説明

導電性ローラ

【課題】 電子写真方式の導電性ローラにおいて、他部材及びトナーに接触して使用する場合、導電性ローラ弾性層の未反応化合物等のローラ表面へのブリード物が、感光体等の他部材及びトナーを汚染するなどして、縦スジ、白地カブリ及び濃度ムラ等の画像不良が発生することが有る。
【解決手段】 導電性支持部材と、
該導電性支持部材外周面上に形成された弾性層と、
該弾性層の外周面上に形成された少なくとも1層以上の被覆層と、
該被覆層の表面上に形成された(i)フッ素原子を高分子側鎖に含むグラフト共重合体及び/又は(ii)フッ素原子を含むブロック共重合体を備える、導電性ローラ、
で、解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として複写機、プリンターあるいはファクシミリの受信装置など電子写真方式を採用した装置に好適に用いられる導電性ローラに関する。
【背景技術】
【0002】
前記技術分野における導電性ローラは、電子写真方式の帯電ローラ、現像ローラ及び定着ローラ等の用途で使用されており、それぞれの用途に対して、要求特性は異なっている。
【0003】
例えば、非磁性一成分接触現像方式の用途では、現像ローラは感光体などの静電潜像担持体へトナーを搬送する機能を有するものである。こうした用途では、現像ローラは、<1>トナーを搬送するための適切な表面の凹凸、<2>ローラ表面からのトナーの離型性、<3>トナーを帯電するための適切な導電性、<4>低硬度低圧縮歪み、などの品質が要求される。
【0004】
一方、電子写真方式を使用した、複写機、プリンター等の印刷速度の高速化は市場のニーズからも必須である。高速化を実現するための手段として、トナーの低融点化が挙げられ、この結果、トナーを紙へ定着する時間を短縮することが可能となり、印刷速度も短縮される。しかしながら、トナーの融点を下げることで、トナーと接触する各部材にトナーが固着するという問題が発生する。接触現像方式の現像ローラを例に挙げると、感光体、ブレード及びトナー漏れ防止部材等との接触による摩擦熱などが原因で、現像ローラ表面にトナーが固着(フィルミング)することが問題となっている。このような現象が起こると、現像ローラのトナー搬送性にムラが発生し、縦すじや白地カブリなどの画像欠陥が発生する。
【0005】
トナーフィルミング性を改善する技術としては、ローラ抵抗調整層にニトリルゴム又は水素化ニトリルゴムの基材にフッ素−アクリル樹脂を含む樹脂組成物を保護層とする技術(特許文献1)、ウレタン樹脂と溶剤可溶性フッ素系樹脂をブレンドしたものを保護層とする技術(特許文献2)などが挙げられる。
【0006】
特許文献1については、水素化ニトリルゴムを基材とするため低硬度低圧縮歪み特性の発現が困難であり、縦すじ等の画像欠陥の原因となる可能性がある。
【0007】
特許文献2については、保護層全てにフッ素系樹脂が存在するため、<1>コストが高い、<2>現像ローラ表面に存在するフッ素成分が十分でない場合もあり、トナーフィルミング性改善において改善の余地がある。
【特許文献1】特開2000−274424号公報。
【特許文献2】特開平10−186835号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる実状を鑑みてなされたものであり、低コストで導電性ローラ表面へのトナーのフィルミングを防止し、縦すじや白地カブリ等の画像欠陥を改善した導電性ローラを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明の第1は、
導電性支持部材と、
該導電性支持部材外周面上に形成された弾性層と、
該弾性層の外周面上に形成された少なくとも1層以上の被覆層と、
該被覆層の表面上に形成された
(i)フッ素原子を置換基として含まない高分子主鎖と、
フッ素原子を含む高分子側鎖とを、
含むグラフト共重合体
及び/または、
(ii)フッ素原子を置換基として含まない高分子ブロック成分と、
少なくとも1以上のフッ素原子を高分子主鎖の置換基として含む高分子
ブロック成分とを、
含むブロック共重合体
とを、含む
導電性ローラであって、
前記弾性層が下記の(A)、(B)および(C)成分を必須成分とする硬化性組成物の硬化物であり、
前記被覆層が下記の(D)成分を必須成分とする、
導電性ローラ。
(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体。
(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物。
(C)ヒドロシリル化触媒。
(D)ウレタン樹脂。
である。
【0010】
(2)本発明の第2は、
前記(D)成分が熱可塑性ウレタン樹脂を含む、(1)に記載の導電性ローラ、
である。
【0011】
(3)本発明の第3は、
前記(i)成分の高分子主鎖および(ii)成分のフッ素原子を置換基として含まない高分子ブロック成分がオレフィン、アクリル、メタクリル、スチレン−アクリル、スチレン、およびウレタンからなる群より選ばれた少なくとも1種類である、(1)および(2)のいずれか1項に記載の導電性ローラ、
である。
【0012】
(4)本発明の第4は、
