説明

展開フラップを有するエアバッグ

【課題】搭乗者を車の計器板及びハンドルのような車の部分との衝撃から保護する。
【解決手段】車12の搭乗者20を保護するのを助ける装置10は、格納した状態から保護装置が車の計器盤36と車の搭乗者との間に配置される展開した状態まで拡張可能である拡張可能な車の搭乗者保護装置14を含む。保護装置14は、上方部分142と、下方部分144とを含み、部分の各々は、ロール巻きし且つ折り畳んだ部分の少なくとも1つである。上方部分142及び下方部分144は、格納した状態にあるとき、互いに重なり合う位置に配置される。展開フラップ120は、車に固定された第一の端部分を有する材料のシートを含む。展開フラップ120は、下方部分144の回りに巻かれる中央部分と、第一の端部分に対向し、保護装置14が格納した状態にある間、下方部分の下方に折り込まれる第二の端部分とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車の搭乗者を保護することを助ける装置に関する。より詳細には、本発明は、計器盤と車の前部シートの搭乗者との間にて拡張可能なエアバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
車の搭乗者を保護するのを助けるエアバッグのような、拡張可能な車の搭乗者保護装置を提供することは既知である。エアバッグの1つの特定型式は、車の前部シートの搭乗者と車の計器盤との間にて拡張可能な前部エアバッグである。かかるエアバッグは、運転者エアバッグ又は乗客エアバッグとすることができる。拡張したとき、運転者エアバッグ及び乗客エアバッグは、搭乗者を車の計器盤及び(又は)ハンドルのような、車の部分との衝撃から保護するのを助ける。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
乗客エアバッグは、典型的に、車の計器盤に取り付けられたハウジング内にて萎んだ状態で格納されている。エアバッグドアは、ハウジング及び(又は)計器盤と接続してエアバッグを格納した状態にて収納し且つ外部から隠すのを助ける。乗客エアバッグが展開したとき、エアバッグドアは開いてエアバッグが拡張した位置まで動くことを許容する。エアバッグドアは、拡張するエアバッグによりドアに加えられた力の結果として、開く。
【0004】
運転者エアバッグは、典型的に、車のハンドルに取り付けられたハウジング内にて萎んだ状態で格納されている。エアバッグカバーは、ハウジング及び(又は)ハンドルと接続してエアバッグを格納した状態にて収容し且つ外部から隠すのを助ける。運転者エアバッグが展開したとき、エアバッグカバーは開いてエアバッグが拡張した位置まで動くのを許容する。エアバッグカバーは、拡張する運転者エアバッグによりカバーに加えられた力の結果として、開く。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、格納した状態から保護装置が車の計器盤と車の搭乗者との間に配置される展開した状態まで拡張可能である拡張可能な車の搭乗者保護装置を含む、車の搭乗者を保護するのを助ける装置に関する。保護装置は、上方部分と、下方部分とを含む。部分の各々は、ロール巻きし且つ折り畳んだ部分の少なくとも1つであり、部分は、格納した状態にあるとき、互いに重なり合う位置に配置される。展開フラップは、車に固定された第一の端部分を有する材料のシートを含む。展開フラップは、下方部分の周りに巻かれる中央部分と、第一の端部分に対向し、保護装置が格納した状態にある間、下方部分の下方に折り込まれる第二の端部分とを有する。
【0006】
本発明は、車の搭乗者を保護するのを助ける装置にも関する。装置は、格納した状態から保護装置が車の一部分と車の搭乗者との間にて配置される展開した状態まで拡張可能である拡張可能な車の搭乗者保護装置を含む。保護装置は、第一の部分と、第二の部分とを含み、これらの部分は、ロール巻きし且つ折り畳む部分の少なくとも1つにより格納した状態にて別個に配置される。展開フラップは、第二の部分の周りにて少なくとも部分的に摩擦力にて巻かれて、第二の部分と係合し、従って、該第二の部分の最初の拡張及び展開を阻止する、材料シートを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の上記及びその他の特徴は、添付図面を参照して本発明の以下の説明を検討することにより、本発明が関係する技術分野の当業者に明らかになるであろう。
