弾性表面波装置
【課題】 従来の多層膜技術の観点は耐電力性向上にあり、その特性、特に損失特性からの着眼は無く、むしろ多少の特性劣化が見込まれる場合も多かった。本願の目的は、従来とは異なり、多層膜化により積極的な特性向上、特に低損失化に好適な多層膜構造を提供する。
【解決手段】 弾性表面波基板上にすだれ状電極が形成され、そのすだれ状電極は、ALまたはCuを主材料とする主電極から形成され、さらに主電極の上に主材料とは異なる上部薄膜を配置し、上記主電極の膜厚を弾性表面波波長の7.7〜9.7%とする。
【解決手段】 弾性表面波基板上にすだれ状電極が形成され、そのすだれ状電極は、ALまたはCuを主材料とする主電極から形成され、さらに主電極の上に主材料とは異なる上部薄膜を配置し、上記主電極の膜厚を弾性表面波波長の7.7〜9.7%とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高性能、特に低損失特性の弾性表面波装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開2005-304066号公報(特許文献1)がある。この公報には、「LiNbO3 またはLiTaO3 の単結晶からなる圧電基板の表面の加工変質層を取り除いた後、TiおよびCrの少なくとも一方を主成分とする下地電極層を100℃以下の温度で真空蒸着法によって形成し、その上にAlからなるまたはAlを主成分とするAl電極層を形成する。Al電極層は、その結晶構造が双晶構造であり、Al結晶の(111)面の法線方向と圧電基板の結晶のZ軸とが実質的に一致するように一定方向に配向する結晶方位を有する。」と記載されている。
【0003】
また、特開2002-26685号公報(特許文献2)がある。この公報には、「圧電基板2上に、TiまたはTi合金からなる第1の電極層を形成した上で、この第1の電極層上に、CuまたはCu合金からなる第2の電極層を形成する。そして、第2の電極層の上面および側面を被覆するように、Alもしくはこれを主成分とする合金またはAuもしくはこれを主成分とする合金からなる第3の電極層を形成する。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-304066号公報
【特許文献2】特開2002-26685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、2にあるように、従来の多層膜技術の観点は耐電力性向上にあり、その特性、特に損失特性からの着眼は無く、むしろ多少の特性劣化が見込まれる場合も多かった。本願の目的は、従来とは異なり、多層膜化により積極的な特性向上、特に低損失化に好適な多層膜構造を提供する事にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、「弾性表面波基板上にすだれ状電極が形成され、すだれ状電極は、ALまたはCuを主材料とする主電極から形成され、主電極上に主材料とは異なる上部薄膜を配置し、主電極の主材料がAlの場合は膜厚を弾性表面波波長の7.7〜9.7%とし、主材料がCuの場合は膜厚を弾性表面波波長の3.8〜4.9%とすることを特徴とする弾性表面波装置」による。
【発明の効果】
【0007】
発明者らは種々の構造を実験的に検討した結果、上記構造をとる事により、特性、特に損失特性が改善される事を見出した。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1(a)】本発明の第1実施例の電極の断面構造を示している。
【図1(b)】本発明の第1実施例の電極を基板面方向から見た上面図を示している。
【図2】第1従来例の電極の断面構造を示している。
【図3】第2従来例の電極の断面構造を示している。
【図4】本発明の第1実施例のBand5分波器構成を示している。
【図5】本発明の第1実施例のBand5分波器と従来例の分波器の帯域内特性を比較して示している。
【図6】本発明の第1実施例のBand5分波器特性を示している。
【図7】主電極の膜厚と送信側損失特性の関係を本発明と従来構造を比較して示している。
【図8】主電極の膜厚と受信側損失特性の関係を本発明と従来構造を比較して示している。
【図9】上部薄膜層の膜厚と送信側損失特性の関係を本発明と従来構造を比較して示している。
【図10】上部薄膜層の膜厚と受信側損失特性の関係を本発明と従来構造を比較して示している。
【図11】本発明の第2実施例の電極の断面構造を示している。
【図12】本発明の第2実施例と従来例の帯域内特性を比較して示している。
【図13】本発明の第3実施例の電極の断面構造を示している。
【図14】本発明の第3実施例と従来例の帯域内特性を比較して示している。
【図15】本発明の第4実施例の電極の断面構造を示している。
【図16】本発明の第4実施例と従来例の帯域内特性を比較して示している。
【図17】本発明の第5実施例の電極の断面構造を示している。
【図18】本発明の第5実施例と従来例の帯域内特性を比較して示している。
【図19】本発明の第6実施例の電極の断面構造を示している。
【図20】本発明の第6実施例と従来例の帯域内特性を比較して示している。
【図21】本発明の第7実施例のBand8分波器と従来例のB8分波器の帯域内特性を比較して示している。
【図22】本発明の第8実施例のBand1分波器と従来例のB1分波器の帯域内特性を比較して示している。
