説明

弾性波装置

【課題】横モードスプリアスが十分に抑圧されており、挿入損失の低い弾性波装置を提供する。
【解決手段】弾性波装置1は、正規型IDT電極10と、第1及び第2の膜23,24とを備えている。正規型IDT電極10は、第1及び第2のバスバー10c、10fと、複数本の第1及び第2の電極指10d、10gと、第1及び第2のダミー電極10e、10hとを有する。第1及び第2の膜23,24は、ダミー電極10e、10hの少なくとも一部と、電極指10d、10gの少なくとも一部を覆うように、かつギャップに至らないように形成されている。第1の膜23の第2のバスバー10f側の端面23aと、第2の膜24の第1のバスバー10c側の端面24aとのそれぞれは、弾性波伝搬方向xに対して傾斜している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性波装置に関し、特に、IDT電極を有し、弾性表面波や弾性境界波などの弾性波を利用する弾性波装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機などの通信装置のRF段に使用される弾性表面フィルタ等の弾性波装置に対する低損失化の要求が強まってきている。これに伴い、例えば、下記の特許文献1〜3などにおいて、横モードスプリアスを抑圧することによって弾性波装置の低損失化を図る技術が種々提案されている。
【0003】
例えば下記の特許文献1には、横モードスプリアスを抑圧することができる弾性波装置として、図21に示す弾性表面波装置が開示されている。図21に示すように、弾性表面波装置100は、IDT電極101と、IDT電極101の弾性表面波伝搬方向の両側に配置されている第1及び第2の反射器102,103とを備えている。弾性表面波装置100のIDT電極101では、ダミー電極104が設けられることによって、電極指の交叉幅が短くされた正規型IDT電極とされている。かつ、IDT電極101は、バスバーと電極指との交差部を結ぶことにより形成される線L100が弾性表面波伝搬方向に対して傾斜するように形成され、隣り合うダミー電極104の長さが変化されている。
【0004】
また、下記の特許文献2にも、上記の特許文献1と同様に、ダミー電極を設けて電極指の交叉幅を変えることにより横モードスプリアスが抑圧できる旨が記載されている。下記の特許文献2には、特に、IDT電極の導波路部の導波路部長をW0とし、電極指の交叉幅をWとしたときに、W/W0を0.65以上0.75以下とすることにより横モードスプリアスを効果的に抑圧できる旨が記載されている。
【0005】
さらに、下記の特許文献3には、交叉幅重み付けをIDT電極に対して施すことによって横モードスプリアスを抑圧できる旨が記載されている。具体的には、特許文献3には、図22に示すIDT電極200を有する弾性表面波装置が記載されている。特許文献3には、IDT電極200に対して、交叉幅重み付け包絡線L200が下記式を満たすように交叉幅重み付けを施すことにより、横モードスプリアスを抑圧できる旨が記載されている。
Y=±cos-1(|αX|)・cos(βX)
但し、
X軸:弾性表面波の伝搬方向、
Y軸:弾性表面波伝搬方向Xに垂直な交差幅方向、
IDT電極の範囲:−X/2≦X≦X/2、
0<α≦π/X
0<β≦π/X
である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO2006/078001 A1号公報
【特許文献2】特開2006-352764号公報
【特許文献3】特開平07−22898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、本発明者が鋭意研究した結果、単に、ダミー電極を設けることにより電極指の交叉幅を短くした正規型IDT電極とし、かつ、隣り合うダミー電極の長さを変化させたり、IDT電極に交叉幅重み付けを施したりするのみでは、横モードスプリアスを十分に抑圧できなかったり、挿入損失を悪化させたりすることが見出された。
【0008】
本発明の目的は、横モードスプリアスが十分に抑圧されており、挿入損失の低い弾性波装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る弾性波装置は、圧電基板と、圧電基板の上に形成されている正規型IDT電極とを備える弾性波装置に関する。本発明に係る弾性波装置において、正規型IDT電極は、第1及び第2のバスバーと、複数本の第1の電極指と、複数本の第2の電極指と、第1のダミー電極と、第2のダミー電極とを有する。複数本の第1の電極指は、第1のバスバーから第2のバスバーに向かって延びている。複数本の第2の電極指は、第2のバスバーから第1のバスバーに向かって延びている。複数本の第2の電極指は、複数本の第1の電極指と互いに間挿し合っている。第1のダミー電極は、第2の電極指の先端に対してギャップを介して対向している。第1のダミー電極は、第1のバスバーに接続されている。第2のダミー電極は、第1の電極指の先端に対してギャップを介して対向している。第2のダミー電極は、第2のバスバーに接続されている。本発明に係る弾性波装置は、第1の膜と、第2の膜とを備える。第1の膜は、第1のダミー電極の少なくとも一部と、第1の電極指の少なくとも一部とを覆うように、かつギャップに至らないように形成されている。第2の膜は、第2のダミー電極の少なくとも一部と、第2の電極指の少なくとも一部とを覆うように、かつギャップに至らないように形成されている。第1の膜の第2のバスバー側の端面と、第2の膜の第1のバスバー側の端面とのそれぞれは、弾性波伝搬方向に対して傾斜している。
