説明

導電性インキ組成物

【課題】良好な微細線幅の導電性パターンを形成することができる導電性インキ組成物、該導電性インキ組成物を用いて、良好な微細線幅の導電性パターンを簡便に印刷することができる印刷方法、及び該印刷方法により印刷された印刷物を提供する。
【解決手段】(A)分子中に分岐単位と水酸基とを有するポリエステル樹脂と、(B)硬化剤と、(C)導電性粉と、(D)希釈剤と、を含み、前記ポリエステル樹脂(A)が、前記希釈剤(D)に溶解性を有するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性インキ組成物、印刷方法及び印刷物に関し、より詳しくは、良好な微細線幅の導電性パターンを形成することができる導電性インキ組成物、該導電性インキ組成物を用いた印刷方法、該印刷方法により印刷された印刷物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、グラビア印刷用やグラビアオフセット印刷用の導電性インキとして、種々のバインダー樹脂と導電性粉末を含む導電性インキが開発されている。例えば、特許文献1及び2は、バインダー樹脂としてアクリル系樹脂を開示しており、特許文献3は、バインダー樹脂としてエチルセルロース樹脂とテルペン樹脂との混合樹脂を記載しており、特許文献4は、エチルセルロース樹脂とロジンエステル樹脂との混合樹脂を記載している。
【0003】
しかしながら、従来のグラビア印刷用及びグラビアオフセット印刷用の導電性インキは、いずれもプリント配線基板、コンデンサー、電磁波シールド等の電気、電子用途において、細線のきれいなパターンを簡便に形成することは困難であった。
【特許文献1】特開2006−282982号公報
【特許文献2】特開平9−59553号公報
【特許文献3】特開2005−126505号公報
【特許文献4】特開2005−97326号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、良好な微細線幅の導電性パターンを形成することができる導電性インキ組成物、該導電性インキ組成物を用いて、良好な微細線幅の導電性パターンを簡便に印刷することができる印刷方法、及び該印刷方法により印刷された印刷物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の導電性インキ組成物は、(A)分子中に分岐単位と水酸基とを有するポリエステル樹脂と、(B)硬化剤と、(C)導電性粉と、(D)希釈剤と、を含み、前記ポリエステル樹脂(A)が、前記希釈剤(D)に溶解性を有することを特徴とする。
【0006】
前記希釈剤(D)が、非極性炭化水素溶剤、エーテル系溶剤、テレピン系溶剤及び植物油からなる群から選択される1種以上であることが好ましく、前記非極性炭化水素溶剤のアニリン点が14℃〜65℃であることがより好ましい。
【0007】
前記(B)硬化剤が、ブロックポリイソシアネート化合物であることが好ましく、前記(B)硬化剤が、脂肪族炭化水素系イソシアヌレートから誘導されることがより好適である。
【0008】
前記(A)ポリエステル樹脂が、不乾性油を原料に含むことが好ましい。また、前記(A)ポリエステル樹脂が、パラターシャリーブチル安息香酸を原料に含むことが好ましい。また、前記(A)ポリエステル樹脂が、長鎖の炭化水素ポリオール又は脂環式炭化水素ポリオールを原料に含むことが好ましい。
【0009】
前記(C)導電性粉が、平均粒径が5nm以上5μm以下の金属粉であることが好ましい。また、前記(C)導電性粉が、銀粉であることが好ましく、前記銀粉が、球状粒子であることがより好ましい。
【0010】
本発明の導電性インキ組成物は、25℃における粘度が、20,000mPa・s以上300,000mPa・s以下であることが好ましい。
【0011】
本発明の印刷方法は、本発明の導電性インキ組成物を用いて、グラビア印刷機又はグラビアオフセット印刷機によりプラスチックフィルム、セラミックフィルム又はプレートに印刷することを特徴とする。
【0012】
本発明の印刷方法において、印圧700〜2,000kg/m、印刷スピード1〜20m/分で印刷することが好ましい。
【0013】
本発明の印刷物は、本発明の印刷方法により印刷されたことを特徴とする。
【0014】
本発明のプリント配線基板は、本発明の導電性インキを用いたことを特徴とする。
本発明のコンデンサーは、本発明の導電性インキを用いたことを特徴とする。該コンデンサーとしては、例えば、セラミックコンデンサーが挙げられる。
本発明の電磁波シールドは、本発明の導電性インキを用いたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、プリント配線基板、コンデンサー、電磁波シールド等の電気、電子用途において、細線のきれいなパターンを簡便に形成することができる。
【0016】