【図23】本発明の第9実施例の分波器構成を示している。
【図24】本発明の第10実施例のラダーフィルタ構成を示している。
【図25】本発明の第11実施例のダブルモードフィルタ構成を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施例を図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0010】
本実施例では、上記構造の多層膜化による損失低減例をBand5分波器を例に取り説明する。
【0011】
図1(a)は、本実施例の電極断面構造を示している。弾性表面波基板1上に主材料を用いて作成された主電極2上に上部薄膜3が形成されている。第1実施例では、弾性表面波基板1として42度回転Y軸カットX軸伝播のLiTaO3を用い、主電極2はAl-0.5wt%Cuの電極とし、上部薄膜3としてはTi膜を形成している。また主電極2の膜厚は、弾性表面波波長の比で8.7%、上部薄膜3の厚さは、100Åである。図1(b)は図1(a)を基板面方向から見た上面図である。電極はすだれ状電極型に配置されている。尚、主電極2は上面から見ているため、ここでは現れない。
【0012】
図2は、第1従来例の電極断面構造であり、上部薄膜層は形成されていない。膜厚条件は上記と同一とした。
【0013】
図3は、第2従来例の電極断面構造であり、下部薄膜4形成後に主電極2が形成されている。膜厚条件は上記と同一とした。また下部薄膜4の厚さは50Åとした。第2従来例は第1従来例の耐電力性向上を意図したもので、主電極2は下部薄膜4の影響で配向性が向上し、耐電力性が向上する。下部薄膜4の膜厚を充分薄くする事により特性はほとんど第1従来例と同等とする事ができる。
【0014】
図4は本実施例の分波器の構成を示す。送信(Tx)側の電極は、ラダー型電極構成で、弾性表面波共振子5〜〜11が接続され、受送信(Rx)側の電極は、弾性表面波共振12とダブルモード型フィルタ13〜16で形成されている。本実施例の構成を用いることによりRxの出力を平衡出力とする事ができる。
【0015】
図5は得られたBand5分波器の帯域内特性の比較である。実線17が本願発明のTx側の特性、実線18が第1、第2従来例のTx特性である (第1、第2従来例はほとんど同特性のため、1つの実線で示している)。明らかに、本願発明による損失向上効果がみられる。また実線19が本願発明のRx側の特性、実線20が第1、第2従来例のRx特性である。(第1、第2従来例はほとんど同特性のため、1つの実線で示している)。受信側でも、本願発明による損失向上効果がみられる。
【0016】
図6は本願発明による分波器特性を示している。また実線21が本願発明のTx側の特性、また実線22が本願発明のRx側の特性である。従来に比べ、帯域外特性を劣化させる事無く、損失が改善されている。
【0017】
上記の損失改善効果を得る条件を主電極2の膜厚と上部薄膜3の膜厚をパラメータにして特性変化を調べた。比較のために、同条件の第1従来例の素子も作成した。図7がTx損失に対する、主電極2の膜厚依存性、図8がRx損失に対する、主電極2の膜厚依存性
である。Tx側の特性では実験範囲のすべての条件で本発明の効果が見られ、Rx側の特性では実験範囲のすべての条件(7.7〜9.7%)で本発明の効果が見られ、主電極2の膜厚が弾性表面波波長の8.2%以上で効果が見られた。同様の実験を主電極2の材料をCuとした場合、Tx側では、3.8〜4.9%で本発明の効果が見られ、Rx側では、4.0%以上で本発明の効果が見られた。
【0018】
また図9がTx損失に対する、上部薄膜3の膜厚依存性、図10がRx損失に対する、上部薄膜3の膜厚依存性である。Tx側でもRx側でも、上部薄膜3が薄い程損失が小さい事が分った。この結果は主電極2の材料をCuとした場合も同様の結果であった。
【実施例2】
【0019】
本実施例でも、Band5分波器を例に取り説明する。
【0020】
図11は、本実施例の電極断面構造を示している。第1実施例の構成に加えて、下部薄膜23が形成されている。本実施例では、下部薄膜23はTi薄膜とし、膜厚は50Åとした。実施例1と同一の構成については説明を省略する。また、それぞれの膜厚条件も実施例1と同等とした。
【0021】
図12が得られたBand5分波器の帯域内特性の比較である。比較のため、第1従来例の特性も合わせて示している。実線24が本願発明のTx側の特性、実線25が第1従来例のTx特性である。明らかに、本願発明による損失向上効果がみられる。また実線26が本願発明のRx側の特性、実線27が第1従来例のRx特性である。(第1、第2従来例はほとんど同特性のため、1つの実線で示している)。受信側でも、本願発明による損失向上効果がみられる。
【0022】
本実施例では、下部薄膜23を設ける事による耐電力性向上に効果がある。
【実施例3】
【0023】
本実施例でも、Band5分波器を例に取り説明する。
【0024】
図13は、本実施例の電極断面構造を示している。第1実施例の構成に加えて、電極全面に保護薄膜28が形成されている。本実施例では、保護薄膜28はSiO2とし、膜厚は100Åとした。実施例1と同一の構成については、説明を省略する。また、それぞれの膜厚条件も実施例1と同等とした。
【0025】
