説明

弾性波装置及びその製造方法

【課題】振動空間の密閉性を向上できる弾性波装置を提供する。
【解決手段】SAW装置1は、基板3と、基板3の第1主面3aに設けられたSAW素子11と、カバー5とを有する。カバー5は、第1主面3aの平面視においてSAW素子11を囲む枠部35と、枠部35の開口を塞ぐ蓋部37とを有する。また、SAW装置1は、枠部35の内壁面35aから枠部35の枠内の第1主面3a上にかけて形成された絶縁膜43を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性表面波(SAW:surface acoustic wave)装置や圧電薄膜共振器(FBAR:Film Bulk Acoustic Resonator)等の弾性波装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
弾性波装置においては、弾性波素子を振動可能とするために、弾性波素子の周囲に空間(振動空間)が形成される(特許文献1参照)。具体的には、弾性波素子は、基板と、基板の主面に設けられた弾性波素子と、弾性波素子を覆うように基板の主面に固定されるカバーとを有している。カバーは、弾性波素子を囲み、基板の主面に固定される枠部と、枠部の天面に被せられ、枠部の開口を塞ぐ蓋部とを有している。そして、基板の主面、枠部、及び、蓋部に囲まれた空間により、振動空間が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−10559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カバーの枠部と基板の主面との間に隙間が生じることなどにより、振動空間の密閉性が損なわれると、振動空間に水分等が浸入して弾性波素子等の腐食を招く。
【0005】
本発明の目的は、振動空間の密閉性を向上できる弾性波装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施態様の弾性波装置は、基板と、前記基板の主面に設けられた弾性波素子と、前記主面の平面視において前記弾性波素子を囲む枠部と、前記枠部の開口を塞ぐ蓋部とを有するカバーと、前記枠部の内壁面から前記枠部の枠内の前記基板の主面上にかけて形成された絶縁膜と、を有する。
【0007】
また、本発明の一実施態様の弾性波装置の製造方法は、基板の主面に弾性波素子を形成する工程と、前記主面の平面視において前記弾性波素子を囲む枠部を形成する工程と、前記枠部の内壁面から前記枠部の枠内の前記基板の主面上にかけて絶縁膜を形成する工程と、前記枠部を塞ぐ蓋部を形成する工程と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
上記の実施態様によれば、振動空間の密閉性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る弾性表面波装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図1の弾性表面波装置を一部を破断して示す概略斜視図である。
【図3】図1の弾性表面波装置の配線構造を示す平面図である。
【図4】図3のIV−IV線における概念的な断面図である。
【図5】図4の領域Vを拡大して示す断面図である。
【図6】図4の領域VIを拡大して示す断面図である。
【図7】図3のVII−VII線における断面図である。
【図8】(a)〜図8(d)は、図1のSAW装置の製造方法を説明する断面図である。
【図9】(a)〜図9(c)は、図8の続きを示す断面図である。
【図10】(a)〜図10(c)は、図9の続きを示す断面図である。
【図11】第2の実施形態のSAW装置を示す平面図である。
【図12】図11のXII−XII線における断面図である。
【図13】第3の実施形態のSAW装置の要部を示す断面図である。
【図14】(a)〜図14(c)は、第4の実施形態のSAW装置の製造方法を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態に係る弾性表面波装置(SAW装置)について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。
【0011】
また、説明対象の実施形態以降において、既に説明された実施形態と同一又は類似する構成については、既に説明された実施形態と同一の符号を付すことがあり、また、説明を省略することがある。
【0012】
符号は、同一又は類似する構成のものについて、「第1端子7A〜第6端子7F」などのように、大文字のアルファベットの付加符号を付すことがある。また、この場合において、単に「端子7」というなど、名称の頭の番号、及び、上記の付加符号を省略することがあるものとする。
【0013】
<第1の実施形態>
(SAW装置の構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係るSAW装置1の外観斜視図である。
【0014】
