説明

平衡出力増幅装置

【課題】音質を損なうことなく出力電圧のレベルを抑えることができ、3端子ヘッドホン接続時でもセパレーション性能を確保することができる平衡出力増幅装置を提供する。
【解決手段】入力信号SLを非反転増幅して出力する演算増幅器1と、入力信号SLを反転増幅して出力する演算増幅器2と、入力信号SRを非反転増幅して出力する演算増幅器3と、入力信号SRを反転増幅して出力する演算増幅器4とを備え、抵抗R1及びR5を介して演算増幅器2と逆相出力端子10とが接続され、抵抗R7を介して演算増幅器1と正相出力端子9とが接続され、抵抗R2及びR6を介して演算増幅器4と逆相出力端子12とが接続され、抵抗R8を介して演算増幅器3と正相出力端子11とが接続される平衡出力増幅装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーディオ信号を出力する平衡出力増幅装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
2値化量子化信号を増幅する従来のディジタルアンプについて図4〜図11を参照して以下に説明する。
【0003】
従来のディジタルアンプの要部構成例を図4に示す。なお、図4に示すディジタルアンプは、特許文献1の第5図に記載されている。
【0004】
図4に示すディジタルアンプにおいて、2値量子化信号S1が入力される端子が、スイッチ回路16の端子16aに接続される。また、アナログオーディオ信号S2が入力される端子が、デルタシグマ(ΔΣ)変調回路13を介してスイッチ回路16の端子16bに接続される。また、16ビットディジタル信号S3が入力される端子が、補間回路14及びデルタシグマ(ΔΣ)変調回路15を介してスイッチ回路16の端子16cに接続される。スイッチ回路16の各端子16a〜16cは、スイッチ回路16の端子16dと選択的に接続されるものである。
【0005】
スイッチ回路16の端子16dは、演算増幅器17の非反転入力端子及び演算増幅器18の反転入力端子に接続される。演算増幅器17の反転入力端子及び演算増幅器18の非反転入力端子は接地される。
【0006】
演算増幅器17の出力端子は、抵抗r19及びコンデンサc19から成るローパスフィルタ19を介して正相出力端子21に接続される。抵抗r19の一端は演算増幅器17の出力端子に接続され、抵抗r19の他端は正相出力端子21に接続される。コンデンサc19の一端は抵抗r19の他端に接続され、コンデンサc19の他端は接地される。
【0007】
演算増幅器18の出力端子は、抵抗r20及びコンデンサc20から成るローパスフィルタ20を介して逆相出力端子22に接続される。抵抗r20の一端は演算増幅器18の出力端子に接続され、抵抗r20の他端は逆相出力端子22に接続される。コンデンサc20の一端は抵抗r20の他端に接続され、コンデンサc20の他端は接地される。
【0008】
続いて、このような構成である図4に示すディジタルアンプの動作について説明する。アナログオーディオ信号S2は、デルタシグマ(ΔΣ)変調回路13によって2値量子化信号に変換される。また、16ビットディジタル信号S3は、補間回路14によって例えば、元のサンプリング周波数のN倍のサンプリング周波数の32ビットディジタル信号に変換される。その32ビットディジタル信号は、デルタシグマ(ΔΣ)変調回路15によって2値量子化信号に変換される。したがって、スイッチ回路16の端子16a、16b、及び16cに入力される信号は、いずれも2値量子化信号である。
【0009】
スイッチ回路16は、制御回路(図示せず)からの制御信号に応じて端子16a〜16cのいずれかを選択し、端子16dと接続する。これにより、2値量子化信号が、演算増幅器17及び演算増幅器18に入力される。
【0010】
ここで、演算増幅器17及び演算増幅器18に入力される2値量子化信号をS[V]とし、演算増幅器17及び演算増幅器18のゲインをAとし、演算増幅器17及び演算増幅器18の電源電圧をVCC[V]とし、演算増幅器17及び演算増幅器18の電源電圧の変動をΔVCC[V]とする。また、演算増幅器17及び演算増幅器18は、出力信号の基準電位が電源電圧の半分になるように、電圧レベルシフトを行う。
【0011】
演算増幅器17は、2値量子化信号を非反転増幅して出力するので、演算増幅器17の出力信号は、A×S+(VCC+ΔVCC)/2[V]となる。一方、演算増幅器18は、2値量子化信号を反転増幅して出力するので、演算増幅器18の出力信号は、A×(−S)+(VCC+ΔVCC)/2[V]となる。
【0012】
