微粉砕機及び微粉砕処理設備
【課題】簡単な構造で、且つ、粉砕媒体等を必要とせずに微粉砕が可能な微粉砕機を提供すること。
【解決手段】密閉粉砕室11と圧砕ローラー20とを有する微粉砕機。密閉粉砕室11は、砕料1を投入する回転式の粉砕カップ12と、該粉砕カップの回転時気密を維持するパッキン29を保持する粉砕室カバー28とで主体部を形成する。圧砕ローラー20は、粉砕カップ12の周壁内面19に接して従動転動する。前記粉砕室カバー28には、砕料投入管5および砕製物流出管35を接続する。
【解決手段】密閉粉砕室11と圧砕ローラー20とを有する微粉砕機。密閉粉砕室11は、砕料1を投入する回転式の粉砕カップ12と、該粉砕カップの回転時気密を維持するパッキン29を保持する粉砕室カバー28とで主体部を形成する。圧砕ローラー20は、粉砕カップ12の周壁内面19に接して従動転動する。前記粉砕室カバー28には、砕料投入管5および砕製物流出管35を接続する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砕料を投入した粉砕カップの内壁面で圧砕ローラーを転動させて、粉砕カップの内壁面と圧砕ローラーの周面との間で圧縮・摩耗粉砕を行なう新規な構成の微粉砕機及び該微粉砕機を用いる微粉砕処理設備に関する。
【0002】
本発明の微粉砕機および微粉砕処理設備は、有機・無機質の砕料(固体砕料)を問わず、粒状砕料(砕料)から微粉末(数μm)の砕製物(粉砕製品)を得るのに好適なものである。
【背景技術】
【0003】
微粉砕機とは、通常、10〜3mmの砕料から100メッシュ(147μm)以下の砕製物を得るのに使用する機械のことである(非特許文献1、p410、「粉砕機」の項参照)。
【0004】
微粉砕機には、ボールミル、チューブミル、ロッドミル、振動ボールミル、ハイスイングボールミル、リングローラーミル、ボールローラーミル、アトリションミル等がある(同項の表参照)。
【0005】
しかし、これらの微粉砕機は、複雑な構造(振動機構を含む。)であったり、粉砕媒体を必要とし、粉砕媒体と砕製物の分離等の面倒な後処理が必要であったりした。
【0006】
なお、本発明と同様に、砕料を投入した円盤状の粉砕カップの底壁の内側面(円盤面)を、圧砕ローラーを転動させて、転動面(内壁面)と圧砕ローラーとの間で粉砕する機構を有するものとして、エッジランナー(フレットミル)と称されるものがある(非特許文献2、p1282〜1283参照)。
【0007】
しかし、エッジランナーは、本発明の粉砕機と下記の点で相違する。
【0008】
・中粉砕を予定しており本発明の如く微粉砕を予定していない。
【0009】
・微粉砕を予定していないため、本発明の如く密閉粉砕室を有しない。
【0010】
・粉砕カップ(円盤)は原則固定で、本発明の如く、粉砕カップを高速回転させて圧砕ローラーを従動転動させることを予定していない(粉砕カップが回転式の場合)。
【0011】
・圧砕ローラーは重量物であって低速公転を予定しており、本発明の如く高速公転(遠心力乃至旋回気流が発生する。)させることを予定していない(粉砕カップが回転式の場合)。
【0012】
なお、本発明の特許性に影響を与えるものではないが、回転する臼に押しローラーを追従回転(従動回転)させ炭素砕料を粉砕する技術的思想(発明)が特許文献1において提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】化学工学協会編「化学工学辞典」(昭和49年5月30日)、丸善、p410、「粉砕機」の項
【非特許文献2】化学工学協会編「改訂四版化学工学便覧」(昭53‐10‐25)、丸善、p1281〜1283、
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2004−160429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、簡単な構造で、且つ、粉砕媒体等を必要とせずに微粉砕が可能な微粉砕機および微粉砕処理設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意開発に努力をした結果、下記各構成の微粉砕機(1)、(2)に想到した。
【0017】
(1)砕料が投入される回転式の粉砕カップと、該粉砕カップの回転時気密を維持するパッキンを保持する粉砕室カバーとで主体部が形成される密閉粉砕室と、
前記粉砕カップの周壁内面を、又は周壁内面側に沿って底壁上面を従動転動する1個以上の圧砕ローラーを備え、
前記粉砕室カバーは、砕料投入管および砕製物流出管が接続可能とされている、ことを特徴とする。
【0018】
粉砕カップを回転させるとともに、砕料を粉砕カップ内に砕料投入管から投入する。すると、圧砕ローラーが内周壁又は内底壁を従動転動するとともに、砕料は遠心力により圧砕ローラーの転動面である粉砕カップの周壁方向へ移動する。このため、砕料は圧砕ローラーと周壁内側又は底壁面との間(両者の接触部位)に噛み(挟み)込まれ、圧縮・磨耗粉砕(圧砕)される。
【0019】
粉砕後の砕製物(微粉)は、軽くなるとともに粉砕カップの回転により発生する旋回気流も相まって、浮上して砕製物流出管の入口に流入して、捕集器(サイクロン等)で捕集される。
【0020】
(2)砕料が投入される固定式の粉砕カップで主体部が形成される密閉粉砕室と、
前記粉砕カップの周壁内面を、又は周壁内面側に沿って底壁上面を従動転動する1個以上の圧砕ローラーを備え、
前記圧砕ローラーは前記粉砕カップの軸心に配された駆動回転体と一体回転する旋回アームの先端に回転自在に保持され、
前記密閉粉砕室には砕料投入管および砕製物流出管が接続可能とされている、ことを特徴とする。
【0021】
この微粉砕機は、上記(1)の構成において、粉砕カップを固定式とし、圧砕ローラーを軸心に配した駆動回転体の旋回アームで公転させて粉砕カップを転動させるものである。
【0022】
粉砕機構は上記(1)と略同様である。ただし、旋回気流が(2)では旋回アームの回転により発生する。このため、旋回気流の発生量が(1)に比して(2)の方が相対的に大きい。したがって、(1)の構成の微粉砕機が相対的に比重の小さな砕料に適しているのに対し、(2)の構成の微粉砕機が比重の大きな砕料に適している。
【0023】
上記各構成の微粉砕機を用いた、好適な微粉砕処理設備の構成は下記の如くになる。
【0024】
微粉砕機と、該微粉砕機の前記密閉粉砕室に前記砕料投入管を介して密閉的に砕料を投入可能な砕料投入手段と、前記密閉粉砕室で粉砕した砕製物を、前記砕製物流出管を介して捕集回収する捕集手段とを備えていることを特徴とする。
【0025】
上記微粉砕処理設備において、砕料投入管に、適宜、水系液体供給器を接続するとともに、前記砕製物流出管の前記密閉粉砕室側に加熱手段(ヒーター)を配して該部位で蒸気爆発による後微粉砕を可能とする、ことが好ましい。該蒸気爆発による凝集粉体の更なる微粉化が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】粉砕カップが垂直回転式である本発明の微粉砕処理設備の一例(第一実施形態)を示す概略断面図である。