SAW装置1は、いわゆるウェハレベルパッケージ(WLP)形のSAW装置により構成されている。SAW装置1は、基板3と、基板3に固定されたカバー5と、カバー5から露出する複数の端子7と、基板3のカバー5とは反対側に設けられた裏面部9とを有している。
【0015】
SAW装置1は、複数の端子7のいずれかを介して信号の入力がなされる。入力された信号は、SAW装置1によりフィルタリングされる。そして、SAW装置1は、フィルタリングした信号を複数の端子7のいずれかを介して出力する。SAW装置1は、例えば、カバー5側の面を不図示の回路基板等の実装面に対向させて当該実装面に載置された状態で樹脂封止されることにより、端子7を実装面上の端子に接続した状態で実装される。
【0016】
基板3は、圧電基板により構成されている。具体的には、例えば、基板3は、タンタル酸リチウム単結晶,ニオブ酸リチウム単結晶等の圧電性を有する直方体状の単結晶基板である。基板3は、第1主面3aと、その背面側の第2主面3bとを有している。基板3の平面形状は適宜に設定されてよいが、例えば矩形である。基板3の大きさは適宜に設定されてよいが、例えば、厚さは0.2mm〜0.5mm、1辺の長さは0.5mm〜2mmである。
【0017】
カバー5は、第1主面3aを覆うように設けられている。カバー5の平面形状は、例えば、基板3の平面形状と同様(本実施形態では矩形)である。カバー5は、例えば、第1主面3aと概ね同等の広さを有し、第1主面3aの概ね全面を覆っている。
【0018】
複数の端子7は、カバー5の上面(基板3とは反対側の面)から露出している。複数の端子7の数及び配置位置は、SAW装置1の内部の電子回路の構成に応じて適宜に設定される。本実施形態では、6つの端子7がカバー5の外周に沿って配列されている。
【0019】
裏面部9は、特に図示しないが、例えば、第2主面3bの概ね全面を覆い、基準電位が付与される裏面電極と、裏面電極を覆う絶縁性の保護層とを有している。裏面電極により、温度変化等により基板3表面にチャージされた電荷が放電される。保護層により、基板3の損傷が抑制される。なお、以下では、裏面部9は、図示や説明が省略されることがある。
【0020】
図2は、カバー5の一部を破断して示すSAW装置1の斜視図である。
【0021】
第1主面3aには、第1SAW素子11A(図3参照)及び第2SAW素子11Bが設けられている。第1SAW素子11Aは、例えば、SAW共振子であり、第2SAW素子11Bは、例えば、SAWフィルタである。なお、図2において、SAW素子11は、後述する図3よりも模式的に示されている。
【0022】
また、第1主面3aには、第1端子7A〜第6端子7Fの直下において、第1パッド13A〜第6パッド13Fが設けられている。パッド13は、SAW素子11と接続されている。端子7は、カバー5を貫通するように設けられており、パッド13に接続されることにより、SAW素子11と接続されている。
【0023】
カバー5は、SAW素子11の周囲に空洞が形成されるように第1主面3aを覆っている。具体的には、カバー5は、第1SAW素子11Aの周囲に第1振動空間10Aを形成し、第2SAW素子11Bの周囲に第2振動空間10Bを形成している。
【0024】
図3は、基板3の第1主面3aにおける配線構造を示す模式的な平面図である。なお、図3においては、振動空間10の範囲を2点鎖線で示している。
【0025】
SAW素子11は、1以上のIDT(InterDigital Transducer)電極15と、IDT電極15の、SAWの伝搬方向(X方向)両側に配置された2つの反射器17とを有している。
【0026】
IDT電極15は、一対の電極から構成されている。この一対の電極は、弾性表面波の伝搬方向(X方向)に延びるバスバー15aと、バスバー15aから上記伝搬方向に直交する方向(Y方向)に伸びる複数の電極指15bとを有し、電極指15bが互いに噛合うように配置されている。なお、図3は模式図であることから、電極指15bは、実際の数よりも少ない数で示されている。SAW素子11は、例えばAl−Cu合金等のAl合金によって形成されている。
【0027】
第4端子7Dは、信号が入力される端子であり、入力配線27を介して第1SAW素子11Aに接続されている。第1SAW素子11Aは、3本の中間配線29により、第2SAW素子11Bと接続されている。第2SAW素子11Bは、2本の出力配線31を介して信号を出力する端子としての第3端子7C及び第6端子7Fに接続されている。
【0028】
第1端子7A、第2端子7B及び第5端子7Eは、基準電位が付与される端子であり、第1グランド配線33a、第2グランド配線33b、第3グランド配線33cにより互いに接続されている。また、第2グランド配線33b及び第3グランド配線33cは、分岐することにより、第2SAW素子11Bに接続されている。
【0029】
なお、3本の中間配線29と、第2グランド配線33bとは立体交差し、3つの第1立体配線部32Aを構成している。また、2本の出力配線31と第3グランド配線33cとは立体交差し、2つの第2立体配線部32Bを構成している。立体配線部32は、振動空間10内に配置されている。
【0030】