ローパスフィルタ19は、演算増幅器17の出力信号の高周波成分を除去し、演算増幅器17の出力信号の可聴域成分のみを正相出力端子21に出力する。また、ローパスフィルタ20は、演算増幅器18の出力信号の高周波成分を除去し、演算増幅器18の出力信号の可聴域成分のみを逆相出力端子22に出力する。
【0013】
ローパスフィルタ19及びローパスフィルタ20での電圧降下は、微少であるので、その電圧降下はないものとみなす。そうすると、正相出力端子21と逆相出力端子22との間の電圧は、{A×S+(VCC+ΔVCC)/2}−{A×(−S)+(VCC+ΔVCC)/2}[V]であり、電源電圧の変動を含む(VCC+ΔVCC)/2の成分が相殺されて、A×2S[V]となる。したがって、図4に示すディジタルアンプが出力するオーディオ信号は、電源電圧の変動の影響を受けなくなる。もちろん、図4に示すディジタルアンプは従来のアナログアンプに設けられていた結合コンデンサを必要としない。
【0014】
次に、上述した図4に示すディジタルアンプを2チャンネルのステレオアンプに適用した場合について図5を参照して説明する。
【0015】
図5のステレオアンプ101の演算増幅器には、左チャネル入力信号である2値量子化信号SL及び右チャネル入力信号である2値量子化信号SRが入力される。図5では、演算増幅器よりも前段側の構成を省略しており、図4の各演算増幅器17及び18以降の構成が左右両チャネル分備えられている。図5の各演算増幅器1及び3が図4の演算増幅器17に対応し、図5の各演算増幅器2及び4が図4の演算増幅器18に対応し、図5の各ローパスフィルタ5及び7が図4のローパスフィルタ19に対応し、図5の各ローパスフィルタ6及び8が図4のローパスフィルタ20に対応し、図5の左チャネル正相出力端子9及び右チャネル正相出力端子11が図4の正相出力端子21に対応し、図5の左チャネル逆相出力端子10及び右チャネル逆相出力端子12が図4の逆相出力端子22に対応している。なお、図5はステレオアンプ101の4つの出力端子に4端子ヘッドホンが接続された状態を示している。
【0016】
第1の入力信号である2値量子化信号SLが入力される端子は、第1の正相増幅手段である演算増幅器1の非反転入力端子及び第1の逆相増幅手段である演算増幅器2の反転入力端子に接続される。演算増幅器1の反転入力端子及び演算増幅器2の非反転入力端子は、接地される。
【0017】
演算増幅器1及び演算増幅器2は、第1の増幅手段を構成している。この第1の増幅手段は、ステレオアンプ101において2値量子化信号SLをスイッチング増幅するスイッチング増幅回路である。
【0018】
演算増幅器1の出力端子は、抵抗r5及びコンデンサc5から成るローパスフィルタ5を介して第1の正相出力端子である左チャネル正相出力端子9に接続される。演算増幅器2の出力端子は、抵抗r6及びコンデンサc6から成るローパスフィルタ6を介して第1の逆相出力端子である左チャネル逆相出力端子10に接続される。
【0019】
第2の入力信号である2値量子化信号SRが入力される端子は、第2の正相増幅手段である演算増幅器3の非反転入力端子及び第2の逆相増幅手段である演算増幅器4の反転入力端子に接続される。演算増幅器3の反転入力端子及び演算増幅器4の非反転入力端子は、接地される。
【0020】
演算増幅器3及び4は、第2の増幅手段を構成している。この第2の増幅手段は、ステレオアンプ101においては2値量子化信号SRをスイッチング増幅するスイッチング増幅回路である。
【0021】
演算増幅器3の出力端子は、抵抗r7及びコンデンサc7から成るローパスフィルタ7を介して第2の正相出力端子である右チャネル正相出力端子11に接続される。演算増幅器4の出力端子は、抵抗r8及びコンデンサc8から成るローパスフィルタ8を介して第2の逆相出力端子である右チャネル逆相出力端子12に接続される。
【0022】
このような構成のステレオアンプ101は次のように動作する。まず、左チャネル側について説明する。
【0023】
演算増幅器1は、2値量子化信号SLを非反転増幅して出力するので、演算増幅器1の出力信号は、A×SL+(VCC+ΔVCC)/2[V]となる。一方、演算増幅器2は、2値量子化信号SLを反転増幅して出力するので、演算増幅器2の出力信号は、A×(−SL)+(VCC+ΔVCC)/2[V]となる。
【0024】
ローパスフィルタ5は、演算増幅器1の出力信号の高周波成分を除去し、演算増幅器1の出力信号の可聴域成分のみを左チャネル正相出力端子9に出力する。また、ローパスフィルタ6は、演算増幅器2の出力信号の高周波成分を除去し、演算増幅器2の出力信号の可聴域成分のみを左チャネル逆相出力端子10に出力する。
【0025】
ローパスフィルタ5及び6での電圧降下は、微少であるので、その電圧降下はないものとみなす。そうすると、左チャネル正相出力端子9の出力信号SL+は、A×SL+(VCC+ΔVCC)/2[V]になり、左チャネル逆相出力端子10の出力信号SL-は、A×(−SL)+(VCC+ΔVCC)/2[V]になる。
