弾性波デバイスおよびその製造方法
【課題】誘電体膜表面の凹凸を抑制し、かつ誘電体膜の膜厚の精度を向上させること。
【解決手段】圧電性基板10と、前記圧電性基板10上に設けられた櫛型電極12と、前記櫛型電極12を覆い、前記櫛型電極12より高い誘電体膜16と、前記圧電性基板10上に設けられ、前記誘電体膜16と同じ高さを有し、少なくとも下部に金属層を含み、最上面は前記誘電体膜16より研磨速度の遅い材料であるストッパ層14と、を具備する弾性波デバイス。
【解決手段】圧電性基板10と、前記圧電性基板10上に設けられた櫛型電極12と、前記櫛型電極12を覆い、前記櫛型電極12より高い誘電体膜16と、前記圧電性基板10上に設けられ、前記誘電体膜16と同じ高さを有し、少なくとも下部に金属層を含み、最上面は前記誘電体膜16より研磨速度の遅い材料であるストッパ層14と、を具備する弾性波デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性波デバイスおよびその製造方法に関し、例えば、櫛型電極を覆う誘電体膜を備える弾性波デバイスおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
弾性波デバイスは、例えば無線機器等のフィルタとして用いられている。弾性波デバイスとして、圧電性基板上に形成された櫛型電極を覆うように誘電体膜が設けられた、例えばラブ波デバイスおよび境界波デバイスが知られている(例えば、特許文献1および2)
【0003】
基板上の溝内に音響多層膜を形成し、CMP(Chemical Mechanical Polish)法を用い研磨する方法が知られている(例えば、特許文献3)。また、Cu膜をCMP法を用い研磨する際に、Alパターンの表面が現れた時点で研磨を終了する技術が知られている(例えば、特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−112748号公報
【特許文献2】国際公開98/52279パンフレット
【特許文献3】特開2008−85562号公報
【特許文献4】特開2001−257550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
櫛型電極を覆うように誘電体膜を形成すると、誘電体膜の表面に凹凸が形成される。誘電体膜の表面に凹凸が形成された場合、弾性波の伝搬ロスが増大していまう。また、誘電体膜の膜厚は弾性波デバイスの温度特性や周波数特性に影響するため、誘電体膜の膜厚を精度よく形成することが要求される。
【0006】
本弾性波デバイスおよびその製造方法は、誘電体膜表面の凹凸を抑制し、かつ誘電体膜の膜厚の精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例えば、圧電性基板と、前記圧電性基板上に設けられた櫛型電極と、前記櫛型電極を覆い、前記櫛型電極より高い誘電体膜と、前記圧電性基板上に設けられ、前記誘電体膜と同じ高さを有し、少なくとも下部に金属層を含み、最上面は前記誘電体膜より研磨速度の遅い材料であるストッパ層と、を具備する弾性波デバイスを用いる。
【0008】
また、例えば、圧電性基板上に櫛型電極を形成する工程と、前記圧電性基板上に少なくとも下部に金属層を含むストッパ層を形成する工程と、前記櫛型電極と前記ストッパ層とを覆うように、前記ストッパ層の最上面の材料より研磨速度の速い誘電体膜を形成する工程と、前記ストッパ層で研磨が停止するように、誘電体膜を研磨する工程と、を含むことを特徴とする弾性波デバイスの製造方法を用いる。
【発明の効果】
【0009】
本弾性波デバイスおよびその製造方法によれば、誘電体膜表面の凹凸を抑制し、かつ誘電体膜の膜厚の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1(a)は、実施例1の弾性波デバイスの上面図、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である
【図2】図2(a)から図2(d)は、実施例1の製造工程を示す断面図である。
【図3】図3(a)および図3(b)は、実施例2の断面図である。
【図4】図4は、実施例3のラダー型フィルタの上面図である。
【図5】図5は、図4のB−B断面図である。
【図6】図6は、実施例4のラダー型フィルタの上面図である。
【図7】図7は、図6のB−B断面図である。
【図8】図8は、実施例5のラダー型フィルタの上面図である。
【図9】図9は、図8のB−B断面図である。
【図10】図10は、実施例6のラダー型フィルタの上面図である。
【図11】図11は、実施例6のラダー型フィルタの別の例の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照に本発明に係る実施例について説明する。
【実施例1】
【0012】
実施例1は、ラブ波デバイスの1ポート共振器の例である。図1(a)は、実施例1の弾性波デバイスの上面図、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。図1(a)および図1(b)のように、例えばLiNbO3(ニオブ酸リチウム)基板またはLiTaO3(タンタル酸リチウム)基板等の圧電性基板10上に、例えばCu(銅)またはAl(アルミニウム)等の金属を含む櫛型電極12および反射器13が形成されている。共振器は、櫛型電極12と櫛型電極12の両側に設けられた反射器13とを備えている。櫛型電極12と反射器13とは複数の電極指を備えている。
