説明

差込式蛍光ランプ及びそれに使用するランプソケット

【課題】内蔵された電子安定器を有する差込み可能なランプ口金と該口金とともに使用するに適したランプソケットを備えた差込式蛍光ランプを提供する。
【解決手段】差込み可能なランプ口金を有するランプ本体と、差込み可能なランプ口金と嵌合するランプソケットとを備える分割式蛍光ランプ308であって、電子安定器309が前記差込み可能なランプ口金内に内蔵されていることを特徴とし、当初の設計や電源を変更することなく照明器具に採用された従来技術の差込式蛍光ランプと取替えて使用できるように、一体に組立てられるランプ本体とランプソケットの全体寸法はG23又はG24型差込式蛍光ランプの寸法とほぼ等しい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、挿入可能蛍光ランプに関し、より詳しくは、内蔵された電子安定器を有する差込み可能なランプ口金と該口金とともに使用するのに適したランプソケットを備えた新型差込式蛍光ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
通常入手可能なG23又はG24型分割式差込式蛍光ランプは、各種の照明器具での使用に適しており、また一般には、差込み可能なランプ口金を有するランプ管と、差込み可能なランプ口金と嵌合するのに適するとともに照明器具内に載置された安定器に連結されたランプソケットを備える。通常の状態において、照明器具内の安定器はランプ管より5〜6倍長持ちするので、その寿命中に使用済みランプ管の交換を2、3回行う必要がある。使用済みランプ管を新しいものと交換する際に、よく交換前の安定器とは普通は完全に一致しない動作パラメータを有するものと交換することがあり、それにより新しいランプ管寿命が短縮されてしまう状態となる。また、動作中に安定器が欠陥とわかった場合に、照明器具内の安定器を交換又は修理することは、安定器を取り外すことがかなり難しいため非常に不便である。このような分割式蛍光ランプは通常の統合コンパクト形蛍光ランプに交換される可能性があるが、その照明器具の当初の設計を適応調整することなしに照明器具の本来の照明効果を維持することはできず、その調整には新たなコストがかかりその結果やや非経済的である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の差込式蛍光ランプは、従来技術における上記欠点を少なくとも部分的に克服する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的を達成するため、本発明は差込み可能なランプ口金を有するランプ本体と前記差込み可能なランプ口金が嵌合されるランプソケットを有し、前記差込み可能なランプ口金に電子安定器が内蔵されていることを特徴とする、改良型分割式蛍光ランプを提供する。
【0005】
本発明によると、差込み可能なランプ口金はさらにケーシングと前記ケーシングの上部に配置された差込ユニットを備える。
【0006】
本発明の一実施形態によると、差込ユニットはさらにケーシング上部の2つの縁に配置された一対の凹部と、前期凹部内に配置された電気接点素子と、前記差込ユニットの少なくとも1つの側壁上に配置された位置決め素子を備える。この位置決め素子は、凹部の側壁上に配置された三角形状の突起又はくぼみとすることができる。
【0007】
ランプソケットは差込み可能なランプ口金を受けるための空洞部を画定する本体と、前記空洞部の上部に配置された、前記差込ユニットと連結するための受け部材を備える。
【0008】
この受け部材は、凹部に差込まれる形状部と、位置決め素子に対応する位置に配置された、前記位置決め素子との差込連結用の任意のロック素子とを備え、前記形状部内には、電気接点素子との電気的結合のための導電素子が配置されている。
【0009】
したがって、このロック素子は位置決め素子に対応した三角形状の屈曲弾性素子であって、位置決め素子との嵌合状態にあるとき、ロック素子の屈曲部は突起の下部又はくぼみ内に位置して位置決め素子を固定する。
【0010】
本発明の別の実施形態によると、位置決め素子の突起又はくぼみは選択的に半円形状とすることができ、ロック部材は、ロック部材の半円形状部分が位置決め素子の突起又はくぼみに強固に接続できるように、対応する半円形状部分を有する弾性素子とすることができ、これによって位置決め素子を所定の位置に固定する。
【0011】
本発明の別の実施形態によると、一体に組み立てられるランプ本体とランプソケットの全体寸法はG23又はG24型差込式蛍光ランプの寸法と実質的に等しい。この点において、照明器具に使用されるG23又はG24型差込式蛍光ランプが壊れた場合、同等の照明効果を達成させるために本発明の分割型蛍光ランプを代替品として使用することができる。安定器が本発明の差込式蛍光ランプに内蔵されているので、ランプ管の寿命を15、000時間、つまり通常ランプ管の1.5〜2倍に伸ばすことができるようにランプ管の動作パラメータを安定器に対して最適化することができる。したがって、本発明の差込式蛍光ランプは普通の差込式蛍光ランプの長所を全て備え、結果的に、適用範囲が既存の差込式蛍光ランプより大幅に広がる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の更なる利点及び特徴は、添付図面に関連する各例示的及び非制限的実施例によりさらに明らかにされる。