【0026】
したがって、左チャネル出力オーディオ信号(SL+−SL-)は、{A×SL+(VCC+ΔVCC)/2}−{A×(−SL)+(VCC+ΔVCC)/2}[V]であり、A×2SL[V]となる。これにより、左チャネル出力オーディオ信号は、電源電圧の変動の影響を受けなくなる。ここで、左チャネル正相出力端子9の出力信号SL+及び左チャネル逆相出力端子10の出力信号SL-の電圧波形の一例を図6に示す。なお、図中の破線は基準電位であり、その値は(VCC+ΔVCC)/2[V]である。
【0027】
次に、右チャネル側について説明する。演算増幅器3は、2値量子化信号SRを非反転増幅して出力するので、演算増幅器3の出力信号は、A×SR+(VCC+ΔVCC)/2[V]となる。一方、演算増幅器4は、2値量子化信号SRを反転増幅して出力するので、演算増幅器4の出力信号は、A×(−SR)+(VCC+ΔVCC)/2[V]となる。
【0028】
ローパスフィルタ7は、演算増幅器3の出力信号の高周波成分を除去し、演算増幅器3の出力信号の可聴域成分のみを右チャネル正相出力端子11に出力する。また、ローパスフィルタ8は、演算増幅器4の出力信号の高周波成分を除去し、演算増幅器4の出力信号の可聴域成分のみを右チャネル逆相出力端子12に出力する。
【0029】
ローパスフィルタ7及びローパスフィルタ8での電圧降下は、微少であるので、その電圧降下はないものとみなす。そうすると、右チャネル正相出力端子11の出力信号SR+は、A×SR+(VCC+ΔVCC)/2[V]になり、右チャネル逆相出力端子12の出力信号SR-は、A×(−SR)+(VCC+ΔVCC)/2[V]になる。
【0030】
したがって、右チャネル出力オーディオ信号(SR+−SR-)は、{A×SR+(VCC+ΔVCC)/2}−{A×(−SR)+(VCC+ΔVCC)/2}[V]であり、A×2SR[V]となる。これにより、右チャネル出力オーディオ信号は、電源電圧の変動の影響を受けなくなる。ここで、右チャネル正相出力端子11の出力信号SR+及び右チャネル逆相出力端子12の出力信号SR-の電圧波形の一例を図6に示す。なお、図中の破線は基準電位であり、その値は(VCC+ΔVCC)/2[V]である。
【0031】
そして、図5のステレオアンプ101の出力端子には、4端子ヘッドホンが接続されている。4端子ヘッドホンのプラグの構成を図7に示す。4端子ヘッドホンのプラグは、プラグ先端側から、左チャネル用正端子28、右チャネル用正端子29、左チャネル用負端子30、及び右チャネル用負端子31を備えている。このプラグがステレオアンプ101に挿入されると、左チャネル用正端子28は左チャネル正相出力端子9に接続され、左チャネル用負端子30が左チャネル逆相出力端子10に接続され、右チャネル用正端子29が右チャネル正相出力端子11に接続され、右チャネル用負端子31が右チャネル逆相出力端子12に接続される。
【0032】
したがって、図5に示すように、ステレオヘッドホンの左チャネルのボイス・コイルの抵抗成分である抵抗R3の一端が左チャネル正相出力端子9に接続され、抵抗R3の他端が左チャネル逆相出力端子10に接続され、ステレオヘッドホンの右チャネルのボイス・コイルの抵抗成分である抵抗R4の一端が右チャネル正相出力端子11に接続され、抵抗R4の他端が右チャネル逆相出力端子12に接続される。
【0033】
抵抗R3の両端にA×2SL[V]が印加され、A×2SL[V]である左チャネル出力オーディオ信号に応じた音圧が、左チャネルのボイス・コイルから発生する。また、抵抗R4の両端にA×2SR[V]が印加され、A×2SR[V]である右チャネル出力オーディオ信号に応じた音圧が、右チャネルのボイス・コイルから発生する。
【0034】
このように、図5のステレオアンプ101に4端子ヘッドホンを接続する場合、不具合は起こらない。しかしながら、図5のステレオアンプ101に3端子ヘッドホンを接続すると、以下のような問題が生じる。
【0035】
図8に3端子ヘッドホンのプラグの構成を示す。3端子ヘッドホンのプラグは、プラグ先端側から、左チャネル用正端子32、右チャネル用正端子33、及び、共通端子34を備えている。このプラグが図5のステレオアンプ101に挿入されると、左チャネル用正端子32が左チャネル正相出力端子9に接続され、右チャネル用正端子33が右チャネル正相出力端子11に接続され、共通端子34が左チャネル逆相出力端子10及び右チャネル逆相出力端子12に接続される。
【0036】
