説明

弁体の支持ランド測定装置

測定器は、弁胴の内側ハブランド106と外側ランド104との相対位置を測定するように設計されている。位置決め面212は、内側ハブランド106に対して測定を行うように内側ハブランド106と係合する。プローブは、外側ランド104と係合するように設計されている。弁胴を回転させることによって、外側ランド104の全周を内側ハブランド106に対して測定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体としてショックアブソーバおよび弁体の支持ランド測定装置に関する。より詳細には、本発明は、ハブ支持ランドを基準面として使用して外側支持ランドの形状を測定するための弁体の支持ランド測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ショックアブソーバは、サスペンション装置の動作時に生じる望ましくない振動を吸収するために自動車用サスペンション装置やその他のサスペンション装置と共に使用される。望ましくない振動を吸収するために、自動車のショックアブソーバは乗物のばね上質量(車体)とばね下質量(サスペンション/シャシー)との間に通常は接続されている。
【0003】
最も一般的な自動車用ショックアブソーバは単筒または複筒式のダッシュポット型アブソーバである。単筒式では、ピストンが圧力管内に配置され、ピストンロッドによって乗物のばね上質量に接続されている。圧力管は乗物のばね下質量に接続されている。ピストンは圧力管を上部作動室と下部作動室に分割している。ピストンは、圧縮時に下部作動室からの減衰流体の流れを制限する圧縮弁と、伸長時に上部作動室から下部作動室に流れる減衰流体の流れを制限する伸長弁とを含む。圧縮弁と伸長弁によって減衰流体の流れを制限することができるため、ショックアブソーバは、ばね上質量からばね下質量に伝達される振動に逆らう減衰力を生成することができる。
【0004】
複筒式のショックアブソーバでは、圧力管と圧力管の周囲に位置する貯留管との間に流体貯留室が形成されている。減衰流体の流れを制御するために、下部作動室と液体貯留室との間にベース弁アセンブリが配置されている。ピストンの圧縮弁はベース弁アセンブリまで移動し、圧縮逆止め弁アセンブリで置き換えられる。ベース弁アセンブリは、圧縮弁に加えて伸長逆止め弁アセンブリを含む。圧縮時にはベース弁アセンブリの圧縮弁が減衰力を生成し、伸長時には伸長弁が減衰力を生成する。圧縮・伸長(rebound)逆止め弁アセンブリは流体を一方向に流すことができる一方で、逆方向に流体が流れるのを防止する。ただし、これらの弁は減衰力を生成しないように設計されている。
【0005】
通常、減衰荷重を決定するショックアブソーバの弁は、弁がピストンアセンブリの一部であるか、ベース弁アセンブリの一部であるかに関わらず、保持部によってハブランドに固定されている1つ以上の弁体を含む。弁体の内側部分がハブランドに固定または付勢されている場合には、弁体の外側部分が外側ランドに付勢される。ランドに当接する弁体アセンブリは、弁体または弁体積層体の屈曲との相互作用によって流れを制限する形状を規定する。
【0006】
流れを制限する形状を制御するために、ランドの形状を正確に制御し、測定しなければならない。従来の測定方法は、外側ランド上に位置する基準面を有する測定器およびハブランドを測定する平坦なプローブを有するダイヤル型ゲージからなる。測定器の基準面を外側ランドに位置合わせすることによって従来の測定器により得られる測定値から外側ランドに対するハブランドに関する全体的な情報が得られるが、外側ランドの形状の詳細は分からない。外側ランドの形状は流れを制限する形状の制御と関連しているため、外側ランドの形状を測定する必要がある。
【発明の開示】
【0007】
本発明は、内側ハブランドに対する外側ランドの形状を測定する測定器を使用する技術を提供する。弁アセンブリの弁体は、内側ハブランドに固定または付勢され、外側ランドに付勢されるため、本発明は内側ハブランドに付勢される基準面を有する測定器を提供する。外側ランドの全周にわたって好ましくは球状プローブによって外側ランドの実際の形状を測定する。サンプリング誤差を避けるために、円周全体に対して好ましくは5度ごとに外側ランドの測定を行う。
【0008】
