説明

州または関心のある他の主要地理的単位内で、まったく同じか或いは類似名称を持ち、離れているローカリティを区別する方法

州または関心のある他の主要地理的単位内で、まったく同じであるが、離れているローカリティ(例えば、都市)を区別する方法およびシステムが、電子地図およびデータベースに使用される。まったく同じローカリティ名のエントリー(項目/見出し)がデータベースに格納され、また、ローカリティが2つ以上の類似名称を持つ場合に、ローカリティ名のデータベースエントリー(項目/見出し)が短縮され、さらに、まったく同じローカリティ名に対する付加物が、このデータベースに格納される。この付加選択プロセスにおいて、第1のまったく同じローカリティでは、この第1のまったく同じローカリティにもっとも近い第2のまったく同じローカリティが選択される。選択される付加物は、大都市など、第1の重要なローカリティと第2の重要なローカリティであり、また、これらの付加物は、第1のまったく同じローカリティから第2のまったく同じローカリティまでの距離よりも、第1のまったく同じローカリティ、および第2のまったく同じローカリティへの距離の方がそれぞれ短く、しかも、第1のまったく同じローカリティおよび第2のまったく同じローカリティよりも重要である。まったく同じローカリティに対する付加物が利用者に表示される。このプロセスは、残りのまったく同じローカリティに対しても繰り返される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
2006年2月1日に出願されたMichael Gielich氏による「METHOD FOR DIFFERENTIATING DUPLICATE OR SIMILARLY NAMED DISJOINT LOCALITIES WITHIN A STATE OR OTHER PRINCIPAL GEOGRAPHIC UNIT OF INTEREST(州または関心のある他の主要地理的単位内で、まったく同じか、あるいは類似名称を持つ離れているローカリティを区別する方法)」と称する米国特許出願第11/345,877号(Attorney Docket No.TELA−07770US0)。
【0002】
本発明は、ローカリティ(locality)を決定する情報を持つ地図データベースに関し、さらに具体的に言えば、利用者が要望する位置に対して、まったく同じ(duplicate)か或いは類似名称を持つ、離れている(互いに素な、無関係な)(disjoint)ローカリティを区別するのに用いられるデータ構造を持つ地図データベースに関する。
【背景技術】
【0003】
近年、消費者は、デジタル地図上で特定の市街住所を捜し出すことができるように、様々な装置およびシステムを持っている。これらの装置およびシステムは、運転者がストリートや道路にナビゲートできるようにする車載ナビゲーション・システム、携帯情報端末(「PDA」)などの携帯用のハンドヘルド装置、同一機能を持つパーソナル・ナビゲーション装置や携帯電話、および、所望の位置を示す地図を利用者に作成させるインターネット・アプリケーションの形式を取っている。上記および他のタイプの装置およびシステムのすべてに共通する点は、地理的フィーチャー(geographic features)の地図データベースと、所望の利用者入力に応答して、この地図データベースにアクセスし、処理するソフトウェアである。要するに、これらの装置およびシステムのすべてにおいて、利用者は所望の位置を入力でき、戻される結果は、所望の位置の所在地となろう。一般に、利用者は、住所、レストランなどの業務の名称、あるいは、「ゴールデンゲートブリッジ」などの目的地ランドマークを入力し、次に、この要求された場所の位置に戻されることになる。この位置を地図ディスプレイ上に示すか、または、この位置を使用して、この位置に向かう運転方向を計算して、表示するか、あるいは、他のやり方でこの位置を使用することがある。
【0004】
別のローカリティ名(locality name)とまったく同じであるが、他のローカリティ名から離れているローカリティ名を持つ位置を利用者が要求するときに、1つの問題が発生する。ローカリティとは、例えば、州、郡、または関心のある他の主要地理的単位内の都市である。まったく同じローカリティであっても、それらが隣接せず、重なり合わず、また、隣り合っていない場合には、物理的に離れている。離れているローカリティはまた、ストリート・ナンバーのブロックまたは他の単位に細かく分けられたストリートの一部であるストリート・セグメント(street segment)などの共通の地理アイテムもまったく持たない。
【0005】
例えば、アメリカ合衆国では、州内の、まったく同じであるが離れている(同一で無関係の)ローカリティは一般的である。New Jersey州にWashingtonと名づけられた都市が2つあり、また、California州にBurbankと名づけられた都市が2つある。Pennsylvania州にはFive Pointsと名づけられた都市が10ある。まったく同じローカリティがストリート名を共有するとき、例えば、まったく同じローカリティが、「Main Street」と呼ばれるストリートを持つときには、ソフトウェア・アプリケーションは、利用者がどのローカリティを指すのか決定するために、利用者から、さらに多くの情報を必要とする。
【0006】
まったく同じローカリティの1つが2つ以上の類似名称で知られているときには、この問題が拡大する。ローカリティ名が、行政、郵便、口語表現の情報源を含め、多くの情報源から得られるので、例えば、New Jersey州のHo−Ho−Kusは、Ho−Ho−Kus、Ho Ho Kus、またはHo−Ho−Kus(Hohokus)など様々な名称で知られていることがある。現在、地図データベースは、ローカリティに対する類似名称を、ただ1つのエントリー(項目/見出し)(entry)に効果的に短縮することができない。多くがそれぞれ類似名称用のエントリー(項目/見出し)も持っているローカリティ用のエントリー(項目/見出し)を含む地図データベースは、限られたメモリのナビゲーション装置に対して、サイズの大きい索引を持つことになる。理想的には、ローカリティに対する類似名称は、それらが同一のエントリー(項目/見出し)を表す場合に限り、ただ1つのエントリー(項目/見出し)に短縮されることになる。Ho−Ho−Kus、Ho Ho Kus、またはHo−Ho−Kus(Hohokus)を入力する利用者は、HO HO KUSと、もしあればまったく同じHO HO KUSのローカリティも見出すことになろう。
【0007】
アメリカ合衆国内のアプリケーションでは、同一の州、または関心のある他の主要地理的単位内で、まったく同じローカリティ名を区別する標準的な方法は、そのローカリティを含む郡(1つまたは複数)の名称を、これらのまったく同じローカリティ名に付加する(装飾する)(adorn)ことである。例えば、利用者がWashington,NJを選択すると、MapQuest(www.mapquest.com)は、Washington,NJ,Warren,USと、Washington,NJ,Burlington,US(この場合、WarrenとBurlingtonはNew Jersey州内の郡である)のように、まったく同じ名称に、それらの名称が位置する郡を付加する。
【0008】