本発明の導電性インキ組成物は、グラビア印刷用及びグラビアオフセット印刷用の導電性インキとして特に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、これらは例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
【0018】
本発明の導電性インキ組成物は、(A)ポリエステル樹脂、(B)硬化剤、(C)導電性粉、及び(D)希釈剤を必須成分として含む導電性インキ組成物であり、前記(A)ポリエステル樹脂としては、分子中に分岐単位を有し且つ硬化架橋に有効な官能基として水酸基を有し、且つ前記(D)希釈剤に対して溶解性を有するものが用いられる。
【0019】
前記(A)ポリエステル樹脂は、具体的には、多価アルコール、及び多塩基酸と1塩基酸である脂肪酸などを原料に用い、窒素ガスなどの不活性な大気圧雰囲気下、攪拌、加熱、反応縮合水を除去して調製される。
【0020】
前記多価アルコールとしては、3価又は4価などの多価アルコールが分岐単位の付与に有効である。該3価又は4価などのアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
また、鎖延長に有効な2価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルアルコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどの脂肪族アルコール、1,4―ジヒドロキシシクロヘキサン1,4−ビス(ヒロキシメチル)−シクロヘキサンなどの脂環式アルコール等が挙げられる。
また、長鎖の炭化水素ポリオール又は脂環式炭化水素ポリオールは、非極性炭化水素溶剤に対する溶解性の付与に有効であり、特に好ましい。長鎖の炭化水素ポリオールとしては、長鎖の2価アルコールが好ましく、例えば、12−ヒドロキシステアリルアルコール、オレイルアルコールなど不飽和アルコールの2量化によって生成するダイマーアルコール、3量化によって生成するトリマーアルコール、及びそれらの水素添加物が挙げられる。また、脂環式炭化水素ポリオールとしては、4,4’−ビス−(ヒドロキシシクロヘキシル)−2,2’−プロパン(通称、水添ビスフェノールA)などが挙げられる。
以上の多価アルコールにおいて、3価、4価などの多価アルコールは樹脂生成過程において分岐鎖を生成するため生成樹脂の高分子化が容易であり、所望の分子量を有するポリエステル樹脂を容易に生成することができる。
【0021】
前記多価アルコールの配合割合は特に制限はないが、前記(A)ポリエステル樹脂の全樹脂原料に対して15〜45重量%が好ましい(ただし、植物油中に含まれるグリセリンは除く)。これら多価アルコールは1種のみでもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0022】
前記多塩基酸及び一塩基酸はいずれか一方のみ用いてもよく、併用してもよい。
前記多塩基酸としては、例えば、無水フタル酸等の酸無水物,テレフタル酸、イソフタル酸及びオルソフタル酸等の芳香族酸とそのメチルエステル,アジピン酸及びセバチン酸等の脂肪族多塩基酸,トリメリット酸及びピロメリット酸等の3官能又は4官能の多塩基酸が挙げられ、特に低融点である無水フタル酸が好ましい。脂肪族酸を用いる場合は、耐久性を向上させるために、芳香族酸等と併用して用いることが好ましい。
前記多塩基酸の配合割合は特に制限はないが、前記(A)ポリエステル樹脂の全樹脂原料に対して20〜45重量%が好ましい。これら多塩基酸は1種のみでもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0023】
前記一塩基酸としては、炭素数12から20の飽和脂肪族酸、具体的にはカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、及びリノール酸が好ましい。また、植物油にあって不乾性油として知られる椰子油、水添椰子油、パーム核油などは、前記脂肪酸のグリセリンのトリ脂肪酸エステル(トリグリセライド)であるため、多価アルコールとエステル交換し前記脂肪酸の原料として用いられる。なお、オレイン酸などの不飽和脂肪酸を含む、大豆油、サフラワー油、亜麻仁油、米ぬか油等の乾性油の植物油も使用可能であるが、乾性油を用いる場合は不乾性油と併用することが好ましく、その併用量は30重量%以下とすることが好適である。また、アビエチン酸、水添アビエチン酸等も使用可能である。
上記1塩基酸としては、特に上記脂肪酸及び不乾性油が好ましい。脂肪酸及び不乾性油などはポリエステル樹脂の原料として、溶解力の弱い非極性炭化水素溶剤への溶解性付与に有効であることに加え、鉄などの金属、酸化チタンなどの顔料への濡れ性、分散性に優れており、好適である。
前記一塩基酸の配合割合は特に制限はないが、前記(A)ポリエステル樹脂の全樹脂原料に対して、0〜60重量%が好ましい。
