説明

微小構造体の作製方法

【課題】集束イオンビームを用いて作製したダイアモンドライクカーボンによる微小構造体で、ピエゾ抵抗特性が得られるようにする。
【解決手段】基板の上に原料ガスを供給した状態で集束イオンビームを照射し、集束イオンビームの照射箇所にダイアモンドライクカーボンからなる微小構造体を形成する(ステップS101)。次に、形成した微小構造体を加熱して微小構造体より集束イオンビームのイオンを除去して微小構造体にピエゾ抵抗特性を発現させる(ステップS102)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歪みセンサおよび自己検知カンチレバーなどに利用可能な、ピエゾ抵抗特性を有するダイアモンドライクカーボンによる微小構造体の作製方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ピエゾ抵抗特性を有する材料から構成される微細なカンチレバーは、原子間力顕微鏡(AFM)や歪みセンサなどに利用されている(特許文献1参照)。このようなカンチレバーに適用可能なピエゾ抵抗特性を有する材料は、多結晶シリコン、多結晶炭化シリコン、およびアモルファス水素化炭素(a-C:H)など多種多様に存在する。この中で、剛性の高い材料としてダイアモンドライクカーボン(DLC)が注目されている。
【0003】
ピエゾ抵抗特性を有するダイアモンドライクカーボンは、例えば、プラズマアシスト化学気相成長(Plasma Assisted Chemical Vapor Deposition:PACVD)法により成膜でき、形成した膜のピエゾ抵抗特性の評価や、歪みゲージなどへの利用が行われている。
【0004】
しかしながら、PACVD法では、この技術的な特性上、局所的にダイアモンドライクカーボンの膜を形成し、ダイアモンドライクカーボンによるカンチレバーの構造を直接に形成することができない。このため、PACVD法を用いる場合、ダイアモンドライクカーボンを利用した素子(微小構造体)の作製には、複雑なプロセスが必要となる。また、PACVD法を利用する場合、微小構造体の形状の成型には、既存の半導体装置の製造プロセス技術を用いるため、ダイアモンドライクカーボンを用いた3次元的な形状の微小構造体を形成することが容易ではない。
【0005】
これに対し、集束イオンビーム(Focused Ion Beam:FIB)を用いることで、微細な立体構造体を形成する技術が提案されている(特許文献2参照)。この技術によれば、ダイアモンドライクカーボンによる微小構造体が作製できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3188022号公報
【特許文献2】特開2001−107252号公報
【特許文献3】国際公開第2004/076343号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】S.Matsui, et al. ,"Three-dimensional nanostructure fabrication by focused-ion-beam chemical vapor deposition", J. Vac. Sci. Technol. B, vol.18, no.6, pp.3181-3184, 2000.
【非特許文献2】Reo Kometani and Sunao Ishihara, "Nanoelectromechanical device fabrications by 3-D nanotechnology using focused-ion beams", SCIENCE AND TECHNOLOGY OF ADVANCEDMATERIALS, vol.10, 034501, 2009.
【非特許文献3】K. Kanda, et al. ,"NEXAFS study on carbon-based material formed by focused-ion-beam chemical-vapor-deposition", Radiation Physics and Chemistry, vol.75, pp.1850-1854, 2006.
【非特許文献4】T.Hoshino, et al. ,"Development of three-dimensional pattern-generating system for focused-ion-beam chemical-vapor deposition", J.Vac.Sci. Technol. B, vol.21, no.6, pp.2732-2736, 2003.
【非特許文献5】K. Kanda, et al. ,"Effects of Annealing on Material Characteristics of Diamond-Like Carbon Film Formed by Focused-Ion-Beam Chemical Vapor Deposition", Japanese Journal of Applied Physics, vol.47, no.9, pp.7464-7466, 2008.