車12の搭乗者20を保護するのを助ける装置10は、エアバッグの形態をした拡張可能な車の搭乗者保護装置14を含む。図1に図示した実施の形態において、エアバッグ14は、車12の乗客側24にて座席22の搭乗者20を保護するのを助ける乗客前部エアバッグである。
【0008】
エアバッグ14は、インフレータ32と、ハウジング34とを含むエアバッグモジュール30の一部とすることができる。エアバッグ14は、図1にて破線14´で示した、エアバッグが折り畳まれ且つハウジング34内に配置された、格納した状態を有する。エアバッグモジュール30は、車12のダッシュ又は計器盤36に取り付けられる。ハウジング34は、エアバッグ14及びインフレータ32を計器盤36内に保持し且つ支持するのを助ける。
【0009】
エアバッグドア40は、計器盤36及び(又は)ハウジング34と解放可能に接続される。閉じた状態(図示せず)にあるとき、エアバッグドア40は、モジュール30に対するカバーを形成し且つ、エアバッグ14をハウジング34内にて格納した状態にて収容するのを助ける。ドア40は、図1に示した開いた状態まで動かし、開口部44を開けることができ、この開口部44を通して、エアバッグ14をハウジング34内の格納した状態から展開させることができる。ドア40は、ヒンジ、ストラップ又は繋ぎ紐のような手段(図示せず)により直接的に又はハウジング34を通して、例えば、計器盤36のような車12と接続することができる。
【0010】
インフレータ32は、エアバッグ14を拡張させる拡張流体を提供するよう起動可能である。インフレータ32は、貯蔵ガス、固体推進薬のような任意の既知の型式、分割型、ハイブリット型とすることができる。装置10は、衝突のような、エアバッグ14の拡張が望まれる事故を感知するため、概略図的に参照番号50で示した、センサを含む。インフレータ32は、リード線52を介してセンサ50と作用可能に接続されている。
【0011】
エアバッグ14は、ナイロン(例えば、織ったナイロン6−6糸)のような任意の適宜な材料にて製造することができ、また、任意の適宜な方法にて製造することができる。例えば、エアバッグ14は、縫合、超音波溶接、熱接着又は接着剤のような、既知の手段によって相互に接続されたエアバッグを形成する1つ又はより多くの材料片又はパネルを含むことができる。これと代替的に、エアバッグ14は、エアバッグが単一の材料片として織られる単一物の織り構造体を有するようにしてもよい。また、エアバッグ14は、被覆せず、気体不透性ウレタンのような材料にて被覆するか、又は、気体不透性フィルムのような材料にて積層することができる。このように、エアバッグ14は、気密又は実質的に気密な構造を有することができる。当該技術の当業者は、ポリエステル糸のような代替的な材料及びシリコーンのような代替的な被覆を使用してエアバッグ14を形成してもよいことが理解されよう。
【0012】
図2には、図1のエアバッグ14の一例としての特定の構造が示されている。エアバッグ14は、中央パネル60と、第一の側部パネル80と、第二の側部パネル100とそれぞれ含む。中央パネル60は、それぞれ第一及び第二の長手方向端縁部分62、64と、それぞれ対向した端部分66、68とを含む。
【0013】
第一及び第二の側部パネル80、100は、図1に示したように、エアバッグ14の輪郭外形を規定する湾曲した形態及び所要外形の形態を有する。このように、側部パネル80、100は、エアバッグ14の拡張した形態(例えば、形状及び深さ)を画成するのを助ける。第一の実施の形態において、側部パネル80、100は、エアバッグの拡張した形態が車12の計器盤36の所要外形に従うような形態とされている。当該技術の当業者は、エアバッグ14の所望の拡張した形態は、車の乗客室のような利用可能な空間及び車のアーキテキチャのようなファクタに依存して、異なる車モデル間にて変更可能であることが理解されよう。
【0014】