【0013】
例えば酸化シリコン(SiO2)膜等の誘電体膜16は圧電性基板10上に櫛型電極12を覆い櫛型電極12より高く設けられている。つまり、誘電体膜16の上面は櫛型電極12の上面より高い。圧電性基板10上には、櫛型電極12の弾性波が伝搬する方向にストッパ層14が設けられている。ストッパ層14は誘電体膜16の上面と同じ高さを有している。例えば、ストッパ層14の上面と誘電体膜16の上面とは、実質的に平坦である。ストッパ層14は少なくとも下部に金属層を含んでいる。ストッパ層14の最上面は誘電体膜16より研磨速度の遅い材料である。
【0014】
2つの櫛型電極12のうち一方の電極指で励振した弾性波は、圧電性基板10と誘電体膜16との境界付近を伝搬する。弾性波は、反射器13で反射される。弾性波により2つの櫛型電極12のうち他方の電極指に電気信号が発生する。電気信号は、電極指の周期等に対応する周波数で共振する。
【0015】
図2(a)から図2(d)は、実施例1の製造工程を示す図である。図2(a)のように、圧電性基板10上にスパッタリング法または蒸着法を用い金属膜を形成する。金属膜の所定領域を除去することにより、圧電性基板10上に櫛型電極12および反射器13を形成する。所定領域を除去する方法は、エッチング法でもよいし、リフトオフ法でもよい。櫛型電極12および反射器13の膜厚は例えば100〜200nmとすることができる。図2(b)のように、圧電性基板10上にストッパ層14を形成する。ストッパ層14の最上面は誘電体膜16より研磨速度の遅い材料とする。ストッパ層14は例えばCuを主成分とする。ストッパ層14の形成は、例えばスパッタリング法、蒸着法またはメッキ法を用いることができる。ストッパ層14の膜厚は、例えば300nmから1000nmとすることができる。
【0016】
図2(c)のように、圧電性基板10上に、櫛型電極12および反射器13およびストッパ層14を覆うように誘電体膜16を形成する。誘電体膜16の形成は、例えばスパッタリング法またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いる。この工程では、誘電体膜16の最も低い上面がストッパ層14の上面より高くなるように誘電体膜16を形成することが好ましい。図2(d)のように、ストッパ層14で研磨が停止するように、誘電体膜16をCMP法を用い研磨する。例えば、誘電体膜16が酸化シリコン膜を主に含む場合、研磨剤としては、シリカ(SiO2)系、セリア(CeO2)系またはアルミナ(Al2O3)系を用いることができる。これらの研磨剤を用いた場合、Cuの研磨速度は酸化シリコンより遅い。よって、ストッパ層14の上面付近で研磨が停止する。
【0017】
実施例1によれば、ストッパ層14の最上面は誘電体膜16より研磨速度が遅い材料である。例えば、ストッパ層14は誘電体膜16より硬い材料である。よって、図2(c)において、誘電体膜16の研磨をストッパ層14の上面付近で停止させることができる。これにより、ストッパ層14と誘電体膜16との高さは同じとなる。このように、誘電体膜16を研磨することにより、誘電体膜16の上面の凹凸を抑制することができる。また、ストッパ層14により誘電体膜16の膜厚の精度を向上させることができる。よって、ラブ波デバイスの弾性波の伝搬ロスを抑制することができる。また、ラブ波デバイスの温度特性や周波数特性を制御することができる。
【0018】
さらに、ストッパ層14は少なくとも下部に金属層を含むことにより、ストッパ層14を例えば配線として用いることができる。ストッパ層14の最下層は櫛型電極12と同じ材料でもよい。例えば、図2(a)において、ストッパ層14の最下層を櫛型電極12と同時に形成し、図2(b)において、最下層上に金属層を形成しストッパ層14としてもよい。
【0019】
さらに、ストッパ層14が、櫛型電極12の弾性波が伝搬する方向に設けられている。弾性波デバイスは弾性波の伝搬方向に長くなる。よって、弾性波の伝搬方向にストッパ層14を設けることにより、誘電体膜16上面の凹凸をより抑制することができる。ストッパ層14は、櫛型電極12の弾性波の伝搬方向の両側に設けることが好ましい。
【0020】
実施例1において、誘電体膜16は誘電体膜であればよいが、例えば酸化シリコンを主成分とすることが好ましい。これにより、弾性波デバイスの温度特性を向上させることができる。誘電体膜16は、圧電性基板10上に形成することにより、弾性波デバイスの温度特性が改善するような膜であることが好ましい。櫛型電極12はCuを主成分とすることが好ましい。Cuは密度が高いため、櫛型電極12の励振効率を向上させることができる。
【実施例2】
【0021】
実施例2はストッパ層が少なくとも2層の例である。図3(a)および図3(b)は、実施例2の断面図である。図3(a)を参照し、ストッパ層14は、圧電性基板10上に設けられた金属層20と、金属層20上に設けられ、ストッパ層14の最上層を形成する最上金属層22aとを含んでいる。最上金属層22aは金属であり金属層20より研磨速度の遅い。金属層20は、例えば最上金属層22aより比抵抗の小さいCu、Au(金)またはAlである。最上金属層22aは、例えば金属層20より硬く研磨速度の遅いW(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)である。図3(a)の例によれば、金属層20は抵抗が低いため、ストッパ層14を配線に用いた場合の配線抵抗を低減することができる。一方、最上金属層22aの研磨速度が遅いため、誘電体膜16の膜厚の精度をより向上させることができる。
