形状測定装置
【課題】帯状体の顕在化形状を、幅方向の分解能を高めて検出可能な形状測定装置を提供する。
【解決手段】被測定物体1の搬送方向に平行な直線と垂直の平面内に配置され、平面内の被測定物体1表面の幅方向へスリット状の光を照射するスリット光光源2と、平面と垂直な平面でかつ被測定物体1の表面に垂直な平面を介してスリット光光源2と反対側に配置され、被測定物体1上のスリット状の光を撮像する撮像装置3とを備えた。また、被測定物体1の幅方向に沿い被測定物体1に外力を印加する外力印加装置14を設け、潜在形状演算器40を備えた。
【解決手段】被測定物体1の搬送方向に平行な直線と垂直の平面内に配置され、平面内の被測定物体1表面の幅方向へスリット状の光を照射するスリット光光源2と、平面と垂直な平面でかつ被測定物体1の表面に垂直な平面を介してスリット光光源2と反対側に配置され、被測定物体1上のスリット状の光を撮像する撮像装置3とを備えた。また、被測定物体1の幅方向に沿い被測定物体1に外力を印加する外力印加装置14を設け、潜在形状演算器40を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は薄板鋼板、例えばストリップの如き帯状体の幅方向における張力分布を知ることにより、その形状を測定する形状測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、熱間圧延ラインにおいて被圧延体すなわち帯状体の中のび、耳波等の形状不良は顕在化しており、直接帯状体の板幅方向の複数個所で帯状体の変位または傾きを測定することによって、帯状体の顕在化形状を検出できることがよく知られている。
【0003】
一方、冷間圧延ラインでは圧延中、帯状体に高い張力をかけて圧延するので、被圧延体すなわち帯状体の弾性伸びのために該帯状体に、例えば中のびまたは耳波等の形状不良が発生していても、その変位値が減少または消失して検出できないのが普通である。
【0004】
高い張力を付加した状態では、上記の如く形状不良の変位値が消失してしまうため、帯状体の形状不良部を直接検出できないが、該帯状体の幅方向の張力分布を知ることにより、間接的に帯状体の潜在形状を検出できることはよく知られている。
また、低い張力を付加した状態、または帯状体の板厚が厚く単位断面積当たりの張力が小さい状態では、上記の形状不良の変位値が減少し、顕在化形状と潜在化形状が混在しているため、上記の顕在形状を検出する方法において、潜在化形状を検出する方法においても正確な検出できないという課題があった。
また、潜在形状または潜在形状と顕在形状が混在した形状を検出する方法においても、幅方向に分解能が低いという課題があった。
【0005】
次に他の従来技術について説明する。
例えば、図11は、従来の形状測定装置の一例を示す構成図である。図11において、1は被測定物体、12は張力印加装置、30は矩形波信号発生器、13は駆動装置、14は外力印加装置、15は変位信号発生器、16は変位演算器、5は表示装置である。
【0006】
図11において、被測定物体1すなわち帯状体には、張力印加装置12、例えばデフレクターロールの如き支持ロールで、被測定物体の搬送方向に張力が印加されている。矩形波発生器30、駆動装置13、外力印加装置14によって、矩形波信号のタイミングに従って、駆動装置は外力印加装置を駆動し、外力印加装置は、被測定物体の幅方向に沿いかつ被測定物体に所定の間隔をもって設置され、上記駆動装置の信号に基づき被測定物体を吸引する。外力印加装置14は、断面コ字状の電磁石からなる。変位信号発生器15は、被測定物体の幅方向に沿いかつ被測定物体に所定の間隔をもって設置され、外力印加装置によって吸引された被測定物体の変位に対応した信号を出力する。変位演算器16は、上記被測定物体の変位に対応した信号を変位に変換する。表示装置5は上記複数台の変位演算器の出力を幅方向の分布として表示する。
【0007】
次に作用について説明する。
まず、矩形波信号発生器30で周期Tの矩形波を発生させ、駆動装置13によって外力印加装置14を駆動する。図12は、変位演算器16の説明図である。図12において、(a)は、周期Tの矩形波信号で、外力印加タイミングを示す。図12の(b)は、矩形波駆動タイミングの周期Tに基づいて、外力印加装置14で吸引力を発生させる場合に、駆動外力が過渡状態をもっていることを示している。上記矩形波信号は、外力印加装置を介して被測定物体1に外力として印加し、被測定物体1の幅方向の変位P(w、t)を発生させる。
【0008】
図12の(c)は、被測定物体の幅方向の変位P(w、t)で、被測定物体の幅方向に沿って配置された複数台の変位信号発生器の内の一出力の例である。変位信号発生器は、被測定物体が駆動外力を受けて、変位開始から変位完了までの過渡状態をもった変位に対応した信号を出力する。被測定物体の表面に発生した変位P(w、t)は変位信号発生器15で、例えば静電容量−電圧変換器で電圧信号に変換される。被測定物体1の幅方向に沿って設けた複数個の変位信号発生器15は、その対応する被測定物体の各変位をそれぞれ同様に検出し、電圧信号に変換した後、変位演算器に入力される。
【0009】
変位演算器16は、上記変位信号に対応した信号を、演算し変位結果を出力する。図12の(d)は、上記(c)の信号を極性切替し、(e)では上記極性切替した信号を周期Tの期間において積分する。(f)では、周期Tにおいて積分された結果を保持している。変位演算器の結果は、上記周期において積分された結果の保持された値として出力される。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭56−103874号公報(第 1 図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
図11に示す従来の形状測定装置は、以上のように構成されているので、被測定物体下方の幅方向に変位信号発生器を複数台設置しなければならず、幅方向の測定分解能が粗いという問題があった。また、分解能を高めるためには、変位信号発生器をたくさん設置する必要があるため、高価になるとの問題があった。
また、低い張力を付加した状態、または帯状体の板厚が厚く単位断面積当たりの張力が小さい状態では、上記の形状不良の変位値が減少し、顕在化形状と潜在化形状が混在しているため、上記の顕在形状を検出する方法においても、潜在化形状を検出する方法においても正確に検出できないという問題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、安価でかつ幅方向に高い分解能を有することができ、高精度に被測定物体の形状を測定することができる形状測定装置を得ることを目的とする。
また、潜在形状と顕在形状が混在した状態の形状を測定することができる形状測定装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願の一発明に係る形状測定装置は、
被測定物体の搬送方向に平行な直線と垂直の平面内に配置され、上記平面内の被測定物体表面へスリット状の光を照射するスリット光光源と、上記平面と垂直な平面でかつ被測定物体の表面に垂直な平面を介して上記スリット光光源と反対側に配置され、上記被測定物体上のスリット状の光を撮像する撮像装置と、
被測定物体の幅方向に沿い、かつ上記被測定物体の表面と一定の距離離れて設けられ、被測定物体に外力を印加する外力印加装置と、
外力印加タイミング信号を発生する常時ON信号発生器と、
上記常時ON信号発生器によって外力印加装置を駆動する駆動装置と、
前記撮像装置で得た座標を被測定物体の測定位置座標に変換する座標変換器と、
上記座標変換器によって周期的に変換された被測定物体の座標の高さ方向の変位周波数を検出する振動周波数演算器と、
前記振動周波数演算器で得た振動周波数から被測定物体の潜在形状を演算する潜在形状演算器とを備えたものである。
【発明の効果】
【0013】
本願の一発明に係る形状測定装置は、上記のように構成したので、安価でかつ幅方向に高分解能な形状測定装置が得られる。
本願の他の発明と効果については以下にさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施の形態1を示す構成図
【図2a】この発明の実施の形態1を示す平面図
【図2b】この発明の実施の形態1を示す側面図
【図2c】この発明の実施の形態1を示す側面図
【図3】この発明の実施の形態1の動作説明図
【図4a】この発明の実施の形態1の被測定物体の変位説明図
【図4b】この発明の実施の形態1の被測定物体の変位説明図
【図5a】この発明の実施の形態1の座標変換器説明図
【図5b】この発明の実施の形態1の座標変換器説明図
【図6】この発明の実施の形態2を示す構成図
【図7】この発明の実施の形態2を示す平面図
【図8】この発明の実施の形態3を示す構成図