【0010】
本発明のある特定の局面では、第1及び第2の膜のそれぞれは、金属膜である。この構成によれば、正規型IDT電極の電気抵抗を低減することができる。従って、挿入損失をさらに小さくすることができる。
【0011】
本発明の他の特定の局面では、第1及び第2の膜のそれぞれは、第1または第2のバスバー並びに第1または第2のダミー電極の少なくとも一部と第1または第2の電極指の少なくとも一部との上に形成されており、AlCu合金からなるAlCu膜と、AlCu膜の上に形成されており、TiからなるTi膜と、Ti膜の上に形成されており、AlからなるAl膜とを有する。
【0012】
本発明の別の特定の局面では、第1及び第2の膜のそれぞれは、第1または第2のバスバー並びに第1または第2のダミー電極の少なくとも一部と第1または第2の電極指の少なくとも一部との上に形成されており、TiからなるTi膜と、Ti膜の上に形成されており、AlCu合金からなるAlCu膜とを有する。
【0013】
本発明のさらに他の特定の局面では、弾性波装置は、第1の電極指と第1の膜との間と、第2の電極指と第2の膜との間とに形成されている第1の誘電体膜をさらに備える。
【0014】
本発明のさらに別の特定の局面では、弾性波装置は、隣り合う第1の電極指の間と、隣り合う第2の電極指の間とに、第1及び第2の電極指と略面一となるように形成されている第2の誘電体層をさらに備える。
【0015】
本発明のまた他の特定の局面では、正規型IDT電極が弾性波伝搬方向に沿って複数設けられており、複数の正規型IDT電極のうちの少なくともひとつの正規型IDT電極が入力側IDT電極とされており、複数の正規型IDT電極のうちの入力側IDT電極以外の正規型IDT電極のうちの少なくともひとつのIDT電極が出力側IDT電極とされている。この構成によれば、横モードスプリアスが十分に抑制されており、挿入損失の小さい縦結合共振子型の弾性波装置を提供することができる。
【0016】
本発明のまた別の特定の局面では、弾性波装置は、弾性表面波を利用する弾性表面波装置である。
【0017】
本発明のさらにまた他の特定の局面では、弾性波装置は、弾性境界波を利用する弾性境界波装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る弾性波装置では、第1のバスバー及び第1のダミー電極の少なくとも一部と、第1の電極指の少なくとも一部とを覆うように、かつギャップに至らないように形成されている第1の膜と、第2のバスバー及び第2のダミー電極の少なくとも一部と、第2の電極指の少なくとも一部とを覆うように、かつギャップに至らないように形成されている第2の膜とが設けられており、かつ第1の膜の第2のバスバー側の端面と、第2の膜の第1のバスバー側の端面とのそれぞれが、弾性波伝搬方向に対して傾斜しているため、横モードが散乱され、よって、横モードスプリアスを十分に抑圧することができ、挿入損失を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施形態に係る弾性波装置の略図的平面図である。
【図2】図1におけるII−II矢視図である。
【図3】図1におけるIII−III矢視図である。
【図4】第1及び第2の膜の平面形状を説明するための模式的平面図である。
【図5】第1の実施例における励振観察結果を模式的に示す平面図である。
【図6】第1の実施例の弾性波装置のインピーダンス特性を表すグラフである。
【図7】第2の実施例における第1及び第2の膜の平面形状を説明するための模式的平面図である。
【図8】第2の実施例の弾性波装置のインピーダンス特性を表すグラフである。
【図9】第3の実施例における第1及び第2の膜の平面形状を説明するための模式的平面図である。
【図10】第3の実施例の弾性波装置のインピーダンス特性を表すグラフである。
【図11】第4の実施例における第1及び第2の膜の平面形状を説明するための模式的平面図である。
【図12】第4の実施例の弾性波装置のインピーダンス特性を表すグラフである。
【図13】第1の比較例に係る弾性波装置の略図的平面図である。
【図14】図13におけるXIV−XIV矢視図である。
【図15】第1の比較例における励振観察結果を模式的に示す平面図である。
【図16】第1の比較例の弾性波装置のインピーダンス特性を表すグラフである。