一般に、まったく同じ名称を持つローカリティは、離れている郡内にあり、それゆえ、郡名は、アプリケーションに、一意の所望の位置を決定させる他と区別する情報である。アメリカ合衆国またはカナダ国内でのこの手法の1つの欠点は、郡の位置が、利用者の地元地域以外では、広く知られていないことである。それゆえ、ローカリティ名に郡名を付加すると、利用者は、未知の位置のうち、どちらかを選らばなければならないこともある。この手法は、ナビゲーション・アプリケーションとして、類似名称を持つが離れているローカリティを区別する特に有用または堅牢な方法ではない。イギリスでは、郡は、北アメリカにおける州の役割を果たし、したがって、郡の境界は、さらに良く知られている。しかしながら、イギリスは、まったく同じ地名のその土地固有の重複、重なり合い、曖昧さを持ち、したがって、この手法は、その点においても重大な欠点を持っている。
【0009】
地図データベースをもっとも効果的に使用できるようにするために、関心のある同一の主要地理的単位、例えば州内のまったく同じであるが、離れているローカリティを効果的に区別する必要がある。まったく同じであるが、離れているローカリティに郡を付加するのではなく、必要とされるものは、まったく同じであるが、離れているローカリティに、利用者に見分けられる可能性がさらに高いまったく同じローカリティのすぐ近くの大都市など、近くの重要な都市を付加する方法である。理想的には、それぞれのまったく同じローカリティは、別々に索引が付けられて、地図データベースに格納され、ソフトウェア・アプリケーションで使用されることになる。まったく同じローカリティを明確化する目的ではないにしても、利用者が容易に使用できるように、近くの重要な都市をローカリティに付加する必要もある。ローカリティが、ローカリティを識別する2つ以上の類似名称を持つ場合には、この地図データベースの索引サイズを小さくするために、ローカリティが同一のエントリー(項目/見出し)を表す場合に限り、これらのローカリティを、この地図データベース中で、ただ1つのエントリー(項目/見出し)に短縮する方法が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
一般的に述べると、本発明は、電子地図および電子地図データベースに使用するために、州または関心のある他の主要地理的単位内で、まったく同じであるが、離れているローカリティを区別する方法およびシステムを提示している。本発明は、地図データベースを使用するシステム、装置、ソフトウェアの利用者に見分けられるべきさらに大きい近くの都市の名称を、類似名称を持つローカリティに付加している。一実施形態では、互いに離れているローカリティを表すまったく同じローカリティ名は、索引が付けられて、地図データベースに格納される。まったく同じローカリティをチェックして、それぞれのローカリティに含まれる地理アイテムを調べ、共通の地理アイテムがまったくないことを保証することで、これらのローカリティが重なり合わず、また隣り合ってもいないことを保証する。類似するが、ただし、まったく同じではない名称を持つローカリティは、索引が付けられて、これらの類似名称のトークン化(tokenizing)、正規化、最適化、マッチングを含め、1つまたは複数の技法を用いて、ただ1つのエントリー(項目/見出し)として、地図データベースに格納されることになる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施形態により、第1の付加無しの(unadorned)まったく同じローカリティでは、このプロセスは、第1の付加無しのまったく同じローカリティにもっとも近い第2の付加無しのまったく同じローカリティを選択する。第1の付加無しのまったく同じローカリティから第2の付加無しのまったく同じローカリティまでの距離よりも、第1の付加無しのまったく同じローカリティ、および第2の付加無しのまったく同じローカリティへの距離の方がそれぞれ短い第1の重要なローカリティと第2の重要なローカリティが選択される。第1の重要なローカリティと第2の重要なローカリティはまた、第1の付加無しのまったく同じローカリティと第2の付加無しのまったく同じローカリティの双方よりも重要である。本発明の実施形態により、これらの重要なローカリティは都市である。本発明の実施形態により、第1の付加無しのまったく同じローカリティと第2の付加無しのまったく同じローカリティにそれぞれ、第1の重要なローカリティと第2の重要なローカリティを付加して、利用者に表示する。このプロセスは、残りの付加無しのまったく同じローカリティの対に対して繰り返される。まったく同じローカリティに対する付加物(装飾)(adornment)も、索引が付けられて、地図データベースに格納される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は、関心のある仮想主要地理的単位110内の2つのまったく同じであるが、離れているローカリティ(N1とN2)、並びに、ローカリティN1とローカリティN2にそれぞれ付加される模範的な近くの重要なローカリティ(AN1とAN2)の一例を示している。この付加プロセスは、他の図の下記説明において、さらに詳しく述べられる。
【0013】
図2は、関心のある地理的単位内で、一対のまったく同じローカリティ(N1とN2)に対して、それぞれ付加物(AN1とAN2)を選択するのにかかわるルールの一実施形態を示している。N1とN2に対して、付加物を決定する多くのアルゴリズムが可能である。AN1とAN2は両方とも、N1およびN2と同一の関心のある地理的単位内にある。本発明の実施形態は、近くの大都市または他の重要なローカリティのさらに役立つ名称を、ローカリティに付加している。図2に示されるように、関数d[]は、2つのローカリティ間の距離を戻し、また、関数p[]は、ローカリティ名の重要度を決定する。本発明の実施形態により、以下のルールのそれぞれの値が真になる場合にのみ、N1に対する付加物AN1とN2に対する付加物AN2は、有効な付加物である。
・Rule 1.AN1!=AN2。名称AN1は、名称AN2とまったく同じであってはならない。
・Rule 2.d[N1,N2]>d[N1,AN1]。N1からN2までの距離は、N1からAN1までの距離よりも長くなければならない。
・Rule 3.d[N1,N2]>d[N2,AN2]。N1からN2までの距離は、N2からAN2までの距離よりも長くなければならない。
・Rule 4.d[AN1,AN2]>d[N1,AN1]。AN1からAN2までの距離は、N1からAN1までの距離よりも長くなければならない。
・Rule 5.d[AN1,AN2]>d[N2,AN2]。AN1からAN2までの距離は、N2からAN2までの距離よりも長くなければならない。
・Rule 6.d[N1,AN2]>d[N1,AN1]。N1からAN2までの距離は、N1からAN1までの距離よりも長くなければならない。
・Rule 7.d[N2,AN1]>d[N2,AN2]。N2からAN1までの距離は、N2からAN2までの距離よりも長くなければならない。
・Rule 8.p[AN1]>p[N1]。AN1は、N1よりも重要なローカリティでなければならない。
・Rule 9.p[AN2]>p[N2]。AN2は、N2よりも重要なローカリティでなければならない。
【0014】
本発明の実施形態により、2つのローカリティ、例えばN1とAN1が近いことを決定するために、様々な技法がある。本発明の一実施形態では、都市中心地間の距離が決定される。他の実施形態では、2つのローカリティのぞれぞれの中でどの地理アイテムが互いにもっとも近いかが決定され、次に、これら2つの地理アイテムの距離が決定される。地理アイテムの例は、ストリート、ストリート・セグメント、ランドマーク、州立公園、ハイウェイ、事業位置、住宅位置である。