前記(i)成分および(ii)成分がキシレン、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、N,Nジメチルホルムアミド、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、メタノール、ミネラルスピリット、および1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンからなる群より選ばれた少なくとも1種類の化合物に溶解する、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の導電性ローラ、
である。
【0013】
(5)本発明の第5は、
前記(i)成分および(ii)成分が請求項4記載の群より選ばれた少なくとも1種類である化合物の溶液を被覆層の表面にコーティング処理により形成する(1)〜(4)のいずれか1項に記載の導電性ローラ、
である。
【0014】
(6)本発明の第6は、
前記被覆層にさらに平均粒子径1〜40μmの有機系フィラーを含む、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の導電性ローラ、
である。
【0015】
(7)本発明の第7は、
前記導電性ローラが現像ローラとして用いられる、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の導電性ローラ、
である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の導電性ローラを用いれば、他部材と接触しながら回転することにより発生する摩擦熱等が原因で固着するトナーの、ローラ表面へのフィルミング性を改善し、その結果、トナーフィルミングしたときに発生する、縦すじや白地カブリ等の画像欠陥を改善することができる。
【0017】
本発明の第1は、
「導電性支持部材と、
該導電性支持部材外周面上に形成された弾性層と、
該弾性層の外周面上に形成された少なくとも1層以上の被覆層と、
該被覆層の表面上に形成された
(i)フッ素原子を置換基として含まない高分子主鎖と、
フッ素原子を含む高分子側鎖とを、
含むグラフト共重合体
及び/または、
(ii)フッ素原子を置換基として含まない高分子ブロック成分と、
少なくとも1以上のフッ素原子を高分子主鎖の置換基として含む高分子
ブロック成分とを、
含むブロック共重合体
とを、含む
導電性ローラであって、
前記弾性層が下記の(A)、(B)および(C)成分を必須成分とする硬化性組成物の硬化物であり、
前記被覆層が下記の(D)成分を必須成分とする、
導電性ローラ。
(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体。
(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物。
(C)ヒドロシリル化触媒。
(D)ウレタン樹脂。」
である。
【0018】
本発明は被覆層の表面上に少なくとも、フッ素原子を置換基として含まない炭化水素系高分子繰り返し単位と、フッ素原子とを含む高分子化合物が存在するため、従来技術と比べて、低コストで、かつローラ表面へのトナーのフィルミング性という点において顕著な効果がある。
【0019】
また本発明は被覆層の表面上に少なくとも、フッ素原子を置換基として含まない炭化水素系高分子繰り返し単位と、フッ素原子とを含む高分子化合物が存在するため、該弾性層および該被覆層の組合せなどにおいても、電気抵抗、ローラ硬度等の他要求特性に細かく対応できるなど、分子設計の自由度も高い。といったメリットもある。
【0020】
本発明において、フッ素原子を含む高分子が側鎖にあることは、導電性ローラ表面への吸着性の向上、およびフッ素原子を含む高分子側鎖が導電性ローラ表面へ配向するという観点で顕著な効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明に係る導電性ローラの断面説明図である。この導電性ローラは、直径1mm〜25mm程度のSUS(ステンレス鋼)、アルミニウム合金、SUM材、または導電性樹脂などを含む導電性支持部材1の周りに、弾性層2が設けられ、この弾性層2の上に被覆層3、さらに被覆層の外層にシランカップリング剤コーティング層4が形成されたものである。被覆層は少なくとも1層が形成されていれば良く、抵抗調整や表面粗さの調整等で、必要に応じて2層以上の被覆層を形成しても構わない。
【0023】
次に本発明の弾性層について説明する。
【0024】
前記弾性層としては、(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体と、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含む化合物と、(C)ヒドロシリル化触媒を必須成分とする硬化性組成物の硬化物を好適に使用することができる。前記硬化性組成物は分子量及び官能基量を変化させることで、容易に硬化物の物性を制御することができる。
【0025】