図4は図3のIV−IV線における断面図である。ただし、図4は、図3よりも概念的に描かれており、SAW素子11は図3よりも模式的に示されている。
【0031】
SAW装置1は、第1主面3aに設けられた第1導電層19と、第1導電層19及び第1主面3aに積層された保護層25とを有している。カバー5は、保護層25に積層された枠部35と、枠部35に積層された蓋部37とにより構成されている。端子7は、カバー5に対して成膜された下地層39と、下地層39に包まれた中実部41とにより構成されている。また、SAW装置1は、枠部35を覆う絶縁膜43を有している。
【0032】
第1導電層19は、第1主面3a上における回路素子や配線等の構成に関して基本となる層である。具体的には、第1導電層19は、SAW素子11、パッド13、入力配線27、中間配線29、出力配線31、及び、第1グランド配線33aを構成している。第1導電層19は、例えば、Al−Cu合金等のAl合金により形成されており、その厚さは、例えば、100〜300nmである。
【0033】
保護層25は、SAW素子11の酸化防止等に寄与するものである。保護層25は、例えば、絶縁性を有するとともに、SAWの伝搬に影響を与えない程度に質量の軽い材料により形成される。例えば、保護層25は、酸化珪素(SiOなど)、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、窒化珪素、又は、シリコンにより形成されている。保護層25の厚さは、例えば、第1導電層19の厚さの1/10程度(10〜30nm)、又は、第1導電層19の厚さと同等以上(100nm〜300nm)である。本実施形態では、保護層25の厚さが第1導電層19の厚さよりも薄い場合を例示している。保護層25は、パッド13の配置位置以外においては、第1主面3a全体に亘って形成されている。
【0034】
枠部35は、第1主面3aの平面視においてSAW素子11を囲むように形成されている。蓋部37は、枠部35の開口を塞いでいる。そして、第1主面3a(保護層25)、枠部35及び蓋部37により囲まれた空間により、振動空間10が形成されている。
【0035】
なお、本実施形態において、振動空間が2つに分けられているのは、枠部35による蓋部37の支持強度を向上させるために、仕切壁35c(図2)を形成したことによるものである。従って、必要な支持強度が得られるのであれば、SAW装置1は、仕切壁35cが省略されて、一の振動空間に2つのSAW素子11が配置されていてもよい。
【0036】
枠部35及び蓋部37は、概ね一定の厚さの層により構成されている。枠部35の厚さ(振動空間10の高さ)は、例えば、数μm〜30μmである。蓋部37の厚さは、例えば、数μm〜30μmである。
【0037】
枠部35及び蓋部37は、例えば、感光性樹脂により形成されている。感光性樹脂は、例えば、アクリル基やメタクリル基などのラジカル重合により硬化する、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系の樹脂である。
【0038】
なお、枠部35は、上述のように、保護層25上に設けられ、基板3の第1主面3a上に直接的には設けられていない。本願では、このように、所定の部材や層などが間接的に基板3の主面に設けられており、直接的には基板3の主面に設けられていない場合も、これら所定の部材や層などが基板3の主面上に設けられていると表現することがあるものとする。他の部材上に所定の部材や層などが設けられている場合も同様であり、また、積層の語についても同様である。
【0039】
端子7は、カバー5に形成された孔部5hを介してカバー5の上面に露出している。孔部5hは、振動空間10の外側において、枠部35及び蓋部37を第1主面3aの面する方向へ貫通している。
【0040】
下地層39は、例えば、銅若しくはチタンにより形成されている。下地層39は、孔部5hの底面、孔部5hの内周面、及び、カバー5の上面の、孔部5hの周囲部分に成膜されている。下地層39の厚さは、概ね均一である。当該厚さは、適宜に設定されてよいが、例えば、下地層39が銅からなる場合は300nm〜1μm、下地層39がチタンからなる場合は10nm〜100nmである。
【0041】
中実部41は、例えば、銅により形成されている。中実部41は、下地層39の内側において孔部5hに充填されている。また、中実部41は、孔部5hにおいてカバー5の上面よりも高く形成されるとともに、カバー5の上面の、孔部5hの周囲部分において下地層39上に形成されている。
【0042】
絶縁膜43は、振動空間10の密閉性の向上に寄与するものである。絶縁膜43は、カバー5を構成する樹脂よりも遮水性の高い絶縁物により形成されていることが好ましい。絶縁膜43は、例えば、無機絶縁膜により構成されている。無機絶縁膜は、例えば、酸化珪素(SiOなど)、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、窒化珪素、又は、シリコンである。絶縁膜43は、保護層25と同一の材料により形成されていることが好ましい。絶縁膜43の厚さは、例えば、保護層25の厚さ以上である。また、絶縁膜43の厚さは、例えば、0.3μm〜3μmである。
