説明

微粉化アロフェンからなる機能性物質及びその組成物

【課題】起泡促進剤、皮膚洗浄剤、毛髪洗浄剤及び/又は体臭吸着剤として優れた作用をする機能性物質、及び、同機能性物質を含有する洗浄剤組成物並びに体臭吸着組成物を提供する。
【解決手段】平均粒子径が0.01乃至100μmの範囲の微粉化アロフェンは、起泡促進効果が増大し、短時間での泡立ち及び泡切れが促進され、泡の持続性が強化される。また、遊離脂肪酸(特に、不飽和脂肪酸)や分泌された皮脂や角栓等の油性汚れの吸着力が増大し、皮膚洗浄剤及び毛髪洗浄剤としての機能が大幅に強化される。更に、体臭吸着剤としての機能が著しく強化され、加齢臭や足の臭いを強力に吸着する。また、人間の肌に対するなじみ具合が大幅に改善される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微粉化されたアロフェンからなる機能性物質及びその組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化粧品は、一般に、使用時及び使用後の感触が重視される傾向が強い。例えば、毛髪洗浄料や皮膚洗浄料には、本来の機能である洗浄力に加えて、洗浄開始時の泡立ちの早さ、洗浄時の泡の量、泡の大きさ、泡質及び泡の持続力、すすぎ洗い時の流し易さ及び滑らかさ、そして、洗浄後のさっぱり感やつるつる感等の感触が重要視される。特に、気泡については、洗浄開始時に短時間で豊かに泡立つ起泡力が求められる他に、洗浄中に気泡の細かさによって得られるクリーミーな感触が好まれる傾向にある。しかしながら、例えば、セッケン素地、N−アシルアミノ酸塩、アミドエーテル流酸塩、アルキルエーテル流酸塩を主成分とする洗浄剤組成物は、起泡力、泡量、泡の細かさ、泡質、泡の持続性、すすぎ洗い時のなめらかさ、洗浄後のさっぱり感やつるつる感等において、未だ、十分に満足できる程度にまでは至っていない。
【0003】
化粧品のメイクアップ汚れを除去するために、油性基剤を主体とするゲル状クレンジング剤、クレンジングクリーム、クレンジングオイル等が用いられている。しかし、油性基剤を主体とするクレンジング剤によっては、角栓等の毛穴に詰まった固体状の汚れや皮脂汚れを十分に洗浄することができず、更に、洗浄後に油性感が残るという問題がある。角栓は、皮脂と角層の老廃物が一体化して固化したもので、鼻の周囲等の皮脂の分泌量が多い部位の毛穴部分に小さな突起として生じる。角栓は、黒ずんで見える場合があるので、美容上においても大きなマイナス要因となる。毛穴に詰まった固体状の汚れや皮脂汚れを除去するため、通常の脂肪酸石鹸やその他のアニオン性界面活性剤を主基剤とする洗浄剤組成物も使用されているが、十分な洗浄効果を得ることができないばかりか、これらの洗浄剤組成物は、一般に、皮膚に対する刺激が強いという欠点がある。また、毛穴に詰まった固体状の汚れや皮脂汚れを粘着性シートによって機械的に除去することも提案されているが、クレンジングと水性洗顔料による洗顔に加えて、更に、粘着性シートによる角栓除去を行うと、皮脂の過剰な除去に伴う皮膚トラブルを惹起するおそれがある。
【0004】
特開平10−45565号公報は、メイクアップ化粧料や皮脂汚れに対する洗浄力に優れ、皮膚に対して低刺激性で、高温高湿においても安定性が高い、洗浄剤組成物を開示する。この洗浄剤組成物は、非イオン性界面活性剤と水膨潤性粘土鉱物を含有し、更に、すすぎ易さを得るとともに、剤の形状を乳液状乃至クリーム状又はペースト状にするため、アロフェン等の無機粉体を加えることが提案されている(同公報0016段落参照)。
【0005】
特開平11−92745号公報は、サンケア化粧組成物の塗布色を改善するため、アロフェンに代表される中空球形アルミノケイ酸塩を紫外線防御性粉体として配合したサンケア化粧組成物を開示する。ここにいう塗布色の改善とは、塗布色を目立たなくすることを意味する(同公報0004段落参照)。このサンケア化粧組成物に使用されるアロフェンの平均2次粒子径は5000nm以下であることが好適であり(同公報0008段落参照)、平均2次粒子径が約400nmのものは際だって紫外線防御効果が優れていると記載されている(同公報0028段落参照)。
【0006】
特許第3573890号公報は、皮脂吸収性、調湿性及び使用感を改善するため、直径100Å以下のアロフェンを0.5乃至80重量%含むことを特徴とするメーキャップ化粧料が開示されている。ここで、メーキャップ化粧料としては、ファンデーション、口紅、アイシャドー、頬紅、アイライナー、ネイルエナメル、マスカラが例示されている(同公報の0012段落参照)。
【0007】
特開2003−261858号公報は、増粘剤として粘土鉱物を含有する化粧品を開示する。この粘土鉱物として、粘土の主成分として産する含水ケイ酸塩が例示され、具体的には、アロフェン、ヒシンゲル石、フィロケイ酸塩等が例示されている(同公報の0037段落参照)。
