説明

小袋投入装置

【課題】 収納部から小袋を旧い小袋を残すこと無く搬出でき、効率的に小袋の方向整列・重なり除去をし、確実に小袋を分離して包装体内に投入できる小袋投入装置を提供する。
【解決手段】 小袋供給手段20は、収納部10の上部に位置する小袋12を押圧部材16によって横方向に押すことによって該小袋12を搬送路18に供給し、小袋整列手段26を経路方向に沿って進退動作させて、前記搬送路18を経由して、小袋12の長さ方向寸法12Lよりも狭くかつ小袋12の幅方向寸法12Wよりも広い間隔22Wの経路24上に置かれた小袋12を整列させながらその経路出口24O側方向に向けて移動させて、経路出口24Oから整列して出た小袋12を搬送方向に個々に分離させ、当該小袋12を一つずつ投入シュート手段30に搬送し、投入シュート手段30は該小袋12を前記包装体14内に一つずつ投入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品や食品の入った容器・袋等の包装体内に、パッケージ型(袋体型)の乾燥剤や鮮度保持剤等の包装体に比較して小型の小袋を1個等の所定個ずつ投入する作業を自動的に行う小袋投入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医薬品や食品などの包装対象物については、保管時や販売・展示時の清潔感向上等の考慮して、容器・袋等の包装体内に収容して包装することが一般的になっている。
【0003】
包装体内には包装対象物以外に小型の袋物(「小袋」という)を1個または所定個ずつ投入する作業が行われる。例えば包装対象物がめん類であれば、小袋の中身は薬味やスープである。
【0004】
この小袋投入作業を自動的に行う小袋投入装置は、通常、小袋を連続状(連包状)にした連包状小袋を一つずつまたは複数ずつ切断してその小袋を包装体内に収納している(特開平9−278007号公報:特許文献1等参照)。
【0005】
この場合、連包状小袋は、図20に示すように、縦シール部aで側部が封止された樹脂シート等の包材が筒状に形成されたものであって横シール部(連結部)b、bで囲まれた区画が小袋cとなる。また、小袋投入装置においては、この連包状小袋をピッチ計測によって横シール部bを検出し、この横シール部bを切断しつつ(切断線d)、小袋cを所定位置に投入するようになっている。
【0006】
手指等によって取り扱え得るような比較的小さな物品を送る装置には、超音波駆動によって小物品を送り盤上に滑らせながら搬送するようになっているものがある(特開2000−77734号公報:特許文献2)。この種の超音波駆動装置を用いたパーツフィーダには、図21(a)に示すように、パーツボールと称されるボールフィーダeと直線的にワーク(パーツ)gを搬送するリニアフィーダfとを組み合わせものがある。
【0007】
このパーツフィーダにおいては、図21(b)に示すように、最終的な出口部分f1では、ワークg、g同士が押しつけあって並び状態とし、ワークの長さを基準とした分離機構を設けて1つずつ取り出すようになっている。
【0008】
ワークを一つずつ取り出す構造としては、図22に示すように、桟(さん)hがベルトi周面上に等間隔に設けられた桟付きのベルトコンベアによって、パーツをより分けて搬送するものがある。ホッパー等の収納部に溜められたワークを上記桟付きのベルトコンベアによって掻き出してワークを桟の間に一つ一つずつ位置させてワークを搬送しようとするものである。
【0009】
ところで、医薬品や食品等の包装対象物の湿度や鮮度を保つために包装体内に同封する乾燥剤や鮮度保持剤等の小袋は、パッケージの形態を小型化してピロー型包装としたものを用いることが要望されている。図23に示すように、このピロー型包装の小袋jは、その大きさ自体が縦*横が30mm*20mm程度と小さく、小型に製作する都合から長さ方向端部のシール部kも0.5〜2mm程度と極端に短いものであり、また、縦シールmが小袋の側部ではなく厚さ方向の一面に位置するようになっている。
【0010】
この種のピロー型包装の小袋を包装体内に投入する作業も、また、自動化して作業効率を向上させることが望まれている。
【特許文献1】特開平9−278007号公報
【特許文献2】特開2000−77734号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述のようなピロー型包装の小袋について、連続投入のために仮に連包状として、特許文献1等の小袋投入装置を用いて投入しようとすると、厚さ方向両面をピンチローラによってワークである小袋jを挟み込んで(ピンチして)フィードする際に、この種の小袋jでは縦シール部分が側部に設けられていないため、内容物の入っている胴体部分を挟み込むことになる。このため、ローラの加圧力によっては、内容物が破損したり、内容物の突起により包材にピンホールが開いたり等の問題が発生する。
【0012】
したがって、前記のピロー型小袋などの端部のシール部が短い小袋は、個々に独立した単包状態で取り扱って包装体内に投入する必要がある。
【0013】
しかしながら、このような単包状態で取り扱う小袋について、破損の生じないようかつ適確に整列させて搬送させ、包装体内に1個1個の小袋を投入する技術が従来提案されていなかった。
【0014】
これの対策として、仮に、前記のパーツフィーダを用いて搬送する場合では、上記の小袋jがボールフィーダeからリニアフィーダfに搬送されて行くとしても、ワークである小袋jが、互いに押し合いながら搬送されて行くと共に、ワークの前後端は横シールであり、幅方向端部がRのついたくさび状となっているため、図24に示すように、端部同士やワーク同士が重なったりして、図21(b)に示したような端部同士が重なることなく押し合う所謂押せ押せの状態のような、ワークの端部同士が分離切り出し可能な条件の並び状態にできないという問題点がある。
【0015】
また、前記図22に示した桟付きベルトコンベアによってホッパー(収納部)からワークを搬出する場合では、ホッパー下部でワーク自重の作用によってベルトコンベアの桟にワークが掛かって掻き上げる方式になるため、掻き揚げるときにワークにストレスが作用し変形する虞がある。また、ホッパーへのワーク補充はホッパー上部から新しいワークをつぎ足す方式であるので、旧いワークが残る可能性がある。さらには、ワークの分離・包装袋内への投入部のワーク量の供給コントロールが桟付きベルトコンベアの桟幅と高さの設定のみでは一定せず、小袋が投入されない歯抜けや小袋を複数投入する二重投入になりやすい等の問題点が生じる。
【0016】
本発明は、上述の課題を解消するためなされたものであって、収納部から小袋を旧い小袋を残すこと無く搬出でき、効率的に小袋の方向整列・重なり除去をし、確実に小袋を分離して包装体内に投入できる小袋投入装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は小袋投入装置にかかるものであって次の構成を有する。
【0018】
請求項1に記載の発明は、収納部に収納された単包状態の小袋を個々に分離状態で整列させて搬送し、該小袋を容器または袋等の包装体内に所定個ずつ投入する小袋投入装置であって、収納部の上部に位置する小袋を押圧部材によって横方向に押すことによって該小袋を搬送路に供給する小袋供給手段と、小袋の長さ方向寸法よりも狭くかつ小袋の幅方向寸法よりも広い間隔で対向する壁面部に幅方向両端が囲まれた経路が上面に形成され、前記小袋をこの経路に通すことによって小袋の長さ方向を経路方向に沿うように整列させる小袋整列手段と、小袋整列手段を経路方向に沿って進退動作させることによって、前記搬送路を経由して経路上に置かれた小袋を整列させながらその出口側方向に向けて移動させる整列部材進退動作手段と、小袋整列手段の経路出口から整列して出た小袋を搬送方向に個々に分離させ、当該小袋を一つずつ投入シュート手段に搬送する小袋分離搬送手段と、小袋分離搬送手段によって搬送された小袋を前記包装体内に一つずつ投入する投入シュート手段とを備えていることを特徴とする小袋投入装置の構成を有する。
【0019】
請求項2に記載の発明は、小袋供給手段は、複数の板状の押圧部材がベルト周面部にその送り方向に間隔を置いて配列されたベルトと、該ベルトを循環可能に支持する支持プーリと、該支持プーリを回転駆動させるモータ駆動部と、搬送路上の小袋の有無を検出する搬送路小袋検出部と、搬送路小袋検出部によって搬送路上に小袋が無いことを検出したときには前記モータ駆動部によって支持プーリを駆動させて押圧部材によって小袋を搬送路に供給する駆動制御部とを有していることを特徴とする請求項1に記載の小袋投入装置の構成を有する。
【0020】
請求項3に記載の発明は、ベルトおよび支持プーリが、収納部の上部であって搬送路側の反対側部に設けた支点によって収納部上部を開閉可能に支持されていることを特徴とする請求項2に記載の小袋投入装置の構成を有する。
【0021】
請求項4に記載の発明は、収納部内の上部において小袋の有無を検出する上部小袋有無検出手段と、この上部小袋有無検出手段によって、収納部内の上部に位置する小袋が無いことを検出したときには、収納部の上部に小袋が位置するように収納部で小袋を載せた昇降板を上昇させる昇降板上昇手段とを設けていることを特徴とする請求項1に記載の小袋投入装置の構成を有する。
