説明

少なくとも2対のモジュール接続プレートを具備したモジュール

非接触通信のために構成されたデータ担体(11)のためのモジュール(1)の場合において、モジュール(1)は、少なくとも2つのペア(20,21)のチップ接続コンタクト(4,5,6,7)と、少なくとも2つのペア(22,23)のモジュール接続プレート(24,25,26,27)とを備えたチップ(3)を有する。開始位置において、モジュール接続プレート(24,25,26,27)のプレート表面の形状は、特定のプレートパターンとなり、モジュール接続プレート(24,25,26,27)の全てがモジュール(1)の中間ポイント(8)の周りを回転させられるときに、それぞれ180°後に同じプレートパタンとなるようにプレート表面の形状につき異なる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップ接続コンタクトを備えるチップのモジュールに関し、特に中間点を有し非接触通信(信号交換)のために構成されたデータ担体に用いられることを想定されているモジュールであって、当該データ担体がチップ接続コンタクトを具備したチップを有するモジュールと、構成部接続コンタクトを備え当該チップと導電性の態様で接続される付加的な少なくとも1つの他の電気的構成部とを含み、当該チップと当該少なくとも1つの他の構成部との間の電気的に伝導性の接続が、2つの逆の極性により実現可能としたモジュールに関する。
【0002】
本発明はまた、非接触通信(信号交換)のために構成されチップ接続コンタクトを持つチップを具備するモジュールと構成部接続コンタクトを有し当該チップと導電性の態様で接続される付加的な少なくとも1つの他の電気的構成部とを含むデータ担体に関する。
【0003】
本発明はさらに、最初の段落において上述したようなモジュールの生産のために企図され中間点を有するリードフレーム構成体に関する。
【背景技術】
【0004】
最初の段落において上述した構成によるモジュール及び2番目の段落において上述した構成によるデータ担体並びに3番目の段落において上述した構成によるリードフレーム構成体は、特許文献の国際特許出願公開WO02/095673A1から知られている。この知られた方策の場合において、当該構成は、当該モジュールが丁度2つのチップ接続コンタクトを持つチップを有し、当該モジュールが丁度2つのモジュール接続プレートを持ち、各モジュール接続プレートが導電性となるように構成されチップ接続コンタクトに導電性の態様で接続され、単一の他の構成部の構成部接続コンタクトを持つ導電性の接続のために想定されている。
【0005】
したがってこの既知の構成は、重要な制約を持つものである。すなわち、こうした構成は、当該モジュール及びこのモジュールに含まれるチップが、2つの構成部接続コンタクトを持つ単一の他の構成部すなわち2つのコイル接続コンタクトを持つ送信コイルと共に動作するのにしか適していない。この既知の構成の場合において、2つのモジュール接続プレートは、専らこれら2つの構成部接続コンタクトに、交換できないような態様でコンタクト接続されることが可能となっており、当該他の構成部すなわち送信コイルがどの極性で当該モジュール接続プレートと、つまりチップ接続コンタクトと接続されているかは無関係とされている。したがって、チップと他の構成部との間の導電性の接続は、2つの逆極性により実現可能であるのが有利であり、これによりデータ担体の生産に著しい利点がある。何故なら、モジュール接続プレートがそれらの開始位置に位置づけられた場合にも、モジュール接続プレートが当該開始位置に対して180°回転させられた位置に位置づけられた場合にも、各モジュールは、単一の他の電気的構成部と接続可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上述した制約を排除し、改良したモジュール、改良したデータ担体及び改良したリードフレーム構成体を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明によるモジュールの場合において、本発明による特徴が設けられるので、本発明によるモジュールを以下に述べるように特徴づけることができる。
【0008】