中央パネル60は、エアバッグ14を拡張させる拡張流体を受け入れる開口部70を含む。中央パネル60は、また、エアバッグ14をエアバッグモジュール30のその他の構成要素(例えば、ハウジング34)と接続するためのボルト又はスタッドのような締結具74を受け入れる開孔72も含む(図3A−図3E参照)。エアバッグ14がエアバッグモジュール30のハウジング34と接続されたとき、開口部70は、ハウジング34とエアバッグの拡張可能な容積54との間の流体連通状態を提供する。
【0015】
エアバッグ14を組み立てるためには、中央パネル60の端部分66、68は、相互に接続して、中央パネルを材料の無端のループとしての形態とする。第一の側部パネル80の周縁部分82は、中央パネル60の第一の端縁部分62と相互に接続される。第二の側部パネル100の周縁部分102は、中央パネル60の第二の端縁部分64と相互に接続される。ループとして形成されたとき、中央パネル60は、側部パネルが相互に接続される、側部パネル80、100の周縁部分82、102の長さに等しく又はほぼ等しい長さを有する。中央パネル60及び側部パネル80、100は、接続されたとき、エアバッグ14の拡張可能な容積54を画成するのを助ける。
【0016】
本発明に従って、装置10は、エアバッグ14の展開を制御するのを助ける展開フラップ120を含む。展開フラップ120は、エアバッグモジュール30に固定された材料のシートである。展開フラップ120は、例えば、エアバッグ14をエアバッグモジュールにも固定する締結具74(例えば、ボルト又はスタッド)を介してエアバッグモジュール30に固定することができる。図3Aに示したように、展開フラップ120は、エアバッグと計器盤36との間にてエアバッグ14の下方に配置される。展開フラップ120は、エアバッグ14の開孔72と整合され、このため、エアバッグ及びフラップをエアバッグモジュール30と接続する締結具74を受け入れる1つ又はより多くの開孔122を含む第一の端部分130を有している。
【0017】
図3A−図3Gには、エアバッグ14を萎み且つ格納した状態にて配置するための過程が示されている。エアバッグ14及び展開フラップ120は、エアバッグモジュール30に固定される前か又はエアバッグモジュール30に固定されている間、萎み且つ格納した状態にて配置することができる。図3Aを参照すると、エアバッグ14は、展開フラップ120の上方になる位置に配置され、締結具74(例えば、エアバッグリテーナ上のスタッド)は、整合した締結具の受け入れ開孔72、122に通して、エアバッグ及びフラップの相対的な位置決め状態を維持する。このように、展開フラップ120の第一の端部分130は、締結具74を介して車12に、より詳細には、エアバッグモジュール30に固定される。
【0018】
エアバッグ14は、図3Aに示した平坦となった状態となるように取り扱われる。平坦となった状態にあるとき、エアバッグ14は、第一のすなわち上方部分142と、第二のすなわち下方部分144と、上方部分と下方部分との間に配置された第三のすなわち基部分146とを有している。基部分146は、モジュールハウジング34と一致しており且つ、拡張流体を受け入れる開口部70を含む。
【0019】
上方部分142、下方部分144及び基部分146は、エアバッグが図1の拡張した状態にあるとき、座席22の搭乗者20の斜視図にて見たように、エアバッグ14をわたって側方向に且つ車12内にて側方向に伸びている。上方部分142は、エアバッグ14が図1の拡張し且つ展開した状態にあるとき、基部分146及びモジュールハウジング34から全体として上方に配置されている。下方部分144は、エアバッグ14が図1の拡張し且つ展開した状態にあるとき、基部分146及びモジュールハウジング34から全体として下方に配置されている。
【0020】
図3Bを参照すると、下方部分144は、全体として参照番号150で示した折り畳み線の周りにて図3Bに「A」にて示した矢印で示したように、反転動作する、すなわち折り畳まれる。このことは、下方部分144の反転−折り畳み部分152を画成することになる。図3Cを参照すると、図3Cに「B」にて示した矢印で示したように、下方部分144は、折り畳み線150に向けてロール巻き状に折り返される。このことは、下方部分144のロール巻き折り畳み部分154を形成することになる。図3Cに示したように、ロール巻き折り畳み部分154は、反転折り畳み部分152に隣接し且つ反転−折り畳み部分152の上方になる位置に配置される。
【0021】