【図9】この発明の実施の形態4を示す構成図
【図10a】この発明の実施の形態4を示す平面図
【図10b】この発明の実施の形態4を示す側面図
【図10c】この発明の実施の形態4を示す側面図
【図11】従来の形状測定装置を示す構成図
【図12】従来の形状測定装置の動作説明図
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図1、図2a、図2b、図2cに基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態による形状測定装置を示す構成図であり、図1において、1は被測定物体すなわち帯状体で、12は例えばデフレクターロールの如き支持ロールで張力印加装置である。30は矩形波信号発生器で、13は駆動装置で、14は外力印加装置で、矩形波信号発生器30のタイミング信号をもとに駆動装置にて外力が印加される。
【0016】
一方、2は、被測定物体1の表面にスリット状の光(以下スリット光という)を照射するスリット光光源、3は、被測定物体1表面に照射されたスリット光を撮像する撮像装置、4は、撮像装置内の撮像素子上の座標を、被測定物体1の測定範囲の座標に変換する座標変換器、40は、被測定物体1の測定範囲の座標に変換された撮像素子上の像の座標をもとに、被測定物体の変位分布を求め潜在形状を演算する潜在形状演算器(a)である。5は、上記潜在形状演算形状結果を表示する表示装置である。
【0017】
図2aは、図1の構成図を、上方から見た状態を示す。図2bは、図1の構成図を、被測定物体1の搬送方向の後方側面方向から見た状態を示す。図2cは、図1の構成図を、被測定物体1の搬送方向の側面方向から見た状態を示す。図2aにおいて、スリット光光源2と、撮像装置3は、被測定物体1に垂直な平面を介して、反対側に配置される。撮像装置3は、撮像レンズ3aと撮像素子3bから構成される。撮像レンズ3aは、被測定物体1表面に照射されたスリット光を撮像し、撮像素子3b上にスリット光の像を結像する。
【0018】
次に動作について説明する。
まず、矩形波信号発生器30は周期Tの矩形波を発生させ、駆動装置13によって外力印加装置14を駆動する。図3において、(a)図は、周期Tの矩形波信号で、外力印加タイミングを示す。図3の(b)図は、矩形波駆動タイミングの周期Tに基づいて、印加外力を発生させる場合に、駆動外力が過渡状態をもっていることを示している。上記矩形波信号は、外力印加装置14を介して被測定物体1に外力として印加し、被測定物体1の幅方向の変位P(w、t)を発生させる。図3の(c)図は、被測定物体の幅方向の変位P(w、t)で、被測定物体の幅方向のある位置における被測定物体の変位量の一例である。
【0019】
上記被測定物体の変位量は、以下のように、撮像装置によって撮像されたスリット像の位置と上記スリット像の位置を座標変換器4によって変換することによって得られる。まず、スリット光光源2から被測定物体1の幅方向表面にスリット光が照射される。上記被測定物体1に照射されたスリット光は撮像装置3によって撮像され、撮像素子3b上に結像される。上記撮像素子3b上に結像されたスリット像の位置は、座標変換器4によって被測定物体1の高さ及び幅方向の座標に変換される。
【0020】
図5aは、撮像素子3b上に結像されるスリット像の座標を示し、図5bは、上記図5aの撮像素子3b座標に対応した被測定物体1の高さ方向及び幅方向の座標を示す。
上記撮像素子3bと座標変換器4は、上記図3の(c)図に示す周期Tよりも充分速い周期で、上記撮像及び座標変換を繰り返し、平均変位P(w)を算出する。
ここで、上記繰り返し数をnとすれば、
P(w)=(1/n)ΣP(w、t) (1)式
【0021】
上記平均変位P(w)は、外力印加装置14を発生させる場合の、駆動外力が過渡状態の時間Δtを除いて算出される。上記において、撮像装置3の撮像周期は、駆動周期Tの整数分の1であって、駆動タイミングと撮像装置の撮像タイミングは、同期して撮像されている。
【0022】
潜在形状演算器(a)40は、上記(1)式より平均変位P(w)から被測定物体1の幅方向の張力分布U(w)として、算出する。
U(w)=L・F/4/P(w) (2)式
【0023】
図4aは、上記張力分布U(w)の演算式の各変数を説明する図である。図4aにおいて、Lは支持ロール間距離、Fは外力印加装置の外力の大きさを示す値であって、駆動電流に比例する値として予め決定される。P(w)は、上記座標変換器によって得られた値である。
【0024】
形状(凹凸)の大きさを表す伸び率はβSは、
βS=(Umax−U(w))/E (3)式
で演算され、表示装置5に表示される。ここで、Eは被測定物体の弾性係数で、Umaxは、U(w)の最大値である。
なお、潜在形状演算器(a)40は、(1)式から求められる変位分布から、(2)式及び(3)式によって、形状の大きさを表す伸び率βSを演算するものである。
【0025】
以上説明したように、実施の形態1の発明に係る形状測定装置は、被測定物体に垂直でかつ幅方向にスリット状の光を照射するスリット光光源と、スリット光源と反対側に配置される撮像装置と、被測定物体の表面と一定の距離を離れて設けられ、被測定物体に外力を印加する外力印加装置と、上記外力印加装置の外力印加タイミングを矩形波状に制御する矩形波信号発生器および駆動装置と、撮像素子上の結像座標を被測定物体の測定座標に変換する座標変換器と、潜在形状演算器とを備えたので、安価でかつ幅方向に高分解能な形状測定装置が得られる。
【0026】
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2を図6、図7に基づいて説明する。図6はこの発明の実施の形態による形状測定装置を示す構成図であり、図6において、1は被測定物体すなわち帯状体で、12は例えばデフレクターロールの如き支持ロールで張力印加装置である。31は正弦波信号発生器で、13は駆動装置で、14は外力印加装置で、正弦波信号発生器のタイミング信号をもとに駆動装置にて外力が印加される。
【0027】
一方、2は、被測定物体1の表面にスリット状の光(以下スリット光という)を照射するスリット光光源、3は、被測定物体1表面に照射されたスリット光を撮像する撮像装置、4は、撮像装置内の撮像素子上の座標を、被測定物体1の測定範囲の座標に変換する座標変換器、40は、被測定物体1の測定範囲の座標に変換された撮像素子上の像の座標をもとに、被測定物体の変位分布を求め潜在形状を演算する潜在形状演算器(a)である。5は、上記潜在形状演算形状結果を表示する表示装置である。
【0028】
次に動作について説明する。
まず、正弦波信号発生器31は周期Tの正弦波を発生させ、駆動装置13によって外力印加装置14を駆動する。図7において、(a)図は、周期Tの正弦波信号で、外力印加タイミングを示す。図7の(b)図は、外力印加装置14を発生させる場合に、駆動外力のタイミング(図7の(a)図)に同期して外力を印加していることを示している。上記正弦波信号は、外力印加装置14を介して被測定物体1に外力として印加し、被測定物体1の幅方向の変位P(w、t)を発生させる。図7の(c)図は、被測定物体の幅方向の変位P(w、t)で、被測定物体の幅方向のある位置における被測定物体の変位量の一例である。上記被測定物体の変位量検出の動作は、実施形態1と同様であるため省略する。
【0029】
上記撮像素子3bと座標変換器4は、上記図7の(c)図に示す周期Tよりも充分速い周期で、上記撮像及び座標変換を繰り返し、平均変位P(w)を算出する。
ここで、上記繰り返し数をnとすれば、
P(w)=(k/n)ΣP(w、t) (4)式
上記式の係数kは、正弦波の一定係数である。
潜在形状演算器(a)40の動作は、実施の形態1と同様であるため省略する。
なお、この実施の形態2では、正弦波信号発生器31を用いた例について示したが、正弦波信号発生器31の代わりに常時ON信号発生器29(後述)を用いても良い。
【0030】
以上説明したように、実施の形態2の発明に係る形状測定装置は、被測定物体に垂直でかつ幅方向にスリット状の光を照射するスリット光光源と、スリット光源と反対側に配置される撮像装置と、被測定物体の表面と一定の距離を離れて設けられ、被測定物体に外力を印加する外力印加装置と、上記外力印加装置の外力印加タイミングを正弦波状に制御する正弦波信号発生器および駆動装置と、撮像素子上の結像座標を被測定物体の測定座標に変換する座標変換器と、潜在形状演算器とを備えたので、安価でかつ幅方向に高分解能な形状測定装置が得られる。また、正弦波信号発生器を用いたので、周期T/2または周期T/4またはT/8で潜在形状を演算することができ、高速出力応答の形状測定装置が得られる。また、常時ON信号発生器を用いた場合には、更に高速出力応答の形状測定装置が得られる。
【0031】
実施の形態3.