【0022】
図3(b)を参照し、ストッパ層14は、圧電性基板10上に設けられた金属層20と、ストッパ層14の最上面の材料層22bとを含んでいる。例えば、誘電体膜16は酸化シリコン膜であり、材料層22bは窒化シリコン膜である。誘電体膜16が酸化シリコンを主成分とする場合、材料層22bを窒化シリコンを主成分とする。これにより、材料層22bの研磨速度を誘電体膜16より遅くすることができる。また、材料層22bを窒化シリコンとすることにより、Cuが誘電体膜16に拡散することを抑制することもできる。このように、材料層22bは絶縁膜でもよい。
【0023】
実施例2によれば、ストッパ層14の最上面の材料層22b(または最上金属層22a)を、ストッパ層14の少なくとも下部に含まれる金属層20より研磨速度の遅い材料とする。これにより、誘電体膜16の膜厚の精度をより向上させることができる。材料層22b(または最上金属層22a)の膜厚は、金属層20より薄いことが好ましい。これにより、ストッパ層14の抵抗を低減することができる。
【実施例3】
【0024】
実施例3は、実施例1をラダー型フィルタに用いる例である。図4は、実施例4のラダー型フィルタの上面図である。図4のハッチング領域はストッパ層を示している。圧電性基板10上に直列共振器S1〜S4、並列共振器P1〜P3、ストッパ層14および配線30が設けられている。直列共振器S1〜S4は、入力パッドInと出力パッドOutとの間に直列に接続されている。並列共振器P1は、直列共振器S1とS2との間のノードとグランドパッドGndとの間に接続されている。並列共振器P2は、直列共振器S3とS4との間のノードとグランドパッドGndとの間に接続されている。各共振器間および共振器とパッドとの間は配線30で接続されている。各共振器の弾性波の伝搬方向の両側にはストッパ層14が設けられている。
【0025】
図5は、図4のB−B断面図である。配線30は圧電性基板10上に形成され、誘電体膜16は配線30を覆っている。
【0026】
実施例3のように、ストッパ層14は配線30とは別に設けられてもよい。配線30はストッパ層14の一部の層と共通の材料でもよい。例えば、実施例2の金属層20は配線30を兼ねてもよい。この場合、配線30は金属層20と同時に形成してもよい。配線30の膜厚と金属層20の膜厚とはほぼ同じとなる。配線30はストッパ層14より薄いため、誘電体膜16を研磨する際、研磨がストッパ層14の上面付近で停止する。よって、配線30の上面は、図5のように誘電体膜16で覆われる。金属層20が配線30を兼ねることにより、金属層20と配線30とを同時に形成でき、製造工程を簡略化することができる。
【実施例4】
【0027】
図6は、実施例4のラダー型フィルタの上面図である。図7は、図6のB−B断面図である。図7のように、配線30はストッパ層14と同じ構造である。その他の構造は実施例3と同じである。実施例4では、ストッパ層14は配線30を兼ねている。さらに、配線30とは別に共振器の両側にストッパ層14が設けられている。このように、ストッパ層14は配線30を兼ねてもよい。ストッパ層14が配線30を兼ねることにより、ストッパ層14を配線30と同時に形成することができる。よって、製造工程を簡略化することができる。
【0028】
櫛型電極12間を接続する配線は櫛型電極12の弾性波の伝搬方向とは交差する方向に設けられる。よって、櫛型電極12の弾性波の伝搬方向の両側にストッパ層14を設けることにより、櫛型電極12の四方にストッパ層14が設けられることになる。これにより、櫛型電極12上の誘電体膜の膜厚の精度をより向上させることができる。
【実施例5】
【0029】
図8は、実施例5のラダー型フィルタの上面図である。図9は、図8のB−B断面図である。図8および図9のように、配線30がストッパ層14を兼ね、配線以外にストッパ層14は設けられていない。その他の構造は実施例4と同じである。実施例5のように、配線30以外にストッパ層14を設けなくてもよい。
【実施例6】
【0030】
図10は、実施例6のラダー型フィルタの上面図である。図10のように、ストッパ層14は、反射器の4辺のうち櫛型電極に接する辺以外の3辺に設けられている。その他の構成は実施例3の図4と同じである。このように、ストッパ層14を反射器の2辺以上に設けることにより、共振器上の誘電体膜16の上面の凹凸をより抑制し、誘電体膜16の膜厚の精度をより向上させることができる。
【0031】
図11は、実施例6のラダー型フィルタの別の例である。図11のように、ストッパ層14は、反射器の4辺のうち櫛型電極に接する辺以外の3辺に設けられている。その他の構成は実施例4の図6と同じである。図11では、図10に加え、ストッパ層14である配線30が櫛型電極の反射器に接する辺以外の2辺に設けられている。このように、櫛型電極および反射器の辺のうちストッパ層14を設けることのできる全ての辺にストッパ層14を設けることにより、共振器上の誘電体膜16の上面の凹凸をより抑制し、誘電体膜16の膜厚の精度をより向上させることができる。
【0032】