すなわち、チップ接続コンタクトを持つチップを伴うモジュールであって、このモジュールは、中間点を有し、非接触通信のために構成されたデータ担体において用いられることを想定されたものであり、このデータ担体は、チップ接続コンタクトを持つチップを有するモジュールと構成部接続コンタクトにより前記チップに導電可能に接続される少なくとも1つの付加的な他の電気的構成部とを含み、前記チップと前記少なくとも1つの他の構成部との間の導電可能な接続は、2つの相反する極性に準じて実現可能であり、当該モジュールは、少なくとも2つのペアのチップ接続コンタクトを備えたチップを有し、当該モジュールは、少なくとも2つのペアのモジュール接続プレートを有し、当該各ペアの2つのモジュール接続プレートは、少なくとも2つの他の構成部のうちの1つに係る構成部接続コンタクトとの導電可能な接続のために設けられ、各モジュール接続プレートは、特定の形状を持つプレート表面を有し導電性でありチップ接続コンタクトと導電可能に接続され、各ペアの前記2つのモジュール接続プレートのプレート表面の形状は、同一であり、異なるペアの前記モジュール接続プレートのプレート表面の形状は、異なり、前記モジュール接続プレートの開始位置において、前記モジュール接続プレートのプレート表面の形状は、特定のプレートパターンとなるとともに、前記開始位置から開始した場合に前記モジュール接続プレートの全てが、前記プレート表面に対して直角に延びかつ前記中間点を通過する軸の周りを結合回転させられたときに、常にどの場合においても略180°の結合回転後に同じプレートパターンとなるように異なる、モジュール、である。
【0009】
上記目的を達成するため、本発明によるデータ担体の場合において、本発明による特徴が設けられるので、本発明によるデータ担体を次に述べるように特徴づけることができる。
【0010】
すなわち、非接触通信のために構成され、チップ接続コンタクトを具備するチップを有するモジュールと構成部接続コンタクトにより前記チップに導電性の態様をもって接続される付加的な少なくとも1つの他の電気的構成部とを含むデータ担体であって、前記モジュールは、本発明により構成され、モジュール接続プレートの各ペアのモジュール接続プレートは、いずれの場合も、少なくとも2つの他の構成部のうちの1つに係る構成部接続コンタクトと接続される、データ担体である。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明によるリードフレーム構成体の場合において、本発明による特徴が設けられるので、本発明によるリードフレーム構成体を次に述べるように特徴づけることができる。
【0012】
すなわち、本発明によるモジュールの生産のために設けられるリードフレーム構成体であって、当該リードフレーム構成体は、中間点を有し、当該リードフレーム構成体は、少なくとも2つのペアのモジュール接続プレートを有し、当該各ペアの2つのモジュール接続プレートは、いずれの場合も少なくとも2つの他の構成部のうちの1つに係る構成部接続コンタクトとの導電性の接続のために作られ、各モジュール接続プレートは、特定の形状のプレート表面を有し、導電性であり、チップ接続コンタクトと導電可能に接続され、当該各ペアの前記2つの接続プレートのプレート表面の形状は、同一であり、異なるペアのモジュール接続プレートのプレート表面の形状は、異なり、前記モジュール接続プレートの開始位置において、前記モジュール接続プレートのプレート表面の形状は、特定のプレートパターンをなすとともに、前記開始位置から開始して、前記モジュール接続プレートの全てが、前記プレート表面に対して直角に延びかつ前記中間点を通る軸の周りを結合回動されるときに、いずれの場合も略180°結合回動した後に同じプレートパターンとなるように、異なっている、リードフレーム構成体である。
【0013】
本発明による特徴を備えることによって、本発明によるモジュールがデータ担体の単一の他の構成部と一緒に動作するのに適したものとなるだけでなく、本発明によるモジュールがデータ担体の少なくとも2つの他の構成部と一緒に動作するのにも適したものとなることが、構成上簡単な形態でかつほんの僅かの追加費用で達成される。他の構成部としては次のようなものを設けることができる。すなわち、伝送(送信)コイル、例えばLEDなどの表示デバイス、手動(マニュアル)で動作可能なセーフティ(安全)スイッチ、温度測定デバイス、湿度測定デバイス、太陽(光)電池を備えた電源デバイスその他種々のものがある。本発明による方策を提供することによって、上述した接続において、複数の他の構成部を用いるにもかかわらず、当該チップと当該複数の他の構成部との間の導電性接続を、2つの逆極性に応じて、これら構成部の各々の場合において効果的な態様で実現することができる、という利点が得られる。さらに、異なるペアのモジュール接続プレートのプレート表面の形状が異なるので、モジュール接続プレートを互いに簡単かつ安全に区別することができるということが効果的な態様で実現される。モジュール接続箇所の異なるペアのモジュール接続プレートのこの異なる構成により、複数の他の構成部の使用にもかかわらず、モジュール接続プレートと構成部接続コンタクトとの間の誤った接触接続をもたらす可能性が排除される。