説明

強皮症の治療のためのベンザゾール誘導体

【課題】強皮症に罹患している患者を治療する方法の提供。
【解決手段】式(I)により表されるベンザゾール誘導体の使用。


(Gは非置換もしくは置換または融合ピリミジニル基である)。この化合物は強皮症、全身性硬化症、強皮症様疾患、汎発性硬化症、肝硬変、間質性肺線維症、デュピュイトラン拘縮、ケロイド及びその他の瘢痕/創傷治癒異常、手術後癒着及び反応性線維症、並びに慢性心不全より成る群から選ばれる疾患の、治療及び/又は予防に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、強皮症およびその治療学的関連疾患、例えば全身性硬化症、強皮症様疾患または汎発性強皮症の治療のための式(I)により表されるベンザゾール誘導体の使用、およびそれらを含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
強皮症は、100万人におよそ19例で安定発生する稀な疾患である。強皮症の原因は分かっていない。しかしながら遺伝的素因が重要である。異常には、自己免疫ならびに内皮細胞および線維芽細胞機能の変化が含まれる。事実、全身性硬化症は、診断から5年以内の致死率が50%の、恐らくは最も重度の自己免疫疾患である。
【0003】
強皮症は、皮膚と内臓の線維化を特徴とし、臓器不全および死へ導く、結合組織の疾患である。強皮症には、症状発現のスペクトルと、多様な治療学的関連疾患がある。これには限局性強皮症、全身性硬化症、強皮症様疾患、および汎発性強皮症が含まれる。限局性強皮症が、皮膚に限局した線維化と症状発現を伴う稀な皮膚科疾患であるのに対し、全身性硬化症は、内臓罹患リスクが様々であり、皮膚疾患の程度に変化のある、多系統疾患である。全身性硬化症にはびまん型または限局型がある。限局型全身性硬化症はCREST(石灰沈着、レイノー食道機能不全、強指症、毛細管血管拡張症)とも称される。全身性硬化症は、強皮症肺疾患、強皮症腎クリーゼ、心臓症状発現、疲労または限局性CRESTを包含する筋力低下、胃腸の運動不全および攣縮、ならびに中枢、末梢および自律神経系の異常を含む。神経系異常に関しては、手根管症候群とこれに続く三叉神経痛が最も一般的である。強皮症様疾患は工業的環境への暴露に関連していると考えられている。汎発性疾患では皮膚の変化を伴わない内臓の罹患がある。
【0004】
強皮症、特に全身性硬化症の主たる症状発現は、不適当な過度のコラーゲン合成と沈着、線維化による内皮の機能不全、攣縮、崩壊および閉塞である。診断の見地から重要な臨床パラメータは中手指節関節に近い皮膚の肥厚である。レイノー現象は、強皮症で頻発する殆ど普遍的要素である。これは寒冷暴露時における皮膚の色の変化によって診断される。虚血と皮膚の肥厚はレイノー病の症状である。
【0005】
基礎となる幾つかの生物学的プロセスがこの疾患の開始、重症度および進行に関わっており、それらは、血管の機能不全、内皮細胞の活性化と損傷、白血球蓄積、自己抗体産生、そして決定的なこととして、死につながり得る制御不能の線維化反応を包含する。線維芽細胞が、この疾患の病理において中枢的役割を持つ。強皮症患者から取得した初代線維芽細胞は、インビボでこの疾患に見られる特徴的性質の数多くを示し、特に、増加した細胞外マトリックス合成および沈着(特にコラーゲンおよびフィブロネクチン)、ならびに例えばTGFβおよびCTGFといった成長因子およびサイトカインの産生の変化を示す("Increased collagen synthesis by scleroderma skin fibroblasts in vitro" J.Clin.Invest. 54, p.880-89 LeRoy(1974))。
【0006】
強皮症に治癒的治療は無い。革新的であるが高リスクの治療として自己由来幹細胞移植が提唱されている。特に、線維化のプロセスを標的とする、強皮症の治療法は現在のところ無い。
【0007】
疾患のリスクおよび強皮症の進行に関連する遺伝子の同定は、様々な段階でこの疾患に介入するための効果的戦略の開発につながるかも知れない。
【0008】
現在のところ強皮症を治癒させる方法は無いが、強皮症の症状を治療するために幾つかの物質または治療法が現在使用されている。本発明に係る併用療法として利用できるこのような抗強皮症物質は、例えばLeighton C.(Drugs 61(3) p.419-27(2001))またはWigley and Sule(Expert opinion on Investigational Drugs 10(1)p.31-48(2001))に要約されており、これらの全体は参考文献として本明細書中に援用されている。
【0009】
B.A.Hocevar et al.(The EMBO Journal Vol.18 No.5 p.1345-56(1999))の最近の発表では、TGF-βにより仲介される遺伝子誘導はJNKの活性化を含み、何故なら、JNKは、AP-1(プロトオンコジーンfosおよびjunの産物のヘテロ二量体から形成される転写因子)とCRE部位の両者を含むプロモーターを、その燐酸化およびc-JunとATF-2(これはc-Jun遺伝子の転写活性化に参加するc-Jun転写因子である)の活性化を介して調節することが示されているためである、という事が示唆されている。
【0010】
c-Junは、ホモ二量体およびヘテロ二量体(例えばc-Fosとの)を形成して、炎症反応に関わる多くの遺伝子(例えばマトリックスメタロプロテイナーゼ)の活性化に必要なトランス活性化複合体AP-1を生成する蛋白である。JNK(c-Jun N末端キナーゼ)は、幾つかの異なる刺激、例えばUV光やTNF-αが、蛋白のN末端にある特異的セリン残基上のc-Jun燐酸化を刺激することが見出された時に発見された。JNKは、ストレス型分子外シグナルの中継にも関わっており、ERK(細胞外制御キナーゼ)経路は主として細胞核への分裂促進/分化シグナルの伝達を担っている。
【0011】
JNKインヒビターは様々な特許出願に開示されている。例えばEP1110957は、特にJNK2および/または3の異常な発現または活性に関連する疾患(多発性硬化症、関節リウマチまたは喘息といった自己免疫疾患を包含する)の予防または治療のためのベンザゾール誘導体を記載している。
【0012】
近年、Anania F.A. et al.(Free Radical Biol. Med., 30(8), p.846-57(2001))は、JNK活性化が、慢性アルコール関連肝損傷および肝硬変前の肝線維症へ導くコラーゲン遺伝子活性化の酸化的代謝産物のシグナル伝達カスケードにおいて重要であるらしいと述べた。
【0013】
WO9855110(Dalhousie University)は、PDGF(血小板由来成長因子)が関与し刺激因子として作用している線維症疾患を治療するための、PDGF誘導c-Jun遺伝子発現の効果を低下させるための1-(5-オキソヘキシル)-3,7-ジメチルキサンチン(ペントキシフィリン)のような化合物またはその機能的誘導体の使用を教示している。
【0014】
中コンダクタンスCa2+活性化K+チャネルの薬理学的アクチベーターとしての[5-クロロ-2(3H)-ベンズオキサゾロン](クロロゾキサゾン)およびオキサゾールアミンのようなその他の化合物の使用は、嚢胞性線維症および血管疾患において治療上有益であるとの記載がある(Am.J.Physiol., 278(3,Pt.1), C570-C581(English)2000)。
【発明の概要】
【0015】
発明の要約
本発明は、以下の式(I):
【0016】
【化1】

