説明

建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置

【課題】衝突によるサイドドアの破損及び事故が防止でき、且つ、サイドドアの開閉が容易になされるように構成した建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置を提供する。
【解決手段】建設重装備用サイドドア120の開放角度制御装置1は、重装備のドアフレーム110とサイドドア120との間に設けられ、サイドドアの開放角度を制御するための建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置において、ドアフレーム上に該一端が回動可能に取り付けられるロッド10及び、サイドドア上に固定され、且つ、ロッドの他端がサイドドアの開閉に従って摺動可能に結合されるカイドレール21が形成され、該カイドレールにはサイドドアが所定角度ほど開放される場合に、ロッドの他端を固定するための固定溝23が設けられているブラケット20を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置に関するものであって、さらに詳細には、重装備のドアフレームとサイドドアとの間に設けられ、ドアフレームに対するサイドドアの開放角度を固定したり、調整する建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、掘削機、ローダーなどのような建設重装備の運転室(キャブ)側面にはドアフレームが備わり、該ドアフレームにはサイドドアが開閉可能にヒンジ固定されている。また、建設重装備のドアフレームとサイドドアとの間にはドアフレームに対するサイドドアの開放角度を固定したり、或いは、調整するための所定の装置が設けられている。図1は、従来技術による建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置200を示している。
【0003】
図1に示されたように、建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置200は、建設重装備100のドアフレーム110上に該一端が回動可能に取り付けられるロッド210と、サイドドア120の背面側に固定され、且つ、サイドドア110の開閉に応じてロッド210の他端が選択的に挿入可能な挿入孔221が設けられているブラケット220とを含む。
【0004】
しかし、前述したような建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置200の場合には、サイドドア120がドアフレーム110に対してヒンジ固定された状態のまま保持されるため、サイドドア120を必要以上開放することになると、他の部品と衝突し、外側表面に傷をつけてしまう惧れがあった。
【0005】
また、サイドドア120の開放角度を固定する為には、サイドドア120を所定角度ほど開放した状態でドアフレーム110上に取り付けられているロッド120の他端をサイドドア120上に装着さられているブラケット220の挿入孔221内へ人手により挿入しなければならず、サイドドア120を閉じるためにはロッド120の他端を持ち上げ、挿入孔221から分離させた後に、サイドドア120を閉鎖方向に回動させるべきであったため、サイドドア120の開閉が極めて不便であった。
【0006】
さらに、サイドドア120を開放した上で、ロッド120の他端をブラケット220の挿入孔221内へ挿入しなかった場合には、サイドドア120上に風や他人による外力が加わることによって、サイドドア120が強引に閉じられることもあり得るが、この際、作業者がサイドドア120の回動範囲内にあると、衝突による事故が発生される惧れもあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来技術の問題点等に鑑みてなされたものであり、その目的は、サイドドアが、ドアフレームに対して所定角度ほど開放されると共に、別の操作を行うことなしに、自動に固定できることによって、衝突によるサイドドアの破損及び事故が防止でき、且つ、サイドドアの開閉が容易になされるように構成した建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、サイドドアの開放角度を任意の角度で容易に調整し得るように構成した建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的等を達成するために、本発明は、重装備のドアフレームとサイドドアとの間に設けられ、サイドドアの開放角度を制御するための建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置において、ドアフレーム上に該一端が回動可能に取り付けられるロッド及び、サイドドア上に固定され、且つ、ロッドの他端がサイドドアの開閉に従って摺動可能に結合されるカイドレールが形成され、該カイドレールにはサイドドアが所定角度ほど開放される場合に、ロッドの他端を固定するための固定溝が設けられているブラケットを含むことを特徴とする建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置を提供することにより達成される。
【0010】
建設重装備のドアフレームとサイドドアとの間に設けられ、サイドドアの開放角度を制御するための重装備用サイドドアの開放角度制御装置において、サイドドア上に該一端が回動可能に取り付けられるロッド、及びドアフレーム上に固定され、且つ、サイドドアの開閉に従ってロッドの他端が摺動可能に結合されるカイドレールが形成され、該カイドレールにはサイドドアが所定角度ほど開放される場合に、ロッドの他端を固定するための固定溝が設けられているブラケットを含むことを特徴とする建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置を提供することにより達成される。
【0011】
本発明の望ましい特徴によると、前述したロッドは、円形、又は多角形の横端面を有する。
【0012】
本発明のさらに望ましい特徴によると、ガイドレール上で前述した固定溝の位置を調整することによって、サイドドアの開放角度を調節することができる。
【発明の効果】
【0013】