【0022】
請求項5に記載の発明は、搬送路には、小袋供給手段によって供給された小袋を搬送面部上に載置させて搬送面部の移動によって該小袋を小袋整列手段に向けて搬送する搬送手段と、搬送面から小袋の厚みの略1〜2倍の間隔に離隔した規制部材を該搬送面上に設けて搬送面上で小袋同士が重なって搬送されるのを防止する重なり防止手段とを設けていることを特徴とする請求項1に記載の小袋投入装置の構成を有する。
【0023】
請求項6に記載の発明は、小袋整列手段が、経路がその幅方向一側が他側よりも低くなるように傾いており、経路上の高くなった他側の壁面部に、経路上を進行する小袋に当接して該小袋を経路面に略平行に接しさせかつ一側の壁面部に接触させるように向きを変化させる突起部を設けていることを特徴とする請求項1に記載の小袋投入装置の構成を有する。
【0024】
請求項7に記載の発明は、経路面から小袋の厚みの略1〜2倍の間隔に離隔した規制部材を該経路面上に設けて経路面上で小袋同士が重なって搬送されるのを防止する重なり防止手段を設けていることを特徴とする請求項6に記載の小袋投入装置の構成を有する。
【0025】
請求項8に記載の発明は、小袋分離搬送手段が、小袋整列手段の出口から整列して出た小袋を第1のベルト上に順次載せて第1のベルトを駆動することによって小袋を搬送する第1のベルトコンベア部と、第1のベルトコンベア部によって搬送された小袋を第2のベルト上に乗せて第2のベルトを駆動することによって小袋を1つずつ投入シュート手段に向けて送る第2のベルトコンベア部とを有していることを特徴とする請求項1に記載の小袋投入装置の構成を有する。
【0026】
請求項9に記載の発明は、小袋分離搬送手段が、第1のベルトコンベア部および第2のベルトコンベア部の各小袋出口位置で小袋を検出したときに第1のベルトおよび第2のベルト駆動を停止させるための各停止センサと、該各停止センサの下流側でベルト駆動停止後ベルト上で移動してきた小袋の有無を検出する確認センサとを有していることを特徴とする請求項8に記載の小袋投入装置の構成を有する。
【発明の効果】
【0027】
本発明の請求項1〜9に記載の小袋投入装置によれば、小袋供給手段が収納部の上部に位置する小袋を押圧部材によって横方向に押すことによって自重のかからない状態で該小袋を搬送路に供給し、また、小袋整列手段の進退動作によって経路上に置かれた小袋を整列させながらその出口側方向に向けて移動させ、さらに、ベルトコンベア手段によって小袋を順にベルト上に載せて小袋を一つずつ投入シュート手段に搬送するので、個々の小袋が連続状包装体のようにローラによって挟んでフィードすることを一切排除して、ローラの加圧力による小袋の内容物の破損や内容物の突起による包材にピンホールが開く等の問題を確実に防止できる。
【0028】
また、小袋整列手段が小袋の長さ方向寸法よりも狭くかつ小袋の幅方向寸法よりも広い間隔で対向する壁面部に幅方向両端が囲まれた経路が上面に形成され、前記小袋をこの経路に通すことによって小袋の長さ方向を経路方向に沿うように整列させるものであって、整列部材進退動作手段によって、小袋整列手段を経路方向に沿って進退動作させることによって、前記搬送路を経由して経路上に置かれた小袋を整列させながらその出口側方向に向けて移動させるので、小袋を確実に整列状態で移動できる。
【0029】
また、ベルト小袋分離搬送手段によって、小袋整列手段の経路出口から整列して出た小袋を搬送方向に個々に分離させ、当該小袋を一つずつ投入シュート手段に搬送するので、整列状態の小袋を個々に分離して間隔を置いて搬送し適切に投入シュート手段に送って包装体内に投入できる。
【0030】
上記作用効果に加えて、請求項2に記載の発明によれば、小袋供給手段は、複数の板状の押圧部材がベルト周面部にその送り方向に間隔を置いて配列されたベルトを支持する支持プーリをモータ駆動部によって回転駆動させるのに、駆動制御部が搬送路小袋検出部によって搬送路上に小袋が無いことを検出したときには前記モータ駆動部によって支持プーリを駆動させるので、ベルトの周面部にその送り方向に間隔を置いて押圧部材を配列したという単純な構成によって小袋を挟みつけることなく押し出して供給することができ、これによって、簡単な構成でかつ確実に小袋を供給することができ、また、小袋の破損がより一層確実に防止できる。
【0031】
請求項3に記載の発明によれば、ベルトおよび支持プーリが、収納部の上部であって搬送路側の反対側部に設けた支点によって収納部上部を開閉可能に支持されているので、収納部に小袋がなくなり補給するときに、容易かつ迅速に収納部上部を開いて小袋を補充することができ、補充後は容易かつ迅速に収納部上部を閉じて小袋の供給を再開することができる。
【0032】
請求項4に記載の発明よれば、収納部内の上部の小袋の有無を検出する上部小袋有無検出手段を設け、この上部小袋有無検出部によって、収納部内の上部に位置する小袋が無いことを検出したときには、収納部の上部に小袋が位置するように収納部の昇降板を上昇させる昇降板上昇手段とを設けているので、収容部内の上部に常に自動的に小袋が位置するようになり、小袋供給手段で必要に応じて確実に搬送路に小袋を供給できる。
【0033】
請求項5に記載の発明によれば、小袋供給手段によって供給された小袋を搬送手段が搬送面上に載置させて搬送面の移動によって該小袋を小袋整列手段に向けて搬送し、重なり防止手段によって搬送面から小袋の厚みの略1〜2倍の間隔に離隔した規制部材を該搬送面上に設けて搬送面上で小袋同士が重なって搬送されるのを防止するので、小袋同士の重なりを確実に排除して小袋同士が重ならない状態で小袋を小袋整列手段に供給できる。
【0034】
請求項6に記載の発明によれば、小袋整列手段が、経路がその幅方向一側が他側よりも低くなるように傾いており、経路上の高くなった他側の壁面部に、経路上を進行する小袋に当接して該小袋を経路面に略平行に接しさせかつ一側の壁面部に接触させるように向きを変化させる突起部を設けているので、単純に経路を傾けかつ突起部を設けるという簡単な手段によって、経路上を進行する小袋の長さ方向の向きを確実に経路方向に整列させて小袋を経路から送出できる。
【0035】
請求項7に記載の発明によれば、経路面から小袋の厚みの略1〜2倍の間隔に離隔した規制部材を該経路面上に設けて経路面上で小袋同士が重なって搬送されるのを防止する重なり防止手段を設けているので、経路を搬送される小袋の重なりを確実に防止できる。
【0036】
請求項8に記載の発明によれば、小袋分離搬送手段は、第1のベルトコンベア部が小袋整列手段の出口から整列して出た小袋を第1のベルト上に順次載せて第1のベルトを駆動することによって小袋を搬送し、第2のベルトコンベア部は第1のベルトコンベア部によって搬送された小袋を第2のベルト上に乗せて第2のベルトを駆動することによって小袋を1つずつ投入シュート手段に向けて送るので、2つのベルトコンベアという比較的簡単な手段によって整列された小袋同士を分離してシュート手段に送ることができる。また、第1のベルトコンベア部によって小袋整列手段を出た小袋を一旦受けて、順次一つずつ第2のベルトコンベア部によって送るので、小袋整列手段から出た小袋を単一のコンベアで直接投入シュート手段におくるのに比較して小袋の踊りによる検出ミスや搬送ミスを起こしにくく、一つ一つの小袋の扱いがきめこまかく行える。したがって、2個送りや投入装置の頻繁な停止等のトラブルを極力少なくすることができる。
【0037】
請求項9に記載の発明によれば、小袋分離搬送手段は、第1のベルトコンベア部および第2のベルトコンベア部の各小袋出口位置で小袋を検出したときにベルト送りを停止させるための各停止センサと、該各停止センサの下流側でベルト停止後ベルト上で移動した小袋の有無を検出する確認センサとを設けているので、ベルトコンベアの間欠的な駆動停止によって小袋がコンベア上を滑って停止センサで小袋を検出できなくなっても確認センサで小袋がベルトコンベア上にあることを確実に検出でき、この小袋の検出によって各部作動制御を確実に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0039】
図1〜図19は発明を実施する形態の一例であって、図中同一の符号を付した部分は同一物を表わす。
【0040】
図1は、実施の形態(以下「実施形態」という)に係る小袋投入装置の正面図、図2は同小袋投入装置の上面図(平面図)、図3は同小袋投入装置の上部の収納部及び小袋供給手段の詳細な正面視説明図、図4は同小袋投入装置の搬送手段および重なり防止手段の説明図、図5は同小袋投入装置の小袋整列手段の入側から見た説明図、図6、図7は図5の小袋整列手段および整列部材進退動作手段の側面図、平面図、図8、図9は小袋分離搬送手段の詳細な側面視説明図、平面視説明図、図10はシュート手段の小袋投入側から見た説明図、図11は同シュート手段の側面視説明図、図12は小袋投入装置の制御系統の説明ブロック図、図13および図14は小袋整列手段による小袋の整列状況の説明図、図15は重なり防止手段の動作説明図、図16は小袋投入装置の動作説明のフローチャート、図17は図16に続くフローチャート、図18は、小袋2個送り防止の作動を説明するフローチャート、図19の(a)〜(c)は小袋2個送り防止の動作説明図である。
