説明

弾性表面波フィルタ

【課題】
小型であり、かつ通過帯域外スプリアスが効果的に抑圧されているフィルタ特性の良好な端面反射型の縦結合型SAWフィルタを得る。
【解決手段】
圧電基板2上に、IDT3,4を形成してなり、対向2端面2a,2b間でSHタイプの表面波を反射させている端面反射型の縦結合型SAWフィルタ1において、対向2端面2a,2b間の距離に起因するスプリアスの現れる位置を、第1,第2のIDT3,4の周波数特性の減衰極に近接させることにより、対向2端面間の距離に起因するスプリアスを抑圧してなるSAWフィルタ1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SHタイプの表面波を利用した弾性表面波フィルタに関し、より詳細には、縦結合型の弾性表面波(以下、SAWと略す。)フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表面波を利用した縦結合型の二重モードSAWフィルタが知られている。この種の縦結合型のSAWフィルタの一例を、図8に示す。
【0003】
SAWフィルタ51は、矩形の圧電基板52上に、第1,第2のインターデジタルトランスデューサ(以下、IDTと略す。)53,54を配置した構造を有する。IDT53,54の表面波伝搬方向両側には、反射器55,56が形成されている。
【0004】
SAWフィルタ51では、IDT53の一方のくし歯電極53aが入力端、他方のIDT54の一方のくし歯電極54aが出力端とされている。また、IDT53,54の他方のくし歯電極53b,54bはアース電位に接続される。
【0005】
従って、IDT53に入力電圧が印加された場合、表面波が励振され、励振された表面波は電極指の延びる方向と直交する方向に伝搬し、反射器55,56間で反射され、定在波となる。この定在波に基づく出力が、IDT54で取り出される。この場合、表面波として、基本モードと、高次モード(反対称モード)とが発生され、従って、SAWフィルタ51は、縦結合型の二重モードSAWフィルタとして動作する。
【0006】
しかしながら、従来の縦結合型SAWフィルタ51は、反射器55,56を有するため、全体の寸法が大きくなるという問題があった。また、SAWフィルタ51では、圧電基板2の電気機械結合係数がさほど大きくないため、狭帯域のフィルタしか構成することができなかった。
【0007】
上記のような問題を解決するものとして、特開平9−69751号公報には、SHタイプの表面波を利用した端面反射型の縦結合型弾性表面波フィルタが開示されている。この弾性表面波フィルタを、図9に示す。
【0008】
SAWフィルタ61は、矩形の圧電基板62を用いて構成されている。圧電基板62は、対向2端面62a,62bを有する。圧電基板62上には、第1,第2のIDT63,64が形成されている。IDT63,64は、それぞれ、一対のくし歯電極63a,63b,64a,64bを有し、また、電極指の対数はほぼ同じとされている。
【0009】
BGS波などのSHタイプの表面波を励振し、対向2端面62a,62b間で反射させるために、くし歯電極63aの最外側の電極指は端面62aと圧電基板62の上面62cとの端縁に沿うように形成されている。同様に、くし歯電極64bの最も外側の電極指は、圧電基板62の端面62bと上面62cとの端縁に沿うように形成されている。第1のIDT63の一方のくし歯電極63aが入力端、IDT64の一方のくし歯電極64aが出力端とされ、くし歯電極63b,64bはアース電位に接続される。
【0010】
IDT63に入力電圧を印加すると、表面波が励振され、励振された表面波は電極指の延びる方向と直交する方向に伝搬し、すなわち対向2端面62a,62b間を結ぶ方向に伝搬する。この表面波が、端面62a,62bで反射され、定在波となり、この定在波に基づく出力がIDT64から取り出される。
【0011】
従って、SHタイプの表面波を利用した端面反射型のSAWフィルタ61では、反射器を必要としないため、縦結合型二重モードSAWフィルタの小型化を図ることができ、かつ反射器による損失が生じないので、広い帯域特性を有する弾性表面波フィルタを構成することができる。