したがって、左チャネル逆相出力端子10と右チャネル逆相出力端子12とが短絡接続されることになる。あるいは、図8に示す3端子ヘッドホンのプラグの参照符32で表される端子が負端子であって左チャネル逆相出力端子10に接続され、参照符33で表される端子が負端子であって右チャネル逆相出力端子12に接続され、参照符34で表される共通端子が左チャネル正相出力端子9及び右チャネル正相出力端子11に接続されるならば、左チャネル正相出力端子9と右チャネル正相出力端子11とが短絡接続されることになる。
【0037】
以下の説明においては、図5のステレオアンプ101に3端子ヘッドホンを接続すると、左チャネル逆相出力端子10と右チャネル逆相出力端子12とが短絡(ショート)接続されるものとする。
【0038】
左チャネル逆相出力端子10の出力信号SL-と右チャネル逆相出力端子12の出力信号SR-とは、異なる電圧値をとる(図6参照)。また、通常、オーディオ信号をヘッドホン等の音声出力手段に出力するアンプの出力抵抗は、ほぼ零と考えてよい。
【0039】
このため、左チャネル逆相出力端子10と右チャネル逆相出力端子12とが短絡接続されると、左チャネル逆相出力端子10と右チャネル逆相出力端子12との間に大きな短絡電流が流れ、最悪の場合アンプが破損してしまう。また、アンプが破損しない場合でも左チャネル逆相出力端子10の出力信号SL-と右チャネル逆相出力端子12の出力信号SR-との中間レベルの信号が生成されるため大きなクロストークが発生してしまう。
【0040】
そこで、3端子のヘッドホンを接続しても不具合が起こらないステレオアンプが特許文献1で提案されている(特許文献1の第1図を参照)。このような従来のステレオアンプ102を図9に示す。なお、図9において、図5と同一の部分には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。また、図9はステレオアンプ102の4つの出力端子に3端子ヘッドホンが接続された状態を示している。
【0041】
ステレオアンプ102では、ローパスフィルタ6と左チャネル逆相出力端子10との間に抵抗R1を設け、ローパスフィルタ8と右チャネル逆相出力端子12との間に抵抗R2を設ける。なお、抵抗R1の抵抗値は、抵抗R3の抵抗値と等しくし、抵抗R2の抵抗値は、抵抗R4の抵抗値と等しくする。
【0042】
ステレオアンプ102には3端子ヘッドホンが接続されるので、左チャネル逆相出力端子10と右チャネル逆相出力端子12とが短絡(ショート)接続されることになる。
【0043】
ステレオアンプ102の出力端子から出力される信号SL+、SL-、SR+、及びSR-の電圧波形、ローパスフィルタ6の出力信号SL-’の電圧波形、並びにローパスフィルタ8の出力信号SR-’の電圧波形を図10に示す。なお、図中の破線は基準電位であり、その値は(VCC+ΔVCC)/2[V]である。
【0044】
左チャネル正相出力端子9の出力信号SL+とローパスフィルタ6の出力信号SL-’とは、位相が互いに180°異なる信号である。また、抵抗R1の抵抗値と抵抗R3の抵抗値とが等しいので、左チャネル逆相出力端子10の電位は、左チャネル正相出力端子9とローパスフィルタ6の出力側との中間電位になる。したがって、左チャネル逆相出力端子10の出力信号SL-は(VCC+ΔVCC)/2[V]になる。
【0045】
右チャネル正相出力端子11の出力信号SR+とローパスフィルタ8の出力信号SR-’とは、位相が互いに180°異なる信号である。また、抵抗R2の抵抗値と抵抗R4の抵抗値とが等しいので、右チャネル逆相出力端子12の電位は、右チャネル正相出力端子11とローパスフィルタ8の出力側との中間電位になる。したがって、右チャネル逆相出力端子12の出力信号SR-は(VCC+ΔVCC)/2[V]になる。
【0046】
左チャネル逆相出力端子10の電位と右チャネル逆相出力端子12の電位とが等しいので、左チャネル逆相出力端子10と右チャネル逆相出力端子12とが短絡接続されてもアンプが破損するおそれがなく、クロストークも発生しない。すなわち、抵抗R1と抵抗R2とは、左チャネル逆相出力端子10の電位と右チャネル逆相出力端子12の電位とを等しくするための電圧降下を生成し、アンプの平衡出力を正常に保つ平衡用抵抗として機能する。
【0047】
また、左チャネル出力オーディオ信号(SL+−SL-)は、A×SL[V]となり、右チャネル出力オーディオ信号(SR+−SR-)は、A×SR[V]となる。したがって、ステレオアンプ102は、図5のステレオアンプ101と同様に電源電圧の変動の影響を受けないアンプである。
【0048】
ステレオアンプ102の4つの出力端子に4端子ヘッドホンが接続された場合、図11のようになる。この場合、当然のことながらオーディオ性能上の不具合は生じない。