【0043】
図3では、2点鎖線BLにより、絶縁膜43の配置位置と非配置位置との境界線を示している。図3及び図4に示すように、絶縁膜43は、SAW素子11及びパッド13の配置位置を除いて、第1主面3aの全面に亘って形成されている。従って、以下に図5〜図7を参照して説明するように、絶縁膜43は、基板3及び枠部35等の各部材の各部を覆っている。
【0044】
図5は、図4の領域Vを拡大して示す断面図である。
【0045】
絶縁膜43は、枠部35と、第1主面3a(保護層25)の枠部35周囲部分とを覆っている。具体的には、絶縁膜43は、振動空間10の全周に亘って、枠部35の内壁面35aから枠部35の枠内(振動空間10側)の第1主面3a上にかけて形成されている。また、絶縁膜43は、枠部35の全周に亘って、枠部35の外壁面35bから枠部35の外側の第1主面3a上にかけて形成されている。また、絶縁膜43は、孔部5hの配置位置を除いて、枠部35の上面(枠部35と蓋部37との間)全体に形成されている。
【0046】
別の観点では、内壁面35aから枠部35の枠内(振動空間10側)の第1主面3a上にかけて形成された絶縁膜43は、振動空間10の全周に亘って、枠部35と蓋部37との間に延在されている。また、枠部35と蓋部37との間に形成された絶縁膜43は、枠部35の全周に亘って、外壁面35bに延在され、さらに、振動空間10の全周に亘って、枠部35の外側の第1主面3a上に延在されている。
【0047】
上述のように、本実施形態では、第1主面3a上には、保護層25が形成され、枠部35は、保護層25に積層されている。従って、絶縁膜43は、枠部35の枠内の第1主面3a上、及び、枠部35の外側の第1主面3a上において、保護層25に接続されている。
【0048】
図6は、図4の領域VIを拡大して示す断面図である。
【0049】
第1導電層19の保護層25からの露出部分の上には、接続強化層45が設けられている。接続強化層45は、第1導電層19と端子7との接続強度を向上させるために設けられる。接続強化層45は、例えば、金、ニッケル、クロムにより形成されている。接続強化層45は、例えば、第1導電層19よりも厚く形成されており、その厚さは、例えば、1〜2μmである。なお、パッド13は、第1導電層19の保護層25からの露出部分と、接続強化層45とにより構成されている。
【0050】
枠部35には、孔部5hの下方側部分を構成する孔部35hが形成されている。そして、絶縁膜43は、孔部35hの内周面にも形成されている。絶縁膜43の第1主面3a側部分はパッド13の周囲において保護層25に接続されている。換言すれば、絶縁膜43は、孔部35hの内周面から孔部35hの内側の第1主面3a上にかけて形成されている。
【0051】
絶縁膜43は、孔部35hの縁部の凹凸を緩和している。例えば、枠部35の上面と孔部35hの内周面とが成す角部47において、絶縁膜43は、端子7側(内周側)の表面が、角部47よりもなだらかに形成されている。絶縁膜43がない場合、下地層39が角部47の部分で段切れしやすくなるが、角部47が絶縁膜43で覆われることによりその部分で下地層39が段切れしにくくなる。これにより中実部47をメッキで形成する際に所望の形状にメッキが成長しやすくなる。
【0052】
孔部35hは、第1主面3a側ほど拡径するように形成されることがある。例えば、孔部35hがネガ型のフォトリソグラフィーにより形成された場合、第1主面3a側ほど、光が散乱して孔部35hの内周面の硬化が十分になされず、孔部35hは、第1主面3a側ほど拡径する。このような場合、絶縁膜43は、孔部35hの内周面の傾斜を緩和する。すなわち、絶縁膜43は、孔部35hにおいて、第1主面3a側がその反対側よりも厚く形成されている。
【0053】
図7は、図3のVII−VII線における断面図である。
【0054】
立体配線部32は、電位の異なる電圧が印加される配線の交差を実現している。立体配線部32は、第1導電層19と、第1導電層19上に設けられた絶縁体21と、絶縁体21上に設けられた第2導電層23とにより構成されている。第1導電層19については、上述したとおりである。
【0055】
絶縁体21は、保護層25に積層されている。絶縁体21は、例えば、感光性の樹脂(例えばポリイミド)により形成されており、その厚さは、例えば、1〜3μmである。
【0056】
第2導電層23は、第2グランド配線33b及び第3グランド配線33cを構成している。第2導電層23は、例えば、金、ニッケル、クロムにより形成されている。第2導電層23は、絶縁体21によって生じる段差により断線しないように、例えば、第1導電層19よりも厚く形成されており、その厚さは、例えば、1〜2μmである。
【0057】
絶縁膜43は、上述のように、SAW素子11及びパッド13以外の第1主面3a全体を覆っている。従って、絶縁膜43は、第1導電層19により構成された配線(中間配線29など)、絶縁体21、及び、第2導電層23により構成された配線(第2グランド配線33bなど)を覆い、更に、立体配線部32も覆っている。ただし、本実施形態では、第1導電層19と絶縁膜43との間には、保護層25が介在している。