【非特許文献6】K.Kanda, et al. ,"Graphitization of thin films formed by focused-ion-beam chemical-vapor-deposition", Diamond & Related Materials, vol.18, pp.490-492, 2009.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した集束イオンビームにより作製したダイアモンドライクカーボンの微小構造体では、ピエゾ抵抗特性が得られないという問題があった。
【0009】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、集束イオンビームを用いて作製したダイアモンドライクカーボンによる微小構造体で、ピエゾ抵抗特性が得られるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る微小構造体の作製方法は、基板の上に原料ガスを供給した状態で集束イオンビームを照射し、集束イオンビームの照射箇所にダイアモンドライクカーボンからなる微小構造体を形成する工程と、微小構造体を加熱して微小構造体より集束イオンビームのイオンを除去して微小構造体にピエゾ抵抗特性を発現させる工程とを少なくとも備える。
【0011】
上記微小構造体の作製方法において、加熱の温度は、イオンがダイアモンドライクカーボンより脱離する温度より高く、ダイアモンドライクカーボンがグラファイト化する温度より低いものとすればよい。
【0012】
上記微小構造体の作製方法において、集束イオンビームは、H,He,Be,Al,Si,P,Ar,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,As,Y,Pd,Ag,In,Sn,Sb,Cs,Pt,Au,Pb,Biの中より選択された原子のイオンのビームであればよい。また、原料ガスは、フェナントレン,スチレン,ピレンの中より選択されたものであればよい。ここで、原料ガスとしてフェナントレンを用い、集束イオンビームはガリウムイオンのビームとすれば、加熱は、200〜400℃の範囲で行えばよい。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、ダイアモンドライクカーボンからなる微小構造体を加熱して微小構造体より集束イオンビームのイオンを除去するようにしたので、集束イオンビームを用いて作製したダイアモンドライクカーボンによる微小構造体で、ピエゾ抵抗特性が発現できるという優れた効果が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の実施の形態における微小構造体の作製方法を説明するフローチャートである。
【図2A】図2Aは、本発明の実施の形態における微小構造体の作製方法を説明する説明図である。
【図2B】図2Bは、本発明の実施の形態における微小構造体の作製方法を説明する説明図である。
【図3】図3は、実際に作製した微小構造体の走査型イオン顕微鏡写真である。
【図4】図4は、実際に作製した微小構造体の構成を示す斜視図である。
【図5】図5は、加熱処理をしていないカンチレバー403を先端径約1μmのガラスプローブ404で矢印の方向に押した時の電気特性を、2つの白金電極402を用いた2端子計測法で測定した結果を示す特性図である。
【図6】図6は、図5に示した電気特性の評価に用いたカンチレバー403と同じ材質のダイアモンドライクカーボンからなる構造体を、300℃で加熱した場合の、炭素およびGaの組成比およびsp2/(sp2+sp3)比の、加熱時間による変化を示した特性図である。
【図7】図7は、カンチレバー403の構成を示す構成図である。
【図8】図8は、加熱処理をしたカンチレバー403を先端径約1μmのガラスプローブ404で矢印の方向に押した時の電気特性を、2つの白金電極402を用いた2端子計測法で測定した結果を示す特性図である。
【図9】図9は、ゲージ率の計算結果を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における微小構造体の作製方法を説明するフローチャートである。本実施の形態における微小構造体の作製方法は、まず、基板の上に原料ガスを供給した状態で集束イオンビームを照射し、集束イオンビームの照射箇所にダイアモンドライクカーボンからなる微小構造体を形成する(ステップS101)。次に、形成した微小構造体を加熱して微小構造体より集束イオンビームのイオンを除去して微小構造体にピエゾ抵抗特性を発現させる(ステップS102)。