【0015】
本発明の実施形態により、さらに重要なローカリティは、利用者に見分けられる可能性がもっとも高いものである。一実施形態では、重要度は、ローカリティ名を見出せるローカリティ名情報源の数として定義される。これらのローカリティ名情報源のいくつかの例として、1)「Federal Information Processing Standards55(連邦情報処理基準55)(FIP5S55)」、2)「United States Postal Service(USPS) City Place Names(米国郵政公社都市地名)」、3)「Points of Interests(POIs) for City Centers(都市中心地向けの関心地点)」、4)「POIs for USPS Post Offices(USPS郵便局用のPOI)」、5)「County Subdivisions in TIGER(TIGERでの郡再分割)」、6)TIGERへの併合地、7)「United States Geological Survey(USGS) Geographic Names Information System(GNIS)(米国地質調査の地理名称情報システム)」、8)「USPS City State File(USPS都市・州ファイル)」内に郵便オプションとして列挙された「USPS City Place Names(USPS都市地名)」がある。別の実施形態では、重要度は、ローカリティ内の地理アイテム(例えば、ストリート・セグメント)の数として定義される。別の実施形態では、ローカリティの重要度は、ローカリティ名を見出せるローカリティ名情報源の数に基づく一次的な種類により、また必要である場合には、このローカリティ内にある地理アイテムの数に基づく二次的な種類により、決定される。別法として、重要度は、このローカリティ内にある地理アイテムの数ではなく、このローカリティ内にある主要地理アイテムの数として定義される。主要地理アイテムの一例として、重要なハイウェイがある。
【0016】
本発明の実施形態により、これらの重要なローカリティは都市である。したがって、図2のRule8により、AN1の付加ローカリティは、ローカリティN1よりも重要であるべきである。重要なローカリティの名称を付加する一利点は、これらの付加物がどこにあるのか利用者が知らなくても、道路地図上で、これらの付加物が容易に見出されることである。その一方、郡の位置は、利用者の地元地域以外では、広く知られていない。したがって、多くの場合に、郡名は、道路地図上ですぐに見出されるものではない。別の実施形態では、さらに重要なローカリティの名称が、最適な付加物を形作るとはいえ、重要度がそれ以下のローカリティ名も使用できる。別の実施形態では、付加物に対して、ランドマーク名など、他の地理的フィーチャーの名称も使用できる。
【0017】
図3は、関心のある主要地理的単位に対して、まったく同じローカリティの対を処理するプロセスの流れ図の一実施形態を示している。本発明の実施形態により、このような付加は自動的に実行される。ステップ310において、このプロセスが開始し、また、ステップ315において、利用者が、地図上に表示されるローカリティを選択する。別法として、例えば、利用者が運転方向を要求する場合には、このローカリティは、開始ローカリティか、終了ローカリティのいずれかであることもある。
【0018】
ステップ315において、一実施形態では、利用者に問い合わせるタイプのソフトウェア・アプリケーションは、ドリルダウン・アプリケーションである。このタイプのアプリケーションは、まず最初に関心のある主要地理的単位、例えば州を入力するように利用者に要求する。次に、このアプリケーションは、関心のある主要地理的単位内にあるローカリティ、例えば都市を入力するように利用者に要求する。次に、このアプリケーションは、このローカリティ内のストリートの名称を入力するように利用者に要求する。最後に、このアプリケーションは、そのストリート・ナンバーを入力するように利用者に要求する。利用者が、曖昧でないローカリティを入力すると、たいていの場合、これらの問合せから、このローカリティが指定される。したがって、図3では、ステップ320において、利用者が入力したローカリティが、関心のある主要地理的エリアに対して、まったく同じものを持たない場合には、このプロセスは、ステップ365において、そのローカリティを利用者に表示し、ステップ370において、このプロセスが終了する。図3のステップ320において、関心のある主要地理的単位に対して、まったく同じローカリティが存在する場合には、このプロセスはステップ325に進む。
【0019】
ステップ315において、別の実施形態では、このソフトウェア・アプリケーションは、ドリルダウン・アプリケーションではなく、代りに、ストリート・ナンバーとストリート、ローカリティ、および関心のある主要地理的単位について同時に利用者に問い合わせる。たいていの場合、この問合せから、曖昧でないローカリティが指定される。したがって、図3では、ステップ320において、利用者が入力したローカリティが、関心のある主要地理的エリアに対して、まったく同じものを持たない場合には、このプロセスは、ステップ365において、そのローカリティを利用者に表示し、ステップ370において、このプロセスが終了する。本出願のこの実施形態において、利用者が例えば「Main Street」というストリート名を入力する場合には、まったく同じローカリティでも、それが「Main Street」という名のストリートも持つ場合にのみ、見出されることになる。図3では、図3のステップ320において、関心のある地理的単位に対して、まったく同じローカリティが存在する場合には、このプロセスはステップ325に進む。
【0020】
ステップ325において、この時点での一組のまったく同じローカリティはすべて、他のローカリティによる付加は無い。したがって、まったく同じローカリティの組の中に、別の付加無しのローカリティが存在する場合には、このプロセスは、ステップ330に進む。ステップ330において、この組の中の付加無しのローカリティの1つを選択して、それをN1と称する。ステップ335において、まったく同じローカリティの組の中に、別の付加無しのローカリティが存在する場合には、ステップ340において、この組の中でN1にもっとも近い付加無しのローカリティを選択して、それをN2と称する。ステップ345において、このプロセスは図4につながって、そこで、N1とN2に対して、付加物AN1と付加物AN2を見出す。
【0021】
図4は、関心のある主要地理的単位内で、まったく同じローカリティ(N1とN2)に対して付加ローカリティ(AN1とAN2)を選択する図3のサブプロセス345の流れ図の一実施形態を示している。ステップ410において、このサブプロセスが開始し、ステップ415において、N1からN2までの距離よりもN1への距離の方が短い実証されていない付加ローカリティAN1(すなわち、d[N1,N2]>d[AN1,N1]の場合)がこれ以上存在するかどうか判定する。ステップ415において、このような実証されていない付加ローカリティAN1が存在する場合には、ステップ420において、このサブプロセスは、N1に次にもっとも近い重要なローカリティ(AN1と称される)を見出す。ステップ430において、このサブシステムは、図5につながって、AN1が、N1に対して潜在的な付加物であるかどうか判定する。
【0022】