【図17】第2の比較例における励振観察結果を模式的に示す平面図である。
【図18】第2の比較例における励振観察結果を模式的に示す平面図である。
【図19】第1の変形例に係る弾性波装置の略図的断面図である。
【図20】第2の変形例に係る弾性波装置の模式的平面図である。
【図21】特許文献1に記載されている弾性表面波装置の一部分を表す模式的平面図である。
【図22】特許文献3に記載されている弾性表面波装置のIDT電極を表す模式的平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0021】
図1は、本実施形態に係る弾性波装置の略図的平面図であり、図2及び図3は、本実施形態に係る弾性波装置の略図的断面図である。図4は、本実施形態における第1及び第2の膜の平面形状を説明するための模式的平面図である。図1〜図4に示す弾性波装置1は、弾性表面波を利用する1ポート共振子としての弾性表面波装置である。なお、図1〜図3は、略図であり、電極指の本数などは実際の本数よりも少なく記載されている。また、図1において、第1及び第2の膜23,24も、略図的に記載されており、本実施形態における第1及び第2の膜23,24の実際の平面形状は、図4に記載されている。
【0022】
図2及び図3に示すように、弾性波装置100は、圧電基板13を備えている。本実施形態では、圧電基板13は、カット角が126°であるLiNbO基板により構成されている。もっとも、圧電基板13は、LiTaOなどのLiNbO以外の圧電材料により形成されていてもよい。
【0023】
圧電基板13の上には、図1に示す電極17が形成されている。電極17は、正規型IDT電極10と、正規型IDT電極10の弾性表面波伝搬方向xの両側に配置されている第1及び第2の反射器11,12とを有する。ここで、「正規型IDT電極」とは、電極指の交叉幅が弾性表面波の伝搬方向xにおいて一定であるIDT電極のことである。
【0024】
図1に示すように、正規型IDT電極10は、互いに間挿し合う第1及び第2のくし歯電極10a、10bとを備えている。第1のくし歯電極10aは、第1のバスバー10cと、弾性表面波伝搬方向xに沿って配列されている複数本の第1の電極指10dとを備えている。複数本の第1の電極指10dのそれぞれは、第1のバスバー10cに接続されている。複数本の第1の電極指10dは、第1のバスバー10cから第2のバスバー10fに向かって延びている。同様に、第2のくし歯電極10bは、第2のバスバー10fと、弾性表面波伝搬方向xに配列されている複数本の第2の電極指10gとを備えている。複数本の第2の電極指10gのそれぞれは、第2のバスバー10fに接続されている。複数本の第2の電極指10gは、第2のバスバー10fから第1のバスバー10cに向かって延びている。この複数本の第2の電極指10gと、上記の複数本の第1の電極指10dとは、互いに間挿し合っている。
【0025】
また、第1のくし歯電極10aには、弾性表面波伝搬方向xに沿って配列されており、第1のバスバー10cに接続されている複数本の第1のダミー電極10eが設けられている。この第1のダミー電極10eは、第2の電極指10gの先端に対してギャップを介して対向している。一方、第2のくし歯電極10bには、弾性表面波伝搬方向xに沿って配列されており、第2のバスバー10fに接続されている複数本の第2のダミー電極10hが設けられている。この第2のダミー電極10hは、第1の電極指10dの先端に対してギャップを介して対向している。このように、本実施形態では、第1及び第2のダミー電極10e、10hが設けられることにより、電極指の交叉幅が小さくされている。
【0026】
なお、電極17は、例えば、Cu,Al、Ag、Au、Ptなどの適宜の導電材料により形成することができる。電極17は、例えば、複数の導電膜が積層された積層膜により構成されていてもよい。具体的には、本実施形態では、図2及び図3に示すように、電極17は、圧電基板13の上に形成されており、Tiからなる密着層としてのTi膜14と、Ti膜14の上に形成されており、Cuからなる主導電膜としてのCu層15と、Cu層15の上に形成されており、AlCuからなる保護層としてのAlCu膜16との積層膜により構成されている。なお、例えば、Ti膜14,Cu膜15及びAlCu膜16の膜厚は、特に限定されないが、例えば、Ti膜14:20nm、Cu膜15:48nm、AlCu膜16:10nmとすることができる。
【0027】
図2及び図3に示すように、電極17が形成されている領域内において、電極17が形成されていない部分には、電極17と略面一となるように第2の誘電体層18が形成されている。この第2の誘電体層18によって、電極指間の溝などが埋められている。なお、第2の誘電体層18は、特に限定されないが、例えば、SiO膜や窒化ケイ素膜などにより構成することができる。
【0028】
また、電極17の上には、周波数温度特性を改善するための第1の誘電体層19が形成されている。具体的には、第1の誘電体層19は、例えば、SiOや窒化ケイ素などの誘電体材料により形成されている。