【0024】
本発明の導電性インキ組成物において、希釈剤(D)が溶解力の弱い非極性炭化水素系溶剤の場合、ポリエステル樹脂(A)の原料は、溶解性付与の高いものを用いることが好ましい。
パラターシャリーブチル安息香酸等の芳香族カルボン酸は、非極性炭化水素溶剤への溶解性付与に加え、ポリエステル樹脂に対し硬さを付与するハードセグメントとしても有効であり、前記(A)ポリエステル樹脂の原料として好適に用いられる。
【0025】
本発明において、(A)ポリエステル樹脂の原料となる各配合物質の配合量は特に制限はないが、水酸基とカルボキシル基の比を、OH/COOH=1.02〜1.20の範囲とすることが好ましい。
【0026】
前記(A)ポリエステル樹脂の製造の大きな特徴は、極めて容易に所定の分子量、粘度の樹脂を製造できることである。即ち、3価、4価の多価アルコールなどの使用で分子内に分岐鎖を導入することにより、不活性ガス雰囲気の常気圧下での反応進行により枝分かれを生じると共に高分子化が進行し、それに伴い徐々に粘度が上昇する。また、常圧下での反応であるため酸価の測定、気泡粘度計の測定などで極めて容易に樹脂の生成度合いを知ることができ所望の粘度、分子量のポリエステル樹脂を容易に得ることができる。
一方、分岐を有しない線状のポリエステル樹脂の高分子化は大気圧下では進行し難く、高真空下で行うためその分子量、粘度の管理は本発明の前記(A)ポリエステル樹脂に比較して難しい。
【0027】
また、本発明で用いられるポリエステル樹脂(A)は、後に詳述する低溶解性の非極性炭化水素溶剤に溶解可能とすることもできるため、少量の有機溶剤の使用によるハイソリッドのインキ調製や、実質無溶剤に近いインキ調製も可能である。なお、本発明において、多量の有機溶剤を含むインキ調製を行なうことも可能である。
【0028】
前記ポリエステル樹脂(A)は、数平均分子量が2,000〜20,000であることが好ましく、重量平均分子量では5,000〜100,000であることが好ましい。また、水酸基価は20〜100であることが好適である。
【0029】
前記(A)ポリエステル樹脂の好適な具体例としては、例えば、下記一般式(1)で示される構造を有する化合物が挙げられる。
【0030】
【化1】

【0031】
前記式(1)において、R及びRはそれぞれ一塩基酸の残基、Xは二価アルコールの残基、Yは三価アルコールの残基、Zは四価アルコールの残基、k、m及びnはそれぞれ0以上の整数である。
なお、前記式(1)では、塩基酸としてフタル酸を用いた例を示し、フタル酸の残基を記載したが、フタル酸の代わりに、他の芳香族酸、三価の酸、脂肪族酸、芳香脂肪族酸等を用いてもよい。
前記式(1)で示されるポリエステル樹脂は、三価又は四価等の多官能ポリオールを含み、反応の進行と共に、前記式(1)で示されるポリエステル樹脂を生成するが、反応の進行と共に、下記式(2)で表される分岐したポリエステル樹脂を生成し反応の進行と共に分岐鎖が成長し、分岐度も増す。
【0032】
【化2】

【0033】
前記式(2)において、R、R、X、Y、Z、k、m及びnはそれぞれ式(1)と同様である。
【0034】
本発明の導電性インキ組成物における(A)ポリエステル樹脂の配合割合は特に限定されないが、インキ組成物に対して15.0〜2.0重量%が好ましく、12〜2.5重量%がより好ましい。
【0035】
前記(B)硬化剤としては、ウレタン樹脂の硬化剤であるブロックポリイソシアネート化合物が好ましいが、他の硬化剤、例えば、メラミン樹脂硬化剤、特開2004−355933号公報記載の潜在性カルボキシ基発生化合物などを用いても良い。ブロックポリイソシアネート化合物としては、非極性のブロックポリイソシアネートが好ましく、脂肪族炭化水素系イソシアヌレートから誘導されるブロックポリイソシアネートがより好適である。また、加熱硬化を促進する触媒としてジブチルスズジブチレートなどの錫化合物、あるいは1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7(通称、DBU)あるいはそのフェノール塩、有機酸塩などの三級アミンを用いてもよい。
【0036】
本発明の導電性インキ組成物における(B)硬化剤の配合割合は特に限定されないが、(A)ポリエステル樹脂100重量部に対して15〜35重量部が好ましく、20〜30重量部がより好ましい。
【0037】
前記(C)導電性粉の平均粒径は、5nm以上5μm以下が好ましく、10nm〜3μmがより好ましい。また、粒子の形状は球状が好ましく、粒度分布は狭いものが好ましい。
前記導電性粉の材質は、導電性を有するものであれば特に限定されないが、金属やカーボンナノチューブ等が好ましい。金属としては、例えば、銀、銅等、あるいはその合金、銅の銀メッキ、あるいはコーティング品が挙げられるが、銀が好ましい。