前記(A)成分の、分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体のアルケニル基とは、ヒドロシリル化反応に対して活性のある炭素−炭素2重結合を含む基であれば特に制限されるものではない。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等の脂肪族不飽和炭化水素基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の環式不飽和炭化水素基、メタクリル基等が挙げられる。好適には、下記一般式(1)、
C=C(R)−CH− (1)(式中、Rは水素原子またはメチル基)
で示されるアルケニル基が、硬化性に優れる点で特に好ましい。また、(A)成分は、上記ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を重合体末端に導入されていることが望ましい。このようにアルケニル基が重合体末端にあるときは、最終的に形成される硬化物の有効網目鎖量が多くなり、高強度のゴム状硬化物が得られやすくなるなどの点から好ましい。
【0026】
また、(A)成分の有機重合体の主鎖は任意の重合体から選ぶことができ、特に制限されるものではない。例えば、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリクロロプレン、ポリオキシアルキレン、ポリシロキサン、ポリスルフィドなどが挙げられる。特に、オキシアルキレン単位からなる重合体は、硬化前に低粘度であるため扱いやすく、また、弾性ローラの用途で使用する場合、硬化物が特に柔軟な構造を持つため、肉厚を薄くしても十分にその弾性効果を発揮するという点で、好ましい。
【0027】
また、本発明における硬化性組成物の(A)成分として使用される前記オキシアルキレン系重合体とは、主鎖を構成する単位のうち30モル%以上、好ましくは50モル%以上がオキシアルキレン単位からなる重合体をいい、オキシアルキレン単位以外に含有される単位としては、重合体製造時の出発物質として使用される、活性水素を2個以上有する化合物、たとえば、エチレングリコール、ビスフェノール系化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどからの単位が挙げられる。なお、オキシアルキレン単位は、一種類である必要はなく、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどからなる共重合体(グラフト重合体も含む)であってもよい。電気特性の環境安定性において、主鎖骨格として比較的吸水性の低いオキシプロピレン単位、またはオキシブチレン単位からなる重合体であることが好ましく、コスト面を考慮すると、オキシプロピレン単位からなる重合体が、特に好ましい。
【0028】
上記のようなポリオキシアルキレン系重合体の分子量としては、数平均分子量(Mn)(GPC法、ポリスチレン換算)で500〜50,000であることが、その取扱やすさ、硬化後のゴム弾性の点で好ましい。数平均分子量が500未満の場合、この硬化性組成物を硬化させた場合に充分な機械的特性(ゴム硬度、伸び率)などが得られにくくなる。一方、数平均分子量が50,000以上の場合、分子中に含まれるアルケニル基1個あたりの分子量が大きくなったり、立体障害で反応性が落ちたりするため、硬化が不充分になることが多く、また、粘度が高くなりすぎて加工性が悪くなる傾向にある。
【0029】
次に、前記(B)成分である化合物(硬化剤)は、1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物であれば良いが、分子中に含まれるヒドロシリル基の数が多すぎると、硬化後も多量のヒドロシリル基硬化物中に残存しやすくなり、ボイドやクラックの原因となるため、その数を50個以下に調整するのが好ましく、更には、硬化物のゴム弾性の制御や貯蔵安定性を良好にする観点からは、2〜30個に調整することがより好ましい。尚、本発明において、ヒドロシリル基を1個有するとは、Siに結合するHを1個有することを意味する。よって、SiHの場合にはヒドロシリル基を2個有することになるが、Siに結合するHは異なるSiに結合する方が、硬化性とゴム弾性の点から好ましい。
【0030】
このような硬化剤の分子量は、成形品の加工性を良好にする観点からは、数平均分子量(GPC法、ポリスチレン換算)(Mn)で30,000以下に調整するのが好ましく、更に、上記(A)成分であるベースポリマーとの反応性や相溶性を良好にする観点からはMnで300〜10,000に調整するのがより好ましい。
【0031】
また、以上の硬化剤は、ベースポリマーの凝集力が硬化剤の凝集力に比べて大きいことを考慮すると、相溶性の点でフェニル基含有変性体を有することが重要であり、入手のし易さの点ではスチレン変成体が好適であり、貯蔵安定性の観点からはα−メチルスチレン変性体が好適である。
【0032】
(C)成分であるヒドロシリル化触媒については、特に制限はなく、任意のものが使用できる。具体的に例示すれば、塩化白金酸、白金の単体、アルミナ、シリカ、カ−ボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの;