前述したように、本発明による建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置によると、ドアフレームに対してサイドドアの開放角度を固定するため、サイドドアを開放する際に、必要以上回動してしまい、他の部品と衝突することが防止できる。
【0014】
また、ドアフレームに対してサイドドアの開放角度が自動に固定されることによって、サイドドアの開放角度を固定する際、別途の操作を必要としないため、使い勝手に優れた利点がある。
【0015】
さらに、固定溝の位置調整を介して、サイドドアの開放角度を任意に調整し得るばかりでなく、既に開放角度が固定されているサイドドアは、ロッドの他端がロッド固定溝より離脱できない以上、風や他人などの外力によってサイドドアが強引に閉鎖できないため、部品破損、又は、事故を防止し得るという効果をも奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下では、前述した構成による建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置の望ましい実施形態を、添付の図面を参照として詳しく説明する。
図2は、本発明の一実施形態による建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置1の斜視図であり、図3は、本発明の一実施形態による建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置1の開放時における作動斜視図である。
【0017】
図2及び図3に示されたように、建設重装備用のサイドドアの開放角度制御装置1は、建設重装備(未図示)の車体に一体に形成されるドアフレーム110と、該ドアフレームに一側がヒンジ固定されているサイドドア120との間に設けられ、ドアフレーム110に対するサイドドア120の開放角度を固定及び調整するためのものであって、ドアフレーム110上に該一端が回動可能に固定されるロッド10と、サイドドア120上に固定し、かつ、ロッド10の他端がサイドドア120の開閉に従って摺動可能に結合されるガイドレール21が形成され、該ガイドレール21上にはサイドドア120が所定角度ほど開放される際、ロッド10の他端を固定するための固定溝23が形成されているブラケット20とを包含する。
【0018】
ここで、ロッド10は、該一端が所定の固定部材11によりドアフレーム110の下側に回動可能に取り付けられると共に、他端が所定のカイド部材13によりブラケット20のガイドレール21内に摺動可能に組み込まれている。かかる固定構造により、ロッド10は、サイドドア120の開閉時にドアフレーム110に対してサイドドア120が回動される場合に、該一端を中心にサイドドア120の回動角度に相応して回動されると共に、該他端は、ガイドレール21に沿って摺動することになる。
【0019】
また、ロッド10は、円形の横断面を有するか、又は四角形、六角形などのような多角形の横断面を持つ様々な形態から構成でき、且つ、ガイド部材13はガイドレール21により案内されて摺動すると共に、ガイドレール21からロッド10の他端が離脱されることを防止する役割を奏する。
【0020】
サイドドア120は、ドアフレーム110の一側を軸に回動自在になっている一方、ロッド10は、ドアフレーム110の一側から若干離れて取り付けられる一端を軸にして回動することによって引き起こされる各種問題は、ロッド10の長さ及び該一端の固定位置を適宜に調整することから、解決できる。特に、サイドドア120の開放時、作業者の作業領域を最大限拡張させ得るように、ロッド10の一端は、サイドドア120の回動軸として働くドアフレーム110の一側に隣接させ、且つ、取り付けることが好ましい。
【0021】
前述したロッド10の他端は、ブラケット20上に摺動可能に組み付けられるが、該ブラケット20は、溶接などのような方法を介してサイドドア120の背面下側に取り付けられ、該ブラケット20上にはロッド10の他端がサイドドア120の開閉に従って摺動し得るように案内するガイドレール21が直線状に形成されている。
【0022】
ガイドレール21は、ロッド10の他端がスライディングできる範囲を限定することによって、ドアフレーム110に対するサイドドア120の回動範囲を決定するものである。前記ガイドレール21上には、サイドドア120が所定角度ほど開放される場合に、ロッド10の他端を固定するための固定溝23が形成され、サイドドア120が閉鎖される場合に、ロッド10の他端を固定するための取付溝25が形成される。かかるガイドレール21の構造により、サイドドア120が、ドアフレーム110に対して既に設定されていた開放角度を越えて、開放されてしまうことが防止できる。
【0023】
前記固定溝23は、ロッド10の他端が固定溝23から容易に離脱されることで、サイドドア120が不用意に閉じられてしまうことがないように、ガイドレール21から直角に曲がって設けられることが望ましく、取付溝25は、ロッドの他端が容易に離脱できるように、ガイドレール21の直線上に形成されることが望ましい。
【0024】
固定溝23の位置は、ガイドレール21上で適宜に調整され得るが、かかる固定溝23の位置調整は、固定溝23と取付溝25との間の距離を変化させることによって、サイドドア120の開放角度の調節を可能にする。換言すれば、サイドドア120の開放角度をより大きく調整しようとする場合には、固定溝23が取付溝25からさらに遠く離れて位置するように構成すれば良い。また、サイドドア120の開放角度をより小さく調整しようとする場合には、固定溝23を取付溝25にさらに近づくように位置させる。これにより、サイドドア120の開放角度調節が非常に簡単に行われる。
【0025】
以下、図2及び図3を参照として、本発明の一実施形態による建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置1の作動を説明する。
【0026】
サイドドア120が閉鎖された上で、ロッド10の他端はガイドレール21の取付溝25に位置することになる。ここで、作業者がサイドドア120を開放方向に回動させると、ロッド10の他端は、取付溝25から離脱され、ガイドレール21に沿って摺動しながら固定溝23内に固定されることによって、自動にサイドドア120は所定角度ほど開放された状態のまま、固定されることになる。