【0017】
により表されるベンザゾール誘導体(JNK(c-Junキナーゼ)のインヒビターである)は強皮症の予防および/または治療に好適であるという発見ならびにその治療上の適用に基づくものである。
【0018】
よって本発明は、強皮症に罹患している患者を治療する方法を提供する事を目的とする。さらに本発明によれば、薬剤の製造が提供され、その薬剤は強皮症、特に全身性硬化症の治療および/または予防に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、肺線維症を誘発させた異なる群の処置マウスの体重に及ぼす被験化合物(A)の効果を示すグラフ表示である。マウスに被験化合物(A)とブレオマイシンを17日間投与(d=1〜17)した後の体重減少の低下を示す。
【図2】図2は、マウスへの被験化合物(A)の投与後の、ブレオマイシンにより誘発した肺の炎症の減少を示すグラフ表示である。異なる投与量の被験化合物で処置した後の、検査したマウス肺葉の湿潤/乾燥比を示す。
【図3】図3は、ブレオマイシンにより誘発した炎症に冒されたマウス肺の組織学的検査のグラフ表示である。この表示は、ブレオマイシン誘発肺線維症に冒されたマウスにおける、被験化合物(A)投与後の線維症発症の減少を示している。
【図4】図4は、異なる投与量の被験化合物(A)における、O.D.(光学密度)数によるヒドロキシプロリン定量を例示するグラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
発明の説明
以下の段落群は本発明に係る化合物を構成している種々の化学基の定義を提供するものであり、別途説明的に開示する定義がより広い定義を与えるのでない限り、本明細書および請求項全編に一律に適用することを意図している。
【0021】
「C1-C6アルキル」とは、1〜6個の炭素原子を有する一価アルキル基を指す。この用語は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ヘキシル等のような基によって例示される。
【0022】
「アリール」とは、1個の環(例えばフェニル)または複数の縮合した環(例えばナフチル)を有する6〜14個の炭素原子を持つ不飽和芳香族炭素環式基を指す。好ましいアリールはフェニル、ナフチル、フェナントレニル等を包含する。
【0023】
「C1-C6-アルキルアリール」とは、アリール置換基を有するC1-C6-アルキル基を指し、ベンジル、フェネチル等を包含する。
【0024】
「アルケニル」とは、好ましくは2〜6個の炭素原子を持ち、且つ少なくとも1または2個のアルケニル不飽和部位を有するアルケニル基を指す。好ましいアルケニル基はエテニル(-CH=CH2)、n-2-プロペニル(アリル、-CH2CH=CH2)等を包含する。
【0025】
「アルキニル」とは、好ましくは2〜6個の炭素原子を持ち且つ少なくとも1〜2個のアルキニル不飽和部位を有するアルキニル基を指す。好ましいアルキニル基はエチニル(-C≡CH)、プロパルギル(-CH2C≡CH)等を包含する。
【0026】
「アシル」とは、基-C(O)Rを指し、ここで、Rは「C1-C6-アルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1-C6-アルキルアリール」または「C1-C6-アルキルヘテロアリール」を包含する。
【0027】
「アシルオキシ」とは、基-OC(O)Rを指し、ここで、Rは「C1-C6-アルキル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1-C6-アルキルアリール」または「C1-C6-アルキルヘテロアリール」を包含する。
【0028】
「アルコキシ」とは、基-O-Rを指し、ここで、Rは「C1-C6-アルキル」または「アリール」または「ヘテロアリール」または「C1-C6-アルキルアリール」または「C1-C6-アルキルヘテロアリール」を包含する。好ましいアルコキシ基は、例えばメトキシ、エトキシ、フェノキシ等を包含する。
【0029】
「アルコキシカルボニル」とは、基-C(O)ORを指し、ここで、Rは「C1-C6-アルキル」または「アリール」または「ヘテロアリール」または「C1-C6-アルキルアリール」または「C1-C6-アルキルヘテロアリール」を包含する。
【0030】
「アミノカルボニル」とは、基-C(O)NRR'を指し、ここで、R、R'の各々は独立して水素または「C1-C6-アルキル」または「アリール」または「ヘテロアリール」または「C1-C6-アルキルアリール」または「C1-C6-アルキルヘテロアリール」を包含する。
【0031】
「アシルアミノ」とは、基-NR(CO)R'を指し、ここで、R、R'の各々は独立して水素または「C1-C6-アルキル」または「アリール」または「ヘテロアリール」または「C1-C6-アルキルアリール」または「C1-C6-アルキルヘテロアリール」を包含する。「エナンチオマー過剰」(ee)とは、本質上エナンチオマー的合成によって、またはエナンチオ選択的工程を含む合成によって得られる生成物を指し、その工程により、一方のエナンチオマーが少なくとも約52%ee程度の過剰で生成する。
【0032】
「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨード原子を指す。
【0033】
「スルホニル」とは、基「-SO2-R」を指し、ここで、RはH、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1-C6-アルキル」、ハロゲンで置換された「C1-C6-アルキル」、例えば-SO2-CF3基、「C1-C6-アルキルアリール」または「C1-C6-アルキルヘテロアリール」から選択される。
【0034】
「スルホキシ」とは、基「-S(O)-R」を指し、ここで、RはH、「C1-C6-アルキル」、ハロゲンで置換された「C1-C6-アルキル」、例えば-SO-CF3基、「アリール」、「ヘテロアリール」、「C1-C6-アルキルアリール」または「C1-C6-アルキルヘテロアリール」から選択される。
【0035】
「チオアルコキシ」とは、基-S-Rを指し、ここで、Rは「C1-C6-アルキル」または「アリール」または「ヘテロアリール」または「C1-C6-アルキルアリール」または「C1-C6-アルキルヘテロアリール」を包含する。好ましいチオアルコキシ基はチオメトキシ、チオエトキシ等を包含する。
【0036】
「置換されたまたは非置換の」:個々の置換基の定義により別途制約を受けない限り、上に開示した基、例えば「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、「アリール」および「ヘテロアリール」等の基は、場合により、「C1-C6-アルキル」、「C1-C6-アルキルアリール」、「C1-C6-アルキルヘテロアリール」、「C2-C6-アルケニル」、「C2-C6-アルキニル」、一級、二級もしくは三級アミノ基または四級アンモニウム部分、「アシル」、「アシルオキシ」、「アシルアミノ」、「アミノカルボニル」、「アルコキシカルボニル」、「アリール」、「ヘテロアリール」、カルボキシル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、メルカプト、ニトロ、スルホキシ、スルホニル、アルコキシ、チオアルコキシ、トリハロメチル等より成る群から選ばれる1〜5個の置換基で置換されていてもよい。或いは上記の置換は、隣接置換基が閉環し(特に隣接官能置換基が含まれている場合)、例えばラクタム、ラクトン、環状無水物を形成するのみならず、例えば保護基を取得する努力における閉環により形成されるアセタール、チオアセタール、アミナールを形成する状況をも含み得る。
【0037】
「薬学上許容し得る塩または複合体」とは、所望の生物活性を保持する、下に定義する式Iの化合物の塩または複合体を指す。このような塩の例は、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、燐酸、硝酸等)を用いて形成される酸付加塩、ならびに酢酸、蓚酸、酒石酸、琥珀酸、リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パム酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、およびポリガラクツロン酸といった有機酸を用いて形成される塩を包含するが、これらに限定される訳ではない。該化合物はさらに、当業者に知られた薬学上許容し得る四級塩として投与することもでき、これは具体的には、式-NR,R',R"+Z-、ここで、R、R'、R"は独立して水素、アルキル、またはベンジルであり、Zはクロリド、ブロミド、ヨージド、-O-アルキル、トルエンスルホン酸塩、メチルスルホン酸塩、スルホン酸塩、燐酸塩、またはカルボン酸塩(例えば安息香酸塩、琥珀酸塩、酢酸塩、グリコール酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩、桂皮酸塩、マンデル酸塩、およびジフェニル酢酸塩)を包含する対イオンである、で示される四級アンモニウム塩を包含する。例となる塩基付加塩は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、および四級水酸化アンモニウムに由来する、例えば水酸化テトラメチルアンモニウムを包含する。
【0038】
「薬学的に活性な誘導体」とは、レシピエントに投与する時、本明細書に開示する活性を直接または間接的に提供することのできる任意の化合物を指す。
【0039】
「治療」とは、疾病の形成、発症、進行の、または該疾患の症状のうち1つもしくは幾つかもしくは全ての形成、発症もしくは進行の、減弱、低下、または部分的、実質的もしくは完全な遮断を指す。
【0040】
「強皮症」とは、導入部で詳細に記載した、任意の分類および定義による強皮症、ならびに強皮症の1またはそれ以上の症状を指す。さらにこの用語は、強皮症に関連することが知られている疾病、例えばSmithが記載したもの(Textbook of the Autoimmune Diseases, edited by Lahita, Chiorazzi and Reeves, Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia(2000))に関係している。前記用語は好ましくは限局性、全身性、限局型およびびまん型強皮症ならびに重複症候群に関連している:
【0041】
限局性強皮症は主として皮膚を冒すが、その下の筋肉および骨を冒すこともある。しかしながらこれは内臓を冒さない。限局性強皮症は比較的軽度であり、類似の表在性症状、例えば顕微鏡下での皮膚生検の様相の点では全身性強皮症に関連しているかも知れない。
【0042】
全身性強皮症は、幾つかの型の症状または症状群、例えばCREST、限局型およびびまん型を含む。全身性強皮症は全身性硬化症としても知られる。さらにこれは進行性全身性硬化症とも称される。全身性強皮症は例えば皮膚、血管、および/または内臓を冒す。皮膚を冒す場合、これは最も一般的には手および/または顔の皮膚の硬化を惹起し得る。血管を冒す場合、これはレイノー病を惹起し得る。全身性硬化症の最も重篤な形態は内臓を冒し、障害または死さえも惹起することがある。なかでも全身性硬化症は、強皮症肺疾患、強皮症腎クリーゼ、心臓症状発現、疲労または限局性CRESTを包含する筋力低下、胃腸の運動不全および攣縮、ならびに中枢、末梢および自律神経系の異常を含む。神経系異常に関しては、手根管症候群とこれに続く三叉神経痛が最も一般的である。
【0043】
限局型強皮症は手に限定されることがあるが、顔および首が含まれることもある。
【0044】
びまん型強皮症は皮膚の硬化を含み、手首(または肘)より上にも起こる。びまん型全身性硬化症には、内臓線維化があるが皮膚の硬化の無い「汎発性強皮症」;および、家系内で起こる稀な形態である家族性進行性全身性硬化症といったような幾つかの下位区分がある。
【0045】
強皮症はさらに、線維症疾患、例えば肝硬変、間質性肺線維症、デュピュイトラン拘縮、ケロイドおよびその他の瘢痕/創傷治癒異常、手術後癒着および反応性線維症、ならびに慢性心不全、特に心筋梗塞後のものをさす。
【0046】
例えば狼瘡と部分重複したびまん型強皮症の場合のように、強皮症患者が他の自己免疫疾患(例えば狼瘡、関節リウマチ等)を持っている場合、重複症候群と称する。強皮症の症状はさらに、混合性結合組織病(MCTD)または未分化結合組織病(UCTD)の一部となり得る。
【0047】
本発明によれば、以下の式I:
【0048】
【化2】

