説明

床冷暖房構造

【課題】 根太により仕切られた空間部にそれぞれ配置された水容器の温度を均一化するため、隣接する水容器との間で熱交換が可能に構成された床構造を得る。
【解決手段】 根太1はアルミニウム等の熱伝達性の高い材料により構成され、この根太1により仕切られた各空間部に水容器4がそれぞれ配置され、各水容器4の上部には床板が張られることにより床面5が形成される。この床面5の全表面に対して太陽光Sが不均一に照射した場合、最も加熱された水容器4の熱Hは根太1を介して隣接する水容器4に順次伝達される。このようにして各水容器4は熱的に一体となって、床面5全体の温度が最終的には均一となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は床面を介して室内の冷暖房を行う床構造に係り、特に床構造内に水を充填した容器を収納して冷暖房を行うことが可能に構成されている床構造に関する。
【背景技術】
【0002】
家屋等の床面の下部に水、或いは凍結防止材などの何らかの添加剤をを添加したもの或いはこれに類する液体(以下に示す「水」の語は無添加の水だけでなく、添加剤のを添加した各種液体を含むものとする)を充填した容器を配置し、この容器内の液体を加熱或いは冷却することにより、床面を介してプラスの熱量を伝熱することにより室内空間を暖房し、或いはマイナスの熱量を伝熱することにより冷房する構造が、発明者等の提案も含めて幾つか提案されている。
【0003】
図8は発明者等が先に提案している室内の冷暖房構造の構成状態を示している(これらの提案は特許文献1及び2として後に示す)。同図は室内の床部分の床板を取り払った状態の平面及び床面の温度分布を示している。家屋の床面を支える構造として床部下部には根太50が配置され、この根太50に対して床板を張ることにより床面が形成される構造となっている。
【0004】
即ち、床面下部は各根太50により複数の空間に区画された構造となっている。
本願発明者等は区画されたこれら空間のそれぞれに対して水を充填する容器(通常は袋状の容器)を配置し、この容器に対して床面の施工に先立って水を充填し、床面下部に水容器をそれぞれ配置する構造を提案している。
【0005】
図中符号A、B、C、Dはそれぞれの水容器を示している。各水容器A乃至Dに対しては、例えば熱源として電気ヒータEHを配置する。各容器内の水は加熱されることにより循環流動するため、電気ヒータEHは図示の如く各水容器A乃至Dの平面の面積に対して小面積のものであっても、各水容器は前記水の循環流動によりそれぞれ均一に暖められることになる。
【0006】
一方、発明者等は自然エネルギーをより一層有効利用するため、この電気ヒータEHに に代えて、或いは電気ヒータEHと併用して床面に差し込んだ太陽光の熱を床面を介して水容器に伝達し容器内の水を加熱する方法を提案している。この場合従来の床構造では次のような不具合が発生する。
【0007】
即ち、図8に示す根太50という構造材自体が主に木造家屋において用いられる構造体であるため、当然ながら根太50も木材である。ここで、木材は後述するようにかなり大きな断熱性を有することが知られている。従って、図8に示す各水容器A乃至Dは根太50により仕切られた空間において、それぞれが熱的に独立した状態で収納されていることになる。このため、例えば図8の符号SPで示された部分に太陽光が照射した場合を考えると、その受光の有無及び受光面積の多少により各水容器が蓄える熱量が異なることになる。例えば図8の床部平面の表示部分の下部に表示されたグラフのように各水容器A乃至Dの温度はT1 、T2 、T 3のように異なってしまい、かつこれらの水容器は前述のとおり熱的に独立しているため、床面全体としては不均一な温度分布となってしまう。
【0008】
前述の電気ヒータEHが設置されている場合には各水容器の電気ヒータの発熱量を調整することにより、このような場合においても床面の温度分布をほぼ均一にすることは不可能はないが、この場合には各水容器の温度をそれぞれ計測し、かつ計測した温度に対応してそれぞれの水容器の電気ヒータEHの発熱量を調整するという複雑な制御を必要とし、省エネルギー化とは相反する結果となってしまう。
【0009】
なお、図8に示す水容器を用いた床冷暖房構造に関しては、本願出願人が例えば以下に示す特許文献の中で提案している。
【特許文献1】特願平5−135178号