【特許文献1】特開平9−69751号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、SAWフィルタ61では、対向2端面62a,62b間の距離に依存するスプリアスが、フィルタ特性上フィルタ通過帯域外全般にわたり現れ、特に、通過帯域外の通過帯域近傍の周波数領域に比較的大きなスプリアスが現れるという問題があった。上記SAWフィルタ51では、基板材料やIDT・反射器の材料、膜厚、IDTや反射器の電極幅、IDTや反射器の電極本数により使用している反射器の反射率周波数特性が決定されるため、SAWフィルタの通過帯域外では低く設定することができるため、フィルタ通過帯域のごく近傍以外では実用上問題となるレベルのスプリアスは発生しない。すなわち、このようなスプリアスから生じる問題はSAWフィルタ61のような端面反射型のSAWフィルタ特有の問題である。
【0013】
本発明の目的は、基板材料や、電極の材料、膜厚、電極幅、電極の本数を考慮することなく、対向2端面間の距離に依存するスプリアスを効果的に抑制することができ、従って良好なフィルタ特性を得ることができ、かつ小型に構成し得る、SHタイプの表面波を利用した端面反射型のSAWフィルタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、端面反射型のSHタイプの表面波を利用した縦結合型の弾性表面波フィルタであって、対向2端面を有する圧電基板と、前記圧電基板上に形成されており、かつ電極指が前記端面と平行な方向へ延ばされた第1,第2のIDTとを備え、前記対向2端面間でSHタイプの表面波が反射されるように構成されており、第1,第2のIDTの周波数特性の減衰極が、対向2端面間の距離により表されるスプリアスの周波数位置と近接されていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項2に記載の発明では、第1,第2のIDTの電極指の対数の比が1.2:1.0〜1.7:1.0の範囲とされていることを特徴とする。本発明の弾性表面波フィルタでは、第1,第2のIDTは、それぞれ請求項2に記載のように、少なくとも一方が複数設けられていてもよい。
【0016】
また、本発明に係る弾性表面波フィルタは、複数段接続されるものであってもよく、その場合、請求項3に記載のように、前記第1,第2のIDTのうち、電極指の対数の大きい側のIDTが入力側もしくは出力側とされており、相対的に電極指の対数が少ない側のIDTが段間接続に用いられることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、対向2端面間の距離で決定されるスプリアスの現れる位置に、第1または第2のIDTの周波数特性の減衰極が近接されているので、対向2端面間の距離で決定されるスプリアスレベルを効果的に抑制することができ、それによって良好なフィルタ特性を得ることができる。また、本発明に係るSAWフィルタは、SHタイプの表面波を利用した端面反射型のSAWフィルタであるため反射器を必要としない。従って、小型であり、かつ良好なフィルタ特性を有する帯域フィルタを提供することが可能となる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、第1,第2のIDTの電極指の対数の比が、1.2:1〜1.7:1の範囲とされているため、第1,第2のIDTの周波数特性の減衰極と、対向2端面間の距離に起因するスプリアスの位置とが近接され、請求項1に記載の発明のように、対向2端面間の距離に起因するスプリアスを効果的に抑圧することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、本発明の第1の実施例に係るBGS波を利用した縦結合型の二重モードSAWフィルタを示す平面図である。SAWフィルタ1は、矩形の圧電基板2を有する。圧電基板2は、LiNbO3、LiTaO3、水晶などの圧電単結晶もしくはチタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスのような圧電セラミックスにより構成することができる。本実施例では、圧電基板2は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)により構成されている。
【0020】
圧電基板2は、対向2端面2a,2bを有する。端面2aと端面2bとは、互いに平行となるように形成されている。圧電基板2の上面2c上には、第1のIDT3及び第2のIDT4が形成されている。IDT3は、くし歯電極3a,3bを、互いに電極指が間挿し合うように配置した構造を有する。同様に、IDT4は、くし歯電極4a,4bを互いの電極指が間挿し合うように配置した構造を有する。IDT3,4の電極指は、端面2a,2bと平行に延ばされている。
【0021】