【0029】
詳細には、第1の誘電体層19は、IDT電極10の弾性表面波が励振される領域の上に形成されている。すなわち、第1の誘電体層19は、第1及び第2の電極指10d、10gと、第1及び第2の電極指10d、10g間の第2の誘電体層18を覆うように形成されている。なお、第1及び第2のバスバー10c、10fの少なくとも一部は、第1の誘電体層19によって覆われていない。
【0030】
本実施形態の弾性波装置1には、図1に示すように、第1のバスバー10c及び第1のダミー電極10eの少なくとも一部と、第1の電極指10dの少なくとも一部とを覆うように、第1の膜23が形成されている。すなわち、第1の膜23は、第1の電極指10dの少なくとも一部と、第1のバスバー10cの少なくとも一部を覆うものであってもよいし、第1の電極指10dの少なくとも一部と、第1のダミー電極10eの少なくとも一部を覆うものであってもよい。また、第1の膜23は、第1の電極指10dの少なくとも一部と、第1のバスバー10cの少なくとも一部と、第1のダミー電極10eの少なくとも一部を覆うものであってもよい。第1の膜23は、電極指とダミー電極との間のギャップには至らないように形成されている。
【0031】
また、弾性波装置1には、第2のバスバー10f及び第2のダミー電極10hの少なくとも一部と、第2の電極指10gの少なくとも一部とを覆うように形成されている。このすなわち、第2の膜24は、第2の電極指10gの少なくとも一部と、第2のバスバー10fの少なくとも一部を覆うものであってもよいし、第2の電極指10gの少なくとも一部と、第2のダミー電極10hの少なくとも一部を覆うものであってもよい。また、第2の膜24は、第2の電極指10gの少なくとも一部と、第2のバスバー10fの少なくとも一部と、第2のダミー電極10hの少なくとも一部を覆うものであってもよい。第2の膜24は、電極指とダミー電極との間のギャップには至らないように形成されている。
【0032】
そして、第1の膜23の第2のバスバー10f側の端面23aと、第2の膜24の第1のバスバー10c側の端面24aとのそれぞれは、弾性表面波伝搬方向xに対して傾斜している。従って、下記の実施例においても裏付けられるように、第1及び第2の膜23,24が形成されている領域において、弾性表面波の反射が不規則となり、横モードの定在波が発生することを抑制できる。その結果、横モードスプリアスを十分に抑圧することができ、挿入損失を低くすることができる。
【0033】
なお、本実施形態では、第1の膜23の端面23aと、第2の膜24の端面24aとの弾性表面波伝搬方向xと直交する交差幅方向yにおいて向かい合っている部分同士は、非平行である。但し、第1の膜23の端面23aと、第2の膜24の端面24aとの弾性波伝搬方向xと直交する交差幅方向yにおいて向かい合っている部分同士は平行でもよい。
【0034】
また、第1及び第2の膜23,24は、ギャップには至らないように形成されている。このため、第1及び第2の電極指10d、10gの交差部には第1及び第2の膜23,24は存在しない。このため、第1及び第2の膜23,24は、第1及び第2の電極指10d、10gの交差部に集中している弾性表面波の主要モードにはほとんど影響を与えない。
【0035】
第1及び第2の膜23,24の形状は、横モードの定在波が発生しないように、弾性表面波を不規則に反射できる形状である限り特に限定されない。具体的には、平面視において、第1及び第2の膜23,24の形状は、端面23a、24aが弾性表面波xの伝搬方向に対して傾斜していると限りにおいて特に限定されない。
【0036】
具体的には、本実施形態では、図1及び図4に示すように、第1の膜23の端面23aは、弾性表面波伝搬方向xに対して所定の角度を向くように相互に平行に位置している複数の第1の端面部23bと、第1の端面部23bとは異なる方向を向くように相互に平行に位置している複数の第2の端面部23cとによって構成されている。これら第1及び第2の端面部23b、23cは、弾性表面波伝搬方向xにおいて交互に位置している。
【0037】
第2の膜24の端面24aは、弾性表面波伝搬方向xに対して所定の角度を向くように相互に平行に位置している複数の第1の端面部24bと、第1の端面部24bとは異なる方向を向くように相互に平行に位置している複数の第2の端面部24cとによって構成されている。これら第1及び第2の端面部24b、24cは、弾性表面波伝搬方向xにおいて交互に位置している。第2の膜24の第1の端面部24bは、第1の膜23の第1の端面部23bと交差幅方向yにおいて向かい合っている。第1の端面部24bと第1の端面部23bとは、相互に非平行である。また、第2の膜24の第2の端面部24cは、第1の膜23の第2の端面部23cと交差幅方向yにおいて向かい合っている。第2の端面部24cと第2の端面部23cとは、相互に非平行である。
【0038】
