説明

弾球遊技機

【課題】先読み演出のマンネリ化を防ぐと共に、先読み演出と他の構成要素との関連性を高めることで、遊技の興趣を向上させる。
【解決手段】パチンコ機のサブ統合制御装置は、主制御装置から受信した、第1,第2保留記憶の数を示す保留数コマンド等に基づき、第1保留記憶が存在する状態で、普通図柄抽選での当選により開放された普通電動役物(第2始動口)への入賞が生じたか否かを判定する(S816,S818)。そして、肯定判定が得られた場合には、大当り或いはリーチ外れ演出が行われる第1保留記憶を対象とした連続予告演出を開始すると共に(S824)、該第1保留記憶に対応する保留図柄を先読み保留図柄に変化させる先読み報知演出を行う(S826)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
大当り抽選が行われる前に、保留記憶に係る乱数の値に基づきその結果を予告する先読み演出が知られている。特許文献1には、このような先読み演出の一例として、保留記憶に係る乱数が特定値か否かに応じて保留図柄を変化させることで、該保留記憶に基づく大当り抽選の結果を事前に予告する先読み報知演出について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−95409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、多くの弾球遊技機にてこの先読み報知演出が行われているが、この先読み報知演出は、一般的に、特許文献1に記載されているように、表示制御基板等により行われる内部抽選での当選を契機として行われていた。このため、先読み報知演出がマンネリ化し、遊技の興趣が低下していた。
【0005】
また、遊技者にとっては、先読み報知演出が開始されるまでの過程が不透明で面白みを欠くものであり、さらに、先読み報知演出と、弾球遊技機における他の構成要素との間の関連性が希薄であった。
【0006】
本願発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、先読み報知演出のマンネリ化を防ぐと共に、先読み報知演出と他の構成要素との関連性を高めることで、遊技の興趣を向上させることができる弾球遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題に鑑みてなされた請求項1に記載の弾球遊技機は、作動口への遊技球の進入に起因して普通図柄抽選を行う普通図柄抽選手段と、常時入球が可能な第1始動口と、普通図柄抽選で当ると開放され、開放時に入球が可能となる第2始動口と、第1始動口への入球に起因して乱数を抽出し、該乱数を第1保留記憶として記憶すると共に、第2始動口への入球に起因して乱数を抽出し、該乱数を第2保留記憶として記憶する保留記憶手段と、第1保留記憶、或いは第2保留記憶に基づき大当り抽選を行うことで、該保留記憶を消化する大当り抽選手段と、を備える。
【0008】
また、この弾球遊技機は、第1保留記憶、或いは第2保留記憶に係る乱数の値に応じた内容の大当り演出を行うことで、該保留記憶に基づく大当り抽選の結果を報知する大当り演出手段と、消化されていない第1保留記憶に対応する第1保留図柄と、消化されていない第2保留記憶に対応する第2保留図柄とを表示する保留図柄表示手段と、第1保留記憶、或いは第2保留記憶に基づく大当り抽選が行われる前に、該保留記憶に係る乱数が特定値であるか否かを判定する先読み判定手段と、を備える。
【0009】
また、この弾球遊技機は、第1保留記憶が生じている状態で、開放された第2始動口への入球が発生すると、いずれかの第1保留記憶或いは第2保留記憶について、先読み判定手段による判定結果に応じて対応する保留図柄を変化させることで、該保留記憶に基づく大当り抽選の結果を事前に予告する先読み報知演出を行う先読み報知演出手段と、を備える。
【0010】
なお、先読み報知演出では、いずれか一つの保留記憶についての先読み判定手段による判定結果に応じて、該保留記憶に対応する一つの保留図柄を変化させても良いし、該判定結果に応じて、該保留記憶に対応する保留図柄を含む複数の保留図柄を変化させても良い。また、いずれか一つの保留記憶についての先読み判定手段による判定結果に基づき先読み報知演出を行っても良いし、複数の保留記憶についての先読み判定手段による判定結果に基づき、これらの保留記憶を対象とした先読み報知演出を同時に行っても良い。
【0011】
このような構成によれば、弾球遊技機にて行われる内部抽選での当選ではなく、第1保留記憶が発生している状態で、普通図柄抽選で当ることで開放された第2始動口に入球が生じたことを契機として、先読み報知演出が行われる。このため、先読み報知演出の契機が従来とは異なるものとなり、マンネリ感が払拭され、遊技の興趣を向上させることができる。
【0012】
また、第1保留記憶が発生していることや、第2始動口への入球は、遊技者が視認可能な事実であるため、内部抽選での当選を契機とする場合とは異なり先読み報知演出が開始されるまでの過程が明らかになり、遊技者は、先読み報知演出の契機について不信感を抱かなくなる。さらに、第1保留記憶の発生や、普通図柄抽選や、第2始動口の開放等といった弾球遊技機に特有の事柄が先読み報知演出の契機となるため、弾球遊技機ならではの面白みをより一層高めることができる。
【0013】
さらに、遊技者は、先読み報知演出を享受するために、第1保留記憶が生じた状態を維持することや、該状態が生じているタイミングで第2始動口へ入球させることに意欲的に取り組むようになり、これにより技術介入による興趣が向上する。
【0014】
また、請求項1に記載の弾球遊技機では、普通図柄抽選に係る作動口や、普通図柄抽選の結果を通知する表示装置や、普通図柄抽選で当ることで開放される第2始動口(普通電動役物)等、従来は先読み報知演出とは直接関係性を有していなかった構成要素の作用を連関させることで、先読み報知演出の契機としている。このため、相乗作用により先読み報知演出の興趣を高めることや、一体感のある先読み報知演出を行うことができ、遊技の興趣をより一層高めることができる。
【0015】
さらに、普通図柄抽選で当らなければ開放されない第2始動口の入球が先読み報知演出の契機となっているため、作動口への遊技球の進入から第2始動口への入球までの過程が、先読み報知演出が行われることの前兆となり、遊技者に面白みを与えることができる。このため、殊更に先読み報知演出が行われることの前兆となる演出を設けなくても、遊技の興趣を高めることができる。
【0016】
ところで、対象となる保留記憶よりも先に消化される保留記憶についての大当り演出と並行して、対象となる保留記憶に基づく大当り抽選の結果を予告する連続予告演出が知られており、先読み報知演出と連続予告演出を並行して行うことが考えられる。
【0017】
また、請求項1に記載の弾球遊技機によれば、必ず、第1保留記憶と第2保留記憶が生じた状態で先読み報知演出が開始されるが、さらに条件を加え、例えば、4個の第1保留記憶が発生している状態で第2始動口に4個の入球が生じたことを先読み報知演出の契機とすることもできる。
【0018】
そして、仮に、第1,第2保留記憶の上限数がそれぞれ4個であるとした場合には、このようにして先読み報知演出の契機を定めることにより、先読み報知演出の対象となる保留記憶が消化されるまでに、各保留記憶の上限数以上の回数の大当り演出を行わせることが可能となる。このため、先読み報知演出と共に連続予告演出を行うとした場合に、各保留記憶の上限数以上の回数の大当り演出にわたる連続予告演出が可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
【0019】
また、先読み報知演出の対象を第1保留記憶としても良く、このような場合であれば、例えば、上限数(4個)の第1保留記憶が発生している状態で第2始動口に入球が生じたことを先読み報知演出の契機とすることで、第1保留記憶の上限数を超えた回数の大当り演出にわたる連続予告が可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
【0020】
また、普通図柄抽選で当った場合の第2始動口の開放パターンとして、複数のパターンを設けることが考えられる。
そこで、請求項2に記載されているように、第2始動口の開放のパターンとして、開放時間の異なる複数のものが設けられていると共に、普通図柄抽選での当りには複数の種類が設けられており、普通図柄抽選で当りとなった際には、第2始動口は、該当りの種類に応じたパターンで開放され、パターンのうち、第2始動口の開放時間が予め定められた閾値よりも長いものをロング開放パターンとし、先読み報知演出手段は、第1保留記憶が生じている状態で、ロング開放パターンにより開放された第2始動口への入球が発生すると、先読み報知演出を行っても良い。
【0021】
このような構成によれば、普通図柄抽選で当った場合であっても、当りの種類に応じて第2始動口への入球確率が変化するため、面白みを増すことができる。また、ロング開放パターンで開放された第2始動口への入球が先読み報知演出の契機となるため、先読み報知演出が発生し易くなる。
【0022】
一方、請求項3に記載されているように、第2始動口の開放のパターンのうち、第2始動口の開放時間が予め定められた閾値よりも短いものをショート開放パターンとし、先読み報知演出手段は、第1保留記憶が生じている状態で、ショート開放パターンにより開放された第2始動口への入球が発生すると、先読み報知演出を行っても良い。
【0023】
このような構成によれば、先読み報知演出の発生頻度が低くなるため、先読み報知演出の希少性が増加し、遊技意欲を喚起することができる。
さらに、請求項4に記載されているように、第2始動口の開放のパターンのうち、第2始動口の開放時間が予め定められた閾値よりも長いものをロング開放パターンとし、先読み報知演出手段は、第1保留記憶が生じている状態で、ショート開放パターンにより開放された第2始動口への入球が発生すると、第1保留記憶についての先読み報知演出を行い、第1保留記憶が生じている状態で、ロング開放パターンにより開放された第2始動口への入球が発生すると、第2保留記憶についての先読み報知演出を行っても良い。
【0024】
このような構成によれば、普通図柄抽選で当った場合であっても、当りの種類に応じて先読み報知演出が行われる確率が変化するため、面白みを増すことができる。
また、既に述べたように、第1保留記憶は第1始動口への入球により生じ、第2保留記憶は第2始動口への入球により生じるものであるため、遊技者は、第2始動口への入球を契機とした第1保留記憶についての先読み報知演出は、該入球を契機とした第2保留記憶についての先読み報知演出に比べ、特典としての価値が高いと感じる。
【0025】
このため、ショート開放パターンで開放された第2始動口への入球時には第1保留記憶についての先読み演出を行い、ロング開放パターンで開放された第2始動口への入球時には第2保留記憶についての先読み演出を行うことで、第2始動口への入球が困難な場合ほど価値の高い先読み演出を行うことができ、遊技者の遊技意欲を喚起することができる。
【0026】
つまり遊技者は、入球の容易なロング開放パターンで開放された第2始動口への入球によっては、該第2始動口に係る第2保留記憶の先読み演出しか享受出来ないが、入球の困難なショート開放パターンで開放された第2始動口への入球によっては、該第2始動口とは異なる始動口としての第1始動口に係る第1保留記憶の先読み演出を享受出来る、という新規な遊技性を創出する。
【0027】
また、既に述べたように、対象となる保留記憶よりも先に消化される保留記憶についての大当り演出と並行して、対象となる保留記憶に基づく大当り抽選の結果を予告する連続予告演出が知られており、先読み報知演出と連続予告演出を並行して行うことが考えられる。また、普通図柄抽選での当選により第2始動口への入球が可能となる弾球遊技機では、第2保留記憶を第1保留記憶よりも優先して消化する優先消化が行われる場合がある。
【0028】
そこで、請求項5に記載の弾球遊技機では、先読み報知演出手段は、第1保留記憶が生じている状態で、普通図柄抽選での1回の当りにより開放された第2始動口に、予め定められた2以上の回数の入球が発生すると、先読み報知演出を行う。
【0029】
このような構成によれば、仮に、第2保留記憶の優先消化が行われ、且つ、先読み報知演出の対象が第1保留記憶に限られるという場合であれば、先読み報知演出の対象となる保留記憶よりも先に消化される保留記憶の数を増やすことができる。このため、仮に、先読み報知演出と共に連続予告演出が行われる場合であれば、多くの大当り演出に跨ったストーリー性の高い連続予告演出を展開することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0030】
なお、開放された第2始動口に「2以上の回数」の入球が生じることで、第2保留記憶が上限数となった状態での第2始動口への入球(所謂オーバーフロー球)が生じても良い。こうすることにより、遊技者は、第2保留記憶が発生せず単に賞球しか発生しないオーバーフロー球が発生した場合にも先読み報知演出という特典を得ることができるため、遊技意欲が向上する。
【0031】
また、連続予告演出は、演出の対象となる保留記憶が消化される前に、所定回数の大当り演出が行われることを前提としてその内容が定められているが、請求項5に記載の弾球遊技機によれば、先読み報知演出の契機となる第2始動口への入球の数を上記所定回数に応じて設定することができる。このため、連続予告演出の対象となる消化される前に行われる大当り演出の回数を柔軟に調整することができる。
【0032】
また、第2始動口が開放された際には、遊技者は、先読み報知演出を開始させるべく、第2始動口への複数の入球が生じるように狙い打ちを行うと考えられる。このため、遊技者に対して適度な技術介入の余地を与え、遊技に集中させることができる。
【0033】
ところで、大当り演出の種類として、リーチとなった状態で演出図柄を停止表示させるリーチ外れ演出や、リーチとなっていない状態で演出図柄を停止表示させるノーマル外れ演出が知られている。
【0034】
そこで、請求項6に記載の弾球遊技機では、大当り抽選手段は、消化されていない第1保留記憶と第2保留記憶とが存在する場合には、第2保留記憶から先に消化し、大当り演出手段は、大当り抽選で外れとなる場合の大当り演出として、保留記憶に係る乱数の値に応じて、リーチとなった状態で演出図柄を停止表示させるリーチ外れ演出と、リーチとなっていない状態で演出図柄を停止表示させるノーマル外れ演出とを行う。また、先読み報知演出手段は、第1保留記憶が生じている状態で、開放された第2始動口への入球が発生した場合であって、該入球の発生後における消化されていない全ての第2保留記憶に基づく大当り抽選についての大当り演出でノーマル外れ演出が行われる場合に、いずれかの第1保留記憶についての先読み報知演出を行う。
【0035】
このような構成によれば、先読み報知演出の対象となっている第1保留記憶が消化される前に、第2保留記憶に基づき大当り抽選で当ってしまうことが無くなり、先読み報知演出が中途半端になってしまうことを防ぐことができる。