【0041】
〔1〕 小袋投入装置の全体構成を説明する。
【0042】
図1〜図11に示すように、小袋投入装置は、収納部10に収納された単包状態の小袋12を個々に分離状態で整列させて搬送し、該小袋12を容器または袋等の包装体14内に所定個ずつ投入するものであって、収納部10の上部に位置する小袋12を押圧部材16によって横方向に押すことによって該小袋12を搬送路18に供給する小袋供給手段20と、小袋12の長さ方向寸法12Lよりも狭くかつ小袋12の幅方向寸法12Wよりも広い間隔22Wで対向する壁面部22に幅方向両端が囲まれた経路24が上面26Uに形成され、前記小袋12をこの経路24に通すことによって小袋12の長さ方向を経路方向に沿うように整列させる小袋整列手段26と、小袋整列手段26を経路方向に沿って進退動作させることによって、前記搬送路18を経由して経路24上に置かれた小袋12を整列させながらその経路出口24O側方向に向けて移動させる整列部材進退動作手段28と、小袋整列手段26の経路出口24Oから整列して出た小袋12を搬送方向に個々に分離させ、当該小袋12を一つずつ投入シュート手段30に搬送する小袋分離搬送手段32と、小袋分離搬送手段32によって搬送された小袋12を前記包装体14内に一つずつ投入する投入シュート手段30とを備えている小袋投入装置である。
【0043】
詳しくは、前記小袋投入装置は、全体的に概略柱状を呈し、上下方向略中央部に下部構造36よりも平面視で小袋分離搬送手段32側に延在したベース盤34が設けられている。
【0044】
ベース盤34上には、小袋供給手段20、小袋整列手段26、整列部材進退動作手段28、小袋分離搬送手段32、および投入シュート手段30等の小袋12を扱う主要な構成が設けられている。
【0045】
このベース盤34の上下位置は、包装体14の搬送ライン38のライン搬送位置に略一致しており、投入シュート手段30の投入先がベルトコンベアなどからなる搬送ライン38上の包装体14の適切な小袋12投入位置を指向するように設定されている。
【0046】
ベース盤34上において上述の主要な構成の周囲は透明樹脂材などから壁部40で覆われていて、埃などの空気中の塵埃からその侵入を防止して保護するようになっている。また、この壁部40は開閉または着脱が容易にできるようになっておりメンテナンス性が向上されている。
【0047】
また、ベース盤34下は、ベース盤34を支持する4隅がフレーム部材からなる下部構造36であってその下部構造36周面がカバー36aで覆われている。この下部構造36はそのカバー36a内に小袋投入装置の各制御作動を行わせるためのCPU、ROM、RAM等を有する制御盤42a(図12参照)やブレーカを有する電源部42bを収容しており、カバー36a外には図示しない空気圧動力用の圧縮空気(エアー)を機器に導くための、水抜き部などからなるエアー受入れ部が設けられている。
【0048】
また、下部構造36の下面部には、小袋投入装置をある程度上下位置調整可能に基礎床面上に載置・固定する脚部44aと、移動用のキャスター車輪44bが設けられている。
【0049】
小袋投入装置の各部構成を詳しく説明する。
【0050】
小袋12は、実施形態では、前記図20に示したものと同様であってその図20に符号を付記するように、ピロー型包装の小袋である。小袋12は、その大きさ自体が縦(長さ方向寸法12L)*横(幅方向寸法12W)が30mm*20mm程度と小さく、小型に製作する都合から長さ方向端部の横シール部12aも0.5〜2mm程度と極端に短いものであり、また、縦シール部12bが小袋12の側部ではなく厚さ方向の一面に位置するようになっている。
【0051】
〔2〕 小袋供給手段20について説明する。
【0052】
前提として、収納部10は、平面視矩形の上方が開放した箱形状のものであって、外部から見やすいように透明樹脂材によって外壁部が構成されている。収納部10の開放上部は、小袋供給手段20のベルト48等によって覆われている。
【0053】
小袋供給手段20は、収納部10の上部に位置する小袋12を押圧部材16によって横方向に押すことによって該小袋12を搬送路18に供給するものである。
【0054】
実施形態では、図3に示すように、複数の板状の押圧部材16、16…がベルト48周面部にその送り方向に間隔を置いて配列されたベルト48と、該ベルト48を循環可能に支持する支持プーリ50、50と、該支持プーリ50、50を回転駆動させるモータ駆動部52と、搬送路18上の小袋12の有無を検出する搬送路小袋検出部54(図4参照)と、搬送路小袋検出部54によって搬送路18上に小袋12が無いことを検出したときには前記モータ駆動部52によって支持プーリ50を駆動させて押圧部材16によって小袋12を搬送路18に供給する駆動制御部とを有している。
【0055】
具体的には、小袋供給手段20において、平面視コの字形状を呈したフレーム56に囲まれた部分に支持プーリ50、50とベルト48が設けられ、それらを上方からカバー58で覆っている。
【0056】
一対の支持プーリ50、50(中心軸50a、50a)は、図3を正対視してフレーム56の手前側部分と奥側部分(図示省略)との間に回動自在に支持されている。支持プーリ50、50間に架け渡されて循環するベルト48は、ゴム、またはエラストマーからなるものである。支持プーリ50、50間には、それらの中心軸50a、50aを結ぶ線の下方に内側からベルト48を摺接可能にガイドして、押圧部材16、16…による押圧動作(掻き出し動作)のときに押圧部材16、16…からの反力をベルト48が受けて上向に反るのを防ぐ橇状の(前後端下面が斜めに切り落とされた)ガイド部材50bが配設されている。
【0057】
押圧部材16、16…は、ゴム、エラストマーまたはウレタン樹脂からなる弾性のある板材からなるものであって、ベルト48に定ピッチで金具等を介してボルト締着されている。押圧部材16、16…は、小袋12を収納部10から押圧して掻き出す際に、小袋12の包材を傷つけない弾性および柔軟性を有する。
【0058】
前記モータ駆動部52は、支持プーリ50、50の一方のもの(搬送路18の反対側でもある)に隣接した位置であって、フレーム56の支持プーリ50反対側の外部に設けられている。モータ駆動部52と支持プーリ50との間には、タイミングベルト(またはチェーン)60が架け渡されてモータ駆動部52の駆動力が伝達されるようになっている。
【0059】
フレーム56のモータ駆動部52の取り付け箇所の下方部はヒンジ62を介して収納部10の搬送路18反対側面の上部にボルト締着されており、このヒンジ62によって、支持プーリ50、50、ベルト48、フレーム56、およびカバー58が一体に上方に向けて回動し、収納部10上部開口を開閉自在になっている。
【0060】
また、収納部10内の上部においては、小袋12の有無を検出する上部小袋有無検出手段64と、この上部小袋有無検出手段64によって、収納部10内の上部に位置する小袋12が無いことを検出したときには、収納部10の上部に小袋12が位置するように収納部10の昇降板66を上昇させる昇降板上昇手段68とを設けている。
【0061】
具体的には、上部小袋有無検出手段64は、照光式のセンサであって、ビーム光を発する光源部とビーム光の受光の有無を検出する光検知部とが対になった透過型の光電センサからなるものである。その他、反射型の光電センサを用いることができる。
【0062】
また、昇降板上昇手段68は、収納部10の矩形の昇降板66を上昇・下降させるものであって、昇降板66の下面側に設けられたラックギアが形成されたロッド68aと、収納部10の底部10aの下面部に設けたロッド68aを直線状送りするリニアヘッド68bを介してピニオンギア送りによって前記ロッド68aを上昇・下降させるモータ68cを設けているものである。また、昇降板66を平行に上昇・下降させるように、収納部10の底部10aに設けたスライドブッシュからなるガイド部材70a内に昇降板66底部から下方に延びるロッド部材70bが摺動するようになっている。このロッド部材70bには、昇降板66が上昇端もしくは下降端またはその双方にあることを検出するセンサ70cが隣接している。
【0063】
なお、収納部10の搬送路18側上部には、押圧部材16によって押し出された小袋12を搬送路18に向けて流し落とす例えば斜め下方に向く板材からなる幅広の樋状のシュート部材10bが設けられている。
【0064】
収納部10に配設される供給手段20は収納部10内の上部の小袋12を掻き出す上面掻き出しのため、掻き出される小袋12は自重の影響を受け無いものになり、掻き出しの際に小袋に無理なストレスが作用せず、小袋12にダメージを与えることが無い。
【0065】
〔3〕 搬送路18について説明する。
【0066】
図4は搬送路18の説明図であって、(a)が搬送路18の平面図、(b)は搬送路18の側面図であり収納部からの小袋12流れ落ち方向からみた図、(c)は搬送路18を出口方向から見た正面図である。
【0067】
図4に示すように、搬送路18には、小袋供給手段20によって供給された小袋12を搬送面部72a上に載置させて搬送面部72aの移動によって該小袋12を小袋整列手段26に向けて搬送する搬送手段72と、搬送面部72aから小袋12の厚みの略1〜2倍の間隔に離隔した規制部材74を該搬送面部72a上に設けて搬送面部72a上で小袋12、12…同士が重なって搬送されるのを防止する重なり防止手段76とを設けている。
