説明

少なくとも1つの磁場センサの測定精度を検査する方法

【課題】磁場センサの測定精度を検査する。
【解決手段】特に製造の間に、磁場センサの測定精度を検査する方法において、半導体チップ2,3を有する半導体ウェーハ1が準備される。少なくとも1つの第1半導体チップ2内に測定コイルが、磁場センサを形成する、少なくとも1つの第2半導体チップ3内に磁場に感度を有する電気回路が内蔵されている。少なくとも1つの第1半導体チップ2が、励磁コイル4に位置決めされ、その励磁コイルが基準磁場を発生させるために通電される。測定コイルを用いて、磁束密度に依存する第1測定値が検出されて、励磁コイル4内の電流が、第1測定値に従って調節される。少なくとも1つの第2半導体チップ3が励磁コイルに位置決めされる。電気回路を用いて、磁束密度に依存する第2測定値が検出されて、基準値領域と比較される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に製造中に、少なくとも1つの磁場センサの測定精度を検査する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
実際から知られている、磁場センサの測定精度を検査する方法において、まず、ウェーハが準備され、そのウェーハは磁場センサとして多数の半導体チップを有し、その中にそれぞれホールセンサ回路が内蔵されている。個々の半導体チップは、それぞれ電気的な接続接点を有しており、それが検査装置の相手側接点と接続可能である。半導体チップは、励磁コイルに次々と位置決めされ、その励磁コイルが基準磁場を発生させるために電流源によって予め定められた電流で通電される。それぞれ励磁コイルに設けられた半導体チップは、該当する半導体チップに電流を供給し、基準磁場内の磁気的な磁束密度のための測定値を検出し、かつ検査装置へ伝達するために、接続接点を介して検査装置の相手側接点と接続される。検査装置内で、測定値が予め定められた基準値領域と比較される。基準値領域は、基準磁場内の予め定められた磁束密度及びホールセンサに必要な測定精度に従って設定される。測定値と基準値領域との間に偏差が発生した場合に、該当するホールセンサがカラーポイントでマークされる。このようにしてウェーハ上にあるホールセンサが検査された後に、半導体チップ間に延びる予め定められた破断すべき線に沿ってウェーハを分割することによって、半導体チップが個別化される。その場合に、不具合としてマークされた半導体チップが、排除される。残っている半導体チップが、ボンディングワイヤを介して、リードフレームに設けられている接点片と接続されて、その後、プラスチックハウジングによって、接点片の自由端部がプラスチック上に突出するように包囲される。このようにして得られた磁場センサは、接点片を用いて、例えば導体プレートの導体路と半田付けすることができる。
【0003】
この方法は、磁場センサの測定精度の検査が、測定の精度を限定する、一連のエラーの影響を受ける、という欠点を有している。即ち、例えば励磁コイル内の電流とそれに伴って基準磁場の磁束密度が、電流源及び/又は励磁コイルの温度変動に基づいて、予め定められた目標値からずれることがあり得る。個々の半導体チップも、励磁コイルに位置決めする場合に、位置決め誤差に基づいて励磁コイルに対して異なる間隔で配置されることがあり得る。従って、この方法を用いて検査された磁場センサは、比較的大きい許容誤差を有している。しかし、例えば電子的なエンジン制御装置に内燃機関の絞り弁の位置をフィードバックするための磁場センサのような、安全上重要な適用においては、極めて小さい測定許容誤差が要求され、それを維持することは、この方法では達成できず、或いは多大な手間によってしか達成できない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明の課題は、少なくとも1つの磁場センサの測定精度の正確な検査を可能にする、冒頭で挙げた種類の方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、少なくとも2つの半導体チップを有する半導体ウェーハが準備され、少なくとも1つの第1半導体チップ内に測定コイルが、そして、磁場センサを形成する、少なくとも1つの第2半導体チップ内に、磁場に感度を有する電気回路が内蔵されており、少なくとも1つの第1半導体チップが励磁コイルに位置決めされて、励磁コイルが第1の基準磁場を発生させるために通電され、測定コイルを用いて磁束密度に依存する第1測定値が検出されて、励磁コイル内の電流が第1測定値に従って調節され、少なくとも1つの第2半導体チップが励磁コイルに位置決めされ、電気回路を用いて磁束密度に依存する第2測定値が検出されて、基準値領域と比較されることによって、解決される。
