説明

建設機械の油圧駆動装置

【課題】油圧ポンプの吐出油を複数の油圧アクチュエータに振り分けてこれらの油圧アクチュエータを同時期に駆動する際、エネルギ損失を低減することができる建設機械の油圧駆動装置を提供すること。
【解決手段】コントローラ100は操作レバー装置51,52からの指令信号に基づき、方向制御弁24,25を切り換える。この方向制御弁24,25は、油圧ポンプ23から油圧シリンダ21,22への圧油の流れの方向を切り換えるものであり、可変絞りとしては機能しないものである。油圧ポンプ23から油圧シリンダ21,22のそれぞれに供給される圧油の流量を、発電装置61,62の速度制御用油圧モータ63,64の回転速度をインバータ67,68と発電機65,66とを介して制御し、このとき発電機65,66により発電を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ポンプから複数の油圧アクチュエータのそれぞれに振り分けられる圧油の流量および流れの方向を制御する建設機械の油圧駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の建設機械の油圧駆動装置、例えば油圧ショベルは、ブーム、アームおよびバケットを有する作業装置(作業機)を備え、この作業装置はブームシリンダ(油圧シリンダ)により駆動されて上下方向に回動するようになっている。そのブームシリンダは、作業装置が下方向に回動する際に作業装置に作用する重力により押し縮められる。これに伴ってブームシリンダのボトム室からは圧油が排出される。従来の建設機械の油圧駆動装置は、ブームシリンダのボトム室から排出される圧油を利用して、油圧モータを駆動し、この油圧モータによりジェネレータを駆動して発電するようになっている。つまり、作業装置の位置エネルギを電気エネルギに変換して回収し、この電気エネルギを建設機械に備えられた電気機器に供給することによって、作業装置の位置エネルギを有効に利用するようになっている。(特許文献1参照)
また、ブームシリンダ、アームシリンダ、バケットシリンダ等、油圧ショベルに備えられる複数の油圧アクチュエータは、油圧ポンプの吐出油を振り分けられて駆動されるようになっている。複数の油圧アクチュエータのそれぞれには方向制御弁が対応付けられて設けられている。それらの方向制御弁としては、スプールのストローク量に応じて開口面積が変化するもの、すなわち可変絞りとして機能するものが用いられるのが一般的である。つまり、方向制御弁を用いることによって、この方向制御弁と対応関係にある油圧アクチュエータに供給される圧油の流れの方向、すなわちその油圧アクチュエータの動作方向を切り換えることができ、かつ、油圧ポンプからその油圧アクチュエータに供給する圧油の流量、すなわちその油圧アクチュエータの動作速度を調節することができるようになっている。
【0003】
さらに、複数の油圧アクチュエータのそれぞれには圧力補償弁が対応付けられて設けられている。複数の油圧アクチュエータのうちのいずれか2つ以上が同時期に駆動される場合、油圧ポンプの吐出油は、それらの2つ以上の油圧アクチュエータのそれぞれに対応付けられた方向制御弁を介して、それらの2つ以上の油圧アクチュエータに振り分けられることになる。この状態では、同時期に駆動される2つ以上の油圧アクチュエータのそれぞれに対応付けられた圧力補償弁は、その圧力補償弁の上流と下流の圧力差の変動を抑えることによって、同時期に駆動される2つ以上の油圧アクチュエータのうち負荷圧力の低い方に偏って油圧ポンプからの圧油が流れる、という事態を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−275945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のように圧力補償弁を用いた場合、同時期に駆動される2つ以上の油圧アクチュエータのそれぞれの負荷圧力のうちの最高負荷圧力と、この最高負荷圧力よりも低い負荷圧力との圧力差が大きいほど、その低い負荷圧力が作用する油圧アクチュエータに対応付けられた圧力補償弁での圧力損失、すなわちエネルギ損失が大きくなる。
【0006】
本発明は前述の事情を考慮してなされたものであり、その目的は、油圧ポンプの吐出油を複数の油圧アクチュエータに振り分けてこれらの油圧アクチュエータを同時期に駆動する際、エネルギ損失を低減することができる建設機械の油圧駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の目的を達成するために本発明の建設機械の油圧駆動装置は次のように構成されている。
【0008】
〔1〕 本発明に係る建設機械の油圧駆動装置は、原動機と、この原動機により駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプの吐出油により駆動される複数の油圧アクチュエータと、前記油圧ポンプから前記複数の油圧アクチュエータのそれぞれに供給される圧油の流量および流れの方向を制御する動作制御手段と、前記複数の油圧アクチュエータのそれぞれに対応付けられて設けられ、その油圧アクチュエータの動作速度を前記動作制御手段に指令する指令手段とを備えた建設機械の油圧駆動装置において、前記動作制御手段は、前記複数の油圧アクチュエータのそれぞれに対応付けられて設けられた弁装置、速度制御用油圧モータおよびジェネレータと、速度制御手段とを備え、前記弁装置は、この弁装置と対応関係にある前記油圧アクチュエータに対応付けられた前記指令手段からの指令に応じて、前記油圧ポンプからその油圧アクチュエータに供給される圧油の流れの方向を制御するものであり、前記速度制御用油圧モータは、この速度制御用油圧モータと対応関係にある前記油圧アクチュエータに対して前記油圧ポンプから供給される圧油、または、その油圧アクチュエータから作動油タンクに排出される圧油により駆動されるものであり、前記ジェネレータは、このジェネレータと対応関係にある前記油圧アクチュエータに対応付けられた前記速度制御用油圧モータの出力を伝達されて駆動されるものであり、前記速度制御手段は、この速度制御手段と対応関係にある前記油圧アクチュエータに対応付けられた前記弁装置に指令を与えた指令手段からの動作速度の指令に応じて、その油圧アクチュエータに対応付けられた前記速度制御用油圧モータの回転速度を制御することにより、前記油圧ポンプからその油圧アクチュエータに供給される圧油の流量を制御することを特徴とする。
【0009】