【0068】
具体的には、搬送路18において、搬送手段72は柔軟性のあるベルト部材をプーリ間に循環駆動する搬送コンベアである(プーリが図示しないモータによって駆動される)。ベルトの上面部が搬送面部72aである。搬送面部72aは、ワークである小袋12の搬送に滑りが生じないように適切な摩擦力を発生する材質で形成される。
【0069】
搬送手段72は、収納部10に隣接しかつそのシュート部材10bの小袋12流し落とし方向に位置し、ほぼ収納部10の底部10aと同じ上下方向位置となっている。搬送手段72は、搬送路18の始端から終端に向けて搬送手段72の上側でベルトが送られて、終端で折り返して搬送手段72の下側でベルトが始端に送られる循環を行うようになっている。また、搬送路18において、搬送手段72の幅方向両側には、流し落とされた小袋12が搬送路18から落ちないよう一時貯留するため、剛性のある金属などからなる壁状のガイド部材72b、72bが対で立設される。
【0070】
搬送路18の始端から半ばまでは前記シュート部材10bの小袋12流し落とし方向に対応しており、そこでの小袋12の有無を検出する搬送路小袋検出部54が搬送路18に設けられている。搬送路小袋検出部54は、照光式のセンサが2対設けられており(符号541、542で示す)このセンサはビーム光を発する光源部とビーム光の受光の有無を検出する光検知部とが対になった透過型の光電センサからなるものである。ビーム光の方向が検出方向になる2対のセンサにおいてはビーム光の方向が互いにクロスする2方向になっており、光源部と光検知部のいずれも搬送路18の外側に設けられる。ガイド部材72b、72bにビーム光を通すための孔が開いている。搬送路小袋検出部54は2対のセンサ(541、542)を、そのビーム配置を互いにクロスする「X」字形にして小袋12の有無を検出するため、検出エリアを広くし、ベルト上のワークに偏りがあっても小袋12を検出できるようにしている。
【0071】
また、搬送路18の終端は小袋12の出口側であって、この出口側にも小袋12の有無を検出する1対の照光式のセンサ(符号543で示す)が設けられている。
【0072】
なお、この搬送路小袋検出部54(541、542)および出口側のセンサ(543)には、その他、光源部と光検知部が一体の反射型の光電センサを用いることができる。
【0073】
また、重なり防止手段76において、規制部材74は、複数枚のゴム等からなる柔軟性板材からなり、この規制部材74が搬送方向に平面視で垂直方向に向く回転軸74aに放射状に配設されているものである(図5参照)。
【0074】
そして、回転軸74aに基端部の固定された規制部材74の先端部が搬送面部72aから小袋12の厚みの略1〜2倍の間隔に離隔した位置上を通過するように、規制部材74を搬送面部72a上に設けている。
【0075】
この規制部材74がモータ74bの駆動によって回転軸74aを中心に回転することにより、搬送面部72a上において小袋12、12…を厚さ1枚分のみの通過を許容する。したがって、小袋12、12…が重なって搬送されてきた場合に上側の小袋12が通過できず下側の1枚分の小袋12のみ通過するので、小袋12の重なりを確実に排除し防止できる。また、搬送手段72のベルト送りのタイミングとベルト規制部材74の回転によって、小袋の搬送数は1回当り5〜10袋程度に制限している。
【0076】
〔4〕 小袋整列手段26および整列部材進退動作手段28について説明する。
【0077】
図5〜図7は小袋整列手段26の説明図である。図5は小袋整列手段26の入口側から見た図であって、搬送路18の側面を示す図3(b)に対応するものである。図6は小袋整列手段26および整列部材進退動作手段28の側面図であって、搬送路18の出口側を示す図4(c)に対応するものである。図7は小袋整列手段26の平面視図である。なお、後述の図13、図14を用いて突起部78による小袋整列作動を説明している。
【0078】
図4〜図7に示すように、小袋整列手段26は、小袋12の長さ方向寸法12Lよりも狭くかつ小袋12の幅方向寸法12Wよりも広い間隔22Wで対向する壁面部22に幅方向両端が囲まれた経路24が上面26Uに形成され、前記小袋12をこの経路24に通すことによって小袋12の長さ方向を経路24方向に沿うように整列させるものである。
【0079】
また、整列部材進退動作手段28は、小袋整列手段26を経路方向に沿って進退動作させることによって、前記搬送路18を経由して経路24上に置かれた小袋12を整列させながらその経路出口24O側方向に向けて移動させるものである。
【0080】
実施形態では、また、小袋整列手段26は、経路24がその幅方向一側が他側よりも低くなるように傾いて(図5中角度α傾いている)おり、経路24上の高くなった他側の壁面部22bに、経路24上を進行する小袋12に当接して該小袋12を経路24面に略平行に接しさせかつ一側の壁面部22aに接触させるように向きを変化させる突起部78を設けているものである。
【0081】
具体的な構造としては、小袋整列手段26は上面26Uが平坦な矩形の金属からなる板材と、その板材の上面26Uに断面矩形の金属からなる棒状材を一対、互いに平行にボルト等で締着し固定して配設したものである。この一対の矩形棒状材のそれぞれの一面を上面26Uに接しさせ、それぞれの他面同士を平行に対向させたものである。この棒状材の他面同士が一側、他側の壁面部22a、22bを構成し、その壁面部22a、22b間を、小袋12を整列させながら搬送する経路24とするものである。小袋整列手段26は経路24が壁面部22a、22bと共に谷状の溝を形成しているので、「トラフ」とも称される。
【0082】
前記経路24の小袋12進行方向は、搬送路18の小袋搬送方向に対して平面視で垂直方向となりかつ収納部10の一側面に沿っているものである。言い換えれば、経路24における小袋12進行方向は、押圧部材16による小袋12押圧方向(掻き出し方向)の反対方向に向いている。そして、経路24の他側よりも低くなった一側は、収納部10側に近い側に位置しており、この一側の壁面部22aは前記搬送路18の出口の下方に位置している。一側の壁面部22a上には、搬送路18の出口から経路24に向けて小袋12を滑り落とすシュート部材80がこの一側の壁面部22aから搬送路18出口下方に延びるように斜めの板状を呈して設けられている。このシュート部材80は経路24の半ばまで形成されているが、少なくとも搬送路18の出口に対応する分があればよい。また、このシュート部材80に対応して他側の壁面部22bには経路24に沿って延在する壁状のガイド板材82が立設しており、このガイド部材82によってシュート部材80を滑り降りた小袋12が弾むなどして経路24から飛び出すことを阻止する防止するようになっている。
【0083】
小袋整列手段26は、経路24がその幅方向一側が他側よりも低くなるように傾けて(図5中角度α傾いている)おり、このように傾けることによって、経路24を通る小袋12は低くなっている幅方向一側の壁面部22aに添って搬送されるようにしている。これにより、小袋12は方向整列が容易になり、上記の突起部78との方向整列作用と相まって確実・容易に小袋12の方向を整列させることができる。
【0084】
また、経路24にも受けられた突起部78は、その機能の異なるものが複数設けられる。一つは他側の壁面部22bの少なくとも底部から一側の壁面部22aに向けて、ほぼ一側の壁面部22aとの間隔が小袋12の幅方向寸法と略同じ間隔まで突出した突起部78aである。この突起部78aは、経路24の少なくとも底部にあればよいが、底部から上方に延在させることができる。また、突起部78aには、経路24入側方向部に斜面78a1が形成されている。
【0085】
また、他は、他側の壁面部22bの上部から一側の壁面部22aの上部に向けて、ほぼ一側の壁面部22aとの間隔が小袋12の幅方向寸法以上の間隔まで突出した突起部78bである。
【0086】
この突起部78a、78bによる小袋12の整列作用を図13、図14によって説明する。
【0087】
小袋12がその長さ方向が経路24の方向に沿って進行してくる(これを「整列状態」という)場合、一側の壁面部22aに幅方向片側が当りながら摺接してきて、突起部78a、78bの何れにも当接することなく下流側に通っていく。
【0088】
しかし、進行する小袋12がその幅方向が経路24の方向に沿って進行してくる場合、経路24が小袋12の長さ方向の寸法よりも狭い幅寸法であるので、小袋12はその長さ方向端部(一端部12(1)、他端部12(2))が経路24の一側、または他側の壁面部22aまたは22bのいずれかからはみ出して壁面部上を摺接して行く(これを「非整列状態」という)。その非整列状態の各種を図13および図14に示している。進行方向は矢印で示している。(a)は平面視図、(b)進行方向の逆向きに見た断面図である。
【0089】