【0036】
また、先読み報知演出の対象となっている第1保留記憶が消化される前に、第2保留記憶に対応する大当り演出でリーチ演出が行われ、該第1保留記憶の消化までの時間が長くなりすぎてしまうことが無くなり、先読み報知演出が間延びすることを防ぐことができる。
【0037】
また、請求項7に記載されているように、弾球遊技機は、遊技の進行を司り、普通図柄抽選手段と、保留記憶手段と、大当り抽選手段と、先読み判定手段と、を備える主制御装置と、該主制御装置からのコマンドに応じて各種演出を行い、大当り演出手段と、保留図柄表示手段と、先読み報知演出手段と、を備えるサブ制御装置と、を有しても良い。
【0038】
そして、主制御装置は、サブ制御装置に対し、第1保留記憶、及び第2保留記憶の発生或いは消化に関する情報を通知するための保留記憶コマンドを送信する保留記憶コマンド送信手段と、サブ制御装置に対し、先読み判定手段による判定の結果を示す先読みコマンドを送信する先読みコマンド送信手段と、サブ制御装置に対し、消化される保留記憶に係る乱数の値に応じた内容の大当り演出を行うことを指示する演出制御コマンドを送信する演出制御コマンド送信手段と、をさらに備えても良い。
【0039】
さらに、保留図柄表示手段は、保留記憶コマンドに基づき保留図柄を表示し、大当り演出手段は、演出制御コマンドに応じた内容の大当り演出を行い、先読み報知演出手段は、保留記憶コマンドに基づき、第1保留記憶が生じている状態での第2始動口への入球の発生を検出し、該発生を検出した場合に、先読みコマンドに基づき先読み報知演出を行っても良い。
【0040】
こうすることにより、主制御装置の負担を低減することができる。
また、普通図柄抽選等に連動して、先読み報知演出が行われるかどうかを報知する先読み前兆演出を行っても良い。
【0041】
すなわち、請求項8に記載されているように、主制御装置は、普通図柄の変動表示を行った後に、普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を確定表示させることで、普通図柄抽選の結果を報知する普図表示手段と、普図表示手段による普通図柄抽選の結果の報知の進行状態、或いは、普通図柄抽選で当ることにより行われる第2始動口の開放状態に関するコマンドである先読み前兆演出制御コマンドを、サブ制御装置に送信する前兆演出制御手段と、をさらに備え、サブ制御装置は、先読み前兆演出制御コマンドに基づき、先読み報知演出が行われるか否かを示唆する先読み前兆演出を行う前兆演出手段をさらに備えても良い。
【0042】
このような構成によれば、普通図柄抽選に係る作動口への遊技球の進入から、第2始動口への入球までの期間(先読み報知演出前兆期間)に、先読み報知演出が行われるかどうかを示唆する演出が行われるため、遊技の興趣を高めることができる。
【0043】
また、普図表示手段は、一般的に性能の低いCPUにて制御される主制御装置に設けられているため、普通図柄をわかり易く表示することは困難であり、遊技者に対し、普通図柄抽選の結果をわかり易く通知することはできない。
【0044】
また、普通図柄抽選に複数の当りの種類が設けられており、該種類に応じたパターンで第2始動口が開放されるという場合には、普図表示手段は、普通図柄抽選で当った際には、該当りの種類に応じた普通図柄を確定表示することが考えられる。しかしながら、同様の理由により、遊技者に対し、普通図柄抽選の当りの種類(第2始動口の開放のパターン)をわかり易く通知することはできない。
【0045】
これに対し、請求項8に記載の弾球遊技機では、サブ制御装置にて行われる先読み前兆演出により、遊技者に対し、普通図柄抽選で当ったことや、該当りの種類や、第2始動口の開放パターンをわかり易く通知することが可能となる。このため、遊技者が、普通図柄抽選で当ったことや、どのようなパターンで第2始動口が開放されるかを見落としてしまうことが無くなる。
【0046】
また、このような先読み前兆演出を行うことで、唐突に先読み報知演出が開始されてしまうことが無く、遊技者に違和感を与えることが無くなる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】パチンコ機の正面図である。
【図2】パチンコ機の遊技盤の正面図である。
【図3】パチンコ機の裏面図である。
【図4】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】第一実施形態におけるメインルーチンについてのフローチャートである。
【図6】第一実施形態における始動入賞確認処理についてのフローチャートである。
【図7】第一実施形態における第1先読み判定処理,第2先読み判定処理についてのフローチャートである。
【図8】第一実施形態における当否判定処理についてのフローチャートである。
【図9】第一実施形態における当否判定処理についてのフローチャートである。
【図10】第一実施形態における当否判定処理についてのフローチャートである。
【図11】第一実施形態における当否判定処理についてのフローチャートである。
【図12】第一実施形態における大当り遊技処理についてのフローチャートである。
【図13】第一実施形態における大当り遊技処理についてのフローチャートである。
【図14】第一実施形態における大当り遊技処理についてのフローチャートである。
【図15】第一実施形態における普図始動入賞確認処理についてのフローチャートである。
【図16】第一実施形態における普図当否判定処理についてのフローチャートである。
【図17】第一実施形態における普図当否判定処理についてのフローチャートである。
【図18】第一実施形態における普図当否判定処理についてのフローチャートである。
【図19】第一実施形態における普図遊技処理についてのフローチャートである。
【図20】第一実施形態における普図遊技処理についてのフローチャートである。
【図21】第一実施形態における普図遊技処理についてのフローチャートである。
【図22】第一実施形態における先読み前兆演出表示処理についてのフローチャートである。
【図23】第一実施形態における保留表示処理についてのフローチャートである。
【図24】第一実施形態における演出処理についてのフローチャートである。
【図25】第一実施形態における変動停止時処理についてのフローチャートである。
【図26】第一実施形態におけるルーレット演出の際に表示される画面についての説明図である。
【図27】第一実施形態におけるビンゴ演出の際に表示される画面についての説明図である。
【図28】第一実施形態におけるビンゴ演出の際に表示される画面についての説明図である。
【図29】第二実施形態におけるバトル演出の際に表示される画面についての説明図である。
【図30】第二実施形態におけるバトル演出の際に表示される画面についての説明図である。
【図31】第二実施形態におけるバトル演出の際に表示される画面についての説明図である。
【図32】第二実施形態におけるバトル演出の際に表示される画面についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0049】
[構成の説明]
(1)全体の構成について
図1に示すように、本実施形態のパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて各構成を保持する構造を有している。外枠51の左側上下にはヒンジ53が設けられており、ヒンジ53により、板ガラス61が嵌め込まれた前枠(ガラス枠)52及び後述の内枠が、外枠51に対し開閉可能に構成される。また、前枠52の板ガラス61の奥には、内枠に保持された遊技盤1(図2)が設けられている。
【0050】
前枠52の上部の左右両側にはスピーカ66が設置されており、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向性を向上させる。また、前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65のほか、遊技の異常を報知するLEDが設けられている。
【0051】
前枠52の下部には、上皿55と下皿63とが一体に形成されている。また、下皿63の右側には発射ハンドル64が設けられており、該発射ハンドル64を時計回りに操作することにより発射装置が作動し、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
【0052】
下皿63は、上皿55から溢れた賞球を受けるよう構成されており、球抜きレバーを操作することで、下皿63に溜まった遊技球を遊技店に備えられたドル箱に移すことができる。また、上皿55の中央には、演出ボタン67及びジョグダイヤル68が設けられている。
【0053】
本パチンコ機50は、いわゆるCR機であり、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属されていると共に、上皿55の右側には球貸ボタン57,精算ボタン58,残高表示器59が設けられている。
【0054】
なお、図1の39は、前枠52及び前記内枠を外枠51にロックするシリンダ錠であり、該シリンダ錠39に所定の鍵を挿入して鍵を時計回りに操作すると、内枠が開放され、反時計回りに操作すると、前枠52が開放される。
【0055】
また、図2に示すように、遊技盤1には、外レール2aと内レール2bとによって囲まれた略円形の遊技領域3が形成されている。遊技領域3には、その中央部にセンターケース5が装着され、センターケース5に向かって左横には、普通図柄作動ゲート17が設置されている。普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過すると、普通図柄の当否抽選用の複数種類の乱数が抽出され、抽出された乱数に基づく当否判定(普通図柄抽選)が行なわれる。
【0056】
センターケース5の直下には、遊技球の入球に起因して、特別図柄(特図とも記載)の変動表示を伴う大当り抽選が行われる第1始動口11及び第2始動口12が、上下に並んで配設されている。本パチンコ機50は、第1始動口11への入球により変動する第1特別図柄(第1特図)と、第2始動口12への入球により変動する第2特別図柄(第2特図)との2種類の特別図柄を備える。第1始動口11は、常時遊技球が入球可能に構成されているが、第2始動口12は、普通図柄抽選での当選により開放される普通電動役物として構成されており、開放時のみ入球可能となっている。
【0057】
第1始動口11に遊技球が入球すると、第1特図に対応する複数種類の乱数が抽出され、第1保留記憶として記憶されると共に、第2始動口12に遊技球が入球すると、第2特図に対応する複数種類の乱数が抽出され、第2保留記憶として記憶される。
【0058】
普通電動役物として構成された第2始動口12は、普通図柄抽選での当選時に、所定時間の開放が行われる。
第2始動口12の下方には、大当り抽選で当ると行われる大当り遊技の際に開放される特別電動役物からなる大入賞口14が配設されている。また、遊技領域3における向かって左下の領域には、複数の普通入賞口31〜34が配設されている。
【0059】
遊技盤1における向かって右下の領域には、7セグメントの第1特図表示装置9及び第2特図表示装置10と、4個のLEDからなる第1特図保留数表示装置18及び第2特図保留数表示装置19と、2個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、4個のLEDからなる普図保留数表示装置8が設置されている。
【0060】
図2に示す遊技盤1のセンターケース5には、中央に演出図柄表示装置6(全体の図示は省略)のLCDパネルが配設され、LCDパネルの画面上では、演出図柄の変動表示等を行うことで、第1,第2特図に対応する大当り抽選の結果を報知する大当り演出が行われる。
【0061】
また、センターケース5には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージ等が設けられている。
なお、遊技盤1の遊技領域3には多数の遊技釘4が植設されており、盤面最下部にはアウト口が設けられている。
【0062】
また、図3に示すように、パチンコ機50の裏側は、遊技盤1を脱着可能に取付ける内枠70が外枠51に収納された構成となっている。内枠70は、前枠52と同様、一方の側縁(図3に向かって右側)の上下位置が外枠51に設けられたヒンジ53に結合され、開閉可能に設置されている。内枠70には、遊技球流下通路が形成されており、上方(上流)から球タンク71、タンクレール72、払出ユニット73が設けられ、払出ユニット73の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤1の入賞口に遊技球が入賞すると、球タンク71に貯留されている所定個数の遊技球(賞球)が払出装置から払い出され、流下通路を通り上皿55に払い出される。また、本実施形態では、払出装置は、貸出ボタンの操作に応じて遊技球(貸球)を払い出すよう構成されている。
【0063】
また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置、電源基板85が設けられている。主制御装置80,演出図柄制御装置82,サブ統合制御装置83は、遊技盤1に設けられ、払出制御装置81,発射制御装置,電源基板85は、内枠70に設けられている。なお、図3では発射制御装置が記載されていないが、発射制御装置は、払出制御装置81の奥側(遊技盤1側)に配されている。
【0064】
また、球タンク71の右側には、外部接続端子板78が設けられており、外部接続端子板78により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。
【0065】
(2)電気的構成について
次に、パチンコ機50の電気的構成について説明する。このパチンコ機50は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。また、発射制御装置84、電源基板にはCPU、ROM、RAMは設けられていないが、これに限るわけではなく、発射制御装置84等にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0066】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口SW11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口SW12a、普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動SW17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するための第1カウントSW14a、一般入賞口31〜34に入球した遊技球を検出する一般入賞口SW31a等からの検出信号が入力される。
【0067】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
【0068】