【0027】
サイドドア120を開放状態から、再び閉鎖状態にさせようとする場合には、固定溝23内に固定されていたロッド10の他端を固定溝23から手動で離脱させてから、サイドドア120を閉鎖方向に回動させなければならない。作業者が、サイドドア120を閉鎖方向に回動させると、固定溝23から離脱されたロッド20の他端は、ガイドレール21に沿って逆方向に摺動しながら、サイドドア120が完全に閉鎖される時点で、取付溝25内に位置することになる。
【0028】
図4は、本発明の他の実施形態による建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置1’の斜視図であり、図5は、本発明の他の実施形態による建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置1’の開放時における作動斜視図である。
【0029】
図4及び図5に示されたように、 建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置1’ は、建設重装備(図示せず)の車体に一体に形成されるドアフレーム110と、該ドアフレーム110の一側にヒンジ固定されるサイドドア120間に設けられ、ドアフレーム110に対するサイドドア120の開放角度を固定及び調整するためのものであって、サイドドア120上に該一端が回動自在に取り付けられるロッド10’と、ドアフレーム110上に装着され、且つ、ロッド10’の他端がサイドドア120の開閉に従って、摺動可能に結合されるガイドレール21’が形成され、該ガイドレール21’にはサイドドア120が所定角度ほど開放される場合にロッド10’の他端を固定するための固定溝23’が設けられているブラケット20’を包含する。
【0030】
ここで、ロッド10’は、円形の横断面を有するか、或いは、四角形、六角形などのような多角形の横断面を有する様々な形態に形成され得るが、ガイドレール21’上における固定溝23’の位置を調整することによって、サイドドア120の開放角度が調節可能であることが好ましい。
【0031】
建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置1’は、ロッド10’がドアフレームではない、サイドドア120上に取り付けられ、且つ、ブラケット20’がサイドドア120ではない、ドアフレーム110上に取り付けられていることだけが異なるものの、ロッド10’及びブラケット20の構成及び作動は、前述した建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0032】
以上で、本発明の望ましい実施形態を添付図面を参照として詳しく説明したが、これにより、本発明の技術的思想又は範疇が限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】従来技術による建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態による建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置の斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態による建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置の作動斜視図である。
【図4】本発明の他の実施形態による建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置の斜視図である。
【図5】本発明の他の実施形態による建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置の作動斜視図である。
【符号の説明】
【0034】
1 サイドドアの開放角度制御装置
10 ロッド
11 固定部材
13 ガイド部材
20 ブラケット
21 ガイドレール
23 固定溝
25 取付溝
110 ドアフレーム
120 サイドドア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本発明は、サイドドアが、ドアフレームに対して所定角度ほど開放されると共に、別の操作を行うことなしに、自動に固定できることによって、衝突によるサイドドアの破損及び事故が防止でき、且つ、サイドドアの開閉が容易になされるように構成した建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置を提供することにある。
【請求項2】
重装備のドアフレームとサイドドアとの間に設けられ、サイドドアの開放角度を制御するための重装備用サイドドアの開放角度制御装置において、
前記サイドドア上に該一端が回動可能に固定されるロッド及び、
前記ドアフレーム上に固定され、且つ、前記ロッドの他端がサイドドアの開閉に従って摺動可能に結合されるカイドレールが形成され、且つ、該カイドレールに前記サイドドアが所定角度ほど開放される場合に、前記ロッドの他端を固定するための固定溝が設けられているブラケットを含むことを特徴とする建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置。
【請求項3】
前記ロッドは、円形又は多角形の横断面を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置。
【請求項4】
ガイドレール上で前記固定溝の位置を調整することによって、サイドドアの開放角度が調節できることを特徴とする請求項1又は2に記載の建設重装備用サイドドアの開放角度制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−111250(P2006−111250A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−168427(P2005−168427)
【出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【出願人】(502032378)ボルボ コンストラクション イクイップメント ホールディング スウェーデン アーベー (156)
【Fターム(参考)】