説明

循環精製装置

【課題】複数の精製筒のうちの任意の精製筒の還元再生処理を実行することができる循環精製装置を提供する。
【解決手段】循環精製装置11は、複数の循環回路C1〜C4それぞれに、ボックスGから排出された不活性ガスを受け入れて、不活性ガスに含まれる不純物を除去し、その不活性ガスを精製する精製筒31を備える。また、循環精製装置11は、複数の循環回路C1〜C4の循環に係る制御を実行するコントローラ23を備え、このコントローラ23は、精製筒31を還元再生させる還元再生処理を、複数の精製筒31のうち任意の精製筒31から実行可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不活性ガス又は空気に含まれる不純物を除去して精製し、その精製後の不活性ガス又は空気を再び供給する循環精製装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、有機ELディスプレイの製造工場では、有機ELディスプレイを構成する有機物質の酸化や水との反応を防止するために不活性ガス(例えば、窒素)雰囲気下で製造が行われている。すなわち、有機ELディスプレイの製造工程は、不活性ガスが供給され、不活性ガス雰囲気となったボックス(チャンバ、グローブボックス)内で行われている。ボックス内へ供給された不活性ガスは、ボックス外へ排出された後、循環精製装置で精製されてボックスへ再び供給されるようになっている。
【0003】
この循環精製装置としては、例えば特許文献1が挙げられる。特許文献1の循環精製装置は、ボックスに接続され、そのボックスとの間に形成される複数の循環回路を介して不活性ガスを循環させるものである。そして、複数の循環回路それぞれには、ボックスから排出された不活性ガスを受け入れて、不活性ガスに含まれる酸素及び水分(不純物)を除去し、不活性ガスを精製する精製筒が設けられている。また、循環精製装置は、複数の循環回路の循環に係る制御を、循環回路毎に独立して実行する制御部を備える。
【0004】
そして、制御部は、精製筒を不活性ガスで置換させる置換処理と、精製筒を還元再生させる還元再生処理と、不活性ガスをボックスに通さずに循環させる自己循環処理と、不活性ガスをボックスとの間で循環させる循環処理とを順に実行するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−007510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の循環精製装置においては、複数の循環回路を備えるとともに、各循環回路それぞれに2つ精製筒を備える。この循環精製装置における精製筒の還元再生処理では、制御部は、各循環回路の一方側の精製筒を1筒ずつ還元再生させた後、次に他方側の精製筒を1筒ずつ還元再生処理させるが、この精製筒の還元再生処理は予め決められた順序で実行されるようになっている。具体的には、精製筒の還元再生処理は、複数の循環回路の一方側の精製筒で順に実行された後、他方側の精製筒で順に実行される。よって、複数の精製筒の中から所望する精製筒を優先的に還元再生処理させることはできず、例えば、他方側の最後の精製筒において、不純物吸着量が基準値に達してしまっていたとしても、この最後の精製筒よりも前の精製筒全ての還元再生処理が終了しない限り、還元再生処理が実行されないものとなっていた。
【0007】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、複数の精製筒のうちの任意の精製筒の還元再生処理を実行することができる循環精製装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、不活性ガス又は空気の供給先に接続され、該供給先との間に形成される複数の循環回路を介して前記不活性ガス又は空気を循環させる循環精製装置であって、前記複数の循環回路それぞれに、前記供給先から排出された前記不活性ガス又は空気を受け入れて、該不活性ガス又は空気に含まれる不純物を除去し、前記不活性ガス又は空気を精製する精製筒を備えるとともに、前記複数の循環回路の循環に係る制御を実行する制御部を備え、前記制御部は、前記精製筒を還元再生させる還元再生処理を、前記複数の精製筒のうち任意の精製筒から実行可能にすることを要旨とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の循環精製装置において、前記制御部は、前記供給先の不純物量の計測結果を利用して前記精製筒における前記不純物の吸着量を推定する機能を有し、前記還元再生処理が実行されるのは、前記推定された吸着量が予め設定された基準値に到達した精製筒であることを要旨とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の循環精製装置において、前記制御部には指令装置が接続され、前記指令装置には前記吸着量が予め設定された基準値に到達した精製筒が報知されることを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数の精製筒のうちの任意の精製筒の還元再生処理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】不活性ガスの循環精製システムを模式的に示す構成図。
【図2】不活性ガスの循環精製装置を示す模式図。
【図3】循環精製システムの回路図。
【図4】不活性ガスの循環精製装置内を示す正断面図。
【図5】操作パネルを示す正面図。
【図6】(a)は操作パネルの操作画面を示す図、(b)は操作パネルのモニタ画面を示す図。
【図7】(a)は還元再生時の操作画面を示す図、(b)は還元再生時のモニタ画面を示す図。
【図8】(a)は還元再生動作の順序を変更したときの操作画面を示す図、(b)は精製筒の還元再生動作の順序の変更前と変更後を示す表。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を不活性ガスの循環精製装置(以下、単に「循環精製装置」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図8にしたがって説明する。
図1は不活性ガスの循環精製システムSを示している。図1に示すように、循環精製システムSは、循環精製装置11と、不活性ガス(本実施形態では窒素)の供給先としてのボックス(例えば、チャンバーやグローブボックスなど)Gとから構成されている。ボックスGは、例えば、樹脂パネルを組み付けてなる箱状に形成されている。また、循環精製システムSにおいて、循環精製装置11は、この循環精製装置11が備える精製筒31(図2及び図3参照)で精製された不活性ガスをボックスGへ供給するための往路としての往管路10aを備えている。また、循環精製装置11は、ボックスGから排出された不活性ガス(排出ガス)を、精製筒31へ供給するための復路としての復管路10bを備えている。
【0014】
循環精製装置11とボックスGとは、往管路10a及び復管路10bを介して接続されている。そして、循環精製システムSにおいては、ボックスGから排出された不活性ガスを復管路10bを通じて精製筒31で受け入れ、この精製筒31で不活性ガスを精製し、精製後の不活性ガスを往管路10aを介してボックスGへ再供給し、循環させるようになっている。また、ボックスGと循環精製装置11との間には、不活性ガスを循環させる循環回路が形成され、この循環回路は不活性ガスの大気との接触が無い閉回路とされている。
【0015】