以下、この発明の実施の形態3を図8に基づいて説明する。図8はこの発明の実施の形態による形状測定装置を示す構成図であり、図8において、1は被測定物体すなわち帯状体で、12は例えばデフレクターロールの如き支持ロールで張力印加装置である。29は常時ON信号発生器で、13は駆動装置で、14は外力印加装置で、常時ON信号発生器のタイミング信号をもとに駆動装置にて外力が印加される。
【0032】
一方、2は、被測定物体1の表面にスリット状の光(以下スリット光という)を照射するスリット光光源、3は、被測定物体1表面に照射されたスリット光を撮像する撮像装置、4は、撮像装置内の撮像素子上の座標を、被測定物体1の測定範囲の座標に変換する座標変換器、17は、被測定物体1の測定範囲の座標に変換された撮像素子上の像の座標をもとに、被測定物体の幅方向の振動周波数分布を求める振動周波数演算器、39は、上記被測定物体1の振動周波数分布をもとに被測定物体の潜在形状を演算する潜在形状演算器(b)である。5は、上記潜在形状演算形状結果を表示する表示装置である。
【0033】
次に動作について説明する。
まず、常時ON信号発生器29は常時ONの信号を発生させ、駆動装置13によって外力印加装置14を駆動する。上記常時ON信号は、外力印加装置14を介して被測定物体1に外力として印加し、被測定物体1の幅方向の変位P(w、t)を発生させる。上記被測定物体の変位量検出の動作は、実施形態1と同様であるため省略する。
【0034】
次に、振動周波数演算器17の動作について説明する。上記座標変換器4にて検出されたP(w、t)をもとに、振動周波数V(w)を演算する。振動エネルギーは振幅の2乗と振動周波数の2乗の積に比例することから、下式が得られる。
Σ(ΔA/Δt)2=K1・E (5)式
【0035】
ここで、ΔAは、単位時間Δtにおける被測定物体の振幅である。また、上記式は、被測定物体の幅方向のある位置wにおける値であり、幅方向の被測定物体の変位に対して演算される。Kは係数で、Eは被測定物体の振動エネルギーである。また、被測定物体の振幅は、下式で表される。
Σ|An−Aave|=K2・A (6)式
【0036】
ここで、An=P(w、t)で、AaveはP(w、t)のtが所定の時間内の平均値である。上記式の左辺は、被測定物体の振幅Aに比例することを表し、K2は係数であることを示す。上記(5)式と(6)式の左辺は、座標変換器4の演算結果P(w、t)から、演算される。
【0037】
従って、被測定物体1の幅方向の振動周波数分布V(w)は下式で表され、演算される。
Σ(ΔA/Δt)2/Σ|An−Aave|2=K3・V(w)2 (7)式
【0038】
次に、潜在形状演算器(b)39は、上記被測定物体1の幅方向の振動周波数分布V(w)から、
U(w)=K4・V(w)2 (8)式
で表され、被測定物体1の幅方向の張力分布U(w)が演算される。
係数K4は、上記(8)式及び下記(9)式から求められる。
Uave=L・F/4/Pave (9)式
ここで、Uaveは被測定物体の幅方向の張力の平均値で、Paveは被測定物体の幅方向の変位の平均値である。
【0039】
また、K4の係数を定めるのに、(9)式を用いたが、外部のテンションメータ等により、被測定物体の幅方向の張力の平均値Uaveを求めても良い。
なお、この実施の形態3では、常時ON信号発生器29を用いた例について示したが、常時ON信号発生器29の代わりに正弦波信号発生器31(図6参照)または矩形波信号発生器30(図1参照)を用いても良い。
また、この実施の形態3では、(5)式、(6)式及び(7)式を用いて、被測定物体の幅方向の振動周波数V(w)を求める例について示したが、被測定物体1の幅方向の変位P(w、t)から、FFT(Fast Fourier Transform)によって、被測定物体の幅方向の振動周波数V(w)を求めても良い。
なお、潜在形状演算器(b)39は、(7)式から求められる振動分布から、(8)式、(9)式及び(3)式によって、形状の大きさを表す伸び率βSを演算するものである。
【0040】
以上説明したように、実施の形態3の発明に係る形状測定装置は、被測定物体に垂直でかつ幅方向にスリット状の光を照射するスリット光光源と、スリット光源と反対側に配置される撮像装置と、被測定物体の表面と一定の距離を離れて設けられ、被測定物体に外力を印加する外力印加装置と、上記外力印加装置の外力印加タイミングを矩形波状に制御する常時ON信号発生器および駆動装置と、撮像素子上の結像座標を被測定物体の測定座標に変換する座標変換器と、被測定物体の幅方向の変位から振動周波数を演算する演算器と、潜在形状演算器とを備えたので、安価でかつ幅方向に高分解能な形状測定装置が得られる。また、常時ON信号発生器を用いたので、更に高速出力応答の形状測定装置が得られる。さらに、被測定物体の幅方向の張力の平均値で、係数を決定しているので、高精度に測定できる形状測定装置が得られる。
【0041】
実施の形態4.