図2に示すように、第1及び第2のバスバー10c、10fの上には、第1の誘電体層19が形成されていないため、第1及び第2の膜23,24は、第1及び第2のバスバー10c、10fと電気的に接続されている。
【0039】
なお、第1及び第2の膜23,24は、横モードを反射できるものである限りにおいて特に限定されない。第1及び第2の膜23,24は、例えば、1または複数の金属膜により構成することができる。第1及び第2の膜23,24を金属膜により構成することによって、第1及び第2のバスバー10c、10fの電気抵抗を小さくすることができ、よって、挿入損失をさらに小さくすることができるからである。
【0040】
図2に示すように、本実施形態では、具体的には、第1及び第2の膜23,24は、電極17の上に形成されており、AlCu合金からなるAlCu膜20と、AlCu膜20の上に形成されており、TiからなるTi膜21と、Ti膜21の上に形成されており、AlからなるAl膜22により構成されている。
【0041】
なお、第1及び第2の膜23,24の膜厚は、特に限定されないが、第1及び第2の膜23,24の下方における横モードの振動が、第1及び第2の膜23,24の表面にまで伝達されない厚さであることが好ましい。具体的には、第1及び第2の膜23,24の膜厚は、500nm〜1500nm程度に設定することができる。
【0042】
次に、本実施形態の弾性波装置1の製造方法について説明する。まず、圧電基板13を用意する。次に、圧電基板13の表面全体に先行膜を形成する。先行膜の形成方法は、先行膜の形成材料によって適宜選択することができる。先行膜は、例えば、スパッタリング法や蒸着法などにより形成することができる。
【0043】
次に、電極17の形状に対応した開口を有するレジスト膜を先行膜の上に形成する。そして、そのレジスト膜の上からエッチングすることにより先行膜の開口に対応した部分を除去する。次に、レジスト膜の上から導電膜を形成する。導電膜の形成方法は、特に限定されない。導電膜は、例えば、スパッタリング法や蒸着法などにより形成することができる。次に、リフトオフすることにより、レジスト膜及びレジスト膜上の導電膜を除去することにより、第2の誘電体層18と電極17とを形成する。
【0044】
次に、圧電基板13の上に誘電体膜を形成する。そして、その誘電体膜を所望の形状にパターニングすることにより誘電体膜から第1の誘電体層19を形成する。具体的には、誘電体膜の上に、所定のパターンのレジスト膜を形成する。そのレジスト膜の上からエッチングした後に、レジスト膜を剥離することにより第1の誘電体層19を形成する。
【0045】
最後に、第1及び第2の膜23,24を圧電基板13の上に形成する。具体的には、第1及び第2の膜23,24の形状に対応した形状の開口を有するレジスト膜を圧電基板13の上に形成する。そのレジスト膜の上から膜を形成し、レジスト膜を剥離することによって第1及び第2の膜23,24を形成する。以上の工程によって、弾性波装置1を完成させることができる。
【0046】
以上説明した本実施形態の弾性波装置1は、例えば、縦結合共振子型弾性波フィルタやデュプレクサやトリプレクサなどのアンテナ共用機などに用いることができる。弾性波装置1では、横モードスプリアスが抑圧されているため、弾性波装置1を用いて縦結合共振子型弾性波フィルタやアンテナ共用機を構成することにより、通過帯域におけるスプリアスを抑圧することができる。
【0047】
なお、本実施形態では、本発明を実施した弾性波装置の一例として、弾性表面波装置を例に挙げたが、本発明に係る弾性波装置は、弾性表面波装置に限定されない。例えば、本発明に係る弾性波装置は、弾性境界波を利用した弾性境界波装置であってもよい。その場合は、図2及び図3に示す第1の誘電体層19が、弾性境界波が励振されるような厚さに形成される。
【0048】
以下、実施例を参照しつつ、本発明について具体的に説明する。なお、以下の説明において、上記の実施形態と実質的に共通の機能を有する部材を共通の符号で参照し、説明を省略する。
【0049】
(第1の実施例)
本実施例では、以下の設計パラメータに従って図1〜図4に示す弾性波装置1を作製し、レーザー微小変位計を用いて、7次の横モードのスプリアスに対応する周波数(1005MHz)を弾性波装置に印加したときの励振の観察を行った。また、980MHzから1060MHzの範囲の周波数でインピーダンス(Z)測定を行った。第1の実施例の弾性波装置の励振観察結果を図5に示す。また、インピーダンス測定結果を図6に示す。なお、図5及び下記の図15,図18に示すデータは、交叉幅が6.4λである場合のデータである。ここで、λは、IDT電極の波長であり、本実施例では、3.74μmである。また、図5及び下記の図15,18において、太い実線が正方向の大きな変位を表し、細い実線が正方向の小さな変位を表し、太い破線が負方向の大きな変位を表し、細い破線が負方向の小さな変位を表す。また、実線及び破線が記載されていない領域は、定在波が観察されなかった領域を表している。また、図6及び、下記の図8、図10、図12及び図16に示すグラフにおいて、実線は、交叉幅が6.4λのグラフを示しており、一点破線は、交叉幅が9.6λのときのグラフを示しており、二点破線は、交叉幅が11.2λのときのグラフを示している。
