説明

小型の経路識別文字用のLEDストリップ

経路識別標識の照明のための発光ダイオード(LED)ストリップが提供される。LEDストリップは、可撓な回路板と、回路板上に取り付けられる複数のLEDと、LEDストリップを電源に接続する電気コネクタとを含む。LEDストリップは、LEDストリップが折畳み可能であるよう、可撓な樹脂によって少なくとも部分的にカプセル封じされる。切断する代わりに折畳むことによって長さを調節し、それによって、LEDストリップの防水カプセル封じを保持し得る点で、本発明に従ったLEDストリップは有利である。更に、経路識別標識内に可撓なLEDストリップを取り付けるための方法が提供される。本方法は、少なくとも1つのクリップを経路識別標識の内表面に取り付けるステップと、LEDストリップの端部を折り畳むステップと、クリップを使用して、折畳み端部を含むLEDストリップを固定するステップとを含む。本方法が標準的な従来技術に比べてLEDストリップのより容易且つより確実な取付けをもたらす点で、本発明に従った方法は有利である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は店舗及び広告用の照明ディスプレイにおいて使用される経路識別標識(channel sign)の照明のためのLEDストリップに関する。
【背景技術】
【0002】
照明される経路識別標識は広告のために一般的に使用される。店舗及び倉庫は、例えば、彼らのブランド名又は社章を顧客に広告するために、そのような標識を使用する。使用される多様な書体及びそのような標識の個々の特徴の故に、それらは一般的には特注品である。過去にはネオン管が頻繁に使用されたが、近年は発光ダイオード(LED)に基づく構成が益々普及している。
【0003】
ネオン管は数多くの不利点を有し、それらはネオン管の使用を高価にしている。例えば、ネオン管の形状は特注されなければならず、それによって、ネオン管の価格、よって、経路識別標識の価格を増大する。更に、ネオン管は極めて脆弱であり、よって、輸送が困難である。その上、標識が取り付けられるとき、ネオン管は据え付けられ且つ電気的に接続されなければならず、それは防水構造を達成するのを困難にする。
【0004】
他方、LEDは安価であり脆弱性も低い。LEDの他の利点は、LEDの寿命がネオン管よりもずっと長く、50,000時間を超えることである。LEDを利用する現在の構成は、マニフォルドである。一部の構成は、照明することになる標識に適合する形状を備えるプリント回路板(PCB)を組み込む。しかしながら、各標識は異なるPCBを必要とするので、そのような特注構成は高価である。また、相応して大型のPCBを必要とするそのような標識の概ね大きな被照明領域の故に、防水構成を提供することは面倒である。
【0005】
相互接続されるLEDモジュールを利用する構成は、特注部品を必要としない。モジュールは経路識別標識内に取り付けられ、電源に電気的に接続される。しかしながら、そのような構成は、数センチメートルの幅であるに過ぎない経路を有する小型標識内に取り付けるのが困難である。
【0006】
米国特許第6,478,450号は、可撓な伝導性ストリップを含む経路識別標識用の照明システムを開示しており、伝導性ストリップを経路識別標識の構造に取り付け可能であり、伝導性ストリップに光源、例えば、LEDを電気的に接続可能である。そのような照明システムの不利点は、照明システムを防水にするのが困難なことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
より効率的な上記技術及び先行技術の代替を提供することが本発明の目的である。
【0008】
より具体的には、取付けが容易な経路識別標識用の改良された防水LEDストリップを提供することが本発明の目的である。
【0009】
本発明のこれらの及び他の目的は、独立項1に定められる機能を有するLEDストリップを用いて、並びに、独立項6に定められるLEDストリップを取り付ける方法を用いて達成される。本発明の実施態様は、従属項によって特徴付けられる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