図5は、第1の付加ローカリティ候補AN1が第1のまったく同じローカリティN1に対して潜在的な付加物であるかどうかを判定する図4のサブプロセス430の流れ図の一実施形態を示す。ステップ510において、このサブプロセスが開始する。ステップ520において、図2からRule8を選べば、AN1がN1よりも重要なローカリティである場合を意味するp[AN1]>p[N1]の場合に、このサブプロセスは、ステップ530に進む。ステップ520において、AN1がN1よりも重要なローカリティでない場合には、ステップ550において、このサブプロセスは、「no(いいえ)」すなわち失敗を図4に戻す。ステップ530において、図2からRule2を選べば、N1からN2までの距離が、N1からAN1までの距離よりも長い場合を意味するd[N1,N2]>d[N1,AN1]の場合に、ステップ540において、このサブプロセスは、「yes(はい)」すなわち成功を図4に戻す。
【0023】
図4のステップ430において、AN1がN1に対して潜在的な付加物でない場合には、このサブプロセスは、ステップ415に戻り、そこで、このサブプロセスは、N1からN2までの距離よりもN1への距離の方が短い実証されていない付加ローカリティAN1(すなわち、d[N1,N2]>d[AN1,N1]の場合)がこれ以上存在するかどうか判定する。ステップ415において、N1からN2までの距離よりもN1への距離の方が短い実証されていない付加ローカリティAN1がもう存在しないと、このサブプロセスで判定された場合には、ステップ465において、人間による地図の検査を通じて、N1に対する付加物AN1と、N2に対する付加物AN2を手動で決定する。ステップ470において、N1にはAN1を付加し、またN2にはAN2を付加する。次に、ステップ480において、このサブプロセスは、図3に戻る。
【0024】
ステップ430において、AN1がN1に対して潜在的な付加物である場合には、ステップ435において、このサブプロセスは、N1からN2までの距離よりもN2への距離の方が短い実証されていない付加ローカリティAN2(すなわち、d[N1,N2]>d[AN2,N2]の場合)がこれ以上存在するかどうか判定する。ステップ435において、このような実証されていない付加ローカリティAN1が存在する場合には、ステップ440において、このサブプロセスは、N2に次にもっとも近いローカリティ(AN2と称される)を見出す。ステップ450において、このサブシステムは、図6につながって、AN2が、N2に対して潜在的な付加物であるかどうか判定する。
【0025】
図6は、第2の付加ローカリティAN2が第2のまったく同じローカリティN2に対して潜在的な付加物であるかどうかを判定する図4のサブプロセス450の流れ図の一実施形態を示している。ステップ610において、このサブプロセスが開始する。ステップ680において、図6中の判断のどれかが「いいえ」に該当する場合には、このプロセスは、「いいえ」すなわち失敗を図4に戻す。ステップ620において、図2からRule9を使用すれば、AN2がN2よりも重要なローカリティである場合を意味するp[AN2]>p[N2]の場合に、このサブプロセスは、ステップ630に進む。ステップ630において、図2からRule3を使用すれば、N1からN2までの距離が、N2からAN2までの距離よりも長い場合を意味するd[N1,N2]>d[N2,AN2]の場合に、このサブプロセスは、ステップ640に進む。ステップ640において、図2からRule1を使用すれば、名称AN1が、名称AN2とまったく同じではない場合を意味するAN1!=AN2の場合に、このサブプロセスは、ステップ650に進む。ステップ650において、図2からRule5を使用すれば、AN1からAN2までの距離が、N2からAN2までの距離よりも長い場合を意味するd[AN1,AN2]>d[N2,AN2]の場合に、このサブプロセスは、ステップ660に進む。ステップ660において、図2からRule6を使用すれば、N1からAN2までの距離が、N1からAN1までの距離よりも長い場合を意味するd[N1,AN2]>d[N1,AN1]の場合に、このサブプロセスは、「はい」すなわち成功を図4に戻す。
【0026】
図4のステップ450において、AN2がN2に対して潜在的な付加物でない場合には、このサブプロセスは、ステップ435に戻り、そこで、このサブプロセスは、N1からN2までの距離よりもN2への距離の方が短い実証されていない付加ローカリティAN2(すなわち、d[N1,N2]>d[AN2,N2]の場合)がこれ以上存在するどうか判定する。ステップ435において、N1からN2までの距離よりもN2への距離の方が短い実証されていない付加ローカリティAN2がもう存在しないと、このプロセスで判定された場合には、ステップ465において、人間による地図の検査を通じて、N1に対する付加物AN1と、N2に対する付加物AN2を手動で決定する。ステップ470において、N1にはAN1を付加し、またN2にはAN2を付加する。次に、ステップ480において、このサブプロセスは、図3に戻る。
【0027】
ステップ450において、AN2がN2に対して潜在的な付加物である場合には、ステップ460において、このサブプロセスは、図7につながって、AN1とAN2が両方とも、うまくいく付加物であるかどうか判定する。
【0028】
図7は、AN1とAN2が両方とも、N1とN2に対して、うまくいく付加物であるかどうかを判定する図4のサブプロセス460の流れ図の一実施形態を示している。ステップ710において、このサブプロセスが開始する。ステップ720において、図2からRule4を使用すれば、AN1からAN2までの距離が、N1からAN1までの距離よりも長い場合を意味するd[AN1,AN2]>d[N1,AN1]の場合に、このサブプロセスは、ステップ730に進む。ステップ720において、AN1からAN2までの距離が、N1からAN1までの距離よりも長くない場合には、ステップ750において、このサブプロセスは、「いいえ」すなわち失敗を図4に戻す。ステップ730において、図2からRule7を使用すれば、N2からAN1までの距離が、N2からAN2までの距離よりも長い場合を意味するd[N2,AN1]>d[N2,AN2]の場合に、ステップ740において、このサブプロセスは、「はい」すなわち成功を図4に戻す。ステップ730において、N2からAN1までの距離が、N2からAN2までの距離よりも長くない場合には、ステップ750において、このサブプロセスは、「いいえ」すなわち失敗を図4に戻す。
【0029】
図4のステップ460において、AN1とAN2が、うまくいく付加物であると判定されない場合には、このサブプロセスは、ステップ415に戻って、再処理して、N1とN2の双方に対して潜在的な付加物を選択する。ステップ460において、AN1とAN2が、うまくいく付加物であると判定される場合には、ステップ470において、N1にはAN1を付加し、またN2にはAN2を付加する。次に、ステップ480において、このサブプロセスは、図3に戻る。
【0030】