IDT3の最も外側の電極指は、端面2aと上面2cとの端縁に沿うように形成されている。同様に、IDT4の最も外側に位置する電極指も、上面2cと端面2bとのなす端縁に沿うように形成されている。
【0022】
くし歯電極3aには、入力電極5aが連ねられて形成されており、くし歯電極3bには、アース電極5bが連ねられて形成されている。同様に、IDT4側においては、くし歯電極4aに連ねられて出力電極6aが、くし歯電極4bに連ねられてアース電極6bが形成されている。
【0023】
上記IDT3,4及び電極5a,5b,6a,6bは、例えばアルミニウムなどの金属材料により構成されている。これらの電極の形成については、フォトリソグラフィ技術などの公知の方法により行うことができる。
【0024】
本実施例のSAWフィルタ1の特徴は、第1のIDT3の電極指の対数と第2のIDT4の電極指の対数との比が、1.3:1とされていることにある。すなわち、IDT3の電極指の対数は30対、IDT4の電極指の対数は23対とされている。このように、第1,第2のIDTの電極指の対数の比を1.3:1とすることにより、対向2端面2a,2b間の距離に起因するスプリアスを抑制することができ、良好なフィルタ特性が得られる。これを、具体的な実験例に基づき説明する。
【0025】
SAWフィルタ1として、対向2端面2a,2b間の距離が2.75mmであるPZTよりなる圧電基板2上に、電極指の幅を12.94μm、電極指間ピッチを25.88μmとし、それぞれ、電極指の対数が30対の第1のIDT3及び23対の第2のIDT4を形成したものを用意した。このSAWフィルタ1のフィルタ特性を図3に実線で示す。なお、図3における破線は、実線の特性を、縦軸のスケールを10倍、横軸のスケールを5倍に拡大したものである。
【0026】
比較のために、図9に示したSAWフィルタ61をIDTの対数を除いては、上記と同様の仕様で作製した。なお、SAWフィルタ61においては、第1のIDT63の電極指の対数を26.5対、第2のIDT64の対数を26.5対とし、第1,第2のIDT63,64の電極指の対数の比は1:1とした。
【0027】
このSAWフィルタ61のフィルタ特性を図10に実線で示す。なお、図10の破線は、実線の特性を、縦軸のスケールを10倍、横軸のスケールを5倍に拡大したものである。
【0028】
図3と図10に示した特性を比較すれば明らかなように、図10に示したフィルタ特性では、通過帯域外に、特に、通過帯域よりも低周波数側において、矢印A1〜矢印A5で示す比較的大きなスプリアスが現れている。これに対して、図3に示すフィルタ特性では、上記スプリアスに対応する位置におけるスプリアスレベルがかなり小さくなっていることがわかる。すなわち、上記スプリアスのうち、図10における最も大きなスプリアスA1のレベル(以下、スプリアスピークレベルとする。)は、12.1dBであるのに対し、図3に示す本実施例のSAWフィルタ1の特性では、スプリアスピークレベルは24.6dBとされ、SAWフィルタ61に比べて、スプリアスピークレベルを14.5dB抑圧し得ることがわかる。
【0029】
上記のように、本実施例のSAWフィルタ1においてスプリアスを抑制し得るのは、以下の利用によると考えられる。端面反射型の縦結合型SAWフィルタでは、対向2端面間の距離は、SHタイプの表面波の波長をλ、第1,第2のIDTの電極指の対数を、それぞれ、N1,N2、IDT間の距離をrとしたときに、対向2端面間の距離Rは、
R=λ×(N1+N2)+r
で表される。
【0030】
従って、対向2端面間の距離Rに依存するスプリアスの応答は、(N1+N2)に依存することがわかる。その結果、従来のSAWフィルタ61では、フィルタ特性で使用するメインレスポンスを2N次とした場合、図4に示すように、破線Aで示す2N±(4n−2)(n=1,2,・・・)次のレスポンスは電極の極性の対称性から発生しないが、それ以外の次数ではスプリアスが発生する。そのうち、実線Bで示す周波数スペクトラムの減衰極あるいはスペクトラムの減衰量の大きい点に相当するスプリアスは抑制されるが、実線Cで示す上記2端面間の距離Rで決定される2N±(2n+1)(n=1,2,・・・)次のレスポンスが、IDTスペクトラムの減衰が少ないところに生じるため、このレスポンスがフィルタ特性のスプリアスとして現れることになる。
【0031】
これに対して、本実施例のSAWフィルタ1では、図5に示すように、端面間の距離で決定されるスプリアスが、実線Bで示すように減衰極に一致するか、実線B´で示すように減衰量が大きい点に相当するので、ごくわずかなスプリアスレスポンスしかフィルタ特性に現れない。
【0032】