すなわち、当該複数のモジュール接続プレートは、専らそれらの開始位置及び当該開始位置に対して約180°回転した当該開始位置とは反対の位置において特定のプレートパターンをもたらすので、これにより、例えば光学的手段を使って、但しこれ以外にも機械的な手段又は他の方法で作用する手段によって、当該特定プレートパターンを検出し当該複数のモジュール接続プレートがそれらの開始位置又はこれに対して約180°回転した当該開始位置とは反対の位置に位置づけられたときにのみ当該モジュール接続プレートの当該構成部接続コンタクトに対する接続を許容しかつ作用させ、この結果所望の特定プレートパターンをもたらすことが容易に可能となる。これにより、複数の他の構成部の使用にもかかわらず、各構成部は、その構成部接続コンタクトを介して適正なモジュール接続プレートに接続され、その結果適正なチップ接続コンタクトに接続される。
但し、米国特許出願に係る文献のUS5005282からは、コンタクトを基礎とする通信(信号交換)に専ら企図され構成されたデータ担体に用いられることを予定したモジュールが知られる。ここで、この既知のモジュールは、合計で8つのモジュール接続プレートを有するが、これらは追加の他の構成部と導電性の接続をなすように構成されていない。何故なら、この既知のモジュールの場合は、これが必要ではなく、したがって有益でもないからである。かかる8つのモジュール接続プレートは、部分的には、開始位置から同様に特定プレートパターンをもたらす異なるプレート表面を有するが、これらプレート表面の形状は、全てのモジュール接続プレートが当該プレート表面に対して垂直に延び当該中間点を通過する軸の周りを開始位置から始まって連結して回転するときに、いずれの場合も丁度180°位連結回転した後ではなく、いずれの場合も360°ほどの連結回転の後にのみ同じプレートパターンとなるので、当該プレートパターンの180°の繰り返しにより可能となる生産の利点は、既知の方策の場合において得ることができない。したがって、構成上の観点においては、米国特許出願に係る文献US5005282から知られる方策は、本発明による方策とは明らかに異なり、本発明による方策の効果を奏しない。
【0014】
本発明による方策の場合において、モジュール接続プレートは、例えば、互いに垂直に延びる4つの方向において中間点から離れる形で延びることができる。但し、本発明による方策の場合においては、請求項2又は請求項9に記載の特徴が付加的に設けられると、非常に有利であることが分かっている。構成上の設計については、このような構成は、単一の他の構成部をモジュールに接続することにのみ適した従前及び既知の構成に非常に近いものとなるので、既に存在し現在までに使用されてきたアセンブリ装置を、データ担体において本発明によるモジュールを組み立てるために用いることもできる。さらに、このような構成は、モジュール接続プレート及び構成部接続コンタクトの誤った接続に対して格段に高い水準の安全性の面で効果的である。このような構成は、さらに一層簡単なものとなる。
【0015】
上述した本発明による方策の場合において、互いに隣接して存する2つのモジュール接続プレートのプレート表面の形状は、これら2つのモジュール接続プレートの状況の過程の結果として、互いに異にすることができる。但し、互いに隣接して存在する2つのモジュール接続プレートのプレート表面の形状がこれら2つのモジュール接続プレートを分離する分離ゾーンの特徴の結果として異なる場合には、非常に有利であることが分かっている。これにより、それらの周囲の領域においては、プレート表面が特別の経路及び特徴を持つ必要がなく、したがって、現存のモジュール接続プレートから知られているように分離ゾーンから離れた同じコースを有することができる、という効果を奏する。
【0016】
本発明による方策の場合において、分離ゾーンの形状を分離ゾーンの特徴として用いることができる。例えば、分離ゾーンを弓状又は鋸歯状若しくは波状に形成することができる。但し、本発明による方策の場合に、当該分離ゾーンの特徴としてそのコースが利用されると非常に有利であることが判明しており、特に、互いに近接して配される2つのモジュール接続プレートの間にある分離ゾーンが主方向に対して斜めに延びる場合に効果的である。これは、極めて簡単な構成設計及び分離ゾーンの簡単かつ経済的な生産性に関して有利である。
【0017】
ここで、当該分離ゾーンが直線状に延びる場合には特に有利であることが分かっている。これは、これを通じて当該分離ゾーンを異なる方法を用い簡単な態様で生産することができるようになるので有利である。
【0018】
本発明による方策の場合において、モジュール及びモジュール接続プレートを生産するために、例えば、電気的伝導層を備えた繊維質強化型合成物質を用いることができ、この電気的伝導層が当該モジュール接続プレートを形成するのに利用されるようにすることができる。但し、伝導体フレーム構成を用いてモジュール接続プレートが生産される場合には非常に有利であることが分かっている。このような構成は、伝導体フレーム構成が全く吸湿性のないもので湿気の影響に対して大きな耐性があるので特に有利である。