故に、本発明の第一の特徴によれば、経路識別標識用の発光ダイオード(LED)ストリップが提供される。LEDストリップは、可撓回路板(FCB)と、複数のLEDとを含む。LEDはFCBに取り付けられ且つ電気的に接続される。LEDストリップを電源に接続するために電気コネクタを使用し得る。LEDストリップは、LEDストリップが折畳み可能であるよう、可撓な樹脂によって少なくとも部分的にカプセル封じされる。
【0011】
本発明の第二の特徴によれば、経路識別標識内に可撓なLEDストリップを取り付けるための方法が提供される。本方法は、少なくとも1つのクリップを経路識別標識の内表面に取り付けるステップと、LEDストリップの端部を折り畳むステップと、クリップを使用して折畳み端部を含むLEDストリップを固定するステップとを含む。
【0012】
本発明は、本発明の第一の特徴に従ったLEDストリップが、LEDストリップに取り付けられる複数のLEDを備えるFCBと、LEDストリップを電源に電気的に接続するコネクタ又は手段とを含み得るという理解を利用する。防水解決策を達成するために、LEDストリップは、可撓な樹脂内に少なくとも部分的にカプセル封じされ、可撓な樹脂はLEDストリップが折畳み可能であるよう適用される。よって、もしLEDストリップが特定の経路識別標識又は経路識別標識の一部にとって長すぎるならば、LEDストリップを2つの隣接するLEDの間で折畳み得る点で、本発明は有利である。換言すれば、折り畳むことによって、LEDストリップの長さを調節し得る。
【0013】
更に、本発明は有利である。LEDストリップの長さを調節するためにLEDストリップが切断される必要がある従来技術に比べて、LEDストリップを折り畳むことによって、防水カプセル封じ(encapsulation)が保持される。
【0014】
経路識別標識の内表面に取り付けられるクリップを使用してLEDストリップを固定することによって、経路識別標識内のLEDストリップのより容易且つより確実な取付けがもたらされる点で、本発明の第二の特徴に従った方法は有利である。LEDストリップの折畳み端部を固定するために同じクリップを使用し得る。接着剤又は粘着テープを使用する従来技術に比べて、クリップの使用は、LEDストリップがより確実に取り付けられ、その位置を後に矯正し得るという利点を提示する。クリップの利用は、LEDストリップに欠陥があるとき、或いは、LEDストリップが他の如何なる理由であれ交換されるべきであるならば、LEDの交換を容易化する。
【0015】
本発明のある実施態様によれば、本発明の第一の特徴に従ったLEDストリップは、2つの隣接するLEDの間の少なくとも1つの領域に如何なる電子構成部品も存在しないよう、FCBに取り付けられる追加的な電子構成部品を含み得る。電子構成部品が存在しない領域を有することは、LEDストリップがその領域で折り畳まれることを可能にする。全ての追加的な電子構成部品をLEDの1つ又は幾つかに近接して取り付け、それによって、ある範囲の長さに調節可能なLEDストリップを達成することによって、電子構成部品が存在しない1つよりも多くの領域を達成し得る。
【0016】
ある実施態様によれば、可撓な樹脂は、LEDを含む電子構成部品が取り付けられる場所だけで、本発明の第一の特徴に従ったLEDストリップに適用されるのに対し、隣接するLEDの間の少なくとも1つの領域は樹脂でカプセル封じされない。そのようにして、電子構成部品は水分から保護されると同時に、LEDストリップは樹脂が適用されない(或いは少なくとも殆ど樹脂が適用されない)領域で折畳み可能である。
【0017】
他の実施態様によれば、本発明の第一の特徴に従ったLEDストリップをカプセル封じする可撓な樹脂は、LEDでよりも、電子構成部品が取り付けられないLEDの間の領域でより薄い。そのようにして、電子構成部品は水分から保護されると同時に、LEDの間のより薄い樹脂は、LEDストリップの折畳みを容易化する。
【0018】
本発明のある実施態様によれば、上述されたようなLEDストリップを経路識別標識内に配置し得る。この目的のために、経路識別標識は、経路識別標識の内表面に取り付けられる少なくとも1つのクリップを更に含む。
【0019】