以下、この発明の実施の形態4を図9に基づいて説明する。図9はこの発明の実施の形態による形状測定装置を示す構成図であり、図9において、1は被測定物体すなわち帯状体で、12は例えばデフレクターロールの如き支持ロールで張力印加装置である。30は矩形波信号発生器で、13は駆動装置で、14は外力印加装置で、矩形波信号発生器のタイミング信号をもとに駆動装置にて外力が印加される。
【0042】
一方、2は、被測定物体1の表面にスリット状の光(以下スリット光という)を照射するスリット光光源、3は、被測定物体1表面に照射されたスリット光を撮像する撮像装置、4は、撮像装置内の撮像素子上の座標を、被測定物体1の測定範囲の座標に変換する座標変換器、40は、被測定物体1の測定範囲の座標に変換された撮像素子上の像の座標をもとに、被測定物体の変位分布を求め潜在形状を演算する潜在形状演算器(a)である。41は、被測定物体1の測定範囲の座標に変換された撮像素子上の像の座標をもとに、被測定物体の変位分布を求め顕在形状を演算する顕在形状演算器である。42は、上記潜在形状演算器(a)40の演算結果と顕在形状演算器41の演算結果をもとに、被測定物体の混在形状を演算する混在形状演算器である。5は、上記混在形状演算結果を表示する表示装置である。
【0043】
次に動作について説明する。
まず、矩形波信号発生器30は周期Tの矩形波を発生させ、駆動装置13によって外力印加装置14を駆動する。図3において、(a)図は、周期Tの矩形波信号で、外力印加タイミングを示す。図3の(b)図は、矩形波駆動タイミングの周期Tに基づいて、印加外力を発生させる場合に、駆動外力が過渡状態をもっていることを示している。上記矩形波信号は、外力印加装置14を介して被測定物体1に外力として印加し、被測定物体1の幅方向の変位P(w、t)を発生させる。図3の(c)図は、被測定物体の幅方向の変位P(w、t)で、被測定物体の幅方向のある位置における被測定物体の変位量の一例である。
【0044】
上記被測定物体の変位量は、以下のように、撮像装置によって撮像されたスリット像の位置と上記スリット像の位置を座標変換器4によって変換することによって得られる。まず、スリット光光源2から被測定物体1の幅方向表面にスリット光が照射される。上記被測定物体1に照射されたスリット光は撮像装置3によって撮像され、撮像素子3b上に結像される。上記撮像素子3b上に結像されたスリット像の位置は、座標変換器4によって被測定物体1の高さ及び幅方向の座標に変換される。図5aは、撮像素子3b上に結像されるスリット像の座標を示し、図5bは、図5aの撮像素子3b座標に対応した被測定物体1の高さ方向及び幅方向の座標を示す。
【0045】
上記撮像素子3bと座標変換器4は、図3の(c)図に示す周期Tよりも充分速い周期で、上記撮像及び座標変換を繰り返し、平均変位P(w)を算出する。以下上記被測定物体の潜在形状演算の動作は、実施形態1と同様であるため省略する。
【0046】
次に、低い張力を付加した状態、または帯状体の板厚が厚く単位断面積当たりの張力が小さい状態では、形状の一部が顕在化している。図3の(b)図で、矩形波駆動タイミングの周期Tに基づく、印加外力OFF状態において、上記形状の一部が顕在化している状態を測定する。
【0047】
印加外力OFFの状態におけて、ON状態と同様に、P(w、t)を求め、これをh(w、t)とする。時刻t1におけるh(w、t1)の幅方向の最小値をh(w、t1)minを求める。同様に時刻t2における高さ方向の値h(w、t2)minを求める。
【0048】
H(w、t1)=h(w、t1)−h(w、t1)min (10)式
H(w、t2)=h(w、t2)−h(w、t2)min (11)式
同様にして、
H(w、tn)=h(w、tn)−h(w、tn)min (12)式
上記式から、
ΔH(w、Δt1)=H(w、t2)−H(w、t1) (13)式
ΔH(w、Δt2)=H(w、t3)−H(w、t2) (14)式
【0049】
同様にして、
ΔH(w、Δtn)=H(w、tn+1)−H(w、tn) (15)式
Δt1からΔtnを被測定物体の搬送速度からΔxとして求める。
【0050】
顕在化形状の伸び率をβKとすると、
βK=Σ(ΔH/Δx)2/2/n/(Δx)2 (16)式
で表され、顕在化形状を求める。従って、顕在形状演算器41は、(16)式の演算結果を出力する。
【0051】
次に、(3)式で求めた混在形状βSと上記(16)式でもとめた、顕在形状βKから、混在形状βは、
β=βS+βK (17)式
として表され、混在形状が求まる。従って、(17)式によって顕在形状βが得られる。
【0052】
なお、この実施の形態4では、矩形波信号発生器30を用いた例について示したが、矩形波信号発生器30の代わりに正弦波信号発生器31または常時ON信号発生器29を用いても良い。
【0053】
また、この実施の形態4では、潜在形状演算器(a)40は、(1)式、(2)式及び(3)式にて潜在形状を求める方法について示したが、 (5)式、(6)式及び(7)式を用いて、被測定物体の幅方向の振動周波数V(w)及び潜在形状演算器(b)39を用いて潜在形状を求めても良い。また、被測定物体1の幅方向の変位P(w、t)から、FFT(Fast Fourier Transform)によって、被測定物体の幅方向の振動周波数V(w)を求めても良い。
【0054】
以上説明したように、実施の形態4の発明に係る形状測定装置は、被測定物体に垂直でかつ幅方向にスリット状の光を照射するスリット光光源と、スリット光源と反対側に配置される撮像装置と、被測定物体の表面と一定の距離を離れて設けられ、被測定物体に外力を印加する外力印加装置と、上記外力印加装置の外力印加タイミングを矩形波状に制御する矩形波信号発生器および駆動装置と、撮像素子上の結像座標を被測定物体の測定座標に変換する座標変換器と、被測定物体の幅方向の変位から潜在形状と顕在形状を演算する形状演算器とを備えたので、従来測定できなかった潜在形状と顕在形状の混在した状態の形状を測定することができる。
また、被測定物体にかかる外部張力が小さくても、潜在形状と顕在形状を測定することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 被測定物体, 1c 被測定物体外力吸引off時, 1d 被測定物体外力吸引on時, 2 スリット光光源, 3 撮像装置, 3a 撮像レンズ, 3b 撮像素子, 4 座標変換器, 5 表示装置, 12 張力印加装置, 13 駆動装置, 14 外力印加装置, 15 変位信号発生器, 16 変位演算器, 17 振動周波数演算器, 29 常時ON信号発生器, 30 矩形波信号発生器, 31 正弦波信号発生器, 39 潜在形状演算器(b), 40 潜在形状演算器(a), 41 顕在形状演算器、 42 混在形状演算器。
【技術分野】
【0001】
この発明は薄板鋼板、例えばストリップの如き帯状体の幅方向における張力分布を知ることにより、その形状を測定する形状測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、熱間圧延ラインにおいて被圧延体すなわち帯状体の中のび、耳波等の形状不良は顕在化しており、直接帯状体の板幅方向の複数個所で帯状体の変位または傾きを測定することによって、帯状体の顕在化形状を検出できることがよく知られている。
【0003】
一方、冷間圧延ラインでは圧延中、帯状体に高い張力をかけて圧延するので、被圧延体すなわち帯状体の弾性伸びのために該帯状体に、例えば中のびまたは耳波等の形状不良が発生していても、その変位値が減少または消失して検出できないのが普通である。
【0004】
高い張力を付加した状態では、上記の如く形状不良の変位値が消失してしまうため、帯状体の形状不良部を直接検出できないが、該帯状体の幅方向の張力分布を知ることにより、間接的に帯状体の潜在形状を検出できることはよく知られている。