【0058】
(SAW装置の製造方法)
図8(a)〜図10(c)は、SAW装置1の製造方法を説明する、図4(図3のIV−IV線)に対応する断面図である。製造工程は、図8(a)から図10(c)まで順に進んでいく。
【0059】
以下に説明する工程は、いわゆるウエハプロセスにおいて実現される。すなわち、分割されることによって基板3となる母基板を対象に、薄膜形成やフォトリソグラフィー法などが行われ、その後、ダイシングされることにより、多数個分のSAW装置1が並行して形成される。ただし、図8(a)〜図10(c)では、1つのSAW装置1に対応する部分のみを図示する。また、導電層や絶縁層は、プロセスの進行に伴って形状が変化するが、変化の前後で共通の符号を用いる。
【0060】
図8(a)に示すように、まず、基板3の第1主面3a上には、第1導電層19が形成される。具体的には、まず、スパッタリング法、蒸着法またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法等の薄膜形成法により、第1主面3a上に第1導電層19となる金属層が形成される。次に、金属層に対して、縮小投影露光機(ステッパー)とRIE(Reactive Ion Etching)装置とを用いたフォトリソグラフィー法等によりパターニングが行われる。パターニングにより、SAW素子11、パッド13、入力配線27、中間配線29、出力配線31、及び、第1グランド配線33aが形成される。すなわち、第1導電層19が形成される。
【0061】
第1導電層19が形成されると、図8(b)に示すように、保護層25が形成される。具体的には、まず、適宜な薄膜形成法により保護層25となる薄膜が形成される。薄膜形成法は、Al等により形成された第1導電層19若しくはLaTiO等により形成された基板3に及ぼす影響が抑制されるように、低温成膜可能なものが好ましい。また、薄膜形成法は、ステップカバレッジがよいものが好ましい。例えば、薄膜形成法は、スパッタリング法若しくはCVDである。次に、第1導電層19のうちパッド13を構成する部分が露出するように、フォトリソグラフィー法によって薄膜の一部が除去される。これにより、保護層25が形成される。
【0062】
特に図示しないが、保護層25が形成されると、絶縁体21及び第2導電層23が形成される。具体的には、まず、絶縁体21となる薄膜がCVD法または蒸着法等の薄膜形成法により形成される。そして、立体配線部32となる領域を残して、フォトリソグラフィー法によって薄膜の一部が除去され、絶縁体21が形成される。次に、第1導電層19と同様に、金属層の形成及びパターニングが行われ、第2グランド配線33b及び第3グランド配線33cが形成される。すなわち、第2導電層23が形成される。
【0063】
第2導電層23が形成されると、図8(c)に示すように、枠部35となる薄膜が形成される。薄膜は、例えば、感光性樹脂により形成されたフィルムが貼り付けられることにより、又は、保護層25と同様の薄膜形成法により形成される。
【0064】
枠部35となる薄膜が形成されると、図8(d)に示すように、フォトリソグラフィー法等により、薄膜の一部が除去され、振動空間10を構成する開口、及び、孔部35hが形成される。また、薄膜は、ダイシングライン上においても、一定の幅で除去される。このようにして枠部35は形成される。
【0065】
枠部35が形成されると、図9(a)に示すように、絶縁膜43の非配置領域に犠牲層51が形成される。すなわち、SAW素子11及びパッド13上に犠牲層51が形成される。犠牲層51は、例えば、スピンコート等により感光性樹脂(フォトレジスト)の薄膜が形成され、その薄膜がフォトリソグラフィーによりパターニングされることにより形成される。
【0066】
犠牲層51が形成されると、図9(b)に示すように、絶縁膜43となる薄膜が、第1主面3aの全面に亘って形成される。すなわち、保護層25、枠部35及び犠牲層51を覆う薄膜が形成される。絶縁膜43の薄膜形成法は、保護層25の薄膜形成法と同様に、低温成膜可能なものが好ましく、また、ステップカバレッジがよいものが好ましい。例えば、薄膜形成法は、スパッタリング法若しくはCVDである。
【0067】
次に、図9(c)に示すように、絶縁膜43となる薄膜のうち犠牲層51上の部分、及び、犠牲層51を除去する。これにより、薄膜は、SAW素子11及びパッド13上の部分が除去され、絶縁膜43が形成される。
【0068】
絶縁膜43が形成されると、図10(a)に示すように、蓋部37が形成される。具体的には、まず、蓋部37となる薄膜が形成される。薄膜は、例えば、感光性樹脂のフィルムが貼り付けられることにより形成される。そして、薄膜が形成されることにより、枠部35の開口が塞がれて、振動空間10が構成される。薄膜は、フォトリソグラフィー法等により、パッド13上の部分及びダイシングライン状の部分が除去される。これにより、蓋部37が形成される。
【0069】