【0050】
圧電基板13:カット角が126°のLiNbO基板
Ti膜14の厚さ:20nm
Cu膜15の厚さ:48nm
AlCu膜16の厚さ:10nm
第1及び第2の誘電体層19,18:SiO
第1の誘電体層19の厚さ:276nm
IDT電極10のピッチ:1.87μm
開口長:16λ(但し、λは、励振される弾性表面波の波長である。)
電極指本数:321本
交叉幅:6.4λ、9.6λ、11.2λ
AlCu膜20の厚さ:500nm
Ti膜21の厚さ:200nm
Al膜22の厚さ:1140nm
第1の端面部23b、24bと第2の端面部23c、24cとにより構成される山部の数量:各々16個
【0051】
(第2の実施例)
図7は、第2の実施例における第1及び第2の膜の平面形状を説明するための模式的平面図である。第2の実施例では、第1及び第2の膜23,24の形状が異なる以外は、上記の第1の実施例と同様の弾性波装置を作製し、上記の第1の実施例と同様にして、インピーダンス(Z)測定を行った。インピーダンス測定結果を図8に示す。
【0052】
具体的には、この第2の実施例では、上記の第1の実施例と比較して、第1の端面部23b、24bと第2の端面部23c、24cとにより構成される山部の数量が少なくされている。詳細には、第2の実施例における第1の端面部23b、24bと第2の端面部23c、24cとにより構成される山部の数量は、各々4個とされている。
【0053】
(第3の実施例)
図9は、第3の実施例における第1及び第2の膜の平面形状を説明するための模式的平面図である。第3の実施例では、第1及び第2の膜23,24の形状が異なる以外は、上記の第1の実施例と同様の弾性波装置を作製し、上記の第1の実施例と同様にして、インピーダンス(Z)測定を行った。インピーダンス測定結果を図10に示す。
【0054】
具体的には、この第3の実施例では、端面23a、24aは、一対の第1の端面部23b、24b及び第2の端面部23c、24cによって構成されている。第3の実施例において、第1の端面部23b、24bと第2の端面部23c、24cとは、第1の膜23と第2の膜24との間の交差幅方向yに沿った間隔が弾性波伝搬方向xにおける中央部において最も大きくなるように形成されている。
【0055】
(第4の実施例)
図11は、第4の実施例における第1及び第2の膜の平面形状を説明するための模式的平面図である。第4の実施例では、第1及び第2の膜23,24の形状が異なる以外は、上記の第1の実施例と同様の弾性波装置を作製し、上記の第1の実施例と同様にして、インピーダンス(Z)測定を行った。インピーダンス測定結果を図12に示す。
【0056】
具体的には、この第4の実施例では、端面23a、24aは、一対の第1の端面部23b、24b及び第2の端面部23c、24cによって構成されている。第4の実施例において、第1の端面部23b、24bと第2の端面部23c、24cとは、第1の膜23と第2の膜24との間の交差幅方向yに沿った間隔が弾性波伝搬方向xにおける中央部において最も小さくなるように形成されている。
【0057】
(第1の比較例)
図13は、第1の比較例に係る弾性波装置の略図的平面図である。図14は、第1の比較例に係る弾性波装置の略図的断面図である。図13及び図14に示すように、第1の比較例では、第1及び第2の膜23,24が設けられていない以外は、第1の実施例と同様の弾性波装置を作製し、上記の第1の実施例と同様にして、レーザー微小変位計を用いて励振の観察を行うと共に、インピーダンス(Z)測定を行った。第1の実施例の弾性波装置の励振観察結果を図15に示す。また、インピーダンス測定結果を図16に示す。
【0058】
(第2の比較例)
図17は、第2の比較例に係る弾性波装置の略図的平面図である。図17に示すように、第2の比較例では、第1及び第2の膜23,24を設ける替わりに、第1及び第2のバスバー10c、10fの端面を弾性波伝搬方向に対して傾斜させたこと以外は、上記第1の実施例と同様にして弾性波装置300を作製した。そして、作製した弾性波装置について、上記の第1の実施例と同様にして、レーザー微小変位計を用いて励振の観察を行った。第2の比較例の弾性波装置の励振観察結果を図18に示す。
【0059】
図16に示す結果から、第1及び第2の膜23,24が設けられておらず、正規型IDT電極が用いられている第1の比較例においては、3次〜11次の奇数次の横モードが励振されており、これらの奇数次の横モードに対応する横モードスプリアスが発生していることがわかる。また、図15に示すように、7次の横モードのスプリアスの周波数(1005MHz)を印加した場合に、交差幅方向yに沿って7つの腹を有し、弾性波伝搬方向に対して平行に延びる7次の定在波が観察されることから、図15に示す観察結果からも、7次の奇数次の横モードが励振されていることがわかる。