【0019】
本発明のこれらの態様及びその他の態様は、以下に説明される実施例から明瞭となる。
【0020】
本発明は、図面に示される7つの構成例に基づいて以下に詳しく説明されるが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は、モジュール1を示している。このモジュール1は、板状に構成され、なるべく低い全高を有し、本例では220μm前後としている。この全高は、190μmと400μmとの間の範囲内に入れることができる。モジュール1は、導電性フレーム構成部2及びチップ3を有する。チップ3は、図示せぬ回路を含み、これを用いて、これに適した通信局に対する非接触通信が実行可能となる。チップ3は、チップ接続コンタクト4,5及び6,7を有する。以下、接続コンタクト4から7の目的に関してさらに詳細に説明する。
【0022】
モジュール1及びリードフレーム構成部2は、中間(中央)点8及び当該中間点8を通る主軸9並びに同様に中間点8を通る第2の軸10を有する。
【0023】
モジュール1は、非接触通信用に構成されたデータ担体11において用いられるように構成される。このデータ担体11は、図2に示される。データ担体11は、チップ接続コンタクト4,5,6及び7を有するチップ3を持つモジュール1を電気的構成部として含む。さらに、データ担体11は、他の2つの電気的構成部を含み、その第1の他の構成部は、非接触通信用送信コイル12によって形成され、第2の他の構成部は、チップ3したがってデータ担体11の機能を遮断又は解放するための安全スイッチ13によって形成される。第1の他の構成部すなわち送信コイル12は、2つの構成部接続コンタクト、すなわち2つのコイル接続コンタクト14及び15を有する。第2の他の構成部すなわち安全スイッチ13は、同様に2つの構成部接続コンタクト、すなわち2つのスイッチ接続コンタクト16及び17を有する。コイル接続コンタクト14及び15並びにスイッチ接続コンタクト16及び17は、電気的に伝導可能な態様でチップ接続コンタクト4及び5又は6及び7に接続される。これは、以下においてより詳細に説明される。データ担体11の場合において、送信コイル12及びセーフティスイッチ13の電気的特性により、チップ3又はチップ接続コンタクト4,5及び6,7と他の構成部すなわち送信コイル12及びセーフティスイッチ13との間の電気的伝導性接続が2つの逆極性に対応して実現できる状況となる。図2に示される方策の場合において、電気的伝導性の態様で、第1コイル接続コンタクト14は、第1チップ接続コンタクト4に接続され、第2コイル接続コンタクト15は第2チップ接続コンタクト5に、第1スイッチ接続コンタクト16は第3チップ接続コンタクト6に、第2スイッチ接続コンタクト17は第4チップ接続コンタクト7に接続される。但し、モジュール1したがってチップ3が180°ほど回転した位置においてデータ担体11に搭載され、第2チップ接続コンタクト5が第1コイル接続コンタクト14に接続され、第1チップ接続コンタクト4が第2コイル接続コンタクト15に、第4チップ接続コンタクト7が第1スイッチ接続コンタクト16に、そして第3チップ接続コンタクト16が第2スイッチ接続コンタクト17に接続される場合もある。この方策の場合も、データ担体11の完全な機能が保証される。
【0024】
上で既に述べたように、リードフレーム構成部2は、モジュール1の重要な構成部を形成する。多数のこのようなリードフレーム構成部2が導電性フレームテープ18に含まれており、図3に部分的に示される。リードフレームテープ18は、リードフレーム構成部2を含み、リードフレーム構成部2の数は、リードフレームテープ18の長さに依存する。本発明による構成のものであるリードフレーム構成部2に加えて、リードフレームテープ18の場合に設けられるものとして、既知の従来技術に準拠した設計の他のリードフレーム19もある。
【0025】
上でも述べたように、チップ3は、全体で4つのチップ接続コンタクト4,5,6及び7を有する。これら4つのチップ接続コンタクト4,5,6及び7は、ここではチップ接続コンタクトの2つのペア20及び21を形成し、第1のペア20は、第1チップ接続コンタクト4及び第2チップ接続コンタクト5を有し、第2のペア21は、第3チップ接続コンタクト6及び第4チップ接続コンタクト7を有する。
【0026】