図3のステップ345に戻り、このプロセスは、ステップ325において、まったく同じローカリティの組の中の別の付加無しのローカリティに、付加する必要があるかどうか判定する。ステップ325において、まったく同じローカリティの組の中に、付加無しのローカリティがない場合には、ステップ355において、このプロセスは次に、使用者に対して、まったく同じローカリティとそれらの付加物を表示する。Washington(New Jersey州)に関する模範的な一対のまったく同じローカリティでは、これら2つのローカリティには、近くのさらに大きい都市、すなわちEastonとHammonton(New Jersey州)の名称がそれぞれ付加されることになる。図9は、グラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)920を持つディスプレイ装置918を含むコンピューティング装置910を示している。ステップ355において、例えば、Washington(New Jersey州)では、Washington(Easton)、NJと、Washington(Hammonton)、NJが、図9のGUI920に表示される。この例では、これらの付加物が、括弧に入れて提示されているが、ただし、コンマを利用して、それぞれのまったく同じローカリティを、そのローカリティのそれぞれの付加物と区別することなどして、他の方法で提示することもできる。ステップ360において、利用者は、これらのまったく同じローカリティの1つを選択する。ステップ365において、このローカリティを利用者に表示する。次に、ステップ370において、このプロセスが終了する。
【0031】
ステップ335において、このプロセス中のこの時点で、まったく同じローカリティの組に、第2の付加無しのローカリティが存在しない場合には、付加無しのローカリティがただ1つ存在し、その最後の付加無しのローカリティをステップ350において処理する。ステップ350において、このプロセスは図8につながって、そこで、N1に対して、付加物AN1を見出す。
【0032】
図8は、まったく同じローカリティN1に対して潜在的な付加物AN1を決定する図3のサブプロセス350の流れ図の一実施形態を示している。ステップ810において、このサブプロセスが開始する。ステップ820において、N1に次にもっとも近いローカリティ(AN1と称される)を見出す。ステップ830において、図2からRule8を選べば、AN1がN1よりも重要なローカリティである場合を意味するp[AN1]>p[N1]の場合に、このサブプロセスは、ステップ840に進む。ステップ830において、AN1がN1よりも重要なローカリティでない場合には、このサブプロセスは、ステップ820に戻る。ステップ840において、図2からRule2を選べば、N1からN2までの距離が、N1からAN1までの距離よりも長い場合を意味するd[N1,N2]>d[N1,AN1]の場合に、ステップ850において、このプロセスは、図3に戻る。ステップ840において、N1からN2までの距離が、N1からAN1までの距離よりも長くない場合には、このサブプロセスは、ステップ820に戻る。
【0033】
図3に戻ると、ステップ355において、このプロセスは、これらのまったく同じローカリティと、それらの付加物を利用者に表示する。上述のWashington(New Jersey州)に関する模範的な一対のまったく同じローカリティを用いて、これら2つのローカリティに、近くのさらに大きい都市、すなわちEastonとHammonton(New Jersey州)の名称がそれぞれ付加されることになる。図9は、グラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)920を持つディスプレイ装置918を含むコンピューティング装置910を示している。ステップ355において、例えば、Washington、NJでは、Washington(Easton)、NJと、Washington(Hammonton)、NJが、図9のGUI920に表示される。この例では、これらの付加物が、括弧に入れて提示されているが、ただし、コンマを利用して、それぞれのまったく同じローカリティを、そのローカリティのそれぞれの付加物と区別することなどして、他の方法で提示することもできる。ステップ360において、利用者は、これらのまったく同じローカリティの1つを選択する。ステップ365において、このローカリティを利用者に表示する。次に、ステップ370において、このプロセスが終了する。
【0034】
本発明の実施形態は、1つまたは複数のステップを自動的に実行する。この自動的な機能は、適切なソフトウェアを用いて果たされる。本発明の自動的な機能から、効率の大幅な向上がもたらされる。
【0035】
この付加プロセス(adornment process)は、所与のローカリティの言語、地理などに関係なく、国際的に適用できる。
【0036】
本発明の一実施形態において、まったく同じローカリティを明確化する目的でないにしても、利用者に表示して、利用者が容易に使用できるように、近くの重要な都市をローカリティに付加することがある。一例として、East Village(New York州)に、Manhattanという近くの重要な都市を付加できることである。したがって、利用者の都合がいいように、East Village(Manhattan)、NYが利用者に表示されることになる。
【0037】
地図データベースに関しては、ローカリティ名のリストに索引が付けられて、そのリストを、関心のあるそれぞれの主要地理的単位、例えば、本発明の実施形態においてアメリカ合衆国内の各州の地図データベースに格納する。
【0038】
まったく同じであるが、離れているローカリティに索引が付けられて、それらのローカリティを、一実施形態において別々のローカリティとして地図データベースに格納することになる。本発明の実施形態により、それぞれのローカリティに含まれる地理アイテムを調べ、共通の地理アイテムがまったくないことを保証することで、まったく同じローカリティ名が重なり合わず、また隣り合ってもいないことを検証する。
【0039】
上で図2〜図8について説明される通り、まったく同じローカリティに対する付加物に索引が付けられて、それらのローカリティを、本発明の他の実施形態において、地図データベースに格納することになる。
【0040】
他の実施形態において、ローカリティが2つ以上の類似名称を持つ場合に、そのローカリティ用のデータベースエントリー(項目/見出し)が短縮されることになる。これらの類似ローカリティ名は、行政、郵便、口語表現の名称であることもある。上の説明から、例えば、Ho−Ho−Kus(New Jersey州)を使用すると、この都市は、様々なローカリティ名情報源に、以下のように記載される。
・「TIGER Record Type C」では、Ho−Ho−Kus
・「USPS City State」では、HO HO KUS
・「POI Center of Settlement」では、HO−HO−KUS
・「FIPS55−3」では、Ho−Ho−Kus(Hohokus)
・「GNIS」では、Ho−Ho−Kus
【0041】
このローカリティに対するまったく同じ名称を除去するために、2つ以上の類似名称のトークン化(tokenizing)、正規化、最適化、マッチングの工程を実施すれば、これらの類似名称に対する地図データベースエントリー(項目/見出し)を短縮できる。
【0042】
例えば、Ho−Ho−Kus(New Jersey州)から、2つの類似名称を処理する(例えば、トークン化する)ことで、一般に、これらの異なる名称が、ピース(要素、piece)、すなわち約10以下のピースに細かく分けられる。例えば、
・主要部はHo−Ho−Kusで、接尾部はTwnshp
・主要部はHo Ho Kusで、接尾部はTownship
【0043】
正規化処理は、一般に、省略形を広げ、句読点を減らし、挿入されたスペースを除去し、大文字使用を標準的にし、それにより、以下の結果がもたらされる。
・主要部はHOHOKUSで、接尾部はTOWNSHIP
・主要部はHOHOKUSで、接尾部はTOWNSHIP
