建物下地材と、それを用いた壁下地フレーム
【課題】鉄骨構造建物において壁面形状などのデザインの自由度を好適に高める。
【解決手段】壁下地フレーム10は、上枠ランナ11及び下枠ランナ12を有しており、さらに上枠ランナ11及び下枠ランナ12の間に複数本のスタッド13を有している。かかる構成において、各ランナ11,12は、複数のランナ片21を連結させて形成されている。これら各ランナ片21は、それぞれのウェブ延長部が重ね合わされており、その重ね合わせ部位においてピン結合されている。当該構成により、各ランナ片21が相互に回転可能となっており、各ランナ11,12が曲線状に形成されている。そして、これら各ランナ11,12を用いることにより、壁下地フレーム10は曲面状のフレーム面を有している。
【解決手段】壁下地フレーム10は、上枠ランナ11及び下枠ランナ12を有しており、さらに上枠ランナ11及び下枠ランナ12の間に複数本のスタッド13を有している。かかる構成において、各ランナ11,12は、複数のランナ片21を連結させて形成されている。これら各ランナ片21は、それぞれのウェブ延長部が重ね合わされており、その重ね合わせ部位においてピン結合されている。当該構成により、各ランナ片21が相互に回転可能となっており、各ランナ11,12が曲線状に形成されている。そして、これら各ランナ11,12を用いることにより、壁下地フレーム10は曲面状のフレーム面を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物下地材と、それを用いた壁下地フレームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄骨構造建物の建物下地材としては、軽量形鋼からなる長尺のランナやスタッドが知られている。そして、これらランナやスタッドがタップネジなどによって接合固定されることにより壁下地フレームが形成されている。
【0003】
ところで、近年の建物においては、デザインの多様化に伴い、壁面を曲面状としたり、室内出入口や窓部等において開口部をアーチ型としたものなどが提案されている。この場合に、ランナやスタッドを曲線状に加工するのは困難であるため、上記のようなデザインを鉄骨構造建物において適用するためには建物下地材に関して何らかの工夫を要する。これに対して、例えば特許文献1では、建物に曲面外壁パネルを取り付けるための取付構造として、複数の溝形鋼(チャンネル材)を枠状に連結して一方の側面を曲面形状とした下地フレームを用い、その下地フレームの曲面側に複数の外壁パネルを固定することとしている。
【特許文献1】特開平8−158513号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、各溝形鋼を壁面の曲率に合わせて連結する必要が生じるため、連結時における各溝形鋼の角度調整が難しく、また連結後においてはその連結角度を変更することができない。そのため、連結時における角度調整作業や、連結作業を入念に行う必要があり、壁下地フレームの形成作業を効率良く行うことができない。したがって、かかる作業性に関して改良の余地がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、鉄骨構造建物において壁面形状などのデザインの自由度を好適に高めることができる建物下地材と、それを用いる壁下地フレームを提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。なお以下では、理解を容易にするため、発明の実施の形態において対応する構成例を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0007】
本発明の建物下地材(上枠ランナ11、下枠ランナ12、建物下地材55)は、軽量形鋼よりなる複数の鋼材片(ランナ片21、スタッド片61)を用い、それら各鋼材片の端部を、軸部を中心に互いに回転可能に連結して形成されている。本構成によれば、連結された状態の各鋼材片を適宜回転させることで建物下地材を所望の形状に調整することができ、曲線部位を形成する上での作業性の向上が図られる。
【0008】
かかる建物下地材を用いて壁下地フレーム(壁下地フレーム10,50)を形成することにより、フレーム面を曲面状としたり、開口部を曲線状としたりする上で、その形成作業の作業性の向上が図られる。以上より、鉄骨構造建物において壁面形状などのデザインの自由度を好適に高めることができる。
【0009】
なお、軸部は、各鋼材片の端部にそれぞれ形成した孔部(ピン孔28,29,68,69,長孔91)に、軸材(リベット31,71)を挿通することで設けることができ、また一方の鋼材片の端部に形成した孔部に対して他方の鋼材片の端部に形成した突起部を挿通することによっても設けることができる。
【0010】
溝形鋼よりなる鋼材片(ランナ片21)を用いて上記建物下地材を形成する場合、当該鋼材片のウェブ(ウェブ22)をフランジ(フランジ23)に対して延長させて設け、その延長部(ウェブ延長部24,25,101,102)を用いて各ウェブを重ね合わせるとともにその重ね合わせ部位において各鋼材片を回転可能に連結すると良い。このようにウェブの延長部により各鋼材片を連結することにより、フランジを干渉させることなく各鋼材片を回転させることができる。かかる建物下地材は、湾曲可能なランナとして使用することが可能であり、フレーム面を曲面状とする場合に用いると良い。
【0011】
又は、溝形鋼よりなる鋼材片(スタッド片61)を用いて上記建物下地材を形成する場合、当該鋼材片の対向する2つのフランジ(フランジ62)をウェブ(ウェブ63)に対して延長させて設け、その延長部(フランジ延長部64,65,95,96)を用いて各フランジを重ね合わせるとともにその重ね合わせた部位において各鋼材片を回転可能に連結すると良い。このようにフランジの延長部により各鋼材片を連結することにより、ウェブを干渉させることなく各鋼材片を回転させることができる。かかる建物下地材は、湾曲可能なスタッドとして使用することが可能であり、曲線状の開口部を形成する場合に用いると良い。
【0012】
上記のようにフランジの延長部を設けた構成においては、互いに連結される2つの鋼材片のうち一方の鋼材片について、対向する延長部を他方の鋼材片の対向するフランジ間に配置するとともに、それら各延長部の外面を各フランジの内面に重ね合わせると良い。この場合、建物下地材に対して、フランジに直交する方向であって当該フランジの外側又は内側のいずれに負荷がかかったとしても、その負荷はフランジ同士の重ね合わせ部分にて受けられ、軸部にかかる負荷が低減される。これにより、各フランジの重ね合わせ方向における強度を高めることができる。
【0013】
上記延長部の幅方向の中心線上に軸部を設けるとともに、当該延長部をその幅方向の中心線に対して対称形であって、且つ先端に向けて幅が狭くなるよう形成すると良い。本構成を、ウェブを延長させた構成に適用することにより、連結された2つの鋼材片について、一方の鋼材片のウェブ延長部と他方の鋼材片の対向する両フランジとを干渉させることなく、中心線に対して両フランジ側に同角度で回転させることができる。また、本構成を、フランジを延長させた構成に適用することにより、連結された2つの鋼材片について、一方の鋼材片の対向するフランジ延長部と他方の鋼材片のウェブとを干渉させることなく、当該ウェブを基準として内外両側に同角度で回転させることができる。
【0014】
互いに連結される2つの鋼材片のうち一方の鋼材片について、延長部の基端部付近の位置に軸部を設けると良い。この場合、延長部の基端部よりも先端側にて連結相手側の鋼材片と重なり合う。そのため、各鋼材片の重なり合う領域を十分に確保でき、各鋼材片の重ね合わせ方向における強度を高めることができる。
【0015】
延長部に内側に向けて突出し幅方向に沿った段差部(段差部27,67,103,104)を形成し、その段差部よりも先端側の外面を、連結相手側の鋼材片の内面に重ね合わせると良い。本構成を、ウェブを延長させた構成に適用する場合、段差部よりも先端側の外面を、連結相手側のウェブの内面に重ね合わせる。これにより、建物下地材のウェブの外面を平坦状にすることができる。また、本構成を、フランジを延長させた構成に適用する場合、段差部よりも先端側の外面を、連結相手側のフランジの内面に重ね合わせる。これにより、建物下地材のフランジの外面を平坦状にすることができる。
【0016】
なお、段差部の段差寸法を延長部の厚み分とすることで、段差部よりも先端側の外面を、連結相手側の鋼材片の内面に重ね合わせるだけで、建物下地材のウェブの外面又はフランジの外面を平坦状にすることができる。
【0017】
また、フランジを延長させた構成においては、鋼材片における両フランジの両端にそれぞれ延長部を設け、それら4つの延長部のうち、対角に位置する延長部に前記段差部を形成して同一形態とすると良い。この場合、各延長部の対角線の交点を中心として鋼材片が対称形となるため、各鋼材片を使用する際の向きの制約が低減され、建物下地材を形成する際の作業性の向上が図られる。
【0018】
各鋼材片の延長部同士を重ね合わせ、その重ね合わせ部位を回転可能に連結すると良い。本構成を、ウェブを延長させた構成に適用することで、互いに連結された2つの鋼材片について、フランジ間の距離を広くすることができ、鋼材片の回転角度を広角としても各鋼材片のフランジ同士が干渉しなくなる。また、フランジを延長させた構成に適用することで、互いに連結された2つの鋼材片について、ウェブ間の距離を広くすることができ、鋼材片の回転角度を広角としても各鋼材片のウェブ同士が干渉しなくなる。
【0019】
互いに連結される2つの鋼材片について、一方の鋼材片の延長部には内側に向けて突出し幅方向に沿った段差部(段差部67)を形成するとともに、他方の鋼材片の延長部を半円状に形成し、その円中心が軸部による回転中心となるように、且つ半円状の延長部の円弧状縁部が段差部に当接するように各鋼材片の延長部同士を重ね合わせて連結すると良い。この場合、円弧状縁部が段差部に当接した状態が保持される。当該構成を、フランジを延長させた構成に適用することで、下側の鋼材片に対して上側の鋼材片からかかる荷重が、円弧状縁部と段差部との当接部分において受けられ、軸部にかかる荷重が低減される。
【0020】
軸部を構成する孔部(長孔91)を長孔状とし、当該孔部に沿って一方の鋼材片を他方に対してスライド可能とすると良い。これにより、連結させた各鋼材片のスライド位置を調整することで、建物下地材の長さ調整を行うことが可能となる。
【0021】
なお、各鋼材片をいずれのスライド位置においても回転可能とすることで、建物下地材を曲線状に曲げる上での自由度を高めることができる。又は、所定のスライド位置においては各鋼材片が相互に当接し、直線状となった状態で保持されるようにすることで、建物下地材において直線部分と曲線部分との両方を形成する上で好適なものとなる。
【0022】
回転可能な状態で連結された各鋼材片の一方に凸部(凸部41)を形成するとともに、他方には各鋼材片の所定の回転角度にて上記凸部が入り込む凹部(スリット42)を形成すると良い。この場合、各鋼材片の回転角度を、凹部内に凸部が入り込む角度とすることで、予め定めた回転角度に容易に調整することができる。また、本構成においては、凸部と凹部という比較的簡素な構成により上記効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態における建物は、鉄骨構造建物であり軽量形鋼製の壁下地フレームを備えている。図1は壁下地フレーム10の構成を示す斜視図である。
【0024】
図1に示すように、壁下地フレーム10は、複数の建物下地材から構成されている。具体的には、壁下地フレーム10は、上枠ランナ11及び下枠ランナ12を有しており、さらに上枠ランナ11及び下枠ランナ12の間に複数本のスタッド13を有している。各スタッド13は、上下方向に延びた状態で平行に配置されている。そして、上枠ランナ11により各スタッド13の上端が連結され、下枠ランナ12により各スタッド13の下端が連結されている。
【0025】
ここで、上枠ランナ11及び下枠ランナ12は、複数のランナ片21を連結させて形成されており、さらに全体として湾曲した形状となっている。以下、ランナ片21について詳述する。図2(a)はランナ片21の斜視図、図2(b)はランナ片21の側面図である。
【0026】