図3Dを参照すると、展開フラップ120は、次に、図3Dに「C」にて示した矢印で示したように、上方の反転−折り畳み部分152及びロール巻き折り畳み部分154の周りに巻き付けられる。展開フラップ120は、第一の端部分130に対向しており、エアバッグ14の反転−折り畳み部分と基部分146との間に折り込まれた第二の端部分132を有している。展開フラップ120の中央部分134は、下方部分144の上方を伸び且つ、下方部分と上方部分142との間に配置されている。このように、展開フラップ120は、下方部分144を取り囲み又は実質的に取り囲む。図3Eを参照すると、次に、上方部分142は、図3Eに「D」にて示した矢印で示したように折り畳み、展開フラップ120内にて巻かれた下方部分144の周りを伸び且つ下方部分144の上方になる。次に、上方部分142を扇状に折り畳む、すなわち図3Eに「E」にて示した矢印で示したように、対向した方向に向けて前後に折り畳む。このことは、展開フラップ120内にて巻かれた下方部分144の上方になる上方部分142の扇状の折り畳み部分160を形成することになる。
【0022】
このように、上方部分142及び下方部分144は、図3Eの格納した状態にて別個に包装される。「別個に包装される」とは、上方部分142及び下方部分144がエアバッグ14の別個で且つ異なる部分としてロール巻きされ、折り畳まれ又はその他の方法にて格納状態に置かれることを意味する。このことは、上方部分142に影響を与えることなく、展開フラップ120を下方部分144の周りに巻くことを許容することになる。
【0023】
上方部分142及び下方部分144は、また、図3Eの格納した状態にあるとき、互いに異なる態様にて包装される。特に、上方部分142は、簡単な扇状折り畳み包装を有する一方、下方部分144は、上述したように、反転折り畳み且つロール巻きした包装を有する。望ましくは、これらの異なる包装方法は、エアバッグ14の拡張及び展開の所望の振舞いを提供するよう選ぶことができる。例えば、上方部分142の扇状の折り畳みは、拡張及び展開に対する最小の抵抗を提供し、このため、上方部分の迅速な規制されない展開を促進するのを助ける。下方部分144を反転折り畳み且つロール巻きすることは、以下に説明するように、計器盤36と係合して且つ計器盤36に沿って下方部分を拡張し且つ展開させることを促進することになる。
【0024】
次に、図3Fを参照すると、エアバッグ14の側部分162は、「F」にて示した矢印で示したように、内方に折り畳まれる。このことは、エアバッグ14をモジュールハウジング30内にて包装し且つ格納する用意ができた、図3Gに示した状態に置くことになる。
【0025】
車の衝突のような、エアバッグ14の拡張が望まれる事故の発生を感知したとき、センサ50は、信号をリード線52を介してインフレータ32に提供する。センサ50から信号を受け取ったとき、インフレータ32は、起動され且つ既知の仕方にて拡張流体をエアバッグ14の拡張可能な容積54に提供する。拡張するエアバッグ14は、ドア40に力を加え、この力によってドアは、開いた状態に動く。エアバッグ14は、格納した状態から図1及び図2に実線で示した展開した状態まで拡張する。エアバッグ14は、拡張される間、車の搭乗者20が計器盤36のような、車12の部分と衝突することから保護するのを助ける。
【0026】
エアバッグ14が拡張し且つ展開すると、上方部分142の扇状折り畳み部分は、拡張及び展開に対する比較的最小の抵抗を提供する。反転折り畳み且つロール巻きした下方部分144は、計器盤36と係合し且つ計器盤36に沿って下方部分が拡張し且つ展開するのを促進する。下方部分144が拡張し且つ展開すると、反転折り畳み部分152は、最初に折り広げられ(「反転」)、ロール巻きした部分154を計器盤36に対して配置する。ロール巻きした部分154は、計器盤36に向けて巻き戻され、このため、計器盤と係合し且つ計器盤に沿って拡張する。
【0027】
エアバッグ14が拡張する事故が生じたとき、搭乗者20は、図1に「G」にて標識した矢印で示した前方向に動いてエアバッグ14と係合する。図1において、搭乗者20は、全体として真直ぐで且つ座席の22の背もたれ部分26に対して配置される、通常、着席した位置にて示されている。その結果、エアバッグ14は、拡張し且つ図1に示した、通常の拡張した位置まで展開する。