この「〔1〕」に記載の建設機械の油圧駆動装置において、動作制御手段の各弁装置は、この弁装置と対応関係にある油圧アクチュエータに対応付けられた指令手段からの動作速度(動作の方向と動作の速さ)の指令に応じて、油圧ポンプからその油圧アクチュエータに供給される圧油の流れの方向を制御する。これにより、油圧アクチュエータの動作の方向が決まる。例えば、その油圧アクチュエータが油圧シリンダの場合には、その油圧シリンダの動作の方向が伸長方向または収縮方向に決まり、油圧モータの場合には、その油圧モータの動作の方向が、相反する2つの回転方向のうちの一方向または他方向に決まる。また、速度制御手段は、この速度制御手段と対応関係にある前記油圧アクチュエータに対応付けられた前記弁装置に指令を与えた指令手段からの動作速度の指令に応じて、速度制御用油圧モータの回転速度を制御することにより、その油圧アクチュエータに対して油圧ポンプから供給される圧油の流量、すなわち、その油圧アクチュエータの動作の速さを制御する。油圧アクチュエータの動作の速さは、速度制御用油圧モータの回転の速さに比例して変化するので、すなわち、速度制御用油圧モータの回転の速さに対する制限が大きいほど遅くなり、その制限が小さいほど早くなるので、複数の油圧アクチュエータのうち2つ以上を同時期に駆動する場合に、油圧ポンプの吐出油をそれら2つ以上の油圧アクチュエータに振り分けても、それら2つ以上の油圧アクチュエータのそれぞれに対応付けられた速度制御用油圧モータのそれぞれの回転の速さを制御することによって、それら2つ以上の油圧アクチュエータのそれぞれの動作の速さを制御することができる。
【0010】
このようにして複数の油圧アクチュエータのうちの2つ以上を同時期に駆動する状態において、それら2つ以上の油圧アクチュエータのそれぞれに対応付けられたジェネレータは、そのジェネレータと対応関係にある油圧アクチュエータに対応付けられた速度制御用油圧モータの出力を伝達されて駆動され、発電する。これにより得られる電気エネルギは、建設機械に備えられた電気機器に用いることができる。したがって、油圧ポンプの吐出油を複数の油圧アクチュエータに振り分けてこれらの油圧アクチュエータを同時期に駆動する際、エネルギ損失を低減することができる。
【0011】
〔2〕 本発明に係る建設機械の油圧駆動装置は、「〔1〕」に記載の建設機械の油圧駆動装置において、前記速度制御用油圧モータは定容量形油圧モータであり、前記速度制御手段は、前記複数のジェネレータのそれぞれに対して設けられそのジェネレータの回転速度を制御するインバータを備え、そのインバータによりジェネレータの回転速度を制御することで前記速度制御用油圧モータの回転速度を制御することを特徴とする。
【0012】
速度制御用油圧モータの回転速度の制御は、その速度制御用油圧モータを可変容量形油圧モータとし、この可変容量形油圧モータの押し退け容積を制御することによって実現できる。これに対し、「〔2〕」に記載の建設機械の油圧駆動装置は、速度制御用油圧モータが定容量形油圧モータであり、この定容量形油圧モータの回転速度の制御を、ジェネレータの回転速度をインバータで制御することで実現するものである。つまり、速度制御用油圧モータを可変容量形油圧モータとし、この可変容量形油圧モータの押し退け容積を制御することで実現する場合よりも、安価な構成で容易に速度制御用油圧モータの回転速度の制御を実現できる。
【0013】
〔3〕 本発明に係る建設機械の油圧駆動装置は、「〔1〕」または「〔2〕」に記載の建設機械の油圧駆動装置において、前記油圧ポンプは可変容量形油圧ポンプであり、前記速度制御手段は、前記指令手段による動作速度の指令と、その指令手段と対応関係にある前記油圧アクチュエータの容積とに基づき、前記油圧アクチュエータに供給する圧油の流量である個別供給流量を算出する個別供給流量算出手段と、前記複数の指令手段のうちの2つ以上により同時期に動作速度の指令を与えられた場合に、それらの2つ以上の動作速度の指令に基づく2つ以上の前記個別供給流量を合計して総供給流量を得る総供給流量算出手段と、ポンプ吐出流量を前記総供給流量に制御するポンプ吐出流量制御手段と、前記2つ以上の動作速度の指令に基づく2つ以上の前記個別供給流量が維持されるよう前記複数の速度制御用油圧モータの回転速度を制御するモータ制御手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
この「〔3〕」に記載の建設機械の油圧駆動装置において、速度制御手段の個別供給流量算出手段は、指令手段による動作速度の指令と、その指令手段と対応関係にある油圧アクチュエータの容積とに基づき、その油圧アクチュエータに供給する圧油の流量である個別供給流量を算出する。複数の指令手段のうちの2つ以上により同時期に動作速度の指令を与えられた場合、速度制御手段の総供給流量算出手段は、それらの2つ以上の動作速度の指令に基づく2つ以上の前記個別供給流量を合計して総供給流量を得る。そして、ポンプ吐出流量制御手段は油圧ポンプの吐出流量(ポンプ吐出流量)を総供給流量に制御し、モータ制御手段は2つ以上の動作速度の指令に基づく2つ以上の前記個別供給流量が維持されるよう複数の速度制御用油圧モータの回転速度を制御する。このようにポンプ吐出流量と複数の速度制御用油圧モータの回転速度とを制御することによって、ポンプ吐出流量の無駄を低減することができる。
【0015】
〔4〕 本発明に係る建設機械の油圧駆動装置は、「〔1〕」または「〔2〕」に記載の建設機械の油圧駆動装置において、前記油圧ポンプは可変容量形油圧ポンプであり、前記速度制御手段は、前記指令手段による動作速度の指令と、その指令手段と対応関係にある前記油圧アクチュエータの容積とに基づき、前記油圧アクチュエータに供給する圧油の流量である個別供給流量を算出する個別供給流量算出手段と、前記複数の指令手段のうちの2つ以上により同時期に動作速度の指令を与えられた場合に、それらの2つ以上の動作速度の指令に基づく2つ以上の前記個別供給流量を合計して総供給流量を得る総供給流量算出手段と、前記総供給流量が前記油圧ポンプの吐出流量の最大値を超えた場合に、前記油圧ポンプの吐出流量を最大値に制御するポンプ吐出流量制御手段と、前記2つ以上の動作速度の指令に基づく2つ以上の前記個別供給流量の比率が維持されるよう前記複数の速度制御用油圧モータの回転速度を制御するモータ制御手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
この「〔4〕」に記載の建設機械の油圧駆動装置において、速度制御手段の個別供給流量算出手段は、指令手段による動作速度の指令と、その指令手段と対応付けられた油圧アクチュエータの容積とに基づき、その油圧アクチュエータに供給する圧油の流量である個別供給流量を算出する。複数の指令手段のうちの2つ以上により同時期に動作速度の指令を与えられた場合、速度制御手段の総供給流量算出手段は、それらの2つ以上の動作速度の指令に基づく2つ以上の個別供給流量を合計して総供給流量を得る。ここまでの処理は「〔3〕」に記載の建設機械の油圧駆動装置と同じである。
【0017】
複数の油圧アクチュエータのうちの2つ以上を同時期に駆動する場合、可変容量形油圧ポンプである油圧ポンプの吐出流量が、総供給流量に対して不足する場合がある。つまり、総供給流量がポンプ吐出流量の最大値を超える場合がある。そこで、「〔4〕」に記載の建設機械の油圧駆動装置において、ポンプ吐出流量制御手段はポンプ吐出流量を最大値に制御し、モータ制御手段は2つ以上の動作速度の指令に基づく2つ以上の個別供給流量の比率が維持されるよう複数の速度制御用油圧モータの回転速度を制御する。このように可変容量形油圧ポンプである油圧ポンプと複数の速度制御用油圧モータとを制御することによって、ポンプ吐出流量が総供給流量に対して不足している状態であっても同時期に駆動する2つ以上の油圧アクチュエータの動作速度を、2つ以上の指令手段のそれぞれからの動作速度の指令に応じて制御することができる。