【0016】
より詳細に説明すると、まず、図2Aに示すように、基板201の上にガスノズル202より、例えばフェナントレンからなる原料ガス203を供給する。次に、この状態で、例えば、ガリウムイオン(Ga+)の集束イオンビーム204を照射することで、集束イオンビーム204の照射箇所にダイアモンドライクカーボンからなる微小構造体205を形成する。
【0017】
例えば、フェナントレンのガス(原料ガス203)を、基板201が載置されている成膜室内に、1×10-4Pa程度の圧力で導入すればよい。また、Ga+の集束イオンビーム204は、例えば、加速電圧30kV、ビーム電流3pAとすればよい。
【0018】
原料ガス203が供給されている状態で、集束イオンビーム204を照射することで、ダイアモンドライクカーボンが堆積し、微小構造体205が形成できる(特許文献2参照)。また、例えば、3次元構造描画装置を用い、照射量を制御した状態で所望とする形状に沿うように集束イオンビーム204の照射位置を移動させることで、微小構造体205が形成できる(特許文献3,非特許文献4参照)。このようにすることで、様々な形状の微小構造体が形成できる。このような集束イオンビームを用いた立体的な微小構造体の形成技術は、数10nmから数10μmオーダーの様々な立体的(3次元的)な構造デバイスを作製する上で非常に有効である。
【0019】
次に、図2Bに示すように、微小構造体205を形成した基板201を加熱装置の処理室211内に搬入して基板載置台212の上に載置し、例えば300℃に加熱する。この加熱により、微小構造体205より集束イオンビームのイオン(Ga+)を除去し、微小構造体205にピエゾ抵抗特性を発現させる。
【0020】
図3は、実際に作製した微小構造体の走査型イオン顕微鏡写真である。微小構造体は、白金電極の上に形成している。図3の写真に示す微小構造体(カンチレバー)は、全幅3μm,高さ25μm、線径200nmである。
【0021】
上述した本実施の形態によれば、集束イオンビームを用いて形成した微小構造体を加熱することで、集束イオンビームの照射とともに微小構造体に取り込まれたイオンを除去したので、ダイアモンドライクカーボンからなる微小構造体にピエゾ抵抗特性が発現されるようになる。
【0022】
次に、加熱することで、集束イオンビームを用いて作製したダイアモンドライクカーボンの微小構造体に、ピエゾ抵抗特性を発現させることについて、より詳細に説明する。まず、図4の斜視図に示すように、ガラス基板401の上に配置した2つの白金電極402の上に、上述同様に、集束イオンビームを利用してダイアモンドライクカーボンからなる微小構造体であるカンチレバー403を形成する。なお、加熱は行わない。カンチレバー403の2つの脚部の各々が、2つの白金電極402の各々に接続した状態に形成する。このように形成することで、カンチレバー403にピエゾ抵抗特性があれば、カンチレバー403を変形させた時の電気特性の変化が、2つの白金電極402により検出できる。
【0023】
上述したように作製したカンチレバー403を、先端径約1μmのガラスプローブ404で矢印の方向に押した時の電気特性を、2つの白金電極402を用いた2端子計測法で測定する。ガラスプローブ404の押す量は、1,2,3,4,5μmとする。この測定結果を図5に示す。図5に示すように、白四角で示す押す量が0μm(初期状態)に比較し、ガラスプローブ404により押された他の状態の電気特性は、何ら変化していない。この結果から明らかなように、集束イオンビームを用いて作製したダイアモンドライクカーボンからなる微小構造体は、ピエゾ抵抗特性を示さない。
【0024】
この点について検討する。まず、ダイアモンドライクカーボンにおけるピエゾ抵抗特性は、よく知られているように、ダイアモンドライクカーボン内の導電的なsp2クラスタと、絶縁的なsp3クラスタの相互作用により発現する。ここで、集束イオンビームを利用して形成したダイアモンドライクカーボンには、イオンビームの照射により照射されたイオンの原子(例えばGa)が含まれている。発明者らは、この原子が、sp2クラスタとsp3クラスタの相互作用を阻害しているものと考えた。
【0025】