白金−ビニルシロキサン錯体{例えば、Pt(ViMeSiOSiMeVi)、Pt〔(MeViSiO)};
白金−ホスフィン錯体{例えば、Pt(PPh、Pt(PBu};
白金−ホスファイト錯体{例えば、Pt〔P(OPh)、Pt〔P(OBu)(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表す)、
Pt(acac)、また、Ashbyらの米国特許第3159601及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、並びにLamoreauxらの米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラ−ト触媒も挙げられる。白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh、RhCl、Rh/Al、RuCl、IrCl、FeCl、AlCl、PdCl・2HO、NiCl、TiCl、等が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用しても構わない。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、Pt(acac)等が好ましい。触媒量としては特に制限はないが、(A)成分中のアルケニル基1molに対して10−1〜10−8molの範囲で用いるのがよい。ヒドロシリル化反応を十分に進行させるには、10−2〜10−6molの範囲で用いるのがさらに好ましい。また、ヒドロシリル化触媒は、一般に高価で腐食性であり、また、水素ガスを大量に発生して硬化物が発泡してしまう場合があるので10−1モル以上用いない方がよい。
【0033】
本発明における硬化物および被覆層には導電性付与を目的として、導電性付与剤を含んで使用することができる。導電性付与剤は特に制限はなく、任意のものを使用することができる。導電性付与剤としては、カーボンブラック、金属微粉末、有機リチウム塩、無機リチウム塩、さらには、第4級アンモニウム塩基、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基等を有する有機化合物もしくは重合体、エーテルエステルアミド、もしくはエーテルイミド重合体、エチレンオキシド---−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコールアクリレートなどで代表される導電性ユニットを有する化合物、または高分子化合物などの帯電防止剤などの、導電性を付与できる化合物などが挙げられる。これらの導電性付与剤は単独で使用しても、2種以上を併用しても良い。上記カーボンブラックの例としては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、オイルブラックなどがあげられる。これらカーボンブラックの種類、粒径等に制限はない。
【0034】
導電性付与剤の添加量は、所望の導電特性に応じて調整して添加され、(A)成分の重合体100重量部に対し、0.01〜100重量部、さらには0.1〜50重量部用いることが好ましい。添加量が0.01重量部未満と少なすぎると、発現される導電付与能が不十分であり、また、添加量が100重量部を越えて多すぎると硬化性組成物の粘度の上昇が大きく作業性が悪くなる恐れがある。また、用いる導電性付与剤の種類あるいは添加量によっては、ヒドロシリル化反応を阻害するものがあるため、導電性付与剤のヒドロシリル化反応に対する影響を考慮する方が好ましい。
【0035】
本発明では必要に応じて、各種充填剤、各種機能付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、界面活性剤、溶剤を適宜添加してよい。前記充填剤の具体例としては、シリカ微粉末、金属微粉末、炭酸カルシウム、クレー、タルク、酸化チタン、亜鉛華、ケイソウ土、硫酸バリウムなどが挙げられる。
【0036】
本発明における硬化性組成物には貯蔵安定性を改良する目的で、貯蔵安定性改良剤を含んで使用することができる。この貯蔵安定性改良剤としては、所期の目的を達成するものであればよく、特に限定されるものではない。具体的には、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等を好適に用いることができる。さらに具体的には、2−ベンゾチアゾリルサルファイド、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルアセチレンダイカルボキシレート、ジエチルアセチレンダイカルボキシレート、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンE、2−(4−モルフォジニルジチオ)ベンゾチアゾール、3−メチル−1−ブテン−3−オール、アセチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、エチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、アセチレンアルコール、3−メチル−1−ブチル−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート、ジエチルフマレート、ジエチルマレエート、ジメチルマレエート、2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプロペン等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
