説明

廃物カーペットのフロアカバー裏当て材としての使用

特別に処理された廃物カーペット類を新しい熱溶融のカーペットバックコーティング(31)、屋根材若しくは他の同様の製品(28)を生産する際のフィラーとして利用することにより、埋め立てられ若しくは他の方法により処理されている廃物カーペット類の量、及び発掘を必要とする無機フィラーの量が著しく低減する。廃物カーペット類(使用済み及び/または新しいカーペットの製造から生じる廃棄物)が収集され(20)、一般的には第1の粗いサイズ低減(22)ステップを経てサイズ低減され(22)、その後の緻密化ステップ(23)を経て、より微細なサイズへと低減される(24)。サイズ低減された廃物カーペット類は、標準的なラテックス、EVA若しくはPVCのカーペットバックコーティングにおけるポリマーのような少なくとも一つの別の材料にフィラーとして添加され、有用な製品を製造する際に使われる熱溶融コンポストを提供すると共に、複合材料は(新しいカーペットを製造する際のカーペットの一次バックコーティング(26)あるいは二次バックコーティング(27)のような)有用な製品を製造する際に使われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、廃物カーペット類をリサイクルすると共にリサイクルされた材料を利用してカーペット類を生産する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のフロアカバー、例えばカーペット類(carpeting)、カーペット小片(carpet tiles)(以後、これらを集合的に「カーペット類(carpeting)」と称する場合がある。)を製造する場合、房状のパイル織物糸(tufted pile yarns)や縁取り(facing)のようなものが一次裏当て、一般的には二次裏当て及び場合によっては更なる他のレイヤーによって所定位置に保持されている。
少なくともある種のカーペットの裏当て(特にラテックス、EVA、PVCあるいは他のポリマーをベースとする裏当て)は、重要な構成材としてフィラーを使用している。
使用される標準的なフィラーは無機フィラーであり、一般的には炭酸カルシウム単独で、あるいは他の普及している金属塩と組み合わせて使用されている。
【0003】
カーペットを製造する工程では、一般的に埋め立てられるか焼却される廃物カーペット類が生成される。
新しいカーペットが古いカーペットと交換されるときには、使用された廃物カーペット類(その時点では使用済み廃棄物)は引き裂かれ(ripped up)、これもまた埋め立てられるか焼却されている。
カーペットの裏当てに使用されている炭酸カルシウムあるいは無機フィラーのようなものは採掘されるものであり、従って、材料の採掘に伴う従前からの問題を生じさせている。
【特許文献1】米国特許第5,728,741号明細書
【特許文献2】米国特許第5,814,673号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明によれば、廃物カーペット類をリサイクルすると共にリサイクルされた材料を利用してカーペット類を生産する方法が提供され、これにより上述した問題を実質的に排除あるいは著しく低減するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
カーペットの裏当てのためのフィラーとしての採掘される炭酸カルシウムを使用する代わりに、(新しいカーペットの生産及び/または使用済み廃棄物から生じる)リサイクルされた廃物カーペットが、熱溶解のアプリケーション・プロセス(hot melt application process)においてフィラーの材料として使用され、前記プロセスにおいては、これらの廃棄物を含む溶融材料が、強度等の所望の物理的特性及び寸法安定性を実現するようにカーペットの裏当てに応用される。
これにより、廃材を用いて未使用のフロアカバーの製造を可能とする一方、廃物カーペット類に必要な埋め立てまたは他の廃棄物処理の量を、実質的に排除あるいは少なくとも著しく低減するものである。
【0006】
また、本発明は、フィラーを含有する他の材料、例えば一般的に炭酸カルシウムのフィラーを用いている種々の押出し熱可塑性材料及び熱硬化性材料の生産にも適用可能なものである。
他の材料には、これらに限定されるものではないが、屋根材、道路の舗装材、日よけ(awnings)及び防水シート(tarps)が含まれる。
【0007】