蓋部37が形成されると、図10(b)に示すように、下地層39及びレジスト層53が順に形成される。下地層39は、カバー5の上面及び孔部5hの内部に亘って形成される。下地層39は、例えば、スパッタ法により形成される。
【0070】
レジスト層53は、孔部5h及びその周囲において、下地層39が露出するように形成される。なお、レジスト層53は、例えば、スピンコート等により感光性樹脂の薄膜が形成され、その薄膜がフォトリソグラフィーによりパターニングされることにより形成される。
【0071】
レジスト層53が形成されると、図9(c)に示すように、電気めっき処理により、下地層39の露出部分に金属を析出させ、中実部41を形成する。
【0072】
その後、下地層39のレジスト層53に被覆されていた部分及びレジスト層53が除去される。これにより、下地層39及び中実部41からなる端子7が形成される。なお、端子7のカバー5からの露出面は、ニッケルや金などにより構成されてもよい。
【0073】
以上の実施形態によれば、SAW装置1は、基板3と、基板3の第1主面3aに設けられたSAW素子11と、カバー5とを有する。カバー5は、第1主面3aの平面視においてSAW素子11を囲む枠部35と、枠部35の開口を塞ぐ蓋部37とを有する。また、SAW装置1は、枠部35の内壁面35aから枠部35の枠内の第1主面3a上にかけて形成された絶縁膜43を有する。
【0074】
従って、絶縁膜43により枠部35と第1主面3a(保護層25)との固定が補強される。また、枠部35と第1主面3a(保護層25)との間に隙間が生じたとしても、絶縁膜43が水分などの振動空間10への侵入を抑制する。このように、絶縁膜43により振動空間10の密閉性が向上する。
【0075】
なお、蓋部37が振動空間10側へ撓むようなカバー5の変形を考えた場合、枠部35が振動空間10側へ傾き、枠部35の外壁面35bが第1主面3aから浮き上がることが考えられる。従って、絶縁膜43の、内壁面35aから第1主面3aに亘って設けられている部分は、絶縁膜43の、外壁面35bから第1主面3aに亘って設けられている部分よりも、形状が維持されやすく、振動空間10の密閉性向上に寄与しやすいと考えられる。
【0076】
絶縁膜43はSiOからなる。SiOは耐湿性に優れている。例えば、SiOは、カバー5を構成する樹脂よりも耐湿性に優れている。従って、水分の振動空間10への侵入を抑制する効果が向上する。また、SiOは耐熱性にも優れている。例えば、SiOは、カバー5を構成する樹脂よりも耐熱性に優れている。従って、高温高湿下でも変形しにくく、枠部35の第1主面3a(保護層25)に対する固定の補強の効果が向上する。
【0077】
SAW装置1は、SAW素子11に積層される保護層25を更に有し、絶縁膜43は、保護層25と同一の材料により形成され、保護層25に接続されている。従って、SAW素子11の保護が一層確実になされる。すなわち、保護層25によりSAW素子11が直接的に保護されるとともに、絶縁膜43が同一材料である保護層25に接続されることにより、絶縁膜43の第1主面3aに対する密着性が向上する。
【0078】
SAW装置1は、第1主面3aに立てて設けられ、枠部35及び蓋部37を貫通する端子7を更に有する。絶縁膜43は、端子7が貫通する枠部35の孔部35hの内周面から孔部35hの内側の第1主面3a上にかけても形成されている。従って、カバー5の固定の補強がなされ、また、孔部5hから振動空間10への水分などの侵入が抑制される。さらに、絶縁膜43は、孔部35hの凹凸を緩和することから、下地層39の均一厚さの成膜を容易化可能である。また、孔部35hが第1主面3a側ほど拡径する場合に、孔部35hの内周面の傾斜を緩和することから、下地層39の成膜を容易化可能である。
【0079】
絶縁膜43は、枠部35の内壁面から枠部35と蓋部37との間に延在している。換言すれば、絶縁膜43は、枠部35の内壁面から蓋部37の下面にかけて形成され、枠部35と蓋部37との間を塞いでいる。従って、枠部35と蓋部37との間から振動空間10へ水分などが侵入することが抑制される。
【0080】
絶縁膜43は、枠部35と蓋部37との間から枠部35の外壁面35bに延在し、さらに、枠部35の外側の第1主面3a上に延在している。従って、枠部35の外側において、蓋部37の下面から第1主面3a側まで絶縁膜43が配置され、蓋部37と枠部35との間及び枠部35と第1主面3aとの間から水分等が侵入することが抑制される。また、枠部35の内側と外側とで絶縁膜43が設けられるから、絶縁膜43の密着力は、内側と外側とで均等に作用し、内部応力が安定する。
【0081】
SAW装置1は、第1主面3aに設けられ、SAW素子に接続された中間配線29と、中間配線29上に設けられた絶縁体21と、絶縁体21上に設けられ、中間配線29と第1立体配線部32Aを構成する第2グランド配線33bとを更に有する。第1立体配線部32Aは、枠部35の枠内に配置されており、絶縁膜43は、立体配線部32Aを覆っている。
【0082】