本発明を記載する目的のために、経路識別標識は箱形(例えば、長方形の断面を有する経路識別標識)であり、(例えば、文字形状の)前壁と、(好ましくは、実質的に平行であるが、必ずしもそうである必要はない)前壁に面する後壁と、前壁と後壁とを接続する側壁とを含むと想定される。好ましくは、それらの壁は密閉表面を形成するよう配置される。更に、前壁は読取りのために露出され、経路識別標識の内側に取り付けられるLEDストリップによって放射される光のために少なくとも透明又は半透明であると想定される。しかしながら、本発明に関して、経路は上述の形状に限定されず、如何なる形状をも有し得る。その上、経路識別標識の壁のうちのいずれか1つを読取りのために露出し得る、即ち、光を放射するよう構成し得る。例えば、読取りのために前壁及び後壁の両方を露出してもよい。
【0020】
本発明の第二の特徴に従った方法のある実施態様によれば、クリップは経路識別標識の内側壁に取り付けられる。LEDストリップを経路識別標識の側壁に取り付けることは、均質な光分布を作り出すために余分は拡散器が必要とされないという利点を有する。正に、後壁及び側壁のような内表面からの光を反射することによって、経路自体が混合室として作用する。そのようにして、経路識別標識の前壁を通じて見える個々の光源によって引き起こされる所謂輝点(ブライトスポット)の発生が低減される。その上、後壁上よりも経路識別標識の湾曲した側壁上に取り付けられるならば、FCBは曲線により容易に適合する。放射される光はクリップ、粘着テープ、又は、ネジによって妨げられないので、側壁上の取付けは、前壁及び後壁の両方を通じて光を放射する標識においても有利である。これは、例えば、標識の背後の壁上に光輪(halo)を作り出す標識又は両側から見ることができる標識に当て嵌まる。
【0021】
本発明の第二の特徴に従った方法の他の実施態様によれば、クリップは粘着テープを使用して取り付けられる。LEDストリップを取り付けるために必要とされる工具の数が削減される点で、クリップを内表面に取り付けるために粘着テープを使用することは有利である。例えば、穿孔機は必要とされない。その上、小型の経路識別標識において、ネジ回しの使用は利用可能な小さな空間によって妨げられる。
【0022】
本発明の第二の特徴に従った方法の更なる実施態様によれば、クリップは、経路識別標識の壁のような湾曲した表面に取り付けられるよう特別に構成される。クリップは、例えば、細長い形状の基部(ベース)又は2つの細長い部分を含む分割された基部を有し得る。
【0023】
後続の詳細な開示、図面、及び、付属の請求項を研究するとき、本発明の更なる目的、機能、及び、利点は明らかになるであろう。当業者は、以下に記載される実施態様以外の実施態様を作り出すために本発明の異なる機能を組み合わせ得ることを認識するであろう。
【0024】
本発明の上記の並びに追加的な目的、機能、及び、利点は、添付の図面を参照して、以下の例示的で非限定的な本発明の実施態様の詳細な記載を通じてより良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】電子構成部品の取付け場所にのみ適用される樹脂を備える本発明のある実施態様に従ったLEDストリップを示す概略図である。
【図2】LEDでよりも隣接するLED間の領域でより薄い樹脂を有する本発明の他の実施態様に従ったLEDストリップを示す概略図である。
【図3】内表面上のクリップを使用して固定される折畳み端部を備える本発明のある実施態様に従ったLEDストリップを示す概略図である。
【図4a】本発明のある実施態様に従ったクリップの実施例を示す概略図である。
【図4b】本発明のある実施態様に従ったクリップの実施例を示す概略図である。
【図4c】本発明のある実施態様に従ったクリップの実施例を示す概略図である。
【図5a】本発明のある実施態様に従ったクリップを使用してLEDを取り付ける方法を示す概略図である。
【図5b】本発明のある実施態様に従ったクリップを使用してLEDを取り付ける方法を示す概略図である。
【図5c】本発明のある実施態様に従ったクリップを使用してLEDを取り付ける方法を示す概略図である。
【図6】本発明のある実施態様に従った経路識別標識の内壁に取り付けられるLEDストリップを備える経路識別標識を示す概略図である。
【図7】本発明のある実施態様に従った経路識別標識の内表面上のクリップを使用して固定される折畳み端部を備える保護スリーブ又はチューブ(管)内にカプセル封じされるLEDストリップを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