図14が得られたBand5分波器の帯域内特性の比較である。比較のため、第1従来例の特性も合わせて示している。実線29が本願発明のTx側の特性、実線30が第1従来例のTx特性である。明らかに、本願発明による損失向上効果がみられる。また実線31が本願発明のRx側の特性、実線32が第1従来例のRx特性である。受信側でも、本願発明による損失向上効果がみられる。
【0026】
本実施例では、保護薄膜28を設ける事により、電極上に付着する水分、パーティクル等からの保護に効果がある。
【実施例4】
【0027】
本実施例でも、Band5分波器を例に取り説明する。
【0028】
図15は、本実施例の電極断面構造を示している。第1実施例の構成に加えて、電極前面に保護薄膜28が形成され、また、上部電極3は複数層(例えば2層)に分けて形成されている。本実施例でも、保護薄膜28はSiO2とし、膜厚は100Åとした。また、2つに分けられた主電極2の層はそれぞれ、弾性表面波波長の比で4.35%、上部薄膜3の厚さは、それぞれ50Åである。実施例1と同一の構成については説明を省略する。
【0029】
図16が得られたBand5分波器の帯域内特性の比較である。比較のため、第1従来例の特性も合わせて示している。実線33が本願発明のTx側の特性、実線34が第1従来例のTx特性である。明らかに、本願発明による損失向上効果がみられる。また実線35が本願発明のRx側の特性、実線36が第1従来例のRx特性である。受信側でも、本願発明による損失向上効果がみられる。
【0030】
本実施例では、保護薄膜28を設ける事により、電極上に付着する水分、パーティクル等からの保護に効果があり、さらに、上部薄膜3を2層とする事により、耐電力性に効果がある。
【実施例5】
【0031】
本実施例でも、Band5分波器を例に取り説明する。
【0032】
図17は、本実施例の電極断面構造を示している。第1実施例の構成に加えて、主電極2にテーパを付けて形成し、主電極2の側面にも上部薄膜3の層を配置した。また、電極全面に保護薄膜28が形成されている。実施例1と同一の構成については説明を省略する。
【0033】
図18が得られたBand5分波器の帯域内特性の比較である。比較のため、第1従来例の特性も合わせて示している。実線37が本願発明のTx側の特性、実線38が第1従来例のTx特性である。明らかに、本願発明による損失向上効果がみられる。また実線39が本願発明のRx側の特性、実線40が第1従来例のRx特性である。受信側でも、明らかに本願発明による損失向上効果がみられる。また、その効果は実施例1より大きい。
【0034】
本実施例では、本実施例の構成とする事により、一層の損失低減に効果がある。
【実施例6】
【0035】
本実施例でも、Band5分波器を例に取り説明する。
【0036】
図19は、本実施例の電極断面構造を示している。第5実施例の構成に加えて、主電極2の下に下部薄膜23の層が形成されている。また、電極全面に保護薄膜28が形成されている。実施例1と同一の構成については説明を省略する。
【0037】
図20が得られたBand5分波器の帯域内特性の比較である。比較のため、第1従来例の特性も合わせて示している。実線41が本願発明のTx側の特性、実線42が第1従来例のTx特性である。明らかに、本願発明による損失向上効果がみられる。また実線43が本願発明のRx側の特性、実線44が第1従来例のRx特性である。受信側でも、明らかに本願発明による損失向上効果がみられる。また、その効果は実施例1より大きい。
【0038】
本実施例では、本実施例の構成とする事により、一層の損失低減に効果があり、また下部薄膜23を形成する事により、耐電力向上の効果もある。
【実施例7】
【0039】
本実施例は、Band8分波器の例である。
【0040】
電極断面構成及び、分波器構成も 図1と同一である。弾性表面波基板1として、46度回転Y軸カットX軸伝播のLiTaO3を用いた。
【0041】
図21が得られたBand8分波器の帯域内特性の比較である。比較のため、第1従来例の特性も合わせて示している。第1従来例の条件も、図2と同じである。実線45が本願発明のTx側の特性、実線46が第1従来例のTx特性である。明らかに、本願発明による損失向上効果がみられる。また実線47が本願発明のRx側の特性、実線48が第1従来例のRx特性である。受信側でも、明らかに本願発明による損失向上効果がみられる。
【0042】
本実施例では、Band8分波器の例を示したが、上述のようにBand8分波器に本願の構成を適用しても損失特性の向上に効果がある。
【実施例8】
【0043】
本実施例は、Band1分波器の例である。
【0044】
電極断面構成及び、分波器構成も 図1と同一である。弾性表面波基板1として、46度回転Y軸カットX軸伝播のLiTaO3を用いた。
【0045】
図22が得られたBand1分波器の帯域内特性の比較である。比較のため、第1従来例の特性も合わせて示している。第1従来例の条件も、図2と同じである。実線49が本願発明のTx側の特性、実線50が第1従来例のTx特性である。明らかに、本願発明による損失向上効果がみられる。また実線51が本願発明のRx側の特性、実線52が第1従来例のRx特性である。明らかに本願発明による損失向上効果がみられる。また受信側では送信側の特性より向上効果が大きい。
【0046】
本実施例では、Band1分波器の例を示したが、上述のようにBand1分波器に本願の構成を適用しても損失特性の向上に効果がある。
【0047】