【0008】
また、近年、人間の体臭を抑えるための組成物が種々提案されている。例えば、特開平11−286424号公報は、加齢臭の主な要因である不飽和アルデヒドの発生を、リポキシゲナーゼ阻害剤を用いることにより抑制して、加齢臭の発生を抑えるため、リポキシゲナーゼ阻害剤を含む加齢臭抑制用組成物を開示する。また、特開平11−286428号公報は、加齢臭に対するマスキング効果に優れる成分及び/又は加齢臭に対するハーモナージュ効果に優れる成分を含む、加齢臭抑制香料組成物を開示する。しかしながら、加齢臭も含めて人間の体臭は、未だ、十分な研究がなされておらず、これを抑えるための適切な対処方法に関する解明も不十分なままである。特に、足の臭いに至っては、未だに有効な対処法が見出されていない。こまめに足を洗浄して靴下を履き替え、制汗・デオドラント剤を使用しても、足の臭いの発生を効果的に抑制できないのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10−45565号公報
【特許文献2】特開平11−92745号公報
【特許文献3】特許第3573890号公報
【特許文献4】特開2003−261858号公報
【特許文献5】特開平11−286424号公報
【特許文献6】特開平11−286428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、起泡促進剤、皮膚洗浄剤、毛髪洗浄剤及び/又は体臭吸着剤として優れた作用をする、機能性物質を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、起泡促進剤、皮膚洗浄剤、毛髪洗浄剤及び/又は体臭吸着剤として優れた作用をすると共に、皮脂吸着剤、角栓吸着剤及び/又は紫外線散乱剤としても優れた作用をする、機能性物質を提供することにある。
【0012】
本発明の更に他の目的は、メイクアップ化粧料や角栓や皮脂の汚れに対する洗浄力が高く、洗浄開始時の泡立ちが早く、洗浄時の泡量が豊かで、均一で細かい泡質を有し、泡が十分な持続力を有し、すすぎ洗い時の流し易さ及び滑らかさに優れ、洗浄後のさっぱり感やつるつる感を有する、洗浄剤組成物を提供することにある。
【0013】
本発明の更に他の目的は、人体に対する安全性が高く、肌に対する刺激が少ない、洗浄剤組成物を提供することにある。
【0014】
本発明の更に他の目的は、皮膚洗浄剤、毛髪洗浄剤及び/又は体臭吸着剤として機能する洗浄剤組成物を提供することにある。
【0015】
本発明の更に他の目的は、皮脂吸着剤、角栓吸着剤及び/又は紫外線散乱剤としての機能をも有する、洗浄剤組成物を提供することにある。
【0016】
本発明の更に他の目的は、人体に対する安全性が高く、肌に対する刺激が少ない、体臭吸着組成物を提供することにある。
【0017】
本発明の更に他の目的は、加齢臭及び/又は足の臭いを吸着し、体臭の不快感を解消することができる、体臭吸着組成物を提供することにある、
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の機能性物質は、平均粒子径が0.01乃至100μmの微粉化アロフェンからなり、これにより、起泡促進剤、皮膚洗浄剤、毛髪洗浄剤及び/又は体臭吸着剤として機能することを特徴とする。本発明のアロフェンの平均粒子径は0.01乃至50μmの範囲にあることが好ましい。本発明のアロフェンの平均粒子径は0.01乃至20μmの範囲にあることが更に好ましい。本発明の機能性物質は、また、起泡促進剤、皮膚洗浄剤、毛髪洗浄剤及び/又は体臭吸着剤として使用されるとき、皮脂吸着剤、角栓吸着剤及び/又は紫外線散乱剤としても機能することを特徴とする。平均粒子径が0.01乃至100μmの範囲まで微粉化されたアロフェンは、好ましくは、平均粒子径が0.01乃至50μmの範囲まで微粉化されたアロフェンは、より好ましくは、平均粒子径が0.01乃至20μmの範囲まで微粉化されたアロフェンは、アロフェン粒子の表面積が著しく増加する結果、起泡促進効果が増大し、短時間での泡立ち及び泡切れが促進され、泡の持続性が強化される。また、遊離脂肪酸(特に、不飽和脂肪酸)や分泌された皮脂や角栓等の油性汚れの吸着力が増大し、皮膚洗浄剤及び毛髪洗浄剤としての機能が大幅に強化される。更に、体臭吸着剤としての機能が著しく強化され、加齢臭や足の臭いを強力に吸着する。そして、微粉化することにより、紫外線散乱機能を大幅に改善することができる。他方、平均粒子径が0.01乃至100μmの範囲まで微粉化されたアロフェンは、好ましくは、平均粒子径が0.01乃至50μmの範囲まで微粉化されたアロフェンは、更に好ましくは、平均粒子径が0.01乃至20μmの範囲まで微粉化されたアロフェンは、人間の肌に対するなじみ具合が大幅に改善され、肌触り、硬さ、擦ったときのまとまり感、洗浄後の残留感、肌のサラサラ感が著しく改善される。この結果、人間の肌をマッサージする適正を得ることができると共に、優れた洗浄性を得ることもできる。