本発明の利用可能性のさらなる領域は以下の詳細な説明から明らかになるだろう。以下の詳細な説明と実施例は本発明の好適な実施形態を示すものではあるが、単なる例示のみを意図するものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0009】
以下の詳細な説明と添付図面によって、本発明はよりよく理解されるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下の好適な実施形態の説明は単なる例示であって、本発明および本発明の用途または使用を制限することを意図するものではない。
【0011】
図面では、同様または対応する部分は同一の参照符号で示している。図1は、本発明に係る測定器で検査されたショックアブソーバが組み込まれたサスペンション装置を含む乗物を示し、乗物は全体として参照符号10で示している。乗物10は、リヤサスペンション12と、フロントサスペンション14と、車体16とを含む。リヤサスペンション12は、乗物10の一対の後輪18を動作的に支持する横方向に延在する後車軸アセンブリ(図示せず)を有する。後車軸アセンブリは、1対のショックアブソーバ20および1対の螺旋コイルばね22によって本体16に動作的に接続されている。同様に、フロントサスペンション14は、乗物10の一対の前輪24を動作的に支持する横方向に延在する前車軸アセンブリ(図示せず)を含む。前車軸アセンブリは、第2の1対のショックアブソーバ26および1対の螺旋コイルばね28によって本体16に動作的に接続されている。ショックアブソーバ20、26は、乗物10のばね下質量(フロントサスペンション12およびリヤサスペンション14)およびばね上質量(車体16)の相対運動を減衰させるように作用する。乗物10は前車軸アセンブリおよび後車軸アセンブリを有する乗用車として示しているが、ショックアブソーバ20、26は、独立したフロントサスペンションおよび/または独立したリヤサスペンション装置が組み込まれた乗物等のその他の乗物またはその他の用途に使用することができる。また、本明細書で使用する「ショックアブソーバ」という用語は、一般的なダンパを意味し、マクファーソンストラット式ショックアブソーバを含むものである。
【0012】
図2はショックアブソーバ20をより詳細に示している。なお、図2はショックアブソーバ20のみ示しているが、ショックアブソーバ26も、ショックアブソーバ20について以下に説明する弁アセンブリを含むことは理解されるであろう。ショックアブソーバ26とショックアブソーバ20は、乗物10のばね下質量およびばね上質量への接続方式のみにおいて異なる。ショックアブソーバ20は、圧力管30と、ピストンアセンブリ32と、ピストンロッド34と、貯留管36と、ベース弁アセンブリ38を含む。
【0013】
圧力管30は作動室42を形成している。ピストンアセンブリ32は圧力管30内に摺動可能に配置され、作動室42を上部作動室44と下部作動室46に分割している。密閉部48がピストンアセンブリ32と圧力管30の間に配置され、過度の摩擦を生じさせることなくピストンアセンブリ32の圧力管30に対する摺動を可能とすると共に、上部作動室44を下部作動室46から密閉することができる。ピストンロッド34は、ピストンアセンブリ32に取り付けられ、上部作動室44内および圧力管30の上端を塞ぐ上部エンドキャップ50内を貫通して延びている。密閉部は、上部エンドキャップ50と、貯留管36と、ピストンロッド34の界面を密閉している。ピストンアセンブリ32とは反対側のピストンロッド34の端部は、乗物10のばね上部分に固定される。ピストンアセンブリ32内の弁により、ピストンアセンブリ32は、圧力管30内を移動する際に上部作動室44と下部作動室46との間の流体の移動を制御する。ピストンロッド34は、上部作動室44のみを貫通し、下部作動室46を貫通していないため、圧力管30に対してピストンアセンブリ32が移動すると、上部作動室44内の流体の量と下部作動室46内の流体の量との間に差が生じる。流体の量の差は「ロッド体積」として知られており、流体はベース弁アセンブリ38内を流れる。
【0014】