【特許文献1】特開2003−87064号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0049】
しかしながら、ステレオアンプ102において、ステレオヘッドホンのボイス・コイルの抵抗成分である抵抗R3及びR4の各端部に出力する最大出力電圧と演算増幅器1〜4の増幅度とが製品として決まっていて、そのままではステレオヘッドホンのボイス・コイルの抵抗成分である抵抗R3及びR4の各端部に出力する電圧が上記最大出力電圧を超えてしまう場合、上述した図4中のデルタシグマ(ΔΣ)変調回路に含まれるデジタルボリュームを絞って、2値量子化信号SL及び2値量子化信号SRのレベルを下げるしか方策がなかった。このようにデジタルボリュームを絞った場合、デルタシグマ(ΔΣ)変調回路から出力される2値量子化信号にビット落ちが生じるという問題が生じる。
【0050】
本発明は、上記の問題点に鑑み、音質を損なうことなく出力電圧のレベルを抑えることができ、3端子ヘッドホン接続時でもセパレーション性能を確保することができる平衡出力増幅装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0051】
上記目的を達成するために本発明に係る平衡出力増幅装置は、入力信号を非反転増幅して出力する第1の正相増幅手段及び入力信号を反転増幅して出力する第1の逆相増幅手段からなる第1の増幅手段と、入力信号を非反転増幅して出力する第2の正相増幅手段及び入力信号を反転増幅して出力する第2の逆相増幅手段からなる第2の増幅手段と、前記第1の正相増幅手段の出力側に接続される第1の正相出力端子と、前記第1の逆相増幅手段の出力側に接続される第1の逆相出力端子と、前記第2の正相増幅手段の出力側に接続される第2の正相出力端子と、前記第2の逆相増幅手段の出力側に接続される第2の逆相出力端子とを備え、前記第1の正相増幅手段及び前記第1の逆相増幅手段が第1の入力信号を入力し、前記第2の正相増幅手段及び前記第2の逆相増幅手段が第2の入力信号を入力し、前記第1の逆相増幅手段と前記第1の逆相出力端子とが第1の抵抗を介して接続され、前記第2の逆相増幅手段と前記第2の逆相出力端子とが第2の抵抗を介して接続され、前記第1の正相増幅手段と前記第1の正相出力端子とが第3の抵抗を介して接続され、前記第2の正相増幅手段と前記第2の正相出力端子とが第4の抵抗を介して接続され、前記第1の抵抗の抵抗値が前記第3の抵抗の抵抗値より大きく且つ前記第2の抵抗の抵抗値が前記第4の抵抗の抵抗値より大きい又は前記第1の抵抗の抵抗値が前記第3の抵抗の抵抗値より小さく且つ前記第2の抵抗の抵抗値が前記第4の抵抗の抵抗値より小さいようにしている。なお、前記第1の抵抗〜前記第4の抵抗はそれぞれ複数の抵抗から構成されていてもよい。
【0052】
このような構成によると、増幅手段の増幅度が固定されていても、前記第1の抵抗〜前記第4の抵抗によって、平衡出力増幅装置の各出力端子の出力電圧が最大出力電圧を超えないまで減衰するようにできるので、デジタル処理でボリュームを絞る必要がない。したがって、2値量子化信号のビット落ちが起こらず音質が損なわれることがなくなる。
【0053】
また、前記第1の抵抗の抵抗値が前記第3の抵抗の抵抗値より大きく且つ前記第2の抵抗の抵抗値が前記第4の抵抗の抵抗値より大きい場合、前記第1の正相出力端子と前記第1の逆相出力端子がヘッドホンのボイス・コイルを介して接続されると前記第1の逆相出力端子の電位を前記第1の正相増幅手段の出力信号と前記第1の逆相増幅手段の出力信号との中間レベル付近にすることができ、前記第2の正相出力端子と前記第2の逆相出力端子がヘッドホンのボイス・コイルを介して接続されると前記第2の逆相出力端子の電位を前記第2の正相増幅手段の出力信号と前記第2の逆相増幅手段の出力信号との中間レベル付近にすることができる。これにより、3端子ヘッドホンが接続されることによって前記第1の逆相出力端子と前記第2の逆相出力端子とが接続されても、前記第1の逆相出力端子と第2の逆相出力端子との電位差を小さくすることができる。したがって、平衡出力増幅装置の破損を防ぐことができ、クロストークを小さくすることができる。さらに、前記第1の抵抗の抵抗値が前記第1の正相出力端子及び前記第1の逆相出力端子に接続されるボイス・コイルの抵抗成分の抵抗値と前記第3の抵抗の抵抗値との加算値に等しく且つ前記第2の抵抗の抵抗値が前記第2の正相出力端子及び前記第2の逆相出力端子に接続されるボイス・コイルの抵抗成分の抵抗値と前記第4の抵抗の抵抗値との加算値に等しい場合には、クロストークの発生を防ぐことができる。このように、上記構成の平衡出力増幅装置は、3端子ヘッドホン接続時でもセパレーション性能を確保することができる。
【0054】