【0006】
従って、少なくとも1つの磁場センサを用いて磁束密度が検出される前に、まず励磁場の磁束密度が測定コイルを用いて検査されて、場合によっては補正される。従って、基準磁場の磁束密度における変動が回避される。測定コイルは、少なくとも1つの磁場センサと同じウェーハ上に配置されているので、測定コイルは第1測定値を検出する際に、簡単な方法で、磁場センサないしは第2測定値を検出する場合の第2半導体チップと、正確に同一の間隔で配置することができる。測定コイルは、半導体製造の方法によって、大きな精度で第1半導体チップ内に内蔵することができる。従って、本方法は、高い測定精度を可能にする。
【0007】
上述した課題は、また、少なくとも2つの半導体チップを有する半導体ウェーハが準備され、少なくとも1つの第1半導体チップ内に測定コイルが、そして磁場センサを形成する、少なくとも1つの第2半導体チップ内に磁場に感度を有する電気回路が内蔵されており、少なくとも1つの第1半導体チップが励磁コイルに位置決めされて、励磁コイルが第1の基準磁場を発生させるために通電され、測定コイルを用いて、磁束密度に依存する第1測定値が検出され、第1測定値に従って基準値領域が準備され、少なくとも1つの第2半導体チップが励磁コイルに位置決めされて、電気回路を用いて磁束密度に依存する第2測定値が検出されて、基準値領域と比較されることによっても、解決される。
【0008】
従って、この解決においては、まず、測定コイルを用いて磁束密度が測定されて、その後この測定の結果に従って基準値領域が求められる。その後、基準磁場内で磁場センサを用いて測定値が検出されて、磁場センサの測定精度を検査するために基準値領域と比較される。その場合に磁場センサの磁束密度内に変動があれば、それが、基準値領域の適合によって補償される。
【発明の効果】
【0009】
本方法の好ましい形態において、第2半導体チップが、第2測定値と基準値領域の間の比較の結果に従ってマーキングされ、その後個別化されて、そのマーキングに従って分類される。それによって、その測定値が予め定められた許容帯域の外部にある半導体チップは、簡単な方法で排除することができる。許容帯域は、例えば±1%とすることができる。
【0010】
電気回路が、少なくとも2つの異なる測定特性曲線が調節可能であって、特性曲線の調節が、第2測定値と基準値領域の間の比較の結果に従って行われるように形成されていると、効果的である。このようにして、磁場センサの比較的小さい測定エラーを、全部又は部分的に補正することができるので、その場合に磁場センサは許容帯域の内部にある。
【0011】
好ましくは、ウェーハ上にある第1半導体チップの数に対する、ウェーハ上にある第2半導体チップの数の比は、1より大きく、特に10より大きく、場合によっては20より大きく、好ましくは40より大きい。実験は、例えば50番目の半導体チップのみが測定コイルを有するウェーハにおいても、本方法の良好な測定精度が達成できることを、明らかにしている。従って、ウェーハ上で提供される面積をほぼ磁場センサのためだけに利用することができる。
【0012】
本発明の好ましい実施形態においては、半導体チップが励磁コイルに位置決めされた後及び/又はその前に、半導体チップが個別化されて、場合によって回りをセンサハウジングによって射出成形包囲される。従って本方法は、半導体チップが個別化されて、ハウジングによって回りを包囲された後でも、まだ実施することができる。特に、本方法が各磁場センサにおいて少なくとも2回、即ち第1回は、磁場センサの半導体チップがまだウェーハと結合されている時、そして2回目は、磁場センサの半導体チップが個別化されて、回りをハウジングによって包囲されている場合に、実施されると、効果的である。それによって、2つの検査に成功裏に耐えた、磁場センサの更に大きい測定精度を達成することができる。
【0013】
好ましくは、第1半導体チップは、センサハウジングを取り付ける前に、第2半導体チップから分離される。その後、第1と第2半導体チップが、好ましくは構造的に等しいハウジング内に組み込まれる。その場合に、励磁コイルを有する半導体チップは、電子的な検査装置を用いて、簡単な方法で磁場センサから区別することができ、その検査装置は半導体チップの接続接点に電気的な検査信号を印加し、かつこの検査信号に対する半導体チップの反応を検出する。本方法を実施した後に、測定コイルを有する磁場センサが、排除される。