モジュール1の場合及びリードプレート構成部2の場合、モジュール1及びリードフレーム構成部2が2つのペア22及び23のモジュール接続プレート24,25及び26,27を有するような構成となる。ここで、第1モジュール接続プレート24及び第2モジュール接続プレート25は、第1のペア22のモジュール接続プレートを形成する。第3モジュール接続プレート26及び第4モジュール接続プレート27は、第2のペア23のモジュール接続プレートを形成する。各ペア22又は23のモジュール接続プレート24及び25又は26及び27は、いずれの場合においても他の1つの構成部すなわち送信コイル12又は安全スイッチ13の構成部接続コンタクト14及び15又は16及び17との導電性接続のために設けられる。こうして、モジュール接続プレート24,25,26及び27は、リードフレーム構成部2を用いて作られる。これは、モジュール接続プレート24,25,26及び27が導電性となるように構成されることを意味する。モジュール接続プレート24,25,26及び27は、チップ接続コンタクト4,5,6及び7と導電可能な態様で接続され、実際、第1モジュール接続プレート24は、第1チップ接続コンタクト4と第1のボンディング(結合)ワイヤ28を介して接続され、第2のモジュール接続プレート25は、第2のボンディングワイヤ29を介して第2チップ接続コンタクト5と、第3モジュール接続プレート26は第3のボンディングワイヤ30を介して第3チップ接続コンタクト6と、第4モジュール接続プレート27は、第4のボンディングワイヤ31を介して第4チップ接続コンタクト7と接続される。
【0027】
4つのモジュール接続プレート24,25,26及び27に加えて、モジュール1及びリードフレーム構成部2は、チップ3が図示せぬ接着ボンドを用いてこの担体プレート32に取り付けられた形で、4つのモジュール接続プレート間にある担体プレート32を有する。モジュール接続プレート24,25,26及び27並びに担体プレート32を共に機械的に保持するために、また、チップ3のほかチップ接続コンタクト4,5,6及び7並びにボンディングワイヤ28,29,30及び31を機械的に保護するために、普通のモジュールにおいて長く知られているように、主としてプラスチック製の、プレート状保護被覆部33が設けられる。
【0028】
モジュール1及びリードフレーム構成部2の場合において、各モジュール接続プレート24,25,26及び27は、特定の形状のプレート表面を有する。ここでは、各ペア22又は23の2つのモジュール接続プレート24,25又は26及び27のプレート表面の形状は同じであり、異なるペア22及び23のモジュール接続プレート24,26又は25,27のプレート表面の形状は異なる。モジュール接続プレート24,25,26及び27の開始位置において、4つのモジュール接続プレート24,25,26及び27のプレート表面の形状は、図1からも、図2及び図3からも分かるように、特定のプレートパターンを呈している。図1,2及び3において、モジュール接続プレート24,25,26及び27は、上記開始位置において示される。4つのモジュール接続プレート24,25,26及び27のプレート表面の形状は、ここでは、図1,図2及び図3に示される開始位置から始まり、全てのモジュール接続プレート24,25,26及び27が当該プレート表面に関して垂直に延び中央ポイント8を通じる軸の周りを結合的に回転させられるときに、いずれの場合も180°前後共通して回転した後に常に同じプレートパターンとなるように変えられている。
【0029】
各ペア22又は23のモジュール接続プレート24,25及び26,27のうち、1つのモジュール接続プレート24又は26は、主軸9と平行して延び中央ポイント8から離れていく矢印34により示される第1の方向に向いており、他のモジュール接続プレート25又は27は、主軸9に平行に延び第1の方向34とは反対で中央ポイント8から離れていく矢印35により示される第2の方向に向いている。ここで、第1の方向34に向いているモジュール接続プレート24及び26は、互いに隣接して置かれ、分離ゾーン36によって互いに分離されている。さらに、第2の方向35に向いているモジュール接続プレート25及び27は、互いに隣接して置かれ、分離ゾーン37により互いに分離されている。互いに隣接して配される2つのモジュール接続プレート24,26又は25,27のプレート表面の形状は、異なっている。本例では、互いに隣接して配される2つのモジュール接続プレート24,26又は25,27のプレート表面の異なる形状は、これら2つのモジュール接続プレート24,26又は25,27を分離する分離ゾーン36又は37の特徴の結果として得られる。本例では、プレート表面の異なる形状に決定的となる各分離ゾーン36又は37の特徴は、それぞれの分離ゾーン36又は37のコース(経路)によって形成される。図1ないし図3から分かるように、互いに隣接して配されるモジュール接続プレート24,26と25,27との間に延びている2つの分離ゾーン36及び37は、主方向9に対して斜めに、したがって第2の方向10に対しても斜めに延びている。この2つの分離ゾーン36及び37は、ここでは直線的に延びている。