また、前記第1の抵抗の抵抗値が前記第3の抵抗の抵抗値より小さく且つ前記第2の抵抗の抵抗値が前記第4の抵抗の抵抗値より小さい場合、前記第1の正相出力端子と前記第1の逆相出力端子がヘッドホンのボイス・コイルを介して接続されると前記第1の正相出力端子の電位を前記第1の正相増幅手段の出力信号と前記第1の逆相増幅手段の出力信号との中間レベル付近にすることができ、前記第2の正相出力端子と前記第2の逆相出力端子がヘッドホンのボイス・コイルを介して接続されると前記第2の正相出力端子の電位を前記第2の正相増幅手段の出力信号と前記第2の逆相増幅手段の出力信号との中間レベル付近にすることができる。これにより、3端子ヘッドホンが接続されることによって前記第1の正相出力端子と前記第2の正相出力端子とが接続されても、前記第1の正相出力端子と第2の正相出力端子との電位差を小さくすることができる。したがって、平衡出力増幅装置の破損を防ぐことができ、クロストークを小さくすることができる。さらに、前記第3の抵抗の抵抗値が前記第1の正相出力端子及び前記第1の逆相出力端子に接続されるボイス・コイルの抵抗成分の抵抗値と前記第1の抵抗の抵抗値との加算値に等しく且つ前記第4の抵抗の抵抗値が前記第2の正相出力端子及び前記第2の逆相出力端子に接続されるボイス・コイルの抵抗成分の抵抗値と前記第2の抵抗の抵抗値との加算値に等しい場合には、クロストークの発生を防ぐことができる。このように、上記構成の平衡出力増幅装置は、3端子ヘッドホン接続時でもセパレーション性能を確保することができる。
【発明の効果】
【0055】
本発明に係る平衡出力増幅装置によると、音質を損なうことなく出力電圧のレベルを抑えることができ、3端子ヘッドホン接続時でもセパレーション性能を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
本発明の実施形態について図1、図2A、図2B、及び図3を参照して以下に説明する。なお、図1、図2A、図2B、及び図3において、図4〜図11と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
【0057】
本発明に係る平衡出力増幅装置100を図1に示す。本発明に係る平衡出力増幅装置100は、図9及び図11のステレオアンプ102に抵抗R5〜R8を付加した構成である。抵抗R5は抵抗R1と左チャネル逆相出力端子10との間に設けられ、抵抗R6は抵抗R2と右チャネル逆相出力端子12との間に設けられ、抵抗R7はローパスフィルタ5と左チャネル正相出力端子9との間に設けられ、抵抗R8はローパスフィルタ7と右チャネル正相出力端子11との間に設けられる。なお、抵抗R1と抵抗R5からなる直列接続体を、抵抗R1の抵抗値と抵抗R5の抵抗値との加算値に等しい抵抗値を有する1つの抵抗で実現してもよい。同様に、抵抗R2と抵抗R6からなる直列接続体を、抵抗R2の抵抗値と抵抗R6の抵抗値との加算値に等しい抵抗値を有する1つの抵抗で実現してもよい。
【0058】
次に、3端子ヘッドホンを接続した場合における本発明に係る平衡出力増幅装置100の状態について説明する。
【0059】
3端子ヘッドホンのプラグを図8に示す構造にした場合、左チャネル逆相出力端子10と右チャネル逆相出力端子12とが短絡接続されることになる。あるいは、図8に示す3端子ヘッドホンのプラグの参照符32で表される端子が負端子であって左チャネル逆相出力端子10に接続され、参照符33で表される端子が負端子であって右チャネル逆相出力端子12に接続され、参照符34で表される共通端子が左チャネル正相出力端子9及び右チャネル正相出力端子11に接続されるならば、左チャネル正相出力端子9と右チャネル正相出力端子11とが短絡接続されることになる。
【0060】
以下の説明においては、本発明に係る平衡出力増幅装置100に3端子ヘッドホンを接続すると、図2Aに示すように左チャネル逆相出力端子10と右チャネル逆相出力端子12とが短絡(ショート)接続されるものとする。
【0061】
ここで、抵抗R1の抵抗値は、抵抗R3の抵抗値と等しくし、抵抗R2の抵抗値は、抵抗R4の抵抗値と等しくする。また、抵抗R5の抵抗値は、抵抗R7の抵抗値と等しくし、抵抗R6の抵抗値は、抵抗R8の抵抗値と等しくする。さらに、抵抗R5〜R8の抵抗値は、平衡出力増幅装置100の各出力端子の出力電圧が最大出力電圧を超えないまで減衰するために必要な値を実測または計算から別途算出するものとする。
【0062】
図2Aに示すような3端子ヘッドホンが接続された状態において、本発明に係る平衡出力増幅装置100の各逆相出力端子から出力される信号SL-及びSR-の電圧波形、ローパスフィルタ5の出力信号SL+’の電圧波形、ローパスフィルタ6の出力信号SL-’の電圧波形、ローパスフィルタ7の出力信号SR+’の電圧波形、並びにローパスフィルタ8の出力信号SR-’の電圧波形は図2Bに示すようになる。なお、図中の破線は基準電位であり、その値は(VCC+ΔVCC)/2[V]である。