【0014】
好ましくは、半導体チップは、個別化された後にバンドに列に並べられ、その場合にバンドが、半導体チップを励磁コイルに位置決めするために縦の広がり方向に移動され、かつ励磁コイルのそばを通って案内される。その場合に半導体チップは、半導体チップと接触する接触片を介して、バンドと接続することができる。それによって、半導体チップを簡単な方法で次々と励磁コイルに位置決めすることができる。
【0015】
第1半導体チップに内蔵されている測定コイルの接続端が、それぞれ第1の接続接点と、そして第2半導体チップに内蔵されている電気回路が、それぞれ第2の接続接点と接続され、第1半導体チップに対する第1の接続接点の位置が、第2半導体チップに対する第2の接続接点又はこの接続接点の部分量の位置に相当し、かつ接続接点が、半導体チップを励磁コイルに位置決めする間、或いはその後に、検査装置と接続された相手側接点と接触すると、効果的である。その場合に、測定コイルを有する半導体チップと磁場センサは、同一の検査装置を用いて簡単な方法で互いに区別することができる。
【0016】
本発明の好ましい形態においては、第2測定値の検出後に、少なくとも1つの第2半導体チップの温度が変化され、その場合にその後少なくとも1つの他の、第2測定値が検出されて、基準値領域と比較される。その場合に、第1の測定において温度は、磁場センサのために設けられている環境温度領域の下方の端部にセットされ、他の測定においては温度は、環境温度領域の上方の端部にセットされる。
【0017】
好ましくは、励磁コイルは、第1半導体チップが励磁コイルに位置決めされる間交流電流で通電され、第2半導体チップが励磁コイルに位置決めされる間は直流電流で通電される。その場合には、磁場センサを、更に高速にテストすることができる。交流電流の振幅は、好ましくは直流電流の振幅と一致する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を用いて本発明の実施例を詳細に説明する。
【0019】
半導体工場内で製造する間に磁場センサの測定精度を検査する方法において、半導体ウェーハ1が準備され、その半導体ウェーハは多数の第1と第2半導体チップ2、3を有しており、それらが複数の列と段に並べて配置されて、互いに一体的に結合されている。
【0020】
第1半導体チップ2内に、導体路によって形成される測定コイル16が内蔵されており、その導体路は半導体製造方法によってウェーハ1の半導体基板内へ挿入され、或いはその上にコーティングされている。測定コイル16の端部は、半導体チップ2の表面に配置された接続接点と接続されている。
【0021】
第2半導体チップ3内に、それ自体知られた、磁場に感度を有する電気回路、即ちホールセンサ回路が内蔵されている。ホールセンサ回路内に、少なくとも2つの異なる測定特性曲線がプログラミング可能である。回路の電流供給接続端及び測定信号のための出力は、それぞれ、半導体チップ3の表面に配置された、図面には詳しく示されていない接続接点と接続されている。電流供給のための接続接点及び測定信号のための接続接点の1つが、− 該当する半導体チップ2、3の外側輪郭に関して − 第1半導体チップ2の接続接点と同じ箇所に配置されている。
【0022】
ウェーハ1の個々の半導体チップ2、3は、次々と基準磁場内に位置決めされ、その基準磁場は励磁コイル4を用いて発生され、その励磁コイルに予め定められた電流が通電される。励磁コイル4は、軸方向に互いに変位した2つのエアコーンコイル5を有しており、それらエアコーンコイルがエアギャップによって互いに隔てられている。エアギャップ内で、ウェーハ1上にある半導体チップ2、3が、ウェーハが延びる平面が、励磁コイル4の長手軸に対して、従って基準磁場センサの磁場線に対して垂直に延びるように、位置決めされる。
【0023】
エアギャップ内で半導体チップ2、3の1つが基準磁場に対して中央に位置決めされた後に、半導体チップ2、3の接続接点が、それぞれ検査装置8のニードル形状の相手側接点7a、7b、7cと接続され、その検査装置が相手側接点7a、7cに、第2半導体チップ3の電流供給用に定められた、第2半導体チップ3の接続接点に対応づけられた電圧を印加する。その後、相手側接点7a、7cを介して電流が流れるか、が検査される。電流が流れる場合には、相手側接点7a、7cに第2半導体チップ3の1つが位置決めされている。電流が流れない場合には、相手側接点7a、7cには、第1半導体チップ2の1つが配置されている。
【0024】