【0049】
により表されるベンザゾール化合物ならびにその互変異性体、幾何異性体、エナンチオマー、ジアステレオマーとしての光学活性型およびそのラセミ化合物型、ならびにその薬学上許容し得る塩は、強皮症およびその治療学的関連疾患の治療および/または予防のための薬剤の製造に有用であることが見出された。
【0050】
上記の治療学的関連疾患は、全身性硬化症、強皮症様疾患、汎発性強皮症、強皮症肺疾患、強皮症腎クリーゼ、心臓症状発現、疲労または限局性CRESTを包含する筋力低下、胃腸の運動不全および攣縮、ならびに中枢、末梢および自律神経系の異常、特に手根管症候群および三叉神経痛、肝硬変、間質性肺線維症、デュピュイトラン拘縮、ケロイドおよびその他の瘢痕/創傷治癒異常、手術後癒着および反応性線維症、ならびに慢性心不全、特に心筋梗塞後のもの、より成る群から選ばれる。
【0051】
式Iにおいて、
XはO、SまたはNR0であり、ここで、R0はHまたは非置換もしくは置換C1-C6アルキルである。X=Sであり、したがってベンゾチアゾールを得るものが最も好ましい。
【0052】
Gは非置換もしくは置換または融合ピリミジニル基である。
【0053】
R1は、水素、非置換もしくは置換C1-C6-アルコキシ、非置換もしくは置換C1-C6-チオアルコキシ、非置換もしくは置換C1-C6-アルキル、非置換もしくは置換C2-C6-アルケニル、非置換もしくは置換C2-C6-アルキニル、一級、二級もしくは三級アミノ基、アミノアシル、アミノカルボニル、非置換もしくは置換C1-C6-アルコキシカルボニル、非置換もしくは置換アリール、非置換もしくは置換ヘテロアリール、カルボキシル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、スルホキシ、スルホニル、スルホンアミド、非置換もしくは置換ヒドラジドより成る群またはこれらを含む群から選ばれる。
【0054】
最も好ましい置換基R1は水素、ハロゲン、C1-C6-アルキルおよびC1-C6-アルコキシ基である。
【0055】
R2は、水素、非置換もしくは置換C1-C6-アルキル、非置換もしくは置換C2-C6-アルケニル、非置換もしくは置換C2-C6-アルキニル、非置換もしくは置換C1-C6-アルキルアリール、非置換もしくは置換アリールもしくはヘテロアリール、非置換もしくは置換C1-C6-アルキルヘテロアリール、-C(O)-OR3、-C(O)-R3、-C(O)-NR3R3'、-(SO2)R3より成る群またはこれらを含む群から選ばれ、ここで、R3およびR3'は独立して、水素、非置換もしくは置換C1-C6アルキル、非置換もしくは置換C2-C6アルケニル、非置換もしくは置換C2-C6アルキニル、非置換もしくは置換アリール、非置換もしくは置換ヘテロアリール、非置換もしくは置換C1-C6-アルキルアリール、非置換もしくは置換C1-C6-アルキルヘテロアリールより成る群またはこれらを含む群から選ばれ、R3およびR3'は独立して、水素、非置換もしくは置換C1-C6アルキル、非置換もしくは置換C2-C6アルケニル、非置換もしくは置換C2-C6アルキニル、非置換もしくは置換アリール、非置換もしくは置換ヘテロアリール、非置換もしくは置換C1-C6-アルキルアリール、非置換もしくは置換C1-C6-アルキルヘテロアリールより成る群またはこれらを含む群から選ばれる。
【0056】
好ましい置換基R2は、水素、非置換もしくは置換C1-C6アルキル、非置換もしくは置換C1-C6アルキルアリールもしくはC1-C6アルキルヘテロアリール基、-C(O)-R3、-C(O)-NR3R3'、-(SO2)R3であり、ここで、R3およびR3'は前記と同意義である。より好ましい置換基R2は、水素およびC1-C6-アルキル基であり、R2=Hが最も好ましい実施態様である。好ましいR3およびR3'は、水素、C1-C6アルキル、アリール、ヘテロアリール、C1-C6-アルキルアリール、C1-C6-アルキルヘテロアリールである。最も好ましいR3およびR3'は水素またはC1-C6アルキルである。
【0057】
本明細書で言及する互変異性体は、R2および/またはR0が水素であり、以下の式II、より具体的には以下の式IIaおよびIIbで示されるものである。この互変異性体は溶液中で変換を受け、以下の式IaおよびIbにより表されるベンザゾールの間の平衡が、以下の式IIaおよびIIbのベンザゾールとの間に成立する。
【0058】
【化3】

【0059】
上記互変異性体は本発明に含まれる。
【0060】
基本的に、上記のアリールまたはヘテロアリール置換基の全ては、場合により、置換もしくは非置換C1-C6-アルキル、例えばトリハロメチル、置換もしくは非置換C1-C6-アルコキシ、アセトキシ、置換もしくは非置換C2-C6-アルケニル、置換もしくは非置換C2-C6-アルキニル、アミノ、アミノアシル、アミノカルボニル、C1-C6-アルコキシカルボニル、アリール、カルボキシル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、スルホニル、スルホキシ、C1-C6-チオアルコキシから選ばれる基のうち少なくとも1個でさらに置換されていてもよい。好ましくは、上記アリールまたはヘテロアリール基は、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、スルホニル、例えばトリフルオロメチルスルホニル基、で置換されている。特に好ましいベンザゾール誘導体は、以下の式:
【0061】
【化4】