ランナ片21は、規格化されている溝形鋼を切断及び加工することで形成されており、長尺状をなしている。ランナ片21のウェブ22はその両端側においてフランジ23に対して延長されており、ウェブ延長部24,25が形成されている。それらウェブ延長部24,25は、幅方向の中心線に対して対称形となっており、さらに先端に向けて幅が狭くなるよう形成されている。具体的には、二等辺三角形状をなしている。なお、ウェブ延長部24,25の形状はニ等辺三角形状に限定されることはなく、半円状としてもよい。
【0027】
各ウェブ延長部24,25のうち、第1ウェブ延長部24(図2(b)における左側)はその外側ウェブ面24aが、ウェブ22における対向するフランジ23間に挟まれた領域(基部26)の外側ウェブ面26aと同一平面上にある。一方、第2ウェブ延長部25(図2(b)における右側)はその基端に幅方向に沿った段差部27が絞り加工によって形成されており、基部26の外側ウェブ面26aと第2ウェブ延長部25の外側ウェブ面25aとは段違いとなっている。なお、段差部27の形成方法は絞り加工に限定されることはないが、その形成の容易性等に鑑みて絞り加工が好ましい。
【0028】
段差部27は、各外側ウェブ面25a,26aに対して直交する方向であって内側に向けて形成されており、その段差寸法X1はウェブ22(ランナ片21)の厚み寸法分となっている。したがって、図2(b)に示すように、第2ウェブ延長部25は基部26に対して厚み寸法分内側に入り込んでいる。
【0029】
第1ウェブ延長部24及び第2ウェブ延長部25には、それぞれ厚み方向に貫通するピン孔28,29が形成されている。この場合、第1ウェブ延長部24のピン孔28は当該延長部24の幅方向の中心線上であって基端部付近の位置に形成されている。第2ウェブ延長部25のピン孔29は当該延長部25の幅方向の中心線上であって先端側の位置に形成されている。また、ピン孔28から第1ウェブ延長部24の先端までの距離L1は、ピン孔29から第2ウェブ延長部25の段差部27までの距離L2と同一となっている(L1=L2)。なお、各距離L1,L2の関係を、L1<L2としてもよい。これらピン孔28,29を用いて複数のランナ片21が連結されている。
【0030】
次に、ランナ片21の連結に関する構成を説明する。図3(a),(b)は連結に関する構成を説明するための斜視図、図3(c)は連結に関する構成を説明するための側面図である。また、図4(a),(b)は各ランナ片21の動きを説明するための平面図である。
【0031】
各ランナ片21を連結する場合、一方のランナ片21の第1ウェブ延長部24と他方のランナ片21の第2ウェブ延長部25とを、第1ウェブ延長部24が第2ウェブ延長部25に対して外側になるようにして、且つ各ピン孔28,29が連通するようにして重ね合わせる。このとき、上記のとおりピン孔28,29の位置が設定されているため、第1ウェブ延長部24の先端を第2ウェブ延長部25の段差部27aに当接させることで、ピン孔28,29の位置合わせを行い易くなっている。また、重ね合わせた際には、段差部27の段差寸法X1が上記のとおり設定されていることにより、図3(c)に示すように各基部26の外側ウェブ面26aは同一平面上にある。
【0032】
連通されたピン孔28,29に対して軸材としてのリベット31が挿通され、各ウェブ延長部24,25がピン結合されている。リベット31は、連通されたピン孔28,29に対して離脱不能に挿通されている。具体的には、リベット31はその挿通軸部32がピン孔28,29よりも小径に形成されており、ピン孔28,29に挿通された状態で挿通軸部32の先端が潰されている。この場合、リベット31の両端が潰れた状態となり、リベット31が離脱不能となる(以下、リベット31の頭部とその潰れた部位とを端部33,34という)。
【0033】
リベット31のピン結合によって、各ランナ片21は相互に回転可能に連結されるとともに、必要に応じてその回転が阻止されるようになっている。つまり、リベット31の両端部33,34間の距離を、重ね合わせたウェブ延長部24,25の厚み寸法よりも大きくしておくことで、各ランナ片21はリベット31を軸心として相互に回転可能となる(このリベット31の状態を回転許容状態ともいう)。一方、上記回転許容状態にあるリベット31の両端をさらに潰すことにより、各ランナ片21の回転が阻止される(このリベット31の状態を回転阻止状態ともいう)。
【0034】
リベット31が回転許容状態にある場合、図4(a),(b)に示すように、各ランナ片21を相互に回転させることができる。ここで、ランナ片21には、相互の回転位置(回転角度)を所定位置(所定角度)にて保持するための回転位置保持手段(回転角度保持手段)が設けられている。
【0035】
この回転位置保持手段について詳細には、図2に示すように、第1ウェブ延長部24の内側ウェブ面に凸部41が一体形成されている。この凸部41は突片を内側ウェブ面に溶接等することにより形成されているが、その形成方法は任意であり、例えば第1ウェブ延長部24の一部を内側に突出させて形成してもよい。凸部41は、第1ウェブ延長部24の先端とピン孔28との間において、第1ウェブ延長部24の幅方向の中心線を通り且つランナ片21の長手方向に延びている。凸部41の高さ寸法は、第1ウェブ延長部24(ランナ片21)の厚み寸法と略同一となっているが、これよりも小さくてもよい。
【0036】
一方、第2ウェブ延長部25には厚み方向に貫通させて複数(例えば、5個)のスリット42が形成されている。スリット42は、凸部41よりも一回り大きく形成されている。また、各スリット42は、第2ウェブ延長部25の段差部27とピン孔29との間の領域においてピン孔29を中心に放射状に設けられている。
【0037】
各ランナ片21の回転位置を図4(a)に示す位置とした場合、中央のスリット42内に凸部41が入り込む。これにより、図4(a)の位置にて各ランナ片21の回転位置が保持される。また、第2ウェブ延長部25を若干浮かせることにより、中央のスリット42内に凸部41が入り込んだ状態が解除され、各ランナ片21を相互に回転させることができる。そして、例えば、図4(b)に示す位置にてその浮かせた状態を解除することにより、中央のスリット42の側方にあるスリット42内に凸部41が入り込む。これにより、図4(b)の位置にて各ランナ片21の回転位置が保持される。なお、各ウェブ延長部24,25について、凸部41とスリット42とをいずれに形成するかは任意であり、第1ウェブ延長部24にスリット42を形成するとともに第2ウェブ延長部25に凸部41を形成してもよい。
【0038】
以上のランナ片21を列状に並べて連結することにより、上記のとおり上枠ランナ11及び下枠ランナ12が形成されている(図1参照)。この場合、連結させるランナ片21の数を増減させることにより、各ランナ11,12の長さ寸法を所望の大きさに調整可能である。また、各リベット31が回転許容状態にある場合には、各ランナ11,12を任意の形状に湾曲させることができる。その湾曲させた状態は回転位置保持手段により保持され、仮固定される。また、各ランナ11,12を所望の形状とした場合には、各リベット31を回転阻止状態にすることにより、その所望の形状にて本固定される。
【0039】
所望の形状にて本固定した各ランナ11,12により各スタッド13の両端を被覆した状態で、それらをタップネジなどによって接合固定することにより、図1に示すように曲面状のフレーム面を有する壁下地フレーム10が形成される。そして、かかる壁下地フレーム10に対して壁パネルを取り付けることにより、曲面状の壁面が形成される。
【0040】
なお、各スタッド13の各ランナ11,12への接合固定に際しては、ランナ片21の段差部27における内側段差面に当接するように各スタッド13を配置することにより、その位置決めを容易に行うことができる。
【0041】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0042】
建物下地材としての各ランナ11,12を、複数のランナ片21を用い、それら各ランナ片21をピン結合により互いに回転可能に連結して形成した。これにより、連結された状態の各ランナ片21を適宜回転させることで、各ランナ11,12を所望の形状に調整することができ、曲線部位を形成する上での作業性の向上が図られる。そして、これら各ランナ11,12を用いて壁下地フレーム10を形成することにより、フレーム面を曲面状とする上で、その形成作業の作業性の向上が図られる。よって、鉄骨構造建物において壁面形状などのデザインの自由度を好適に高めることができる。また、本構成によれば、壁面の曲率を変更する場合、連結状態にある各ランナ片21の回転角度を変更するだけでよいため、各ランナ11,12の汎用性が高められる。なお、ランナ片21は、規格化されている溝形鋼を切断及び加工することで形成できるため、比較的低コストで上記効果が得られる。
【0043】
ランナ片21のウェブ22をフランジ23に対して延長させ、ウェブ延長部24,25を設けた。そして、それらウェブ延長部24,25の幅方向の中心線上にピン孔28,29を形成するとともに、当該延長部24,25を二等辺三角形状とすることにより幅方向の中心線に対して対称形であって且つ先端に向けて幅が狭くなるようにした。これにより、連結された2つのランナ片21について、一方のランナ片21の第2ウェブ延長部25と他方のランナ片21の対向する両フランジ23とを干渉させることなく、さらには一方のランナ片21の第1ウェブ延長部24と他方のランナ片21の段差部27とを干渉させることなく、中心線に対して両フランジ23側に同角度で回転させることができる。
【0044】
また、各ランナ片21のウェブ延長部24,25同士を重ね合わせ、その重ね合わせ部位にて各ランナ片21をピン結合した。これにより、互いに連結される2つのランナ片21について、フランジ23間の距離を広くすることができ、ランナ片21の回転角度を広角としても各ランナ片21のフランジ23同士が干渉しなくなる。
【0045】
第1ウェブ延長部24の基端部付近の位置に軸部を構成するピン孔28を形成した。この場合、第1ウェブ延長部24の基端部よりも先端側にて連結相手側のランナ片21の第2ウェブ延長部25と重なり合う。そのため、各ランナ片21の重なり合う領域を十分に確保でき、各ランナ片21の重ね合わせ方向における強度を高めることができる。
【0046】
各ウェブ延長部24,25のうち、第2ウェブ延長部25には内側に向けて当該延長部25の厚み分突出し且つ幅方向に沿った段差部27を形成した。そして、第2ウェブ延長部25の段差部27よりも先端側の外側ウェブ面を第1ウェブ延長部24の内側ウェブ面に重ね合わせた。これにより、各ランナ片21の外側ウェブ面26aが同一平面上に位置することとなり、複数のランナ片21を連結させて形成した構成においてランナ11,12における外側ウェブ面が平坦になる。よって、土台等へのランナ11,12の載置を良好に行うことができる。
【0047】
第1ウェブ延長部24に凸部41を形成するとともに、第2ウェブ延長部25に各ランナ片21の所定の回転位置にて凸部41が入り込むスリット42を形成した。この場合、各ランナ片21の回転角度を、スリット42内に凸部41が入り込む角度とすることで、予め定めた回転角度に容易に調整することができる。また、本構成においては、凸部41とスリット42という比較的簡素な構成により上記効果が得られる。
【0048】
(第2の実施形態)
本実施形態では、壁下地フレーム及びそれに使用される建物下地材の構成が上記第1の実施形態と異なっている。そこで、以下にこれらの構成について説明する。図5は壁下地フレーム50の構成を示す正面図である。
【0049】
本実施形態の壁下地フレーム50は、鉄骨構造建物において開口部を有する壁に対して適用される。壁下地フレーム50は、上枠ランナ51a、下枠ランナ51b、及び複数の縦枠スタッド51c,51dにより形成された矩形枠体51を有しており、さらにこの矩形枠体51内に開口部形成用の開口用枠体52を有している。なお、矩形枠体51内には開口用枠体52の他に、上枠ランナ51aに沿うようにしてまぐさ53が設けられており、さらにまぐさ53と開口用枠体52とを連結する複数の連結用スタッド54とが設けられている。
【0050】