尚、上述の実施例はすべて図4に示したRx側がダブルモード型フィルタとなっているが、図23に示すように、Rx側も弾性表面波共振子53〜60が接続されたラダー構成とした場合でもTxと同様の損失向上効果が得られる。また本実施例では分波器を用いて説明を行ったが、Tx、Rxを分離した、図24、図25のようなフィルタでも同様の効果が得られる。図24はラダー型フィルタの例であり、弾性表面波共振子61〜67がラダー型に接続されている。図25は縦続接続型ダブルモードフィルタを例であり、ダブルモード型フィルタ68〜71が図のように接続されている。図24、図25にようなフィルタでも同様に損失低減効果が得られる。
【0048】
尚、上述の実施例はすべて弾性表面波基板1として、42度回転Y軸カットX軸伝播のLiTaO3と46度回転Y軸カットX軸伝播のLiTaO3を用いたを用いた場合を示した。さらに、本発明の効果は、弾性表面波基板1を変更した場合でも同様であり、例えば、64度回転Y軸カットX軸伝播のLiNbO3を用いた場合でも、42度回転Y軸カットX軸伝播のLiNbO3、128度回転Y軸カットX軸伝播のLiNbO3を用いた場合でも同様である。
【0049】
尚、上述の実施例はすべて主電極2の材料として、Al-0.5wt%Cuの場合、Cuの場合を示したが、他の材料(Au, Agあるいはそれらを主原料とした合金)でも、同様の効果が得られる。また、上述の実施例はすべて上部薄膜3の材料をTiとしたが、Ti以外の材料(Cu, Ta, W, Ag, SiO2, AlN 等)でも同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0050】
1 弾性表面波基板
2 主電極
3 上部薄膜
【技術分野】
【0001】
本発明は高性能、特に低損失特性の弾性表面波装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、特開2005-304066号公報(特許文献1)がある。この公報には、「LiNbO3 またはLiTaO3 の単結晶からなる圧電基板の表面の加工変質層を取り除いた後、TiおよびCrの少なくとも一方を主成分とする下地電極層を100℃以下の温度で真空蒸着法によって形成し、その上にAlからなるまたはAlを主成分とするAl電極層を形成する。Al電極層は、その結晶構造が双晶構造であり、Al結晶の(111)面の法線方向と圧電基板の結晶のZ軸とが実質的に一致するように一定方向に配向する結晶方位を有する。」と記載されている。
【0003】
また、特開2002-26685号公報(特許文献2)がある。この公報には、「圧電基板2上に、TiまたはTi合金からなる第1の電極層を形成した上で、この第1の電極層上に、CuまたはCu合金からなる第2の電極層を形成する。そして、第2の電極層の上面および側面を被覆するように、Alもしくはこれを主成分とする合金またはAuもしくはこれを主成分とする合金からなる第3の電極層を形成する。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-304066号公報
【特許文献2】特開2002-26685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、2にあるように、従来の多層膜技術の観点は耐電力性向上にあり、その特性、特に損失特性からの着眼は無く、むしろ多少の特性劣化が見込まれる場合も多かった。本願の目的は、従来とは異なり、多層膜化により積極的な特性向上、特に低損失化に好適な多層膜構造を提供する事にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、「弾性表面波基板上にすだれ状電極が形成され、すだれ状電極は、ALまたはCuを主材料とする主電極から形成され、主電極上に主材料とは異なる上部薄膜を配置し、主電極の主材料がAlの場合は膜厚を弾性表面波波長の7.7〜9.7%とし、主材料がCuの場合は膜厚を弾性表面波波長の3.8〜4.9%とすることを特徴とする弾性表面波装置」による。
【発明の効果】
【0007】
発明者らは種々の構造を実験的に検討した結果、上記構造をとる事により、特性、特に損失特性が改善される事を見出した。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1(a)】本発明の第1実施例の電極の断面構造を示している。
【図1(b)】本発明の第1実施例の電極を基板面方向から見た上面図を示している。
【図2】第1従来例の電極の断面構造を示している。
【図3】第2従来例の電極の断面構造を示している。
【図4】本発明の第1実施例のBand5分波器構成を示している。
【図5】本発明の第1実施例のBand5分波器と従来例の分波器の帯域内特性を比較して示している。
【図6】本発明の第1実施例のBand5分波器特性を示している。
【図7】主電極の膜厚と送信側損失特性の関係を本発明と従来構造を比較して示している。
【図8】主電極の膜厚と受信側損失特性の関係を本発明と従来構造を比較して示している。
【図9】上部薄膜層の膜厚と送信側損失特性の関係を本発明と従来構造を比較して示している。
【図10】上部薄膜層の膜厚と受信側損失特性の関係を本発明と従来構造を比較して示している。
【図11】本発明の第2実施例の電極の断面構造を示している。
【図12】本発明の第2実施例と従来例の帯域内特性を比較して示している。
【図13】本発明の第3実施例の電極の断面構造を示している。
【図14】本発明の第3実施例と従来例の帯域内特性を比較して示している。