【特許文献2】特願平5−19983号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上の観点から本発明が解決しようとする課題は、床面の下部空間に複数の水容器が配置されている床構造において、床面に対する太陽光の照射等のように、床面に対する熱の供給がそれぞれの水容器に対して不均一であっても、各水容器の保有す熱量が均一になるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記課題を解決するするため、床面下部に複数の水容器を収納した床構造において、床構造の構成材である根太或いはこれに類する構造材(以下これらの構造材を「根太」の用語で代表する)で仕切られた各空間の水容器が相互に伝熱可能にするため、当該根太自体の熱伝導性を高めるため、根太をアルミニウム等の熱伝導性の高い材料で構成し、或いは根太の構造を、隣接する水容器相互が直接接触することが可能な構造とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
根太により区画された空間に配置されている個々の水容器は、根太を介してそれぞれ熱的に接続するため、外部から負荷された熱量が水容器毎に異なっていても、各水容器間で熱の授受が行われることにより各水容器の熱保有量は同等となる。つまり各水容器は熱的に一体化されることになり、ヒーター等の人工的な加熱手段による各水容器の温度調整を行うことなく、自然に床面全体が均一に暖房或いは冷房される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
床面を支持する構造材である根太は、アルミニウム等の熱伝導率の高い材料により構成される。床面下部には各根太により複数の空間が形成され、各空間には水を充填した水容器が配置され、この状態で床材が張られて床面が形成される。これにより各水容器の温度が相違しても根太を介して各水容器間で熱伝達が行われ、最終的には各水容器の温度が均一となり床面を均一に加熱する。
【実施例1】
【0014】
図1は本発明の第1の実施例を示す。
符号1はアルミニウム(アルミニウム系合金を含む)等の熱伝導率の高い材料から構成された根太を示す。根太1自体の構成は、図示の如く従来の木製の根太と基本的には変わらない板材或いは角材(以下「板材」の語で代表する)として形成されている。またこの板材としての厚さは、根太の構成材料の強度に基づき、根太としての強度を保持できる厚さであればよい。符号2は根太1を介して床全体を支持する支持材である。
【0015】
上述の熱伝導率とは、物質の熱伝導において、熱流束密度(単位時間に単位面積を通過する熱エネルギー)をその物質の温度勾配で割った物理量であり、単位はW/(m・K)等で表される。
ここで幾つかの材料に関して熱伝導率を比較すると以下のようになる。
銀 430W/(m・K):以下単位は示さない。
銅 390
アルミニウム 236
鉄 84
ガラス 1
水 0.6
発砲ポリスチレン 0.03
【0016】
従来の根太として用いられている木材は、原材料である植物の種類、含水量等により熱伝導率は当然相違するが、十分乾燥された木材には微小な無数の空隙が形成されており木材自体が非常に高い断熱性を有している。つまりこれを熱伝導率からみると極めて低い値を有していることになる。上述のように木材は種類によってその性質を異にするが、発砲ポリスチレンの0.03には及ばないものの、平均的にはその熱伝導率は1以下であることは明らかである。以上の点から、本実施例の根太の材料として用いられるアルミニウムは木材の1以下に対して236と、極めて高い熱伝導率を有し、本発明の目的を達成するための好適な材料である。
【0017】
符号4は根太1によって仕切られた空間内にそれぞれ収納されている水容器であって、内部には水Wが充填されている。符号3は各水容器4と前記支持材2との間に配置された断熱材であって、水容器4の熱が支持材2側に放熱されるのを防止するためのものである。但し、支持材2がコンクリート等のように蓄熱効果を有するものである場合には、断熱材3を廃して、水容器4の他にこの支持材2も蓄熱材として積極的に利用するよう構成してもよい。5は根太1に対して張られた床板から成る床面である。
【0018】
以上の構成において、例えば床面5に対して太陽光Sが不均一に照射されると、各水容器4のそれぞれにおいては、床面5を介して受ける熱量が異なり、結果的に各水容器4の温度は相違することになる。この場合根太1は熱伝導率の高い材料から構成されているため、根太1を介して隣接する水容器4との間で高温部から低温部に熱Hを伝達する熱交換が行われることにより各水容器4は熱的に一体化して各水容器の温度は均一化する。また、この熱的な均一化は全ての水容器4が特定の熱源に対して蓄熱材として機能すること、つまり蓄熱槽としての大容量化が達成できるこを意味する。