図13は、他側の壁面部22bに小袋12の長さ方向他端部12(2)が摺接し、小袋12の長さ方向一端部12(1)が一側の壁面部22aの上に乗った状態で摺接して行く非整列状態の場合を示す。この場合、突起部78aによって小袋12の長さ方向他端部12(2)が当ることによって、小袋12が突起部78aを支点としそれに当る部分を回転中心としてその一端部12(1)が進行方向前方を向くように回転する。これにより、小袋12の長さ方向の向きが変化し、結局、小袋12は、その長さ方向が経路24に沿うように整列して進行するようになる。
【0090】
図14は、一側の壁面部22aに小袋12の長さ方向一端部12(1)が摺接し、小袋12の長さ方向他端部12(2)が他側の壁面部22bの上に乗った状態で摺接して行く非整列状態の場合を示す。この場合、突起部78bによって小袋12の長さ方向他端部12(2)が当ることによって小袋12が突起部78aを支点としそれに当る部分を回転中心として前記の一端部12(1)が進行方向前方を向くように回転する。これにより、小袋12の長さ方向の向きが変化し、結局、小袋12は、その長さ方向が経路24に沿うように整列して進行するようになる。
【0091】
図15は、重なり防止手段の重なり除去作用の説明図である。
【0092】
経路24には、経路24面から小袋12の厚みの略1〜2倍の間隔に離隔した規制部材84を該経路24面上に設けて、経路24面上で小袋12、12…同士が重なって搬送されるのを防止する重なり防止手段86を設けているものである。
【0093】
また、重なり防止手段86において、規制部材84は、ゴム等からなる弾性かつ柔軟性の有る板材からなり、支持軸84aに固定して配設されているものである(図6参照)。
【0094】
そして、支持軸84aに基端部の固定された規制部材84の先端部84bが経路24面から小袋12の厚みの略1〜2倍の間隔に離隔した位置に設定して、規制部材84を経路24面上に設けている。
【0095】
図15に示すように、この規制部材84の先端部84bによって、経路24面上において小袋12、12…を厚さ1枚分のみの通過を許容する。したがって、小袋12、12…が重なって搬送されてきた場合に上側に重なった小袋12が規制部材84で引っかかり下側の1枚分のみの小袋12が通過し、その重なりを確実に排除し防止できる。
【0096】
小袋整列手段26においては、前記シュート部材80を介して経路24に搬入される箇所周囲の小袋12の有無を検出する搬入側経路小袋有無検出手段88を設けている。具体的には、搬入側経路小袋有無検出手段88は、光源光を照射しその反射光からワークである小袋12の有無を検出する反射形のセンサであって検出の確実性を向上するために複数設けているものである。そして、小袋整列手段26のシュート部材80に隣接する位置には、経路24に孔88a、88aを複数空けており、前記小袋有無検出手段88は、この孔88a、88aを通じて検出光・反射光を照射・受光することによって経路24上の小袋12の有無を検出するようになっている。
【0097】
前記小袋整列手段26の搬出側では、経路24の小袋12の有無を検出する搬出側経路小袋有無検出手段114が設けられる。この搬出側経路小袋有無検出手段114は後述する小袋分離搬送手段32の支持部材116の入側端に支持され、光源光を照射しその反射光からワークである小袋12の有無を検出する反射形のセンサである。
【0098】
整列部材進退動作手段28は、アクチュエータに振動シリンダー体を用いている。この振動シリンダー体には、公知の特開2000-218232号に記載のものを用いることができる。
【0099】
すなわち、振動シリンダー体は、そのシリンダーロッド28aの先端部がスライドレール28bに固定されており、このスライドレール28bは小袋整列手段26下部に固定されている。また、スライドレール28bはスライドベアリング28dに滑動自在に支持されている。また、振動シリンダー体のシリンダー28cとスライドベアリング28dとがベース盤34に固定される。
【0100】
小袋整列手段26は、下部のスライドレール28bを介して、ベース盤34側に固定されたスライドベアリング28d上に滑動自在に支持される。
【0101】
そして、図示しない電磁バルブを介してこの振動シリンダー体のシリンダー28cに加圧された空気(「エアー」とも称する)を供給するようになっている。電磁バルブがオンのときに供給するエアー(エアー圧)によって振動シリンダー体は、内部のピストンが弁を自動的に切替えるのでピストンおよびこれに繋がるシリンダーロッド28aが自動的に前後動作し、これによって小袋整列手段26を進退動動作させる。そして、整列部材進退動作手段28は、進行動作と後退動作の間に速度差が設けた、小袋整列手段26を経路方向に沿って進退動駆動させる。
【0102】
具体的な振動シリンダー体の動作は、エアーが供給されることによって往動側(送り側)でゆっくりと進めて復動側(帰り側)ですばやく進める往復動作となる。詳しくは、往動側で小袋12を経路24の摩擦力によって共に進め、復動側で小袋12をその質量による慣性によって一瞬止まった状態として経路24のみ後退するようにし、結局、小袋12を間欠的に進行運動させる。これによって、前記搬送路18を経由して経路24上に置かれた小袋12を整列させながらその経路出口24O側方向に向けて移動させるものである。
【0103】
なお、このような振動送りのできるアクチュエータであれば整列部材進退動作手段28に用いるものは、上記の公報記載の振動シリンダー体に限定されないことは勿論である。
【0104】
〔5〕 小袋分離搬送手段32について説明する。
【0105】
図8、図9は小袋分離搬送手段32の詳細な側面視説明図、平面視説明図、図10は投入シュート手段30の小袋12投入側から見た説明図である。
【0106】
図8〜図10に示すように、小袋分離搬送手段32は、小袋整列手段26の経路出口24Oから整列して出た小袋12を搬送方向に個々に分離させ、当該小袋12を一つずつ投入シュート手段30に搬送するものである。
【0107】
実施形態では、小袋分離搬送手段32は、小袋整列手段26の経路出口24Oから整列して出た小袋12を第1のベルト90上に順次載せて第1のベルト90を駆動することによって小袋12を搬送する第1のベルトコンベア部92と、第1のベルトコンベア部92によって搬送された小袋12を第2のベルト94上に乗せて第2のベルト94を駆動することによって小袋12を1つずつ投入シュート手段30に向けて送る第2のベルトコンベア部96とを有している。
【0108】
小袋分離搬送手段32は、第1のベルトコンベア部92および第2のベルトコンベア部96の各小袋出口位置で小袋12を検出したときに第1のベルト90および第2のベルト94の駆動を停止させるための各停止センサ100、102と、該各停止センサ100、102の下流側でベルト駆動停止後第1、第2のベルト90、94上で慣性力等により移動した小袋12の有無を検出する確認センサ104、106とを有している。
【0109】
具体的には、第1のベルトコンベア部92と第2のベルトコンベア部96はそれぞれ下部に設けられた駆動プーリ92a、96aと個々の搬送路の前後端および下方の途中に設けられた従動プーリ92b、96bとの間を第1、第2のベルト90、94が循環するようになっている。
【0110】
駆動プーリ92a、96aは、サーボモータ等の駆動・停止がタイムラグ無く可能なモータ92c、96cの駆動軸に固定されている。
【0111】
第1のベルトコンベア部92の小袋12の搬送路は、前後端の従動プーリ92b、92bを経由する第1のベルト90の上面であり、第2のベルトコンベア部96の小袋12の搬送路は、前後端の従動プーリ96b、96bを経由する第2のベルト94の上面である。第1、第2のベルト90、94は、搬送路においてワークである小袋12の搬送に滑りが生じないように適切な摩擦力を発生する材質で形成される。
【0112】
また、第1、第2のベルトコンベア部92、96の搬送路において、第1、第2のベルト90、94が弛みによって小袋12を載置したベルト上面側の搬送路が上下方向に変化するのを防止するため、搬送路の下面側には、第1、第2のベルト90、94を受けて下方に弛むのを防ぐ橇状の(前後端上面が斜めに切り落とされた)ガイド部材92d、96dが配設されている。なお、搬送路の両側面部には、幅方向に小袋12が落下するのを防止するガイド部材が壁状に立設されている。
【0113】
また、第1のベルトコンベア部92の搬送路は、前記小袋整列手段26の経路24よりも低い位置になっており小袋12を落とし込むように、第1のベルトコンベア部92の搬送路に乗る。また、第2のベルトコンベア部96の搬送路は、第1のベルトコンベア部92の搬送路よりもやや低い位置になっている。第2のベルトコンベア部92から第2のベルトコンベア部96への小袋12の受け渡しに際して、小袋12がやや下向きに傾きながら行うようになっている。
【0114】
第1、第2のベルトコンベア部92、96の搬送路には、出側位置上方の前記停止センサ100、102、確認センサ104、106の他、入側位置の上方には、小袋12の有無を検出するコンベア入り口小袋有無検出手段110、112が設けられる。
【0115】
また、第1のベルトコンベア部92のコンベア入り口小袋有無検出手段110の前方には、前記小袋整列手段26の搬出側で経路の小袋12の有無を検出する搬出側経路小袋有無検出手段114が設けられる。
【0116】
