説明

往復直線運動機構の複動式ポンプを駆動するための制御方法及びその装置と駆動手段

【課題】往復直線運動機構の複動式ポンプを駆動するための制御方法及びその装置と駆動手段を提供する。
【解決手段】往復直線運動機構の複動式ポンプに機械的に連結された駆動手段を制御するための方法は、ピストンが上昇(109)または下降(102)の一方向に移動している段階中、速度調整制御を行い、そして、移動の方向を逆転(107,114)させた後、直ちにトルク調整制御を行う、各ステップを有する。また、往復直線運動機構の複動式ポンプに機械的に連結された制御装置及び駆動手段に適用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、往復直線運動機構の複動式ポンプに機械的に連結された駆動手段を制御するための方法に関する。
また、本発明は、往復直線運動機構の複動式ポンプに機械的に連結された駆動手段を制御するための装置に関する。
本発明は、往復直線運動機構の複動式ポンプに機械的に連結された駆動手段に関する。
【0002】
機械的に電気モータ制御システムに接続された、流体またはペースト状の生産物のための往復直線運動機構のポンプは、公知である。このような直線運動ポンプは、所定のストロークを有して駆動され、移動方向が逆転された後、ポンプは、反対方向に同一の所定ストロークにわたって駆動される。ポンプピストンの運動は、コンポーネントを排出する方向から、引き入れる方向に逆転されることができ、また逆も同様に、コンポーネントを排出することができる。ポンプ回路は、ポンプとともに関連する吸気弁および送出し弁を含んでいる。
【0003】
ポンプの移動方向の逆転により、ポンプによって配送される流体またはペースト状の生産物の流れに、圧力スパイクによって直ちに続いて起こる突然の圧力降下を生じさせる。ポンプの移動方向が逆転すると、往復直線運動機構のポンプ内の流体またはペースト状の生産物を保持する複数の弁は、逆転中に起こる圧力変動の原因となる。
【0004】
往復直線運動機構のポンプのための、電気モータ駆動式の駆動システムは、流体またはペースト状の生産物の圧力または配送に従ってモータが駆動される速度を調整するための電気制御装置を含む。この制御装置は、圧力ロック状態に遭遇するとき、モータへの電源を切り離すための電気カットオフ手段を有していることが知られている。
【0005】
しかし、逆転作用は、往復直線運動機構の複動式ポンプに機械的に連結された電気モータ駆動装置の慣性によって増幅され、逆転中、より長い圧力降下と、より高い圧力スパイクを生じさせる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の第1の目的は、往復直線運動機構の複動式ポンプに機械的に連結された駆動手段を制御するための新規な方法を提案することにより、従来技術を改善することである。
本発明の第2の目的は、往復直線運動機構の複動式ポンプに機械的に連結される駆動手段のための新規な制御装置を提供することである。
本発明の第3の目的は、往復直線運動機構の複動式ポンプに機械的に連結された新規な駆動手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の主題は、往復直線運動機構の複動式ポンプに機械的に連結された駆動手段を制御する方法であり、次の段階を有している。
a) ピストンの上昇または下降の段階中、速度調整制御を行い、
b) 移動の方向を逆転させた後、直ちにトルク調整制御を行う、各ステップを有しており、
これにより、吐き出された流体またはペースト状の生産物が略一定の流速を得ると同時に、ポンプ作動中の圧力パルスを減少させることを特徴としている。
【0008】
本発明の他の特徴によれば、
−トルクは、ピストンが上昇または下降の間に記録され、この記録から、次の逆転段階へのトルク調整制御のためのトルク設定値を減少させる。
−駆動手段の運動は、移動方向が逆転した後、加速される。
−物理的パラメータがトルク値の代表値を越えるとき、前記制御は、トルク調整から速度調整に切り替わる。
−トルク値を表す物理的パラメータは、往復直線運動機構の複動式ポンプによって配送された、流体またはペースト状の生産物の測定された圧力となりえる。
【0009】
本発明の別の主題は、往復直線運動機構の複動式ポンプに機械的に連結された駆動手段を制御するための装置であり、この制御装置は、