ここで根太1をアルミニウムで構成した場合、前述のとおりアルミニウムの熱伝導率は非常に高く、各水容器4を容易に熱的に一体化することが可能である。
【実施例2】
【0019】
図2は本発明の第2の実施例を示す。
この実施例ではアルミニウムの物理的な特性をより生かして更に効率的な伝熱を行えるよう構成した根太の構成を示す。
【0020】
符号6は本実施例におけるアルミニウム製の根太を示す。この根太6は基部6a、隔壁部6b、床面支持部6cおよび当該床面支持部6cの下部に形成された空間部6dに大別される。このうち基部6aは根太6及びこの根太6により支持される床面全体を支持する部分であり、床構造の支持部2に対して根太6が立設するよう構成されている。
【0021】
隔壁部6bは前記基部6aに連接して立設した壁部であり、この隔壁部6bの上部に床材を配置支持する床面支持部6cが形成されている。またこの根太6に対して床面5を形成するため床板をこの根太6に固定する場合、床板に打ち込んだクギ或いはねじ込んだビスの先端がこの空間部6dに位置して、水容器4を傷付けないように構成されている。図2はこのアルミニウム製の根太6の断面を示し、当該根太6はこの断面を示した図面の奥行き方向に対して展出する長尺の構造材として構成されている。
【0022】
発明者等は根太としての強度を十分保持し、かつ高い伝熱性を保持するための根太の構造を各種検討したが、図示の如く根太6を構成する基部6a、隔壁部6b、床面支持部6cからなりかつ各部は薄肉に形成された構造で、例えば図示の符号Pで示すような方向で荷重が負荷されても根太の強度を十分保持することが可能であることを実験的に確認している。
【0023】
図示の根太6の構成において、アルミニウム自体の高い熱伝導率に加えて、隔壁部6bが薄肉に形成されていることにより本実施例に示す構成の根太6は非常に高い熱伝導性を有しており、各水容器4を短時間で熱的に一体化させることができる。
【実施例3】
【0024】
図3及び図4は第3の実施例を示す。
図中、矢印7 本実施例における根太を示し、符号7aは基部、符号7cは床面支持部である。また前記実施例では基部7aと床面支持部7cに対応する基部6aと床面支持部6cとは薄肉の隔壁部6bにより一体化された構成となっているが、本実施では基部7aと床面支持部7cの長さ方向において、一定の間隔を以て配置された支柱部7bによって一体化されている。即ち根太7においては支柱部7c以外は開放空間7dとなっており、根太7の両側にそれぞれ隣接位置する水容器4は図4に示すように直接接触する構成となっている。
【0025】
なお、図3の根太7では支柱部7bはその名のとおり支柱として、柱状に構成されているが、要するに根太に対して、隣接する水容器4が直接接触する開放空間が形成されれば良いので、例えば実施例1又は2に示す根太の隔壁部に対応する部分に対して開放空間を形成するように構成してもよい。
【0026】
根太7はこのように、水容器4同志を直接接触させる構成となっているため、根太の構成材料は前述のアルミニウムのような熱伝導率の高い材料で構成せず、木材等の比較的熱伝導率の悪い材料でも構成可能である。但し、熱伝導率の高い材料で構成すれば根太7全体の熱伝導率をより一層高くすることが可能となる。
【実施例4】
【0027】
図5及び図6は第4の実施例を示す。
図5において、根太及び水容器の配置状態は前記実施例2に示された構成と同様に構成されている。この床構造において、本実施例では根太を含めた床自体を支持する支持材2に対してダクト8が配置されている。
【0028】
図示の構成ではダクト8は各根太6に対してほぼ直交するよう配置され、かつ図6に示すようにこのダクト8は支持材2の一部に対して埋設配置される構成となっている。ダクト8内には床暖房時には温風が、床冷房の際には冷風が供給される。以下ダクトを通過する空気は温風(符号Aで示す)である場合を例に説明する。
【0029】
温風Aはダクト8内を通過する間に、各根太6及び各水容器4の水Wに対して伝熱する。水容器4内の水も対流によりこの温風Aの有する熱量により均一に加温されるが、その他に、図6に示すように温風Aの熱Hは根太6自体にも直接伝達され、かつ根太6の長さ方向に伝達されるため前記水容器4の均一な加熱をより促進する効果がある。
【0030】