【0062】
{式中、
Lは、水素、非置換もしくは置換C1-C6アルキル、非置換もしくは置換C1-C6アルコキシ、非置換もしくは置換C1-C6チオアルコキシ、非置換もしくは置換C2-C6アルケニル、非置換もしくは置換C2-C6アルキニル、一級、二級もしくは三級アミノ基、アミノアシル、アミノカルボニル、アミノ-(C1-C10)アルキル、アミノ-非置換もしくは置換(C1-C10)-アルキルアリール、アミノ-非置換もしくは置換(C1-C10)アルキルヘテロアリール、非置換もしくは置換C1-C6アルコキシカルボニル、カルボキシル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、スルホキシ、スルホニル、非置換もしくは置換アリール、非置換もしくは置換ヘテロアリール、非置換もしくは置換3〜8員環シクロアルキル(場合によりN、O、Sから選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含んでいてもよい)、および非置換もしくは置換ヒドラジド基より成る群またはこれらを含む群から選ばれる}
により表されるGが、4位においてベンザゾールアセテート骨格に結合している非置換または置換ピリミジニル基である、ベンザゾール誘導体である。
【0063】
特に好ましいベンザゾール誘導体は、Lが置換または非置換(C1-C10)-アルキル基であるベンザゾール誘導体である。
【0064】
さらなる特に好ましいベンザゾール誘導体は、Lが基-N(Ra,Rb)または-ORaであるベンザゾール誘導体であり、ここで、RaおよびRbは、それぞれ独立して、H、非置換もしくは置換(C1-C10)-アルキル、非置換もしくは置換C1-C6アルキルアリール、非置換もしくは置換C1-C6-アルキルヘテロアリール、非置換もしくは置換アリールもしくはヘテロアリールおよび非置換もしくは置換4〜8員環飽和もしくは不飽和シクロアルキルより成る群から選ばれる。
【0065】
式Iに従う特に好ましい実施態様によれば、Lは、以下の式(a)〜(f):
【0066】
【化5】

【0067】
{式中、
nは1〜10、好ましくは1〜6であり、
一方Xは好ましくはSであり、
R1はHであり、
R2はHであり、
R5およびR5'は、それぞれ独立して、H、置換もしくは非置換C1-C10アルキル、置換もしくは非置換アリールまたはヘテロアリール、置換もしくは非置換C1-C6アルキルアリールおよび置換もしくは非置換C1-C6アルキルヘテロアリールより成る群から選ばれる。最も好ましいR5'は非置換または置換イミダゾリルである。}
により表されるものから選ばれる。
【0068】
式Iによる最も好ましいベンザゾール誘導体は、以下の式Ibにより表されるベンゾチアゾールアセトニトリル誘導体および/または以下の式IIbで示されるその互変異性体:
【0069】
【化6】

【0070】
{式中、XはSであり、
R1はHまたはC1-C6アルキルであり、かつ、
R2はHであり、
一方Gは、以下の式:
【0071】
【化7】

【0072】
[式中、Lは、以下の式(e)または(f):
【0073】
【化8】

【0074】
〔式中、
nは0、1または2であり、
R5はアリールまたはヘテロアリール、特に置換もしくは非置換フェニル、置換もしくは非置換ピリジル、置換もしくは非置換イミダゾリルである。〕
により表されるもののいずれかである。]
により表されるピリミジニル基である。}
である。
【0075】
式Iにより表される特に有用な化合物の具体例は以下のものを包含する:
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-クロロ-4-ピリミジニル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2,6-ジメトキシ-4-ピリミジニル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-クロロ-6-メチル-4-ピリミジニル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(メチルスルファニル)-4-ピリミジニル]アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{6-クロロ-5-ニトロ-4-ピリミジニル}アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(ヒドロキシ-4--4-ピリミジニル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-フェニル-4-キナゾリニル)アセトニトリル
(2-クロロピリミジン-4-イル)[5-(トリフルオロメチル)-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル]アセトニトリル
(2E)-(2-クロロ-4-ピリミジニル)(3-メチル-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)-イリデン)エタンニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(1H-イミダゾール-5-イル)エチル]アミノ}-4-ピリミジニル)アセトニトリル
【0076】
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(1-ピペラジニル)-4-ピリミジニル]アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(4-ベンジル-1-ピペリジニル)-4-ピリミジニル]アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(4-メチル-1-ピペラジニル)-4-ピリミジニル]アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(4-モルホリニル)-4-ピリミジニル]アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(メチルアミノ)-4-ピリミジニル]アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{4-[2-(4-モルホリニル)エチル]-1-ピペラジニル}-4-ピリミジニル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[4-(ベンジルオキシ)-1-ピペリジニル]-4-ピリミジニル}アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(4-ヒドロキシ-1-ピペリジニル)-4-ピリミジニル]アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-ヒドラジノ-4-ピリミジニル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}-4-ピリミジニル)アセトニトリル
【0077】
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(ジメチルアミノ)-4-ピリミジニル]アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(2-メトキシエチル)アミノ]-4-ピリミジニル]アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-4-ピリミジニル]アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(プロピルアミノ)-4-ピリミジニル]アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロピル]アミノ}-4-ピリミジニル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(1-ピロリジニル)-4-ピリミジニル]アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(2-フェニルエチル)アミノ]-4-ピリミジニル}アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(2-ピリジニル)エチル]アミノ}-4-ピリミジニル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(2-ピリジニルメチル)アミノ]-4-ピリミジニル}アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[4-(1H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1-ピペリジニル]-4-ピリミジニル}アセトニトリル
【0078】
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[4-(2-ピラジニル)-1-ピペラジニル]-4-ピリミジニル}アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[4-(2-ピリミジニル)-1-ピペラジニル]-4-ピリミジニル}アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(3-ピリジニル)エチル]アミノ}-4-ピリミジニル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(5-ブロモ-2-{[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}-4-ピリミジニル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(2-モルホリン-4-イルエチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(4-{3-[(トリフルオロメチル)スルホニル]アニリノ}ピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル]アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[3-(2-オキソピロリジン-1-イル)プロピル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{メチル[3-(メチルアミノ)プロピル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(3-モルホリン-4-イルプロピル)アミノ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル
【0079】
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(1H-インドール-3-イル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル
tert-ブチル({4-[1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(シアノ)メチル]ピリミジン-2-イル}アミノ)アセタート
{2-[(3-アミノプロピル)アミノ]ピリミジン-4-イル}(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)アセトニトリル
{2-[(2-アミノエチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(2-ピペリジン-1-イルエチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(ベンジルアミノ)ピリミジン-4-イル]アセトニトリル
【0080】
イソプロピル3-({4-[1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(シアノ)メチル]ピリミジン-2-イル}アミノ)プロパノエート
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(3-ヒドロキシプロピル)アミノ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(ピリジン-3-イルメチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル
(2-アミノピリミジン-4-イル)(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(ピリジン-4-イルメチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル
tert-ブチル4-[2-({4-[1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(シアノ)メチル]ピリミジン-2-イル}アミノ)エチル]フェニルカルバメート
(2-{[2-(4-アミノフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(3,4-ジメトキシフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(3-メトキシフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(2-フルオロフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル}アセトニトリル
【0081】
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-({2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}アミノ)ピリミジン-4-イル]アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(2-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(2-{[3-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]アミノ}エチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(3-クロロフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(3,4-ジクロロフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(4-メトキシフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(4-メチルフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(3-フルオロフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(4-フェノキシフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(2-フェノキシフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル
【0082】
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(4-ブロモフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(4-フルオロフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(2-[1,1'-ビフェニル]-4-イルエチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(2-{4-[ヒドロキシ(オキシド)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[3-(1H-ピラゾール-1-イル)プロピル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル
4-[2-({4-[1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(シアノ)メチル]ピリミジン-2-イル}アミノ)エチル]ベンゼンスルホンアミド
{2-[(2-ピリジン-3-イルエチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}[5-(トリフルオロメチル)-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル]アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(1H-テトラアゾール-5-イルメチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(ベンジルオキシ)ピリミジン-4-イル]アセトニトリル
【0083】
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(4-ピリジン-3-イルベンジル)オキシ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(ピリジン-4-イルメトキシ)ピリミジン-4-イル]アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(ピリジン-2-イルメトキシ)ピリミジン-4-イル]アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(3-ピリジン-2-イルプロポキシ)ピリミジン-4-イル]アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(4-メトキシベンジル)オキシ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ピリミジン-4-イル]アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[2-(4-メトキシフェニル)エトキシ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-([1,1'-ビフェニル]-3-イルメトキシ)ピリミジン-4-イル]アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(3,4,5-トリメトキシベンジル)オキシ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(3,4-ジクロロベンジル)オキシ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル
【0084】
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-({3-[(ジメチルアミノ)メチル]ベンジル}オキシ)ピリミジン-4-イル]アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(1-オキシドピリジン-3-イル)メトキシ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[4-(モルホリン-4-イルメチル)ベンジル]オキシ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(4-ピリジン-2-イルベンジル)オキシ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[4-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンジル]オキシ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(4-メトキシフェノキシ)ピリミジン-4-イル]アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(4-ブトキシフェノキシ)ピリミジン-4-イル]アセトニトリル
{2-[4-(4-アセチルピペラジン-1-イル)フェノキシ]ピリミジン-4-イル}(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)アセトニトリル
[2-(4-メトキシフェノキシ)ピリミジン-4-イル][5-(トリフルオロメチル)-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル]アセトニトリル
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(ピリミジン-4-イル)アセトニトリル
N-[2-({4-[1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(シアノ)メチル]ピリミジン-2-イル}アミノ)エチル]-4-クロロベンズアミド
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-メトキシ-4-ピリミジニル)アセトニトリル。
【0085】
特に好ましいベンゾチアゾール誘導体は、1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[4-(モルホリン-4-イルメチル)ベンジル]オキシ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリルである。
【0086】
さらに、このベンゾチアゾール誘導体は、さらなる抗強皮症物質と共に使用できる。この目的のために好ましい抗強皮症物質は、ACEインヒビター、カルシウムチャネル遮断剤、プロトンポンプインヒビター、NSAID、COXインヒビター、コルチコステロイド、テトラサイクリン、ペントキシフィリン、ブシラミン、ゲラニルゲラニルトランスフェラーゼインヒビター、ロタリン、プロリル-4-ヒドロキシラーゼインヒビター、c-プロテイナーゼインヒビター、リシルオキシダーゼインヒビター、レラキシン、ハロフギノン、プロスタグランディン、プロスタサイクリン、エンドセリン-1、一酸化窒素、アンギオテンシンIIインヒビターおよび抗酸化剤より成る群から選ばれる。
【0087】
式(I)の化合物を製造する方法の詳細な説明は、WO01/47920(PCT/EP001/13006)に記載されている。
【0088】
一例として、式IV'により表されるベンザゾール誘導体の製造は以下のごとく実施できる。
【0089】
【化9】