以下においては、まさに励磁コイル4に位置決めされている半導体チップ2内に、測定コイル16が内蔵されていると、仮定する。この場合において、励磁コイル4内へ予め定められた振幅を有する交流電流が供給される。それによって発生される基準磁場によって測定コイル16内に誘導される電圧が、測定コイル16のコイル端部と接続された相手側接点7a、7bを介して取り出され、インピーダンス変換器17aを介して検査装置8の測定信号入力18aへ供給される(図5)。その場合に特に、インピーダンス変換器17a、17bが半導体チップ2内に内蔵されていることが、可能である。インピーダンス変換器17aによって、場合によっては存在する、有効信号に対して高オームのノイズが、弱化され、ないしは抑圧される。
【0025】
測定信号入力において測定された測定値が、第1の基準値領域と比較される。
【0026】
測定値と第1の基準値領域との間に偏差が検出された場合に、励磁コイル4の通電が、偏差を減少させるように変化される。その後、他の測定値が検出されて、第1の基準値領域と比較される。新たに偏差が検出された場合に、上述したステップが、場合によっては少なくとも1回繰り返される。
【0027】
測定値が第1の基準値領域と一致した場合には、第2半導体チップ3が励磁コイル4に位置決めされる。そのためにウェーハ1が、その広がり平面に対して平行に1つ又は2つの互いに対して横方向に延びる方向に移動される。更に、第2半導体チップ3が、予め定められた第1の検査温度にされる。
【0028】
励磁コイル4が、直流電流によって通電され、その直流電流の電流強さは、最後に調節された交流電流の振幅に相当する。その後、相手側接点7a、7cを介して供給電圧がホール回路に印加される。測定信号出力と接続された相手側電極7b、7cを介して、磁束密度のための測定値が検査装置8内へ読み込まれて、第2の基準値領域と比較される。
【0029】
測定値と第2の基準値領域との間に偏差が生じた場合に、ホールセンサ回路の測定特性曲線が、偏差を減少させるように変化される。測定特性曲線を変化させるために、少なくとも2つの相手側接点7a、7b、7cの間にプログラミング電圧が印加される。その後、他の測定値が検出されて、第2の基準値領域と比較される。新たに偏差が検出された場合に、上述したステップが、場合によっては少なくとも1回繰り返される。
【0030】
場合によって繰り返された測定特性曲線の変化にもかかわらず、測定値が第2の基準値領域と一致しない場合に、第2半導体チップがエラーがあるとして、カラーでマーキングされる。測定値と第2の基準値領域との間に偏差が検出されない場合には、第2半導体チップ3が予め定められた第2の検査温度にされて、上述したステップが同様に繰り返される。
【0031】
その後、次の半導体チップ2、3が励磁コイル4に位置決めされ、その場合に上述したステップが新たに遂行される。
【0032】
一列の半導体チップ2、3が処理された後に、この列内にある半導体チップ2、3がウェーハ1から分離されて、個別化される。その場合に、不具合としてマーキングされた半導体チップ2、3があれば、それが排除される。
【0033】
残りのテスト済みの半導体チップ2、3の接続接点が、それ自体知られた方法で、ボンディングワイヤを介して、リードフレームに設けられた接点片9と接続されて、接点片9がセンサハウジング10から突出するように、センサハウジング10によって回りを射出成形包囲される。接点片9とセンサハウジング10は、異なる半導体チップ2、3において構造が等しい。このようにして形成された構成部材が、バンド11に互いに対して等間隔で列に並べられる。
【0034】
その後、構成部材が次々と第2の基準磁場内に位置決めされ、その第2の基準磁場は、予め定められた電流によって通電される第2の励磁コイル12を用いて発生される。第2の励磁コイル12は、互いに対して軸方向に変位した、2つの第2のエアコーンコイル13を有しており、それらエアコーンコイルは互いに対してエアギャップによって隔てられている。エアギャップ内で、半導体チップ2、3を有する構成部材が、半導体チップ2、3が延びる平面が励磁コイル12の長手軸に対して、従って基準磁場の磁場線に対して垂直に延びるように、位置決めされる。
【0035】
構成部材の1つがエアギャップ内に位置決めされた後に、構成部材の接点片9がそれぞれ第2の検査装置15のニードル状の第2の相手側接点14a、14b、14cと接続され、その検査装置が第2の相手側接点14a、14cに供給電圧を印加する。その後、第2の相手側接点14a、14cを介して電流が流れるか、が調べられる。電流が流れる場合には、第2の励磁コイル12に磁場センサが配置されており、流れない場合には測定コイル16を有する構成部材が配置されている。