全ての図面は概略的であり、必ずしも原寸通りではなく、本発明を解明するために必要な部分のみを概ね示しており、他の部分は省略されるか或いは単に示唆される。
【0027】
図1は、本発明のある実施態様に従った経路識別標識用のLEDストリップ100を示している。LEDストリップは、ストリップ(strip)の形状を有する可撓回路板(FCB)101を含み、複数のLED102がPCB101に取り付けられる。FCB101の目的は、LED102に電流を供給し得るよう、FCBに取り付けられるLEDを電気的に接続することである。LEDストリップ100が経路識別標識(channel sign)の形状に、即ち、湾曲した表面及び隅部に適合し得るよう、FCB101は可撓である。LED102は、FCBに取り付けるのに適切な如何なる種類であってもよく、例えば、表面取付け装置であり得る。FCBに取り付けられる複数のLEDは、同じ種類又は異なる種類、例えば、異なる大きさであり得るし、異なる色又は強さの光を放射し得る。
【0028】
LEDストリップ100は、LED102に電流を通し得るよう、LEDストリップ100を電源に接続するための電気コネクタ(又は接続手段)103を更に含む。例えば、鑞接によって、コネクタ103をFCBに直接的に接続し得る。コネクタ103は、特注品又は標準品のいずれかの、目の前の用途に適した如何なる種類であってもよく、防水型(例えば、IP66)であってもよい。複数のLED100を互いに並びに共通の電源に接続するために、LEDストリップ100は、複数のコネクタ、例えば、LEDストリップの各端部に1つのコネクタも含み得る。
【0029】
LED102及びコネクタ103を含む電子構成部品及び接続部を水分から保護するために、LEDストリップ100は、可撓な樹脂105に少なくとも部分的にカプセル封じされる。換言すれば、樹脂は防水カプセル封じを構成する。樹脂105は、LEDストリップ100が隣接するLED102の間の樹脂で折畳み可能であるよう適用される。例えば、図1に示されるように、LED102及びコネクタ103を含む電子構成部品が取り付けられる領域107にのみ樹脂105を提供することによって、これを達成し得る。
【0030】
図2を参照して、図1を参照して記載したLEDストリップ100と類似する本発明の他の実施態様を記載する。しかしながら、図1を参照して記載されたように、隣接するLED102の間に樹脂105のない領域を有する代わりに、LEDストリップ200は、LED102が配置される領域207でよりも、隣接するLEDの間の領域206でより薄い樹脂カプセル封じを有する。
【0031】
図2を参照して、LEDストリップ200を電気的に接続するための代替的な手段を記載する。図1を参照して記載したように、電気コネクタをFCB101に直接的に取り付ける代わりに、例えば、鑞接によって、ワイヤ208をFCB101に電気的に接続し得る。直接的に或いはワイヤ208に取り付けられるコネクタ203を通じてLEDストリップ200を電源に電気的に接続するために、ワイヤ208を使用し得る。ワイヤ208は標準的な種類のものであり、好ましくは、絶縁される。コネクタ203は、目の前にある用途に適した特注型又は標準型のいずれかの如何なる種類のものでもよく、防水型(例えば、IP66)であってもよい。図2を参照して記載したLEDストリップを電気的に接続する代替的な手段は、図1を参照して記載したLEDストリップ100におけるコネクタ103を置換し、その逆もあり得る。
【0032】
樹脂105が存在しない領域106、又は、樹脂105がより薄い領域206を、各対の隣接するLED102の間102の間に、或いは、一対の又は数対の間だけに配置し得る。ストリップが折畳み可能である領域の数に依存して、数個の異なる長さのLEDストリップのみを用いて、実質的に如何なる長さをも達成し得る。
【0033】
カプセル封じのために使用される樹脂は、好ましくは、少なくとも透明又は半透明である。所望の照明効果を達成するために、樹脂を着色し或いはパターン化し得る。例えば、シリコン樹脂を使用し得る。何故ならば、シリコン樹脂は紫外線抵抗性を有し、変色せず、多孔質にならないからである。
【0034】