具体的な銀粒子としては、例えば、SPQ03S(三井金属鉱山(株)製、平均粒径D50:0.5μm)、SPQ05S(三井金属鉱山(株)製、平均粒径D50:1.0μm)、SPQ08S(三井金属鉱山(株)製、平均粒径D50:1.5μm)、EHS(三井金属鉱山(株)製、平均粒径0.3μm)、HXR−Ag1.5μm(日本アトマイズ加工(株)製、平均粒径D50:1.5μm)、AgC−103W(福田金属箔粉工業(株)製、平均粒径D50:1.2μm)、AGC−156I(福田金属箔粉工業(株)製、平均粒径D50:1μm)、AGC−212FS(福田金属箔粉工業(株)製、平均粒径D50:2μm)などが挙げられる。
【0038】
本発明の導電性インキ組成物における(C)導電性粉の配合割合は特に限定されないが、インキ組成物に対して60〜95重量%が好ましく、70〜93重量%がより好ましい。
【0039】
前記(D)希釈剤としては、例えば、有機溶剤や植物油等が挙げられる。
前記有機溶剤としては特に制限はないが、非極性炭化水素系溶剤、エーテル系溶剤、テレピン系溶剤等が好ましい。
前記非極性炭化水素溶剤としては、アリファティックまたは(および)ナフテン系炭化水素系溶剤を含むアニリン点:14〜65℃、好ましくは15〜60℃、沸点:150〜300℃の範囲にある低溶解の石油系炭化水素溶剤が好ましい。その例としては、High Aromatic White Spirit(HAWS、シェルケミカルズジャパン(株)製、アニリン点15℃)、スワゾール310(丸善石油化学(株)製)、ロウス(シェル化学社製、アニリン点44℃)、ペガゾール3040(モービル石油社製、アニリン点55℃)などを挙げることができる。
前記エーテル系溶剤としては、分子内にエーテル結合を有し、沸点が150〜300℃の範囲にある飽和炭化水素系の化合物が好ましく、例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノステアレート、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテルなどのエチレングリコール系化合物、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルなどの化合物が挙げられる。
前記テルペン系溶剤としては、沸点が150〜300℃の範囲にある飽和炭化水素系の化合物が好ましく、例えば、ターピネオール(日本テルペン化学(株)製、沸点218〜219℃)、ジヒドロターピニールアセテート(日本テルペン化学(株)製)、エスターF(日本テルペン化学(株)製、沸点220〜255℃)などが挙げられる。
【0040】
前記植物油としては、サフラワー油、大豆油、椰子油、パーム油及び米ぬか油からなる群から選択される1種又は2種以上を用いることが好ましく、サフラワー油又は大豆油等の反応性のある乾性油がより好ましい。また、植物油から誘導されるポリオール、例えば、Sovermol(登録商標) 650MS(コグニスジャパン(株)製)なども希釈剤として用いることができる。
【0041】
本発明で用いられる(D)希釈剤は少量で低粘度化に有効なものが好ましい。本発明のインキ組成物をグラビア印刷に用いる場合、揮発しやすい溶剤を(D)希釈剤として用いることが好ましく、本発明のインキ組成物をグラビアオフセット印刷に用いる場合、版からゴムロール(ブランケット)に転写する間の時間が長いため、前述した高沸点の有機溶剤(例えば、沸点275℃のテトラエチレングリコールジメチルエーテル)や植物油を(D)希釈剤として用いることが好ましい。
【0042】
本発明の導電性インキ組成物における(D)希釈剤の配合割合は特に限定されないが、インキ組成物に対して3〜25重量%が好ましく、4〜20重量%がより好ましい。また、希釈剤は1種のみでもよく、2種以上併用してもよい。
希釈剤として、有機溶剤を用いる場合は、有機溶剤の配合量はインキ組成物に対して25重量%以下であることが好ましく、12重量%以下がより好ましく、実質上無溶剤のインキであれば環境保護の観点からはより望ましい。
【0043】
本発明の導電性インキ組成物は、上記成分(A)〜(D)に加えて、必要に応じて他の添加剤、例えば、インキあるいは塗料用途などで知られるチキソトロピック剤、湿潤分散剤、表面調整剤、消泡剤、レべリング剤などを配合してもよい。
また、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂などの他の樹脂を、樹脂の相溶性を保ち且つ本発明のインキ組成物の特性を保つ範囲で併用してもよい。他の樹脂を併用する場合は、他の樹脂の併用量を30重量%以下とすることが好適である。
本発明においては、(A)ポリエステル樹脂の水酸基を硬化の際の官能基としているが、該樹脂に含まれる水酸基を利用して、既述のエポキシ樹脂の硬化に用いる、あるいは、エポキシ樹脂中の水酸基あるいはエポキシ基を水酸基に開環しウレタン硬化せしめることなども可能である。