さらに、循環精製装置11には、ボックスGへ供給される不活性ガスの供給源としての不活性ガス供給源Nと、精製筒31を還元再生するために、この精製筒31へ還元ガス(本実施形態では水素)を供給する還元ガス供給源Hとが接続されている。さらに、循環精製装置11は、ボックスG内を不活性ガス雰囲気から大気圧雰囲気(酸素濃度約20%)に置換するためにボックスG内へ酸素を供給する酸素供給源Dが接続されている。循環精製システムSにおいては、不活性ガス供給源Nから循環精製装置11へ不活性ガスが供給されるとともに、この不活性ガスによって精製筒31が置換された後、不活性ガスが循環精製装置11から往管路10aを介してボックスGへ供給されるようになっている。そして、ボックスG内が不活性ガス雰囲気とされ、このボックスG内で、例えば、有機ELディスプレイの製造工程が行われる。
【0016】
本実施形態では、往管路10aを介した循環精製装置11からボックスGへ不活性ガスが流れる方向と復管路10bを介したボックスGから循環精製装置11へ不活性ガスが流れる方向とを、循環精製システムS及び循環精製装置11における不活性ガスの流通方向とする。また、循環精製システムSにおいては、還元ガス供給源Hから循環精製装置11の精製筒31へ還元ガスが供給され、この還元ガスによって精製筒31が還元再生されるようになっている。
【0017】
次に、循環精製装置11について説明する。図2は循環精製装置11の内部構成とボックスGとの接続を模式的に示す図である。
図2に示すように、循環精製装置11は、不活性ガスを精製する精製部22を4つ備えている。本実施形態の循環精製装置11は、1つの精製部22に1つのボックスGが往管路10a及び復管路10bを介して接続されている。そして、ボックスGと循環精製装置11との間には、精製部22をそれぞれ含む4つの循環回路C1,C2,C3,C4が形成されている。また、不活性ガス供給源N、還元ガス供給源H及び酸素供給源Dは、各循環回路C1〜C4に接続され、共通化されている。また、各精製部22には、複数本(本実施形態では2本)の精製筒31が設けられている。なお、図2では、各精製部22に設けられた2本の精製筒31を区別するために、「1A」「1B」「2A」「2B」「3A」「3B」「4A」「4B」の符号を併記している。数字の1〜4は所属する循環回路を示し、アルファベットのA、Bによって循環回路別に2本の精製筒31を区別している。例えば、「1A」は循環回路C1の精製部22に設けられた1つ目の精製筒31を示し、「1B」は循環回路C1の精製部22に設けられた2つ目の精製筒31を示している。また、以下の説明では、アルファベットの「A」を付した各精製部22の精製筒31(1A、2A、3A、4A)を「A筒側の精製筒31」と、アルファベットの「B」を付した各精製部22の精製筒31(1B、2B、3B、4B)を「B筒側の精製筒31」と表現する場合もある。
【0018】
また、循環精製装置11は、4つの精製部22(4つの循環回路C1〜C4)を制御する制御部としてのコントローラ23を備えている。コントローラ23には、コントローラ23に各種制御(循環回路C1〜C4の動作)を指示する際に用いる操作パネル32(図5に示す)が接続されている。コントローラ23と操作パネル32は、電気的に接続されている。また、コントローラ23には通信部24が接続され、さらに、通信部24には通信ケーブル25を介して循環精製装置11とは別に設けられた外部機器としての指令装置(パーソナルコンピュータなど)26が接続されている。コントローラ23と指令装置26との間は、通信部24及び通信ケーブル25を介して有線通信が行われる。
【0019】
循環精製装置11は、操作パネル32の操作による指示、又は通信ケーブル25を介して通信部24が受信した指令装置26からの指示に基づいてコントローラ23が循環回路C1〜C4の動作を制御するようになっている。循環回路C1〜C4の動作とは、後述する初期置換動作、置換動作、還元再生動作、自己循環動作、ボックス循環動作である。
【0020】
実施形態の循環精製装置11では、1つのコントローラ23により、複数の循環回路C1〜C4を個別に制御するようになっている。すなわち、コントローラ23は、個々の循環回路C1〜C4の動作に応じた制御(循環に係る制御)を独立して実行させるようになっている。例えば、循環回路C1のみを停止させたり、循環回路C2のみを起動させて循環させたりすることができるようになっている。また、循環精製装置11は、コントローラ23と指令装置26との間の通信機能により、遠隔操作可能な構成となっている。
【0021】
次に、循環精製装置11の構造を図3及び図4にしたがって説明する。図4は、循環精製装置11の内部構造を模式的に示しており、具体的には循環精製装置11を構成する精製筒31、フィルタF、仕切板29、及び循環ポンプPの配置を示している。図4では、循環精製装置11を構成する管路、バルブなどは省略している。
【0022】
循環精製装置11は、金属製の四角箱よりなるケース27を備えている。なお、図4の紙面をケース27の前面側とし、ケース27の前面に対向する面をケース27の後面とする。そして、循環精製装置11が工場などに設置された状態では、ケース27の前面に操作パネル32が配設され、作業者はケース27の前面に向き合うように立って操作パネル32を操作するようになっている。すなわち、循環精製装置11においては、ケース27の前面側で作業者による作業が行われるようになっている。
【0023】
ケース27は、その前面側及び後面側が、図示しない閉鎖板(閉塞カバー)を取り付けることで閉塞される一方で、閉鎖板をケース27から取り外すことで開放されるようになっている。したがって、図4では、ケース27の前面側の閉鎖板が取り外されて、ケース27の前面側が開放された状態を示している。
【0024】
図4に示すように、ケース27内には、このケース27内を前面側と後面側とに仕切る仕切板29が2枚配設(立設)されている。ケース27内において、仕切板29よりもケース27の後面側には精製筒31が8本配設(立設)されている。8本の精製筒31は、ケース27の左右方向(図4の紙面において左右方向)に横並びで、一列に配列されている。ケース27内にて仕切板29よりもケース27の前面側であって、ケース27内上側には、図示しない吊下げ部材によってフィルタFが吊下げ支持されている。このフィルタFは、ボックスGへ供給される不活性ガス中の不純物を除去するために設けられている。また、ケース27内にて仕切板29よりもケース27の前面側であって、ケース27内下側には、循環ポンプPが配設されている。この循環ポンプPは、ボックスGから排出された不活性ガスの精製筒31への供給と、精製筒31で精製された精製後の不活性ガスのボックスGへの再供給を行うために設けられている。
【0025】
精製筒31は、円筒状をなす筒本体内に、触媒を充填してなる触媒層(図示しない)と吸着剤を充填してなる吸着剤層(図示しない)とが筒本体の軸方向に沿って積層されている。本実施形態では、触媒としてニッケルが用いられ、ニッケルは酸素の捕捉能が高く、さらには、一酸化炭素、水素及び二酸化炭素なども少量捕捉する能力を備えている。また、本実施形態では、吸着剤として合成ゼオライトが用いられ、合成ゼオライトは水除去能を有し、さらには、二酸化炭素、一酸化炭素なども少量除去する能力を備えている。なお、本実施形態では触媒層の酸素捕捉及び吸着剤層の水除去を合わせて不純物の吸着と言う。
【0026】