また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特図表示装置9,第2特図表示装置10,第1特図保留数表示装置18,第2特図保留数表示装置19,普通図柄表示装置7,普図保留数表示装置8の表示を制御する。
【0069】
さらに、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普電役物ソレノイド12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。
【0070】
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力されほか、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。
主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0071】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出SW21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出SW21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0072】
なお、払出制御装置81は、ガラス枠閉鎖SW35,内枠閉鎖SW36,球切れSW23,払出SW21,満杯SW22からの信号が入力され、満杯SW22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合や、球切れSW23により球タンク71に遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力された場合には、払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。また、満杯SW22,球切れSW23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0073】
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してCRユニット56と交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出SW21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。また、CRユニット端子板24は精算表示装置25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン57、精算を要求するための精算ボタン58が設けられている。
【0074】
また、払出制御装置81は、外部接続端子板78を介して賞球に関する情報、枠(内枠70,前枠52)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
【0075】
なお、本実施例では遊技球を払出す構成であるが、入賞等に応じて発生した賞球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は、発射モータ30を制御して、遊技領域3に遊技球を発射させる。
【0076】
なお、発射制御装置84には、払出制御装置81以外に、発射ハンドル64からの回動量信号、タッチSW28からのタッチ信号、発射停止SW29から発射停止信号が入力される。
【0077】
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止SW29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
【0078】
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。
【0079】
そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。
【0080】
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67,ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ボタン67,ジョグダイヤル68を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
【0081】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を表示させる。
【0082】
[第一実施形態]
[動作の説明]
次に、第一実施形態におけるパチンコ機50の動作について説明する。
【0083】
第一実施形態のパチンコ機50は、常時入賞が可能な第1始動口11と、普通図柄抽選での当選により一定期間にわたり開放され、入賞可能となる普通電動役物として構成された第2始動口12が設けられている。
【0084】
なお、普通図柄抽選での当選により行われる普通電動役物の開放には、0.5秒間にわたり普通電動役物が開放されるショート開放パターンと、6秒間にわたり普通電動役物が開放されるロング開放パターンの2種類が設けられており、普通図柄抽選に当選すると、いずれかの開放パターンで普通電動役物が開放される。そして、開放時には、普通電動役物は入賞が可能となる。ここで、普通電動役物は、各開放パターンに係る期間にわたり断続的に開放されても良いし、該期間中に開閉を行うよう構成されていても良い。
【0085】
そして、第1始動口11への入賞により第1保留記憶が生成され(一例として最大4個)、該第1保留記憶に基づき第1特図の変動表示を伴う大当り抽選が行われると共に、第2始動口12への入賞により第2保留記憶が生成され(一例として最大4個)、該第2保留記憶に基づき第2特図の変動表示を伴う大当り抽選が行われる。また、第2保留記憶は、第1保留記憶よりも優先的に消化される。すなわち、本実施形態では、先ず第2保留記憶を入賞順に消化し、全ての第2保留記憶の消化が完了すると、次に第1保留記憶を入賞順に消化する。第1保留記憶の消化に際し第2保留記憶が発生している場合は、第1保留記憶の消化を行わず該第2保留記憶の消化を優先して行う。
【0086】
また、大当り抽選で当たると、大入賞口14が開放される大当り遊技が行われるが、大当り遊技のラウンド数は、大当り図柄の種類に応じて設定される。そして、特定の大当り図柄で当選した場合には、大当り遊技が終了した後、再度大当り抽選に当選するまでの間、特典遊技状態となる。特典遊技状態では、大当り抽選の当選確率が上昇する確変モードとなると同時に、普通図柄抽選での当選確率が上昇すると共に、普通図柄抽選での当選時の第2始動口12の開放時間が延長され、さらに普通図柄の変動時間が短縮される時短モード(開放延長モード)となり、第2始動口12が開放され易くなる。
【0087】
また、パチンコ機50では、通常遊技状態中には、第1保留記憶が生じている状態で、普通図柄抽選での当選により開放された第2始動口12への入賞が生じると、第1保留記憶についての大当り抽選の結果を予告する先読み演出が行われる。この先読み演出では、対象となる第1保留記憶に対応する第1保留図柄を変化させることで、該第1保留記憶による大当りの可能性を示唆する先読み報知演出と、対象となる第1保留記憶よりも先に消化される保留記憶の大当り演出に並行して該第1保留記憶による大当りの可能性を示唆する連続予告演出とが行われる。
【0088】
なお、言うまでも無く、先読み演出は、大当り抽選の結果を常に正確に予告するというものではなく、予告が外れる場合もあり、無論、先読み演出が行われていない保留記憶による大当り抽選で当ることもある。
【0089】
以下では、本実施形態のパチンコ機50の動作について詳細に説明すると共に、先読み演出について説明する。
(1)メインルーチンについて
まず、パチンコ機50の主制御装置80におけるメインルーチンについて、図5に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、このメインルーチンは、2ms周期のタイマ割り込み処理として起動される。
【0090】
S10では、主制御装置80は、正常なタイマ割り込みによりメインルーチンが起動されたか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S10:Yes)、S20に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S10:No)、S15に処理を移行する。
【0091】
S15では、主制御装置80は、CPUやI/O等の初期設定を行い、S80に処理を移行する。
一方、S10で肯定判定が得られた場合には、主制御装置80は、初期値乱数の更新(S20),大当り決定用乱数の更新(S25),大当り図柄決定用乱数の更新(S30),当り決定用乱数の更新(S35),リーチ判定用乱数の更新(S40),変動パターン決定用乱数の更新(S45)を行う。
【0092】
そして、主制御装置80は、始動口等といった入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞確認処理と(S50)、始動口への入賞に起因して大当り抽選を行う当否判定処理と(S55)、大当り抽選で当選した際に、遊技者に所定の遊技価値を付与する大当り遊技を行うための大当り遊技処理(S60)を行う。また、作動口への遊技球の通過に起因して普通図柄抽選等を行う普図当否判定処理と(S65)、普通電動役物(第2始動口12)を開放することで普図遊技を行う普図遊技処理と(S67)、遊技者の不正行為を検出する不正監視処理と(S70)、サブ統合制御装置83等にデータ及びコマンドを送信し、また、ホールコンピュータ87等に各種情報を送信する各出力処理と(S75)を行う。
【0093】
また、S80では、主制御装置80は、次のタイマ割込みが発生してメインルーチンが起動されるまで、初期値乱数の更新を繰り返し行う。
(2)始動入賞確認処理について
次に、第1,第2始動口11,12への入賞を検出し、該入賞に応じて保留記憶等を行う始動入賞確認処理について、図6に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される入賞確認処理からコールされるサブルーチンとして構成されている。
【0094】
S100では、主制御装置80は、第1始動口SW11aの検出信号に基づき、第1始動口11への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は(S100:Yes)、S105に処理を移行し、否定判定の場合は(S100:No)、S130に処理を移行する。
【0095】
S105では、主制御装置80は、第1保留記憶の数が最大値(第一実施形態では4)か否かを判定する。そして、肯定判定の場合は(S105:Yes)、S130に処理を移行し、否定判定の場合は(S105:No)、S110に処理を移行する。
【0096】
S110では、主制御装置80は、大当り抽選に用いられる大当り決定用乱数や、大当り抽選で当った際に停止表示される図柄(当り図柄)を決定するための大当り図柄決定用乱数や、大当り演出において、リーチ状態となった後に外れを示す演出図柄を停止表示させる演出(リーチ外れ)を行うか否かを決定するためのリーチ判定用乱数や、特別図柄の変動時間等を決定するための変動パターン決定用乱数等を抽出して保留記憶として記憶し(第1保留記憶)、S115に処理を移行する。
【0097】
S115では、主制御装置80は、通常遊技状態か否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S115:Yes)、S120に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S115:No)、S125に処理を移行する。すなわち、通常遊技状態であれば第1先読み判定処理を実行するが、通常遊技状態以外の遊技状態(例えば、確変遊技状態(確変モード))であれば第1先読み判定処理を実行しない。
【0098】
S120では、主制御装置80は、新たに発生した第1保留記憶に対応する大当り決定用乱数等に基づき、該第1保留記憶に基づく大当り抽選の結果等を判定する第1先読み判定処理を実行し、S125に処理を移行する。
【0099】
S125では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、第1保留記憶の数と、新たに発生した第1保留記憶についての第1先読み判定処理の結果(先読み情報)を示す第1先読みコマンドを送信し、S130に処理を移行する。なお、第1先読み判定処理が実行されなかった場合には、第1保留記憶の数のみを示す第1先読みコマンドが送信される。
【0100】
S130では、主制御装置80は、第2始動口SW12aの検出信号に基づき、第2始動口12への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は(S130:Yes)、S135に処理を移行し、否定判定の場合は(S130:No)、本処理を終了する。
【0101】
S135では、主制御装置80は、第2保留記憶の数が最大値(第一実施形態では4)か否かを判定する。そして、肯定判定の場合は(S135:Yes)、本処理を終了し、否定判定の場合は(S135:No)、S140に処理を移行する。
【0102】
S140では、主制御装置80は、大当り決定用乱数や、大当り図柄決定用乱数や、リーチ判定用乱数や、変動パターン決定用乱数等を抽出して保留記憶し(第2保留記憶)、S145に処理を移行する。
【0103】
S145では、主制御装置80は、新たに発生した第2保留記憶に対応する大当り決定用乱数等に基づき、該第2保留記憶に基づく大当り抽選の結果等を判定する第2先読み判定処理を実行し、S150に処理を移行する。
【0104】
S150では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、第2保留記憶の数と、新たに発生した第2保留記憶についての第2先読み判定処理の結果(先読み情報)を示す第2先読みコマンドを送信し、本処理を終了する。
【0105】
(3)第1先読み判定処理について
次に、新たに発生した第1保留記憶に基づく大当り抽選の結果等を判定する第1先読み判定処理について、図7(a)に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、始動入賞確認処理からコールされる。
【0106】
S200では、主制御装置80は、新たに発生した第1保留記憶に係る大当り決定用乱数が特定値(大当り抽選で当りとなる値)であるか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S200:Yes)、S205に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S200:No)、S210に処理を移行する。
【0107】