また、低い張力を付加した状態、または帯状体の板厚が厚く単位断面積当たりの張力が小さい状態では、上記の形状不良の変位値が減少し、顕在化形状と潜在化形状が混在しているため、上記の顕在形状を検出する方法において、潜在化形状を検出する方法においても正確な検出できないという課題があった。
また、潜在形状または潜在形状と顕在形状が混在した形状を検出する方法においても、幅方向に分解能が低いという課題があった。
【0005】
次に他の従来技術について説明する。
例えば、図11は、従来の形状測定装置の一例を示す構成図である。図11において、1は被測定物体、12は張力印加装置、30は矩形波信号発生器、13は駆動装置、14は外力印加装置、15は変位信号発生器、16は変位演算器、5は表示装置である。
【0006】
図11において、被測定物体1すなわち帯状体には、張力印加装置12、例えばデフレクターロールの如き支持ロールで、被測定物体の搬送方向に張力が印加されている。矩形波発生器30、駆動装置13、外力印加装置14によって、矩形波信号のタイミングに従って、駆動装置は外力印加装置を駆動し、外力印加装置は、被測定物体の幅方向に沿いかつ被測定物体に所定の間隔をもって設置され、上記駆動装置の信号に基づき被測定物体を吸引する。外力印加装置14は、断面コ字状の電磁石からなる。変位信号発生器15は、被測定物体の幅方向に沿いかつ被測定物体に所定の間隔をもって設置され、外力印加装置によって吸引された被測定物体の変位に対応した信号を出力する。変位演算器16は、上記被測定物体の変位に対応した信号を変位に変換する。表示装置5は上記複数台の変位演算器の出力を幅方向の分布として表示する。
【0007】
次に作用について説明する。
まず、矩形波信号発生器30で周期Tの矩形波を発生させ、駆動装置13によって外力印加装置14を駆動する。図12は、変位演算器16の説明図である。図12において、(a)は、周期Tの矩形波信号で、外力印加タイミングを示す。図12の(b)は、矩形波駆動タイミングの周期Tに基づいて、外力印加装置14で吸引力を発生させる場合に、駆動外力が過渡状態をもっていることを示している。上記矩形波信号は、外力印加装置を介して被測定物体1に外力として印加し、被測定物体1の幅方向の変位P(w、t)を発生させる。
【0008】
図12の(c)は、被測定物体の幅方向の変位P(w、t)で、被測定物体の幅方向に沿って配置された複数台の変位信号発生器の内の一出力の例である。変位信号発生器は、被測定物体が駆動外力を受けて、変位開始から変位完了までの過渡状態をもった変位に対応した信号を出力する。被測定物体の表面に発生した変位P(w、t)は変位信号発生器15で、例えば静電容量−電圧変換器で電圧信号に変換される。被測定物体1の幅方向に沿って設けた複数個の変位信号発生器15は、その対応する被測定物体の各変位をそれぞれ同様に検出し、電圧信号に変換した後、変位演算器に入力される。
【0009】
変位演算器16は、上記変位信号に対応した信号を、演算し変位結果を出力する。図12の(d)は、上記(c)の信号を極性切替し、(e)では上記極性切替した信号を周期Tの期間において積分する。(f)では、周期Tにおいて積分された結果を保持している。変位演算器の結果は、上記周期において積分された結果の保持された値として出力される。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭56−103874号公報(第 1 図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
図11に示す従来の形状測定装置は、以上のように構成されているので、被測定物体下方の幅方向に変位信号発生器を複数台設置しなければならず、幅方向の測定分解能が粗いという問題があった。また、分解能を高めるためには、変位信号発生器をたくさん設置する必要があるため、高価になるとの問題があった。
また、低い張力を付加した状態、または帯状体の板厚が厚く単位断面積当たりの張力が小さい状態では、上記の形状不良の変位値が減少し、顕在化形状と潜在化形状が混在しているため、上記の顕在形状を検出する方法においても、潜在化形状を検出する方法においても正確に検出できないという問題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、安価でかつ幅方向に高い分解能を有することができ、高精度に被測定物体の形状を測定することができる形状測定装置を得ることを目的とする。
また、潜在形状と顕在形状が混在した状態の形状を測定することができる形状測定装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願の一発明に係る形状測定装置は、
被測定物体の搬送方向に平行な直線と垂直の平面内に配置され、上記平面内の被測定物体表面へスリット状の光を照射するスリット光光源と、上記平面と垂直な平面でかつ被測定物体の表面に垂直な平面を介して上記スリット光光源と反対側に配置され、上記被測定物体上のスリット状の光を撮像する撮像装置と、
被測定物体の幅方向に沿い、かつ上記被測定物体の表面と一定の距離離れて設けられ、被測定物体に外力を印加する外力印加装置と、
外力印加タイミング信号を発生する常時ON信号発生器と、
上記常時ON信号発生器によって外力印加装置を駆動する駆動装置と、
前記撮像装置で得た座標を被測定物体の測定位置座標に変換する座標変換器と、
上記座標変換器によって周期的に変換された被測定物体の座標の高さ方向の変位周波数を検出する振動周波数演算器と、
前記振動周波数演算器で得た振動周波数から被測定物体の潜在形状を演算する潜在形状演算器とを備えたものである。
【発明の効果】
【0013】
本願の一発明に係る形状測定装置は、上記のように構成したので、安価でかつ幅方向に高分解能な形状測定装置が得られる。
本願の他の発明と効果については以下にさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施の形態1を示す構成図
【図2a】この発明の実施の形態1を示す平面図
【図2b】この発明の実施の形態1を示す側面図
【図2c】この発明の実施の形態1を示す側面図
【図3】この発明の実施の形態1の動作説明図
【図4a】この発明の実施の形態1の被測定物体の変位説明図
【図4b】この発明の実施の形態1の被測定物体の変位説明図
【図5a】この発明の実施の形態1の座標変換器説明図
【図5b】この発明の実施の形態1の座標変換器説明図
【図6】この発明の実施の形態2を示す構成図
【図7】この発明の実施の形態2を示す平面図
【図8】この発明の実施の形態3を示す構成図
【図9】この発明の実施の形態4を示す構成図
【図10a】この発明の実施の形態4を示す平面図
【図10b】この発明の実施の形態4を示す側面図
【図10c】この発明の実施の形態4を示す側面図
【図11】従来の形状測定装置を示す構成図
【図12】従来の形状測定装置の動作説明図
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図1、図2a、図2b、図2cに基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態による形状測定装置を示す構成図であり、図1において、1は被測定物体すなわち帯状体で、12は例えばデフレクターロールの如き支持ロールで張力印加装置である。30は矩形波信号発生器で、13は駆動装置で、14は外力印加装置で、矩形波信号発生器30のタイミング信号をもとに駆動装置にて外力が印加される。
【0016】