筒本体には、触媒層の酸素捕捉能及び吸着剤層の水除去能を好適に発揮できる充填量の触媒と吸着剤が充填されている。そして、触媒層と吸着剤層は、精製筒31に対する不活性ガスの流通方向に沿って、その流通方向上流側に触媒層が配設されるとともに流通方向下流側に吸着剤層が配設されている。すなわち、精製筒31内を流通する不活性ガスは、精製筒31内に導入されると触媒層を通過し、その後に吸着剤層を通過し、精製筒31外に導出されるようになっている。なお、精製筒31は、不活性ガスを導入する導入口(図示しない)が復管路10bに接続され、不活性ガスを導出する導出口(図示しない)が往管路10aに接続されることにより、往管路10aと復管路10bとの間に配置される。
【0027】
また、精製筒31には、触媒層と吸着剤層とを加熱する加熱手段としてのヒータ(図示しない)が収容されている。精製筒31では、ヒータによる触媒層と吸着剤層との加熱温度が、吸着剤層よりも触媒層の方が低くなるように温度調整がなされている。そして、精製筒31では、不活性ガスが導入されると、触媒層にて不活性ガス中の酸素、一酸化炭素、水素及び二酸化炭素などが捕捉されるとともに、吸着剤層にて不活性ガス中の水分が吸着除去され、精製筒31で不純物が吸着されるようになっている。この触媒層によって捕捉された酸素量及び吸着剤層によって除去された水分量を合わせて精製筒31による不純物の吸着量とする。
【0028】
次に、循環精製装置11の回路構成を図3にしたがって具体的に説明する。なお、循環精製装置11は、4つの循環回路C1〜C4(4系統)を備えており、各循環回路C1〜C4の動作(不活性ガスの循環に係る動作)は同じであるため、図3では1つの循環回路C1を用いて説明する。
【0029】
図3に示すように、ボックスGに接続された復管路10bにおいて、精製筒1A,1Bよりも不活性ガスの流通方向上流側は、復管路10bの一部を構成する第1導入管12aと第2導入管12bに分岐されている。第1導入管12aは、精製筒1Aの導入口に接続され、第2導入管12bは精製筒1Bの導入口に接続されている。第1導入管12a及び第2導入管12b上にはバルブ52a,52bが設けられている。また、復管路10b上であって、第1導入管12a及び第2導入管12bに分岐するよりも、不活性ガスの流通方向上流側には循環ポンプPが設けられている。循環ポンプPは、コントローラ23に電気的に接続されている。
【0030】
精製筒1Aの導出口には、往管路10aの一部を構成する第1導出管13aが接続され、精製筒1Bの導出口には往管路10aの一部を構成する第2導出管13bが接続されている。第1導出管13a及び第2導出管13b上にはバルブ53a,53bが設けられている。第1導出管13aと第2導出管13bは一本の往管路10aに収束されてボックスGに接続されている。収束された往管路10a上には、フィルタF及び流量センサ60が設けられている。流量センサ60は、循環回路C1を循環する不活性ガスの流量を計測する。流量センサ60は、コントローラ23に電気的に接続されている。流量センサ60の計測結果は、コントローラ23に送信され、操作パネル32に表示される。
【0031】
また、往管路10aにおけるボックスGの入口側と、復管路10bにおけるボックスGの出口側との間には、ボックスGを迂回して連通するバイパス通路10cが設けられ、該バイパス通路10c上にはバイパス通路10cを開閉可能とするバルブ58が設けられている。往管路10a上であって、バイパス通路10cよりも不活性ガスの流通方向下流側にはバルブ50が設けられ、復管路10b上であって、バイパス通路10cよりも不活性ガスの流通方向上流側にはバルブ51が設けられている。そして、第1導出管13aと第2導出管13bが収束してからバルブ50までに位置する往管路10a、バイパス通路10c、復管路10bにおけるバイパス通路10cとの接続部から循環ポンプPまでは、管路内を不活性ガス雰囲気へと置換する初期置換ラインMを構成している。また、A筒側の精製筒1A、第1導出管13a、往管路10a、バイパス通路10c、復管路10b、循環ポンプP、及び第1導入管12aにより、A筒側の自己循環回路が形成されている。そして、B筒側の精製筒1B、第2導出管13b、往管路10a、バイパス通路10c、復管路10b、循環ポンプP、及び第2導入管12bによりB筒側の自己循環回路が形成されている。
【0032】
また、ボックスGには、酸素計41と、露点計42と、圧力センサ43とが設けられている。酸素計41は、ボックスG内の酸素量を計測する。露点計42は、ボックスG内の露点を計測する。圧力センサ43は、ボックスGの圧力(内圧)を計測する。酸素計41と、露点計42と、圧力センサ43は、コントローラ23に電気的に接続されている。酸素計41、露点計42及び圧力センサ43の各計測結果は、コントローラ23に送信される。そして、酸素計41の計測結果、及び露点計42の計測結果は操作パネル32に表示される。
【0033】
コントローラ23は、酸素計41と露点計42の計測結果から、ボックスG内の酸素濃度及び水分濃度の推移を記憶し、さらに、ボックスGの容積と酸素濃度及び水分濃度の変化量と、計測時間とから、精製筒1A,1Bでの不純物(酸素及び水分)の吸着量を推定するようになっている。そして、コントローラ23は、ボックス循環動作中に、推定した不純物の吸着量が予め設定された基準値に到達すると、その旨を指令装置26に出力するようになっている。なお、吸着量の基準値とは、精製筒1A,1BからボックスGへ供給される不活性ガスの不純物濃度が、ボックスGでの製造工程に影響を与えない濃度に維持できる値となっている。
【0034】
不活性ガス供給源Nには、管路10dが接続され、該管路10dは分岐管路14a,14bに分岐している。そして、分岐管路14aは、第1導出管13aに接続され、分岐管路14bは第2導出管13bに接続されている。分岐管路14a,14b上にはそれぞれバルブ54a,54bが設けられている。また、管路10d上には、フィルタ61、バルブ62、レギュレータ63、及び逆止弁64が設けられている。
【0035】
また、還元ガス供給源Hには、管路10eが接続され、該管路10eは分岐管路15a,15bに分岐している。そして、管路10eから分岐した分岐管路15aは、第1導出管13aに接続され、分岐管路15bは第2導出管13bに接続されている。分岐管路15a,15b上にはそれぞれバルブ55a,55bが設けられている。また、管路10e上には、フィルタ65、バルブ66、レギュレータ67、逆止弁68、及び絞り69が設けられ、さらに、圧力センサ70が接続されている。圧力センサ70はコントローラ23に電気的に接続されている。
【0036】
また、酸素供給源Dには、管路10fが接続され、該管路10fは、往管路10aであってフィルタFよりも不活性ガスの流通方向上流側に接続されている。管路10f上には、フィルタ75、バルブ76、レギュレータ77、及び逆止弁78が設けられている。
【0037】
第1導入管12aには第1排出管16aが接続され、第2導入管12bには第2排出管16bが接続されており、第1排出管16aと第2排出管16bとは排出管16に接続されている。第1,第2排出管16a,16b上にはそれぞれバルブ56a,56bが設けられている。
【0038】
第1導入管12aにおいて、第1排出管16aよりも不活性ガスの流通方向上流側には圧力センサ82が設けられるとともに、第2排出管16bよりも不活性ガスの流通方向上流側には圧力センサ83が設けられている。圧力センサ82,83は、コントローラ23に電気的に接続されている。第1導入管12aには第1圧抜き管17aが接続され、第2導入管12bには第2圧抜き管17bが接続されており、第1圧抜き管17aと第2圧抜き管17bとは圧抜き管17に接続されている。第1,第2圧抜き管17a,17b上にはそれぞれバルブ57a,57bが設けられている。圧抜き管17上にはバルブ72が設けられ、さらに、圧抜き管17には真空ポンプ71が接続されている。真空ポンプ71は、コントローラ23に電気的に接続されている。