【0030】
なお、モジュール接続プレート24,25,26及び27に設けられているのは、スリット38,39,40,41,42,43,44及び45であり、これらの目的は、本接続においては重要ではないので、ここではこれ以上言及しない。また、一方のキャリアプレート32と他方の互いに隣接して置かれるモジュール接続プレート24及び26との間に設けられるのは、基本的にU状第1分離スリット46であり、その中へ、分離ゾーン36が開通する。さらに、一方のキャリアプレート32と他方の互いに隣接されて置かれるモジュール接続プレート25及び27との間に設けられるのは、基本的にU状の第2の分離スリット47であり、この中へ分離ゾーン37が開通する。
【0031】
図1によるモジュール1の場合においては、効果的かつ簡単な態様で、モジュール1のチップ3には2つの他の構成部すなわち送信コイル12と安全スイッチ13が接続可能とされることが達成され、この接続が、互いに概ね180°回転させられるモジュール1の2つの位置において可能であり、これは、モジュール1がデータ担体11に導入され2つの異なる位置においてデータ担体11に接続されることが可能となるので、出来るだけ簡単にデータ担体11の生産をなす点で有利なものとなる。モジュール接続プレート24,25,26及び27がプレート表面の形状についてペア毎に異なるという構成のため、モジュール接続プレート24,25,26及び27及びモジュール接続プレート24,25,26及び27により形成されるプレートパターンは、常に完全に認識され必要に応じて検出されることが可能なので、当該適切な他の構成部は、このために用意された適切なモジュール接続プレート24,25,26及び27と導電性の接続が共になされることが常に確実に果たされる。これは、データ担体の自動化された生産の場合は特に重要である。何故なら、モジュール1が自動化された態様でデータ担体のデータ担体ブランクと組み合わされるのが可能又は実際のところだからであるが、望ましくない状況が発生する場合があり、モジュール1が、図1に示される開始位置に対して180°だけ主軸9の周りを回転させられる位置において、又は図1に示される開始位置に対して180°だけ第2の軸10の周りを回転させられる位置において、データ担体ブランクと組み合わされ、かかる回転位置におけるデータ担体ブランクと組み合わされたモジュール1の実際の搭載の際に機能しないデータ担体になる可能性があるが、これは、ペアで異なるそのモジュール接続プレートにより、本発明によるモジュール1の構成のために確実に回避される。
【0032】
図4は、本発明によるリードフレーム構成部2の他の構成の変形例を概略的に示している。
【0033】
図4による左上の図に示されるリードフレーム構成部2の場合、分離ゾーン36及び37が楔状にデザインされている。
【0034】
図4による中央の上の図に示されるリードフレーム構成部2の場合、分離ゾーン36及び37が階段状にデザインされている。
【0035】
右上の図に示されるリードフレーム構成部2の場合、2つの分離ゾーン36及び37S状にデザインされている。但し、これら分離ゾーン36及び37は、波状にすなわち多段のS状にデザインすることもできる。
【0036】
図4による左下の図に示されるリードフレーム構成部2の場合、分離ゾーン36及び37が弧状にデザインされている。
【0037】
中央の下の図に示されるリードフレーム構成部2の場合、楔状にデザインされた2つの分離ゾーン36及び37に加え、斜めにかつ直線的に延びる2つの他の分離ゾーン48及び49が設けられるので、このリードフレーム構成部2の場合には、6つのモジュール接続プレート24,25,26,27,50及び51が設けられ、5つのモジュール接続プレート50及び6つのモジュール接続プレート51は、モジュール接続プレートの第3のペア56を形成する。これは、このリードフレーム構成部2を用いて実現されるモジュールの場合には、トータルで3つの他の構成部がこのモジュール又はこのモジュールのチップに導電性をもって接続されることができることを意味している。
【0038】
上述したリードフレーム構成部2の場合、想定される分離ゾーンのコースがペアで異なるモジュール接続プレートのプレート表面の形状の特徴として選択される。但し、分離ゾーンのコースに代えて、プレート表面の異なる形状のための特徴として互いに隣接して配されるモジュール接続プレートの周辺限界のコースを適用することもできる。このようなリードフレーム構成部2は、図4による右下の図に示される。このリードフレーム構成部2の場合、第1のペア22の2つのモジュール接続プレート24及び25の各々は、それらの周辺のコースにおいて斜面52又は53を有する。第2のペア23の2つのモジュール接続プレート26及び27は、それらの周辺限界において階段状のデザインのコース54及び55を有する。