【実施例】
【0013】
本発明の好適な実施形態による統合型差込式蛍光ランプの模式図である図1を参照すると、差込み可能なランプ口金を備えるランプ本体が補完的なランプソケットに嵌合している。
【0014】
図2a、図2b及び図3は、該差込式蛍光ランプの模式図及び断面図であるが、差込式蛍光ランプはケーシング301と、該ケーシングに内蔵された電子安定器309と、ケーシング上部に配置された差込ユニットと、ランプ管308を備える。
【0015】
この差込ユニットは、ケーシング上部の2つの縁に対向して配置された一対の凹部302を備え、これらは好ましくは三角形状、あるいは、長方形、多角形又は楕円形状といった他の形状とする。安定器309に連結された電気接点素子303、304は凹部内に配置され、本実施形態によれば2本の標準的な円柱形金属棒である。少なくとも1つの位置決め素子305、306が、適切な位置決めをするために差込ユニットの少なくとも一方の側壁上に配置され得る。図に示すとおり、位置決め素子の突起又はくぼみは三角形状であり、好ましくは側壁に一体成型され、あるいは、交換を容易にするためにボルトやネジといった接続素子により固定される。本実施形態によれば、差込ユニットの左右それぞれの側壁上に1つの位置決め素子が配置されて相互の嵌合性が向上する。当然のことながら、差込ユニットの寸法は、既存のG23又はG24型差込式蛍光ランプの寸法に基づくようにされ、ユーザによる扱いや各種の照明器具への採用を容易にする。例えば、位置決め素子の突起又はくぼみは選択的に半円形状にできて電気接点素子上に配置することができ、例えば、対応するロック機構への連結用金属棒の上部端の円形ボスとすることができる。この場合、差込ユニットの側壁上には位置決め素子が不要となる。
【0016】
差込式蛍光ランプのケーシング上には、蛍光ランプの組立て後に熱を放散させるためにサーマルペーストを注入できるようにカバープレート(図示せず)に覆われた円形中央開口307が設けられて、これにより安定器の電子機器の温度を下げることになり、その後この開口はカバープレートで覆うことができる。開口のサイズは任意でありユーザが扱いやすいように調節できる。
【0017】
図4、図5a及び図5bは、それぞれ図2に示す差込み可能なランプ口金に合致するランプソケットの模式図と断面図であり、図6は図4に示すランプソケットの上面図である。
【0018】
図でわかるとおり、ランプソケットは、差込み可能なランプ口金を受容するための空洞部を画定する本体501と、該空洞部の上部に配置された、差込ユニットと連結するための受け部材を備える。本体の外側には雄ネジ508が設けられている。受け部材は、凹部に挿入されるための形状部506、507と、位置決め素子に対応する位置に配置され、該位置決め素子との差込連結用の任意ロック素子502、503を含む。本実施形態によれば、形状部の断面は三角形状をとり、あるいは、凹部とぴったり合うように長方形としてもよく、各形状部内には電気接点素子との電気的結合のために導電素子504、505が配置されている。本実施形態によれば、導電素子は、一端が電力線に連結され他端がランプ本体の金属棒に連結される金属接触板である。図でわかるとおり、電力線に連結された端部は形状部506、507内に載置することができるが、この形状部506、507は三角形の凹部とぴったり合う柱状であるので、ランプ本体をランプソケット内で位置決めすることが更に容易になる。更に、ランプ本体の金属棒に連結された端部は弾性変形するΩ形状等となっており、金属棒がここに挿入されるとともに、所定の位置にランプ本体を保持するために適切なクランプ力を与える。適切な材料を採用することとクランプ力を適応調整することで、ランプ本体は、他のロック機構がなくても、導電素子504、505の本来のクランプ力とともに形状部と凹部間の緊密な連結により、ランプ本体を固定することができる。受け部材は、位置決め素子とぴったり合わせてランプソケット内でランプ本体を確実に正確に載置するために、少なくとも1つのロック素子502、503を備えるが、これは位置決め素子に対応した屈曲弾性素子とすることができる。ロック素子が位置決め素子に嵌合すると、ロック素子の屈曲部分が突起の下部又はくぼみの内部に位置し位置決め素子が固定される。弾性素子の弾力は、所定の引張り力を加えて弾性素子の端部を変形させて外側へ移動させることで、ユーザが交換のため使用済みのランプ本体をランプソケットから引出せるように、正確に調節することができる。
【0019】
本発明の他の実施形態によれば、ロック素子の弾性素子は、位置決め素子の設計に応じて凹形又は凸形の半円部分を備えるものと考案することもできる。この点で、この凹形又は凸形の半円部分は、位置決め素子との連結時に、ロックされるため、対応する突起又はくぼみと密接に接触し得る。
【0020】
前述したとおり、本発明の他の目的は、既存のG23又はG24型差込式蛍光ランプに取って代わることである。図7a及び図7bで明らかなとおり、本発明の差込式蛍光ランプの分離した位置でのランプ本体とランプソケットは、外観や寸法においては通常のG23又はG24型差込式蛍光ランプと同様あるいは同じである。
【0021】