【0039】
圧抜き管17において、真空ポンプ71よりも上流側には分岐圧抜き管74の一端が接続されるとともに、この分岐圧抜き管74の他端は、往管路10aにおいて、流量センサ60よりも不活性ガスの流通方向下流側に接続されている。この分岐圧抜き管74上にはバルブ59が設けられている。
【0040】
また、復管路10bにおいて、循環ポンプPよりも不活性ガスの流通方向下流側であり、第1導入管12a及び第2導入管12bへの分岐点よりも上流側には排気管80が接続されている。この排気管80上にはバルブ81が設けられている。また、排気管80と循環ポンプPとの間には、圧力センサ73が設けられている。圧力センサ73は、循環回路C1内の圧力を計測する。圧力センサ73は、コントローラ23に電気的に接続されている。
【0041】
なお、循環精製装置11において、精製部22は、第1,第2導入管12a,12bと、該第1,第2導入管12a,12b上のバルブ52a,52bと、精製筒31(1A,1B)と、第1,第2導出管13a,13bと、該第1,第2導出管13a,13b上のバルブ53a,53bとから構成されている。また、往管路10aは、第1,第2導出管13a,13bを含み、復管路10bは第1,第2導入管12a,12bを含んでいる。
【0042】
次に、操作パネル32の構成を図5にしたがって説明する。
操作パネル32には、タッチパネル式の表示画面33が設けられている。表示画面33には、その操作によって図6(a)に示す操作画面M1、及び図6(b)に示すモニタ画面M2が表示可能になっている。図6(a)に示すように、操作画面M1には、4つの循環回路C1〜C4それぞれの各精製筒31で行われている動作が表示されるようになっている。
【0043】
具体的には、操作画面M1では、循環回路C1は「LINE#1」、循環回路C2は「LINE#2」、循環回路C3は「LINE#3」、循環回路C4は「LINE#4」と表示されるようになっている。また、各循環回路C1〜C4でのA筒側の精製筒31は、操作画面M1でAと表示された上下方向に延びる列で表示され、B筒側の精製筒31は、操作画面M1でBと表示された上下方向に延びる列で表示されるようになっている。
【0044】
さらに、各循環回路C1〜C4での動作については、置換動作については「REPLACE]、還元再生動作については「REGENERATION」、自己循環動作については「SELF−CIRCURATION]、ボックス循環動作については「CIRCURATION]と表示されるようになっている。また、「REPLACE]、「REGENERATION」、「SELF−CIRCURATION]、及び「CIRCURATION]の各表示は、この順序でA筒側及びB筒側それぞれで上から下に並ぶように表示されている。
【0045】
そして、図7(a)で色付けした部位で示すように、操作画面M1においては、動作が終了した精製筒31を示唆する旨が表示されるようになっている。また、操作画面M1では、終了した動作を示唆するために、「REPLACE]、「REGENERATION」、「SELF−CIRCURATION]、及び「CIRCURATION]の表示が色付けされるようになっている。また、操作画面M1においては、精製筒31で実行されている動作が点滅表示されるようになっている。例えば、図7(a)に示すように、循環回路C1(LINE#1)の精製筒1Bで還元再生動作されている場合には、「REGENERATION」の表示が点滅表示されるようになっている。
【0046】
また、循環精製装置11においては、操作パネル32の操作によって、還元再生動作させる精製筒31を任意に選定できるようになっている。具体的には、操作パネル32において、操作画面M1における「REGENERATION」の表示が押下操作されると、コントローラ23はその操作された精製筒31の還元再生動作を停止させると共に、操作画面M1においては、停止させた精製筒31に対応した「REGENERATION」の点滅表示を停止させる。さらに、コントローラ23は、停止させた精製筒31の次の番号の循環回路の精製筒31の還元再生動作を開始させるとともに、操作画面M1においては、動作中の精製筒31に対応した「REGENERATION」の表示を点滅表示させる。
【0047】
例えば、操作画面M1において、循環回路C1(LINE#1)のB筒側の「REGENERATION」の表示が押下操作されると、コントローラ23はその入力された循環回路C1の精製筒1Bの還元再生動作を停止させる。さらに、コントローラ23は、押下操作された循環回路C1の次の番号の循環回路C2の精製筒2Bの還元再生動作を開始させるとともに、図8(b)に示すように、循環回路C2(LINE#2)のB筒側の「REGENERATION」を点滅表示させる。
【0048】
そして、精製筒31における還元再生動作の停止と、その停止された次の番号の精製筒31の還元再生動作の開始を繰り返すことで、所望する精製筒31に還元再生動作させることができるようになっている。なお、還元再生動作させる精製筒31の選定作業において、停止させる「REGENERATION」の表示が押下操作されると、図8(a)に示すように、その押下操作された精製筒31の列に「STOP」の文字が表示されるようになっている。逆に、押下操作されない精製筒31の列には「STOP」の文字は表示されない。
【0049】
図6(b)に示すように、モニタ画面M2には、4つの循環回路C1〜C4それぞれのボックスG内での酸素計41の計測結果、及び露点計42の計測結果が表示されるようになっている。すなわち、酸素計41の計測結果は、「酸素量」としてモニタ画面M2に表示されるとともに、露点計42の計測結果は、「露点[℃]」としてモニタ画面M2に表示されるようになっている。また、モニタ画面M2において、循環回路C1〜C4は、操作画面M1と同様に「LINE#1」、「LINE#2」、「LINE#3」、「LINE#4」と表示されるようになっている。
【0050】
図5に示すように、表示画面33の右上段には、非常停止スイッチ34が設けられている。また、表示画面33の右中段には、電源ランプ35と、ブザースイッチ36と、リセットスイッチ37とが設けられている。また、表示画面33の右下段には、オンラインスタートスイッチ38と、オフラインスタートスイッチ39と、オフラインストップスイッチ40とが設けられている。
【0051】
本実施形態の循環精製装置11は、制御モード(制御形式)として、オンラインモードと、オフラインモードと、メンテナンスモードとからなる複数(3つ)の制御モードを備えている。オンラインモードは、通信機能を介して外部に設けられた指令装置26からの指示にしたがってコントローラ23に制御を実行させる(循環回路C1〜C4を動作させる)モードである。オンラインモード中は、表示画面33による入力操作は無効となる。オンラインモードは、オンラインスタートスイッチ38の押下操作によって起動する。また、オフラインモードは、表示画面33の入力操作が有効とされ、その入力操作にしたがってコントローラ23に制御を実行させる(循環回路C1〜C4を動作させる)モードである。オフラインモードは、オフラインスタートスイッチ39の押下操作によって起動し、オフラインストップスイッチ40の押下操作によって終了する。