【0090】
中間体化合物IV'は以下の方法で変換できる。
【0091】
【化10】

【0092】
ここで、Yは適当な脱離基である。
【0093】
医薬として使用する場合、本発明に係るベンザゾール誘導体は典型的には医薬組成物の形態で投与される。よって、式Iの化合物および薬学上許容し得る担体、希釈剤または賦形剤を含む医薬組成物もまた本発明の範囲内にある。当業者は、医薬組成物の調合に好適なそのような担体、希釈剤または賦形剤化合物の全てを認識している。
【0094】
本発明の化合物は、常用されるアジュバント、担体、希釈剤または賦形剤と共に医薬組成物およびその単位用量の形態とすることができ、そして、固体、例えば錠剤もしくは充填されたカプセル剤、または液体、例えば溶液剤、懸濁剤、乳液剤、エリキシル剤、もしくはそれらを充填したカプセル剤といったような全て経口使用のための形態で、または、(皮下使用を包含する)非経口的使用のための無菌注射溶液の形態で使用されることができる。このような医薬組成物とその単位用量形態は、さらなる活性化合物もしくは要素を伴って、もしくは伴わずに、成分を慣用の比率で含み、係る単位用量形態は、使用される目的日用量範囲に比例して、活性成分の適切な有効量を含有することができる。
【0095】
医薬として利用する場合、本発明に係るベンザゾール誘導体は、典型的には医薬組成物の形態で投与される。そのような組成物は薬学分野において周知の方法で製造でき、少なくとも一つの活性化合物を含む。一般に本発明の化合物は薬学的有効量で投与される。実際に投与される化合物の量は、治療しようとする状態、選択された投与経路、投与される実際の化合物、個々の患者の年齢、体重、および応答、患者の症状の重篤度等を包含する、関連状況に照らして、典型的には医師が決定する。
【0096】
これらの発明に係る医薬組成物は、経口、直腸内、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、くも膜下、腹腔内および鼻内を包含する様々な経路により投与されることができる。意図するデリバリー経路に応じて、好ましくは該化合物は注射用、局所用または経口用組成物のいずれかに製剤化される。経口投与用組成物は、バルク液体溶液剤もしくは懸濁剤、またはバルク散剤の形態をとることができる。しかしながらより一般的には、正確な投薬を容易にするため、該組成物は単位用量形態で提供される。「単位用量形態」という語は、人間の対象およびその他の哺乳動物のための単位用量として適した物理的に別個の単位であって、各々の単位は、所望の治療効果を生じるように計算した所定の量の活性物質を、適当な薬用賦形剤と共に含有する。典型的な単位用量形態は、液体組成物が前もって充填され、前もって測定されたアンプル剤もしくは注射器、または固体組成物の場合は丸剤、錠剤、カプセル剤等を包含する。このような組成物においては、通常ベンザゾール化合物は少量成分(約0.1〜約50重量%、または好ましくは約1〜約40重量%)であり、残りは、様々なビヒクルまたは担体および所望の用量形態を形成させる助けとなる加工助剤である。
【0097】
経口投与に適した液体剤型は、好適な水性または非水性ビヒクルを、緩衝剤、懸濁化剤および分散剤、着色料、香料等と共に含有できる。固体剤型は、例えば以下の成分:微晶質セルロース、トラガカントゴムもしくはゼラチンのような結合剤;澱粉もしくは乳糖のような賦形剤、アルギン酸、プリモゲル(Primogel)、もしくはコーンスターチのような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤;コロイド状二酸化珪素のような滑沢剤;シュクロースもしくはサッカリンのような甘味料;またはハッカ、サリチル酸メチル、もしくはオレンジ香料のような香料、のうち任意のもの、または類似の性質を持つ化合物を含有できる。
【0098】
注射用組成物は典型的には無菌注射用生理食塩水もしくは燐酸緩衝化生理食塩水または当分野で知られるその他の注射用担体を基礎とする。上に述べたように、そのような組成物中の式Iにより表されるベンザゾール誘導体は典型的には少量成分であり、しばしば0.05〜10重量%の範囲であり、残りは注射用担体等である。
【0099】
経口投与または注射用組成物のための上記成分は、代表例であるに過ぎない。さらなる材料および加工技術等は、Remington's Pharmaceutical Sciences, 20th Edition, 2000, Marck Publishing Company, Easton, PennsylvaniaのPart 8に開示されており、これは参考文献として本明細書中に援用されている。
【0100】
本発明の化合物は持続放出形態で、または持続放出薬物デリバリー系から投与できる。代表的な持続放出材料の説明もまたRemington's Pharmaceutical Sciencesに記載の材料に見出すことができる。
【0101】
以下に本発明を、幾つかの生物学的アッセイの例、および一つの被験化合物、即ち1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[4-(モルホリン-4-イルメチル)ベンジル]オキシ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル(TFA)の合成によって説明する。これらの例は本発明の範囲を限定するものと解してはならない。
【実施例】
【0102】
実施例1:1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[4-(モルホリン-4-イルメチル)ベンジル]オキシ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル(TFA)(被験化合物(A))の製造
工程1:メチル4-ブロモメチル安息香酸の合成
【0103】
【化11】

【0104】
N2雰囲気下、50℃のCCl4(1.67L)中のメチルp-トルエート150gおよびNBS 195.5gの懸濁液に、過酸化ベンゾイル固体(5.0g)を30分間かけて少量ずつ加えた。発熱反応は見られなかった。50℃で2時間加熱した後、黄色溶液を65℃で6時間加熱した。依然として幾らかの未反応出発物質があった。懸濁液を65℃で一夜攪拌した。室温(r.t)に冷却した後、生成した沈殿を濾去し、CCl4 150mLで洗浄し、濾液を濃縮すると黄色油状物が得られ、これは静置すると固化した。少量の出発物質を含有する表題化合物を、これ以上精製せずに次工程に使用した。
【0105】
工程2:メチル4-モルホリノメチル安息香酸の合成
【0106】
【化12】

