説明

少なくとも1種の置換2−[2−(4−アミノフェニル)エテニル]−1−ピリジニウム誘導体を含む組成物、それを使用するケラチン繊維の処理方法、装置、および使用

本発明は、化粧上許容される媒質中に、少なくとも1種の特定の蛍光染料を含む組成物に関する。本発明は、また、該組成物を使用した、ケラチン繊維、特にヒトの毛髪を処理するための方法、および該組成物を含む装置に関する。本発明は、さらに、前記繊維の着色剤または明色化剤としての該組成物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧上許容される媒質中に、少なくとも1種の特定の蛍光染料を含む組成物に関する。また、本発明は、この組成物を使用してケラチン繊維を処理する方法、さらにこの組成物を含む装置に関する。最後に、本発明は、前記繊維用明色化剤または着色剤としての本発明による組成物の使用に関する。
【0002】
本発明は、ケラチン繊維の染色、およびより詳細には毛髪の染色の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
本質的に2種類の染色がある。
【0004】
第1は、半永久染色または直接染色であり、これは、毛髪本来の色に幾分はっきりした変化を与える能力のある染料を必要とする。
【0005】
使用する染料は、ケラチン繊維に対して一定の親和性を有する着色したおよび発色する物質である。
【0006】
この種の染色は、数回の洗浄により褪色し、不便である場合もあることに留意すべきである。
【0007】
繊維元来の色より明るい着色を得ることを望むなら、アルカリ性pHの条件下で、直接染料と共に少なくとも1種の酸化剤を使用する必要がある。
【0008】
しかし、これらの使用条件は、処理される繊維の性質に対する影響から制約を受ける。特に、長期使用では、繊維が、幾分劣化し、粗く、くすみ、もろくなり、整形が困難になる傾向がある。
【0009】
第2は、永久染色または酸化染色である。これは、1種または複数のカップラーと場合によっては組み合わせた少なくとも1種の酸化ベースを含む、無色または薄く着色した酸化染料前駆体を用いて実施する。使用時に、いったん酸化剤と混合すると、前駆体は、酸化縮合の工程を経て着色した化合物または染料を生成することができる。
【0010】
この種の染色における酸化剤の存在の必要性を考慮すると、この場合もやはり上述の欠点が発生する。
【0011】
最近、少なくとも1種の蛍光化合物を含む組成物が、酸化剤を使用する標準的な方法に対する有利な代替となることが見出された。例えば、ダークヘアー、より詳細には、6(ダークブロンド)以下、好ましくは4(チェスナット-ブラウン)以下の色調度をもつ毛髪の場合、蛍光化合物を含む組成物で処理した毛髪の、波長(500〜700nm)の関数としての反射率曲線が、未処理の毛髪に対応する曲線よりも高い領域の存在することが観察できる。その結果として、必ずしも酸化剤を使用しないでも、毛髪がより明るく見える。
【0012】
「色調」の概念は、天然の色合いの分類を基礎にしており、ある色調は、それに続くまたは先行する色合いからそれぞれの色合いを分離する。この定義および天然の色合いの分類は、整髪の専門家にとって周知であり、Massonが1988年に発行したCharles Zviakによる書籍「ヘアトリートメントの化学(Sciences des traitements capillaires)」の215および278頁に公表されている。色調度は、1(ブラック)から10(ライトライトブロンド)の範囲に及び、1つの単位が1つの色調に対応し、数値が大きいほど色合いがより明るい。
【非特許文献1】Charles Zviak「Sciences des traitements Capillaires[Hair treatment sciences]」1988年、215および278頁、Masson発行、
【特許文献1】WO95/01772
【特許文献2】WO95/15144
【特許文献3】EP-A-0714954
【特許文献4】FR2692572
【非特許文献2】M.R.Porter「Handbook of Surfactants」1991年、116〜178頁、Blakie & Son発行
【特許文献5】US2528378
【特許文献6】US2781354
【特許文献7】EP815828
【特許文献8】EP503853
【特許文献9】FR2416723
【特許文献10】US2798053
【特許文献11】US2923692
【特許文献12】EP395282
【非特許文献3】Robert L.Davidson「Handbook of Water soluble gums and resins」1980年、McGraw-Hill発行
【特許文献13】EP173109
【特許文献14】FR0009609
【非特許文献4】G.Fonnum、J.BakkeおよびFk.Hansen,、Colloid Polym.Sci.、271巻380〜389頁(1993年)
【特許文献15】FR0101106
【特許文献16】WO00/68282
【特許文献17】US3915921
【特許文献18】US4509949
【特許文献19】US5914373
【特許文献20】WO00/31154
【特許文献21】EP-A-750899
【特許文献22】US-A-5089578
【非特許文献5】Yotaro Morishima「Self-assembling amphiphilic polyelectrolytes and their nanostructures」Chinese Journal of Polymer Science、18巻40号(2000年)、323〜336頁
【非特許文献6】Yotaro Morishima「Micelle formation of random copolymers of sodium 2-(acrylamido)-2-methylpropanesulfonate and a nonionic surfactant macromonomer in water as studied by fluorescence and dynamic light scattering」Macromolecules、2000年、33巻10号、3694〜3704頁
【非特許文献7】Yotaro Morishima「Solution properties of micelle networks formed by nonionic moieties covalently bound to a polyelectrolyte」Langmuir、2000年、16巻12号,5324〜5332頁
【非特許文献8】Yotaro Morishima「Stimuli responsive amphiphilic copolymers of sodium 2-(acrylamido)-2-methylpropanesulfonate and associative macromonomers」Polym.Preprint,Div.Polym.Chem.、1999年、40巻2号、220〜221頁
【特許文献23】EP-A-750899
【特許文献24】US5089578
【特許文献25】FR2586913
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
このような組成物がこの分野における進歩を構成しているのであるが、それでも、これらの組成物の貯蔵に際しての安定性には依然として改善の余地がある。
【0014】
さらに、これらの組成物を使用して得られる着色の洗浄堅牢性およびシャンプー堅牢性をさらに高めることは有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
まったく以外なことに、少なくとも1種の特定蛍光化合物を含む組成物により、さらにより満足できる染色結果を維持しながら、同時に、前記組成物の安定性を改善することが可能になることを見出した。
【0016】
従って、本発明の第1の主題は、化粧上許容される媒質中に、式(I):
【0017】
【化1】

【0018】
(式中、
R1は、6〜22個の炭素原子、より詳細には6〜16個の炭素原子、好ましくは8〜12個の炭素原子を含み、少なくとも1個のヒドロキシル基で、少なくとも1個の直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルコキシもしくはC1〜C6シクロアルコキシ基で、かつ/または少なくとも1個のシアノ基で場合によっては、置換された直鎖または分枝鎖アルキルまたはシクロアルキル基であり、
R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子;1〜22個の炭素原子、より詳細には1〜10個、好ましくは1〜6個の炭素原子を含み、1個または複数のヒドロキシル基で場合によっては置換された直鎖または分枝鎖アルキル基を表し、
X-は、有機または無機のアニオンを表す)
の、該媒質に可溶である少なくとも1種の蛍光染料を含む組成物である。
【0019】
本発明の主題は、同様に、ケラチン繊維、より詳細にはヒトのケラチン繊維を処理する方法であって、該方法では、本発明による組成物を、前記の濡れたまたは乾いた繊維に、着色を発現するに十分な時間適用し、その後、繊維をすすぎ、場合によってはシャンプーで洗浄し、再度すすいで乾燥し、あるいは得られる繊維を乾くまで放置する。
【0020】
この方法の1つの変形形態によれば、本発明による組成物を、前記の濡れたまたは乾いた繊維に適用し、最後のすすぎを行わない。
【0021】
本発明のもう1つの主題は、本発明による組成物を含む装置からなる。
【0022】
最後に、本発明は、ケラチン繊維を明色化するための薬剤としての、および/またはこれらの繊維を染色するための薬剤としての、本発明による組成物の使用に関する。
【0023】
しかし、本発明のその他の特徴および利点は、以下の説明および実施例を読むことによってより明白となろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下の文章で、かつ別に指摘しない限り、範囲の限界値はその範囲に含まれると解される。
【0025】
本発明による組成物により、それを黒色繊維に適用した場合、酸化剤の存在を必ずしも必要としないで、そのケラチン繊維元来の色よりも明るい着色を得ることが可能になる。しかし、言うまでもなく、本発明による組成物がこのような薬剤を含むことを排除するものではない。
【0026】
本発明によれば、用語「ヒトのケラチン繊維」とは、毛髪、まつ毛およびまゆ毛を意味する。
【0027】
組成物は、処理前のそれら繊維の着色およびこの着色が天然または人工的に得られたのか否かとは無関係に、ケラチン繊維を処理するのに適していることに留意されたい。
【0028】
本発明の有利な一実施形態によれば、組成物は、黒色ケラチン繊維に適用することを目的とする。より詳細には、黒色ケラチン繊維とは、顔料で着色されたまたは人工的に染色された繊維であり、その色調度は6以下、好ましくは4以下である。
【0029】
前に示したように、蛍光染料は、式(I):
【0030】
【化2】

【0031】
(式中、
R1は、6〜22個の炭素原子、より詳細には6〜16個の炭素原子、好ましくは8〜12個の炭素原子を含み、少なくとも1個のヒドロキシル基で、少なくとも1個の直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルコキシもしくはC1〜C6シクロアルコキシ基で、および/または少なくとも1個のシアノ基で場合によっては置換された直鎖または分枝鎖アルキルまたはシクロアルキル基であり、
R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子;1〜22個の炭素原子、より詳細には1〜10個、好ましくは1〜6個の炭素原子を含み、1個または複数のヒドロキシル基で場合によっては置換された直鎖または分枝鎖アルキル基を表し、
X-は、有機または無機のアニオンを表す)
に属する。
【0032】
本発明による組成物に含まれる蛍光染料は、より特定すれば、それ自体だけで発色する分子であり、媒質に可溶であり、可視領域さらに場合によっては紫外領域(360〜760nmの波長領域)の光を吸収するが、普通の染料と異なり、吸収したエネルギーの一部を吸収した光よりも長い波長の蛍光に転換し、可視部分のスペクトルを放射する。
【0033】
さらに、本発明による蛍光染料は、それを塗布した支持体上に蛍光を発生させる染料である。
【0034】
本発明によれば、蛍光染料は、組成物の媒質に、25℃の温度でリットルあたり少なくとも1g、好ましくはリットル当たり少なくとも5gまで可溶である。
【0035】
R1基がシクロアルキルであるか、あるいはシクロアルコキシ基で置換されている場合、その基の環部分は、有利には、飽和の好ましくは5〜6員環であり、環の炭素数にはアルキルまたはアルコキシ鎖の炭素数を含めない。好ましくは、環部分はシクロペンタンまたはシクロヘキサン型である。
【0036】
より詳細には、R2およびR3基は、水素原子またはメチル基を表す。
【0037】
X-は、特に、ハロゲンイオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、炭酸イオンおよび炭酸水素イオンから選択される無機由来のアニオンでよいことに留意されたい。
【0038】
アニオンX-は、有機由来であってもよく、この場合、より詳細には、少なくとも1個のヒドロキシルもしくはアミノ基またはハロゲン原子で場合によっては置換された飽和または不飽和の、芳香族または非芳香族の硫酸、スルホン酸、モノ-もしくはポリカルボン酸の塩に由来するアニオンから特に選択されるアニオンであってもよい。
【0039】
好ましくは、X-は、塩素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、メトサルフェートイオン、エトサルフェートイオンから選択される。
【0040】
本発明の特に有利な実施形態によれば、蛍光化合物は、次式:
【0041】
【化3】