【0052】
また、メンテナンスモードは、循環回路中の各種機器(精製部22、バルブ、循環ポンプP、フィルタFなど)を個別に操作するため、及びコントローラ23に初期置換動作を実行させるためのモードであり、メンテナンス作業(例えば、フィルタFの交換など)用のモードである。また、メンテナンスモードには、オフラインモード中に表示画面33を入力操作することによって切り換えられる。メンテナンスモード中、循環精製装置11(コントローラ23)の動作は一旦停止され、メンテナンスモード終了後に一旦停止状態から再開される。
【0053】
次に、コントローラ23の制御による循環回路C1〜C4の動作について図3を用いて説明する。本実施形態の循環精製装置11において各循環回路C1〜C4は、循環精製装置11の設置時、及びメンテナンス時に初期置換動作を行う。また、循環精製装置11の稼働時には、各循環回路C1〜C4は、置換動作と、還元再生動作と、自己循環動作と、ボックス循環動作を行う。これらの各動作は、各循環回路C1〜C4で実行可能な共通動作であることから、以下の説明では、図3に示す循環回路C1の動作について説明する。また、以下の説明では、当該説明中に特に記載していないバルブについては閉状態となっているものとする。
【0054】
初期置換動作は、自己循環回路(初期置換ラインM)を真空引きし、さらに、自己循環回路に不活性ガス(本実施形態では窒素)を供給して、自己循環回路の不純物濃度を低下させる動作である。初期置換動作は、全ての循環回路C1〜C4を含めて複数の精製筒31が同時に動作することなく、片方の1筒ずつ動作する。
【0055】
コントローラ23は、循環回路C1における自己循環回路(初期置換ラインM)を置換動作させる場合、分岐圧抜き管74のバルブ59とバイパス通路10cのバルブ58とを開状態に設定し、真空ポンプ71を駆動させる。真空ポンプ71の駆動により、初期置換ラインMは、真空引きされる。そして、コントローラ23は、バルブ59を閉状態に戻して真空引きを停止させ、分岐管路14aのバルブ54aと往管路10aのバルブ53aを開状態に設定するとともに、管路10dのバルブ62を開状態に設定する。この設定により、不活性ガス供給源Nの不活性ガスは、不純物を除去するフィルタ61と不活性ガスを減圧するレギュレータ63とを通過し、管路10dに接続された分岐管路14aから第1導出管13aを介して初期置換ラインM内に供給される。不活性ガスが供給された初期置換ラインM内は、不活性ガスで満たされるとともに初期置換動作前に比べて不活性ガス濃度が上昇する結果、不純物濃度が低下する。そして、自己循環回路(初期置換ラインM)の置換後、コントローラ23は、バルブ54aとバルブ53aとバルブ62を閉状態に戻す。
【0056】
置換動作は、精製筒31内を不活性ガス(本実施形態では窒素)に置換する動作である。置換動作は、全ての循環回路C1〜C4を含めて複数筒が同時に動作することなく、1筒ずつ動作する。
【0057】
コントローラ23は、循環回路C1の精製部22に設けられた精製筒1Aを置換動作させる場合、第1圧抜き管17aのバルブ57aと圧抜き管17のバルブ72とを開状態に設定し、真空ポンプ71を駆動させる。真空ポンプ71の駆動により、精製筒1Aは、真空引きされる。そして、コントローラ23は、バルブ57aとバルブ72を閉状態に戻し、管路10dのバルブ62と分岐管路14aのバルブ54aを開状態に設定する。この設定により、不活性ガス供給源Nの不活性ガスは、不純物を除去するフィルタ61と不活性ガスを減圧するレギュレータ63とを通過し、管路10dに接続された分岐管路14aから精製筒1A内に供給される。不活性ガスが供給された精製筒1A内は、不活性ガスで満たされ、置換される。精製筒1Aの置換後、コントローラ23は、バルブ54aとバルブ62を閉状態に戻す。
【0058】
また、コントローラ23は、循環回路C1の精製部22に設けられた精製筒1Bを置換動作させる場合、第2圧抜き管17bのバルブ57bと圧抜き管17のバルブ72とを開状態に設定し、真空ポンプ71を駆動させる。真空ポンプ71の駆動により、精製筒1Bは、真空引きされる。そして、コントローラ23は、バルブ57bとバルブ72を閉状態に戻し、管路10dのバルブ62と分岐管路14bのバルブ54bを開状態に設定する。この設定により、不活性ガス供給源Nの不活性ガスは、前述同様に、管路10dに接続された分岐管路14bから精製筒1B内に供給される。不活性ガスが供給された精製筒1B内は、不活性ガスで満たされ、置換される。精製筒1Bの置換後、コントローラ23は、バルブ54bとバルブ62を閉状態に戻す。
【0059】
次に、還元再生動作について説明する。
還元再生動作は、精製筒31内の触媒層を還元するとともに吸着剤層を再生する動作である。還元再生動作は、置換動作と同様に、全ての循環回路C1〜C4を含めて複数筒が同時に動作することなく、1筒ずつ動作する。
【0060】
コントローラ23は、循環回路C1の精製部22に設けられた精製筒1Aを還元再生動作させる場合、管路10eのバルブ66と、分岐管路15aのバルブ55aと、第1排出管16aのバルブ56aとを開状態に設定する。この設定により、還元ガス供給源Hの還元ガス(本実施形態では水素)は、不純物を除去するフィルタ65と還元ガスを減圧するレギュレータ67とを通過し、管路10eに接続された分岐管路15aから精製筒1A内に供給される。また、コントローラ23は、還元再生動作の開始とともに精製筒1A内のヒータの電源を投入し、触媒層と吸着剤層とを加熱する。すると、触媒層に捕捉されていた酸素は、還元ガスである水素と反応して水となって触媒から離脱する。また、吸着剤層に吸着されていた水も吸着剤から離脱する。これらの離脱した水は、還元ガスとともに第1排出管16a及び排出管16を通過して排出される。また、コントローラ23は、第1圧抜き管17aのバルブ57aと圧抜き管17のバルブ72とを開状態に設定し、真空ポンプ71を駆動させて精製筒1A内を真空引きさせる。
【0061】
この還元再生動作により、精製筒1Aの触媒層と吸着剤層とが還元再生され、触媒層の酸素捕捉能及び吸着剤層の水除去能が回復される。精製筒1Aの還元再生後、コントローラ23は、バルブ66と、バルブ55aと、バルブ56aと、バルブ57aと、バルブ72とを閉状態に戻す。また、コントローラ23は、還元再生後、バルブ62とバルブ54aとを開状態に設定し、精製筒1A内に不活性ガス(窒素)を供給させる。
【0062】
また、コントローラ23は、循環回路C1の精製部22に設けられた精製筒1Bを還元再生動作させる場合、バルブ66と、バルブ55bと、バルブ56bとを開状態に設定する。この設定により、還元ガス供給源Hの還元ガスは、分岐管路15bから精製筒1B内に供給される。また、コントローラ23は、還元再生動作の開始とともに精製筒1B内のヒータの電源を投入し、触媒層と吸着剤層とを加熱する。すると、前述と同様に、触媒層と吸着材層から離脱した水は、還元ガスとともに第2排出管16b及び排出管16を通解して排出される。また、コントローラ23は、バルブ57bとバルブ72とを開状態に設定し、真空ポンプ71を駆動させて精製筒1B内を真空引きさせる。
【0063】
この還元再生動作により、精製筒1Bの触媒層と吸着剤層とが還元再生される。精製筒1Bの還元再生後、コントローラ23は、バルブ66と、バルブ55bと、バルブ56bと、バルブ57bと、バルブ72とを閉状態に戻す。また、コントローラ23は、還元再生後、バルブ62とバルブ54bとを開状態に設定し、精製筒1B内に不活性ガス(窒素)を供給させる。