【0028】
図4Aを参照すると、搭乗者20は、通常の着席した位置から離れた位置に配置されている。より詳細には、図4Aにおいて、搭乗者20は、背もたれ26から離れ且つ計器盤36に比較的近い、車の座席22の前方にてベルトを着用しないで配置された、小さい婦人又は子供のような、小さい搭乗者である。その結果、エアバッグ14の展開が望まれる事故が発生したとき、搭乗者20は、図4Bにて全体として「H」で示した方向に向けて車12内を前方に動いてエアバッグと係合する。
【0029】
本発明に従い、展開フラップ120は、エアバッグが完全に拡張し且つ展開した状態に達する前に、搭乗者がエアバッグと係合する場合、拡張及び展開力を搭乗者20の頭部200及び胴部分202をわたって均一に分配するのを助け得るように、エアバッグ14の展開を制御するのを助ける。このことは、図4B及び図4Cに示されている。図4Bを参照すると、エアバッグ14を拡張させる前で且つ、エアバッグ14を最初に拡張し且つ展開させる間、展開フラップ120は、エアバッグの下方部分144の周りに巻かれる(図3Eも参照)。エアバッグ14が最初に拡張し且つ展開するとき、展開フラップ120と下方部分144との間の摩擦力は、エアバッグが自由に拡張し且つ展開するのを妨げ又は妨害する。
【0030】
尚、上方部分142は、展開フラップ120による妨げ又は妨害から自由であり、このため、展開自在である。上方部分142は、図4Bに全体として「I」で示した方向に向けて車12内を全体として上方向に及び後方向に展開する。下方部分144が自由に拡張し且つ展開するのを妨げ且つ妨害することにより、展開フラップ120は、この方向に向けて拡張するよう上方部分142を導くのを少なくとも部分的に助けることができる。搭乗者20は、計器盤36に比較的近い位置に配置された比較的小さい搭乗者であるため、上方部分142は、患者の頭200の上を少なくとも部分的に又は実質的にその上方にて拡張し且つ展開する。
【0031】
図4Cを参照すると、エアバッグ14は、最終的に、展開フラップ120と下方部分144との間の摩擦力を上廻る程度迄、拡張し且つ加圧する。この時点にて、下方部分144は、拡張し且つ展開することが許容される。下方部分144は、図4Cに「J」にて識別した全体として矢印で示した方向に向けて計器盤36に沿って下方に展開する。下方部分144は、計器盤36を搭乗者20との間に配置される。展開フラップ120は、計器盤36に沿って下方に伸びる位置まで動き、エアバッグ14と計器盤との間に配置される。
【0032】
下方部分144が計器盤36と搭乗者20との間に配置されると、エアバッグ14は、通常、拡張し且つ展開した状態(図1参照)に向けて拡張し且つ展開し続ける。展開フラップ120は、上方部分142を図4A−4Cの搭乗者20の上方にて拡張し且つ展開するよう導くのを助けると共に、下方部分144の展開を妨害するため、エアバッグ14は、エアバッグが図4Cの位置となる迄、搭乗者に完全な拡張及び展開力を加えることはない。その結果、このことは、エアバッグ14により搭乗者20に加えられた拡張及び展開力を図4Cに「K」にて識別した矢印で全体として示したように、搭乗者20の頭部200及び胴体部202をわたって均一に分配するのを助ける。
【0033】
本発明の上記の説明から、当該技術の当業者には、改良例、変更例及び改変例が認識されるであろう。例えば、本発明は、乗客の前部エアバッグの実施例について説明し且つ図示したが、当該技術の当業者は、本発明は、運転者の前部エアバッグの実施例のような、その他の代替的な実施例にて具体化することが可能であることが理解されよう。当該技術の範囲に属するかかる改良例、変更例及び改変例は、特許請求の範囲に包含されることを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に従って、搭乗者が第一の位置にある、車の搭乗者を保護するのを助ける装置を示す概略側面図である。
【図2】図1の装置の一部分の斜視図である。
【図3A】図3Aは、図1の装置の一部分を萎み且つ格納した状態にて配置する状態を示す図である。
【図3B】図3Bは、図1の装置の一部分を萎み且つ格納した状態にて配置する状態を示す図である。
【図3C】図3Cは、図1の装置の一部分を萎み且つ格納した状態にて配置する状態を示す図である。