上述した考察をもとに、発明者らは、集束イオンビームを用いて形成したダイアモンドライクカーボンの微小構造体より、イオンビームの照射により含まれているGaなどの原子を除去することで、形成したダイアモンドライクカーボンの微小構造体にピエゾ抵抗特性が発現されるという知見を得た。例えば、集束イオンビームによるCVD法で形成したダイアモンドライクカーボンの微小構造体は、おおよそ7%のGaを含有している。このGaは、200℃以上の加熱により除去可能であることが報告されている(非特許文献5参照)。従って、加熱することで、上述した相互作用を阻害するガリウムなどの原子を除去すれば、ダイアモンドライクカーボンにピエゾ抵抗特性を発現させることができるものと考えられる。
【0026】
しかしながら、ダイアモンドライクカーボンは、加熱することでグラファイト化が進行する(非特許文献6参照)。ダイアモンドライクカーボンのグラファイト化は、加熱の温度が400℃を超えると進行する。グラファイトは、炭素のsp2結合により構成されたものであり、加熱によりグラファイト化が進行すれば、微小構造体におけるsp3クラスタが減少する。このように、sp3クラスタが減少すれば、前述したsp2クラスタとsp3クラスタの相互作用が得られなくなり、やはり、ピエゾ抵抗特性が得られなくなる。
【0027】
従って、集束イオンビームを用いて形成したダイアモンドライクカーボンからなる微小構造体にピエゾ抵抗特性を発現させるためには、グラファイト化が抑制されている温度範囲で、イオンビームの照射により導入されたGaなどの原子を除去することが重要となる。上述した場合、加熱は、200〜400℃の範囲で行えばよいことになる。
【0028】
図6は、図5に示した電気特性の評価に用いたカンチレバー403と同じ材質のダイアモンドライクカーボンからなる構造体を、300℃で加熱した場合の、炭素(C)およびGaの組成比およびsp2/(sp2+sp3)比の、加熱時間による変化を示した特性図である。加熱は、約1×10-4Paの真空環境下で行う。また、組成は透過型電子顕微鏡によるエネルギー分散型蛍光X線分析を用いて測定する。また、sp2/(sp2+sp3)比は、透過型電子顕微鏡による電子エネルギー損失分光法を用いて測定する。
【0029】
図6から明らかなように、加熱温度が300℃であれば、加熱時間12時間程度で、カンチレバー(ダイアモンドライクカーボン)よりGaが除去されることがわかる。また、処理時間24時間の範囲では、sp2/(sp2+sp3)比には変化がなく、グラファイト化が進行していないことがわかる。このように、グラファイト化の進行が抑制されている範囲の温度範囲で、イオンビームの照射により取り込まれた原子が除去できる温度以上に加熱することで、集束イオンビームを用いて形成したダイアモンドライクカーボンにピエゾ抵抗特性を発現させることができる。なお、形成した微小構造体の形状や大きさにより、含まれるGaなどの妨害原子の量は異なり、従って、これを除去する時間も含まれる量により異なる。含まれる妨害原子の量が多いほど、加熱時間を長くすればよい。
【0030】
次に、図7に示すように、上述したようにピエゾ抵抗特性を発現させたダイアモンドライクカーボンからなるカンチレバー403を変形させ、この変形による歪みに対するカンチレバー403の電気特性変化を測定する。この測定では、前述同様に、カンチレバー403の先端部を基板401の平面方向に押して変形させ、このときの電気特性の変化を白金電極402を用いた2端子計測法で測定する。押す量(変形量)は、1,2,3,4,5μmとする。
【0031】
なお、カンチレバー403の全幅をwとし、カンチレバー403の高さをhとすると、押す量がdの場合の歪みεは、以下の(1)式により算出できる。上記例では、全幅wが3μmであり、高さhが25μmであるので、押す量1〜5μmに対し、印加される歪みは、約8×10-4〜2×10-2となる。
【0032】
【数1】

【0033】
上記測定の結果、図8に示すように、白四角で示す押す量が0μm(初期状態)に比較し、変形させた他の状態の電気特性が変化しており、加熱処理されたカンチレバー403にピエゾ抵抗特性が発現していることがわかる。
【0034】
また、歪みε、初期電気抵抗R0,および初期状態からの電気抵抗変化量ΔRにより「GR=(ΔR/R0)ε」により求められるゲージ率GRは、図9に示すように、約7〜34となる。
【0035】
以上に説明したように、本実施の形態によれば、集束イオンビームを用いて形成したダイアモンドライクカーボンの物性制御を、加熱により行うことで、ピエゾ抵抗特性を有するダイアモンドライクカーボン構造体の作製が可能であることがわかる。これは、集束イオンビームを利用することにより、ダイアモンドライクカーボンからなるピエゾ抵抗特性を備える微小構造体が、位置選択的に任意形状に形成できることを示している。