【0064】
次に、自己循環動作について説明する。
自己循環動作は、不活性ガスを、循環精製装置11とボックスGとの間で循環させず、循環回路C1〜C4内の自己循環回路で循環させる動作である。自己循環動作は、1つの循環回路に設けられた2本の精製筒31の片方のみが動作し、全ての循環回路C1〜C4において各1筒の同時動作が可能とされている。具体的に言えば、例えば、各循環回路C1〜C4のA筒側を同時に自己循環動作させることが可能とされている。
【0065】
コントローラ23は、循環回路C1の精製部22に設けられた精製筒1A側を自己循環動作させる場合、バイパス通路10cのバルブ58と、第1導出管13aのバルブ53aと、第1導入管12aのバルブ52aとを開状態に設定し、循環ポンプPを駆動させる。この設定により、不活性ガスは、ボックスGへ供給されることなく、精製筒1A側で自己循環する。すなわち、不活性ガスは、精製筒1A→第1導出管13a→往管路10a→バイパス通路10c→復管路10b→循環ポンプP→第1導入管12aを通過し、精製筒1Aに再び戻る。よって、本実施形態では、精製筒1A、第1導出管13a、往管路10a、バイパス通路10c、復管路10b、循環ポンプP、及び第1導入管12aにより自己循環回路が形成されている。
【0066】
また、コントローラ23は、循環回路C1の精製部22に設けられた精製筒1B側を自己循環動作させる場合、バイパス通路10cのバルブ58と、第2導出管13bのバルブ53bと、第2導入管12bのバルブ52bとを開状態に設定し、循環ポンプPを駆動させる。この設定により、不活性ガスは、ボックスGへ供給されることなく(ボックスGを通ることなく)、精製筒1B側で自己循環する。すなわち、不活性ガスは、精製筒1B→第2導出管13b→往管路10a→バイパス通路10c→復管路10b→循環ポンプP→第2導入管12bを通過し、精製筒1Bに再び戻る。よって、本実施形態では、精製筒1B、第2導出管13b、往管路10a、バイパス通路10c、復管路10b、循環ポンプP、及び第2導入管12bにより自己循環回路が形成されている。
【0067】
次に、ボックス循環動作について説明する。
ボックス循環動作は、不活性ガスを、循環精製装置11とボックスGとの間で循環させる動作である。ボックス循環動作は、1つの循環回路に設けられた2本の精製筒31の片方のみが動作し、全ての循環回路C1〜C4において各1筒の同時動作が可能とされている。具体的に言えば、例えば、各循環回路C1〜C4のA筒側を同時にボックス循環動作させることが可能とされている。
【0068】
コントローラ23は、循環回路C1の精製部22に設けられた精製筒1A側をボックス循環動作させる場合、往管路10aのバルブ50と、復管路10bのバルブ51と、第1導出管13aのバルブ53aと、第1導入管12aのバルブ52aとを開状態に設定し、循環ポンプPを駆動させる。この設定により、不活性ガスは、ボックスGへ供給され、精製筒1A側でボックス循環する。すなわち、不活性ガスは、精製筒1A→第1導出管13a→往管路10a→ボックスG→復管路10b→循環ポンプP→第1導入管12aを通過し、精製筒1Aに再び戻る。精製筒1Aに戻った不活性ガスは、精製筒1A内を通過することにより、触媒層にて不活性ガス中に含まれる酸素、及び少量の一酸化炭素、水素、二酸化炭素などが除去されるとともに吸着剤層にて不活性ガス中に含まれる水分、及び少量の一酸化炭素、二酸化炭素が吸着される。そして、精製筒1Aからは、精製後の不活性ガスがボックスGへ再び供給される。
【0069】
また、コントローラ23は、循環回路C1の精製部22に設けられた精製筒1B側をボックス循環動作させる場合、往管路10aのバルブ50と、復管路10bのバルブ51と、第2導出管13bのバルブ53bと、第2導入管12bのバルブ52bとを開状態に設定し、循環ポンプPを駆動させる。この設定により、不活性ガスは、ボックスGへ供給され、精製筒1B側でボックス循環する。すなわち、不活性ガスは、精製筒1B→第2導出管13b→往管路10a→ボックスG→復管路10b→循環ポンプP→第2導入管12bを通過し、精製筒1Bに再び戻る。精製筒1Bに戻った不活性ガスは前述同様に精製され、当該精製筒1Bからは、精製後の不活性ガスがボックスGへ再び供給される。
【0070】
以下、コントローラ23の制御によって前述した各動作を実行させる手順を説明する。循環精製装置11の初期起動時(初期電源投入時)、コントローラ23は、オフラインモードで待機状態にあるとする。そして、初期置換動作は、オフラインモード中に表示画面33が入力操作されることでメンテナンスモードに切り換えられて実行される。
【0071】
まず、コントローラ23は、全ての循環回路C1〜C4の自己循環回路(初期置換ラインM)を初期置換動作させる初期置換処理を実行する。初期置換処理においてコントローラ23は、自己循環回路のうちの初期置換ラインMを真空引きさせる。次に、コントローラ23は、管路10e上の圧力センサ70により自己循環回路(初期置換ラインM)の圧力が所定圧(本実施形態では−90kPa)以下になったか否かを判定する。この判定結果が肯定になった場合、コントローラ23は、真空引きを停止させる。判定結果が否定になった場合、コントローラ23は判定結果が肯定になるまで判定処理を繰り返す。
【0072】
その後、コントローラ23は、自己循環回路に不活性ガスを充填する処理を実行する。そして、コントローラ23は圧力センサ82により自己循環回路の圧力が所定圧(本実施形態では12kPa)以上になったか否かを判定する。この判定結果が肯定になった場合、コントローラ23は、不活性ガスによる充填動作を終了させ、初期置換処理を終了させる。判定結果が否定になった場合、コントローラ23は判定結果が肯定になるまで判定処理を繰り返す。
【0073】
初期置換動作実行後、循環精製装置11が動作される。
まず、コントローラ23は、オンラインスタートスイッチ38又はオフラインスタートスイッチ39が押下操作されることを契機に、循環精製システムSが不活性ガスを循環可能な状態となるように自動セッティングする。最初に、コントローラ23は、全ての循環回路C1〜C4の精製筒31を置換動作させる置換処理を実行する。置換処理においてコントローラ23は、1筒ずつ置換動作させるように制御する。具体的に言えば、コントローラ23は、循環回路C1の精製筒1A→精製筒1B→循環回路C2の精製筒2A→精製筒2B→循環回路C3の精製筒3A→精製筒3B→循環回路C4の精製筒4A→精製筒4Bの順に置換動作させる。
【0074】
そして、コントローラ23は、全ての精製筒31を置換動作させて置換処理が完了すると、全ての循環回路C1〜C4の精製筒31を還元再生動作させる還元再生処理を実行する。還元再生処理においてコントローラ23は、1筒ずつ還元再生動作させるように制御する。本実施形態のコントローラ23は、先にA筒側の精製筒31を1筒ずつ還元再生動作させた後、次にB筒側の精製筒31を1筒ずつ還元再生動作させる。具体的に言えば、最初に、コントローラ23は、循環回路C1の精製筒1A→循環回路C2の精製筒2A→循環回路C3の精製筒3A→循環回路C4の精製筒4Aの順に還元再生動作させ、全てのA筒側の精製筒31が還元再生を完了した状態とする。その後、コントローラ23は、循環回路C1の精製筒1B→循環回路C2の精製筒2B→循環回路C3の精製筒3B→循環回路C4の精製筒4Bの順に還元再生動作させ、全てのB筒側の精製筒31が還元再生を完了した状態とする。
【0075】