【0042】
(式中、式Rは、水素原子または直鎖もしくは分枝鎖C1〜C4アルキル基を表し、Xは、有機または無機のアニオンを表す)
の1つに該当する。
【0043】
蛍光染料は、より詳細には、組成物の総重量に対して0.01重量%〜20重量%、好ましくは0.1重量%〜5重量%に相当する。
【0044】
化粧上許容される媒質は、一般に、水から、または水と少なくとも1種の有機溶媒の混合物から構成される。
【0045】
挙げることのできる有機溶媒の例には、エタノールおよびイソプロパノールなどのC1〜C4直鎖または分枝鎖アルカノール類、グリセロール、グリコールおよびグリコールエーテル類、例えば2-ブトキシエタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルおよびモノエチルエーテル、さらに芳香族アルコール、例えばベンジルアルコールまたはフェノキシエタノール、それらの類似製品および混合物が含まれる。
【0046】
溶媒は、染料組成物の総重量に対して、好ましくは約1重量%〜40重量%、さらにより好ましくは約5重量%〜30重量%の範囲の比率で存在できる。
【0047】
本発明による組成物のpHは、一般に約3〜12、好ましくは約5〜11である。pHは、ヒトのケラチン繊維を染色する際に通常使用される酸性化剤または塩基性化剤を使用して所望の値に調整できる。
【0048】
挙げることのできる酸性化剤の例には、無機または有機の酸、例えば、塩酸、オルトリン酸、硫酸、カルボン酸類、例えば、酢酸、酒石酸、クエン酸および乳酸、およびスルホン酸類が含まれる。
【0049】
挙げることのできる塩基性化剤の例には、アンモニア水、炭酸アルカリ類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンならびにそれらの誘導体などのアルカノールアミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および式(II):
【0050】
【化4】

【0051】
(上式中、Wは、ヒドロキシル基またはC1〜C6アルキル基で場合によっては置換されたプロピレン残基であり、Rx、Ry、RzおよびRtは、同一または異なってよく、水素原子またはC1〜C6アルキルもしくはC1〜C6ヒドロキシアルキル基を表す)
の化合物を挙げることができる。
【0052】
化粧組成物は、非イオン、カチオンもしくはアニオン性の、好ましくはカチオンまたは非イオン性の1種または複数のさらなる直接染料、あるいはそれらの組合せを含むこともできる。
【0053】
一般に、これらの直接染料は、ニトロベンゼン染料、アゾ、アゾメチン、メチン、アントラキノン、ナフトキノン、ベンゾキノン、フェノチアジン、インジゴイド、キサンテン、フェナントリジン、フタロシアニン、トリアリールメタン系の染料、および天然染料から、単独または混合物として選択される。
【0054】
直接染料は、例えば以下の赤色または橙色ニトロベンゼン染料、すなわち、
- 1-ヒドロキシ-3-ニトロ-4-N-(γ-ヒドロキシプロピル)アミノベンゼン、
- N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3-ニトロ-4-アミノベンゼン、
- 1-アミノ-3-メチル-4-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-6-ニトロ-ベンゼン、
- 1-ヒドロキシ-3-ニトロ-4-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、
- 1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゼン、
- 1-アミノ-2-ニトロ-4-メチルアミノベンゼン、
- N-(β-ヒドロキシエチル)-2-ニトロ-パラ-フェニレンジアミン、
- 1-アミノ-2-ニトロ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-5-クロロ-ベンゼン、
- 2-ニトロ-4-アミノジフェニルアミン、
- 1-アミノ-3-ニトロ-6-ヒドロキシベンゼン、
- 1-(β-アミノエチル)アミノ-2-ニトロ-4-(β-ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、
- 1-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)オキシ-3-ニトロ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、
- 1-ヒドロキシ-3-ニトロ-4-アミノベンゼン、
- 1-ヒドロキシ-2-アミノ-4,6-ジニトロベンゼン、
- 1-メトキシ-3-ニトロ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、
- 2-ニトロ-4'-ヒドロキシジフェニルアミン、および
- 1-アミノ-2-ニトロ-4-ヒドロキシ-5-メチルベンゼン。
から選択できる。
【0055】
この第1の変形形態の場合に採用される組成物は、これらのニトロベンゼン染料に追加してまたは代わって、黄色、緑-黄色、青色または紫色のニトロベンゼン染料、アゾ染料、アントラキノン染料、ナフトキノン染料、ベンゾキノン染料、インジゴイド染料、およびトリアリールメタン系の染料から選択される1種または複数のさらなる直接染料を含むこともできる。
【0056】
これらのさらなる直接染料は、特に、その例としてより詳細には、カラーインデックス第3版中で「ベーシックブラウン16」、「ベーシックブラウン17」、「ベーシックイエロー57」、「ベーシックレッド76」、「ベーシックバイオレット10」、「ベーシックブルー26」および「ベーシックブルー99」の名称で知られている染料を挙げることのできる塩基性染料、その例としてより詳細には、カラーインデックス第3版中で「アシッドオレンジ7」、「アシッドオレンジ24」、「アシッドイエロー36」、「アシッドレッド33」、「アシッドレッド184」、「アシッドブラック2」、「アシッドバイオレット43」および「アシッドブルー62」の名称で知られている染料を挙げることのできる酸性直接染料、あるいは代りに、その内容が本発明の不可欠な部分を構成するWO95/01772、WO95/15144およびEP-A-0714954に記載されているようなカチオン直接染料でよい。
【0057】
黄色および緑-黄色のさらなるニトロベンゼン直接染料の例としては、例えば、
- 1-β-ヒドロキシエチルオキシ-3-メチルアミノ-4-ニトロベンゼン、
- 1-メチルアミノ-2-ニトロ-5-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)オキシベンゼン、
- 1-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メトキシ-4-ニトロベンゼン、
- 1-(β-アミノエチル)アミノ-2-ニトロ-5-メトキシベンゼン、
- 1,3-ジ(β-ヒドロキシエチル)アミノ-4-ニトロ-6-クロロ-ベンゼン、
- 1-アミノ-2-ニトロ-6-メチルベンゼン、
- 1-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-ヒドロキシ-4-ニトロベンゼン、
- N-(β-ヒドロキシエチル)-2-ニトロ-4-トリフルオロメチルアニリン、
- 4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3-ニトロベンゼンスルホン酸、
- 4-エチルアミノ-3-ニトロ安息香酸、
- 4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3-ニトロクロロベンゼン、
- 4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3-ニトロメチルベンゼン、
- 4-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)アミノ-3-ニトロトリフルオロメチルベンゼン、
- 1-(β-ウレイドエチル)アミノ-4-ニトロベンゼン、
- 1,3-ジアミノ-4-ニトロベンゼン、
- 1-ヒドロキシ-2-アミノ-5-ニトロベンゼン、
- 1-アミノ-2-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ-5-ニトロ-ベンゼン、
- 1-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-ニトロベンゼン、および
- 4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3-ニトロベンズアミド。
から選択される化合物を挙げることができる。
【0058】
青色または紫色のさらなるニトロベンゼン直接染料の例としては、フランス特許FR2692572に記載されているような、例えば、
- 1-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-アミノ-2-ニトロベンゼン、
- 1-(γ-ヒドロキシプロピル)アミノ-4,N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-アミノ-2-ニトロベンゼン、
- 1-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-4-(N-メチル-N-β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-ニトロベンゼン、
- 1-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-4-(N-エチル-N-β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-ニトロベンゼン、
- 1-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)アミノ-4-(N-エチル-N-β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-ニトロベンゼン、
- 次式:
【0059】
【化5】