開口用枠体52は、上縁側の建物下地材55と開口用スタッド56とからなる。そのうち建物下地材55は複数に細分化されたスタッド片61を連結させて形成されており、さらに全体として湾曲した形状となっている。以下、スタッド片61について詳述する。図6(a)はスタッド片61の斜視図、図6(b)はスタッド片61の正面図である。
【0051】
スタッド片61は、規格化されているリップ溝形鋼を切断及び加工することで形成されている。スタッド片61の対向する2つのフランジ62はその両端側においてウェブ63に対して延長されており、フランジ延長部64,65が形成されている。それらフランジ延長部64,65は、幅方向の中心線に対して対称形となっており、さらに先端に向けて幅が狭くなるよう形成されている。具体的には、半円状に形成されており、周縁部は円弧状をなしている。
【0052】
各フランジ延長部64,65のうち、一端側にて対向する一対の第1フランジ延長部64(図6(b)における上側)間の距離は、フランジ62におけるウェブ63とリップとに挟まれた領域(基部66)間の距離と同一となっており、第1フランジ延長部64の外側フランジ面64aは基部66の外側フランジ面66aと同一平面上にある。なお、対向する各第1フランジ延長部64は同一形状をなしている。
【0053】
一方、他端側にて対向する一対の第2フランジ延長部65(図6(b)における下側)は、その基端に、幅方向に沿った段差部67が絞り加工によって形成されており、第2フランジ延長部65の外側フランジ面65aは基部66の外側フランジ面66aに対して段違いとなっている。なお、段差部67の形成方法は絞り加工に限定されることはないが、その成形の容易性等に鑑みて絞り加工が好ましい。段差部67は、各外側フランジ面65a,66aに対して直交する方向であって内側に向けて形成されており、その段差寸法X2は第2フランジ延長部65(スタッド片61)の厚み寸法分となっている。したがって、図6(b)に示すように、各第2フランジ延長部65は対応する基部66に対して厚み寸法分内側に入り込んでおり、各第2フランジ延長部65間の距離は各基部66間の距離よりも短くなっている。なお、対向する各第2フランジ延長部65は同一形状をなしている。
【0054】
第1フランジ延長部64及び第2フランジ延長部65には、それぞれ厚み方向に貫通するピン孔68,69が形成されている。第1フランジ延長部64のピン孔68は当該延長部64の幅方向の中心線上であって基端部付近の位置に形成されている。より具体的には、ピン孔68は、半円状をなす第1フランジ延長部64においてその円の中心位置に設けられている。つまり、ピン孔68から第1フランジ延長部64の周縁部までの距離L3は、当該周縁部のいずれの位置に対しても同一となっている。第2フランジ延長部65のピン孔69は当該延長部65の幅方向の中心線上であって先端側の位置に形成されており、ピン孔69から段差部67までの距離L4は、上記ピン孔68から第1フランジ延長部64の周縁部までの距離L3と同一となっている(L3=L4)。なお、各距離L3,L4の関係を、L3<L4としてもよい。また、対向するフランジ延長部64,65間においてそれぞれのピン孔68,69は同一軸線上にある。ピン孔68,69を用いて複数のスタッド片61が連結されている。
【0055】
次に、スタッド片61の連結に関する構成を説明する。図7(a)は連結に関する構成を説明するための斜視図、図7(b)は連結に関する構成を説明するための正面図である。また、図8(a),(b)は各スタッド片61の動きを説明するための斜視図である。
【0056】
各スタッド片61を連結する場合、各ピン孔68,69が連通するようにして、一方のスタッド片61の各第1フランジ延長部64間に他方のスタッド片61の各第2フランジ延長部65を挿し込む。このとき、上記のとおりピン孔68,69の位置が設定されていることにより、ピン孔68,69の位置合わせが行い易くなっている。また、差し込んだ際には、段差部67の段差寸法X2が上記のとおり設定されていることにより、図7(b)に示すように、第1フランジ延長部64と第2フランジ延長部65とが重なり合う。この場合、各スタッド片61の基部66の外側フランジ面66aは同一平面上にある。
【0057】
連通されたピン孔68,69に対して軸材としてのリベット71が挿通され、各フランジ延長部64,65がピン結合されている。リベット71は、連通されたピン孔68,69に対して離脱不能に挿通されている。具体的には、リベット71はその挿通軸部72がピン孔68,69よりも小径に形成されており、ピン孔68,69に対して挿通された状態で挿通軸部72の先端が潰されている。この場合、リベット71の両端が潰れた状態となり、リベット71が離脱不能となる(以下、リベット71の頭部とその潰れた部位とを端部73,74という)。
【0058】
リベット71のピン結合によって、各スタッド片61は相互に回転可能に連結されるとともに、必要に応じてその回転が阻止されるようになっている。つまり、リベット71の両端部73,74間の距離を、重ね合わせたフランジ延長部64,65の厚み寸法よりも大きくしておくことで、各スタッド片61は図8(a),(b)に示すように、リベット71を軸心として相互に回転可能となる(このリベット71の状態を回転許容状態ともいう)。一方、上記回転許容状態にあるリベット71の両端部73,74をさらに潰すことにより、各スタッド片61の回転が阻止される(このリベット71の状態を回転阻止状態ともいう)。
【0059】
ここで、上述したように、ピン孔68は半円状をなす第1フランジ延長部64においてその円の中心位置に設けられている。また、ピン孔68から第1フランジ延長部64の周縁部までの距離L3は、ピン孔69から第2フランジ延長部65の先端までの距離L4と同一となっている。したがって、リベット71が回転許容状態にある場合、第1フランジ延長部64の円弧状の周縁部が第2フランジ延長部65の段差部67に当接した状態が維持されながら、各スタッド片61が相互に回転することとなる。また、この回転に際しては一方のスタッド片61のウェブ63を基準として他方のスタッド片61を内外両側に回転させることができ、その回転角度は内外両側において各スタッド片61を直角に曲げることができる角度となっている。
【0060】
以上のスタッド片61を列状に並べて連結することにより、上記のとおり建物下地材55が形成されている(図5参照)。この場合、連結させるスタッド片61の数を増減させることにより、建物下地材55の長さ寸法を所望の大きさに調整可能である。また、各リベット71が回転許容状態にある場合には、建物下地材55を任意の形状に湾曲させることができる。また、建物下地材55を所望の形状とした場合には、各リベット71を回転阻止状態にすることにより、その所望の形状にて固定される。
【0061】
所望の形状にて固定した建物下地材55の両端を、それぞれ開口用スタッド56に対してタップネジなどによって接合固定することにより、図1に示すようにアーチ型開口を有する開口用枠体52が形成される。そして、この開口用枠体52を矩形枠体51に対してタップネジなどによって接合固定することにより、アーチ型開口50aを有する壁下地フレーム50が形成される。
【0062】
建物下地材55は、複数の連結用スタッド54に対しても接合固定されている。ここで、開口用枠体52において、建物下地材55は各スタッド片61が下側に向けて開口するように固定されている。したがって、上記接合固定は、スタッド片61の外側ウェブ面に連結用スタッド54の下端を当接させた状態で行われている。具体的には、連結用スタッド54はウェブ又はフランジのいずれか一方が他方に対して延長させて形成されており、その延長部が内側に折り曲げられている。そして、この折り曲げられた延長部とスタッド片61のウェブ63とがタップネジなどによって接合固定されている。
【0063】
なお、連結用スタッド54との接合固定の構成は上記のものに限定されることはない。例えば、各スタッド片61としてリップなしの溝形鋼を用い、開口用枠体52において建物下地材55を各スタッド片61が上側に向けて開口するように固定する。この場合、連結用スタッド54の下端を建物下地材55により被覆し、その状態で接合固定を行うことが可能である。
【0064】
アーチ型開口50aを有する壁下地フレーム50は、図9に示すように、屋内の垂れ壁81を形成する壁下地フレームとして使用される。かかる垂れ壁81は、アーチ型開口82を有することとなる。また、用途はこれに限定されることはなく、屋外の垂れ壁の壁下地フレームとして使用してもよい。さらには、壁下地フレーム50の形状を変更することにより、図10に示すようにアーチ型の窓用開口部85aを有する壁85の壁下地フレームとして使用してもよい。当該構成においては、窓用開口部85aに沿う窓枠86は、その上縁側のアーチ部分に飾り部87を有しており、その飾り部87の下方に両開きのガラス扉88が取り付けられている。
【0065】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0066】
建物下地材55を、複数のスタッド片61を用い、それら各スタッド片61をピン結合により互いに回転可能に連結して形成した。これにより、連結された状態の各スタッド片61を適宜回転させることで、建物下地材55を所望の形状に調整することができ、曲線部位を形成する上での作業性の向上が図られる。そして、かかる建物下地材55を用いて壁下地フレーム50を形成することにより、アーチ型開口50aを形成する上で、その形成作業の作業性の向上が図られる。よって、鉄骨構造建物において壁の開口部をアーチ型とすることができるとともに、その開口部の形成作業を好適に行うことができる。また、本構成によれば、開口部の曲率などを変更する場合、連結状態にある各スタッド片61の回転角度を変更するだけでよいため、建物下地材55の汎用性が高められる。なお、スタッド片61は、規格化されているリップ溝形鋼を切断及び加工することで形成できるため、比較的低コストで上記効果が得られる。
【0067】
各スタッド片61のフランジ62をウェブ63に対して延長させ、フランジ延長部64,65を設けた。そして、それらフランジ延長部64,65の幅方向の中心線上にピン孔68,69を形成するとともに、当該延長部64,65を半円状とすることにより幅方向の中心線に対して対称形であって且つ先端に向けて幅が狭くなるようにした。これにより、連結された2つのスタッド片61について、一方のスタッド片61の第2フランジ延長部65と他方のスタッド片61のウェブ63やリップとを干渉させることなく、さらには一方のスタッド片61の第1フランジ延長部64と他方のスタッド片61の段差部67とを干渉させることなく、ウェブ63を基準として内外両側に同角度で回転させることができる。
【0068】
また、各スタッド片61のフランジ延長部64,65同士を重ね合わせ、その重ね合わせ部位にて各スタッド片61をピン結合した。これにより、互いに連結される2つのスタッド片61について、ウェブ63間の距離、及びリップ間の距離を広くすることができ、スタッド片61の回転角度を広角としても各スタッド片61のウェブ63同士やリップ同士が干渉しなくなる。
【0069】
互いに連結される2つのスタッド片61のうち一方のスタッド片61について、対向する第2フランジ延長部65を他方のスタッド片61の対向する第1フランジ延長部64間に配置するとともに、各第2フランジ延長部65の外面を各第1フランジ延長部64の内面に重ね合わせた。この場合、建物下地材55に対して、フランジ62に直交する方向であって当該フランジ62の外側又は内側のいずれかに負荷がかかったとしても、その負荷はフランジ延長部64,65の重ね合わせ部位にて受けられ、リベット71にかかる負荷が低減される。これにより、フランジ延長部64,65の重ね合わせ方向における強度を高めることができる。
【0070】
第1フランジ延長部64の基端部付近の位置に軸部を構成するピン孔68を形成した。これにより、第1フランジ延長部64の基端部よりも先端側にて連結相手側のスタッド片61の第2フランジ延長部65と重なり合う。そのため、各スタッド片61の重なり合う領域を十分に確保でき、各スタッド片61の重ね合わせ方向における強度を高めることができる。
【0071】
各スタッド片61を相互に回転させる場合、第1フランジ延長部64の円弧状の周縁部が第2フランジ延長部65の段差部67に当接した状態が保持されるようにした。この場合、下側のスタッド片61に対して上側のスタッド片61からかかる荷重が、円弧状の周縁部と段差部67との当接部分において受けられ、リベット71にかかる荷重が低減される。