図5から明らかなように、本実施例では、端面間の距離Rで決定されるスプリアスの現れる位置に、入力側IDT3または出力側IDT4の周波数特性上の減衰極が近接されている。従って、IDT3または4の減衰極に端面間の距離Rで決定されるスプリアスが近接するため、端面間の距離Rで決定されるスプリアスのレベルを抑圧することが可能とされている。
【0033】
このように、入力側IDT3または出力側IDT4の減衰極と、端面間の距離Rで決定されるスプリアスの現れる位置とを近接させるには、図5に示すように、入力側IDT3の周波数特性と出力側IDT4の周波数特性とをずらせることが必要であり、本実施例では、IDT3とIDT4の電極指の対数の比を上記のように1.3:1とすることにより果たされている。
【0034】
言い換えれば、第1,第2のIDT3,4を有する構成において、第1,第2のIDT3,4の電極指の対数を異ならせ、それぞれの周波数特性を異ならせれば、第1,第2のIDT3,4の周波数特性上に現れる減衰極をずらせることが可能となる。従って、これらの減衰極を、端面間の距離Rで決定されるスプリアスの現れる位置に近接させるように、好ましくは、一致させるように、第1,第2のIDT3,4の電極指の対数を設定することにより、端面間の距離Rで決定されるスプリアスを効果的に抑圧することができる。
【0035】
上記の結果を基に、第1,第2のIDT3,4の電極指の対数の比N1/N2を種々異ならせ、帯域外スプリアスレベルがどの程度抑圧されるかを測定した。結果を図6に示す。図6の横軸は、第1,第2のIDT3,4の電極指の対数の比N1/N2を示し、縦軸は帯域外スプリアスのスプリアスピークレベルを示す。
【0036】
図6から明らかなように、第1,第2のIDT3,4の電極指の対数の比を、1.2:1〜1.7:1とすれば、第1,第2のIDTの電極指の対数を等しくした場合に比べてスプリアスピークレベルを10dB以上抑圧し得ることがわかる。従って、SAWフィルタ1においては、第1,第2のIDT3,4の電極指の対数の比を、上記のように1.2:1〜1.7:1の範囲とすることにより、帯域外スプリアス、特に通過帯域よりも低域側に現れる端面間の距離Rに起因するスプリアスを効果的に抑圧し得ることがわかる。
【0037】
また、SAWフィルタ1においては、第1のIDT3及び第2のIDT4の一方を入力側IDT、他方のIDTを出力側IDT4としたが、IDT3,4は、何れを入力側及び出力側としてもよい。さらに、本願発明者の実験によれば、SAWフィルタ1を他のSAWフィルタと接続し複数段構成とする場合には、電極指の対数が多いIDT3側を入力側または出力側IDTとし、電極指の対数の少ない第2のIDT4側を段間接続に用いることにより、良好なフィルタ特性の得られることが確かめられた。これは、インピーダンスマッチングが良好となることによると考えられる。
【0038】
本発明に係るSAWフィルタは、SAWフィルタ1のように、それぞれ、1個の第1のIDT3及び1個の第2のIDT4を有するものに限定されず、第1,第2のIDT3,4は、少なくとも一方が複数配置されていてもよい。
【0039】
図2は、第1のIDTが1個、第2のIDTが2個設けられている実施例を示す平面図である。
【0040】
図2に示すSAWフィルタ11では、圧電基板2と同様に構成された圧電基板12の上面12c上に、第1のIDT13が形成されている。IDT13の両側には、第2のIDT14,15が形成されている。
【0041】
IDT13は、互いの電極指が間挿し合うように配置されたくし歯電極13a,13bを有する。くし歯電極13aに連ねられて入力電極16aが形成されており、くし歯電極13bに連ねられてアース電極16bが形成されている。IDT14,15は、それぞれ、くし歯電極14a,14b,15a,15bを有する。くし歯電極14a,15aに連ねられて、それぞれ、出力電極17a,18aが形成されている。また、くし歯電極14b,15bに連ねられて、それぞれ、アース電極17b,18bが形成されている。
【0042】
なお、IDT14,15の最も外側の電極指、すなわち端面12a,12bに最も近い電極指は、端面12aまたは12bと上面12cとのなす端縁に沿うように形成されてい
る。
【0043】
SAWフィルタ11は、BGS波を利用した端面反射型の縦結合二重モードSAWフィルタとして動作するように構成されている。また、本実施例のSAWフィルタ11では、第1のIDT13の電極指の対数N1が7、出力側IDTである第2のIDT14,15の電極指の対数N2が、何れも5とされている。すなわち、第1,第2のIDTの電極指の対数の比は、7:5とされている。