【0060】
(式中
- Rbは、C1〜C4アルキル基またはβ-ヒドロキシエチル、β-ヒドロキシプロピルまたはγ-ヒドロキシプロピル基を表し、
- RaおよびRcは、同一または異なってもよく、β-ヒドロキシエチル、β-ヒドロキシプロピル、γ-ヒドロキシプロピルまたはβ,γ-ジヒドロキシプロピル基を表し、Rb、RcまたはRa基の少なくとも1つがγ-ヒドロキシプロピル基を表し、かつ、Rbがγ-ヒドロキシプロピル基である場合、RbおよびRcは同時にβ-ヒドロキシエチル基を意味することはできない)
を有する2-ニトロ-p-フェニレンジアミン類、
を挙げることができる。
【0061】
天然直接染料の例としては、とりわけ、ヘンナ、カミツレおよびインジゴを挙げることができる。
【0062】
さらなる直接染料は、それが存在するなら、好ましくは、組成物の総重量に対して、0.0005重量%〜12重量%、さらに好ましくは0.005重量%〜6重量%に相当する。
【0063】
酸化染色を目的とする場合、本発明による化粧組成物は、酸化染色に通常使用される酸化ベースから選択される少なくとも1種の酸化ベースをさらに含み、その酸化ベースの例としては、特にp-フェニレンジアミン類、ビス(フェニル)アルキレンジアミン類、p-アミノフェノール類、o-アミノフェノール類および複素環塩基、ならびに、それらと酸とのまたはアルカリ化剤との付加塩を挙げることができる。
【0064】
p-フェニレンジアミン類の例としては、より詳細には、例えば、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トリレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラフェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-パラフェニレンジアミン、N,N-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジプロピル-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノ-N,N-ジエチル-3-メチルアニリン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラフェニレンジアミン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルアニリン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-クロロアニリン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-フルオロ-パラ-フェニレンジアミン、2-イソプロピルパラ-フェニレンジアミン、N-(β-ヒドロキシプロピル)-パラフェニレンジアミン、2-ヒドロキシメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-3-メチル-パラ-フェニレンジアミン、N-エチル-N-(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(4'-アミノフェニル)-パラ-フェニレンジアミン、N-フェニルパラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラフェニレンジアミン、2-β-アセチルアミノエチルオキシ-パラフェニレンジアミン、N-(β-メトキシエチル)-パラ-フェニレンジアミンおよび4'-アミノフェニル-1-(3-ヒドロキシ)ピロリジン、および、それらと酸とのまたはアルカリ化剤との付加塩を挙げることができる。
【0065】
上に挙げたp-フェニレンジアミン類の中で、最も特に好まれるものは、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トリレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラフェニレンジアミン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラフェニレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミンおよび2-β-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、および、それらと酸とのまたはアルカリ化剤との付加塩である。
【0066】
ビス(フェニル)アルキレンジアミン類としては、より詳細には、例えば、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパノール、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(4-メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス-(エチル)-N,N'-ビス(4'-アミノ-3'-メチルフェニル)エチレンジアミンおよび1,8-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,5-ジオキサオクタン、および、それらと酸とのまたはアルカリ化剤との付加塩を挙げることができる。
【0067】
p-アミノフェノール類の例としては、より詳細には、例えば、p-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、4-アミノ-3-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メトキシメチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(β-ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノールおよび4-アミノ-2-フルオロフェノール、ならびに、それらと酸とのまたはアルカリ化剤との付加塩を挙げることができる。
【0068】
o-アミノフェノール類の例としては、より詳細には、例えば、2-アミノフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノールおよび5-アセトアミド-2-アミノフェノール、ならびに、それらと酸とのまたはアルカリ化剤との付加塩を挙げることができる。
【0069】
複素環塩基の例としては、より詳細には、例えば、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体およびピラゾール誘導体、ならびに、それらと酸とのまたはアルカリ化剤との付加塩を挙げることができる。
【0070】
酸化ベースは、それらを使用するなら、好ましくは、組成物の総重量に対して0.0005重量%〜12重量%、さらにより好ましくは0.005重量%〜6重量%に相当する。
【0071】
酸化染色を目的とする場合、本発明による組成物には、蛍光染料および酸化ベースを用いて得られる色合いを光沢で変更または高めるために、少なくとも1種のカップラーを含めることもできる。
【0072】
使用できるカップラーは、酸化染色で通常使用されるカップラーから選択することができ、例としては、特にm-フェニレンジアミン類、m-アミノフェノール類、m-ジフェノール類および複素環カップラー、ならびに、それらと酸とのまたはアルカリ化剤との付加塩を挙げることができる。
【0073】
これらのカップラーは、より詳細には、2-メチル-5-アミノフェノール、5-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルフェノール、3-アミノフェノール、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシ-2-メチルベンゼン、4-クロロ-1,3-ジヒドロキシベンゼン、2,4-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2-アミノ-4-(β-ヒドロキシエチルアミノ)-1-メトキシベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン、セサモール、α-ナフトール、6-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシ-N-メチルインドール、6-ヒドロキシインドリン、2,6-ジヒドロキシ-4-メチルピリジン、1H-3-メチルピラゾール-5-オン、1-フェニル-3-メチルピラゾール-5-オン、2,6-ジメチルピラゾロ-[1,5-b]-1,2,4-トリアゾール、2,6-ジメチル[3,2-c]-1,2,4-トリアゾールおよび6-メチルピラゾロ[1,5-a]-ベンズイミダゾール、および、それらと酸とのまたはアルカリ化剤との付加塩から選択される。
【0074】
カップラーは、それらが存在するなら、好ましくは、組成物の総重量に対して0.0001重量%〜10重量%、さらにより好ましくは0.005重量%〜5重量%に相当する。
【0075】
一般に、本発明組成物の関係で使用できる、酸との付加塩(酸化ベースおよびカップラー)は、特に、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、乳酸塩および酢酸塩から選択される。
【0076】
本発明の関係で使用できる、アルカリ化剤との付加塩(酸化ベースおよびカップラー)は、特に、アルカリ金属またはアルカリ土類金属との、アンモニアとの、およびアルカノールアミンおよび式(II)の化合物を含む有機アミンとの付加塩から選択される。
【0077】
本発明による化粧組成物には、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性もしくは双生イオン性ポリマーまたはそれらの混合物、無機増粘剤、酸化防止剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤、香料、緩衝液、分散剤、コンディショナー(例えばカチオン類、カチオン性または両性ポリマー、キトサン、揮発性または非揮発性の改質または非改質シリコーン)、皮膜形成剤、セラミド、防腐剤、安定剤および乳白剤など、特にヒトのケラチン繊維を染色するために化粧組成物に通常使用される各種補助剤を含めることもできる。
【0078】
組成物には、1種または複数の界面活性剤を含めることができる。これらの界面活性剤は、アニオン性、両性、非イオン性、双性イオンおよびカチオン性の界面活性剤から、単独または混合物として優先無しに選択できる。
【0079】
本発明を実施するのに適した界面活性剤は、特に次のものである。すなわち、
(i)アニオン界面活性剤
本発明の関係で単独または混合物として使用できるアニオン界面活性剤の例としては、詳細には次の化合物、すなわち、アルキル硫酸エステル、アルキルエーテル硫酸エステル、アルキルアミドエーテル硫酸エステル、アルキルアリールポリエーテル硫酸エステル、グリセリンモノ硫酸エステル、アルキルスルホン酸、アルキルリン酸エステル、アルキルアミドスルホン酸、アルキルアリールスルホン酸、α-オレフィンスルホン酸、パラフィンスルホン酸、(C6〜C24)アルキルスルホコハク酸エステル、(C6〜C24)アルキルエーテルスルホコハク酸エステル、(C6〜C24)アルキルアミドスルホコハク酸エステル、(C6〜C24)アルキルスルホ酢酸エステル、(C6〜C24)アシルサルコシン酸エステル、および(C6〜C24)アシルグルタミン酸エステルの塩(詳細にはアルカリ金属塩、特にナトリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、アミノアルコール塩またはマグネシウム塩)を挙げることができる(列挙したものに限定しない)。また、アルキルグルコシドクエン酸エステル、アルキルポリグリコシド酒石酸エステル、およびアルキルポリグルコシドスルホコハク酸エステルなどの(C6〜C24)アルキルポリグリコシドカルボン酸エステル、スルホコハク酸アルキル、イセチオン酸アシルおよびN-アシルタウリンを使用することも可能であり、これら各種化合物のすべてのアルキルまたはアシル基は、好ましくは12〜20個の炭素原子を含み、アリール基は、好ましくはフェニルまたはベンジル基を意味する。使用できるアニオン界面活性剤の例としては、オレイン酸、リシノール酸、パルミチン酸およびステアリン酸、ヤシ油脂肪酸または水添ヤシ油脂肪酸塩などの脂肪酸塩、アシル基が8〜20個の炭素原子を含むアシル乳酸塩を挙げることができる。また、アルキルD-ガラクトシドウロン酸類およびそれらの塩、ポリオキシアルキレン化(C6〜C24)アルキルエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化(C6〜C24)アルキルアリールエーテルカルボン酸、ポリオキシアルキレン化(C6〜C24)アルキルアミドエーテルカルボン酸およびそれらの塩、特に2〜50個のアルキレンオキシド基、特にエチレンオキシド基を含むもの、およびそれらの混合物を使用することが可能である。
【0080】
(ii)非イオン界面活性剤
非イオン界面活性剤は、それ自体やはり、本質的によく知られた化合物であり(これに関して詳細には1991年、Blackie & Son(GlasgowおよびLondon)発行のM.R.Porterによる「Handbook of Surfactants」116〜178頁を参照のこと)、それらの本質は本発明に関して決定的な要因ではない。従って、詳細には、ポリエトキシル化またはポリプロポキシル化した、例えば8〜18個の炭素原子を含む脂肪鎖を有するアルキルフェノール、α-ジオールまたはアルコールから選択可能であり(列挙したものに限定しない)、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシド基の数は、詳細には2〜50の範囲が可能である。また、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマー、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの脂肪アルコールとの縮合物、2〜30モルのエチレンオキシドを好ましくは有するポリエトキシル化脂肪アミド、平均で1〜5個、詳細には1.5〜4個のグリセロール基を含むポリグリセロール化脂肪アミド、2〜30モルのエチレンオキシドを好ましくは有するポリエトキシル化脂肪アミン、2〜30モルのエチレンオキシドを有するソルビタンオキシエチレン化脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、N-アルキルグルカミン誘導体、および(C10〜C14)アルキルアミンオキシドまたはN-アシルアミノプロピルモルホリンオキシドなどのアミンオキシドを挙げることができる。
【0081】
(iii)両性または双性界面活性剤
両性または双性界面活性剤は、特に、脂肪族基が8〜18個の炭素原子を含み、かつ少なくとも1個の可溶性アニオン性基(例えばカルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩またはホスホン酸塩)を含む直鎖または分岐鎖である脂肪族第二級または第三級アミン誘導体から選択でき、(C8〜C20)アルキルベタイン、スルホベタイン、(C8〜C20)アルキルアミド(C1〜C6)アルキルベタインまたは(C8〜C20)アルキルアミド(C1〜C6)アルキルスルホベタインを挙げることができる。
【0082】
アミン誘導体の例としては、米国特許第2528378号、2781354号に記載されているように、Miranolの名称で販売されている、およびCTFA事典の第3版(1982年)でアンホカルボキシグリシネートおよびアンホカルボキシプロピオネートの名称で分類されている製品を挙げることができる。それらの製品はそれぞれ次の構造を有する。すなわち、
Rd-CONHCH2CH2-N(Re)(Rf)(CH2COO-)
(式中、Rdは、加水分解ヤシ油中に存在する酸Rd-COOHのアルキル基、ヘプチル、ノニルまたはウンデシル基を意味し、Reは、β-ヒドロキシエチル基を意味し、Rfは、カルボキシメチル基を意味する)、および
Rg-CONHCH2CH2-N(B)(C)
(式中、Bは-CH2CH2OXを表し、Cは-(CH2)z-Y(z=1または2)を表し、
Xは-CH2CH2-COOH基または水素原子を意味し、
Yは-COOHまたは-CH2-CHOH-SO3H基を意味し、
Rgは、ヤシ油中または加水分解アマニ油中に存在する酸Rh-COOHのアルキル基、飽和の基または1個または複数の不飽和を含む基、特にC7〜C17、より詳細にはC9、C11、C13もしくはC17アルキル基またはそのイソ型、あるいは不飽和C17基を意味する)。
【0083】
これらの化合物は、CTFA事典第5版(1993年)で、ココアンホジ酢酸2ナトリウム、ラウロアンホジ酢酸2ナトリウム、カプリルアンホジ酢酸2ナトリウム、カプリロアンホジ酢酸2ナトリウム、ココアンホジプロピオン酸2ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸2ナトリウム、カプリルアンホジプロピオン酸2ナトリウム、カプリロアンホジプロピオン酸2ナトリウム、ラウロアンホジプロピオン酸およびココアンホジプロピオン酸の名称で分類される。
【0084】
例としては、Rhodia Chimie社がMiranol(登録商標)C2M濃縮液の商品名で販売しているココアンホジ酢酸塩を挙げることができる。
【0085】
(iv)カチオン界面活性剤
カチオン界面活性剤の例としては、詳細には、場合によってはポリオキシアルキレン化第一級、第二級または第三級脂肪アミンの塩、テトラアルキルアンモニウム、アルキルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム、トリアルキルベンジルアンモニウム、トリアルキルヒドロキシアルキルアンモニウムまたはアルキルピリジニウムの塩化物または臭化物などの第四級アンモニウム塩、イミダゾリン誘導体、またはカチオン性のアミンオキシドを挙げることができる。
【0086】
好ましくは、界面活性剤は非イオン性、アニオン性または両性である。
【0087】
通常、界面活性剤は、組成物の総重量に対し0.01重量%〜50重量%、好ましくは0.1重量%〜25重量%の量で存在する。
【0088】
組成物には、1種または複数の増粘用ポリマーを含めることもできる。これらのポリマーは、イオン性または非イオン性、および会合性または非会合性でよい。
【0089】
非会合性の増粘用ポリマーに関して、本発明の目的の場合、非会合性の増粘用ポリマーはC10〜C30の鎖を含まない増粘用ポリマーであることをまず想起したい。
【0090】
非会合性の増粘用ポリマーの例としては、架橋されたアクリル酸ホモポリマー、架橋された2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ホモポリマーおよびそれらとアクリルアミドとの架橋されたコポリマー、アクリル酸アンモニウムホモポリマーまたはアクリル酸アンモニウムとアクリルアミドとのコポリマー、非イオン性グアーガム、微生物起源の生体多糖ガム、植物滲出液に起源するガム、ヒドロキシプロピルまたはカルボキシメチルセルロース、ペクチンおよびアルギン酸塩を、単独または混合物として挙げることができる。
【0091】
適当な非会合性増粘用ポリマーの最初の部類は、架橋されたアクリル酸ホモポリマーで代表される。
【0092】
この型のホモポリマーの例としては、一連の糖アルコールのアリルエーテルを用いて架橋されたもの、例えば、Noveon社がCarbopol 980、981、954、2984および5984の名称で販売している製品、または3VSA社がSynthalen MおよびSynthalen Kの名称で販売している製品を挙げることができる。
【0093】
非会合性増粘用ポリマーは、架橋された2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ホモポリマーおよびそれとアクリルアミドとの架橋されたコポリマーから選択することもできる。
【0094】
部分的にまたは全部が中和されてもよいこれらのホモポリマーおよびコポリマーに関して、ポリマー総重量に対して90重量%〜99.9重量%の式(j):
【0095】
【化6】