貯留管36は圧力管30を取り囲み、管30、36の間に流体貯留室52を形成している。貯留管36の下端は、乗物10のバネ下部分に接続されるエンドキャップ54によって塞がれている。貯留管36の上端は上部エンドキャップ50に取り付けられている。ベース弁アセンブリ38は、下部作動室46と貯留室52との間に配置され、下部作動室46と貯留室52との間の流体の移動を制御する。ショックアブソーバ20が伸長すると、ロッド体積により下部作動室46内でさらに多くの流体が必要となる。そのため、以下に詳述するように流体が貯留室52からベース弁アセンブリ38を通って下部作動室46に流れ込む。ショックアブソーバ20が収縮すると、ロッド体積により過剰な流体を下部作動室46から除去しなければならない。そのため、以下に詳述するように流体が下部作動室46からベース弁アセンブリ38を通って貯留室52に流れ込む。
【0015】
図3を参照すると、ピストンアセンブリ32は、弁胴60と、圧縮逆止め弁アセンブリ62と、伸長弁アセンブリ64を含む。圧縮逆止め弁アセンブリ62は、ピストンロッド34の肩部66に接触して設けられている。弁胴60は圧縮逆止め弁アセンブリ62に接触して設けられ、伸長弁アセンブリ64は弁胴60に接触して設けられている。ナット68は、これらの構成要素をピストンロッド34に固定している。
【0016】
弁胴60は複数の圧縮流路70および複数の伸長流路72を有する。密閉部48は複数の環状溝76と係合する複数のリブ74を含み、ピストンアセンブリ32の摺動を可能とする。
【0017】
圧縮逆止め弁アセンブリ62は、保持部78と、弁体80と、ばね82を含む。保持部78は、一端が肩部66に当接し、他端が弁胴60に当接している。弁体80は弁胴60に当接しており、伸長流路72を開いた状態で、圧縮流路70を閉じる。ばね82が保持部78と弁体80の間に配置され、弁体80を弁胴60に付勢する。圧縮時には、下部作動室46内の流体が圧縮され、弁体80に流体圧が印加される。弁体80に対する流体圧がばね82の付勢荷重を超えると、弁体80が弁胴60から分離し、圧縮流路70が開き、流体が下部作動室から上部作動室44に流れ込む。通常、ばね82は弁体80に小さな荷重を与えるのみであり、ショックアブソーバ20の減衰特性には寄与しない。圧縮時のショックアブソーバ20の減衰特性は、以下に詳述する「ロッド体積」により、流体を下部作動室46から貯留室52へ流入させるベース弁アセンブリ38によって制御される。伸長時には、圧縮流路70は弁体80によって閉じられる。
【0018】
伸長弁アセンブリ64は、複数の弁体84と保持部86を含む。保持部86は、弁体84とナット68との間に配置されている。弁体84は、ピストンロッド34上に摺動可能に取り付けられ、圧縮流路70を開いた状態で伸長流路72を閉じるように弁胴60に当接している。また、保持部86もピストンロッド34上に摺動可能に取り付けられ、弁体84に当接している。ナット68は、保持部86を弁体84に固定し、弁体84を弁胴60に固定している。複数の弁体84は、ブリード弁体88と、弁体90と、スペーサ弁体92と、支点弁体94を含む。ブリード弁体88は、伸長弁アセンブリ64に迂回する限られた量のブリード流(bleed flow)を通過させることができる少なくとも1つのスロット96を含む。支点弁体94は、ブリード弁体88、弁体90、スペーサ弁体92の支点または屈曲点となる。流体圧が弁体88、90に印加されると、弁体88、90はスペーサ弁体92および支点弁体94の外側周縁部において弾性的にたわみ、伸長弁アセンブリ64を開く。
【0019】
伸長時には、上部作動室44内の流体に圧力が加わり、弁体84に流体圧が印加される。弁体84に作用する流体圧が弁体84の曲げ荷重を超えると、弁体84は弾性的に撓曲して伸長流路70を開き、上部作動室44から下部作動室46に流体を流入させることができる。弁体84の強度および伸長流路72の大きさにより、伸長時におけるショックアブソーバ20の減衰特性が決定される。弁体84の撓曲前に、制御された量の流体がスロット96を介して上部作動室44から下部作動室46に流れるため、低速調節が可能となる。
【0020】