精製筒31の還元再生が完了すると、循環回路では、自己循環可能な状態となる。このため、コントローラ23は、全てのA筒側の精製筒31が還元再生を完了した時点で、A筒側の精製筒31を用いて各循環回路C1〜C4において自己循環動作させるように自己循環処理を実行する。すなわち、A筒側とB筒側を交互に還元再生動作させた場合、全ての循環回路C1〜C4が自己循環可能な状態となるまでに時間を要する。そして、コントローラ23は、A筒側の精製筒31を自己循環させると同時にB筒側の精製筒31を還元再生させる。なお、B筒側の精製筒31は、還元再生を完了した時点で既にA筒側による自己循環動作が行われているので、自己循環可能な状態で待機することとなる。
【0076】
コントローラ23は、A筒側の精製筒31で各循環回路C1〜C4に自己循環動作させ、かつ、全てのB筒側の精製筒31を還元再生動作させたことにより、不活性ガスを循環可能な状態で循環精製装置11を待機させる。そして、コントローラ23は、指令装置26からの循環指示(オンラインモード時)又は操作パネル32からの循環指示(オフラインモード時)を受信すると、循環回路C1〜C4をボックス循環動作させるボックス循環処理を実行する。なお、循環指示は、循環回路C1〜C4を個別指定して指示することが可能であって、コントローラ23は、指示された循環回路をボックス循環動作させる。
【0077】
その後、コントローラ23は、指令装置26からの循環切替指示(オンラインモード時)又は操作パネル32からの循環切替指示(オフラインモード時)を受信すると、ボックス循環動作を行っている精製筒31を切り替える。例えば、循環回路C1において、精製筒1Aがボックス循環動作中で、精製筒1Bが待機状態である場合、コントローラ23は、循環切替指示を受信することにより、ボックス循環動作させる精製筒31を精製筒1Bに切り替える。なお、循環切替指示は、循環回路C1〜C4を個別指定して指示することが可能であって、コントローラ23は、指示された循環回路のボックス循環動作を切り替える。
【0078】
そして、コントローラ23は、循環切替指示を受信し、切り替えた場合、切り替え元の精製筒31を自動的に還元再生動作させる。例えば、前述のように、ボックス循環動作させる精製筒31を精製筒1Aから精製筒1Bに切り替えた場合、コントローラ23は、精製筒1Aを還元再生動作させる。
【0079】
さて、例えば、B筒側の精製筒31において各循環回路C1〜C4でボックス循環動作させているとき、B筒側の精製筒31のうち循環回路C2の精製筒2Bでの不純物(酸素及び水分)の吸着量が予め設定された基準値に到達したとする。この場合、コントローラ23は、循環回路C2の精製筒2Bの還元再生動作が必要である旨を指令装置26に出力する。例えば、指令装置26の表示画面に、循環回路C2の精製筒2Bでの不純物の吸着量が予め設定された基準値に到達し、還元再生動作が必要であることを表示させる。また、このとき、図7(b)に示すように、モニタ画面M2には、循環回路C2におけるボックスGの露点が、他の循環回路C1,C3,C4におけるボックスGの露点より高く、循環回路C2におけるボックスGの酸素量が、他の循環回路C1,C3,C4におけるボックスGの酸素量より高いことが表示される。
【0080】
すると、作業者は、B筒側の精製筒31において、ボックス循環動作の終了後に還元再生動作させる精製筒31の順序を、予め設定されていた順序から変更し、新たに設定した順序に予約する作業を実施する。ここで、予め設定された順序は、循環回路C1の精製筒1B→循環回路C2の精製筒2B→循環回路C3の精製筒3B→循環回路C4の精製筒4Bとなっている。このため、作業者は、循環回路C2の精製筒2Bを最初に還元再生動作させるために、操作画面M1において、循環回路C1を表示する「LINE#1」における精製筒1Bの還元再生を表示する「REGENERATION」の表示を押下操作する。このとき、図8(a)に示すように、その押下操作された循環回路C1の列に「STOP」の文字が表示される。
【0081】
そして、上記押下操作により、還元再生動作させる順序が、循環回路C1の精製筒1Bが順序の最後に回り、循環回路C2の精製筒2Bが最初に変更されるとともに、その変更後の順序がコントローラ23に設定される。すなわち、図8(b)に示すように、還元動作させる順序が、「循環回路C1の精製筒1B→循環回路C2の精製筒2B→循環回路C3の精製筒3B→循環回路C4の精製筒4B」から、「循環回路C2の精製筒2B→循環回路C3の精製筒3B→循環回路C4の精製筒4B→循環回路C1の精製筒1B」に変更される。
【0082】
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)循環精製装置11のコントローラ23は、8本の精製筒31のうち任意に選定された精製筒31から還元再生処理を実行する。このため、還元再生動作させたい精製筒31を、予め設定された順番に到達するまで待機させる必要がなくなる。
【0083】
(2)コントローラ23は、ボックスG内の不純物量(酸素量及び水分量)を基に精製筒31の不純物の吸着量を推定することができる。そして、不純物の吸着量が基準値に到達した精製筒31から還元再生動作させるように、精製筒31を選定する。よって、精製筒31の吸着能力が低下する前に還元再生動作させることができる。したがって、不純物が多く発生するボックスGを備える循環回路での精製筒31は、不純物吸着量が基準値に到達する時間が、他の精製筒31に比べると短くなる。よって、還元再生動作させる順序を変更可能にすることで、不純物吸着量が基準値に到達する時間が短い精製筒31を優先的に還元再生動作させて、その精製筒31の寿命を延ばすことができる。
【0084】
(3)指令装置26には、不純物の吸着量が基準値に到達した精製筒31が報知されるようになっている。よって、指令装置26での報知から、作業者は還元再生動作させる精製筒31を速やかに把握することができ、精製筒31の吸着能力が低下することを未然に防ぐことができる。
【0085】
(4)精製筒31とボックスGとを接続する往管路10aと復管路10bとをバイパス通路10cで接続するとともに、往管路10aと、復管路10bと、バイパス通路10cとから初期置換ラインMを構成し、この初期置換ラインMは自己循環動作時に不活性ガスが循環する自己循環回路の一部を構成している。また、往管路10aに分岐圧抜き管74を接続するとともに、分岐圧抜き管74に真空ポンプ71を接続した。そして、真空ポンプ71により自己循環回路の初期置換ラインMを真空引きすることにより、自己循環回路における初期置換ラインMの不純物濃度を低下させることができる。
【0086】
(5)さらに、真空引きされた初期置換ラインMには不活性ガス供給源Nから不活性ガスが供給され、自己循環回路での不純物濃度を低下させることができる。よって、自己循環動作させたとき、初期置換ラインMの不純物が精製筒31に吸着されることを防止することができる。
【0087】
(6)ボックスGと精製筒31とを接続する往管路10a、及び復管路10bには不純物が混入しやすく、この往管路10a、及び復管路10bが長ければ長いほど不純物の濃度は上昇する。よって、往管路10a及び復管路10bでの不純物濃度を低く抑えるには往管路10a及び復管路10bを短くすることが必要となり、循環精製装置11の配置が限られてくる。しかし、初期置換動作させることで、往管路10a及び復管路10b内の不純物濃度を低下させることができるため、往管路10a及び復管路10bの長さの制限を無くすことができ、循環精製装置11の配置の制限を無くすことができる。