実施例1から実施例6として、ラブ波デバイスを例に説明したが、境界波デバイスに実施例1から実施例6のストッパ層14を適用することもできる。また、ストッパ層14を1ポート共振器に適用した例を示したが、多重モードフィルタに適用することもできる。
【0033】
実施例1から実施例6において、ストッパ層14および誘電体膜16の高さが同じとは、図2(d)のような研磨により誘電体膜16がストッパ層14より低くなることを許容する程度に実質的に同じ高さを意味するものである。また、誘電体膜16の上面が平坦とは、研磨に起因した凹凸を許容する程度に実質的に平坦を意味するものである。
【0034】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0035】
以上、実施例1〜6を含む実施形態に関し、さらに、以下に付記を開示する。
【0036】
付記1:
圧電性基板と、
前記圧電性基板上に設けられた櫛型電極と、
前記櫛型電極を覆い、前記櫛型電極より高い誘電体膜と、
前記圧電性基板上に設けられ、前記誘電体膜と実質的に同じ高さを有し、少なくとも下部に金属層を含み、最上面は前記誘電体膜より研磨速度の遅い材料であるストッパ層と、
を具備する弾性波デバイス。
付記2:
前記金属層は、前記櫛型電極間を接続する配線を兼ねる付記1記載の弾性波デバイス。
付記3:
前記ストッパ層は、前記櫛型電極の弾性波が伝搬する方向に設けられている付記1記載の弾性波デバイス。
付記4:
前記ストッパ層の最上面の材料層は、前記金属層より研磨速度の遅い付記1から3のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
付記5:
前記誘電体膜の上面は実質的に平坦である付記1から4のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
付記6:
前記金属層は、前記圧電性基板上に設けられ、
前記ストッパ層は、前記金属層上に設けられ、前記ストッパ層の最上層を形成し、前記金属層より研磨速度の遅い最上金属層を含む付記4記載の弾性波デバイス。
付記7:
前記櫛型電極は銅を主成分とする付記1から6のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
付記8:
前記誘電体膜は酸化シリコンを主成分とする付記1から7のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
付記9:
前記ストッパ層の最上面の材料層は窒化シリコンを主成分とする付記8記載の弾性波デバイス。
付記10:
圧電性基板上に櫛型電極を形成する工程と、
前記圧電性基板上に少なくとも下部に金属層を含むストッパ層を形成する工程と、
前記櫛型電極と前記ストッパ層とを覆うように、前記ストッパ層の最上面の材料より研磨速度の速い誘電体膜を形成する工程と、
前記ストッパ層で研磨が停止するように、誘電体膜を研磨する工程と、
を含む弾性波デバイスの製造方法。
付記11
前記金属層は、前記櫛型電極間を接続する配線を兼ねる付記10記載の弾性波デバイスの製造方法。
付記12
前記ストッパ層は、前記櫛型電極の弾性波が伝搬する方向に設けられている付記10記載の弾性波デバイスの製造方法。
付記13
前記ストッパ層の最上面の材料層は、前記金属層より研磨速度が遅い付記10から12のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
【符号の説明】
【0037】
10 基板
12 櫛型電極
14 ストッパ層
16 誘電体膜
20 金属層
22a 最上金属層
22b 材料層
30 配線
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性波デバイスおよびその製造方法に関し、例えば、櫛型電極を覆う誘電体膜を備える弾性波デバイスおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
弾性波デバイスは、例えば無線機器等のフィルタとして用いられている。弾性波デバイスとして、圧電性基板上に形成された櫛型電極を覆うように誘電体膜が設けられた、例えばラブ波デバイスおよび境界波デバイスが知られている(例えば、特許文献1および2)
【0003】
基板上の溝内に音響多層膜を形成し、CMP(Chemical Mechanical Polish)法を用い研磨する方法が知られている(例えば、特許文献3)。また、Cu膜をCMP法を用い研磨する際に、Alパターンの表面が現れた時点で研磨を終了する技術が知られている(例えば、特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−112748号公報
【特許文献2】国際公開98/52279パンフレット
【特許文献3】特開2008−85562号公報
【特許文献4】特開2001−257550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
櫛型電極を覆うように誘電体膜を形成すると、誘電体膜の表面に凹凸が形成される。誘電体膜の表面に凹凸が形成された場合、弾性波の伝搬ロスが増大していまう。また、誘電体膜の膜厚は弾性波デバイスの温度特性や周波数特性に影響するため、誘電体膜の膜厚を精度よく形成することが要求される。
【0006】