本発明による好適な実施例においては、カバーの裏当て材料の少なくとも一部として廃物カーペット類を使用してフロアカバーを製造する方法が提供されており、該方法は、
a)廃物カーペット類を収集するステップと、
b)前記廃物カーペット類をサイズ低減させるステップと、
c)サイズ低減された前記廃物カーペット類を少なくとも一つの別の材料にフィラーとして添加し、フロアカバーの一次裏当てをバックコーティング(backcoating)するための溶融混合物を形成するステップと、
d)前記一次裏当てのフロア側にラミネート加工部(laminate)を形成するために、前記溶融混合物と繊維材料とを前記一次裏当てに適用するステップと、
e)前記一次裏当ての前記ラミネート加工部を冷却して、前記一次裏当てのフロア側に前記廃物カーペット類を含むバックコーティングを有するフロアカバーを形成するステップと、
を備えていることを特徴とするものである。
【0008】
当該方法において、ステップa)は、実質的に使用済みの廃物カーペット類のみ、実質的に新しいカーペットの製造の際に生じる廃物カーペット類のみ、あるいはこれら双方を混合したものを収集することにより実施することができる。
使用済みの廃物カーペット類は、必要に応じて使う前に従来の何らかの洗浄技術により洗浄される。
当該方法は一般的には表糸(face yarn)、一次裏当て及びバックコーティングの全てを利用して実施される一方、ある条件下では、当該方法はステップa)とステップb)との間に、廃物カーペット類のバックコーティングから表糸と一次裏当てとを分離し、実質的に表糸も一次裏当ても無い廃物カーペット類のバックコーティングを作製するステップを更に備え、実質的に廃物カーペット類のバックコーティングのみをステップb)で使用するようにしても良い。
また、一次裏当てあるいは二次裏当てのような一の特定のカーペットバックコーティングのみを使用するように、カーペットの種々のバックコーティングを互いに分離しても構わない。
【0009】
また本発明は、ステップb)とステップc)との間にステップf)として、
f)サイズ低減された前記廃物カーペット類を緻密にして(densify)、更にサイズ低減させるステップ、
を更に備えることができる。
また、ステップc)は、サイズ低減された廃物カーペット類として略40%〜100%のカーペットバックコーティングから成るフィラーを提供するように実施される。
例えば本発明の一の実施例においては、ステップc)とステップd)とは、約5%〜18%のEVA共重合体と、約32%〜45%のレジンと、約20%〜50%のサイズ低減された廃物カーペット類から成るフィラーと、約0%〜30%の炭酸カルシウムフィラーとを含むカーペットバックコーティングを生産するように実施される。
また当該方法を実施する際にステップb)とステップf)とを、炭酸カルシウムフィラーと実質的に等しい粒子サイズ及び粒子範囲を有するように廃物カーペットのコーティングを生産するように実施しても構わない。
【0010】
当該方法は、ラテックスのカーペットバックコーティングを含み、PVCバックコーティング、EVAあるいは他のポリマーをベースとするバックコーティングのような熱可塑性レジンに限定されるものではない。
【0011】
また本発明は一般的に、前記カーペットバックコーティングを備えている新しいカーペット類を製作することも更に含むものである。
【0012】
本発明によれば代替的にステップc)とステップd)とを、約20メッシュ〜100メッシュの間の廃物カーペット類フィラーの粒子サイズを有する押出し熱可塑性製品若しくは熱硬化性製品を生産するように、及び/または、日よけ、屋根材、道路の舗装材、あるいは防水シートを生産するように実施しても構わない。
【0013】
本発明の別な観点によれば、表面と一次裏当てと一次バックコーティングと少なくとも一つの二次バックコーティングとを備えたカーペット類であって、前記一次バックコーティング及び前記二次バックコーティングの少なくとも一方がポリマーとフィラーとを含んでおり、該フィラーの少なくとも約40%はサイズ低減された廃物カーペット類であり、前記一次バックコーティング及び前記二次バックコーティングの少なくとも一方が、ポリマー及びフィラーの溶解混合物として適用される熱溶解化合物を含むことを特徴とするカーペット類を提供するものである。
バックコーティングの少なくとも一つは、約5%〜18%のEVA共重合体と、約32%〜45%のレジンと、約20%〜50%のサイズ低減された廃物カーペット類から成るフィラーと、約0%〜30%の炭酸カルシウムフィラーとを含んでいる。