第1、第2のベルトコンベア部92、96の搬送路には、出側位置上方の前記停止センサ100、102、確認センサ104、106が設けられる。それぞれ停止センサ100、102が「ワーク有り」を検出すると、ベルト90、94は停止する。この際、慣性力の影響によって小袋12がベルト90、94の上を滑り移動することになる。小袋12の移動があると、センサが1個だけでは、ベルト停止後再び「ワーク無し」となり、ベルトが再度動き出してしまう。この現象を防止するため、これらセンサは停止センサと確認センサの2個をシリーズ(直列)に並べて、停止時の慣性滑り移動をあっても、「ワーク有り」信号が出力されつづけるようにしている。
【0117】
なお、ベルト速度が慣性力の滑りを発生させるより低速であれば、センサは出側位置に1個あればよい。
【0118】
また、コスト的に高価になるが、第1、第2のベルトコンベア部92、96ベルト90、94下面に真空室を設けてベルトに孔を開けておき、小袋12を吸着した状態で搬送するようにすれば停止時の滑り移動は防止できる。
【0119】
前記の各停止センサ100、102と、確認センサ104、106と、コンベア入り口小袋有無検出手段110、112と、搬出側経路小袋有無検出手段114とは、いずれも、光源光を照射しその反射光からワークである小袋12の有無を検出する反射形のセンサの構成となっている。
【0120】
また、各停止センサ100、102と、確認センサ104、106と、コンベア入り口小袋有無検出手段110、112と、搬出側経路小袋有無検出手段114とは、搬送路から離隔して搬送路にほぼ平行になるようにベース盤34に固定された支持部材116に締め付け固定されており、その締め付けを解除することによって搬送路方向の位置を適切に調整可能になっている。
【0121】
〔6〕 投入シュート手段30について説明する。
【0122】
投入シュート手段30は、小袋分離搬送手段32によって搬送された小袋12を前記包装体14内に一つずつ投入するものである。
【0123】
実施形態では、投入シュート手段30は、小袋12の搬送路30aの両側に壁部30bが立設するように、断面コの字形状に板材を曲げて形成したものであって、基端位置が前記第2のベルトコンベア部96の位置よりやや低く、先端位置がさらに低くなって、包装体14の搬送ライン38に上方から臨む状態に傾いている。
【0124】
投入シュート手段30の内には、搬送路30aに小袋12の滑り落ちるのを一つずつ抑えて解放して停止・搬出させるシャッター手段118が設けられる。
【0125】
シャッター手段118は、小袋12を所定位置で抑えるゴムなどの弾性材からなる板材120と、この板材120を揺動軸に軸支して搬送路30aに接触・離隔するように揺動させるロータリアクチュエータからなる駆動部122とを有しており、搬送路30aには、前記所定位置の小袋12の有無を検出する投入シュート小袋有無検出手段124とを有している。
【0126】
投入シュート小袋有無検出手段124は、投入シュート手段30の搬送路30aの孔30cを通じて検出光・反射光を照射・受光することによって搬送路30a上の小袋12の有無を検出するようになっている。
【0127】
なお、図11などに示すように、投入シュート手段30の出側の搬送ライン38には、搬送ライン38上の包装体14の有無を検出するライン包装体検出手段126が設けられている。
【0128】
ライン包装体検出手段126は、ビーム光を発する光源部とビーム光の受光の有無を検出する光検知部とが対になった透過型の光電センサからなるものであって、ワークである包装体14によって光が遮られるか否かによって、包装体の有無を検出する。
【0129】
次に、図12に制御ブロック図に従って、実施形態の小袋投入装置の電気的な制御系統を説明する。
【0130】
小袋投入装置は、収納部10に上部小袋有無検出手段64、昇降板上昇手段68のセンサ70cが、搬送路18に搬送路小袋検出部54(541、542)と搬送路出口側のセンサ543が、小袋整列手段26に経路小袋有無検出手段88と搬出側経路小袋有無検出手段114が、小袋分離搬送手段32の各ベルトコンベア部92、96に入り口小袋有無検出手段110、112、各停止センサ100、102、確認センサ104、106、投入シュート手段30に投入シュート小袋有無検出手段124、搬送ラインに38にライン包装体検出手段126がそれぞれ設けられており、これらの検出信号が制御盤42a内の入力側のインターフェース128を介して、中央処理ユニット(CPU)130に入力される。
【0131】
CPU130は、これらの入力信号に基づき、書き換え可能なRAM(:Random Access Memory、ランダムアクセスメモリ)およびハードディスクドライブ(HDD)132や、書き換えできないROM(Read-Only Memory、リードオンリーメモリ)134などの各種記憶媒体に記憶されたプログラムを用いて、小袋投入装置に必要な各種制御動作を各駆動部・駆動手段において行う。
【0132】
CPU130の制御信号は、出力側のインターフェース136を介して、小袋供給手段20のモータ駆動部52、昇降板上昇手段68のモータ68c、搬送手段72駆動用のモータ、重なり防止手段の規制部材74回転用のモータ74b、整列部材進退動作手段28のエアー用の電磁バルブ、小袋分離搬送手段32においての第1のベルトコンベア部92の第1のベルト90駆動用のモータ92cと第2のベルトコンベア部96の第2のベルト94駆動用のモータ96c、および投入シュート手段30のシャッター手段118板材120揺動用のロータリアクチュエータからなる駆動部122などに駆動信号を出力する。これらの駆動用の電源は商用電源を交流または直流の所要電圧に変換する電源部42bによって供給される。また、各所への駆動用エアーはエアー受入れ部から好適な管路によって導かれて供給される。
【0133】
なお、自動の始動信号入力スイッチ138、手動の運転信号入力スイッチ140の信号が制御盤42aに入力されるようになっており、これらのスイッチは小袋投入装置の正面側であってベース盤34に設けられる。
【0134】
次に、上記した実施形態の小袋投入装置の作動を説明する。
【0135】
図16〜図17は、小袋投入装置の作動制御を説明するがフローチャート(各ステップ…は「S…」と略記する)、図18は小袋整列部材進退動作手段の運転・停止条件の作動タイミングの説明図である。
【0136】
図16〜図18に示すように、小袋投入装置の投入運転を開始するにあたって、まず、小袋投入装置がいつでも投入運転を開始可能な条件であるスタンバイ条件を満たしているか否かを判定する(S1)。
【0137】
このスタンバイ条件は次のものになっている。
【0138】
スタンバイ条件は、投入シュート小袋有無検出手段124が「ワーク有り」、小袋分離搬送手段32の第2のベルトコンベア部96の停止センサ102または確認センサ106が「ワーク有り」、第1のベルトコンベア部92の停止センサ100または確認センサ104が「ワーク有り」、第1のベルトコンベア部92の小袋有無検出手段110が「ワーク有り」、小袋整列手段26の搬出側経路小袋有無検出手段114が「ワーク有り」とのように、これらの各検出結果が全て「ワーク有り」と小袋12を検出しているものである。
【0139】
小袋投入装置の運転準備状態において、上記のスタンバイ条件を満たす(S1:Yes(「Y」と略記する))と「運転準備完了」状態となり、始動信号入力スイッチ138がオン(ON)等の投入運転の開始信号を待機する(S2)。
【0140】
「運転準備完了」状態において、始動信号入力スイッチ138のオンによって投入運転の開始信号が入力されたならば(S2:Y)次のS3に進む。
【0141】
なお、投入運転中の制御においては、基本的には、下流側でワークの要求命令があることを条件に上流側が作動する(図17参照)。
【0142】
まず、収納部10内に小袋12が充分に貯留されていて、小袋供給手段20によって小袋12の供給可能状態か否かを判断する(S3)。収納部10内の小袋12が少なければ、取扱者が図1に符号20Hで示すように、小袋供給手段20を持ち上げて収納部10を開放し、その上部より小袋12を補充する。
【0143】
S3の場合、上部小袋有無検出手段64がワーク無しを検出すると(S3:No(以下「N」と略記する))、「ワーク有り」となるまで昇降板上昇手段68によって昇降板66を上昇させる(S4)。一方、「ワーク有り」であると小袋供給可能状態と判定する(S3:Y)。
【0144】
小袋要求信号に応じて小袋を搬送路18に供給する(S5、S6)。つまり、搬送路18において搬送手段72の搬送面部72aにおいて搬送路小袋検出部54の検出結果が「ワーク有り」(小袋12が有る)か否かを判定する(S5)。このS5の判定において、「ワーク有り」ではないつまり「ワーク無し」のときには(S5:N)、前記小袋供給手段20を作動させて、小袋12を搬送手段72の搬送面部72a上の投入箇所に向けて供給する(S6)。
【0145】
この小袋12の供給により搬送路小袋検出部54(541、542)の検出結果が「ワーク有り」になれば(S5:Y)、小袋供給手段20の供給作動は停止する。
【0146】
なお、搬送手段72の小袋投入部分にある小袋12はベルト送りによって搬送されるが、前記重なり防止手段76の規制部材74であるゴム板(スクレパー)を搬送方向とは逆方向に回転させているため、搬送量が制限された数の小袋12(1回当り5〜10袋程度)が下流側に向けて搬送される。