【0107】
N2雰囲気下、0℃の無水EtOH 1.5L中のモルホリン66.6gおよびトリエチルアミン269mLの溶液に、無水EtOH 450mL中のメチル4-ブロモメチル安息香酸(前記反応より)の溶液を30分間かけて滴下した。得られた溶液を0℃で2時間攪拌し、この時点で反応を4時間かけて室温まで徐々に温め、室温で一夜攪拌した。HPLCは、未反応のメチル4-ブロモメチル安息香酸が無く、先の反応由来のメチルp-トルエートが残留していることを示した。溶媒を減圧除去し、残留物を1.5N HCl 2Lに溶解した。酸性相をジエチルエーテル3x350mL、次いでEtOAc 1x350mLで洗浄し、その後NaOHでpH7に中和し、次いで10% NaHCO3水溶液でpH7.5とした。次に生成物をEtOAc 3x700mLで抽出した。有機相を無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧濃縮して橙色油状物を得た。過剰のEtOAcをトルエン蒸留により除去した。この表題化合物をこれ以上精製せずに次工程に使用した。
【0108】
工程3:4-モルホリノメチルベンジルアルコールの合成
【0109】
【化13】

【0110】
N2雰囲気下、0℃の乾燥THF 1633mL中のLAH 33.9gの懸濁液に、乾燥THF 233mL中のメチル4-メチルモルホリノ安息香酸(先の反応より)の溶液を30分間かけて滴下した。添加中は温度を15℃未満に維持した。反応を室温で一夜攪拌した。次いでこれを0℃に冷却し、10% NaOH 220mLで反応停止させた。温度を10℃未満に維持しつつNaOHを(30分間かけて)滴下した。次にこれを室温まで温め、2時間攪拌した。生成した沈殿を濾去し、THF 200mLで洗浄した。濾液を濃縮して白色固体を得、これをEtOAc(1L)に溶解し、65℃に45分間加熱し、次いで室温まで冷却した。このEtOAc溶液を15%ブライン1x250mLで洗浄した。次に溶媒700mLを除去すると、生成物およびヘキサン300mLの懸濁液が得られた。この溶液を4℃に冷却し、12時間保持した。結晶を濾去し、EtOAc/ヘキサンの冷1:1混合物(200mL)で洗浄し、次いで40℃で一夜減圧乾燥すると、白色結晶107.5g(メチルp-トルエートから52%収率)が得られた。
【0111】
工程4:1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[4-(モルホリン-4-イルメチル)ベンジル]オキシ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル(3)の合成
【0112】
【化14】