【0096】
(式中、X+はカチオンまたはカチオンの混合物、あるいはプロトンを意味する)
の単位を含有するポリマーを挙げることができる。
【0097】
より詳細には、カチオンは、アルカリ金属(例えば、ナトリウムまたはカリウム)、1〜6個の炭素原子を含み同一または異なってもよく、少なくとも1個のヒドロキシル基を場合によっては所持する1〜3個のアルキル基で場合によっては置換されたアンモニウムイオン、N-メチルグルカミンからまたは塩基性アミノ酸、例えばアルギニンおよびリシンから誘導されるカチオンから選択される。好ましくは、カチオンは、アンモニウムまたはナトリウムイオンである。
【0098】
さらに、ポリマーは、ポリマーの総重量に対して、0.01重量%〜10重量%の、少なくとも2つのエチレン性不飽和(炭素-炭素二重結合)を含む少なくとも1種のモノマーから誘導される架橋単位を含有する。
【0099】
少なくとも2つのエチレン性不飽和を含む架橋用モノマーは、例えば、ジアリルエーテル、シアヌール酸トリアリル、マレイン酸ジアリル、(メタ)アクリル酸アリル、ジプロピレングリコールジアリルエーテル、ポリグリコールジアリルエーテル類、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ヒドロキノンジアリルエーテル、テトラアリルオキセタノイル、ジ(メタ)アクリル酸テトラ-またはジエチレングリコール、トリアリルアミン、テトラアリルエチレンジアミン、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、メチレンビス(メタ)アクリルアミドまたはジビニルベンゼン、一連の糖アルコールのアリルエーテル、または多官能性アルコールのその他アリルまたはビニルエーテル、さらにはリン酸および/またはビニルリン酸のアリルエステル、あるいはこれら化合物の混合物から選択される。
【0100】
これらのポリマーに関するさらなる詳細については、文献EP815828を参照できる。
【0101】
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸とアクリルアミドとの部分的にまたは全部が中和され架橋されたコポリマーの例としては、詳細には、文献EP503853の実施例1に記載されている生成物を挙げることができ、これらのポリマーに関して前記文献を参照できる。
【0102】
組成物には、非会合性の増粘用ポリマーとして、アクリル酸アンモニウムホモポリマー、またはアクリル酸アンモニウムとアクリルアミドとのコポリマーを含めることもできる。
【0103】
アクリル酸アンモニウムホモポリマーの例としては、Hoechst社がMicrosap PAS 5193の名称で販売している製品を挙げることができる。アクリル酸アンモニウムとアクリルアミドとのコポリマーの例としては、Bozepol C Nouveauの名称で販売されている製品またはHoechst社が販売している製品PAS 5193を挙げることができる。このような化合物の説明および調製に関しては、文献FR2416723、US2798053およびUS2923692を参照できる。
【0104】
組成物には、塩化メチルを用いて四級化されたメタクリル酸ジメチルアミノエチルホモポリマー、または塩化メチルで四級化されたメタクリル酸ジメチルアミノエチルとアクリルアミドとのコポリマーを含めることもできる。
【0105】
この型のホモポリマーの例としては、Ciba-Allied Colloids社がSalcare 95およびSalcare 96の名称で販売している製品を挙げることができる。この部類のコポリマーの例としては、Ciba-Allied Colloids社が販売している製品Salcare SC92、またはHoechst社が販売している製品PAS 5194を挙げることができる。これらのポリマーは、とりわけ、参照できる文献EP395282中で説明され、調製されている。
【0106】
組成物には、非イオン性グアーガム、例えばUnipectine社がVidogum GH 175の名称で、Meyhall社がJaguar Cの名称で販売している未修飾非イオン性グアーガムを含めることもできる。
【0107】
本発明により使用できる非イオン性グアーガムは、好ましくは、C1〜C6ヒドロキシアルキル基で修飾される。ヒドロキシルアルキル基の例としては、例えばヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルおよびヒドロキシブチル基を挙げることができる。
【0108】
これらのグアーガムは、従来技術において周知であり、例えば、プロピレンオキシドなどの対応するアルケンオキシドをグアーガムと反応させて、ヒドロキシプロピル基で修飾されたグアーガムを得ることによって調製できる。
【0109】
グアーガムに存在する遊離ヒドロキシル官能基の個数まで消費されるアルキレンオキシド分子の個数に相当するヒドロキシアルキル化の程度は、好ましくは、0.4〜1.2の範囲である。
【0110】
ヒドロキシアルキル基で場合によっては修飾されたこのような非イオン性グアーガムは、例えば、Rhodia Chimie(Meyhall)社がJaguar HP8、Jaguar HP60およびJaguar HP120、Jaguar DC293およびJaguar HP105の名称で、またはAqualon社がGalactasol 4H4FD2の名称で販売している。
【0111】
適した非会合性の増粘用ポリマーの例として、硬グルカンガムまたはキサンタンガムなど、微生物起源の生体多糖ガムを挙げることもできる。
【0112】
アラビアゴム、ガッティガム、カラヤガムおよびトラガカントガムなど、植物滲出液由来のガム、ヒドロキシプロピルまたはカルボキシメチルセルロース、ペクチンおよびアルギン酸塩も適している。
【0113】
これらのポリマーは、当業者にとって周知であり、とりわけ、McGraw-Hill Book社が発行(1980年)したRobert L.Davidsonによる「Handbook of Water soluble gums and resins」と題する書籍に記載されている。
【0114】
より特に好んで使用される増粘剤の例が、当業者に周知であり、非イオン性、アニオン性、カチオン性または両性の性質をもつ会合性ポリマー系の増粘系である。
【0115】
会合性ポリマーは、水性媒質中で、互いにまたは他の分子と可逆的に会合する能力のある親水性ポリマーであることが想起される。これらの化学構造は、より詳細には、少なくとも1つの親水性領域および少なくとも1つの疎水性領域を含む。用語「疎水基」とは、少なくとも10個の炭素原子、好ましくは10〜30個の炭素原子、詳細には12〜30個の炭素原子、より好ましくは18〜30個の炭素原子を含む、飽和または不飽和の、直鎖または分枝鎖の炭化水素系の鎖を含む基またはポリマーを意味する。好ましくは、炭化水素系の基は、単官能性化合物に由来する。例を挙げれば、疎水基は、ステアリルアルコール、ドデシルアルコールまたはデシルアルコールなどの脂肪アルコールから誘導できる。疎水基は、炭化水素系のポリマー、例えばポリブタジエンを意味してもよい。
【0116】
従って、組成物には、より詳細にはカチオン性または非イオン性である会合性ポリウレタン、より詳細にはカチオン性または非イオン性である会合性セルロース誘導体、会合性ビニルラクタム、会合性不飽和ポリ酸、会合性アミノプラスト-エーテル、スルホン酸基を含む少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーを含む会合性ポリマーまたはコポリマーから単独でまたは混合物として選択される、少なくとも1種の会合性ポリマーを含めることができる。
【0117】
会合性の増粘用ポリマーの例としては、会合性ポリウレタン誘導体、例えば、
- 約20重量%〜70重量%のα,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸、
- 前記モノマーとは異なる、約20重量%〜80重量%の非界面活性剤α,β-モノエチレン性不飽和モノマー、
- モノヒドロキシル化界面活性剤とモノエチレン性不飽和モノイソシアナートとの反応生成物である、約0.5重量%〜60重量%の非イオン性モノウレタン
の重合によって得られる誘導体を挙げることができる。
【0118】
このようなポリマーは、とりわけ、EP173109に、より詳細には実施例3に記載されている。より具体的には、このポリマーは、25%水性懸濁液としての、エトキシル化ベヘニルアルコール(40EO)のメタクリル酸/アクリル酸メチル/ジメチルm-イソプロペニルベンジルイソシアナートターポリマーである。この製品は、Amerchol社がViscophobe DB1000の照会名で販売している。
【0119】
その部類が特許出願FR0009609に記載されているカチオン性の会合性ポリウレタンも、使用に適している。これは、より詳細には式(A):
R-X-(P)n-[L-(Y)m]r-L'-(P')p-X'-R' (A)
(式中、
RおよびR'は、同一または異なってもよく、疎水基または水素原子を表し、
XおよびX'は、同一または異なってもよく、疎水基を場合によっては有するアミン官能基を含む基、または代わりにL"基を表し、
L、L'およびL"は、同一または異なってもよく、ジイソシアナート基から誘導される基を表し、
PおよびP'は、同一または異なってもよく、疎水基を場合によっては有するアミン官能基を含む基を表し、
Yは、親水基を表し、
rは、1〜100、好ましくは1〜50、詳細には1〜25の整数であり、
n、mおよびpは、互いに独立に、それぞれ0〜1000の範囲であり、
この分子は、少なくとも1個のプロトンを付加されたまたは四級化されたアミン官能基、および少なくとも1個の疎水基を含む)
で表される。
【0120】
これらのポリウレタンの極めて有利な一実施形態において、唯一の疎水基は、鎖の両末端のRおよびR'基である。
【0121】
好ましい一実施形態によれば、会合性ポリウレタンは、RおよびR'が両方とも独立に疎水基を表し、XおよびX'がそれぞれL"基を表し、nおよびpが1〜1000であり、L、L'、L"、P、P'、Yおよびmが式(A)におけると同様の意味を有する式(A)に相当する。
【0122】
本発明のもう1つの好ましい実施形態によれば、会合性ポリウレタンは、RおよびR'が両方とも独立に疎水基を表し、XおよびX'がそれぞれL"基を表し、nおよびpが0であり、L、L'、L"、Yおよびmが前に示した式(A)におけると同様の意味を有する式(A)に相当する。
【0123】
nおよびpが0であるという事実は、これらのポリマーが、縮合重合の際にポリマーに組み込まれる、アミン官能基を含むモノマーから誘導される単位を含まないことを意味する。これらのポリウレタンのプロトン付加されたアミン官能基は、鎖末端での過剰イソシアナート官能基の加水分解、それに続き、形成された第一級アミン官能基を、疎水基を含むアルキル化剤すなわちRQまたはR'Q型化合物(RおよびR'は上で定義したものと同様であり、Qはハロゲン、硫酸エステルなどの脱離基を意味する)でアルキル化することによって生じる。
【0124】
本発明のもう1つの好ましい実施形態によれば、会合性ポリウレタンは、RおよびR'が両方とも独立に疎水基を表し、XおよびX'が両方とも独立に第四級アミンを含む基を表し、nおよびpが0であり、L、L'、Yおよびmが式(A)において示した意味を有する式(A)に相当する。
【0125】
カチオン性の会合性ポリウレタンの数平均分子質量は、通常、400〜500000、詳細には1000〜400000、理想的には1000〜300000g/モルである。
【0126】
Xおよび/またはX'が、第三級または第四級アミンを含む基を意味する場合、Xおよび/またはX'は、次式:
【0127】
【化7】

【0128】
【化8】

【0129】
(式中、
R2は、1〜20個の炭素原子を含み、飽和または不飽和の環を場合によっては含む直鎖または分枝鎖アルキレン基、あるいはアリーレン基であり、炭素原子の1個または複数は、N、S、OおよびPから選択されるヘテロ原子で代替されることもあり、
R1およびR3は、同一または異なってもよく、直鎖または分枝鎖C1〜C30アルキルまたはアルケニル基、あるいはアリール基を意味し、炭素原子の少なくとも1個は、N、S、OおよびPから選択されるヘテロ原子で代替されることもあり、
A-は、生理学的に許容される対イオンである)
の1種を表すことができる。
【0130】
L、L'およびL"基は、式:
【0131】
【化9】