【0039】
なお、本発明による上述した構成並びにモジュール及びリードフレーム構成部のその他の構成は、非接触通信だけでなく付加的に接触に基づく通信についても適したものであって通信接触部、例えば国際規格ISO7816−2に準じて通信コンタクトを擁するそれらのデータ担体にも適しているものである。
【0040】
また、本発明によるデータ担体の場合、他の構成部としていわゆる電気四極子を用いることができる。この電気四極子は、4つの接続部を有し、この接続部が、モジュール接続プレートの2つのペアの補助により、この目的のために設けられたこのモジュールのチップのチップ接続コンタクトに接続される。
【0041】
さらに、本発明によるデータ担体は、カードの形態にデザインすることもできる。但し、本発明によるこのようなデータ担体は、製品の構成上の部分とすることもでき、当該製品の中に収納又は搭載されることもできる。このような製品は、例えば、娯楽電子機器又は携帯電話などの通信装置の分野における装置とすることができる。但し、この種の製品は、パスポートにより形成されることもでき、本発明によるモジュールが当該パスポートの紙のページに埋め込まれる。
【0042】
また、本発明によるモジュール1又はデータ担体11の場合においては、上述したように、半導体技術によりチップ3が設けられる。但し、この種のチップは、ポリマーを基礎として生産されることも可能である。
【0043】
さらに、上述した構成例の場合、各モジュールはただ1つのチップを含むものである。これは、このようなモジュールが2つ、3つ又はそれを上回る数のチップを含むことができるので、必ずしもそうである必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1の構成例によるモジュールを上から見て概略的に示す図。
【図2】図1によるモジュールとともに本発明によるデータ担体を上から見て概略的に示す図。
【図3】多数のリードフレーム構成部を含むリードフレームバンドの一部を上から見て概略的に示すものであって、本発明の第1の構成例によるリードフレーム構成体及び従来技術によるリードフレーム組み合わせ体が設けられた形を示す図。
【図4】本発明の他の6つの構成例によるトータルで6つの他のリードフレーム構成体を上から見て概略的に示す図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チップ接続コンタクトを持つチップを伴うモジュールであって、当該モジュールは、中間点を有し、当該モジュールは、非接触通信のために構成されたデータ担体において用いられることを想定されたものであり、そのデータ担体は、チップ接続コンタクトを持つチップを有するモジュールと構成部接続コンタクトにより前記チップに導電可能に接続される少なくとも1つの付加的な他の電気的構成部とを含み、前記チップと前記少なくとも1つの他の構成部との間の導電可能な接続は、2つの相反する極性に準じて実現可能であり、当該モジュールは、少なくとも2つのペアのチップ接続コンタクトを備えたチップを有し、当該モジュールは、少なくとも2つのペアのモジュール接続プレートを有し、当該各ペアの2つのモジュール接続プレートは、いずれの場合も少なくとも2つの他の構成部のうちの1つに係る構成部接続コンタクトとの導電可能な接続のために設けられ、各モジュール接続プレートは、特定の形状を持つプレート表面を有し導電性でありチップ接続コンタクトと導電可能に接続され、各ペアの前記2つのモジュール接続プレートのプレート表面の形状は、同一であり、異なるペアの前記モジュール接続プレートのプレート表面の形状は、異なり、前記モジュール接続プレートの開始位置において、前記モジュール接続プレートのプレート表面の形状は、特定のプレートパターンとなるとともに、前記開始位置から開始した場合に前記モジュール接続プレートの全てが、前記プレート表面に対して直角に延びかつ前記中間点を通過する軸の周りを結合回転させられたときに、常にどの場合においても略180°の結合回転後に同じプレートパターンとなるように異なっている、モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載のモジュールであって、当該モジュールは、前記中間点を通じて延びる主軸を有し、各ペアのモジュール接続プレートのうちの一方のモジュール接続プレートは、前記主軸に平行に延びる第1の方向に向きかつ前記中間点から離れる方向に向き、他方のモジュール接続プレートは、前記主軸に平行に延び前記第1の方向の反対に延びかつ前記中間点から離れる方向に向き、前記第1の方向に向くモジュール接続プレートは、互いに隣接して置かれかついずれの場合も分離ゾーンにより互いに分離され、前記第2の方向に向くモジュール接続プレートは、互いに隣接して置かれかついずれの場合も分離ゾーンにより互いに分離され、互いに隣接して置かれる2つのモジュール接続プレートのプレート表面の形状は、異なっている、モジュール。