【0044】
最適化処理は、一般に、それぞれの類似名称を、ストリート、ストリート・セグメント、ランドマーク、州立公園、ハイウェイ、事業位置、住宅位置など、このローカリティに含まれる地理的フィーチャーに関連づける。例えば、Ho−Ho−Kus(New Jersey州)では、最適化処理により、Ho−Ho−Kusに対しても、HO HO KUSに対しても、同一の地理的フィーチャーが見出されることになる。
【0045】
マッチング処理は、これらのトークンを連結し、かつトークンを比較して、これらのトークンが一致するものと見なせるかどうか判定する。例えば、Ho−Ho−Kus(New Jersey州)では、それぞれの名称に対して互いに連結されたトークンは、両方とも「HOHOKUS TOWNSHIP」であり、したがって、一致するものである。この一対の類似名称は、同一のローカリティを表しており、また、これらの類似名称には索引が付けられて、これらの類似名称を、1つのエントリー(項目/見出し)として地図データベースに格納することになる。多くの類似名称のエントリー(項目/見出し)を持つ地図データベースでは、この技法により、この地図データベースで必要とされるスペースと索引付けの量が大幅に減らされることになる。
【0046】
図9は、本発明の実施形態に使用できる模範的なシステム900のブロック図を示している。この図は、構成要素を論理的に別々なものとして描いているが、そのような描写は、単に例示目的にすぎない。当業者であれば、この図に描かれた構成要素を組み合わせるか、あるいは、別々のソフトウェア、ファームウェア、および/またはハードウェア・コンポーネントに分けられることが明らかになろう。さらに、このような構成要素をどのように組み合わせるか、あるいは分けるかに関係なく、それらの構成要素が、同一のコンピューティング装置/システム上で実行できるか、あるいは、1つまたは複数のネットワークもしくは他の適切な通信手段により接続された異なるコンピューティング装置/システムに、それらの構成要素を割り当てられることも当業者には明らかになろう。
【0047】
図9に示されるように、システム900は、一般に、1つまたは複数のメモリ912、1つまたは複数のプロセッサ914、および、1つまたは複数のある種の記憶装置またはリポジトリ916を含むことのあるコンピューティング装置910を含んでいる。システム900はさらに、ディスプレイ装置918も含むことがあり、ディスプレイ装置918上ではグラフィカル・ユーザー・インターフェースすなわちGUI920が動作して、このシステムが、地図および他の情報を利用者に表示できるようにしている。利用者は、このコンピューティング装置を利用して、例えば、ローカリティを地図上に表示するか、あるいは、運転方向を、地図上のルートとして、および/またはテキスト方向として表示するように求める。GUI920は、Washington(New Jersey州)に関する一対のまったく同じローカリティと、それらの付加物、すなわちEastonとHammontonの一例を表示している。利用者は、これらのまったく同じローカリティの1つを選択して、それらを、GUI920に表示することになる。
【0048】
地図データベース930は、コンピューティング装置またはシステム910の外部記憶装置として示されているが、ただし、地図データベース930は、ときには、記憶装置916と同じ記憶装置であることもある。本発明の実施形態により、地図データベース930は、ローカリティ名のリスト932を含み、そのリストから、互いに離れているローカリティを表す一組のまったく同じローカリティ名934が生み出される。まったく同じローカリティ名934には索引が付けられて、それらのローカリティ名を地図データベース930に格納する。ローカリティ名のリスト932から、それぞれのローカリティが、ローカリティを識別する1つまたは複数の類似名称を持つ場合に、データベースエントリー(項目/見出し)を、地図データベース930の中で、ただ1つのローカリティ用のエントリー(項目/見出し)936に短縮することになる。付加物938、すなわち、まったく同じローカリティ名934の近くの重要な都市の名称には、索引が付けられて、それらの名称を、地図データベース930に格納することになる。
【0049】
プロプライエタリ(メーカー独自仕様)地図データベース作成ソフトウェア940は、実世界のローカリティ情報源と定義960を利用して、それぞれのローカリティが類似名称を持つ場合に、短縮されたデータベースエントリー(項目/見出し)936だけでなく、ローカリティ名のリスト932、まったく同じローカリティ名934、および付加物938も作成することになる。実世界のローカリティ情報源および定義の例は、上で図2の説明に述べられている。地図データベース930からの情報は、最後にコンピューティング装置910の利用者が利用する地図データベース・アプリケーション・コンバータ(map database-to-application converter)とデバイス・アプリケーション・ソフトウェア(device application software)950で使用される。地図データベース・アプリケーション・コンバータとデバイス・アプリケーション・ソフトウェア950は、利用者のコンピューティング装置910にはリモートとして図示されているが、ただし、利用者のコンピューティング装置910上にあることもある。
【0050】
ソフトウェア分野における当業者に明らかとなるように、熟練プログラマであれば、本開示内容の教示に基づいて、適切なソフトウェア・プログラムを容易に作成することができる。本発明の実施形態はまた、当業者には容易に明らかとなるように、特定用途向け集積回路を用意することにより、あるいは、従来の構成回路から成る適切な回路網を相互接続することにより、実施されることがある。
【0051】
本発明の実施形態は、本発明の実施形態のプロセスをどれでも実行するように、コンピュータをプログラムするのに用いられる命令が格納されている記憶媒体(1つまたは複数)であるコンピュータ・プログラム製品を含む。この記憶媒体は、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、DVD、CD−ROM、超小型ハードディスク、および光磁気ディスクを含む任意タイプのディスク、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、DRAM、VRAM、フラッシュメモリ・デバイス、磁気式または光学式のカード、ナノシステム(分子メモリICを含む)、あるいは、命令および/またはデータの格納に適した任意タイプの媒体またはデバイスを含む(ただし、それらには限定されない)こともある。
【0052】
本発明の実施形態は、上記のコンピュータ読取り可能媒体(1つまたは複数)のどれか1つに格納されるものとして、汎用型/専用型のコンピュータまたはマイクロプロセッサのハードウェアを制御するソフトウェアと、このコンピュータまたはマイクロプロセッサが、本発明の実施形態の結果を利用して、人間の利用者または他の機構と対話できるようにするソフトウェアを両方とも含む。このようなソフトウェアは、デバイス・ドライバ、オペレーティングシステム、ユーザー・アプリケーションを含む(ただし、それらには限定されない)ことがある。最後に、このようなコンピュータ読取り可能媒体はさらに、上述の通り、本発明の実施形態を実行するソフトウェアも含む。
【0053】