【0018】
〔5〕 本発明に係る建設機械の油圧駆動装置は、「〔1〕」または「〔2〕」に記載の建設機械の油圧駆動装置において、前記油圧ポンプは可変容量形油圧ポンプであり、前記速度制御手段は、前記指令手段による動作速度の指令と、その指令手段と対応関係にある前記油圧アクチュエータの容積とに基づき、前記油圧アクチュエータに供給する圧油の流量である個別供給流量を算出する個別供給流量算出手段と、前記複数の指令手段のうちの2つ以上により同時期に動作速度の指令を与えられた場合に、それらの2つ以上の動作速度の指令に基づく2つ以上の前記個別供給流量を合計して総供給流量を得る総供給流量算出手段と、前記油圧ポンプのポンプ吐出圧を検出するポンプ吐出圧検出手段と、前記原動機の出力を超えないよう予め設定されたポンプ吐出圧とポンプ吐出流量の上限値の対応関係の特性を用い、前記ポンプ吐出圧検出手段により検出されたポンプ吐出圧に応じて前記油圧ポンプのポンプ吐出流量の上限値を算出する上限ポンプ吐出流量算出手段と、前記総供給流量がポンプ吐出流量の前記上限値を超えた場合に、ポンプ吐出流量を前記上限値に制御するポンプ吐出流量制御手段と、前記2つ以上の動作速度の指令に基づく2つ以上の前記個別供給流量の比率が維持されるよう前記複数の速度制御用油圧モータの回転速度を制御するモータ制御手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
この「〔5〕」に記載の建設機械の油圧駆動装置において、動作制御手段の個別供給流量算出手段は、指令手段による動作速度の指令と、その指令手段と対応付けられた油圧アクチュエータの容積とに基づき、その油圧アクチュエータに供給する圧油の流量である個別供給流量を算出する。複数の指令手段のうちの2つ以上により同時期に動作速度の指令を与えられた場合、速度制御手段の総供給流量算出手段は、それらの2つ以上の動作速度の指令に基づく2つ以上の個別供給流量を合計して総供給流量を得る。ここまでの処理は「〔3〕」,「〔4〕」に記載の建設機械の油圧駆動装置と同じである。
【0020】
特に「〔5〕」に記載の建設機械の油圧駆動装置においては、上限ポンプ吐出流量算出手段が、所定のポンプ出力が一定して得られるよう予め設定されたポンプ吐出圧とポンプ吐出流量の上限値との対応関係の特性を用い、ポンプ吐出圧検出手段により検出されたポンプ吐出圧に応じてポンプ吐出流量の上限値を算出する。そして、ポンプ吐出流量制御手段は、ポンプ吐出流量の上限値が総供給流量に対して不足していた場合、すなわち総供給流量がポンプ吐出流量の上限値を超えた場合に、ポンプ吐出流量を上限値に制御し、モータ制御手段は、2つ以上の動作速度の指令に基づく2つ以上の個別供給流量の比率が維持されるよう複数の速度制御用油圧モータの回転速度を制御する。つまり、ポンプ吐出圧に応じてポンプ吐出流量を制御することでポンプ出力を所定値に一定させる制御(馬力一定制御)を行いつつ、同時期に駆動する2つ以上の油圧アクチュエータの動作速度を制御することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る建設機械の油圧駆動装置によれば、油圧ポンプの吐出油を複数の油圧アクチュエータに振り分けてこれらの油圧アクチュエータを同時期に駆動する際、エネルギ損失を低減することができる。これにより、省エネに貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係る油圧駆動装置が適用される建設機械である油圧ショベルの左側面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る油圧駆動装置の概略を示す油圧回路図である。
【図3】図2に示したコントローラに備えられる速度制御手段を示すブロック図である。
【図4】図3に示した目標回転速度算出手段により用いられる操作レバーの傾倒操作量とジェネレータの回転速度との対応関係の特性を示す図である。
【図5】図3に示した上限ポンプ吐出流量算出手段により用いられるポンプ吐出圧とポンプ吐出流量の上限値との対応関係の特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の一実施形態に係る建設機械の油圧駆動装置ついて、図1〜図5を用いて説明する。
【0024】
図1に示す油圧ショベル1は、履帯2aを駆動して走行する走行体2と、この走行体2に旋回可能に結合した旋回体3と、この旋回体3の前部に設けられたフロント作業装置4とを備える。
【0025】
旋回体3は、フロント作業装置4の左側方に設けられたキャブ3aと、このキャブ3aの後方に設けられた機械室3bと、この機械室3bの後方に設けられて旋回体3の後端を形成しているカウンタウェイト3cとを備える。この旋回体3は、図示してない旋回モータを駆動源としている。
【0026】
フロント作業装置4は、旋回体3の前部に上下方向に回動可能に結合されたブーム5と、このブーム5に回動可能に連結されたアーム6と、このアーム6に回動可能に連結されたバケット7とを備える。ブーム5、アーム6およびバケット7のそれぞれは、ブームシリンダ8、アームシリンダ9およびバケットシリンダ10のそれぞれにより駆動されるようになっている。これらブームシリンダ8、アームシリンダ9およびバケットシリンダ10はいずれも油圧シリンダであり、片ロッド式の複動シリンダである。
【0027】
図2に示すように、本実施形態に係る油圧駆動装置20は、原動機としてのディーゼルエンジン40と、このディーゼルエンジン40により駆動される可変容量形油圧ポンプである油圧ポンプ23と、この油圧ポンプ23の吐出油により駆動される複数の油圧アクチュエータ、例えば2つの油圧シリンダ21,22(例えばブームシリンダ8、バケットシリンダ10に適用される)と、油圧シリンダ21に対応付けられて設けられ、油圧ポンプ23からその油圧シリンダ21に供給される圧油の流れの方向を制御する弁装置としての方向制御弁24と、油圧シリンダ22に対応付けられて設けられ、油圧ポンプ23からその油圧シリンダ22に供給される圧油の流れの方向を制御する弁装置としての方向制御弁25とを備える。また、ディーゼルエンジン40と油圧ポンプ23の間には、モータ・ジェネレータ41が設けられている。
【0028】
方向制御弁24は、クローズドセンタ式で3つの弁位置(中立位置24e、第1弁位置24f、第2弁位置24g)のいずれか1に選択的に切り換えられる弁である。また、この方向制御弁24は、4つのポート、すなわちAポート24a、Bポート24b、Pポート24c、Rポート24dを備える。Aポート24aは油圧シリンダ21のボトム室21aに通じたポートであり、Bポート24bは油圧シリンダ21のロッド室21bに通じたポートである。Pポート24dは油圧ポンプ23の吐出油を導入するポートであり、Rポート24dは油圧シリンダ21から排出され作動油、すなわち戻り油を作動油タンク26側に導くポートである。方向制御弁24は、スプールのスロトーク量に応じて開口面積が変化する可変絞りとしての機能を備えない。