さらに図3を参照すると、伸長弁アセンブリ64は、流体が伸長流路72を通って上部作動室44から下部作動室46に流れるように設計されている。弁胴60は第1(外側)ランド104および第2(内側)ハブランド106を有する。弁体84は、保持部86と弁胴60の内側ハブランド106との間にナット68によって固定されている。また、内側ハブランド106に弁体84を固定することによって、弁体84の外側部分が外側ランド104に付勢されている。伸長流路72を流れる流体の量を制御するために、内側ハブランド106と外側ランド104との関係を正確に制御しなければならない。以下に詳述するように、本発明は、内側ハブランド106と外側ランド104との関係を正確に測定することができる測定器を提供する。
【0021】
次に図4を参照すると、ベース弁アセンブリ38は、弁胴120と、吸込(伸長)逆止め弁アセンブリ122と、圧縮弁アセンブリ124と、保持ボルト126と、保持ナット128と、を含む。弁胴120は、プレス嵌めまたは公知の方法によって圧力管30およびエンドキャップ54に固定されている。エンドキャップ54は貯留管36に固定され、貯留室52とベース弁アセンブリ38を連通させる複数の流体通路130を形成している。弁胴120は、複数の吸込(伸長)流路132と、複数の圧縮流路134と、中央穴138を有する。保持ボルト126は中央穴138内を延び、保持ナット128とねじ係合して吸込弁アセンブリ122および圧縮弁アセンブリ124を弁胴120に固定している。
【0022】
伸長逆止め弁アセンブリ122は、弁体140と弁ばね142を含む。弁体140は、以下に説明するように、流体を圧縮流路134に到達させるための内部穴144を有する環状部材である。弁体140は、弁体140と保持ナット128の間に位置する弁ばね142によって弁胴120の上面に付勢されている。弁体140は複数の伸長流路132を閉じる。ショックアブソーバ20の伸長時には、貯留室52および伸長側流体通路132内の流体圧が弁ばね142の付勢力を超えるまで下部作動室46内の流体圧が減少する。弁体140に作用する流体圧が弁ばね142の付勢力を超えると、弁体140が弁胴120から離れて、流体は貯留室52から下部作動室46に流れることができる。
【0023】
圧縮弁アセンブリ124は、1つ以上の中/高速弁体150と、1つ以上のポート制限弁体152と、1つ以上の可変オリフィスブリード弁体154を含む。弁体150、152、154は、中/高速弁体150が弁胴120に当接し、ポート制限弁体152が中/高速弁体150に当接し、可変オリフィスブリード弁体154がポート制限弁体152に当接した状態で積層され、弁胴120に隣接して配置されている。弁体150、152、154は、保持ボルト126によって支持された保持部156と弁胴120の下面の間に挟まれた状態で所定の位置に保持されている。保持ボルト126は、保持ナット128によって弁胴120に固定されている。
【0024】
圧縮時には、下部作動室46内で流体圧が上昇して上部作動室44内の流体圧が減少し、下部作動室46と貯留室52に圧力不均衡が生じる。この圧力不均衡によって、流体が圧縮弁アセンブリ124によって形成された低速油流回路を流れ始める。下部作動室46内の流体圧が弁体150、152、154に作用し、弁体150、152、154を撓曲させ、下部作動室46と貯留室52との間を流体が流れるために必要な荷重を超えるまで、下部作動室46内の流体圧が上昇する。低速油流回路が流体の流速によって飽和状態になると、弁体150、152、154に作用する圧力が弁体150、152、154をさらに撓曲させ、さらに多くの流体を下部作動室46から貯留室52に流すために必要な荷重を超えるまで下部作動室46内で流体圧が上昇し続ける。
【0025】
さらに図4を参照すると、圧縮弁アセンブリ124は、流体が圧縮流路134を通って下部作動室46から貯留室52に流れるように設計されている。弁胴120は第1(外側)ランド174および第2(内側)ハブランド176を有する。弁体150、152、154は、保持ボルト126上に位置する保持部156と弁胴120の内側ハブランド176の間に固定されている。また、弁体150、152、154を内側ハブランド176に固定することにより、弁体150、152、154の外側部分が外側ランド174に付勢されている。圧縮流路134を流れる流体の量を制御するために、内側ハブランド176と外側ランド174との関係を正確に制御しなければならない。以下に詳述するように、本発明は、内側ハブランド176と外側ランド174との関係を正確に測定することができる測定器を提供する。
【0026】
図5〜図7は測定器200を示す。測定器200は、測定子アセンブリ202とベースアセンブリ204とを含む。