LED102に加えて、FCB101に追加的な電子構成部品104を取り付け得る。所望の照明効果が得られるよう、LED102に電流を供給し或いはLED102を制御する目的のために、追加的な電子構成部品104を使用し得る。もし、例えば、LEDストリップが異なる色のLEDを含むならば、異なる色の照明を可能にするために電子機器を提供し得る。LEDストリップの折畳みを妨げないよう、追加的な電子構成部品104は、好ましくは、1つ又は幾つかのLED102の間ストリップ102の近傍に取り付けられる。
【0035】
図3は、隣接するLED102の間の領域でLEDストリップ301をどのように折り畳み得るかを例示している。LEDストリップ301は、図1及び2を参照してそれぞれ記載したLEDストリップ100又は200のうちのいずれか1つと同じであり得る。そのようにして、LEDストリップ301が折畳み可能である領域、即ち、樹脂が適用されない領域106又は樹脂カプセル封じがより薄い領域206の数及び配置に依存して、LEDストリップ301の長さを実質的に如何なる長さにも調節し得る。図3は、経路識別標識の内壁303に取り付けられるクリップ302を使用して、ストリップ301をどのように経路内に取り付けるかも例示している。LEDストリップ301を経路識別標識内に取り付けるために使用される同じクリップ302を、LEDストリップ301の折畳み端部304を固定するためにも使用し得る。LEDストリップの固定は、図1に示されるように樹脂105が適用されない或いは図2に示されるように樹脂205がより薄い、隣接するLED102の間の領域106及び206によってそれぞれ促進される。LEDストリップ301はこれらの領域においてより薄いので、LEDストリップ301をクリップ302の開口内に挿入するのはより容易である。その上、電子構成部品はこれらの領域内に取り付けられないので、LEDストリップを損傷する危険性も低減される。
【0036】
図4a及び4bにはクリップの2つの実施態様が示されており、それらは湾曲した表面401及び402上への取付けのためにそれぞれ適合されている。一般的には、クリップの形状又はクリップの弾性部分は、LEDストリップを締め付け或いは保持するよう構成される。クリップの断面又はクリップの弾性部分は、例えば、歪んだU形状を有し得る。図4aに示されるクリップ410は、細長い形状の基部(ベース)411を有するのに対し、図4bに示されるクリップ420は、曲げ得る2つの細長い部分421’及び421”を備える分割基部を有する。様々な方法で、例えば、接着によって或いは粘着テープ412を使用することによってクリップを壁に取り付け得るが、ネジを使用しても経路識別標識に取り付け得る。
【0037】
図4cには、クリップの第三実施態様が示されている。クリップ430は、ネジ433を使用して経路識別標識の後壁432に取り付け得る基部431を有する。LDストリップ434を側壁435に対して特定の距離に維持し得る点で、クリップを後壁432に取り付けるのは有利である。ネジ433が相応して弾性部分436から偏心(offset)するよう、基部435はLEDストリップ434の延長線に沿ってクリップの弾性部分436から延びる。クリップを取り付けるための空間要求が最小に維持され、狭い経路内にクリップを取り付け得る点で、これは有利である。あたかもLEDストリップがクリップ410又は420のうちのいずれかを使用して側壁に取り付けられたかのように、即ち、FCBが側壁に面するように、LEDストリップ434が同様に方向付けられる点で、LEDストリップを後壁に取り付けるためにクリップ430を使用することは有利である。
【0038】
一般的には、クリップを任意の材料、例えば、プラスチックで作製可能であり、好ましくは、放射される光を妨げず且つ/或いは影を生み出さないよう透明である。LEDストリップを経路識別標識の内表面に直接的に取り付ける代わりにクリップを使用することは、LEDストリップを容易に再位置決め又は交換可能であるという利点を有する。その上、標準的な接着剤は一般的にはシリコンに貼着しないので、クリップが使用されるならば、より確実な接続が達成される。
【0039】