【図15】本発明の第4実施例の電極の断面構造を示している。
【図16】本発明の第4実施例と従来例の帯域内特性を比較して示している。
【図17】本発明の第5実施例の電極の断面構造を示している。
【図18】本発明の第5実施例と従来例の帯域内特性を比較して示している。
【図19】本発明の第6実施例の電極の断面構造を示している。
【図20】本発明の第6実施例と従来例の帯域内特性を比較して示している。
【図21】本発明の第7実施例のBand8分波器と従来例のB8分波器の帯域内特性を比較して示している。
【図22】本発明の第8実施例のBand1分波器と従来例のB1分波器の帯域内特性を比較して示している。
【図23】本発明の第9実施例の分波器構成を示している。
【図24】本発明の第10実施例のラダーフィルタ構成を示している。
【図25】本発明の第11実施例のダブルモードフィルタ構成を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施例を図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0010】
本実施例では、上記構造の多層膜化による損失低減例をBand5分波器を例に取り説明する。
【0011】
図1(a)は、本実施例の電極断面構造を示している。弾性表面波基板1上に主材料を用いて作成された主電極2上に上部薄膜3が形成されている。第1実施例では、弾性表面波基板1として42度回転Y軸カットX軸伝播のLiTaO3を用い、主電極2はAl-0.5wt%Cuの電極とし、上部薄膜3としてはTi膜を形成している。また主電極2の膜厚は、弾性表面波波長の比で8.7%、上部薄膜3の厚さは、100Åである。図1(b)は図1(a)を基板面方向から見た上面図である。電極はすだれ状電極型に配置されている。尚、主電極2は上面から見ているため、ここでは現れない。
【0012】
図2は、第1従来例の電極断面構造であり、上部薄膜層は形成されていない。膜厚条件は上記と同一とした。
【0013】
図3は、第2従来例の電極断面構造であり、下部薄膜4形成後に主電極2が形成されている。膜厚条件は上記と同一とした。また下部薄膜4の厚さは50Åとした。第2従来例は第1従来例の耐電力性向上を意図したもので、主電極2は下部薄膜4の影響で配向性が向上し、耐電力性が向上する。下部薄膜4の膜厚を充分薄くする事により特性はほとんど第1従来例と同等とする事ができる。
【0014】
図4は本実施例の分波器の構成を示す。送信(Tx)側の電極は、ラダー型電極構成で、弾性表面波共振子5〜〜11が接続され、受送信(Rx)側の電極は、弾性表面波共振12とダブルモード型フィルタ13〜16で形成されている。本実施例の構成を用いることによりRxの出力を平衡出力とする事ができる。
【0015】
図5は得られたBand5分波器の帯域内特性の比較である。実線17が本願発明のTx側の特性、実線18が第1、第2従来例のTx特性である (第1、第2従来例はほとんど同特性のため、1つの実線で示している)。明らかに、本願発明による損失向上効果がみられる。また実線19が本願発明のRx側の特性、実線20が第1、第2従来例のRx特性である。(第1、第2従来例はほとんど同特性のため、1つの実線で示している)。受信側でも、本願発明による損失向上効果がみられる。
【0016】
図6は本願発明による分波器特性を示している。また実線21が本願発明のTx側の特性、また実線22が本願発明のRx側の特性である。従来に比べ、帯域外特性を劣化させる事無く、損失が改善されている。
【0017】
上記の損失改善効果を得る条件を主電極2の膜厚と上部薄膜3の膜厚をパラメータにして特性変化を調べた。比較のために、同条件の第1従来例の素子も作成した。図7がTx損失に対する、主電極2の膜厚依存性、図8がRx損失に対する、主電極2の膜厚依存性
である。Tx側の特性では実験範囲のすべての条件で本発明の効果が見られ、Rx側の特性では実験範囲のすべての条件(7.7〜9.7%)で本発明の効果が見られ、主電極2の膜厚が弾性表面波波長の8.2%以上で効果が見られた。同様の実験を主電極2の材料をCuとした場合、Tx側では、3.8〜4.9%で本発明の効果が見られ、Rx側では、4.0%以上で本発明の効果が見られた。
【0018】
また図9がTx損失に対する、上部薄膜3の膜厚依存性、図10がRx損失に対する、上部薄膜3の膜厚依存性である。Tx側でもRx側でも、上部薄膜3が薄い程損失が小さい事が分った。この結果は主電極2の材料をCuとした場合も同様の結果であった。
【実施例2】
【0019】
本実施例でも、Band5分波器を例に取り説明する。
【0020】
図11は、本実施例の電極断面構造を示している。第1実施例の構成に加えて、下部薄膜23が形成されている。本実施例では、下部薄膜23はTi薄膜とし、膜厚は50Åとした。実施例1と同一の構成については説明を省略する。また、それぞれの膜厚条件も実施例1と同等とした。
【0021】
図12が得られたBand5分波器の帯域内特性の比較である。比較のため、第1従来例の特性も合わせて示している。実線24が本願発明のTx側の特性、実線25が第1従来例のTx特性である。明らかに、本願発明による損失向上効果がみられる。また実線26が本願発明のRx側の特性、実線27が第1従来例のRx特性である。(第1、第2従来例はほとんど同特性のため、1つの実線で示している)。受信側でも、本願発明による損失向上効果がみられる。