【0072】
各フランジ延長部64,65のうち、第2フランジ延長部65には内側に向けて当該延長部65の厚み分突出し且つ幅方向に沿った段差部67を形成した。そして、第2フランジ延長部65の段差部67よりも先端側の外側フランジ面を第1フランジ延長部64の内側フランジ面に重ね合わせた。これにより、各スタッド片61の外側フランジ面66aが同一平面上に位置することとなり、複数のスタッド片61を連結させて形成した構成において建物下地材55における外側フランジ面が平坦になる。
【0073】
(第3の実施形態)
本実施形態では、スタッド片61の構成の一部が上記第2の実施形態と異なっている。そこで、以下にかかる相違点について図11を用いて説明する。なお、図11において上記第2の実施形態と同様の構成については同一の番号を付すとともにその説明を省略する。
【0074】
本実施形態では、第2フランジ延長部65にピン結合用の孔部として長孔91が形成されている。長孔91は、第2フランジ延長部65の段差部67よりも先端側に形成されており、さらに第2フランジ延長部65の幅方向の中心線を通り且つ第2フランジ延長部65の長さ方向(延長方向)に延びるよう形成されている。長孔91の幅寸法は、第1フランジ延長部64に形成された円形のピン孔68の径と同一となっている。なお、ピン孔68の位置は、上記第2の実施形態と同様に半円状をなす第1フランジ延長部64においてその円の中心位置となっているが、第1フランジ延長部64の長さ寸法は上記第2の実施形態よりも大きくなっており、結果的に第1フランジ延長部64におけるピン孔68の位置は第1フランジ延長部64の長さ方向の中央側となっている。
【0075】
各スタッド片61を連結する場合、ピン孔68と長孔91とが連通するようにして、一方のスタッド片61の第1フランジ延長部64間に他方のスタッド片61の第2フランジ延長部65を挿し込む。この挿し込む際に、第1フランジ延長部64の周縁部を第2フランジ延長部65の段差部67に当接させることで、図11(b)に示すように、ピン孔68は長孔91の基端側端部の位置にて連通する。これら連通されたピン孔68と長孔91に対してリベット71を挿通することで、各フランジ延長部64,65がピン結合される。
【0076】
リベット71を回転許容状態としておくことで、上記第2の実施形態と同様に各スタッド片61を相互に回転させることが可能である。また、この回転許容状態においては、図11(c)に示すように、一方のスタッド片61を他方に対してスライドさせることができる。つまり、連結させたスタッド片61の長さ調整が可能となっている。そして、その何れの長さ位置においても各スタッド片61を相互に回転させることが可能である。
【0077】
以上のスタッド片61を用いて建物下地材55を形成することにより、当該建物下地材55の長さ調整が可能となる。これにより、壁下地フレーム50のアーチ型開口50aを形成する上での設計の自由度を高めることができる。
【0078】
(第4の実施形態)
本実施形態のスタッド片61は、上記第3の実施形態と同様に、第2フランジ延長部95には孔部として長孔91が形成されている。したがって、各スタッド片61を連結させた状態では、一方のスタッド片61を他方に対してスライドさせることができる。
【0079】
但し、本実施形態のスタッド片61は、上記第3の実施形態と異なり、図12(a)に示すように、各フランジ延長部95,96が半円状ではなく矩形状をなす。したがって、リベット71を回転許容状態としたとしても、図12(b)に示すように、一方のスタッド片61における段差部67に他方のスタッド片61の先端が接触している状態では、各スタッド片61を相互に回転させることができない。これにより、建物下地材55を直線状にして使用する場合にも好適なものとなる。これに対して、一方のスタッド片61を他方に対してスライドさせ、段差部67から第1フランジ延長部96の先端を離間させた場合には、図12(c)に示すように、各スタッド片61を相互に回転させることができる。
【0080】
以上のスタッド片61を用いて建物下地材を形成することにより、アーチ状を必要としない用途に対しても好適に適用することができる。その一方、アーチ状とすることも可能である。つまり、用途に応じた使用をすることが可能となり、利便性が向上する。なお、各フランジ延長部95,96を共に矩形状とするのではなく、先端が段差部67と当接される第1フランジ延長部96のみ矩形状としてもよい。
【0081】
(他の実施形態)
本発明は上記各実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施しても良い。
【0082】
図13に示すように、ランナ片21は上記第1の実施形態と異なり、第1ウェブ延長部101及び第2ウェブ延長部102のいずれも段差部103,104を有している。また、第2ウェブ延長部102の段差部104は、第1ウェブ延長部101の段差部103よりも段差寸法が大きくなっている。本構成においては、各ランナ片21をリベット31で連結させた場合、当該リベット31の外側端部34は、各ランナ11,12の外側ウェブ面に対して内側に凹んだ領域内に収まる。したがって、壁下地フレーム10を土台等の上に載置する場合に、リベット31の端部34が土台等に干渉することがない。
【0083】
図14に示すように、スタッド片61の対向する各フランジ62において、第1フランジ延長部64と第2フランジ延長部65との位置関係を逆にしてもよい。つまり、スタッド片61における両フランジ62の両端にそれぞれフランジ延長部64,65を設け、それら4つの延長部64,65のうち、対角に位置する延長部を第2フランジ延長部65とする。この場合、各延長部64,65の対角線の交点を中心としてスタッド片61が対称形となるため、各スタッド片61を使用する際の向きの制約が低減され、建物下地材55を形成する際の作業性の向上が図られる。
【0084】
上記各実施形態では、各鋼材片(ランナ片21、スタッド片61)に形成したピン孔に対してリベットを挿通させることにより、各鋼材片をピン結合したが、かかるピン結合の構成を、各延長部(ウェブ延長部24,25、フランジ延長部64,65)の一方に形成したピン孔に対して他方に形成した起立部を挿通させる構成としてもよい。
【0085】
上記第1の実施形態では、ランナ片21のウェブ22にはその両端にウェブ延長部24,25を形成したが、これに代えて、一端にのみウェブ延長部を形成してもよい。当該構成であっても、各ランナ片21を連結させる場合に、一方のランナ片21のウェブ延長部を他方のランナ片21のウェブ22に重ね合わせ、その重ね合わせ部位において両者をピン結合することにより、各ランナ片21を相互に回転可能に連結することができる。また、上記第2の実施形態において、スタッド片61の一端にのみフランジ延長部を形成してもよい。当該構成であっても、各スタッド片61を連結させる場合に、一方のスタッド片61のフランジ延長部を他方のスタッド片61のフランジ62に重ね合わせ、その重ね合わせ部位において両者をピン結合することにより、各スタッド片61を相互に回転可能に連結することができる。
【0086】
上記第2〜第4の実施形態におけるスタッド片61に対して、上記第1の実施形態で示したような回転位置保持手段を設けてもよい。具体的には、第1フランジ延長部64又は第2フランジ延長部65の一方に凸部を設けるとともに、他方に当該凸部が入り込み可能な凹部を形成する。
【0087】
上記各実施形態では、同一長さの鋼材片(ランナ片21、スタッド片61)を複数連結することにより、建物下地材(各ランナ11,12、建物下地材55)を形成したが、これに代えて、異なる長さの鋼材片を連結して建物下地材を形成してもよい。また、溝形鋼よりなる鋼材片を複数連結することにより建物下地材を形成するのではなく、角形鋼よりなる鋼材片を複数連結することにより建物下地材を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】第1の実施形態における壁下地フレームを示す斜視図。
【図2】(a)ランナ片を示す斜視図、(b)ランナ片を示す側面図。
【図3】(a),(b)ランナ片の連結に関する構成を示す斜視図、(c)ランナ片の連結に関する構成を示す側面図。
【図4】連結された各ランナ片の動きを説明するための平面図。
【図5】第2の実施形態における壁下地フレームを示す正面図。
【図6】(a)スタッド片を示す斜視図、(b)スタッド片を示す正面図。
【図7】(a)スタッド片の連結に関する構成を示す斜視図、(b)スタッド片の連結に関する構成を示す正面図。
【図8】連結された各スタッド片の動きを説明するための斜視図。
【図9】壁下地フレームの建物への適用例を示す略図。
【図10】壁下地フレームの建物への適用例を示す略図。
【図11】(a)第3の実施形態におけるスタッド片を示す斜視図、(b),(c)連結された各スタッド片の動きを説明するための側面図。
【図12】(a)第4の実施形態におけるスタッド片を示す斜視図、(b),(c)連結された各スタッド片の動きを説明するための側面図。
【図13】別のランナ片を説明するための側面図。
【図14】別のスタッド片を説明するための正面図。
【符号の説明】
【0089】
10…壁下地フレーム、11…建物下地材としての上枠ランナ、12…建物下地材としての下枠ランナ、21…ランナ片、22…ウェブ、23…フランジ、24,25…ウェブ延長部、27…段差部、28,29…ピン孔、31…軸材としてのリベット、41…凸部、42…凹部としてのスリット、50…壁下地フレーム、55…建物下地材、61…スタッド片、62…フランジ、63…ウェブ、64,65…フランジ延長部、67…段差部、68,69…ピン孔、71…軸材としてのリベット、91…長孔、95,96…フランジ延長部、101,102…ウェブ延長部、103,104…段差部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物下地材と、それを用いた壁下地フレームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄骨構造建物の建物下地材としては、軽量形鋼からなる長尺のランナやスタッドが知られている。そして、これらランナやスタッドがタップネジなどによって接合固定されることにより壁下地フレームが形成されている。
【0003】
ところで、近年の建物においては、デザインの多様化に伴い、壁面を曲面状としたり、室内出入口や窓部等において開口部をアーチ型としたものなどが提案されている。この場合に、ランナやスタッドを曲線状に加工するのは困難であるため、上記のようなデザインを鉄骨構造建物において適用するためには建物下地材に関して何らかの工夫を要する。これに対して、例えば特許文献1では、建物に曲面外壁パネルを取り付けるための取付構造として、複数の溝形鋼(チャンネル材)を枠状に連結して一方の側面を曲面形状とした下地フレームを用い、その下地フレームの曲面側に複数の外壁パネルを固定することとしている。
【特許文献1】特開平8−158513号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、各溝形鋼を壁面の曲率に合わせて連結する必要が生じるため、連結時における各溝形鋼の角度調整が難しく、また連結後においてはその連結角度を変更することができない。そのため、連結時における角度調整作業や、連結作業を入念に行う必要があり、壁下地フレームの形成作業を効率良く行うことができない。したがって、かかる作業性に関して改良の余地がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、鉄骨構造建物において壁面形状などのデザインの自由度を好適に高めることができる建物下地材と、それを用いる壁下地フレームを提供することを主たる目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するのに有効な手段等につき、必要に応じて作用、効果等を示しつつ説明する。なお以下では、理解を容易にするため、発明の実施の形態において対応する構成例を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0007】