本弾性波デバイスおよびその製造方法は、誘電体膜表面の凹凸を抑制し、かつ誘電体膜の膜厚の精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
例えば、圧電性基板と、前記圧電性基板上に設けられた櫛型電極と、前記櫛型電極を覆い、前記櫛型電極より高い誘電体膜と、前記圧電性基板上に設けられ、前記誘電体膜と同じ高さを有し、少なくとも下部に金属層を含み、最上面は前記誘電体膜より研磨速度の遅い材料であるストッパ層と、を具備する弾性波デバイスを用いる。
【0008】
また、例えば、圧電性基板上に櫛型電極を形成する工程と、前記圧電性基板上に少なくとも下部に金属層を含むストッパ層を形成する工程と、前記櫛型電極と前記ストッパ層とを覆うように、前記ストッパ層の最上面の材料より研磨速度の速い誘電体膜を形成する工程と、前記ストッパ層で研磨が停止するように、誘電体膜を研磨する工程と、を含むことを特徴とする弾性波デバイスの製造方法を用いる。
【発明の効果】
【0009】
本弾性波デバイスおよびその製造方法によれば、誘電体膜表面の凹凸を抑制し、かつ誘電体膜の膜厚の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1(a)は、実施例1の弾性波デバイスの上面図、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である
【図2】図2(a)から図2(d)は、実施例1の製造工程を示す断面図である。
【図3】図3(a)および図3(b)は、実施例2の断面図である。
【図4】図4は、実施例3のラダー型フィルタの上面図である。
【図5】図5は、図4のB−B断面図である。
【図6】図6は、実施例4のラダー型フィルタの上面図である。
【図7】図7は、図6のB−B断面図である。
【図8】図8は、実施例5のラダー型フィルタの上面図である。
【図9】図9は、図8のB−B断面図である。
【図10】図10は、実施例6のラダー型フィルタの上面図である。
【図11】図11は、実施例6のラダー型フィルタの別の例の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照に本発明に係る実施例について説明する。
【実施例1】
【0012】
実施例1は、ラブ波デバイスの1ポート共振器の例である。図1(a)は、実施例1の弾性波デバイスの上面図、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。図1(a)および図1(b)のように、例えばLiNbO3(ニオブ酸リチウム)基板またはLiTaO3(タンタル酸リチウム)基板等の圧電性基板10上に、例えばCu(銅)またはAl(アルミニウム)等の金属を含む櫛型電極12および反射器13が形成されている。共振器は、櫛型電極12と櫛型電極12の両側に設けられた反射器13とを備えている。櫛型電極12と反射器13とは複数の電極指を備えている。
【0013】
例えば酸化シリコン(SiO2)膜等の誘電体膜16は圧電性基板10上に櫛型電極12を覆い櫛型電極12より高く設けられている。つまり、誘電体膜16の上面は櫛型電極12の上面より高い。圧電性基板10上には、櫛型電極12の弾性波が伝搬する方向にストッパ層14が設けられている。ストッパ層14は誘電体膜16の上面と同じ高さを有している。例えば、ストッパ層14の上面と誘電体膜16の上面とは、実質的に平坦である。ストッパ層14は少なくとも下部に金属層を含んでいる。ストッパ層14の最上面は誘電体膜16より研磨速度の遅い材料である。
【0014】
2つの櫛型電極12のうち一方の電極指で励振した弾性波は、圧電性基板10と誘電体膜16との境界付近を伝搬する。弾性波は、反射器13で反射される。弾性波により2つの櫛型電極12のうち他方の電極指に電気信号が発生する。電気信号は、電極指の周期等に対応する周波数で共振する。
【0015】
図2(a)から図2(d)は、実施例1の製造工程を示す図である。図2(a)のように、圧電性基板10上にスパッタリング法または蒸着法を用い金属膜を形成する。金属膜の所定領域を除去することにより、圧電性基板10上に櫛型電極12および反射器13を形成する。所定領域を除去する方法は、エッチング法でもよいし、リフトオフ法でもよい。櫛型電極12および反射器13の膜厚は例えば100〜200nmとすることができる。図2(b)のように、圧電性基板10上にストッパ層14を形成する。ストッパ層14の最上面は誘電体膜16より研磨速度の遅い材料とする。ストッパ層14は例えばCuを主成分とする。ストッパ層14の形成は、例えばスパッタリング法、蒸着法またはメッキ法を用いることができる。ストッパ層14の膜厚は、例えば300nmから1000nmとすることができる。
【0016】
図2(c)のように、圧電性基板10上に、櫛型電極12および反射器13およびストッパ層14を覆うように誘電体膜16を形成する。誘電体膜16の形成は、例えばスパッタリング法またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いる。この工程では、誘電体膜16の最も低い上面がストッパ層14の上面より高くなるように誘電体膜16を形成することが好ましい。図2(d)のように、ストッパ層14で研磨が停止するように、誘電体膜16をCMP法を用い研磨する。例えば、誘電体膜16が酸化シリコン膜を主に含む場合、研磨剤としては、シリカ(SiO2)系、セリア(CeO2)系またはアルミナ(Al2O3)系を用いることができる。これらの研磨剤を用いた場合、Cuの研磨速度は酸化シリコンより遅い。よって、ストッパ層14の上面付近で研磨が停止する。