一方、2は、被測定物体1の表面にスリット状の光(以下スリット光という)を照射するスリット光光源、3は、被測定物体1表面に照射されたスリット光を撮像する撮像装置、4は、撮像装置内の撮像素子上の座標を、被測定物体1の測定範囲の座標に変換する座標変換器、40は、被測定物体1の測定範囲の座標に変換された撮像素子上の像の座標をもとに、被測定物体の変位分布を求め潜在形状を演算する潜在形状演算器(a)である。5は、上記潜在形状演算形状結果を表示する表示装置である。
【0017】
図2aは、図1の構成図を、上方から見た状態を示す。図2bは、図1の構成図を、被測定物体1の搬送方向の後方側面方向から見た状態を示す。図2cは、図1の構成図を、被測定物体1の搬送方向の側面方向から見た状態を示す。図2aにおいて、スリット光光源2と、撮像装置3は、被測定物体1に垂直な平面を介して、反対側に配置される。撮像装置3は、撮像レンズ3aと撮像素子3bから構成される。撮像レンズ3aは、被測定物体1表面に照射されたスリット光を撮像し、撮像素子3b上にスリット光の像を結像する。
【0018】
次に動作について説明する。
まず、矩形波信号発生器30は周期Tの矩形波を発生させ、駆動装置13によって外力印加装置14を駆動する。図3において、(a)図は、周期Tの矩形波信号で、外力印加タイミングを示す。図3の(b)図は、矩形波駆動タイミングの周期Tに基づいて、印加外力を発生させる場合に、駆動外力が過渡状態をもっていることを示している。上記矩形波信号は、外力印加装置14を介して被測定物体1に外力として印加し、被測定物体1の幅方向の変位P(w、t)を発生させる。図3の(c)図は、被測定物体の幅方向の変位P(w、t)で、被測定物体の幅方向のある位置における被測定物体の変位量の一例である。
【0019】
上記被測定物体の変位量は、以下のように、撮像装置によって撮像されたスリット像の位置と上記スリット像の位置を座標変換器4によって変換することによって得られる。まず、スリット光光源2から被測定物体1の幅方向表面にスリット光が照射される。上記被測定物体1に照射されたスリット光は撮像装置3によって撮像され、撮像素子3b上に結像される。上記撮像素子3b上に結像されたスリット像の位置は、座標変換器4によって被測定物体1の高さ及び幅方向の座標に変換される。
【0020】
図5aは、撮像素子3b上に結像されるスリット像の座標を示し、図5bは、上記図5aの撮像素子3b座標に対応した被測定物体1の高さ方向及び幅方向の座標を示す。
上記撮像素子3bと座標変換器4は、上記図3の(c)図に示す周期Tよりも充分速い周期で、上記撮像及び座標変換を繰り返し、平均変位P(w)を算出する。
ここで、上記繰り返し数をnとすれば、
P(w)=(1/n)ΣP(w、t) (1)式
【0021】
上記平均変位P(w)は、外力印加装置14を発生させる場合の、駆動外力が過渡状態の時間Δtを除いて算出される。上記において、撮像装置3の撮像周期は、駆動周期Tの整数分の1であって、駆動タイミングと撮像装置の撮像タイミングは、同期して撮像されている。
【0022】
潜在形状演算器(a)40は、上記(1)式より平均変位P(w)から被測定物体1の幅方向の張力分布U(w)として、算出する。
U(w)=L・F/4/P(w) (2)式
【0023】
図4aは、上記張力分布U(w)の演算式の各変数を説明する図である。図4aにおいて、Lは支持ロール間距離、Fは外力印加装置の外力の大きさを示す値であって、駆動電流に比例する値として予め決定される。P(w)は、上記座標変換器によって得られた値である。
【0024】
形状(凹凸)の大きさを表す伸び率はβSは、
βS=(Umax−U(w))/E (3)式
で演算され、表示装置5に表示される。ここで、Eは被測定物体の弾性係数で、Umaxは、U(w)の最大値である。
なお、潜在形状演算器(a)40は、(1)式から求められる変位分布から、(2)式及び(3)式によって、形状の大きさを表す伸び率βSを演算するものである。
【0025】
以上説明したように、実施の形態1の発明に係る形状測定装置は、被測定物体に垂直でかつ幅方向にスリット状の光を照射するスリット光光源と、スリット光源と反対側に配置される撮像装置と、被測定物体の表面と一定の距離を離れて設けられ、被測定物体に外力を印加する外力印加装置と、上記外力印加装置の外力印加タイミングを矩形波状に制御する矩形波信号発生器および駆動装置と、撮像素子上の結像座標を被測定物体の測定座標に変換する座標変換器と、潜在形状演算器とを備えたので、安価でかつ幅方向に高分解能な形状測定装置が得られる。
【0026】
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2を図6、図7に基づいて説明する。図6はこの発明の実施の形態による形状測定装置を示す構成図であり、図6において、1は被測定物体すなわち帯状体で、12は例えばデフレクターロールの如き支持ロールで張力印加装置である。31は正弦波信号発生器で、13は駆動装置で、14は外力印加装置で、正弦波信号発生器のタイミング信号をもとに駆動装置にて外力が印加される。
【0027】
一方、2は、被測定物体1の表面にスリット状の光(以下スリット光という)を照射するスリット光光源、3は、被測定物体1表面に照射されたスリット光を撮像する撮像装置、4は、撮像装置内の撮像素子上の座標を、被測定物体1の測定範囲の座標に変換する座標変換器、40は、被測定物体1の測定範囲の座標に変換された撮像素子上の像の座標をもとに、被測定物体の変位分布を求め潜在形状を演算する潜在形状演算器(a)である。5は、上記潜在形状演算形状結果を表示する表示装置である。
【0028】
次に動作について説明する。
まず、正弦波信号発生器31は周期Tの正弦波を発生させ、駆動装置13によって外力印加装置14を駆動する。図7において、(a)図は、周期Tの正弦波信号で、外力印加タイミングを示す。図7の(b)図は、外力印加装置14を発生させる場合に、駆動外力のタイミング(図7の(a)図)に同期して外力を印加していることを示している。上記正弦波信号は、外力印加装置14を介して被測定物体1に外力として印加し、被測定物体1の幅方向の変位P(w、t)を発生させる。図7の(c)図は、被測定物体の幅方向の変位P(w、t)で、被測定物体の幅方向のある位置における被測定物体の変位量の一例である。上記被測定物体の変位量検出の動作は、実施形態1と同様であるため省略する。
【0029】
上記撮像素子3bと座標変換器4は、上記図7の(c)図に示す周期Tよりも充分速い周期で、上記撮像及び座標変換を繰り返し、平均変位P(w)を算出する。
ここで、上記繰り返し数をnとすれば、
P(w)=(k/n)ΣP(w、t) (4)式
上記式の係数kは、正弦波の一定係数である。
潜在形状演算器(a)40の動作は、実施の形態1と同様であるため省略する。
なお、この実施の形態2では、正弦波信号発生器31を用いた例について示したが、正弦波信号発生器31の代わりに常時ON信号発生器29(後述)を用いても良い。
【0030】
以上説明したように、実施の形態2の発明に係る形状測定装置は、被測定物体に垂直でかつ幅方向にスリット状の光を照射するスリット光光源と、スリット光源と反対側に配置される撮像装置と、被測定物体の表面と一定の距離を離れて設けられ、被測定物体に外力を印加する外力印加装置と、上記外力印加装置の外力印加タイミングを正弦波状に制御する正弦波信号発生器および駆動装置と、撮像素子上の結像座標を被測定物体の測定座標に変換する座標変換器と、潜在形状演算器とを備えたので、安価でかつ幅方向に高分解能な形状測定装置が得られる。また、正弦波信号発生器を用いたので、周期T/2または周期T/4またはT/8で潜在形状を演算することができ、高速出力応答の形状測定装置が得られる。また、常時ON信号発生器を用いた場合には、更に高速出力応答の形状測定装置が得られる。
【0031】
実施の形態3.