【図2】図1の実施形態における密閉粉砕室のII−II線矢視断面図である。
【図3】粉砕カップおよび圧砕ローラーが共に水平回転式である本発明の微粉砕処理設備の一例(第二実施形態)を示す概略断面図である。
【図4】図3において圧砕ローラーを複数個とした場合の、圧砕ローラーと粉砕カップとの平面位置関係図である。
【図5】同じく圧砕ローラーがテーパ状である場合の、圧砕ローラーと粉砕カップとの関係を示す概略垂直断面図である。
【図6】同じく圧砕ローラーが逆テーパ状である場合の圧砕ローラーと粉砕カップとの関係を示す概略垂直断面図である。
【図7】図3において、圧砕ローラーを垂直回転式とした微粉砕処理設備の一例(第三実施形態)を示す概略断面図である。
【図8】第三実施形態において圧砕ローラーを複数個とした場合の圧砕ローラーと粉砕カップとの平面位置関係図である。
【図9】同じく圧砕ローラーと粉砕カップとの関係を示す概略垂直断面図である。
【図10】粉砕カップが固定式である本発明の微粉砕機の一例(第四実施形態)を示す概略断面図である。
【図11】第四実施形態における圧砕ローラーと粉砕カップとの平面位置関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の微粉砕機の各実施形態を用いた微粉砕処理設備について、図例に基づいて詳細に説明する。
【0028】
(1)第一実施形態(図1・2):
本実施形態の微粉砕処理設備は、微粉砕機に砕料を供給(投入)する砕料供給手段(砕料投入装置)Aと、砕料を微粉砕する竪型の微粉砕手段(微粉砕機)Bと、微粉砕された砕製物を捕集する捕集手段(捕集装置)Cを備えている。
【0029】
1)砕料(原料)供給装置A:
砕料供給装置は、砕料貯留槽2と取り出しコンベア3と砕料投入管5とを主要構成体とする。
【0030】
ここで、砕料(原料)1の粒度は、通常、10〜0.3mm、(望ましくは5〜0.5mm)とする。砕料の粒度が大きいと微粉砕機Bにおける微粉砕処理に時間がかかるとともに、微粉砕物を得難い。逆に、砕料の粒径が小さくてもよいが、砕料準備のための前粉砕処理が必要となる。
【0031】
砕料貯留槽2に投入され、貯留槽2の最下部に設けられた砕料取り出しコンベア3にて砕料1は取り出される。4はコンベア3用のモーターである。
【0032】
コンベア3の先端は砕料投入管5に接続されており、砕料投入管5の途中には砕料1の供給量を調節する供給量調節バルブ6が設けられている。更に、砕料1の含水率を調整するための水系液体供給手段である液体供給管7が接続(付設)されている。水系液体としては、水又はアルコール等を好適に使用できる。供給形態は、図示は省略するが、滴下又は噴霧とする。ここで、含水率は、通常、10〜50%、望ましくは15〜30%とする。
【0033】
含水率を調整した砕料1は、砕料投入管5を経て、微粉砕機Bの密閉粉砕室11に投入される。
【0034】
2)微粉砕機B:
本実施形態では、微粉砕機は竪型である。
【0035】
即ち、密閉粉砕室11は、垂直回転する扁平円筒状の粉砕カップ12と、該粉砕カップ12の回転時気密を維持するパッキン29を保持する粉砕室カバー28で主体部が形成されている。
【0036】
粉砕カップ12は、軸受14、15に支持されたカップ駆動軸(水平軸)13に保持されて、垂直設置されている。
【0037】
粉砕カップ12の駆動回転手段は、下記の如くである。
【0038】
カップ駆動軸13には、回転駆動させるための捲掛け伝動の従動輪(Vプーリーやチェーンホイール)16が取り付けられている。モーター17の出力軸には、同じく駆動輪(Vプーリー又はチェーンホイール)18が取り付けられている。モーター17は架台24に取り付けられている。
【0039】
粉砕カップ12内には、周壁内面19を1個乃至複数個の圧砕ローラー20が従動転動(回転)可能に配されている。圧砕ローラー20は、回転軸(垂直軸)21を介して軸受22、23にて保持されている。
【0040】
なお、24は装置架台であり、25はカップ駆動軸13の軸受14、15の架台である。26は回転軸21の軸受22、23の架台である。
【0041】
粉砕カップ12の前面にはパッキン用の内フランジ27が形成されている。装置架台24に設けられた粉砕室カバー28と粉砕カップ12の内フランジ27との間に設けられたパッキン29にて、粉砕カップ12と粉砕室カバー28との間における密閉粉砕室11の回転時気密が維持される。
【0042】
粉砕室カバー28と回転軸21との間の軸封(回転時気密)構造は、パッキンを保持したパッキンケース30で形成されている。
【0043】
図2に示す如く、粉砕カップ12が左に垂直回転31すれば圧砕ローラー20も左に従動転動(従動回転)32する。すると、砕料投入管5にて密閉粉砕室11に投入された砕料1は、圧砕ローラー20が配されている周壁低位置側に自重落下(移動)し、更に、圧砕ローラー20と粉砕カップ12の周壁内面19との接触部位19aで挟み込まれ、徐々に圧縮されて周壁内面19との接触部位19aで圧縮・摩耗作用により粉砕される。粉砕された砕製物は粉砕カップ12の回転により遠心力で粉砕カップ12の周壁に張り付きながら再び圧砕ローラー20と粉砕カップ12の周壁内面(転動面)19との接触部位19aに移送されて挟み込まれ、同様にして粉砕される。この粉砕加工を何回も繰り返すことにより、砕製物の微細化が進む。そして、軽量な微粒子(又は超微粒子)33となり、砕製物流出管35の入口(密閉粉砕室11の砕製物出口)35aに導入されて、砕製物流出管35から流出する。
【0044】
また、砕製物流出管35の入口35aの位置は、図面では旋回気流の前進方向に対面しているが、必ずしも旋回気流の前進方向に対面していなくてもよい。旋回気流は空気抵抗の小さい方向に案内されるためである。
【0045】
必然的ではないが、図例の如く、粉砕室カバー28にスクレーパ(掻き板や掻取りブラシ)58を取り付けておくことが望ましい。周壁内面19に付着物(砕製物等の)が生成した場合、該付着物を連続的に掻き取り除去することができ、粉砕機運転の安定化に寄与する。
【0046】
3)捕集装置C:
捕集装置は、砕製物流出管35と捕集器(サイクロン)38とで構成されている。
【0047】
本実施形態では、必須ではないが、砕製物流出管35の途中にはヒーター36が取付けられている。ヒーターとしては、通常、電気ヒーター(抵抗加熱、誘導加熱、高周波加熱)を用いるが、ジャケット(過熱蒸気)加熱でもよい。また、図例では砕製物流出管35の管外にヒーター36を取付けたが、管内にシーズドヒーター等を配することもできる。
【0048】
上記ヒーター36の取付け部位は、砕製物流出管35の管内が、200〜1000℃の範囲の設定温度にコントロールされて、後粉砕ゾーンとされる。この後粉砕ゾーンに流出してきた微粒子33は含液(水系液体)分が残留しているため、加熱により含液が水蒸気となり、蒸気爆発が起き、自爆して、砕製物は粉砕されて、更に微細な砕製物(微粒子)37が得られる。
【0049】