【0017】
実施例1によれば、ストッパ層14の最上面は誘電体膜16より研磨速度が遅い材料である。例えば、ストッパ層14は誘電体膜16より硬い材料である。よって、図2(c)において、誘電体膜16の研磨をストッパ層14の上面付近で停止させることができる。これにより、ストッパ層14と誘電体膜16との高さは同じとなる。このように、誘電体膜16を研磨することにより、誘電体膜16の上面の凹凸を抑制することができる。また、ストッパ層14により誘電体膜16の膜厚の精度を向上させることができる。よって、ラブ波デバイスの弾性波の伝搬ロスを抑制することができる。また、ラブ波デバイスの温度特性や周波数特性を制御することができる。
【0018】
さらに、ストッパ層14は少なくとも下部に金属層を含むことにより、ストッパ層14を例えば配線として用いることができる。ストッパ層14の最下層は櫛型電極12と同じ材料でもよい。例えば、図2(a)において、ストッパ層14の最下層を櫛型電極12と同時に形成し、図2(b)において、最下層上に金属層を形成しストッパ層14としてもよい。
【0019】
さらに、ストッパ層14が、櫛型電極12の弾性波が伝搬する方向に設けられている。弾性波デバイスは弾性波の伝搬方向に長くなる。よって、弾性波の伝搬方向にストッパ層14を設けることにより、誘電体膜16上面の凹凸をより抑制することができる。ストッパ層14は、櫛型電極12の弾性波の伝搬方向の両側に設けることが好ましい。
【0020】
実施例1において、誘電体膜16は誘電体膜であればよいが、例えば酸化シリコンを主成分とすることが好ましい。これにより、弾性波デバイスの温度特性を向上させることができる。誘電体膜16は、圧電性基板10上に形成することにより、弾性波デバイスの温度特性が改善するような膜であることが好ましい。櫛型電極12はCuを主成分とすることが好ましい。Cuは密度が高いため、櫛型電極12の励振効率を向上させることができる。
【実施例2】
【0021】
実施例2はストッパ層が少なくとも2層の例である。図3(a)および図3(b)は、実施例2の断面図である。図3(a)を参照し、ストッパ層14は、圧電性基板10上に設けられた金属層20と、金属層20上に設けられ、ストッパ層14の最上層を形成する最上金属層22aとを含んでいる。最上金属層22aは金属であり金属層20より研磨速度の遅い。金属層20は、例えば最上金属層22aより比抵抗の小さいCu、Au(金)またはAlである。最上金属層22aは、例えば金属層20より硬く研磨速度の遅いW(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)である。図3(a)の例によれば、金属層20は抵抗が低いため、ストッパ層14を配線に用いた場合の配線抵抗を低減することができる。一方、最上金属層22aの研磨速度が遅いため、誘電体膜16の膜厚の精度をより向上させることができる。
【0022】
図3(b)を参照し、ストッパ層14は、圧電性基板10上に設けられた金属層20と、ストッパ層14の最上面の材料層22bとを含んでいる。例えば、誘電体膜16は酸化シリコン膜であり、材料層22bは窒化シリコン膜である。誘電体膜16が酸化シリコンを主成分とする場合、材料層22bを窒化シリコンを主成分とする。これにより、材料層22bの研磨速度を誘電体膜16より遅くすることができる。また、材料層22bを窒化シリコンとすることにより、Cuが誘電体膜16に拡散することを抑制することもできる。このように、材料層22bは絶縁膜でもよい。
【0023】
実施例2によれば、ストッパ層14の最上面の材料層22b(または最上金属層22a)を、ストッパ層14の少なくとも下部に含まれる金属層20より研磨速度の遅い材料とする。これにより、誘電体膜16の膜厚の精度をより向上させることができる。材料層22b(または最上金属層22a)の膜厚は、金属層20より薄いことが好ましい。これにより、ストッパ層14の抵抗を低減することができる。
【実施例3】
【0024】
実施例3は、実施例1をラダー型フィルタに用いる例である。図4は、実施例4のラダー型フィルタの上面図である。図4のハッチング領域はストッパ層を示している。圧電性基板10上に直列共振器S1〜S4、並列共振器P1〜P3、ストッパ層14および配線30が設けられている。直列共振器S1〜S4は、入力パッドInと出力パッドOutとの間に直列に接続されている。並列共振器P1は、直列共振器S1とS2との間のノードとグランドパッドGndとの間に接続されている。並列共振器P2は、直列共振器S3とS4との間のノードとグランドパッドGndとの間に接続されている。各共振器間および共振器とパッドとの間は配線30で接続されている。各共振器の弾性波の伝搬方向の両側にはストッパ層14が設けられている。
【0025】
図5は、図4のB−B断面図である。配線30は圧電性基板10上に形成され、誘電体膜16は配線30を覆っている。
【0026】
実施例3のように、ストッパ層14は配線30とは別に設けられてもよい。配線30はストッパ層14の一部の層と共通の材料でもよい。例えば、実施例2の金属層20は配線30を兼ねてもよい。この場合、配線30は金属層20と同時に形成してもよい。配線30の膜厚と金属層20の膜厚とはほぼ同じとなる。配線30はストッパ層14より薄いため、誘電体膜16を研磨する際、研磨がストッパ層14の上面付近で停止する。よって、配線30の上面は、図5のように誘電体膜16で覆われる。金属層20が配線30を兼ねることにより、金属層20と配線30とを同時に形成でき、製造工程を簡略化することができる。