【0044】
上記SAWフィルタ11のフィルタ特性を、図7に実線で示す。図7の破線は、実線の特性を縦軸のスケールを10倍、横軸のスケールを5倍に拡大したものである。
【0045】
図7の実線で示すように、SAWフィルタ11においても、通過帯域よりも低域側のスプリアスが抑制され、スプリアスピークレベルは、18dBとされていることがわかる。なお、特に図示はしないが、SAWフィルタ11において、中央のIDT15,16の電極指の対数をIDT14と等しく7対とした場合には、スプリアスピークレベルは10dBであった。従って、SAWフィルタ11において、電極指の対数の比を上記のように7:5とすることにより、3個のIDTの電極指の対数が全て等しい相当のSAWフィルタに比べてスプリアスピークレベルを8dB抑圧し得ることがわかる。
【0046】
なお、上述した第1,第2の実施例のSAWフィルタ1,11では、SHタイプの表面波として、BGS波を利用したものを説明したが、BGS波以外に、ラブ波、漏洩弾性表面波などの他のSHタイプの表面波を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の実施例に係るSAWフィルタを示す平面図。
【図2】本発明の第2の実施例に係るSAWフィルタを示す平面図。
【図3】第1の実施例のSAWフィルタのフィルタ特性を示す図。
【図4】従来の端面反射型の縦結合型SAWフィルタにおけるIDTの周波数特性と、端面間の距離に起因するスプリアスの現れる位置との関係を説明するための図。
【図5】第1の実施例のSAWフィルタにおける第1,第2のIDTの周波数特性と、端面間の距離に起因するスプリアスの現れる位置との関係を説明するための図。
【図6】第1の実施例のSAWフィルタにおける第1,第2のIDTの電極指の対数の比と、スプリアスピークレベルとの関係を示す図。
【図7】第2のSAWフィルタのフィルタ特性を示す図。
【図8】従来の縦結合型SAWフィルタの一例を示す斜視図。
【図9】従来の端面反射型の縦結合型SAWフィルタを示す斜視図。
【図10】図9に示した縦結合型SAWフィルタのフィルタ特性を示す図。
【符号の説明】
【0048】
1…SAWフィルタ
2…圧電基板
2a,2b…端面
2c…上面
3…第1のIDT
4…第2のIDT
11…SAWフィルタ
12…圧電基板
12a,12b…端面
13…第1のIDT
14…第2のIDT

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端面反射型のSHタイプの表面波を利用した縦結合型の弾性表面波フィルタであって、
対向2端面を有する圧電基板と、
前記圧電基板上に形成されており、かつ電極指が前記端面と平行な方向へ延ばされた第1,第2のインターデジタルトランスデューサとを備え、
前記対向2端面間でSHタイプの表面波が反射されるように構成されており、
第1,第2のインターデジタルトランスデューサの周波数特性の減衰極が、対向2端面間の距離により表されるスプリアスの周波数位置と近接されていることを特徴とする、弾性表面波フィルタ。
【請求項2】
前記第1,第2のインターデジタルトランスデューサの電極指の対数の比が1.2:1.0〜1.7:1.0の範囲とされていることを特徴とする、請求項1に記載の弾性表面波フィルタ。
【請求項3】
前記第1,第2のインターデジタルトランスデューサのうち少なくとも一方が複数設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の弾性表面波フィルタ。
【請求項4】
前記第1,第2のインターデジタルトランスデューサのうち、電極指の対数の大きい側のインターデジタルトランスデューサが入力側もしくは出力側とされており、相対的に電極指の対数が少ない側のインターデジタルトランスデューサが段間接続に用いられる、請求項1〜3の何れかに記載の弾性表面波フィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−20234(P2007−20234A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−281024(P2006−281024)
【出願日】平成18年10月16日(2006.10.16)
【分割の表示】特願2003−401809(P2003−401809)の分割
【原出願日】平成10年8月27日(1998.8.27)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】