以下、この発明の実施の形態3を図8に基づいて説明する。図8はこの発明の実施の形態による形状測定装置を示す構成図であり、図8において、1は被測定物体すなわち帯状体で、12は例えばデフレクターロールの如き支持ロールで張力印加装置である。29は常時ON信号発生器で、13は駆動装置で、14は外力印加装置で、常時ON信号発生器のタイミング信号をもとに駆動装置にて外力が印加される。
【0032】
一方、2は、被測定物体1の表面にスリット状の光(以下スリット光という)を照射するスリット光光源、3は、被測定物体1表面に照射されたスリット光を撮像する撮像装置、4は、撮像装置内の撮像素子上の座標を、被測定物体1の測定範囲の座標に変換する座標変換器、17は、被測定物体1の測定範囲の座標に変換された撮像素子上の像の座標をもとに、被測定物体の幅方向の振動周波数分布を求める振動周波数演算器、39は、上記被測定物体1の振動周波数分布をもとに被測定物体の潜在形状を演算する潜在形状演算器(b)である。5は、上記潜在形状演算形状結果を表示する表示装置である。
【0033】
次に動作について説明する。
まず、常時ON信号発生器29は常時ONの信号を発生させ、駆動装置13によって外力印加装置14を駆動する。上記常時ON信号は、外力印加装置14を介して被測定物体1に外力として印加し、被測定物体1の幅方向の変位P(w、t)を発生させる。上記被測定物体の変位量検出の動作は、実施形態1と同様であるため省略する。
【0034】
次に、振動周波数演算器17の動作について説明する。上記座標変換器4にて検出されたP(w、t)をもとに、振動周波数V(w)を演算する。振動エネルギーは振幅の2乗と振動周波数の2乗の積に比例することから、下式が得られる。
Σ(ΔA/Δt)2=K1・E (5)式
【0035】
ここで、ΔAは、単位時間Δtにおける被測定物体の振幅である。また、上記式は、被測定物体の幅方向のある位置wにおける値であり、幅方向の被測定物体の変位に対して演算される。Kは係数で、Eは被測定物体の振動エネルギーである。また、被測定物体の振幅は、下式で表される。
Σ|An−Aave|=K2・A (6)式
【0036】
ここで、An=P(w、t)で、AaveはP(w、t)のtが所定の時間内の平均値である。上記式の左辺は、被測定物体の振幅Aに比例することを表し、K2は係数であることを示す。上記(5)式と(6)式の左辺は、座標変換器4の演算結果P(w、t)から、演算される。
【0037】
従って、被測定物体1の幅方向の振動周波数分布V(w)は下式で表され、演算される。
Σ(ΔA/Δt)2/Σ|An−Aave|2=K3・V(w)2 (7)式
【0038】
次に、潜在形状演算器(b)39は、上記被測定物体1の幅方向の振動周波数分布V(w)から、
U(w)=K4・V(w)2 (8)式
で表され、被測定物体1の幅方向の張力分布U(w)が演算される。
係数K4は、上記(8)式及び下記(9)式から求められる。
Uave=L・F/4/Pave (9)式
ここで、Uaveは被測定物体の幅方向の張力の平均値で、Paveは被測定物体の幅方向の変位の平均値である。
【0039】
また、K4の係数を定めるのに、(9)式を用いたが、外部のテンションメータ等により、被測定物体の幅方向の張力の平均値Uaveを求めても良い。
なお、この実施の形態3では、常時ON信号発生器29を用いた例について示したが、常時ON信号発生器29の代わりに正弦波信号発生器31(図6参照)または矩形波信号発生器30(図1参照)を用いても良い。
また、この実施の形態3では、(5)式、(6)式及び(7)式を用いて、被測定物体の幅方向の振動周波数V(w)を求める例について示したが、被測定物体1の幅方向の変位P(w、t)から、FFT(Fast Fourier Transform)によって、被測定物体の幅方向の振動周波数V(w)を求めても良い。
なお、潜在形状演算器(b)39は、(7)式から求められる振動分布から、(8)式、(9)式及び(3)式によって、形状の大きさを表す伸び率βSを演算するものである。
【0040】
以上説明したように、実施の形態3の発明に係る形状測定装置は、被測定物体に垂直でかつ幅方向にスリット状の光を照射するスリット光光源と、スリット光源と反対側に配置される撮像装置と、被測定物体の表面と一定の距離を離れて設けられ、被測定物体に外力を印加する外力印加装置と、上記外力印加装置の外力印加タイミングを矩形波状に制御する常時ON信号発生器および駆動装置と、撮像素子上の結像座標を被測定物体の測定座標に変換する座標変換器と、被測定物体の幅方向の変位から振動周波数を演算する演算器と、潜在形状演算器とを備えたので、安価でかつ幅方向に高分解能な形状測定装置が得られる。また、常時ON信号発生器を用いたので、更に高速出力応答の形状測定装置が得られる。さらに、被測定物体の幅方向の張力の平均値で、係数を決定しているので、高精度に測定できる形状測定装置が得られる。
【0041】
実施の形態4.
以下、この発明の実施の形態4を図9に基づいて説明する。図9はこの発明の実施の形態による形状測定装置を示す構成図であり、図9において、1は被測定物体すなわち帯状体で、12は例えばデフレクターロールの如き支持ロールで張力印加装置である。30は矩形波信号発生器で、13は駆動装置で、14は外力印加装置で、矩形波信号発生器のタイミング信号をもとに駆動装置にて外力が印加される。
【0042】
一方、2は、被測定物体1の表面にスリット状の光(以下スリット光という)を照射するスリット光光源、3は、被測定物体1表面に照射されたスリット光を撮像する撮像装置、4は、撮像装置内の撮像素子上の座標を、被測定物体1の測定範囲の座標に変換する座標変換器、40は、被測定物体1の測定範囲の座標に変換された撮像素子上の像の座標をもとに、被測定物体の変位分布を求め潜在形状を演算する潜在形状演算器(a)である。41は、被測定物体1の測定範囲の座標に変換された撮像素子上の像の座標をもとに、被測定物体の変位分布を求め顕在形状を演算する顕在形状演算器である。42は、上記潜在形状演算器(a)40の演算結果と顕在形状演算器41の演算結果をもとに、被測定物体の混在形状を演算する混在形状演算器である。5は、上記混在形状演算結果を表示する表示装置である。
【0043】
次に動作について説明する。
まず、矩形波信号発生器30は周期Tの矩形波を発生させ、駆動装置13によって外力印加装置14を駆動する。図3において、(a)図は、周期Tの矩形波信号で、外力印加タイミングを示す。図3の(b)図は、矩形波駆動タイミングの周期Tに基づいて、印加外力を発生させる場合に、駆動外力が過渡状態をもっていることを示している。上記矩形波信号は、外力印加装置14を介して被測定物体1に外力として印加し、被測定物体1の幅方向の変位P(w、t)を発生させる。図3の(c)図は、被測定物体の幅方向の変位P(w、t)で、被測定物体の幅方向のある位置における被測定物体の変位量の一例である。
【0044】
上記被測定物体の変位量は、以下のように、撮像装置によって撮像されたスリット像の位置と上記スリット像の位置を座標変換器4によって変換することによって得られる。まず、スリット光光源2から被測定物体1の幅方向表面にスリット光が照射される。上記被測定物体1に照射されたスリット光は撮像装置3によって撮像され、撮像素子3b上に結像される。上記撮像素子3b上に結像されたスリット像の位置は、座標変換器4によって被測定物体1の高さ及び幅方向の座標に変換される。図5aは、撮像素子3b上に結像されるスリット像の座標を示し、図5bは、図5aの撮像素子3b座標に対応した被測定物体1の高さ方向及び幅方向の座標を示す。
【0045】
上記撮像素子3bと座標変換器4は、図3の(c)図に示す周期Tよりも充分速い周期で、上記撮像及び座標変換を繰り返し、平均変位P(w)を算出する。以下上記被測定物体の潜在形状演算の動作は、実施形態1と同様であるため省略する。
【0046】
次に、低い張力を付加した状態、または帯状体の板厚が厚く単位断面積当たりの張力が小さい状態では、形状の一部が顕在化している。図3の(b)図で、矩形波駆動タイミングの周期Tに基づく、印加外力OFF状態において、上記形状の一部が顕在化している状態を測定する。
【0047】
印加外力OFFの状態におけて、ON状態と同様に、P(w、t)を求め、これをh(w、t)とする。時刻t1におけるh(w、t1)の幅方向の最小値をh(w、t1)minを求める。同様に時刻t2における高さ方向の値h(w、t2)minを求める。