【0029】
方向制御弁25も方向制御弁24と同じく、クローズドセンタ式で3つの弁位置(中立位置25e、第1弁位置25f、第2弁位置25g)のいずれか1に選択的に切り換えられる弁である。また、この方向制御弁25は、4つのポート、すなわちAポート25a、Bポート25b、Pポート25c、Rポート25dを備える。Aポート25aは油圧シリンダ22のボトム室22aに通じたポートであり、Bポート25bは油圧シリンダ22のロッド室22bに通じたポートである。Pポートロ25cは油圧ポンプ23の吐出油を導入するポートであり、Rポート25dは油圧シリンダ22から排出された作動油、すなわち戻り油を作動油タンク26側に導くポートである。方向制御弁25も、スプールのスロトーク量に応じて開口面積が変化する可変絞りとしての機能を備えない。
【0030】
油圧ポンプ23と方向制御弁24のPポート24cは、油圧ポンプ23が圧油を吐出する幹管路27と、この幹管路27から分岐した枝管路28とを介して接続されている。油圧ポンプ23と方向制御弁25のPポート25cは、幹管路27と、この幹管路27から分岐した枝管路29とを介して接続されている。つまり、油圧ポンプ23の吐出油は、枝管路28を通じて油圧シリンダ21に導かれる分と、枝管路29を通じて油圧シリンダ22に導かれる分とに振り分けられるようになっている。
【0031】
幹管路27には、油圧ポンプ23の最大吐出圧を規定するリリーフ弁43が設けられている。つまり、油圧ポンプ23の吐出圧がリリーフ弁43の設定圧力に達すると、リリーフ弁43を通じて圧力が作動油タンク26に逃がされ、これによって、油圧ポンプ23の最大吐出圧がその設定圧力よりも僅かに低い圧力に規定されている。このリリーフ弁43は電気信号により制御可能なものである。
【0032】
油圧駆動装置20はさらにコントローラ100を備える。このコントローラ100は、制御プログラムが書き込まれたROMと、その制御プログラムに従って情報処理を行うCPUと、そのCPUによる情報処理の作業領域であるRAMとを備え、油圧駆動装置20の動作に係る種々の情報処理、および種々の制御対象物の制御を行うものである。前出の方向制御弁24および前出の方向制御弁25はコントローラ100の制御対象物であり、方向制御弁24はコントローラ100から電力を供給されて中立位置24eから第1位置24f,第2位置24gのいずれかに選択的に切り換わるようになっており、方向制御弁25はコントローラ100から電力を供給されて中立位置25eから第1位置25f,第2位置25gのいずれかに選択的に切り換わるようになっている。コントローラ100には、油圧シリンダ21に対応付けられて設けられた指令手段としての操作レバー装置51と、油圧シリンダ22に対応付けられて設けられた指令手段としての操作レバー装置52とが電気的に接続されている。操作レバー装置51は、操作レバー51aの中立位置からの傾倒操作量を油圧シリンダ21の動作速度の指令信号(電気信号)に変換してコントローラ100に出力するものである。操作レバー装置52は、操作レバー52aの中立位置からの傾倒操作量を油圧シリンダ22の動作速度の指令信号(電気信号)に変換してコントローラ100に出力するものである。コントローラ100は、操作レバー装置51からの指令信号に基づき、方向制御弁24の弁位置を第1位置24f、第2位置34gのいずれかに切り換えるよう設定されており、また、操作レバー装置52からの指令信号に基づき方向制御弁25の弁位置を第1弁位置25f、第2弁位置25gのいずれかに切り換えるよう設定されている。
【0033】
油圧駆動装置20はさらに、油圧シリンダ21,22のそれぞれに対応付けられて設けられた発電装置61,62のそれぞれを備える。
【0034】
発電装置61は方向制御弁24のRポート24dから作動油タンク26に延びた戻り管路31に設けられており、戻り管路31上に設けられて方向制御弁24のRポート24dからの作動油により駆動される速度制御用油圧モータ63と、この速度制御用油圧モータ63に伝動可能に結合したジェネレータ65とを備える。つまり、油圧シリンダ21から排出された圧油により速度制御用油圧モータ63が駆動され、この速度制御用油圧モータ63によりジェネレータ65が駆動されて、発電がなされるようになっている。
【0035】
発電装置62は方向制御弁25のRポート25dから作動油タンク26に延びた戻り管路32に設けられており、戻り管路32上に設けられて方向制御弁25のRポート25dからの作動油により駆動される速度制御用油圧モータ64と、この速度制御用油圧モータ64に伝動可能に結合したジェネレータ66とを備える。つまり、油圧シリンダ22から排出された圧油により速度制御用油圧モータ64が駆動され、この速度制御用油圧モータ64によりジェネレータ66が駆動されて、発電がなされるようになっている。
【0036】
ジェネレータ65に対してはインバータ67が設けられており、ジェネレータ66に対してはインバータ68が設けられている。ジェネレータ65の回転速度はインバータ67によって制御されるようになっており、ジェネレータ66の回転速度はインバータ68によって制御されるようになっている。インバータ67,68は前出のコントローラ100により制御されるものである。つまり、コントローラ100は、インバータ67によりジェネレータ65の回転速度を制御することで速度制御用油圧モータ63の回転速度を制御するものであるとともに、インバータ68によりジェネレータ66の回転速度を制御することで速度制御用油圧モータ64の回転速度を制御するものである。
【0037】
ジェネレータ65により発電された電力はインバータ67を介して蓄電装置80またはモータ・ジェネレータ41に供給されるようになっている。これと同様に、ジェネレータ66により発電された電力はインバータ68を介して蓄電装置80またはモータ・ジェネレータ41に供給されるようになっている。
【0038】
ディーゼルエンジン40に対しては、負荷の変動に関係なく回転速度を一定に維持するアイソクロナス制御、言い換えると、ディーゼルエンジン40に対する負荷が小さくなるほど燃料噴射量を少なくする制御が行われるようになっている。また、油圧ポンプ23の回転速度は一定に制御されるようになっている。このため、蓄電装置80からインバータ42を介して電力が供給されてモータ・ジェネレータ41が回転した場合、油圧ポンプ23の回転が加速しないようにディーゼルエンジン40の負荷はモータ・ジェネレータ41の出力分だけ小さく制御され、この結果、ディーゼルエンジン40の燃料消費量が低減される。
【0039】
油圧駆動装置20はさらに、油圧ポンプ23の吐出圧を検出するポンプ吐出圧検出手段としてのポンプ吐出圧センサ70を備える。このポンプ吐出圧センサ70により検出されたポンプ吐出圧は電気信号であるポンプ吐出圧信号に変換されてコントローラ100に入力されるようになっている。
【0040】