ピストンが上昇または下降の段階中、速度調整制御を行う手段と、
移動の方向を逆転させた後、直ちにトルク調整制御を行う手段と、
前記ピストンが上昇または下降の段階の間、トルクを表す物理的パラメータの測定および前記トルクの記録の両方またはいずれか一方を行う手段と、
前記移動方向が逆転された後、前記駆動手段を加速するための手段とを含んでいる。
【0010】
本発明の1つの有利な特徴によれば、
前記トルクを表す物理的パラメータを測定する手段は、往復直線運動機構の複動式ポンプによって配送された流体またはペースト状の生産物の圧力センサを含んでいる。
【0011】
本発明の最終の主題は、往復直線運動機構の複動式ポンプに機械的に連結される駆動手段であって、
前記往復直線運動機構の複動式ポンプに結合された機械的変速手段に接続されたエンコーダを有するギア式モータユニットと、
前記往復直線運動機構の複動式ポンプによって配送された流体またはペースト状の生産物の圧力を検出する圧力センサとを含んでいる。
【0012】
本発明の別の構成によれば、
−機械式変速手段が、ギア式モータユニットの円運動を往復直線運動機構の複動式ポンプに伝達される直線運動に変換する再循環式ローラスクリュまたは再循環式ボールスクリュを含んでいる。
−前記駆動手段は、エンコーダによって示されるモータの位置に従って、モータの回転を、一方向または他方向に制御し、そして、一方向への運動段階の間、速度調整を行い、かつ移動方向が逆転した後、直ちにトルク調整を行うコントローラと、
一方向の移動段階の間、前記モータの作動トルクを表す物理的パラメータを保存するための手段とを含んでいる。
【0013】
本発明は、添付の図面を参照する限定されない例示によって与えられる、以下に続く記載によってより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に従う制御方法の概略的な流れ図である。
【図2】図1を参照して記載された本発明に従う制御方法の各ステップに対応する概略的な時間的変化の図である。
【図3】本発明に従う駆動手段を図示する概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1を参照すると、往復直線運動機構の複動式ポンプ機械的に連結された駆動手段を制御する方法は、ステップ100〜119及びステップ201〜203を含んでいる。
【0016】
ステップ100において、本方法は、作動サークルを開始するステップから始まる。
ステップ101において、人/機械のインタフェースを用いるオペレータによって入力される配送設定値を獲得するステップ102に続いている。そして、このステップでは、1つの移動方向の段階中、電気駆動モータの速度調整のために絶対速度設定点に変換される。
【0017】
ステップ102において、電気モータの回転により、一方向での速度調整を生じさせ、直線運動に変換される、例えば、電気モータに機械的に連結された複動式ポンプのピストンを下降させる。
このステップ102の間、電気モータのトルクは、平行なステップ202において、人/機械インタフェース、または他のメモリー記憶手段で記録される。
【0018】
ステップ103では、底部またはストローク端位置に接近しているかどうかを検出するために、試験が実行される。
【0019】
配送に変化がない場合、実行されると、この方法は、チェック後、ステップ102に戻るループを有し、ステップ118において、配送又は速度の設定点が維持される。
【0020】
ステップ118において、配送又は速度の設定点の変化が検出されると、この新しい配送または速度の設定点が獲得され、そして、トルクに対応する変化がステップ119において、電気モータを制御する制御装置によって作られる。次に、この方法は、これらの新しい設定点及びトルク値を用いて、ステップ102に戻るループを実行する。
【0021】
ステップ103において、底部又はストローク終端が検出されると、この方法は、ステップ104に進み、電気モータの回転運動を減速させるステップ104に進む。そして、次のステップ105において、往復直線運動機構の複動式ポンプの直線移動方向における逆転動作に対応して電気モータの回転方向を逆転させる。
【0022】
ステップ106において、方向の逆転によって圧力降下を引き起こす、配送された流体またはペースト状の生産物の圧力降下を補正するために、ポンプの移動方向及び電気モータの回転方向の逆転後、直ちに、トルクを調整することによって加速を生じさせる。