【0132】
(式中、
Zは、-O-、-S-または-NH-を表し、
R4は、1〜20個の炭素原子を含み、飽和または不飽和環を場合によっては含む直鎖または分枝鎖アルキレン基、またはアリーレン基であり、炭素原子の1個または複数は、N、S、OおよびPから選択されるヘテロ原子で代替されることもある)
の基を表す。
【0133】
アミン官能基を含むPおよびP'基は、次式:
【0134】
【化10】

【0135】
(式中、
R5およびR7は、上で定義したR2と同様の意味を有し、
R6、R8およびR9は、上で定義したR1およびR3と同様の意味を有し、
R10は、N、S、OおよびPから選択される1個または複数のヘテロ原子を含むこともある直鎖または分枝鎖、場合によっては不飽和のアルキレン基を表し、
A-は、化粧上許容される対イオンである)
の少なくとも1種を表す。
【0136】
Yの意味に関して、用語「親水基」とは、ポリマー性または非ポリマー性の水溶性基を意味する。例を挙げれば、ポリマーでない場合、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびプロピレングリコールを挙げることができる。親水性ポリマーの場合、好ましい一実施形態によれば、例えば、ポリエーテル、スルホン化ポリエステル、スルホン化ポリアミドまたはこれらポリマーの混合物を挙げることができる。親水性化合物は、優先的には、ポリエーテル、詳細にはポリ(エチレンオキシド)またはポリ(プロピレンオキシド)である。
【0137】
式(A)の会合性ポリウレタンは、ジイソシアナートと不安定水素を含む官能基を有する各種化合物から形成される。不安定水素を含む官能基は、アルコール、第一級もしくは第二級アミンまたはチオール官能基でよく、ジイソシアナート官能基と反応してそれぞれポリウレタン、ポリウレアおよびポリチオウレアを与える。表現「本発明により使用できるポリウレタン」は、これら3種のポリマー、すなわち、ポリウレタンそれ自体、ポリウレアおよびポリチオウレア、さらにそれらのコポリマーを包含する。
【0138】
式(A)のポリウレタンの調製に使用される化合物の最初の型は、アミン官能基を含む少なくとも1つの単位を含む化合物である。この化合物は多官能性でもよいが、化合物は優先的には二官能性である、すなわち、1つの優先的実施形態によれば、この化合物は、例えばヒドロキシル、第一級アミン、第二級アミンまたはチオール官能基が有する不安定水素原子を2つ含む。多官能性化合物の割合が低い、多官能性化合物と二官能性化合物との混合物も使用できる。
【0139】
上述のように、この化合物は、アミン官能基を含む単位を、1個を超えて含むことができる。この場合、その化合物はアミン官能基を含む単位の繰返しをもつポリマーである。
【0140】
この型の化合物は、次式:
HZ-(P)n-ZHまたはHZ-(P')p-ZH
(式中、Z、P、P'、nおよびpは上で定義した通りである)
の1つで表される。
【0141】
アミン官能基を含む化合物の挙げることのできる例には、N-メチルジエタノールアミン、N-tert-ブチルジエタノールアミンおよびN-スルホエチルジエタノールアミンが含まれる。
【0142】
式(A)のポリウレタンの調製に使用される第2の化合物は、式O=C=N-R4-N=C=O(式中、R4は上で定義した通りである)に該当するジイソシアナートである。
【0143】
特に、メチレンジフェニルジイソシアナート、メチレンシクロヘキサンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、トルエンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、ブタンジイソシアナートおよびヘキサンジイソシアナートを挙げることができる。
【0144】
式(A)のポリウレタンの調製に使用される第3の化合物は、式(A)のポリマーの末端疎水基を形成することを目的とした疎水性化合物である。
【0145】
この化合物は、疎水性基と、不安定水素を含む官能基、例えばヒドロキシル、第一級または第二級アミンまたはチオール官能基とからなる。
【0146】
例を挙げれば、この化合物は、詳細には、ステアリルアルコール、ドデシルアルコールまたはデシルアルコールなどの脂肪アルコールでよい。この化合物がポリマー鎖を含む場合、それは、例えばα-ヒドロキシル化された水素化ポリブタジエンでよい。
【0147】
式(A)のポリウレタンの疎水基は、少なくとも1個の第三級アミン単位を含む化合物の第三級アミンを第四級化する反応で得ることもできる。従って、疎水基は、第四級化剤によって導入される。この第四級化剤は、RQまたはR'Q型の化合物であり、ここでRおよびR'は上で定義した通りであり、Qはハロゲン、硫酸エステルなどの脱離基である。
【0148】
カチオン性の会合性ポリウレタンには、親水性ブロックを含めることもできる。このブロックは、そのポリマーを調製するのに必要とされる第4の型の化合物で供給される。この化合物は多官能性でよい。好ましくは二官能性である。多官能性化合物の割合が低い混合物を有することも可能である。
【0149】
不安定水素を含む官能基は、アルコール、第一級または第二級アミンまたはチオール官能基である。この化合物は、その鎖両末端が不安定水素を含むこれらの官能基の1つで終結したポリマーでよい。
【0150】
例としては、ポリマーでない場合、エチレングリコール、ジエチレングリコールおよびプロピレングリコールを挙げることができる。
【0151】
親水性ポリマーである場合には、例えば、ポリエーテル、スルホン化ポリエステルおよびスルホン化ポリアミド、またはこれらのポリマーの混合物を挙げることができる。
【0152】
親水性化合物は、優先的にはポリエーテル、特に、ポリ(エチレンオキシド)またはポリ(プロピレンオキシド)である。
【0153】
式(A)でYと名付けられた親水基は任意選択である。具体的には、第四級アミンまたはプロトンを付加した官能基を含む単位により、水溶液におけるこの型のポリマーに要求される溶解性または水への分散性を十分に提供できる。
【0154】
親水基Yの存在は任意選択であるが、このような基を含むカチオン性の会合性ポリウレタンが好ましい。
【0155】
本発明の会合性ポリウレタン誘導体は、非イオン性ポリウレタンポリエーテルでもよい。より詳細には、前記ポリマーは、それらの鎖中に、通常はポリオキシエチレン化された類の親水性ブロック、および脂肪族鎖単独、ならびに/あるいは脂環式および/または芳香族鎖でよい疎水ブロックの両方を含む。
【0156】
好ましくは、これらのポリウレタンポリエーテルは、6〜30個の炭素原子を含み親水性ブロックで隔離された少なくとも2つの、炭化水素系の親油性鎖を含み、炭化水素系の鎖は、ペンダント鎖または親水性ブロックの末端鎖であることもある。詳細には、1つまたは複数のペンダント鎖を準備することが可能である。さらに、ポリマーには、親水性ブロックの一端または両端に炭化水素系の鎖を含めることができる。
【0157】
ポリウレタンポリエーテルは、マルチブロック、詳細にはトリブロックの形態でよい。疎水性ブロックは、鎖の各末端に存在してもよいし(例えば、親水性中央ブロックを含むトリブロックコポリマー)、両末端と鎖の内部に分配されてもよい(例えば、マルチブロックコポリマー)。前述のこれらポリマーは、グラフトポリマーまたは星型ポリマーであってもよい。
【0158】
脂肪鎖非イオン性ポリウレタンポリエーテルは、その親水性ブロックが50〜1000個のオキシエチレン化基を含むポリオキシエチレン化鎖であるトリブロックコポリマーでよい。
【0159】
非イオン性ポリウレタンポリエーテルは、親水性ブロックの間にウレタン結合を含み、その名称はそこから由来する。
【0160】
また、拡張すれば、その親水性ブロックが、その他の化学結合を経由して疎水性ブロックに結合しているものも、疎水性鎖非イオン性ポリウレタンポリエーテルの例として特徴付けられる。
【0161】
本発明で使用できる疎水性鎖非イオン性ポリウレタンポリエーテルの例としては、Rheox社が販売しているウレア官能基を含むRheolate(登録商標)205、あるいは代わりにRheolates(登録商標)208、204または212あるいはAcrysol(登録商標)RM 184を使用できる。
【0162】
また、Akzo社からのC12〜14アルキル鎖を含む製品Elfacos(登録商標)T210、およびC18アルキル鎖を含む製品Elfacos(登録商標)T212を挙げることができる。
【0163】
Rohm & Haas社から水中20%の固体含有量で販売されている、C20アルキル鎖およびウレタン結合を含む製品DW1206B(登録商標)も使用できる。
【0164】
特に水または水性アルコールを媒質とする、これらポリマーの溶液または分散液を使用することも可能である。このようなポリマー例としては、Rheox社が販売しているRheolate(登録商標)255、Rheolate(登録商標)278およびRheolate(登録商標)244を挙げることができる。Rohm & Haas社が販売している製品DW1206FおよびDW1206Jも使用できる。
【0165】
また、使用できる上述のポリウレタンポリエーテルは、G. Fonnum、J. BakkeおよびFk.Hansenの論文、Colloid Polym.Sci.、271巻、380〜389頁(1993年)に記載されているものから選択できる。
【0166】
さらにより詳細には、本発明によれば、(i)150〜180モルのエチレンオキシドを含む少なくとも1種のポリエチレングリコール、(ii)ステアリルアルコールまたはデシルアルコール、および(iii)少なくとも1種のジイソシアナート、を含む少なくとも3種の化合物の重縮合によって得ることのできるポリウレタンポリエーテルを使用するのが好ましい。
【0167】
このようなポリウレタンポリエーテルは、特に、Rohm & Haas社がAculyn 46(登録商標)およびAculyn 44(登録商標)の名称で販売している[Aculyn 46(登録商標)は、マルトデキストリン(4%)および水(81%)からなるマトリックス中、15重量%の、150または180モルのエチレンオキシドを含むポリエチレングリコールとステアリルアルコールとメチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアナート)(SMDI)との重縮合物であり、Aculyn 44(登録商標)は、プロピレングリコール(39%)および水(26%)の混合物中、35重量%の、150または180モルのエチレンオキシドを含むポリエチレングリコールとデシルアルコールとメチレンビス(4-シクロヘキシルイソシアナート)(SMDI)との重縮合物である]。
【0168】
組成物には、
- 少なくとも8個の炭素原子を含むアルキル、アリールアルキルまたはアルキルアリール基、あるいはそれらの混合などの少なくとも1種の疎水性鎖を含む基で修飾された第四級化カチオン性セルロース、
- 少なくとも8個の炭素原子を含むアルキル、アリールアルキルまたはアルキルアリール基、あるいはそれらの混合などの少なくとも1種の疎水性鎖を含む基で修飾された第四級化カチオン性ヒドロキシエチルセルロース、
などの、会合性セルロースから誘導されるポリマーを含めることもできる。
【0169】
上記の第四級化セルロースまたはヒドロキシエチルセルロースが有するアルキル基は、好ましくは8〜30個の炭素原子を含む。アリール基は、好ましくはフェニル、ベンジル、ナフチルまたはアントリル基を意味する。
【0170】
C8〜C30疎水性鎖を含む第四級化アルキルヒドロキシエチルセルロースの挙げることのできる例には、Amerchol社が販売している製品Quatrisoft LM200(登録商標)、Quatrisoft LM-X529-18-A(登録商標)、Quatrisoft LM-X529-18B(登録商標)(C12アルキル)およびQuatrisoft LM-X529-8(登録商標)(C18アルキル)、ならびにCroda社が販売している製品Crodacel QM(登録商標)、Crodacel QL(登録商標)(C12アルキル)およびCrodacel QS(登録商標)(C18アルキル)が含まれる。
- アルキル基が好ましくはC8〜C22である、アルキル、アリールアルキルまたはアルキルアリール基、あるいはそれらの混合など、少なくとも1つの疎水性鎖を含む基で修飾されたヒドロキシエチルセルロースなどの非イオン性セルロース誘導体、例えば、Aqualon社が販売している製品Natrosol Plus Grade 330 CS(登録商標)(C16アルキル)、またはBerol Nobel社が販売している製品Bermocoll EHM 100(登録商標)、
- Amerchol社が販売している製品Amercell Polymer HM-1500(登録商標)など、ポリアルキレングリコールアルキルフェノールエーテル基で修飾されたセルロース誘導体。
【0171】
会合性ポリビニルラクタムに関して、挙げることのできる例には、特に、FR0101106に記載されているポリマーが含まれる。該ポリマーは、より詳細にはカチオン性ポリマーであり、
-a)ビニルラクタムまたはアルキルビニルラクタム型の少なくとも1種のモノマー、
-b)下記構造(a)または(b):
【0172】
【化11】