サイズ低減された廃物カーペット類は、サイズ低減された使用済みの廃物カーペット類を含むと共に、フィラーは炭酸カルシウムフィラーと実質的に等しい粒子サイズ及び粒子範囲を有している。
【0014】
本発明の主たる目的は、リサイクルされた廃物カーペット類を利用したフロアカバーを含む新しい材料を生産することにより、一般的にカーペットの裏当てまたはその他の製品に使用されているフィラー材料の、採掘またはその他の製法による生産量を削減する一方、廃棄物処理の問題を排除しようとするものである。
本発明のこれらの目的及びその他の目的は、発明の詳細な説明と添付の特許請求の範囲を精査することにより明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
標準的なカーペット類の構造が、図1に参照符号10をもって概略的に示されている。
このカーペット類は、一次裏当てとして知られている編み込み(woven)若しくは紡ぎ(spun)により結合された繊維14内へ房状に入り込んだ(tufted into)表糸11を備えている。
一次裏当て14は、一方の面から外側に向かって延在している内部で房状とされたパイル織物糸11と、反対側の面に形成された一次バックコーティングすなわちプレコート(precoat)12と、少なくとも一つの二次バックコーティングすなわちメインコート(main coat)13とを備えている。
また、他の層がカーペット類10に設けられる場合もある。
一次バックコーティングすなわちプレコート12は、一般的にラテックス、PVC、EVAあるいは他のポリマーをベースとする材料を含んでおり、あるいは二次バックコーティング13も、ポリプロピレン製の糸から編み込まれた繊維のような二次裏当て材料15と結合するポリマーを含んでいても良い。
一般的には、一次バックコーティング12及び二次バックコーティング13の一方あるいは双方はフィラーを含んでいる。
他のフィラーも使うことはできるけれども、最も一般的なフィラーは無機フィラー、典型的には炭酸カルシウムあるいは炭酸カルシウムを他の普及している金属塩と組み合わせたものである。
本発明によれば、新しいカーペット類10は、フィラーの全部若しくは一部の炭酸カルシウムに代えてサイズ低減された廃物カーペット類としての一次バックコーティング12及び二次バックコーティング13の一方あるいは双方から成るフィラーで生産することができる。
【0016】
また、カーペット類10は使用に応じてあらゆる数の他のレイヤーを有していても構わない。
例えば、カーペット類10は、(一般的にはフロア若しくはクッション(padding)に接触するのに適合された編み込み若しくはニードルパンチされた繊維の)従来の二次裏当てを備えていても構わない。
従って、一次バックコーティング12は、サイズ低減された廃物カーペット類から成るフィラーを含む場合もあれば含まない場合もある一以上の二次バックコーティング13のレイヤーを有するサイズ低減された廃物カーペット類から成るフィラーを含んでいても構わない。
しかしながら好適には、二次バックコーティング13は、一次バックコーティング12に積層された繊維と結合するサイズ低減された廃物カーペット類から成るフィラーを含んでいる。
【0017】
図2は、本発明による例示的な工程を概略的に示している。
この工程においては、図2の20で示されるように、まず使用されたカーペット類が収集される。
この収集のステップは、使用済みの廃物カーペット類の収集、新しいカーペットの製造に伴う標準的な手順から生じる廃物カーペット類の収集、あるいはこれら双方を含んでいる。
この20のステップで収集された使用されたカーペット類がかなり汚れている場合には、このカーペット類は、(後述するようにサイズ低減の前後のいずれであっても良いのであるが)何らかの適宜な従来の技術を使って洗浄される。
【0018】
本発明によれば、新しいカーペット類の製造においてその後に使用される廃物カーペット類は、実質的に表糸、一次裏当て、一次バックコーティング及び二次バックコーティング、並びにおそらく他の構成材を含む廃物カーペット類の全ての構成材を利用することを企図している。
しかしながら、廃物カーペット類の一部または全部についてのある条件下では、更なる手順の前に表糸、一次裏当て、一次バックコーティング及び二次バックコーティングを互いに分離しておくことが望ましい。
この任意的なカーペット構成材の分離は、図2の参照符号21で示されるステップとして図示されている。