【0037】
また、本発明のような電子写真方式を利用した画像形成装置に組み込まれるローラ用途で使用される場合においては、前記硬化性組成物からなる硬化物のASKER−C硬度は、10°〜80°であることが好ましく、特に他部材と接触しながら、トナーを搬送する現像ローラに用いられる場合は、20〜70°であることが好ましい。前記範囲より高硬度の80°を越える領域では、硬度が高すぎるため、トナーに大きなストレスがかかり、逆に低硬度の10°未満の領域では硬度が低すぎるため、圧縮歪みが大きくなるため好ましくない。ここでいうASKER−C硬度とはJIS−K7312に記載されるタイプC硬さ試験機を用い、かつ該規格に則って評価されるものである。
【0038】
本発明の導電性ローラの弾性層の形成方法としては、特に限定されず、従来公知の各種ローラの成形方法を用いることができる。例えば、中心にSUS製などの導電性支持部材を設置した金型に、硬化性組成物を押出成形、プレス成形、射出成形、反応射出成形(RIM)、液状射出成形(LIM)、注型成形などの各種成形法により成形し、適切な温度および時間で加熱硬化させて、導電性支持部材の周りに弾性層を成形する。ここで、本発明における導電性ローラの製造方法としては、弾性層を形成するための硬化性組成物が液状である場合、生産性、加工性の点で液状射出成形が好ましい。この場合、硬化性組成物は、半硬化させた後に、別途後硬化させるプロセスを設けて完全硬化させてもよい。
【0039】
次に本発明の被覆層について説明する。
【0040】
電子写真方式の各種ローラの被覆層には、他部材と接触しながら回転するため、耐磨耗性に優れたウレタン樹脂が好適に使用される。被覆層を構成する(D)成分のウレタン樹脂としては、ウレタン基、ウレア基、アロハネート基及びビュレット基等のウレタン樹脂の製造過程で形成される官能基を有する樹脂であれば、特に制限されるものではない。さらに、被覆層は適度な柔軟性を有する必要があり、この観点からはポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート骨格を有する樹脂を主な組成とするウレタン樹脂からなることが好ましく、これらはポリエーテルウレタン、ポリエステルウレタン、ポリカーボネートウレタンのブレンド樹脂、あるいは1分子中にウレタン結合とポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリシロキサンからなる群において選ばれる少なくとも1つの骨格を有するウレタン樹脂であってもよい。一般的に、ウレタン樹脂としては、ヒドロキシ基やアミノ基等の活性水素を持つ化合物とイソシアネート基を持つ化合物を3次元網目構造に重合する熱硬化性ウレタン樹脂と、前記活性水素を持つ化合物とイソシアネート基を持つ化合物を高分子量に重合、鎖伸長した熱可塑性ウレタン樹脂の2種類に分けられる。
【0041】
熱可塑性ウレタン樹脂は、N,N−ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、イソプロパノール等各種溶剤に可溶であるので、予め重合した熱可塑性ウレタン樹脂を溶剤で希釈し、コーティング、乾燥という、非常に簡便な工程により被覆層を形成することが可能である。また、予め重合するということは、安全上取扱が困難なイソシアネート基を含有する化合物を閉鎖系で重合した後に、残存イソシアネート基をほとんど含有していない熱可塑性ウレタン樹脂として、開放系でコーティングができる。従って、作業性、安全性の観点から、熱可塑性ウレタン樹脂を使用することが好適である。
【0042】
電子写真方式の装置に使用されるローラにおいては、導電領域から半導電領域(10〜1010Ω)に制御する必要があるため、一般的に導電性付与剤が添加される。これらの導電性付与剤は、弾性層に添加するものと同じように導電性付与可能な材料であれば、特に限定されるものではない。具体的には前記記載の導電性付与剤が使用される。被覆層の導電性付与剤としては、溶剤中に導電性付与剤を溶解あるいは分散させる必要があり、例えば、カーボンブラック等の凝集力の強いものを使用する場合は、ビーズミル等の分散機を好適に使用することができ、また、それぞれの材料及び処方に最適な分散剤を選定するのが好ましい。
【0043】
また、被覆層を構成する樹脂組成物には樹脂強度を向上及び弾性層及び2層以上の被覆層を設ける場合にはそれぞれの界面の接着性等の観点から、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、クレー等のフィラーやカップリング剤等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。図1のような弾性層と被覆層との接着性をさらに向上させるために、弾性層表面にプライマー処理した後、被覆層を形成することが好ましい。本発明のプライマーは各種カップリング剤またはエポキシ化合物を含有する任意のプライマーを使用することができる。