【0147】
次いで、搬送手段72の小袋搬送(ベルトの移動・停止)の制御は、搬送路18出口側のセンサ543と小袋整列手段26の入側に設けられた搬入側経路小袋有無検出手段88、88の検出結果に基き行う。つまり、搬入側経路小袋有無検出手段88、88の検出結果のいずれかが「ワーク有り」になっているか否かを判定(S7)する。判定結果が否つまり「ワーク無し」であれば(S7:N)、搬送手段72を作動させる(S8)。
【0148】
次いで、前記小袋有無検出手段88、88のいずれかがワーク有りであっても(S7:Y)、搬送路18の出口側のセンサ543で「ワーク有り」を検出したか否かを判定し(S9)、「ワーク有り」の検出によって搬送手段72のベルト送りを停止する(S9:Y)。つまり、搬入側経路小袋有無検出手段88、88の検出結果がいずれも「ワーク無し」で搬送手段72ベルト送りを開始し、その検出手段88、88のいずれかが「ワーク有り」を検出し、かつ、搬送路18の出口側のセンサ543で「ワーク有り」を検出したことによって搬送手段72のベルト送りを停止する。
【0149】
これは、搬入側経路小袋有無検出手段88、88のいずれかが「ワーク有り」の検出結果によって、直ちに搬送手段72のベルト送りを停止すると、次回に搬送する小袋12が搬送路18の出口に到達していない場合が有り、供給・搬送の遅れが発生する。このため、搬送路18の出口側のセンサ543によって「ワーク有り」を検出するまで搬送手段72のベルトを移動させ、上記の供給・搬送の遅れを防止するものである。
【0150】
次いで、前記搬送手段72によって小袋整列手段26に搬送された小袋12はその方向がランダムなものになるが、小袋整列手段26によって方向を揃えるべく振動シリンダーからなる整列部材進退動作手段28を作動させる。その整列部材進退動作手段28の往復運動の運転・停止の制御は、経路24出口側の搬出側経路小袋有無検出手段114と小袋分離搬送手段32の入り口側の、言い換えれば、第1のベルトコンベア部92入り口側の小袋有無検出手段110の検出結果によって行う。
【0151】
すなわち、第1のベルトコンベア部92が作動してワークを搬送しているか否かを判定し(S10)、第1のベルトコンベア部92の作動を条件に(S10:Y)、前記入り口側の小袋有無検出手段110の検出結果が「ワーク有り」か否かを判定する(S11)。「ワーク有り」ではないつまり「ワーク無し」のときには(S11:N)、整列部材進退動作手段28の駆動を開始する(S12)。整列部材進退動作手段28は小袋整列手段26を往復動して小袋12を第1のベルトコンベア部92に送り込む。
【0152】
前記小袋有無検出手段110が「ワーク有り」であっても(S11:Y)、前記搬出側経路小袋有無検出手段114によって「ワーク有り」を検出したか否かを判定し(S13)、「ワーク有り」の検出によって整列部材進退動作手段28の作動を停止する(S13:Y)。つまり、小袋有無検出手段110の検出結果が「ワーク無し」で整列部材進退動作手段28が小袋の整列搬送を開始し、その小袋有無検出手段110が「ワーク有り」を検出し、かつ、前記搬出側経路小袋有無検出手段114で「ワーク有り」を検出したことによって整列部材進退動作手段28による小袋整列手段26の駆動を停止する。
【0153】
これは、前記搬出側経路小袋有無検出手段114が小袋12を検出するまで整列部材進退動作手段28の駆動によって小袋整列手段26を作動させるのは、前記搬送路18から小袋整列手段26に小袋12を搬送する際と同じで、次回に搬送する小袋12が経路24の出口に到達していない場合を無くし、供給・搬送の遅れの発生を防止するためである。
【0154】
一方、第1のベルトコンベア部92が停止している場合は(S13:N)、整列部材進退動作手段28を作動させて小袋整列手段26上において小袋12を進行させる(S14)。これによって、前記搬出側経路小袋有無検出手段114または小袋有無検出手段110のいずれか一方の「ワーク有り」の検出によって(S15:Y)、整列部材進退動作手段28の作動を停止する。
【0155】
小袋整列手段26出口での小袋12の状態は、小袋12の方向は一定に整列できているが、流れ方向に関しては、ピッチ不足(所謂「押せ押せの状態」にほぼ略なる)になる。このような状態では、搬送ライン38上で一定の間隔で搬送されてくる、医薬品および食品の入った容器または袋等の包装体14へ小袋12を投入することはできない。このため、第1のベルトコンベア部92と第2のベルトコンベア部96によって、小袋12を1つずつ分離し、投入シュート手段30のシャッター手段118によって小袋12を待機させておく。そして、投入要求信号に応じてシャッター手段118を開いて所定の箇所に小袋12を投入する。
【0156】
上記制御つまり、第1、第2のベルトコンベア部92、96から投入シュート手段98の制御を詳しく説明する。
【0157】
搬送ライン38上の所定位置に包装体14が搬送されて、小袋投入信号の入力があるか否かを判定する(S16)。小袋投入信号の入力があれば(S16:Y)、シャッター手段118を開き、小袋12を所定位置の包装体14に投入する(S17)。
【0158】
投入シュート小袋有無検出手段124によって「ワーク有り」か否かを判定する(S18)。「ワーク無し」であれば(S18:N)、シャッター手段118を閉じ、第2のベルトコンベア部96の第2のベルト94を駆動し、その先端にある小袋12を投入シュート手段98に送り込む(S19)。
【0159】
第2のベルトコンベア部96の停止センサ102および確認センサ106のいずれもが「ワーク無し」を検出したか否かを判定し(S20)、いずれもが「ワーク無し」であれば(S20:Y)、投入シュート小袋有無検出手段124が「ワーク有り」となったことを条件にして(S21)、第2のベルトコンベア部96の停止センサ102または確認センサ106のいずれかが「ワーク有り」つまり小袋12を検出するまで第2のベルトコンベア部96の第2のベルト94を動作し続ける(S22)。
【0160】
第2のベルトコンベア部92の作動のためその入り口側に小袋12を補充する必要がある。第2のベルトコンベア部96の入り口小袋有無検出手段112によって「ワーク無し」の検出結果か否かを判定し(S23)、「ワーク無し」であれば(S23:Y)、「ワーク有り」になるまで第1のベルトコンベア部92をベルト駆動する(S24)。
【0161】
第1のベルトコンベア部92においてはワークが搬送されてきて、その出口側の停止センサ100と確認センサ104のいずれかが「ワーク有り」になるまで(S25:Y)、第1のベルト90を移動する(S24)。
【0162】
第1のベルトコンベア部に92において、出口側の停止センサ100と確認センサ104のいずれかが「ワーク有り」になると(S25:N)、そのコンベア部92の運転を停止し、S1に戻る。
【0163】
上述のように、小袋分離搬送手段32においては、第1のベルトコンベア部92と第2のベルトコンベア部96が、各検出手段である、搬出側経路小袋有無検出手段114、入り口小袋有無検出手段110、112、各停止センサ100、102、および確認センサ104、106の検出結果に基づいて小袋12を分離して搬送し、投入シュート手段30に投入する際に、以下の3箇所(1)〜(3)に分離する。
(1)小袋整列手段26により2個の小袋12が連続して第1のベルトコンベア部92に入り込む場合、搬出側経路小袋有無検出手段114、入り口小袋有無検出手段110が同時に「ワーク有り」を検出する。この場合、第1のベルトコンベア部92は作動し続けるが、整列部材進退動作手段28は停止し、入り口小袋有無検出手段110で「ワーク無し」になってから動き出す。
(2)第1のベルトコンベア部92から第2のベルトコンベア部96に2個の小袋12が連続して送り込まれようとした場合に、第1のベルトコンベア部92と第2のベルトコンベア部96が共に動いているときに、第1のベルトコンベア部92の出口の停止センサ100または確認センサ104と第2のベルトコンベア部96の入り口側のセンサ(入り口小袋有無検出手段112が同時に「ワーク有り」を検出する。
この場合も、上記(1)と同様に、下流側の第2のベルトコンベア部96は動き続けるが、上流側の第1のベルトコンベア部92を停止して、下流側の第2のベルトコンベア部96への小袋12の流れ込みを停止・規制する。
【0164】
(3)第2のベルトコンベア部96から投入シュート手段30への小袋12の2個落ちを防止する。
【0165】
上記の(1)と(2)の分離機能にて、2個の小袋12の連続して第2のベルトコンベア部96を流れることは無いが、小間隔にて搬送されることが可能性がある。これを防止するのが、出口側の停止センサ102と確認センサ106の役割とする。
この役割を果たす際のフローチャートを図18に、作動状態を図19(a)〜(c)に示す。
【0166】
(a)に示すように、この停止センサ102と確認センサ106の双方によって、「ワーク有り」の検出後(S101:Y)、(b)から(c)の示すように、確認センサ106「ワーク無し(オフ:OFF)」から「ワーク有り(オン:ON)」に変化する場合には(S102:Y)、第2のベルトコンベア部96を停止させて(S103)、2個目の小袋12の投入シュート手段30への落下を確実に防止する構成としている。