この分離は、表糸、一次裏当て、一次バックコーティング及び二次バックコーティングがそれぞれ分離されるべきものであるかどうかにもよるが、一般的に特許文献1(引用により、その開示が本明細書に組み込まれる。)に記載されているような適宜の従来技術を用いて達成される。
ある特定の裏当てあるいはバックコーティングだけが使用されている場合には、廃物カーペット類が、実質的に同じタイプの新しい裏当てあるいはバックコーティング(例えばラテックスのバックコーティング)と適合するように試みても構わない。
【0019】
手順21が使用されるか否かを問わず、廃物カーペット類はサイズ低減のステップに供される。
図2の参照符号22で示されるように、好適にはサイズ低減は第1の粗いサイズ低減ステップを備えており、このステップは、特許文献1及び特許文献2に開示されているような、何らかの適宜な従来の裁断装置を利用して達成することができる。
【0020】
ある条件下ではサイズ低減22のみが行われる一方で、廃物カーペット類を緻密化すると共に更なるサイズ低減を行うことが頻繁に必要となるかまたは望ましい。
図2の参照符号23で示されるように、緻密化は22のステップからから得られるサイズ低減された廃物カーペット類の密度あるいは比重を増大させるステップを備えている。
図2において、22のステップから得られるサイズ低減された粒子は、簡単に取り扱うには大き過ぎ、フワフワし過ぎており、以後の工程で十分に混合しない場合がある。
それゆえステップ23の緻密化を行うことが望ましい。
ステップ23の緻密化は、特許文献1に記載されているような何らかの適宜な従来の技術、例えばコンダックス(condux)による緻密化あるいは造粒機(granulator)を使用することにより実施される。
【0021】
好適には23のステップの緻密化の後に、図2の参照符号24で示されるように、廃物カーペット類の第2のより微細なサイズ低減が行われる。
多くの場合、24のステップの第2のサイズ低減は、炭酸カルシウムフィラーと実質的に等しい粒子サイズ及び粒子範囲、例えばノミナルで約200メッシュ〜325メッシュを有する廃物カーペット類を生産するように実施される。
24のステップの第2のサイズ低減は、それ自体従来技術である粉砕あるいはローラーミルを用いる等により実施される。
【0022】
本発明による好適な手順においては、20〜24のステップから得られるサイズ低減された廃物カーペット類は、他の標準的なカーペットのバックコーティング構成材と共にフィラーとして、(一般に集合的に「メインコート(main coats)」と称される)一次バックコーティング、二次バックコーティングあるいはカーペット類の他の裏当て要素のために使用される。
例えば従来の構造体のラテックス、EVAあるいはPVCのバックコーティングは、特に図2の20〜24のステップから得られる廃物カーペット類から成るフィラーを利用するのに適している。
廃物カーペット類を実質的にフィラーのみとして使用することができ、すなわち、利用されるフィラーの多くを廃物カーペット類で置き換えることができる。
【0023】
本発明によれば、多種多様なポリマーあるいは他の材料をカーペットのバックコーティングを生産するために使用することができるが、以下にカーペットのバックコーティングの一例を示す。
Lees社のUnibond(登録商標)バックコーティングシステムのような標準的な熱溶解バックコーティングは、例えば以下のような成分を含んでいる(ここで下記に記載されている割合は、特に注記が無い限り、全て重量百分率である。)。
a.EVA共重合体が5%〜18%、
b.Exxon社のECR−171のようなレジンが32%〜45%、
c.炭酸カルシウムのフィラー(JR−78)が50%
【0024】
本発明によれば、フィラーとして全て炭酸カルシウムを使用する代わりに、溶融レジン及び共重合体に通常添加される炭酸カルシウムのかなりの量を、図2の20〜24のステップから得られる廃物カーペット類で置き換えることができる。
例えば、カーペットのバックコーティング(プレコート12あるいは二次バックコーティング13)から成るフィラーの約40%〜100%をサイズ低減された廃物カーペット類とすることができる。
従って上述した例においては、カーペットのバックコーティングの約20%〜50%をサイズ低減された廃物カーペット類から成るフィラー、約0%〜30%を炭酸カルシウムのフィラーとすることができ、例えばサイズ低減された(ノミナルで約200メッシュ〜325メッシュの)廃物カーペット類と炭酸カルシウムとをフィラーとして用いることができる。
【0025】