【0027】
測定子アセンブリ202は、位置決めヘッド206と測定ヘッド208を含む。位置決めヘッド206は、ベースアセンブリ204に取り付けられ、位置決めスタッド210および位置決め面212を有する。弁胴60または120は、位置決めスタッド210の周囲に、位置決め面212に接触して配置されている。位置決め面212は、弁胴60または120が位置決め面212に接触して配置されている場合に、弁胴60の内側ハブランド106または弁胴120の内側ハブランド176が位置決め面212に当接するように設計されている。
【0028】
測定ヘッド208は、球状プローブ218と、測定装置またはダイヤルゲージ220を含む。本発明を、球状プローブ218およびダイヤルゲージ220を使用して説明しているが、電子、レーザー、赤外線等のその他の公知の測定機構を使用することも本発明の範囲に含まれる。球状プローブ218は、ダイヤルゲージ220および位置決めヘッド206に対して移動するように取り付けられ、球状プローブ218が移動するとダイヤルゲージ220が同期して移動し、公知のように位置決めヘッド206に対する球状プローブ218の正確な移動量を示す。球状プローブ218は、弁胴60または120が位置決め面212に接触して配置されている場合に、球状プローブ218が弁胴60の外側ランド104または弁胴120の外側ランド174と係合するように配置されている。そのため、測定子アセンブリ202により、内側ハブランド106または176に対する外側ランド104または外側ランド174の位置が測定される。
【0029】
ベースアセンブリ204は、取付台230と、予荷重装置234と、回転装置236を含む。取付台230は、取付台230の一端に測定子アセンブリ202を配置し、取付台230の他端に予荷重装置234および回転装置236を配置する。
【0030】
予荷重装置234は、ハウジング240と、圧力部材242と、付勢ばね244を含む。ハウジング240はベースアセンブリ204に取り付けられている。圧力部材242はハウジング240内を延びている。圧力部材242は、ハウジング240に対して回転するように軸受246または公知のその他の手段によって取り付けられている。圧力部材242はヘッド248を含み、ヘッドは内側ハブランド106または内側ハブランド176に対向する位置において弁胴60または弁胴120と係合するように設計されている。穴250はヘッド248内に設けられている。穴250は、位置決めスタッド210を収容し、測定子アセンブリ202に対してヘッド248を適切に配置するように設計されている。
【0031】
付勢ばね244は、圧力部材242によって形成されたばね座252とハウジング240との間に配置されている。中心部材254が付勢ばね244と軸受246との間に配置され、付勢ばね244の僅かな移動を許容する。
【0032】
弁胴60または弁胴120は、付勢ばね244を圧縮することにより圧力部材242を後退させて測定器200上に配置する。次に、弁胴60または弁胴120を位置決めスタッド210の周囲に配置して、内側ハブランド106または内側ハブランド176を位置決め面212に付勢し、球状プローブ218が外側ランド104または外側ランド174と係合するように圧力部材242を解放する。圧力部材242および付勢ばね244は、弁胴60または弁胴120の位置を移動時に維持する。
【0033】
回転装置236は、輪歯車260とウォーム歯車262を含む。回転装置236を輪歯車260およびウォーム歯車262として示しているが、圧力部材242をハウジング240に対して回転させるための公知の方法を使用することも本発明の範囲に含まれる。
【0034】
輪歯車260は、輪歯車260が回転のために圧力部材242に係止されるが、圧力部材242が輪歯車260内で軸方向に移動できるように、軸スプラインまたは公知のその他の手段によって圧力部材242の端部に固定されている。輪歯車260は、ハウジング240に対して回転できるように1対の軸受264によって取り付けられている。また、ウォーム歯車262は、ウォーム歯車262が輪歯車260と係合する位置においてハウジング240内で回転するように取り付けられている。そのため、ウォーム歯車262の回転によって輪歯車260を回転させることにより圧力部材242を回転させ、それにより測定子アセンブリ202に対して弁胴60または弁胴120を回転させる。測定子アセンブリ202に対して弁胴60または弁胴120を回転させることにより、ランドの全周にわたって、内側ハブランド106に対する外側ランド104の相対位置または内側ハブランド176に対する外側ランド174の相対位置を測定することができる。