【0173】
(式中、
Xは、酸素原子またはNR6基を意味し、
R1およびR6は、互いに独立に、水素原子または直鎖もしくは分枝鎖C1〜C5アルキル基を意味し、
R2は、直鎖もしくは分枝鎖C1〜C4アルキル基を意味し、
R3、R4およびR5は、互いに独立に、水素原子、直鎖もしくは分枝鎖C1〜C30アルキル基、または式(c):
-(Y2)r-(CH2-CH(R7)-O)x-R8 (c)
の基を意味し、
Y、Y1およびY2は、互いに独立に、直鎖もしくは分枝鎖C2〜C16アルキレン基を意味し、
R7は、水素原子、直鎖もしくは分枝鎖C1〜C4アルキル基、または直鎖もしくは分枝鎖C1〜C4ヒドロキシアルキル基を意味し、
R8は、水素原子または直鎖もしくは分枝鎖C1〜C30アルキル基を意味し、
p、qおよびrは、互いに独立に、値0または値1のいずれかを意味し、
mおよびnは、互いに独立に、0〜100の範囲の整数を意味し、
xは、1〜100の範囲の整数を意味し、
zは、有機または無機酸のアニオンを意味し、
但し、
- 置換基R3、R4、R5またはR8の少なくとも1つは、直鎖もしくは分枝鎖C9〜C30アルキル基を意味し、
- mまたはnが0でないなら、qは1に等しく、
- mまたはnが0なら、pまたはqは0に等しい)
の少なくとも1種のモノマー、
を含む。
【0174】
ポリ(ビニルラクタム)ポリマーは、架橋されていても、あるいは非架橋でもよく、ブロックポリマーでもよい。
【0175】
好ましくは、式(b)のモノマーの対イオンZ-は、ハロゲンイオン、リン酸イオン、メトサルフェートイオンおよびトシレートイオンから選択される。
【0176】
好ましくは、R3、R4およびR5は、互いに独立に、水素原子または直鎖もしくは分枝鎖C1〜C30アルキル基を意味する。
【0177】
より好ましくは、モノマー(b)は、さらにより好ましくはmおよびnが0に等しい式(b)のモノマーである。
【0178】
ビニルラクタムまたはアルキルビニルラクタムモノマーは、好ましくは構造(d):
【0179】
【化12】

【0180】
(式中、
sは、3〜6の範囲の整数を意味し、
R9は、水素原子またはC1〜C5アルキル基を意味し、
R10は、水素原子またはC1〜C5アルキル基を意味し、
但し、R9およびR10基の少なくとも1つは水素原子を意味する)
の化合物である。
【0181】
さらにより好ましくは、モノマー(d)がビニルピロリドンである。
【0182】
ポリ(ビニルラクタム)ポリマーは、1種または複数のさらなるモノマー、好ましくはカチオン性または非イオン性モノマーを含むこともできる。
【0183】
本発明によるより特に好ましい化合物としては、少なくとも、
a)式(d)の1種のモノマー、
b)式(a)の1種のモノマー(式中、p=1、q=0、R3およびR4は、互いに独立に、水素原子またはC1〜C5アルキル基を意味し、R5は、C9〜C24アルキル基を意味する)、
c)式(b)の1種のモノマー(式中、R3およびR4は、互いに独立に、水素原子またはC1〜C5アルキル基を意味する)、
を含むターポリマーを挙げることができる。
【0184】
さらにより好ましくは、40重量%〜95重量%のモノマー(d)、0.1重量%〜55重量%のモノマー(b)および0.25重量%〜50重量%のモノマー(b)を含むターポリマーが使用される。このようなポリマーは、詳細には、特許出願WO00/68282に記載されており、その内容は本発明の不可欠な部分を形成する。
【0185】
ポリ(ビニルラクタム)ポリマーとしては、ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド/ドデシルジメチルメタクリルアミドプロピルアンモニウムトシレートのターポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド/ココイルジメチルメタクリルアミドプロピルアンモニウムトシレートのターポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド/ラウリルジメチルメタクリルアミドプロピルアンモニウムトシレートもしくはクロリドのターポリマーが特に使用される。ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド/ラウリルジメチルメタクリルアミドプロピルアンモニウムクロリドのターポリマーは、水中20%の濃度で、ISP社がStyleze W20の名称で販売している。
【0186】
本発明の会合性ポリビニルラクタム誘導体は、ビニルピロリドンと、疎水性鎖を含む疎水性モノマーとの非イオン性コポリマーでもよく、例としては、
- ISP社が販売している製品Antaron V216(登録商標)またはGanex V216(登録商標)(ビニルピロリドン/ヘキサデセンのコポリマー)、
- ISP社が販売している製品Antaron V220(登録商標)またはGanex V220(登録商標)(ビニルピロリドン/エイコセンのコポリマー)、
を挙げることができる。
【0187】
会合性不飽和ポリ酸誘導体の例としては、不飽和オレフィンカルボン酸型の少なくとも1種の親水性単位、および不飽和カルボン酸(C10〜C30)アルキルエステル型の少なくとも1種の疎水性単位を含む誘導体を挙げることができる。
【0188】
これらのポリマーは、不飽和オレフィンカルボン酸型の親水性単位が、式(e):
【0189】
【化13】

【0190】
(式中、R1は、H、CH3またはC2H5、すなわちアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸を意味する)
のモノマーに該当し、不飽和カルボン酸のアルキル(C10〜C30)エステル型の疎水性単位が、式(f):
【0191】
【化14】

【0192】
[式中、R2は、H、CH3またはC2H5(すなわちアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、エタクリル酸エステル単位)、好ましくはH(アクリル酸エステル単位)またはCH3(メタクリル酸エステル単位)を意味し、R3は、C10〜C30、好ましくはC12〜C22アルキル基を意味する]
のモノマーに該当するポリマーから特に選択される。不飽和カルボン酸の(C10〜C30)アルキルエステルには、例えば、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソデシルおよびアクリル酸ドデシル、ならびに対応するメタクリル酸エステル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸イソデシルおよびメタクリル酸ドデシルが含まれる。
【0193】
この型のアニオン性ポリマーは、例えば米国特許第3915921号および4509949号により開示され、調製される。
【0194】
この型のアニオン性の会合性ポリマーにおいては、より詳細には、
(i)不可欠なものとしてのアクリル酸、
(ii)上記式(f)のエステル(式中、R2はHまたはCH3を意味し、R3は12〜22個の炭素原子を含むアルキル基を意味する)、および
(iii)周知の共重合可能なポリエチレン性不飽和モノマーである架橋剤、例えば、フタル酸ジアリル、(メタ)アクリル酸アリル、ジビニルベンゼン、ジメタクリル酸(ポリ)エチレングリコールまたはメチレンビスアクリルアミド、
を含むモノマー混合物から形成されるポリマーを使用できる。
【0195】
この型のアニオン性会合性ポリマーの中で、好ましいポリマーは、95重量%〜60重量%のアクリル酸(親水性単位)、4重量%〜40重量%のアクリル酸(C10〜C30)アルキル(疎水性単位)および0重量%〜6重量%の架橋重合が可能なモノマーからなるポリマー、あるいは代わりに、98重量%〜96重量%のアクリル酸(親水性単位)、1重量%〜4重量%のアクリル酸(C10〜C30)アルキル(疎水性単位)および0.1重量%〜0.6重量%の上に記載したような架橋重合が可能なモノマーからなるポリマーである。
【0196】
上記ポリマーの中で、最も特に好ましいポリマーは、Goodrich社がPemulen TR1(登録商標)、Pemulen TR2(登録商標)およびCarbopol 1382(登録商標)、さらにより優先的にはPemulen TR1(登録商標)の商品名で販売している製品、およびSEPPIC社がCoatex SX(登録商標)の名称で販売している製品である。
【0197】
会合性不飽和ポリ酸誘導体の例としては、それらのモノマーの中に、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸およびα,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸とオキシアルキレン化脂肪アルコールとのエステルを含む誘導体を挙げることができる。
【0198】
また、これらの化合物は、好ましくは、モノマーとして、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸とC1〜C4アルコールとのエステルを含む。
【0199】
この型の化合物の例としては、メタクリル酸/アクリル酸エチル/オキシアルキレン化メタクリル酸ステアリルのターポリマーである、Rohm & Haas社が販売しているAculyn22(登録商標)を挙げることができる。
【0200】
アミノプラスト-エーテル型の増粘用ポリマーに関して、アルデヒドとアミンまたはアミドとの縮合から誘導される任意の生成物、ならびにアミノプラスト残基とエーテル結合を経由してアミノプラスト残基に結合した二価の炭化水素系の残基から形成される任意の構造単位が示される。
【0201】
アミノプラスト-エーテル骨格をもつポリマーは、好ましくは、少なくとも1つの下記構造単位(g):
【0202】
【化15】

【0203】
(式中、
- AMPは、アルキレン単位(または二価アルキル)を有するアミノプラスト残基であり、
- Rは、水素原子、C1〜C4アルキル基またはC1〜C4アシル基を意味し、
- RO1は、二価のアルキレンオキシ残基であり、
- pは、正の整数を意味し、
OR基は、AMP残基のアルキレン単位に結合している)
を含むポリマーから選択される。
【0204】
好ましくは、アミノプラスト-エーテル骨格を持つポリマーは、少なくとも1つの下記構造単位(h):
【0205】
【化16】

【0206】
(式中、
- AMP、R、RO1およびpは、上と同様の意味を有し、
- RO2は、ヘテロ原子を経由してAMPに結合し、少なくとも2個の炭素原子を含む、ROと異なる基であり、および
- qは、正の整数である)
を含むポリマーから選択される。
【0207】
さらにより好ましくは、ポリマーは、式(III)および(IIIa):
【0208】
【化17】

【0209】
(式中、
- AMP、R、RO1、RO2、pおよびqは、上と同様の意味を有し、
- R2またはR3は、同一または異なってもよく、水素原子、RO1H基、RO2H基、AMP(OR)p基、またはアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、アルキルアリール、アルキルオキシアルキル、アリールオキシアルキルまたはシクロアルコキシアルキルなどの任意の単官能性基を意味することのできる末端基を表し、
- aは、1を超える、好ましくは2を超える数字である)
に該当する。

【0210】
ポリマー中に統合されたそれらのOR基を有するアミノプラスト残基は、非限定的に、下記構造(1)〜(12):
【0211】
【化18】

【0212】
(式中、
- Rは、上と同様の意味を有し、
- R1は、C1〜C4アルキルを意味し、
- yは、最小でも2に等しい数字であり、
- xは、0または1を意味する)
から選択可能である。
【0213】
好ましくは、それらのOR基を有するアミノプラスト残基は、下記構造(13):
【0214】
【化19】