【0044】
本発明の導電性インキ組成物は、25℃における粘度が、20,000mPa・s以上300,000mPa・s以下であることが好ましく、30,000mPa・s以上200,000mPa・s以下であることがより好ましい。
【0045】
本発明の導電性インキ組成物の調製方法は特に制限はなく、例えば、自転公転型分散機分散機、例えば、(株)シンキー製のARE−250などを用い、ポリエステル樹脂(A)及び導電性粉(B)などを短時間で極めて容易に分散し、導電性インキ組成物を調製することができる。また、従来から一般的に使用される3本ロール、磁性、ジルコニア製の各種のビーズを用いるビーズミルなどで混練、導電性粉(B)の表面を活性化し、ポリエステル樹脂(A)の分散力を活用し、安定な導電性インキ組成物を調製することも可能である。
【0046】
本発明の導電性インキ組成物は、基材に対する付着性、物性、インキの貯蔵安定性などに優れ、以下に記載する各種の用途に好適に用いることができるものである。
【0047】
本発明の導電性インキ組成物の使用方法に制限はないが、グラビア印刷機又はグラビアオフセット印刷機によりポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチックフィルム、ガラス、石英などのセラミックフィルム又はプレートに印刷することが好適である。
また、該印刷の条件は、インキの特性に合わせてドクターブレードの圧力、印圧などを適宜設定すればよく特に制限はないが、印刷スピードは、1〜20m/分で印刷がなされることが好ましい。印刷物は、例えば、150℃〜300℃で30分程度の加熱により硬化印刷物が得られるが、必要によってはさらに600℃で1時間程度焼成を施してもよい。プラスチックフィルムの場合は硬化フィルムで導電性を示し、セラミックスフィルムでは焼成工程を得て導電性材料を得ることができる。
【0048】
本発明の導電性インキ組成物は上記印刷法により容易に繊細かつ鮮明な画像が得られるため、種々の用途に用いることができる。本発明は、導電性インキ組成物の印刷を線幅60μm、40μmおよび20μmでそれぞれ長さ9.5cmないし10cmの細線を有する印刷パターンを用いて実施することができるため、プリント配線基板など各種の用途に対し、極めて有用な導電性インキ組成物を提供するものである。
【実施例】
【0049】
以下に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
【0050】
(合成例1)
表1に示す原料配合及び表2に示す反応条件によりポリエステル樹脂1を合成した。
ポリエステル樹脂1の合成に当たっては、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、およびデカウンターにアリン式冷却管を付した容量500mlの四つ口フラスコを用い、そのフラスコにヤシ油150.0g、ペンタエリスリトール48.0gを仕込み、窒素ガス雰囲気下でマントルヒーターを用いて加熱を開始し、200℃に達したところでエステル交換触媒として5%濃度の水酸化リチウム1.0g(アルコール/水混合液)を添加、徐々に温度を高めて240℃に昇温、保持した。エステル交換反応が進行し濁った反応液が透明に変化したことを確かめ、さらに1時間攪拌、合計2時間を保持してエステル交換反応を終了した。
100℃以下の温度に冷却後、エチレングリコール3.6g、無水フタル酸93.0g、パラターシャリー安息香酸15.0gを加えた。次いで、エステル化反応によって生成する縮合反応水を除くためデカウンターにキシレン30mlを加え、約2時間をかけて225℃に昇温保持した。反応の進行と共に生成する縮合反応水がキシレンと共沸してデカウンターに溜まる。縮合反応水が予定生成量(12.9g)に達し酸価が表3に示した値に達したところで反応を終了(エステル化反応時間8時間)し、ポリエステル樹脂1を得た。
【0051】
【表1】

【0052】
表1において、各配合物質の配合量の単位はgであり、PTBA:パラターシャリーブチル安息香酸、PA:無水フタル酸、PE:ペンタエリスリトール、NPG:ネオペンチルグリコール、EG:エチレングリコール、1,3−PG:1.3−プロピレングリコール、BHCP:2,2−ビス(ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン(通称、水添ビスフェノールA)、12−SA:12−ヒドロキシステアリルアルコール、D.diol:オレイルアルコールの2量体の水素添加物(コグニスジャパン(株)製、商品名:Sovermal(登録商標) 908)、HAWS:High Aromatic White Spiritの略称、シェルケミカルズジャパン(株)製である。
【0053】
【表2】

【0054】
得られたポリエステル樹脂1(ソリッド)の酸価は9.5であり、外観は透明であった。