なお、操作レバー装置51,52は、前出のキャブ3a内に設けられてオペレータにより操作されるものである。ディーゼルエンジン40、油圧ポンプ23、方向制御弁24,25、発電装置61,62、インバータ67,68、モータ・ジェネレータ41、蓄電装置80は、前出の旋回体3の機械室3bに収容されている。
【0041】
図3に示すように、コントローラ100は、このコントローラ100のROMに書き込まれた制御プログラムにより設定された手段であり速度制御用油圧モータ63,64の回転速度を制御する速度制御手段101を備える。
【0042】
速度制御手段101は、操作レバー装置51からの動作速度の指令信号に応じて速度制御用油圧モータ63の回転速度を制御することにより、油圧ポンプ23から油圧シリンダ21に供給される圧油の流量を制御するとともに、操作レバー装置52からの動作速度の指令信号に応じて速度制御用油圧モータ64の回転速度を制御することにより、油圧ポンプ23から油圧シリンダ22に供給される圧油の流量を制御するものである。この速度制御手段101の詳細について次に説明する。
【0043】
速度制御手段101は、ジェネレータ65の回転速度の目標値である回転速度N1(単位時間当たりの回転数)を、操作レバー装置51からの指令信号の指令値Sop1に基づいて算出する目標回転速度算出手段111と、ジェネレータ66の回転速度の目標値である回転速度N2(単位時間当たりの回転数)を、操作レバー装置52からの指令信号の指令値Sop2に基づいて算出する目標回転速度算出手段112とを備える。これら目標回転速度算出手段111,112は、操作レバー52aの傾倒操作量に相応する指令値Sopとジェネレータ65,66の回転速度との対応関係の特性111a(図4参照)を用いて、回転速度N1,N2を算出するものである。その特性111aは、操作レバー51a,52aの傾倒操作量に相応する指令値Sopが大きいほどジェネレータ65,66の回転速度Nが大きくなるよう設定されたものであり、予め設定されてコントローラ100のROMに記憶されているものである。
【0044】
速度制御手段101はさらに、油圧シリンダ21に供給する圧油の流量の目標値である個別供給流量Q1を、油圧シリンダ21の容積と回転速度N1とに基づき算出する個別供給流量算出手段121と、油圧シリンダ22に供給する圧油の流量の目標値である個別供給流量Q2を、油圧シリンダ22の容積と回転速度N2とに基づき算出する個別供給流量算出手段122と、個別供給流量Q1,Q2を合計して総供給流量Qtを得る総供給流量算出手段130とを備える。
【0045】
速度制御手段101はさらに、所定のポンプ出力が一定して得られるよう予め設定されたポンプ吐出圧とポンプ吐出流量の上限値の対応関係の特性140aを用いて、ポンプ吐出圧検出センサ70により検出されたポンプ吐出圧Pに基づき、ホンプ吐出流量の上限値Qlimを算出する上限ポンプ吐出流量算出手段140を備える。
【0046】
速度制御手段101はさらに、総供給流量Qtとポンプ吐出流量の上限値Qlimとに基づいて乗数L1,L2を算出する乗数算出手段141を備える。この乗数算出手段141は、ポンプ吐出流量の上限値Qlimとポンプ吐出流量の最大値Qmaxとの大小関係を比較し、「Qt≦Qlim」の場合に「L1=1,L=2」とするよう設定されており、「Qt>Qlim」の場合に「L1=Q1×Qlim/(Q1+Q2),L2=Q2×Qlim/(Q1+Q2)」とするよう設定されている。
【0047】
速度制御手段101はさらに、個別供給流量Q1に乗数L1を掛け合わせることで個別供給流量Q1をQ1’に補正する補正手段151と、個別供給流量Q2に乗数L2を掛け合わせることで個別供給流量Q2をQ2’に補正する補正手段152と、補正後の個別供給流量Q1’,Q2’を合計する、すなわち総供給流量QtをQt’に補正する総供給流量補正手段160とを備える。
【0048】
速度制御手段101はさらに、油圧ポンプ23(可変容量形油圧ポンプ)の吐出流量を調整するレギュレータ23aに対し、前出の補正後の総供給流量Qt’に基づいて駆動電力Wを与えるレギュレータ制御手段170を備える。
【0049】
乗数算出手段141と補正手段151,152と総供給流量補正手段160とレギュレータ制御手段170は、総供給流量Qtとポンプ吐出流量の上限値Qlimとに基づき油圧ポンプ23の吐出流量(ポンプ吐出流量)を制御するポンプ吐出流量制御手段を構成する。
【0050】
また、速度制御手段101において、前出の補正手段151は回転速度N1に乗数L1を掛け合わせて回転速度N1をN1’に補正する手段でもあり、これと同様に前出の補正手段152も回転速度N2に乗数L2を掛け合わせて回転速度N2をN2’に補正する手段である。そして、速度制御手段101は、ジェネレータ65の回転速度を、補正後の回転速度N1’に制御させるための制御信号Si1をインバータ67に出力するインバータ制御手段181と、ジェネレータ66の回転速度を補正後の回転速度N2’に制御させるための制御信号Si2をインバータ68に出力するインバータ制御手段182とを備える。乗数算出手段141と補正手段151,152とインバータ制御手段181,182は、回転速度N1,N2および個別供給流量Q1,Q2に基づいて速度制御用油圧モータ63,64の動作速度を制御するモータ制御手段を構成する。
【0051】
なお、方向制御弁24,25と、発電装置61,62(速度制御用油圧モータ63と発電機65、速度制御用油圧モータ64と発電機66)と、ジェネレータ65,66と速度制御手段101は、油圧ポンプ23から油圧シリンダ21,22のそれぞれに供給される圧油の流量および流れの方向を制御する動作制御手段を構成している。
【0052】
また、コントローラ100は、操作レバー装置51,52が操作されていないとき、すなわち操作レバー装置51の指令信号の指令値Sop1=0であり、操作レバー装置52の指令信号の指令値Sop2=0であるとき、リリーフ弁43に駆動電力を与えてリリーフ弁43を開くようになっている。つまり、油圧シリンダ21,22を動作させない場合には、ポンプ吐出圧を低下させて、省エネを図るようになっている。
【0053】
本実施形態に係る油圧駆動装置20の動作の流れについて、2つの油圧シリンダ21,22を同時期に駆動する場合を例に挙げて説明する。
【0054】
はじめに、操作レバー装置51,52が同時期に操作される。これにより、操作レバー装置51,52のそれぞれから指令値Sop1の指令信号、指令値Sop2の指令信号のそれぞれが出力され、これらの指令信号はコントローラ100に入力される。
【0055】
これにより、コントローラ100においては、目標回転速度算出手段111が操作レバー装置51からの指令信号の指令値Sop1に基づき回転速度N1を算出し、また、目標回転速度算出手段112が操作レバー装置52からの指令信号の指令値Sop2に基づき回転速度N2を算出する。次に、個別供給流量算出手段121が、油圧シリンダ21の容積と回転速度N1とに基づき油圧シリンダ21に供給する圧油の流量の目標値である個別供給流量Q1を算出し、また、個別供給流量算出手段122が、油圧シリンダ22の容積と回転速度N2とに基づき油圧シリンダ22に供給する圧油の流量の目標値である個別供給流量Q2を算出する。次に、総供給流量算出手段130が個別供給流量Q1,Q2を合計して総供給流量Qtを得る。