そして、後粉砕ゾーン(ヒーター36配設部位)を通るとき、爆発と共に体積が増大することによって上昇流も起き、砕製物流出管35を通って捕集器38の入口接続管39を経て流入し、捕集器(サイクロン)38にて沈降分離して製品40が得られる。なお、41は製品コンテナである。
【0050】
(2)第二実施形態(図3・4・5・6):
図3・4に示す第二実施形態は、横型の微粉砕機である。
【0051】
第一実施形態において、竪型(垂直回転)の粉砕カップを横型(水平回転式)としたものである。第一実施形態と同一部分については、同一図符号を付して、それらの説明の全部又は一部を省略する。以下、主として第一実施形態と異なる点について説明する。
【0052】
粉砕カップ12Aが水平回転44するとともに、1個又は複数個の圧砕ローラー20が粉砕カップ12Aの周壁内面19に接しながら従動転動(水平回転)45可能に保持されている。
【0053】
即ち、粉砕カップ12Aは水平に設置され、粉砕カップ12Aの底面に結合されたカップ駆動軸(垂直軸)13が、軸受14、15を介して架台24に支持されている。
【0054】
砕料投入管5の出口は、粉砕カップ12Aの中央部(軸心位置)に臨んでいる。また、圧砕ローラー20は、1個又は複数個が、粉砕カップ12Aの周壁内面19に接して、従動転動(水平回転)可能に配されている。即ち、圧砕ローラー20は、軸受22、23にて垂直に取り付けられた回転軸(垂直軸)21の下端に水平に保持されている。
【0055】
粉砕室カバー28Aは、装置架台24のカバー受けリブ43に固定されている。ここで、粉砕室カバー28Aと、粉砕カップ12Aとの回転時気密は、粉砕室カバー28Aの裏面に保持されたパッキン29と粉砕カップ12Aの内フランジ27を介して維持される。粉砕室カバー28Aと回転軸21との軸封(回転時気密構造)は、パッキンケース30で形成されている。
【0056】
また、本実施形態では、砕製物流出管35のヒーター36の取付け部位(加熱ゾーン)の手前の入口35aが、旋回気流の前進方向に対面しているとともに、テーパ状とされている。粉砕カップ12Aの水平回転44により発生する旋回気流を砕製物流出管35内へ円滑に導入させるためである。
【0057】
また、図例では、砕製物流出管35の入口35a(密閉粉砕室11Aの砕製物出口)は、旋回気流の前進方向に対面しているが、必然的ではない。旋回気流は空気抵抗の小さい方向である砕製物流出管35の入口35aに案内されるため、導入効率は低下するが、砕製物33は、砕製物流出管35に導入される。
【0058】
密閉粉砕室11A内の粉砕カップ12Aの中央部に投入された砕料は、粉砕カップ12Aの水平回転44による遠心力により放射方向に移動し周壁内面19に張り付く。同時に、圧砕ローラー20は周壁内面19を従動転動(水平回転)45する。このため、周壁内面19に遠心力により張り付いた砕料は、第一実施形態と同様、圧砕ローラー20と、粉砕カップ12Aの周壁内面19の接触部位19aで繰り返し粉砕される。こうして、砕料1は微粉(砕製物)33となって軽くなる。すると、砕製物33は、粉砕カップ12Aの水平回転44により発生する旋回気流により巻き上げられ(浮き上がり)、該旋回気流の前進方向に対面する、砕製物流出管35のテーパ状の入口35aに効率良く導入される。
【0059】
そして、第一実施形態と同様に、ヒーター36取付け部位で蒸気爆発微細化(後粉砕)されて更に微細な微細砕製物37となって捕集器(サイクロン)38に流入し、最終砕製物(処理品)40が得られる。
【0060】
なお、図5・6は、上記実施形態において、圧砕ローラーを下向きテーパ状(逆円錐台状)20A又は上向きテーパ状(円錐台状)20Bとしたものである。テーパ角度(軸心に対して)は、例えば、5〜15°とする。
【0061】
圧砕ローラーの回転により、砕料は粉砕されながら圧砕ローラー20A、20Bの周面を上昇しようとする。その際、砕料の比重が小さい程上昇しやすい。したがって、圧砕ローラーが周面垂直の場合に比して、下向きテーパ状20Aであれば、砕料の上昇が抑制され、上向きテーパ状20Bであれば、砕料の上昇が促進される。したがって、砕料の比重が小さい場合、下向きテーパ状の圧砕ローラー20Aを、砕料の比重が大きい場合、上向きテーパ状の圧砕ローラー20Bを適宜使用すれば、圧砕ローラー20A、20Bの周面の高さ(幅)方向全域に亘る均一な粉砕が期待できる。
【0062】
(3)第三実施形態(図7・8・9):
第二実施形態と同じく横型の微粉砕機であるが、圧砕ローラー20の従動転動する方向が異なっている。
【0063】
以下、第二実施形態と同一部分については、同一図符号を付してそれらの説明の全部又は一部を省略する。以下、主として第二実施形態と異なる点について説明する。
【0064】
圧砕ローラー20が、粉砕カップ12Bの底壁上面(水平円盤面)47を垂直状態で、粉砕カップ12Bの周壁内面19側に沿って転動従動(垂直回転)45Aするものである。そして、圧砕ローラー20と、粉砕カップ12Bの底壁上面47の接触部位47aで繰り返し粉砕される。
【0065】
本装置の粉砕室カバー28Bは筒状体で形成され、粉砕カップ12Bと粉砕室カバー28Bとの回転時気密は、粉砕室カバー28Bの下端面に保持されたパッキン29にて同様に維持される。また、圧砕ローラー20の回転軸21の軸封は、パッキンケース30で形成されている。
【0066】
砕製物(微粉)33は、粉砕カップ12Bの回転による旋回気流により浮上が促進されて、密閉粉砕室11Bを構成する粉砕室カバー28Bから、砕製物流出管35のテーパ状の入口35aに導入され、同様にして、捕集器(サイクロン)38で捕集されるものである。また、同様に、砕製物が含液状態の場合、入口35aの直上のヒーター36の取付け部位で蒸気爆発による後粉砕も行なわれ、更なる微細な砕製物(超微粉)37を得ることができる。
【0067】
(4)第四実施形態(図10・11)
本実施形態の粉砕機は、粉砕カップ12Cを固定式としたもので、第一〜第三実施形態の粉砕カップが回転式の場合と大きく異なる。
【0068】
すなわち、圧砕ローラー20Cを、駆動回転体46と一体回転する旋回アーム21Cの先端に垂直回転自在にベアリング(図示せず)保持して旋回55させることにより、粉砕カップ12Cの周壁内面49側に沿って公転させて粉砕カップ12Cの底壁上面47を従動転動56させるものである。
【0069】
粉砕カップ12Cは固定式であるため密閉粉砕室11Cを回転時密封するためのパッキンを保持する粉砕室カバーは不要である。
【0070】
有底筒状体である粉砕カップ12Cの周壁内面49は、圧砕ローラー20Cとの外周側接触部位である下端(底面隅)50より逆テーパ状に上方へ広がっている。このとき、粉砕カップ12Cのテーパ角度は5°〜15°程度が望ましく、また、高さは粉砕カップ12Cの半径以下とする。
【0071】
圧砕ローラー20Cの周壁内面49に対面する側は、底面隅50を基点として周壁内面49の角度に合致する角度を有した円錐(笠状)部51とされて周壁内面49に接して回転可能となっている。
【0072】