反応物をフラスコから取り出し、反応物である分岐鎖を有するポリエステル樹脂1を非極性炭化水素系溶剤であるHAWS(シェルケミカルズジャパン製)で希釈(樹脂濃度64.5重量%)し、ポリエステル樹脂1の溶液とした。該ポリエステル樹脂の溶液は、外観は透明で、ガードナー気泡粘度(測定温度25℃)Y−Z、酸価5.8、水酸基価48.1、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による測定では、数平均分子量は4,900、重量平均分子量は27,100であった。結果を表3に示した。
【0055】
【表3】

【0056】
酸価はJISK0070−1992の方法に準じて測定した。
溶解性は得られた樹脂をHAWSに添加し(樹脂濃度30重量%)、その透明性を目視で判定し、透明な場合を溶解、不透明な場合を不溶と評価した。
分子量の測定は、高速液体クロマトグラムLC−6A、カラムHSG−50S、7.9mm×300mm(島津製作所製)を用い移動層、THF、流速:1m/min、測定温度:40℃、検出器 示差屈折計(RI)で行った。
水酸基価はJISK1557−1:2007に準じてアセチル化試薬法により測定した。
【0057】
(合成例2)
表1及び2に示した如く、条件を変更した以外は合成例1と同様な方法で合成を行い、ポリエステル樹脂2を得た。得られたポリエステル樹脂2に対して合成例1と同様に測定を行なった。結果を表3に示した。
得られたポリエステル樹脂2をジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートで希釈(樹脂濃度63.2重量%)し、ポリエステル樹脂2の溶液とした。得られたポリエステル樹脂2の溶液に対して合成例1と同様に測定を行なった。結果を表3に示した。
【0058】
(合成例3)
表1及び2に示した如く、条件を変更した以外は合成例1と同様な方法で合成を行い、ポリエステル樹脂3を得た。得られたポリエステル樹脂3に対して合成例1と同様に測定を行なった。結果を表3に示した。
得られたポリエステル樹脂3をサフラワー油で希釈(樹脂濃度70.0重量%)し、ポリエステル樹脂3の溶液とした。得られたポリエステル樹脂3の溶液に対して合成例1と同様に測定を行なった。結果を表3に示した。
【0059】
(合成例4)
表1に示す原料配合及び表2に示す反応条件によりポリエステル樹脂4を合成した。
実施例1と同様の四つ口フラスコを用い、該フラスコに表1に示した如く、ステアリン酸55.5g、オレイン酸55.5g、パラターシャリーブチル安息香酸30.0g、2,2−ビス(ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン24.6g、無水フタル酸79.89g、ペンタエリスリトール46.5g、ダイマージオール[コグニスジャパン(株)製、商品名:Sovermol(登録商標) 908]56.4gを加え、更にエステル化反応により生成する水を除くため、キシレン30gを加え、攪拌しながら加熱を開始し、約1時間をかけて200℃まで徐々に昇温し、更に220℃から240℃の温度に保ち反応水の量を調べながら反応を継続し、酸価が表3に示した値に達したところで反応を終了(エステル化反応時間8.5時間)し、ポリエステル樹脂4を得た。得られたポリエステル樹脂4に対して合成例1と同様に測定を行なった。結果を表3に示した。
【0060】
得られたポリエステル樹脂4の大部分は脂肪系アルコールジオール[コグニスジャパン(株)製、商品名:Sovermol(登録商標) 819]で希釈(樹脂濃度75質量%)し、ポリエステル樹脂4の溶液とし、得られたポリエステル樹脂4の溶液に対して合成例1と同様に測定を行なった。結果を表3に示した。また、ポリエステル樹脂4の一部をHAWS溶媒で75質量%濃度に希釈して均一透明液になることを確認した。
【0061】
(比較合成例1及び2)
エステル交換反応の工程を含まず、表1及び2に示した如く条件を変更した以外は合成例1と同様な方法で合成を行い、分子鎖を含まないポリエステル樹脂を合成した。比較合成例1及び2では、エステル化反応の後半に濁りを生じたため、その段階で反応を終了した。得られた樹脂の結果を表3に示した。
【0062】
(合成例5)
ポリイソシアネート(DN992、DIC製、NCO10.4%)200g、ブロック剤(メチルエチルケトオキシム)47.4g、HAWS(シェルケミカルズジャパン(株)製)10.1g、及びエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート39.6gを混合し、反応を行い、ブロックポリイソシアネート化合物の溶液(濃度65.3重量%、25℃におけるガードナー気泡粘度R)を得た。
【0063】
(合成例6〜9)