【0022】
本実施例では、下部薄膜23を設ける事による耐電力性向上に効果がある。
【実施例3】
【0023】
本実施例でも、Band5分波器を例に取り説明する。
【0024】
図13は、本実施例の電極断面構造を示している。第1実施例の構成に加えて、電極全面に保護薄膜28が形成されている。本実施例では、保護薄膜28はSiO2とし、膜厚は100Åとした。実施例1と同一の構成については、説明を省略する。また、それぞれの膜厚条件も実施例1と同等とした。
【0025】
図14が得られたBand5分波器の帯域内特性の比較である。比較のため、第1従来例の特性も合わせて示している。実線29が本願発明のTx側の特性、実線30が第1従来例のTx特性である。明らかに、本願発明による損失向上効果がみられる。また実線31が本願発明のRx側の特性、実線32が第1従来例のRx特性である。受信側でも、本願発明による損失向上効果がみられる。
【0026】
本実施例では、保護薄膜28を設ける事により、電極上に付着する水分、パーティクル等からの保護に効果がある。
【実施例4】
【0027】
本実施例でも、Band5分波器を例に取り説明する。
【0028】
図15は、本実施例の電極断面構造を示している。第1実施例の構成に加えて、電極前面に保護薄膜28が形成され、また、上部電極3は複数層(例えば2層)に分けて形成されている。本実施例でも、保護薄膜28はSiO2とし、膜厚は100Åとした。また、2つに分けられた主電極2の層はそれぞれ、弾性表面波波長の比で4.35%、上部薄膜3の厚さは、それぞれ50Åである。実施例1と同一の構成については説明を省略する。
【0029】
図16が得られたBand5分波器の帯域内特性の比較である。比較のため、第1従来例の特性も合わせて示している。実線33が本願発明のTx側の特性、実線34が第1従来例のTx特性である。明らかに、本願発明による損失向上効果がみられる。また実線35が本願発明のRx側の特性、実線36が第1従来例のRx特性である。受信側でも、本願発明による損失向上効果がみられる。
【0030】
本実施例では、保護薄膜28を設ける事により、電極上に付着する水分、パーティクル等からの保護に効果があり、さらに、上部薄膜3を2層とする事により、耐電力性に効果がある。
【実施例5】
【0031】
本実施例でも、Band5分波器を例に取り説明する。
【0032】
図17は、本実施例の電極断面構造を示している。第1実施例の構成に加えて、主電極2にテーパを付けて形成し、主電極2の側面にも上部薄膜3の層を配置した。また、電極全面に保護薄膜28が形成されている。実施例1と同一の構成については説明を省略する。
【0033】
図18が得られたBand5分波器の帯域内特性の比較である。比較のため、第1従来例の特性も合わせて示している。実線37が本願発明のTx側の特性、実線38が第1従来例のTx特性である。明らかに、本願発明による損失向上効果がみられる。また実線39が本願発明のRx側の特性、実線40が第1従来例のRx特性である。受信側でも、明らかに本願発明による損失向上効果がみられる。また、その効果は実施例1より大きい。
【0034】
本実施例では、本実施例の構成とする事により、一層の損失低減に効果がある。
【実施例6】
【0035】
本実施例でも、Band5分波器を例に取り説明する。
【0036】
図19は、本実施例の電極断面構造を示している。第5実施例の構成に加えて、主電極2の下に下部薄膜23の層が形成されている。また、電極全面に保護薄膜28が形成されている。実施例1と同一の構成については説明を省略する。
【0037】
図20が得られたBand5分波器の帯域内特性の比較である。比較のため、第1従来例の特性も合わせて示している。実線41が本願発明のTx側の特性、実線42が第1従来例のTx特性である。明らかに、本願発明による損失向上効果がみられる。また実線43が本願発明のRx側の特性、実線44が第1従来例のRx特性である。受信側でも、明らかに本願発明による損失向上効果がみられる。また、その効果は実施例1より大きい。
【0038】
本実施例では、本実施例の構成とする事により、一層の損失低減に効果があり、また下部薄膜23を形成する事により、耐電力向上の効果もある。
【実施例7】
【0039】
本実施例は、Band8分波器の例である。
【0040】
電極断面構成及び、分波器構成も 図1と同一である。弾性表面波基板1として、46度回転Y軸カットX軸伝播のLiTaO3を用いた。
【0041】
図21が得られたBand8分波器の帯域内特性の比較である。比較のため、第1従来例の特性も合わせて示している。第1従来例の条件も、図2と同じである。実線45が本願発明のTx側の特性、実線46が第1従来例のTx特性である。明らかに、本願発明による損失向上効果がみられる。また実線47が本願発明のRx側の特性、実線48が第1従来例のRx特性である。受信側でも、明らかに本願発明による損失向上効果がみられる。
【0042】
本実施例では、Band8分波器の例を示したが、上述のようにBand8分波器に本願の構成を適用しても損失特性の向上に効果がある。
【実施例8】
【0043】
本実施例は、Band1分波器の例である。
【0044】
電極断面構成及び、分波器構成も 図1と同一である。弾性表面波基板1として、46度回転Y軸カットX軸伝播のLiTaO3を用いた。
【0045】