本発明の建物下地材(上枠ランナ11、下枠ランナ12、建物下地材55)は、軽量形鋼よりなる複数の鋼材片(ランナ片21、スタッド片61)を用い、それら各鋼材片の端部を、軸部を中心に互いに回転可能に連結して形成されている。本構成によれば、連結された状態の各鋼材片を適宜回転させることで建物下地材を所望の形状に調整することができ、曲線部位を形成する上での作業性の向上が図られる。
【0008】
かかる建物下地材を用いて壁下地フレーム(壁下地フレーム10,50)を形成することにより、フレーム面を曲面状としたり、開口部を曲線状としたりする上で、その形成作業の作業性の向上が図られる。以上より、鉄骨構造建物において壁面形状などのデザインの自由度を好適に高めることができる。
【0009】
なお、軸部は、各鋼材片の端部にそれぞれ形成した孔部(ピン孔28,29,68,69,長孔91)に、軸材(リベット31,71)を挿通することで設けることができ、また一方の鋼材片の端部に形成した孔部に対して他方の鋼材片の端部に形成した突起部を挿通することによっても設けることができる。
【0010】
溝形鋼よりなる鋼材片(ランナ片21)を用いて上記建物下地材を形成する場合、当該鋼材片のウェブ(ウェブ22)をフランジ(フランジ23)に対して延長させて設け、その延長部(ウェブ延長部24,25,101,102)を用いて各ウェブを重ね合わせるとともにその重ね合わせ部位において各鋼材片を回転可能に連結すると良い。このようにウェブの延長部により各鋼材片を連結することにより、フランジを干渉させることなく各鋼材片を回転させることができる。かかる建物下地材は、湾曲可能なランナとして使用することが可能であり、フレーム面を曲面状とする場合に用いると良い。
【0011】
又は、溝形鋼よりなる鋼材片(スタッド片61)を用いて上記建物下地材を形成する場合、当該鋼材片の対向する2つのフランジ(フランジ62)をウェブ(ウェブ63)に対して延長させて設け、その延長部(フランジ延長部64,65,95,96)を用いて各フランジを重ね合わせるとともにその重ね合わせた部位において各鋼材片を回転可能に連結すると良い。このようにフランジの延長部により各鋼材片を連結することにより、ウェブを干渉させることなく各鋼材片を回転させることができる。かかる建物下地材は、湾曲可能なスタッドとして使用することが可能であり、曲線状の開口部を形成する場合に用いると良い。
【0012】
上記のようにフランジの延長部を設けた構成においては、互いに連結される2つの鋼材片のうち一方の鋼材片について、対向する延長部を他方の鋼材片の対向するフランジ間に配置するとともに、それら各延長部の外面を各フランジの内面に重ね合わせると良い。この場合、建物下地材に対して、フランジに直交する方向であって当該フランジの外側又は内側のいずれに負荷がかかったとしても、その負荷はフランジ同士の重ね合わせ部分にて受けられ、軸部にかかる負荷が低減される。これにより、各フランジの重ね合わせ方向における強度を高めることができる。
【0013】
上記延長部の幅方向の中心線上に軸部を設けるとともに、当該延長部をその幅方向の中心線に対して対称形であって、且つ先端に向けて幅が狭くなるよう形成すると良い。本構成を、ウェブを延長させた構成に適用することにより、連結された2つの鋼材片について、一方の鋼材片のウェブ延長部と他方の鋼材片の対向する両フランジとを干渉させることなく、中心線に対して両フランジ側に同角度で回転させることができる。また、本構成を、フランジを延長させた構成に適用することにより、連結された2つの鋼材片について、一方の鋼材片の対向するフランジ延長部と他方の鋼材片のウェブとを干渉させることなく、当該ウェブを基準として内外両側に同角度で回転させることができる。
【0014】
互いに連結される2つの鋼材片のうち一方の鋼材片について、延長部の基端部付近の位置に軸部を設けると良い。この場合、延長部の基端部よりも先端側にて連結相手側の鋼材片と重なり合う。そのため、各鋼材片の重なり合う領域を十分に確保でき、各鋼材片の重ね合わせ方向における強度を高めることができる。
【0015】
延長部に内側に向けて突出し幅方向に沿った段差部(段差部27,67,103,104)を形成し、その段差部よりも先端側の外面を、連結相手側の鋼材片の内面に重ね合わせると良い。本構成を、ウェブを延長させた構成に適用する場合、段差部よりも先端側の外面を、連結相手側のウェブの内面に重ね合わせる。これにより、建物下地材のウェブの外面を平坦状にすることができる。また、本構成を、フランジを延長させた構成に適用する場合、段差部よりも先端側の外面を、連結相手側のフランジの内面に重ね合わせる。これにより、建物下地材のフランジの外面を平坦状にすることができる。
【0016】
なお、段差部の段差寸法を延長部の厚み分とすることで、段差部よりも先端側の外面を、連結相手側の鋼材片の内面に重ね合わせるだけで、建物下地材のウェブの外面又はフランジの外面を平坦状にすることができる。
【0017】
また、フランジを延長させた構成においては、鋼材片における両フランジの両端にそれぞれ延長部を設け、それら4つの延長部のうち、対角に位置する延長部に前記段差部を形成して同一形態とすると良い。この場合、各延長部の対角線の交点を中心として鋼材片が対称形となるため、各鋼材片を使用する際の向きの制約が低減され、建物下地材を形成する際の作業性の向上が図られる。
【0018】
各鋼材片の延長部同士を重ね合わせ、その重ね合わせ部位を回転可能に連結すると良い。本構成を、ウェブを延長させた構成に適用することで、互いに連結された2つの鋼材片について、フランジ間の距離を広くすることができ、鋼材片の回転角度を広角としても各鋼材片のフランジ同士が干渉しなくなる。また、フランジを延長させた構成に適用することで、互いに連結された2つの鋼材片について、ウェブ間の距離を広くすることができ、鋼材片の回転角度を広角としても各鋼材片のウェブ同士が干渉しなくなる。
【0019】
互いに連結される2つの鋼材片について、一方の鋼材片の延長部には内側に向けて突出し幅方向に沿った段差部(段差部67)を形成するとともに、他方の鋼材片の延長部を半円状に形成し、その円中心が軸部による回転中心となるように、且つ半円状の延長部の円弧状縁部が段差部に当接するように各鋼材片の延長部同士を重ね合わせて連結すると良い。この場合、円弧状縁部が段差部に当接した状態が保持される。当該構成を、フランジを延長させた構成に適用することで、下側の鋼材片に対して上側の鋼材片からかかる荷重が、円弧状縁部と段差部との当接部分において受けられ、軸部にかかる荷重が低減される。
【0020】
軸部を構成する孔部(長孔91)を長孔状とし、当該孔部に沿って一方の鋼材片を他方に対してスライド可能とすると良い。これにより、連結させた各鋼材片のスライド位置を調整することで、建物下地材の長さ調整を行うことが可能となる。
【0021】
なお、各鋼材片をいずれのスライド位置においても回転可能とすることで、建物下地材を曲線状に曲げる上での自由度を高めることができる。又は、所定のスライド位置においては各鋼材片が相互に当接し、直線状となった状態で保持されるようにすることで、建物下地材において直線部分と曲線部分との両方を形成する上で好適なものとなる。
【0022】
回転可能な状態で連結された各鋼材片の一方に凸部(凸部41)を形成するとともに、他方には各鋼材片の所定の回転角度にて上記凸部が入り込む凹部(スリット42)を形成すると良い。この場合、各鋼材片の回転角度を、凹部内に凸部が入り込む角度とすることで、予め定めた回転角度に容易に調整することができる。また、本構成においては、凸部と凹部という比較的簡素な構成により上記効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態における建物は、鉄骨構造建物であり軽量形鋼製の壁下地フレームを備えている。図1は壁下地フレーム10の構成を示す斜視図である。
【0024】
図1に示すように、壁下地フレーム10は、複数の建物下地材から構成されている。具体的には、壁下地フレーム10は、上枠ランナ11及び下枠ランナ12を有しており、さらに上枠ランナ11及び下枠ランナ12の間に複数本のスタッド13を有している。各スタッド13は、上下方向に延びた状態で平行に配置されている。そして、上枠ランナ11により各スタッド13の上端が連結され、下枠ランナ12により各スタッド13の下端が連結されている。
【0025】
ここで、上枠ランナ11及び下枠ランナ12は、複数のランナ片21を連結させて形成されており、さらに全体として湾曲した形状となっている。以下、ランナ片21について詳述する。図2(a)はランナ片21の斜視図、図2(b)はランナ片21の側面図である。
【0026】
ランナ片21は、規格化されている溝形鋼を切断及び加工することで形成されており、長尺状をなしている。ランナ片21のウェブ22はその両端側においてフランジ23に対して延長されており、ウェブ延長部24,25が形成されている。それらウェブ延長部24,25は、幅方向の中心線に対して対称形となっており、さらに先端に向けて幅が狭くなるよう形成されている。具体的には、二等辺三角形状をなしている。なお、ウェブ延長部24,25の形状はニ等辺三角形状に限定されることはなく、半円状としてもよい。
【0027】
各ウェブ延長部24,25のうち、第1ウェブ延長部24(図2(b)における左側)はその外側ウェブ面24aが、ウェブ22における対向するフランジ23間に挟まれた領域(基部26)の外側ウェブ面26aと同一平面上にある。一方、第2ウェブ延長部25(図2(b)における右側)はその基端に幅方向に沿った段差部27が絞り加工によって形成されており、基部26の外側ウェブ面26aと第2ウェブ延長部25の外側ウェブ面25aとは段違いとなっている。なお、段差部27の形成方法は絞り加工に限定されることはないが、その形成の容易性等に鑑みて絞り加工が好ましい。
【0028】
段差部27は、各外側ウェブ面25a,26aに対して直交する方向であって内側に向けて形成されており、その段差寸法X1はウェブ22(ランナ片21)の厚み寸法分となっている。したがって、図2(b)に示すように、第2ウェブ延長部25は基部26に対して厚み寸法分内側に入り込んでいる。
【0029】
第1ウェブ延長部24及び第2ウェブ延長部25には、それぞれ厚み方向に貫通するピン孔28,29が形成されている。この場合、第1ウェブ延長部24のピン孔28は当該延長部24の幅方向の中心線上であって基端部付近の位置に形成されている。第2ウェブ延長部25のピン孔29は当該延長部25の幅方向の中心線上であって先端側の位置に形成されている。また、ピン孔28から第1ウェブ延長部24の先端までの距離L1は、ピン孔29から第2ウェブ延長部25の段差部27までの距離L2と同一となっている(L1=L2)。なお、各距離L1,L2の関係を、L1<L2としてもよい。これらピン孔28,29を用いて複数のランナ片21が連結されている。
【0030】
次に、ランナ片21の連結に関する構成を説明する。図3(a),(b)は連結に関する構成を説明するための斜視図、図3(c)は連結に関する構成を説明するための側面図である。また、図4(a),(b)は各ランナ片21の動きを説明するための平面図である。
【0031】
各ランナ片21を連結する場合、一方のランナ片21の第1ウェブ延長部24と他方のランナ片21の第2ウェブ延長部25とを、第1ウェブ延長部24が第2ウェブ延長部25に対して外側になるようにして、且つ各ピン孔28,29が連通するようにして重ね合わせる。このとき、上記のとおりピン孔28,29の位置が設定されているため、第1ウェブ延長部24の先端を第2ウェブ延長部25の段差部27aに当接させることで、ピン孔28,29の位置合わせを行い易くなっている。また、重ね合わせた際には、段差部27の段差寸法X1が上記のとおり設定されていることにより、図3(c)に示すように各基部26の外側ウェブ面26aは同一平面上にある。
【0032】
連通されたピン孔28,29に対して軸材としてのリベット31が挿通され、各ウェブ延長部24,25がピン結合されている。リベット31は、連通されたピン孔28,29に対して離脱不能に挿通されている。具体的には、リベット31はその挿通軸部32がピン孔28,29よりも小径に形成されており、ピン孔28,29に挿通された状態で挿通軸部32の先端が潰されている。この場合、リベット31の両端が潰れた状態となり、リベット31が離脱不能となる(以下、リベット31の頭部とその潰れた部位とを端部33,34という)。
【0033】