【0023】
この逆転に基づくトルク調整は、一定の配送を達成することが可能になり、より良い再加圧を生じさせることが可能になる。例えば、電気モータに機械的に連結された複動式のポンプのピストンのアップストローク中に再加圧することができる。
【0024】
フィードバックパラメータとして、配送される流体またはペースト状の生産物の圧力を用いて、閉ループにおいて、トルク調整が実行される。なぜなら、モータトルクと、配送される流体またはペースト状の生産物の圧力との間の相互関係により、配送される流体またはペースト状の生産物の圧力が、モータトルクを表す物理的パラメータとして用いられることが可能になる。
【0025】
この相互関係のおかげで、一方向における移動段階の間、配送される流体またはペースト状の生産物の連続する圧力測定を用いて、連続するトルク測定のシュミレーションを行う、または置き換えることが可能になる。
【0026】
上述のサイクルにおける一方向の移動段階のステップ203の間、例えば、電気モータに機械的に連結された複動式ポンプのピストンにおけるアップストローク中、ステップ107におけるトルクを調整するための設定値によって、モータトルクの記録された値または配送される流体またはペースト状の生産物の圧力値を使用することができる。
【0027】
ステップ108において、ポンプ出口での圧力が、前のステップにおける一方向での運動中に測定された圧力に等しいか、またはより高くなるとき、あるいは、モータトルクが、前のサイクル、たとえば、アップストローク時に、一方向の運動のステップ203における一方向の運動時に測定されたトルクを越えるとき、この方法は、ステップ109に移動しかつ速度調整に切り替わる。
【0028】
この値が、まだ到達しない場合、ステップ108は、対応する値又は複数の値が到達するまで、ステップ107のループに戻る。
【0029】
ステップ109において、ポンプは、移動の一方向に運動し、例えば、アップストローク時、ステップ110において、トップ位置又はストロークの終端位置が検出されるまで、ポンプは一方向に運動する。
【0030】
ステップ110において、このトップ位置又は終端位置が検出されない限り、この方法は、流体またはペースト状の生産物の配送に対する設定値における変化が示されるテスト段階116を介して、ステップ109に戻る。そして、ステップ117において、対応するトルクの変化を有するモータ速度に変換された新規な設定値を得ることが可能になる。
このトップ位置又は終端ストローク位置が、ステップ110で検出されると、この方法は、モータを減速しさらに停止するステップ111へ進む。
【0031】
そして、本方法は、方向が逆転するステップ112に進み、直ちに、次に続く逆転から、モータトルクの調整に続いて、ステップ113に進み、ここで、モータトルク調整時に圧力降下に対する補正を行うために加速される。
【0032】
ステップ114において、一方向における前のサークルの以前の運動ステップ202の間、一方向の運動中に記録された設定値を用いて、トルク調整が行われる。例えば、ダウンストローク時に、この設定値を、直接モータトルク値、または、ポンプによって配送された流体またはペースト状の生産物等の代表的な物理的パラメータを変換することによって得られるモータトルク値とすることが可能である。
【0033】
以前のサイクル、例えば、ダウンストローク時に、一方向における移動のステップ202の間、モータトルク値が、記録される値を越えるかどうかを検出するために、ステップ115において、試験が実行される。
この試験の出力値が、負である場合、この方法は、ステップ114に戻る。この試験の出力値が、正である場合、この方法は、ステップ102に戻り、新しいサイクルを開始する。
【0034】
アップストローク及びダウンストロークのトルク、又はそのパラメータを表す値、例えば、ステップ202及びステップ203で記録された、配送された流体またはペースト状の生産物または等価物の圧力は、それぞれ、速度調整の間に記録されており、この速度調整は、ダウンストロークのステップ102及びアップストロークのステップ109に記載された移動の一方向において制御する。
【0035】
この記録するステップ202及び203は、アップストロークまたはダウンストロークのトルク値が保存されることを可能にし、一方、同時に1つのサイクルから他のサイクルへの変動が異常であるかどうかをチェックする。