【0036】
以下においては、第2の励磁コイル12に、測定コイル16を有する構成部材が位置決めされていると、仮定される。この場合において、予め定められた振幅を有する交流電流が第2の励磁コイル12内へ供給される。それによって発生された基準磁場によって測定コイル16内に誘導された電圧が、測定コイル16のコイル端部と接続されている第2の相手側電極14a、14bを介して取り出されて、第2のインピーダンス変換器17bを介して第2の検査装置15の測定信号入力18bへ供給される(図5)。測定信号入力において測定された測定値が、第1の基準値領域と比較される。
【0037】
測定値と第1の基準値領域との間に偏差が検出された場合には、第2の励磁コイル12の通電が偏差を減少させるように変化される。その後、他の測定値が検出されて、第1の基準値領域と比較される。新たに偏差が検出された場合に、上述したステップが、場合によっては少なくとも1回繰り返される。
【0038】
測定値が、第1の基準値領域と一致した場合には、測定コイル16を有する構成部材がバンド11から分離されて、磁場センサが励磁コイル4に位置決めされる。そのために、バンドが長手方向に少し移動される。更に、該当する磁場センサが、第1の検査温度にされる。
【0039】
第2の励磁コイル12が、直流電流で通電され、その直流電流の電流強さは、最後に第2の励磁コイル12で調節された交流電流の振幅に相当する。その後、第2の相手側電極14a、14cを介して供給電圧がホール回路へ印加される。測定信号出力と接続された第2の相手側電極14b、14cを介して磁束密度のための測定値が第2の検査装置15内に読み込まれて、第2の基準値領域と比較される。
【0040】
測定値と第2の基準値領域との間に偏差が発生した場合に、ホールセンサ回路の測定特性曲線が偏差を減少させるように変化される。測定特性曲線を変化させるために、少なくとも2つの第2の相手側電極14a、14b、14cの間にプログラミング電圧が印加される。その後、他の測定値が検出されて、第2の基準値領域と比較される。新たに偏差が検出された場合に、上述したステップが、場合によっては少なくとも1回繰り返される。
【0041】
測定特性曲線を場合によっては繰り返して変化させたにもかかわらず、測定値が第2の基準値領域と一致しない場合には、該当する構成部材はバンド11から分離されて、排除される。偏差が検出されない場合には、構成部材が第2の検査温度にされて、上述したステップが同様な方法で繰り返される。
【0042】
その後、次の半導体チップ2、3が第2の励磁コイル12に位置決めされ、その場合に上述したステップが新たに遂行される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】基準磁場を発生させるために励磁コイルに位置決めされる、磁場センサのための多数の半導体チップを有するウェーハを示す上面図である。
【図2】図1に示す配置を、図1のIIで示す平面に沿って示す横断面図である。
【図3】磁場センサが一列に並べられているバンドを示す上面図であって、その場合に磁場センサの1つが、基準磁場を発生させるために励磁コイルに位置決めされている。
【図4】図1に示す配置の側面図である。
【図5】インピーダンス変換器に接続された測定コイルの回路図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に製造の間に、少なくとも1つの磁場センサの測定精度を検査する方法であって、その場合に、少なくとも2つの半導体チップ(2, 3)を有する半導体ウェーハ(1)が準備され、その場合に少なくとも1つの第1半導体チップ(2)内に測定コイル(16)が、そして磁場センサを形成する少なくとも1つの第2半導体チップ(3)内には磁場に感度を有する電気回路が内蔵されており、その場合に少なくとも1つの第1半導体チップ(2)が励磁コイル(4, 12)に位置決めされて、励磁コイル(4, 12)が基準磁場を発生させるために通電され、その場合に測定コイル(16)を用いて、磁束密度に依存する第1測定値が検出されて、励磁コイル(4, 12)内の電流が第1測定値に従って調節され、その場合に少なくとも1つの第2半導体チップ(3)が励磁コイルに位置決めされ、その場合に電気回路を用いて磁束密度に依存する第2測定値が検出されて、基準値領域と比較される、少なくとも1つの磁場センサの測定精度を検査する方法。