リベット31のピン結合によって、各ランナ片21は相互に回転可能に連結されるとともに、必要に応じてその回転が阻止されるようになっている。つまり、リベット31の両端部33,34間の距離を、重ね合わせたウェブ延長部24,25の厚み寸法よりも大きくしておくことで、各ランナ片21はリベット31を軸心として相互に回転可能となる(このリベット31の状態を回転許容状態ともいう)。一方、上記回転許容状態にあるリベット31の両端をさらに潰すことにより、各ランナ片21の回転が阻止される(このリベット31の状態を回転阻止状態ともいう)。
【0034】
リベット31が回転許容状態にある場合、図4(a),(b)に示すように、各ランナ片21を相互に回転させることができる。ここで、ランナ片21には、相互の回転位置(回転角度)を所定位置(所定角度)にて保持するための回転位置保持手段(回転角度保持手段)が設けられている。
【0035】
この回転位置保持手段について詳細には、図2に示すように、第1ウェブ延長部24の内側ウェブ面に凸部41が一体形成されている。この凸部41は突片を内側ウェブ面に溶接等することにより形成されているが、その形成方法は任意であり、例えば第1ウェブ延長部24の一部を内側に突出させて形成してもよい。凸部41は、第1ウェブ延長部24の先端とピン孔28との間において、第1ウェブ延長部24の幅方向の中心線を通り且つランナ片21の長手方向に延びている。凸部41の高さ寸法は、第1ウェブ延長部24(ランナ片21)の厚み寸法と略同一となっているが、これよりも小さくてもよい。
【0036】
一方、第2ウェブ延長部25には厚み方向に貫通させて複数(例えば、5個)のスリット42が形成されている。スリット42は、凸部41よりも一回り大きく形成されている。また、各スリット42は、第2ウェブ延長部25の段差部27とピン孔29との間の領域においてピン孔29を中心に放射状に設けられている。
【0037】
各ランナ片21の回転位置を図4(a)に示す位置とした場合、中央のスリット42内に凸部41が入り込む。これにより、図4(a)の位置にて各ランナ片21の回転位置が保持される。また、第2ウェブ延長部25を若干浮かせることにより、中央のスリット42内に凸部41が入り込んだ状態が解除され、各ランナ片21を相互に回転させることができる。そして、例えば、図4(b)に示す位置にてその浮かせた状態を解除することにより、中央のスリット42の側方にあるスリット42内に凸部41が入り込む。これにより、図4(b)の位置にて各ランナ片21の回転位置が保持される。なお、各ウェブ延長部24,25について、凸部41とスリット42とをいずれに形成するかは任意であり、第1ウェブ延長部24にスリット42を形成するとともに第2ウェブ延長部25に凸部41を形成してもよい。
【0038】
以上のランナ片21を列状に並べて連結することにより、上記のとおり上枠ランナ11及び下枠ランナ12が形成されている(図1参照)。この場合、連結させるランナ片21の数を増減させることにより、各ランナ11,12の長さ寸法を所望の大きさに調整可能である。また、各リベット31が回転許容状態にある場合には、各ランナ11,12を任意の形状に湾曲させることができる。その湾曲させた状態は回転位置保持手段により保持され、仮固定される。また、各ランナ11,12を所望の形状とした場合には、各リベット31を回転阻止状態にすることにより、その所望の形状にて本固定される。
【0039】
所望の形状にて本固定した各ランナ11,12により各スタッド13の両端を被覆した状態で、それらをタップネジなどによって接合固定することにより、図1に示すように曲面状のフレーム面を有する壁下地フレーム10が形成される。そして、かかる壁下地フレーム10に対して壁パネルを取り付けることにより、曲面状の壁面が形成される。
【0040】
なお、各スタッド13の各ランナ11,12への接合固定に際しては、ランナ片21の段差部27における内側段差面に当接するように各スタッド13を配置することにより、その位置決めを容易に行うことができる。
【0041】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0042】
建物下地材としての各ランナ11,12を、複数のランナ片21を用い、それら各ランナ片21をピン結合により互いに回転可能に連結して形成した。これにより、連結された状態の各ランナ片21を適宜回転させることで、各ランナ11,12を所望の形状に調整することができ、曲線部位を形成する上での作業性の向上が図られる。そして、これら各ランナ11,12を用いて壁下地フレーム10を形成することにより、フレーム面を曲面状とする上で、その形成作業の作業性の向上が図られる。よって、鉄骨構造建物において壁面形状などのデザインの自由度を好適に高めることができる。また、本構成によれば、壁面の曲率を変更する場合、連結状態にある各ランナ片21の回転角度を変更するだけでよいため、各ランナ11,12の汎用性が高められる。なお、ランナ片21は、規格化されている溝形鋼を切断及び加工することで形成できるため、比較的低コストで上記効果が得られる。
【0043】
ランナ片21のウェブ22をフランジ23に対して延長させ、ウェブ延長部24,25を設けた。そして、それらウェブ延長部24,25の幅方向の中心線上にピン孔28,29を形成するとともに、当該延長部24,25を二等辺三角形状とすることにより幅方向の中心線に対して対称形であって且つ先端に向けて幅が狭くなるようにした。これにより、連結された2つのランナ片21について、一方のランナ片21の第2ウェブ延長部25と他方のランナ片21の対向する両フランジ23とを干渉させることなく、さらには一方のランナ片21の第1ウェブ延長部24と他方のランナ片21の段差部27とを干渉させることなく、中心線に対して両フランジ23側に同角度で回転させることができる。
【0044】
また、各ランナ片21のウェブ延長部24,25同士を重ね合わせ、その重ね合わせ部位にて各ランナ片21をピン結合した。これにより、互いに連結される2つのランナ片21について、フランジ23間の距離を広くすることができ、ランナ片21の回転角度を広角としても各ランナ片21のフランジ23同士が干渉しなくなる。
【0045】
第1ウェブ延長部24の基端部付近の位置に軸部を構成するピン孔28を形成した。この場合、第1ウェブ延長部24の基端部よりも先端側にて連結相手側のランナ片21の第2ウェブ延長部25と重なり合う。そのため、各ランナ片21の重なり合う領域を十分に確保でき、各ランナ片21の重ね合わせ方向における強度を高めることができる。
【0046】
各ウェブ延長部24,25のうち、第2ウェブ延長部25には内側に向けて当該延長部25の厚み分突出し且つ幅方向に沿った段差部27を形成した。そして、第2ウェブ延長部25の段差部27よりも先端側の外側ウェブ面を第1ウェブ延長部24の内側ウェブ面に重ね合わせた。これにより、各ランナ片21の外側ウェブ面26aが同一平面上に位置することとなり、複数のランナ片21を連結させて形成した構成においてランナ11,12における外側ウェブ面が平坦になる。よって、土台等へのランナ11,12の載置を良好に行うことができる。
【0047】
第1ウェブ延長部24に凸部41を形成するとともに、第2ウェブ延長部25に各ランナ片21の所定の回転位置にて凸部41が入り込むスリット42を形成した。この場合、各ランナ片21の回転角度を、スリット42内に凸部41が入り込む角度とすることで、予め定めた回転角度に容易に調整することができる。また、本構成においては、凸部41とスリット42という比較的簡素な構成により上記効果が得られる。
【0048】
(第2の実施形態)
本実施形態では、壁下地フレーム及びそれに使用される建物下地材の構成が上記第1の実施形態と異なっている。そこで、以下にこれらの構成について説明する。図5は壁下地フレーム50の構成を示す正面図である。
【0049】
本実施形態の壁下地フレーム50は、鉄骨構造建物において開口部を有する壁に対して適用される。壁下地フレーム50は、上枠ランナ51a、下枠ランナ51b、及び複数の縦枠スタッド51c,51dにより形成された矩形枠体51を有しており、さらにこの矩形枠体51内に開口部形成用の開口用枠体52を有している。なお、矩形枠体51内には開口用枠体52の他に、上枠ランナ51aに沿うようにしてまぐさ53が設けられており、さらにまぐさ53と開口用枠体52とを連結する複数の連結用スタッド54とが設けられている。
【0050】
開口用枠体52は、上縁側の建物下地材55と開口用スタッド56とからなる。そのうち建物下地材55は複数に細分化されたスタッド片61を連結させて形成されており、さらに全体として湾曲した形状となっている。以下、スタッド片61について詳述する。図6(a)はスタッド片61の斜視図、図6(b)はスタッド片61の正面図である。
【0051】
スタッド片61は、規格化されているリップ溝形鋼を切断及び加工することで形成されている。スタッド片61の対向する2つのフランジ62はその両端側においてウェブ63に対して延長されており、フランジ延長部64,65が形成されている。それらフランジ延長部64,65は、幅方向の中心線に対して対称形となっており、さらに先端に向けて幅が狭くなるよう形成されている。具体的には、半円状に形成されており、周縁部は円弧状をなしている。
【0052】
各フランジ延長部64,65のうち、一端側にて対向する一対の第1フランジ延長部64(図6(b)における上側)間の距離は、フランジ62におけるウェブ63とリップとに挟まれた領域(基部66)間の距離と同一となっており、第1フランジ延長部64の外側フランジ面64aは基部66の外側フランジ面66aと同一平面上にある。なお、対向する各第1フランジ延長部64は同一形状をなしている。
【0053】
一方、他端側にて対向する一対の第2フランジ延長部65(図6(b)における下側)は、その基端に、幅方向に沿った段差部67が絞り加工によって形成されており、第2フランジ延長部65の外側フランジ面65aは基部66の外側フランジ面66aに対して段違いとなっている。なお、段差部67の形成方法は絞り加工に限定されることはないが、その成形の容易性等に鑑みて絞り加工が好ましい。段差部67は、各外側フランジ面65a,66aに対して直交する方向であって内側に向けて形成されており、その段差寸法X2は第2フランジ延長部65(スタッド片61)の厚み寸法分となっている。したがって、図6(b)に示すように、各第2フランジ延長部65は対応する基部66に対して厚み寸法分内側に入り込んでおり、各第2フランジ延長部65間の距離は各基部66間の距離よりも短くなっている。なお、対向する各第2フランジ延長部65は同一形状をなしている。
【0054】
第1フランジ延長部64及び第2フランジ延長部65には、それぞれ厚み方向に貫通するピン孔68,69が形成されている。第1フランジ延長部64のピン孔68は当該延長部64の幅方向の中心線上であって基端部付近の位置に形成されている。より具体的には、ピン孔68は、半円状をなす第1フランジ延長部64においてその円の中心位置に設けられている。つまり、ピン孔68から第1フランジ延長部64の周縁部までの距離L3は、当該周縁部のいずれの位置に対しても同一となっている。第2フランジ延長部65のピン孔69は当該延長部65の幅方向の中心線上であって先端側の位置に形成されており、ピン孔69から段差部67までの距離L4は、上記ピン孔68から第1フランジ延長部64の周縁部までの距離L3と同一となっている(L3=L4)。なお、各距離L3,L4の関係を、L3<L4としてもよい。また、対向するフランジ延長部64,65間においてそれぞれのピン孔68,69は同一軸線上にある。ピン孔68,69を用いて複数のスタッド片61が連結されている。
【0055】
次に、スタッド片61の連結に関する構成を説明する。図7(a)は連結に関する構成を説明するための斜視図、図7(b)は連結に関する構成を説明するための正面図である。また、図8(a),(b)は各スタッド片61の動きを説明するための斜視図である。
【0056】
各スタッド片61を連結する場合、各ピン孔68,69が連通するようにして、一方のスタッド片61の各第1フランジ延長部64間に他方のスタッド片61の各第2フランジ延長部65を挿し込む。このとき、上記のとおりピン孔68,69の位置が設定されていることにより、ピン孔68,69の位置合わせが行い易くなっている。また、差し込んだ際には、段差部67の段差寸法X2が上記のとおり設定されていることにより、図7(b)に示すように、第1フランジ延長部64と第2フランジ延長部65とが重なり合う。この場合、各スタッド片61の基部66の外側フランジ面66aは同一平面上にある。