図8a及び図8bに示すとおり、ランプ本体を対応するランプソケットに嵌合すると、その全体寸法が互いに大体同じか同等となるが、ここでHとhはそれぞれランプソケット上部とランプ管間の距離であり、Dとdはそれぞれランプ本体の幅を表している。本発明の差込式蛍光ランプとG23又はG24型差込式蛍光ランプのワット数は同じであり、照明器具に採用されたG23又はG24型差込式蛍光ランプは、当初の設計や照明器具の電源を変更することなくそのまま本発明の差込式蛍光ランプと取替えることができる。
【0022】
当然のことながら、本発明の差込式蛍光ランプは、その照度を変えずに、あるいは向上させつつG23又はG24型差込式蛍光ランプより小型化することができる。余分で比較的大型で重い外部安定器を必要としないので、適用範囲がG23又はG24型差込式蛍光ランプより大幅に広がり照明器具の全体サイズや重さを減らすこともできる。また、本発明の差込式蛍光ランプに内蔵された電子安定器は、蛍光ランプの性能を最適化するとともに使用済みランプを頻繁に交換するのを避け、寿命を最大化するのを保証することができる。したがって、本発明の差込式蛍光ランプは既存のG23又はG24型差込式蛍光ランプに取って代えて使用されることができるだけでなく、今まで従来技術における寸法や規格の限界により制限されていて既存の差込式蛍光ランプを採用することができなかった他の照明器具にも採用することができる。これは、本発明が、要求に応じてランプ本体のサイズを最小化できる最新のコンパクト形電子安定器の一つを内蔵しているからである。本発明の差込式蛍光ランプにより、照明器具メーカーは製品設計における柔軟性を広げ、製品の外観を向上させ、消費者を引きつける強い魅力を生み出すであろう。
【0023】
当然のことながら、上記は本発明の例示的な実施形態の数例に過ぎず、当業者が様々な修正や変更を、異なる照明器具や用途に適応するように採用された各素子に加えうることは明らかであって、このような全ての修正や変更は本発明の範囲に入るものであり、本発明は上記に記載された実施形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の好適実施形態における統合差込式蛍光ランプの模式図である。
【図2】図2a及び図2bは、図1に示す差込式蛍光ランプの差込み可能なランプ口金を有するランプ本体の模式図である。
【図3】図3は、図2に示す差込み可能なランプ口金を有するランプ本体の断面図である。
【図4】図4は、図2に示す差込み可能なランプ口金に合致するランプソケットの模式図である。
【図5】図5a及び図5bは、図4に示すランプソケットの断面図である。
【図6】図6は、図4に示すランプソケットの上面図である。
【図7】図7aは、本発明の差込式蛍光ランプのランプ本体とランプソケットを分離させた位置での模式図である。図7bは、通常のG23又はG24差込式蛍光ランプのランプ本体とランプソケットを分離させた位置での模式図である。
【図8】図8a及び図8bは、それぞれ図7a及び図7bに示す差込式蛍光ランプのランプ本体とランプソケットを結合させた模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
差込み可能なランプ口金を有するランプ本体と、前記差込み可能なランプ口金が嵌合されるランプソケットを備える差込式蛍光ランプであって、
電子安定器が前記差込み可能なランプ口金内に設置されていることを特徴とする差込式蛍光ランプ。
【請求項2】
前記差込み可能なランプ口金が、ケーシング(301)と、前記ケーシングの上部に配置された差込ユニットを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の差込式蛍光ランプ。
【請求項3】
前記差込ユニットが、前記ケーシング上部の2つの縁に配置された一対の凹部(302)と、前記凹部(302)内に配置された電気接点素子(303、304)を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の差込式蛍光ランプ。
【請求項4】
前記差込ユニットが、前記差込ユニットの少なくとも一つの側壁上に配置された位置決め素子(305、306)を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の差込式蛍光ランプ。
【請求項5】
前記位置決め素子(305、306)が、前記凹部(302)の一つの側壁上に形成された突起又はくぼみであることを特徴とする請求項4に記載の差込式蛍光ランプ。
【請求項6】
前記位置決め素子(305、306)の前記突起又はくぼみが三角形状であることを特徴とする請求項5に記載の差込式蛍光ランプ。
【請求項7】
前記位置決め素子(305、306)の前記突起又はくぼみが半円形状であることを特徴とする請求項5に記載の差込式蛍光ランプ。
【請求項8】
一体に組立てられた前記ランプ本体とランプソケットの全体寸法が、G23又はG24型差込式蛍光ランプの寸法に実質的に等しいことを特徴とする請求項1に記載の差込式蛍光ランプ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−177153(P2008−177153A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−268072(P2007−268072)
【出願日】平成19年10月15日(2007.10.15)
【出願人】(501384883)マス テクノロジー(ホンコン)リミテッド (9)
【Fターム(参考)】