【0060】
同様に、図18に示す結果から、第1及び第2の膜23,24を設けず、第1及び第2のバスバー10c、10fの端面を弾性波伝搬方向に対して傾斜させた第2の比較例の場合においても、奇数次の横モードが発生していることがわかる。
【0061】
この結果から、第1及び第2の膜23,24が設けられておらず、正規型IDT電極が用いられている場合や、第1及び第2の膜23,24を設けず、第1及び第2のバスバー10c、10fの端面を弾性波伝搬方向に対して傾斜させた場合は、横モードの定在波に起因する横モードスプリアスを十分に抑圧することができないことがわかる。なお、偶数次の横モードは、電極内で電気的にキャンセルされるため、励振されない。
【0062】
それに対して、第1及び第2の膜23,24が設けられている第1〜第4の実施例では、図5,6,8,10,12に示す結果から、第1及び第2の膜23,24の形状に関わらず、奇数次の横モードスプリアスが抑圧されていることがわかる。これは、弾性波伝搬方向に対して傾斜している端面23a、24aにおいて横モードが散乱されて横モードの振動が弱められているためであると考えられる。横モードが散乱されていることは、図5において、横モードが弾性波伝搬方向に対して傾斜した方向に沿っていることにより裏付けられる。
【0063】
なお、図5では、第1及び第2の膜23,24が存在する部分においては横モードが観察されなかったが、これは、第1及び第2の膜23,24の表面における振動を観察しているためであり、第1及び第2の膜23,24の下方においては、横モードの振動が存在しているものと考えられる。第1及び第2の膜23,24の下方における横モードの振動は、第1及び第2の膜23,24の厚み方向において圧電基板13から離れるに従って減衰し、第1及び第2の膜23,24の表面にまでは実質的に伝達されないものと考えられる。
【0064】
(第1の変形例)
上記実施形態では、第1及び第2の膜23,24が、AlCu膜20と、Ti膜21と、Al膜22とにより構成される例について説明した。但し、本発明において、第1及び第2の膜23,24の構成はこの構成に限定されない。例えば、図19に示すように、第1及び第2の膜23,24は、電極17の上に形成されており、TiからなるTi膜25と、Ti膜25の上に形成されており、AlCuからなるAlCu膜26とにより構成されていてもよい。また、第1及び第2の膜23,24は、単一の金属膜により構成されていてもよいし、金属膜以外の膜により構成されていてもよい。
【0065】
また、本実施形態では、第1の端面部23b、24b及び第2の端面部23c、24cが平面視において直線状である例について説明したが、第1の端面部23b、24b及び第2の端面部23c、24cは、平面視において直線状でなくてもよく、曲線状であってもよい。
【0066】
(第2の変形例)
上記実施形態では、弾性表面波を利用する1ポート共振子としての弾性表面波装置について説明した。但し、本発明の弾性波装置は、1ポート共振子に限定されない。本発明は、縦結合共振子型弾性波フィルタにも適用可能である。すなわち、本発明の弾性波装置は、例えば図20に示すような縦結合共振子型弾性波フィルタであってもよい。
【0067】
図20に示す縦結合共振子型弾性波フィルタ1aは、図1に示す正規型IDT電極10を複数有する。具体的には、縦結合共振子型弾性波フィルタ1aは、弾性波伝搬方向xに沿って配列された3個の正規型IDT電極10j、10k、10lを備えている。3個の正規型IDT電極10j、10k、10lのうち、中央の正規型IDT電極10kは、入力端子に接続されており、入力側IDT電極を構成している。また、正規型IDT電極10j、10lは、出力端子に接続されており、出力側IDT電極を構成している。
【0068】
正規型IDT電極10j、10k、10lが設けられている領域の弾性波伝搬方向xの両側には、第1及び第2の反射器11,12が配置されている。
【0069】
上述のように、正規型IDT電極10では、第1の膜23の第2のバスバー10f側の端面23aと、第2の膜24の第1のバスバー10c側の端面24aとのそれぞれが、弾性表面波伝搬方向xに対して傾斜している。よって、第1及び第2の膜23,24が形成されている領域において、弾性表面波の反射が不規則となり、横モードの定在波が発生することを抑制できる。従って、横モードスプリアスの発生を抑制することができ、挿入損失の小さい縦結合共振子型弾性波フィルタ1aを実現することができる。
【0070】
なお、本変形例における正規型IDT電極10j、10k、10lの設計パラメータの一例を以下に示す。下記に示す設計パラメータ以外の設計パラメータは上記実施形態の設計パラメータと同様である。
正規型IDT電極10jの電極の本数:22本
正規型IDT電極10kの電極の本数:39本
正規型IDT電極10lの電極の本数:22本
第1の端面部23b、24bと第2の端面部23c、24cとにより構成される山部の数量:各々6個
【符号の説明】
【0071】