S205では、主制御装置80は、新たに発生した第1保留記憶に係る大当り決定用乱数が上記特定値であることを示すと共に、第1保留記憶の数を示す第1先読みコマンド3を生成し、本処理を終了する。
【0108】
一方、S210では、主制御装置80は、新たに発生した第1保留記憶に係るリーチ判定用乱数が特定値(大当り演出でリーチ外れとなる値)であるか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S210:Yes)、S215に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S210:No)、S220に処理を移行する。
【0109】
S215では、主制御装置80は、新たに発生した第1保留記憶に係るリーチ判定用乱数が上記特定値であることを示すと共に、第1保留記憶の数を示す第1先読みコマンド2を生成し、本処理を終了する。
【0110】
また、S220では、主制御装置80は、新たに発生した第1保留記憶に係る大当り決定用乱数やリーチ判定用乱数が共に上記特定値ではないことを示すと共に、第1保留記憶の数を示す第1先読みコマンド1を生成し、本処理を終了する。
【0111】
(4)第2先読み判定処理について
次に、新たに発生した第2保留記憶に基づく大当り抽選の結果等を判定する第2先読み判定処理について、図7(b)に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、始動入賞確認処理からコールされる。
【0112】
S250では、主制御装置80は、新たに発生した第2保留記憶に係る大当り決定用乱数が特定値(大当り抽選で当りとなる値)であるか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S250:Yes)、S255に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S250:No)、S260に処理を移行する。
【0113】
S255では、主制御装置80は、新たに発生した第2保留記憶に係る大当り決定用乱数が上記特定値であることを示すと共に、第2保留記憶の数を示す第2先読みコマンド3を生成し、本処理を終了する。
【0114】
一方、S260では、主制御装置80は、新たに発生した第2保留記憶に係るリーチ判定用乱数が特定値(大当り演出でリーチ外れとなる値)であるか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S260:Yes)、S265に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S260:No)、S270に処理を移行する。
【0115】
S265では、主制御装置80は、新たに発生した第2保留記憶に係るリーチ判定用乱数が上記特定値であることを示すと共に、第2保留記憶の数を示す第2先読みコマンド2を生成し、本処理を終了する。
【0116】
また、S270では、主制御装置80は、新たに発生した第2保留記憶に係る大当り決定用乱数やリーチ判定用乱数が共に上記特定値ではないことを示すと共に、第2保留記憶の数を示す第2先読みコマンド1を生成し、本処理を終了する。
【0117】
(5)当否判定処理について
次に、保留記憶に係る大当り決定用乱数により大当り抽選を行う当否判定処理について、図8〜11のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される。
【0118】
まず、図8に関して、S300では、主制御装置80は、特別電動役物の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S300:Yes)、本処理を終了し、否定判定の場合には(S300:No)、S305に処理を移行する。
【0119】
S305では、主制御装置80は、第1特図或いは第2特図の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S305:Yes)、図10のS385に処理を移行し、否定判定の場合には(S305:No)、S310に処理を移行する。
【0120】
S310では、主制御装置80は、第1特図或いは第2特図の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S310:Yes)、図11のS395に処理を移行し、否定判定の場合には(S310:No)、図9のS315に処理を移行する。
【0121】
続いて図9に関して、S315では、主制御装置80は、第2保留記憶の有無について判定し、肯定判定の場合には(S315:Yes)、S320に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S315:No)、S325に処理を移行する。
【0122】
S320では、主制御装置80は、第2保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い第2保留記憶を選択し、S335に処理を移行する。
S325では、主制御装置80は、第1保留記憶の有無について判定し、肯定判定の場合には(S325:Yes)、S330に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S325:No)、本処理を終了する。
【0123】
S330では、主制御装置80は、第1保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い第1保留記憶を選択し、S335に処理を移行する。
S335では、主制御装置80は、確変モードであることを示す確変フラグが1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S335:Yes)、S340に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S335:No)、S345に処理を移行する。
【0124】
S340では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、確変モードに対応する当否判定用テーブル(確変テーブル)に基づき、大当り抽選で当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S350に処理を移行する。
【0125】
一方、S345では、主制御装置80は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、通常遊技状態に対応する当否判定用テーブル(通常テーブル)に基づき、大当り抽選で当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、S350に処理を移行する。
【0126】
S350では、主制御装置80は、大当り抽選で当ったか否かを判定し、肯定判定の場合には(S350:Yes)、S355に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S350:No)、S370に処理を移行する。
【0127】
S355では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき当り図柄を決定する。そして、S360に処理を移行する。
S360では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき特別図柄の変動時間等を決定し、S365に処理を移行する。
【0128】
S365では、主制御装置80は、当り図柄に応じて、大当り遊技のラウンド数や、大当り遊技後に特典遊技状態(確変モード且つ時短モード)となるか否かを設定し、S378に処理を移行する。
【0129】
一方、S350で否定判定が得られた場合に移行する(すなわち、大当り抽選で外れた際に移行する)S370では、主制御装置80は、消化した保留記憶に係るリーチ判定用乱数や変動パターン決定用乱数等に基づき特別図柄の変動時間等を決定し、S375に処理を移行する。なお、この特別図柄の変動時間に応じて、大当り抽選で外れる場合の大当り演出でリーチ外れとなるかノーマル外れ(リーチとなることなく外れる大当り演出)となるかが決定される。
【0130】
S375では、主制御装置80は、特典遊技状態中に実行可能な大当り抽選の残り回数を示すカウンタの更新等を行い、S378に処理を移行する。
S378では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、大当り抽選後の第1保留記憶の数を示す第1保留数コマンドと、大当り抽選後の第2保留記憶の数を示す第2保留数コマンドとを送信し、S380に処理を移行する。
【0131】
S380では、主制御装置80は、消化した保留記憶に対応する特図の変動表示を開始すると共に、サブ統合制御装置83に対し特別図柄の変動時間等を示す変動開始コマンドを送信することで大当り演出を開始させ、本処理を終了する。
【0132】
続いて図10に関して、第1特図或いは第2特図の変動表示中に移行するS385では、主制御装置80は、特図の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S385:Yes)、S390に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S385:No)、本処理を終了する。
【0133】
S390では、主制御装置80は、特図の変動表示を終了し、特図の確定図柄を表示させると共に、サブ統合制御装置83に対し演出図柄の確定表示を行わせる図柄確定コマンドを送信し、本処理を終了する。
【0134】
続いて図11に関して、特図の確定表示中に移行するS395では、主制御装置80は、特図の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S395:Yes)、S400に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S395:No)、本処理を終了する。
【0135】
S400では、主制御装置80は、特図の確定表示を終了し、S405に処理を移行する。
S405では、主制御装置80は、確定表示されていた特図が大当り時のものであるかを判定し、肯定判定の場合には(S405:Yes)、S415に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S405:No)、S450に処理を移行する。
【0136】
S415では、主制御装置80は、確変フラグを参照すると共に、確変フラグが1である場合には確変フラグをクリアし(S420)、その後、S425に処理を移行する。
S425では、主制御装置80は、時短モードであることを示す時短フラグを参照し、時短フラグが1である場合には時短フラグをクリアし(S430)、その後、S435に処理を移行する。
【0137】
そして、主制御装置80は、条件装置作動開始処理(S435),役物連続作動装置作動開始処理(S440),大当り開始演出処理(S445)を順次実行することで、大当り遊技の態様を示すコマンドや、大当り遊技の開始を指示するコマンドをサブ統合制御装置83に送信する等して大当り遊技を開始し、本処理を終了する。
【0138】
一方、S405にて否定判定が得られた場合に移行するS450では、主制御装置80は、確変フラグを参照し、該フラグが1である場合には(S450:Yes)、特典遊技状態中(確変モード中)に実行可能な大当り抽選の残り回数(確変回数)を参照する(S455)。そして、確変回数が0である場合には(S455:Yes)、確変フラグをクリアし(S460)、S465に処理を移行する。
【0139】
S465では、主制御装置80は、時短フラグを参照し、該フラグが1である場合には(S465:Yes)、特典遊技状態中(時短モード中)に実行可能な大当り抽選の残り回数(時短回数)を参照する(S470)。そして、時短回数が0である場合には(S470:Yes)、時短フラグをクリアし(S475)、S480に処理を移行する。
【0140】
S480では、主制御装置80は、状態指定コマンド送信処理を実行し、本処理を終了する。
(6)大当り遊技処理について
次に、大当り遊技の進行を制御する大当り遊技処理について、図12〜14のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される。
【0141】
S500では、主制御装置80は、役物連続作動装置の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S500:Yes)、S505に処理を移行し、否定判定の場合には(S500:No)、本処理を終了する。
【0142】
S505では、主制御装置80は、大入賞口14の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S505:Yes)、図13のS550に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S505:No)、S510に処理を移行する。
【0143】
S510では、主制御装置80は、大当り遊技における各ラウンドのインターバル中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S510:Yes)、図13のS570に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S510:No)、S515に処理を移行する。
【0144】
S515では、主制御装置80は、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S515:Yes)、図14のS600に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S515:No)、S520に処理を移行する。
【0145】
S520では、主制御装置80は、大当り遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S520:Yes)、S525に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S520:No)、本処理を終了する。
【0146】
S525では、主制御装置80は、大入賞口14を開放させる大入賞口開放処理を実行し、本処理を終了する。
続いて図13に関して、大入賞口14の開放中に移行するS550では、主制御装置80は、大入賞口14に入賞した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S550:Yes)、S560に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S550:No)、S555に処理を移行する。
【0147】