【0019】
アロフェンは、鹿沼土の主成分であり、天然アルミナシリカゲルであり、火山性ガラスが風化した粘土鉱物である。本発明に使用されるアロフェンは、天然に産するものでは非晶質の含水ケイ酸アルミニウム粘土鉱物であり、火山灰や軽石が風化した鹿沼土等の土壌物を脱鉄粉砕することによって得られる。こうして得られたアロフェンは、通常、直径約5nm以下の1次粒子が複数個凝集して2次粒子を形成している。1次粒子は約3乃至5Åの微細穴を多数有し、2次粒子は、凝集した複数の1次粒子の間に約60Åの穴を有する。本発明に使用されるアロフェンは、この2次粒子を粉砕して、その平均粒子径が0.01乃至100μmの範囲にあることが好ましく、その平均粒子径が0.01乃至50μmの範囲にあることがより好ましく、その平均粒子径が0.01乃至20μmの範囲にあることが更に好ましい。本発明に使用されるアロフェン粒子多孔質であることが好ましく、更に、SiO/Alが1〜2であることが好ましい。本発明では、アロフェンを粉砕する手段は特に限定されず、一般的に用いられている粉砕機を使用することができる。例えば、ハンマーミル、ビーズミル、ピンミル、フェザーミル、アトマイザー、ボールミル、ジェットミル等を使用することができる。アロフェンを粉砕する手段として好ましいのはビーズミルであり、最も好ましいのは、液体窒素を媒体とする低温ビーズミルによる粉砕である。これらの粉砕機は、単独で使用しても良く、また、2種類以上の粉砕機を併用してもよい。
【0020】
本発明の洗浄剤組成物及び体臭吸着剤組成物は、平均粒子径が0.01乃至100μmのアロフェンを含有することを特徴とする。前述のように、平均粒子径が0.01乃至100μmの範囲まで微粉化されたアロフェンは、好ましくは、平均粒子径が0.01乃至50μmの範囲まで微粉化されたアロフェンは、より好ましくは、平均粒子径が0.01乃至20μmの範囲まで微粉化されたアロフェンは、一方では、起泡促進機能、皮膚洗浄機能、毛髪洗浄機能、体臭吸着機能、紫外線散乱機能が著しく向上すると共に、他方では、人間の肌に対するなじみ具合が大幅に改善される。したがって、本発明の洗浄剤組成物は、メイクアップ化粧料や角栓や皮脂の汚れに対する洗浄力が高く、洗浄開始時の泡立ちが早く、洗浄時の泡量が豊かで、均一で細かい泡質を有し、泡が十分な持続力を有し、すすぎ洗い時の流し易さ及び滑らかさに優れ、洗浄後のさっぱり感やつるつる感を生じる。また、本発明の体臭吸着剤組成物は、著しく向上した体臭吸着機能により、加齢臭や足の臭いも効果的に吸着する。本発明の洗浄剤組成物及び体臭吸着剤組成物に対する微粉化アロフェンの配合量は、組成物全重量に対して0.01乃至99重量%が好ましい。より好ましい配合量は0.1乃至80重量%であり、更に好ましい配合量は1乃至50重量%である。組成物全重量に対する微粉化アロフェンの配合量が0.01重量%未満では、十分な機能の向上を図ることはできないが、また、90重量%を超えて微粉化アロフェンを配合しても、更なる機能の向上を期待することはできない。また、本発明の洗浄剤組成物及び体臭吸着剤組成物に含まれる微粉化アロフェンの平均粒子径は、0.01乃至100μmの範囲にあることが好ましく、0.01乃至50μmの範囲にあることがより好ましく、0.01乃至20μmの範囲にあることが更に好ましい。アロフェンの平均粒子径が100μmよりも大きいと、十分な機能の向上を図ることはできないが、0.01μmより小さいときにも、更なる機能の向上を期待することはできない。そして、微粉化アロフェンは、天然の無機物質であるから、洗浄剤組成物や体臭吸着剤組成物に添加しても、人体に対する安全性は確保され、肌に対する刺激も少ない。
【発明の効果】
【0021】
平均粒子径が0.01乃至100μmの範囲になるように微粉化されたアロフェンは、前述したように、短時間での泡立ち及び泡切れが促進され、泡の持続性が強化され、また、遊離脂肪酸(特に、不飽和脂肪酸)や分泌された皮脂や角栓等の油性汚れの吸着力が増大して、洗浄力が増加するのみでなく、化粧持ちが改善され、更に、加齢臭や足の臭い等の体臭を強力に吸着することができると共に、人間の肌に対するなじみ具合が大幅に改善される。よって、メーキャップ化粧品、スキンケア化粧品、ヘアケア・ボディケア化粧品、ボディソープ、ハンドソープ、クレンジング材、乳液、化粧水、美容液、パック、洗顔フォーム、固形石鹸、液体石鹸、クリーム状石鹸、シャンプー、リンス、シェービングクリーム、台所用洗剤、洗濯用粉石鹸等に配合される機能物質として広く使用することができる。
【0022】