垂直回転する圧砕ローラー20Cの径は、粉砕カップ12Cの高さを超えないものとする。圧砕ローラー20Cは、一個から複数個(図例では2個)設置できる。
【0073】
旋回アーム21Cの元端部は駆動回転体(シャフト治具)46に取り付けられている。駆動回転体46は粉砕カップ12Cの中心に駆動回転軸(垂直回転軸)52に固定されている。粉砕カップ12Cの駆動回転軸52の軸封は、パッキンケース30で形成されている。
【0074】
駆動回転軸52は、装置架台24に取り付けられた軸受14、15によって垂直支持されている。図中、16は駆動回転軸52に取り付けられた巻き掛け用の従動輪であり、17は駆動モーターであり、18はモーター17の出力軸側の同じく従動輪である。
【0075】
駆動回転体46の上部は円錐部(笠状部)46aとされており、その頂点に対して砕料投入管5の入り口5aが臨んでいる。砕料(原料)は円錐部46a上に投入されて、駆動回転体46の回転により放射方向に放散される。また、駆動回転体46の最下部に、回転により外周へ向けて砕料を掻き出す、スクレーパ(掻き出し板乃至掻き出し羽根)54、54Aが取り付けられている。そして、一方のスクレーパ54Aは、その先端を粉砕カップ12Cの周壁内面49まで延設させて周壁内面49の付着物(砕製物)を連続的に掻き出し除去できるようにしておくことが望ましい。粉砕運転の安定化に寄与する。スクレーパはブラシで形成してもよい。
【0076】
このスクレーパ54、54Aにて外周部に掻き出された砕料1は、圧砕ローラー20Cと粉砕カップ12Cの底壁上面47との接触部位47aで粉砕されると共に、円錐部51と、粉砕カップ12Cの周壁内面49との接触部位49aにても粉砕される。
【0077】
微粉砕された砕料1の砕製物(微粉)33は、軽量になること、及び、圧砕ローラー20Cの回転による旋回気流の発生が相まって舞い上がり(浮上)し、砕製物流出管35のテーパ状の入口35aを経て、同様に、流出管35のヒーター36の取付け部位で、蒸気爆発及び自爆にてさらに微細化される。図例中、55は、駆動回転体46の回転方向であり、56は、圧砕ローラー20Cの回転方向であり57は砕料1の移動方向である。
【0078】
上記各実施形態の微粉砕機および微粉砕処理設備のメリットを挙げると下記の如くになる。
【0079】
・炭カル、石灰石、ケイ砂、カーボン、ブドウ糖、顔料、化粧品、医薬品等の微粉(砕製物)を容易に得ることができる。
【0080】
・小型装置から大型装置まで幅広く製作できる。
【0081】
・圧砕ローラー数を増加することにより、必要とする処理量を安価に増大させることもできる。
【0082】
・粉砕カップの回転数を変えたり、粉砕カップと圧砕ローラーの微小隙間(圧接力)を変更したり、更に、ヒーターの設定温度を変えることによって上昇流の流速が変わることから舞い上がる量も変わり、砕製物(微粉)の粒度および単位時間当処理量を調整することができる。
【実施例】
【0083】
図1に示す微粉砕処理設備において、下記条件で実験を行なった結果、平均粒度(メディアン)20μmの砕製物(微粉)を得ることができた。
【0084】
砕料(砕料) 廃プラスチックカーボン
砕料粒度 8mesh篩下40mesh篩上
ヒーター バンドヒーター Φ50mm×6kw
ヒーター設定温度 350℃
粉砕方式 垂直受け粉砕カップ
粉砕室寸法 Φ400mm×高さ70mm
圧砕ローラー Φ130mm×幅65mm×1個
粉砕カップ回転数 150rpm
回転動力 3.7kw
捕集装置(サイクロン) Φ400mm×高さ1800mm
処理量 35kg/h
【符号の説明】
【0085】
1・・・砕料(原料)
2・・・砕料貯留槽
3・・・砕料取り出しコンベア
5・・・砕料投入管
6・・・供給量調節バルブ
7・・・液体供給管
11、11A、11B、11C・・・密閉粉砕室
12、12A、12B・・・回転式の粉砕カップ
12C・・・固定式の粉砕カップ
18・・・モーター側の駆動輪
19・・・粉砕カップの周壁内面
19a・・・圧砕ローラーと粉砕カップ周壁内面との接触部位
20、20A、20B、20C・・・圧砕ローラー
28・・・粉砕室カバー
29・・・粉砕室カバー保持パッキン
31・・・パッキンケース
35・・・砕製物流出管
35a・・・砕製物流出管の入口
36・・・ヒーター
37・・・微細砕製物
38・・・捕集器(サイクロン)
47・・・粉砕カップの底壁上面
47a・・・圧砕ローラーと粉砕カップの底壁上面との接触部位
49・・・粉砕カップの周壁内面
【技術分野】
【0001】
本発明は、砕料を投入した粉砕カップの内壁面で圧砕ローラーを転動させて、粉砕カップの内壁面と圧砕ローラーの周面との間で圧縮・摩耗粉砕を行なう新規な構成の微粉砕機及び該微粉砕機を用いる微粉砕処理設備に関する。
【0002】
本発明の微粉砕機および微粉砕処理設備は、有機・無機質の砕料(固体砕料)を問わず、粒状砕料(砕料)から微粉末(数μm)の砕製物(粉砕製品)を得るのに好適なものである。
【背景技術】
【0003】
微粉砕機とは、通常、10〜3mmの砕料から100メッシュ(147μm)以下の砕製物を得るのに使用する機械のことである(非特許文献1、p410、「粉砕機」の項参照)。
【0004】
微粉砕機には、ボールミル、チューブミル、ロッドミル、振動ボールミル、ハイスイングボールミル、リングローラーミル、ボールローラーミル、アトリションミル等がある(同項の表参照)。
【0005】
しかし、これらの微粉砕機は、複雑な構造(振動機構を含む。)であったり、粉砕媒体を必要とし、粉砕媒体と砕製物の分離等の面倒な後処理が必要であったりした。
【0006】
なお、本発明と同様に、砕料を投入した円盤状の粉砕カップの底壁の内側面(円盤面)を、圧砕ローラーを転動させて、転動面(内壁面)と圧砕ローラーとの間で粉砕する機構を有するものとして、エッジランナー(フレットミル)と称されるものがある(非特許文献2、p1282〜1283参照)。
【0007】
しかし、エッジランナーは、本発明の粉砕機と下記の点で相違する。
【0008】
・中粉砕を予定しており本発明の如く微粉砕を予定していない。
【0009】
・微粉砕を予定していないため、本発明の如く密閉粉砕室を有しない。
【0010】
・粉砕カップ(円盤)は原則固定で、本発明の如く、粉砕カップを高速回転させて圧砕ローラーを従動転動させることを予定していない(粉砕カップが回転式の場合)。
【0011】
・圧砕ローラーは重量物であって低速公転を予定しており、本発明の如く高速公転(遠心力乃至旋回気流が発生する。)させることを予定していない(粉砕カップが回転式の場合)。
【0012】
なお、本発明の特許性に影響を与えるものではないが、回転する臼に押しローラーを追従回転(従動回転)させ炭素砕料を粉砕する技術的思想(発明)が特許文献1において提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】化学工学協会編「化学工学辞典」(昭和49年5月30日)、丸善、p410、「粉砕機」の項
【非特許文献2】化学工学協会編「改訂四版化学工学便覧」(昭53‐10‐25)、丸善、p1281〜1283、