上記の汎用型/専用型のコンピュータまたはマイクロプロセッサのプログラムすなわちソフトウェアに含まれているものは、本発明の教示を実施するソフトウェア・モジュールである。本発明の実施形態は、コンピュータ分野における当業者に明らかとなるように、本開示内容の教示によりプログラムされた従来の汎用型または専用型のデジタル・コンピュータまたはマイクロプロセッサを利用して、都合よく実施されることがある。
【0054】
本発明の上の説明は、図示と説明の目的で与えられてきた。この説明は、すべてを尽くすつもりはないし、また、本発明の実施形態を、開示されている通りの形態に限定するつもりもない。多くの変更例や変形例が、当事者には明らかになろう。これらの実施形態は、本発明の原理、および本発明の実地応用をもっともよく説明するために、選択され、述べられ、それにより、他の当業者が、本発明を様々な実施形態に関して理解することができ、また、特定の用途に適した様々な変更が考えられた。本発明の範囲は、併記の特許請求の範囲、および、それらと同等なものにより定義されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】関心のある仮想主要地理的単位内の2つのまったく同じであるが、離れているローカリティ(N1とN2)、並びに、ローカリティN1とローカリティN2にそれぞれ付加される模範的な近くの重要なローカリティ(AN1とAN2)の一例を示す図である。
【図2】関心のある主要地理的単位内で、一対のまったく同じローカリティ(N1とN2)に対して、それぞれ付加物(AN1とAN2)を選択するのにかかわるルールの一実施形態を示す図である。
【図3】関心のある主要地理的単位に対して、まったく同じローカリティの対を処理するプロセスの流れ図の一実施形態を示す図である。
【図4】関心のある主要地理的単位内で、まったく同じローカリティ(N1とN2)に対して付加ローカリティ(AN1とAN2)を選択する図3のサブプロセス345の流れ図の一実施形態を示す図である。
【図5】第1の付加ローカリティ候補AN1が第1のまったく同じローカリティN1に対して潜在的な付加物であるかどうかを判定する図4のサブプロセス430の流れ図の一実施形態を示す図である。
【図6】第2の付加ローカリティAN2が第2のまったく同じローカリティN2に対して潜在的な付加物であるかどうかを判定する図4のサブプロセス450の流れ図の一実施形態を示す図である。
【図7】AN1とAN2が両方とも、N1とN2に対して、うまくいく付加物であるかどうかを判定する図4のサブプロセス460の流れ図の一実施形態を示す。
【図8】まったく同じローカリティN1に対して潜在的な付加物AN1を決定する図3のサブプロセス350の流れ図の一実施形態を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に使用できる模範的なシステム900のブロック図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローカリティ名のリストと、まったく同じローカリティ名のリストの中の1つと、
前記ローカリティ名のリストと前記まったく同じローカリティ名のリストの中の1つから生み出された、まったく同じローカリティ名のそれぞれに対する付加物と、を含み、
それぞれの付加物が、前記まったく同じローカリティ名の対応する1つに近い重要なローカリティである、
記憶媒体上に格納できる地図データベース。
【請求項2】
前記まったく同じローカリティ名が、共通の地理アイテムを有しない、
請求項1に記載の地図データベース。
【請求項3】
前記地理アイテムが、ストリート、ストリート・セグメント、ランドマーク、州立公園、ハイウェイ、事業位置、住宅位置のうちの1つを含む、
請求項2に記載の地図データベース。
【請求項4】
ローカリティ名のリストと、
前記ローカリティ名のリストから生み出されたローカリティと互いに離れている、まったく同じものの組それぞれに対する一組のまったく同じローカリティ名のエントリーと、
を含む記憶媒体上に格納できる地図データベース。
【請求項5】
前記まったく同じローカリティ名が、共通の地理アイテムを有しない、
請求項4に記載の地図データベース。
【請求項6】
前記地理アイテムが、ストリート、ストリート・セグメント、ランドマーク、州立公園、ハイウェイ、事業位置、住宅位置のうちの1つを含む、
請求項5に記載の地図データベース。
【請求項7】
ローカリティ名のリストと、
前記ローカリティ名のリストから生み出された2つ以上の類似名称を持つそれぞれのローカリティに対する短縮されたローカリティ名のエントリーと、
を含む記憶媒体上に格納できる地図データベース。
【請求項8】
関心のある主要地理的単位内で、まったく同じであるが、離れているローカリティを区別する方法であって、
第1の付加無しのまったく同じローカリティを指定するステップと、
前記第1の付加無しのまったく同じローカリティにもっとも近い第2の付加無しのまったく同じローカリティを決定するステップと、
前記第1の付加無しのまったく同じローカリティから前記第2の付加無しのまったく同じローカリティまでの距離よりも、前記第1の付加無しのまったく同じローカリティ、および前記第2の付加無しのまったく同じローカリティへの距離の方がそれぞれ短い第1と第2の重要なローカリティを識別するステップであって、前記重要なローカリティが、前記第1の付加無しのまったく同じローカリティと前記第2の付加無しのまったく同じローカリティの双方よりもより重要である、ステップと、
前記第1と第2の付加無しのまったく同じローカリティに、それぞれ前記第1と第2の重要なローカリティを付加するステップと、
を含む方法。
【請求項9】
付加無しのまったく同じローカリティが残らなくなるまで、残りの付加無しのまったく同じローカリティの対に対して、前記指定するステップ、前記決定するステップ、前記識別するステップ、前記付加するステップを繰り返すステップ、
を更に含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ローカリティが都市と街を含む請求項8に記載の方法。
【請求項11】
近さが、2つのローカリティの中心地間の距離と、前記2つのローカリティに関連するストリート・セグメント間の距離と、のいずれかとして定義される、
請求項8に記載の方法。
【請求項12】
互いにもっとも近い2つのローカリティのそれぞれの中に前記地理アイテムを決定し、次に、前記2つの地理アイテム間の距離を決定することにより、近さが算出される、
請求項8に記載の方法。
【請求項13】
もっとも重要なローカリティが、もっとも多い異なるローカリティ名情報源に見出せるローカリティ名を持つものと、もっとも多い地理アイテムを持つローカリティのいずれかを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記地理アイテムが、ストリート、ストリート・セグメント、ランドマーク、州立公園、ハイウェイ、事業位置、住宅位置のうちの1つを含む、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
もっとも重要なローカリティが、もっとも多い異なるローカリティ名情報源に見出せるものに対する一次的な種類のローカリティ名と、また必要である場合には、前記ローカリティ名に対応するもっとも多いストリート・セグメントを持つものに対する二次的な種類のローカリティを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項16】