合成例1〜4で得たポリエステル樹脂1〜4の溶液、及び合成例5で得たブロックポリイソシアネート化合物の溶液を用いて、表4に示す配合にてバインダー1〜4を調製した。得られたバインダー1〜4の25℃におけるガードナー気泡粘度を測定した。結果を表4に示した。また、各バインダーの不揮発分を計算し、あわせて表4に示した。なお、サフラワー油は不揮発分として計算した。
【0064】
【表4】

【0065】
表4において、各配合物質の配合量の単位は質量%であり、HAWSはHigh Aromatic White Spiritの略称、シェルケミカルズジャパン(株)製、E1はジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートである。
【0066】
(実施例1)
合成例7で得たバインダー2を用いて、表5に示す配合にて導電性インキ組成物を調製した。
容量50mLのねじ蓋付のガラス管ビン(アズワン製)に銀粉SPQ05S(三井金属鉱業(株)製、中心粒径(D50)1.13、比表面積0.96m/g、タップ密度4.76g/cm)41.7g、および合成例7で得たバインダー2の6.0gを精秤した。ステンレス製のミクロスパチュラでよく攪拌してできるだけ均一に分散して密栓の後、自転公転型分散機(ARE−250、(株)シンキー製)にセットして2段階分散を行って導電性インキ組成物を得た。
得られたインキ組成物の粘度を、TVE−22H型粘度計コーンプレートタイプ(東機産業製、コーンロータ:3×R9.7)を用いて25℃で測定した結果は、63,200mPa・sであり、TI値は1.77であった。結果をあわせて表5に示した。なお、TI値は、コーンロータの速度0.5rpmの粘度測定値を5.0rpmの粘度測定値で除した値であり、チキソ性の尺度として用いられる。TI値が高いほどチキソ性が高い。
【0067】
【表5】

【0068】
表5において、各配合物質の配合量の単位はgであり、銀粉1:SPQ03S(三井金属鉱山(株)製、球状粒子、中心半径、D50:0.5μm)、銀粉2:前述したSPQ05S、銀粉3:P103(トダ・シーマナノテクノロジー(株)製、球状粒子、少量の銅を含む、D50:50nm)、銀粉4:AGC212FS(福田金属箔工業(株)製、フレーク状、中心半径D50:2μm)、バインダー1〜4はそれぞれ合成例6〜9で得たバインダー1〜4、E2:ブトキシエチルアセテート、T:テレピネオール、TP:トリプロピレングリコールモノメチルエーテルである。
【0069】
(実施例2〜6)
表5に示した如く、条件を変更した以外は実施例1と同様の方法で導電性インキ組成物を調製した。得られた導電性インキ組成物に対して実子例1と同様に測定を行なった。結果を表5に示した。
【0070】
(実施例7)
実施例1で得られた導電性インキ組成物を用いて、下記方法により印刷を行なった。
実施例1で得られた導電性インキ組成物を、グラビア印刷校正機、SC2・6 1500(J.M.Heaford製(イギリス))を用い、基材としてPETフィルム(未処理)ルミラーT60(厚さ100μm)を圧胴にセット、テストパターンの形成された製版シリンダーをセット、スチールドクターを用い、ドクター圧:3bar、印圧:1000kg/1mに調整し、印刷速度:9m/分で印刷した。
印刷の後、テストパターンの印刷されたPETフィルムを室温乾燥後、印刷機より取り外し、テストパターンの部分を切りとり、150℃で30分間加熱し、印刷物を加熱硬化させた。
【0071】
室温に戻した後、テストパターンに形成されている幅60μm(深度20μm)、幅40μm(深度20μm)および幅20μm(深度10μm)の細線の長さ9.5cmで両サイド端子付で印刷させたフィルムについて導電性を低抵抗率計、ロレスターGP(三菱化学(株)製)で測定した。測定結果は表6に示すとおりであり、線幅60μmでは電導しており、抵抗値1.90×10Ωを示し、導電性(体積抵抗率)は、2.4Ω・cmであった。
【0072】
【表6】

【0073】
(実施例8)
導電性インキ組成物として、実施例2で得られた導電性インキ組成物を用いた以外は実施例7と同様に印刷を行ない、印刷されたフィルムの測定を行なった。結果を表6に示した。
【0074】
(実施例9)
導電性インキ組成物として、実施例3で得られた導電性インキ組成物を用いた以外は実施例7と同様に印刷を行ない、印刷されたテストパターンの測定を行なった。結果を表6に示した。
【0075】
(実施例10)
実施例4で得られた導電性インキ組成物を用いて、下記方法により印刷を行なった。
実施例4で得られた導電性インキ組成物を、グラビアオフセット印刷機を用い、基材として厚さ1mmのガラス板を印刷面にセット、テストパターンの形成された製版シリンダーをセット、スチールドクターを用い、ドクター圧:0.15mPa(シリンダー長350mm)に調整し、印刷速度:6m/分で印刷した。
印刷の後、テストパターンの印刷されたガラス板を室温乾燥後、印刷機より取り外し、テストパターンの部分を切りとり、150℃で30分間加熱し、印刷物を加熱硬化させ、続いて600℃で1時間焼成した。