【実施例4】
【0027】
図6は、実施例4のラダー型フィルタの上面図である。図7は、図6のB−B断面図である。図7のように、配線30はストッパ層14と同じ構造である。その他の構造は実施例3と同じである。実施例4では、ストッパ層14は配線30を兼ねている。さらに、配線30とは別に共振器の両側にストッパ層14が設けられている。このように、ストッパ層14は配線30を兼ねてもよい。ストッパ層14が配線30を兼ねることにより、ストッパ層14を配線30と同時に形成することができる。よって、製造工程を簡略化することができる。
【0028】
櫛型電極12間を接続する配線は櫛型電極12の弾性波の伝搬方向とは交差する方向に設けられる。よって、櫛型電極12の弾性波の伝搬方向の両側にストッパ層14を設けることにより、櫛型電極12の四方にストッパ層14が設けられることになる。これにより、櫛型電極12上の誘電体膜の膜厚の精度をより向上させることができる。
【実施例5】
【0029】
図8は、実施例5のラダー型フィルタの上面図である。図9は、図8のB−B断面図である。図8および図9のように、配線30がストッパ層14を兼ね、配線以外にストッパ層14は設けられていない。その他の構造は実施例4と同じである。実施例5のように、配線30以外にストッパ層14を設けなくてもよい。
【実施例6】
【0030】
図10は、実施例6のラダー型フィルタの上面図である。図10のように、ストッパ層14は、反射器の4辺のうち櫛型電極に接する辺以外の3辺に設けられている。その他の構成は実施例3の図4と同じである。このように、ストッパ層14を反射器の2辺以上に設けることにより、共振器上の誘電体膜16の上面の凹凸をより抑制し、誘電体膜16の膜厚の精度をより向上させることができる。
【0031】
図11は、実施例6のラダー型フィルタの別の例である。図11のように、ストッパ層14は、反射器の4辺のうち櫛型電極に接する辺以外の3辺に設けられている。その他の構成は実施例4の図6と同じである。図11では、図10に加え、ストッパ層14である配線30が櫛型電極の反射器に接する辺以外の2辺に設けられている。このように、櫛型電極および反射器の辺のうちストッパ層14を設けることのできる全ての辺にストッパ層14を設けることにより、共振器上の誘電体膜16の上面の凹凸をより抑制し、誘電体膜16の膜厚の精度をより向上させることができる。
【0032】
実施例1から実施例6として、ラブ波デバイスを例に説明したが、境界波デバイスに実施例1から実施例6のストッパ層14を適用することもできる。また、ストッパ層14を1ポート共振器に適用した例を示したが、多重モードフィルタに適用することもできる。
【0033】
実施例1から実施例6において、ストッパ層14および誘電体膜16の高さが同じとは、図2(d)のような研磨により誘電体膜16がストッパ層14より低くなることを許容する程度に実質的に同じ高さを意味するものである。また、誘電体膜16の上面が平坦とは、研磨に起因した凹凸を許容する程度に実質的に平坦を意味するものである。
【0034】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0035】
以上、実施例1〜6を含む実施形態に関し、さらに、以下に付記を開示する。
【0036】
付記1:
圧電性基板と、
前記圧電性基板上に設けられた櫛型電極と、
前記櫛型電極を覆い、前記櫛型電極より高い誘電体膜と、
前記圧電性基板上に設けられ、前記誘電体膜と実質的に同じ高さを有し、少なくとも下部に金属層を含み、最上面は前記誘電体膜より研磨速度の遅い材料であるストッパ層と、
を具備する弾性波デバイス。
付記2:
前記金属層は、前記櫛型電極間を接続する配線を兼ねる付記1記載の弾性波デバイス。
付記3:
前記ストッパ層は、前記櫛型電極の弾性波が伝搬する方向に設けられている付記1記載の弾性波デバイス。
付記4:
前記ストッパ層の最上面の材料層は、前記金属層より研磨速度の遅い付記1から3のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
付記5:
前記誘電体膜の上面は実質的に平坦である付記1から4のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
付記6:
前記金属層は、前記圧電性基板上に設けられ、
前記ストッパ層は、前記金属層上に設けられ、前記ストッパ層の最上層を形成し、前記金属層より研磨速度の遅い最上金属層を含む付記4記載の弾性波デバイス。
付記7:
前記櫛型電極は銅を主成分とする付記1から6のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
付記8:
前記誘電体膜は酸化シリコンを主成分とする付記1から7のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
付記9:
前記ストッパ層の最上面の材料層は窒化シリコンを主成分とする付記8記載の弾性波デバイス。
付記10:
圧電性基板上に櫛型電極を形成する工程と、
前記圧電性基板上に少なくとも下部に金属層を含むストッパ層を形成する工程と、