S555では、主制御装置80は、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S555:Yes)、S560に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S555:No)、本処理を終了する。
【0148】
S560では、主制御装置80は、大入賞口14を閉鎖させる大入賞口閉鎖処理を実行し、S565に処理を移行する。
S565では、主制御装置80は、大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、本処理を終了する。
【0149】
一方、各ラウンドのインターバル中に移行するS570では、主制御装置80は、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S570:Yes)、S575に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S570:No)、本処理を終了する。
【0150】
S575では、主制御装置80は、大当り遊技の最終ラウンドか否かを判定し、肯定判定の場合には(S575:Yes)、S580に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S575:No)、S585に処理を移行する。
【0151】
S580では、主制御装置80は、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行し、本処理を終了する。
一方、S585では、主制御装置80は、大入賞口14を開放させる大入賞口開放処理を実行し、本処理を終了する。
【0152】
続いて図14に関して、大当り遊技の終了演出中に移行するS600では、主制御装置80は、該終了演出の時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S600:Yes)、S605に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S600:No)、本処理を終了する。
【0153】
続くS605,S610では、主制御装置80は、役物連続作動装置と条件装置とを停止させ、S615に処理を移行する。
S615では、主制御装置80は、大当り遊技後に確変モードに移行するか否かを判定し、肯定判定の場合には(S615:Yes)、確変モード中(特典遊技状態中)に実行可能な大当り抽選の回数(確変回数)を設定すると共に(S620)、確変フラグをセットし(S625)、S630に処理を移行する。
【0154】
S630では、主制御装置80は、大当り遊技後に時短モードに移行するか否かを判定し、肯定判定の場合には(S630:Yes)、時短モード中(特典遊技状態中)に実行可能な大当り抽選の回数(時短回数)を設定すると共に(S635)、時短フラグをセットし(S640)、S645に処理を移行する。
【0155】
なお、本実施形態では、特典遊技状態では確変モード且つ時短モードとなるため、確変回数と時短回数には同数が設定される。
S645,S650では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドを送信する処理と、状態指定コマンド送信処理とを実行し、本処理を終了する。
【0156】
(7)普図始動入賞確認処理について
次に、普通図柄作動ゲート17の遊技球の通過に応じて普通図柄抽選に用いる普図抽選用乱数を抽出し、保留記憶する普図始動入賞確認処理について、図15に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される入賞確認処理からコールされるサブルーチンとして構成されている。
【0157】
S700では、主制御装置80は、普通図柄作動SW17aの検出信号に基づき、普通図柄作動ゲート17を遊技球が通過したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合は(S700:Yes)、S702に処理を移行し、否定判定の場合は(S700:No)、本処理を終了する。
【0158】
S702では、主制御装置80は、普図抽選用乱数についての保留記憶(普図保留記憶)の数(普図保留数)が最大値(本実施形態では4)か否かを判定する。そして、肯定判定の場合は(S702:Yes)、本処理を終了し、否定判定の場合は(S702:No)、S704に処理を移行する。
【0159】
S704では、主制御装置80は、普図抽選用乱数等を抽出して普図保留記憶として保存し、S706に処理を移行する。
S706では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、普図保留数を示す普図保留数コマンドを送信し、本処理を終了する。
【0160】
(8)普図当否判定処理について
次に、普図保留記憶に係る普図抽選用乱数により普通図柄抽選を行う普図当否判定処理について、図16〜18のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される。また、本処理の終了後には、普図遊技処理が実行される。
【0161】
まず、図16に関して、S710では、主制御装置80は、第2始動口12をなす普通電動役物の作動中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S710:Yes)、本処理を終了し、否定判定の場合には(S710:No)、S712に処理を移行する。
【0162】
S712では、主制御装置80は、普通図柄表示装置7にて普通図柄の変動表示が行われているか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S712:Yes)、図17のS736に処理を移行し、否定判定の場合には(S712:No)、S714に処理を移行する。
【0163】
なお、既に述べたように、普通図柄表示装置7は2個のLEDから構成されており、普通図柄表示装置7では、これらのLEDにより4種類の普通図柄が表示されると共に、これらのLEDを点滅させることで普通図柄の変動表示が行われる。また、右LEDが点灯,左LEDが消灯の場合にはショート開放パターンに対応する当りを示す普通図柄となり、左右LEDが共に点灯の場合にはロング開放パターンに対応する当りを示す普通図柄となり、これら以外は、外れを示す普通図柄となっている。
【0164】
S714では、主制御装置80は、普通図柄の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S714:Yes)、図18のS746に処理を移行し、否定判定の場合には(S714:No)、S716に処理を移行する。
【0165】
S716では、主制御装置80は、普図保留記憶の有無について判定し、肯定判定の場合には(S716:Yes)、S718に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S716:No)、本処理を終了する。
【0166】
S718では、主制御装置80は、普図保留数をデクリメントすると共に、最も古い普図保留記憶を選択し、S720に処理を移行する。
S720では、主制御装置80は、時短モードであることを示す時短フラグが1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S720:Yes)、S722に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S720:No)、S724に処理を移行する。
【0167】
S722では、主制御装置80は、選択された普図保留記憶に係る普図抽選用乱数と、時短モードに対応する普通図柄抽選についての当否判定用テーブルに基づき、普通図柄抽選で当るか否かを判定し、該普図保留記憶を消化する。そして、S726に処理を移行する。
【0168】
一方、S724では、主制御装置80は、選択された普図保留記憶に係る普図抽選用乱数と、時短モードでない場合に対応する当否判定用テーブルに基づき、普通図柄抽選で当るか否かを判定し、該普図保留記憶を消化する。そして、S726に処理を移行する。
【0169】
S726では、主制御装置80は、普通図柄抽選で当ったか否かを判定し、肯定判定の場合には(S726:Yes)、S728に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S726:No)、S732に処理を移行する。
【0170】
S728では、主制御装置80は、普通図柄抽選に用いた普図抽選用乱数に基づき、普通図柄抽選での当選時に普通図柄表示装置7に確定表示される普通図柄(当り図柄)を決定し、S730に処理を移行する。なお、ロング開放パターンに対応する当り図柄は1/10の確率で選択され、ショート開放パターンに対応する当り図柄は9/10の確率で選択される。
【0171】
S730では、主制御装置80は、当り図柄や時短モード中か否か等に応じて普通図柄の変動時間等を決定し、S734に処理を移行する。
一方、S732では、主制御装置80は、時短モード中か否かに応じて普通図柄抽選で外れた場合における普通図柄の変動時間等を設定し、S734に処理を移行する。
【0172】
S734では、主制御装置80は、普通図柄表示装置7にて決定された変動時間にわたる普通図柄の変動表示を開始する。また、サブ統合制御装置83に対し、普通図柄抽選の結果と、確定表示される普通図柄と、普通図柄の変動時間等を示す普図変動開始コマンドを送信することで、先読み演出が行われるか否か(換言すれば、先読み演出が行われる可能性)について示唆する先読み前兆演出を開始させ、本処理を終了する。
【0173】
なお、サブ統合制御装置83では、普図変動開始コマンドに基づき、普通図柄の変動表示に連動して先読み前兆演出が行われるが、普通図柄抽選で外れた場合には、先読み前兆演出が行われない。このため、普通図柄抽選で外れた場合には、主制御装置80は、普図変動開始コマンドを送信しなくても良い。
【0174】
続いて図17に関して、普通図柄の変動表示中に移行するS736では、主制御装置80は、普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S736:Yes)、S738に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S736:No)、本処理を終了する。
【0175】
S738では、主制御装置80は、普通図柄表示装置7での普通図柄の変動表示を終了し、普通図柄を確定表示させると共に、サブ統合制御装置83に対し、確定表示された普通図柄を示す普通図柄確定コマンドを送信し、S740に処理を移行する。
【0176】
S740では、主制御装置80は、確定表示された普通図柄が、普通図柄抽選での当選を示すものであるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S740:Yes)、S742に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S740:No)、本処理を終了する。
【0177】
S742では、主制御装置80は、第2始動口12をなす普通電動役物の作動を開始させると共に、サブ統合制御装置83に対し、当り図柄に対応する開放時間にわたり、普通電動役物が開放される普図遊技が行われることを示す普図当選コマンドを送信することで、普通電動役物の開放に連動した演出を開始させる普図当り開始演出処理を実行し(S744)、本処理を終了する。
【0178】
続いて図18に関して、普通図柄の確定表示中に移行するS746では、主制御装置80は、普通図柄の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S746:Yes)、S748に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S746:No)、本処理を終了する。
【0179】
S748では、主制御装置80は、普通図柄の確定表示を終了し、本処理を終了する。
(9)普図遊技処理について
次に、第2始動口12をなす普通電動役物を開放することで行われる普図遊技を行う普図遊技処理について、図19〜21のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、普図当否判定処理の終了後に実行される処理である。
【0180】
S750では、主制御装置80は、普通電動役物の作動中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S750:Yes)、S752に処理を移行し、否定判定の場合には(S750:No)、本処理を終了する。
【0181】
S752では、主制御装置80は、普通電動役物の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S752:Yes)、図20のS760に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S752:No)、S754に処理を移行する。
【0182】
S754では、主制御装置80は、普図遊技の終了時の演出中か否かを判定し、肯定判定の場合には(S754:Yes)、図21のS770に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S754:No)、S756に処理を移行する。
【0183】
S756では、主制御装置80は、普図遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S756:Yes)、S758に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S756:No)、本処理を終了する。
【0184】
S758では、主制御装置80は、普通電動役物を開放させ、第2始動口12への入球が可能な状態とすると共に、サブ統合制御装置83に対し、普通電動役物を開放させた旨を通知する普図遊技開始コマンドを送信し、本処理を終了する。
【0185】
続いて図20に関して、普通電動役物の開放中に移行するS760では、主制御装置80は、普図遊技において、第2始動口12に入賞した遊技球の数が9個となったか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S760:Yes)、S766に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S760:No)、S762に処理を移行する。
【0186】
S762では、主制御装置80は、第2始動口SW12aからの信号に基づき第2始動口12に新たな入賞が生じたか否かを判定し、新たな入賞が生じた場合には、サブ統合制御装置83に対し、普図遊技における第2始動口12の入賞個数を通知する入賞数通知コマンドを送信し、S764に処理を移行する。
【0187】