【0057】
連通されたピン孔68,69に対して軸材としてのリベット71が挿通され、各フランジ延長部64,65がピン結合されている。リベット71は、連通されたピン孔68,69に対して離脱不能に挿通されている。具体的には、リベット71はその挿通軸部72がピン孔68,69よりも小径に形成されており、ピン孔68,69に対して挿通された状態で挿通軸部72の先端が潰されている。この場合、リベット71の両端が潰れた状態となり、リベット71が離脱不能となる(以下、リベット71の頭部とその潰れた部位とを端部73,74という)。
【0058】
リベット71のピン結合によって、各スタッド片61は相互に回転可能に連結されるとともに、必要に応じてその回転が阻止されるようになっている。つまり、リベット71の両端部73,74間の距離を、重ね合わせたフランジ延長部64,65の厚み寸法よりも大きくしておくことで、各スタッド片61は図8(a),(b)に示すように、リベット71を軸心として相互に回転可能となる(このリベット71の状態を回転許容状態ともいう)。一方、上記回転許容状態にあるリベット71の両端部73,74をさらに潰すことにより、各スタッド片61の回転が阻止される(このリベット71の状態を回転阻止状態ともいう)。
【0059】
ここで、上述したように、ピン孔68は半円状をなす第1フランジ延長部64においてその円の中心位置に設けられている。また、ピン孔68から第1フランジ延長部64の周縁部までの距離L3は、ピン孔69から第2フランジ延長部65の先端までの距離L4と同一となっている。したがって、リベット71が回転許容状態にある場合、第1フランジ延長部64の円弧状の周縁部が第2フランジ延長部65の段差部67に当接した状態が維持されながら、各スタッド片61が相互に回転することとなる。また、この回転に際しては一方のスタッド片61のウェブ63を基準として他方のスタッド片61を内外両側に回転させることができ、その回転角度は内外両側において各スタッド片61を直角に曲げることができる角度となっている。
【0060】
以上のスタッド片61を列状に並べて連結することにより、上記のとおり建物下地材55が形成されている(図5参照)。この場合、連結させるスタッド片61の数を増減させることにより、建物下地材55の長さ寸法を所望の大きさに調整可能である。また、各リベット71が回転許容状態にある場合には、建物下地材55を任意の形状に湾曲させることができる。また、建物下地材55を所望の形状とした場合には、各リベット71を回転阻止状態にすることにより、その所望の形状にて固定される。
【0061】
所望の形状にて固定した建物下地材55の両端を、それぞれ開口用スタッド56に対してタップネジなどによって接合固定することにより、図1に示すようにアーチ型開口を有する開口用枠体52が形成される。そして、この開口用枠体52を矩形枠体51に対してタップネジなどによって接合固定することにより、アーチ型開口50aを有する壁下地フレーム50が形成される。
【0062】
建物下地材55は、複数の連結用スタッド54に対しても接合固定されている。ここで、開口用枠体52において、建物下地材55は各スタッド片61が下側に向けて開口するように固定されている。したがって、上記接合固定は、スタッド片61の外側ウェブ面に連結用スタッド54の下端を当接させた状態で行われている。具体的には、連結用スタッド54はウェブ又はフランジのいずれか一方が他方に対して延長させて形成されており、その延長部が内側に折り曲げられている。そして、この折り曲げられた延長部とスタッド片61のウェブ63とがタップネジなどによって接合固定されている。
【0063】
なお、連結用スタッド54との接合固定の構成は上記のものに限定されることはない。例えば、各スタッド片61としてリップなしの溝形鋼を用い、開口用枠体52において建物下地材55を各スタッド片61が上側に向けて開口するように固定する。この場合、連結用スタッド54の下端を建物下地材55により被覆し、その状態で接合固定を行うことが可能である。
【0064】
アーチ型開口50aを有する壁下地フレーム50は、図9に示すように、屋内の垂れ壁81を形成する壁下地フレームとして使用される。かかる垂れ壁81は、アーチ型開口82を有することとなる。また、用途はこれに限定されることはなく、屋外の垂れ壁の壁下地フレームとして使用してもよい。さらには、壁下地フレーム50の形状を変更することにより、図10に示すようにアーチ型の窓用開口部85aを有する壁85の壁下地フレームとして使用してもよい。当該構成においては、窓用開口部85aに沿う窓枠86は、その上縁側のアーチ部分に飾り部87を有しており、その飾り部87の下方に両開きのガラス扉88が取り付けられている。
【0065】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
【0066】
建物下地材55を、複数のスタッド片61を用い、それら各スタッド片61をピン結合により互いに回転可能に連結して形成した。これにより、連結された状態の各スタッド片61を適宜回転させることで、建物下地材55を所望の形状に調整することができ、曲線部位を形成する上での作業性の向上が図られる。そして、かかる建物下地材55を用いて壁下地フレーム50を形成することにより、アーチ型開口50aを形成する上で、その形成作業の作業性の向上が図られる。よって、鉄骨構造建物において壁の開口部をアーチ型とすることができるとともに、その開口部の形成作業を好適に行うことができる。また、本構成によれば、開口部の曲率などを変更する場合、連結状態にある各スタッド片61の回転角度を変更するだけでよいため、建物下地材55の汎用性が高められる。なお、スタッド片61は、規格化されているリップ溝形鋼を切断及び加工することで形成できるため、比較的低コストで上記効果が得られる。
【0067】
各スタッド片61のフランジ62をウェブ63に対して延長させ、フランジ延長部64,65を設けた。そして、それらフランジ延長部64,65の幅方向の中心線上にピン孔68,69を形成するとともに、当該延長部64,65を半円状とすることにより幅方向の中心線に対して対称形であって且つ先端に向けて幅が狭くなるようにした。これにより、連結された2つのスタッド片61について、一方のスタッド片61の第2フランジ延長部65と他方のスタッド片61のウェブ63やリップとを干渉させることなく、さらには一方のスタッド片61の第1フランジ延長部64と他方のスタッド片61の段差部67とを干渉させることなく、ウェブ63を基準として内外両側に同角度で回転させることができる。
【0068】
また、各スタッド片61のフランジ延長部64,65同士を重ね合わせ、その重ね合わせ部位にて各スタッド片61をピン結合した。これにより、互いに連結される2つのスタッド片61について、ウェブ63間の距離、及びリップ間の距離を広くすることができ、スタッド片61の回転角度を広角としても各スタッド片61のウェブ63同士やリップ同士が干渉しなくなる。
【0069】
互いに連結される2つのスタッド片61のうち一方のスタッド片61について、対向する第2フランジ延長部65を他方のスタッド片61の対向する第1フランジ延長部64間に配置するとともに、各第2フランジ延長部65の外面を各第1フランジ延長部64の内面に重ね合わせた。この場合、建物下地材55に対して、フランジ62に直交する方向であって当該フランジ62の外側又は内側のいずれかに負荷がかかったとしても、その負荷はフランジ延長部64,65の重ね合わせ部位にて受けられ、リベット71にかかる負荷が低減される。これにより、フランジ延長部64,65の重ね合わせ方向における強度を高めることができる。
【0070】
第1フランジ延長部64の基端部付近の位置に軸部を構成するピン孔68を形成した。これにより、第1フランジ延長部64の基端部よりも先端側にて連結相手側のスタッド片61の第2フランジ延長部65と重なり合う。そのため、各スタッド片61の重なり合う領域を十分に確保でき、各スタッド片61の重ね合わせ方向における強度を高めることができる。
【0071】
各スタッド片61を相互に回転させる場合、第1フランジ延長部64の円弧状の周縁部が第2フランジ延長部65の段差部67に当接した状態が保持されるようにした。この場合、下側のスタッド片61に対して上側のスタッド片61からかかる荷重が、円弧状の周縁部と段差部67との当接部分において受けられ、リベット71にかかる荷重が低減される。
【0072】
各フランジ延長部64,65のうち、第2フランジ延長部65には内側に向けて当該延長部65の厚み分突出し且つ幅方向に沿った段差部67を形成した。そして、第2フランジ延長部65の段差部67よりも先端側の外側フランジ面を第1フランジ延長部64の内側フランジ面に重ね合わせた。これにより、各スタッド片61の外側フランジ面66aが同一平面上に位置することとなり、複数のスタッド片61を連結させて形成した構成において建物下地材55における外側フランジ面が平坦になる。
【0073】
(第3の実施形態)
本実施形態では、スタッド片61の構成の一部が上記第2の実施形態と異なっている。そこで、以下にかかる相違点について図11を用いて説明する。なお、図11において上記第2の実施形態と同様の構成については同一の番号を付すとともにその説明を省略する。
【0074】
本実施形態では、第2フランジ延長部65にピン結合用の孔部として長孔91が形成されている。長孔91は、第2フランジ延長部65の段差部67よりも先端側に形成されており、さらに第2フランジ延長部65の幅方向の中心線を通り且つ第2フランジ延長部65の長さ方向(延長方向)に延びるよう形成されている。長孔91の幅寸法は、第1フランジ延長部64に形成された円形のピン孔68の径と同一となっている。なお、ピン孔68の位置は、上記第2の実施形態と同様に半円状をなす第1フランジ延長部64においてその円の中心位置となっているが、第1フランジ延長部64の長さ寸法は上記第2の実施形態よりも大きくなっており、結果的に第1フランジ延長部64におけるピン孔68の位置は第1フランジ延長部64の長さ方向の中央側となっている。
【0075】
各スタッド片61を連結する場合、ピン孔68と長孔91とが連通するようにして、一方のスタッド片61の第1フランジ延長部64間に他方のスタッド片61の第2フランジ延長部65を挿し込む。この挿し込む際に、第1フランジ延長部64の周縁部を第2フランジ延長部65の段差部67に当接させることで、図11(b)に示すように、ピン孔68は長孔91の基端側端部の位置にて連通する。これら連通されたピン孔68と長孔91に対してリベット71を挿通することで、各フランジ延長部64,65がピン結合される。
【0076】
リベット71を回転許容状態としておくことで、上記第2の実施形態と同様に各スタッド片61を相互に回転させることが可能である。また、この回転許容状態においては、図11(c)に示すように、一方のスタッド片61を他方に対してスライドさせることができる。つまり、連結させたスタッド片61の長さ調整が可能となっている。そして、その何れの長さ位置においても各スタッド片61を相互に回転させることが可能である。
【0077】
以上のスタッド片61を用いて建物下地材55を形成することにより、当該建物下地材55の長さ調整が可能となる。これにより、壁下地フレーム50のアーチ型開口50aを形成する上での設計の自由度を高めることができる。
【0078】
(第4の実施形態)
本実施形態のスタッド片61は、上記第3の実施形態と同様に、第2フランジ延長部95には孔部として長孔91が形成されている。したがって、各スタッド片61を連結させた状態では、一方のスタッド片61を他方に対してスライドさせることができる。
【0079】
但し、本実施形態のスタッド片61は、上記第3の実施形態と異なり、図12(a)に示すように、各フランジ延長部95,96が半円状ではなく矩形状をなす。したがって、リベット71を回転許容状態としたとしても、図12(b)に示すように、一方のスタッド片61における段差部67に他方のスタッド片61の先端が接触している状態では、各スタッド片61を相互に回転させることができない。これにより、建物下地材55を直線状にして使用する場合にも好適なものとなる。これに対して、一方のスタッド片61を他方に対してスライドさせ、段差部67から第1フランジ延長部96の先端を離間させた場合には、図12(c)に示すように、各スタッド片61を相互に回転させることができる。