前記櫛型電極と前記ストッパ層とを覆うように、前記ストッパ層の最上面の材料より研磨速度の速い誘電体膜を形成する工程と、
前記ストッパ層で研磨が停止するように、誘電体膜を研磨する工程と、
を含む弾性波デバイスの製造方法。
付記11
前記金属層は、前記櫛型電極間を接続する配線を兼ねる付記10記載の弾性波デバイスの製造方法。
付記12
前記ストッパ層は、前記櫛型電極の弾性波が伝搬する方向に設けられている付記10記載の弾性波デバイスの製造方法。
付記13
前記ストッパ層の最上面の材料層は、前記金属層より研磨速度が遅い付記10から12のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
【符号の説明】
【0037】
10 基板
12 櫛型電極
14 ストッパ層
16 誘電体膜
20 金属層
22a 最上金属層
22b 材料層
30 配線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電性基板と、
前記圧電性基板上に設けられた櫛型電極と、
前記櫛型電極を覆い、前記櫛型電極より高い誘電体膜と、
前記圧電性基板上に設けられ、前記誘電体膜と同じ高さを有し、少なくとも下部に金属層を含み、最上面は前記誘電体膜より研磨速度の遅い材料であるストッパ層と、
を具備する弾性波デバイス。
【請求項2】
前記金属層は、前記櫛型電極間を接続する配線を兼ねる請求項1記載の弾性波デバイス。
【請求項3】
前記ストッパ層は、前記櫛型電極の弾性波が伝搬する方向に設けられている請求項1記載の弾性波デバイス。
【請求項4】
前記ストッパ層の最上面の材料層は、前記金属層より研磨速度の遅い請求項1から3のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
【請求項5】
前記誘電体膜の上面は平坦である請求項1から4のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
【請求項6】
圧電性基板上に櫛型電極を形成する工程と、
前記圧電性基板上に少なくとも下部に金属層を含むストッパ層を形成する工程と、
前記櫛型電極と前記ストッパ層とを覆うように、前記ストッパ層の最上面の材料より研磨速度の速い誘電体膜を形成する工程と、
前記ストッパ層で研磨が停止するように、誘電体膜を研磨する工程と、
を含む弾性波デバイスの製造方法。
【請求項7】
前記金属層は、前記櫛型電極間を接続する配線を兼ねる請求項6記載の弾性波デバイスの製造方法。
【請求項8】
前記ストッパ層は、前記櫛型電極の弾性波が伝搬する方向に設けられている請求項6記載の弾性波デバイスの製造方法。
【請求項9】
前記ストッパ層の最上面の材料層は、前記金属層より研磨速度が遅い請求項6から8のいずれか一項記載の弾性波デバイスの製造方法。
【請求項1】
圧電性基板と、
前記圧電性基板上に設けられた櫛型電極と、
前記櫛型電極を覆い、前記櫛型電極より高い誘電体膜と、
前記圧電性基板上に設けられ、前記誘電体膜と同じ高さを有し、少なくとも下部に金属層を含み、最上面は前記誘電体膜より研磨速度の遅い材料であるストッパ層と、
を具備する弾性波デバイス。
【請求項2】
前記金属層は、前記櫛型電極間を接続する配線を兼ねる請求項1記載の弾性波デバイス。
【請求項3】
前記ストッパ層は、前記櫛型電極の弾性波が伝搬する方向に設けられている請求項1記載の弾性波デバイス。
【請求項4】
前記ストッパ層の最上面の材料層は、前記金属層より研磨速度の遅い請求項1から3のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
【請求項5】
前記誘電体膜の上面は平坦である請求項1から4のいずれか一項記載の弾性波デバイス。
【請求項6】
圧電性基板上に櫛型電極を形成する工程と、
前記圧電性基板上に少なくとも下部に金属層を含むストッパ層を形成する工程と、
前記櫛型電極と前記ストッパ層とを覆うように、前記ストッパ層の最上面の材料より研磨速度の速い誘電体膜を形成する工程と、
前記ストッパ層で研磨が停止するように、誘電体膜を研磨する工程と、
を含む弾性波デバイスの製造方法。
【請求項7】
前記金属層は、前記櫛型電極間を接続する配線を兼ねる請求項6記載の弾性波デバイスの製造方法。
【請求項8】
前記ストッパ層は、前記櫛型電極の弾性波が伝搬する方向に設けられている請求項6記載の弾性波デバイスの製造方法。
【請求項9】
前記ストッパ層の最上面の材料層は、前記金属層より研磨速度が遅い請求項6から8のいずれか一項記載の弾性波デバイスの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−41134(P2011−41134A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−188525(P2009−188525)
【出願日】平成21年8月17日(2009.8.17)
【出願人】(000204284)太陽誘電株式会社 (964)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月17日(2009.8.17)
【出願人】(000204284)太陽誘電株式会社 (964)
【Fターム(参考)】
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