1…弾性波装置
10…正規型IDT電極
10a…第1のくし歯電極
10b…第2のくし歯電極
10c…第1のバスバー
10d…第1の電極指
10e…第1のダミー電極
10f…第2のバスバー
10g…第2の電極指
10h…第2のダミー電極
11…第1の反射器
12…第2の反射器
13…圧電基板
14…Ti膜
15…Cu膜
16…AlCu膜
17…電極
18…第2の誘電体層
19…第1の誘電体層
20…AlCu膜
21…Ti膜
22…Al膜
23…第1の膜
24…第2の膜
23a…端面
23b…第1の端面部
23c…第2の端面部
24…第2の膜
24a…端面
24b…第1の端面部
24c…第2の端面部
25…Ti膜
26…AlCu膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電基板と、前記圧電基板の上に形成されている正規型IDT電極とを備える弾性波装置であって、
前記正規型IDT電極は、第1及び第2のバスバーと、
前記第1のバスバーから前記第2のバスバーに向かって延びる複数本の第1の電極指と、
前記第2のバスバーから前記第1のバスバーに向かって延び、前記複数本の第1の電極指と互いに間挿し合う複数本の第2の電極指と、
前記第2の電極指の先端に対してギャップを介して対向しており、前記第1のバスバーに接続されている第1のダミー電極と、
前記第1の電極指の先端に対してギャップを介して対向しており、前記第2のバスバーに接続されている第2のダミー電極とを有し、
前記第1のダミー電極の少なくとも一部と、前記第1の電極指の少なくとも一部とを覆うように、かつ前記ギャップに至らないように形成されている第1の膜と、
前記第2のダミー電極の少なくとも一部と、前記第2の電極指の少なくとも一部とを覆うように、かつ前記ギャップに至らないように形成されている第2の膜とを備え、
前記第1の膜の前記第2のバスバー側の端面と、前記第2の膜の前記第1のバスバー側の端面とのそれぞれは、弾性波伝搬方向に対して傾斜している、弾性波装置。
【請求項2】
前記第1及び第2の膜のそれぞれは、金属膜である、請求項1に記載の弾性波装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の膜のそれぞれは、前記第1または第2のバスバー並びに前記第1または第2のダミー電極の少なくとも一部と前記第1または第2の電極指の少なくとも一部との上に形成されており、AlCu合金からなるAlCu膜と、前記AlCu膜の上に形成されており、TiからなるTi膜と、前記Ti膜の上に形成されており、AlからなるAl膜とを有する、請求項1または2に記載の弾性波装置。
【請求項4】
前記第1及び第2の膜のそれぞれは、前記第1または第2のバスバー並びに前記第1または第2のダミー電極の少なくとも一部と前記第1または第2の電極指の少なくとも一部との上に形成されており、TiからなるTi膜と、前記Ti膜の上に形成されており、AlCu合金からなるAlCu膜とを有する、請求項1または2に記載の弾性波装置。
【請求項5】
前記第1の電極指と前記第1の膜との間と、前記第2の電極指と前記第2の膜との間とに形成されている第1の誘電体膜をさらに備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の弾性波装置。
【請求項6】
隣り合う前記第1の電極指の間と、隣り合う前記第2の電極指の間とに、前記第1及び第2の電極指と略面一となるように形成されている第2の誘電体層をさらに備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の弾性波装置。
【請求項7】
前記正規型IDT電極が弾性波伝搬方向に沿って複数設けられており、前記複数の正規型IDT電極のうちの少なくともひとつの正規型IDT電極が入力側IDT電極とされており、前記複数の正規型IDT電極のうちの前記入力側IDT電極以外の正規型IDT電極のうちの少なくともひとつのIDT電極が出力側IDT電極とされている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の弾性波装置。
【請求項8】
弾性表面波を利用する弾性表面波装置である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の弾性波装置。
【請求項9】
弾性境界波を利用する弾性境界波装置である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の弾性波装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−166148(P2010−166148A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−4857(P2009−4857)
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】