【0056】
一方、上限ポンプ吐出流量算出手段140は、ポンプ吐出圧センサ70により検出されたポンプ吐出圧Pに基づきポンプ吐出流量の上限値Qlimを算出する。
【0057】
次に、乗数算出手段141は、総供給流量算Qtとポンプ吐出流量の上限値Qlimとに基づき乗数L1,L2を算出する。このとき、総供給流量Qtがポンプ吐出流量の上限値Qlim以下であった場合(Qt≦Qlim)、乗数L1,L2は「L1=1,L2=1」に設定される。また、総供給流量Qtがポンプ吐出流量の上限値Qlimを超えた場合(Qt>Qlim)、乗数L1,L2はそれぞれ「L1=Q1×Qlim/(Q1+Q2)、「L2=Q2×Qlim/(Q1+Q2)」という1よりも小さい値に設定される。
【0058】
次に、補正手段151は乗数L1を、操作レバー装置51からの指令信号に基づく個別供給流量Q1に掛け合わせて、個別供給流量Q1をQ1’に補正し、これと同様に、補正手段152は乗数L2を、操作レバー装置52からの指令信号に基づく個別供給流量Q2に掛け合わせて、個別供給流量Q2をQ2’に補正する。次に、総供給流量補正手段160は、補正後の個別供給流量Q1’,Q2’を合計して補正後の総供給流量Qt’を得る。
【0059】
このようにして個別供給流量Q1,Q2および総供給流量Qt’が補正される際、総供給流量Qtがポンプ吐出流量の上限値Qlim以下であった場合(Qt≦Qlim)、乗数L1,L2は「L1=1,L2=1」に設定されているので、個別供給流量Q1,Q2および総供給流量Qtは実質的には補正されない。つまり「Q1’=Q1,Q2’=Q2,Qt’=Qt」である。そして、その補正後の総供給流量Qt’に基づき油圧ポンプ23のレギュレータ23aに駆動電力Wが供給され、ポンプ吐出流量はQt’(Qt’=Qt≦Qlim)に制御される。
【0060】
また、個別供給流量Q1,Q2および総供給流量Qt’が補正される際、総供給流量Qtがポンプ吐出流量の上限値Qlimを超えた場合(Qt>Qlim)、乗数L1,L2はそれぞれ「L1=Q1×Qlim/(Q1+Q2)、「L2=Q2×Qlim/(Q1+Q2)」という1よりも小さい値に設定されているので、個別供給流量Q1,Q2は互いの比率を維持した状態で、総供給流量Qt’がポンプ吐出流量の上限値Qlimとなるように補正される。つまり、「Q1:Q2=Q1’:Q2’,Q1’<Q1,Q2’<Q2,Qt’=Qlim<Qt」となる。そして、その補正後の総供給流量Qt’(=Qlim)に基づき油圧ポンプ23のレギュレータ23aに駆動電力Wが供給され、ポンプ吐出流量はQt’(Qt’=Qlim<Qt)に制御される。
【0061】
このようにポンプ吐出流量が制御される一方で、補正手段151は乗数L1を回転速度N1に掛け合わせて回転速度N1をN1’に補正し、これと同様に補正手段152は乗数L2を回転速度N2に掛け合わせて回転速度N2をN2’に補正する。そして、インバータ制御手段181は目標値Si1の制御信号をインバータ67に出力し、これによってジェネレータ65の回転速度をN1’に制御する。つまり、インバータ制御手段181はインバータ67およびジェネレータ65を介して速度制御用油圧モータ63の回転速度を、油圧ポンプ23から油圧シリンダ21への供給流量が個別供給流量Q1’となるよう制御する。これと同様に、インバータ制御手段182は目標値Si2の制御信号をインバータ68に出力し、これによってジェネレータ66の回転速度をN2’に制御する。つまり、インバータ制御手段182は、インバータ68およびジェネレータ66を介して速度制御用油圧モータ64の回転速度を、油圧ポンプ23から油圧シリンダ22への供給流量が個別供給流量Q2’となるよう制御する。
【0062】
このように個別供給流量Q1,Q2および総供給流量Qtが補正されてポンプ吐出流量の制御が行われ、かつ、回転速度N1,N2が補正されて速度制御用油圧モータ63,64の回転速度の制御が行われることによって、例えばポンプ吐出流量の上限値Qlimがポンプ吐出流量の最大値Qmaxであって、総供給流量Qtがポンプ吐出流量の最大値Qmax以下である場合(Qlim=Qmax,Qt≦Qmax)には、油圧シリンダ21,22のそれぞれに対する圧油の供給流量は個別供給流量Q1,Q2のそれぞれに維持される。
【0063】
また、例えばポンプ吐出流量の上限値Qlimがポンプ吐出流量の最大値Qmaxであって、総供給流量Qtがポンプ吐出流量の最大値Qmaxを超えた場合(Qlim=Qmax,Qt>Qmax)には、個別供給流量Q1,Q2の互いの比率が維持された状態(Q1:Q2=Q1’:Q2’)で、ポンプ吐出流量の最大値Qmaxが振り分けられて、油圧シリンダ21,22のそれぞれに供給される。
【0064】
本実施形態に係る油圧駆動装置20によれば次の効果を得られる。
【0065】
本実施形態に係る油圧駆動装置20において、方向制御弁24(弁装置)は、この方向制御弁24と対応関係にある油圧シリンダ21に対応付けられた操作レバー装置51(指令手段)からの動作速度の指令値Spo1に応じて、油圧ポンプ23からその油圧シリンダ21に供給される圧油の流れの方向を制御する。これにより、油圧シリンダ21の動作の方向、すなわち油圧シリンダ21が伸長するか収縮するかが決まる。また、速度制御手段101は、操作レバー装置51,52のうち方向制御弁24に指令を与えた操作レバー装置51からの動作速度の指令値Sop1に応じて速度制御用油圧モータ63の回転速度を制御することにより、油圧ポンプ23から油圧シリンダ21に供給される圧油の流量、すなわち油圧シリンダ21の動作の速さを制御する。油圧シリンダ21の動作の速さは、速度制御用油圧モータ63の回転の速さに比例して変化するので、油圧シリンダ21,22を同時期に駆動する場合に、油圧ポンプ23の吐出油をそれら2つの油圧シリンダ21,22に振り分けても、それら2つの油圧シリンダ21,22のそれぞれに対応付けられた速度制御用油圧モータ63,64のそれぞれの回転の速さを制御することによって、それら2つの油圧シリンダ21,22のそれぞれの動作の速さを制御することができる。
【0066】
本実施形態に係る油圧駆動装置20は、油圧シリンダ21,22を同時期に駆動する状態において、それら2つの油圧シリンダ21,22のそれぞれに対応付けられたジェネレータ65,66は、そのジェネレータと対応関係にある油圧シリンダに対応付けられた速度制御用油圧モータの出力を伝達されて駆動され、発電する。これにより得られる電気エネルギは、蓄電装置80の充電、モータ・ジェネレータ41の駆動などの油圧ショベル1に備えられた電気機器に用いることができる。したがって、油圧ポンプ23の吐出油を2つの油圧シリンダ21,22に振り分けてこれらの油圧シリンダ21,22を同時期に駆動する際、エネルギ損失を低減することができる。これによって省エネに貢献できる。
【0067】