図5a乃至5cは、経路識別標識502内に可撓LEDストリップ501を取り付けるための方法500を例示する順次的な図面を示している。LEDストリップ501は、折畳み可能な可撓な如何なるLEDストリップであってもよく、例えば、図1乃至3を参照して上述されたLEDストリップのうちのいずれか、又は、図7に示されるような可撓スリーブ又はチューブ内にカプセル封じされるLEDストリップ701であり得る。可撓スリーブ又はチューブはLEDストリップを防水性にする。折畳みによってLEDストリップの長さを調節し得ると同時に、防水カプセル封じが保持される点で、可撓スリーブ又はチューブの使用は有利であることが理解されよう。
【0040】
先ず、図5aに示されるように、粘着テープを使用して経路識別標識502の内表面504にクリップ503を取り付ける。ネジ回しのような工具を用いて小さい経路の内部にアクセスするのは困難なので、この後者のアプローチは小型の経路識別標識内の取付けを容易化する。その目的のために特別に構成された工具505を使用してクリップを取り付け得るが、(ルーラのような)標準的な工具を使用して或いは手によっても取り付け得る。工具505は、例えば、長円形であってよく、経路の側壁の上方縁部507に対してクリップの取付け位置を定めるストップ506を含み得る。ストップが工具に沿って移動可能であり、且つ、例えば、ネジ508を用いて固定可能であるよう、ストップ508を構成し得る。これは取付け位置(即ち、クリップと経路の側壁の上方縁部507との間の距離)が調節可能であるという利点を有する。
【0041】
次のステップ、即ち、図5bにおいて、LEDストリップ501の長さを調節するために、LEDストリップ501の端部505を折り畳む。
【0042】
図5cに示される最終ステップにおいて、LEDストリップ501をクリップ503内に挿入することによって、LEDストリップ501を固定する。LEDストリップの固定は、樹脂が適用されない領域又は樹脂がより薄い領域でLEDストリップを挿入することによって容易化される。何故ならば、ストリップは弾性クリップ503によってより容易に適合されるからである。
【0043】
上述された方法のステップは、必ずしも所定の順序で行われる必要がないことに留意のこと。事実、経路壁504に取り付けられるクリップ503を使用して、LEDストリップ501を先ず固定し得る。後続のステップにおいて、LEDストリップ501を取り付けるために使用されたのと同じクリップ503内にLEDストリップ501を挿入することによって、LEDストリップ501の端部を固定し得る。
【0044】
図6は、クリップ602を使用して経路識別標識600の内側側壁に取り付けられたLEDストリップ601を備える経路識別標識600を示している。クリップ602は、図3乃至5を参照して上述された如何なるクリップであってもよい。LEDストリップ601は、ケーブル604を使用して電源603に接続されている。経路の幅及び/又は所要の照明に依存して、LEDストリップ601を、領域605におけるように経路の片側だけに、或いは、領域606におけるように経路の両側に取り付け得る。
【0045】
当業者は本発明が決して上記実施態様に限定されないことを理解しよう。反対に、多くの修正及び変更が付属の請求項の範囲内で可能である。例えば、LEDストリップが備え得る追加的な電子構成部品を、LEDが取り付けられる場所とは別の領域において、例えば、コネクタに近接して或いはLEDストリップの両端部の一方で、PCBに取り付け得る。その上、LEDストリップを取り付けるために使用されるクリップを、接着剤、粘着テープ、ネジ、釘、又は、リベットのいずれか1つ又はそれらの組み合わせを使用して取り付けるために配置し得る。
【0046】
結論として、経路識別標識の照明のための発光ダイオード(LED)ストリップが提供される。LEDストリップは、可撓な回路板と、回路板上に取り付けられる複数の発光ダイオードと、発光ダイオードストリップを電源に接続する電気コネクタとを含む。LEDストリップは、LEDストリップが折畳み可能であるよう、可撓な樹脂によって少なくとも部分的にカプセル封じ(カプセル化)される。切断の代わりに折畳みによってその長さを調節可能であり、それによって、LEDストリップの防水カプセル封じを保持する点で、本発明に従ったLEDストリップは有利である。更に、経路識別標識内に可撓なLEDストリップを取り付ける方法が提供される。本方法は、少なくとも1つのクリップを経路識別標識の内表面に取り付けるステップと、発光ダイオードストリップの端部を折り畳むステップと、クリップを使用して、端部を含む発光ダイオードストリップを固定するステップとを含む。本方法が標準的な先行技術と比べてより容易且つより確実な発光ダイオードストリップの取付けをもたらす点で、本発明に従った方法は有利である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路識別標識用の発光ダイオードストリップであって、