また、増粘剤の材料の一つとしてアロフェンの2次粒子をそのまま使用すると、使用感が悪いばかりか、洗浄後のすすぎ洗いによって肌を傷める等、粒子径の大きなアロフェンが肌を傷つけるおそれがある。また、アロフェンの2次粒子をそのまま使用すると、泡立ちの改善が認められない。本発明の微粉化アロフェンは、その平均微粒子径が0.01乃至100μmの範囲になるように微粉化されているから、増粘剤の材料として使用しても、このような不具合を生じることはない。
本発明のその他の特徴及び利点は、以下の説明から明らかになる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の洗浄剤組成物は、平均粒子径が0.01乃至100μmの範囲にある微粉化アロフェンを材料の一つとする。本発明の洗浄剤組成物に配合されるその他の材料は、従来から用いられている洗浄剤組成物の材料を使用することができる。
【0024】
本発明で特に好適に用いられるアロフェンは、例えばO.P.Mehraらの方法により、土壌物を脱鉄することにより得ることが可能である(Clays and Clay Minerals 7.317-327(1960))。なお、本発明においては、アロフェンを、必要に応じてアルミニウムステアレート、ジンクミリステート等の脂肪酸石鹸、キャンデリラロウ、カルナバロウ等のワックス類、メチルポリシロキサン等のシリコーンオイルで疎水化して用いることもできる。
【0025】
本発明の洗浄剤組成物の配合形態は、特に限定されず、粉末状、ケーキ状、ペンシル状、スティック状、軟膏状、液体状等の形態をとることができる。具体的には、ボディソープ、ボディシャンプー、ハンドソープ、洗顔料、固形石鹸、液体石鹸、クリーム状石鹸、シャンプー、リンス、シェービングクリーム、台所洗剤、洗濯用粉石鹸などに用いられる。また、乳液、化粧水、美容液、パック、身体及び顔のスクラブ剤、分散液、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤等の、いずれの形態の洗浄料や化粧料であっても、外用医薬品等であっても良い。
【0026】
本発明の洗浄剤組成物は、本発明の効果を損なわない程度に、従来、皮膚及び毛髪洗浄剤に用いられている各種の成分を配合することができる。例えば、皮膚及び毛髪洗浄剤で使用し得る公知のキレート剤、増粘剤、抗炎症剤、保湿剤、殺菌剤、防腐剤、美白剤、角質剥離剤、角質柔軟剤、皮脂分泌調整剤、植物抽出物、香料、色素などを配合することができる。
【0027】
本発明の洗浄剤組成物には、本発明の効果を妨げない範囲で、通常化粧品に用いられる他の成分、例えば、動物、植物、魚貝類、微生物由来の抽出物、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル類、シリコーン、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、被膜剤、紫外線吸収剤、消炎剤、金属封鎖剤、低級アルコール、糖類、アミノ酸類、有機アミン類、合成樹脂エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン類、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水などの、一種又は2種以上を、必要に応じて使用することができる。
【0028】
油脂の例として、牛脂、豚脂、骨油、魚油、皮脂などの動物油、パーム油、パーム核油、椰子油、大豆油、米糠油、コーン油、オリーブ油、綿実油、ナタネ油、ミツバ種子油などの植物油、家庭、飲食店及び食品工業などで廃油として回収される回収油、もしくはこれらの混合油脂等を挙げることができる。これらの油脂は、沈降、遠心分離、水蒸気脱臭、脱ガム、酸処理、吸着剤処理、部分水素添加処理、蒸留、分別などの精製処理を施して使用することもできる。
【0029】
また、脂肪酸は、上記の油脂もしくは混合油脂を加水分解、ケン化分解もしくは酵素分解によって得られる。もしくは、上記の油脂の精製過程によって副産する。得られた脂肪酸は蒸留、精留、分別、水素添加処理、部分水素添加処理、酸処理、吸着剤処理、水蒸気脱臭などの精製処理を行って用いてもよい。また、得られた脂肪酸を混合して用いてもよい。
【0030】
本発明の石鹸組成物に含まれる脂肪酸塩は、脂肪酸をアルカリ金属や有機アミン塩などのアルカリ剤で中和することによって定法により得ることができる。脂肪酸塩を製造するために用いられる脂肪酸は、牛脂脂肪酸、豚脂脂肪酸、羊脂脂肪酸、鶏脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、パーム核油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、コーン油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸、ベヘニン酸などが挙げられ、これらのうち一種または二種以上の混合物が用いられる。これらの中和に用いるアルカリ剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、酸性アミノ酸、各種エタノールアミンが挙げられる。