なお、温風Aは電熱或いはガス燃焼等人工的な熱源を用いて発生させることも当然可能であるが、例えば家屋の屋根部を介して加熱された天井部の空気をファン等により下降させて、床部に配置された当該ダクト8に供給するようにすれば高い省エネルギー化を達成することができる。また、冷風の場合も冷房装置等の人工的な手段の他に、井戸等の冷所を通過させた空気や、或いは冬場に貯めた雪を断熱保存し、この雪を通過させた空気等を用いれば暖房時と同様高い省エネルギー化を達成することができる。この他、夏場において温度が低下した夜間の外気を取り込むことによっても一定の冷房効果を発揮することができる。
【0031】
また、ダクト8内にフィンを配置させることにより、伝熱効果をより一層高めるよう構成することも可能である。
即ち、図中符号6eは根太6の基部6aの裏面に対してダクト8が位置する部分において、当該ダクト8内の空気の流動方向に位置するよう、つまり根太6の長手方向に直交するよう(図6参照)当該根太6に突設したフィンである。このフィン6eを形成することによりダクト8における空気Aとの接触面積を増加させ、ダクト8内の空気Aから根太6に対する伝熱効率をより一層高めることができる。
【0032】
ダクト8は伝熱効率を高めるため、支持材2に対してはもともとその上部が開放されたU字型の溝として形成され、このU字型の溝に対して根太6及び水容器4が配置されることによって上部の空間が閉止され、密閉空間としてのダクト8が形成される。このため、水容器4が袋として形成されている場合には、ダクト8が位置する部分では袋がダクト側にずり落ちてしまうため、アルミニウム等の熱伝導率の高い材料からなる落下防止板(蓋)を配置する。符号10はこの落下防止板を示す。この落下防止板10に対しても符号10aで示すフィンを形成すれば伝熱面積の増加により、落下防止板10を介して容器4にに対する熱伝達の効率を高めることができる。。
【実施例5】
【0033】
図7(A)は本発明の第5の実施例を示す。
本実施例の床構造は図2に示す第2の実施例、及び図3及び図4に示す第3の実施例と同じ構成である。
前記各実施例で示したように複数本配置された根太6によりそれぞれ空間が区画形成され、これら各空間に水容器4を収納することにより床構造が構成されている。
【0034】
本実施例ではこの区画形成された空間部のうち少なくも一つの空間部に対しては水容器4を配置せず、この水容器4を配置しない空間部を温風Aが通過するダクト9として利用するよう構成している。
【0035】
上記構成とすることにより、ダクト9として利用される空間部の温風Aの熱Hは根太6を介して隣接する水容器4に先ず伝達され、かつこの水容器4が受熱した熱Hは更に根太6を介して次の水容器4に伝達される。このようにしてダクト9から供給される熱Hは、隣接する水容器4、根太6、さらに別の水容器4というように順次伝達され、最終的に床面下部に配置された各水容器4は均一に加温されることになる。なお、供給される温風Aの熱量、水容器4の配置個数等に応じて、ダクト9として利用可能な空間の数は適宜設定すればよい。また温風、冷風共に自然由来の熱源を用いることにより省エネルギー化を達成することができるのは前記実施例4の場合と同様である。
【0036】
図7(B)は上記実施例の変形例を示す。
この例では、根太6の隔壁部6bの一方の側面において1以上のフィン6fが突出形成された根太6Aによりダクト9が形成されている。即ちダクト9を形成すべき部分においてはこの二本の根太6Aを、それぞれフィン6fが対向するよう配置し、このフィン6fが対向している空間部をダクト9とする。
【0037】
このように構成することにより、ダクト9内には複数のフィン6fが位置することになり、根太6Aの伝熱面積が増大し、隣接する水容器4に対する熱伝達効率をより向上させることができる。また、根太6Aは先端と後端が同一断面を有する部材であるため、一種類の根太6Aを形成しておけば、二本の根太6Aの先端、後端を逆に配置するだけで図(B)のダクト9を形成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は個建の家屋等はもとより、マンション等の集合住宅にも応用可能であり、更にはおよそ床面の冷暖房が必要な構造物に対しては問題なく利用可能である。また水容器及び根太共に工場における大量生産が可能であるため、床冷暖房構造を安価で提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の実施例を示す床構造の断面部分図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す床構造の断面部分図である。