【0063】
ローパスフィルタ5の出力信号SL+’とローパスフィルタ6の出力信号SL-’とは、位相が互いに180°異なる信号である。また、抵抗R1の抵抗値と抵抗R3の抵抗値とが等しくなり且つ抵抗R5の抵抗値と抵抗R7の抵抗値とが等しくなるように設定されているので、左チャネル逆相出力端子10の電位は、ローパスフィルタ5の出力側とローパスフィルタ6の出力側との中間電位になる。したがって、左チャネル逆相出力端子10の出力信号SL-は(VCC+ΔVCC)/2[V]になる。
【0064】
ローパスフィルタ7の出力信号SR+’とローパスフィルタ8の出力信号SR-’とは、位相が互いに180°異なる信号である。また、抵抗R2の抵抗値と抵抗R4の抵抗値とが等しくなり且つ抵抗R6の抵抗値と抵抗R8の抵抗値とが等しくなるように設定されているので、右チャネル逆相出力端子12の電位は、ローパスフィルタ7の出力側とローパスフィルタ8の出力側との中間電位になる。したがって、右チャネル逆相出力端子12の出力信号SR-は(VCC+ΔVCC)/2[V]になる。
【0065】
左チャネル逆相出力端子10の電位と右チャネル逆相出力端子12の電位とが等しいので、左チャネル逆相出力端子10と右チャネル逆相出力端子12とが短絡接続されても、平衡出力増幅装置が破損するおそれがなく、クロストークも発生しない。
【0066】
また、左チャネル出力オーディオ信号(SL+−SL-)はA×SL[V]となり、右チャネル出力オーディオ信号(SR+−SR-)はA×SR[V]となる。したがって、3端子ヘッドホンを接続した状態において本発明に係る平衡出力増幅装置100は、図5のステレオアンプ101と同様に電源電圧の変動の影響を受けない。
【0067】
図3に示すような4端子ヘッドホンが接続された状態において、本発明に係る平衡出力増幅装置100の各出力端子は、4端子ヘッドホンのプラグの各端子とそれぞれ1対1で接続される。なお、4端子ヘッドホンのプラグは図9に示す構造である。この場合も、左チャネル出力オーディオ信号(SL+−SL-)はA×SL[V]となり、右チャネル出力オーディオ信号(SR+−SR-)はA×SR[V]となるので、4端子ヘッドホンを接続した状態においても本発明に係る平衡出力増幅装置100は、図5のステレオアンプ101と同様に電源電圧の変動の影響を受けない。
【0068】
以上により、本発明に係る平衡出力増幅装置100に4端子または3端子ヘッドホンのプラグを接続した場合、抵抗R5〜R8によって、平衡出力増幅装置100の各出力端子の出力電圧が最大出力電圧を超えないまで減衰するようにできるので、デジタル処理でボリューム絞る必要がない。したがって、2値量子化信号のビット落ちが起こらず音質が損なわれることがなくなる。
【0069】
一方、本発明に係る平衡出力増幅装置100に3端子ヘッドホンのプラグを接続した場合、抵抗R1〜R8が平衡用抵抗として機能するので、図9及び図11に示すステレオアンプ102と変わらないセパレーション等のオーディオ性能を確保することができる。
【0070】
なお、図2Aに示す状態において、抵抗R1の抵抗値と抵抗R3の抵抗値が等しくない場合や、抵抗R2の抵抗値と抵抗R4の抵抗値が等しくない場合は、左チャネル逆相出力端子10の電位と右チャネル逆相出力端子12の電位とが一致しなくなる。この場合、左チャネル逆相出力端子10と右チャネル逆相出力端子12との間に短絡電流が流れる。しかしながら、左チャネル逆相出力端子10と右チャネル逆相出力端子12との電位差を小さくすることはできるので、アンプが破損するおそれをなくし、クロストークを小さくすることはできる。
【0071】
また、抵抗R1及びR2をそれぞれ可変抵抗にしてもよい。あるいは、抵抗R1と抵抗R5からなる直列接続体と等価な一つの抵抗及び抵抗R2と抵抗R6からなる直列接続体と等価な一つの抵抗をそれぞれ可変抵抗にしてもよい。このようにすると、3端子ヘッドホンの種類によって異なる抵抗R3及びR4の抵抗値に対応することができる。したがって、3端子ヘッドホンの種類にかかわらず、左チャネル逆相出力端子10の電位と右チャネル逆相出力端子12の電位とを等しくすることができ、クロストークの発生を防ぐことができる。
【0072】
また、抵抗R1の代わりに複数の抵抗とそれらの抵抗の接続状態を切り替える切替回路を設け、抵抗R2の代わりに複数の抵抗とそれらの抵抗の接続状態を切り替える切替回路を設ける構成としても抵抗R1及びR2を可変抵抗にする構成と同様の効果を奏する。この構成の一実施形態としては、3端子ヘッドホンの種類によって異なる抵抗R3及びR4の抵抗値に対応する抵抗値の抵抗を複数備え、切替回路が複数の抵抗から1つの抵抗を択一的に選択する形態や、同じ抵抗値の抵抗を複数備え、切替回路が並列接続する抵抗の数を切り替えて合成抵抗の抵抗値を可変する形態などが挙げられる。