速度制御用油圧モータの回転速度の制御は、それらの速度制御用油圧モータを可変容量形油圧モータとし、これら可変容量形油圧モータの押し退け容積を制御することによって実現できる。これに対し、本実施形態に係る油圧駆動装置20は、速度制御用油圧モータ63,64が定容量形油圧モータであり、これら定容量形油圧モータのそれぞれの回転速度の制御を、ジェネレータ65,66のそれぞれの回転速度をインバータ67,68のそれぞれで制御することで実現するものである。つまり、速度制御用油圧モータ63,64を可変容量形油圧モータとし、これらの可変容量形油圧モータの押し退け容積を制御することで実現する場合よりも、安価な構成で容易に速度制御用油圧モータ63,64の回転速度の制御を実現できる。
【0068】
本実施形態に係る油圧駆動装置20においては、速度制御手段101の個別供給流量算出手段121は、操作レバー装置51による動作速度の指令信号の指令値Sop1と、その操作レバー装置51と対応関係にある油圧シリンダ21の容積とに基づき、油圧シリンダ21に供給する圧油の流量の目標値である個別供給流量Q1を算出し、これと同様に、速度制御手段101の個別供給流量算出手段122は、操作レバー装置52による動作速度の指令信号の指令値Sop2と、その操作レバー装置52と対応関係にある油圧シリンダ22の容積とに基づき、油圧シリンダ22に供給する圧油の流量の目標値である個別供給流量Q2を算出する。操作レバー装置51,52により同時期に動作速度の指令信号を与えられた場合、速度制御手段101の総供給流量算出手段130は、それらの2つの動作速度の指令信号に基づく2つの個別供給流量Q1,Q2を合計して総供給流量Qtを得る。そして、その総供給流量Qtが上限ポンプ吐出流量Qlim以下の場合には、ポンプ吐出流量制御手段はポンプ吐出流量を総供給流量Qtに制御し、モータ制御手段は2つの動作速度の指令信号に基づく2つの個別供給流量Q1,Q2が維持されるよう速度制御用油圧モータ63,64の回転速度を制御する。このように油圧ポンプ23(可変容量形油圧ポンプ)の容量と速度制御用油圧モータ63,64の回転速度とを制御することによって、ポンプ吐出流量の無駄を低減することができる。
【0069】
本実施形態に係る油圧駆動装置20においては、図3に示すように、油圧シリンダ21,22を同時期に駆動する際、油圧ポンプ23(可変容量形油圧ポンプ)の吐出流量が総供給流量Qtに対して不足した場合、すなわち、総供給流量Qtがポンプ吐出流量の上限値Qlimを超えた場合(Qt>Qlim)、ポンプ吐出流量制御手段は乗数L1,L2で個別供給流量Q1,Q2および総供給流量QtをそれぞれQ1’,Q2’およびQt’のそれぞれに補正してポンプ吐出流量を補正後の総供給流量Qt’に制御する。これと並行して、モータ制御手段は、操作レバー装置51,52からの動作速度の指令信号に基づく2つの個別供給流量Q1,Q2の比率が維持されるよう、乗数L1,L2で回転速度N1,N2をそれぞれN1’,N2’のそれぞれに補正して、速度制御用油圧モータ63,64のそれぞれの回転速度をN1’,N2’制御する。このように油圧ポンプ23の吐出流量と速度制御用油圧モータ63,64の回転速度とを制御することによって、ポンプ吐出流量が総供給流量Qtに対して不足している状態であっても、同時期に駆動する油圧シリンダ21,22の動作速度を制御することができる。
【0070】
本実施形態に係る油圧駆動装置20においては、上限ポンプ吐出流量算出手段140は、所定のポンプ出力が一定して得られるよう予め設定されたポンプ吐出圧とポンプ吐出流量の上限値の対応関係の特性140a(図5に示す特性)を用い、ポンプ吐出圧センサ70により検出されたポンプ吐出圧Pに応じてポンプ吐出流量の上限値Qlimを算出する。そして、ポンプ吐出流量制御手段は、総供給流量Qtがポンプ吐出流量の上限値Qlimを超えた場合に、ポンプ吐出流量を上限値Qlimに制御する。これと並行して、モータ制御手段は、同時期に操作された操作レバー装置51,52からの動作速度の指令に基づく2つの個別供給流量Q1,Q2の比率が維持されるよう、速度制御用油圧モータ63,64の回転速度を制御する。つまり、ポンプ吐出圧Pに応じてポンプ吐出流量の上限値Qlimを制御することでポンプ出力を所定値に一定させる制御(馬力一定制御)を行いつつ、同時期に駆動する2つの油圧シリンダ21,22の動作速度を制御することができる。
【0071】
なお、前述の実施形態に係る油圧駆動装置20は、弁装置として方向制御弁24,25を備えたものであったが、本発明における弁装置は方向制御弁に限定されるものではなく、油圧ポンプ23から油圧シリンダ21に供給される圧油の流れの方向を切り換えられるものであればよい。方向制御弁24の代わりの弁装置としては、例えば、油圧シリンダ21のボトム室21aを油圧ポンプ23に連通させる弁位置と、作動油タンク26に連通させる弁位置とに切り換わる弁と、油圧シリンダ21のロッド室21bを油圧ポンプ23に連通させる弁位置と、作動油タンク26に連通させる弁位置とに切り換わる弁の組合せであってもよい。方向制御弁25の代わりの弁装置も同様である。
【0072】
前述の実施形態に係る油圧駆動装置20は、速度制御用油圧モータ63を油圧シリンダ21の戻り管路31に備え、速度制御用油圧モータ64を油圧シリンダ22の戻り管路32に備えたものである、すなわち、速度制御用油圧モータを油圧アクチュエータから排出される圧油により駆動するものであるが、本発明は、速度制御用油圧モータを油圧アクチュエータに供給される圧油により駆動するものであってもよい。この場合、図2を用いて説明すると、速度制御用油圧モータ63,64はそれぞれ、枝管路28,29のそれぞれに設けられることになる。
【0073】
前述の実施形態に係る油圧駆動装置20は、複数の油圧アクチュエータが2つの油圧シリンダ21,22であったが、本発明における油圧アクチュエータの数は2つに限定されるものではなく、2つより多く油圧アクチュエータを備え、それらの油圧アクチュエータに対応付けられた方向制御弁、発電装置、インバータ等を備えたものであってもよい。
【0074】
前述の実施形態に係る油圧駆動装置20は、複数の油圧アクチュエータが2つの油圧シリンダ21,22であったが、本発明における複数の油圧アクチュエータは油圧シリンダに限定されるものではなく、油圧モータのみ、油圧シリンダと油圧モータの混合であってもよい。
【0075】
前述の実施形態に係る油圧駆動装置20は、原動機としてディーゼルエンジン40とモータ・ジェネレータ41を備えていたが、ディーゼルエンジン40のみであってもよいし、モータ・ジェネレータ41のみであってもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 油圧ショベル
2 走行体
2a 履帯
3 旋回体
3a キャブ
3b 機械室
3c カウンタウェイト
4 フロント作業装置
5 ブーム
6 アーム
7 バケット
8 ブームシリンダ
9 アームシリンダ
10 バケットシリンダ
20 油圧駆動装置
21,22 油圧シリンダ
21a,22b ボトム室
21b,22b ロッド室
23 油圧ポンプ
23a レギュレータ
24,25 方向制御弁
24a,25a Aポート
24b,25b Bポート
24c,25c Pポート
24d,25d Rポート
24e,25e 中立位置
24f,25f 第1弁位置