【0044】
また、非磁性一成分接触現像方式の現像ローラとして使用する場合には、ローラ表面の凹凸がトナーの搬送性に重要な役割を果たすため、表面に凹凸を付与する有機系フィラーが添加される。有機系フィラーとしては、ローラ表面に凹凸をつけることができれば、特に限定はなく、ウレタン系、アクリル系、スチレン系等の有機系フィラーを用いるのが、トナーの帯電を安定化するために好ましい。平均粒子径は1〜40μmであることが好ましく、特に平均粒子径は、4〜30μmであることが好ましい。平均粒子径が1μm未満であると、被覆層の膜厚より小さくなるため、凹凸を付与する効果が小さくなり、平均粒子径が40μmを超えると、導電性ローラの表面に凸が大きくなるため、画像に影響を与える。
【0045】
有機系フィラーの平均粒子径の測定方法としては、公知の評価方法であれば特に限定はなく、有機系フィラーを適切に分散させた懸濁液をレーザー回折および散乱法に基づいた評価を行うことが、評価ばらつきを最小に抑える観点で好ましい。
【0046】
本発明の被覆層の形成方法としては特に制限はないが、導電性支持部材の周りに形成された弾性層の外周面上に、被覆層を構成する樹脂組成物を一旦溶剤に希釈し、1流体型スプレー塗布、2流体型スプレー塗布、ディップ塗布、ロールコート等の方法を用いて所定の厚みに塗布し、所定の温度で乾燥させることにより、被覆層を形成することができる。具体的には、前記被覆層として使用される(D)ウレタン樹脂及びその他添加剤を溶剤に溶かして固形分を3〜20%にしてスプレーあるいはディップ塗布する方法が簡便である。使用する溶剤としては用いる被覆層の主成分であるウレタン樹脂が相溶すれば特に制限はなく、具体的には、トルエン、キシレン、ヘキサン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、イソプロパノール、水等が例示されるがこれらに限定されるものではない。ここで、被覆層の乾燥温度としては、溶剤の沸点との関係にもよるが、一般的には70〜200℃が好ましく、さらに被覆層の熱的安定性を考慮すると、70〜160℃が特に好ましい。乾燥温度が70℃より低いと乾燥が不十分になる場合があり、200℃より高いと、内層の弾性層及び被覆層の劣化を招く恐れがある。また、被覆層の厚さは、用いる材料、組成及び用途等により適切な値に設定するものであり、特に限定されないが、通常平均厚みで1〜100μmが好ましい。特に弾性層のゴム弾性を好適に発揮するためには、3μm〜30μmが好ましい。1μmより薄くなると耐磨耗性が低下し、長期間の耐久性が低下する傾向がある。また、100μmより厚いと、弾性層との線膨張率の差に起因して、しわが発生しやすくなる、または圧縮歪みが大きくなるなどの問題が発生する傾向がある。被覆層の厚みを調整するために、スプレー法、ディップ法等の方法を数回繰り返し、重ね塗りしてもよい。本発明においては、被覆層溶液の被膜性を改善するために、レベリング剤、消泡剤及び界面活性剤等の各種添加剤を必要に応じて添加してもよい。
【0047】
本発明の(i)成分の高分子主鎖および(ii)成分のフッ素原子を置換基として含まない高分子ブロック成分は、炭化水素系高分子であれば、特に制限するものではなく、任意のものを使用することができる。該炭化水素系高分子としては、オレフィン、アクリル、メタクリル、スチレン−アクリル、スチレンおよびウレタンなどが挙げられる。
【0048】
本発明の(i)成分および(ii)成分は、キシレン、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、N,Nジメチルホルムアミド、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、メタノール、ミネラルスピリットに代表される石油系溶剤、および1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンに代表されるフッ素系溶剤のいずれか1種以上の有機溶剤に可溶である共重合体より選ばれ、分子量については、限定するものではない。
【0049】
(i)成分のフッ素原子を含む高分子側鎖および(ii)成分のフッ素原子を含むブロック成分は、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン,ヘキサフルオロプロピレン等を重合もしくは共重合して得られるものであるが、特に、ここでは、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等が好適に用いられる。該共重合体のユニット数は特に限定されるものではなく、(i)成分および(ii)成分が請求項4に記載の有機溶剤に可溶であれば使用できる。
【0050】
フッ素原子を含む高分子基は、炭化水素系高分子に対し、側鎖および/または、主鎖に付加してもいずれも可能であり、また2種類を併用することも可能である。特にフッ素原子を含む高分子を側鎖に含有するということは、導電性ローラ表面への吸着性の向上、およびフッ素原子を含む高分子側鎖が導電性ローラ表面への配向するという観点で好ましい。