【0031】
また、低級アルコールと脂肪酸のエステルも挙げられる。低級アルコールと脂肪酸のエステルは、上記の油脂及び混合油脂とメタノールなどの低級アルコールとのエステル交換によって得られる。低級アルコールと脂肪酸のエステルは蒸留、精留、分別、水素添加処理、部分水素添加処理、酸処理、吸着剤処理、水蒸気脱臭などの精製処理を行って用いてもよい。また、得られたエステルを混合して用いてもよい。
【0032】
また、保存時の着色、変質、悪臭の原因となる酸化劣化を防ぐために、一般に油脂、脂肪酸、石鹸などに用いられている添加剤、いわゆるエチレンジアミン四酢酸またはそのアルカリ金属塩、ニトリロトリ酢酸またはそのアルカリ金属塩、ヒドロキシエタンジホスホン酸またはそのアルカリ金属塩、N−サリシロイル−N’−アルデヒドヒドラジン、N−サリシロイル−N’−アセチルヒドラジン、N,N’−ジメチルオキサミド、N,N’−ジ(2−ヒドロキシフェニル)オキサミドなどのキレート剤、またはブチルヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)などのフェノール系酸化防止剤、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、α−ナフチルアミンなどのアミン系酸化防止剤、トコフェロール、セサモールなどの天然酸化防止剤、リン酸、クエン酸などの相乗剤などを添加してもよい。添加量は油脂、脂肪酸に対し5乃至1000ppmが好ましく、より好ましくは10乃至100ppmである。5ppm未満であると効果が現われず、1000ppmを超えると着色が著しくなる。
【0033】
さらに、本発明に、その使用目的に応じて従来公知の洗浄活性成分、過脂剤、乳化可溶化剤、増粘剤、保湿剤などの各種添加剤を配合してもよい。洗浄活性成分としてはアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、アシル化サルコシン酸、スルホコハク酸ポリオキシエチレン脂肪酸エタノールアミドエステル塩、アルキルアミノ酸塩、アシル化アミノ酸塩、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩、エンカベンザルコニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルジヒドロキシエチルアミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0034】
また、加脂剤として脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級アルコール、流動パラフィン、スクワレン、スクワランなどがあり、乳化可溶化剤としては各種のノニオン類、例えばモノステアリン酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどが挙げられる。
【0035】
さらに、増粘剤としてはクインスシードガムなどの植物性多糖、キサンタンガムなどの微生物多糖、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシビニルポリマー,ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウムなどの高分子化合物、寒天などが挙げられる。結晶調整剤としてはエチレングリコールステアリン酸のモノまたはジエステルなど、保湿剤としてグリセリン、BG、DPG、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリオール類やトレハロース、エリスリトール、ソルビトール、キシリトールなどの糖類、ヒアルロン酸、グルカンなど高分子多糖、ポリエチレングリコール、ベタイン、アミノ酸などが挙げられる。アラントインやグリチルリチン酸ジカリウム、イプシロンアミノカプロン酸、トラネキサム酸、植物抽出物などの消炎剤、2,4,4’−トリクロロ−ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、安息香酸、イソプロピルメチルフェノール、ピオニン(感光素201)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、硝酸ミコナゾール、植物抽出物などの殺菌剤、パラベン類、フェノキシエタノール、ペンチレングリコール、エチルヘキシルグリセリンなどの防腐剤、プラセンタエキス、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体