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2004−160429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、簡単な構造で、且つ、粉砕媒体等を必要とせずに微粉砕が可能な微粉砕機および微粉砕処理設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意開発に努力をした結果、下記各構成の微粉砕機(1)、(2)に想到した。
【0017】
(1)砕料が投入される回転式の粉砕カップと、該粉砕カップの回転時気密を維持するパッキンを保持する粉砕室カバーとで主体部が形成される密閉粉砕室と、
前記粉砕カップの周壁内面を、又は周壁内面側に沿って底壁上面を従動転動する1個以上の圧砕ローラーを備え、
前記粉砕室カバーは、砕料投入管および砕製物流出管が接続可能とされている、ことを特徴とする。
【0018】
粉砕カップを回転させるとともに、砕料を粉砕カップ内に砕料投入管から投入する。すると、圧砕ローラーが内周壁又は内底壁を従動転動するとともに、砕料は遠心力により圧砕ローラーの転動面である粉砕カップの周壁方向へ移動する。このため、砕料は圧砕ローラーと周壁内側又は底壁面との間(両者の接触部位)に噛み(挟み)込まれ、圧縮・磨耗粉砕(圧砕)される。
【0019】
粉砕後の砕製物(微粉)は、軽くなるとともに粉砕カップの回転により発生する旋回気流も相まって、浮上して砕製物流出管の入口に流入して、捕集器(サイクロン等)で捕集される。
【0020】
(2)砕料が投入される固定式の粉砕カップで主体部が形成される密閉粉砕室と、
前記粉砕カップの周壁内面を、又は周壁内面側に沿って底壁上面を従動転動する1個以上の圧砕ローラーを備え、
前記圧砕ローラーは前記粉砕カップの軸心に配された駆動回転体と一体回転する旋回アームの先端に回転自在に保持され、
前記密閉粉砕室には砕料投入管および砕製物流出管が接続可能とされている、ことを特徴とする。
【0021】
この微粉砕機は、上記(1)の構成において、粉砕カップを固定式とし、圧砕ローラーを軸心に配した駆動回転体の旋回アームで公転させて粉砕カップを転動させるものである。
【0022】
粉砕機構は上記(1)と略同様である。ただし、旋回気流が(2)では旋回アームの回転により発生する。このため、旋回気流の発生量が(1)に比して(2)の方が相対的に大きい。したがって、(1)の構成の微粉砕機が相対的に比重の小さな砕料に適しているのに対し、(2)の構成の微粉砕機が比重の大きな砕料に適している。
【0023】
上記各構成の微粉砕機を用いた、好適な微粉砕処理設備の構成は下記の如くになる。
【0024】
微粉砕機と、該微粉砕機の前記密閉粉砕室に前記砕料投入管を介して密閉的に砕料を投入可能な砕料投入手段と、前記密閉粉砕室で粉砕した砕製物を、前記砕製物流出管を介して捕集回収する捕集手段とを備えていることを特徴とする。
【0025】
上記微粉砕処理設備において、砕料投入管に、適宜、水系液体供給器を接続するとともに、前記砕製物流出管の前記密閉粉砕室側に加熱手段(ヒーター)を配して該部位で蒸気爆発による後微粉砕を可能とする、ことが好ましい。該蒸気爆発による凝集粉体の更なる微粉化が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】粉砕カップが垂直回転式である本発明の微粉砕処理設備の一例(第一実施形態)を示す概略断面図である。
【図2】図1の実施形態における密閉粉砕室のII−II線矢視断面図である。
【図3】粉砕カップおよび圧砕ローラーが共に水平回転式である本発明の微粉砕処理設備の一例(第二実施形態)を示す概略断面図である。
【図4】図3において圧砕ローラーを複数個とした場合の、圧砕ローラーと粉砕カップとの平面位置関係図である。
【図5】同じく圧砕ローラーがテーパ状である場合の、圧砕ローラーと粉砕カップとの関係を示す概略垂直断面図である。
【図6】同じく圧砕ローラーが逆テーパ状である場合の圧砕ローラーと粉砕カップとの関係を示す概略垂直断面図である。
【図7】図3において、圧砕ローラーを垂直回転式とした微粉砕処理設備の一例(第三実施形態)を示す概略断面図である。
【図8】第三実施形態において圧砕ローラーを複数個とした場合の圧砕ローラーと粉砕カップとの平面位置関係図である。
【図9】同じく圧砕ローラーと粉砕カップとの関係を示す概略垂直断面図である。
【図10】粉砕カップが固定式である本発明の微粉砕機の一例(第四実施形態)を示す概略断面図である。
【図11】第四実施形態における圧砕ローラーと粉砕カップとの平面位置関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の微粉砕機の各実施形態を用いた微粉砕処理設備について、図例に基づいて詳細に説明する。
【0028】
(1)第一実施形態(図1・2):
本実施形態の微粉砕処理設備は、微粉砕機に砕料を供給(投入)する砕料供給手段(砕料投入装置)Aと、砕料を微粉砕する竪型の微粉砕手段(微粉砕機)Bと、微粉砕された砕製物を捕集する捕集手段(捕集装置)Cを備えている。
【0029】
1)砕料(原料)供給装置A:
砕料供給装置は、砕料貯留槽2と取り出しコンベア3と砕料投入管5とを主要構成体とする。
【0030】
ここで、砕料(原料)1の粒度は、通常、10〜0.3mm、(望ましくは5〜0.5mm)とする。砕料の粒度が大きいと微粉砕機Bにおける微粉砕処理に時間がかかるとともに、微粉砕物を得難い。逆に、砕料の粒径が小さくてもよいが、砕料準備のための前粉砕処理が必要となる。
【0031】
砕料貯留槽2に投入され、貯留槽2の最下部に設けられた砕料取り出しコンベア3にて砕料1は取り出される。4はコンベア3用のモーターである。
【0032】
コンベア3の先端は砕料投入管5に接続されており、砕料投入管5の途中には砕料1の供給量を調節する供給量調節バルブ6が設けられている。更に、砕料1の含水率を調整するための水系液体供給手段である液体供給管7が接続(付設)されている。水系液体としては、水又はアルコール等を好適に使用できる。供給形態は、図示は省略するが、滴下又は噴霧とする。ここで、含水率は、通常、10〜50%、望ましくは15〜30%とする。
【0033】
含水率を調整した砕料1は、砕料投入管5を経て、微粉砕機Bの密閉粉砕室11に投入される。
【0034】
2)微粉砕機B:
本実施形態では、微粉砕機は竪型である。
【0035】
即ち、密閉粉砕室11は、垂直回転する扁平円筒状の粉砕カップ12と、該粉砕カップ12の回転時気密を維持するパッキン29を保持する粉砕室カバー28で主体部が形成されている。
【0036】
粉砕カップ12は、軸受14、15に支持されたカップ駆動軸(水平軸)13に保持されて、垂直設置されている。
【0037】
粉砕カップ12の駆動回転手段は、下記の如くである。
【0038】
カップ駆動軸13には、回転駆動させるための捲掛け伝動の従動輪(Vプーリーやチェーンホイール)16が取り付けられている。モーター17の出力軸には、同じく駆動輪(Vプーリー又はチェーンホイール)18が取り付けられている。モーター17は架台24に取り付けられている。