【0036】
有利なことに、ステップ201は、オペレータによって実行され、更に、オペレータが調べることができるステップ202及び203は、本発明に従う方法を実行するために、本発明に従う装置部分を形成する人/機械インタフェースを用いて進行する。
【0037】
本発明に従う方法を表すサイクルは、オペレータによる動作に基づき、いつでも停止させることができる。オペレータが人/機械インタフェースを介して配送設定点を入力するとすぐに効果が生じ、そのとき、ステップ101において、絶対速度設定点に変換される。ある安全限界内で、オペレータが直接、人/機械インタフェースを用いて、加速及び減速を調整することができる。
【0038】
本発明を用いて、1つの圧力センサを用いることにより方向の逆転を生じさせる圧力変動を減少させることが可能である。モータトルクは、方向の逆転後、直ちに直接、加速及び減速を実行することによって変更することができ、その結果、圧力変動を補正して、流体またはペースト状の生産物の実際に一定の配送が得られる。
【0039】
モータトルクと測定された圧力との直接の相互関係は、生産物と配送速度の広範囲おける生産物の一定の配送を得ることが可能であることを意味する。
【0040】
こうして、本発明は、物質、粘性、温度の変化、及び、速度、周波数、配送、及び他の物理的または機械的なパラメータの変化に適合できる自己適合性の方法を得ることを可能にする。
【0041】
図2において、図1に関連して記載された本発明に従う方法を実行するための時間的図表は、時間に応じて種々の測定値の変化を示す5つの曲線で構成されている。
−流体またはペースト状の生産物の圧力P
−ポンプの直線運動の速度V
−駆動モータのトルクC
−本発明に従う制御方法を用いて駆動される往復直線運動機構の複動式ポンプによって配送された流体またはペースト状の生産物の配送D
【0042】
時間図表は、時間間隔d1を有して開始され、時間間隔d2を有して続けられ、そして、時間間隔d3、時間間隔d4、最後に、次のアイクルの時間間隔d1の開始に対応する時間間隔d5を有するサイクルに対応する。
時間間隔d1は、ダウンストロークの方向における生産物の配送に対応し、駆動モータが速度調整を用いて制御される間の、作動ステップ102及び103に対応する。
【0043】
時間間隔d2は、トルク調整の制御に対応し、図1に関連して記載された方法のステップ106及び107に対応する。
時間間隔d3は、反対方向、アップストロークにおける運動に対応する。即ち、流体またはペースト状の生産物の充填及び放出であり、速度調整制御に対応するステップ108,及び109に対応する。
【0044】
時間間隔d4は、方向の逆転に対して、モータの減速及び停止に対応し、図1に関連して記載された方法のステップ111〜114の間でのトルク調整制御に対応する。
時間間隔d5は、図1に関連して記載された方法の次に続くサイクルの作動ステップ102及び103に対応する。
【0045】
本発明のおかげで、駆動モータトルクにおける変動は、複動式のポンプの移動方向を逆転することによって生じる圧力変動を補正することができる。その結果、試験を実行中、実際に一定であり、検知されないごくわずかな変動が残る配送を生じさせることができる。
【0046】
トルク値を表す物理的パラメータによって配送される流体またはペースト状の生産物の圧力を用いることは、本発明に従う制御装置を単純化することに特に有益であり、さらに、本発明によって、制御された駆動手段により駆動される往復直線運動機構の複動式ポンプによって流体またはペースト状の生産物を実時間で連続して配送することを可能にする。
【0047】
ポンプによって配送される流体またはペースト状の生産物の圧力を検出するための単一の圧力センサは、電気モータのトルクと配送される流体またはペースト状の生産物の圧力の値との間の相互関係を絶えずチェックすること与える。
【0048】
図3において、本発明に従う装置の機能的な図表は、破線で引かれたボックス(1)の形で概略的に示された装置内に含まれる駆動手段と、適当なラインで生産物のタンク(3)に連結されたポンプ(2)と、該ポンプ(2)にライン(5)によって連結された押し出しガン(4)とを含んでいる。
【0049】
ポンプ(2)は、モータまたはギア式モータユニット(10)によって機械的に駆動され、さらに、再循環式ボールスクリュ、再循環式ローラスクリュ、または回転運動を直線運動に変換することができる他の変速手段によって機械的に駆動される。