【図3】本発明の第3の実施例を示す根太の斜視図である。
【図4】図3に示す根太に対して水容器を配置した状態での図3のA−A線断面図でかつ、当該根太を用いた床構造の断面部分図である。
【図5】本発明の第4の実施例を示す床構造の断面部分図である。
【図6】図5のB−B線にによる断面図である。
【図7】(A)は本発明の第5の実施例を示す床構造の断面部分図、(B)は第5の実施例の変形例を示す床構造の断面部分図である。
【図8】水容器を用いた床構造の平面図とこの平面図に示された各水容器に対応する温度を示す線図との複合図である。
【符号の説明】
【0040】
1 根太
2 支持材
3 断熱材
4 水容器
5 床面
6 根太
6a (根太6の)基部
6b (根太6の)隔壁部
6c (根太6の)床面支持部
6d (根太6の)空間部
6f (根太6の)フィン
6A フィンを有する根太
6f (根太6Aの)フィン
7 根太
7a (根太7の)基部
7b (根太7の)支柱部
7c (根太7の)床面支持部
8 ダクト
9 (根太により形成された空間の)ダクト利用部
10 落下防止板
10a (落下防止板の)フィン
A 温風
H 熱
W 水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面の下部に配置された複数の根太によりそれぞれ区画形成された空間部の少なくとも一部に水容器を収納配置し、この水容器に対してプラスの熱量或いはマイナスの熱量を加えることにより、床面を介して暖房あるいは冷房する床構造において、根太を熱伝導性の高い構成とすることにより、根太を介してそれぞれ隣接する水容器の熱交換を可能に構成し、各水容器を熱的に一体化させるよう構成したことを特徴とする床冷暖房構造。
【請求項2】
前記根太は、アルミニウム等、木材よりも熱伝導率の高い材料により構成されていることを特徴とする請求項1記載の床冷暖房構造。
【請求項3】
前記根太の一部には開放空間が形成され、隣接する水容器相互が直接接触するよう構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の床冷暖房構造。
【請求項4】
前記根太は、床構造の支持材に直接立設する基部と、この基部に立設された隔壁部と、隔壁部上部に設けられた床面支持部とから成ることを特徴とする請求項2又は3記載の床冷暖房構造。
【請求項5】
前記根太の床面支持部の下部には空間部が形成され、床板等の床面を形成する材料を固定する釘或いはビス等の固定手段の先端がこの空間部に突出位置するよう構成したことを特徴とする請求項4記載の床冷暖房構造。
【請求項6】
複数の根太によりそれぞれ区画形成された空間部の下部には温風或いは冷風を通過させるダクトが1以上配置されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の床冷暖房構造。
【請求項7】
根太の基部下面にはフィンが突設され、このフィンがダクト内に位置するよう構成したことを特徴とする請求項6記載の床冷暖房構造。
【請求項8】
ダクトを形成する溝部のうち水容器が位置する部分には水容器が溝部に落下するのを防止する落下防止板が配置され、この落下防止板の溝部側の面にはフィンが突設されていることを特徴とする請求項6又は7記載の床冷暖房構造。
【請求項9】
床面の下部に配置された複数の根太によりそれぞれ区画形成された空間部のうち、1以上の空間に対しては水容器を配置せず、当該水容器を配置しない空間を空気が流動するダクトとして用いるよう構成したことを特徴とする1乃至5の何れかに記載の床冷暖房構造。
【請求項10】
隔壁部の一方の側面にフィンが突設された根太を形成し、この根太の一対は、それぞのフィンが対向するように配置され、このフィンが対向する空間をダクトとして用いるよう構成したことを特徴とする請求項9記載の床冷暖房構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−78256(P2007−78256A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−266653(P2005−266653)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(593107937)株式会社イゼナ (7)
【Fターム(参考)】