【0035】
内側ハブランド176に対する外側ランド104の測定またはゲージングまたは内側ハブランド106に対する外側ランド174の測定またはゲージングは、弁胴60または弁胴120を測定器200内に配置することによって行う。これは、最初に付勢ばね244を圧縮することにより圧力部材242を後退させることによって行うことができる。次に、弁胴60または弁胴120を位置決めスタッド210の周囲に配置して、内側ハブランド106または内側ハブランド176を位置決め面212に付勢し、球状プローブ218が外側ランド104または外側ランド174と係合するように圧力部材242を解放する。圧力部材242および付勢ばね244は、測定プロセス時に弁胴60または弁胴120の位置を維持する。この時、ダイヤルゲージ220は、通常はゼロまたは外側ランド104または外側ランド174の高さの平均値に設定する。次に、ダイヤルゲージ220を使用してベース基準寸法を測定する。次に、ウォーム歯車262を回転させて輪歯車260を回転させ、それにより圧力部材242を回転させて弁胴60または弁胴120を回転させることにより、弁胴60または弁胴120を測定子アセンブリ202に対して好ましくは5度回転させる。次に、ダイヤルゲージ220を使用して次の測定を行う。好ましくは5度回転させて測定するプロセスを、外側ハブランドの全周が測定されるまで、外側ランド104または外側ランド174の全周の360度にわたって継続する。したがって、外側ランド104または外側ランド174に対して、5度間隔で読み取りを行うために、72回の読み取りまたは測定を行う。以上、5度間隔で行う測定プロセスを説明したが、異なる間隔または必要に応じて全周の連続的測定も、本発明の範囲に含まれる。
【0036】
図8は、1つの外側ランド104または外側ランド174のゲージングまたは測定のために行った72回の測定結果を示す典型的なグラフを示す。
【0037】
図8に示すように、公知のデータ処理方法および装置によって、外側ランドの処理下限値272および処理上限値274に対する外側ランド104または外側ランド174の実際の形状270をプロットすることができる。72個のデータ点を使用して、内側ハブランド106または内側ハブランド176と外側ランド104または外側ランド174の高さの差に対する平均値276を計算してプロットすることができる。また、内側ハブランド106または内側ハブランド176に対する外側ランド104または外側ランド174の平行度278(偏差値)を示すこともできる。また、外側ランド104または外側ランド174のリップル値280(平坦度)を示すこともできる。
【0038】
本発明は、内側ハブランド106または内側ハブランド176に対する外側ランド104または外側ランド174を正確に測定するための測定器またはゲージング装置200および方法を提供する。弁アセンブリの特徴を正確に測定、制御することにより、流体の量の制御およびショックアブソーバ20の減衰特性を維持することができる。
【0039】
上述したように、使用する測定器は、あらゆる公知の様々な測定器であってもよく、非接触測定技術並びに連続測定技術を含むものである。また、回転および72回の測定は公知のように自動化することができる。ただし、本発明は72回の測定に限定されるものではなく、外側ランドの円周全体に対する適当な回数の測定または連続測定法を使用することができる。
【0040】
本発明の説明は単に例示を目的としたものであり、本発明の要旨から逸脱しない変形も本発明の範囲に含まれる。そのような変形は本発明の趣旨および範囲からの逸脱とみなされるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、本発明に係る装置によって測定される少なくとも1つのショックアブソーバが組み込まれた一般的な自動車の概略図である。
【図2】図2は、本発明に係るショックアブソーバの断面図である。
【図3】図3は、本発明に係るピストンアセンブリの拡大断面図である。