本発明による廃物カーペット類から成るフィラーは、図2の参照符号25で示されるように、標準的な熱溶解混合装置及び技術を用いて他の構成材と混合される。
好適な実施形態においては図2の参照符号26で示されるように、ポリマー、レジン及びサイズ低減された廃物カーペットの熱溶解混合物は、一次裏当てすなわちバックコーティングに適用される。
また、編み込み、フェルト若しくはニードルパンチされた繊維材料のような二次裏当て材料も、図2の参照符号27で示されるように熱溶解混合物に適用され、これが、廃物カーペット類から成るフィラーを含む参照符号26で示される熱溶解混合物と共に、一次裏当てのフロア側で積層体を形成する。
参照符号27で示されるように、この熱溶解混合物は塗布ローラによって熱溶融状態の一次裏当ての背面側に適用され、繊維材料と共に一次裏当てのフロア側でバックコーティング一方、他方あるいは双方を形成する。
次に図2の参照符号28で示されるように、従来技術を用いてバックコーティングは冷却される。
図2の26のステップから得られる追加的なバックコーティングを、従来技術により新しいカーペットを製造するために応用することができる。
図2の27のステップから得られる裏当ては、繊維材料と一緒でも一緒でなくても良いが好適には一緒に、カーペット類の一次バックコーティング12若しくは二次バックコーティング13として使用することもできるし、あるいはバックコーティングの全てにおいてフィラーとして使用することもできる。
また、ラテックスにより裏当てされた廃物カーペットを、熱可塑性材料あるいは熱硬化性材料に代えて上述した工程で使用することもできる。
【0026】
本発明の好適な実施例は、新しいカーペットの製造における廃物カーペット類の利用に関するものであるが、本発明は他の用途にも適用可能なものである。
例えば図2の参照符号30で概略的に示されるように、一般的に炭酸カルシウムあるいは他の無機フィラーを用いている押出し熱可塑性材料及び熱硬化性材料のような他の有用な製品を製造するために、20〜24のステップから得られるサイズ低減された廃物カーペット類を、他の材料にフィラーとして添加することもできる。
再度言及すると、炭酸カルシウムの従来フィラーの一部若しくは実質的に全部を、30のステップで使用される廃物カーペット類で代用することができる。
製造され得る多数の他の製品には、一般的に炭酸カルシウム(あるいはその均等物)をフィラーとして使用することのできる殆ど全ての製品、並びに図2の参照符号31で概略的に示されるように、それら全てが無機フィラーを含有している屋根材、日よけ、道路の表面材及び防水シートが含まれる。
これらの用途に対しては、カーペットのバックコーティングと同様の小さい粒子サイズとする必要は無く、例えば約20メッシュ〜100メッシュの間とすれば良い。
【0027】
上述した何らかの手順の際には、種々の常套的な改良を施すことができる。
例えば、所望の特性を備えた製品を生産するために必要であるか若しくは所望される試験、サンプリングあるいは何らかの他の適宜の技術的手段とされ得るよう、スクリーニングや他の汚染物質除去が所望に応じて実施される場合がある。
【0028】
そして本発明を実施すれば、新しいカーペットのバックコーティング、屋根材若しくはその他の状況において適切に処理された廃物カーペット類をフィラーとして使用することにより、新しい製品の品質を犠牲にすること無しに、廃物カーペット類の埋め立て若しくは他の廃棄物処理を実質的に排除あるいは著しく低減することができ、同時に無機フィラーの採掘を低減することができることが理解されるであろう。
【0029】
現時点で最も実用的且つ好適な実施例に基づいて本発明を説明したが、本発明は開示された実施例に限定されるものではなく、しかしながら対照的に、添付の特許請求の範囲の精神及び技術的範囲に包含される種々の改良物及び均等物をも包含することを意図していることは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】従来のカーペット類、あるいは本発明により生産されたカーペット類の概略断面を示す図である。
【図2】本発明により実施可能な種々の方法ステップを図示するブロック図である。
【符号の説明】
【0031】
10 カーペット類
11 パイル織物
12 一次バックコーティング(プレコート)
13 二次バックコーティング(メインコート)
14 一次裏当て
15 二次裏当て材料
20 使用されたカーペット類を収集するステップ
21 カーペット構成材を分離するステップ
22 第1のサイズ低減ステップ
23 緻密化ステップ
24 第2のサイズ低減ステップ