【0215】
(式中、R、pおよびxは上と同様の意味を有する)
から選択される。
【0216】
二価アルキレンオキシ残基は、好ましくは、下記の一般式(14):
HO-(ZO)y-(Z1(Z2O)w)t-(Z'O)y'-Z3OH (14)
(式中、
- yおよびy'は、0〜1000の範囲の数字であり、
- tおよびWは、0〜10の範囲の数字であり、
- Z、Z'、Z2およびZ3は、C2〜C4アルキレン基、好ましくは-CH2-CH(Z4)-および-CH2-CH(Z4)-CH2-基であり、
- Z1は、1個または複数のヘテロ原子を場合によっては含み、かつ1〜40個の炭素原子を含む、直鎖または環状、分枝鎖または非分枝鎖の芳香族または非芳香族基であり、
- Z4は、水素原子、またはC1〜C4アルキル基もしくはC1〜C3アシル基を意味し、Z4、Z、Z'、Z2およびZ3基の少なくとも1つはアシル基と異なる)
のジオールに該当するものである。
【0217】
好ましくは、Z4は、水素原子またはメチル基を意味する。
【0218】
さらにより好ましくは、t=0であり、Z、Z'およびZ3は、-CH2CH2-を意味し、yおよびy'の少なくとも1つは0と異なる。それゆえ式(14)の化合物は、ポリエチレングリコールである。
【0219】
式(g)のアミノプラスト-エーテルポリマーは、詳細には、特許US5914373に記載されており、さらなる詳細を参照できる。
【0220】
式(g)のアミノプラスト-エーテル骨格を有するポリマーとしては、詳細には、Sud-Chemie社が販売している製品Pure-Thix(登録商標)L[PEG-180/オクトキシノール-40/TMMGコポリマー(INCI名)]、Pure-Thix M(登録商標) [PEG-180/ラウレス-50/TMMGコポリマー(INCI名)]、Pure-Thix(登録商標)HH[ポリエーテル-1(INCI名)]、Pure-Thix TX 1442(登録商標)[PEG-18/ドドキシノール-5/PEG-25トリスチリルフェノール/テトラメトキシメチルグリコルリルコポリマー]を挙げることができる。
【0221】
本発明による組成物中に成分として含まれる増粘用ポリマーは、遊離のまたは部分的にもしくは全部が中和された形のスルホン酸基を含む少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーを含み、かつ少なくとも1つの疎水性部分を含む会合性ポリマーから選択することもできる。
【0222】
好ましくは、前記ポリマーは、無機塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはアンモニア水)あるいは、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパンジオール、N-メチルグルカミンなどの有機塩基、および塩基性アミノ酸、例えばアルギニンおよびリシン、ならびにこれらの化合物の混合物で部分的にまたは全体的に中和される。
【0223】
これらの会合性ポリマーは、架橋されていてもよいし、されていなくともよいが、好ましくは架橋されたポリマーである。この場合、架橋剤は、少なくとも2つのエチレン性不飽和(炭素-炭素二重結合)を含む少なくとも1種のモノマーから誘導される。
【0224】
少なくとも2つのエチレン性不飽和を含む架橋用モノマーは、例えば、ジアリルエーテル、シアヌール酸トリアリル、マレイン酸ジアリル、(メタ)アクリル酸アリル、ジプロピレングリコールジアリルエーテル、ポリグリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ヒドロキノンジアリルエーテル、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコールまたはジ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、トリアリルアミン、シアヌール酸トリアリル、マレイン酸ジアリル、テトラアリルエチレンジアミン、テトラアリルオキシエタン、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、(メタ)アクリル酸アリル、一連の糖アルコールのアリルエーテル、または多官能性アルコールの他のアリルもしくはビニルエーテル、さらにはリン酸および/またはビニルリン酸誘導体のアリルエステル、あるいはこれら化合物の混合物から選択される。
【0225】
より詳細には、メチレンビスアクリルアミド、メタクリル酸アリルまたはトリアクリル酸トリメチロールプロパンが使用される。架橋度は、一般に、ポリマーに対して0.01モル%〜10モル%の範囲である。
【0226】
スルホン酸基を含むエチレン性不飽和モノマーは、特に、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アクリルアミド(C1〜C22)アルキルスルホン酸、およびN-(C1〜C22)アルキル(メタ)アクリルアミド(C1〜C22)アルキルスルホン酸、例えばウンデシルアクリルアミドメタンスルホン酸、さらにはそれらの部分的もしくは全部が中和された形態から選択される。
【0227】
より詳細には、例えば、アクリルアミドメタンスルホン酸、アクリルアミドエタンスルホン酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-n-ブタンスルホン酸、2-アクリルアミド-2,4,4-トリメチルペンタンスルホン酸、2-メタクリルアミドドデシルスルホン酸または2-アクリルアミド-2,6-ジメチル-3-ヘプタンスルホン酸、さらにはそれらの部分的にもしくは全部が中和された形態などの(メタ)アクリルアミド(C1〜C22)アルキルスルホン酸を使用できる。
【0228】
好ましくは、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)、さらにはその部分的にもしくは全部が中和された形態が使用される。
【0229】
本発明による組成物中に存在する両親媒性ポリマーは、C6〜C22のn-モノアルキルアミンまたはジ-n-アルキルアミンとの反応で修飾され、特許出願WO00/31154に記載されているようなランダム両親媒性AMPSポリマーから選択することもできる。
【0230】
ポリマーの疎水性部分を構成する疎水性モノマーは、好ましくは、式(k):
【0231】
【化20】

【0232】
[式中、R1およびR3は、同一または異なってよく、水素原子または直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルキル基(好ましくはメチル)を意味し、Yは、OまたはNHを意味し、R2は、前に定義した通りの、炭化水素系の疎水性基を意味し、xは、アルキレンオキシドのモル数を意味し0〜100の範囲である]
のアクリルエステルまたはアクリルアミドから選択される。
【0233】
R2基は、有利には、直鎖C6〜C18アルキル基(例えば、n-ヘキシル、n-オクチル、n-デシル、n-ヘキサデシルおよびn-ドデシル)、および分枝鎖または環状C6〜C18アルキル基(例えば、シクロドデカン(C12)またはアダマンタン(C10))、C6〜C18アルキルパーフルオロ基(例えば、式-(CH2)2-(CF2)9-CF3の基)、コレステリル基(C27)もしくはコレステロールエステル残基(例えば、オキシヘキサン酸コレステリル基)、芳香族多環基(例えば、ナフタレンまたはピレン)から選択される。これらの基の中で、より特に好まれるのは、直鎖アルキル基、より詳細にはn-ドデシル基である。
【0234】
本発明の一特定形態によれば、式(k)のモノマーは、少なくとも1つのアルキレンオキシド単位(x≧1)、好ましくはポリオキシアルキレン化された鎖を含む。ポリオキシアルキレン化された鎖は、好ましくは、エチレンオキシド単位および/またはプロピレンオキシド単位からなり、より特定すればエチレンオキシド単位からなる。オキシアルキレン単位の数は、一般に3〜100、より好ましくは3〜50、さらにより好ましくは7〜25の範囲である。
【0235】
コポリマーは、例えば、(メタ)アクリル酸、そのβ-置換アルキル誘導体、またはモノアルコールまたはモノ-もしくはポリアルキレングリコールを用いて得られるそのエステル、(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、無水マレイン酸、イタコン酸またはマレイン酸、あるいはこれら化合物の混合物から選択される、その他のエチレン性不飽和親水性モノマーを含むこともできる。
【0236】
これらのコポリマーは、特に、文献EP-A-750899およびUS-A-5089578、ならびにYotaro Morishimaによる次の刊行物、「Self-assembling amphiphilic polyelectrolytes and their nanostructures」Chinese Journal of Polymer Science、18巻、40号、(2000年)、323〜336頁、「Micelle formation of randam copolymers of sodium 2-(acrylamido)-2-methylpropanesulfonate and a nonionic surfactant macromonomer in water as studied by fluorescence and dynamic light scattering」Macromolecules、2000年、33巻、10号、3694〜3704頁、「Solution properties of micelle networks formed by nonionic moieties covalently bound to a polyelectrolyte:salt effects on rheological behaviour」Langmuir、2000年、16巻、12号、5324〜5332頁、「Stimuli responsive amphiphilic copolymers of sodium 2-(acrylamido)-2-methylpropanesulfonate and assosiative macromonomers」Polym.Preprint,Div.Polym.Chem.、1999年、40(2)巻、220〜221頁中に記載されている。
【0237】
コポリマー中でのモノマーの分布は、ランダムまたはブロック形態でよい。
【0238】
この型のポリマーの例としては、より特に、
- 特許出願EP-A-750899に記載されているような、ポリマーに対して、15重量%〜60重量%のAMPS単位、および40重量%〜85重量%の(C8〜C16)アルキル(メタ)アクリルアミド単位または(メタ)アクリル酸(C8〜C16)アルキルを含む、架橋されたまたは非架橋の、中和されたまたは非中和のコポリマー、
- 特許US-5089578に記載されているような、10モル%〜90モル%のアクリルアミド単位、0.1モル%〜10モル%のAMPS単位、および5モル%〜80モル%のn-(C6〜C18)アルキルアクリルアミド単位を含むターポリマー、
- 上記のMorishimaの論文に記載されているような、全部が中和されたAMPSとメタクリル酸ドデシルのコポリマー、さらにはAMPSとn-ドデシルメタクリルアミドとの架橋されたまたは非架橋のコポリマー、
を挙げることができる。
【0239】
より詳細には、式(I):
【0240】
【化21】