【図4】図4は、本発明に係るベース弁アセンブリの拡大断面図である。
【図5】図5は、本発明に係る測定子の斜視端面図である。
【図6】図6は、図5に示す測定子が組み込まれている測定器の断面図である。
【図7】図7は、図6に示す測定器の拡大部分断面図である。
【図8】図8は、本発明に係る測定器を使用して得られた典型的な結果である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側ランドおよび前記内側ランドの外側に放射状に配置された外側ランドを有する弁胴のための測定器であって、
前記内側ランドと係合する位置決め面を有する位置決めヘッドアセンブリと、
前記位置決め面に対して移動可能に取り付けられた前記外側ランドランドと係合するプローブと、
前記内側ランドに対する前記外側ランドの相対位置を示す前記プローブに関連付けられた測定装置と、
を含む測定器。
【請求項2】
請求項1において、
前記測定装置は、ダイヤルゲージである測定器。
【請求項3】
請求項1において、
前記弁胴の前記内側ランドを前記位置決めヘッドの前記位置決め面と係合させる予荷重装置をさらに含む測定器。
【請求項4】
請求項3において、
前記予荷重装置は、圧力部材と、付勢ばねとを含む測定器。
【請求項5】
請求項4において、
前記圧力部材は、前記弁胴と係合するヘッドを含む測定器。
【請求項6】
請求項3において、
前記測定装置に対して前記弁胴を回転させる回転装置をさらに含む測定器。
【請求項7】
請求項6において、
前記予荷重装置は、圧力部材と、付勢ばねとを含む測定器。
【請求項8】
請求項7において、
前記回転装置は、前記圧力部材を回転させる測定器。
【請求項9】
請求項7において、
前記圧力部材は、前記弁胴と係合するヘッドを含む測定器。
【請求項10】
請求項9において、
前記回転装置は、前記ヘッドを回転させる測定器。
【請求項11】
請求項1において、
前記弁胴を前記測定装置に対して回転させる回転装置をさらに含む測定器。
【請求項12】
弁胴の内側ランドと前記内側ランドの外側に放射状に配置された外側ランドとの関係を測定する測定方法であって、
前記弁胴の前記内側ランドを位置決め面に対して位置決めすることと、
前記外側ランドの前記位置決め面に対する位置を測定することと、
を含む測定方法。
【請求項13】
請求項12において、
前記内側ランドを付勢して前記位置決め面と係合させることをさらに含む測定方法。
【請求項14】
請求項13において、
前記弁胴を前記位置決め面に対して回転させることをさらに含む測定方法。
【請求項15】
請求項14において、
前記弁胴の回転時に複数回の測定を行うことをさらに含む測定方法。
【請求項16】
請求項12において、
プローブを前記外側ランドに接触するように配置することをさらに含む測定方法。
【請求項17】
請求項12において、
前記弁胴を前記位置決め面に対して回転させることをさらに含む測定方法。
【請求項18】
請求項17において、
前記弁胴の回転時に複数回の測定を行うことをさらに含む測定方法。
【請求項19】
請求項17において、
プローブを前記外側ランドに接触するように配置することをさらに含む測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−541129(P2008−541129A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−512256(P2008−512256)
【出願日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【国際出願番号】PCT/US2005/028685
【国際公開番号】WO2006/124046
【国際公開日】平成18年11月23日(2006.11.23)
【出願人】(505318721)テネコ オートモティブ オペレーティング カンパニー インコーポレイテッド (62)
【氏名又は名称原語表記】Tenneco Automotive Operating Company Inc.
【住所又は居所原語表記】500 North Field Drive,Lake Forest,Illinois,The United States of America
【Fターム(参考)】