【0039】
粉砕カップ12内には、周壁内面19を1個乃至複数個の圧砕ローラー20が従動転動(回転)可能に配されている。圧砕ローラー20は、回転軸(垂直軸)21を介して軸受22、23にて保持されている。
【0040】
なお、24は装置架台であり、25はカップ駆動軸13の軸受14、15の架台である。26は回転軸21の軸受22、23の架台である。
【0041】
粉砕カップ12の前面にはパッキン用の内フランジ27が形成されている。装置架台24に設けられた粉砕室カバー28と粉砕カップ12の内フランジ27との間に設けられたパッキン29にて、粉砕カップ12と粉砕室カバー28との間における密閉粉砕室11の回転時気密が維持される。
【0042】
粉砕室カバー28と回転軸21との間の軸封(回転時気密)構造は、パッキンを保持したパッキンケース30で形成されている。
【0043】
図2に示す如く、粉砕カップ12が左に垂直回転31すれば圧砕ローラー20も左に従動転動(従動回転)32する。すると、砕料投入管5にて密閉粉砕室11に投入された砕料1は、圧砕ローラー20が配されている周壁低位置側に自重落下(移動)し、更に、圧砕ローラー20と粉砕カップ12の周壁内面19との接触部位19aで挟み込まれ、徐々に圧縮されて周壁内面19との接触部位19aで圧縮・摩耗作用により粉砕される。粉砕された砕製物は粉砕カップ12の回転により遠心力で粉砕カップ12の周壁に張り付きながら再び圧砕ローラー20と粉砕カップ12の周壁内面(転動面)19との接触部位19aに移送されて挟み込まれ、同様にして粉砕される。この粉砕加工を何回も繰り返すことにより、砕製物の微細化が進む。そして、軽量な微粒子(又は超微粒子)33となり、砕製物流出管35の入口(密閉粉砕室11の砕製物出口)35aに導入されて、砕製物流出管35から流出する。
【0044】
また、砕製物流出管35の入口35aの位置は、図面では旋回気流の前進方向に対面しているが、必ずしも旋回気流の前進方向に対面していなくてもよい。旋回気流は空気抵抗の小さい方向に案内されるためである。
【0045】
必然的ではないが、図例の如く、粉砕室カバー28にスクレーパ(掻き板や掻取りブラシ)58を取り付けておくことが望ましい。周壁内面19に付着物(砕製物等の)が生成した場合、該付着物を連続的に掻き取り除去することができ、粉砕機運転の安定化に寄与する。
【0046】
3)捕集装置C:
捕集装置は、砕製物流出管35と捕集器(サイクロン)38とで構成されている。
【0047】
本実施形態では、必須ではないが、砕製物流出管35の途中にはヒーター36が取付けられている。ヒーターとしては、通常、電気ヒーター(抵抗加熱、誘導加熱、高周波加熱)を用いるが、ジャケット(過熱蒸気)加熱でもよい。また、図例では砕製物流出管35の管外にヒーター36を取付けたが、管内にシーズドヒーター等を配することもできる。
【0048】
上記ヒーター36の取付け部位は、砕製物流出管35の管内が、200〜1000℃の範囲の設定温度にコントロールされて、後粉砕ゾーンとされる。この後粉砕ゾーンに流出してきた微粒子33は含液(水系液体)分が残留しているため、加熱により含液が水蒸気となり、蒸気爆発が起き、自爆して、砕製物は粉砕されて、更に微細な砕製物(微粒子)37が得られる。
【0049】
そして、後粉砕ゾーン(ヒーター36配設部位)を通るとき、爆発と共に体積が増大することによって上昇流も起き、砕製物流出管35を通って捕集器38の入口接続管39を経て流入し、捕集器(サイクロン)38にて沈降分離して製品40が得られる。なお、41は製品コンテナである。
【0050】
(2)第二実施形態(図3・4・5・6):
図3・4に示す第二実施形態は、横型の微粉砕機である。
【0051】
第一実施形態において、竪型(垂直回転)の粉砕カップを横型(水平回転式)としたものである。第一実施形態と同一部分については、同一図符号を付して、それらの説明の全部又は一部を省略する。以下、主として第一実施形態と異なる点について説明する。
【0052】
粉砕カップ12Aが水平回転44するとともに、1個又は複数個の圧砕ローラー20が粉砕カップ12Aの周壁内面19に接しながら従動転動(水平回転)45可能に保持されている。
【0053】
即ち、粉砕カップ12Aは水平に設置され、粉砕カップ12Aの底面に結合されたカップ駆動軸(垂直軸)13が、軸受14、15を介して架台24に支持されている。
【0054】
砕料投入管5の出口は、粉砕カップ12Aの中央部(軸心位置)に臨んでいる。また、圧砕ローラー20は、1個又は複数個が、粉砕カップ12Aの周壁内面19に接して、従動転動(水平回転)可能に配されている。即ち、圧砕ローラー20は、軸受22、23にて垂直に取り付けられた回転軸(垂直軸)21の下端に水平に保持されている。
【0055】
粉砕室カバー28Aは、装置架台24のカバー受けリブ43に固定されている。ここで、粉砕室カバー28Aと、粉砕カップ12Aとの回転時気密は、粉砕室カバー28Aの裏面に保持されたパッキン29と粉砕カップ12Aの内フランジ27を介して維持される。粉砕室カバー28Aと回転軸21との軸封(回転時気密構造)は、パッキンケース30で形成されている。
【0056】
また、本実施形態では、砕製物流出管35のヒーター36の取付け部位(加熱ゾーン)の手前の入口35aが、旋回気流の前進方向に対面しているとともに、テーパ状とされている。粉砕カップ12Aの水平回転44により発生する旋回気流を砕製物流出管35内へ円滑に導入させるためである。
【0057】
また、図例では、砕製物流出管35の入口35a(密閉粉砕室11Aの砕製物出口)は、旋回気流の前進方向に対面しているが、必然的ではない。旋回気流は空気抵抗の小さい方向である砕製物流出管35の入口35aに案内されるため、導入効率は低下するが、砕製物33は、砕製物流出管35に導入される。
【0058】
密閉粉砕室11A内の粉砕カップ12Aの中央部に投入された砕料は、粉砕カップ12Aの水平回転44による遠心力により放射方向に移動し周壁内面19に張り付く。同時に、圧砕ローラー20は周壁内面19を従動転動(水平回転)45する。このため、周壁内面19に遠心力により張り付いた砕料は、第一実施形態と同様、圧砕ローラー20と、粉砕カップ12Aの周壁内面19の接触部位19aで繰り返し粉砕される。こうして、砕料1は微粉(砕製物)33となって軽くなる。すると、砕製物33は、粉砕カップ12Aの水平回転44により発生する旋回気流により巻き上げられ(浮き上がり)、該旋回気流の前進方向に対面する、砕製物流出管35のテーパ状の入口35aに効率良く導入される。
【0059】
そして、第一実施形態と同様に、ヒーター36取付け部位で蒸気爆発微細化(後粉砕)されて更に微細な微細砕製物37となって捕集器(サイクロン)38に流入し、最終砕製物(処理品)40が得られる。
【0060】
なお、図5・6は、上記実施形態において、圧砕ローラーを下向きテーパ状(逆円錐台状)20A又は上向きテーパ状(円錐台状)20Bとしたものである。テーパ角度(軸心に対して)は、例えば、5〜15°とする。