【図3D】図3Dは、図1の装置の一部分を萎み且つ格納した状態にて配置する状態を示す図である。
【図3E】図3Eは、図1の装置の一部分を萎み且つ格納した状態にて配置する状態を示す図である。
【図3F】図3Fは、図1の装置の一部分を萎み且つ格納した状態にて配置する状態を示す図である。
【図3G】図3Gは、図1の装置の一部分を萎み且つ格納した状態にて配置する状態を示す図である。
【図4A】図4Aは、車の搭乗者が第二の位置にある、図1の装置の作動状態を示す概略図である。
【図4B】図4Bは、車の搭乗者が第二の位置にある、図1の装置の作動状態を示す概略図である。
【図4C】図4Cは、車の搭乗者が第二の位置にある、図1の装置の作動状態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0035】
10 車の搭乗者を保護するのを助ける装置
12 車
14 搭乗者保護装置/エアバッグ
14´ 破線
20 搭乗者
22 座席
24 乗客側
26 背もたれ部分
30 エアバッグモジュール
32 インフレータ
34 ハウジング
36 計器盤
40 エアバッグドア
44 開口部
50 センサ
52 リード線
54 エアバッグの拡張可能な容積
60 中央パネル
62 第一の長手方向端縁部分
64 第二の長手方向端縁部分
66 中央パネル60の端部分
68 中央パネル60の端部分
70 開口部
72 開孔
74 締結具
80 第一の側部パネル
82 第一の側部パネル80の周縁部分
100 第二の側部パネル
102 第二の側部パネル100の周縁部分
120 展開フラップ
122 開孔
130 第一の端部分
142 上方部分
144 下方部分
146 基部分
150 折り畳み線
152 反転折り畳み部分
154 ロール巻き巻き折り畳み部分
160 扇状の折り畳み部分
162 エアバッグ14の側部分
200 搭乗者20の頭部
202 搭乗者20の胴部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車の搭乗者を保護するのを助ける装置において、
格納した状態から保護装置が車の計器盤と車の搭乗者との間に配置される展開した状態まで拡張可能である拡張可能な車の搭乗者保護装置であって、前記保護装置は、上方部分と、下方部分とを備え、上方及び下方部分の各々には、少なくともロール巻き及び折り畳みの一方が施され、上方及び下方部分は、また、格納した状態にあるとき、互いに重なり合う位置に配置される、前記搭乗者保護装置と、
車に固定された第一の端部分を有する材料シートと、下方部分の周りに巻かれる中央部分と、第一の端部分に対向し、保護装置が格納した状態にある間、下方部分の下方に折り込まれる第二の端部分とを有する、展開フラップと、
を備える、車の搭乗者を保護するのを助ける装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、展開フラップの中央部分は、上方部分と下方部分との間に配置される、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置において、格納状態にて保護装置を受け入れるハウジングを更に備え、保護装置及び展開フラップはハウジングに固定される、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置において、保護装置は、拡張流体を受け入れる開口部を含む基部分を備え、基部分は、保護装置をわたって横方向に伸び且つ保護装置の上方部分と下方部分との間に配置され、また、上方部分及び下方部分の境界を画するのを助ける、装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置において、上方部分は、保護装置が格納状態にあるとき、展開フラップ内にて巻かれた下方部分の上方となる、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置において、保護装置は、拡張流体を受け入れる開口部を含む基部分を備え、上方部分は、開口部の上方にて実質的に垂直に伸び、下方部分は、拡張し且つ展開した状態にあるとき、開口部の下方にて実質的に垂直に伸びる、装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置において、展開フラップは、保護装置の下方部分を実質的に取り囲む、装置。
