、試料14は、フィラー形状が異なるどちらの場合においても、固着強度は高く、高温高湿状態における耐性も高かった。よって、導体用ペーストに添加剤としてCuO、MnO2、ガラスを含んでいれば、フィラー形状に関わらず電極の固着強度を高くすることができると共に、高温高湿に対する耐久性を有することができるといえる。
【0076】
よって、導体用ペーストに添加剤としてCuO、MnO2、ガラスを所定量含むことで、固着強度が高く、高温高湿に対する耐久性を有する電極を得ることができることが判明した。
【符号の説明】
【0077】
10 ガラスセラミックス多層基板
11a〜11d ガラスセラミックス基板
12 内部導体
13 表面導体
14 ビア導体
15 導体
16 誘電体
17 界面
18 表面
20 電子部品モジュール
21、22 表面実装部品
23、32 はんだ
24 はんだバンプ
31 マザー基板
33 導電ランド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電成分と、添加剤と、有機ビヒクルとを含み、
前記添加剤が、Cuの単体と、Mnの単体と、Cu、Mnの少なくとも1つ以上を構成元素とする酸化物と、Cu、Mnの少なくとも1つ以上を構成元素とする化合物とを含む群のうちの少なくとも1種と、
ガラス成分とを含むことを特徴とする導体用ペースト。
【請求項2】
Cuの含有量は、前記導電成分100質量%に対して、CuO換算で0.5質量%以上3.0質量%以下であり、
Mnの含有量は、前記導電成分100質量%に対して、MnO2換算で0.5質量%以上3.0質量%以下であり、
前記ガラス成分の含有量は、前記導電成分100質量%に対して、1.8質量%以上4.2質量%以下である請求項1に記載の導体用ペースト。
【請求項3】
前記導電成分が、Ag、Au、Rh、PdおよびPtからなる群のうちの少なくとも1種を含むものである請求項1または2に記載の導体用ペースト。
【請求項4】
表層の誘電体に配置された表面導体が、
導電成分と、
Cuの単体と、Mnの単体と、Cu、Mnの少なくとも1つ以上を構成元素とする酸化物と、Cu、Mnの少なくとも1つ以上を構成元素とする化合物を含む群のうちの少なくとも1種を含む添加剤と、
ガラス成分とを含み、
前記添加剤のCuは前記誘電体に拡散して分布し、Mnは前記誘電体との界面に前記表面導体の表面側の濃度よりも高い濃度で含まれることを特徴とするガラスセラミックス基板。
【請求項5】
導体用ペーストの導体粉末を100%としたときの前記添加剤に含まれるCu、Mnの量を単体換算の値とし、Cu拡散量指数、界面Mn量指数を下記式(1)、(2)で表した場合、
前記誘電体へのCu拡散量指数が0.2以上0.8以下、界面付近における界面Mn量指数が0.2以上0.5以下である請求項4に記載のガラスセラミックス基板。
Cu拡散量指数=Cu添加量(%)×誘電体のCu分布比率・・・(1)
界面Mn量指数=Mn添加量(%)×界面±5μm内のMn分布比率・・・(2)
【請求項6】
請求項4または5に記載のガラスセラミックス基板を含むことを特徴とする電子部品モジュール。

【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−221765(P2012−221765A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86897(P2011−86897)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】