【0051】
また本発明は被覆層の表面上に少なくとも、(i)成分および/または(ii)成分が存在するため、該弾性層および該被覆層の組合せなどにおいても、電気抵抗、ローラ硬度等の他要求特性に細かく対応できるなど、分子設計の自由度も高い。といったメリットもある。
【0052】
本発明において、フッ素原子を含む高分子が側鎖にあることは、導電性ローラ表面への吸着性の向上、およびフッ素原子を含む高分子側鎖が導電性ローラ表面へ配向するという観点で顕著な効果がある。
【0053】
本発明の(i)成分および/または(ii)成分の該被覆層表面への形成方法としては特に制限はないが、一般的には、該成分を一旦溶剤に希釈した溶液をスプレー塗布、ディップ塗布、およびロールコート等のコーティング手法を用いる。具体的には、該溶液を被覆層の表面にコーティングした後、所定の温度で乾燥させることにより、被覆層表面に該高分子化合物を形成する。本発明では簡便性の観点から、スプレー塗布もしくはディップ塗布が好ましい。
【0054】
また、該(i)成分および/または(ii)成分の溶液は、通常表面張力が低いため起泡性が高くかつ消泡性が低いため、消泡剤等の添加剤を添加することも可能である。
【0055】
該溶液の有効成分濃度は、0.1〜50wt%に設定するのが好ましく、1%〜20wt%に設定するのが好ましい。該溶液の有効成分濃度が0.1wt%未満であると、該被覆層表面に形成されるフッ素有効成分濃度が小さくなるため、本発明の課題である導電性ローラ表面へのトナーのフィルミング性の改善効果が不十分であり、また50wt%以上であると、(i)成分および/または(ii)成分が皮膜化するため、ローラ硬度および電気抵抗等の特性に影響を及ぼす。
【0056】
本発明における導電性ローラは、帯電ローラ、現像ローラ、定着ローラ、および転写ローラ等の用途で使用が可能であるが、本発明の課題である導電性ローラ表面へのトナーのフィルミング性の改善という観点では、現像ローラおよび定着ローラで好適に用いられる。さらには導電性ローラの要求特性に細かく対応できる構成であることから、要求特性が高い現像ローラに好適に用いられる。
【実施例】
【0057】
以下に具体的実施例に従い本発明の説明を行うが、本発明は、下記の実施例にのみ限定されるものではない。
【0058】
これらの実施例および比較例の電子写真用導電性ローラは長さ248mm、外径8mmの表面にNiメッキを施したSUM材の表面にプライマー処理を施したものを導電性支持部材として用いた。また、導電性支持部材周りの弾性層を以下の方法で得た。
(A)アリル末端ポリオキシプロピレン(商品名カネカサイリルACS003、鐘淵化学工業製):500g、
(B)ポリオルガノハイドロジェンシロキサン(商品名CR100、鐘淵化学工業製):16g、
(C)ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有率3wt%、キシレン溶液):0.30g、
導電性付与剤としてカーボンブラック(製品名「3030B」、三菱化学製):70g、
さらに、貯蔵安定性改良剤としてマレイン酸ジメチル:0.20g、
を混合し、減圧(10mmHg以下、120分間)脱泡した。得られた組成物を前記シャフトを設置した金型内に注入した後、金型ごと140℃で30分間加熱し、組成物を硬化させることにより、シャフトの外周上に厚さ4mmの弾性層を形成した。
【0059】
また、前記のように得られた弾性層周りに以下の方法で被覆層を得た。
(D)熱可塑性ウレタン樹脂(商品名Y−258、大日精化工業製):100g、
導電性付与剤として、カーボンブラック(商品名HS−100、電気化学工業製):40g、
さらに、希釈溶剤として、N,N’−ジメチルホルムアミド:350g、
からなるウレタン樹脂溶液を縦ディップにより塗布し、140℃×10分で乾燥し、さらに、前記方法によりディップしたローラの逆方向より再度縦ディップを行い、140℃×10分乾燥することにより、弾性層の外周上に被覆層を形成した。
【0060】
(実施例1)
被覆層の外周面上にフッ素を含有する高分子化合物として、
パーフルオロアルキルアクリレートーアルキルアクリレート共重合体(商品名:アサヒガードA5850、旭硝子製):6g、
さらに希釈溶剤としてキシレン:194g、
からなる希釈液を縦ディップにより塗布し、120℃×5分で乾燥し、さらに、前記方法によりディップしたローラの逆方向より再度縦ディップを行い、160℃×30分乾燥することにより、評価用の導電性ローラを得た。次に、前記導電性ローラをカラーレーザービームプリンター(LBP−2510、キャノン製)のトナーカートリッジにセットし、23℃×55%RHの環境で、1%の画像濃度で、8000枚印刷した。その後、現像ローラをトナーカートリッジから取り出し、ローラ表面に積層しているトナーをエアブローにより吹き飛ばした。一般にトナーフィルミングしているローラは、エアブローをした後の表面にもトナーが付着しているものである。それと比較するために、本実施例ではトナーフィルミングの有無を確認するために、粘着テープで付着している可能性のあるトナーをテーピングした。粘着テープにトナーが転写されるかどうかの状態を目視で観察したところ、トナーは付着していなかった。