【0073】
また、抵抗R1と抵抗R5からなる直列接続体と等価な一つの抵抗の代わりに複数の抵抗とそれらの抵抗の接続状態を切り替える切替回路を設け、抵抗R2と抵抗R6からなる直列接続体と等価な一つの抵抗の代わりに複数の抵抗とそれらの抵抗の接続状態を切り替える切替回路を設ける構成としてもよい。
【0074】
なお、本発明に係る平衡出力増幅装置100は逆相側に抵抗R1及びR2を設けた構成であるが、正相側に抵抗R1及びR2を設ける構成としてよい。正相側に抵抗を設ける構成の場合、3端子ヘッドホンが接続されると左チャネル正相出力端子と右チャネル正相出力端子とが接続されるように、ヘッドホンのプラグと接続されるアンプのジャックに設けられる左チャネル正相出力端子、左チャネル逆相出力端子、右チャネル正相出力端子、及び右チャネル逆相出力端子の位置を定める。
【0075】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】は、本発明に係る平衡出力増幅装置の要部構成を示す図である。
【図2A】は、図1の平衡出力増幅装置に3端子ヘッドホンが接続された状態を示す図である。
【図2B】は、3端子ヘッドホンが接続された状態における図1の平衡出力増幅装置の各部信号波形を示す図である。
【図3】は、図1の平衡出力増幅装置に4端子ヘッドホンが接続された状態を示す図である。
【図4】は、従来のディジタルアンプの要部構成例を示す図である。
【図5】は、図4のディジタルアンプを適用したステレオアンプに4端子ヘッドホンが接続された状態を示す図である。
【図6】は、図5のステレオアンプの各部信号波形を示す図である。
【図7】は、4端子ヘッドホンのプラグの側面図である。
【図8】は、3端子ヘッドホンのプラグの側面図である。
【図9】は、3端子のヘッドホンを接続しても不具合が起こらない構成の従来のステレオアンプに3端子ヘッドホンが接続された状態を示す図である。
【図10】は、図9のステレオアンプの各部信号波形を示す図である。
【図11】は、3端子のヘッドホンを接続しても不具合が起こらない構成の従来のステレオアンプに4端子ヘッドホンが接続された状態を示す図である。
【符号の説明】
【0077】
1〜4 演算増幅器
5〜8 ローパスフィルタ
9 左チャネル正相出力端子
10 左チャネル逆相出力端子
11 右チャネル正相出力端子
12 右チャネル逆相出力端子
100 平衡出力増幅装置
c5〜c8 コンデンサ
r5〜r8 抵抗
R1〜R8 抵抗
L、SR 2値量子化信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号を非反転増幅して出力する第1の正相増幅手段及び入力信号を反転増幅して出力する第1の逆相増幅手段からなる第1の増幅手段と、入力信号を非反転増幅して出力する第2の正相増幅手段及び入力信号を反転増幅して出力する第2の逆相増幅手段からなる第2の増幅手段と、前記第1の正相増幅手段の出力側に接続される第1の正相出力端子と、前記第1の逆相増幅手段の出力側に接続される第1の逆相出力端子と、前記第2の正相増幅手段の出力側に接続される第2の正相出力端子と、前記第2の逆相増幅手段の出力側に接続される第2の逆相出力端子とを備え、
前記第1の正相増幅手段及び前記第1の逆相増幅手段が第1の入力信号を入力し、前記第2の正相増幅手段及び前記第2の逆相増幅手段が第2の入力信号を入力し、
前記第1の逆相増幅手段と前記第1の逆相出力端子とが第1の抵抗を介して接続され、前記第2の逆相増幅手段と前記第2の逆相出力端子とが第2の抵抗を介して接続され、前記第1の正相増幅手段と前記第1の正相出力端子とが第3の抵抗を介して接続され、前記第2の正相増幅手段と前記第2の正相出力端子とが第4の抵抗を介して接続され、
前記第1の抵抗の抵抗値が前記第3の抵抗の抵抗値より大きく且つ前記第2の抵抗の抵抗値が前記第4の抵抗の抵抗値より大きい又は前記第1の抵抗の抵抗値が前記第3の抵抗の抵抗値より小さく且つ前記第2の抵抗の抵抗値が前記第4の抵抗の抵抗値より小さいことを特徴とする平衡出力増幅装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−97039(P2007−97039A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−286316(P2005−286316)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】