もっとも重要なローカリティが、もっとも多い主要地理アイテムを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項17】
主要地理アイテムが、重要なハイウェイを含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記関心のある主要地理的単位が、州、準州、地方、行政区のうちの1つを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項19】
前記関心のある主要地理的単位が州であって、かつ、前記方法がアメリカ合衆国内で実施される、
請求項8に記載の方法。
【請求項20】
前記関心のある主要地理的単位が州であって、かつ、前記方法がカナダ国内で実施される、
請求項8に記載の方法。
【請求項21】
前記関心のある主要地理的単位が国であって、かつ、前記方法がイギリス国内で実施される請求項8に記載の方法。
【請求項22】
前記第1と第2の付加無しのまったく同じローカリティとおよび前記第1と第2の重要なローカリティが、前記関心のある主要地理的単位内にある、
請求項8に記載の方法。
【請求項23】
関心のある主要地理的単位内でローカリティに付加する方法であって、
付加無しのローカリティを指定するステップと、
前記付加無しのローカリティのすぐ近くにあると同時に、前記付加無しのローカリティよりも重要である重要なローカリティを識別するステップと、
前記付加無しのローカリティに重要なローカリティを付加するステップと、
を含む方法。
【請求項24】
前記付加無しのローカリティと、前記重要なローカリティが、前記関心のある主要地理的単位内にある請求項23に記載の方法。
【請求項25】
ローカリティが2つ以上の類似名称を持つ場合に、地図データベース中でローカリティ名のエントリーを短縮する方法であって、
それぞれの類似名称をトークン化するステップと、
それぞれの類似名称を正規化するステップと、
それぞれの類似名称を最適化するステップと、
ローカリティに対する類似名称を排除するために、前記2つ以上の類似名称をマッチングするステップと、
を含む方法。
【請求項26】
トークン化することが、前記名称を、トークンまたは前記名称のピースに細かく分けることを含む請求項25に記載の方法。
【請求項27】
正規化することが、省略形を広げること、句読点を減らすこと、挿入されたスペースを除去すること、および大文字使用を標準的にすることを含む請求項25に記載の地図データベース。
【請求項28】
最適化することが、それぞれの類似名称を、前記ローカリティに含まれる地理的フィーチャーに関連づけることを含み、しかも、前記地理的フィーチャーが、ストリート、ストリート・セグメント、ランドマーク、州立公園、ハイウェイ、事業位置、住宅位置を含む請求項25に記載の地図データベース。
【請求項29】
マッチングが、前記トークンを連結し、且つこれらを比較し、これらがマッチと見なせるかどうか判定する、ことを含む、
請求項25に記載の地図データベース。
【請求項30】
関心のある主要地理的単位内で、まったく同じであるが、離れているローカリティを利用者に見分けられるようにするシステムであって、
まったく同じであるが、互いに離れているローカリティのそれぞれの組に対する一組のまったく同じローカリティ名のエントリーと、2つ以上の類似名称を持つそれぞれのローカリティに対する短縮されたローカリティ名のエントリーと、及び前記まったく同じローカリティ名のエントリーの近くで重要なローカリティである、まったく同じローカリティ名のエントリーに対する付加物エントリーと、を持つ地図データベースと、
前記まったく同じローカリティと、それらのそれぞれの付加物を利用者に表示するためのアプリケーション・プログラムと、
を含むシステム。
【請求項31】
前記システムがインターネットを基本とするシステムを含む、
請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
前記システムが車載ナビゲーション・システムを含む、
請求項30に記載のシステム。
【請求項33】
関心のある主要地理的単位内で、まったく同じであるが、離れているローカリティを利用者に見分けられるようにする機能を含む携帯用ハンドヘルド装置であって、
まったく同じであるが、互いに離れているローカリティのそれぞれの組に対する一組のまったく同じローカリティ名のエントリーと、2つ以上の類似名称を持つそれぞれのローカリティに対する短縮されたローカリティ名のエントリーと、及び前記まったく同じローカリティ名のエントリーの近くで重要なローカリティである、まったく同じローカリティ名のエントリーに対する付加物エントリーと、を持つ地図データベースと、
前記まったく同じローカリティと、それらのそれぞれの付加物を利用者に表示するためのアプリケーション・プログラムと、
を含む携帯用ハンドヘルド装置。
【請求項34】
前記携帯用ハンドヘルド装置が携帯情報端末(PDA)を含む、
請求項33に記載の携帯用ハンドヘルド装置。
【請求項35】
前記携帯用ハンドヘルド装置がパーソナル・ナビゲーション・システムを含む、
請求項33に記載の携帯用ハンドヘルド装置。
【請求項36】
前記携帯用ハンドヘルド装置が携帯電話を含む、
請求項33に記載の携帯用ハンドヘルド装置。
【請求項37】
関心のある主要地理的単位内で、まったく同じであるが、離れているローカリティを利用者に見分けられるようにする地理情報システム(GIS)を基本とするアプリケーション・プログラムであって、
まったく同じであるが、互いに離れているローカリティのそれぞれの組に対する一組のまったく同じローカリティ名のエントリーと、2つ以上の類似名称を持つそれぞれのローカリティに対する短縮されたローカリティ名のエントリーと、及び前記まったく同じローカリティ名のエントリーの近くで重要なローカリティである、まったく同じローカリティ名のエントリーに対する付加物エントリーと、を持つ地図データベース、を含む、
アプリケーション・プログラム。
【請求項38】
操作プログラムが格納されている機械可読媒体であって、1つまたは複数のプロセッサで処理されると、
地図データベースから、ローカリティ名のリストを受け取るステップと、
互いに離れているローカリティを表すローカリティ名のリストから、まったく同じローカリティ名のデータベースエントリーの組を生み出すステップと、
前記ローカリティ名のリスト中に2つ以上の類似名称を持つ各ローカリティに対して、ローカリティ名のデータベースエントリーを短縮するステップと、
近くの重要なローカリティの名称を持つそれぞれのまったく同じローカリティ名に対して、付加物のデータベースエントリーを作成するステップと、
をシステムに実行させる機械可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−525550(P2009−525550A)
【公表日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553487(P2008−553487)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【国際出願番号】PCT/US2007/061405
【国際公開番号】WO2007/090167
【国際公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(507388889)テレ アトラス ノース アメリカ インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】