【0061】
圧砕ローラーの回転により、砕料は粉砕されながら圧砕ローラー20A、20Bの周面を上昇しようとする。その際、砕料の比重が小さい程上昇しやすい。したがって、圧砕ローラーが周面垂直の場合に比して、下向きテーパ状20Aであれば、砕料の上昇が抑制され、上向きテーパ状20Bであれば、砕料の上昇が促進される。したがって、砕料の比重が小さい場合、下向きテーパ状の圧砕ローラー20Aを、砕料の比重が大きい場合、上向きテーパ状の圧砕ローラー20Bを適宜使用すれば、圧砕ローラー20A、20Bの周面の高さ(幅)方向全域に亘る均一な粉砕が期待できる。
【0062】
(3)第三実施形態(図7・8・9):
第二実施形態と同じく横型の微粉砕機であるが、圧砕ローラー20の従動転動する方向が異なっている。
【0063】
以下、第二実施形態と同一部分については、同一図符号を付してそれらの説明の全部又は一部を省略する。以下、主として第二実施形態と異なる点について説明する。
【0064】
圧砕ローラー20が、粉砕カップ12Bの底壁上面(水平円盤面)47を垂直状態で、粉砕カップ12Bの周壁内面19側に沿って転動従動(垂直回転)45Aするものである。そして、圧砕ローラー20と、粉砕カップ12Bの底壁上面47の接触部位47aで繰り返し粉砕される。
【0065】
本装置の粉砕室カバー28Bは筒状体で形成され、粉砕カップ12Bと粉砕室カバー28Bとの回転時気密は、粉砕室カバー28Bの下端面に保持されたパッキン29にて同様に維持される。また、圧砕ローラー20の回転軸21の軸封は、パッキンケース30で形成されている。
【0066】
砕製物(微粉)33は、粉砕カップ12Bの回転による旋回気流により浮上が促進されて、密閉粉砕室11Bを構成する粉砕室カバー28Bから、砕製物流出管35のテーパ状の入口35aに導入され、同様にして、捕集器(サイクロン)38で捕集されるものである。また、同様に、砕製物が含液状態の場合、入口35aの直上のヒーター36の取付け部位で蒸気爆発による後粉砕も行なわれ、更なる微細な砕製物(超微粉)37を得ることができる。
【0067】
(4)第四実施形態(図10・11)
本実施形態の粉砕機は、粉砕カップ12Cを固定式としたもので、第一〜第三実施形態の粉砕カップが回転式の場合と大きく異なる。
【0068】
すなわち、圧砕ローラー20Cを、駆動回転体46と一体回転する旋回アーム21Cの先端に垂直回転自在にベアリング(図示せず)保持して旋回55させることにより、粉砕カップ12Cの周壁内面49側に沿って公転させて粉砕カップ12Cの底壁上面47を従動転動56させるものである。
【0069】
粉砕カップ12Cは固定式であるため密閉粉砕室11Cを回転時密封するためのパッキンを保持する粉砕室カバーは不要である。
【0070】
有底筒状体である粉砕カップ12Cの周壁内面49は、圧砕ローラー20Cとの外周側接触部位である下端(底面隅)50より逆テーパ状に上方へ広がっている。このとき、粉砕カップ12Cのテーパ角度は5°〜15°程度が望ましく、また、高さは粉砕カップ12Cの半径以下とする。
【0071】
圧砕ローラー20Cの周壁内面49に対面する側は、底面隅50を基点として周壁内面49の角度に合致する角度を有した円錐(笠状)部51とされて周壁内面49に接して回転可能となっている。
【0072】
垂直回転する圧砕ローラー20Cの径は、粉砕カップ12Cの高さを超えないものとする。圧砕ローラー20Cは、一個から複数個(図例では2個)設置できる。
【0073】
旋回アーム21Cの元端部は駆動回転体(シャフト治具)46に取り付けられている。駆動回転体46は粉砕カップ12Cの中心に駆動回転軸(垂直回転軸)52に固定されている。粉砕カップ12Cの駆動回転軸52の軸封は、パッキンケース30で形成されている。
【0074】
駆動回転軸52は、装置架台24に取り付けられた軸受14、15によって垂直支持されている。図中、16は駆動回転軸52に取り付けられた巻き掛け用の従動輪であり、17は駆動モーターであり、18はモーター17の出力軸側の同じく従動輪である。
【0075】
駆動回転体46の上部は円錐部(笠状部)46aとされており、その頂点に対して砕料投入管5の入り口5aが臨んでいる。砕料(原料)は円錐部46a上に投入されて、駆動回転体46の回転により放射方向に放散される。また、駆動回転体46の最下部に、回転により外周へ向けて砕料を掻き出す、スクレーパ(掻き出し板乃至掻き出し羽根)54、54Aが取り付けられている。そして、一方のスクレーパ54Aは、その先端を粉砕カップ12Cの周壁内面49まで延設させて周壁内面49の付着物(砕製物)を連続的に掻き出し除去できるようにしておくことが望ましい。粉砕運転の安定化に寄与する。スクレーパはブラシで形成してもよい。
【0076】
このスクレーパ54、54Aにて外周部に掻き出された砕料1は、圧砕ローラー20Cと粉砕カップ12Cの底壁上面47との接触部位47aで粉砕されると共に、円錐部51と、粉砕カップ12Cの周壁内面49との接触部位49aにても粉砕される。
【0077】
微粉砕された砕料1の砕製物(微粉)33は、軽量になること、及び、圧砕ローラー20Cの回転による旋回気流の発生が相まって舞い上がり(浮上)し、砕製物流出管35のテーパ状の入口35aを経て、同様に、流出管35のヒーター36の取付け部位で、蒸気爆発及び自爆にてさらに微細化される。図例中、55は、駆動回転体46の回転方向であり、56は、圧砕ローラー20Cの回転方向であり57は砕料1の移動方向である。
【0078】
上記各実施形態の微粉砕機および微粉砕処理設備のメリットを挙げると下記の如くになる。
【0079】
・炭カル、石灰石、ケイ砂、カーボン、ブドウ糖、顔料、化粧品、医薬品等の微粉(砕製物)を容易に得ることができる。
【0080】
・小型装置から大型装置まで幅広く製作できる。
【0081】
・圧砕ローラー数を増加することにより、必要とする処理量を安価に増大させることもできる。
【0082】
・粉砕カップの回転数を変えたり、粉砕カップと圧砕ローラーの微小隙間(圧接力)を変更したり、更に、ヒーターの設定温度を変えることによって上昇流の流速が変わることから舞い上がる量も変わり、砕製物(微粉)の粒度および単位時間当処理量を調整することができる。
【実施例】
【0083】
図1に示す微粉砕処理設備において、下記条件で実験を行なった結果、平均粒度(メディアン)20μmの砕製物(微粉)を得ることができた。
【0084】
砕料(砕料) 廃プラスチックカーボン
砕料粒度 8mesh篩下40mesh篩上
ヒーター バンドヒーター Φ50mm×6kw
ヒーター設定温度 350℃
粉砕方式 垂直受け粉砕カップ
粉砕室寸法 Φ400mm×高さ70mm
圧砕ローラー Φ130mm×幅65mm×1個
粉砕カップ回転数 150rpm
回転動力 3.7kw
捕集装置(サイクロン) Φ400mm×高さ1800mm
処理量 35kg/h
【符号の説明】
【0085】
1・・・砕料(原料)
2・・・砕料貯留槽
3・・・砕料取り出しコンベア
5・・・砕料投入管