【0113】
スターラーを備えた三頸フラスコに入れた乾燥DMA(300mL)中のNaH(油中60%、9.13g、0.21モル、ペンタンで予洗)の攪拌懸濁液に、乾燥DMA(300mL)中のN-(4-ヒドロキシメチルベンジル−モルホリン(21.7g、0.104モル)の溶液を不活性雰囲気下で滴下した。室温で1時間攪拌後、乾燥DMA(300mL)中の(1)(15g、0.052モル)の懸濁液を滴下した。反応混合物を、出発物質が完全に消失するまで(3時間)、不活性雰囲気下に100℃で攪拌した。水を加えて反応停止させ、この混合物を乾固付近まで蒸発させた。水/EtOAc(〜10:1)を加えた。一夜冷蔵した後、微細な沈殿が得られた。上清を除去した後、遠心分離(3000rpm/分で15分間)によって生成物を得た。これを、同条件の遠心分離を用いて水(3x)で洗浄した。得られた橙色固体を水に溶解し、次いで濾去し、シクロヘキサンで洗浄した。HPLC(条件a、マックスプロット):95.8%、室温、2.29分。
【0114】
この橙色固体(2)をDCM(300ml)/TFA(50ml)の混合物に溶解した。エーテル(600ml)の添加により生成したふわふわした黄色固体を濾去し、エーテル(3X)で洗浄し、次いで室温で減圧乾燥するとジTFA塩20gが得られた。この生成物12+gを調製用HPLCで精製し、得られた純粋な画分を凍結乾燥すると、ふわふわした鮮やかな黄色の固体としてジTFA塩11.4g((1)から53%)が得られた。
458.23(M+1);HPLC(条件a、マックスプロット):99.5%、室温、2.19分。
1HNMR(DMSO-d6) δ10.22(極めてbr s, 1H) 7.93(d, J=7.9Hz, 1H), 7.89(br d, 1H), 7.73(d, J=7.9Hz, 1H), 7.68-7.65(m,2H), 7.57-7.54(m,2H), 7.44-7.39(m,1H), 7.28-7.23(m,1H), 6.72(br d, 1H), 5.73(s,2H), 4.38(s,2H), 4.04-3.78(m, 2H), 3.74-3.47(m,2H), 3.32-3.02(m,4H)。
CHN分析:C25H23N5O2S.2TFA:理論値:C 50.80%、H 3.68%、N 10.21%;実測値:C 50.07%、H 4.04%、N 10.21%。
【0115】
強皮症およびその治療的関連疾患、例えば全身性硬化症、強皮症様疾患または汎発性強皮症の処置のための式(I)の化合物の有用性を立証するため、これらの化合物を、以下の実施例2〜5のアッセイに付すことができる。
【0116】
実施例2:ブレオマイシンの誘発する体重減少の測定
本アッセイの目的は、ブレオマイシンの誘発する肺線維症によって通常引き起こされるマウスの体重減少を測定することである。
【0117】
10〜12週齢の雌性C57BL/6野生型マウスに、生理食塩水10μlに溶解したブレオマイシン(3.75U/kg)を気管内滴注して肺に線維症を誘発した。被験化合物による処置を0日目に開始し、0日目(ブレオマイシン滴注の1時間前)から17日目まで毎日継続した。被験化合物は異なる用量を経口投与した。対照マウスには0日目に生理食塩水を気管内滴注した。体重減少を毎日記録し、測定結果を図1にグラフで示す。
【0118】
安定した体重であった生理食塩水滴注マウス(対照)とは対照的に、ブレオマイシンを滴注したマウスは全て、滴注後5日目まで同じような体重減少を示した。5日目から17日目までについては、17日目に殺すまで時間と共に体重が減少し続けた生理食塩水処置マウスとは対照的に、被験化合物で処置したマウスは体重の安定化を示した。これを、特定の被験化合物(A)(即ち、1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[4-(モルホリン-4-イルメチル)ベンジル]オキシ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル)について図1に一例として示す。
【0119】
図1は合計4本の曲線を示し、各曲線が異なる条件下で処置した動物群を表している:
【0120】
正方形を記した曲線(n=10):2mg/kgの被験化合物(A)で処置したマウス。
三角形を記した曲線(n=10):7mg/kgの被験化合物(A)で処置したマウス。
菱形を記した曲線(n=10):生理食塩水のみで処置したマウス。
塗りつぶした丸を記した曲線:0日目に生理食塩水を気管内滴注した対照マウス。
図1は、被験化合物(A)で処置したマウスにおいて、ブレオマイシンで誘発された体重減少が、2mg/kgの用量で17日目に約30%低下することを示している。
【0121】
実施例3:ブレオマイシンの誘発する肺水腫の測定
ブレオマイシン滴注後の肺の線維変化は、マクロファージ、リンパ球および好中球といった炎症細胞の肺への浸潤、ならびにTNFαのような前炎症性サイトカインの増加に起因する。被験化合物がブレオマイシンの誘発する肺炎症に影響を及ぼすかどうかを判定するため、肺水腫を分析する。測定するのは、調査した肺の湿潤/乾燥の相違であり、相違が大であることは高度の肺水腫を示している。
【0122】
マウスを実施例2に記載のように処置した。被験化合物は化合物(A)(即ち、1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[4-(モルホリン-4-イルメチル)ベンジル]オキシ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル)であった。滴注の17日目に動物を安楽死させ、両肺を摘出した。各マウスの右肺を切除し、0.9%生理食塩水ですすぎ、水分を吸い取り、心臓その他無関係の組織を切り取り、凍結乾燥直前に秤量し、凍結乾燥後に秤量した。肺の乾燥および湿潤重量差を算出し、被験化合物(A)のアッセイ結果を示す図2にグラフで表した。結果はA〜D各群中の7匹のマウスの平均値として示す。図2中、黒い柱A〜Dの各々は、以下の条件下で処置した動物群A〜Dについて肺の乾燥/湿潤重量差を示している:
【0123】
A群:生理食塩水を滴注したマウス。
B群:ブレオマイシンを滴注し、生理食塩水を経口投与したマウス。
C群:ブレオマイシンを滴注し、2mg/kgの被験化合物(A)を経口投与したマウス。
D群:ブレオマイシンを滴注し、7mg/kgの被験化合物(A)を経口投与したマウス。
【0124】
図2から、生理食塩水処置マウスに比して、2および7mg/kgの被験化合物(A)で処置したマウス群では肺水腫の著明な減少が観察されると結論付けられる(それぞれの統計学的再現性p=0.016およびp=0.009)。
【0125】
実施例4:ブレオマイシンの誘発する肺線維症の測定
マウスへのブレオマイシンの注入は、肺胞内中隔の肥厚を伴う限局性線維病変、肺胞中隔の崩壊、および肺間質へのリンパ球の大量の浸潤を誘発する。このような限局性線維病変を、ブレオマイシン投与後17日目に組織学的に調査する。
【0126】
マウスを実施例2に記載のように処置した。投与の17日目に動物を安楽死させ、各マウスの右肺を切除し、10%ホルマリンで固定し、パラフィン包埋し、切片を作製し、マッソンのトリクローム染色液で染色し、光学顕微鏡で組織学的変化を調べた。ブレオマイシンの誘発した肺の炎症と線維化の形態学的評価を、総表面と比較した肺の線維部分の表面を評価する組織学的切片写真の目視評価より成る半定量的採点法を用いて実施した。図3は、被験化合物(A)についてのこのアッセイ結果を示すものである。図3の縦座標における病理学的評点を、肺の炎症と線維化(病変)の%として定義する。結果を、個々のマウスにつき3枚の切片、そして各群7匹のマウスについての病理学的評点の平均値として示す。したがって、図3中の黒い柱の各々は、以下の条件で処置した動物群A〜Dの、肺の病変の百分率を示す:
【0127】
A群:生理食塩水を滴注したマウス。
B群:ブレオマイシンを滴注し、生理食塩水を経口投与したマウス。
C群:ブレオマイシンを滴注し、2mg/kgの被験化合物(A)を経口投与したマウス。
D群:ブレオマイシンを滴注し、7mg/kgの被験化合物(A)を経口投与したマウス。
図3に示すように、線維病変の組織学的採点は、生理食塩水処置マウスに比して、7および20mg/kgの被験化合物(A)による処置が、ブレオマイシンの誘発する肺の線維化を著明に減少させる事を示している(それぞれの統計学的再現性p=0.016およびp=0.009)。
【0128】
実施例5:ブレオマイシンの誘発する肺コラーゲン含有量の測定
本アッセイの目的は、ブレオマイシン処置マウスの肺におけるヒドロキシプロリン含有量を特に測定することにより、肺線維症の減少を測定することである。ヒドロキシプロリンはコラーゲンの構築に必要なアミノ酸成分である。故に、コラーゲン加水分解後の肺のヒドロキシプロリンの定量は、肺のコラーゲン含有量の好適な指標と考えられる。
【0129】
マウスを実施例2に記載のように処置した。滴注の17日目に動物を安楽死させ、両肺を摘出した。ヒドロキシプロリンの分析により肺の総コラーゲンを測定した。簡潔に述べると、肺をティシュー・ティーラー(Tissue Tearor)を用いてTris-HCl、pH7.6中でホモジナイズし、続いてアンバーライト(Amberlite)中、115℃で一夜インキュベートした。試料にクエン酸/酢酸緩衝液、イソプロパノール、クロラミンTおよびDAB溶液を加え、60℃で30分間静置した。試料を10分間冷却し、分光光度計で560nmで読み取った。図4は被験化合物(A)についてのアッセイ結果を示している。各群12匹のマウスで結果を図4に示す。図4中の黒い柱の各々は、以下の条件下で処置した動物群A〜Eの、肺のヒドロキシプロリン測定値を示す:
【0130】
A群:生理食塩水を滴注したマウス。
B群:ブレオマイシンを滴注し、生理食塩水を経口投与したマウス。
C群:ブレオマイシンを滴注し、2mg/kgの被験化合物(A)を経口投与したマウス。
D群:ブレオマイシンを滴注し、7mg/kgの被験化合物(A)を経口投与したマウス。
【0131】
ブレオマイシン注射後17日目に、肺のヒドロキシプロリン含有量を測定する。生理食塩水処置マウスと比較して、7mg/kgの被験化合物(A)で処置したマウスの肺ヒドロキシプロリン含有量は著明に低いことが判明した(統計学的再現性p=0.009)。
【0132】
実施例6:医薬製剤の製造
以下の製剤例は、本発明に係る代表的医薬組成物を説明するものであるが、本発明はこれらに限定される訳ではない。
【0133】
製剤1 − 錠剤
式(I)により表されるベンザゾール化合物の乾燥粉末を、およそ1:2の重量比で乾燥ゼラチン結合剤と混合する。潤滑剤として少量のステアリン酸マグネシウムを加える。この混合物を錠剤圧縮機で240-270mgの錠剤(錠剤当たり80-90mgの活性ベンザゾール化合物)に成型する。
【0134】
製剤2 − カプセル剤
式Iのベンザゾール化合物の乾燥粉末をおよそ1:1の重量比で澱粉希釈剤と混合する。この混合物を250mgカプセルに充填する(カプセル当たり125mgの活性ベンザゾール化合物)。
【0135】
製剤3 − 液体
式Iのベンザゾール化合物、シュクロースおよびキサンタンガムを混和し、No.10メッシュU.S.ふるいを通し、次いで、前もって製造しておいた微晶質セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムの水溶液と混合する。安息香酸ナトリウム、香料、および着色料を水で希釈し、攪拌しつつ加える。次いで充分量の水を加えて総体積5mLとする。
【0136】
製剤4 − 錠剤
式Iのベンザゾール化合物の乾燥粉末を、およそ1:2の重量比で乾燥ゼラチン結合剤と混合する。潤滑剤として少量のステアリン酸マグネシウムを加える。この混合物を錠剤圧縮機で450-900mgの錠剤(150-300mgの活性ベンザゾール化合物)に成型する。
【0137】
製剤5 − 注射剤
式Iのベンザゾール化合物を、緩衝化無菌注射用生理食塩水水性媒質に溶解し、およそ5mg/mlの濃度とする。
【0138】
参考文献
1. LeRoy, "Increased collagen synthesis by scleroderma skin fibroblasts in vitro" J.Clin.Invest. 54, p.880-89(1974)
2. Leighton, Drugs 61(3) p.419-27(2001)
3. Wigley and Sule, Expert opinion on Investigational Drugs 10(1) p.31-48(2001)
4. The EMBO Journal Vol.18 No.5 p.1345-56(1999)
5. Free Radical Biol.Med., 30(8), p.846-57(2001)
6. Am.J.Physiol., 278(3,Pt.1), C570-C581(English) 2000
7. PNAS, vol.97, p.1778-83(2000) by Kaminski et al.
8. WO9855110
9. EP110957
【0139】
図1〜4は、強皮症の処置のための本発明の化合物の好適性を例示するものである。一例として、(A)と称する被験化合物(即ち1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[4-(モルホリン-4-イルメチル)ベンジル]-オキシ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル)を、ブレオマイシン誘発肺線維症アッセイに使用する。示したデータは、ブレオマイシンによって肺の炎症を誘発するインビボアッセイに基づくものである。ブレオマイシンは、ストレプトミセス・バーティキュリス(Streptomyces verticullis)の産生する、腫瘍の治療に使用される抗生物質である。この薬物に観察される副作用の一つに肺線維症の誘発がある。したがって、ブレオマイシンは当分野で一般に、肺線維症および強皮症のモデルを得るために、動物に肺線維症を人工的に誘発するために使用されている(Kaminski et alによるPNAS, vol.97, p.1778-83(2000)を参照されたい)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
線維性疾患の治療のための、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-クロロ-4-ピリミジニル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2,6-ジメトキシ-4-ピリミジニル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-クロロ-6-メチル-4-ピリミジニル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(メチルスルファニル)-4-ピリミジニル]アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{6-クロロ-5-ニトロ-4-ピリミジニル}アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(ヒドロキシ-4--4-ピリミジニル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-フェニル-4-キナゾリニル)アセトニトリル、
(2-クロロピリミジン-4-イル)[5-(トリフルオロメチル)-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル]アセトニトリル、