【0080】
以上のスタッド片61を用いて建物下地材を形成することにより、アーチ状を必要としない用途に対しても好適に適用することができる。その一方、アーチ状とすることも可能である。つまり、用途に応じた使用をすることが可能となり、利便性が向上する。なお、各フランジ延長部95,96を共に矩形状とするのではなく、先端が段差部67と当接される第1フランジ延長部96のみ矩形状としてもよい。
【0081】
(他の実施形態)
本発明は上記各実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施しても良い。
【0082】
図13に示すように、ランナ片21は上記第1の実施形態と異なり、第1ウェブ延長部101及び第2ウェブ延長部102のいずれも段差部103,104を有している。また、第2ウェブ延長部102の段差部104は、第1ウェブ延長部101の段差部103よりも段差寸法が大きくなっている。本構成においては、各ランナ片21をリベット31で連結させた場合、当該リベット31の外側端部34は、各ランナ11,12の外側ウェブ面に対して内側に凹んだ領域内に収まる。したがって、壁下地フレーム10を土台等の上に載置する場合に、リベット31の端部34が土台等に干渉することがない。
【0083】
図14に示すように、スタッド片61の対向する各フランジ62において、第1フランジ延長部64と第2フランジ延長部65との位置関係を逆にしてもよい。つまり、スタッド片61における両フランジ62の両端にそれぞれフランジ延長部64,65を設け、それら4つの延長部64,65のうち、対角に位置する延長部を第2フランジ延長部65とする。この場合、各延長部64,65の対角線の交点を中心としてスタッド片61が対称形となるため、各スタッド片61を使用する際の向きの制約が低減され、建物下地材55を形成する際の作業性の向上が図られる。
【0084】
上記各実施形態では、各鋼材片(ランナ片21、スタッド片61)に形成したピン孔に対してリベットを挿通させることにより、各鋼材片をピン結合したが、かかるピン結合の構成を、各延長部(ウェブ延長部24,25、フランジ延長部64,65)の一方に形成したピン孔に対して他方に形成した起立部を挿通させる構成としてもよい。
【0085】
上記第1の実施形態では、ランナ片21のウェブ22にはその両端にウェブ延長部24,25を形成したが、これに代えて、一端にのみウェブ延長部を形成してもよい。当該構成であっても、各ランナ片21を連結させる場合に、一方のランナ片21のウェブ延長部を他方のランナ片21のウェブ22に重ね合わせ、その重ね合わせ部位において両者をピン結合することにより、各ランナ片21を相互に回転可能に連結することができる。また、上記第2の実施形態において、スタッド片61の一端にのみフランジ延長部を形成してもよい。当該構成であっても、各スタッド片61を連結させる場合に、一方のスタッド片61のフランジ延長部を他方のスタッド片61のフランジ62に重ね合わせ、その重ね合わせ部位において両者をピン結合することにより、各スタッド片61を相互に回転可能に連結することができる。
【0086】
上記第2〜第4の実施形態におけるスタッド片61に対して、上記第1の実施形態で示したような回転位置保持手段を設けてもよい。具体的には、第1フランジ延長部64又は第2フランジ延長部65の一方に凸部を設けるとともに、他方に当該凸部が入り込み可能な凹部を形成する。
【0087】
上記各実施形態では、同一長さの鋼材片(ランナ片21、スタッド片61)を複数連結することにより、建物下地材(各ランナ11,12、建物下地材55)を形成したが、これに代えて、異なる長さの鋼材片を連結して建物下地材を形成してもよい。また、溝形鋼よりなる鋼材片を複数連結することにより建物下地材を形成するのではなく、角形鋼よりなる鋼材片を複数連結することにより建物下地材を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】第1の実施形態における壁下地フレームを示す斜視図。
【図2】(a)ランナ片を示す斜視図、(b)ランナ片を示す側面図。
【図3】(a),(b)ランナ片の連結に関する構成を示す斜視図、(c)ランナ片の連結に関する構成を示す側面図。
【図4】連結された各ランナ片の動きを説明するための平面図。
【図5】第2の実施形態における壁下地フレームを示す正面図。
【図6】(a)スタッド片を示す斜視図、(b)スタッド片を示す正面図。
【図7】(a)スタッド片の連結に関する構成を示す斜視図、(b)スタッド片の連結に関する構成を示す正面図。
【図8】連結された各スタッド片の動きを説明するための斜視図。
【図9】壁下地フレームの建物への適用例を示す略図。
【図10】壁下地フレームの建物への適用例を示す略図。
【図11】(a)第3の実施形態におけるスタッド片を示す斜視図、(b),(c)連結された各スタッド片の動きを説明するための側面図。
【図12】(a)第4の実施形態におけるスタッド片を示す斜視図、(b),(c)連結された各スタッド片の動きを説明するための側面図。
【図13】別のランナ片を説明するための側面図。
【図14】別のスタッド片を説明するための正面図。
【符号の説明】
【0089】
10…壁下地フレーム、11…建物下地材としての上枠ランナ、12…建物下地材としての下枠ランナ、21…ランナ片、22…ウェブ、23…フランジ、24,25…ウェブ延長部、27…段差部、28,29…ピン孔、31…軸材としてのリベット、41…凸部、42…凹部としてのスリット、50…壁下地フレーム、55…建物下地材、61…スタッド片、62…フランジ、63…ウェブ、64,65…フランジ延長部、67…段差部、68,69…ピン孔、71…軸材としてのリベット、91…長孔、95,96…フランジ延長部、101,102…ウェブ延長部、103,104…段差部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軽量形鋼よりなる複数の鋼材片を用い、それら各鋼材片の端部を、軸部を中心に互いに回転可能に連結した建物下地材。
【請求項2】
前記鋼材片は溝形鋼よりなり、当該鋼材片のウェブをフランジに対して延長させて設け、その延長部を用いて各ウェブを重ね合わせるとともにその重ね合わせ部位を回転可能に連結した請求項1に記載の建物下地材。
【請求項3】
前記鋼材片は溝形鋼よりなり、当該鋼材片の対向する2つのフランジをウェブに対して延長させて設け、その延長部を用いて各フランジを重ね合わせるとともにその重ね合わせ部位を回転可能に連結した請求項1に記載の建物下地材。
【請求項4】
互いに連結される2つの鋼材片のうち一方の鋼材片について、対向する延長部を他方の鋼材片の対向するフランジ間に配置するとともに、それら各延長部の外面を各フランジの内面に重ね合わせた請求項3に記載の建物下地材。
【請求項5】
前記延長部の幅方向の中心線上に前記軸部を設けるとともに、当該延長部をその幅方向の中心線に対して対称形であって、且つ先端に向けて幅が狭くなるよう形成した請求項2乃至4のいずれかに記載の建物下地材。
【請求項6】
互いに連結される2つの鋼材片のうち一方の鋼材片について、前記延長部の基端部付近の位置に前記軸部を設けた請求項2乃至5のいずれかに記載の建物下地材。
【請求項7】
前記延長部は内側に向けて突出し幅方向に沿った段差部を有しており、その段差部よりも先端側の外面を、連結相手側の鋼材片の内面に重ね合わせた請求項2乃至6のいずれかに記載の建物下地材。
【請求項8】
前記各鋼材片の延長部同士を重ね合わせ、その重ね合わせ部位を回転可能に連結した請求項2乃至7のいずれかに記載の建物下地材。
【請求項9】
互いに連結される2つの鋼材片について、一方の鋼材片の前記延長部には内側に向けて突出し幅方向に沿った段差部を形成するとともに、他方の鋼材片の前記延長部を半円状に形成し、その円中心が前記軸部による回転中心となるように、且つ前記半円状の延長部の円弧状縁部が前記段差部に当接するように各鋼材片の前記延長部同士を重ね合わせて連結した請求項2乃至6のいずれかに記載の建物下地材。
【請求項10】
前記軸部を構成する孔部を長孔状とし、当該孔部に沿って一方の鋼材片を他方に対してスライド可能とした請求項1乃至9のいずれかに記載の建物下地材。
【請求項11】
前記回転可能に連結された各鋼材片の一方に凸部を形成するとともに、他方には前記各鋼材片の所定の回転角度にて前記凸部が入り込む凹部を形成した請求項1乃至10のいずれかに記載の建物下地材。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかに記載の建物下地材を有する壁下地フレームであって、その建物下地材を曲線状とすることで曲面状のフレーム面が形成された又は曲線状の開口部が形成された壁下地フレーム。
【請求項1】
軽量形鋼よりなる複数の鋼材片を用い、それら各鋼材片の端部を、軸部を中心に互いに回転可能に連結した建物下地材。
【請求項2】
前記鋼材片は溝形鋼よりなり、当該鋼材片のウェブをフランジに対して延長させて設け、その延長部を用いて各ウェブを重ね合わせるとともにその重ね合わせ部位を回転可能に連結した請求項1に記載の建物下地材。
【請求項3】
前記鋼材片は溝形鋼よりなり、当該鋼材片の対向する2つのフランジをウェブに対して延長させて設け、その延長部を用いて各フランジを重ね合わせるとともにその重ね合わせ部位を回転可能に連結した請求項1に記載の建物下地材。
【請求項4】
互いに連結される2つの鋼材片のうち一方の鋼材片について、対向する延長部を他方の鋼材片の対向するフランジ間に配置するとともに、それら各延長部の外面を各フランジの内面に重ね合わせた請求項3に記載の建物下地材。
【請求項5】
前記延長部の幅方向の中心線上に前記軸部を設けるとともに、当該延長部をその幅方向の中心線に対して対称形であって、且つ先端に向けて幅が狭くなるよう形成した請求項2乃至4のいずれかに記載の建物下地材。
【請求項6】
互いに連結される2つの鋼材片のうち一方の鋼材片について、前記延長部の基端部付近の位置に前記軸部を設けた請求項2乃至5のいずれかに記載の建物下地材。
【請求項7】
前記延長部は内側に向けて突出し幅方向に沿った段差部を有しており、その段差部よりも先端側の外面を、連結相手側の鋼材片の内面に重ね合わせた請求項2乃至6のいずれかに記載の建物下地材。
【請求項8】
前記各鋼材片の延長部同士を重ね合わせ、その重ね合わせ部位を回転可能に連結した請求項2乃至7のいずれかに記載の建物下地材。
【請求項9】
互いに連結される2つの鋼材片について、一方の鋼材片の前記延長部には内側に向けて突出し幅方向に沿った段差部を形成するとともに、他方の鋼材片の前記延長部を半円状に形成し、その円中心が前記軸部による回転中心となるように、且つ前記半円状の延長部の円弧状縁部が前記段差部に当接するように各鋼材片の前記延長部同士を重ね合わせて連結した請求項2乃至6のいずれかに記載の建物下地材。
【請求項10】
前記軸部を構成する孔部を長孔状とし、当該孔部に沿って一方の鋼材片を他方に対してスライド可能とした請求項1乃至9のいずれかに記載の建物下地材。
【請求項11】
前記回転可能に連結された各鋼材片の一方に凸部を形成するとともに、他方には前記各鋼材片の所定の回転角度にて前記凸部が入り込む凹部を形成した請求項1乃至10のいずれかに記載の建物下地材。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかに記載の建物下地材を有する壁下地フレームであって、その建物下地材を曲線状とすることで曲面状のフレーム面が形成された又は曲線状の開口部が形成された壁下地フレーム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−163547(P2008−163547A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−350546(P2006−350546)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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