6・・・供給量調節バルブ
7・・・液体供給管
11、11A、11B、11C・・・密閉粉砕室
12、12A、12B・・・回転式の粉砕カップ
12C・・・固定式の粉砕カップ
18・・・モーター側の駆動輪
19・・・粉砕カップの周壁内面
19a・・・圧砕ローラーと粉砕カップ周壁内面との接触部位
20、20A、20B、20C・・・圧砕ローラー
28・・・粉砕室カバー
29・・・粉砕室カバー保持パッキン
31・・・パッキンケース
35・・・砕製物流出管
35a・・・砕製物流出管の入口
36・・・ヒーター
37・・・微細砕製物
38・・・捕集器(サイクロン)
47・・・粉砕カップの底壁上面
47a・・・圧砕ローラーと粉砕カップの底壁上面との接触部位
49・・・粉砕カップの周壁内面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
砕料が投入される回転式の粉砕カップと、該粉砕カップの回転時気密を維持するパッキンを保持する粉砕室カバーとで主体部が形成される密閉粉砕室と、
前記粉砕カップの周壁内面を、又は周壁内面側に沿って底壁上面を従動転動する1個以上の圧砕ローラーを備え、
前記粉砕室カバーは、砕料投入管および砕製物流出管が接続可能とされている、
ことを特徴とする微粉砕機。
【請求項2】
前記粉砕カップが垂直回転するとともに、前記圧砕ローラーが前記粉砕カップの周壁内面を従動転動(垂直回転)可能に保持されていることを特徴とする請求項1記載の微粉砕機。
【請求項3】
前記粉砕カップが水平回転するとともに、前記圧砕ローラーが前記粉砕カップの周壁内面を従動転動(水平回転)可能に保持されていることを特徴とする請求項1記載の微粉砕機。
【請求項4】
前記粉砕カップが水平回転するとともに、前記圧砕ローラーが前記粉砕カップの周壁内面側に沿って底面を従動転動(垂直回転)可能に保持されていることを特徴とする請求項1記載の微粉砕機。
【請求項5】
前記粉砕室カバーに接続される砕製物流出管の入口がテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか一記載の微粉砕機。
【請求項6】
砕料が投入される固定式の粉砕カップで主体部が形成される密閉粉砕室と、
前記粉砕カップの周壁内面を、又は周壁内面側に沿って底壁上面を従動転動する1個以上の圧砕ローラーを備え、
前記圧砕ローラーが、前記粉砕カップの軸心に配された駆動回転体と一体回転する旋回アームの先端に回転自在に保持され、
前記密閉粉砕室には砕料投入管および砕製物流出管が接続可能とされている、
ことを特徴とする微粉砕機。
【請求項7】
前記粉砕カップが水平であるとともに、駆動回転体の上に前記砕料投入管の出口を臨ませることを特徴とする請求項6記載の微粉砕機。
【請求項8】
前記駆動回転体には、さらに、外周方向へ砕料を掻き出すスクレーパが取り付けられ、砕料及び砕製物が、前記圧砕ローラーと前記粉砕カップの転動面との間を繰り返し往復移動可能とされていることを特徴とする請求項7記載の微粉砕機。
【請求項9】
請求項1〜8いずれか一記載の微粉砕機と、該微粉砕機の前記密閉粉砕室に前記砕料投入管を介して密閉的に砕料を投入可能な砕料投入手段と、前記密閉粉砕室で粉砕した砕製物を、前記砕製物流出管を介して捕集回収する捕集手段とを備えていることを特徴とする微粉砕処理設備。
【請求項10】
前記砕料投入管に、適宜、水系液体供給器が接続されるとともに、前記砕製物流出管に加熱手段が配されて、該部位で蒸気爆発による後微粉砕が可能とされていることを特徴とする請求項9記載の微粉砕処理設備。
【請求項1】
砕料が投入される回転式の粉砕カップと、該粉砕カップの回転時気密を維持するパッキンを保持する粉砕室カバーとで主体部が形成される密閉粉砕室と、
前記粉砕カップの周壁内面を、又は周壁内面側に沿って底壁上面を従動転動する1個以上の圧砕ローラーを備え、
前記粉砕室カバーは、砕料投入管および砕製物流出管が接続可能とされている、
ことを特徴とする微粉砕機。
【請求項2】
前記粉砕カップが垂直回転するとともに、前記圧砕ローラーが前記粉砕カップの周壁内面を従動転動(垂直回転)可能に保持されていることを特徴とする請求項1記載の微粉砕機。
【請求項3】
前記粉砕カップが水平回転するとともに、前記圧砕ローラーが前記粉砕カップの周壁内面を従動転動(水平回転)可能に保持されていることを特徴とする請求項1記載の微粉砕機。
【請求項4】
前記粉砕カップが水平回転するとともに、前記圧砕ローラーが前記粉砕カップの周壁内面側に沿って底面を従動転動(垂直回転)可能に保持されていることを特徴とする請求項1記載の微粉砕機。
【請求項5】
前記粉砕室カバーに接続される砕製物流出管の入口がテーパ状に形成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか一記載の微粉砕機。
【請求項6】
砕料が投入される固定式の粉砕カップで主体部が形成される密閉粉砕室と、
前記粉砕カップの周壁内面を、又は周壁内面側に沿って底壁上面を従動転動する1個以上の圧砕ローラーを備え、
前記圧砕ローラーが、前記粉砕カップの軸心に配された駆動回転体と一体回転する旋回アームの先端に回転自在に保持され、
前記密閉粉砕室には砕料投入管および砕製物流出管が接続可能とされている、
ことを特徴とする微粉砕機。
【請求項7】
前記粉砕カップが水平であるとともに、駆動回転体の上に前記砕料投入管の出口を臨ませることを特徴とする請求項6記載の微粉砕機。
【請求項8】
前記駆動回転体には、さらに、外周方向へ砕料を掻き出すスクレーパが取り付けられ、砕料及び砕製物が、前記圧砕ローラーと前記粉砕カップの転動面との間を繰り返し往復移動可能とされていることを特徴とする請求項7記載の微粉砕機。
【請求項9】
請求項1〜8いずれか一記載の微粉砕機と、該微粉砕機の前記密閉粉砕室に前記砕料投入管を介して密閉的に砕料を投入可能な砕料投入手段と、前記密閉粉砕室で粉砕した砕製物を、前記砕製物流出管を介して捕集回収する捕集手段とを備えていることを特徴とする微粉砕処理設備。
【請求項10】
前記砕料投入管に、適宜、水系液体供給器が接続されるとともに、前記砕製物流出管に加熱手段が配されて、該部位で蒸気爆発による後微粉砕が可能とされていることを特徴とする請求項9記載の微粉砕処理設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−148232(P2012−148232A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−8497(P2011−8497)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(510075387)活水プラント株式会社 (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(510075387)活水プラント株式会社 (7)
【Fターム(参考)】
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