S764では、主制御装置80は、第2始動口12の開放開始時、当り図柄に応じて定められる開放時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S764:Yes)、S766に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S764:No)、本処理を終了する。
【0188】
S766では、主制御装置80は、普通電動役物を閉鎖させると共に、サブ統合制御装置83に対し、普図遊技の終了時の演出を指示する普図遊技終了コマンドを送信する普図当り終了演出処理を実行し(S768)、本処理を終了する。
【0189】
続いて図21に関して、普図遊技の終了時の演出中に移行するS770では、主制御装置80は、該演出が一定時間にわたり行われたか否かを判定し、肯定判定の場合には(S770:Yes)、S772に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S770:No)、本処理を終了する。
【0190】
S772では、主制御装置80は、サブ統合制御装置83に対し、普図遊技の終了時の演出が完了したことを示す普図当り終了コマンドを送信し、本処理を終了する。
(10)先読み前兆演出処理について
次に、普通図柄の変動表示に連動して、先読み演出が行われるか否かについて示唆する先読み前兆演出を行う先読み前兆演出処理について、図22に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83にて定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
【0191】
S800では、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から普図変動開始コマンドを受信したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S800:Yes)、S802に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S800:No)、本処理を終了する。
【0192】
S802では、サブ統合制御装置83は、受信した普図変動開始コマンドに基づき、普通図柄抽選で当選したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S802:Yes)、S804に処理を移行すると共に、否定判定の場合には(S802:No)、本処理を終了する。
【0193】
S804では、サブ統合制御装置83は、先読み前兆演出として、演出図柄表示装置6にて、普通図柄抽選に対応する普図演出図柄の変動表示を行い、確定表示された普通図柄に対応する普図演出図柄を表示するルーレット演出(詳細は後述する)を開始し、本処理を終了する。
【0194】
(11)保留表示処理について
次に、保留記憶に対応する保留図柄を演出図柄表示装置6に表示する保留表示処理について、図23に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83にて定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
【0195】
S810では、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から第1先読みコマンド1〜3,第2先読みコマンド1〜3,第1,第2保留数コマンドのうちのいずれかを受信することで、第1或いは第2保留記憶の数を取得したか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S810:Yes)、S812に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S810:No)、本処理を終了する。
【0196】
なお、第1先読みコマンド1〜3,第2先読みコマンド1〜3は、第1,第2始動口11,12への入賞により保留記憶が増加した場合に受信し、第1,第2保留数コマンドは、保留記憶が消化された際に受信する。
【0197】
S812では、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から、先読み情報を受信したか否か(第1,第2先読みコマンド1〜3を受信したか否か)を判定し、肯定判定が得られた場合には(S812:Yes)、S814に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S812:No)、S826に処理を終了する。
【0198】
S814では、サブ統合制御装置83は、先読みフラグが0であるか否かの判定(先読み演出が行われていないことの判定)を行い、肯定判定が得られた場合には(S814:Yes)、S816に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S814:No)、S826に処理を移行する。
【0199】
S816では、サブ統合制御装置83は、第2先読みコマンドの受信の有無により、第2始動口12への入賞が新たに生じたか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S816:Yes)、S818に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S816:No)、S826に処理を移行する。
【0200】
S818では、サブ統合制御装置83は、第1保留記憶が生じているか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S818:Yes)、S820に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S818:No)、S826に処理を移行する。
【0201】
S820では、サブ統合制御装置83は、先に受信した第1先読みコマンドに基づき、消化されていない第1保留記憶に基づく大当り抽選で当りとなるか、或いは、該第1保留記憶に対応する大当り演出でリーチ外れとなるかを判定する。そして、消化されていない第1保留記憶で当りとなる場合や、該第1保留記憶に対応する大当り演出でリーチ外れとなる場合には(S820:Yes)、S822に処理を移行する。また、該第1保留記憶に対応する大当り演出でノーマル外れとなる場合には(S820:No)、S826に処理を移行する。
【0202】
なお、特典遊技状態中は、サブ統合制御装置83は、先読み情報を含まない第1先読みコマンドを受信するため、S820では常にS826に分岐する。このため、特典遊技状態中は、先読み演出は行われない。
【0203】
S822では、サブ統合制御装置83は、先読みフラグをセットし、S824に処理を移行する。
S824では、サブ統合制御装置83は、大当りとなる第1保留記憶(大当りとなる第1保留記憶が無い場合には、リーチ外れとなる第1保留記憶)を先読み演出の対象として設定し、演出図柄表示装置6にて、該第1保留記憶を対象とした連続予告演出であるビンゴ演出(詳細は後述する)を開始し、S826に処理を移行する。
【0204】
なお、一つの第1保留記憶を対象として先読み演出を行っても良いし、リーチ外れとなる第1保留記憶が複数存在する場合等には、これらの第1保留記憶を先読み演出の対象として設定しても良い。
【0205】
S826では、サブ統合制御装置83は、第1,第2保留記憶が新たに発生した場合には、対応する保留図柄を演出図柄表示装置6に表示すると共に、第1,第2保留記憶が消化された場合には、消化された保留記憶に対応する保留図柄を消去し、保留図柄の表示位置を更新する。また、第1保留記憶が先読み演出の対象として新たに設定された場合には、演出図柄表示装置6に表示された該第1保留記憶に対応する保留図柄を先読み保留図柄に変化させることで、先読み報知演出を行う。そして、本処理を終了する。
【0206】
なお、S816では、第2始動口12への入賞が新たに生じたか否かが判定される。しかしながら、これに限らず、S816にて、入賞数通知コマンドに基づき、2以上の所定数の第2始動口12への入賞が生じたか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S816:Yes)、S818に、否定判定が得られた場合には(S816:No)、S826に処理を移行しても良い。これにより、第1保留記憶が生じている状態で、開放された第2始動口12に上記所定数の入賞が生じたことを契機として先読み演出が行われる。
【0207】
(12)演出処理について
次に、変動開始コマンドに応じて演出図柄表示装置6にて大当り演出を行う演出処理について、図24に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83にて定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
【0208】
S830では、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S830:Yes)、S832に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S830:No)、本処理を終了する。
【0209】
S832では、サブ統合制御装置83は、先読みフラグが1であるか否か(先読み演出の実行中であるか否か)を判定し、肯定判定が得られた場合には(S832:Yes)、S834に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S832:No)、S836に処理を移行する。
【0210】
S834では、サブ統合制御装置83は、消化された保留記憶について、演出図柄表示装置6にて変動開始コマンドに応じた内容の大当り演出(演出図柄の変動表示)を開始すると共に、演出図柄表示装置6にて行われているビンゴ演出画面を更新し(詳細は後述する)、S838に処理を移行する。
【0211】
S838では、サブ統合制御装置83は、受信した変動開始コマンドが先読み演出の対象となっている第1保留記憶に対応するものであるか否か(今回の大当り演出にてビンゴ演出が終了するか否か)を判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S838:Yes)、S840に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S838:No)、本処理を終了する。
【0212】
S840では、サブ統合制御装置83は、今回の大当り演出にてビンゴ演出が終了することを示す連続予告演出終了フラグをセットし、本処理を終了する。
一方、先読み演出が行われていない場合に移行するS836では、サブ統合制御装置83は、消化された保留記憶について、演出図柄表示装置6にて変動開始コマンドに応じた内容の大当り演出(演出図柄の変動表示)を開始する通常演出開始処理を実行し、本処理を終了する。
【0213】
(12)変動停止時処理について
次に、図柄確定コマンドに応じて演出図柄表示装置6にて演出図柄の変動表示を停止させ、演出図柄の確定表示を行う変動停止時処理について、図25に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83にて定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
【0214】
S850では、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から図柄確定コマンドを受信したか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S850:Yes)、S852に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S850:No)、本処理を終了する。
【0215】
S852では、サブ統合制御装置83は、演出図柄表示装置6での演出図柄の変動表示を停止させ、図柄確定コマンドに応じた演出図柄の確定表示を行う図柄停止処理を行い、S854に処理を移行する。
【0216】
S854では、サブ統合制御装置83は、今回の大当り演出が先読み演出の対象となっている第1保留記憶に対応するものであり、今回の大当り演出でビンゴ演出(連続予告演出)が終了するか否か(連続予告演出終了フラグが1か否か)を判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S854:Yes)、S856に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S854:No)、本処理を終了する。
【0217】
S856では、サブ統合制御装置83は、連続予告演出終了フラグをクリアすると共に、先読みフラグをクリアし(S858)、さらに、ビンゴ演出を終了させるビンゴ演出終了処理を行った後に(S860)、本処理を終了する。
【0218】
(13)先読み前兆演出について
次に、先読み前兆演出について説明する。先読み前兆演出は、普通図柄抽選についての変動表示の開始時から、該普通図柄抽選での当選により行われる普図遊技の終了時までに行われ、上述のルーレット演出等から構成されている。
【0219】
まず、普通図柄の変動表示に連動して行われるルーレット演出について、図26に記載の説明図を用いて説明する。ルーレット演出は、普通図柄抽選で当選した場合の普通図柄の変動表示に連動して行われ、停止表示される普通図柄が、ロング開放パターンに対応するものであるか、ショート開放パターンに対応するものであるかを通知する。
【0220】
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から普図変動開始コマンドを受信すると、演出図柄表示装置6の画面上の中央下側におけるルーレット演出領域900にて、普通図柄抽選に対応する普図演出図柄を変動表示させることで、ルーレット演出を行う(図26(a)参照)。
【0221】
そして、サブ統合制御装置83は、主制御装置80から普通図柄確定コマンドを受信すると、ルーレット演出領域900での普図演出図柄の変動表示を終了させ、当り図柄に対応する普図演出図柄を確定表示させることで、普通図柄抽選に当選し、先読み演出獲得の挑戦権が獲得されたことを通知して、ルーレット演出を終了させる。
【0222】
具体的には、当り図柄がロング開放パターンに対応する場合には、例えば、動物キャラクタ(熊の達吉)を示す普図演出図柄を停止表示させ(図26(b)参照)、当り図柄がショート開放パターンに対応する場合には、×印を示す普図演出図柄を停止表示させても良い(図26(c)参照)。
【0223】
そして、ロング開放パターンで普通電動役物が開放される場合には、スーパーチャレンジモードとなり、ショート解放パターンで普通電動役物が開放される場合には、チャレンジモードとなる。
【0224】
また、ルーレット演出の終了後も、以下のようにして先読み前兆演出を継続しても良い。