【0036】
上述した本発明は、ピエゾ抵抗材料を利用したセンサをはじめとし、微小電気機械システム、光デバイス、バイオデバイスなど、様々な機能を有するデバイス作製に利用可能である。
【0037】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形が実施可能であることは明白である。例えば、上述した集束イオンビームを用いたダイアモンドライクカーボンの堆積は、集束イオンビーム支援蒸着法、または、集束イオンビーム支援堆積法と呼ばれるものであるが、同様の原理に基づくイオンビームを利用した製造技術であれば、前述同様に、ダイアモンドライクカーボンの微小構造体が形成できることはいうまでもない。
【0038】
また、上述では、ガリウムイオンの集束イオンビームを用いた場合について説明したが、これに限るものではなく、集束イオンビームは、H,He,Be,Al,Si,P,Ar,Ni,Cu,Zn,Ge,As,Y,Pd,Ag,In,Sn,Sb,Cs,Pt,Au,Pb,Biの中より選択された原子のイオンのビームを用いることができる。また、これらのイオンビームは、よく知られた液体金属イオン源(Liquid metal ion source: LMIS)およびガス電解電離型(Gas field ion source: GFIS)イオン源により生成可能である。
【0039】
また、上述では、ダイアモンドライクカーボンを形成するための原料ガスとして、フェナントレンを例示したが、これに限るものではなく、スチレン(C88),ピレン(C1610)などの、他の炭化水素のガスを用いるようにしてもよい。また、微小構造体は、カンチレバーに限らず、両持ちの梁構造など他の構造体であってもよい。
【符号の説明】
【0040】
201…基板、202…ガスノズル、203…原料ガス、204…集束イオンビーム、205…微小構造体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上に原料ガスを供給した状態で集束イオンビームを照射し、前記集束イオンビームの照射箇所にダイアモンドライクカーボンからなる微小構造体を形成する工程と、
前記微小構造体を加熱して前記微小構造体より前記集束イオンビームのイオンを除去して前記微小構造体にピエゾ抵抗特性を発現させる工程と
を少なくとも備えることを特徴とする微小構造体の作製方法。
【請求項2】
請求項1記載の微小構造体の作製方法において、
前記加熱の温度は、前記イオンがダイアモンドライクカーボンより脱離する温度より高く、ダイアモンドライクカーボンがグラファイト化する温度より低いことを特徴とする微小構造体の作製方法。
【請求項3】
請求項1または2記載の微小構造体の作製方法において、
前記集束イオンビームは、H,He,Be,Al,Si,P,Ar,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,As,Y,Pd,Ag,In,Sn,Sb,Cs,Pt,Au,Pb,Biの中より選択された原子のイオンのビームであることを特徴とする微小構造体の作製方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の微小構造体の作製方法において、
前記原料ガスは、フェナントレン,スチレン,ピレンの中より選択されたものであることを特徴とする微小構造体の作製方法。
【請求項5】
請求項4記載の微小構造体の作製方法において、
前記原料ガスとしてフェナントレンを用い、
前記集束イオンビームはガリウムイオンのビームとし、
前記加熱は、200〜400℃の範囲で行う
ことを特徴とする微小構造体の作製方法。

【図1】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図9】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−246780(P2011−246780A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122423(P2010−122423)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成21年12月7日〜9日 日本MRS主催の「第19回日本MRS学術シンポジウム」において文書をもって発表
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】