(2E)-(2-クロロ-4-ピリミジニル)(3-メチル-1,3-ベンゾチアゾール-2(3H)-イリデン)エタンニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(1H-イミダゾール-5-イル)エチル]アミノ}-4-ピリミジニル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(1-ピペラジニル)-4-ピリミジニル]アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(4-ベンジル-1-ピペリジニル)-4-ピリミジニル]アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(4-メチル-1-ピペラジニル)-4-ピリミジニル]アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(4-モルホリニル)-4-ピリミジニル]アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(メチルアミノ)-4-ピリミジニル]アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{4-[2-(4-モルホリニル)エチル]-1-ピペラジニル}-4-ピリミジニル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[4-(ベンジルオキシ)-1-ピペリジニル]-4-ピリミジニル}アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(4-ヒドロキシ-1-ピペリジニル)-4-ピリミジニル]アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-ヒドラジノ-4-ピリミジニル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}-4-ピリミジニル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(ジメチルアミノ)-4-ピリミジニル]アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(2-メトキシエチル)アミノ]-4-ピリミジニル]アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-4-ピリミジニル]アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(プロピルアミノ)-4-ピリミジニル]アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[3-(1H-イミダゾール-1-イル)プロピル]アミノ}-4-ピリミジニル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(1-ピロリジニル)-4-ピリミジニル]アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(2-フェニルエチル)アミノ]-4-ピリミジニル}アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(2-ピリジニル)エチル]アミノ}-4-ピリミジニル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(2-ピリジニルメチル)アミノ]-4-ピリミジニル}アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[4-(1H-1,2,3-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1-ピペリジニル]-4-ピリミジニル}アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[4-(2-ピラジニル)-1-ピペラジニル]-4-ピリミジニル}アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[4-(2-ピリミジニル)-1-ピペラジニル]-4-ピリミジニル}アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(3-ピリジニル)エチル]アミノ}-4-ピリミジニル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(5-ブロモ-2-{[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}-4-ピリミジニル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(2-モルホリン-4-イルエチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(4-{3-[(トリフルオロメチル)スルホニル]アニリノ}ピペリジン-1-イル)ピリミジン-4-イル]アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[3-(2-オキソピロリジン-1-イル)プロピル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{メチル[3-(メチルアミノ)プロピル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(3-モルホリン-4-イルプロピル)アミノ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(1H-インドール-3-イル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル、
tert-ブチル({4-[1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(シアノ)メチル]ピリミジン-2-イル}アミノ)アセタート、
{2-[(3-アミノプロピル)アミノ]ピリミジン-4-イル}(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)アセトニトリル、
{2-[(2-アミノエチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(2-ピペリジン-1-イルエチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(1-メチル-1H-イミダゾール-5-イル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(ベンジルアミノ)ピリミジン-4-イル]アセトニトリル、
イソプロピル3-({4-[1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(シアノ)メチル]ピリミジン-2-イル}アミノ)プロパノエート、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(3-ヒドロキシプロピル)アミノ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(ピリジン-3-イルメチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル、
(2-アミノピリミジン-4-イル)(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(ピリジン-4-イルメチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル、
tert-ブチル4-[2-({4-[1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(シアノ)メチル]ピリミジン-2-イル}アミノ)エチル]フェニルカルバメート、
(2-{[2-(4-アミノフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(3,4-ジメトキシフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(3-メトキシフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(2-フルオロフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル}アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-({2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}アミノ)ピリミジン-4-イル]アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(2-ヒドロキシ-2-フェニルエチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(2-{[3-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]アミノ}エチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(3-クロロフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(3,4-ジクロロフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(4-メトキシフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(4-メチルフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(3-フルオロフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(4-フェノキシフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(2-フェノキシフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(4-ブロモフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(4-フルオロフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(2-[1,1'-ビフェニル]-4-イルエチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(2-{4-[ヒドロキシ(オキシド)アミノ]フェニル}エチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)エチル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[3-(1H-ピラゾール-1-イル)プロピル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル、
4-[2-({4-[1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(シアノ)メチル]ピリミジン-2-イル}アミノ)エチル]ベンゼンスルホンアミド、
{2-[(2-ピリジン-3-イルエチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}[5-(トリフルオロメチル)-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル]アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(1H-テトラアゾール-5-イルメチル)アミノ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(ベンジルオキシ)ピリミジン-4-イル]アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(4-ピリジン-3-イルベンジル)オキシ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(ピリジン-4-イルメトキシ)ピリミジン-4-イル]アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(ピリジン-2-イルメトキシ)ピリミジン-4-イル]アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(3-ピリジン-2-イルプロポキシ)ピリミジン-4-イル]アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(4-メトキシベンジル)オキシ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(ピリジン-3-イルメトキシ)ピリミジン-4-イル]アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[2-(4-メトキシフェニル)エトキシ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-([1,1'-ビフェニル]-3-イルメトキシ)ピリミジン-4-イル]アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(3,4,5-トリメトキシベンジル)オキシ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(3,4-ジクロロベンジル)オキシ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-({3-[(ジメチルアミノ)メチル]ベンジル}オキシ)ピリミジン-4-イル]アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(1-オキシドピリジン-3-イル)メトキシ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル{2-[(4-ピリジン-2-イルベンジル)オキシ]ピリミジン-4-イル}アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-{[4-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンジル]オキシ}ピリミジン-4-イル)アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(4-メトキシフェノキシ)ピリミジン-4-イル]アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル[2-(4-ブトキシフェノキシ)ピリミジン-4-イル]アセトニトリル、
{2-[4-(4-アセチルピペラジン-1-イル)フェノキシ]ピリミジン-4-イル}(1,3-ベンゾチアゾール-2-イル)アセトニトリル、
[2-(4-メトキシフェノキシ)ピリミジン-4-イル][5-(トリフルオロメチル)-1,3-ベンゾチアゾール-2-イル]アセトニトリル、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(ピリミジン-4-イル)アセトニトリル
N-[2-({4-[1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(シアノ)メチル]ピリミジン-2-イル}アミノ)エチル]-4-クロロベンズアミド、
1,3-ベンゾチアゾール-2-イル(2-メトキシ-4-ピリミジニル)アセトニトリル、又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物。
【請求項2】
ACEインヒビター、カルシウムチャネル遮断剤、プロトンポンプインヒビター、NSAID、COXインヒビター、コルチコステロイド、テトラサイクリン、ペントキシフィリン、ブシラミン、ゲラニルゲラニルトランスフェラーゼインヒビター、ロタリン、プロリル-4-ヒドロキシラーゼインヒビター、c-プロテイナーゼインヒビター、リシルオキシダーゼインヒビター、レラキシン、ハロフギノン、プロスタグランディン、プロスタサイクリン、エンドセリン-1、一酸化窒素、アンギオテンシンIIインヒビターおよび抗酸化剤より成る群から選ばれる抗強皮症物質をさらに含む、請求項に記載の医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−248205(P2010−248205A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−127168(P2010−127168)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【分割の表示】特願2003−548825(P2003−548825)の分割
【原出願日】平成14年12月6日(2002.12.6)
【出願人】(309025524)メルク セローノ ソシエテ アノニム (49)
【Fターム(参考)】