25 混合ステップ
26 一次裏当てへの適用ステップ
27 熱溶解混合物への適用ステップ
28 冷却ステップ
30 他の材料にフィラーとして添加するステップ
31 新たな他の製品を製造するステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバーの裏当て材料の少なくとも一部として廃物カーペット類を使用してフロアカバーを製造する方法であって、
a)廃物カーペット類を収集するステップと、
b)前記廃物カーペット類をサイズ低減させるステップと、
c)サイズ低減された前記廃物カーペット類を少なくとも一つの別の材料にフィラーとして添加し、フロアカバーの一次裏当てをバックコーティングするための溶融混合物を形成するステップと、
d)前記一次裏当てのフロア側にラミネート加工部を形成するために、前記溶融混合物と繊維材料とを前記一次裏当てに適用するステップと、
e)前記一次裏当ての前記ラミネート加工部を冷却して、前記一次裏当てのフロア側に前記廃物カーペット類を含むバックコーティングを有するフロアカバーを形成するステップと、
を実質的に備えていることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ステップb)と前記ステップc)との間に、
f)サイズ低減された前記廃物カーペット類を緻密にして、更にサイズ低減させるステップ、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップc)が、サイズ低減された廃物カーペット類を、EVAと粘着力を高めるレジンとを含む少なくとも2つの他の材料に添加することにより実施され、前記ステップd)が、塗布ローラを用いて前記溶融混合物を前記一次裏当てに適用するステップを備えていることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップc)は、サイズ低減された廃物カーペット類として略40%〜100%のフロアカバーバックコーティングから成るフィラーを提供するように実施されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ステップc)と前記ステップd)とは、約5%〜18%のEVA共重合体と、約32%〜45%のレジンと、約20%〜50%のサイズ低減された廃物カーペット類から成るフィラーと、約0%〜30%の炭酸カルシウムフィラーとを含むフロアカバーバックコーティングを生産するように実施されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ステップc)と前記ステップd)とは、押出し熱可塑性製品若しくは熱硬化性製品を生産するように実施されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ステップa)がラテックスで裏当てされた廃物カーペットを収集するステップを備えていると共に、前記ステップc)が前記溶融混合物を形成するためにサイズ低減されたラテックスで裏当てされた前記廃物カーペットを添加するステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ステップc)、前記ステップd)及び前記ステップe)は、ラテックス、EVAまたはPVCのフロアカバーバックコーティングを生産するように実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ステップa)と前記ステップb)との間に、廃物カーペット類から表糸と一次裏当てとを分離し、表糸も一次裏当ても無い廃物カーペット類のバックコーティングを作製するステップを更に備え、実質的に廃物カーペット類のバックコーティングのみを前記ステップb)及び以後のステップにおいて使用することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ステップb)と前記ステップf)とは、ノミナルで約200メッシュ〜325メッシュの粒子サイズ及び粒子範囲を有するように廃物カーペット類を生産するように実施されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記ステップa)が、実質的に使用済み廃物カーペット類のみを収集するように実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ステップc)、前記ステップd)及び前記ステップe)は、フロアカバーの一次バックコーティングを生産するように実施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記ステップb)と前記ステップc)との間に、