【0088】
(7)ボックス循環動作させる精製筒31を切替えた場合に、循環対象外の精製筒31(使用しない側の精製筒31)を自動で還元再生動作させるようにした。このため、次回の精製筒31の切替え迄の間に片方の精製筒31を循環可能状態で待機させておくことができる。したがって、精製筒31の切替え時に不活性ガスの循環が一旦停止せず、連続して不活性ガスを供給することができる。
【0089】
(8)循環精製装置11によって不活性ガスを精製し、循環させることで、不活性ガスの再利用化を図ることができる。その結果、不活性ガスの大量消費に伴うコスト増を抑制することできる。また、循環精製装置11とボックスGとの間は閉回路を構成しているため、不活性ガスと大気との接触による不活性ガスの純度低下を防止することができる。
【0090】
(9)循環精製装置11が備える操作パネル32の操作画面M1には、各循環回路C1〜C4におけるA筒側及びB筒側での精製筒31の動作状況が表示される。そして、任意の精製筒31に還元再生動作させる際、作業者が停止させる精製筒31の表示を押下操作すると、コントローラ23は、押下操作された精製筒31の次の循環回路での精製筒31から還元動作させる。よって、操作画面M1を操作するだけの簡単な作業で任意の精製筒31を還元再生動作させることができる。
【0091】
(10)初期置換動作させる際に駆動される真空ポンプ71は、循環精製装置11の稼働時に置換動作、及び還元再生動作させる際に用いられるものである。よって、初期置換動作のために真空ポンプ71を増設することなく自己循環動作後の精製部22における不純物の吸着量を減少させることができる。
【0092】
(11)循環精製装置11が備える操作パネル32の操作画面M1では、作業者が停止させる精製筒31の表示を押下操作すると、コントローラ23は、押下操作された精製筒31に対応して「STOP」を表示させるとともに、還元再生動作させる精製筒31の「REGENERATION」を点滅表示させる。よって、操作画面M1の表示から、作業者は還元再生動作中の精製筒31を視認することができる。
【0093】
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態では、還元再生動作の順序を、循環回路C2の精製筒2B→循環回路C3の精製筒3B→循環回路C4の精製筒4B→循環回路C1の精製筒1Bに変更したが、精製筒31における不純物の吸着量や循環精製装置11の稼働状況に応じて、還元再生動作させる精製筒31を変更し、その順序を任意に変更してもよい。
【0094】
○ 実施形態において、復管路10bに圧力センサを接続し、初期置換動作させたとき、圧力センサにより初期置換ラインMの圧力を計測する。そして、初期置換動作で真空引きした後、分岐圧抜き管74のバルブ59を閉状態としたとき、一定時間経過後に圧力センサにより初期置換ラインMの圧力を計測する。このとき、計測値に変化が有れば、初期置換ラインMからの漏れが発生していることが把握できる。また、計測値の変位量から漏れ量を推定することもできる。
【0095】
○ 実施形態において、ボックスGと循環精製装置11との間に形成される循環回路の数を変更しても良い。例えば、2つ、3つ、5つなどでも良い。
○ 実施形態では、1つの循環回路で1つのボックスGに不活性ガスを供給しているが、複数の循環回路を1つのボックスGに接続し、不活性ガスを供給しても良い。
【0096】
○ 実施形態では、不活性ガスとして窒素に具体化したが、窒素のほかにヘリウム、アルゴン、キセノンに具体化しても良い。また、循環精製装置11で空気を循環させてもよい。
【0097】
○ 実施形態では、吸着材として合成ゼオライトを用いたが、アルミナやシリカゲルを用いても良い。
○ 実施形態において、コントローラ23と指令装置26との間を無線通信としても良い。
【0098】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記制御部は、前記循環精製装置に搭載された操作部に表示された循環回路における精製筒の表示が押下操作されると、その押下操作された精製筒の還元再生動作を停止させるとともに、その次の循環回路における精製筒に還元再生動作させる請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の循環精製装置。
【0099】
(ロ)前記循環精製装置は、前記不活性ガス又は空気を前記供給先に通さずに循環させる自己循環回路を備え、前記自己循環経路には分岐圧抜き管を介して真空ポンプが接続されるとともに前記分岐圧抜き管上にはバルブが設けられ、さらに、前記自己循環回路には前記不活性ガスを供給する不活性ガス供給源が接続されており、前記制御部は、前記バルブを開状態に設定して前記自己循環回路を前記分岐圧抜き管を介して前記真空ポンプにより真空引きした後、前記不活性ガス供給源から前記自己循環回路に前記不活性ガスを供給して、前記自己循環回路の不純物濃度を低下させる初期置換処理を実行する請求項1〜請求項3、及び技術的思想(イ)のうちいずれか一項に記載の循環精製装置。
【0100】
(ハ)不活性ガス又は空気の供給先に接続され、該供給先との間に形成される複数の循環回路を介して前記不活性ガス又は空気を循環させる循環精製装置による精製方法であって、前記循環精製装置は、前記複数の循環回路それぞれに、前記供給先から排出された前記不活性ガス又は空気を受け入れて、該不活性ガス又は空気に含まれる不純物を除去し、前記不活性ガス又は空気を精製する精製筒を備え、前記精製筒における不純物の吸着量が予め設定された基準値に到達した精製筒から還元再生させる循環精製装置による精製方法。
【符号の説明】
【0101】
C1〜C4…循環回路、G…供給先としてのボックス、11…循環精製装置、23…コントローラ(制御部)、26…指令装置、31…精製筒。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不活性ガス又は空気の供給先に接続され、該供給先との間に形成される複数の循環回路を介して前記不活性ガス又は空気を循環させる循環精製装置であって、
前記複数の循環回路それぞれに、前記供給先から排出された前記不活性ガス又は空気を受け入れて、該不活性ガス又は空気に含まれる不純物を除去し、前記不活性ガス又は空気を精製する精製筒を備えるとともに、
前記複数の循環回路の循環に係る制御を実行する制御部を備え、
前記制御部は、前記精製筒を還元再生させる還元再生処理を、前記複数の精製筒のうち任意の精製筒から実行可能にする循環精製装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記供給先の不純物量の計測結果を利用して前記精製筒における前記不純物の吸着量を推定する機能を有し、前記還元再生処理が実行されるのは、前記推定された吸着量が予め設定された基準値に到達した精製筒である請求項1に記載の循環精製装置。
【請求項3】
前記制御部には指令装置が接続され、前記指令装置には前記吸着量が予め設定された基準値に到達した精製筒が報知される請求項2に記載の循環精製装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−255253(P2011−255253A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−129307(P2010−129307)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】