すなわち、ルーレット演出の終了後、普図遊技が開始され、普通電動役物(第2始動口12)が開放されると、サブ統合制御装置83は主制御装置80から普図遊技開始コマンドを受信するが、これを契機に、サブ統合制御装置83は、演出図柄表示装置6の画面上で先読み演出を獲得するための挑戦期間中(スーパーチャレンジモード或いはチャレンジモード)であることを示す演出を開始しても良い。具体的には、普通電動役物の開放期間の残り時間を表示しても良い。また、仮に、第1保留記憶が生じている状態で、2以上の所定数の遊技球が普通電動役物に入賞した場合に、先読み演出を行うとする場合であれば、普通電動役物に入球した遊技球の数を表示しても良い。
【0225】
そして、主制御装置80から受信した入賞数通知コマンドや第2先読みコマンド等に基づき、第1保留記憶が存在する状態で普通電動役物に予め定められた数の遊技球が入賞したことが判明した場合には、サブ統合制御装置83は、演出図柄表示装置6の画面上で、先読み演出が獲得された旨の表示を行っても良い。
【0226】
また、主制御装置80から普図遊技終了コマンドを受信した場合には、サブ統合制御装置83は、上記演出を終了すると共に、先読み演出を開始しても良い。
(14)先読み演出について
次に、先読み演出について図27,28を用いて説明する。
【0227】
先読み演出を行うことが決定されると、演出図柄表示装置6の画面上では、先読み演出の対象となる第1保留記憶に対応する第1保留図柄を、大当り抽選で当ることを予告する先読み保留図柄912に変化させることで、先読み報知演出が行われる(図27(a)参照)。
【0228】
また、この先読み報知演出の開始と同時に、演出図柄表示装置6の画面中央で行われていた演出図柄の変動表示が、該画面に向かって左上の領域で行われるようになり、さらに、該画面中央における正方形の領域が新たにビンゴ演出領域910として設定され、ビンゴ演出領域910にて連続予告演出であるビンゴ演出が開始される(図27(a)参照)。
【0229】
このビンゴ演出領域910は、縦3個,横3個の合計9個の正方形の小領域に分割されており、中央に位置する小領域には、動物キャラクタ(熊の達吉)が表示されると共に、これ以外の各小領域には、1〜99までのいずれかの数字が表示される。
【0230】
そして、保留記憶が消化され、新たな大当り演出が開始される度に、ビンゴ演出領域910の側方に1〜99までのいずれかの数字が新たに表示され、いずれかの小領域に該数字が表示されている場合には、ビンゴ演出領域910の上方に“ラッキー”の文字が表示されると共に、該小領域に“×”マークが表示される。一方、該数字がいずれの小領域にも表示されていない場合には、ビンゴ演出領域910の上方に“残念”の文字が表示される(図27(b),(c),図28(a)参照)。
【0231】
その後、先読み演出の対象となっている第1保留記憶についての大当り演出が開始され、先読み保留図柄912が画面上から消滅する時点でビンゴが成立すると(縦、或いは横方向に並んだ3つの小領域の全てに“×”マークが付された状態になるか、又は前記中央に位置して動物キャラクタ(熊の達吉)が表示された小領域を挟む2つの小領域の全てに“×”マークが付された状態になると)、ビンゴ演出領域910の上方に“ビンゴ”の文字が表示され、該第1保留記憶に基づく大当り抽選で当る可能性が高いことを示す状態となる(図28(b)参照)。
【0232】
[第二実施形態]
[動作の説明]
次に、第二実施形態におけるパチンコ機50の動作について説明する。
【0233】
第二実施形態におけるパチンコ機50は、第一実施形態と同様にして大当り抽選や、大当り演出や、先読み前兆演出等が行われるが、先読み演出を開始する条件や先読み演出の内容が異なっており、これに伴い、保留表示処理,演出処理,変動停止時処理の内容が一部異なっている。以下ではこの相違点について説明する。
【0234】
(1)先読み演出について
第二実施形態では、通常遊技状態である場合に、各第2保留記憶に基づく大当り演出が全てノーマル外れとなり、4個の第1保留記憶が生じている状態で、4回の第2始動口12への入賞が発生したことを契機として、先読み演出が行われる。なお、先読み演出の契機に係る第1保留記憶の数は、4個に限らず、1〜3個であっても良いし、該契機に係る第2始動口12への入賞の回数は、4回に限らず、2或いは3回であっても良い。
【0235】
そして、大当り或いはリーチ外れとなるいずれかの第1保留記憶を対象とした先読み演出を行うことが決定されると、演出図柄表示装置6の画面上では、全ての第1保留記憶に対応する第1保留図柄を、大当り抽選で当ることを予告する先読み保留図柄920に変化させることで、先読み報知演出が行われる(図29(a)参照)。これにより、先読み報知演出と並行して行われる連続予告演出(後述のバトル演出)におけるどの場面で当るかが曖昧になり、面白みを増すことができる。なお、全第1保留図柄の表示領域全体を異なる態様で表示することで、先読み報知演出を行っても良い。また、先読み演出の対象となる第1保留記憶に対応する第1保留図柄のみを先読み保留図柄に変更しても良い。
【0236】
また、この先読み報知演出の開始と同時に、演出図柄表示装置6の画面中央で行われていた演出図柄の変動表示が、該画面に向かって左上の領域で行われるようになり、該画面上では、連続予告演出であるバトル演出が開始される(図29(a)参照)。
【0237】
バトル演出では、大当り演出に並行して演出図柄表示装置6の画面上で主人公とライバルが戦う様子が表示され、保留記憶の消化(新たな大当り演出の開始)に同期したタイミングでこの戦いが進展する。
【0238】
すなわち、バトル演出の開始直後は、主人公930が荒野を歩く様子が表示され(図29(a)〜(b)参照)、いずれかの第2保留記憶に基づく大当り演出が新たに開始されるタイミングでライバル940が出現する(図29(c)〜(d)参照)。そして、最も古い第1保留記憶が消化される時点で、主人公930とライバル940との戦いが始まる(図30(a)参照)。
【0239】
この第1保留記憶に基づく大当り抽選で外れとなる場合には、主人公930が劣勢の状態で戦いが進行する(図30(a)〜(d)の順で戦いが進行する)。そして、先読み演出が他の第1保留記憶を対象とするものであれば、大当り演出の終了後もバトル演出が継続され(図30(e))、先読み演出が当該第1保留記憶を対象としたものであれば、当該第1保留記憶に基づく大当り演出の終了と共にバトル演出も終了する(図30(f))。
【0240】
一方、この第1保留記憶に基づく大当り抽選で当る場合には、主人公930が優勢の状態で戦いが進行し(図30(a),(b)に続いて、図31(a)〜(d)の順に戦いが進行する)、最終的に主人公930が勝利すると共に、大当り演出では当り図柄が確定表示される(図31(d)参照)。
【0241】
また、バトル演出が継続される場合には、次の第1保留記憶が消化されるタイミングで、新たな戦いが開始される(図30(e)に続いて図32(a)が表示される)。そして、該第1保留記憶で当りとなる場合には、主人公930が有利な状態で戦いが進行し、最終的に主人公930が勝利すると共に、大当り演出では当り図柄が確定表示される(図32(b)〜(d)参照)。
【0242】
上述したように本実施形態では、図29(a)〜(b)に示したような第2保留記憶に基づく大当り演出として連続予告演出であるバトル演出が実行されると、図30乃至図32に示したような多様な展開によって、大当り或いはリーチ外れとなる何れかの第1保留記憶に基づく連続予告演出(バトル演出)が実行されるよう構成されている。これは、第2保留記憶に基づく連続予告演出(バトル演出)が実行されることによって、何れかの第1保留記憶の中に大当り或いはリーチ外れとなる保留記憶が存在することを示唆(報知)する機能である。つまり、これは、第2実施形態の構成を前提とすると、第1保留記憶に係る先読み予告報知を、該第1保留記憶とは異なる第2保留記憶に基づく連続予告演出の実行によって行うものである。
【0243】
このように構成することにより、当該保留記憶とは異なる他の保留記憶に基づく連続予告の実行によって当該保留記憶の予告報知が為されるという、新規な予告が可能となる。
更に、上述した実施形態では、図29(a)〜(b)に示した第2保留記憶に基づく連続予告演出(バトル演出)において、ライバル940が出現する展開となるが、出現しない展開を備えても良い。出現しない場合は、図30乃至図32に示したような展開は実行されない。出現した場合には、続く図30乃至図32に示したような展開に発展するようにする。つまり、これは、第2保留記憶に基づく大当り演出として連続予告演出であるバトル演出の内容(演出結果)によって、第1保留記憶の中に大当り或いはリーチ外れとなる期待度の高い保留記憶が存在することを示唆(報知)する機能である。つまり、第2実施形態の構成を前提とすると、第1保留記憶に係る先読み予告報知を、該第1保留記憶とは異なる第2保留記憶に基づく連続予告演出の演出の内容(演出結果)によって報知するものである。
【0244】
このように構成することにより、仮に第2保留記憶が全てハズレであったとしても、第2保留記憶に基づく連続予告演出の展開によって第1保留記憶に係る先読み予告報知を行うことができ、新規な予告が可能となり、第2保留記憶に基づく連続予告演出の結果に遊技者は注目させることが可能となる。
【0245】
(2)保留表示処理について
次に、第二実施形態の保留表示処理について、第一実施形態と相違する箇所について説明する。
【0246】
S816では、サブ統合制御装置83は、入賞数通知コマンドに基づき、普図遊技にて普通電動役物(第2始動口12)が開放された際に、普通電動役物への4回の入賞が生じたか否かを判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S816:Yes)、S818に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S816:No)、S826に処理を移行する。
【0247】
また、S818では、サブ統合制御装置83は、4個の第1保留記憶が生じているか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には(S818:Yes)、S820に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S818:No)、S826に処理を移行する。
【0248】
また、S820では、サブ統合制御装置83は、先に受信した第1先読みコマンドに基づき、消化されていない第1保留記憶に基づく大当り抽選で当りとなるか、或いは、該第1保留記憶に対応する大当り演出でリーチ外れとなるかを判定する。また、受信した第2先読みコマンドに基づき、全ての第2保留記憶に基づく大当り演出でリーチ外れとなるか否かを判定する。そして、双方の判定で肯定判定が得られた場合には(S820:Yes)、S822に処理を移行する。また、少なくとも一方の判定で否定判定が得られた場合には(S820:No)、S826に処理を移行する。
【0249】
なお、特典遊技状態中は、サブ統合制御装置83は、先読み情報を含まない第1先読みコマンドを受信するため、S820では常にS826に分岐する。このため、特典遊技状態中は、先読み演出は行われない。
【0250】
また、S824では、サブ統合制御装置83は、大当りとなる第1保留記憶(大当りとなる第1保留記憶が無い場合には、リーチ外れとなる第1保留記憶)を先読み演出の対象として設定し、演出図柄表示装置6にて、該第1保留記憶を対象とした連続予告演出であるバトル演出を開始し、S826に処理を移行する。
【0251】
また、S826では、サブ統合制御装置83は、第1実施形態と同様に保留図柄の表示位置を更新する。また、先読み演出が行われる場合には、演出図柄表示装置6に表示された4つの第1保留記憶に対応する第1保留図柄を先読み保留図柄に変化させることで、先読み報知演出を行う。そして、本処理を終了する。
【0252】
(3)演出処理について
次に、第二実施形態の演出処理について、第一実施形態と相違する箇所について説明する。
【0253】
S834では、サブ統合制御装置83は、消化された保留記憶について、演出図柄表示装置6にて変動開始コマンドに応じた内容の大当り演出(演出図柄の変動表示)を開始すると共に、演出図柄表示装置6にて行われているバトル演出画面を更新し(詳細は後述する)、S838に処理を移行する。
【0254】
また、S838では、サブ統合制御装置83は、受信した変動開始コマンドが先読み演出の対象となっている第1保留記憶に対応するものであるか否か(今回の大当り演出にてバトル演出が終了するか否か)を判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S838:Yes)、S840に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S838:No)、本処理を終了する。
【0255】
また、S840では、サブ統合制御装置83は、今回の大当り演出にてバトル演出が終了することを示す連続予告演出終了フラグをセットし、本処理を終了する。
(4)変動停止時処理について
次に、第二実施形態の変動停止時処理について、第一実施形態と相違する箇所について説明する。
【0256】
S854では、サブ統合制御装置83は、今回の大当り演出が先読み演出の対象となっている第1保留記憶に対応するものであり、今回の大当り演出でバトル演出(連続予告演出)が終了するか否か(連続予告演出終了フラグが1か否か)を判定する。そして、肯定判定が得られた場合には(S854:Yes)、S856に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には(S854:No)、本処理を終了する。
【0257】
また、S860では、サブ統合制御装置83は、バトル演出を終了させるバトル演出終了処理を行い、本処理を終了する。
[効果]
第一,第二実施形態のパチンコ機50によれば、パチンコ機50にて行われる先読み演出を行うか否かに係る内部抽選での当選ではなく、第1保留記憶が発生している状態で、開放された普通電動役物(第2始動口12)に入賞が生じたことを契機として、先読み演出が行われる。このため、先読み演出の契機が従来とは異なるものとなり、マンネリ感が払拭され、遊技の興趣を向上させることができる。
【0258】
また、第1保留記憶が発生していることや、普通電動役物への入賞は、遊技者が視認可能な事実であるため、内部抽選での当選を契機とする場合とは異なり先読み演出が開始されるまでの過程が明らかになり、遊技者は、先読み演出の契機について不信感を抱かなくなる。さらに、第1保留記憶の発生や、普通図柄抽選や、普通電動役物の開放等といったパチンコ機に特有の事柄が先読み演出の契機となるため、パチンコ機ならではの面白みをより一層高めることができる。
【0259】
また、パチンコ機50では、普通図柄作動ゲート17や、普通図柄表示装置7や、普通電動役物等、従来は先読み演出とは直接関係性を有していなかった構成要素の作用を連関させることで、先読み演出の契機としている。このため、相乗作用により先読み演出の興趣を高めることや、一体感のある先読み報知演出を行うことができ、遊技の興趣をより一層高めることができる。