f)サイズ低減された前記廃物カーペット類を緻密にして、更にサイズ低減させるステップ、
を備えていることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記ステップb)と前記ステップc)との間に、
f)サイズ低減された前記廃物カーペット類を緻密にして、更にサイズ低減させるステップ、
を備えていることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記ステップb)と前記ステップc)との間に、
f)サイズ低減された前記廃物カーペット類を緻密にして、更にサイズ低減させるステップ、
を備えていることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記ステップb)と前記ステップf)とは、ノミナルで約200メッシュ〜325メッシュの粒子サイズ及び粒子範囲を有する廃物フロアカバーを生産するように実施されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項17】
カバーの裏当て材料の少なくとも一部として廃物カーペット類を使用してフロアカバーを製造する方法であって、
a)廃物カーペット類を収集するステップと、
b)前記廃物カーペット類をサイズ低減させるステップと、
c)サイズ低減された前記廃物カーペット類を少なくとも一つの別の材料にフィラーとして添加し、フロアカバーの一次裏当てをバックコーティングするための溶融混合物を形成するステップと、
d)前記一次裏当てのフロア側にラミネート加工部を形成するために、前記溶融混合物のコーティングと繊維材料とを前記一次裏当てに適用するステップと、
e)編み込み、フェルト若しくはニードルパンチされた二次裏当て材料を、コーティングされた前記一次裏当てに結合させるステップと、
f)前記一次裏当ての前記ラミネート加工部を冷却して、前記フロアカバーのフロア側に前記廃物カーペット類を含むバックコーティングを有するフロアカバーを形成するステップと、
を実質的に備えていることを特徴とする方法。
【請求項18】
表面と一次裏当てと一次バックコーティングと少なくとも一つの二次バックコーティングとを備えたカーペット類であって、前記一次バックコーティング及び前記二次バックコーティングの少なくとも一方がポリマーとフィラーとを含んでおり、該フィラーの少なくとも約40%はサイズ低減された廃物カーペット類であり、前記一次バックコーティング及び前記二次バックコーティングの少なくとも一方が、ポリマー及びフィラーの溶解混合物として適用される熱溶解化合物を含むことを特徴とするカーペット類。
【請求項19】
前記バックコーティングの少なくとも一つは、約5%〜18%のEVA共重合体と、約32%〜45%のレジンと、約20%〜50%のサイズ低減された廃物カーペット類から成るフィラーと、約0%〜30%の炭酸カルシウムフィラーとを含んでいることを特徴とする請求項18に記載のカーペット類。
【請求項20】
サイズ低減された前記廃物カーペット類が、サイズ低減された使用済みの廃物カーペット類を含むと共に、前記フィラーが、ノミナルで約200メッシュ〜325メッシュの粒子サイズ及び粒子範囲を有していることを特徴とする請求項18に記載のカーペット類。
【請求項21】
前記二次バックコーティングが、ポリマー及びフィラーの熱溶解化合物を含んでおり、繊維材料が、前記熱溶解化合物と共に積層され、且つ前記一次裏当てに積層されていることを特徴とする請求項18に記載のカーペット類。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−519034(P2006−519034A)
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−569208(P2004−569208)
【出願日】平成15年11月12日(2003.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2003/035917
【国際公開番号】WO2004/078473
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(504014613)モホーク・ブランズ・インコーポレーテッド (6)
【Fターム(参考)】