(アスコルビン酸リン酸マグネシウム塩、アスコルビン酸−2−O−α−グルコシド、アスコルビン酸パルミテート、アスコルビン酸ジパルミテート、アスコルビン酸ステアレート、アスコルビン酸−3−O−エチルエーテル、コウジ酸、アルブチン、エラグ酸、ルシノール、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノール、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、リノール酸、マグノリグナン、カミツレエキス、トラネキサム酸、アデノシン一リン酸、植物抽出物などの美白剤、サリチル酸、レゾルシン、イオウ、ヒドロキシ酸類、レチノール、レチノイン酸などの角栓柔軟・剥離剤、塩酸ピリドキシン(ビタミンB6)、酢酸トコフェロール(ビタミンE類)、皮脂吸着粉末、ローヤルゼリー、エルビオール、植物抽出物などの皮脂分泌調整剤を添加してもよい。また、その目的、用途に応じて色素、香料を添加してもよい。
【0036】
本発明の皮膚及び洗浄剤は、使用時の泡立ちと持続性に優れ、なめらかな使用感を有する。皮膚に対して低刺激でありながら、皮脂等の汚れに対する洗浄力が高く、かつ、すすぎ性も良好である。また、角栓成分を吸着する作用があり、特にトリグリセリド、遊離脂肪酸、コレステロールを特異的に吸着する。さらに、加齢臭や足の臭いなどの体臭を吸着する。また、この粉体を使用し優れた効果を有する化粧料や皮膚及び毛髪洗浄剤も提供することができ、用途、嗜好性に応じてその形状もジェルやクリームなどに制御できる。
【0037】
以下、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0038】
(泡立ち、泡質に関する実験)
以下に示す洗浄剤を常法により製造し、泡立ち、泡質及び泡立て時の感触当の機能について、評価した。
【0039】
以下に示す組成の洗浄剤(100g)を製造した。

グリセリン
ポリエチレングリコール
ステアリン酸
ラウリン酸
ミリスチン酸
イソステアリン酸PEG−60グリセリル
エデト酸ナトリウム
水酸化カリウム
ココイルメチルタウリンNa
微粉化アロフェン(2gまたは0g)
【0040】
上記記載の組成の洗浄剤組成物を、その硬さ、泡立ちの早さ、泡の量、泡の大きさ、泡の質、泡の持続性、泡の流しやすさ、なめらかさ、洗ったあとのさっぱりさ、洗ったあとのつるつるさを評価した。結果を表1に示す。
【0041】
評価方法
6名の男女学生(10代〜20代)をパネラーとし、本発明の微粉化アロフェンが2%配合された石鹸と、微粉化アロフェンが配合されていない石鹸を用いて手を洗ったときの、泡立てた際の泡立ち、泡質および泡立ち時の感触について6段階(5:費用によい〜0:悪い)の官能評価を行った。さらに、全てのパネラーの平均をとり、以下の通りに判定した。
【0042】
【表1】

【0043】
本発明の微粉化アロフェン配合の洗浄剤は、アロフェン無配合の洗浄剤よりも泡立ちや泡質の評価が高く、また泡立ち時の感触が良くなった。
【実施例2】
【0044】
(加齢臭吸着に関する実験)
ノネナールを1万分の1に希釈後、以下の条件で、ビンに微粉化アロフェン(平均粒子径3μm)と、ノネナール20μlをしみ込ませた1cm四方のろ紙を入れる。
【0045】
試料1:ノネナール20μlのみ。
試料2:ノネナール20μlに微粉化アロフェン0.1gを加えた。
試料3:ノネナール20μlに微粉化アロフェン0.01gを加えた。
試料4:ノネナール20μlに微粉化アロフェン0.001gを加えた。
これらの試料を8分間放置し、臭いを測定した。2名で評価を行い、以下の基準で点数を付け、その平均を取った。
【0046】
1:臭いが明確に残る
2:臭いがわずかにある
3:臭いが気にならない
4:臭いが全く残らない
【0047】
結果は以下のようになった。
試料1:1
試料2:3
試料3:2
試料4:1
これにより、本発明の微粉化アロフェンは加齢臭を吸着する効果があることが確認された。
【実施例3】
【0048】
(他の吸着剤との加齢臭吸着性能比較実験)
ノネナールを1万分の1に希釈後、以下の条件で、ビンに微粉化アロフェンと、ノネナール10μlをしみ込ませた1cm四方のろ紙を入れた。陽性対照として、ファブリーズを使用し、微粉化アロフェンとファブリーズで比較を行った。
【0049】
試料1:ノネナール10μlのみ。
試料2:ノネナール10μlに微粉化アロフェン0.01gを加えた。
試料3:ノネナール10μlにファブリーズ10μlを加えた。
これらの試料を8分間放置し、臭いを測定した。2名で評価を行い、以下の基準で点数を付け、その平均を取った。
【0050】
1:臭いが明確に残る
2:臭いがわずかにある
3:臭いが気にならない
4:臭いが全く残らない
【0051】
結果は以下のようになった。
試料1:1
試料2:4
試料3:1.5
これにより、微粉化アロフェンは加齢臭の成分を吸着する効果があることが確認された。その効果は陽性対照よりも強いことがわかった。