可撓な回路板と、
該回路板上に取り付けられる複数の発光ダイオードと、
当該発光ダイオードストリップを電源に接続する電気コネクタとを含み、
当該発光ダイオードストリップは、当該発光ダイオードストリップが折畳み可能であるよう、可撓な樹脂によって少なくとも部分的にカプセル封じされる、
発光ダイオードストリップ。
【請求項2】
前記回路板に取り付けられる追加的な電子構成部品を更に含み、当該発光ダイオードストリップが折り畳み可能であるよう、2つの隣接する発光ダイオードの間の少なくとも1つの領域に前記追加的な電子構成部品が存在しない、請求項1に記載の発光ダイオードストリップ。
【請求項3】
前記樹脂は、当該発光ダイオードを含む電子構成部品が取り付けられる領域にのみ適用される、請求項1又は2に記載の発光ダイオードストリップ。
【請求項4】
前記樹脂は、当該発光ダイオードでよりも、2つの隣接する発光ダイオードの間の少なくとも1つの領域内でより薄い、請求項1又は2に記載の発光ダイオードストリップ。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の少なくとも1つの発光ダイオードストリップと、
該発光ダイオードストリップを固定するための少なくとも1つのクリップとを含み、
該クリップは、当該経路識別標識の内表面に取り付けられる、
経路識別標識。
【請求項6】
経路識別標識内に可撓な発光ダイオードストリップを取り付けるための方法であって、
少なくとも1つのクリップを前記経路識別標識の内表面に取り付けるステップと、
前記発光ダイオードストリップの端部を折り畳むステップと、
前記クリップを使用して前記折畳み端部を含む前記発光ダイオードストリップを固定するステップとを含む、
方法。
【請求項7】
前記内表面は、前記経路識別標識の側壁である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記クリップは、粘着テープを使用して取り付けられる、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記クリップの基部は、細長い形状を有する、請求項6乃至8のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記クリップの基部は分割され、2つの細長い部分を有する、請求項6乃至9のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記発光ダイオードストリップが折り畳み可能であるよう、前記発光ダイオードストリップは、可撓なスリーブ又はチューブ内に配置される、請求項6乃至10のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記発光ダイオードストリップが折り畳み可能であるよう、前記発光ダイオードストリップは、可撓な樹脂内に少なくとも部分的にカプセル封じされる、請求項6乃至10のうちのいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−521016(P2012−521016A)
【公表日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−500344(P2012−500344)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際出願番号】PCT/IB2010/051057
【国際公開番号】WO2010/106472
【国際公開日】平成22年9月23日(2010.9.23)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】