【0260】
[他の実施形態]
(1)第一,第二実施形態のパチンコ機50では、第2保留記憶の優先消化が行われるが、これに限定されることは無く、先に発生した保留記憶から順に消化されても良い。
【0261】
また、このパチンコ機50では、通常遊技状態中に第1保留記憶についての先読み演出のみが行われるが、これに限定されることは無く、通常遊技状態中に、第1,第2保留記憶の双方或いは一方について同様の先読み演出を行っても良いし、特典遊技状態中に、第1,第2保留記憶の双方或いは一方について同様の先読み演出を行っても良い。
【0262】
このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
(2)また、第一,第二実施形態の保留表示処理では、普通電動役物(第2始動口12)の開放パターンに拘らず、第1保留記憶が生じている等の条件の成立時に普通電動役物への入賞が生じると、先読み演出の実行が決定される。
【0263】
しかしながら、上記条件の成立時に、ロング開放パターンで開放された普通電動役物への入賞が生じた場合に、先読み演出の実行を決定しても良い。具体的には、保留表示処理のS816において、普通電動役物がロング開放パターンにより開放されており、且つ、普通電動役物への入賞(或いは所定数の入賞)が生じたか否かを判定し、肯定判定の場合にはS818に、否定判定の場合にはS826に処理を移行しても良い。
【0264】
なお、これとは逆に、上記条件の成立時に、ショート開放パターンで開放された普通電動役物への入賞が生じた場合に、先読み演出の実行を決定しても良い。
また、例えば、上記条件の成立時に、ショート開放パターンで開放された普通電動役物への入賞が生じた場合には、第1保留記憶についての先読み演出を行い、ロング開放パターンで開放された普通電動役物への入賞が生じた場合には、第2保留記憶についての先読み演出を行っても良い。
【0265】
こうすることにより、遊技の興趣を高めることができる。
(3)また、第一,第二実施形態の保留表示処理や、[他の実施形態]の(2)に記載の保留表示処理において、上記条件の成立時に普通電動役物への入賞が発生し、これにより、第1,第2保留記憶の総和が所定数に達した場合に、先読み演出の実行を決定しても良い。
【0266】
具体的には、例えば、第一,第二実施形態の保留表示処理のS816において、普通電動役物への入賞が生じ、その結果、第1,第2保留記憶の総和が所定数に達したか否かを判定し、肯定判定の場合にはS818に、否定判定の場合にはS826に処理を移行しても良い。
【0267】
こうすることにより、所定数の保留記憶が生じている場合のみ先読み演出が開始されるため、先読み演出の実行決定から、先読み演出の対象となる保留記憶が消化されるまでに行われる大当り演出の回数を、一定の範囲に抑えることができる。このため、先読み演出の一つとして行われる連続予告演出のパターンの増加を抑えることができ、先読み演出のためのプログラムやデータのサイズを抑えることができる。
【0268】
(4)また、第一,第二実施形態のパチンコ機50では、普通電動役物の開放パターンとして、ロング開放パターンとショート開放パターンの2種類が設けられているが、3種類以上の開放パターンを設けても良い。
【0269】
そして、これらの開放パターンのうち、最も開放時間の長いものをロング開放パターンとすると共に、他の開放パターンをショート開放パターンとしても良いし、開放時間が所定の閾値を超えるものをロング開放パターンとすると共に、他の開放パターンをショート開放パターンとしても良い。また、これらの開放パターンのうち、最も開放時間の短いものをショート開放パターンとすると共に、他の開放パターンをロング開放パターンとしても良いし、開放時間が所定の閾値を下回るものをショート開放パターンとすると共に、他の開放パターンをロング開放パターンとしても良い。
【0270】
このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
(5)また、第一,第二実施形態のパチンコ機50では、サブ統合制御装置83にて先読み演出や先読み前兆演出が行われるが、主制御装置80にてこれらの処理を行っても良い。また、サブ統合制御装置83にて先読み演出を行うか否かの決定がなされるが、主制御装置80にて該決定を行っても良い。
【0271】
このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
【0272】
普通図柄作動ゲート17が作動口に、サブ統合制御装置83、或いは、サブ統合制御装置83,演出図柄制御装置82,演出図柄表示装置6が、サブ制御装置に相当する。
また、第1,第2先読みコマンド,第1,第2保留数コマンド,入賞数通知コマンドが保留記憶コマンドに、変動開始コマンドが演出制御コマンドに、普図変動開始コマンド,普通図柄確定コマンド,普図遊技開始コマンド,普図遊技終了コマンドが先読み前兆演出制御コマンドに相当する。
【0273】
また、始動入賞確認処理のS110,S140が保留記憶手段に、S125,S150が保留記憶コマンド送信手段,先読みコマンド送信手段に相当する。
また、第1,第2先読み判定処理が先読み判定手段に相当する。
【0274】
また、当否判定処理のS340,S345が大当り抽選手段に、S378が保留記憶コマンド送信手段に、S380が演出制御コマンド送信手段に相当する。
また、普図当否判定処理のS722,S724が普通図柄抽選手段に、S734,S738が普図表示手段,前兆演出制御手段に相当する。
【0275】
また、普図遊技処理のS762が保留記憶コマンド送信手段に、S758,S768が前兆演出制御手段に相当する。
また、保留表示処理のS804が前兆演出手段に、S826が保留図柄表示手段,先読み報知演出手段に相当する。
【0276】
また、演出処理のS834,S836が大当り演出手段に相当する。
【符号の説明】
【0277】
1…遊技盤、2a…外レール、2b…内レール、3…遊技領域、4…遊技釘、5…センターケース、6…演出図柄表示装置、7…普通図柄表示装置、8…普図保留数表示装置、9…第1特図表示装置、10…第2特図表示装置、11…第1始動口、11a…第1始動口SW、12…第2始動口、12a…第2始動口SW、12b…普電役物ソレノイド、14…大入賞口、14a…第1カウントSW、14b…大入賞口ソレノイド、17…普通図柄作動ゲート、17a…普通図柄作動SW、18…第1特図保留数表示装置、19…第2特図保留数表示装置、20…払出モータ、21…払出SW、22…満杯SW、23…球切れSW、24…CRユニット端子板、25…精算表示装置、28…タッチSW、29…発射停止SW、30…発射モータ、35…ガラス枠閉鎖SW、36…内枠閉鎖SW、39…シリンダ錠、50…パチンコ機、51…外枠、52…前枠、53…ヒンジ、55…上皿、56…CRユニット、57…球貸ボタン、58…精算ボタン、59…残高表示器、61…板ガラス、63…下皿、64…発射ハンドル、65…枠側装飾ランプ、66…スピーカ、67…演出ボタン、68…ジョグダイヤル、70…内枠、71…球タンク、72…タンクレール、73…払出ユニット、78…外部接続端子板、80…主制御装置、81…払出制御装置、82…演出図柄制御装置、83…サブ統合制御装置、84…発射制御装置、85…電源基板、90…図柄表示装置中継端子板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動口への遊技球の進入に起因して普通図柄抽選を行う普通図柄抽選手段と、
常時入球が可能な第1始動口と、
前記普通図柄抽選で当ると開放され、開放時に入球が可能となる第2始動口と、
前記第1始動口への入球に起因して乱数を抽出し、該乱数を第1保留記憶として記憶すると共に、前記第2始動口への入球に起因して乱数を抽出し、該乱数を第2保留記憶として記憶する保留記憶手段と、
前記第1保留記憶、或いは前記第2保留記憶に基づき大当り抽選を行うことで、該保留記憶を消化する大当り抽選手段と、
前記第1保留記憶、或いは前記第2保留記憶に係る乱数の値に応じた内容の大当り演出を行うことで、該保留記憶に基づく前記大当り抽選の結果を報知する大当り演出手段と、
消化されていない前記第1保留記憶に対応する第1保留図柄と、消化されていない前記第2保留記憶に対応する第2保留図柄とを表示する保留図柄表示手段と、
前記第1保留記憶、或いは前記第2保留記憶に基づく前記大当り抽選が行われる前に、該保留記憶に係る乱数が特定値であるか否かを判定する先読み判定手段と、
前記第1保留記憶が生じている状態で、開放された前記第2始動口への入球が発生すると、いずれかの前記第1保留記憶或いは前記第2保留記憶について、前記先読み判定手段による判定結果に応じて対応する前記保留図柄を変化させることで、該保留記憶に基づく前記大当り抽選の結果を事前に予告する先読み報知演出を行う先読み報知演出手段と、
を備えることを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
請求項1に記載の弾球遊技機において、
前記第2始動口の開放のパターンとして、開放時間の異なる複数のものが設けられていると共に、前記普通図柄抽選での当りには複数の種類が設けられており、前記普通図柄抽選で当りとなった際には、前記第2始動口は、該当りの種類に応じた前記パターンで開放され、
前記パターンのうち、前記第2始動口の開放時間が予め定められた閾値よりも長いものをロング開放パターンとし、
前記先読み報知演出手段は、前記第1保留記憶が生じている状態で、前記ロング開放パターンにより開放された前記第2始動口への入球が発生すると、前記先読み報知演出を行うこと、
を特徴とする弾球遊技機。
【請求項3】
請求項1に記載の弾球遊技機において、
前記第2始動口の開放のパターンとして、開放時間の異なる複数のものが設けられていると共に、前記普通図柄抽選での当りには複数の種類が設けられており、前記普通図柄抽選で当りとなった際には、前記第2始動口は、該当りの種類に応じた前記パターンで開放され、
前記パターンのうち、前記第2始動口の開放時間が予め定められた閾値よりも短いものをショート開放パターンとし、
前記先読み報知演出手段は、前記第1保留記憶が生じている状態で、前記ショート開放パターンにより開放された前記第2始動口への入球が発生すると、前記先読み報知演出を行うこと、
を特徴とする弾球遊技機。
【請求項4】
請求項3に記載の弾球遊技機において、
前記パターンのうち、前記第2始動口の開放時間が予め定められた閾値よりも長いものをロング開放パターンとし、
前記先読み報知演出手段は、前記第1保留記憶が生じている状態で、前記ショート開放パターンにより開放された前記第2始動口への入球が発生すると、前記第1保留記憶についての前記先読み報知演出を行い、前記第1保留記憶が生じている状態で、前記ロング開放パターンにより開放された前記第2始動口への入球が発生すると、前記第2保留記憶についての前記先読み報知演出を行うこと、
を特徴とする弾球遊技機。
【請求項5】
請求項1から請求項4のうちのいずれか1項に記載の弾球遊技機において、
前記先読み報知演出手段は、前記第1保留記憶が生じている状態で、前記普通図柄抽選での1回の当りにより開放された前記第2始動口に、予め定められた2以上の回数の入球が発生すると、前記先読み報知演出を行うこと、
を特徴とする弾球遊技機。
【請求項6】
請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載の弾球遊技機において、
前記大当り抽選手段は、消化されていない前記第1保留記憶と前記第2保留記憶とが存在する場合には、前記第2保留記憶から先に消化し、
前記大当り演出手段は、前記大当り抽選で外れとなる場合の前記大当り演出として、前記保留記憶に係る乱数の値に応じて、リーチとなった状態で演出図柄を停止表示させるリーチ外れ演出と、リーチとなっていない状態で演出図柄を停止表示させるノーマル外れ演出とを行い、
前記先読み報知演出手段は、前記第1保留記憶が生じている状態で、開放された前記第2始動口への入球が発生した場合であって、該入球の発生後における消化されていない全ての前記第2保留記憶に基づく前記大当り抽選についての前記大当り演出で前記ノーマル外れ演出が行われる場合に、いずれかの前記第1保留記憶についての前記先読み報知演出を行うこと、
を特徴とする弾球遊技機。
【請求項7】
請求項1から請求項6のうちのいずれか1項に記載の弾球遊技機において、
前記弾球遊技機は、
遊技の進行を司り、前記普通図柄抽選手段と、前記保留記憶手段と、前記大当り抽選手段と、前記先読み判定手段と、を備える主制御装置と、
該主制御装置からのコマンドに応じて各種演出を行い、前記大当り演出手段と、前記保留図柄表示手段と、前記先読み報知演出手段と、を備えるサブ制御装置と、
を有し、
前記主制御装置は、
前記サブ制御装置に対し、前記第1保留記憶、及び前記第2保留記憶の発生或いは消化に関する情報を通知するための保留記憶コマンドを送信する保留記憶コマンド送信手段と、
前記サブ制御装置に対し、前記先読み判定手段による前記判定の結果を示す先読みコマンドを送信する先読みコマンド送信手段と、
前記サブ制御装置に対し、消化される前記保留記憶に係る乱数の値に応じた内容の前記大当り演出を行うことを指示する演出制御コマンドを送信する演出制御コマンド送信手段と、
をさらに備え、
前記保留図柄表示手段は、前記保留記憶コマンドに基づき前記保留図柄を表示し、
前記大当り演出手段は、前記演出制御コマンドに応じた内容の前記大当り演出を行い、
前記先読み報知演出手段は、前記保留記憶コマンドに基づき、前記第1保留記憶が生じている状態での前記第2始動口への入球の発生を検出し、該発生を検出した場合に、前記先読みコマンドに基づき前記先読み報知演出を行うこと、
を特徴とする弾球遊技機。
【請求項8】
請求項7に記載の弾球遊技機において、
前記主制御装置は、
普通図柄の変動表示を行った後に、前記普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を確定表示させることで、前記普通図柄抽選の結果を報知する普図表示手段と、
前記普図表示手段による前記普通図柄抽選の結果の報知の進行状態、或いは、前記普通図柄抽選で当ることにより行われる前記第2始動口の開放状態に関する前記コマンドである先読み前兆演出制御コマンドを、前記サブ制御装置に送信する前兆演出制御手段と、
をさらに備え、
前記サブ制御装置は、前記先読み前兆演出制御コマンドに基づき、前記先読み報知演出が行われるか否かを示唆する先読み前兆演出を行う前兆演出手段をさらに備えること、
を特徴とする弾球遊技機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate


【公開番号】特開2013−13658(P2013−13658A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−150013(P2011−150013)
【出願日】平成23年7月6日(2011.7.6)
【出願人】(395018239)株式会社高尾 (550)
【Fターム(参考)】