【0050】
モータまたはギア式モータユニット(10)は、瞬時に電気モータのロータの位置を定め、電気モータ、及びその結果、往復直線運動機構の複動式ポンプ(2)の一方向または別の方向、または方向の逆転、あるいは電気モータの作動を停止の作動サイクルをプログラムすることを可能にするエンコーダ(11)を含んでいることが好ましい。
【0051】
エンコーダ(11)は、モータに関係するデータをコントローラ(12)に送り、その結果、本発明に従う方法の全てのステップを通してその作動が制御される。
【0052】
コントローラ(12)は、人/機械インタフェース(13)に接続され、作動サイクルの開始及び停止のために命令を与えるために用いられ、オペレータによって定めた複数の設定点及びパラメータを伝送し、そして、モータの作動に関係するデータを記録または保存し、特に、作動サイクル中、電気モータ(10)のトルクを記録する。
【0053】
こうするために、電気モータ(10)は、好ましくは、コントローラ(12)に接続され、速度、トルク、及び電流の強さの各特性及び他のモータの作動変数に関するデータを伝送する。
【0054】
ポンプ(2)によって配送される流体またはペースト状の生産物の圧力を検出する圧力センサ(14)は、有利にコントローラ(12)に接続され、電気モータ(10)のトルクと配送される流体またはペースト状の生産物の圧力値との間の相互関係を永久的に適用する。
【0055】
電気モータまたはギア式モータユニット(10)は、再循環式ローラスクリュまたは再循環式ボールスクリュ等の機械式変速手段を回転させるとき、タンク(3)から押し出しガン(4)に流体またはペースト状の生産物を吐き出すために、ポンプ(2)のピストンが、上記機械式変速手段によって生じる直線運動で移動する。
【0056】
流体またはペースト状の生産物が吐き出されるとき、オペレータは、作動サイクルを開始及び停止するための命令を入力でき、かつ人/機械インタフェースのスクリーン上で絶えず監視することができる。また、設定点、予め定めたパラメータ、または作動サイクル内に包含されたパラメータを入力でき、同時に、コントローラ(12)は、与えられた瞬時の時間において用いられ、モータが正しく作動されることをチェックし、かつ制御の形式:即ち、速度調整またはトルク調整であるかを見る。
【0057】
このコントローラ(12)は、モータの回転運動に従って複動式ポンプのピストンの往復サイクルに影響を与える。コントローラ(12)は、一方向における直線移動の段階中、速度調整を行い、回転方向を逆転させた後、直ちに、トルク調整を行うようにプログラムされている。
【0058】
コントローラ(12)は、配送される流体またはペースト状の生産物の一定の配送を得るために必要とされるトルクに自動的に適合する。公知の形式の入力および出力により、制御の連続性が確実となり、モータの作動を監視し、かつ複数のパラメータの公認された範囲にモータの作動を制限することによって、安全な機能を実行する。
【0059】
1つの特定の実施形態を参照して記載してきた本発明は、これに制限されるものではなく、他方、本発明の範囲及び技術的思想の中に入る実施形態のいかなる修正及び他の形式も包含される。
【0060】
特に、コントローラ(12)は、配送される流体またはペースト状の生産物の圧力のみのフィードバックパラメータを用いて、速度調整及びトルク調整を実行できる単純化されたコントローラに置き換えることができる。この圧力は、1つの圧力センサ(14)によって測定される。
【0061】
本発明のおかげで、トルクを調整するのに用いられる閉ループ制御は、実際、フィードバックパラメータを介して、流体またはペースト状の生産物の圧力を用いることにかなり改善される。
【0062】
流体またはペースト状の生産物の圧力が測定される正確さは、モータトルクが測定される正確さよりもより信頼性があり、ポンプによって配送される物質、その粘性または温度、または他の物理的パラメータに関係なく、モータトルクを表すパラメータを与える。
配送される流体またはペースト状の生産物が一定の平均配送速度で配送されることの保証を目的として、フィードバックパラメータを介して用いられる圧力は、本発明によって作動の自己適応を得ることを可能にする。
【符号の説明】
【0063】
1 ボックス
2 ポンプ
3 タンク