図22が得られたBand1分波器の帯域内特性の比較である。比較のため、第1従来例の特性も合わせて示している。第1従来例の条件も、図2と同じである。実線49が本願発明のTx側の特性、実線50が第1従来例のTx特性である。明らかに、本願発明による損失向上効果がみられる。また実線51が本願発明のRx側の特性、実線52が第1従来例のRx特性である。明らかに本願発明による損失向上効果がみられる。また受信側では送信側の特性より向上効果が大きい。
【0046】
本実施例では、Band1分波器の例を示したが、上述のようにBand1分波器に本願の構成を適用しても損失特性の向上に効果がある。
【0047】
尚、上述の実施例はすべて図4に示したRx側がダブルモード型フィルタとなっているが、図23に示すように、Rx側も弾性表面波共振子53〜60が接続されたラダー構成とした場合でもTxと同様の損失向上効果が得られる。また本実施例では分波器を用いて説明を行ったが、Tx、Rxを分離した、図24、図25のようなフィルタでも同様の効果が得られる。図24はラダー型フィルタの例であり、弾性表面波共振子61〜67がラダー型に接続されている。図25は縦続接続型ダブルモードフィルタを例であり、ダブルモード型フィルタ68〜71が図のように接続されている。図24、図25にようなフィルタでも同様に損失低減効果が得られる。
【0048】
尚、上述の実施例はすべて弾性表面波基板1として、42度回転Y軸カットX軸伝播のLiTaO3と46度回転Y軸カットX軸伝播のLiTaO3を用いたを用いた場合を示した。さらに、本発明の効果は、弾性表面波基板1を変更した場合でも同様であり、例えば、64度回転Y軸カットX軸伝播のLiNbO3を用いた場合でも、42度回転Y軸カットX軸伝播のLiNbO3、128度回転Y軸カットX軸伝播のLiNbO3を用いた場合でも同様である。
【0049】
尚、上述の実施例はすべて主電極2の材料として、Al-0.5wt%Cuの場合、Cuの場合を示したが、他の材料(Au, Agあるいはそれらを主原料とした合金)でも、同様の効果が得られる。また、上述の実施例はすべて上部薄膜3の材料をTiとしたが、Ti以外の材料(Cu, Ta, W, Ag, SiO2, AlN 等)でも同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0050】
1 弾性表面波基板
2 主電極
3 上部薄膜
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性表面波基板を有する弾性表面波装置であって、
前記弾性表面波基板上にすだれ状電極が形成され、
前記すだれ状電極は、ALまたはCuを主材料とする主電極から形成され、
前記主電極上に主材料とは異なる上部薄膜を配置し、
前記主電極の主材料がAlの場合は膜厚を弾性表面波波長の7.7〜9.7%とし、
主材料がCuの場合は膜厚を弾性表面波波長の3.8〜4.9%とすることを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項2】
請求項1記載の弾性表面波装置であって、
前記主電極と前記上部薄膜はそれぞれ複数層に分離され、
前記主電極の主材料がAlの場合は、複数層の主電源の合計厚さは弾性表面波波長の7.7〜9.7%であり、
前記主電極の主材料がCuの場合は、複数層の主電源の合計厚さは弾性表面波波長の3.8〜4.9%であることを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の弾性表面波装置であって、
前記上部薄膜の材料をTiとしたことを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載の弾性表面波装置であって、
前記上部薄膜の膜厚を300Å以下としたことを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項5】
請求項1又は2記載の弾性表面波装置であって、
前記主電極の下に該主電極の材料とは異なる材料からなる下部薄膜を形成としたことを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項6】
請求項5記載の弾性表面波装置であって、
前記下部薄膜の材料をTiとしたことを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項7】
請求項1又は2記載の弾性表面波装置であって、
前記主電極と前記上部薄膜を覆うように電極保護膜層が形成されていることを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項8】
請求項1又は2記載の弾性表面波装置であって、
前記上部薄膜は前記主電極を覆うように電極側面にも形成され、さらに電極保護膜層が前記主電極及び前記上部薄膜の全体を覆うように形成されていることを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項9】
請求項8記載の弾性表面波装置であって、
さらに前記主電極の下に該主電極とは異なる材料を用いて前記下部薄膜を形成したことを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項10】
前記請求項1又は2記載の弾性表面波装置であって、
分波器型の弾性表面波デバイスである事を特徴とする弾性表面波装置。
【請求項11】
請求項10記載の弾性表面波装置であって、