従って、枠部35が、比較的高さのある第1立体配線部32Aに積層されることが避けられ、基板3の第1主面3aと枠部35と間に隙間が生じることが抑制される。また、相対的に塩素・硫黄等の腐食性物質が集まりやすい第1立体配線部32Aを絶縁膜43により覆うことにより、SAW素子11の腐食が抑制される。なお、立体配線部32の周辺において腐食性物質が集まりやすい原因は、必ずしも明らかではないが、例えば、第2導電層23をパターニングするときのフォトレジスト(硫黄)が、立体配線部32の段差に起因して完全に除去されずに残ることなどが考えられる。
【0083】
本実施形態のSAW装置1の製造方法は、以下の工程を有している。基板3の第1主面3aにSAW素子11を形成する工程(図8(a))。第1主面3aの平面視においてSAW素子11を囲む枠部35を形成する工程(図8(c)及び図8(d))。枠部35の内壁面35aから枠部の内側の第1主面3a上にかけて絶縁膜43を形成する工程(図9(b)及び図9(c))。枠部35を塞ぐ蓋部37を形成する工程(図10(a))。
【0084】
従って、枠部35、絶縁膜43及び蓋部37を順次形成する簡便な製造工程により、絶縁膜43を、枠部35の内壁面35aから枠部35の枠内の第1主面3a上にかけて形成することができる。
【0085】
なお、第1の実施形態において、SAW素子11は本発明の弾性波素子の一例である。中間配線29及び第2グランド配線33bの組み合わせ、又は、出力配線31及び第3グランド配線33cの組み合わせは、本発明の第1配線及び第2配線の一例である。
【0086】
<第2の実施形態>
図11は、第2の実施形態のSAW装置101を示す、第1の実施形態の図3に相当する平面図である。
【0087】
SAW装置101においては、2点鎖線BLで示されるように、第1立体配線部32Aは、第1振動空間110A内に配置されていない。そして、第1立体配線部32Aには、枠部135が積層されている。具体的には、枠部135の仕切壁135cは、第1の実施形態の枠部35の仕切壁35cよりも幅が大きく形成されており、第1立体配線部32Aに積層されている。
【0088】
図12は、図11のXII−XII線における断面図であり、第1の実施形態の図7に相当する断面図である。
【0089】
第1の実施形態と同様に、第1立体配線部32Aにおいては、第1導電層19(中間配線29)、保護層25、絶縁体21、第2導電層23(第2グランド配線33b)が順に積層されている。しかし、第1の実施形態とは異なり、第1立体配線部32A上には枠部135が積層されている。
【0090】
枠部135は、第1の実施形態と同様に、絶縁膜43に覆われている。絶縁膜43は、第1の実施形態と同様に、SAW素子11及びパッド13の配置位置以外の、第1主面3aの全面に亘って設けられている。従って、絶縁膜43は、枠部135の、第1立体配線部32Aと第1SAW素子11Aとの間に位置する内壁面35aから枠部135の枠内の第1主面3a上にかけて形成されている。
【0091】
絶縁膜43が設けられない場合には、枠部は、第1主面3aとの間に隙間が生じることを抑制するために、第1立体配線部32Aに積層されることが避けられることが好ましい。しかし、本実施形態では、絶縁膜43により、枠部135との固定の補強がなされ、また、隙間からの水分等の侵入が抑制されることから、枠部135を第1立体配線部32Aに積層することが可能となる。その結果、第1振動空間110Aは、第1の実施形態の第1振動空間10Aよりも小さくなり、カバー105の強度は、第1の実施形態のカバー5の強度よりも高くなる。また、第1の実施形態と同様に、絶縁膜43により、第1立体配線部32Aの周囲に集まった腐食性物質による第1SAW素子11Aの腐食が抑制される。
【0092】
<第3の実施形態>
図13は、第3の実施形態のSAW装置201の要部を示す、第1の実施形態の図5に相当する断面図である。
【0093】
SAW装置201の枠部235は、第1主面3a側ほど幅広になるように形成されている。従って、内壁面235aは、第1主面3a側ほど枠部235の内側に位置するように傾斜している。同様に、外壁面235bは、第1主面3a側ほど枠部235の外側に位置するように傾斜している。
【0094】
このような枠部235は、例えば、ポジ型のフォトリソグラフィーにより枠部35のパターニングが行われることにより形成される。この場合、第1主面3a側ほど、光が散乱して枠部235の溶解が十分になされず、枠部235は、第1主面3a側ほど幅広となる。また、徐々に拡径若しくは縮径する光を用いてフォトリソグラフィーを行ったり、第1主面3aに対して斜めに入射する光を用いてフォトリソグラフィーを行ったりすることによっても、傾斜した内壁面235a等を形成可能である。
【0095】
本実施形態によれば、内壁面235aは、第1の実施形態の内壁面35aに比較して、上方側を向いていることから、絶縁膜43が良好に成膜されやすくなる。例えば、内壁面235aにおいて厚膜が薄くなってしまうことが抑制される。また、絶縁膜43の内壁面235aに形成されている部分の張力は、絶縁膜43の第1主面3aに形成されている部分に対して、第1主面3aに傾斜した方向に作用する。従って、当該張力が第1主面3aに直交する方向に作用する場合に比較して、絶縁膜43の剥がれが抑制されることが期待される。