【0241】
(式中、X+は前と同様に定義される)
のAMPS単位と、式(I):
【0242】
【化22】

【0243】
(式中、xは、3〜100、好ましくは5〜80、より好ましくは7〜25の範囲の整数を意味し、R1は、上で式(I)で与えたものと同様の意味を有し、R4は、直鎖または分枝鎖のC6〜C22、より好ましくはC10〜C22アルキルを意味する)
の単位からなるコポリマーを挙げることができる。
【0244】
特に好ましいポリマーは、x=25であり、R1がメチルを意味し、R4がn-ドデシルを表すポリマーであり、これらは、Morishimaの上記論文に記載されている。
【0245】
X+がナトリウムまたはアンモニウムを意味するポリマーが、より特に好ましい。
【0246】
Hoechst/Clariant社からのGenapol(登録商標)系列のポリマーは、本発明による組成物に使用できる。
【0247】
本発明による組成物中に存在する会合性または非会合性増粘用ポリマーの濃度は、組成物の重量に対して、0.01重量%〜10重量%、より好ましくは0.1重量%〜5重量%、さらにより有利には0.5重量%〜5重量%の範囲でよい。
【0248】
言うまでもなく、当業者は、これまたはこれらの任意選択による追加化合物を、本発明による組成物と本質的に関連する有利な特性が、予定した添加によって不利な方に影響されない、または実質的に影響されないように選択することに留意するであろう。
【0249】
本発明による組成物は、リキッド、シャンプー、クリームもしくはジェル、または任意のその他形態などの各種の形態でよい。
【0250】
本発明による特に好ましい1つの形態は、化粧上許容される水性媒質中に、少なくとも1種の前に定義したような蛍光染料、および好ましくは非イオン性である少なくとも1種の界面活性剤を含む、染色および/または明色化用シャンプーである。
【0251】
より特に好ましい非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグルコシドから選択される。
【0252】
本発明の好ましい実施形態に該当しない場合であっても、組成物が、例えば過酸化水素、過酸化尿素、臭素酸アルカリ金属、過ホウ酸塩および過硫酸塩などの過酸化塩、ならびにペルオキシダーゼおよび2電子または4電子オキシドレダクターゼなどの酵素を含むことを排除しない。
【0253】
本発明のもう1つの主題は、ケラチン繊維、特にヒトのケラチン繊維を処理するための方法からなる。
【0254】
第1の変形形態によれば、定義したような組成物を、前記の濡れたまたは乾いた繊維に十分な時間適用し、その後、繊維をすすぎ、場合によってはシャンプーで洗浄し、再びすすいで乾燥し、あるいは得られる繊維を乾くまで放置する。
【0255】
本方法の第2の変形形態によれば、定義したような組成物を、前記の濡れたまたは乾いた繊維に適用し、最後のすすぎを行わない。
【0256】
第1の変形形態は、組成物が、酸化剤および/または直接染料および/またはカップラーと場合によっては組み合わせた酸化ベースを含むか否かのどちらにせよ、任意の型の組成物に対して使用できる。
【0257】
第2の変形形態は、酸化染料(酸化ベースおよび場合によってはカップラー)または酸化剤を含まない組成物に特に適している。
【0258】
本方法の第1の変形形態の場合、適用時間は、通常、所望の着色および/または明色化を発現するのに足るものである。
【0259】
基準として、組成物の適用時間は、5〜60分、より詳細には15〜60分である。
【0260】
さらに、本発明による方法を実施する温度は、一般に、室温(15〜25℃)から60℃、より詳細には15℃〜45℃である。
【0261】
組成物が酸化剤を含む場合、本発明による方法は、一方で、化粧上許容される媒質中に少なくとも1種の蛍光染料、場合によっては、少なくとも1種の直接染料、および/または、場合によっては、少なくとも1種のカップラーと場合によっては組み合わせた少なくとも1種の酸化ベースを含む組成物、他方で、化粧上許容される媒質中に少なくとも1種の酸化剤を含む組成物を別個に貯蔵すること、そして、使用時にそれらを一緒に混合することを含む予備段階を含む。いったんこの段階を行ったら、前述の指示に従って本発明による方法を実施する。
【0262】
本発明のもう1つの主題は、少なくとも1種の蛍光染料を含む組成物を入れた少なくとも1つの区画、および少なくとも1種の酸化剤を含む組成物を入れた少なくとも1つの別な区画を含む、複数区画装置である。この装置は、特許FR-2586913に記載されている装置のように、所望の混合物を毛髪に適用するための手段を具備することができる。
【0263】
組成物が、第1の変形形態によって、少なくとも1種のさらなる直接染料および/または少なくとも1種のカップラーと場合によっては組み合わせた少なくとも1種の酸化ベースを含む場合には、これ、またはこれらの化合物が、前述の装置の第1の区画に存在することに留意されたい。第2の変形形態によれば、さらなる直接染料および/または酸化ベース/カップラーは、第3の区画に貯蔵される。
【0264】
さらなる直接染料および/または酸化ベースおよび場合によってはカップラーが、蛍光化合物と共に部分的に第1の区画に、部分的に第3の区画に存在する、前の2つの変形形態を組み合わせた第3の変形形態を有することを排除しないことが強調されるべきである。
【0265】
以下の実施例は、本発明を例示することを目的とするが、発明の範囲を実施例に限定するものではない。
【実施例】
【0266】
(実施例1)
次の組成物を調製する:
蛍光染料(A) :1.73×10-2モル/リットル
蒸留水 :100%にするのに十分な量
【0267】
化合物(A)は、以下の構造を有する。
【0268】
【化23】

【0269】
組成物を、栗色(chestnut-brown)の毛髪(色調度4)に室温で20分間適用する。バス比率は5に設定する。染色後、頭髪をすすぎ、乾燥する。
シャンプーに堅牢な明色化効果が得られた。
さらに、組成物は安定であった。
【0270】
(実施例2)
次の組成物を調製する:
化合物(B) :10-3モル%
蒸留水 :100%にするのに十分な量
【0271】
化合物(B)は、以下の構造を有する。
【0272】
【化24】

【0273】
組成物を、グレーの天然毛髪に室温で20分間適用する。バス比率は5に設定する。染色後、頭髪をすすぎ、乾燥する。
得られた色は、シャンプーに堅牢であった。
組成物は、貯蔵上安定であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化粧上許容される媒質中に、式(I):
【化1】

(式中、
R1は、6〜22個の炭素原子を含み、少なくとも1個のヒドロキシル基で、少なくとも1個の直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルコキシもしくはC1〜C6シクロアルコキシ基で、かつ/または少なくとも1個のシアノ基で場合によっては置換された、直鎖または分枝鎖アルキルまたはシクロアルキル基であり、
R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子;1〜22個の炭素原子を含み、1個または複数のヒドロキシル基で場合によっては置換された直鎖または分枝鎖アルキル基を表し、
X-は、有機または無機のアニオンを表す)
の、該媒質に可溶である少なくとも1種の蛍光染料を含む組成物。
【請求項2】
R1基が、6〜16個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルキル基であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
R1基が、好ましくは8〜12個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖アルキル基であることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
R1基が、少なくとも1個のヒドロキシル基で、少なくとも1個の直鎖もしくは分枝鎖C1〜C6アルコキシ基で、かつ/または少なくとも1個のシアノ基で置換されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
R2およびR3基の少なくとも1個が、水素原子を表すことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
R2およびR3基が、それぞれ独立に、水素原子;1〜10個の炭素原子を含み、1個または複数のヒドロキシル基で場合によっては置換された直鎖または分枝鎖アルキル基を表すことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
R2およびR3基が、それぞれ独立に、水素原子;1〜6個の炭素原子を含み、1個または複数のヒドロキシル基で場合によっては置換された直鎖または分枝鎖アルキル基を表すことを特徴とする、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
R2およびR3基が、水素原子またはメチル基を表すことを特徴とする、請求項6または7に記載の組成物。
【請求項9】
無機由来のアニオンが、ハロゲンイオン、硫酸イオン、硫酸水素イオン、硝酸イオン、リン酸イオン、リン酸水素イオン、リン酸二水素イオン、炭酸イオンおよび炭酸水素イオンから選択され;有機由来のアニオンが、少なくとも1個のヒドロキシルもしくはアミノ基またはハロゲン原子で場合によっては置換された、飽和または不飽和の、芳香族または非芳香族の硫酸、スルホン酸、モノ-もしくはポリカルボン酸の塩に由来するアニオンから選択されることを特徴とする、請求項1から8に記載の組成物。
【請求項10】
アニオンが、塩素イオン、ヨウ素イオン、硫酸イオン、メトサルフェートイオン、エトサルフェートイオンから選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
蛍光化合物が、次式:
【化2】

(式中、式Rは、水素原子または直鎖もしくは分枝鎖C1〜C4アルキル基を表し、X-は、有機または無機のアニオンを表す)
の1つに該当することを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
蛍光染料の含量が、組成物の総重量に対して0.01重量%〜20重量%であることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
蛍光染料の含量が、組成物の総重量に対して0.1重量%〜5重量%であることを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
化粧上許容される媒質が、水から、または水と少なくとも1種の有機溶媒の混合物からなることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
非イオン、カチオンもしくはアニオン性の少なくとも1種のさらなる直接染料も含むことを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
さらなる直接染料が、ニトロベンゼン染料、アゾ、アントラキノン、ナフトキノンもしくはベンゾキノン染料、インジゴイド染料もしくはトリアリールメタン系の染料、および天然染料、またはこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
さらなる直接染料が、組成物の総重量に対して、0.0005重量%〜12重量%に相当することを特徴とする、請求項8または9に記載の組成物。
【請求項18】
少なくとも1種の界面活性剤を含むことを特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
界面活性剤が非イオン性であることを特徴とする、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
界面活性剤の含量が、組成物の総重量に対し0.01重量%〜50重量%に相当することを特徴とする、請求項18または19に記載の組成物。
【請求項21】
少なくとも1種の非会合性増粘用ポリマーを含むことを特徴とする、請求項1から20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
架橋されたアクリル酸ホモポリマー、架橋された2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ホモポリマーおよびそれらとアクリルアミドとの架橋されたコポリマー、アクリル酸アンモニウムホモポリマーまたはアクリル酸アンモニウムとアクリルアミドとのコポリマー、非イオン性グアーガム、微生物起源の生体多糖ガム、植物滲出液に起源するガム、ヒドロキシプロピルまたはカルボキシメチルセルロース、ペクチンおよびアルギン酸塩から選択される少なくとも1種の非会合性増粘用ポリマーを、単独または混合物として含むことを特徴とする、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
少なくとも1種の会合性増粘用ポリマーを含むことを特徴とする、請求項1から22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
会合性ポリウレタン、より詳細にはカチオン性または非イオン性である会合性ポリウレタン、会合性セルロース誘導体、より詳細にはカチオン性または非イオン性である会合性セルロール誘導体、会合性ビニルラクタム、会合性不飽和ポリ酸、会合性アミノプラスト-エーテル、架橋された2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ホモポリマーおよびそれらとアクリルアミドとの架橋されたコポリマー、スルホン酸基を含む少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーを含む会合性ポリマーまたはコポリマーから選択される少なくとも1種の会合性増粘用ポリマーを、単独でまたは混合物として含むことを特徴とする、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
会合性または非会合性増粘用ポリマーの含量が、組成物の重量に対して、0.01重量%〜10重量%、より好ましくは0.1重量%〜5重量%に相当することを特徴とする、請求項21から24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
カラーリングシャンプーの形態であることを特徴とする、請求項1から25のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
少なくとも1種のカップラーと場合によっては組み合わせた、少なくとも1種の酸化ベースを含むことを特徴とする、請求項1から21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項28】
p-フェニレンジアミン類、ビス-フェニル-アルキレンジアミン類、p-アミノフェノール類、o-アミノフェノール類および複素環塩基、または、それらと酸とのもしくはアルカリ化剤との付加塩から選択される少なくとも1種の酸化ベースを含むことを特徴とする、請求項22に記載の組成物。
【請求項29】
酸化ベースの含量が、組成物の総重量に対して0.0005重量%〜12重量%に相当することを特徴とする、請求項28に記載の組成物。
【請求項30】
m-フェニレンジアミン類、m-アミノフェノール類、m-ジフェノール類および複素環カップラー、または、それらと酸とのもしくはアルカリ化剤との付加塩から選択される少なくとも1種のカップラーを含むことを特徴とする、請求項22から24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項31】
カップラーの含量が、組成物の総重量に対して0.0001重量%〜10重量%に相当することを特徴とする、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
少なくとも1種の酸化剤を含むことを特徴とする、請求項1から20および22から26のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項33】
酸化剤が、過酸化水素、過酸化尿素、臭素酸アルカリ金属、過ホウ酸塩および過硫酸塩などの過酸化塩、ならびにペルオキシダーゼおよび2電子または4電子オキシドレダクターゼなどの酵素から選択されることを特徴とする、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
請求項1から33のいずれか一項に記載の組成物を、濡れたまたは乾いた繊維に、着色を発現するのに十分な時間適用し、その後、繊維をすすぎ、場合によってはシャンプーで洗浄し、再びすすいで乾燥し、あるいは得られる繊維を乾くまで放置することを特徴とする、ケラチン繊維、特にヒトのケラチン繊維を処理するための方法。
【請求項35】
請求項1から20のいずれか一項に記載の組成物を、濡れたまたは乾いた繊維に適用し、最後のすすぎを行わないことを特徴とする、ケラチン繊維、特にヒトのケラチン繊維を処理するための方法。
【請求項36】
請求項1から20および22から26のいずれか一項に記載の組成物を入れた少なくとも1つの区画、および少なくとも1種の酸化剤を含む組成物を入れた少なくとも1つの別な区画を含む、毛髪を染色および明色化するための複数区画装置。
【請求項37】
ケラチン繊維、特にヒトのケラチン繊維の明色化剤および/または染色剤としての、請求項1から28のいずれか一項に記載の組成物の使用。

【公表番号】特表2007−516190(P2007−516190A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518303(P2006−518303)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【国際出願番号】PCT/FR2004/001808
【国際公開番号】WO2005/004822
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】