【0048】
H(w、t1)=h(w、t1)−h(w、t1)min (10)式
H(w、t2)=h(w、t2)−h(w、t2)min (11)式
同様にして、
H(w、tn)=h(w、tn)−h(w、tn)min (12)式
上記式から、
ΔH(w、Δt1)=H(w、t2)−H(w、t1) (13)式
ΔH(w、Δt2)=H(w、t3)−H(w、t2) (14)式
【0049】
同様にして、
ΔH(w、Δtn)=H(w、tn+1)−H(w、tn) (15)式
Δt1からΔtnを被測定物体の搬送速度からΔxとして求める。
【0050】
顕在化形状の伸び率をβKとすると、
βK=Σ(ΔH/Δx)2/2/n/(Δx)2 (16)式
で表され、顕在化形状を求める。従って、顕在形状演算器41は、(16)式の演算結果を出力する。
【0051】
次に、(3)式で求めた混在形状βSと上記(16)式でもとめた、顕在形状βKから、混在形状βは、
β=βS+βK (17)式
として表され、混在形状が求まる。従って、(17)式によって顕在形状βが得られる。
【0052】
なお、この実施の形態4では、矩形波信号発生器30を用いた例について示したが、矩形波信号発生器30の代わりに正弦波信号発生器31または常時ON信号発生器29を用いても良い。
【0053】
また、この実施の形態4では、潜在形状演算器(a)40は、(1)式、(2)式及び(3)式にて潜在形状を求める方法について示したが、 (5)式、(6)式及び(7)式を用いて、被測定物体の幅方向の振動周波数V(w)及び潜在形状演算器(b)39を用いて潜在形状を求めても良い。また、被測定物体1の幅方向の変位P(w、t)から、FFT(Fast Fourier Transform)によって、被測定物体の幅方向の振動周波数V(w)を求めても良い。
【0054】
以上説明したように、実施の形態4の発明に係る形状測定装置は、被測定物体に垂直でかつ幅方向にスリット状の光を照射するスリット光光源と、スリット光源と反対側に配置される撮像装置と、被測定物体の表面と一定の距離を離れて設けられ、被測定物体に外力を印加する外力印加装置と、上記外力印加装置の外力印加タイミングを矩形波状に制御する矩形波信号発生器および駆動装置と、撮像素子上の結像座標を被測定物体の測定座標に変換する座標変換器と、被測定物体の幅方向の変位から潜在形状と顕在形状を演算する形状演算器とを備えたので、従来測定できなかった潜在形状と顕在形状の混在した状態の形状を測定することができる。
また、被測定物体にかかる外部張力が小さくても、潜在形状と顕在形状を測定することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 被測定物体, 1c 被測定物体外力吸引off時, 1d 被測定物体外力吸引on時, 2 スリット光光源, 3 撮像装置, 3a 撮像レンズ, 3b 撮像素子, 4 座標変換器, 5 表示装置, 12 張力印加装置, 13 駆動装置, 14 外力印加装置, 15 変位信号発生器, 16 変位演算器, 17 振動周波数演算器, 29 常時ON信号発生器, 30 矩形波信号発生器, 31 正弦波信号発生器, 39 潜在形状演算器(b), 40 潜在形状演算器(a), 41 顕在形状演算器、 42 混在形状演算器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物体の搬送方向に平行な直線と垂直の平面内に配置され、上記平面内の被測定物体表面へスリット状の光を照射するスリット光光源と、
上記平面と垂直な平面でかつ被測定物体の表面に垂直な平面を介して上記スリット光光源と反対側に配置され、上記被測定物体上のスリット状の光を撮像する撮像装置と、
被測定物体の幅方向に沿い、かつ上記被測定物体の表面と一定の距離離れて設けられ、被測定物体に外力を印加する外力印加装置と、
外力印加タイミング信号を発生する常時ON信号発生器と、
上記常時ON信号発生器によって外力印加装置を駆動する駆動装置と、
前記撮像装置で得た座標を被測定物体の測定位置座標に変換する座標変換器と、
上記座標変換器によって検出された変位をもとに、振動エネルギーを演算し、この記振動エネルギーから振動周波数を演算する振動周波数演算器と、
前記振動周波数演算器で得た振動周波数から被測定物体の潜在形状を演算する潜在形状演算器とを備えることを特徴とする形状測定装置。
【請求項2】
被測定物体の搬送方向に平行な直線と垂直の平面内に配置され、上記平面内の被測定物体表面へスリット状の光を照射するスリット光光源と、
上記平面と垂直な平面でかつ被測定物体の表面に垂直な平面を介して上記スリット光光源と反対側に配置され、上記被測定物体上のスリット状の光を撮像する撮像装置と、
被測定物体の幅方向に沿い、かつ上記被測定物体の表面と一定の距離離れて設けられ、被測定物体に外力を印加する外力印加装置と、
外力印加タイミング信号を発生する矩形波信号発生器と、
上記矩形波信号発生器によって外力印加装置を駆動する駆動装置と、
前記撮像装置で得た座標を被測定物体の測定位置座標に変換する座標変換器と、
上記座標変換器によって変換された被測定物体の測定位置座標から潜在形状と顕在形状を演算する形状演算器とを備えることを特徴とする形状測定装置。
【請求項1】
被測定物体の搬送方向に平行な直線と垂直の平面内に配置され、上記平面内の被測定物体表面へスリット状の光を照射するスリット光光源と、
上記平面と垂直な平面でかつ被測定物体の表面に垂直な平面を介して上記スリット光光源と反対側に配置され、上記被測定物体上のスリット状の光を撮像する撮像装置と、
被測定物体の幅方向に沿い、かつ上記被測定物体の表面と一定の距離離れて設けられ、被測定物体に外力を印加する外力印加装置と、
外力印加タイミング信号を発生する常時ON信号発生器と、
上記常時ON信号発生器によって外力印加装置を駆動する駆動装置と、
前記撮像装置で得た座標を被測定物体の測定位置座標に変換する座標変換器と、
上記座標変換器によって検出された変位をもとに、振動エネルギーを演算し、この記振動エネルギーから振動周波数を演算する振動周波数演算器と、
前記振動周波数演算器で得た振動周波数から被測定物体の潜在形状を演算する潜在形状演算器とを備えることを特徴とする形状測定装置。
【請求項2】
被測定物体の搬送方向に平行な直線と垂直の平面内に配置され、上記平面内の被測定物体表面へスリット状の光を照射するスリット光光源と、
上記平面と垂直な平面でかつ被測定物体の表面に垂直な平面を介して上記スリット光光源と反対側に配置され、上記被測定物体上のスリット状の光を撮像する撮像装置と、
被測定物体の幅方向に沿い、かつ上記被測定物体の表面と一定の距離離れて設けられ、被測定物体に外力を印加する外力印加装置と、
外力印加タイミング信号を発生する矩形波信号発生器と、
上記矩形波信号発生器によって外力印加装置を駆動する駆動装置と、
前記撮像装置で得た座標を被測定物体の測定位置座標に変換する座標変換器と、
上記座標変換器によって変換された被測定物体の測定位置座標から潜在形状と顕在形状を演算する形状演算器とを備えることを特徴とする形状測定装置。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11】
【図12】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−247436(P2012−247436A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−184687(P2012−184687)
【出願日】平成24年8月24日(2012.8.24)
【分割の表示】特願2006−339115(P2006−339115)の分割
【原出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年8月24日(2012.8.24)
【分割の表示】特願2006−339115(P2006−339115)の分割
【原出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【出願人】(501137636)東芝三菱電機産業システム株式会社 (904)
【Fターム(参考)】
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