【0167】
尚、本発明の小袋投入装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1】本発明の実施形態に係る小袋投入装置の正面図である。
【図2】同小袋投入装置の上面図(平面図)である。
【図3】同小袋投入装置の上部の収納部及び小袋供給手段の詳細な正面視説明図である。
【図4】(a)、(b)、(c)は同小袋投入装置の搬送手段および重なり防止手段の平面視、正面視、側面視した説明図である。
【図5】同小袋投入装置の小袋整列手段の入側から見た説明図である。
【図6】図5の小袋整列手段および整列部材進退動作手段の側面図である。
【図7】図5の小袋整列手段および整列部材進退動作手段の平面図である。
【図8】小袋分離搬送手段の詳細な側面視説明図である。
【図9】小袋分離搬送手段の詳細な平面視説明図である。
【図10】シュート手段の小袋投入側から見た説明図である。
【図11】同シュート手段の側面視説明図である。
【図12】小袋投入装置の制御系統の説明ブロック図である。
【図13】(a)、(b)は小袋整列手段による小袋の整列状況の説明図である。
【図14】(a)、(b)は小袋整列手段による小袋の整列状況の説明図である。
【図15】(a)、(b)は重なり防止手段の動作説明図である。
【図16】小袋投入装置の動作説明のフローチャートである。
【図17】図16に続くフローチャートである。
【図18】小袋2個送り防止の作動を説明するフローチャートである。
【図19】(a)〜(c)は小袋2個送り防止の動作説明図である。
【図20】従来の連包状小袋の説明図である。
【図21】(a)は従来のパーツフィーダの説明図、(b)はワークの搬送状態の説明図である。
【図22】桟付きベルトによる搬送体の説明図である。
【図23】ピロー型包装の小袋の説明図であって、(a)は外観斜視図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
【図24】従来の小袋の搬送状態の説明図である。
【符号の説明】
【0169】
10 収納部
10a 収納部の底部
10b シュート部材
12 小袋
12a 横シール部
12b 縦シール部
12L 長さ方向寸法
12W 幅方向寸法
14 包装体
16 押圧部材
18 搬送路
20 小袋供給手段
22 壁面部
22a 一側の壁面部
22b 他側の壁面部
22W 壁面部間の間隔
24 経路
24O 経路出口
26 小袋整列手段
26U 小袋整列手段の上面
28 整列部材進退動作手段
28a シリンダーロッド
28b スライドレール
28c シリンダー
28d スライドベアリング
30 投入シュート手段
30a 搬送路
30b 壁部
32 小袋分離搬送手段
34 ベース盤
36 下部構造
36a カバー
38 搬送ライン
40 壁部
42a 制御盤
42b 電源部
44a 脚部
44b キャスター車輪
48 ベルト
50 支持プーリ
50a 支持プーリの中心軸
50b ガイド部材
52 モータ駆動部
54 搬送路小袋検出部
56 フレーム
58 カバー
60 タイミングベルト(またはチェーン)
62 ヒンジ
64 上部小袋有無検出手段
66 昇降板
68 昇降板上昇手段
68a ロッド
68b リニアヘッド
68c モータ
70a ガイド部材
70b ロッド部材
70c センサ
72 搬送手段
72a 搬送面部
72b ガイド部材
74 規制部材
74a 回転軸
74b モータ
76 重なり防止手段
78 突起部
78a 突起部
78a1 突起部の斜面
78b 突起部
80 シュート部材
82 ガイド板材
84 規制部材
84a 支持軸
84b 先端部
86 重なり防止手段
88 搬入側経路小袋有無検出手段
88a 孔
90 第1のベルト
92 第1のベルトコンベア部
92a 駆動プーリ
92b 従動プーリ
92c モータ
92d ガイド部材
94 第2のベルト
96 第2のベルトコンベア部
96a 駆動プーリ
96b 従動プーリ
96c モータ
96d ガイド部材
100、102 停止センサ
104、106 確認センサ
110、112 入り口小袋有無検出手段
114 搬出側経路小袋有無検出手段
116 支持部材
118 シャッター手段
120 シャッター用板材
122 駆動部
124 投入シュート小袋有無検出手段
126 ライン包装体検出手段
128 入力側のインターフェース
130 中央処理ユニット(CPU)
132 RAMおよびHDD
134 ROM
136 出力側のインターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納部に収納された単包状態の小袋を個々に分離状態で整列させて搬送し、該小袋を容器または袋等の包装体内に所定個ずつ投入する小袋投入装置であって、
収納部の上部に位置する小袋を押圧部材によって横方向に押すことによって該小袋を搬送路に供給する小袋供給手段と、
小袋の長さ方向寸法よりも狭くかつ小袋の幅方向寸法よりも広い間隔で対向する壁面部に幅方向両端が囲まれた経路が上面に形成され、前記小袋をこの経路に通すことによって小袋の長さ方向を経路方向に沿うように整列させる小袋整列手段と、
小袋整列手段を経路方向に沿って進退動作させることによって、前記搬送路を経由して経路上に置かれた小袋を整列させながらその出口側方向に向けて移動させる整列部材進退動作手段と、
小袋整列手段の経路出口から整列して出た小袋を搬送方向に個々に分離させ、当該小袋を一つずつ投入シュート手段に搬送する小袋分離搬送手段と、
小袋分離搬送手段によって搬送された小袋を前記包装体内に一つずつ投入する投入シュート手段とを備えていることを特徴とする小袋投入装置。
【請求項2】
小袋供給手段は、複数の板状の押圧部材がベルト周面部にその送り方向に間隔を置いて配列されたベルトと、該ベルトを循環可能に支持する支持プーリと、該支持プーリを回転駆動させるモータ駆動部と、搬送路上の小袋の有無を検出する搬送路小袋検出部と、搬送路小袋検出部によって搬送路上に小袋が無いことを検出したときには前記モータ駆動部によって支持プーリを駆動させて押圧部材によって小袋を搬送路に供給する駆動制御部とを有していることを特徴とする請求項1に記載の小袋投入装置。
【請求項3】
ベルトおよび支持プーリが、収納部の上部であって搬送路側の反対側部に設けた支点によって収納部上部を開閉可能に支持されていることを特徴とする請求項2に記載の小袋投入装置。
【請求項4】
収納部内の上部において小袋の有無を検出する上部小袋有無検出手段と、この上部小袋有無検出手段によって、収納部内の上部に位置する小袋が無いことを検出したときには、収納部の上部に小袋が位置するように収納部で小袋を載せた昇降板を上昇させる昇降板上昇手段とを設けていることを特徴とする請求項1に記載の小袋投入装置。
【請求項5】
搬送路には、小袋供給手段によって供給された小袋を搬送面部上に載置させて搬送面部の移動によって該小袋を小袋整列手段に向けて搬送する搬送手段と、搬送面から小袋の厚みの略1〜2倍の間隔に離隔した規制部材を該搬送面上に設けて搬送面上で小袋同士が重なって搬送されるのを防止する重なり防止手段とを設けていることを特徴とする請求項1に記載の小袋投入装置。
【請求項6】
小袋整列手段は、経路がその幅方向一側が他側よりも低くなるように傾いており、経路上の高くなった他側の壁面部に、経路上を進行する小袋に当接して該小袋を経路面に略平行に接しさせかつ一側の壁面部に接触させるように向きを変化させる突起部を設けていることを特徴とする請求項1に記載の小袋投入装置。
【請求項7】
経路面から小袋の厚みの略1〜2倍の間隔に離隔した規制部材を該経路面上に設けて経路面上で小袋同士が重なって搬送されるのを防止する重なり防止手段を設けていることを特徴とする請求項6に記載の小袋投入装置。
【請求項8】
小袋分離搬送手段は、小袋整列手段の出口から整列して出た小袋を第1のベルト上に順次載せて第1のベルトを駆動することによって小袋を搬送する第1のベルトコンベア部と、第1のベルトコンベア部によって搬送された小袋を第2のベルト上に乗せて第2のベルトを駆動することによって小袋を1つずつ投入シュート手段に向けて送る第2のベルトコンベア部とを有していることを特徴とする請求項1に記載の小袋投入装置。
【請求項9】
小袋分離搬送手段は、第1のベルトコンベア部および第2のベルトコンベア部の各小袋出口位置で小袋を検出したときに第1のベルトおよび第2のベルト駆動を停止させるための各停止センサと、該各停止センサの下流側でベルト駆動停止後ベルト上で移動してきた小袋の有無を検出する確認センサとを有していることを特徴とする請求項8に記載の小袋投入装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2006−131248(P2006−131248A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−320607(P2004−320607)
【出願日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(591272343)株式会社三橋製作所 (13)
【Fターム(参考)】