【請求項8】
請求項1に記載の装置において、上方部分及び下方部分は、互いに別個に、ロール巻き及び折り畳みの一方が施されている、装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置において、下方部分は、格納状態にあるとき、反転折り畳み部分と、ロール巻き折り畳み部分とを備える、装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置において、上方部分は、格納状態にあるとき、扇状の折り畳んだ部分を備える、装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置において、下方部分は、格納状態にあるとき、上方部分と異なる状態にて包装される、装置。
【請求項12】
請求項1に記載の装置において、保護装置は、車の前部座席の搭乗者を保護するのを助ける前部エアバッグを備える、装置。
【請求項13】
請求項1に記載の装置において、保護装置は、車の乗客側の前部座席上の搭乗者を保護するのを助ける乗客前部エアバッグを備える、装置。
【請求項14】
請求項1に記載の装置において、保護装置は、車の計器盤に取り付けられたエアバッグモジュールの一部分を備える、装置。
【請求項15】
請求項1に記載の装置において、展開フラップは、下方部分の最初の拡張及び展開を阻止するのを助け、展開フラップは、上方部分の最初の拡張及び展開を阻止することから自由である、装置。
【請求項16】
車の搭乗者を保護するのを助ける装置において、
格納した状態から保護装置が車の一部分と車の搭乗者との間にて配置される展開した状態まで拡張可能である拡張可能な車の搭乗者保護装置であって、前記保護装置は、第一の部分と、第二の部分とを備え、これらの部分は、ロール巻き及び折り畳みの少なくとも一方により格納された状態にて別個に配置される、前記搭乗者保護装置と、
第二の部分の周りにて少なくとも部分的に巻かれて、第二の部分と摩擦力にて係合し、従って、該第二の部分の最初の拡張及び展開を阻止する、材料シートを有する展開フラップと、
を備える、車の搭乗者を保護するのを助ける装置。
【請求項17】
請求項16に記載の装置において、第一の部分は、展開フラップによる阻止から自由に拡張し且つ展開する、装置。
【請求項18】
請求項16に記載の装置において、第一の部分はエアバッグの上方部分を備え、第二の部分はエアバッグの下方部分を備える、装置。
【請求項19】
請求項16に記載の装置において、保護装置は、拡張流体を受け入れる開口部を含む基部分を備え、上方部分は、開口部の上方にて実質的に垂直に伸び、下方部分は、拡張し且つ展開した状態にあるとき、開口部の下方にて実質的に垂直に伸びる、装置。
【請求項20】
請求項16に記載の装置において、展開フラップは、車に固定された第一の端部分と、下方部分の周りに巻かれた中央部分と、保護装置が格納状態にある間、下方部分の下方にて織り込まれた、第一の端部分に対向した第二の端部分とを有する、材料シートから成る、装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図3D】
image rotate

【図3E】
image rotate

【図3F】
image rotate

【図3G】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate


【公開番号】特開2009−143545(P2009−143545A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−252885(P2008−252885)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(591067705)ティーアールダブリュー・ヴィークル・セーフティ・システムズ・インコーポレーテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】TRW VEHICLE SAFETY SYSTEMS INCORPORATED
【Fターム(参考)】