【0096】
<第4の実施形態>
図14(a)〜図14(c)は、第4の実施形態のSAW装置の製造方法を説明する断面図である。
【0097】
図14(a)は、第1の実施形態の図8(d)に対応する。すなわち、第4の実施形態においても、第1の実施形態の図8(a)〜図8(d)を参照して説明した工程が行われ、図14(a)に示す状態のSAW装置が形成される。
【0098】
なお、第1の実施形態では、保護層25が第1導電層19よりも薄く形成されている場合を例示したが、第4の実施形態では、保護層25が第1導電層19よりも厚く形成されている場合を例示している。
【0099】
次に、図14(b)に示すように、絶縁膜43となる薄膜が形成される。薄膜の形成方法は第1の実施形態と同様である。ただし、第1の実施形態では、絶縁膜43の形成前に、犠牲層51が形成されたのに対し、本実施形態では、犠牲層51は形成されない。
【0100】
その後、図14(c)に示すように、フォトリソグラフィーにより薄膜の一部を除去する。具体的には、SAW素子11及びパッド13上において薄膜を除去する。これにより、絶縁膜43が形成される。図14(c)の後、図10(a)〜図10(c)を参照して説明した工程が行われる。
【0101】
本実施形態によれば、犠牲層51を設ける必要がないことから、第1の実施形態に比較して、少ない工程数でSAW装置を作製することができる。
【0102】
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
【0103】
弾性波装置は、SAW装置に限定されない。例えば、弾性波装置は、圧電薄膜共振器であってもよい。弾性波装置において、保護層(25)は省略されてもよい。端子は、枠部を貫通するものに限定されず、例えば、枠部の外側に設けられるものであってもよい。
【符号の説明】
【0104】
1…SAW装置(弾性波装置)、3…基板、3a…第1主面(主面)、5…カバー、11…SAW素子(弾性波素子)、35…枠部、37…蓋部、43…絶縁膜。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の主面に設けられた弾性波素子と、
前記主面の平面視において前記弾性波素子を囲む枠部と、前記枠部の開口を塞ぐ蓋部とを有するカバーと、
前記枠部の内壁面から前記枠部の枠内の前記基板の主面上にかけて形成された絶縁膜と、
を有する弾性波装置。
【請求項2】
前記絶縁膜はSiOからなる
請求項1に記載の弾性波装置。
【請求項3】
前記弾性波素子に積層される保護層を更に有し、
前記絶縁膜は、前記保護層と同一の材料により形成され、前記保護層に接続されている
請求項1又は2に記載の弾性波装置。
【請求項4】
前記主面に立てて設けられ、前記枠部及び前記蓋部を貫通する端子を更に有し、
前記絶縁膜は、前記端子が貫通する前記枠部の孔部の内周面から前記孔部の内側の前記主面上にかけても形成されている
請求項1〜3のいずれか1項に記載の弾性波装置。
【請求項5】
前記絶縁膜は、前記枠部の内壁面から前記枠部と前記蓋部との間に延在している
請求項1〜4のいずれか1項に記載の弾性波装置。
【請求項6】
前記絶縁膜は、前記枠部と前記蓋部との間から前記枠部の外壁面に延在し、さらに、前記枠部の外側の前記基板の主面上に延在している
請求項5に記載の弾性波装置。
【請求項7】
前記主面に設けられ、前記弾性波素子に接続された第1配線と、
前記第1配線上に設けられた絶縁体と、
前記絶縁体上に設けられ、前記第1配線と立体配線部を構成する第2配線と、
を更に有し、
前記立体配線部は、前記枠部の枠内に配置されており、
前記絶縁膜は、前記立体配線部を覆っている
請求項1〜6のいずれか1項に記載の弾性波装置。
【請求項8】
前記主面に設けられ、前記弾性波素子に接続された第1配線と、
前記第1配線上に設けられた絶縁体と、
前記絶縁体上に設けられ、前記第1配線と立体配線部を構成する第2配線と、
を更に有し、
前記枠部は、前記立体配線部に積層されており、
前記絶縁膜は、前記枠部の、前記立体配線部と前記弾性波素子との間に位置する内壁面から前記枠部の枠内の前記基板の主面上にかけて形成されている
請求項1〜6のいずれか1項に記載の弾性波装置。
【請求項9】
前記枠部の内壁面は、前記基板の主面側ほど幅広になるように傾斜している
請求項1〜8のいずれか1項に記載の弾性波装置。
【請求項10】
基板の主面に弾性波素子を形成する工程と、
前記主面の平面視において前記弾性波素子を囲む枠部を形成する工程と、
前記枠部の内壁面から前記枠部の枠内の前記基板の主面上にかけて絶縁膜を形成する工程と、
前記枠部を塞ぐ蓋部を形成する工程と、
を有する弾性波装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−172190(P2011−172190A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−36592(P2010−36592)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】