【0076】
室温に戻した後、テストパターンに形成されている幅60μm(深度20μm)、幅40μm(深度20μm)および幅20μm(深度10μm)の細線の長さ10cm、両サイド端子付で印刷されたフィルムについて導電性を低抵抗率計、ロレスターGP(三菱化学(株)製)で測定した。測定結果は表6に示すとおりであり、線幅20μmでは電導しており、抵抗値2.6×10Ωを示し、導電性(体積抵抗率)は、5.2×10−6Ω・cmであった。
【0077】
(実施例11)
導電性インキ組成物として、実施例5で得られた導電性インキ組成物を用いた以外は実施例10と同様に印刷を行ない、印刷されたフィルムの測定を行なった。結果を表6に示した。
【0078】
(実施例12)
導電性インキ組成物として、実施例6で得られた導電性インキ組成物を用いた以外は実施例10と同様に印刷を行ない、印刷されたテストパターンの測定を行なった。結果を表6に示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)分子中に分岐単位と水酸基とを有するポリエステル樹脂と、
(B)硬化剤と、
(C)導電性粉と、
(D)希釈剤と、
を含み、
前記ポリエステル樹脂(A)が、前記希釈剤(D)に溶解性を有することを特徴とする導電性インキ組成物。
【請求項2】
前記希釈剤(D)が、非極性炭化水素溶剤、エーテル系溶剤、テレピン系溶剤及び植物油からなる群から選択される1種以上であることを特徴とする請求項1記載の導電性インキ組成物。
【請求項3】
前記非極性炭化水素溶剤のアニリン点が14℃〜65℃であることを特徴とする請求項2記載の導電性インキ組成物。
【請求項4】
前記(B)硬化剤が、ブロックポリイソシアネート化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の導電性インキ組成物。
【請求項5】
前記(B)硬化剤が、脂肪族炭化水素系イソシアネートから誘導されることを特徴とする請求項4記載の導電性インキ組成物。
【請求項6】
前記(A)ポリエステル樹脂が、不乾性油を原料に含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の導電性インキ組成物。
【請求項7】
前記(A)ポリエステル樹脂が、パラターシャリーブチル安息香酸を原料に含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の導電性インキ組成物。
【請求項8】
前記(A)ポリエステル樹脂が、長鎖の炭化水素ポリオール又は脂環式炭化水素ポリオールを原料に含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の導電性インキ組成物。
【請求項9】
前記(C)導電性粉が、平均粒径が5nm以上5μm以下の金属粉であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の導電性インキ組成物。
【請求項10】
前記(C)導電性粉が、銀粉であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項記載の導電性インキ組成物。
【請求項11】
前記銀粉が、球状粒子であることを特徴とする請求項10記載の導電性インキ組成物。
【請求項12】
25℃における粘度が、20,000mPa・s以上300,000mPa・s以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項記載の導電性インキ組成物。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項記載の導電性インキ組成物を用いて、グラビア印刷機又はグラビアオフセット印刷機によりプラスチックフィルム、セラミックフィルム又はプレートに印刷することを特徴とする印刷方法。
【請求項14】
印圧700〜2,000kg/m、印刷スピード1〜20m/分で印刷することを特徴とする請求項13記載の印刷方法。
【請求項15】
請求項13又は14記載の印刷方法により印刷されたことを特徴とする印刷物。
【請求項16】
請求項1〜12のいずれか1項記載の導電性インキを用いたプリント配線基板。
【請求項17】
請求項1〜12のいずれか1項記載の導電性インキを用いたコンデンサー。
【請求項18】
請求項1〜12のいずれか1項記載の導電性インキを用いた電磁波シールド。

【公開番号】特開2009−62523(P2009−62523A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−204261(P2008−204261)
【出願日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(000131625)株式会社シンク・ラボラトリー (52)
【Fターム(参考)】