【実施例4】
【0052】
(他の吸着剤との足の臭い吸着性能比較実験)
イソ吉草酸を1万分の1に希釈後、以下の条件で、ビンに本発明の微粉化アロフェンと、イソ吉草酸10μlをしみ込ませた1cm四方のろ紙を入れる。陽性対照として、ファブリーズを使用し、微粉化アロフェンとファブリーズで比較を行った。
【0053】
試料1:イソ吉草酸10μlのみ。
試料2:イソ吉草酸10μlに微粉化アロフェン0.01gを加えた。
試料3:イソ吉草酸10μlにファブリーズ10μlを加えた。
これらの試料を8分間放置し、臭いを測定した。2名で評価を行い、以下の基準で点数を付け、その平均を取った。
【0054】
1:臭いが明確に残る
2:臭いがわずかにある
3:臭いが気にならない
4:臭いが全く残らない
【0055】
結果は以下のようになった。
試料1:1
試料2:4
試料3:2.5
これにより、微粉化アロフェンは足の臭いの成分を吸着することが確認された。その効果は陽性対照よりも強いことがわかった。
【実施例5】
【0056】
(微粉化アロフェンの角栓皮脂吸着効果)
実験方法
ヒト角栓中の皮脂をクロロホルム:アセトン(2:1)で抽出した。この皮脂溶液1mlに本発明の微細化アロフェン2mg、10mg、20mgを加えたものを用意し、室温に10分間放置した。10,000rpmで遠心後、上澄みを2μl取り、薄層クロマトグラフィー(シリカゲル)で皮脂成分を調べた。展開溶媒として、(1)ヘキサン、(2)ベンゼン、(3)クロロホルム:メタノール(19:4)、(4)ヘキサン:ジエチルエーテル:酢酸(80:20:1)を用いて、順次展開した。乾燥後、シリカゲルプレートを硫酸銅溶液(硫酸銅を15%リン酸水溶液に溶かし、3%溶液に調整したもの。)に浸してから、ホットプレートで加熱した。プレートのスポットの濃さから、皮脂成分を定量した。標準試料から、スクワレン、コレステロールエステル、ワックス、トリグリセリド、コレステロール、遊離脂肪酸の量を定め、本発明の微粉化アロフェンの効果を検証した。
検証結果
表2に示すように、本発明の微粉化したアロフェンは遊離脂肪酸を吸着することが確認された。
【0057】
【表2】

【0058】
表3に、実施例1乃至5で使用した本発明の微粉化アロフェンの粒度分布を示す。アロフェンの粉砕方法は、液体窒素を媒体とする低温ビーズミルによる粉砕である。この粉砕方法は、特開2003−001129号公報に開示されている。具体的には、粒子径1mmのビーズによって構成された攪拌ボールを使用する媒体攪拌ミルに、アロフェンと、液化不活性ガスとしての液体窒素とを投入し、濃度が0.5乃至0.6の範囲になるように調整し、これを懸濁液の状態にして媒体攪拌ミル内で所定時間粉砕し、その後、液体窒素を気化させた。表3中、○は粉砕前の粒度分布を示し、●は15分間粉砕した後の粒度分布を示し、△は30分間粉砕した後の粒度分布を示す。
【0059】
【表3】

【0060】
表3の方法で微粉化したアロフェン(微粉化アロフェン)の使用感の評価を微粉化する前のアロフェン(アロフェン)と比較した結果を表4に示す。使用感触の評価は6人で6段階(5:非常に良い〜0:悪い)の官能評価で行った。表4に示す通り、本発明の微粉化アロフェンは、アロフェンに比べてさらさら感が増加し、肌触り及び肌へのなじみ具合が向上し、洗浄後の残留感も向上した。表3は、微粉化されたアロフェンの粒度分布が0.5乃至20μmの範囲にあることを示しているが、0.5乃至20μmの範囲の粒度分布を実用的な粒度分布の範囲ということもできる。
【0061】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の微粉化アロフェンを、各種材料に含有させることにより、その材料に本発明のアロフェンが具備する種々の機能を付与することができる。含有方法は、特に制限されず、固着・充填・塗布・配合等を使用することができる。
【0063】
本発明の微粉化アロフェンを含有する材料の用途及び形態は、固体、液体、気体を問わず、特に制限されないが、ヒトの皮膚に直接触れるもの、あるいは特に摩擦を生じる可能性のある用品、あるいはそれを構成する材料として使用するのが好適である。
【0064】
外用剤(化粧料、医薬部外品、医薬品を含む)としては、例えば、化粧水、乳液、クリーム、パック、制汗剤、ボディパウダー、ベビーパウダー、浴用剤等の皮膚化粧料、へアートリートメント、ヘアリキッド、整髪料、育毛料等の頭髪化粧料などの化粧料、軟膏や貼付剤などが挙げられる。
【0065】
また、洗剤、洗浄剤、クレンザー、糊剤、アイロン仕上げ剤、繊維柔軟剤、家庭ならびに業務用消臭剤および漂白剤には、身体洗浄剤(固形石けん、手洗い用液体石けん洗浄剤、ボディソープ、洗顔料、シェービング剤、頭髪用シャンプー、リンスなど)、洗濯用洗剤(洗濯用石けん、洗濯用合成洗剤など)、台所用洗剤(手洗い用、自動食器洗い機用など)、住宅・家具用洗剤やその他(洗濯槽洗剤など)、繊維の柔軟仕上げ剤、漂白剤、酸・アルカリ洗浄剤、液体および粉末のクレンザー、繊維の糊剤、アイロン用仕上げ剤などを例示することができる。