前記電極は、送信電極側はラダー型の電極であり、受信電極側はダブルモード型の電極であることを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項12】
請求項10記載の弾性表面波装置であって、
3GPP規格のBand5またはBand8またはBand1の分波器であることを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項13】
請求項1又は2記載の弾性表面波装置であって、
弾性表面波フィルタであることを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項1】
弾性表面波基板を有する弾性表面波装置であって、
前記弾性表面波基板上にすだれ状電極が形成され、
前記すだれ状電極は、ALまたはCuを主材料とする主電極から形成され、
前記主電極上に主材料とは異なる上部薄膜を配置し、
前記主電極の主材料がAlの場合は膜厚を弾性表面波波長の7.7〜9.7%とし、
主材料がCuの場合は膜厚を弾性表面波波長の3.8〜4.9%とすることを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項2】
請求項1記載の弾性表面波装置であって、
前記主電極と前記上部薄膜はそれぞれ複数層に分離され、
前記主電極の主材料がAlの場合は、複数層の主電源の合計厚さは弾性表面波波長の7.7〜9.7%であり、
前記主電極の主材料がCuの場合は、複数層の主電源の合計厚さは弾性表面波波長の3.8〜4.9%であることを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の弾性表面波装置であって、
前記上部薄膜の材料をTiとしたことを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載の弾性表面波装置であって、
前記上部薄膜の膜厚を300Å以下としたことを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項5】
請求項1又は2記載の弾性表面波装置であって、
前記主電極の下に該主電極の材料とは異なる材料からなる下部薄膜を形成としたことを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項6】
請求項5記載の弾性表面波装置であって、
前記下部薄膜の材料をTiとしたことを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項7】
請求項1又は2記載の弾性表面波装置であって、
前記主電極と前記上部薄膜を覆うように電極保護膜層が形成されていることを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項8】
請求項1又は2記載の弾性表面波装置であって、
前記上部薄膜は前記主電極を覆うように電極側面にも形成され、さらに電極保護膜層が前記主電極及び前記上部薄膜の全体を覆うように形成されていることを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項9】
請求項8記載の弾性表面波装置であって、
さらに前記主電極の下に該主電極とは異なる材料を用いて前記下部薄膜を形成したことを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項10】
前記請求項1又は2記載の弾性表面波装置であって、
分波器型の弾性表面波デバイスである事を特徴とする弾性表面波装置。
【請求項11】
請求項10記載の弾性表面波装置であって、
前記電極は、送信電極側はラダー型の電極であり、受信電極側はダブルモード型の電極であることを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項12】
請求項10記載の弾性表面波装置であって、
3GPP規格のBand5またはBand8またはBand1の分波器であることを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項13】
請求項1又は2記載の弾性表面波装置であって、
弾性表面波フィルタであることを特徴とする弾性表面波装置。
【図1(a)】
【図1(b)】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図1(b)】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2013−5000(P2013−5000A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130813(P2011−130813)
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000153535)株式会社日立メディアエレクトロニクス (452)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月13日(2011.6.13)
【出願人】(000153535)株式会社日立メディアエレクトロニクス (452)
【Fターム(参考)】
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