【請求項3】
請求項2に記載のモジュールであって、互いに隣接して置かれる2つのモジュール接続プレートのプレート表面の形状は、これら2つのモジュール接続プレートを分離する分離ゾーンの特徴の結果として異なっている、モジュール。
【請求項4】
請求項3に記載のモジュールであって、互いに隣接して配される2つのモジュール接続プレート間に配される少なくとも1つの分離ゾーンは、前記主方向に対して斜めに延びている、モジュール。
【請求項5】
請求項4に記載のモジュールであって、前記分離ゾーンは、直線状に延びている、モジュール。
【請求項6】
請求項1に記載のモジュールであって、前記モジュール接続プレートは、導電体フレーム構成体を用いて生産されたものである、モジュール。
【請求項7】
非接触通信のために構成され、チップ接続コンタクトを具備するチップを有するモジュールと構成部接続コンタクトにより前記チップに導電性の態様をもって接続される付加的な少なくとも1つの他の電気的構成部とを含むデータ担体であって、前記モジュールは、請求項1ないし6のうちいずれか1つに記載されているように構成され、モジュール接続プレートの各ペアのモジュール接続プレートは、いずれの場合も少なくとも2つの他の構成部のうちの1つに係る構成部接続コンタクトと接続される、データ担体。
【請求項8】
請求項1ないし6のうちいずれか1つに記載のモジュールの生産のために設けられるリードフレーム構成体であって、当該リードフレーム構成体は、中間点を有し、当該リードフレーム構成体は、少なくとも2つのペアのモジュール接続プレートを有し、当該各ペアの2つのモジュール接続プレートは、いずれの場合も少なくとも2つの他の構成部のうちの1つに係る構成部接続コンタクトとの導電性の接続のために作られ、各モジュール接続プレートは、特定の形状のプレート表面を有し、導電性であり、チップ接続コンタクトと導電可能に接続され、当該各ペアの前記2つの接続プレートのプレート表面の形状は、同一であり、異なるペアのモジュール接続プレートのプレート表面の形状は、異なり、前記モジュール接続プレートの開始位置において、前記モジュール接続プレートのプレート表面の形状は、特定のプレートパターンをなすとともに、前記開始位置から開始して、前記モジュール接続プレートの全てが、前記プレート表面に対して直角に延びかつ前記中間点を通る軸の周りを結合回動されるときに、いずれの場合も略180°結合回動した後に同じプレートパターンとなるように、異なっている、リードフレーム構成体。
【請求項9】
請求項8に記載のリードフレーム構成体であって、前記リードフレーム構成体は、前記中間点を通じる主軸を有し、各ペアのモジュール接続プレートのうちの一方のモジュール接続プレートは、前記主軸に平行に延びる第1の方向に向きかつ前記中間点から離れる方向に向き、当該他方のモジュール接続プレートは、前記主軸に平行に延びかつ前記第1の方向とは逆に延びる第2の方向に向きかつ前記中間点から離れる方向に向き、前記第1の方向に向くモジュール接続プレートは、互いに隣接して置かれ、いずれの場合も分離ゾーンによって互いに分離され、前記第2の方向に向くモジュール接続プレートは、互いに隣接して置かれ、いずれの場合にも分離ゾーンにより互いに各々が分離され、互いに隣接して置かれる2つのモジュール接続プレートのプレート表面の形状は、異なっている、リードフレーム構成体。
【請求項10】
請求項9に記載のリードフレーム構成体であって、互いに隣接して置かれる2つのモジュール接続プレートのプレート表面の形状は、これら2つのモジュール接続プレートを分離する分離ゾーンの特徴の結果として異なっている、リードフレーム構成体。
【請求項11】
請求項10に記載のリードフレーム構成体であって、互いに隣接して配される2つのモジュール接続プレート間に配される少なくとも1つの分離ゾーンは、前記主方向に対して斜めに延びる、リードフレーム構成体。
【請求項12】
請求項11に記載の導電体フレーム構成体であって、前記分離ゾーンは、直線状に延びる、フレーム構成体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−501515(P2007−501515A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522479(P2006−522479)
【出願日】平成16年8月2日(2004.8.2)
【国際出願番号】PCT/IB2004/051357
【国際公開番号】WO2005/013191
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】