24g,25G 第2弁位置
26 作動油タンク
27 幹管路
28,29 枝管路
31,32 戻り管路
40 ディーゼルエンジン
41 モータ・ジェネレータ
42 インバータ
43 リリーフ弁
51,52 操作レバー装置
51a,52a 操作レバー
61,62 発電装置
63,64 速度制御用油圧モータ
65,66 ジェネレータ
67,68 インバータ
70 ポンプ吐出圧センサ
80 蓄電装置
100 コントローラ
101 速度制御手段
111,112 目標回転速度算出手段
111a 特性
121,122 個別供給流量算出手段
130 総供給流量算出手段
140 上限ポンプ吐出流量算出手段
140a 特性
141 乗数算出手段
151 補正手段
152 補正手段
160 総供給流量補正手段
170 レギュレータ制御手段
181,182 インバータ制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機と、この原動機により駆動される油圧ポンプと、この油圧ポンプの吐出油により駆動される複数の油圧アクチュエータと、前記油圧ポンプから前記複数の油圧アクチュエータのそれぞれに供給される圧油の流量および流れの方向を制御する動作制御手段と、前記複数の油圧アクチュエータのそれぞれに対応付けられて設けられ、その油圧アクチュエータの動作速度を前記動作制御手段に指令する指令手段とを備えた建設機械の油圧駆動装置において、
前記動作制御手段は、前記複数の油圧アクチュエータのそれぞれに対応付けられて設けられた弁装置、速度制御用油圧モータおよびジェネレータと、速度制御手段とを備え、
前記弁装置は、この弁装置と対応関係にある前記油圧アクチュエータに対応付けられた前記指令手段からの指令に応じて、前記油圧ポンプからその油圧アクチュエータに供給される圧油の流れの方向を制御するものであり、
前記速度制御用油圧モータは、この速度制御用油圧モータと対応関係にある前記油圧アクチュエータに対して前記油圧ポンプから供給される圧油、または、その油圧アクチュエータから作動油タンクに排出される圧油により駆動されるものであり、
前記ジェネレータは、このジェネレータと対応関係にある前記油圧アクチュエータに対応付けられた前記速度制御用油圧モータの出力を伝達されて駆動されるものであり、
前記速度制御手段は、この速度制御手段と対応関係にある前記油圧アクチュエータに対応付けられた前記弁装置に指令を与えた指令手段からの動作速度の指令に応じて、その油圧アクチュエータに対応付けられた前記速度制御用油圧モータの回転速度を制御することにより、前記油圧ポンプからその油圧アクチュエータに供給される圧油の流量を制御する
ことを特徴とする建設機械の油圧駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の建設機械の油圧駆動装置において、
前記速度制御用油圧モータは定容量形油圧モータであり、
前記速度制御手段は、前記複数のジェネレータのそれぞれに対して設けられそのジェネレータの回転速度を制御するインバータを備え、そのインバータによりジェネレータの回転速度を制御することで前記速度制御用油圧モータの回転速度を制御する
ことを特徴とする建設機械の油圧駆動装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の建設機械の油圧駆動装置において、
前記油圧ポンプは可変容量形油圧ポンプであり、
前記速度制御手段は、
前記指令手段による動作速度の指令と、その指令手段と対応関係にある前記油圧アクチュエータの容積とに基づき、前記油圧アクチュエータに供給する圧油の流量である個別供給流量を算出する個別供給流量算出手段と、
前記複数の指令手段のうちの2つ以上により同時期に動作速度の指令を与えられた場合に、それらの2つ以上の動作速度の指令に基づく2つ以上の前記個別供給流量を合計して総供給流量を得る総供給流量算出手段と、
ポンプ吐出流量を前記総供給流量に制御するポンプ吐出流量制御手段と、
前記2つ以上の動作速度の指令に基づく2つ以上の前記個別供給流量が維持されるよう前記複数の速度制御用油圧モータの回転速度を制御するモータ制御手段と
を備える
ことを特徴とする建設機械の油圧駆動装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の建設機械の油圧駆動装置において、
前記油圧ポンプは可変容量形油圧ポンプであり、
前記速度制御手段は、
前記指令手段による動作速度の指令と、その指令手段と対応関係にある前記油圧アクチュエータの容積とに基づき、前記油圧アクチュエータに供給する圧油の流量である個別供給流量を算出する個別供給流量算出手段と、
前記複数の指令手段のうちの2つ以上により同時期に動作速度の指令を与えられた場合に、それらの2つ以上の動作速度の指令に基づく2つ以上の前記個別供給流量を合計して総供給流量を得る総供給流量算出手段と、
前記総供給流量が前記油圧ポンプの吐出流量の最大値を超えた場合に、前記油圧ポンプの吐出流量を最大値に制御するポンプ吐出流量制御手段と、
前記2つ以上の動作速度の指令に基づく2つ以上の前記個別供給流量の比率が維持されるよう前記複数の速度制御用油圧モータの回転速度を制御するモータ制御手段と
を備える
ことを特徴とする建設機械の油圧駆動装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の建設機械の油圧駆動装置において、
前記油圧ポンプは可変容量形油圧ポンプであり、
前記速度制御手段は、
前記指令手段による動作速度の指令と、その指令手段と対応関係にある前記油圧アクチュエータの容積とに基づき、前記油圧アクチュエータに供給する圧油の流量である個別供給流量を算出する個別供給流量算出手段と、
前記複数の指令手段のうちの2つ以上により同時期に動作速度の指令を与えられた場合に、それらの2つ以上の動作速度の指令に基づく2つ以上の前記個別供給流量を合計して総供給流量を得る総供給流量算出手段と、
前記油圧ポンプのポンプ吐出圧を検出するポンプ吐出圧検出手段と、
前記原動機の出力を超えないよう予め設定されたポンプ吐出圧とポンプ吐出流量の上限値の対応関係の特性を用い、前記ポンプ吐出圧検出手段により検出されたポンプ吐出圧に応じて前記油圧ポンプのポンプ吐出流量の上限値を算出する上限ポンプ吐出流量算出手段と、
前記総供給流量がポンプ吐出流量の前記上限値を超えた場合に、ポンプ吐出流量を前記上限値に制御するポンプ吐出流量制御手段と、
前記2つ以上の動作速度の指令に基づく2つ以上の前記個別供給流量の比率が維持されるよう前記複数の速度制御用油圧モータの回転速度を制御するモータ制御手段と
を備える
ことを特徴とする建設機械の油圧駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−158932(P2012−158932A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19936(P2011−19936)
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】