【0061】
(実施例2)
被覆層の外周面上にフッ素を含有する高分子化合物として、
パーフルオロアルキルーアクリル共重合体(商品名:モディパーF200、日本油脂製):10g、
さらに希釈溶剤としてN,Nージメチルホルムアミド :190g、
からなる希釈液を用い、実施例1と同様の方法で評価用の導電性ローラの作成、および評価を行った。粘着テープにトナーが転写されるかどうかの状態を目視で確認したところ、トナーは付着していなかった。
【0062】
(比較例1)
被覆層の外周面上にフッ素を含有する高分子系化合物を形成しない評価用導電性ローラは、前記被覆層を形成したあとに、残存溶剤を除去するため、160℃×30分の乾燥を行うことで得た。実施例1および2の方法で評価を行った。その結果、粘着テープにトナーが転写されるかどうかの状態を目視で確認したところ、トナーは付着していた。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の弾性ローラの一つの実施形態の構成図である。
【符号の説明】
【0064】
1 導電性支持部材
2 弾性層
3 被覆層
4 フッ素原子を置換基として含まない高分子主鎖と、
フッ素原子を含む高分子側鎖とを、
含むグラフト共重合体
及び/または、
フッ素原子を置換基として含まない高分子ブロック成分と、
少なくとも1以上のフッ素原子を高分子主鎖の置換基として含む高分子
ブロック成分とを、
含むブロック共重合体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性支持部材と、
該導電性支持部材外周面上に形成された弾性層と、
該弾性層の外周面上に形成された少なくとも1層以上の被覆層と、
該被覆層の表面上に形成された
(i)フッ素原子を置換基として含まない高分子主鎖と、
フッ素原子を含む高分子側鎖とを、
含むグラフト共重合体
及び/または、
(ii)フッ素原子を置換基として含まない高分子ブロック成分と、
少なくとも1以上のフッ素原子を高分子主鎖の置換基として含む高分子
ブロック成分とを、
含むブロック共重合体
とを、含む
導電性ローラであって、
前記弾性層が下記の(A)、(B)および(C)成分を必須成分とする硬化性組成物の硬化物であり、
前記被覆層が下記の(D)成分を必須成分とする、
導電性ローラ。
(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体。
(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物。
(C)ヒドロシリル化触媒。
(D)ウレタン樹脂。
【請求項2】
前記(D)成分が熱可塑性ウレタン樹脂を含む、請求項1に記載の導電性ローラ。
【請求項3】
前記(i)成分の高分子主鎖および(ii)成分のフッ素原子を置換基として含まない高分子ブロック成分がオレフィン、アクリル、メタクリル、スチレン−アクリル、スチレン、およびウレタンからなる群より選ばれた少なくとも1種類である、請求項1および2のいずれか1項に記載の導電性ローラ。
【請求項4】
前記(i)成分および(ii)成分がキシレン、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、N,Nジメチルホルムアミド、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、メタノール、ミネラルスピリット、および1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンからなる群より選ばれた少なくとも1種類の化合物に溶解する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性ローラ。
【請求項5】
前記(i)成分および(ii)成分が請求項4記載の群より選ばれた少なくとも1種類である化合物の溶液を被覆層の表面にコーティング処理により形成する請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性ローラ。
【請求項6】
前記被覆層にさらに平均粒子径1〜40μmの有機系フィラーを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性ローラ。
【請求項7】
前記導電性ローラが現像ローラとして用いられる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性ローラ。

【図1】
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【公開番号】特開2007−156350(P2007−156350A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−355244(P2005−355244)
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(000000941)株式会社カネカ (3,932)
【Fターム(参考)】