【請求項2】
特に製造の間に、少なくとも1つの磁場センサの測定精度を検査する方法であって、その場合に、少なくとも2つの半導体チップ(2, 3)を有する半導体ウェーハ(1)が準備され、その場合に少なくとも1つの第1半導体チップ(2)内に測定コイル(16)が、そして磁場センサを形成する少なくとも1つの第2半導体チップ(3)内には磁場に感度を有する電気回路が内蔵されており、その場合に少なくとも1つの第1半導体チップ(2)が励磁コイル(4, 12)に位置決めされて、励磁コイル(4, 12)が第1の基準磁場を発生させるために通電され、その場合に測定コイル(16)を用いて、磁束密度に依存する第1測定値が検出され、その場合に第1測定値に従って基準値領域が準備され、その場合に少なくとも1つの第2半導体チップ(3)が励磁コイル(4, 12)に位置決めされ、その場合に電気回路を用いて、磁束密度に依存する第2測定値が検出されて、基準値領域と比較される、少なくとも1つの磁場センサの測定精度を検査する方法。
【請求項3】
第2半導体チップ(2)が、第2測定値と基準値領域の間の比較の結果に従ってマーキングされ、その後個別化されて、そのマーキングに従って分類されることを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
電気回路が次のように、即ち、少なくとも2つの異なる測定特性曲線が調節可能であって、かつ測定特性曲線の調節が、第2測定値と基準値領域との間の比較の結果に従って行われるように、形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
ウェーハ(1)上にある第1半導体チップ(2)の数に対するウェーハ(1)上にある第2半導体チップ(3)の数の比が1より大きく、特に10より大きく、場合によっては20より大きく、好ましくは40より大きいことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
半導体チップ(2, 3)が励磁コイル(4, 12)に位置決めされた後及び/又はその前に、半導体チップが個別化されて、場合によっては回りをセンサハウジングによって射出成形包囲されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
第1半導体チップ(2)が、センサハウジング(10)を取り付ける前に、第2半導体チップ(3)から分離されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
半導体チップが、個別化された後にバンドに列に並べられ、かつ
バンドが、半導体チップを励磁コイルに位置決めするために縦の広がり方向に移動されて、励磁コイルのそばを通って案内されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
第1半導体チップに内蔵されている測定コイル(16)の接続端が、それぞれ第1の接続接点と、そして第2半導体チップに内蔵されている電気回路の接続端が、それぞれ第2の接続接点と接続され、
第1半導体チップに対する第1の接続接点の位置が、第2半導体チップに対する第2の接続接点又はこれらの接続接点の部分量の位置に相当し、かつ
接続接点が、半導体チップを励磁コイルに位置決めする間、或いはその後に、検査装置と接続された相手側接点と接触することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
第2測定値の検出後に、少なくとも1つの第2半導体チップ(3)の温度が変化され、かつ
その後に少なくとも1つの他の、第2測定値が検出されて、基準値領域と比較されることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
励磁コイル(4, 12)が、第1半導体チップ(2)を励磁コイル(4, 12)に位置決めする間交流電流によって通電され、第2半導体チップ(3)を励磁コイル(4, 12)に位置決めする間直流電流によって通電されることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−139305(P2008−139305A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−303848(P2007−303848)
【出願日】平成19年11月26日(2007.11.26)
【出願人】(305051211)ミクロナス ゲーエムベーハー (16)
【Fターム(参考)】