4 押し出しガン
5 ライン
10 モータユニット
11 エンコーダ
12 コントローラ
13 人/機械インタフェース
14 圧力センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
往復直線運動機構の複動式ポンプ(2)に機械的に連結された駆動手段を制御する方法であって、(a)ピストンが上昇(109)または下降(102)の一方向に移動している間の段階中、速度調整制御を行い、
(b)移動の方向を逆転(107,114)させた後、直ちにトルク調整制御を行う、
各ステップを有しており、これにより、
吐き出された流体またはペースト状の生産物が略一定の流速を得るとともに、ポンプ作動中の圧力パルスを減少させることを特徴とした制御方法。
【請求項2】
前記トルクは、前記ピストンが上昇または下降の一方向に移動している間の段階中、記録され、この記録から、次の逆転段階へのトルク調整制御のための設定値を減少させることを特徴とする請求項1記載の制御方法。
【請求項3】
前記駆動手段の運動は、移動方向が逆転した後、加速されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の制御方法。
【請求項4】
物理的パラメータがトルク値の代表値を越えるとき、前記制御は、トルク調整から速度調整に切り替わることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の制御方法。
【請求項5】
トルク値を表す物理的パラメータが、往復直線運動機構の複動式ポンプによって配送される流体またはペースト状の生産物の、測定された圧力であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の制御方法。
【請求項6】
往復直線運動機構の複動式ポンプに機械的に連結された駆動手段を制御するための装置であって、
ピストンが上昇または下降の一方向に移動している間の段階中、速度調整制御を行う手段(12)と、
移動の方向を逆転させた後、直ちにトルク調整制御を行う手段と、
前記ピストンが上昇または下降の段階の間、トルクを表す物理的パラメータの測定および前記トルクの記録の両方またはいずれか一方を行う手段(14)と、
前記移動方向が逆転された後、前記駆動手段を加速するための手段(10,11)とを含むことを特徴とする装置。
【請求項7】
前記トルクを表す物理的パラメータを測定する手段は、往復直線運動機構の複動式ポンプによって配送された流体またはペースト状の生産物の圧力センサ(14)を含むことを特徴とする請求項6記載の制御装置。
【請求項8】
往復直線運動機構の複動式ポンプ(2)に機械的に連結された駆動手段(10−14)であって、
前記往復直線運動機構の複動式ポンプ(2)に結合された機械的変速手段に接続されるエンコーダ(11)を有するギア式モータユニット(10)と、
前記往復直線運動機構の複動式ポンプ(2)によって配送された流体またはペースト状の生産物の圧力を検出する圧力センサ(14)とを含むことを特徴とする駆動手段。
【請求項9】
機械式変速手段が、ギア式モータユニットの円運動を往復直線運動機構の複動式ポンプ(2)に伝達される直線運動に変換する再循環式ローラスクリュまたは再循環式ボールスクリュを含んでいることを特徴とする駆動手段(10−14)。
【請求項10】
エンコーダ(11)によって示されるモータ(10)の位置に従って、モータ(10)の回転を、一方向または他方向に制御し、そして、一方向への運動段階の間、速度調整を行い、かつ移動方向が逆転した後、直ちにトルク調整を行うコントローラ(12)と、
一方向の移動段階の間、前記モータ(10)の作動トルクを表す物理的パラメータを保存するための手段(13)と、を含んでいることを特徴とする駆動手段(10−14)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−72770(P2012−72770A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214833(P2011−214833)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(509003265)エクセル インダストリーズ (3)
【氏名又は名称原語表記】EXEL INDUSTRIES
【Fターム(参考)】