【0066】
化粧用具としては、例えば、ウエットティッシュ、紙おしろい、クレンジングシート、脂とり紙、コットン、スポンジ、パフ、アイシャドー用チップ、パック用フェイシャルマスク、面棒、化粧筆、ヘアブラシなどが挙げられる。
【0067】
本発明の微粉化アロフェンは、種々の繊維製品に適用することが可能である。例えば、糸;織布、編布、不織布等の布帛、パイル織物、パイル編物等のパイル布帛、これらのものから形成された衣類やその他の身体着用品、インテリア製品類、寝具類、食品用包装材などを挙げることができる。
【0068】
衣類としては、肌につけるものの他、肌に使用するもの、肌に接触するものを含み、衣服、ストッキング、タイツ、セーター、ジャケット、パジャマ、浴衣、白衣、スラックス、靴下、手袋、エプロン、マスク、タオル、ハンカチ、サポーター、ヘッドハンド、帽子、靴のインソール、中敷、芯地等の衣類や身体着用品下着、肌着などを挙げることができる。
【0069】
また、シーツなどの他、靴、いす、ベッド、布団、毛布、座布団、枕やそれらのカバー、各種カーペット、カーテン、壁紙、障子紙、襖、繊維製ブラインド、人工観葉植物、椅子等の布張用生地、テーブルクロス、電気製品カバー、畳み、布団の中詰材(詰綿等)、布団の側地、シーツ、毛布、布団カバー、枕、枕カバー、ベッドカバー、ベッドの中詰材、マット、衛生材料、便座カバー、ワイピングクロス、空気清浄機やエアーコンディショナー等のフィルターにも適用可能である。
【0070】
更に、衛生用品、医療材料としては、ウエットティッシュ、コットン、スポンジ、ガーゼ、マスク、包帯、サポーター、ティッシュ、避妊具、便座およびそのカバー、絆創膏、柔軟仕上げ剤などが挙げられる。
【0071】
その他、スポーツ用テープ、スポーツ用サポーター、テニス・卓球・スキー等の各種スポーツ用品のグリップ、グローブ、野球のバットやグローブ、ラグビーやフットボール等の各種防具等のスポーツ用品類;自動車、自転車、バス、電車、飛行機等の車両用シートや吊り革、取手、内装用品等の部材類などに適用可能である。
【0072】
また、一般住宅や店舗、集合住宅、倉庫、収納庫、ペット小屋などの各種建築物の構成資材として利用することができるほか、押入、靴箱、本棚、ロッカー、クローゼットなどの各種収納用品やテーブル、机、タンスの構成部材などとして建設業関連の産業分野において広く利用することができる。
【0073】
本発明の微粉化アロフェンは、液状、乳液状、スラリー状、ジェル状、クリーム状、ペースト状、ゼリー状、泡状、エアゾールタイプ、粉末状、顆粒状、シート状、タブレット状、固形状(棒状など)、ビーズ状の形態で利用可能である。更に、他の物質と混合されているもの、他の媒体に塗布されたり含浸されているもの、カプセル化されているもの、固形の物質で覆われているもの、スプレーに混入したものなどの形態で利用することもできる。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒子径が0.01乃至100μmのアロフェンからなり、起泡促進剤、皮膚洗浄剤、毛髪洗浄剤及び/又は体臭吸着剤として使用されることを特徴とする、機能性物質。
【請求項2】
請求項1に記載した機能性物質において、前記機能性物質は、更に、皮脂吸着剤、角栓吸着剤及び/又は紫外線散乱剤として使用されることを特徴とする、前記機能性物質。
【請求項3】
平均粒子径が0.01乃至100μmのアロフェンを含有することを特徴とする、洗浄剤組成物。
【請求項4】
請求項3に記載した洗浄剤組成物において、前記アロフェンは、起泡促進剤、皮膚洗浄剤、毛髪洗浄剤及び/又は体臭吸着剤として機能することを特徴とする、前記洗浄剤組成物。
【請求項5】
請求項4に記載した洗浄剤組成物において、前記アロフェンは、更に、皮脂吸着剤、角栓吸着剤及び/又は紫外線散乱剤として機能することを特徴とする、前記洗浄剤組成物。
【請求項6】
平均粒子径が0.01乃至100μmのアロフェンを含有することを特徴とする、体臭吸着剤組成物。
【請求項7】
請求項6に記載した体臭吸着剤組成物において、前記体臭吸着性組成物は、加齢臭及び/又は足の臭いを吸着することを特徴とする、前記体臭吸着剤組成物。



【公開番号】特開2011−37733(P2011−37733A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−184736(P2009−184736)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【出願人】(508356674)森六ケミカルズ株式会社 (1)
【Fターム(参考)】